911: 2015/06/23(火) 21:30:51.65 ID:8vBERwdj0

912: 2015/06/23(火) 21:38:27.20 ID:8vBERwdj0
【夜戦②】

 ―18時、執務室―

川内「ほら提督!夜はもう間近だよ!夜戦させてよ夜戦!」

提督「だーかーらー、夜戦するような海域は無いって言ってるだろうが!」

川内「それでもいいの!夜戦やりたいんだよ!やーせーんー!!」

提督「あーもー…」チラッ

川内「?」

提督「…分かった、夜戦をさせてやるよ」

川内「ホントに!?やったあああ!YEAHHHHHHHHHHHH!!」

提督「じゃあ、今夜フタフタマルマル(22時00分)に、執務室に来い。そこで夜戦をしてもらう」

川内「………………え?」

提督「それじゃあ俺、間宮さんのトコで予算折衝やってくるから。今夜頼むぞー」パタン

川内「…………………ええっ!?」


 ―20時過ぎ、軽巡洋艦寮・川内&神通の部屋(神通は夜間遠征の準備中)―

川内「……………」モンモン

川内(夜に執務室で夜戦って…)

川内(夜の執務室に、提督と2人きりで夜戦って…それって…はわわわわわわわわわわ!!?)

川内(それってもしかして、カッコイミシンの方の夜戦の事だよね!?どうしよどうしよ!?)

川内「…………シャワー浴びとこうかな…」


 ―22時、執務室―

川内「……………………」カリカリカリ

提督「すまんな、徹夜に付き合わせちゃって。ま、山のような書類との戦いだからこれも夜戦の1つだな」

川内「……………………」ガリガリガリ

提督「それにしても、シャワーまでしてきたなんて、相当張り切っていたんだなぁ。はっはっは」

川内(知ってたもん!知ってたもん!!)


【END】
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
913: 2015/06/23(火) 21:49:53.42 ID:8vBERwdj0
【秘書艦】

 ―10時、執務室―

提督「ゴメンな…。突然秘書艦に指名しちゃって…。戦艦勢も空母勢も、カスガダマ沖海戦に向けての準備中だから…」

五月雨「いえ、構いません。私も一度、秘書艦をやってみたいと思っていたんです!」

提督「じゃあ、今日一日だけだけどよろしくな」

五月雨「はいっ!」


 ―11時前―

提督「…………」カリカリカリ

ガシャ、ビチャッ

提督「ん?」

五月雨「す、すみません提督!インクを零してしまいました!」

提督「ありゃりゃ…じゃあすぐに服を着替えてきな?気持ち悪いだろ?」

五月雨「す、すみません…」


 ―13時過ぎ―

提督「ふぅ~…少し休もうかな」

五月雨「お疲れ様です、提督。お茶を淹れまし―」

ズベッ

五月雨「ああっ!?」

バシャッ

提督「あっちゃぁぁぁぁぁ!!!」

五月雨「ご、ごめんなさい!すぐに拭く物を持ってきます!!」



 ―15時過ぎ―

五月雨「すぅ~…すぅ~…」

提督「寝ちゃったか…ま、流石にこんな書類の山とにらめっこし続けてたらそうなるよな…」


 ―20時前―

五月雨「今日はごめんなさい…迷惑ばっかりかけちゃって…」

提督「いや、気にするなって」

五月雨(こんなんじゃ、もう秘書艦なんて任せられないだろうな…)

提督「それで五月雨、明日も秘書艦やってみるか?」

五月雨「え…?何で…?」

提督「今日あれだけ失敗したんだから、次はもう失敗しないだろ?それに、今日があんなザマじゃ、五月雨も悔しいんじゃないか?」

五月雨「………はい、悔しいです」

提督「じゃ、明日も秘書艦を頼むよ。次はちゃんと頑張ろうな?」

五月雨「…はいっ!!」


【END】

914: 2015/06/23(火) 21:56:28.91 ID:8vBERwdj0
【一日1人、キャラ紹介】

≪五月雨≫

白露型駆逐艦六番艦。艦娘No.83。献身的な性格で、常に皆に気を遣っている。結構なドジっ子で、お茶を提督めがけて零したりするなどの典型的なドジを、

日常的にやらかす。自分でもそれを自負していて、何とかドジっ子からの脱却を図ろうとしているが、なかなか上手くいかない。白露型の皆とはもちろん、

初期艦の4人とも仲が良い。制服が違うせいで白露型とは認識されにくいが、同じ制服の涼風と共に白露型である事をアピールしている。

好きな言葉は『雨夜の月』。

921: 2015/06/24(水) 21:14:37.52 ID:v3YF3O650
【メガネ】

 ―10時、執務室―

提督「鳥海は本当に真面目だよな」

鳥海「?急にどうしたんですか?」

提督「戦闘の度に敵艦隊の動きをデータ化して保存したり、書類はいつも時間通りに出すし、呼び出したらいつも時間きっかりに来るし」

鳥海「いえ…それが当たり前の事ですから…」

提督「やっぱり、眼鏡=真面目というイメージは間違っていなかったんだな」

鳥海「それはちょっと…違うかと…」

提督「―と思っていたんだけど、どうやら違うみたいだ」

鳥海「へ?」

提督「眼鏡=真面目というイメージは、間違っていたらしいんだ」

鳥海「ど、どうしてそう思うんですか!?」

鳥海(まさか…私は非番の日はいつも昼前まで寝過ごしてその後だらだらと本を読んでいるだけという真面目さの欠片もない生活がばれたのかしら!?)

提督「どうしてって…それは…」

鳥海「間違っています!!」

提督「え?」

鳥海「霧島さんや潜水艦のハチさん、最近来たローマさんも、皆さん休日でも何かしらの仕事を見つけて規則正しく過ごしているじゃないですか!

   私一人が非番でぐうたらしているからと言って、眼鏡=真面目と言うイメージを壊さないでください!」

提督「……お前がどうとかそう言う話は知らないけど、俺がそう確信を持った理由は別にあるぞ」

鳥海「………へ?」


 ―数分後、食堂―

望月「あー…動くのもしんどいからぼーっとしてよー」←眼鏡キャラ

鳥海「」

提督「見なさい。特に非番でもないのに朝食の後からずーっとあのザマです。アレを見てまだ、眼鏡=真面目というイメージに固執するのですか?」

鳥海「…いえ。眼鏡≠真面目だったんですね…」

提督「で、お前休日のんべんだらりと過ごしているのってホント?」

鳥海「忘れてください…」


【END】

923: 2015/06/24(水) 21:32:49.07 ID:v3YF3O650
【幸運のキス】

 ―13時、中庭―

時津風「雪風ぇ~、一緒にあそぼ~!」

雪風「いいよ?今日は何をしようかな?」

時津風「うーん、どうしようかな~…」

提督「時津風と雪風はいつも一緒にいるな」

雪風「そうですね。軍艦だった頃に時津風とは色々あったから、今でも仲が良いんです」

提督「それにしても、動物みたいな髪の時津風と、いつも前歯を見せてる雪風が一緒にいると…何か犬とビーバーに見えるな」

時津風「こ、これは犬耳じゃないよ~!」


 ―16時過ぎ、執務室―

提督「じゃあ皆、鎮守府近海の潜水艦討伐、頼むぞ」

鳳翔「はい、お任せ下さい」

時津風「あー…不安だなー…」

雪風「お、落ち着いて時津風…」

時津風「うーん…不安で仕方ないな~…ねぇ雪風、いつものアレやって?」

提督(アレ?)

雪風「ええっ?今ここで?ちょっと…恥ずかしいよ~…」

時津風「早く~…」

雪風「~ッ!!ちょこっとだけ、だよ?」

時津風「うん!」

提督(一体何を…)


チュッ


提督「!?」

時津風「うん!不安なんか吹っ飛んじゃった!じゃあ雪風!行こう!」

雪風「う、うん…。でも結構恥ずかしかったんだよ?」

パタン

提督「恐ろしや…」


大井(ハッ!私も北上さんとそう言う事をすれば…ッ!!)

提督「あれが許されるのはあの容姿と年齢だから、な?」


【END】

924: 2015/06/24(水) 21:43:00.51 ID:v3YF3O650
【北へ】

 ―13時、執務室―

提督「うーん…」

伊勢「どうかしたんですか?」

提督「いや、最近暑くなってきたから、駆逐艦の子達から北方海域へ遠征に行かせろって要望が増えてるんだよ」

伊勢「え?別に行かせてもいいんじゃないの?」

提督「そうなんだが、北方海域はあんまりもらえる資材が多くないんだよな~…」

伊勢「でも、駆逐艦の子達はまだ小さいんだから、体調には気を遣った方がいいと思うけどな~」

提督「…そうだよな。よし、北方海域への遠征を増やそう」


 ―数日後、執務室―

提督「…と、北方海域へ駆逐艦の子達を遠征に出した事は覚えているな?」

伊勢「当たり前じゃない。駆逐艦の教育艦だよ私は」

提督「その北方海域大遠征の後、また駆逐艦の子達から要望書が大量に送られてきたんだよ」

伊勢「ふーん?中身は?」

提督「それが…」バサッ


『北が寒すぎてもう行きたくないです』

『南西諸島で遠征したい』

『寒すぎんのよクソ提督!』

『何考えてんのよクズ』

『戦艦になりたい!』


伊勢(約1通関係の無いのが混じってる気が…)

提督「ついこの間は北方海域に行かせろ行かせろ言ってたから行かせたやったらこれかい…わがままな…」

伊勢「わがままでいいじゃないか、子供なんだもの」

提督「みつ○みたいな格言を作るのはやめろ」


【END】

935: 2015/06/25(木) 21:41:23.71 ID:ungEaiJJ0
【漢字】

 ―(金剛が着任したての頃)16時、執務室―

金剛「Hey,テートク!Yesterdayの演習の報告書を持ってきたネー!」

提督「おう、ご苦労様。じゃあ確認を―」ペラリ

金剛「フフーン♪」

提督「なあ金剛…お前そろそろ英語で報告書書くのをやめてくれないか…」

金剛「し、仕方がないのデース!日本語ムツカシくて分からないネー!何でカンジーにヒラガーナにカタカーナって文字が三種類もあるんですカ!

   英語の方がsimpleデース!」

提督「でもなぁ…せめて、この鎮守府の皆の名前くらいは感じで書けるようにしとけよ…?」

金剛「ウー…やってみるデース…」


 ―数日後、休憩室―

金剛「ウウム…ムツカシイ…」

神通「おや、金剛さん?どうしたんですか」

金剛「あ、ジンツー!ちょっとMeのカンジーを見てほしいネー!」

神通「?」

金剛「テートクに言われてこの鎮守府の皆のNameをカンジーで書けるようになりたいんだケド、正しいのかわからなくッテ…」

神通「分かりました。少し見てみますね」

『子日(ねのひ)』『長良(ながら)』『長門(ながと)』『白雪(しらゆき)』

神通(簡単な漢字は書けてますね…)

『伊執(いせ)』『赤戌(あかぎ)』『鳥風(しまかぜ)』

神通(あらら…この辺はケアレスミスが多い…」


『陣痛(じんつう)』


神通「」ピキッ

金剛「Hey,ジンツー?どうしたんですカー?」

神通「」ガシッ

金剛「無言のアイアンクロー!?」

神通「金剛さん?私の名前は神通ですよ?『神が通る』ですよ?『GodがPassする』ですよ?わ・か・り・ま・し・た・か?」

金剛「分かったかラ!分かったかラこの手を離すネー!!」ミシミシミシ


 ―数日後、執務室―

提督「まさか"憂鬱"まで書けるようになるとはな…。すごい成長ぶりだな」

金剛「一杯勉強したからネー!それにアイアンクローはもう勘弁ネー!」

提督「?」


【艦娘の名前で"神"が入っているのって神通だけだよね】

936: 2015/06/25(木) 21:51:20.17 ID:ungEaiJJ0
【引きこもり】

 ―10時、駆逐艦寮・初雪&深雪の部屋―

深雪「おーい深雪ー!起きて陽炎達と遊ぼうぜー!」

初雪「私はいい…たまの休日ぐらい休ませて…」モゾモゾ

深雪「まったく…いつまでも寝てんじゃねーぞー!」パタン

初雪「善処する…」フワァ

初雪(私は日々の戦闘で疲れちゃってる…だからこの寝休日は疲れを回復するために仕方の無い事…)ゴソゴソ

初雪(だから私は昼まで寝る…)

初雪「すー…すー…」


 ―12時過ぎ、食堂―

初雪「ごちそうさま…」カチャ

深雪「あ、初雪、午後なんだけどさ―」

初雪「午後も寝る。疲れがあまり取れなかった…」

深雪「なんだよー…後悔しても知らねーぞー」

初雪「何の事だか分からない…。それじゃ私は寝る…」


 ―13時前、駆逐艦寮・初雪&深雪の部屋―

初雪「ふぅ…この、ご飯を食べた後に寝る感覚がまた格別…ふわぁ…」

初雪「それじゃあ、お休み…」

初雪「スー…スー…」


 ―18時前、駆逐艦寮・休憩室―

初雪「…え、間宮さんのアイス食べ放題…?」

深雪「そうだんだよ~。昼前に間宮さんがアイス作り過ぎたって言うから、アタシ達で自由に食べてって言ってたんだよな~」

白雪「それで、大和さんがそこに来て、いつも皆は頑張っているからって、アイスをまた分けてくれたの」

吹雪「チョコ味とかいちご味とか、美味しかったなぁ~…」

深雪「他の駆逐艦の奴らも大勢きてさー。初雪も来ればよかったのに、ホントに残念なことしたなぁ~!ハッハッハッハ!」

初雪「………………明日から、本気の本気出す。マジで」


【END】

937: 2015/06/25(木) 22:00:57.51 ID:ungEaiJJ0
【梅雨】

 ―14時、駆逐艦寮・白露&時雨の部屋―

白露「最近私達…出撃とか遠征とか無いよねー…」

時雨「うん、確かにそう言えばそうだね…」

白露「どうしてなんだろ…なんか、村雨も夕立も五月雨も同じって言うし、時雨もそうだよね?」

時雨「それは確かに…。あ、でも涼風は普通に出撃とか遠征とかに出てたね」

白露「わっかんない!こうなったら提督に直々に聞きに行ってくる!」

時雨「うん、行ってらっしゃい(まあ結構休みを堪能している僕がいるんだけど…)」


 ―数分後、執務室―

提督「え?出撃させない理由?そりゃお前、今は梅雨だからだよ」

白露「?それと何の関係があるの?」

提督「あのな…白露型の涼風以外は雨に関する名前じゃないか」

白露「あー…確かにそうかも。あたしはグレーゾーンだけど…」

提督「この梅雨の時期に、そんな雨の名を冠したお前達を出撃させたら、突然雨がザーザー降ってきて湿気とかすごい事になりそうだから…」

白露「何言ってるの提督!そんな事あるわけないじゃない!」

提督「しかしなぁ…」

白露「それならあたしが練習海域で練習してくるから!そして提督のそんな現実味のない幻想、このあたしがぶち壊しちゃうんだから!」

提督「お、おい!」


 ―数十分後、練習海域―

ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

白露「…………………………………………………」ビショヌレ

[天気:大雨]

白露「…………………………………………………」ズブヌレ

ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

白露「……提督、これからあたし帰投するね(無線)」

提督『おう、帰ったらちゃんと体拭けよー』


【END】

945: 2015/06/27(土) 21:29:06.06 ID:2uRY5FJZ0
【ニガウリ】

 ―15時、執務室―

提督「………」カリカリ

バァン

提督「んぉっ!?」

ゴーヤ「もうたくさんでち!」

提督「ど、どうしたんだ開口一番に…」

ゴーヤ「さっき演習から帰ってきて間宮さんのトコに寄ったら、『MVPおめでとう。これはご褒美ね』って言いながら、ニガウリを渡してきたんでち!」

提督「?それが何か問題が?」

ゴーヤ「もう最近こんな事ばっかりでち!いくらゴーヤの名前がゴーヤだからって、ゴーヤは別にニガウリが特別好きなわけじゃないんでち!だから、

    ニガウリを直接渡してくることは無いでち!もっと別のモノが欲しかったんでち!」

提督「そうだったのか…。ニガウリを直接渡されるのが嫌だったのか…」

ゴーヤ「そうでち!もっとこう、何か他の者が欲しいんでちよ!」

提督「…………分かった、間宮さんに言っておくよ」

ゴーヤ「頼むでちよ?」


 ―数日後、≪甘味処・間宮≫―

ゴーヤ「こんにちはー」

間宮「あら、ゴーヤちゃん。いらっしゃい」

ゴーヤ「またゴーヤが演習でMVPを取ったでち!」

間宮「あら、すごいわねぇ。なら、ご褒美をあげなくっちゃ」

ゴーヤ「あ、言っておくけど―」

間宮「…この前はごめんね。ニガウリを渡しちゃって…。てっきり、ゴーヤって名前だからニガウリが好きなのかと思っていたけれど…。でも数日前に、

   提督から話されて分かったわ」

ゴーヤ(何だ…てーとくちゃんと話してくれたんでちか)

間宮「はい、じゃあこれはゴーヤちゃんへのご褒美よ」ゴトッ



ゴーヤチャンプルー「」


ゴーヤ「」

間宮「提督が、『ゴーヤはニガウリを直接渡されるのが嫌だったみたいだ』って言ってたから、ニガウリを調理したもの渡せばいいって事だったのね?」

ゴーヤ「そーゆー事じゃないでちいいいいいいいいいいいいいいい!!」


【END】

946: 2015/06/27(土) 21:44:16.48 ID:2uRY5FJZ0
【演習】

 ―10時過ぎ、戦艦寮・大和&武蔵の部屋―

武蔵「最近、艤装をつけて戦う事が無くなったな…」

大和「そうね…。提督は、第十一号作戦で消費した資材を回復させるために、私達みたいな低燃費の戦艦の出撃を抑えているらしいけれど…」

武蔵「しかし、こう長い間出撃をしないでいると、感覚が訛ってくる。せめて演習でもできないものか…」

大和「でも、演習でも燃料と弾薬は消費してしまうわ。だから、演習も控えないと…」

武蔵「ならば、私と大和のタイマンで、艤装をつけず殴り合いで演習をすればどうだろうか?」

大和「えっ?」

武蔵「それならば、弾薬を消費する事は無く、燃料を消費するだけで済む。単純計算で、消費する資材は半分に減る」

大和「いえちょっとその理屈はおかしい気が―」

武蔵「よし、思い立ったが吉日だ。演習場へ行くぞ」

大和「えー…?」


 ―11時、演習海域―

大和(提督がいなくて許可なしに来ちゃったけど…大丈夫かしら…)

武蔵「さあ大和よ、いくぞ!」グッ

大和「……ええ、分かったわ」グッ

武蔵「大和とタイマンで殴り合うのは初めてだな。せいぜい私を楽しませてくれよ?」

大和「望むところだわ」

武蔵「では…」

大和&武蔵「演習開始!!」

武蔵「はあああああああああああああああっ!!」

大和「やあああああああああああああああっ!!」


 ―12時前、執務室―

提督「そりゃ、殴り合いをすれば動きも激しくなるから消費する燃料の量も増えるだろうが」

武蔵「…面目ない」セイザ

大和「…申し訳ありません」セイザ

提督「と言うわけでお前らの今日の晩飯は一汁一菜、と」

大和&武蔵「飢え氏にさせる気(です)か!?」

提督「そんぐらいで飢えるか!!」


【END】

947: 2015/06/27(土) 21:55:02.03 ID:2uRY5FJZ0
【憲兵さん④】

 ―13時、執務室―

コンコン

妙高「失礼します、提督。提督宛のお手紙を持って参りました」

提督「おう、ありがとうな。えーっと差出人は…げ」

妙高「?」

提督「あの憲兵からだ…」

妙高「け、憲兵!?」

提督「また逮捕状でも送ってきたのか…?」

妙高(…"また"?)

提督「どれどれ…」ビリッ、カサッ



『私達、結婚しました♡』



提督「ばぶっ!!?」

妙高「て、提督!?どうなさったんですか!!」

提督「アイツが…アイツが…そんなバナナ…」

妙高「何が…あらあら…」チラッ

コンコン

提督「あ、んんっ。どうぞ」

ガチャ

憲兵「失礼するぞ、提督」ニヤニヤ

提督「お前どうした!?そんな満面の笑みを浮かべて!?テメェそう言うキャラじゃないだろ!」

憲兵「いや…一応結婚の報告を手紙で出したんだが、やはりこういうめでたい事は直接言うべきだろうかと思ってなぁ」ニヤニヤ

妙高(この人が憲兵さん…?)

憲兵「いやしかし、結婚するとやはり人生が大きく変わるものだな。今なら小さな事なら許せそうだよ」ニヤニヤ

提督「へ、へー…」

憲兵「今日はお前を口リコンと業務執行妨害で逮捕するのは勘弁してやる。俺は少しの間この結婚の余韻に浸っていたいからなぁ」ニヤニヤ

提督「お、おう…」

憲兵「お前も、人生の伴侶を早く見つけた方がいいぞ?」ニヤリ

提督「!…………ああ、そうだな」

憲兵「じゃ、今日はその報告だけだ。また会う機会があったら、な」

提督「…ああ」

パタン

妙高「…おかしな人でしたね…。それにしても、結婚ですか…。いつか私達もする事になるのでしょうかね、提督?」

提督「……………………」

妙高「?…提督?」

提督「………………ああ、そうだな」


【END】

954: 2015/06/28(日) 20:59:31.91 ID:ch05ry0p0
【吹雪】

 ―12時、執務室―

コンコン

提督「どうぞ」

吹雪「失礼します、司令官!」ガチャ

提督「どうしたんだ?」

吹雪「よろしければ、これどうぞ!」スッ

提督「これは…弁当箱か?」

吹雪「はい!今日は私、司令官のために弁当を作ってきました!よろしければ食べてください!」

提督「えっ…俺なんかのために…良いのか?」

吹雪「"俺なんか"なんて、言わないでください。たとえ仕事で疲れ果てていても、セクハラ疑惑で皆にぼこぼこにされても、司令官は私の、私達の、

   大事な司令官なんですから」

提督「…ありがとうな」

吹雪「いえいえ」

提督「じゃあ、早速お弁当を―」パカッ

吹雪(司令官、どんな反応をしてくれるかな…)

提督「……あれ?」

吹雪「?」

提督「……中身が、ほとんどないんだが」

吹雪「……あれ?確かに私は作って…」


レッドキャッスル「」ペカー


提督&吹雪「アイツかっ!!!」


【END】

955: 2015/06/28(日) 21:12:09.64 ID:ch05ry0p0
【神通】

 ―15時、執務室―

神通「…以上が、報告です」中破

提督「はい、報告ご苦労様。しかし、そんな中破で服が破れていて、しかも疲れている状態で報告は…」

神通「…すみません。今回の敗北は、私の指揮が悪かったせいでもあります…。それで、私だけでなく他の皆さんも怪我をしてしまう事に…」

提督「………………」

神通「そんな、私の指揮が悪かったのに、他の皆さんに任せて自分は入渠ドックで休むなんて…許せなくて…」

提督「……やっぱり、真面目だな。神通は」

神通「……ごめんなさい…。提督…」グスッ

提督「………………」

神通「…作戦を成功させる事もできず…皆さんを危険な目に遭わせてしまって…」グスッ

提督「………………」

神通「本当に…ごめんなさい…全て…私のせいです…」グスッ

提督「…………顔を上げてくれ」

神通「……………」

提督「神通。次の作戦も、旗艦を頼むよ」

神通「…へ?」

提督「神通は本当に真面目だ。だけど、そこまで自分一人で背負い込んで自己嫌悪に陥る事はないさ。お前はそこまで小さい奴じゃない。それは、

   俺も皆もよく分かってる」

神通「……………」

提督「お前と一緒に出撃したやつも、お前のせいだって思っていないさ。皆、お前を信頼しているんだから」

神通「……………」

提督「だから、そう自分を卑下せず、次も頑張ってくれ。期待しているよ」

神通「…………はい」

提督「お前は俺の、俺たちの誇りなんだから」

神通「……………はいっ!」


【END】

956: 2015/06/28(日) 21:22:04.45 ID:ch05ry0p0
【青葉】

 ―10時、執務室―

青葉「……………」セイザ

提督「…今朝のこの記事は何だ」


『スクープ!執務室から出てきた涙の艦娘!密室で何が起きたのか…』


青葉「いえ…その…つい、記者魂がうずいて…あ、ぶっちゃけこの記事の真相はどうなんですか?」

提督「潮が自分が大破したせいで演習で負けたって嘆いていたから励ましてやっただけだ。別にやましい事は何一つない」

青葉「なーんだ、つまんないな―」

提督「あ?」

青葉「すみませんごめんなさい。なんでもないです。はい」

提督「さてと…この落とし前、どうつけてくれようか…」

青葉「な、何をする気なんですか!」

提督「なぁに、そこまで辛い仕事はさせないさ

青葉「え?意外と軽い…?」

提督「ちょっと、この書類の山を片付ける作業を手伝ってもらうだけの簡単な作業だ」

青葉「Oh…何と言う書類の数…でも、ラッキーですね」

提督「ラッキー?何がだ」

青葉「こうやって書類を片付けている間は、司令官の傍にいられるんですから…」

提督「え…」

青葉「こうしていれば、いずれスキャンダルのネタに巡り合えるかもしれないですから!」

提督「よーし、お前はリランカ島沖のド真ん中で仕事しろ」

青葉「極端すぎませんか!?」


【END】

957: 2015/06/28(日) 21:33:47.21 ID:ch05ry0p0
【妙高】

 ―21時、執務室―

提督「珍しいな。お前が徹夜に付き合うなんて」

妙高「いえ、最近は提督と2人っきりになる事があまりなかったですから」

提督「そうだったか」

妙高「それに、提督はここ最近徹夜をしている事が多いですから、もしかして疲れているのでは?と思って…」

提督「確かに…ここ最近は満足に寝た夜が無いな…」

妙高「ですから、少しでも提督の疲れを無くしてあげようと思ったのです」

提督「…すまんな。結構な書類があって…」

妙高「もし疲れているのでしたら、お休みになっても構いませんよ?」

提督「いや、流石にそれはダメだ。誰かに自分の仕事を丸々任せるなんて」

妙高「ですけど、先ほどから時々頭がかくかく揺れていますけれど…」

提督「…ハッ。俺とした事が…」

妙高「もう。あまり無理をなさらないでください。過労で倒れてしまっては困ります」

提督「…それは、仕事が捗らなくなるから、って話か…?」

妙高「そんなわけないじゃないですか。私達の大事な提督が倒れてしまっては…心配で…胸が張り裂けそうな気持になってしまいます…」

提督「…そっか。皆、意外とそういう風に俺の事を見てくれているんだな」

妙高「提督は、自分を過小評価しすぎな感じもしますけれど、ね。それよりも提督、少しお休みになられた方が…」

提督「…じゃあ、そうしようかな。じゃあ悪いけど妙高、少しでいいから書類を片付けてもらえるかな…」

妙高「はい、お任せ下さ―」

提督「……ZZZ」

妙高「…やはり、お疲れでしたのね…」

提督「………ZZZZ」

妙高「お疲れ様です、提督」ナデナデ


【END】

958: 2015/06/28(日) 21:41:16.89 ID:ch05ry0p0
【比叡】

 ―13時、執務室―

提督「ゲッ…もう昼過ぎかよ…やばい昼飯食いそびれた…」

コンコン

提督「あ、はーい」

ガチャ

比叡「失礼します、司令!」

提督「お、どうかしたのか比叡…その鍋は何だ」

比叡「はい!司令、先ほど食堂に姿を見せていなかったので、もしかしてお昼ご飯を食べていないのでは?と思いまして、この比叡特製のカレー鍋を、

   差し入れに持って参りました!」

提督「カレー鍋…か、ありがとうな」

提督(今夏なんだけど…それに、比叡のカレーの腕は絶望的だが鍋の腕は超一級…果たしてこのカレー鍋は…)

比叡「…司令?」

提督(DEADか…LIVEか…)

比叡「あのー…」

提督「よし、食う!」

比叡「本当ですか?では、どうぞ!」スッ

提督「ん?」

比叡「あーん」

提督「…あーん」

パクッ

提督「………」モグモグ

比叡「お味の方は、いかがですか?」

提督「………普通に美味い」

比叡「普通って何ですか普通って!」

提督「いやー、比叡の作るカレーは殺人カレーって言うから、カレーと鍋を合わせるとどうなるのかなーって思ってたけど。いや、生きててよかったよ」

比叡「……微妙に私の事馬鹿にしていません…?」


【END】

959: 2015/06/28(日) 21:50:31.57 ID:ch05ry0p0
【陸奥】

 ―16時、執務室―

陸奥「この時間が、一番嫌なのよね…」

提督「…何で?」

陸奥「まだ数時間一日が残っているって言う感覚と、もう数時間で一日が終わってしまうって感覚が私の中で渦巻くから…」

提督「…まあ、なんとなくわかる気がする」

陸奥「それに…この時間はなぜか寂しくて切ない気持ちになっちゃうから…ね」

提督「…だからって、この体勢はいかがなものかと思うが」


(提督の膝枕で寝転がっている陸奥の図)


陸奥「いいじゃない別に。この体勢が、貴方の体温を感じていられるんだから」

提督「そーですかい…」

提督(足がしびれる…)

陸奥「それに…」

提督「それに?」

陸奥「私って結構、寂しがり屋なのよ」

提督「そうだったか?」

陸奥「私は、この鎮守府で最古参の戦艦で、皆私を怖がって話しかけてくれなかった…それが寂しくて仕方が無かった…」

提督「…………」

陸奥「でもあなたは、提督としてでなく、普通の人として私と接してくれたから…」

提督「…………」

陸奥「だからあなたは…人として生まれ変わった私にとって最初の近しい人になったのよ」

提督「…………」

陸奥「だから―提督?」

提督「…………すまん、足がしびれすぎてて陸奥が何を言っているのか覚えてない…、もう一回言ってくれ…」

陸奥「…もう、バーカ♪」


【END】

960: 2015/06/28(日) 22:03:38.54 ID:ch05ry0p0
【鳳翔】

 ―21時、≪居酒屋・鳳翔≫―

鳳翔「珍しいですね、提督がおひとりでいらっしゃるなんて」

提督「いえ、俺も一日くらいは1人で静かに飲みたいんです。それに明日は休みですし」

鳳翔「そうですか…では、何をお飲みになりますか?」

提督「そうですね…では…」


 ―数十分後―

提督「しかし、俺が鎮守府に着任してからもう2年以上経ったんですよね…」

鳳翔「ええ。私がここに来たのは、提督が着任してから数か月ほど、でしょうか?」

提督「はい。貴女はウチに来た最初の空母ですからね。あの時の事は覚えていますよ」

鳳翔「なら、その時私がなんて言ったか覚えていますか?」

提督「…確か、『貴方と共に頑張ります』でしたっけ?」

鳳翔「その通りです。ちなみに、その時私はどう思っていたのか、分かりますか?」

提督「…………すみません、分からないです」

鳳翔「ふふっ」

提督「…ええー…」

鳳翔「本当は、"何とも気弱そうな人ですが、私が支えてあげなければ"と思ったんですよ」

提督「俺はそこまで気弱に見えましたか…?」

鳳翔「ええ。提督になったばかりで失敗したらどうしよう、そう言う感じでしたから」

提督「うっ…実際に考えていたんだから困りますね…」

鳳翔「それは良かったです」

提督「ううう…」

鳳翔「でも提督は、この2年間で大きく成長したと思いますよ」

提督「…そうですか」

鳳翔「ええ、それはもう。私が着任した時よりもずっと逞しくなりました」

提督「……ありがとうございます」

鳳翔「今では、私の誇れる自慢の提督です」

提督「そう言うセリフって大抵おばあちゃんが―」

バキャッ

鳳翔「あら、箸が折れてしまいました…」

提督「心の底からごめんなさい」


【END】

961: 2015/06/28(日) 22:18:26.81 ID:ch05ry0p0
【泊地水鬼】

 ―22時、提督の私室―

提督「…寝付けない…」ガバッ

提督「…仕方ない、散歩にでも出るか」


 ―数分後、波止場―

提督「…ふむ…夜風が気持ちいいな…」テクテク

提督「ん?」

泊地水鬼「…………はぁ」

提督「泊地水鬼か?」

泊地水鬼「!…って、何だ提督か」

提督「どうかしたのか?こんな夜更けに」

泊地水鬼「あまり寝られなかったから…そう言う提督は?」

提督「俺も同じだ」

泊地水鬼「……そうか」

提督「ああ」

泊地水鬼「……星空が、綺麗だな」

提督「ん?ああ、確かにな」

泊地水鬼「……あの時私は、もう空を仰げなくなるはずだった」

提督「?あの時?」

泊地水鬼「アンズ環礁の話だ」

提督「……あの時か」

泊地水鬼「私はあそこで、もう二度と空を見る事もできずに暗い海の底へ沈む、そのはずだった。だが、私はお前達の手で救われた」

提督「…………」

泊地水鬼「そして今、この鎮守府にも大分馴染む事ができて、今またこうして空を見上げる事ができている」

提督「もしかして、迷惑だったか?」

泊地水鬼「何をバカな事を言っている。私は今、美味しいものを食べたり、他の艦娘達と楽しく話す事ができたりと、生きる喜びを感じている。

     それを、迷惑などと」

提督「………そうか」

泊地水鬼「だから、もう一度言うよ。ありがとう」ニコッ

提督「……よかったよ」

泊地水鬼「これからも、よろしくお願いね」ニコッ

提督「……最初に会った時と比べて、あざとくなったな」

泊地水鬼「何だと?」キリッ

提督「……へへっ」


【END】

962: 2015/06/28(日) 22:25:16.24 ID:ch05ry0p0
【決断】

 ―20時、執務室―

提督「………」ガラッ

提督(ケッコンカッコカリ指輪…)

提督(艦娘と、強い絆を結ぶ事ができるようになるアイテム…)

提督(だが……)

提督(自分の傍で、自分を支えていてくれる艦娘…。そしてその艦娘を支えていく提督…)

提督(それはまるで本物の結婚のようなものでもある…)

提督(そのケッコンする艦娘は、基本的に1人だけ…)

提督(その相手を何人もの中から選ぶ…)

提督(ならば…俺は…)

提督「俺は……」

提督「………………………………………………俺は…」


【続く】

980: 2015/06/29(月) 20:42:05.60 ID:jgFarLFN0
【ケッコンカッコカリ】>>2レス以上続きます。

 ―22時、執務室―

提督「…………………」ソワソワ

提督(俺は覚悟を決めた…俺は……)

コンコン

提督(来たか)

提督「……入ってくれ」

ガチャ

提督「………………夜遅くに済まないな」



提督「陸奥」



陸奥「こんな遅くに呼び出すなんて、どうしたの?」

提督「……今夜、お前を呼び出したのは、ある大事な事を告げるためだよ」

陸奥「大事な事?何かしら?」

提督「………お前も、薄々感づいているかもしれないけど、な」

陸奥「いやねぇ、全く分からないわよ?」

提督「……お前を夜呼んだのは他でもない」ゴソゴソ

陸奥「……………」

提督「………陸奥」

陸奥「…………何?」

981: 2015/06/29(月) 20:51:20.90 ID:jgFarLFN0



提督「カッコカリだけど……俺と、ケッコンしてくれないか」スッ



陸奥「………やっぱりね」

提督「?」

陸奥「まあ、そう言う事だろうと思っていたわよ」

提督「何だ…分かっていたんじゃないか…」

陸奥「そりゃ、こんな時間にそんな真剣な表情で話を切りだされたら、大体予測はつくわよ」

提督「まあ、そりゃそうか…」

陸奥「だって、さっき呼び出した時なんて―」


 ―数時間前、廊下―

提督『陸奥!』

陸奥『あら、提督。何か用なの?』

提督『えーっと…その…えと…うん、こほん。今夜フタフタマルマル(22時00分)に、執務室に来てくれないか』

陸奥『え?そんな真剣に言われると―』

提督『じゃあ、後でなっ!』スタスタスタ


 ―現在―

陸奥「あの時の提督、顔紅くして妙に本気な口調で話してきたから…」

提督「…ははは」

陸奥「……話を戻して」

提督「うん」

陸奥「……どうして、私なのかしら」

提督「……………」

陸奥「他にも、あなたに好意を向けている人は他に何人もいるし、それに比叡とは一線を越えた関係になったって言うのに、それでもどうして、私なの?」

提督「……………」

陸奥「……答えて?」

982: 2015/06/29(月) 21:00:57.94 ID:jgFarLFN0
提督「…………笑わないで、聞いてくれないか?」

陸奥「…もちろん」

提督「その…だな、えーっと…だな…。陸奥は、魅力的な雰囲気を持っているし…。それに、仕事もきちんとこなしてくれるし…」

陸奥「……………」

提督「それに…その……可愛い、し」

陸奥「!///」

提督「そんで…何が言いたいかって言うと…その、つまり…」

陸奥「………………///」



提督「とにかく、好きなんだ。詳しく言葉には表せられないけど…」



陸奥「……………」

提督「この前居酒屋でサシで呑んだ時、陸奥がケッコンカッコカリについて零していたよな」

陸奥「……ええ、おぼろげだけど覚えてるわ」

提督「その言葉を聞いてから……そしてさっき言ったみたいに、陸奥はとても魅力的で仕事もできるって事に気づいてから、その…意識せずには、

   いられなくなって………」

陸奥「………………」


提督「それで、最後に、"陸奥が好きだ"って思うようになったんだ…」


陸奥「……………」

提督「……以上が、理由だ」

陸奥「………………」

提督「な、何とか言ってくれないか?」

陸奥「……………フフッ」

提督「………………?」

983: 2015/06/29(月) 21:09:25.55 ID:jgFarLFN0
陸奥「ふふっ、あははははははははっ」

提督「なっ…笑うなって言っただろうがよ!」

陸奥「ははははっ、ははっ…はぁ…はぁ…。ゴメン、ちょっと嬉しくてね」

提督「…嬉しい?」

陸奥「私の事を、そう見てくれて、そして好きになってくれる事が嬉しくてね」

提督「…そうか。でも結構恥ずかしいんだぞ?好きな人に、どんなところが好きになったのかを話すのって」

陸奥「……うん、分かったわ。あなたが私の事をどれだけ好いていてくれてるのか」スッ

提督「……………」

陸奥「いいわよ」

提督「……………」


陸奥「貴方のプロポーズ、受け取るわ」


提督「!」

陸奥「この薬指に、指輪を嵌めてくれるの?」

提督「…当たり前だろう」スッ

陸奥「……………ありがとうね」グスッ

提督「……………顔を上げてくれ」

陸奥「へ?」


チュッ


提督「……………」

陸奥「……………///」

提督「………いつもはお前からされてるから、こっちからやってみようと思ってな」

陸奥「も、もう!」

提督「ふう。じゃあ―」

陸奥「………ケッコン初夜は、ね?」

提督「……………いいのか?」

陸奥「もちろん♪」

984: 2015/06/29(月) 21:21:06.54 ID:jgFarLFN0
 ―数時間後、提督の私室―

提督「くっ……」

陸奥「はっ…はっ…はっ…ハァ…」

提督「………気持ちよかった」ドサッ

陸奥「そりゃどーも♪」

提督「………一応、お前とするのは2回目、なんだよな」

陸奥「やっぱり、貴方とするのは気持ちよくて、楽しいわね」

提督(女性がそう言う事を言っていいものか…)

陸奥「…ところで提督」

提督「ん?」

陸奥「比叡ともこう言う事をしたって言うのに、ジュウコンするって考えは無かったの?」

提督「…正直、全くと言っていいほど無かった」

陸奥「……何で?」

提督「世には、ハーレム鎮守府って言う鎮守府がある。何人もの艦娘とケッコンカッコカリして、ハーレムを作り上げるっていう鎮守府が。聞いた話じゃ、

   所属する艦娘200人以上とヤッたっていう鎮守府もある」

陸奥「それは…すごいわね…」

提督「でも、何人もの艦娘とケッコンするって、それは何人もの艦娘を好きになって、1人を選ぶなんて事ができないから皆とケッコンするって言う、

   一種の逃げじゃないか?」

陸奥「………………」

提督「俺は、そう言う逃げの姿勢が嫌だった。だから、ただ1人の艦娘とケッコンするって言う事に決めたのさ」

陸奥「…なるほどね」

提督「………まあ、俺の親友ともそういう約束をしたし、そんな理由だ」

陸奥「………真面目な考えを持つ提督を夫にできて、私は幸せかもね」

提督「………そうか?」

陸奥「……………これからもよろしくね?」

提督「ああ、こちらこそ」

チュッ

陸奥「ん……ぷはっ。今度はこっちから、よ?」

提督「やれやれ………」


【END】

985: 2015/06/29(月) 21:34:20.13 ID:jgFarLFN0
【詫び】

 ―翌日10時、戦艦寮・金剛&比叡の部屋(金剛は出撃中)―

提督「すまない」ドゲザ

比叡「………………」

提督「俺は…お前の事を……」

比叡「………………」

提督「お前がどれほど心に傷を負っているのかは分からない。だから、俺にできる事があれば…」

比叡「あーあ、負けちゃいましたか…」

提督「……へ?」

比叡「いえ、私が提督を好きになったのって、あの旅館の露天風呂で提督の言葉を聞いてその場で好きになっちゃったんですよね。ぶっちゃけると。でも、

   陸奥さんは私よりも前にこの鎮守府に来て、そして私よりもずっと前に提督の事を好きになった。そんな私の、ほんの数十分で芽生えた恋心が、

   その何倍もの時の長さで育まれた陸奥さんの恋心に勝てるわけが無かったって事です」

提督「…………」

比叡「ですから、私が陸奥さんに負けたって言うのも、納得です。それに、私には提督を振り返らせるだけの魅力も無かった、って事ですよね」

提督「お前………」

比叡「それに、私には金剛お姉様がいますから。寂しくもありません」

提督「…………本当に、済まない」

比叡「大丈夫です。私は強いですから、自分で言うのもなんですけど」

提督「………何か、俺にできる事があれば何でも言ってくれ」

比叡「ありがとうございます。では、一応考えておきますね」

提督「…………もう一度、言う。すまない」

比叡「そんなに謝らないでください。…っていうか、他のケッコンカッコカリ候補の皆さんにも謝ったんですか?」

提督「ああ、全員に謝った。特に青葉がひどかった。とにかくわんわん泣いていたから…」

比叡「へぇ…」


 ―数十分後―

金剛「ただいまデース!」バァン

比叡「…………」

金剛「What?比叡、どうかしたんでスカ?」

比叡「うっ……おねぇざまぁ…」

金剛「Oh…大体事情は分かりマシタ…」

比叡「うっ…ひぐっ…うわあああああああああ…」ダキッ

金剛「いいんデス…今日はmeの胸で泣いていいデス…」

比叡「…ううっ…ひぐぅ…」

金剛「女の子は、涙を流して強くなれるんですカラ…」

金剛(テートク…陸奥を泣かせたら、絶対に許さないですから。私の大切な比叡を泣かせてまでケッコンしたんだから、幸せになってくだサイ)


【END】

986: 2015/06/29(月) 21:43:42.55 ID:jgFarLFN0
【そして…】

 ―15時、執務室―

友督『へぇ、陸奥とケッコンしたのか』

提督「ああ、丸一日悩んでの結果さ。それなりの苦悩は抱えたけど」

友督『まあ、大体想像できるよ』

提督「お前は?榛名とはどうなったんだ?」

友督『あと一歩だよ。まあ、直ぐにまた報告する事になると思うけどな』

提督「……そうか」

友督『じゃあ、そんなお前にウチの鎮守府からお祝いを送ってやろう』

提督「?」

友督『実は、ウチでもバグで建造しちまった奴がいるんだよ。そいつは建造もドロップもできない艦娘なんだけどな。そいつをお前の鎮守府にやるよ』

提督「え?良いのか?」

友督『ああ、もうウチにはそいついるし、この前の観艦式でお前の鎮守府にはいなさそうだったからな。送ってやるよ』

提督「本当かよ?いや…いつも済まないな…」

友督『そいつはな―』


 ―数日後、執務室―

陸奥「ふんふんふーん♪」

提督「……見てて、楽しいか?指輪」

陸奥「そりゃ楽しいわよ?あなたと一つになれたって言う証なんだから。嬉しい事この上ないわね」

提督「……そうか。ありがとう」

陸奥「ふふっ。…ところで、これからウチに来る子って、友督さんからの贈り物?」

提督「ああ、快く迎えてあげような」

コンコン

提督「お、来たようだな」

陸奥「そうね」

提督「どうぞー」

Prinz Eugen「失礼しまーす」ガチャ


陸奥「貴女が、新しく来た艦娘かしら?」

Prinz Eugen「はい!私は、重巡プリンツ・オイゲン。よろしくね!」

提督「よろしく、そして―」

陸奥「ふふっ♪」


提督「ようこそ。我が鎮守府へ」



【第二部、完】

987: 2015/06/29(月) 21:50:40.51 ID:jgFarLFN0
と言うわけで、日常編の第二部はこれで終了です。

第一部よりも投下する期間が短かったんですね。


提督のケッコンカッコカリ相手は、まさかの陸奥でした。やっぱり陸奥さんは人気があるんですね。

前作が陸奥編だったはずなんだけど…。


正直、日常編の第三部はまだ作るかどうか決めかねています。第三部を作ってほしいと言う方は、これ以降のレスで出演を希望する艦娘をどうぞ。

それ以外の方は、感想等があればお気軽にどうぞ。


次の作品、那智編のスレは明日の夜21時以降に作成する予定ですので、しばらくお待ちください。それまでにスレを埋めてしまうのはやめてください。

それでは、また明日。


次回:【艦これ】那智「皆に慕われる提督」


引用: 【艦これ】提督「この平和な鎮守府の日常」2