120: 2017/08/24(木) 22:08:55.53 ID:D6J9/fFso


最初から:モバP「アイドルたちが異能力者になったからなんとかしろって!?」
前回:モバP「速水奏、能力名『Hotel Moonside』」

PM9:10

P「あー、痛ってえ……今日一番のダメージだぞおい……」

幸子「こっちのセリフですよっ! だいたいなんで目が覚めたら落下してるんですか!」

P「それはまあ、無重力だったからとしか……」

幸子「は? 無重力? カワイイボクは、物理法則をも越えてしまった……!?」

P「違うわ! そもそも幸子さあ……俺たちはお前を助けるためにわざわざ敵の罠に嵌まったんだぞ? それ分かってる?」

幸子「……罠? そういえば、4階に戻ろうとしているときにエレベーターが止まって、そこからボクはいったい……?」

P「だから、敵の罠だったんだよッ! そこ!」

奏「」

幸子「奏さん!? ボクのあまりのかわいさに気絶してしまったんですか!?」

P「あーもういいわ、真面目に話すだけ時間の無駄だ……」

晶葉「……おい、助手」

P「ん、どうした。そういえば晶葉は怪我とか大丈夫だったか?」

晶葉「身体は大丈夫だ。それよりだな……さっきのアレはなんだ! 何故きっ、キスをする必要がある!」
池袋晶葉 スリーブ
121: 2017/08/24(木) 22:10:31.00 ID:D6J9/fFso
P「ああっ、いや、それはだな……抱き締めた状態で解毒剤を飲ませるにはあれが一番なんだよ!」

晶葉「私が飲ませればそれでいいだろう!」

P「無重力! 無重力で浮いてたからっ!」

晶葉「異能をコピーしたのだからそれも解除出来たはずだ!」

P「うっ」

晶葉「それに間違えて飲み込んでしまったらどうする!まともに戦える人間が居なくなってしまうんだぞ!」

P「ううっ!」

晶葉「第一、キスなんてうら、けしからん事を、いくら正気を失っているからとはいえアイドルにするなど……」ブツブツ

P「ん? うら……?」

晶葉「なっ、なんでもないっ!」

P「あっはい。もうしません……」

晶葉「……そういえば、一つすっかりいい忘れていた」

P「? ああ、そういや幸子と会う前に何か言いかけてたな」

晶葉「解毒剤は助手が持っている物を含めてあと『10個』しかない」

P「……なんだって!? 晶葉、お前いっぱい持ってなかったか!?」

晶葉「どうやら、夕美から逃げているときにポケットから落ちてしまったようなんだ。……すまない」

P「あの時か……まあ俺が晶葉を引っ張って逃げ回ってたんだし、仕方ないよ」

晶葉「私は万が一のときのために一つ持っていれば十分。残りは助手が持っていてくれ」スッ

P「よし、分かった。落とさないようしっかりしまっておくよ」

122: 2017/08/24(木) 22:11:03.48 ID:D6J9/fFso
晶葉「……もし手持ちの薬を使いきっても黒幕が見つかっていないようなら、探しに戻るしかない」

P「大丈夫大丈夫。奏を倒したってことはおそらくエレベーターも使える、もうすぐこの事件も解決さ」

P(……もし探しに戻ることになっても、こっちにはラッキー体質なアイドルも居るしな)

幸子「へくしゅっ……今日もどこかの誰かが、ボクのかわいさを噂してますね!」

P「OK、幸子はカワイイよ。じゃあそろそろ出発しよう」

晶葉「うむ。といっても、エレベーターに乗るだけだが」

P「行き先は『9階』、今度は大丈夫だろうな……」ポチッ

ガチャン、ウィーン……

P(扉が開いたらまた敵が居た、なんてことは勘弁してくれよ……)

チーン

123: 2017/08/24(木) 22:11:39.70 ID:D6J9/fFso
9階

ウィーン

P「……つ、着いたな」

晶葉「敵は居ない、のか……?」

幸子「だから罠は無いって言ったじゃないですか!」

P「既にあったんだよッ!」

幸子「えっ、そうなんですか?」

晶葉「……行くぞ」

P「……ああ」

幸子「ちょ、ちょっと! 無視しないでください!」

P(ま、本当なら階段でちまちま上がるはずだったのを、幸子のおかげでショートカット出来たと云えなくもないよな)

P(敵が居たとはいえ一人だけ。あのまま階段で進んでいれば何人と戦っていたのかは分からないわけだし……)

スタスタ……スタッ

P「ここだな」

晶葉「志希が居るか、居ないか……」

P「居ないにしても、何か手がかりはあるか……」

P・晶葉「……」ゴクッ

幸子「もしもし? 志希さーん、中に居るんですかー?」トントン

P「うおおおお前ってやつは本当になあ幸子ォッ!?」グイッ

幸子「なっ、ノックしただけじゃないですか!」

P「しなくていいッ! ……開けるぞ?」

晶葉「……」コクッ

124: 2017/08/24(木) 22:12:17.42 ID:D6J9/fFso
キィー、スタ、スタッ……バタン

P「……誰も居ないな、暗いし」パチッ

晶葉「…………。詳しく調べてみよう、一応マスクを着けてな」スッ

P「サンキュー。じゃ、俺はこっち」

晶葉「私は反対側だな」

幸子「ボクは────」

P「いいッ! ここで待っててくれッ!」

幸子「なんですかもう……」

P「さて……」スタスタ

P(ビーカーや試験管の中に薬品っぽいものが入っているが、この中にアイドルの異能力者にした薬も入っているのだろうか?)

P(まあその判断は晶葉にまかせるとして……マスクしてるのにけっこうキツい臭いがしてくるな)

P「晶葉、そっちはどうだ?」

晶葉「いや、まだ何も手がかりはない」

P「そうか……ん? 貼り紙がある……」スタスタ

幸子「……」スーッ……

『にゃはは! 残念、志希ちゃんの居場所はここじゃありませんでした~! 頑張って探すがよいぞよ?』

P「……」イラッ

P(ん? 裏にも何か書いてあるのか……?)ペラッ

『※DANGER※これより先はプロデューサー以外見てはいけません!』

P「…………」ベリッ

『あたしは黒幕じゃない……かもね?』

P「……なんだって?」

『……ちなみに、ここまで読んだキミには黒幕からの刺客をプレゼント!』

P「な……!?」クルッ

プツン!

P(電気が消えたッ!?)

P「晶葉! 幸子!」

シーン……

P(クソッ、迂闊だった……!)

125: 2017/08/24(木) 22:13:08.21 ID:D6J9/fFso
……パチッ!

P「戻った! ……なんだ、誰も居ないじゃないか……『誰も居ない』ッ!?」ダッ

「…………」

P「晶葉、幸子っ!返事を────、!」スタスタ

晶葉「……」

P「良かった……って良くはないが、倒れて気絶しているだけだ。消えてはいない……」

P(……誰がやった!? 電気が消えていたのはほんの1,2分。そんな時間で誰がこんなことを────)

「プロデューサーさん♪」ダキッ

P「え……?」チラッ

佐久間まゆ(以下、まゆ)「やっと……やっと二人きりになれましたね♪」

P「まゆッ、お前が……!」

まゆ「『邪魔者』は『始末』したんですよ……ここには、私とプロデューサーさんの『二人だけ』でいいんです」

P「し、『始末』だとッ!? おい、まさか────」

キィー……

P「!」

幸子「ふぅ……あぁすいません、またちょっとお手洗いに行って……あれ、まゆさん?」

まゆ「……まだ、居たんですね」

P「幸子ッ! 部屋から出るんだッ!」

まゆ「誰にも邪魔はさせないから……『エヴリデイドリーム』!」


黒幕からの刺客(!?)まゆの異能、『エヴリデイドリーム』の能力とは!?

↓2

127: 2017/08/24(木) 22:15:15.36 ID:W3IJmMmL0
戦意を完全に喪失させる(Pのみ)

130: 2017/08/25(金) 16:55:52.30 ID:yC3P9BwVo
幸子「なっ、ななな何ですか!?」

P(くっ、幸子が攻撃される前に何とか解毒剤を────)

キィィィン!

P「………、あ、あれ……?」

まゆ「うふふ、どうしたんですかぁ……?」

P「いや、俺は、まゆに……」ドサッ

幸子「プロデューサーさん!?」

P(どういうことだ……まゆに解毒剤を飲ませなければならないのにッ!)

まゆ「そのままでいいんですよ、プロデューサーさん。まゆを『倒す』だとか『止める』だとか、そんなことは考えなくていいんです」

P「そうか……そう、だよな……」

P(駄目だ……出来ない……俺はもう、何も出来ない……戦えない……)グッタリ

まゆ「……少しだけ待っててください。邪魔者を片付けてきますから」

幸子「も、もしかしてボクのことですか……!?」

P「ま、待ってくれまゆ! 幸子には手を出さないでくれ!」スタッ

まゆ「…………」スッ

キィィィン!

P「あうっ! ぐっ、く……」

P(敵意を向けられない……! 身体から力が抜けてしまう……)ガクッ

131: 2017/08/25(金) 16:56:42.12 ID:yC3P9BwVo
まゆ「さて、幸子ちゃん」

幸子「は、はい? まゆさん、何かちょっと、様子が変ですよ……?」

まゆ「変? うふふ、そんなことありませんよ。これっぽっちもまゆはおかしくありません……」スタ、スタ

P「幸子っ、逃げろ……逃げるんだ……」

まゆ「……」スタ、スタ……

幸子「まゆさんっ! そ、それ以上近づかない方が……」

まゆ「大丈夫ですよ、苦しいのはほんの少し────」

ズルッ、ステーン!

P「……!?」

幸子「あぁ、やっぱり……だから近づかない方がいいって言ったんです」

まゆ「ど、どうしてこんなところに雑巾が……」イタタ

幸子「さあ、それはボクにも分かりませんけど……ってまゆさん!? その机に手を置いたら────」

スタッ……ブチュン

まゆ「……?」スッ

幸子「血、血じゃないですか!?」

まゆ「ひっ……!?」

幸子「あ、ごめんなさい嘘です。ただの絵の具ですね。……でもなんで絵の具が?」

まゆ「幸子ちゃん……あなた……」ギロッ

幸子「ひいっ!? ぼ、ボクはなにもしてないですからね!?」

132: 2017/08/25(金) 16:57:45.34 ID:yC3P9BwVo
P(これは「To my darling…」ッ!? 幸運が幸子を守っているってのか!?)

まゆ「そうですね、幸子ちゃんは何もしていない。でもその『異能』は厄介ですねぇ……」スタ、スタ……

幸子「ボクの『To my darling…』が何をしたっていうんですか……?」

P(まずい……幸運にも限界がある! まゆを止め続けることは出来ないッ!)

P(やはり……俺が戦わなくては……!)スタッ

まゆ「プロデューサーさん?」クルッ

キィィィン!

P(まただッ……攻撃の意志が、薄れていく……)

P「…………」グッタリ

まゆ「大人しくしていてください。もうすぐ、終わりますから」スタッ

幸子「ま、まゆさん!? 何をするつもりですか!?」

まゆ「……二つ、いいことを教えてあげます」

幸子「は、はい……?」

133: 2017/08/25(金) 16:58:30.48 ID:yC3P9BwVo
まゆ「一つ目……『エヴリデイドリーム』は戦意を完全に喪失させる異能。この能力から逃れることは出来ません」

P(そうか、そういうことか! しかし分かったところで……クソッ)

まゆ「……もっとも、この異能はプロデューサーさん専用。プロデューサーさんだけのための物ですけどね」

P(おいおい……)

幸子「い、いかにもまゆさんっぽいですね」

まゆ「そして、二つ目。……私の異能は一つじゃないんですよ」

P・幸子「!?」

P(馬鹿な、異能は一人一つだけでは……!?)

まゆ「永遠の魔法をかけて……『マイ・スイート・ハネムーン』!」


佐久間まゆ第二の異能! 「マイ・スイート・ハネムーン」の能力とは!?

↓2

135: 2017/08/25(金) 17:28:36.67 ID:oaX3ftAQo
10秒以上抱き合うことでPと一つになる

137: 2017/08/25(金) 20:03:22.26 ID:yC3P9BwVo
まゆ「幸子ちゃんには特別に見届けてさせてあげますッ! まゆとプロデューサーさんが『一つになる』のを!」スタッ

幸子「ええっ!? 一つになるって、それはどういう……」

まゆ「見ていれば分かります……!」ダキッ

P「な、まゆ……っ!」

まゆ「『エヴリデイドリーム』!」キィィィン!

P「っ、あ、が……」

まゆ「抗うことはないんです……そのまますうっと、まゆを抱き締めてくれさえすれば……」ギュウッ

P「……」ギュッ

幸子「ボクはこのまま見ていればいいんですね!?」

まゆ「はい。……やっと、やっと……!」

ピカァァァァァッ!

幸子「眩っ……!?」

138: 2017/08/25(金) 20:04:10.33 ID:yC3P9BwVo
「…………」

幸子「な、何がどうなったんですか……?」

まゆ「やっと、一つになれましたね……♪」パッ

P「はあ……、そうだな……」グッタリ

P(なんということだ……)

幸子「な、何が一つになったんですか? どう一つになったんですか?」

まゆ「これを見てください♪」スッ

幸子「! 左手の薬指に指輪……ということは!?」

まゆ「……はい。私たち、結婚したんです!」

幸子「なるほど、一つになるってつまり夫婦になるってこと……ってえええええええっ!?」

P「なんという……なんという恐ろしい異能……俺の負けだ、完全に……」

P(不意をついて解毒剤を飲ませようにも────)

まゆ(エヴリデイドリーム!)キュイイン!

P「ううっ……」ガクッ

P(この能力で一つになった者の思考はお互い筒抜けになってしまう……)

まゆ(変なことは考えないでくださいね?)

P(…………)

P(「お願い! シンデレラ」はまゆの異能を両方コピーしたが、「マイ・スイート・ハネムーン」を解除するには────)

まゆ(ダメです♪)

P(両人が解除の意志を持たなければいけない……離婚届にハンコが必要なように……)

139: 2017/08/25(金) 20:05:16.00 ID:yC3P9BwVo
P(……ん? というか、ちょっと待てよこの能力)

まゆ(なんですか?)

P(「一つになる」という言葉はつまり10秒抱き合った二人が夫婦になる……それだけの異能なのか?)

まゆ(いいえ。その気になれば文字通り「一つになる」ことも出来ますよ)

P(そ、それは勘弁してくれ……)

まゆ(……もっとも、この異能も「プロデューサーさんと一つになる」ためだけのものですけどね。まゆの異能はプロデューサーさんだけのものです♪)

P(つまり、俺なら誰にでも使えるってことか)

まゆ(……どういう意味ですか?)ジロッ

P(違っ、違うぞ! 浮気とかそういうのじゃないからな! 戦いで使えるかもってだけで)

まゆ(戦い……?)

幸子「あ、あのー……さっきから二人とも見つめあって何をしているんですか?」

P「あ、すまん。心と心で通じあってた」

まゆ「やだ、プロデューサー、いや、Pさんったら♪」

幸子「え、えぇ……?」

まゆ「そんなことよりPさん、今すぐハネムーンに出発しましょう♪」

P「ま、待てまゆ。今すぐっていうのはちょっと無理だよ」

まゆ「……どうしてですかぁ?」

P「いや、だからそのな────」

140: 2017/08/25(金) 20:06:44.57 ID:yC3P9BwVo

……


晶葉「……どうして目が覚めたら助手が結婚しているなんてことになっているんだ」

幸子「さあ、ボクにはさっぱりです」

P「いや……まゆの異能は俺に特化しすぎてて、勝ち目が無かったんだよ……」

まゆ「♪」

晶葉「なら、私が解毒剤を飲ませる。そうすれば助手一人で能力は解除出来るんだろう」

まゆ「はい……?」

P「ま、まあまあ、落ち着けって。まゆも事情を話したら協力してくれるっていうし、もう俺たちを攻撃する意志もない」

まゆ「Pさんと一つになれたんですから、当然です♪」

P「解毒剤が10個しかない以上、無理に飲ませる必要も無いんじゃないかな?」

晶葉「……はあ、ならそうすればいい。一生まゆと結婚したままでも私は知らないからな」

P「お、おいおい、それはちょっと困る────」

まゆ「……」ジロッ

P「わけないな! うん、結婚万歳!」

まゆ(隠しても分かるんですから、ね?)

P(ひっ……)


佐久間まゆ「エヴリデイドリーム」「マイ・スイート・ハネムーン」が仲間になった!

次回:モバP「前川みく、能力名『おねだり Shall We ~?』」


引用: モバP「アイドルたちが異能力者になったから安価でなんとかしろって!?」