46: 2017/08/22(火) 09:52:40.20 ID:jjcqBlRso


最初から:モバP「アイドルたちが異能力者になったからなんとかしろって!?」
前回:モバP「白坂小梅、能力名『小さな恋の密室事件』」



……
………


P「すまんっ!」

晶葉「いや、別に謝ることはない。敵の攻撃だったんだから仕方ないさ」

あの子「敵って私のこと?」

P「お前は黙っとれい!」

晶葉「……どうした?」

P「あ、いやなんでもない、こっちの話……」

P(「お散歩カメラ」で閉じ込めた相手の声は本体である俺にしか届かないッ!)

晶葉「しかしその、『あの子』だったか。どうして私たちに攻撃を仕掛けてきたんだ?」

P「! そうだ、すっかり聞きそびれてた。答えろあの子!」

あの子「あの子ってどの子?」

P「お前以外に居るかァーッ!」

あの子「う、うるさいな君……ちょっとイタズラしてみただけだよ」

P「は?」

晶葉「何だって?」

P「……ちょっとイタズラしてみただけだそうだ」

晶葉「は?」

あの子「状況が状況だし? 面白いかなーなんて」

P「状況が状況だし、面白いと思ってやったらしい」

晶葉「…………」

P「……ペンある?」

晶葉「油性だぞ」

P「いいねぇ……」カキカキカキ

あの子「ちょっ、落書きするなー!」

P「ふんっ、お前はしばらく写真の中で反省してなさい」スッ
池袋晶葉 スリーブ
47: 2017/08/22(火) 09:54:33.39 ID:jjcqBlRso
P「よし、先を急ごう。……ちなみに今何時だ?」

晶葉「19時57分。あと3分だな」

P「なんとか、ここを出るまでは『お散歩カメラ』をもたせたいが……」

スタスタ……

P「……光だ! 出口が近いぞ!」

晶葉「お、おい助手! 先走るな!」

タッタッタッ……スタッ

P「!!!」

美嘉・莉嘉「……………」

晶葉「どうした?」ヒョイッ

P「しっ! ……まだ気付かれてない、いける!」スッ

パシャリ!

P「危ない危ない、いきなり2対1になるところだったぜ」ペラッ

晶葉「出入口の前に居るとは……まるで番人だな」

P「ああ……おい美嘉、莉嘉?」

美嘉・莉嘉「…………」

P(なんだ? 呼び掛けても反応がない)

晶葉「! まずい、もう20時になる! その写真は捨てて早く外へ出るぞ!」

P「……お、おう!」パッ

タッタッタッ……ウィーン

ピカァァァッ! バタッ、バタッ

美嘉・莉嘉「…………」

48: 2017/08/22(火) 09:56:16.99 ID:jjcqBlRso


タッタッタッ……、スタッ

P「はあっ、はあっ、ここまで来れば大丈夫だろう」

晶葉「ああっ、追ってくる様子も、ない……」ハアッ

P「……、『お散歩カメラ』!」

シーン

晶葉「出ないか」

P「ああ。次に出会ったアイドルからコピー出来ればいいが……」

晶葉「そういえば『あの子』はどうなったんだ?」

P「……写真からは居なくなってるな。落書きだけそのままだ」ペラッ

ゾンビ「ヴヴォァ?」

P「うぎゃあ!?」

晶葉「!?」ビクッ

「また、遊ぼうね……」シュウゥゥ……

P(あ、あの幽霊~ッ!)

晶葉「だ、大丈夫か? 助手」

P「ああ……一瞬晶葉が晶葉ゾンビに見えただけだ」

晶葉「そ、そうか。それで大丈夫というなら信じるぞ」

49: 2017/08/22(火) 10:00:58.86 ID:jjcqBlRso
スタスタ……

P(美嘉と莉嘉の様子は明らかにおかしかった。理性を失っているというよりも、意識を操られているような感じがあった)

P(もしかしたら、本当に番人として東棟の出入口を守らされていた可能性もある……)

P(でもいったい誰がそんなことを? 黒幕は本当に志希なのか?)

P(それにもし、そんな人を操る異能を誰かが持ってるとしたら、その子に勝てるのか俺……?)

P「……にしても、今日はやけに外が明るく感じないか?」

晶葉「言われてみればそう感じるが……さっきまで暗い場所に居たからだろうな」

P「そうか、そうだな。……今日は満月か」

晶葉「残念だがお月見ウサちゃんロボは調整中だ」

P「そうなのか? って、月見してる場合じゃないなんて分かってるよ」

「じゃあお花見する? プロデューサーさん♪」

P・晶葉「!!!」

相場夕美(以下、夕美)「でもその前に……たくさんお花を咲かせなきゃねっ」スタッ

P「夕美ッ……!」


夕美のお花をたくさん咲かせる(?)異能、「lilac time」の能力とは!?

↓2

51: 2017/08/22(火) 10:56:08.34 ID:eVD4WMUZ0
植物を操る能力

52: 2017/08/22(火) 19:12:18.42 ID:jjcqBlRs0
シュルシュル……

P「こ、この音は!?」

晶葉「……じ、地面だ! 地中から何かが来るぞっ!」

ズトン!

P「これは!? ……植物の茎ッ!?」

P(アスファルトを突き破ってくるこのパワー……相当ヤバいぞ!)

夕美「捕まえちゃえっ!」

シュルル!

晶葉「!!」

P「晶葉ッ!」バッ

タッタッタッ……

晶葉「どうするつもりだ助手!?」

P「どうするって!? 逃げるんだよォーーッ!」

夕美「逃さないよ!」

ズトン!

P「ッ、こっちだ! 手を離すなよ晶葉!」

晶葉「あ、ああ!」

ズトン!

P「こっちもかよ!」クルッ

ズトン! ズトン!

P「クソッ!」クルッ

タッタッタッ……

夕美「……♪」スタスタ……

53: 2017/08/22(火) 20:05:26.20 ID:jjcqBlRso
晶葉「……ま、待て助手! 止まるんだ!」

P「な、なんだよ!?」スタッ

晶葉「どうやら……私たちはまんまと誘導されたらしいぞ」

P「…………!? ここは中庭! いつの間にッ!?」

スタスタ……スタッ

夕美「そう、プロデューサーさんは私から逃げるどころか、逆に追い詰められたんだよ」

P「しまった……地中から出てくる茎を避けているうちにまんまと誘き寄せられたってことかよ……!」ズサッ

夕美「ここからはもう逃さないよ?」

シュルルル……

P「っ……」

夕美「隠しても仕方ないから教えてあげるね。私の『lilac time』は『植物を操る』能力! 植物が多いこの場所では……無敵かもしれないねっ」

P(シンプルであるがゆえに能力を隠す必要もなく、効果も強い……!)

P「晶葉……これはもしかして、絶体絶命ってやつか?」

晶葉「……うむ。だがつけ入る隙はあるはずだ」

54: 2017/08/22(火) 20:30:34.47 ID:jjcqBlRso
P「どういうことだ?」

晶葉「彼女は助手の能力を知らない。接近して異能をコピー出来れば────」

夕美「作戦会議の時間はあげないよっ!」スッ

シュルルル!

P「この茎を避けながら夕美に近づけってのか!?」タッタッタッ

晶葉「バラバラに動いて的を絞らせないようにするんだ!」タッタッタッ

夕美「どんな風に動いても、二つしかない的は外さないよ?」

ズドン! ズドン! シュルルル!

P「くっ!」

P(地中からだけじゃない、プランターもその辺の雑草も全部俺たちを狙ってくるッ!)

パシッ

P「!」

夕美「捕まえた♪」

P(クソっ、引っ張ってもちぎれない!)ジタバタ

晶葉「ぐっ……!」

P「晶葉!」

夕美「えーいっ!」

ギュルルル……

55: 2017/08/22(火) 21:02:33.70 ID:jjcqBlRso
P「っ、このっ……!」

P(両手両足が植物の葉や茎で縛られ、大の字で宙に固定されたまま動けない!)

夕美「綺麗なお花が二つ咲いたねっ。どれどれ……」スタスタ

晶葉「……向こうから近づいてきてくれたぞ」

P「動けないんじゃどうしようも出来ないって……」

夕美「えっとー、花弁の数は……ひとつ、ふたつ、みっつ……」コショコショ

P「あひっ、く、くすぐったいってっ!」

夕美「あははっ。こんなに楽しい『お花見』初めてかもねっ」

P「お花見って俺たちは桜かっ!? 見られる方なのか!?」

夕美「ふふっ。……私の大好きなお花だよ、プロデューサーさん」

P(結局そういうことか……! 藍子といい、好きな人を拘束って考えはどうにかならないのか!?)

P「こうなったら……!」


選択肢(正解は二つ)
1.思う存分お花見させてやるよ!
2.夕美、好きだーーーっ!
3.なんとかしてくれ晶葉!
4.もう負けを認める

↓2

57: 2017/08/22(火) 21:08:24.06 ID:LA/j6sJjO
4

59: 2017/08/22(火) 21:28:46.00 ID:jjcqBlRso
ハズレ


P「……分かった、分かったよ。もう負けだ。諦める」

晶葉「助手!?」

夕美「負け? 何言ってるの?」

P「いや、だからもう抵抗はしないってこと。はいはい負け負け!」

晶葉「……」

夕美「……『勝ち』も『負け』もないんだよ? だってこれは『戦い』じゃない」

P「なに……?」

夕美「プロデューサーさんが私の『lilac time』から逃れられないことは分かってたもん。言ってみれば、プロデューサーさんは最初から負けてるの」

P「…………」

夕美「『戦い』じゃなくて、私が一方的に『蹂躙』してるだけ。勘違いしたらダメだよっ」

P(なんつー言い草だ……)

夕美「それとも、負けを認めればこの拘束を解いてあげると思っちゃったのかな?」

P「……クソッ」


選択肢(正解は二つ)
1.思う存分お花見させてやるよ!
2.夕美、好きだーーーっ!
3.なんとかしてくれ晶葉!

↓2


ちなみにゲームオーバーとかは特に無いので、ハズレを選んでも戦闘終了時の時間経過が多くなるだけです。

61: 2017/08/22(火) 21:30:31.86 ID:bcLAddDpO
1

62: 2017/08/22(火) 22:26:02.34 ID:jjcqBlRso
正解!


P「あーそうかいそうかい。だったらもう好きにしなさい!」

夕美「好きにされることしか出来ないもんね?」

P「そうとも言う……」

晶葉「…………」

夕美「じゃあどうしようかな……そうだ!」

シュルルル……プチッ、プチッ

夕美「お花を飾ってあげるねっ」モゾモゾ

P(とにかく今は耐えることだ……そうすれば勝機は巡ってくる!)

夕美「……よし! どうかな? って、自分じゃ分からないよねっ」

P「頭にめちゃくちゃ花が乗ってるのは分かるよ……」

夕美「お花見だから桜をイメージしてみたんだ。写真撮るね♪」

パシャッ

夕美「一緒に映ってるのも」

パシャッ

P「じゃあ俺が夕美に抱きついてるところを撮るっていうのはどうかな?」

夕美「え~っ!? そ、それは……恥ずかしいからダメ!」

P「チッ……」

63: 2017/08/22(火) 22:49:14.47 ID:jjcqBlRso

……

夕美「はぁ~っ、楽しい……次は何をしようかな」

P「ま、まだ続くのか……」

P(飾りつけ、写真撮影に留まらず花言葉クイズ、品種当て、挙げ句の果てには勝手に歌い出す……)

P(一体いつになったら夕美は満足するんだッ……!?)

夕美「あれっ? その顔、もしかして疲れちゃったのかな?」

P「そりゃあもう……晶葉なんてほら」

晶葉「…………」

夕美「寝てるのかな?」

晶葉「起きてるぞっ! ……この姿勢は大分辛いが」

夕美「そっか。私もちょっと疲れちゃったし……もう終わりにしてあげるねっ」

P「! じゃあ────」

シュルルル!

P・晶葉「!?」

P(な、なんだ!? 俺と晶葉をどこかへ動かそうとしているッ!?)

夕美「あの辺りがいいかな?」スッ

シュルルル……ドサッ、ドサッ!

P「花壇の上ッ!? どういうつもりだ夕美!」

夕美「……お花は実をつけて、枯れるときにまた種を地面に埋めるんだ」

シュルルルッ! グググッ……

P「な……!?」

晶葉「これは……私たちを生き埋めにするつもりなのか!?」

64: 2017/08/22(火) 23:01:51.98 ID:jjcqBlRso
P「お、おい晶葉ッ! アイドルたちは理性を失って欲望のまま動いているって、確かにそう言ったよなッ!?」

晶葉「あ、ああっ!」

グググッ……ズボッ

P「だったら、夕美は俺たちを地面の中に埋めたがってるってことかよ、おい!」

晶葉「わ、分からない! もしかすると、私たちを本当に花にしたと信じこんでいるのかもしれないぞ……っ」

P「んなわけあるかーっ! 明らかに、明らかに俺たちを『倒す』もしくは『頃す』つもりで攻撃しているじゃないかッ!」

夕美「頃したりしないよっ! 種からまたお花が咲くんだから」

グググッ……

P(まずい、もう半分埋まって来ている! 止めなくては……!)ジタバタ

夕美「抵抗しないんじゃなかったのかな? しても無意味だけどねっ」

P「ハアッ、く、クソッ……夕美!」

夕美「?」

P「埋める場所は本当にここで良かったのか!」

夕美「……どうして?」

P「夕美の大好きな花がたくさん潰れてるぞッ……俺と晶葉の下で!」

夕美「!!」スッ

シュルルル……バッ

65: 2017/08/22(火) 23:14:39.87 ID:jjcqBlRso
タッタッタッ……

夕美「そんな、こんなに……ううっ、私……」ドサッ

P(慌てて俺と晶葉を移動させたうえに、植物の拘束も緩んだ……そして)

P「動揺している……自分のやったことが信じられないといった様子で……」

晶葉「何か別の『原因』があるのかもしれない。アイドルの正気を失わせている原因が……」

P「ああ……だが、今やるべきことは一つ!」

スタスタ……ダキッ

夕美「ひゃっ!? えっ、なっ、ちょっと、プロデューサーさん!?」

P「動くな!」

夕美「は、はいっ!?」

P「……10秒! そして『解毒剤』!」スッ

夕美「んんっ!?」

ゴクッ……パタッ

P「……飲ませると気絶するのか? これ」

晶葉「即効性だからな。多少体に負荷がかかる」

P「そうか。……手強い相手だった、『lilac time』!」

シュルルル……

P「潰れた花を元通りにすることは出来ないが、花はまた咲かせることが出来る。夕美なら育てられるよ……」



相葉夕美「lilac time」────再起可能

66: 2017/08/22(火) 23:16:02.75 ID:jjcqBlRso
今日はここまでです

67: 2017/08/22(火) 23:47:35.56 ID:PHjHxkISo
おつ

次回:モバP「新田美波、能力名『ヴィーナスシンドローム』」


引用: モバP「アイドルたちが異能力者になったから安価でなんとかしろって!?」