1: 2013/08/11(日) 23:19:48 ID:TYHK6usY
※何番煎じか解らないネタ
※エレミカです
※キャラクター崩壊等注意
>>10巻までのネタバレ有り



ベルトルト『昔々、ある所にミカデレラという貧しい少女が居ました。』

ミカサ「私は貧しくても幸せだった。のに、両親は賊に殺されてしまった。」

ベルトルト『1人になってしまったミカデレラは、遠い親戚に育てられる事になりました。
ですが。』

2: 2013/08/11(日) 23:21:08 ID:TYHK6usY
ユミル「ほらミカデレラ、さっさと床を拭きな!」

ミカサ「……解りました、お母様。」

ユミル「たく、しっかりやれよ。」

ミカサ「適役過ぎて、怖い……。」ボソッ

ユミル「あ?なんか言ったか?」

ミカサ「なんでもありません。」フキフキ
進撃の巨人(34) (週刊少年マガジンコミックス)
3: 2013/08/11(日) 23:22:46 ID:TYHK6usY
サシャ「ごめんなさい、ミカデレラ。」

ミカサ「どうしたんでしょうか、お姉様。」

サシャ「間違えて、ミカデレラの分のパァンを食べてしまいました。
ごめんなさい、ふふふ」

ミカサ(絶対わざと……。)

ミカサ「いつもの事だから。」フキフキ

サシャ「本当にごめんなさい、ふふ。」

アニ「サシャ姉様。」

サシャ「」ビクゥ

サシャ「な、なんでしょうかアニ。」

4: 2013/08/11(日) 23:24:15 ID:TYHK6usY
アニ「私の分のパンもありませんが。」

サシャ「」ギク

サシャ「あ、あれ?おかしいですね……。」

アニ「あれだけ、『食べるのはミカデレラのに』って言ったのに、姉様は……。」ブツブツ

ミカサ(アニの敬語、なんだか気持ち悪い……。)

アニ「ミカデレラ。」

ミカサ「アニお姉様もどうしたんですか。」

アニ「手を止めてないでさっさとおやり。」

ミカサ「かしこまりました。」フキフキ

アニ「……。」

アニ(こんなに順応なミカサ、気持ち悪いね……。)

5: 2013/08/11(日) 23:25:06 ID:TYHK6usY
ベルトルト『引き取られた先で彼女は義母とその娘達に日々苛められたのです。
ですが、そんな彼女にはたった一つの希望がありました。』

アニ「そういえばミカデレラ。」

ミカサ「なんでしょう。」

アニ「なんでこんな暑いのに、毎日マフラーをつけるんだい?」

ミカサ「これは……私の宝物……。だからです。」

サシャ「変な宝物ですね」

6: 2013/08/11(日) 23:26:20 ID:TYHK6usY
ユミル「宝物か。なんなら私が預かってやるよ。」

ミカサ「このマフラーは、両親を頃した賊から、助けてくれた人がくれた物です。
だから、渡す事は出来ません。」

ユミル「そう言わずに。」ガシッ

ミカサ「やめて。放して。」

ユミル「預かってやろうって言ってんだよ!」イライラ

ミカサ「嫌、やめて。お母様。」ゴゴゴゴ

ユミル「」ビクッ

ユミル「わ、解ったよ……。」パッ

ユミル(凄ぇ殺気……。)

ミカサ「……。」

ベルトルト『彼女の希望、それは命の恩人から貰ったマフラーです。
彼女はいつか、その命の恩人に会い、感謝を言う事を夢見ていました。』

ミカサ(いつか、感謝を――。)

7: 2013/08/11(日) 23:27:07 ID:TYHK6usY
――――
――
ベルトルト『そんなある日の事でした。』

アルミン「ごめんくださーい。お手紙でーす。」コンコンコン

サシャ「ちょっとミカデレラ、取ってきてください。」

ミカサ「わかりました。」

ガチャ

ミカサ「……はい。」

アルミン「こんにちは。はい、これね。お城からの招待状。」

ミカサ「?お城から?」

アルミン「そうだよ。」

8: 2013/08/11(日) 23:27:54 ID:TYHK6usY
ミカサ「でも、なぜ?」

アルミン「舞踏会のお知らせだよ。兼、王子の婚約者を決めるそうだ。」

ミカサ「成る程。有難う。」

アルミン「確かに渡したからね。じゃあ。」

バタン

サシャ「誰からでしたか?」

ミカサ「お城から。舞踏会の招待状。」

サシャ「!!」

9: 2013/08/11(日) 23:29:14 ID:TYHK6usY
サシャ「ぶ、舞踏会ですか!?」

ミカサ「はい。」

サシャ「それじゃあ、美味しいもの食べ放題……!」ジュルリ

サシャ「おっかあっさまー!!」バタバタバタ

ユミル「サシャ、ちょっと静かにしてくれ。……で、なんだ?」

サシャ「お城から、舞踏会の招待状が届きました!!」

ユミル「!!?そ、それは本当か?」

ミカサ「本当。はい、お母様。」

ユミル「有難よ。」ビリビリビリ

フムフム...

ユミル「マジだった……。しかも王子の婚約者選びでもあるのか!サシャ!!玉の輿のチャンスだ!」

サシャ「解ってますよ!!絶対に行きます!!」

12: 2013/08/11(日) 23:30:26 ID:TYHK6usY
ユミル「そうと決まれば、早速衣装を決めるぞ!」

サシャ「解りました!!」

ミカサ(やっぱり、気合い入ってる。そりゃ玉の輿、女の幸せ。)

ユミル「ミカデレラ。お前は勿論留守番だからな。」

ミカサ「解りました。」

ミカサ(……でも、私は興味ない。王子とか、そんなの知らない。
ただ、このマフラーの持ち主にさえ会えば。)ギュッ

13: 2013/08/11(日) 23:31:49 ID:TYHK6usY
――――
――
アニ「……おはよう。」

ミカサ「もう10時です、アニお姉様。おはようございます。」

アニ「あれ、母様と姉様は?」

ミカサ「ユミルお母様と、サシャお姉様は、衣装を買いに行きました。」

アニ「衣装?何の衣装だい?」

ミカサ「舞踏会の衣装。さっき、お城から招待状が届いて。」
アニ「え?」

アニ(ぶどうかい?)

14: 2013/08/11(日) 23:32:36 ID:TYHK6usY
アニ(城で武道会?王様も妙な事やるもんだね……。)

ミカサ「しかも、それで王子の婚約者を決めるらしい。
だから二人とも張り切ってる。」

アニ「へぇ……。」

アニ(武道会か……。王子云々は興味無いけど、王国中の強者と闘えると考えたら、ウズウズするね。)

ミカサ「アニお姉様は行くんですか。」

アニ「話を聞いたら行きたくなって来たよ。後で母様に言わないと。」

ミカサ(アニ……。玉の輿とか、そっちの趣味あったんだ。)

15: 2013/08/11(日) 23:33:16 ID:TYHK6usY
サシャ「ただいま戻りました~。」

ミカサ「おかえりなさい、お母様、お姉様。」

ユミル「ただいまっと。」

タッタッタッ

アニ「母様。ミカデレラから話を聞きました。」

ユミル「アニ。もしかして嫌か?だが無理矢理でもつれて行くからな。」

16: 2013/08/11(日) 23:34:15 ID:TYHK6usY
アニ「いや……その……。嫌じゃ……。」

ユミル「!!?
アニ、まさかお前も乗り気なのか!」

アニ「」コクン

ユミル「玉の輿に乗って欲しくて、嫌でも連れて行くつもりだったが、良かった良かった!」

サシャ「本当ですよ~。」

ユミサシャ(まさか舞踏会に興味あったとは。)

サシャ「兎も角、アニの分の衣装も買いましたから。」

アニ「有難う。」

17: 2013/08/11(日) 23:35:28 ID:TYHK6usY
アニ「でも、母様。ミカデレラを連れて行った方が……。」

アニ(筋肉割れてる程凄いから、きっと武道でも強い筈。)

ミカユミサシャ「「「」」」

ユミル「何言ってんだ。連れていく訳無いだろ。」

サシャ「そうですよ。」

サシャ(ご飯1人の取り分が少なくなりますし。)

ミカサ「私も興味無い。」

アニ「そ、そうかい……。」

アニ(あんなに筋肉質なのに、武道に興味無いなんて、どうかしてるよ……。)

18: 2013/08/11(日) 23:36:40 ID:TYHK6usY
ベルトルト『―――様々な誤解を生みつつ、とうとう舞踏会の日がやって来ました。』

アニ「ベルトルト。」

ベルトルト『何?』

アニ「ベルトルトはそうやって淡々と喋るだけなのかい?」

ベルトルト『みたいだ。』

ユミル「アニ!何ぶつぶつ独り言言ってんだよ!
早く支度しろ!」

アニ「解ってるよ。
……大変だね。」

ベルトルト『アニほどじゃ無いよ。』

20: 2013/08/11(日) 23:37:32 ID:TYHK6usY
サシャ「ふふ……。美味しいもの……。
タッパー持って行っておきましょう。」

ユミル「この阿呆!!
玉の輿したら毎日食べれるんだぞ!!」

サシャ「よく考えたら私、全然踊れないんですよね。
だから見初められる事は無いので、思う存分食べます。」

ユミル「ったく……。」

アニ「母様。」

ユミル「なんだよ、アニ。」

アニ「なんで……、ドレスなんですか。」

ユミル「は?」

21: 2013/08/11(日) 23:39:02 ID:TYHK6usY
ユミル「何でって……舞踏会だからだが。」

アニ「」

アニ「舞踏会!?武道会じゃなくて!!?
ミカデレラ、あんた武道会って……!」

ミカサ「ちゃんと舞踏会って言いました。
ちゃんと遡って見てください。」

アニ「……。

本当だ……。
わ、私は行かないよ!!舞踏会なんて!!」

ユミル「今更ボイコットすんなよ!!ドレスが勿体無い!!」

アニ「じゃあなんで母様はドレスじゃなくてよそ行きの格好なんですか!!?」

ユミル「そ、そりゃなあ……」

22: 2013/08/11(日) 23:40:24 ID:TYHK6usY
ユミル「私は一応人妻という設定だ。だから私こそ見初められる筈無いから、めかす必要無いだろうに。
第一、私がドレス似合う筈ないだろ……。」

アニ「私も似合う筈が無い!
そうだ、ミカデレラが私のドレスを着れば……!」

ミカサ「アニお姉様。
私と貴方じゃ身長が違い過ぎます。」172cm

アニ「」153cm

ユミル「ほら、つべこべ言わずに着ろ。」

アニ「うう……。」

ミカサ(成る程、彼女は勘違いしていた。だから行こうと思った。)

ミカサ「きっと、私を苛めたバツ。そう、そうに決まってる。」

サシャ「そうでしょうかねえ。」

23: 2013/08/11(日) 23:41:06 ID:TYHK6usY
ベルトルト『そんなこんなで、舞踏会に行く準備が出来ました。』

ユミル「じゃあ行ってくるよ。
ミカデレラ、留守番は頼んだからな。」

ミカサ「解りました。」

サシャ「私の隠してある芋を食べないでくださいね。」

ミカサ「別に、食べる気は無い。」

アニ「ミカデレラ、今からでもおそくn」

ミカサ「行ってらっしゃいませ。」ズイズイ


ミカサ「やっと1人になれた。」

24: 2013/08/11(日) 23:43:11 ID:TYHK6usY
ミカサ「何しよう。……とりあえず、筋トレしようと思う。」ヨイショ

ベルトルト『1人になったミカデレラ。
彼女は舞踏会に行けなかった事を特に悲しむ訳では無く、家事をする訳では無く、最近訛っていた腹筋を鍛える事にしました。』

ライナー「アニのドレス、中々似合ってたな。」

ベルトルト『そうだね。
でも、一体どうしたのライナー。いきなり出てきて。』

ライナー「もうすぐ俺の出番らしい。」

ベルトルト『成る程……』

ベルトルト(何の役なんだろう……。)

25: 2013/08/11(日) 23:44:51 ID:TYHK6usY
――――
――

ミカサ「321……322……」

ベルトルト『真夜中に1人で腹筋を続けるミカデレラ。
そんな彼女の前に突如……!』

クリスタ「呼ばれて無くてもじゃじゃじゃじゃーん!!」ポワワワン

ミカサ「!!」

ベルトルト『なんと、1人の……!』

ミカサ「不法侵入者……!!」

ベルトルト『不法侵入者が……!
え?』

クリスタ「え?」

26: 2013/08/11(日) 23:45:42 ID:TYHK6usY
ベルトルト『違う違う。』

ミカサ「え?違う?」

クリスタ「違う違う、全然違う!
――改めて、魔女っ子クリスタ登場☆」

ベルトルト『ミカデレラの前に、1人の魔女が現れました。』

ミカサ「魔女?魔女がどうしてここに?」

クリスタ「今からミカデレラを舞踏会に連れて行くためだよ。」

ミカサ「……舞踏会はいい。興味無いと何回m……。」

クリスタ「ところがどっこい。」

33: 2013/08/11(日) 23:52:09 ID:TYHK6usY

クリスタ「ミカデレラのつけてるマフラー。その持ち主がお城に居るんだ。」

ミカサ「え?どうして……。」

クリスタ「それは行ってからのお楽しみ。
ね、そう聞いたら行きたいでしょ?」

ミカサ(このマフラーの持ち主に、私の命の恩人に会える……。
何年も願っていた人に……!)

ミカサ「……クリスタ。」

クリスタ「ん?」

ミカサ「私……行きたい。」

クリスタ「そうこなくちゃ。」

27: 2013/08/11(日) 23:46:37 ID:TYHK6usY
ミカサ「でも私、ドレス持ってない……。」

ベルトルト『舞踏会に行きたいミカデレラ。でも、彼女はドレスを持ってませんでした。
いつも着ている服は薄汚れたものばかり。そんなのでは行けません。』

クリスタ「私に任せなさい!
私が魔法でなんとかしましょう。」

ミカサ「本当?」

ミカサ(心配。)

クリスタ「まあ見てて。
チンカホイっ!」

ベルトルト『そう魔法を唱えると共に、持っていた半刃刀身を振りました。
すると……。』

29: 2013/08/11(日) 23:48:33 ID:TYHK6usY
キラキラキラ

ミカサ「!!」

ベルトルト『なんと、ミカデレラのマフラーが赤いドレスに変わったのです。』

ミカサ「す、凄い……!」

クリスタ「へへへ。やっぱりミカデレラは身長が高いからドレス姿が映えるね。
これで舞踏会に行っても大丈夫。」

ベルトルト『しかし、ミカデレラにはまだ問題点がありました。』

ミカサ「ドレスになっても、このままだと、お城までの足が無い。」

クリスタ「そっか―…。
うーんうーん……。そうだ、カボチャってある?」

ミカサ「カボチャは無い。でも、サシャお姉様の秘密の芋がある。」

クリスタ「芋!?
――まあいいや。その芋を持ってきて。」

31: 2013/08/11(日) 23:49:36 ID:TYHK6usY
ミカサ「持ってきた。」

クリスタ「有難う。
えっと……秘密じゃないの?」

ミカサ「お姉様の隠す所はいつも決まってる。ので、ある意味秘密じゃない。」

クリスタ「成る程ね。
チ●カラホイ!」

ベルトルト『再び、唱えながら剣を振りました。
すると……。』

クリスタ「はい、芋の馬車の完成!」

ミカサ「凄い凄い。なんでも出来るんだ。」

クリスタ「魔女だからね。」

32: 2013/08/11(日) 23:50:37 ID:TYHK6usY
クリスタ「で、馬と馭者を連れてきて完璧だね。
馬は?」

ミカサ「無い。ここは訓練兵団でも、調査兵団でも無い。」

クリスタ「あ、そっか。
うーん、これ以上魔法使うの面倒だなあ。」

ベルトルト『どうやら魔女、ついに詰んでしまいました。
どうするの、クリスタ。』

クリスタ「仕方ない、奥の手使うよ。」

ミカサ「奥の手?」

クリスタ「ライナー!!」

ベルミカ「「」」

35: 2013/08/11(日) 23:55:10 ID:TYHK6usY



ライナー「え?なんで俺呼ばれたんだ?」トコトコ

ベルトルト『解らない。因みにその格好は何の役?』

ライナー「馭者だが……。」

クリスタ「ライナー、お願いがあるの。ちょっと来て。」

ライナー「なんだなんだ……?」

クリスタ「」ボソボソボソボソ

ライナー「うん……、うん……え??て、なんでそれを??え??」

ベルトルト『どうしたんだろう。』

ミカサ「解らない。」

36: 2013/08/11(日) 23:56:13 ID:TYHK6usY
クリスタ「お願い、ライナー!!」

ライナー「嫌、クリスタのお願いでもそれは……。」

クリスタ「お願いのお願い!」ウルウル

ライナー「」ウッ

ベルトルト『きいてあげなよ、ライナー。』

ミカサ「」コクコク

クリスタ「一生のお願い!!」

ライナー「」ウウッ

42: 2013/08/12(月) 00:02:49 ID:Zeh1p87g
ライナー「」ハァ

ライナー「解ったよ……。」

ベルトルト『流石ライナー!』

クリスタ「みんなの兄貴!」

ミカサ「ひゅーひゅー。」

ライナー「……びっくりするなよ?ふりとかじゃなくてな、絶対びっくりするなよ?」

ミカサ「解ってる。」

43: 2013/08/12(月) 00:03:32 ID:Zeh1p87g
クリスタ「それではいきます!
チンカラ●イ!」

ライナー「」ガリッ

ベルトルト『えっ』

ミカサ「えっ」

カッ――!!

44: 2013/08/12(月) 00:05:48 ID:Zeh1p87g
シュウウゥウゥ...

鎧の巨人「」

ミカサ「」

クリスタ「この巨人に馬車を引いて貰ってね。」

ベルトルト『なんと魔法云々関係無く、ライナーが巨人に……!
……というより、なんでクリスタ知ってるの?』

クリスタ「それは私が魔女だからです!
大丈夫、ミカデレラ。この巨人は、私の魔法で貴方を襲わないようにしてるから。」

ミカサ「いや、そういう問題じゃなくて。」

45: 2013/08/12(月) 00:06:55 ID:Zeh1p87g
クリスタ「さて、馬車と巨人を繋げよう。」

ミカサ「……どうやって?」

クリスタ「……あっ。
つ、つべこべ言わず、巨人の上に乗りなさい!」

ミカサ「は、はあ……。」

ミカサ(馬車関係無くなった……。)

クリスタ「ミカデレラ。私の貴方との2つ約束、覚えておいてね。」

ミカサ「約束?」

クリスタ「まず1つ。例のマフラーの人に会っても自分の正体を明かさない事。バレると強制的に魔法がとけます。」

ミカサ「お礼も言っちゃ駄目?」

クリスタ「お礼だけなら大丈夫。
だけど正体を明かしちゃ駄目だからね。」

ミカサ「うん。」

46: 2013/08/12(月) 00:08:27 ID:Zeh1p87g
クリスタ「もう1つは、必ず真夜中の12時までには帰る事。
12時までしか私の魔法が効かないからね。」

ミカサ「思ったより役に立たないんだ。」

クリスタ「う、うるさい!
ともかく、12時以降になると、あのみすぼらしい姿に戻るからね。」

ミカサ「解った。では、行ってくる。」

クリスタ「行ってらっしゃい、気をつけて!!」

ベルトルト『そして、彼女は巨人に乗り舞踏会が行われているお城に向かいました――。』

47: 2013/08/12(月) 00:09:11 ID:Zeh1p87g
ザッザッザッザッ

鎧の巨人「」

ミカサ「凄く、早い。」

ベルトルト『流石、ライナー……、じゃなかった鎧の巨人!
周りの木々を薙ぎ倒しながら、お城へに一直線へ進みます。』

ミカサ「でも、この巨人が私を待ってる間、お城の人が見つけたら、どうしよう。」

クリスタ『安心して。私の魔法で姿を隠すから。』

ミカサ「解った。」

ベルトルト『そんなこんなで、お城に到着しました。』

48: 2013/08/12(月) 00:09:55 ID:Zeh1p87g
~城の舞踏会会場~
サシャ「ううう、やっはりおひろのはへほほははいほうでふね。」モグモグ

ユミル「何行ってるのか解んねえよ。
アニは踊らないのかよ。」

アニ「ダンスは嫌、絶対嫌。」

ユミル「」ハァ...

ユミル(玉の輿が……。)

ザワザワザワ

アニ「入り口ホールが騒がしいね。」

49: 2013/08/12(月) 00:10:58 ID:Zeh1p87g
ハンナ「み、見て、あのご令嬢!凄く素敵!!」

フランツ「でも君の方がもっと素敵さ。」

ハンナ「フランツ……。」

ミーナ「でも一体どこご令嬢だろう?」

ザワザワザワ

ミカサ(みんなの目線が私に向かっている。
でも、そんな事はどうでもいい。私は……)

サシャ「ふほふひへひはおははへふへぇ」モグモグ

アニ「本当に何言ってるか解らない……。」

ユミル(……もしかしてミカデレラか?
嫌、そんな筈はない。あいつのドレスは買ってないし、第一マフラーをしてないからな。)

50: 2013/08/12(月) 00:12:21 ID:Zeh1p87g
ミカサ(本当に、クリスタの言う通りに、マフラーの人が……。)

ジャン「ご令嬢。
もし良ければ自分とご一曲。」

ミカサ「ごめんなさい、私そんな暇なんてありません。」

ジャン「」

ジャン(そうだよ、どうせ俺はこんな役回りさ……。)

コニー「ジャンどんまいじゃん……。」

ジャン「うるせえよ……。なんだよその語尾」

ジャン(でも、本当にミカサ綺麗だな……。)

51: 2013/08/12(月) 00:14:15 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『ところ変わってこの舞踏会の主人公……』

エレン「あああ、つまんねえな……。」

ベルトルト『エレン・イェーガー王子。ずっと椅子に座っています。
なんだかつまんない様子です。』

エレン「ったくまだ俺も若いのに、なんで婚約者なんか決めなきゃいけないんだよ……。」ブツブツ

マルコ「まあ僕達使えてる者は、グリシャ王の仰る事は逆らえませんから。」

エレン「あぁあ……。つまんねえ……。
ん?」

52: 2013/08/12(月) 00:16:14 ID:Zeh1p87g
エレン「あの女の人は……!」

マルコ「?
エレン王子、知り合いか何かですか?」

エレン「ああ……。」

ベルトルト『王子が見たもの。それは赤いドレスを身に纏った、ミカデレラの姿でした。
そして、彼の脳裏に浮かんだ物は、かつての記憶。』

エレン「なあマルコ。
俺、昔人を助けた事があったんだ。」

マルコ「人をですか。」

53: 2013/08/12(月) 00:17:30 ID:Zeh1p87g
エレン「ああ。
確か、ミカデレラって名前だったけな。
そいつの親父は昔、俺の親父と仲良くしていたらしい。

俺と親父がミカデレラの家に行くと、そいつの両親が賊に殺されてたんだ。
ミカデレラはその賊に誘拐されてて。
親父に逃げろと言われて、たまたま入った小屋にそいつらが居たんだ。」

マルコ「じゃあ王子がそのミカデレラを助けたんですか?」

エレン「嫌、俺と2人でやっつけたような感じだよ。
で、身寄りが見つかるまで俺の別荘で預かってて、数日ほど一緒に暮らしたんだ。」

マルコ「成る程。」

54: 2013/08/12(月) 00:20:20 ID:Zeh1p87g
エレン「ミカデレラと別れ際、泣きそうなそいつに、俺は赤いマフラーを渡して。
……そっから会ってねえよ。」

マルコ「へえ。もしかして、あの、綺麗な赤いドレスを着てらっしゃる方がその人ですか?」

エレン「多分な。
俺の渡したマフラーもあんな色だったよ。
身分が全然違ったから、会えないとは思っていたがまさかここで会えるとは思わなかった。」

マルコ「一曲誘ってみたら如何ですか?」

エレン「……俺下手だけど。」

マルコ「大丈夫ですよ。エレン王子なら。」

55: 2013/08/12(月) 00:21:41 ID:Zeh1p87g
ミーナ「あ、座ってたエレン王子が立ち上がった!」

エレン「すみません。そこの赤いドレスの方。」

ミカサ(王子でも、私は関係無い……!)

ミカサ「私は踊る気なんて……。」ハッ

ミカサ「!!……まさか……。」

ミカサ(貴方は……あの時の、マフラーの人……!)

56: 2013/08/12(月) 00:23:08 ID:Zeh1p87g
エレン「もし宜しければ、ご一曲踊りませんか?」イチレイ

ミカサ(まさか、王子があの時のマフラーの人だなんて……!
でも、私ダンスなんて踊れない。)

クリスタ『それも安心して!私の魔法で踊れるようにしたから。』

ミカサ(本当に有難う。クリスタ。)

ミカサ「は、い……。」


ベルトルト『そして、2人は手を取り合い、ダンスを躍り出しました。』

57: 2013/08/12(月) 00:25:53 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『クリスタの魔法で、初めてに関わらず、ミカデレラの躍りは完璧でした。
どうやら王子にも魔法がかかっているらしく、二人のダンスは周りの人々を魅了させました。』

サシャ「素敵ですねえ」

アニ「うん。」

ベルトルト『そして2人の間に、甘やかな雰囲気が生まれていました。
ですが、楽しい時間ほど早く過ぎるもの。
いつの間にか、約束の時間の3分前になってました。』

ミカサ「……時間。帰らなくちゃ、駄目。」

エレン「せめて、あと一曲だけでも。」

ミカサ「……ごめんなさい。」

58: 2013/08/12(月) 00:27:23 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『王子の手を放すミカデレラ。少し距離を放した後。』

ミカサ「……あの時は有難うございました。」ペコリ

ダッ

ベルトルト『そう彼女は言い残すと去って行きました。』

エレン「待ってくれ!せめて、名前だけでも……!」

エレン(あの時のって、やっぱり本当に……!)

ベルトルト『王子はミカデレラを追い掛けますが、流石希に類を見ないような身体能力の持ち主。
あっと言う間に外に出てしまいました。』

ミカサ「ライナー、早く戻って。早く。」

鎧の巨人「」コクン

ザッザッザッザッ

59: 2013/08/12(月) 00:28:18 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『彼女は追い付かれない様に早く逃げようと急かします。
ですが、直ぐに魔法がとけてしまいました。』

ミカサ「あ……ドレスが……。」

ベルトルト『鎧の巨人はライナーに、赤いドレスはマフラーに、綺麗な姿だったミカデレラは、またあのみすぼらしい姿に戻ってしまったのです。』

ライナー「仕方ない。徒歩で帰るか。幸い、道はさっき木を薙ぎ倒して行ったのを辿ればいいしな。」

ミカサ「うん。
あっ」

ビュウゥウ

ベルトルト『その時です。突然物凄い強風が吹き、マフラーが飛んでいってしまいました。』

60: 2013/08/12(月) 00:29:14 ID:Zeh1p87g
ミカサ「待って!!」

ベルトルト『彼女はマフラーを追い掛けますが、努力は空しく。
マフラーは先ほどの城の敷地へと入ってしまいました。』

ミカサ「マフラーが……。」

ライナー「城の中に入ってしまったら仕方ない。諦めるんだミカサ。」

ミカサ「でも……。」

ライナー「例の人に居たんだろ?そいつの元に戻ったんだ。
だったらいいじゃねえか。」

ミカサ「……。」コクン

ライナー「帰ろうぜ。」

ミカサ「……。」コクン

61: 2013/08/12(月) 00:31:10 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『その頃、ミカデレラを追いかけ、外に出ていたエレン王子。』

エレン「くそっ、足速すぎるだろ……。どこに行ったんだ……!
……ん?」

ベルトルト『彼は赤く長い物を見つけました。
近づき拾い上げると……。』

エレン「これは……!俺がミカデレラに上げたマフラーじゃねえか……!
やっぱり、あれはミカデレラだったのか……。」

ベルトルト『そして、彼はマフラーを握り締め、強く言いはなちました。』

エレン「必ず、ミカデレラを探し出してやる……!
国民1人残さず、探しきってやる……!」

ベルトルト『こうして、国を上げたミカデレラ探しが始まったのです。』

62: 2013/08/12(月) 00:32:23 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『舞踏会が終わって数日がたちました。』

ユミル「おい、早く窓拭けよ、ミカデレラ。」

ミカサ「解りました、お母様。」

ミカサ「はあ……」フキフキ

ベルトルト『マフラーを無くした彼女は、あの日から意気消沈していました。』

アニ「ミカデレラ、一体どうしたんでだろうね?」

サシャ「それにマフラーもどっかやったみたいですし。」

63: 2013/08/12(月) 00:33:58 ID:Zeh1p87g
コンコンコン

マルコ「すみませーん、ミカデレラ様居ますかー?」

ユミル「はいはい、居ますよっと。
ミカデレラ、お前に客だよ。」

ミカサ「解りました。」コクン

ギィイ

ミカサ「どなたですか……。」

マルコ「僕は、この国の王子に使えております、マルコと申します。
失礼ですが、貴方様がミカデレラでしょうか?」

ミカサ(王子?!)ドキッ

ミカサ「そうですけど……。」

マルコ(確かにこの間見た赤いドレスの人に似ている。)

ミカサ「あの、王子が何の様ですか……。」

64: 2013/08/12(月) 00:36:13 ID:Zeh1p87g
ユミル「あ?王子の使いがミカデレラに何の用だ?」ヒョコ

マルコ「ミカデレラ様、先日の舞踏会でこのマフラーをお忘れになられましたよね?」スッ

ミカサ「!!」

ミカサ(確かに、私のマフラー……!!)

ユミル「あ?ミカデレラは舞踏会なんかに行ってなi」

ミカサ「……はい。」

ユミル「え?お前、舞踏会に行ったのか……?
まさか、あの赤いドレスの……。」

ミカサ「」コクン

マルコ「やっぱり。」

65: 2013/08/12(月) 00:37:17 ID:Zeh1p87g
マルコ「ミカデレラ様、王子が貴方様に再び会いたいと仰ってます。」

ミカサ「エレン王子が……、私を……?」

マルコ「はい。なので、是非王子と謁見して頂きたいんですが、大丈夫でしょうか?」

ミカサ「はい……」コクン

ユミル「ちょ、お前……」

マルコ「それでは、ミカデレラ様をお連れしますね。
失礼しました。」

ユミル「は、はぁ……。」

パカラパカラパカラ...

ユミル「」アゼン

66: 2013/08/12(月) 00:37:54 ID:Zeh1p87g
サシャ「どうしたんですか?」

ユミル「あの赤いドレスの人、ミカデレラだったみたいだ……。
その人の忘れ物として届けられたマフラーがあいつのだった……。」

アニ「えっ?うちにあんな赤いドレスなんてあったかい?
有りませんでしたよね、姉様。」

サシャ「有りません有りません。第一、ミカデレラは連れてってませんし。」

ユミル「それに、あの時マフラーなんかしてなかったよな?」

アニ「不思議な事もあるもんだね……。」

67: 2013/08/12(月) 00:39:09 ID:Zeh1p87g
ベルトルト『そして、謁見の間。』

エレン「お前が、ミカデレラか。
久し振りだな。」

ミカサ「エレン王子……。
あの時は王子とは知らなかった、ですが沢山のご無礼を……!」

エレン「そんな事は気にするな。
……ずっとお前の事が気になってたんだ。」

ミカサ「そう、ですか……。」

ミカサ(私も気になってた……。)

68: 2013/08/12(月) 00:39:44 ID:Zeh1p87g
エレン「ずっと身分も低くて、どうやって暮らしてるんだ、と考えてて……。
舞踏会なんかに来れる身分じゃないと思ってたのに、まさか会えるなんて思わなかった。」

ミカサ「私も、あの時のご恩を片時も忘れた事が有りません。
まさか、私も会えるなんて思いませんでした。」

エレン「何回も舞踏会に出たが、この間みたいに楽しい事は無かったな。」

ミカサ「そうなんですか……。私も、あんなにダンスが踊れるなんて……。」

69: 2013/08/12(月) 00:43:47 ID:Zeh1p87g
エレン「俺もだ。
あんなに軽やかに踊れたのは初めてだ。
ミカデレラ。」

ミカサ「はい。」

エレン「俺はもしかすると、あの時からミカデレラに恋をしていたのかもしれない。
だから……その……結婚を前提に付き合ってくれ!!じゃなくてください!!」

ミカサ「えっ……!!
そんな、でも私なんて……。身分が低いし……、筋肉質だし……。」

ミカサ「でも私も、あのマフラーを貰った時から貴方の事が好きだったのかも知れない。
こんな私でよければ……。」

エレン「ミカデレラ……」

ミカサ「エレン……」

ベルトルト『お互いに見つめあう2人。そして、抱き合いました。

こうして二人は付き合い、結婚し、幸せに過ごしましたとさ。
めでたしめでたし。』

~完~

70: 2013/08/12(月) 00:44:02 ID:Zeh1p87g
お付き合いくださり有難うございました。
途中で抜けてしまったりとややこしくなってすみません。
改めてみると終わり方がぐだぐだだったり、変換ミスがあったりしてます…。

今違うSSを書いているのでそちらもよろしくお願いします(多分文体で解ります。

それでは失礼します。
最後に
進撃ほのぼのSS増えろ!!

引用: 【進撃SS】ミカデレラ