1: 2015/09/17(木) 21:25:46.98 ID:a1vFcAo30
※注意
・艦隊これくしょんのSSで、もしも海軍総司令部がこんな場所だったら、と言う感じの話です。

・タイトルが若干変わっていますが、↓の作品の続きです。
 【艦これ】総司令部の日々

それでも良いという人はどうぞ。

お手柔らかに見ていただければと思います。

艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)

3: 2015/09/17(木) 21:36:04.83 ID:a1vFcAo30
 突如、全世界の海洋に出現した人類の敵・深海棲艦。

 その深海棲艦に対して有効な打撃を与えられるのは、過去の軍艦の記憶を持つ‶艦娘‶と呼ばれる少女達だけである。

 彼女たち艦娘は、海軍出身の提督の指揮のもとで、鎮守府から出撃して深海棲艦を討伐する。

 そして今や、この国に鎮守府は100近く存在し、提督もそれと同じくらいいる。

 各地の提督と艦娘達は出撃などで忙しいが、その提督たちと鎮守府を総べる総司令部だって、多忙なのだ。

4: 2015/09/17(木) 21:50:24.31 ID:a1vFcAo30
【邂逅】

 ―10時前、司令長官執務室―

『司令長官!各地方の鎮守府の戦力データが…』

『島根の石見鎮守府が資金援助を要求しています!』

『長官、研修所から教官の派遣要請がきて…!』

『帯広鎮守府の提督が熊に襲われたクマ!』

『お前遂にやっちまったのか!』

『また深海棲艦がドッと湧いて…』

『うわー、今一杯だって!』

司令長官「えーっと…石見鎮守府の話は中国地方代表提督と話し合って決めてよ。戦力データは大淀君か鳥海君に渡して!熊に襲われた提督君の事は…、

     臨時の提督を見つければいいよ。次…研修所の事は知らないよ~、黎明君に相談して!」

由良「あら、そう言えば提督さんは?」

司令長官「彼なら今、鎮守府内の視察中だよ。もうそろそろ終わる頃合いなんじゃないかな?」

由良「そう…。じゃあ、提督さんのところに行ってくるわね」

司令長官「うん、気を付けて。次は、えーっと…深海棲艦の大群?冬にでもまた大規模作戦を発令すればいいじゃない!」


 ―数分後、工廠―

明石「いやぁ、やっぱり工具が壊れやすいんですよ…。それに、ちょっと人手不足かなー?」

提督「工廠妖精さんや、艤装についてる妖精さんがいるでしょう。彼女たちに手伝ってもらっては?あと、工具の件に関しては請求書を下されば…」

明石「それもあるんですけど~…」

ガラララララ

提督&明石「?」

由良「提督さん、いるかしら?」

提督「由良さん、何か御用ですか?」

5: 2015/09/17(木) 21:58:53.78 ID:a1vFcAo30
由良「研修所から、教官の派遣要請が…」

提督「……………………」ギロッ

由良「!」ビクッ

提督「ああ、失礼しました。ったく、あのアホは…少しは自分でものを考えてほしいものです」

明石「…今、司令長官の事、アホって言ったね…」

由良「まあ、提督さんはよくそう言うし…」

提督「まったく…この前まで提督志願者が少ないと言ってきて、今度は志願者の増大で教官が不足、ですか」

由良「ですけど、教官の数が不足してしまうと…」

提督「海軍の人間を何人か派遣し、さらに艦娘の方も何人か派遣して今までやってこれてましたが…それでも人員不足ですか。どうしたものですかね…」

明石「辞めてしまった提督の方も教官として派遣しては?」

提督「まあ、それも1つの手なんでしょうけど…」

五月雨「提督、いらっしゃいますかー?」

提督「どうかしましたか、五月雨さん?」

五月雨「カレー洋から帰還しまして、それで、新しい艦娘の方を連れてまいりました!」

提督「それでしたら、その方には寮で待っていただいて…」

五月雨「ですが、その方は提督に会いたがっています」

提督「……仕方ないですね。では、すぐにそちらへ向かいます。由良さん」

由良「何?」

提督「その書類は司令長官に付き返してもらって結構です。解決策はあの人が決めるでしょう。でなければ始末するしかありません」

由良「始末って…」

提督「それと、明石さん。工具や人員の件は考えておきますので、少々お待ちください」

明石「はーい」

提督「では、五月雨さん。行きましょうか」

五月雨「は、はい!」

7: 2015/09/17(木) 22:05:11.88 ID:a1vFcAo30
 ―数分後、波止場―

提督「……で、来たわけですが、彼女が新しい艦娘の方ですか」

五月雨「はい…そうです…」


加古「ZZZZZZZZZZZZ…」


提督「…彼女、本当に私に会いたがっていたんですか?」

涼風「うん、『いやぁ、立派な鎮守府だねぇ!できれば、ここの提督に会ってみてぇなぁ!なあ、会わせてくんない?』って言ってた」

提督「…待ってた側が寝てどうするんですか…。本末転倒ですね」スタスタ

五月雨「え、提督何を…」

提督「起こすに決まってるでしょう」スッ

加古「ZZZZZZZZZZZZZ…」

五月雨(えっ…顔近づけてる…まさか…うわわわわわ…//)

涼風(五月雨が想像するような事はしねぇと思うぞ…。どーせ、大声で『わっ』って驚かせるんだろ?)

五月雨(そ、そんな起こし方はしないんじゃないのかな…多分、顔を叩く程度で―)


提督「わっ!!!」


加古「おぅっ!?」ガバッ

五月雨&涼風(本当にやった……)

加古「おおお…頭がクラクラする…」

提督「お目覚めですか?」

加古「んー……まだ眠い…寝ていい?」

提督「次はメガホンで叫びますよ」

加古「それはやめて!起きる、起きますから!」

9: 2015/09/17(木) 22:12:07.26 ID:a1vFcAo30
加古「って、その格好…もしかして、あんたが提督?」

提督「ご明察です」

加古「へぇ~、この立派な鎮守府の提督があんたか…。あたしは加古ってんだ。よろしく!」

提督「よろしくお願いいたします。私は、この東京第壱鎮守府の提督及び新日本海軍総司令長官の補佐官、斑 黎明と申します」

加古「…へ?司令長官の補佐官?お偉いさん?」

提督「まあ、ナンバー2ですね」

加古「…うぉぉ…マジか…。あたし、やべぇところに着任したかもしれん…」

提督「まあ、鎮守府の機能は他と同じですから。ただ…」

加古「?」

提督「他より1人当たりの仕事が多いところが、うちの特徴ですかね」

加古「」

提督「着任したての貴女には流石に大仕事を任せたりはしませんが、この鎮守府に慣れた頃には、貴女にも仕事を任せたいのですが…」

加古「……ちょっと、カレー洋に忘れ物が…」

提督「逃がしません」ガシッ

加古「ひいいいいい………」


【終わり】

10: 2015/09/17(木) 22:17:47.36 ID:a1vFcAo30
【キャラクター紹介】

≪提督/斑 黎明(まだら れいめい)≫

本作の主人公。関東・東京第壱鎮守府の司令官であり、関東地方代表提督でもあり、新日本海軍司令長官の補佐官でもある。性別は男性。年齢は26歳。

真面目な仕事人間であるが、若干S気質なところがある。上司の司令長官がポンコツなところがあるため、司令長官の分の仕事をする事が多々ある。

艦娘達との信頼関係は良好。自らの立場上、気苦労が絶えない。アニメや漫画なども意外と好き。交友関係は結構広い。

好きな言葉は『謹厳実直』。

19: 2015/09/18(金) 21:09:53.38 ID:68eeSAgc0
 食事。

 それは、基本的に栄養、すなわち人間が生命を維持し活動をするために必要な栄養素を摂る行為である。(Wikipediaより抜粋)

 それと同時に、新しい何かを発見することもある。


ゴーン、ゴーン

提督「おや、もうこんな時間ですか」

雲龍「そうですね。ついつい書類を片付けるのに没頭してしまいましたから…」

提督「では、休憩もかねて食事へ行きましょう」ガタッ

雲龍「はい、わかりました」スクッ

20: 2015/09/18(金) 21:17:51.76 ID:68eeSAgc0
【食事】

 ―19時過ぎ、食堂―

A定食『瑞鶴特製チキンカレー』

B定食『サンマの塩焼き』

C定食『おにぎり三種(鮭、梅、昆布)』


雲龍「…………………」ジー

提督「…どうしました?」

雲龍「あ、いえ…。この‶チキンカレー‶と言うのが気になるんですけど…」

提督「頼めばいいでしょう」

雲龍「ですけど…この手の料理はがっつり食べると腹痛が…。おそらく少なめでも多すぎるというか…」

提督「…でしたら、私がカレーを少し多めに頼んで、少し貴女にあげます」

雲龍「えっ、よろしいんですか?」

提督「別に構いませんよ。間宮さん、チキンカレー1つ。やや多めで」

間宮「はーい、分かりましたぁ!雲龍さんは?」

雲龍「あ、私はおにぎり三種セットで」

間宮「了解です!少々お待ちくださいね!」

………

間宮「はーい、お待たせしました!」コトッ

提督&雲龍「ありがとうございます」

提督「では、あの席で食べますか」

雲龍「はい」

ガタッ

提督「では、いただきます」

雲龍「いただきます」

21: 2015/09/18(金) 21:24:02.77 ID:68eeSAgc0
提督「では、雲龍さん。少し食べてみますか?」

雲龍「そ、それでは…」オソルオソル

提督「……………」

雲龍「…………はむっ」パクッ

雲龍「…………!」

提督「どうですか?」

雲龍「ちょっと、辛いです…。けど…美味しい…」パクパク

提督「そうですか。それは良かったです。けど、私の分も残しておいてください」

雲龍「あ、すみません…」


司令長官「カレーライス大盛りで!」

間宮「はーい!」


提督「……………」

司令長官「あ、黎明君。隣、いいかな?」

提督「構いませんが、またそんなに食べて…」

司令長官「いいじゃないの別に。よっこいしょっと」ガタッ

提督「また、ナガラズ・ブート・キャンプを受けたいんですか?」

司令長官「それは嫌だから…ジョギングでもするよ…。ところで、雲龍君」

雲龍「はい?」

司令長官「君が、カレーを食べるのって、なんだかすごい珍しい…と言うか初めてじゃないの?」

雲龍「そう言えば…カレーと言うものを食べたのは、今日が初めてです…」

提督「確かに…今までずっとおにぎりかパン(コッペパン)しか食べてませんでしたからね」

22: 2015/09/18(金) 21:36:17.76 ID:68eeSAgc0
雲龍「何度か、食べてみたいな、と思った事はあったんですけど…。新しいものを食べるのって、なんだか躊躇しちゃって…」

司令長官「あー、分かるよ?その気持ち」


TV『こちらのメニュー、何とこの秋限定です!』


提督&雲龍&司令長官「……………」

司令長官「…こういう感じの、期間限定って言葉に惹かれて実際食べに行ったら、そんなに美味しくもなかったって感じで…」

提督「確かに…私もそういう事、あります」

司令長官「それ以来、こんな感じのレポートで…」


TV『ん~…この食感、たまらないです!』


司令長官「って言葉も、本当にそう思ってんの?って邪推するようになっちゃうから…」

雲龍「それ言ったら、他の番組も同じなんじゃ…。でも、私もこういう料理は食べてみたいですけど…やっぱり新しい料理に挑戦するには、

   勇気がいりますし…」

提督「それって、レストランとかでいつも食べてるメニュー以外の料理を食べるのに躊躇する…っていうのも同じですかね」

司令長官「そうだねぇ。確かに、なじみのある店でも期間限定とか地域限定とかのメニューが出されても食べないから…」

提督「まあ、日本人は何かとそういう○○限定って言葉に惑わされやすい傾向がありますから」

司令長官「やっぱり、定番、王道、馴染み深いメニューが一番って事だよね」

提督「………それはまた…」チラッ

雲龍「?」モクモク

提督「…日本人が、たまにおにぎりを食べたくなるのと同じですね」

司令長官「……そう言われるとおにぎり食べたくなっちゃうなぁ…。ねぇ雲龍君、そのおにぎり1つ…」

雲龍「嫌です」ニコッ


【終わり】

23: 2015/09/18(金) 21:45:46.93 ID:68eeSAgc0
【キャラクター紹介】

≪司令長官/軍乃 盾間(いくさの じゅんま)≫

新日本海軍の司令長官。性別は男性。年齢は46歳。太り気味。仕事はやればできる方だが、仕事が溜まり過ぎると黎明提督に丸投げする事がある。

黎明提督の執務室を意味もなく訪ねたり、勤務中に漫画を読んだりと司令長官にあるまじき勤務態度を取っているが、人望は厚い。その勤務態度から、

黎明提督からよく折檻を受けているが、最終的には冗談と笑って許すくらい心が広い。しかし、本当に真剣な場面になると、すごい頼れる存在になる。

好きな言葉は『治に居て乱を忘れず』。

30: 2015/09/20(日) 21:08:42.93 ID:51okiazd0
球磨「球磨、出撃するクマー!」

三隈「くまりんこっ♪」

熊野「ひゃぁぁあ!とぉぉ↑おおぉぉぉぉぉぉぅ!!」


阿武隈「……………」

阿武隈「………私も、個性とか必要かなぁ…」

32: 2015/09/20(日) 21:19:38.58 ID:51okiazd0
【個性的なクマ】

 ―10時、執務室―

阿武隈「私には、個性が足りないと思うんです」

提督「いきなり何ですか」

阿武隈「同じ‶クマ‶の名を持つ他の皆さんは、個性的な口調や性格ですけど、私には個性的なところって、無いじゃないですか」

提督「……そういう方面の話ですか」

阿武隈「球磨さんはクマクマ言ってるし、三隈さんは自分の事を‶くまりんこ‶って呼んでます…。熊野さんは、ええと……そのですね、はい、

    どこかのテニスプレイヤーみたいな声を発してますし…」

提督「表現が的確過ぎて困る」

阿武隈「ですから、私も何か個性的な口調をするべきなんじゃないかと思いまして」

提督「別にその流れには乗っからなくてもいいのではないでしょうか…。と言うより…」

阿武隈「?」

提督「私には十分貴女は個性的に見えますよ」

阿武隈「へっ?」

提督「かつては奇跡の作戦と言われるキスカ島撤退作戦で旗艦を務め、艦娘となった今は改二改造練度75と軽巡洋艦最高、しかも改装設計図が必要、

   さらに軽巡初の甲標的装備可能、そしてなにより改二になってからの貴女の、凛々しい姿…。それはもう個性と言っていいのでは?」

阿武隈「え、えへへ…凛々しいってそんな…って違います!」

提督「?」

阿武隈「私が欲しい個性っていうのは、そういう方面の個性じゃなくて、性格面での個性です!」

提督「ああ、そっち方面ですか」

阿武隈「提督、何かいい案ありませんか?」

提督「そうですねぇ……」

33: 2015/09/20(日) 21:30:42.44 ID:51okiazd0
≪ケース1:髪型を変える≫

提督「まずは手始めに外見、つまり髪型を変えてみましょうか」

阿武隈「まあ、それが一番手っ取り早いですけど…」

ワチャワチャ

提督「サイドテール」

阿武隈「加賀さんですね」

ワチャワチャ

提督「ポニーテール」

阿武隈「由良姉さんですね」

ワチャワチャ

提督「ツインテール」

阿武隈「五十鈴姉さんですね」

ワチャワチャ

提督「ツーサイドアップ」

阿武隈「夜戦バカですね」

ワチャワチャ

提督「お団子頭」

阿武隈「那珂ちゃんですね」

ワチャワチャ

提督「北上さんスタイル」

阿武隈「やめてくださいぃ!っていうか、全部他の皆さんの髪型と同じじゃないですか!」

提督「そうですねぇ…ほとんどの髪型は皆さんがやっちゃってますし…。残ってるのはスキンヘッドぐらいしか…」

阿武隈「尼さん!?っていうか、乙女の証をそんな簡単にバッサリ切ろうとしないで!バリカン持ってこないで!」

提督「冗談です。流石にそんな躊躇なく女性の髪を毟るほど私は非道ではありません」

阿武隈「と言うか、提督髪型整えるの上手ですね」

提督「一応手先が器用ですので」

34: 2015/09/20(日) 21:37:17.64 ID:51okiazd0
≪ケース2:口調を変える≫

提督「試しに語尾に‶クマ‶とつけましょうか」

阿武隈「分かりました。やってみます…」


阿武隈「あたし的には、とってもОKクマ!」

阿武隈「皆さん、あたしの指示に従ってクマ!」

阿武隈「阿武隈、ご期待に応えるクマ!」

阿武隈「お風呂は大好きクマ~、ふふーん!」

阿武隈「建造が終了したクマ~」


球磨「クマアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ドドドドドドドドドドドドドド

提督「あ」

阿武隈「!?」

球磨「球磨のアイデンティティーを奪うなクマァァァァァァァァァァァ!!!」

阿武隈「ひゃあぁぁぁぁぁ!!ごめんなさいいいいいいい!!」

球磨「ガルルルルルルルルルルルルル!!」

提督「………失敗、と」

35: 2015/09/20(日) 21:47:13.81 ID:51okiazd0
 ―15時、執務室―

阿武隈「もう…どうすれば…」

提督「……阿武隈さん」

阿武隈「はい?」

提督「やはり阿武隈さんは、今のままが一番個性的だと思いますよ」

阿武隈「へ?」

提督「先ほども述べた通り、奇跡の作戦の旗艦を務め、改二になってからはずば抜けた性能を持つぶっ壊れ軽巡…」

阿武隈「ですから、私はそういう個性よりも性格的な個性を―」

提督「そこです」

阿武隈「?」

提督「他のクマトリオが性格面で個性的なのであれば、貴女は外面、性能で個性的です。そちらの方が、性格面が異常な方より親しみやすいですから」

阿武隈「そ、そうですかね……」

提督「そうです。今のままの阿武隈さんの方が良いと、私は思います」

阿武隈「……分かりました。では、今のままでいる事にします」

提督「考え直してくれたようで何よりです」

阿武隈「ご協力、ありがとうございます。では、失礼します」パタン

提督「…………………ふぅ」ギシッ

提督(…まあ、下手に性格を変えてしまうと、これまでの阿武隈さんの交友関係が崩れてしまいかねませんから、変えないようにリードしましたが…)

阿武隈『そう…そうよね!あたしはもう十分個性的よね、うん!」

提督(計画通り)ニヤリ


【終わり】

36: 2015/09/20(日) 21:52:16.60 ID:51okiazd0
【キャラクター紹介】

≪阿武隈≫

長良型軽巡洋艦六番艦。艦娘No.110(改二はNo.200)。改二になる前までは若干おどおどした雰囲気が目立っていたが、改二になってからは凛々しくなる。

中々皆に漢字を覚えてもらえないのが悩み。自分は個性が無いと自虐気味だったが、提督からのアドバイスで立ち直る。軍艦だった頃の阿武隈が、

‶奇跡の作戦‶ことキスカ島撤退作戦の旗艦であったため、(改二になってから)水雷戦隊主体の作戦では旗艦を任されることもよくある。

好きな言葉は『蛍雪の功』。

43: 2015/09/21(月) 20:56:33.35 ID:2nQdQ4cT0
 ―20時過ぎ、特別艦寮・間宮&伊良湖の部屋―

間宮「す、すみません…風邪をひいてしまいました…」グスッ

伊良湖「間宮さん、大丈夫ですか?」

鳳翔「はい、間宮さん。おかゆです」

間宮「あ、ありがとうございます…。それで、鳳翔さんに折り入って頼みがあるのですが…」

鳳翔「はい、何か?」

間宮「明日の食堂の料理を、お願いしたいのですけど…」

鳳翔「それくらいでしたら、構いませんよ」

間宮「すみません…げほっ」

鳳翔「大丈夫ですか?はい、おかゆ。あーん」

間宮「むぐっ…ありがとうございます」

鳳翔「では、私はこれで。伊良湖さん、あとはお願いします」

伊良湖「は、はい!」

鳳翔「急に寒くなってきたから、体も冷えるでしょうし、おかゆを食べたらすぐに寝てくださいね?」

間宮「分かりました…」

鳳翔「伊良湖さんも、風邪をひかないように体を温めて寝てくださいね?」

伊良湖「は、はい」

鳳翔「では」パタン

44: 2015/09/21(月) 21:03:37.94 ID:2nQdQ4cT0
【皆のお艦】

 ―翌日8時、食堂―

雷「あれ?間宮さんは?」

鳳翔「間宮さんは昨日風邪をひいてしまって、今日はお休みなんです」

雷「あらら…。じゃあ、私が看病してあげなきゃ!」

鳳翔「だめよ?貴女はまだ小さいんだし、風邪がうつったらどうするの」

雷「そ、それはちゃんとマスクとかして…」

鳳翔「それでも、万が一風邪をひいちゃったら元も子もないでしょ?私が貴女の代わりに間宮さんを看病するから、貴女は貴女のするべきことを、

   しなさいな」

雷「は、はい…」

鳳翔「でも、進んで看病をしようとした貴女はえらいわよ?」ナデナデ

雷「はふぅ…ありがとうございます」

鳳翔「それじゃあね」


提督「やはり、鳳翔さんのお艦力はすごいですね」

司令長官「そうだねぇ。まさにみんなのおかんだね」

雷「あ、司令官に司令長官!おはよう!」

提督「おはようございます」

司令長官「おはよう」

雷「ところで司令官、お艦力って?」

提督「さっきも雷さんが見た通り、鳳翔さんはお母さんのようなふるまいをする事に定評があるんです」

司令長官「まさに、理想の母親像だしねぇ。美人だし、優しいし…」

45: 2015/09/21(月) 21:16:27.61 ID:2nQdQ4cT0
雷「そんなにお艦力って強いの?私はただ『すごい優しいなぁ』としか…」

提督「それは、鳳翔さんの行動を見ればわかります」

雷「?」


 ―数十分後、洗い場―

鳳翔「こんにっちは、赤ちゃん~♪」ジャブジャブ

提督「鳳翔さん」

鳳翔「あら、提督。どうなさったんですか?」

提督「よろしければ、お手伝いいたしましょうか?」

鳳翔「あら、いいんですよ別に。こういう仕事は私がする事ですから…」

提督「ですが、私もたまにはこういう事をしないと…」

鳳翔「お気遣いは、ありがたく受け取ります。それより提督?最近徹夜が増えていると聞きましたが?」

提督「…それに関しては、すみません。書類が山積していまして…」

鳳翔「だめですよ?ちゃんと規則正しい生活をしないと、体を壊してしまいますよ?」

提督「はい、分かりました」

鳳翔「ちゃんと暖かい布団で寝て、食事もバランスよく摂るんですよ?」ポムポム

提督「…はい」


提督「…と言った感じに」

雷「おおおお……」

司令長官(気のせいかな…。一瞬黎明君が丸くなった気が…)

提督「それと、他にも色々…」

雷「え?まだあるの?」

46: 2015/09/21(月) 21:29:10.80 ID:2nQdQ4cT0
 ―16時過ぎ、波止場―

天龍「艦隊が帰投したぜ~…」

鳳翔「皆さん、お疲れ様です。おやつを用意してありますので、後でどうぞ」

睦月「おやつ?わーい!すぐ食べに行くにゃしぃ!」

文月「やったぁ~」

鳳翔「こらっ、待ちなさい!」カッ

睦月&文月「!」ビクッ

鳳翔「貴女たち…手も洗わないで食べに行こうとしたでしょう!」

睦月「えっ…」

文月「はぅ…」

鳳翔「だめでしょ?そんなバイキンがついた手でおやつを食べちゃ病気になっちゃうでしょ?ちゃんと手を洗いなさい」

睦月「は、はい…」

文月「ごめんなさい…」

鳳翔「分かれば良いんですよ。さ、手を洗ってきてくださいね」

睦月&文月「はいっ!」


 ―17時過ぎ、厨房―

鳳翔「しーあわっせは、歩いてこない♪だから、歩いてゆくんだね♪」

伊良湖「あれ、鳳翔さん早いですね!」

鳳翔「あら、伊良湖さん。今日はちょっと、私の得意料理を振る舞おうかと張り切っちゃったた、少し早く来すぎちゃって…」

伊良湖「へぇ~…得意料理って?」

鳳翔「それは秘密です♪」

伊良湖「えー…」

鳳翔「じゃあ、腕を振るっちゃおうかしら」

伊良湖「私も何か…」

鳳翔「そう?じゃあ……」

47: 2015/09/21(月) 21:41:27.29 ID:2nQdQ4cT0
 ―19時過ぎ、食堂―

提督「どんな感じでしたか?」

雷「確かに…THE・お母さんって感じがしたわね…」

提督「ちなみに、この食堂の献立作りには、鳳翔さんも一枚噛んでいます」

雷「え、そうなの?」

提督「それと、お昼の料理番組でやっていたメニューをその日の夜のメニューにする事もあります」

雷「それもまたお母さんっぽい!」

提督「それと、今日の食堂のメニューは、全て鳳翔さんの得意料理なんですが…」チラッ

雷「?」チラッ


A定食『ハンバーグ』

B定食『唐揚げ』

C定食『おにぎり三種(鮭、明太子、おかか)』


雷「揺るぎない!」

天龍「あ~…疲れた体に鳳翔さんのメシが染み渡るぜぇ~…」パクパク

鳳翔「こーら、女の子がそんな口の利き方するんじゃありません」ピシッ

天龍「う、すみません…」

雷「まさに、母…!」

提督「ちなみに鳳翔さんが良く口ずさむ歌もまた、どれもお母さんの歌うような歌です。(例:こんにちは赤ちゃん、365歩のマーチ…等)」

雷「ママン!みんなのママン!!」

提督「後は……」


 ―21時過ぎ、≪居酒屋・鳳翔≫―

瑞鶴「…加賀さんとうまくいかない……」

鳳翔「そうですね…。確かに加賀さんは五航戦の貴女や翔鶴さんを毛嫌いしているような感じもありますけど、貴女も嫌そうな態度を取っているのでは?」

瑞鶴「へ?」

鳳翔「貴女が嫌そうな態度を取れば、相手もまた不愉快な態度を取ります。まずは、貴女が加賀さんに歩み寄ってみるのもいいと思いますよ」

瑞鶴「うぅ…鳳翔さぁん…」


提督「ああ言った感じで、夜の居酒屋で皆さんの悩みや愚痴を聞いたりします」

雷「そっちの意味のママも!?」


【終わり】

48: 2015/09/21(月) 21:46:20.90 ID:2nQdQ4cT0
【キャラクター紹介】

≪鳳翔≫

鳳翔型軽空母一番艦。艦娘No.25。その包容力と言動が、皆にお母さんのような安心感を与えていることから、経緯を表して『お母さん』と呼ばれている。

実はこの鎮守府最古参の空母だが、深海棲艦相手に説教をしようとしたため、提督から戦線から退くように言われる。その後は主に、鎮守府で炊事、

洗濯をするようになる。しかし、たまに出撃をする事もある。NGワードは『おばあちゃん』。

好きな言葉は『温厚篤実』。

54: 2015/09/22(火) 21:09:44.33 ID:Yt+9nXSG0
 ―9時、執務室―

提督「では、羽黒さん。昨日の引継ぎをお願いします」

羽黒「は、はい。えっと…」オドオド

提督「?」

羽黒「あの…昨日は、その…出撃を6回、行って…それで…その…」

妙高「羽黒?落ち着いて報告していいのよ?ゆっくりでもいいから…」

羽黒「ご、ごめんなさい!妙高姉さんに気を使わせてしまって……」

妙高「あ、違うのよ?そういう意味で言ったんじゃなくって…」

羽黒「そ、そうでしたか…。ごめんなさい…」

提督「では、羽黒さん。引継ぎを続けて…」

羽黒「お、お時間を取らせてしまって、ごめんなさいいいいいいい……」バタン

提督&妙高「あ……………」

提督「……………」

妙高「…………羽黒から、引継ぎ受けてきます」

提督「お願いします」

パタン

提督「………またか」

55: 2015/09/22(火) 21:19:18.06 ID:Yt+9nXSG0
【小心者≒臆病】

 ―10時過ぎ、執務室―

ガチャ

妙高「お待たせいたしました、提督」

提督「無事、引継ぎは終わりましたか?」

妙高「ええ、何とか…。部屋で泣きじゃくっていましたので、足柄と一緒に慰めて…」

提督「そこまで泣いていたんですか…」

妙高「私や提督に迷惑をかけてしまった上、まともに引継ぎもできなくて、って」

提督「私は別に、迷惑とは感じていませんでしたが」

妙高「…提督は、あまり女心を分かっておられないんですね」

提督「?」

妙高「いえ、何でもありません」

提督「まあ、話を戻しまして、羽黒さんのあの性格は少し問題ですね」

妙高「あの、少々臆病な性格ですか?」

提督「このような場所で、あのようにすぐに泣きだして逃げてしまうようでは、ろくに報告もできませんし…」

妙高「あんな子が社会に出たら、すぐにいびられるでしょうね…あと、これは足柄から聞いた話なんですけど…」

提督「?」


 ―数日前、カスガダマ沖・Gマス(敵空母機動部隊)―

ズドォォォォォン

軽空母ヌ級elite「ギアアアアアア…」大破

羽黒「!」

足柄「今よ羽黒!そいつを倒して!」

羽黒「は、はい!」ジャキン

軽空母ヌ級elite「……………………」ギロッ

羽黒「ヒッ……」

足柄「何してんの!早くそいつをぶっ倒すのよ!」

羽黒「で、でも…」

羽黒(このヌ級さんを倒したら、ヌ級さんは私の事を恨むんだろうな…。それで、恨まれながら私は生きていく…それは嫌だぁ…)グスッ

56: 2015/09/22(火) 21:29:56.21 ID:Yt+9nXSG0
足柄「いいからさっさと倒しなさいよこの小心者オオオオオオオ!!」ズドオオオオン

羽黒「きゃあああああっ!?」中破

軽空母ヌ級elite「!?」


 ―回想終了―

妙高「…あのまどろっこしさに焦れて、足柄が羽黒に向けて砲撃したんですです…」

提督「あの時の羽黒さんの中破、あいつの仕業だったのか。後で締めることにします」

妙高「それはまた置いといて、敵を倒す事にまで躊躇するっていうのは、問題すぎます」

提督「確かに…。では、羽黒さんのあの小心者っぷりを何とかしなければなりませんね」

妙高「それには、どうすれば…」

提督「………………」


 ―16時過ぎ、廊下―

羽黒「ど、どうしよう……」テクテク

提督『貴女は少し敵に対して怯え過ぎです。それを直す事を踏まえて、アルフォンシーノ方面へ出撃して下さい』

羽黒(って言われて…一応敵を倒す事には成功したけど…)トコトコ

羽黒(途中の海域で足柄姉さんと加賀さんが大破して撤退…。私が旗艦なのに…こんな戦果になっちゃって……)テク、テク

羽黒(こんな報告したら、提督は怒るだろうな…。妙高姉さんや那智姉さんもがっかりするかもしれない…)

羽黒「それだったら……」

羽黒「この書類…シュレッダーして…」

57: 2015/09/22(火) 21:40:49.36 ID:Yt+9nXSG0
提督「何してるんですか」

羽黒「ひょあああああああああああああっ!!?」

提督「それ、報告書ですよね?何でそれをシュレッダーにかけようと?」

羽黒「そ、それは…」ガタガタ

提督「…大方、大した戦果を挙げられなくて、怒られるだろうから証拠隠滅…と言ったところですかね」

羽黒「………はい」

提督「報告書をシュレッダーにかけようとしたのは私も流石に看過できません」

羽黒「……ごめんなさい…」

提督「…貴女は、やはり小心者、と言った感じですね」

羽黒「…………うぅ…」

提督「敵艦に同情して攻撃できず、戦果が大したものでなければ報告も恐れて報告書を破棄しようとする…」

羽黒「…ご、ごめんなさい…。こんな私って、役立たずで不要ですよね…。ごめんなさい…」タッ

提督「待ちなさい」ガシッ

羽黒「は、離してください…私なんて、もう…」

提督「……先ほど述べた小心者ととれる貴女の行動は、裏を返せば、みな良い事です」

羽黒「…ふぇ?」

提督「敵に同情するという事は、相手が氏ぬことが悲しい、頃したくない、という事。そして戦果の報告をしないというのは、私達を悲しませたくない、

   という事ですよね。さらには、貴女は姉妹や他の艦娘の方々に優しく接している、優しいお方です。…まあ、私の事は怖がっているようですが」

羽黒「……………」ウルッ

提督「貴女の小心者っぷりは少々度が過ぎていますが、貴女は常に他者を気遣う事ができる…そういう立派な方です」

羽黒「…………提、督…」ジワッ

提督「そんな心優しい方を、不要と思うはずがないでしょう」

羽黒「提督…提督うううう……」ダキッ

提督「……やれやれ」


 ―廊下の角―

妙高「あら…あらあらあら……」

陸奥「妙高?何私の物まねしてるの?」

58: 2015/09/22(火) 21:49:02.53 ID:Yt+9nXSG0
 ―17時、執務室―

提督「……ですが、羽黒さんの小心者、という問題は根本的には解決していませんよね」

妙高「そう言えば…そうでしたね…」

羽黒「ご、ごめんなさい…。私の問題なのに、皆さんにまで迷惑をかけてしまって……」

提督「いえ、それは別に悪い事ではありません。むしろ良かった点は、羽黒さんが対人恐怖症というわけではないという点です」

妙高「対人恐怖症?」

提督「要は、人と接するのを恐れる症状です。この国の提督の中には、対人恐怖症の提督もいらっしゃいます」

羽黒「…何でその人、提督やってられるんだろ…」

提督「貴女も一度会ってみるといいでしょう。まあ、それはともかくとして、羽黒さんは他の皆さんとは良好な関係を築けておりますので、

   対人恐怖症と言う問題はないのですが…小心者を直す良い解決方法があればよいのですが…」

妙高「……今さらなんですけど、那智と足柄にも相談した方がいいわね…」

提督「そう言えば、それが一番良いかもしれませんね」

羽黒「ごめんなさい…私なんかのために…」


 ―数分後、重巡洋艦・休憩室―

那智「酒だな」

足柄「酒で気を大きくすればいいじゃない」

提督「聞いた私がバカでした」

妙高「いえ、これはある意味良いアイディアかもしれませんよ。お酒を飲めば、羽黒の臆病さも軽減されるのではないかと…」

提督「……本来、酒を飲んで出撃する事は禁止なんですが、まあ1度だけなら許可しましょう。その代り、妙高さんも同行してください。それでしたら、

   許可しましょう」

妙高「お安い御用です」

羽黒「へ?お酒?」

59: 2015/09/22(火) 22:00:41.36 ID:Yt+9nXSG0
 ―翌日10時、重巡洋艦・休憩室―

羽黒「う…うぅぅぅぅ……///」

妙高「いい感じに酔いが回ってるわね」

提督「あんまり泥酔させますと、逆に前に進むことも困難になりますので、これくらいにしておきましょうか」

足柄「それじゃあ頑張ってねー!///」

那智「私らはここで飲んでるから、何かあったら呼んでくれ///」

提督「何あんたらどさくさに紛れて飲酒してるんだ」


 ―数十分後、アルフォンシーノ方面・Gマス(深海棲艦泊地艦隊)―

ズドオオオオオン!!バゴォオオオオオオン!!!

空母ヲ級flagship「モ、モウ…堪忍シテツカァサイ…」大破

羽黒「ハッハッハァ!!良いね良いねぇ、その表情…たまんねぇぜ…!」ズドス

空母ヲ級flagship「グ……」撃沈

戦艦ル級flagship「ヒッ……」中破

羽黒「次はテメェの番だ…私のファンサービスを、受け取れェ!!」ドゴォォォォォォォォ

戦艦ル級flagship「グオオオオオオ……」撃沈

羽黒「ちっ……どいつもこいつも歯ごたえのない…もっと骨のあるやつを呼んで来やがれェ!!」

駆逐二級elite「…………!!」ビクビク

羽黒「後はテメェだけのようだなぁ…」ジリジリ

駆逐二級elite「………………」ウルウル

羽黒「『私ひとりじゃ力及びませんから投降します、許してください』ってかぁ?」

駆逐二級elite「………………」コクコク

羽黒「許すわけねぇだろ、ダボがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ズッドーン

駆逐二級elite「アイエエエエ……」撃沈

羽黒「はっはぁ!!暁の水平線に勝利を刻んでやったぜぇえぇぇ!!」

妙高「」


 ―数時間後、執務室―

提督「……………」

妙高「…と言った感じで、ボス艦隊を1人で全滅させました。無傷で」

羽黒「うぅ……頭が痛い……私、そんなにすごいことしたんですか…?酔って何にも覚えていないです…」

提督「……なんか、真剣に悩んだ私たちがバカみたいですね」

 このあと、艦娘が飲酒して出撃する事は完全に禁止された。


【終わり】

60: 2015/09/22(火) 22:07:57.17 ID:Yt+9nXSG0
【キャラクター紹介】

≪羽黒≫

妙高型重巡洋艦四番艦。艦娘No.58(改二はNo.194)。いつもおどおどしていて、泣き虫でもある。深海棲艦に同情してうまく攻撃する事ができない、

戦果が芳しくないと、怒られることを恐れて報告を躊躇するなど小心者なところがあるが、本当は心優しい性格。姉達とは良好な関係が築けている。

酒に酔うとヤ○ザのような口調になって性格も獰猛になる。お酒には弱い。気遣いなら誰よりもできる。

好きな言葉は『一視同仁』。

66: 2015/09/23(水) 21:24:07.42 ID:j3DGW8ZU0
 ―13時過ぎ、廊下―

龍驤「ふっふーん♪演習で完全勝利や!これなら提督はんも喜んでくれるやろな~」タッタッタ

龍驤「明日は鳳翔はんと一緒にお出かけやし、ウチ、最近絶好調やなぁ~♪」タッタッタ

龍驤「おっと、あかんあかん。報告する時はシャキッとせんとな」コホン

龍驤「じゃあ―」スッ


バン!!!


龍驤「!?」ビクッ

龍驤「ど、どないしたん!?」

鳳翔「あ、龍驤ちゃん!ちょうどいいところに!ちょっと提督を止めるのを手伝っていただけますか!?」

提督「おzpdかどmzぴおじゃpzhぱあphzbphwfhzうぁfmxぱfみあz」ブツブツブツブツブツ

龍驤「なんやこの状況!?」

提督「うぇjfんぇふhpcぶあxhかzんくあzちゃえpcずpvhぺwbhcヴぉね」ブツブツブツブツブツ

龍驤「文字化けしとるやないけ!」

鳳翔「ですから、早く止めないとならないんです!」

龍驤「そ、そや!キミ、間宮さんのトコにでも行こ!な?」

鳳翔「そ、そうです!間宮さんのスイーツでも食べて気分転換しましょう!ね?」

提督「かそぴんdhphfんっはfぱfzんfぽうぇざfphざvhzwふぉfp―!!」ブツブツブツブツブツ

67: 2015/09/23(水) 21:31:54.84 ID:j3DGW8ZU0
【一航戦とお出かけ】

 ―数十分後、食堂―

提督「…………」ズズズ

鳳翔&龍驤「…………」ドキドキドキドキ

提督「……ふぅ。すみません、落ち着きました」

龍驤「な、なんであんな状況に…?」

提督「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。2日連続の徹夜の上、視察した鎮守府の提督の態度が臓物に来るような事ばかりでしたので、

   鎮守府に戻ってきたら暴走してしまいました」

龍驤「臓物に来るような事って…何?」

鳳翔「ええとですね…人を見下す、理不尽な事しか言わない、自分の言ってることが正しいと信じて疑わない…等」

龍驤「そら腹立つわな…」

提督「いえ、昔あのような人物を知っていましたので、なおさら腹が立ったのです」

龍驤「司令長官の補佐官ってのも大変なんやな」

提督「あの提督は、私よりも年上で、立場よりも年齢の方が大事だろって野郎でしたので…」

鳳翔「それよりも提督?2日連続も徹夜なんて、そんなに頑張っていては、いずれ体を壊してしまいますよ」

提督「申し訳ございません、司令長官にも仕事をやらせたのですが、補佐官としての仕事がまだまだ山積みでして…」

龍驤「そんなら、うちらを頼ってくれてもよかったのに…」

提督「いえ、貴女たち艦娘は深海棲艦と戦うのが主で、秘書艦としての仕事は二の次です。それに、鳳翔さんも龍驤さんも昨日から出撃と演習を、

   していたでしょう。そんな2人たちに無理を強いる事はできません」

鳳翔「それでも」ズイッ

龍驤「それでもや」ズイズイ

提督「?」

68: 2015/09/23(水) 21:39:26.27 ID:j3DGW8ZU0
鳳翔「貴方は、もっと私達を頼った方がいいんです」

龍驤「なんでも1人で抱え込んだらあかんて。ウチらに相談してもええんやで?」

提督「……………」

鳳翔&龍驤「…………」ジー

提督「…分かりました。頼る機会がありましたら、頼らせていただきます」

鳳翔「はい、それでいいんです」

龍驤「せやせや」

鳳翔「それより、2日連続で徹夜って、御体も疲れているでしょう?」

提督「確かに…体が少しだるいですね」ゴキゴキ

鳳翔「でしたら、今からでもお休みになられては?」

提督「いえ、それはだめです。いくら疲れているからと言って、貴女たちの負担がかかるような事をしては…」

鳳翔「提督?今日の秘書艦は私なんですよ?」ジロッ

提督「……すみません、鳳翔さん。できるだけでいいので、私の仕事を少し片づけていただけますか?」

鳳翔「分かりました」ニコッ

龍驤「せや、キミ!」

提督「はい?」

龍驤「明日、鳳翔はんと一緒にお出かけなんやけど、キミも一緒にどうや?」

提督「……お出かけ、ですか。しかし明日は提督としての仕事を…」

司令長官「いいんじゃないの?行っても」

提督「へっぽこ司令長官…」

司令長官「変な枕詞は置いといて…。黎明君、最近儂が仕事を押し付けているのを引いても働き過ぎに見えるんだよ。たまには、息抜きでもしたら?」

提督「しかし、補佐官及び提督としての仕事が…」

司令長官「それは儂がやっておくから、ね?」

提督「……では、お言葉に甘えさせていただいて、鳳翔さん、龍驤さん」

鳳翔「はい?」

提督「…明日のお出かけに、ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」

龍驤「もっちろん、ОKや!」

69: 2015/09/23(水) 21:46:39.74 ID:j3DGW8ZU0
 ―翌日10時過ぎ、列車内―

ガタンゴトン、ガタンゴトン

提督「すみません、私までご一緒させていただくなんて。お2人のプライベートに…」

鳳翔「大丈夫ですって」

龍驤「そんなに気に病む必要はないんやで?今日はうちらと一緒に休みを楽しむで?」

提督「…そうですね。ところで、行先は?」

アナウンス『次は、鎌倉。鎌倉です』

龍驤「うちらにとっても重要な場所や」

鳳翔「正確には、私達艦娘にとっても、ですね」

提督「?」


 ―数十分後、三笠公園―

提督「‶戦艦・三笠‶…ですか」

龍驤「ここ横須賀は、‶龍驤‶が生まれた場所やし、縁深き所や」

鳳翔「ですから、一度は来てみたいと思っていたんです」

提督「なるほど…」

龍驤「さ、はよ三笠に乗ってみよ!」グイッ

提督「そんなに袖を引っ張らないでください…」

鳳翔「龍驤ちゃんはやんちゃですから…」

70: 2015/09/23(水) 21:55:44.57 ID:j3DGW8ZU0
 ―1時間後―

龍驤「いや~、楽しかったなぁ!」

提督「そうですねぇ…。三笠の内装が、あんなふうになっているとは知らなかったです…」

提督(海軍のプラモの展示会、艦隊コレクションって…何か違和感を感じる…)

鳳翔「提督はここに来たことはなかったんですか?意外ですね…」

提督「ええ、何分多忙ですから…」

龍驤「ほんなら、今日ここに来れてよかったなぁ!」

鳳翔「私達も、提督と一緒に来れて、嬉しかったです」



提督「……ええ、私も嬉しかったです」ニコ



鳳翔&龍驤「!」

鳳翔(今……一瞬だけ…)

龍驤(提督はん……笑った?)

提督「?どうかしましたか?」

鳳翔「い、いえ。別に…」

龍驤「なんもあらへんで!」

鳳翔&龍驤(もしかして、私/ウチ、すごい貴重な場面に出会えたかも…?)

ぐうううううう……

提督&鳳翔「おや?」

龍驤「あ、あははは……ごめん、ウチの腹の虫や」

鳳翔「あら…そう言えばもうそんな時間でしたね」クスクス

提督「横須賀と言ったら、海軍カレーか横須賀バーガーですかね」

龍驤「アカン…ウチ、もう限界や…。はよ食べにいこ…」

71: 2015/09/23(水) 22:05:32.42 ID:j3DGW8ZU0
 ―数十分後、料理店―

提督「流石に‶coco壱‶は無いかと思いましたので、ささっと検索してよさそうな店を見つけました」

龍驤「当たり前やろ…」

鳳翔「ここまで来て流石にチェーン店っていうのは…少し…」

提督「まあ、入りましょう」

カランコロン

店員「いらっしゃいませ~、3名様でしょうかぁ?」

提督「はい」

店員「では、こちらの席へどうぞ~」

ストン

提督「ありがとうございます」

店員「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びくださ~い」

提督「さて、何にしましょうかね」

鳳翔「あ、横須賀バーガーもありますよ?」

龍驤「うわっ…カ口リー高っ……こら太ってまうわ…」

鳳翔「私は、このネイビーカレーにしましょうか」

提督「では、私もそれで」

龍驤「う~ん…ほな、ウチもそれで」


 ―十数分後―

店員「お待たせいたしましたぁ。ネイビーカレー、3人前です」コトッ

提督「では、いただきましょうか」

鳳翔「はい、いただきます」

龍驤「いっただきまーす!」

パクッ

3人「……………」

提督「………普通に考えたら、私達いつも海軍カレー食べてますよね」

鳳翔「………ええ」

龍驤「……せやったな。ああ…横須賀バーガーにすればよかった…」

72: 2015/09/23(水) 22:10:39.66 ID:j3DGW8ZU0
 ―数時間後、列車内―

ガタンゴトン、ガタンゴトン

提督「………ZZZZZZZ」カクンカクン

鳳翔「やっぱり、お疲れになられてたんですね」

龍驤「せやなぁ…ここ最近、夜に執務室の明かりがつきっぱなしって事も何度かあったし…」

鳳翔「これからは、提督に負担がかからないように、私達も頑張らないとですね」

龍驤「せやなぁ……にしても」

鳳翔「あの、提督の一瞬だけ見せた笑顔…」

龍驤「……惚れてまうやろ…///」

提督「………ZZZZZZZ」

鳳翔「…それにしても、可愛らしい寝顔ですね」ナデナデ

龍驤「あ、ずるい!ウチもウチも!」ナデナデ

提督「………ZZZZZZZ」

鳳翔「ふふっ。起きないですね」ナデナデ

龍驤(グリーン車で良かった…。普通車でこんなことやったら、恥ずかしくて氏んでまうわ!)ナデナデ


【終わり】

73: 2015/09/23(水) 22:15:19.23 ID:j3DGW8ZU0
【キャラクター紹介】

≪龍驤≫

龍驤型軽空母一番艦。艦娘No.30(改二はNo.157)。なんちゃって大阪弁と独特なシルエットが特徴の元気少女。鳳翔とは元一航戦コンビだったため、

今でもよく一緒に行動している。寮の部屋も同室。艦載機の扱いは非常に上手く、その腕は赤城や加賀に劣らない。横須賀の海軍工廠生まれなのに、

大阪弁を使う理由は謎。胸は控えめだが、将来性はある。得意料理はたこ焼きとお好み焼き。

好きな言葉は『竹馬の友』。

80: 2015/09/25(金) 21:20:05.98 ID:D5logaqc0
 ―14時過ぎ、カレー洋制圧戦・Dマス(東方主力艦隊)―

ズドドドドオオオオオン

空母ヲ級elite「ガフッ…!?」撃沈

夕立(改二)「よし、後はあいつだけっぽい!」

摩耶「やっちまえ、夕立!」

戦艦ル級flagship「バカナ……タカガ駆逐艦如キニ私ノ艦隊ガ殲滅サセラレルダト…!?」

夕立「さあ、貴女に悪夢を見せてあげるわ!」ズッドーン

ドゴォォォォォォォォ

戦艦ル級flagship「バカナ…バカナァァァァァァァァ…!!」撃沈

夕立「よし、これで全滅っぽい!」

摩耶「すげぇじゃねぇか!夕立!今日のMVPはお前だぜ!」

白露「あーあ、白露が1位じゃなかったか~!」

千歳「それじゃあ、鎮守府へ帰りましょうか」

夕立「はーい!」

金剛「夕立は頑張ったネー!Meがご褒美にアイスをプレゼントするヨー!」

夕立「わーい!」

81: 2015/09/25(金) 21:31:00.07 ID:D5logaqc0
【ソロモンの悪夢】

 ―16時過ぎ、執務室―

金剛「報告は以上ネー!」

提督「はい、分かりました。お疲れ様です」

金剛「Meは労いのWordよりモ、Actionが欲しいネー」

提督「MVPを取ったのは夕立さんでしょう」

金剛「釣れないデース…」

パタン

提督「夕立さんも、改二になってからはメキメキ敵を倒してますね…」

高雄「そうですね。夕立ちゃんって、火力が私達重巡並みかそれ以上ですよね」

提督「まさに、‶ソロモンの悪夢‶を敵に見せている感じですね」

高雄「改造をしただけで、そこまで変われるものなんですね…」

提督「あ、もしかして改二実装されていない事に、不満が?」

高雄「分かっているんです…妹2人が先に改二実装されて…私には実装されない…。おまけに改二の決定基準は妖精さんの気分って…。私には、

   どうする事も出来ないって分かってます」

提督「…話を戻しまして、夕立さんのあの戦果は、改二による賜物だけではない、という事です」

高雄「?」


 ―数十分後、食堂―

夕立「ん~!間宮さんのアイスはいつも美味しい!」

間宮「ふふっ、ありがとうございます♪」

白露「それにしても、夕立ちゃんはすごいよね~」

村雨「改二になってからは戦艦も倒せるようになったんでしょ?」

夕立「いや~、それほどでもないっぽい~」

82: 2015/09/25(金) 21:39:04.11 ID:D5logaqc0
提督「夕立さん」スタスタ

夕立「あ、提督さん…。こんにちは!」ビシッ

提督「はい、こんにちは。後、室内で敬礼はいいと言ったはずですが」

夕立「あ、すみません」

白露「それより提督さん、どうかしたの?白露たちに何か御用?」

村雨「もしかして夕立ちゃん、ドーピングでもしちゃったとか?」

夕立「そ、そんな事してないっぽい!」

提督「ええ、夕立さんドーピングなどしてません」

夕立「でしょ?」

提督「ご安心ください、ここに来たのは気分転換です」

白露「あ、そう言えば提督さん、ちょうどいい機会だし、少し聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

提督「はい?」

白露「夕立ちゃんって、白露型の中では一番最初にこの鎮守府に着任したんだよね?」

提督「そう、ですね。はい、確かに白露型の中では夕立さんが一番最初に私の鎮守府に来ました」

村雨「じゃあ、夕立ちゃんの練度が私達白露型の中でも一番高いのは、やっぱり古株だから?」

夕立「古株って……」

提督「ああ、それもありますけど、大半は夕立さん自らの努力ですね」

白露&村雨「へ?」

提督「夕立さんは着任当初から、元気な方でしたね…」

83: 2015/09/25(金) 21:50:00.45 ID:D5logaqc0
 ―3年前・11時過ぎ、執務室―

>>3年前、この提督は、まだ司令長官補佐官ではありませんでした。その辺の話はまたの機会に。

古鷹「南西諸島防衛線にて新しい艦娘の方を発見いたしました」

提督「では、こちらに連れてきてください」

古鷹「はい、分かりました」

―――――――――――――――――

夕立「こんにちは!白露型駆逐艦・夕立よ。よろしくね!」

提督「はい、よろしくお願いいたします」

夕立「私が来たからにはもう大丈夫っぽい!深海棲艦なんて、イチコロっぽい!」

提督(ぽいぽい…不確定要素の多い言葉ですね…矯正のし甲斐がありそうだ…)


白露「提督さん、そんな時からそんな事考えてたんだ…」

提督「何分、曖昧な表現があまり好きではないので…」

村雨「その話は置いといて、ただ夕立ちゃんは元気だったって事だけ?」

提督「いえ、他にもいろいろありますが…」



 ―夕立着任から数週間後・10時過ぎ、食堂―

提督「えー、本日ヒトサンサンマル(13時30分)から、銚子第壱拾壱鎮守府と演習を行います」

ザワ・・・ザワ・・・

提督「どなたか、演習に参加したい方はいらっしゃいますか?」

夕立「はい!じゃあ、夕立が参加したいっぽい!」

提督「夕立さんですか…。ですが、まだ艤装と扱い方については…」

夕立「もうほとんど理解したっぽい!だから、演習で試してみたいっぽい!」

提督「……分かりました。では、夕立さんは確定として、他は―」

84: 2015/09/25(金) 22:03:39.73 ID:D5logaqc0
提督「…それでその演習では、実戦経験が浅い艦娘の割には高い戦果を挙げていましたね。MVP、とまではいきませんでしたが」

白露「すごいね…そんな艦娘になったばかりだっていうのに演習に参加したがるなんて…」

村雨「私だったら、もう少し時間をおいてから参加していたかも」

提督「ですから、夕立さんは積極的に演習や出撃に参加していました。それで、コツコツコツコツとそれを長年繰り返していき、最終的に、

   わが鎮守府で最初に改二になる事ができた艦娘になれたのです」

夕立「これこそ、夕立の長年の努力の結果っぽい!」

提督「そうですね…。夕立さんは毎日毎日訓練や演習に参加してましたし、雨の降る日なんかは勉強もしていましたしね…」

白露「すごいね~。あたしには無理かも…」

村雨「確かにね…毎日毎日鍛錬なんて、ベテランにしかできないと思う…」

タタタタ

大淀「提督!」

提督「おや、大淀さん。どうかしましたか?」

大淀「北方AL海域に、深海棲艦の勢力が結集しつつあるとの報告が、偵察部隊から…!」

提督「!」

大淀「司令長官に報告したところ、『下手に時間を延ばして放っておくと強大な戦力になりかねないから、早めに撃破しておくべき』とおっしゃって…。

   つまり…」

提督「すぐにそこへ向かい、撃滅するという感じですか」

大淀「…はい」

提督「分かりました。では、さっそく艦隊を編成いたしましょう。編成は…」

夕立「提督さん、夕立が出るっぽい!」

提督「いえ、貴女は先ほど帰投したばかりで…」

夕立「ううん、夕立はまだ戦えるから!みんなの役に立ちたいから…!」

全員「………………」

提督「…大淀さん、どう思います?」

大淀「そうですね…。あの海域を攻略する際には、駆逐艦は1隻必要ですから…」

提督「では、夕立さん。艤装を装備して、直ちに波止場へ向かってください」

夕立「はい!」

85: 2015/09/25(金) 22:13:15.88 ID:D5logaqc0
提督「では、大淀さん。通信室へ向かいましょう」

大淀「はい、分かりました」

提督「では、白露さん、村雨さん。私はこれで」スタスタスタ


白露「…夕立ちゃんって、すごいよね」

村雨「…そうだね…。こんな緊急時にも率先して参加しようとしたりして…」

白露「……訓練場で、訓練でもしようか」

村雨「そうだね。提督の話を聞いたら、夕立ちゃんに早く追いつきたくなっちゃった」

白露「あたしも」


 ―数分後、通信室―

大淀「夕立さん、率先して参加するなんて、ご立派ですね。火力も重巡並みもしくはそれ以上…申し分なしですね」

提督「そうですね…。ただ、彼女の火力が強力過ぎるのは、少々問題もあるんですが」

大淀「へ?」

提督「その話はあとで…編成は、旗艦は飛龍さん、他は夕立さん、青葉さん、衣笠さん、榛名さん、蒼龍さんで行きましょう」

大淀「は、はい。分かりました!」

提督「これらの方に、艤装を装備して波止場へ向かうように連絡をお願いいたします」

大淀「了解しました!」


 ―数十分後、波止場―

提督「偵察部隊から、北方AL海域に深海棲艦の勢力が再結集しつつあるという情報が入りました」

飛龍「その勢力って…強力ですか?」

提督「そうですね…。今現在観測されている勢力は、攻略不可能と言うほどではございませんが、このまま放っておくと、いずれは極めて強力な艦隊に、

   なってしまうかもしれません。そうなる前に、この勢力は潰しておくべきですね」

飛龍「はい…分かりました」

提督「では皆さん、よろしくお願いいたします。全員のご健闘をお祈りいたします」ビシッ

艦隊「はい!!」ビシッ

86: 2015/09/25(金) 22:27:21.63 ID:D5logaqc0
 ―17時半過ぎ、Fマス(北方AL泊地)―

北方棲姫「カエレ!!」ドォン

榛名「きゃぁっ!?」中破

青葉「榛名さん!大丈夫ですか!?」

榛名「は、榛名は…大丈夫です。だから…」

北方棲姫「?」

榛名「はあああああっ!!」ズドドン!!

北方棲姫「ク…」混乱

衣笠「いまいち、ダメージが与えられてない感じだね…」

夕立「なら、夕立にお任せッ!」ザザザザザザザ

北方棲姫「!」ガシャン

北方棲姫(…動きが速すぎて、照準を定められない…!)

夕立「ここだああああああああああ!!!」ドドドドドドドン

北方棲姫「ゴアアアアアア…!?」破壊

北方棲姫「バカナ…コノ北方棲姫ガ…コノ私ガ、駆逐艦如キニ負ケルトイウノカ…!?」ゴボゴビ

青葉「いや、貴女も見た目は幼女で夕立さんと大して変わらないじゃないですか」

夕立「やったっぽい!」

衣笠「すごいじゃない!北方棲姫を一撃で沈めるなんて!流石、ソロモンの悪夢案内人!」

夕立「変なあだ名をつけないでほしいっぽい…」

蒼龍「あれ、榛名さん?どうしたの?」

榛名「…なんでも、ないです……」


 ―18時過ぎ、執務室―

提督「夕立さんの火力が強く、実戦経験も豊富なため、戦艦よりも高い戦果を挙げる事が良くあるんです。それで、戦艦の方が拗ねてしまう事が、

   よくあるんです…。プライドの問題でもありますが…」

大淀「強くなるには、他の皆さんの事も考えないといけないって事ですか」

白露「強くなるのって、面倒くさい…」


【終わり】

87: 2015/09/25(金) 22:31:53.18 ID:D5logaqc0
【キャラクター紹介】

≪夕立≫

白露型駆逐艦四番艦。艦娘No.82(改二はNo.144)。ぽいぽい口調が特徴の少し不思議な女の子。実はすごい努力家で、毎日訓練と勉強を欠かさない。

努力と積極性のたまもので、この鎮守府で初めて改二が実装された。改二になった後の火力は重巡洋艦をも上回り、戦艦に追いつく勢い。そのせいか、

戦艦の方々のプライドが若干傷ついてしまう事に…。敵艦隊に悪夢を見せる事から、つけられたあだ名が‶ソロモンの悪夢案内人‶。

好きな言葉は『夢は逆夢』。

88: 2015/09/25(金) 22:37:16.62 ID:D5logaqc0
今日はここまでにします。

>>27
  夕立改二の話、いかがでしたか?


明日は、リクエストにありました霧島&鳥海の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



何?大井は北上大好きなクレイジーサイコレOなのだから、ケッコンオコトワリ組ではないのか!?

89: 2015/09/25(金) 23:04:51.03 ID:IUVYpHps0
乙―
明石リクで

90: 2015/09/25(金) 23:16:17.12 ID:P1vukgZp0
乙乙
大井さんはデレるときはデレてくれるよ まぁアニメの大井さんは酷かった


次回:【艦これ】総司令部の日常【その2】


引用: 【艦これ】総司令部の日常