32: 2018/02/08(木) 20:34:24.91 ID:NwCYZcgP0
ちょっとストレートすぎちゃうので、保安官な楓さんで
シリーズ:○○な楓さん
前回:【モバマス】ネカフェ生活満喫中な楓さん
33: 2018/02/08(木) 20:40:10.70 ID:NwCYZcgP0
「いらっしゃい」
来客を知らせる鈴の音が聞こえた、ちらりと視線を送ると、胸に付けたバッジが目を引いた
なんだ、いつもの酔っぱらい保安官じゃねえか
「こんにちは、マスター。バーボンを頂けますか?」
「昼間っから好きだねぇ……」
安物のバーボンの瓶とグラスを差し出すと、そいつは鼻歌を歌いながらテーブルへと持っていく
おうおう、嬉しそうに飲んでやがる。保安官ってのは酒場で飲むのがお仕事なのかねぇ
こんなくそったれな町にはお似合いの保安官だよ、まったく
来客を知らせる鈴の音が聞こえた、ちらりと視線を送ると、胸に付けたバッジが目を引いた
なんだ、いつもの酔っぱらい保安官じゃねえか
「こんにちは、マスター。バーボンを頂けますか?」
「昼間っから好きだねぇ……」
安物のバーボンの瓶とグラスを差し出すと、そいつは鼻歌を歌いながらテーブルへと持っていく
おうおう、嬉しそうに飲んでやがる。保安官ってのは酒場で飲むのがお仕事なのかねぇ
こんなくそったれな町にはお似合いの保安官だよ、まったく
34: 2018/02/08(木) 20:48:29.12 ID:NwCYZcgP0
この町には正義なんてもんは存在しないし、法律なんてもんもない
金と暴力。この二つが法律みたいなもんだ
金を持っている奴は相手を黙らせ、言う事を聞かせる
腕っぷしの強い奴は相手を叩きのめし、言う事を聞かせる
単純だからこそ、この二つの力に抵抗することはできない
「なにかつまむものはないですか?」
「干し肉くらいしかないな」
この保安官に期待なんてしちゃいけねぇ、いや、誰かに期待なんてできないんだ
金と暴力。この二つが法律みたいなもんだ
金を持っている奴は相手を黙らせ、言う事を聞かせる
腕っぷしの強い奴は相手を叩きのめし、言う事を聞かせる
単純だからこそ、この二つの力に抵抗することはできない
「なにかつまむものはないですか?」
「干し肉くらいしかないな」
この保安官に期待なんてしちゃいけねぇ、いや、誰かに期待なんてできないんだ
35: 2018/02/08(木) 21:00:42.66 ID:NwCYZcgP0
二度目の来客を知らせる鈴の音が店に響く
なんだ、今度はは随分と大人数だな。十人は軽く超えている
「お、お前がここのマスターでs……マスターか?」
おいおい、とんだ大物が出てきやがった
「そうですよ、美穂の姉貴」
こいつは組織の№2
「ちょっとお掃除が足りてないんじゃないですか?」
№3までいやがる、いったい俺が何をしたって言うんだ
なんだ、今度はは随分と大人数だな。十人は軽く超えている
「お、お前がここのマスターでs……マスターか?」
おいおい、とんだ大物が出てきやがった
「そうですよ、美穂の姉貴」
こいつは組織の№2
「ちょっとお掃除が足りてないんじゃないですか?」
№3までいやがる、いったい俺が何をしたって言うんだ
36: 2018/02/08(木) 21:12:35.91 ID:NwCYZcgP0
「お、おい! 最近上納金がすくないd……すくないぞ」
P C Sのトップ、小日向美穂が恐ろしい表情で俺を睨む
「そんなこと言われましても……あれで精一杯なんです」
これ以上金をむしられたら生活できなくなっちまう
「どうしますか? 響子ちゃん」
島村卯月が五十嵐響子へと、にやにやしながら聞いた
五十嵐は、窓のサッシに指を這わせた後、その指にふぅっと息を吐いた
「ちょっと汚いので、『お掃除』しちゃいましょう!」
可愛い顔して、何て恐ろしいこと言いやがるんだ……
P C Sのトップ、小日向美穂が恐ろしい表情で俺を睨む
「そんなこと言われましても……あれで精一杯なんです」
これ以上金をむしられたら生活できなくなっちまう
「どうしますか? 響子ちゃん」
島村卯月が五十嵐響子へと、にやにやしながら聞いた
五十嵐は、窓のサッシに指を這わせた後、その指にふぅっと息を吐いた
「ちょっと汚いので、『お掃除』しちゃいましょう!」
可愛い顔して、何て恐ろしいこと言いやがるんだ……
37: 2018/02/08(木) 21:22:12.84 ID:NwCYZcgP0
「今度来るときまでに、よ、用意しておくんでs……だぞ!」
豪快に笑いながら、P C Sの連中を引き連れて帰ろうとした時だ
「おい見てみn……見てみろよ! 保安官様が昼から良い気分になってm……てるぜ!」
「これはP C Sの皆さん、気を付けて帰ってくださいね」
馬鹿にされているのに、保安官はひらひらと手を振ってやつらを見送った
「はぁ……どうすりゃいいんだ」
保安官をちらりと見てみるが……いや駄目だ、こいつは頼りにならない
豪快に笑いながら、P C Sの連中を引き連れて帰ろうとした時だ
「おい見てみn……見てみろよ! 保安官様が昼から良い気分になってm……てるぜ!」
「これはP C Sの皆さん、気を付けて帰ってくださいね」
馬鹿にされているのに、保安官はひらひらと手を振ってやつらを見送った
「はぁ……どうすりゃいいんだ」
保安官をちらりと見てみるが……いや駄目だ、こいつは頼りにならない
38: 2018/02/08(木) 21:28:53.60 ID:NwCYZcgP0
「ほら、もう店じまいだ。帰ってくれ」
「んん……様子をみましょうかね、洋酒だけに」
けらけらと笑う酔っぱらいのケツを蹴って、ご退店願った
はぁ、他に頼りになる奴なんていなし一体どうしたらいい……
「お父さん、どうしたでごぜーますか?」
娘の仁奈が心配そうな顔をして、店の奥から出てきた
「まだ起きていたのか? なんでもないから、そろそろ寝るんだ」
「はーい、おやすみなさい。……お父さんも早く寝なきゃいけねーですよ」
ああ、と答えながら仁奈の頭を撫でた
「んん……様子をみましょうかね、洋酒だけに」
けらけらと笑う酔っぱらいのケツを蹴って、ご退店願った
はぁ、他に頼りになる奴なんていなし一体どうしたらいい……
「お父さん、どうしたでごぜーますか?」
娘の仁奈が心配そうな顔をして、店の奥から出てきた
「まだ起きていたのか? なんでもないから、そろそろ寝るんだ」
「はーい、おやすみなさい。……お父さんも早く寝なきゃいけねーですよ」
ああ、と答えながら仁奈の頭を撫でた
39: 2018/02/08(木) 21:38:35.38 ID:NwCYZcgP0
あれからしばらく雨が続き、ようやく天気が回復した日のことだ
「いらっしゃ……ちょっと早すぎやしませんか?」
P C Sの奴らだ。全員腰に銃を着けてやがる
「早いか遅いかは俺がきめm……きめる! お、お前らやっちまえ!」
小日向が手で合図を送ると、一斉に下っ端たちが店を荒らし始めた
まずい。一人が店の奥に行けることに気付きやがった、あそこには仁奈がいるってのに
「姉貴、子供を見つけました」
俺の不安は的中してしまった。仁奈は乱暴に取り押さえられ、今にも泣きそうな顔をしている
「いらっしゃ……ちょっと早すぎやしませんか?」
P C Sの奴らだ。全員腰に銃を着けてやがる
「早いか遅いかは俺がきめm……きめる! お、お前らやっちまえ!」
小日向が手で合図を送ると、一斉に下っ端たちが店を荒らし始めた
まずい。一人が店の奥に行けることに気付きやがった、あそこには仁奈がいるってのに
「姉貴、子供を見つけました」
俺の不安は的中してしまった。仁奈は乱暴に取り押さえられ、今にも泣きそうな顔をしている
40: 2018/02/08(木) 21:48:36.53 ID:NwCYZcgP0
「頼む、俺ならどうなってもいい。仁奈だけは助けてくれ」
こいつは妻が残してくれた大事な愛娘なんだ、こいつは幸せにしてやらないといけないんだ
「このとおりだ、頼む」
頭を地面につけて、頼みこみ……が、こいつらにはそんなもの通用しなかった
小日向のブーツが俺の後頭部を踏み、靴底を使ってご丁寧にブラッシングしやがる
「お涙ちょうだいってか? そんなものは見飽きてるんでs……だ! あ、上は見ちゃ駄目ですよ?」
短いスカートを抑えながら、小日向が凶悪な声で言った
ああ、もうだめだ……すまないヘレン、君との約束は守れなかったよ
こいつは妻が残してくれた大事な愛娘なんだ、こいつは幸せにしてやらないといけないんだ
「このとおりだ、頼む」
頭を地面につけて、頼みこみ……が、こいつらにはそんなもの通用しなかった
小日向のブーツが俺の後頭部を踏み、靴底を使ってご丁寧にブラッシングしやがる
「お涙ちょうだいってか? そんなものは見飽きてるんでs……だ! あ、上は見ちゃ駄目ですよ?」
短いスカートを抑えながら、小日向が凶悪な声で言った
ああ、もうだめだ……すまないヘレン、君との約束は守れなかったよ
41: 2018/02/08(木) 21:58:12.52 ID:NwCYZcgP0
仁奈が連れていかれるのをただ見ているだけ……と思った時
一発の銃声が店に響く
「きゃあっ」
そして仁奈を抑えていたP C Sのやつが悲鳴を上げて倒れた
「パパー!」
「仁奈、無事だったか……」
一体誰が助けてくれたんだ? 店の中に目をやると、テーブルにいる奴が銃を構えていた
片手には酒が入ったグラス、そしてもう片方に銃を構えた女
「保安官、あんた……」
「しずかにお酒が飲みたいだけですよ、私は」
にやっと笑うと、目で狙わずに、手だけで狙いをつけてP C Sのやつらを片付けていく
一発の銃声が店に響く
「きゃあっ」
そして仁奈を抑えていたP C Sのやつが悲鳴を上げて倒れた
「パパー!」
「仁奈、無事だったか……」
一体誰が助けてくれたんだ? 店の中に目をやると、テーブルにいる奴が銃を構えていた
片手には酒が入ったグラス、そしてもう片方に銃を構えた女
「保安官、あんた……」
「しずかにお酒が飲みたいだけですよ、私は」
にやっと笑うと、目で狙わずに、手だけで狙いをつけてP C Sのやつらを片付けていく
43: 2018/02/08(木) 22:04:26.51 ID:NwCYZcgP0
シリンダーを開け、薬莢を地面に落としてから弾丸を補充していく
それも酒を飲みながら、ゆっくりとだ
それもそのはず、もう残るのは幹部三人だけだからだ
「う、卯月ちゃんどうしよう」
「えっと、響子ちゃんお願いします」
「わ、私? ……が、頑張りますっ!」
何やら三人でひそひそとやっているようだが……
「さぁ……だれが私の相手をしてくれるんですか?」
カウボーイハットを銃口で押し上げ、保安官がにやりと笑った
それも酒を飲みながら、ゆっくりとだ
それもそのはず、もう残るのは幹部三人だけだからだ
「う、卯月ちゃんどうしよう」
「えっと、響子ちゃんお願いします」
「わ、私? ……が、頑張りますっ!」
何やら三人でひそひそとやっているようだが……
「さぁ……だれが私の相手をしてくれるんですか?」
カウボーイハットを銃口で押し上げ、保安官がにやりと笑った
44: 2018/02/08(木) 22:12:57.09 ID:NwCYZcgP0
「わ、私が相手です!」
№3の五十嵐が包丁を持って接近戦をしかける
「お料理(意味深)得意なんですっ」
可愛らしい声で意味深なことを言いながら、保安官に突撃し、その体に包丁が刺さ……らなかった
革のジャケットだけを上手く刺させて、包丁を絡めとった後は強烈な蹴りをお見舞いした
五十嵐がすっとび、壁にぶつかることでようやく止まったようだ
「きゅう……」
五十嵐は目を回している、これでしばらくは意識は回復しないだろう
残るは№1と2、こいつらは厄介だが、もしかしたらこの保安官なら……
№3の五十嵐が包丁を持って接近戦をしかける
「お料理(意味深)得意なんですっ」
可愛らしい声で意味深なことを言いながら、保安官に突撃し、その体に包丁が刺さ……らなかった
革のジャケットだけを上手く刺させて、包丁を絡めとった後は強烈な蹴りをお見舞いした
五十嵐がすっとび、壁にぶつかることでようやく止まったようだ
「きゅう……」
五十嵐は目を回している、これでしばらくは意識は回復しないだろう
残るは№1と2、こいつらは厄介だが、もしかしたらこの保安官なら……
45: 2018/02/08(木) 22:19:06.66 ID:NwCYZcgP0
「行くよ、卯月ちゃん!」
「はい、美穂ちゃん!」
二人の声が重なり、保安官の右と左に分かれた
これは左右からの挟撃か。いくら保安官が凄腕と言っても2人同時にはきついのではないか
「さぁ、私たちに泣いて謝っt……謝れ!」
「そうです、謝るのは誰だってできます」
保安官を中心に綺麗に右左から銃を構えた二人が、引き金に手をかける
「お酒はこぼすのだけは避けないと……」
保安官が何を思ったのか、酒の入ったグラスを空中に投げた
「はい、美穂ちゃん!」
二人の声が重なり、保安官の右と左に分かれた
これは左右からの挟撃か。いくら保安官が凄腕と言っても2人同時にはきついのではないか
「さぁ、私たちに泣いて謝っt……謝れ!」
「そうです、謝るのは誰だってできます」
保安官を中心に綺麗に右左から銃を構えた二人が、引き金に手をかける
「お酒はこぼすのだけは避けないと……」
保安官が何を思ったのか、酒の入ったグラスを空中に投げた
46: 2018/02/08(木) 22:24:43.18 ID:NwCYZcgP0
二人が同時に引き金を引く前に
二丁の銃を構えた保安官のほうが早かった
「ばぁん♪」
二丁同時に放たれた弾丸が、二人の銃を同時に落とした
「おっと、お酒もちゃんとキャッチしないと……」
銃をしまい、落ちてくるグラスを無事にキャッチできたようだ
「逃げるなら今のうちですよ? 今度はチーズみたいに穴だらけになっても知りませんから」
椅子に座り、酒をグラスに注ぎながら言う保安官の目は笑ってはいなかった
二丁の銃を構えた保安官のほうが早かった
「ばぁん♪」
二丁同時に放たれた弾丸が、二人の銃を同時に落とした
「おっと、お酒もちゃんとキャッチしないと……」
銃をしまい、落ちてくるグラスを無事にキャッチできたようだ
「逃げるなら今のうちですよ? 今度はチーズみたいに穴だらけになっても知りませんから」
椅子に座り、酒をグラスに注ぎながら言う保安官の目は笑ってはいなかった
47: 2018/02/08(木) 22:31:39.99 ID:NwCYZcgP0
保安官の言葉を聞いて、P C Sのやつらが逃げ出していく
「んー……お仕事の後の一杯は格別ですね」
ぐいっとグラスを傾け、ご機嫌そうに息を吐いた
「すまない、助かった。今日は俺の奢りだ」
「あら、いいんですか? じゃあお言葉に甘えさせてもらいます」
仁奈も助けてくれた保安官を気に入ったようだ、膝の上に座りにこりとほほ笑んでいる
「おねーさん、ありがとうですよ」
「たまたまですよ、たまたま」
仁奈の頭を撫でる保安官の目は優しく、頬を赤く染めた表情はとても魅力的に見えた
おしまい
「んー……お仕事の後の一杯は格別ですね」
ぐいっとグラスを傾け、ご機嫌そうに息を吐いた
「すまない、助かった。今日は俺の奢りだ」
「あら、いいんですか? じゃあお言葉に甘えさせてもらいます」
仁奈も助けてくれた保安官を気に入ったようだ、膝の上に座りにこりとほほ笑んでいる
「おねーさん、ありがとうですよ」
「たまたまですよ、たまたま」
仁奈の頭を撫でる保安官の目は優しく、頬を赤く染めた表情はとても魅力的に見えた
おしまい
48: 2018/02/08(木) 22:32:10.12 ID:NwCYZcgP0
読んでくれた方に感謝を
今日はこれでおしまいです
今日はこれでおしまいです
49: 2018/02/08(木) 23:51:37.99 ID:wbK70tRN0
乙
悪役が悪役出来てなくてかわいい。
というかこれでガチャイベントしてくれたら4桁万円突っ込む自信あり。
悪役が悪役出来てなくてかわいい。
というかこれでガチャイベントしてくれたら4桁万円突っ込む自信あり。
引用: 【モバマス】楓さんで安価 二軒目
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります