211: 2017/08/27(日) 07:17:23.02 ID:U4hAFhU0o


最初から:モバP「アイドルたちが異能力者になったからなんとかしろって!?」
前回:モバP「神崎蘭子、能力名『華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~』」


……

P「蘭子の異能は『自分で書いた物を具現化する』と『影をカラスに変化させて襲いかからせる』か……両方強力だな」

P(能力名が長いのが難点だが)

晶葉「紙とペンはすぐ出せるようにしておいた方がいいぞ」スッ

P「ああ。でも俺あんまり絵上手くないからなぁ……」

乃々「そ、そんな魔法使いみたいな力が、本当にあるんですね……」

P「森久保も今の戦いを見てただろ?」

乃々「そうですけど……まだ信じられません……だから」

P「だから?」

乃々「もりくぼはまた、机の下に隠れておきます……」スゥ

まゆ「いつも通りですね」

P「よし、それじゃあ行こうか。……そういえば幸子は?」

幸子「す、スカートの替えが無いんですっ! もう一緒にいけません!」ヒョコッ

乃々「もりくぼの定位置が取られちゃったんですけど……」

P「まったく、しょうがないなぁ」カキカキ

幸子「何をしてるんですか……?」

P「『華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~』ッ!」ピカァァァァァ

幸子「!」

P「ほら、これでいいだろ? 出てきなさい」

晶葉「幸子の服を描いたんだな」

幸子「は、はい、ありがとうございます。でもどうしてジャージ……?」

P「スカート上手く書けないから……」

幸子「あ、そうですか……ボクはジャージでもカワイイから、問題ないですけど!」

P「はいはい。じゃあ今度こそ出発だ」

裕子「はい! 私のサイキックテレポーテーションで────」

P「それは妙な位置に飛んだら面倒だから却下で」

裕子「あう……」

晶葉「助手、6階に行く前に一度私の部屋に戻ってしっかりと準備をしておいた方がいいかもしれない。おそらく次が最後の戦いだろうからな」

P「そうだな……」


選択肢
1.晶葉の言うとおりにする
2.いや、すぐにでも志希を倒しに行く!
3.その前に腹ごしらえだ!

↓2
池袋晶葉 スリーブ
213: 2017/08/27(日) 07:22:14.51 ID:RUUDOcmHO
1

215: 2017/08/27(日) 23:16:34.61 ID:U4hAFhU0o
P「晶葉の言うとおりにしよう。フリールームに行くのは準備を整えてからだ」

晶葉「うむ」

まゆ「それじゃあ乃々ちゃん、行ってきますね」

P「まあ大丈夫だとは思うが、ちゃんとじっとしてるんだぞ!」

森久保「は、はい……行ってらっしゃい……」

ガチャ……バタン

森久保「…………」スッ、チラッ

蘭子「」

森久保「うぅ……気絶してる蘭子さんと二人きりなんて、むーりぃ……」

森久保「じゃあやっぱり、プロデューサーさんたちと……」スタッ

森久保「でも……それもやっぱり、むーりぃ……無理くぼです……」ブツブツ

216: 2017/08/27(日) 23:18:53.02 ID:U4hAFhU0o
スタスタ……

幸子「部屋に戻って準備すると言ってましたけど、何か持っていく物でもあるんですか?」

P「……確かにな。ロボの修理とかするのか?」

晶葉「それもあると言えばあるが……やはり解毒剤の補充をしておきたい。精製は自動で行うようにしておいたからな」

P「んー、つってもまだ9個あるわけだし大丈夫なんじゃないか?」

晶葉「多く持っておくに越したことはない。ここまでは無かったが、敵が集団で襲ってくる可能性もあるんだ」

まゆ「事務所のアイドルのうち1割だけが異能力者になったとしても、9個じゃ全然足りませんものね」

P「でも、要は志希を倒してしまえばいいんだろ?」

晶葉「フリールームに志希が一人で居る可能性は限りなく低い! ……それに、志希が黒幕かどうかはまだ確定していないだろう」

P「まあ、そうか……」

裕子「任せてくださいムムムム……サイキックビジョンでフリールームの様子を……」ムムム

P「力みすぎてテレポーテーションするなよ」

晶葉「……それにだ、助手。一番は君のためだぞ」

P「え、俺?」

217: 2017/08/27(日) 23:20:07.33 ID:U4hAFhU0o
晶葉「これまで何人もの異能力者と戦って、感じていなくとも疲れは確実に溜まっているはずだ」

P「まあここまで勢いでなんとか乗り気って来たが、そう言われるとな……」グターッ

晶葉「まだ22時になってから5分ほど、異能がリセットされるまでは長い。……しっかり休むんだぞ」

P「晶葉……ああ、サンキューな。でも晶葉だって疲れてるだろ? 着いたら肩でも揉んでやろうか?」

晶葉「い、いいっ! 座ってゆっくりしていろ!」

P「そうか……残念」

まゆ「Pさんの肩はまゆが揉んであげますね♪」

P「おっ、そうか! じゃあ幸子には膝枕でも頼むかな~せっかくスカートじゃなくなったことだし」

幸子「なんでそうなるんですかっ!」

晶葉「……着いたぞ」スタッ

P「ああ、ここだったな。なんだかここを出発したのがずっと前に感じるよ」

裕子「私、初めて入ります!」

幸子「なんか、ドアが派手に壊れてるるんですが……」

P「まあ、ちょっとあってな……」

ギーッ、ガシャッ……

218: 2017/08/27(日) 23:21:11.80 ID:U4hAFhU0o
晶葉「……!?」タッタッタッ

P「な、なんだとッ!? 荒らされてやがる!」

まゆ「一目見るだけで、機械の類いは壊れてると分かりますね……」

P「それだけじゃない……ここで寝かせておいた智絵里と藍子も連れ去られてしまっているッ!」

裕子「えっ、二人がここに居たんですか?」

P「ああ。智絵里は晶葉がロボで捕まえて、藍子は俺が戦った最初の異能力者だったんだ。もちろん二人とも解毒剤は飲んだ」

まゆ「……つまり二人は無能力者だった。なのに連れ去られたんですか? 乃々ちゃんは見逃されたのに」

P「! 確かに、そうなるな」

幸子「目が覚めて帰っちゃったんじゃないですかねぇ?」

P(そうなのか? いや、それは希望的観測過ぎる……)

晶葉「……無い」

P「えっ?」

晶葉「精製されているはずの解毒剤が消えている……ここを荒らした何者かが奪ったんだ!」

「にゃーっはっはっは! そのとーり!」シュタッ

219: 2017/08/27(日) 23:22:31.08 ID:U4hAFhU0o
みく「黒幕からの刺客、再び参上だにゃ!」

P「みくッ! ……お前どっから出てきた!?」

みく「ネコチャンは神出鬼没なの! それよりPチャン、さっきの借りはここで返してあげるにゃ! なんたってみくには────」スッ

晶葉「解毒剤!」

みく「そう! これでPチャンやみんなを無能力者にしちゃえば、みくの完全な勝利なんだから!」

晶葉「人の部屋をこうも荒らしてくれた上に発明を勝手に持ち出すとは、許せん……!」

P「そうだぞ、やっていいことと悪いことの区別もつかないのか!」

まゆ「……この泥棒猫」

みく「うっ、うるさいにゃ! みくの新しい異能で、4人だろうが5人だろうがまとめて相手してやるにゃー!」

P(新しい力……第二の異能か!)

裕子「もしかしてみくちゃんとは以前にも戦闘を……?」

幸子「そういうことです」

P「みく、戦いを始める前に一つ聞くぞッ! ここの居たはずの智絵里と藍子もお前が、『黒幕』が連れていったのか!」

みく「さぁ~? それはどうなのかにゃあ~?」

P「……そうかよ。だったらお望み通り、ぶっ倒してから聞き出してやるよッ!」

みく「『ぶっ倒す』のはみくだよっ! 新しい異能……『ニャンと☆スペクタクル』!」


もはや人としての尊厳も失った泥棒猫(?)みく第二の異能、「ニャンと☆スペクタクル」の能力とは!?


↓2

221: 2017/08/27(日) 23:23:50.90 ID:mjIWKjkf0
相手に猫耳をつける

222: 2017/08/27(日) 23:40:06.45 ID:U4hAFhU0o
みく「えいっ!」

ニャニャニャニャニャニャ!

P「な、なんだッ!? 頭に何か違和感が……!」

まゆ「Pさん、頭にネコミミが!」

P「何ッ!? そういうまゆこそ!」

晶葉「全員だ! みくを含めてこの場にいる全員、頭にネコミミを装着されたっ!」

みく「『ニャンと☆スペクタクル』は問答無用で相手にネコミミを着けちゃう能力! もちろん何人でも可!」

P「なんだ、このネコミミ……いったい何をしてくるッ……!?」

みく「……? かわいいでしょ?」

P「……は?」

まゆ「みくちゃん、相手を猫にする異能も持ってましたよね……?」

みく「『おねだり Shall We ~?』は一人ずつしか狙いを付けられないし、避けられちゃうこともあるしで使いづらいモン」

P「いやだから、ネコミミ付けるだけの異能でどうやって俺を倒すんだ……?」

みく「……げ、解毒剤!」

P「させるかッ!」バシッ

みく「ふにゃぁーっ!? と、取られちゃった……」

223: 2017/08/27(日) 23:48:00.31 ID:U4hAFhU0o
P「みくちゃんよォ~、ネコに傾倒するあまり頭の中までネコレベルに退化しちゃったんじゃないんですかァ~?」

みく「なっ、なんてこと言うんだにゃ! それにネコチャンは賢いもん!」

晶葉「……まあいい。さっさと決着を着けてくれ助手」

P「そうだな、別にどうやっても倒せるが……」

みく「それはどうかにゃ……!?」


選択肢(全部正解です)
1.速攻抱きついて異能をコピー
2.みくもカワイイ! みくもカワイイ!
3.合体して倒すのがお約束!
4.晶葉、恨みを込めてやってしまえ!
5.裕子、サイキックでネコキャラを封じててくれない?
6.せっかくだし蘭子の異能を使ってみる
7.あえて負けを認める


↓2

225: 2017/08/27(日) 23:49:59.75 ID:1Pd0ttbfo
1

226: 2017/08/28(月) 00:01:30.02 ID:TsJUXiuko
正解!


P「まあ、まどろっこしいことなんかせずこれが一番だよなッ!」タッタッタッ

みく「! 『おねだり Shall ────」

P「ネコのすばしっこさはこんなもんかァ!?」ダキッ

みく「速いっ!?」

晶葉「最初に比べて抱きつくまでの速度は実際上がっているな……」


P「このまま異能をコピーさせてもらうッ!」ギュウッ

P(……しかし、こうして密着するとやはり胸の膨らみがッ……!)

まゆ(Pさん?)

P(ハッ! ち、違う、あくまで異能をコピーするためだ!)

P「じゅ、10秒! 続いて解毒剤!」スッ

みく「み、みくはまだ負けるわけにはいかないんだにゃあーっ! 絶対飲まない!」ンググ

P「絶対飲ませるッ!」ゴリゴリ

みく「んんんん!」ングググ

P「ええい鬱陶しい! 『おねだり Shall We ~?』ッ!」ギュイイイイン

みく「!?」

227: 2017/08/28(月) 00:10:15.41 ID:TsJUXiuko
みく(猫)「ニャニャ!? ニャーニャーニャー!」

P「本物の猫になれて良かったですね~」

みく「ニャッ! ニャーッニャッニャッ!」シュタッ

P「んん~? 小さくなったかた逃げられるって? 無理だね! みんな出せッ!」

晶葉・幸子・まゆ「」スススッ

裕子「な、なんですかそれ!?」

P「必殺! マタタビ乱れ投げ~ッ!」シュバババババ

みく「!!!!」

P「あのときみくがぶちまけたのをしっかり回収しておいたのさ……自分の技で苦しむんだな!」

みく「にゃーっ、にゃにゃーん!」ゴロゴロゴロ

P「解毒剤ッ!」スッ

みく「!!!」ゴロン

P「ふぅ、しつこい相手だったぜ」

晶葉「自分の技で倒されるとは、哀れだな……」

まゆ「因果応報ですね」

P(「ニャンと☆スペクタクル」はともかく、これでまた強力な「おねだり Shall We~?」も使える……猫合体も出来る!?)

228: 2017/08/28(月) 00:18:14.51 ID:TsJUXiuko
みく「…………」

裕子「みくネコさん、かわいいですね!」サスサス

幸子「そうですねぇ……まあ、ボクの方がカワイイですけど!」ナデナデ

P「こらこら、離れなさい。そろそろ元に戻すから」スッ

みく(人間)「み、みくは……自分を曲げない、諦めないっ!」スタッ

P「何ッ!? 気絶していないッ!?」

晶葉「助手っ、また逃げられるぞ!」

P「あ、ああ────」

みく「ネコチャンは逃げ足も速いんだにゃああああああっ!」ヒョイッ、シュタタタタタタタッ

P「ま、マジで速い!?」

幸子「また逃げられましたけど!?」

まゆ「……逃げ足『だけ』は速いですね」

P「……晶葉、みくが持ってた解毒剤のビンは!?」

晶葉「……! しまった、持っていかれた!」

P「あの泥棒猫、手も早いじゃねーか……!」

233: 2017/08/28(月) 11:52:11.07 ID:TsJUXiuko
P「しかしどういうことだ……解毒剤を飲ませたのになぜ気絶しなかったんだ!?」

晶葉「解毒剤は体に少し負荷がかかると言っただけで、必ず気絶するとは言っていない。……私も油断していたが」

幸子「飲ませたときみくさんは猫になってましたから、そのせいじゃないですか?」

晶葉「可能性はある」

まゆ「それより、早く追いかけた方がいいんじゃないでしょうか」

晶葉「ああ、アレが敵に渡ればこちらは不利になるのは確実だ」

裕子「まだ間に合います! サイキックテレポーテーションで追いかけましょう!」

P「…………」

P(今から追い付こうと思ったら多少無理をすることになるし、おそらくそのまま志希や他の敵とも戦闘になる)

P(解毒剤が敵に渡るのは厄介だが、ここは追いかけず準備を整えた方がいいのかもしれない……)

晶葉「助手、どうした?」


選択肢
1.追いかける
2.追いかけない


↓2

235: 2017/08/28(月) 11:54:06.78 ID:Qr5QaWDyo
1

236: 2017/08/28(月) 12:44:10.42 ID:TsJUXiuk0
P「いや、なんでもない。追いかけよう!」

裕子「分かりました! みなさん、輪になって手を繋いでください!」

晶葉「……テレポーテーションでいいのか?」ギュッ

P「チンタラ走ってたんじゃ追いつけないからな。ユッコ、6階フリールームの入り口だ」ギュッ

裕子「任せてください!」ムムム

P「頼むから正確に、正確にな……」

裕子「大丈夫です、サイキックは常に進化していますから……」ムムムム

幸子「信じますからね!?」

裕子「行きますよ~、サイキック……テレポーテーションっ!」

ピシュン!

237: 2017/08/28(月) 12:50:42.81 ID:TsJUXiuk0
6階

みく「はあっ、はあっ……逃げ切れたみたいだにゃ……」スタッ

P「誰から逃げ切れたって?」

みく「にゃにゃにゃにゃにゃ!?」ビクッ

裕子「サイキックテレポーテーション、大大大成功です!」

みく「テレポーテーション!? もうなんでもありかにゃ!?」

晶葉「解毒剤を返してもらおうか!」

P「ついでに『黒幕』の正体も吐いてもらうぜ!」

みく「うう~っ、『おねだり Shall We ~?』!」

シーン

P「ついさっき解毒剤を飲まされたのも忘れちまったのかッ!」タッタッタッ

みく「ハッ! そうだったにゃ!」

P「『LEGNE』ッ! 解毒剤を奪え!」

みく「っ!? み、みくの影が!?」

バシッ、コロンコロン……

晶葉「確かに返してもらったぞ」スッ

みく「そ、そんな……」

238: 2017/08/28(月) 12:51:37.94 ID:TsJUXiuk0
P「さて、今度は『黒幕』の正体を聞かせてもらおうか」

みく「うぐぐ……」

まゆ(Pさん、ちょっと待ってください)

P(まゆ? どうしたんだ、っていうかなんで脳内?)

まゆ(とにかく聞いてください。志希ちゃんの部屋にあったのは「異能力者になったアイドルを支配下に置く薬」でしたよね?)

P(ああ、そうだな)

まゆ(みくちゃんは解毒剤を飲んで、確実に無能力者になりました。なのにまだ、元のみくちゃんに戻っていないんですよ?)

P(……!)

P(「黒幕」は志希ではない、そしてみくの意識は「黒幕」が直接支配しているのか……!?)

みく「……っ!?」パタッ

P「みく!?」

幸子「突然倒れちゃいましたよ!?」

バタン! シュルルルルル!

P「!?」

P(「何か」がみくをグルグル巻きにしたッ!?)

ズルズルズル!

裕子「みくちゃんがフリールームの中に……!」

「さあ、プロデューサー。キミの欲しがる『真実』はこの先にある、知りたければ足を踏み入れるがいい」

キィーッ……

239: 2017/08/28(月) 13:50:09.25 ID:TsJUXiuko
P「…………」

晶葉「どうやら、行くしか無さそうだな」

P「ああ、ここまで来たら引き返せるかよ。お望み通り、足を踏み入れてやるッ!」

「それでこそボクのプロデューサーだ。ようこそ、歓迎するよ……」

スタ、スタスタ……バタン

P「……!」

二宮飛鳥(以下、飛鳥)「やあ。……驚いたかい? ここはキミが見知ったセカイでも、予測していたセカイでもない……ボクのセカイだ」

幸子「フリールームって、こんな雰囲気でしたっけ……?」

P「こんな痛々しいルームにした覚えはない。勝手に改装しやがったな」

飛鳥「フフ……ボクがそう願った訳じゃない。『そうなって』しまったんだ……理解るだろう?」

P「分かるかいッ!」

晶葉「……志希の姿が見えない」

まゆ「部屋に引きずり込まれたはずのみくちゃんも……」

飛鳥「彼女達は『この先』に居るよ。もっともボクは、キミ達をそこへ辿り着かせないために今存在しているんだがね」

P「ようするに飛鳥を倒さなきゃ先に進めないってことだろう!」

P(でも、「この先」っていったいどういう……?)

飛鳥「その通りさ。……笑えるだろう? 中二病を患ってるただの痛い奴だったはずのボクが、本物の異能に覚醒めてしまったんだよ」

P「…………」

飛鳥「そしてまんまと意識を操られ、傀儡としてキミと踊るのさ……醜い戯曲をね」

P「……ああ、なんて酷いストーリーだろうな。こんな茶番はとっとと終わらせるに限る!」

飛鳥「行くよ。……『共鳴世界の存在論』」



いよいよ敵の本陣へ(!?)飛鳥の異能、「共鳴世界の存在論」の能力とは!?


↓2

241: 2017/08/28(月) 13:52:13.52 ID:voq/QlUuo
包帯を操り包んだ相手の声を奪う事で世界(SS)から追放する

242: 2017/08/28(月) 17:14:44.94 ID:TsJUXiuko
シュルルルルッ……

P「腕に巻いたその包帯、新しいファッションかと思ったら異能で操るための物だったんだなッ!」

飛鳥「そういうのは蘭子の性分でボクのそれではない。しかしまあ、これも与えられた異能、なんでねっ!」シュルル!

P「だったらその蘭子の異能で相手してらァ! 『LEGNE』ッ!」シュイイン!

影カラス「グァーッ!」ビリイッ

飛鳥「ほう……影、か。いかにも蘭子が好みそうだ」

シュルルルル!

まゆ「Pさんっ! 後ろです!」

P「何ッ!? 『包帯』が本体に巻かれている必要はないのかッ!」スッ

影カラス「グァーッ……ッ」シュウゥン……

P「貫かれた!?」

飛鳥「思ったよりも脆い生き物だね。『存在論』の物理的なパワーは強くない方だと思っていたんだが」

P(黒を基調とし、全体が薄暗いこの部屋では映し出される影も薄い……『LEGNE』も必然的に弱くなってしまう)

P(ならば、影を映し出す光を強くするのみ!)カキカキ

飛鳥「はははっ、ボクを無視していきなりペンを走らせるか。面白い」

P「そいつはどうも……クソ、中々上手く書けない」カキカキカキ

飛鳥「……だけどプロデューサー、ボクはキミが何かするのを待ってはあげられないんだ。……ッ!」シュルルルル

晶葉「助手! その異能は隙が大きすぎるぞ!」

P「分かっている! ……ギリギリセーフ、『華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~』ッ!」

ピカァァァァァッ!

243: 2017/08/28(月) 17:15:45.20 ID:TsJUXiuko
飛鳥「っ、この光は……」

ビリイッ!

影カラス「グアーッ!」

P「この『LEGNE』はさっきと一味違うぜ?」

飛鳥「……後ろにあるスポットライト、それも蘭子の異能かい?」

P「その通り。『華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~』は自身が描いた物を具現化する異能ッ!」

飛鳥「二つも力が覚醒めるなんて、さすがは蘭子と言ったところか。描いた物を具現化する異能なんて、彼女はさぞ喜んだだろう」

P「ああ、ハイテンションでカッコいい武器とか色々出してたよ。自分じゃ扱えなかったけどな」

飛鳥「……だったらキミは、ボクを操るこの糸を切るハサミでも具現化するのかい?」

P「あいにく画力が無いんでな、そう上手くはいかないんだよ」

飛鳥「そうか、残念だな。……そのカラスは影から生まれ、影は光が強ければ強いほど濃く映し出される。簡単な仕掛けだね」シュルルルルッ!

P「このライトを狙うかッ! だが非力な異能で壊せるかな!?」

飛鳥「壊す必要はない。光を無くせばいいんだろう?」

シュルルルルッ……

P(そうかッ! 包帯で光を遮りさえすれば影は薄れる!)

P「しかしッ! 『LEGNE』は一体だけじゃあないぜ!」シュイイン!

飛鳥「! ボクの影も操るか」

P「みんなの影も使わせてもらうぞ! 『LEGNE』たちッ! 伸びてくる包帯をビリビリに破くんだ!」

影カラスたち「グアーッ! グァーツ!」バサッバサッバサッ

244: 2017/08/28(月) 17:16:52.54 ID:TsJUXiuko
ビリッ、ビリビリビリ……

飛鳥「やれやれ、多勢に無勢だね」

P「さて、追い詰めたぞ飛鳥!」

影カラスたち「グァーッ、グァーッ」バサバサバサ

P(……なんだ? 何か違和感がある……カラスの強さ? 大きさ? 数……数!)

P「こ、これは……『LEGNE』がなぜ『7羽』居るんだッ!?」

飛鳥「…………」

裕子「ええっと、本当は何羽居るのが正しいんですか?」

幸子「ボクと、プロデューサーさんと、まゆさんと、晶葉さんと────」

晶葉「私たちが5人、加えて飛鳥がいる。だから『6羽』が正しいはずだ」

P「俺たちが認識してない『誰か』の影が一つ混じっている……!」

飛鳥「気づいたか。……教えてあげるよ。『誰か』じゃない、『前川みく』さ。キミたちのすぐ近くに居るじゃないか」

幸子「えっ……? ど、どこにですか?」キョロキョロ

P(すぐ近くだと……?)

シュルルルル……

P「!」

245: 2017/08/28(月) 17:18:08.36 ID:TsJUXiuko
幸子「み、みくさん……!」スタッ

P「ミイラのようにグルグル巻きにされていたのかッ!」

P(部屋の雰囲気に馴染んでいてまったく気がつかなかった……)

幸子「みくさん、みくさん! 大丈夫ですか!」



まゆ「大丈夫です、気を失っているだけみたいですから」



P「……あれ?」

飛鳥「……フフ、理解るかいプロデューサー?」

P(まただ……! また違和感がある! しかし今度は何もおかしくはない、みくはそこにちゃんと居る! なのに、確かに、何かがおかしいッ!)

P「みくッ!」



P「……みく? みく!」



P「…………!」

P(で、出てない! 『みく「…………」グッタリ』みたいなのが、まったく出ていないんだッ!)

246: 2017/08/28(月) 17:19:09.47 ID:TsJUXiuko
飛鳥「理解したみたいだね。そう、彼女はこの『セカイ』から『追放』されたのさ」

P「つ、追放だと……!?」

飛鳥「存在はそこにある。ボクたちはそれを認識することも出来る。だが、このセカイで彼女は二度とそれを証明することは出来ないんだ」

P「…………???」

飛鳥「疑問符が3つも浮かんでいるじゃないか。感覚では理解っていても、言葉を聞いて理解するのは難解だったかい?」

P「あ、飛鳥……お前の『共鳴世界の存在論』は、いったいどんな異能だっていうんだ!」

飛鳥「知りたいかい? ボクの異能の正体を……渇望するほどに、敵であるボクへ素直に尋ねるほどに」

P「ああ……知りたいねッ!」

飛鳥「……フフ、だったら、キミの一番大切な人で教えてあげるよ」

P「!」

P(床に散らばっている包帯の破片一つ一つが伸びていくッ!?)

247: 2017/08/28(月) 17:20:00.52 ID:TsJUXiuko
シュルルルル!

裕子「きゃっ!」バシッ

幸子「はうっ!?」バシッ

P「幸子っ、ユッコ! クソッ────」

シュルルルル、ギュウッ!

P「!!」バタッ

P(両手両足が拘束された!? 動けないッ……!)

飛鳥「包帯をビリビリに破いたのは失敗だったね。決定的にボクを優位にしてしまった」

P「クソッ、『LEGNE』────」

バリィン!

P(スポットライトが! 壊そうと思えば壊せたのかッ!)

飛鳥「照明さえ消せば、ただのカラスだ」

シュルルルル……バスッ! バスッバスッ!

影カラスたち「グァー……グア……」シュウウッ……

P「クソッ!」

飛鳥「さあ、『正体』をその目で確かめるといい」

シュルルルル!

まゆ「きゃああっ!」バタッ

P「まゆ!」

……ギュウウッ

晶葉「くっ、このっ……!」

P「……晶葉ッ!?」

飛鳥「そう……彼女さ」

248: 2017/08/28(月) 17:21:39.06 ID:TsJUXiuko
グルグルグルグル!

晶葉「────!」

P(晶葉は全身が包帯でグルグル巻きにされ、まったく身動きがとれない!)

P「やめろ飛鳥ッ! その異能を使うなら俺に使えッ!」

飛鳥「正体を知りたいと言ったのはキミじゃないか。……ほら、もう彼女は『追放』された」

シュルルルル……ドサッ

P「晶葉ーーっ!」ジタバタ



P「……!」

P(ま、まただ……みくと同じ!)

裕子「晶葉ちゃんっ、大丈夫ですか!?」



裕子「晶葉ちゃん……?」

P(晶葉は気絶していない……少し痛いような素振りを見せているが、普段の晶葉だ)

P(なのに────)

P「なのにどうして何も言わないんだ、晶葉……! 声を聞かせてくれっ!!」



P「っ……!」

飛鳥「それは出来ないな。彼女はもう声を失ったんだ」

P「な、に……!」



飛鳥「ハハハ、あまり表情を崩さない彼女もさすがに驚きを隠せないようだね」

P「『声を奪う』……それが『正体』か!」

飛鳥「そうだ、とも言えるし、違う、とも言える。ボクたちにとっては『声を奪う』以上のことは観測出来ない」

P「『ボクたちは』、だとッ!?」

飛鳥「だが、この醜い戯曲を楽しんでいる者……彼らはもう、彼女の存在を観測出来ないんだ」



飛鳥「こうして彼女が疑問符を浮かべながらボクの言葉の意味を考えている姿も、彼らに見ることは出来ないのさ……」

249: 2017/08/28(月) 17:57:46.52 ID:TsJUXiuko
P(何を宣っているか分からんが……晶葉が声を奪われたのは、事実)

P「……すぅー、はぁーっ。スゥーーーッ……ハァーッ」

飛鳥「どうしたんだい? まさか、怒ってるんじゃないだろうな?」

P「怒ってるさ……はらわたが煮えくり返りそうなのを何とか静めてるんだよ」

飛鳥「怒ってるというのは変だな。ボクはキミの望むことをしてあげたんだよ?」

P「……本気で言ってるのか?」

飛鳥「……冗談さ。晶葉がああなってしまって、ボクに対する怒りが止まらないんだろう」

P「違うぞ、飛鳥……俺は自分に腹が立ってるんだよ。どうしようもなく迂闊で、馬鹿な自分にな……」

飛鳥「自己批判、か。だったら、キミのすることは一つの筈だ」

P「ああ。……飛鳥、お前を倒す!」

飛鳥「そう、キミにはボクを倒す役という役目がある。そしてボクには、キミを倒すという役目がある」スッ

ギュウウッ!

P「ぐっ……!」

飛鳥「動けないだろう。キミの存在も『追放』してあげるよ……!」



P「そんな顔をするなよ、晶葉っ……すぐに飛鳥を倒し、異能をコピーして元に戻してやるからさ……!」


選択肢(一つだけ正解)
1.「おねだり Shall We ~?」ッ!
2.「おねだり Shall We ~?」+「マイ・スイート・ハネムーン」ッ!
3.「おねだり Shall We ~?」+「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律 」ッ!


↓2

251: 2017/08/28(月) 18:03:08.19 ID:RYAxofIko
2

252: 2017/08/28(月) 19:43:51.09 ID:TsJUXiuko
ハズレ


P「まゆ! あれをやるぞッ!」

まゆ「…………」

P「まゆ、聞いているのかッ!? 合体だ!」

まゆ「あ……は、はいっ!」

まゆ(Pさん……)

飛鳥「合体……?」

P「『おねだり Shall We ~?』ッ!」ビビビビビビ

飛鳥「! キミは仲間を攻撃するのか……!?」

まゆ(猫)「ニャーニャーニャー」
まゆ『また猫になっちゃいましたにゃ~♪』

裕子「まゆちゃんを猫に!?」

幸子「本当に驚くのはここからですよ……」

飛鳥「おいおい、仲間を猫にしてどうするつもりだい?」

P「どうするって? 合体だよッ! まゆ、『一つになる』ぞ!」

まゆ「ニャーッ!」
まゆ『一つになる……分かりましたにゃん♪』

シュタッ……ピカァァァァァッ!

飛鳥「!?」

253: 2017/08/28(月) 19:44:30.10 ID:TsJUXiuko
P(まゆ)「よっしゃ! 合体猫人間再び誕生ですにゃっ!」

裕子「……えっ、えええええええっ!?」

P(まゆ)「こんな包帯なんて……!」ビリッ、バシッ

飛鳥「は、はは、は……これは、驚いたな……」

P(よし、飛鳥がうろたえてる内にケリを着けるぞまゆ!)

まゆ(…………)

P(まゆ……?)

P(まゆ)「行くぞ飛鳥……あうっ!?」ズルッ、ステーン!

P(なんだ? 身体が思ったように動かない!?)

まゆ(…………)

P(まゆッ! 心も一つにするんだ! シンクロしろ!)

まゆ(Pさんにとっての一番は……まゆじゃないんですね)

P(は……!? 何を言ってるんだよ!)

254: 2017/08/28(月) 19:46:17.86 ID:TsJUXiuko
まゆ(飛鳥ちゃんはPさんの大切な人で異能の正体を見せると言っていました。そしてそれは……晶葉ちゃんだった)

P(それは飛鳥が勝手にそう判断しただけだ!)

まゆ(じゃあ今言ってください! まゆが一番、大切だって……)

P(ああもう、今はそんなことやってる場合じゃないだろう!?)

P(まゆ)「…………」

裕子「どうしたちゃったんでしょう……転んだまま動かないですよ?」

幸子「そうですね……プロデューサーさ、いやまゆさん? じゃなくて、プロまゆさん?」

飛鳥「合体の次は氏んだフリでもしているのかい?」

シュルルルルッ……ギュウッ!

P(まゆ)「!」

飛鳥「おや、違ったようだね。ならこのまま『追放』するとしよう」

P(まゆ、今は飛鳥を倒すんだ! 話は後ッ!)

まゆ(ごめんなさい……本当に、ごめんなさい。今は、一緒に戦えないです……)

P(なんだって……!?)

グルグルグルグル!

P(まずいッ! クソッ……じゃあ「解除」するぞ!)

まゆ(……はい。「解除」!)

ピカァァァァァッ!

255: 2017/08/28(月) 19:46:59.43 ID:TsJUXiuko
ドサッ、ドサッ

P「っ、拘束からは逃れたか」スタッ

飛鳥「元に戻ったか。しかし一体、キミ達は何のために合体したんだ?」

P「ホントならもうケリは着いてたんだがな……」

まゆ「ごめんなさい……プロデューサーさん」

P「いや、いいよ。俺一人でなんとかするさ。飛鳥の異能を喰らわないように下がっているんだ」

まゆ「……はい」スタスタ

P(あれ……まゆの心の声が聞こえない。……指輪も無くなっている!)

飛鳥「さあ、今度こそ終わらせよう。これ以上ボク達に言葉は要らない」


※「マイ・スイート・ハネムーン」による婚姻が解除されました


選択肢(一つだけ正解)
1.「おねだり Shall We ~?」ッ!
2.「おねだり Shall We ~?」+「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律 」ッ!

↓2

257: 2017/08/28(月) 19:47:45.00 ID:I6X4SJ/C0
2

258: 2017/08/28(月) 20:42:51.57 ID:TsJUXiuko
正解!


P「ああ、これ以上の茶番は勘弁だ! ……『おねだり Shall ────」

飛鳥「猫にする異能は使わせないよ!」シュルルルル

影カラス「グァーッ!」バサッバサッ

飛鳥「っ、二つの異能を同時に繰り出すか……!」

P「猫にするのは『影』だッ! 『おねだり Shall We ~?』ッ!」ビィィィッ!

影ネコ「ニャーッ!」シュバババッ

飛鳥「それが、どうしたと……!」シュルルルル!

影ネコ「ニャニャッ!」シュタッ、シュタッ

P「猫は素早いんだぜ。そして『LEGNE』は一体では無いッ!」スッ

影カラスたち「グァーッ!」バサッバサッ

飛鳥「っ……!」シュルルルル!

バシッ、バシッ、シュウゥゥ……

飛鳥「ふぅ、やはり強さは大したこと無いようだ」

P「ああ。だが光ある限り、影は消えないッ!」シュイイン

影カラスたち「グァーッ! ガァー!」

259: 2017/08/28(月) 20:44:16.07 ID:TsJUXiuko
飛鳥「まったく、鬱陶しい……!」

P「『おねだり Shall We ~?』ッ! 『LEGNE』たち、空と陸でかき回せ! 」

影ネコたち「ニャーッ!ニャニャー!」シュタタタッ

影カラスたち「グァーッ! ガァー!」バサッバサッ

P「どうだ、ゴミ捨て場を荒らす動物コンビの威力はッ! 」

飛鳥「このっ、ボクにまとわりつく影め……!」

P「トドメだッ! 『ニャンと☆スペクタクル』ッ!」

飛鳥「!」グルグルグルグル

ニャーッ!

P「包帯を防御に回したか。しかし無駄だぜ、この異能は『問答無用』だ。いかなる防御も意味はない」

飛鳥「なんだと……しかし、ボクは何もされていないぞ」

P「頭をちょこちょこっと触ってみるんだな」

飛鳥「……、これは?」

P「それはただのネ・コ・ミ・ミ。トドメだなんて嘘だよ~ッ!」タッタッタッ

飛鳥「くっ、キミはどこまでも────」

ダキッ!

260: 2017/08/28(月) 20:45:13.12 ID:TsJUXiuko
P「今度こそトドメ、だ。醜い戯曲の終幕だよ」ギュウッ

飛鳥「ふっ……最後が抱擁とは、この戯曲はどうやら凡庸なハッピーエンドのようだ」

P「いいじゃないか、救いようの無い最高のバッドエンドより、ご都合主義で最低なハッピーエンドの方が俺は好きだね」

飛鳥「……キミらしい言葉だ」

P「10秒! 続いて解毒剤ッ!」スッ

飛鳥「やれやれ、これでやっと糸が切れる、か……」

ゴクッ……パタッ

P「……晶葉! 今声を元に戻────」

晶葉「……」コホンッ

P「晶葉!?」

晶葉「本体が気絶して能力が解除されたんだ。もう何とも無い」

P「そうか、よかった……」ホッ

晶葉「…………。ありがとう、プロデューサー」ボソッ

P「えっ、なんだって?」

晶葉「なっ!? ……知らん、なんでもない!」

P「あーウソウソ! どういたしまして!」


二宮飛鳥「共鳴世界の存在論」────再起可能

261: 2017/08/28(月) 21:08:33.21 ID:LEDpqPHwO
存在の消え方が面白いな

次回:モバP「一ノ瀬志希、能力名『秘密のトワレ』」


引用: モバP「アイドルたちが異能力者になったから安価でなんとかしろって!?」