1: 2009/07/28(火) 20:53:37.21 ID:g7uUsFRuO
長門「今から氏ぬ」

2: 2009/07/28(火) 20:55:43.59 ID:g7uUsFRuO
キョン「……長門?」

長門「今から氏ぬ。首を吊る」

キョン「ちょっ!待て!?本気か!?」

長門「本気」

キョン「くそっ!今からそっちに行く!いいからバカなことはやめろ!」
涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅱ
3: 2009/07/28(火) 20:58:29.80 ID:g7uUsFRuO
~長門家~

キョン「ハァ……ハァ……長門!!」

長門「なに?」

キョン「……あれ?」

長門「お茶」

キョン「あ、ああ……」

長門「……」クスクス

キョン「あの……首吊るとかの話は?」

長門「来てくれた来てくれた来てくれた」ボソボソ クスクス

キョン「長……門?」

6: 2009/07/28(火) 21:00:26.68 ID:g7uUsFRuO
キョン「心配は……ないんだな?」

長門「平気」

キョン「ふぅ、良かったよ。それじゃあ俺は帰るな」

長門「待って」ガシッ

キョン「どうした?」

長門「もう遅い。泊まっていくべき」

キョン「いや、さすがに女の子の家に男が泊まるのは……」

長門「そう」トテトテ

キョン「長門?どこ行くんだ?」

8: 2009/07/28(火) 21:04:30.28 ID:g7uUsFRuO
長門「……」ガサゴソ

キョン「……長門?」

長門「……」キラン

キョン「ほっ、包丁!?」

長門「氏ぬ」

キョン「ちょっ!待て!落ち着け!首に包丁を押しあてるな!」

長門「さようなら」

キョン「くそっ!間に合え!」ドサッ

長門「……」

キョン「くっ、間に合ったか……?
……っ!?すまん!助けるためとはいえ馬乗りに……!!」

長門「平気」クスクス

9: 2009/07/28(火) 21:08:02.04 ID:g7uUsFRuO
キョン「泊まっていくよ、今日は。お前が心配だし」

長門「そう」クスクス

キョン「……長門、疲れてるんだな」

長門「……」クスクス

キョン「俺に出来ることがあったらなんでも言ってくれよ?」

長門「そう」クスクス

キョン「……長門」

長門「今ご飯の用意する」

キョン「いや、もうこんな時間だしご飯はいらないよ」

長門「……」キラン

キョン「いや!やっぱりもらおう!大盛りで!」

長門「そう」クスクス

10: 2009/07/28(火) 21:11:25.17 ID:g7uUsFRuO
~台所~

長門「カレー」

長門「おまじない」クスクス

長門「ルーに血液3滴」クスクス ポタッ ポタッ ポタッ

長門「適量の唾液」クスクス タラッーーー

長門「……」クスクス

長門「完成」クスクス

11: 2009/07/28(火) 21:13:23.20 ID:g7uUsFRuO
~翌日~

キョン「すまんな、寝坊した」

長門「構わない」

キョン「まぁ、何時も通りにはつくな」

長門「一緒に登校」

キョン「ああ、早く行こうぜ」

13: 2009/07/28(火) 21:17:37.44 ID:g7uUsFRuO
~昼休み~

キョン「学食いかないとな、長門の家から直接来たから食べるもんがないぜ」

長門「平気」

キョン「うぉっ!?いつの間に……」

長門「これ、お弁当」

ハルヒ「っ!?」

谷口「っ!?」

ハルヒ「な、なんで有希がキョンにお弁当を渡すのよ!?」

長門「恋人だから、当然」

キョン「なっ!?」

ハルヒ「っ!?」

クラスメイトズ「っ!?」

15: 2009/07/28(火) 21:21:06.48 ID:g7uUsFRuO
長門「彼は昨日私の家に泊まり、同じ布団で寝て、一緒に登校した」

ハルヒ「なっ……なっ……!!」

キョン「ちょっ!待て長門!!」


ワーワー ガヤガヤ 修羅場ダー 修羅場ダー


谷口「一緒に寝たって……キョンのバカ野郎!!お前は仲間だと信じてたのに!!」タッタッタッタ

ハルヒ「ちょっとキョン!説明しなさいよ!」

長門「説明した通り。事実を述べたまで」クスクス

ハルヒ「キョン!」

キョン「いやっ、その、違う……」

16: 2009/07/28(火) 21:23:30.56 ID:g7uUsFRuO
ハルヒ「もう知らないわよ!!好きにしなさい!!」

キョン「あっ!どこ行くんだ!?」

長門「……」クスクス

キョン「行ってしまった……」

長門「……」クスクス

キョン「長門、何故あんなことを言ったんだ?ちょっと部室に行こう」

長門「二人きり」クスクス

18: 2009/07/28(火) 21:26:17.42 ID:g7uUsFRuO
~部室~

キョン「長門?一体どういうつもりだ?」

長門「事実を述べたまで」

キョン「事実って確かに家に泊まったり同じ布団で寝たりはしたが俺たちは恋人じゃないだろ」

長門「……?」

キョン「……長門?」

長門「家に泊まり、同じ布団で寝る、それは恋人」

キョン「なっ!?なんだそれ!?」

長門「私たちは恋人」クスクス

キョン「長門……きっと疲れてるんだな……」

19: 2009/07/28(火) 21:31:13.51 ID:g7uUsFRuO
~夜~

プルルルル プルルルル

キョン「長門からか……はい」

長門「今から首を吊る」

キョン「なっ!?」

長門「う……ぅ……」ギシギシ

キョン「長門!やめろ!音がするぞ!?今やってるのか!?」

長門「あ゛………ぁ………」ギシギシ

キョン「長門!?」

長門「……ぐ…………る゛…………しぃ……」ギシギシ

キョン「くそっ!」

長門「ハァ……ハァ……だず……だす………け……て……」ギシギシ

キョン「長門!!今向かってるから馬鹿なことはやめろ!!」

23: 2009/07/28(火) 21:35:46.00 ID:g7uUsFRuO
~長門家~

キョン「長門!!」

長門「なに?」

キョン「……え?」

長門「来てくれた来てくれた来てくれた」ボソボソ クスクス

キョン「……っ!?お前!首に縄の後が!」

長門「あなたが涼宮ハルヒを気にするから」

キョン「……?」

長門「今日あなたは涼宮ハルヒと話してた」

キョン「いや、誤解解かないと気まずいだろ」

長門「そう」

キョン「すまん俺が悪かった。ロープを手放してくれ」

長門「分かった」クスクス

24: 2009/07/28(火) 21:40:34.41 ID:g7uUsFRuO
キョン「頼むからそうやって自分を傷つけるのはやめてくれ」

長門「あなたがそういうなら」

キョン「頼むぞ?」

長門「あなたのために頑張る」

キョン「全く……心配したぜ……あっ、すまん。朝比奈さんから電話だ……はい」

長門「……」シュッ

キョン「うぉっ!?」

長門「……」シュッ シュッ シュッ

キョン「ひっ!?うわっ!?長門!やめてくれ!ものを投げないでくれ!!」

長門「許さない許さない許さない」シュッ シュッ シュッ

キョン「あぐっ!!」ガシャ

長門「あ」

27: 2009/07/28(火) 21:44:04.68 ID:g7uUsFRuO
キョン「くっ……血が……いてて」

長門「あ……あ……あ」

キョン「くっ……」

長門「違う、違うの、ごめんなさい、ごめんなさい、当てるつもりはなかったの」オロオロ

キョン「ああ、大したことはない。大丈夫だ」

長門「血が、血が、あなたを傷つけるつもりはなかったの」オロオロ

キョン「ああ、大丈夫だから気にするな」

長門「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

30: 2009/07/28(火) 21:48:38.10 ID:g7uUsFRuO
長門「治療、治療しなくちゃ」

キョン「……」(不謹慎かもしれんが、今の長門は人間らしいな)

長門「今、今舐めてあげるから」

キョン「いや、普通で構わない」

長門「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ペロペロ

キョン「うくっ……くすぐったいな」

31: 2009/07/28(火) 21:55:31.93 ID:g7uUsFRuO
キョン「長門、気にするな。お前の辛さは知っている」

長門「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ペロペロ

キョン「長門、大丈夫だから落ち着け」

長門「あなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったの」

キョン「長門、大丈夫だから。…………疲れてるんだな」ギュッ

33: 2009/07/28(火) 21:59:19.31 ID:g7uUsFRuO
~翌日:深夜~

ピロリロリン ピロリロリン

キョン「長門からメールか……ひぃっ!?」

キョン「なっ、なんだよこの写真……グ、グロ画像か……?」

キョン「……切られている手首に……太もも……か?」

キョン「……まさかっ!?」

プルルルル プルルルル プルルルル ガチャ

長門「……」

キョン「長門!!今なにをしているんだ!?」

長門「……」

キョン「長門!!」

34: 2009/07/28(火) 22:06:08.95 ID:g7uUsFRuO
長門「我慢出来なかった」

キョン「お前、まさか本当に!?」

長門「あなたが他の女と話すから」

キョン「なっ!?話すって別になんもしてないぞ!!」

長門「うっ……さっきは右手と右足だった。
今は左手の手首……あっ……痛い……血が……」

キョン「長門!!やめろ!!」

長門「痛い……痛い……うぅ……血が止まらないよ……痛い痛い痛い痛い痛いよ……」

キョン「長門!!もう自分を傷つけることはしないと約束しただろ!?」

長門「あなたが……他の女と話すから……ハァ……ハァ……痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……助けて……助けて……」

キョン「分かった!俺も約束するから!もう他の女とは話さない!だからもうやめろ!!」

長門「そう」クスクス

キョン「くそっ!今からそっちに行くからな!!」

35: 2009/07/28(火) 22:10:20.33 ID:g7uUsFRuO
~長門家~

キョン「長門!!」

長門「……」

キョン「あっ……お前……血だらけじゃないか……このっ……馬鹿野郎。自分を傷つける前に俺を頼れよ」ギュッ

長門「……」クスクス

キョン「……」ギュー

長門「性行為」

キョン「……は?」

長門「性行為をする」

キョン「えっ、いや、なんでだ?」

長門「愛し合ってるもの同士当たり前の行為。子孫を残す」

キョン「いや、子孫を残すってお前子供出来るのかよ?ってそんな問題じゃないだろ!」

38: 2009/07/28(火) 22:18:03.50 ID:g7uUsFRuO
長門「そう」スパッ

キョン「なっ!?」

長門「……」スパッ スパッ

キョン「馬鹿!なにやってんだ!?」ガシッ

長門「……」

キョン「さっき自分を傷つけないと約束したばっかだろ!?」

長門「あなたが性行為してくれないから」

キョン「長門、落ち着いてくれ」

長門「落ち着いている。あなたは頼っていいと言った。あれは嘘だったの?」

キョン「嘘じゃ……ない。本心だ」

長門「それじゃあ」クスクス

39: 2009/07/28(火) 22:22:02.48 ID:g7uUsFRuO
~翌日~

キョン「……」(くそっ、結局してしまった……)

古泉「最近元気ないですね」

キョン「古泉……」

古泉「お疲れですか?」

キョン「ちょっとな……」

みくる「キョン君お茶ですぅ」コト

キョン「あっ、ありが……」

長門「……」

キョン「……」

みくる「どうかしましたかぁ?」

古泉「……?」

41: 2009/07/28(火) 22:24:24.65 ID:g7uUsFRuO
キョン「すまん、なんでもない」

古泉「そうですか」

キョン「……はぁ」

古泉「……」

長門「……」ジー

キョン「ん?あ、あはは……」

長門「……」

45: 2009/07/28(火) 22:33:37.38 ID:g7uUsFRuO
~夜~

プルルルル プルルルル プルルルル

キョン「電話、朝比奈さんから?はい」

みくる「キョン君……」

キョン「……」

みくる「最近キョン君……冷たいですよね……私が今なにしてるか分かりますかぁ?」

キョン「……」

みくる「うふふっ、自分の体を切ってるんですよぉ」

キョン「……」(この人も……か)

48: 2009/07/28(火) 22:38:21.91 ID:g7uUsFRuO
みくる「うふふっ、私は白いウサギ。淋しいと氏んじゃうの……あっ……」

キョン「……」(いや、あなたはどちらかというとホルスタインでしょう)

みくる「痛いよぉ……助けてよぇ……キョン君……痛いよぉ……痛いよぉ……」

キョン「……」

みくる「うぅ……血が止まらないよぉ……痛いよぉ……痛いよぉ」

キョン「……今、どこにいるんですか?」

みくる「家ですぅ……あぁ……助けて……助けてよ……キョン君……」

キョン「……今から向かいます」

みくる「はぁ……はぁ……あぁ……痛いよぉ……痛いよぉ……」

キョン「……」

50: 2009/07/28(火) 22:41:14.00 ID:g7uUsFRuO
~みくる家~

キョン「失礼します」

みくる「あっ、キョン君……うふふ……」

キョン「……」

みくる「キョン君……うふふ……」

キョン「とりあえずその包丁をおいて下さい」

みくる「ダメだよキョン君……」

キョン「……」

みくる「あなたを頃して私も氏ぬの……うふふ……」

キョン「っ!?」

53: 2009/07/28(火) 22:43:52.06 ID:g7uUsFRuO
キョン「ひっ!」

みくる「動かないで!!」

キョン「ラ、ライター?」

みくる「今この部屋には、ライターの火をつけた瞬間に爆発する気体が充満しています」

キョン「そ、そんな……」

みくる「うふふ……一緒に氏にましょう……キョン君……」

キョン「だ……誰か……助けて……」

54: 2009/07/28(火) 22:47:35.71 ID:g7uUsFRuO
みくる「うふふ……あがっ!」

キョン「っ!?」

古泉「早く!こっちです!」

キョン「古泉!?なんでお前が!?」

古泉「なに、最近のあなたのやつれ具合が心配でしてね。
そんなことより早く!あちらに車を用意しています!」

キョン「くっ、すまない!」

みくる「許さない……許さない……うふふ……」キラン

キョン「ひっ!包丁持って追い掛けてきてるぞ!」

古泉「早く!ここは僕が食い止めますから!」

キョン「くっ!すまん……!!」

58: 2009/07/28(火) 22:50:50.84 ID:g7uUsFRuO
みくる「うふふ……みくるビーム」

古泉「っ!?ぐぎゃっ!!」ドサッ

みくる「うふふ、待って……キョン君」

キョン「……」

キョン「包丁の意味ないじゃん!!」

古泉(幽霊)「突っ込むとこそこじゃないです!!」

キョン「くそっ……古泉は……関係なかったのに……うぅ……くそっ……すまん……」

長門「……」

キョン「っ!?長門!!」

61: 2009/07/28(火) 22:56:07.07 ID:g7uUsFRuO
長門「メテオ」

みくる「あぎゃっ!」プチ

キョン「あ、助かった……のか?」

長門「あなたには防御壁が貼られているために爆発に巻き込まれても平気だった」

キョン「そうだったのか……また助けてもらっちまったな。すまんな、疲れてるのに。
……ん?そういえばどうして爆発とか知ってるんだ?」

長門「あなたの体の中に盗聴器がある」

キョン「なっ!?」

長門「他の女と話さない。約束を破った」

キョン「す、すまん……」

64: 2009/07/28(火) 23:00:59.59 ID:g7uUsFRuO
キョン「すまん!このとおりだ!!」

長門「土下座しなくてもいい。小指だして」

キョン「……?……こうか?」

長門「指きり現萬嘘ついたら貼り千本飲ます」ギュッ

キョン「……」ギュッ

長門「指切った」ポキッ

キョン「ぎゃぁぁぁぁあああああ!!」

長門「!?」

キョン「あっ……あがっ……」

長門「あっ、あっ、あっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

キョン「ぐうっ!!だ、大丈夫だ……気にするな……」

長門「あなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったのあなたを傷つけるつもりはなかったの」

キョン「あぐぅっ、ぐっ……あっ……だ、大丈夫……大丈夫だから。気にするな」

67: 2009/07/28(火) 23:04:48.59 ID:g7uUsFRuO
長門「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

キョン「大丈夫、大丈夫だから」ギュッ

長門「うっ、ひっぐ……えっぐ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

キョン「ごめんな。疲れてるだろうにまた迷惑かけちまって。ぐっ……」

長門「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

キョン「さぁ、今日はもう帰ろう」

68: 2009/07/28(火) 23:08:11.18 ID:g7uUsFRuO
~次の日:学校~

キョン「……」

谷口「キョン、最近やつれてんな。大丈夫か?」

国木田「ほらっ、これでも飲みなよ。さっき谷口と買ってきたんだ」

キョン「栄養剤か。わざわざありがとうな」

谷口「俺からはこれだ。スッポンドリンク!」

キョン「ああ、すまんな。ありがとう」

女子「キョン君大丈夫?」

キョン「っ!?」

70: 2009/07/28(火) 23:10:33.36 ID:g7uUsFRuO
キョン「……」

女子「キョン君?机に俯せちゃってどうしたの?大丈夫?」

谷口「なんか調子悪いみたいなんだよ」

女子「そうなんだ?大丈夫?背中擦ってあげようか?」サスサス

キョン「……」

国木田「あはは、キョンは幸せものだなぁ」

谷口「全くだぜ」

キョン「……」

71: 2009/07/28(火) 23:13:22.87 ID:g7uUsFRuO
~昼休み:部室~

キョン「待ってくれ!やめてくれ!お願いだ!」

長門「離して。今すぐにあの女を消しにいく」

キョン「違うんだ!やめてくれ!」

長門「殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ」

キョン「やめてくれ!」

長門「……」

キョン「……やめてくれるのか?」

長門「何故他の女のことを気にするの?」

キョン「……え?」

長門「なんで?なんで?なんで?」

78: 2009/07/28(火) 23:18:44.40 ID:g7uUsFRuO
長門「あなたはまた約束を破った」ギリギリ

キョン「や、破ってないぞ……ぐっ……」

長門「あなたの妹」ギリギリ

キョン「あぐっ、ぐっ……い、妹は女じゃないだろ」

長門「妹である前に女」ギリギリ

キョン「お、女である前に家族だ」

長門「女であるということには変わりはない」ギリギリ

キョン「な、長門……顔から手を離してくれ……ぐぅ……」

長門「あなたは私だけを見ていればいい。あなたは私以外を見る必要はない」ギリギリ

キョン「わ、分かった……すまなかった……ぐっ……」

84: 2009/07/28(火) 23:24:21.67 ID:g7uUsFRuO
長門「分かればいい」スッ

キョン「ぐっ」ドサッ

長門「愛してる」ギュー

キョン「す、すまなかった……」

長門「これからは他の女は見ないで」ギュー

キョン「あ、ああ……約束する」

長門「大丈夫、私もあなた以外の人間に興味はないから。だからあなたも私以外には興味を持たないで」ギュー

キョン「ああ……」

長門「愛してる」ギュー

キョン「お、俺もだ……」
長門「そう」クスクス

86: 2009/07/28(火) 23:30:27.09 ID:g7uUsFRuO
~長門家~

長門「今日から一緒に住む」

キョン「無理だ。家族にどう説明すんだよ」

長門「もう許可は取ってある」

キョン「学校は?」

長門「あなたは行く必要はない。ずっとここにいる」

キョン「なっ!?」

長門「大丈夫。一生私が守るから」

キョン「卒業出来なくなる!」

長門「あなたはこれからずっとここで私と一緒に生きる。他のものは余計なもの」

90: 2009/07/28(火) 23:43:10.37 ID:g7uUsFRuO
~次の日~

長門「学校に行ってくる」

キョン「あ、ああ……いってらっしゃい」(……学校?長門は通うのか?)

長門「いってらっしゃいのちゅーは?」

キョン「あ、ああ……すまん」チュッ

長門「それじゃあ行ってくる」

キョン「……」

キョン「俺も外……出たいな……」

キョン「……扉は」ガチャガチャ

キョン「くそっ、やっぱり開かないか」

91: 2009/07/28(火) 23:45:02.96 ID:g7uUsFRuO
キョン「長門……今まできっと俺たちには計り知れない程の苦痛を感じていたんだろうな」ガサゴソ

キョン「長門がいないうちに家を捜索するか」ガサゴソ

キョン「古泉……」ガサゴソ

キョン「……」ガサゴソ

キョン「なんにもあるわけないか」ガサゴソ

キョン「せめて暇潰し出来るものでもあればなあ」ガサゴソ

92: 2009/07/28(火) 23:47:03.47 ID:g7uUsFRuO
~夕方~

長門「ただいま」

キョン「おっ、帰ってきたか。おかえり」

長門「おかえりのちゅーは?」

キョン「あ、ああ……すまん」チュッ

長門「これ」

キョン「うぉっ!テレビか!」

長門「あなたが欲しがっていたから」

キョン「長門、気を遣わせちまって悪いな」

長門「構わない」

93: 2009/07/28(火) 23:49:59.20 ID:g7uUsFRuO
~夜~

キョン「長門……」

長門「なに?」

キョン「テレビに映ってるそれはなんだ?」

長門「あなた」

キョン「いや、それは分かる。俺が聞きたいのはどうしてそんなものがあるのかということだ」

長門「あなたを愛しているから。私がいない間のあなたの映像をテレビで見ているだけ」

キョン「……監視カメラか?」

長門「そのようなものと考えてもらっていい。全ての部屋に設置している。氏角はない」

キョン「……」

98: 2009/07/28(火) 23:53:23.03 ID:g7uUsFRuO
長門「活発的」

キョン「いや、自分の住む家を……知りたくて」

長門「そう」クスクス

キョン「……」

長門「映像で見るあなたも素敵」

キョン「あ、ありがとな……」

長門「一緒に見る」

キョン「あ、ああ……」

長門「座って」

キョン「これでいいのか?」

長門「構わない」チョコン

キョン「ははっ、相変わらず長門は俺の膝の上に座るのが好きだな」

長門「好き。あなたを愛しているから」

99: 2009/07/28(火) 23:57:59.30 ID:g7uUsFRuO
~数週間後~

キョン「はぁ、俺も外出たいな」

キョン「そりゃ、たまにはデートとして出れるが」

キョン「気軽にコンビニとかに行けるって素晴らしいことだったんだな」

キョン「……」

キョン「皆どうしてるのかな?クラスはどうなってるんだろうか?」

キョン「……長門」

104: 2009/07/29(水) 00:06:03.23 ID:jWrCRCmhO
――――――――――――
森「どうしても……行くんですか?」

「当たり前じゃないですか」

森「何故そこまでして」

「何故?親友が困っているのです。
困っている親友を助けるのに……理由がいりますか?」

森「しかし、折角一命を取り留めたのに……その命を無駄にするつもりですか?」

「僕は彼を救うために蘇って来たのです。無駄ではありません」

森「相手は宇宙人。確実に…………氏にますよ?」

「ふっ、僕は風です。風は誰にも切れない」

森「……古泉」

古泉「……待っててください我が友よ。必ず……救い出します」

――――――――――――

107: 2009/07/29(水) 00:12:21.27 ID:jWrCRCmhO
長門「愛してる」

キョン「長門、ごめんな」

長門「なにが?」

キョン「お前は今まで疲れてたんだろ?気付いてやれなかった俺の責任でもある」

長門「大丈夫。今はあなたがいるから」

キョン「そうか……」

長門「あなたの命は私が絶対に守る」

キョン「ありがとな……」

114: 2009/07/29(水) 00:17:51.91 ID:jWrCRCmhO
キョン「長門、お前とデートしたい」

長門「……」

キョン「なっ、いいだろ?」

長門「……」

キョン「お前と手を繋いで街を歩きたい」

長門「分かった。それじゃあ明日」

キョン「本当か!ありがとな!どこに行こうか?」

長門「どこでも」

116: 2009/07/29(水) 00:21:33.25 ID:jWrCRCmhO
~デート当日~

キョン「……」(誰か……見知った顔はいないか?)

長門「……」

キョン「長門と2人で歩くだけっていうのもいいものだな」(頼む……!これしか望みはないんだ)

長門「良い」

キョン「好きな人と手を繋いで散歩する。良いものだ」

長門「幸せ」

キョン「だな」






古泉「そろそろですね」

120: 2009/07/29(水) 00:30:58.37 ID:jWrCRCmhO
キョン「ふぅ、この喫茶店も相変わらずだな。長門、なににする?」

長門「これ」

キョン「そうか、じゃあ俺は…………っ!?」

長門「……」

キョン「コ、コーヒーだな」(あ、あの目の前の壁に書かれている文字は……)

【★℃×→♯Γρωμт─Ⅵ∵>●★☆@†∇ΖΘζεЗωАψЛХヮゑゐ■%>□$÷↑↑〒°♀+♂』∞√∬】

キョン「……」(ばかな……あいつは氏んだはずじゃ……)

122: 2009/07/29(水) 00:34:55.53 ID:jWrCRCmhO
キョン「……」(あれは……前にやるゲームもなく、あまりにも暇だったために古泉と作った文字……!!)

長門「……」ズズッ

キョン「……」(あいつ……生きていたのか!)

長門「どうかした?」

キョン「いや、なんでもない。コーヒー飲むか?」(おっと……怪しまれないようにしないとな)

長門「平気」

キョン「そうか」(なになに……)

長門「……」ズズッ

キョン「……」(読み方忘れてしまったー!!)

124: 2009/07/29(水) 00:38:15.76 ID:jWrCRCmhO
キョン「……」(くそっ!思い出せ!思い出せ!)

長門「……」ズズッ


キョン「……あ」(そうか、あれは)

長門「どうかした?」

キョン「いや、なんでもない」

長門「そう」

キョン「……」(古泉……マジかよ)

125: 2009/07/29(水) 00:43:34.93 ID:jWrCRCmhO
キョン「……」(長門さんは宇宙人。小細工は意味をなしません。なのであなたはなにかと理由をつけて彼女から離れてください。僕が彼女を倒します)

長門「……」ズズッ

キョン「……」(む……無理だろ!?)

長門「……」ズズッ

キョン「……」(あいつ……もう少しマシな作戦思い浮かばなかったのかよ)

127: 2009/07/29(水) 00:55:03.53 ID:jWrCRCmhO
チリンチリン アリガトウゴザイマシター

キョン「……」(離れるったってどうやって?)

長門「手」スッ

キョン「ああ」ギュッ(それに俺は……どうしたいんだ?)

長門「……」

キョン「さぁ、行こうぐぁっ!?」

長門「っ!?」

キョン「なっ!?なんだこれ!?車の中か!?」

古泉「手荒くすいません!逃げますよ!」

キョン「古泉!」

森「ごめんなさい、強く引っ張りすぎてしまいましたね」

古泉「いくら彼女でも人前ではおおっぴらには能力を使ないはずです!」

128: 2009/07/29(水) 00:59:01.89 ID:jWrCRCmhO
古泉「森さん!運転お願いします!彼を遠くへ!」

森「本当に……行くんですか?勝算はあるんでしょうね?」

古泉「言ったはずです。僕は風。風は誰にも切ることは出来ないと!」スタッ

キョン「古泉!?」

古泉「ふふっ」

キョン「古泉ぃぃぃいいいい!!」

森「飛ばしますよ!しっかり捕まっていてください!!」

キョン「ぐぅっ!!」

131: 2009/07/29(水) 01:05:01.41 ID:jWrCRCmhO
長門「うふあ……あは……許さない……許さない……許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

古泉「くっ……凄まじい殺気ですね。
長門さん!1つ言わせてもらいます!あなたの彼への愛はただのエゴです!」

長門「頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す頃す」

古泉「お互いを尊重しあえる関係!それこそが愛じゃないでしょか!?
あなたのは!彼を独占したいとただのエゴです!」

長門「今助けに行くから今助けに行くから今助けに行くから今助けに行くから今助けに行くから」

古泉「本当に好きなら!!その人の幸せを1番に考えるべきでしょう!?
彼の幸せを!彼の幸せを何故考えてあげない!?
彼の幸せが!あなたの幸せではないのですか!?」

133: 2009/07/29(水) 01:14:32.47 ID:jWrCRCmhO
長門「――――――」

古泉「っ!?これは……閉鎖空間!?」

長門「今助けに行くから今助けに行くから今助けに行くから今助けに行くから今助けに行くから」

古泉「なるほど……彼以外の人間はそこいらの石ころと同じというわけですか。全く話を聞いてもらえませんでしたね」

長門「うふあ……あは……あはは」

古泉「ならば僕は長門さんを足止めすることも出来ない羽虫といったところでしょうか。
ふふっ、ですが羽虫にも意地がありましてね。たった1秒でも足止めさせてもらいますよ」

長門「あふふ……!!」

古泉「武士道とは……氏ぬことと見つけたり」

136: 2009/07/29(水) 01:21:51.04 ID:jWrCRCmhO
キョン「森さん……これ……」

森「まずいですね、閉じ込められました」

キョン「俺降ります!」

森「何を言っているんですか!?捕まりますよ!?」

キョン「俺と一緒にいたら森さんも殺されてしまいます!」

森「古泉と約束したんです。あなたを遠くへ逃がすと」

キョン「あの馬鹿野郎」

森「っ!?」

キョン「うぁっ!!…………いって……急にブレーキかけてどうしたんですか森さ…………あ」

長門「……」

キョン「……」

キョン「あいつ全くもって足止め出来てねーじゃん!!」

古泉(幽霊)「すいません!!」

138: 2009/07/29(水) 01:34:25.94 ID:jWrCRCmhO
長門「……」

キョン「くっ!長門!」ガチャ

長門「大丈夫、助けに来た」

キョン「森さん、早く逃げてください」ボソボソ

森「でも!」

長門「あなたをさらった害虫はあれ?」

キョン「長門!」

長門「大丈夫、今頃すから」

キョン「……え?」

森「……ぁ……」

キョン「ぐぅっ!?」ビリビリ

長門「あひは……あは……あはは」

キョン「車が……爆発……した……森……さん……」ガクッ

139: 2009/07/29(水) 01:39:30.94 ID:jWrCRCmhO
長門「あなたも」

キョン「え?」

長門「何故他の女と話したの?何故他の女の心配をするの?何故他の女を守ろうとするの?」

キョン「あぐっ!がっ!やっ!やめっ!がっ!」

長門「どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?」

キョン「あがっ!なっ!ながっ!ぐっ!」

長門「あいつが悪いの?あいつがあなたになにか吹き込んだの?でも大丈夫あいつ頃したから。もう平気」

キョン「あがっ!がっ!長門!おまっ!お前は!間違えてる!ぐっ!」

長門「そう」ピタ

キョン「……長門?」

140: 2009/07/29(水) 01:41:54.46 ID:jWrCRCmhO
長門「私のこと……」

キョン「……」

長門「嫌いになったの?」

キョン「っ!?」

長門「私はあなたのことがこんなに好きなのに!あなたのことをこんなに愛しているのに!」

キョン「ち、違う!そんなことは……!!」

長門「もう……こんな世界いらない」

キョン「っ!?」

142: 2009/07/29(水) 01:55:08.36 ID:jWrCRCmhO
キョン「世界改変でも……するつもりか?」

長門「あなたを頃して私も氏ぬ」

キョン「っ!?…………そうか、いいぜ」

長門「……」

キョン「お前がいなかったら俺は生きていないしな。お前に恩返し出来るのはこれぐらいか」ギュッ

長門「……」

キョン「長門、お前は氏ぬことはない。好きに生きろよ」ギュッ

長門「……」

143: 2009/07/29(水) 02:00:53.19 ID:jWrCRCmhO
キョン「心の準備は出来ている。さぁ、刺してくれ」

長門「あ……」グサッ

キョン「うっ……長門……愛してる……ぜ……」ドサッ

長門「ぁ……あ……あ……ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」

キョン「……」

長門「あは!あはははは!氏んじゃった!彼が氏んじゃった!あっ!あっ!ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!
違うの!頃すつもりはなかったの!頃すつもりはなかったの!
あはははは!!」

キョン「……」

長門「今……そっちに行くから……これからもずっと一緒に……」グサッ

キョン「……」

長門「愛……して……る……」ドサッ

キョン「……」

長門「……」

144: 2009/07/29(水) 02:04:40.02 ID:jWrCRCmhO
古泉「これも……1つの愛の形なんでしょうか」

キョン「……」

長門「……」

古泉「大丈夫。お二人の亡骸はずっと一緒にしておきますよ」

キョン「……」

長門「……」

古泉「ふふっ、2人で幸せそうに抱き合って、まるで眠っているようですね」

キョン「……」

長門「……」

古泉「あなたがたのこと……は忘れません」

古泉「ふふっ、皆さんのことを覚えておく。それが……生き残った僕の役割です」

146: 2009/07/29(水) 02:08:14.82 ID:jWrCRCmhO





古泉「という夢を見ました」

キョン「……」

古泉「という夢を見ました」

キョン「2回言わなくてもわかってるよ!!
なに!?俺はお前のどうでもいい夢の話に何時間も付き合わされてたの!?」

古泉「まぁそういうことになりますね」

キョン「ふざけんな!お前が大事な話があるって言うから聞いてたんだろうが!!
それが夢オチってどういうことだよ!?」

古泉「僕にとっては大事なことですから嘘はついてませんよ」

150: 2009/07/29(水) 02:13:11.16 ID:jWrCRCmhO
キョン「てめぇ……だからところどころお前がおいしい役割やってたんだな」

古泉「裏の主役ですから」

キョン「うるせーよ!俺の時間返せよ!」

古泉「いや、でも長門さんは結構聞き入ってくれてましたよ?」

キョン「朝比奈さんは自分がメテオで潰されてからずっと泣いてるよ!」

古泉「いやぁ、自分の夢の話を何時間も語るなんて快感ですね」

キョン「黙れよ!時間返せよ!」

153: 2009/07/29(水) 02:17:58.32 ID:jWrCRCmhO
キョン「ったく、俺はもう帰るからな。なんのために夜にわざわざ駅前に集まったんだよ」

古泉「おやすみない」

長門「……」

キョン「ったく……」






~キョンの部屋:深夜~

プルルルル プルルルル プルルルル

キョン「電話?長門からか。……はい、もしもし」

長門「今から氏ぬ。首を吊る」

キョン「……え?」






お し ま い

156: 2009/07/29(水) 02:20:07.08 ID:jWrCRCmhO
終わりました。
ありがとうございました。

158: 2009/07/29(水) 02:27:47.95 ID:BKQgSCKZO
面白かったよ
>>1乙

引用: キョン「なんなんだ一体」