1: 2012/07/26(木) 15:48:45.96 ID:MuR9gmu20
~白糸台・麻雀部部室~

カチャ

淡「こんにちはー」

照「………」(ソファで読書中)

淡「あれ?今日は先輩1人ですか?」

照「うん」ペラ

淡「隣、失礼しますねー」チョコン

照「………」ペラ

淡(うーむ…卒業間近でもこの態度ですか)

咲-Saki- 25巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)


2: 2012/07/26(木) 15:50:39.47 ID:MuR9gmu20
淡「他のメンバー全然着ませんね。弘世先輩のこととかはご存知じゃないんですか?」

照「菫は先生に呼ばれていた」

淡「そうですかー…」

淡「…」

照「………」

淡(会話続かない…っ!)

淡(…まあ、クールなところとかが先輩のかっこいいところなんですけどねえ。はあ…)

3: 2012/07/26(木) 15:52:47.87 ID:MuR9gmu20
照「コ、コホン」

淡「?」

照「な、なあ淡」

淡「?何ですか?」

淡(珍しいですね…といか初めてじゃないですか?私に話しかけてくれたの)

照「膝枕、してくれないか?」

淡「………」

淡「…はい?」

照「に、二度も言わせないでくれ」

淡「え、ああ、はい…。膝枕くらいなら。どうぞ」ポン

照「ああ。失礼するよ」

4: 2012/07/26(木) 15:56:07.34 ID:MuR9gmu20
淡(どうしたんでしょう。急に膝枕して、なんて)

照「…淡」

淡「なんですか?」

照「え、えーっと…」

照「やはり3年生も卒業間近ということで、お前には話しておかなくてはと思ってな」

淡「はい…」

照「インターハイ団体戦のことだ。私たちが3連覇できたのは菫や渋谷、亦野の活躍もあったが…」

照「その中には勿論お前もいる。私が悲願を成し遂げれたのはお前たちのおかげだと言っていい」

5: 2012/07/26(木) 15:58:22.31 ID:MuR9gmu20
照「…ありがとう」

淡「そ、それ祝勝会の時にも言ったじゃないですか」

照「ああ。でも、こうして2人きりなんだから、お前に対してだけ言っておきたくて」

淡「は、はあ…」

淡「何はともあれ、私の方こそありがとうと言いたいですけどね」

淡「1年生から優勝なんて経験させてもらって」

照「ああ…」

淡「って、先輩も1年から3連覇でしたっけ。そう考えるとすごいですね」

照「あ、ありがとう」

淡(…先輩、もしかして照れてます?)

6: 2012/07/26(木) 16:00:29.35 ID:MuR9gmu20
淡「それにしても、膝枕させながらありがとうって言うのもどうかと思いますよ」

淡「そういうのはちゃんと、顔を向き合わせて言わないと」

照「そ、そうだな…」

淡(やっぱり、照れくさかったんでしょうか…?)

淡(宮永先輩にしては考えられない話ですが)

7: 2012/07/26(木) 16:04:44.96 ID:MuR9gmu20
照「…少し、後輩に甘えてみたかっていうのも…ある」

淡「え?どういう意味ですか?」

照「…ん」

照「私の主観で言うと、次の白糸台を背負っていくのはお前だと思ってる。淡」

淡「…!」

照「主将の座こそ渋谷に託したが、実力で言えばお前は1年生で既に渋谷や亦野と同格だ」

照「勿論、次の虎姫にも入って活躍してほしい」

淡「そ、そんなの当然ですよ!残り2年も連覇するくらいの心構えですから!私は!」

照「ふふっ…期待してるよ」

8: 2012/07/26(木) 16:07:11.80 ID:MuR9gmu20
淡(あれ?膝枕の体勢だから見えませんでしたけど宮永先輩笑いました?)

淡(そういえば先輩の笑顔も未だ見たことないですね…)

淡(営業スマイルなら何度も見ましたが、あれが本当の笑顔とは思えないですしね…)

照「そうか。その調子ならこの部室も安心して受け渡すことができそうだな」

淡「は、はい。任せておいてください」

照「ああ」

9: 2012/07/26(木) 16:09:36.71 ID:MuR9gmu20
淡「…」

照「………」

淡「誰も来ませんね…」

照「そうだな」

淡「…せ、先輩。1ついいですか?」

照「なんだ?」

淡「何で今日に限ってこんな風に…」

淡「その…。話してくれるんですか?」

10: 2012/07/26(木) 16:11:46.21 ID:MuR9gmu20
照「…そんなに驚かれるほどお前と話してなかったか?私」

淡「はい。というか今日が初めてですよ」

照「そうだったか」

照「…そうだな。さっきも言ったが、卒業間近で後輩に甘えてみたくなったのかな…」

淡「らしくないですね」

照「まあ、そう思ってくれても構わない」

淡(…?)

11: 2012/07/26(木) 16:15:32.66 ID:MuR9gmu20
淡「…先輩、もしかしていつもの態度はキャラ作りだったんですか?」

照「………」

照「キャラ…。そうだな、そういう感じだな」

淡「そうだったんですか…」

照「…私が1年生の頃だ。菫に聞けばわかると思うが…。私は淡のような人間だった」

淡「へ?」

照「先輩たちに馴れ馴れしく喋りかけたり、生意気なことを言う下級生だったということ」

淡「私の評価ってそんな感じだったんですか…」

12: 2012/07/26(木) 16:17:12.63 ID:MuR9gmu20
照「まあ、それはともかく…」

淡「そうですね。今の先輩からは想像できませんよ」

照「…1年の時、当時の主将から言われたんだ」

照「これからの白糸台麻雀部を背負っていくのはお前だ、と」

淡「…」

13: 2012/07/26(木) 16:19:33.61 ID:MuR9gmu20
照「確かに、団体戦でも個人収支で言えば私がトップだった」

照「そして個人戦でも部内で一番の成績も残せた」

照「だから私は、その言葉を重く受け止めたんだ」

淡「…」

照「威厳のある、畏怖の念を抱かせるような存在になりたくて」

照「口数も減らしていった」

照「菫とは1年からの仲だったが、私の変化は言わずとも理解してくれたようだ」

14: 2012/07/26(木) 16:22:06.85 ID:MuR9gmu20
淡「畏怖の念…ですか」

照「淡には全く効いてなかったようだけど」

淡「…まあ、私からしてみればただの根暗にしか見えなかったですね」

照「ひどいな」

淡「……」

淡「…先輩もひどいですよ」

15: 2012/07/26(木) 16:23:25.68 ID:MuR9gmu20
照「何がだ?」

淡「だって…。こんな話、卒業間近に聞かされて…」

淡「もう先輩と会えるのなんてあと数日じゃないですか」

淡「私、こんな風に先輩とお喋りすることもずっと望んでたのに…!」

照「…」

16: 2012/07/26(木) 16:25:15.21 ID:MuR9gmu20
淡「もうお別れする間近だっていうのに、ひどいじゃないですかっ!」ポロポロ

照「淡…」

淡「私はもっと知りたかったし見たかった!先輩の素顔も、元のキャラも!」

淡「確かに、クールでかっこいい先輩も良かったですよ。私は好きでした!」

淡「でもそれは先輩の偽の顔だなんて、今知らされて悲しすぎますよ…!」

淡「その顔をずっと好きだった私が、バカみたいじゃないですか…!」

17: 2012/07/26(木) 16:27:15.70 ID:MuR9gmu20
照「あ、淡…」

淡「先輩のバカ!バカバカバカー!」ポカポカ

照「ちょっ…淡…!痛っ」

淡「後輩の痛みを身に染みて感じやがれですよ!バカバカバカバカバカ!!」ポカポカ

照「…っ」

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淡「はあ、はあ…。本当に、バカ…」

18: 2012/07/26(木) 16:28:27.66 ID:MuR9gmu20
照「…」スッ

照「淡」

淡「…もう膝枕はいいんですか」グスッ

照「ああ。それより…」

照「」ギュッ

淡「…!?」

淡「せ、先輩っ?」

19: 2012/07/26(木) 16:29:52.40 ID:MuR9gmu20
照「ごめん、淡…」

淡「…なんですか、今さら」

照「でも、淡も馬鹿」

淡「なっ…」

照「卒業したって、また会える」

照「その時に私の素顔でもなんでも見ればいい」

20: 2012/07/26(木) 16:31:10.93 ID:MuR9gmu20
淡「…本当に…バカですね…」ポロポロ

照「…どっちが?」

淡「どっちもですよっ!」ギュッ

淡「そんなこと言われて、ますます好きになっちゃいますよ…」

照「私も好きだよ。淡」

淡「バカ…」


カン!

27: 2012/07/26(木) 20:46:58.29 ID:MuR9gmu20
今さら気づいたがsage忘れてすまん…

続けて乙ありっすー

引用: 照「淡、膝枕して」 淡「はい?」