56: 2018/02/09(金) 20:38:33.74 ID:x304zUcB0
オールで居酒屋、バーはしご中な楓さんですか
ちょっと書いてみます

シリーズ:○○な楓さん

前回:【モバマス】ネカフェ生活満喫中な楓さん


57: 2018/02/09(金) 20:50:53.35 ID:x304zUcB0
今日もお疲れ様でした

明日はオフだし、今日も早くお仕事が終わったので、飲みに行っちゃいましょうか

そうだ、たまには誰も誘わずに一人で飲んでみましょう

そうと決まればよるの町に突撃です。おー♪

始めはなんでもある居酒屋にしましょうか、ビールから日本酒、洋酒までだいたい揃ってますし

軽いジャブから、変幻自在なフックまで対応してくれるお店です

この辺りは入ったことがないお店ばかりなので、私の直感で決めることにしました
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 004 高垣楓
58: 2018/02/09(金) 21:00:22.16 ID:x304zUcB0
「いらっしゃいませ! お1人様ですか? カウンターでもよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

元気のいい声でカウンターへと案内されました

どうやら串焼きのお店みたいですね

香ばしい煙と匂い、そして店員さんの手さばきが素晴らしくて、期待できます

そして、メニューを開いてみると、アカとキイロという珍しいお酒の種類

聞くと、アカは焼酎をワインで、キイロは梅割りのようです

「じゃあアカとレバー、それにハツと煮込みをお願いします」

珍しいお酒と定番のメニュー、これなら外れても大丈夫なはず

59: 2018/02/09(金) 21:10:23.18 ID:x304zUcB0
串をどんどんと焼いていく店員さんを見ていると、アカと煮込みが運ばれてきました

ロックでいただくみたいですが、頼めばソーダ割りもできるそうです

「いただきます」

まずは煮込みを一口……うん、美味しいですね

煮込みって色々な具材の味があって、とても楽しいですよね

煮込みを飲みこんでから、アカのロックを一口

これは、ペースを考えないと効いちゃうかもしれません

60: 2018/02/09(金) 21:22:19.99 ID:x304zUcB0
少しするとレバーとハツが運ばれてきます

レバーはたれで、ハツは塩で注文しました

まずはハツの塩を頂きます

……うん、歯ごたえも良いし、塩の加減が絶妙ですね

しょっぱく感じるぎりぎりの所、お酒を飲んで丁度いいと思えるバランスです

はぁ……串物ってお酒に本当に合いますね、ご飯も合うとは思いますがやっぱりお酒です

上機嫌でハツを食べ終わって、今度はレバーの串へと手を伸ばしました

61: 2018/02/09(金) 21:34:02.32 ID:x304zUcB0
レバーのたれ、炭で焼かれたたれの匂いが香ばしいです

まずは一口……もっちりしたレバーの食感と、独特の風味

噛めば噛むほど味わえる、お酒にもってこいの部位だと思います

医食同源だなんて中国では言うみたいですが、ちょっとわかる気がします

こうやってレバーを食べて、お酒を飲む

気持ち程度ですけど、肝臓の機能が上がる気がしますもの

もちろん、科学的な根拠はないですけど、酒飲みはそのくらいで良いんですよ




64: 2018/02/09(金) 22:05:52.22 ID:x304zUcB0
ふぅ……美味しかった

煮込みもレバーもハツも、単品で十分に美味しかったですが

お酒を合わせるとそれ以上の美味しさを発揮してくれました

これはリピートしたお店が一つ増えましたね

今度は皆を連れてまた来ましょう

「お会計お願いします」

店員さんに指でバッテンマークを示して、お会計を済ませる

……えっ? お会計間違っていませんか? 

私が予想していたよりだいぶ少なくて焦ってしまいました

ううむ……恐るべし、ですね

65: 2018/02/09(金) 22:16:23.86 ID:x304zUcB0
そんなに飲んだつもりはないですが、あのアカは効きますね

頭がふわふわとして、とてもいい気分です

公園で少し休憩しましょうか

ちょうどベンチがある公園を見つけたので、そこで休憩をすることにしました

ふぅ……まだ冬の寒さが残っているのに、私の体は熱く火照り、じんわりと汗ばんでいる

どうしましょうかね、もう帰って寝ちゃいましょうか、それとも……

そんなことを思っていると、缶ビール片手に、軽快に歩いている子を発見しました


66: 2018/02/09(金) 22:29:22.05 ID:x304zUcB0
「楓さん? 何してるんですか?」

ビールを一口含んだ後に、友紀ちゃんが私にそう聞いて来た

「1人で居酒屋を探索してたの」

「そっかー、美味しいとこありました?」

いつも笑顔の友紀ちゃんはとても楽しそう

「美味しいとこ探しに行きましょうか」

ええ、そうしましょう♪ 一人も良いですけど、そろそろ相手が欲しいと思ってたんです

「ま、まって! その前にこれ飲んじゃうから」

友紀ちゃんは持っていたビールを一気に呷りました

67: 2018/02/09(金) 22:32:42.76 ID:x304zUcB0
「ぷはぁっ! お待たせ、お付き合いしますよっ」

缶をぺこりと潰して、友紀ちゃんが元気に声を出します

まだ寒さを十分に感じさせる気温なのに、友紀ちゃんはそれを全く感じさせません

「これが若さ、なんでしょうか……」

「なにか言った?」

いいえ、と私は首を横に振りました

68: 2018/02/09(金) 22:42:37.82 ID:x304zUcB0
「じゃあ行きましょう」

「はーいっ」

私と並んであるく友紀ちゃん

「……こうして歩いてみると、友紀ちゃんも結構身長高いのね」

どうも子供みたいな印象を受けれしまうけれど、友紀ちゃんは背が高いほうだと思う

「そう? 楓さんのほうがもっと高いし、うらやましいかな」

私を見上げる友紀ちゃんの頭に、私は自分の頭を重ねてみました

69: 2018/02/09(金) 22:51:37.49 ID:x304zUcB0
「歩きにくい……」

「私は楽しいですよ♪」

友紀ちゃんの歩幅に合わせて、私も歩く

かくかくと頭が上下に動いちゃうけど、なにか楽しく感じる

「あ、お酒飲めそうなこと見っけ! はいてみよー」

「あら、逃げられちゃいましたか。残念」

私は笑いながら、友紀ちゃんの後をゆっくりと追いました

70: 2018/02/09(金) 22:58:04.52 ID:x304zUcB0
「えっと、バーだよね。ここ」

「ええ、バーみたいですね」

居酒屋よりも、しっとりと落ち着いた雰囲気

けれど、そこまでオーセンティックではないカジュアルなバーです

「あたし、もっとワイワイ飲めるところかなって思って……」

「たまにはいいんじゃないですか?」

友紀ちゃんも大人なんですから、こういう場を体験しておくもの良いと思います

71: 2018/02/09(金) 23:19:47.35 ID:x304zUcB0
「うーん……そうだね、たまにはいっか」

「そうです。お酒はどこで飲んでも美味しいですから」

友紀ちゃんがメニューをぱらぱらとめくった後に、ちょっと渋い顔をした

「メニューのあるお酒の名前と味が一致しなくて怖い」

ああ、なるほど。カクテルって名前は聞いたことあっても味がわからないのはよくあること

「じゃあここは私に任せてもらえませんか?」

私のほうが大人ですし、ここはお姉さんなところを見せちゃいますよ




72: 2018/02/09(金) 23:49:22.17 ID:x304zUcB0
「飲みやすいところだと、スクリュードライバーやロングアイランドアイスティーがいいかも」

「スクリュードライバーは聞いたことあるけど、ロングティー何とかは聞いたことないや」

「じゃあ私がロングアイランドアイスティーを頼むので、友紀ちゃんはスクリュードライバーで良いですか?」

私がそう言うと、友紀ちゃんはこくりと頷いた

バーテンダーさんに頼むと、友紀ちゃんはおお……とバーテンダーさんの動作を見ている

そして差し出されたカクテルが私たちの前に並ぶ

「それでは、乾杯」

「かんぱいっ!」

今日初めての乾杯を友紀ちゃんと交わした

73: 2018/02/09(金) 23:54:09.83 ID:x304zUcB0
「あ、おいしい……」

一口飲んだ友紀ちゃんがまじまじとグラスを見つめ、言う

「こちらも飲んでみますか?」

「いいの? それじゃあお言葉に甘えて」

グラスを傾け、友紀ちゃんの喉がこくりと動く

「紅茶の味がする、これって紅茶のカクテルなの?」

「いえ、紅茶は一切使ってないですよ」

名前からして、紅茶を使っているように思っちゃうけど、このカクテルはお酒だけでこの風味を出している


74: 2018/02/10(土) 00:17:58.82 ID:erjAFXDH0
「へぇ、魔法みたいだね! それに美味しいし♪」

気に入ったみたいで、友紀ちゃんがそれを飲み干した

「次はどうしますか?」

「私はこれ」

友紀ちゃんはロングアイランドアイスティーを頼み、私はマティーニを頼んだ

私はドライなのが好みなので、バーテンダーさんにそれを伝え作ってもらう

なかにはリンススタイルとかがあるみたいだけど、私はもう少し普通に飲みたい

行き過ぎてしまうと、どうも純粋に楽しめない気がして、敬遠しちゃう

76: 2018/02/10(土) 00:25:41.00 ID:erjAFXDH0
「やっぱりおいしいー!」

友紀ちゃんはカクテルをごくごくと飲んでいる

「ゆ、友紀ちゃん? そんなに急がなくても……」

「だいじょぶだいじょぶ! あたしは大人なんだからっ」

とろんとした目で、ぷはっと息を吐く友紀ちゃん

「なら良いんですけど……無理はしないでね?」

「わかってるってー♪」

これは、わかってなさそうな返事です……

77: 2018/02/10(土) 00:29:07.66 ID:erjAFXDH0
カクテルをまるでジュースみたいに飲み干していく友紀ちゃん

素直に凄いわねーって思いますけど、これはちょっとペースが速すぎかな、とも

「まだまだのむろー!」

ろれつも回らなくなってきてる気がします

「友紀ちゃん、ちょっとお水飲みましょう?」

私がそう言っても、友紀ちゃんは首を横に振るだけ

「やら! 今良いことらの、せんしゅこーらいとかむりっ!」

これは完全に出来上がっちゃってますね

78: 2018/02/10(土) 00:45:16.60 ID:erjAFXDH0
友紀ちゃんに聞こえないように、バーテンダーさんに呟く

「あの、タクシーを呼んでおいて頂けますか?」

バーテンダーさんは友紀ちゃんにちらりと視線を送り、それから笑って頷いた

「友紀ちゃん、もう少しゆっくり飲みましょうか。ね?」

「かえれさんらおそいんらよ、あらしらはやうない!」

うん、私が悪かったわ。ごめんね友紀ちゃん

私が謝ると、友紀ちゃんはぽやぽやとした表情でカクテルを飲み干した


79: 2018/02/10(土) 00:48:51.12 ID:erjAFXDH0
「友紀ちゃん、そろそろかえりましょうか」

「……まら飲みらい……」

ええ、素直に聞いてくれるとは思ってません

「じゃあ私の家で飲みなおしましょうか」

「……かえれさんのいれ? ならいくっ」

はい、これでお持ち帰り完了ですね

家に着いたらお水飲ませて寝てもらいましょう

「一人で歩けますか?」

「らいじょーぶっ!」

酔っぱらいは言葉と行動が一致しないのでお気を付けくださいね


80: 2018/02/10(土) 00:58:16.57 ID:erjAFXDH0
ふらふらと歩く友紀ちゃんの体を抑えて、肩を貸してあげます

「かえれさん、いいにおするれー♪」

お酒の匂いしかしないと思いますけど、ありがとうございます

友紀ちゃんを抱えお店の外にでると、そこはうっすらと霧がかかりながらも、朝日を感じる時間

午前様を通り越して、朝帰りですか……

今日は帰ったらすぐに寝て、起きたらお肌のケアですかね

時間は有限、何時までも若いままではいられないことを最近知りました

81: 2018/02/10(土) 01:07:12.39 ID:erjAFXDH0
「ほら、タクシーまでもう少しですよ」

「うーん……はぁい」

むにゃむにゃと口を動かしますが、足が全然動いてません

「友紀ちゃん、ほらっ! 足を動かしてっ」

引きずるようにして友紀ちゃんを動かします

「かえれさんごーいんらー、きゃっつのよばんにろう?」

私はアイドルだけで手いっぱいですから

ずりずりと少しずつ友紀ちゃんを引きずって、ようやくタクシーに着く

ふぅ……これで私の家まで帰れる

運転手さんに行き先を告げるころには、友紀ちゃんが寝息を立てていた

……これは降ろすのにも時間がかかりますね





おしまい


82: 2018/02/10(土) 01:08:20.01 ID:erjAFXDH0
読んでくれた方に感謝を
ごめんなさい、時間かかりました
とりあえずおしまいです、夕方か夜には再開します

引用: 【モバマス】楓さんで安価 二軒目