1: 2012/03/08(木) 16:37:12.38 ID:FgoCwmiY0

アーチャー「」

切嗣「伝説で語られている容姿とはかなり差異があるな」

切嗣「まあ容姿など大した問題じゃない。何にしろ僕達が最強のセイバーを獲得したことは確かだ」

アイリ「ええ、やったわね切嗣!」
#01 冬の日、運命の夜
8: 2012/03/08(木) 16:40:01.79 ID:FgoCwmiY0


アーチャー「あー……盛り上がっているところ済まないんだが、マスター」


アーチャー「私はアーチャーのサーヴァントとして現界した。剣士ではない」

切嗣「……何だって?」

アイリ「どういうこと?アーサー王が射撃を得意とした、なんて記録は無いわ」


アーチャー「いや、そもそも私はアーサー王ではない。私と彼女は完全な別人だ」

15: 2012/03/08(木) 16:41:56.58 ID:FgoCwmiY0


切嗣「何を言っているんだ。君がアーサー王で無いならば、何故彼の鞘に――――…待て、"彼女"と言ったか?」


アーチャー「……余計な事を言ってしまったな」


切嗣「答えるんだアーチャー。アーサー王が女だって?」

アーチャー「……そうだ。アーサー王は確かに女性だった」


アイリ「つまりあなたは伝説が誤りだったと言うのね?……いえ、それよりも」

アイリ「―――それを知り得たということは、生前のあなたはアーサー王と関わりがあったのね?」

アーチャー「そういうことになる。過去のことを話すのはあまり好まないのだが」


アーチャー「とにかく私はセイバーでもアーサーでもなく、ただ『全て遠き理想郷』という聖遺物に引き寄せられた全く別の英霊なんだ」

20: 2012/03/08(木) 16:44:19.49 ID:FgoCwmiY0


切嗣「……」


切嗣「呼び寄せてしまったものは仕方がない。今更召喚の儀式をやり直すことも出来ないからね」

切嗣「だがアヴァロンがアーサー王を差し置いて君を引き寄せたということは、それ相応の理由があるんだろう」

切嗣「アーチャー。まずは君とアヴァロンの因縁を教えてくれ」

アーチャー「……仕方がないか」


アーチャー「全て話そう。何しろじいさんは私の親代わりだからな」

切嗣「じいさ……」

21: 2012/03/08(木) 16:44:47.90 ID:FgoCwmiY0



アーチャー「私の真名は『エミヤ』。英霊エミヤだ」




25: 2012/03/08(木) 16:45:48.20 ID:YhQH04zm0
磨り減ったエミヤならじいさんとの相性バッチリやで

26: 2012/03/08(木) 16:45:49.02 ID:FgoCwmiY0

――――――――――――――
―――――――――――




切嗣「―――未来の英霊?」


アーチャー「そうだ。氏後英霊が契約する"世界"には時間の概念などない。聖杯戦争には、遠い未来に誕生する英霊さえも招かれる」

アーチャー「私はそういった類のサーヴァントだ」

アイリ「なんてこと。英霊になるほどの人間が近代の世界に誕生するなんて」

アーチャー「まあ、伝説に残っているような英霊よりは格がいくらか落ちるがね」


切嗣「さっき言っていた親代わり……とは?」

アーチャー「それについては非常にややこしい説明になる。私がここにいる時点で、私の知っている歴史とは大きく違ってしまっているからな」

35: 2012/03/08(木) 16:53:59.48 ID:FgoCwmiY0

アーチャー「マスター。あなたは本来、この召喚の儀でセイバーのサーヴァントであるアーサー王を召喚するはずだったんだ」

切嗣「……詳しく聞こう」


アーチャー「私の知る歴史の中でのマスターは、この聖杯戦争を最後まで戦い抜いた」

アーチャー「そして、――――…聖杯を手にする」

切嗣「ほう」

アーチャー「む、あまり驚かないんだな」

切嗣「マスターなら皆、聖杯戦争に参加した時点で聖杯を手に入れると決めている。驚くようなことじゃない」

アーチャー「確かに、道理だ」

アーチャー「……だが現れた聖杯を目にした衛宮切嗣は、セイバーに令呪を使い命じたんだ」


アーチャー「聖杯を破壊しろ、と」


アイリ「!」

36: 2012/03/08(木) 16:54:38.65 ID:FgoCwmiY0

切嗣「な―――何を言ってる!?そんな馬鹿なことが……」

アーチャー「実際にあったんだ。私がセイバー自身から聞いた」

切嗣「……」

切嗣「……そんな」

アイリ「……」

47: 2012/03/08(木) 17:00:28.38 ID:FgoCwmiY0

アーチャー「納得がいかないようだが、話は続けさせてもらおう。ここからは私の過去も絡む話になる」


アーチャー「命令を受け、セイバーは聖杯を破壊した。彼女にとっても非常に辛い行為だったらしい」

アーチャー「詳しい説明は省くが、その後聖杯からあふれ出た力はその周辺一帯を焼き尽くした」


アーチャー「そして、その災害の中で唯一生き残ったのが私だった」

アーチャー「―――廃墟と化した街で私を見つけたマスターは、虫の息だった私を救うため、そこにあるアヴァロンを私の体に埋め込んでくれた」


切嗣「私が……君を救った?」

切嗣「……いや、なるほど。その身にアヴァロンを宿した者なら、これを触媒に召喚される理由には充分というわけか」

アーチャー「マスター自身との関わり、という要素も含まれるだろう。何しろ私はその後、マスターに育てられたのだからな」

切嗣「……!?」

56: 2012/03/08(木) 17:07:34.24 ID:FgoCwmiY0

アーチャー「あなたは私に魔術を教え、聖杯戦争で受けた傷のため早くに亡くなった」

切嗣「……アーチャー。君を疑うわけではないが、ここまでの話を信じるに値する証拠を提示してくれないか」


切嗣「君の話にはいくつかおかしな箇所があった。未来から召喚されたというのならば、君が生前のアーサー王を知っているはずがない」

切嗣「そして聖杯戦争が収束してから僕達の関係が始まったならば、セイバーとしてのアーサー王も知るはずがない」

切嗣「アーサー王と君の関係性は一体何なんだ。そこを話してくれ」

アーチャー「―――いいだろう」

59: 2012/03/08(木) 17:09:18.70 ID:FgoCwmiY0


アーチャー「切嗣。私は宝具を持たない英霊だ」


アーチャー「だが、他の英霊に対抗する手段が無いわけではない」




アーチャー「―――…I am the bone of my sword.」


切嗣「!?」

アイリ「きゃ―――…!?」

72: 2012/03/08(木) 17:15:43.30 ID:FgoCwmiY0


-固有結界『無限の剣製』内-




切嗣「―――――ここは……」

アーチャー「私の固有結界、『無限の剣製』の内部だ」

アイリ「こ、固有結界!?心象風景の具現化だなんて……!」


アーチャー「この世界には、これまでに私が目にした全ての『剣』が内包されている」

アーチャー「私の能力は、どんなものでもこの世界から引き出す"投影魔術"。私は生前、そういった魔術に特化したウィザードだった」

129: 2012/03/08(木) 17:36:02.08 ID:FgoCwmiY0

アイリ「個人の心象風景を固有結界化するなんて……あなた一体どれほどの大魔術師だったの?」

アーチャー「その点については私が異端だったから、としか言えないな。それに私の魔術は投影以外はカス同然だ。実力としてはそれほどの魔術師ではない」


アーチャー「話を戻そう」

アーチャー「今回の聖杯戦争より十年後、冬木で第五次聖杯戦争が行われる」


アーチャー「私はその戦争にマスターとして参加していた」


切嗣「なんてことだ……君もマスターだったのか」

アーチャー「あの頃の私はまだ未熟で、若かった。聖杯戦争に参加し、尋常ならぬ戦いを経験したからこそ今の私があるといっても良いだろう」

アーチャー「何しろ聖杯戦争の存在すら知らなかったのだからな」

アーチャー「私はあの日、偶然戦闘中のランサーと出くわし、襲われた」


アーチャー「その時私が期せずして召喚したサーヴァント、それがセイバー……いや、アーサー王だった」


150: 2012/03/08(木) 17:47:13.60 ID:FgoCwmiY0

アーチャー「私の体内にはアヴァロンという聖遺物があった。彼女を呼び寄せたのは必然だ」

切嗣「……そういうことか。確かにそれなら、君がこの第四次聖杯戦争の行く末を知っているのも頷ける。アーサー王に聞いたわけだな」

切嗣「だが―――」

アーチャー「証拠がまだだ、と言いたいのだろう?」



アーチャー「この剣が何なのか、分かるかマスター」スラ


切嗣(一瞬で剣を投影した……)

切嗣「アイリ、アヴァロンを」

アイリ「はい」


切嗣「……ぴったり、だな」

171: 2012/03/08(木) 18:05:50.99 ID:FgoCwmiY0

アイリ「ということは、これは伝説にある聖剣エクスカリバー?」

アーチャー「まあ今出したそれは形だけを模した玩具だがね。全てを精巧に投影するとなっては魔力消費が酷いことになってしまう」

アーチャー「投影の性質上、この剣を創り出せるのは実物を見たことがあるからこそだ。証拠としては形のみで事足りると思ったが、どうだろうか?」

切嗣「……いや、充分だよ。君の話は全て真実だろう」


切嗣「未来から来た英霊。そしてこの第四次聖杯戦争の結末を知っていて、固有結界の使い手……」

切嗣「これはセイバー以上のカードを引いたかもしれないな」

アイリ「ええ。でも……一つ無視できない話があったわよ」

切嗣「……そうだね」

アーチャー「……」

191: 2012/03/08(木) 18:23:11.94 ID:FgoCwmiY0


アイリ「アーチャーあなた、切嗣が親代わりなんですって!?」


切嗣「おお、息子よ!」ガシッ!!

アーチャー「会いたかったよパパン!」ヒシッ!!


切嗣「ウフフフフ♡」

アーチャー「アハハハハッ☆」

アイリ「ああ、そして親子愛からハッテンする二人……アリだわ!」



か ん け つ

194: 2012/03/08(木) 18:23:55.84 ID:WxfYgPT20
これは…

すまなかった

198: 2012/03/08(木) 18:24:07.23 ID:PO0JsWCQ0
完結したなよかったじゃないかお前ら

202: 2012/03/08(木) 18:25:04.26 ID:FL3d4eim0
お前らが喧嘩するから

203: 2012/03/08(木) 18:25:14.32 ID:Nn5TfPAo0
外野がうるさいから・・・

287: 2012/03/08(木) 20:26:56.44 ID:FgoCwmiY0
あとおじさんの顔面

307: 2012/03/08(木) 20:43:46.32 ID:FgoCwmiY0
>>303
お年を召されたのだよ

引用: 切嗣「これがアーサー王……?」アーチャー「」