360: 2015/10/22(木) 20:39:50.62 ID:bLyQh2Tk0
こんばんは、>>1です。



 

それでは、投下します。

361: 2015/10/22(木) 20:42:53.51 ID:bLyQh2Tk0
 ―1週間前、執務室―

提督「今日は、熊野さんと比叡さん、それと鳳翔さんが外出ですか」ペラペラ

提督「ん…?」


『申請者:熊野

 外出先:‶スーパー銭湯・どっぷり湯‶

 外出時間:10:00~17:00』


提督「…熊野さんがスーパー銭湯……」

提督「…想像できない」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
362: 2015/10/22(木) 20:53:08.91 ID:bLyQh2Tk0
【艦娘と温泉と】

 ―20時半過ぎ、執務室―

熊野「提督?少々よろしいでしょうか?」

提督「なんでしょうか?」

熊野「外出届を提出しに参りました」

提督「はい、分かりました。明日、熊野さんはお休みでしたよね?」

熊野「ええ」

提督「…はい、確かに。では、ごゆっくりとお過ごし下さい……ところで、熊野さん」

熊野「はい?」

提督「熊野さん、また行き先がスーパー銭湯になっておりますけど…」

熊野「そうですわね。と言うか、ここ最近休日はいつもスーパー銭湯に行っていますけど、今さらですか?」

提督「ええ、1週間前の外出届にも、行き先が同じでしたから」

熊野「実は、ネットでいい場所を見つけまして」

提督「私も、名前は知っていましたが……。熊野さんがスーパー銭湯に行くとは、どうもイメージとは合いませんでしたから」

熊野「私のイメージって……」

提督「熊野さんは、口調も振る舞いもレディでお嬢様に見えましたから、温泉に行くなら高級な場所……と思っていました」

熊野「それは偏見ですわ。私の振る舞いは、別にお嬢様を気取っているわけではございませんし……」

提督「それにしても、休日に温泉とはまたどうして?私もよく行ったりしますけど」

363: 2015/10/22(木) 21:07:29.38 ID:bLyQh2Tk0
熊野「温泉はいいですわよ?日々の疲れをいやす事ができますし、美容と健康にもつながるんですわ」

提督「それに関しては同意できますね。それに加えて、ストレスを忘れられる、と言う効果もありますから」

熊野「温泉はいいですわよね~」

提督「日本人は温泉が好きですからね…そう言えば、ビスマルクさんが前に言ってましたけど……」


ビスマルク『熱い!なんなのあの浴場!もっと温くしなさいよ!危うくのぼせるところだったじゃない!!』


提督「着任当日にこう怒鳴り込んできましたから」

熊野「入渠ドックも浴場も、結構温い感じがしますけど…38℃でしたっけ?」

提督「リットリオさんも、のぼせてしまいましたからね」

熊野「温泉も風呂も、あのぐらいの温度が心地よい気分になれるのですがね……」

提督「…おそらく、全身が暖かいお湯に包まれて、心も温まるからでしょうかね」

熊野「なんですの、その温泉の宣伝文句みたいな言葉……」

提督「それにしても、温泉ですか……私、最近行ってないですね……」

熊野「あら、よろしければ明日、提督もご一緒しますか?」

提督「いえ、私にはまだ仕事が残っておりますし…」

熊野「聞きましたわよ?最近提督、また徹夜が増えてるとか休日返上で働いてるとか…休むことも仕事の1つですよ?」

提督「いえ、提督業を代わってもらおうにも、長門さんや加賀さんにはこの前代わってもらったばっかりですし…」

ガチャ

司令長官「やあ、黎明君に熊野君」

提督&熊野「こんばんは」

司令長官「いやぁ、昨日の休みに温泉行ったらそこがすごくよくってねぇ~。いやぁ、君たちも連れていきたかったなぁ~」

提督「司令長官、明日私は休みますのでその間は私の分の仕事もして下さい。異論反論異議意見は認めません」

司令長官「え、何!?どういう事!?」

提督「では熊野さん、明日ご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」

熊野「ええ、構いませんわ」

司令長官「え、何?君たち2人で旅行?それって新婚―」

提督「い・い・か・げ・ん・に・し・ろ!!!」バキィ

司令長官「ぐふぅ!?」

364: 2015/10/22(木) 21:17:12.83 ID:bLyQh2Tk0
 ―翌日10時過ぎ、道中―

提督「…思えば、熊野さんと2人だけで出かけるとは、珍しいものですね」

熊野「そうですわねぇ…」

提督「熊野さんは、鈴谷さんとよく一緒にいますから…彼女は誘わなくてよかったんですか?」

熊野「鈴谷さんには悪いですけど……温泉は、1人で楽しみたいものですから」

提督「私を誘ったのはまたどうして?」

熊野「提督は男性でしょう?」

提督「見りゃわかるでしょう」

熊野「女性同士だと何かと気配りをしなければなりませんが、男性相手だと気兼ねなく楽しめますから」

提督「……逆に男性は女性に対して多大なる気配りをしなければいけないのですが」

熊野「ふふ、大いに気遣ってくださいね?」


 ―11時過ぎ、≪スーパー銭湯・どっぷり湯≫―

熊野「さあ、着きましたわよ!」

提督「……外出時間が10時から17時までになってましたけど、時間を取り過ぎではありませんか?今は11時過ぎですし…」

熊野「ここで昼食も取ったうえで、さらにその後また入り、帰れば大体いい時間になるんですわ」

提督「なるほど……」

熊野「さて、料金を……」

提督「ああ、ここは私が払います。一応上司ですし、誘ってもらったお礼もさせていただければ…」

熊野「あら、そうですの?では、お願いしますわ」

提督「……それにしても、頻繁にスーパー銭湯を訪れるという事は、熊野さんは金銭面では問題ないのでしょうか?」

熊野「ええ。毎月給料をこつこつ貯めていますから」

提督「……金遣いの荒い伊勢さんや、深雪さんとかにも見習ってもらいたいですね」

365: 2015/10/22(木) 21:28:11.53 ID:bLyQh2Tk0
熊野「では、1時間後に大広間で集合という事で」

提督「分かりました。では」


 ―熊野サイド―

熊野「ふぅ……」ヌギヌギ

熊野「さてさて……今日はどのお風呂から入りましょうか……」ガララッ

熊野「まずはかけ湯で体を流してと…」ザバァ

熊野(最近、かけ湯をしないでそのまま浴槽に入るマナーの悪い方がいらっしゃるから、不満ですわ。もう)プンプン


 ―提督サイド―

提督「ふぅ……」ヌギヌギ

提督(そう言えば……風呂のロッカーが100円でも使用後に戻ってくるのって、ロッカーをいくつも使わせないようにするための措置なんでしたっけ)

提督「さて……」ガララッ

提督「まずはかけ湯……温泉に来るのも、久しぶりですね」ザバァ


 ―熊野サイド―

熊野「ふぅ~……全身が温まりますわ~…」

熊野「お肌も綺麗になるし、疲れも取れるし、いいことずくめですわ~」

熊野「はぁ~……」ノビー


 ―提督サイド―

提督「……………ふぅ。温まる」

提督(司令長官に無理やり仕事を任せてきてしまったが、大丈夫だろうか…)

提督(それに、私がいなければ繊維が下がってしまう方もいらっしゃいますし……金剛さんとか)

提督(いかんいかん…せっかくの休日に仕事の事を思い出すとは……休日くらい、仕事を忘れてもいいですよね)

提督「……………はぁ」バシャッ

366: 2015/10/22(木) 21:35:31.84 ID:bLyQh2Tk0
 ―熊野サイド―

ゴシゴシゴシ

熊野「んん……やはり髪を洗うのは面倒ですわね……」ワシャワシャ

熊野「こういう時は、最上さんや提督の短髪がうらやましくなりますわね……」ワシャワシャ

熊野「ボディーソープも、と」

熊野「………………気持ちいですわね」ゴシゴシゴシゴシ


 ―提督サイド―

提督「…………………………」ワシャワシャワシャワシャ

提督「…………………………」ザバァ

提督「…………………………」ゴシゴシゴシゴシゴシ

提督「…………………………」ザバァ

提督「ふぅ、さっぱりした」


 ―12時過ぎ、大広間―

熊野「ああ~あったりましたわ~……」グデーン

提督(普段の熊野さんからはまったく感じ取れないようなだらけよう……)

熊野「さてと、昼食はそこの食事処で摂れますので、そこで食べましょう」

提督「そうですね。奢ります」

熊野「あら。じゃあ、色々食べましょうか」


 ―数十分後―

熊野「……やはり、風呂上りには蕎麦ですわ」

提督「私はうどん派ですが」

熊野「では、20分ほどしたら、また入りましょうか」

提督「そうですね」

367: 2015/10/22(木) 21:45:09.08 ID:bLyQh2Tk0
 ―約20後、女湯―

熊野「さて、今度は炭酸泉から……あら?」

??「………………エト…エエト…」キョロキョロ

??「オネーチャン、大丈夫?」

??「ウーン……コレヲドウスレバ、イイノカシラ?」

熊野「どうかなさいましたか?」

??「ア、エエト……コノ、‶カケ湯‶トイウノハ一体…?」

熊野「ああ、これはですね、風呂に入る前に体にざっと流す事で、お風呂のお湯に体が慣れやすいようにするためですわ」

??「ソウダッタンデスカ……アリガトウゴザイマス」

??「オ姉チャン、アリガトー!」

熊野「もしかして、貴女たちはこのよう場所は初めてでしょうか?」

??「エ、エエ…オ恥ズカシナガラ…」

??「温泉、初メテ!色々大キイ!スゴイ!」

熊野「ふふ。でしたら、ご一緒に入りましょうか」

??「エ、ヨロシインデスカ?」

熊野「構いませんわ。温泉は皆さんで入るととても気持ちの良いものですから」

??「ワーイ!オ姉チャン一緒ニ入ロウ!」

??「スミマセン…デハ、ゴ一緒サセテイタダキマス」

熊野「ええ、よろしく。温泉は、このように他の方々と触れ合う事ができるから、いいものですわ」

熊野(それにしても……この方たちどこかで見たような……)


港湾棲姫(……ふぅ、温まる…)

北方棲姫(気持ちいい!)



 ―同時刻、男湯―

提督「…………………………嫌な予感がする」

368: 2015/10/22(木) 21:52:46.82 ID:bLyQh2Tk0
 ―数分後、女湯(炭酸泉)―

熊野「へぇ、お二方は海の方で働いているのですか」

港湾棲姫「エエ、最近ハ海モ荒レテキテシマイマシテ……(季節的な意味で)」

熊野「ああ……確かに最近の海は不穏ですわね…(深海棲艦的な意味で)」

北方棲姫「デモ、ホッポ海好キ!」

熊野「そうですの…ふふっ。私も海で働いている身ですから、その言葉はとてもうれしいですわ」

港湾棲姫「ア、アナタモデスカ?ドノヨウナ仕事ヲ?」

熊野「そうですわね……私実は、艦娘でして」

港湾棲姫&北方棲姫「ファッ!?」

熊野「ヘ?」

港湾棲姫「ア、イヤ……」

北方棲姫「オネーチャンドウシヨウ!!ココデバレタラ沈メラレチャウ!!」

熊野「……もしかして、港湾棲姫に北方棲姫?」

港湾棲姫(ばれたー!!)

北方棲姫(終わったビング……)

熊野「なんだ、そうでしたの」

港湾棲姫&北方棲姫「エ?」

熊野「深海棲艦の方々も、温泉に入られるのですね。意外でした」

港湾棲姫「エト、アノ……倒サナイノ?」

熊野「当たり前でしょう。ここは公共の場ですし、第一私達はすっぽんぽんで艤装も装備していない状態ですし。貴女もその状態でどう戦うと?」

港湾棲姫「…言ワレテミレバ…」

北方棲姫「確カニ、ホッポ、タコヤキ艦載機モ持ッテナイ……」

熊野「と言うわけで、今日は停戦。皆さんでお風呂を楽しみましょう」

港湾棲姫「ソ、ソウデスネ……」

北方棲姫「ワーイ!ホッポ、温泉楽シム!」

熊野「ふふっ」


 ―同時刻―

提督「……………………胸騒ぎがしてならない」

369: 2015/10/22(木) 22:04:11.21 ID:bLyQh2Tk0
 ―数分後、女湯(露天風呂)―

北方棲姫「寒イ!寒イイ!」

熊野「北方海域の準ボスが……」

港湾棲姫「ハイハイ、早ク湯舟ニ浸カリマショウネ」

北方棲姫「ウン…ソウスル…」ザブザブ

北方棲姫「ハァ~……温マル~…」

熊野「深海棲艦の方々も、よく銭湯の方へ?」

港湾棲姫「エエ、私ト北方棲姫チャンノホカニハ、を級サンヤ、港湾水鬼サン、泊地水鬼サンニ、駆逐棲姫チャンモ来マスネ」

熊野「あら、結構いらしているのですね」

港湾棲姫「皆、オ風呂ノ素晴ラシサニ気ヅイタラシクテ……」

熊野「お風呂の素晴らしさを知ってもらえて、嬉しいです」


 ―同時刻、男湯―

提督「…………………この胸の不安は、何だ」


 ―数十分後―

港湾棲姫「デハ、私達ハコレデ……」

北方棲姫「オ姉チャン、マタネー!」フリフリ

熊野「ええ、またお会いしましょう」フリフリ


提督「熊野さん」

熊野「あら、提督。久々の温泉は如何でしたか?」

提督「リラックスできましたし、疲れも取れたような感じはしましたが……ただ…」

熊野「ただ?」

提督「……熊野さん、女湯で何かありましたか?」

熊野「ああ、港湾棲姫さんと北方棲姫さんに会いましたわ」

提督「」

熊野「お風呂のすばらしさを知っていただけて、良かったですわ」

提督(熊野さんは、港湾棲姫と北方棲姫によく似た人と会った。そういう事にしとこう。これくらいは問題ないはず)


【終わり】

370: 2015/10/22(木) 22:09:39.15 ID:bLyQh2Tk0
【キャラクター紹介】

≪熊野≫

最上型重巡洋艦及び航空巡洋艦四番艦。艦娘No.125(改はNo.130)。栗色のロングヘアーとお嬢様な雰囲気が特徴の、おしとやかな女の子。しかし、

戦闘時はテニスプレイヤーのような奇声を発する。かなりマイペースなところもあり、場の空気を浄化するような役割も担っている。実は温泉が好きで、

休日はよく温泉に赴く。鈴谷とはとても仲が良く、一緒に行動していることが多々ある。ひょんなことから港湾棲姫、北方棲姫と仲良くなってしまう。

好きな言葉は『思い立ったが吉日』。

371: 2015/10/22(木) 22:11:35.83 ID:bLyQh2Tk0
今日はここまでにします。

>>311
 熊野の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は、リクエストにありました電&深雪の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




熊野、港湾棲姫、北方棲姫の入浴シーンは、妄想で補ってください。

言い忘れていましたが、深海棲艦をリクエストしてくださっても構いませんよ?

375: 2015/10/23(金) 21:03:42.53 ID:L9SDqN0d0
 ―1時過ぎ、演習海域―

深雪「はははは!いいぜ、こんなに楽しい演習は初めてだぁ!」ザザザザ

霧島「ちょっと深雪、1人で突っ込み過ぎよ。少し皆とスピードを合わせて…」

深雪「あ、そっか…危ない危ない…」ザザザ

榛名「まあ、久々の夜間演習にはしゃぐ気持ちはわかりますけど…」

吹雪「敵艦隊メンバーは確か…扶桑さん、山城さん、五十鈴さん、由良さん、雷ちゃん、そして電ちゃんだったよね?」

霧島「ええ、その通りよ。よく覚えていましたね」

吹雪「いやぁ、それほどでも…」テレ

深雪「電……電……」ガクブルガクブル

霧島「み、深雪?どうかしたの?」

比叡「あちゃー、深雪のトラウマスイッチ押しちゃいましたか~」

深雪「だ、大丈夫大丈夫、問題にゃし」

霧島「あるの?無いの?」

深雪「と、とりあえず……想定敵艦隊は、この島の裏側あたりにいるんだろ?じゃあ、島を回り込んで―」ザザザ


電「あ」

深雪「え」


ドカッ

深雪「ぎゃふん!?」

電「へぶっ!?」

霧島「深雪!!」

扶桑「電ちゃん!!」


零式水上偵察機『演習中止。演習中止。負傷者は直ちに鎮守府へ帰投せよ』

376: 2015/10/23(金) 21:10:58.75 ID:L9SDqN0d0
【衝突、トラウマ注意】

 ―6時過ぎ、執務室―

霧島「……と言うわけで、演習は中断となりました」

提督「分かりました……それにしても、また衝突ですか」

霧島「また、とは?」

北上「ちょっと前にね、最上さんと三隈さんがぶつかっちゃって、途中撤退を余儀なくされちゃったんだよ~」

霧島「そんな事が……」

提督「それにしても、霧島さんのリフレッシュも兼ねて夜間演習を行ったというのに……」

霧島「あ、そんな目的だったんですか?ありがとうございます……」

提督「今日はお休みください。と言うか休め」

霧島「ええ…そうさせていただきます」

提督「それにしても、電さんと深雪さんが衝突するのって、今日が初めてではありませんよね?」

北上「あー、そうだねぇ。確か、あたしが記憶している限りだと~……」


 ―数日前、食堂―

深雪「吹雪~、あっちで食べようぜ~」

吹雪「うん、いいよ」

深雪「いやぁ、それにしても間宮さんのご飯はいつも美味しそう―」

電「ああっ!?」

深雪「げっ」

ドカッ

電&深雪「あぅっ!?」ガシャーン

吹雪「誰か、衛生兵!衛生へーい!!」

377: 2015/10/23(金) 21:17:21.81 ID:L9SDqN0d0
 ―昨日15時過ぎ、広場―

深雪「あー、草原に寝っ転がるのって、すげー気持ちいい~」ゴローン

初雪「…同じく、同意」ゴローン

深雪「あー、なんだか眠くなってきた……寝ようかな…ふわぁ」

初雪「…賛成」

電「ごろごろごろごろ~、なのですうううう」ゴロゴロゴロ

深雪「え?」

ゴスッ

深雪「げうっ!?」

初雪「あ」


北上「とかあったね~」

提督「なんだこのデジャヴ」

北上「それだけたくさん衝突してるって事じゃないの~?」

提督「衝突と言うか頃しにかかっていませんか」

北上「実際…どうすればこんな事ってなくなるのかなぁ~…」

提督「…大体、こういう事象って、個人の中にあるトラウマが根幹なんだと思いますけどね」

北上「?どーゆーこと?」

提督「電さんと深雪さんは、それぞれ相手にぶつかったことがトラウマであるから、そうならないように注意しようとしているのでしょう。しかし、

   それと同時に、そのトラウマに気を取られてしまっている…」

北上「?」

提督「つまり、2人は無意識の間にそれぞれ相手の事を意識してしまい、結果的にまた同じことを繰り返してしまうというわけですよ」

378: 2015/10/23(金) 21:27:30.58 ID:L9SDqN0d0
北上「あ?えー…うーん……」

提督「…高速道路で隣の車線を走っている車に気を取られていると、自然とその車の方に向かって行ってしまう、と言った感じですかね」

北上「余計わからない……」

提督「まあ、ぶつかりたくないと意識していると、逆にぶつかってしまうというわけですよ」

北上「なるほどね~……」

提督「トラウマと言うものは、中々忘れる事ができないものです。赤城さんも、ミッドウェーのトラウマを忘れるのに、何年かかった事か…」

北上「え、そんなにかかったの?」

提督「…電さんと深雪さんの事も考えていましたよ?衝突させないために、部屋割りや遠征艦隊、出撃艦隊、果ては入浴する順番も調整したりして……」

北上「そんな事してたんだ…。じゃあ、何で今回の夜間演習でお互いを別々の艦隊に配備したの?余計ぶつかる可能性も高かったのに…」

提督「…2日連続の徹夜で疲れてて、気が回りませんでした」

北上「提督も休みなよ……」

提督「しかし、いつまでもこんな風に調整していると、色々面倒なんですよね…編成を考えたり生活関係を変えたりするのが…」

北上「だろうね……」

提督「……と、もうすぐ朝礼の時間です。そろそろ向かいましょう」

北上「あ、そうだね。いやあ、朝ごはん何かな~」

提督「コッペパンと目玉焼きだそうですよ」



 ―14時過ぎ、執務室―

提督「支援部隊の要請?」

北上「うん。第質鎮守府から、長距離出撃をするんだけど、支援をしてほしいんだって」

提督「ああ……囮機動部隊支援作戦ですか」

北上「そそ、明日のフタロクマルマル(26時00分)にお願いしたいんだって」

提督「……それなら、ちょうどいい」

北上「え?」

379: 2015/10/23(金) 21:42:33.83 ID:L9SDqN0d0
 ―15時過ぎ、執務室―

深雪「はぁ!?あたしと電が同じ艦隊で遠征!?」

提督「ええ。出撃要請が出た、囮機動部隊支援作戦は、駆逐艦2隻を編成する必要があるんです。その2隻を、貴女と電さんに任せたいと思いまして」

深雪「待て待て待て!電とあたしが何度もぶつかっている事はわかっているよな!?」

提督「もとより承知の上です。そしてそれは、貴女と電さんの心の底にあるトラウマが原因という事も分かっています」

深雪「…トラウマ……」

提督「そのトラウマを克服するためにも、早く電さんと良好な関係を結べれば、艦隊の士気も上がると思いましたから」

深雪「………うう…」

提督「嫌でしたら別に断っていただいても……」

深雪「…いいぜ」

提督「お」

深雪「いいぜ、やってやる!この際だ、トラウマなんて吹っ飛ばしてやるぜ!」

提督「おお、すごい気力ですね」

深雪「任せとけって!この深雪様がいれば百人力―」ガチャ

電「あっ」

ゴスッ

深雪「うそん!?」

ドサッ

提督「コントか」

北上「まったく笑えないけどね…」


電「深雪ちゃんと電が同じ艦隊で遠征、ですか」

提督「ええ。貴女たちのトラウマを治す事も目的としたのですが、嫌でしたら断っていただいても構いませんけど」

電「いえ、やります。電、この心の奥底に燻ぶるトラウマを何とかしたいと日々思っていたのです。ですから、この機会に克服しようと思います」

提督「…電さんは、存外意志の強いお方なのですね」

電「よく言われるのです」

380: 2015/10/23(金) 21:50:49.93 ID:L9SDqN0d0
 ―翌日21時、執務室―

祥鳳「ではこれより、祥鳳率いる第二艦隊、囮機動部隊支援作戦へ向かいます!」

提督「よろしくお願いします。それと、深雪さんと電さんには十分に注意を払ってください」

祥鳳「…味方の艦隊に十分注意を払うって、どういうことですか…」

パタン

提督「ふぅ。旗艦に祥鳳さん、後は瑞鳳さんに妙高さんと那智さん……しっかり者をそろえる事で衝突を未然に防ぐ…」

北上「うまくいけばいいね~」

提督「そうあってもらいたいですけどね」



 ―2時過ぎ、支援海域―

妙高「電ちゃん!こっちよ、こっち!」

電「え、でもそっちの敵艦隊は向こうの艦隊より数が少ないんじゃ……」

那智「こっちは危険だ!私と深雪でやる!」

妙高「那智の言う通りよ、電ちゃん!あの艦を叩くのを手伝って!」

電「は、はいなのです!」

妙高(意図的に2人を離す事で、2人の意識からお互いを遠ざけさせる)

那智(そして徐々に距離を縮めていけば、いずれ問題なく2人は接せられるはず!)


 ―数時間後―

電&深雪「やああああああああああああっ!!」ズッドオオオオオン

空母ヲ級「グオオオオオオ…」撃沈

電「やったのです!」ハイタッチ

深雪「いえー!!」ハイタッチ


 ―7時過ぎ、執務室―

提督「うまくいったようですね」

北上「そうみたいだねー」

提督「……まあ、2人がぶつかって支援どころじゃ無くなれば、前に私の艦隊を演習でぼこぼこにしたうえで私の事をバカにしてきた愚かな提督に、

   一矢報いる事ができたんですがね」

北上「この提督最低だっ!?」


【終わり】

381: 2015/10/23(金) 21:59:04.71 ID:L9SDqN0d0
【キャラクター紹介】

≪深雪≫

吹雪型駆逐艦四番艦。艦娘No.14。いつでも元気溌剌な、ポジティブな女の子。場の雰囲気を盛り上げてくれるムードメーカーであり、士気高揚の役目も。

かつて電と衝突して沈んでしまった事がトラウマとなっていて、日常的に電と衝突する事が多々あったが、囮機動部隊支援作戦によって克服する事に成功。

普段は吹雪型の皆と一緒に行動していることがあり、遠征や演習も大体同じ艦隊。突っ走り過ぎて失敗する事もよくある。けどへこたれない。

好きな言葉は『猪突猛進』。


≪電≫

暁型駆逐艦四番艦。艦娘No.74。ちょっとおどおどした雰囲気の、ドジっ子な女の子。普段は意志薄弱な感じの発言が目立つが、その意思は結構強い。

かつて深雪に衝突してしまった事がトラウマで、深雪と衝突する事が頻繁に起こっていたが、囮機動部隊支援作戦をきっかけに克服、深雪と仲良くなる。

暁型の末妹という事もあってか、他の3人の後ろからついていくという感じのポジションだが、ぷらずまモード(※)になると誰もが怯える存在に。

好きな言葉は『汝平和を欲さば、戦への備えをせよ』。


[ぷらずまモード]

電の黒い一面。普段は沈んだ敵も助けたいと言っているが、その言葉とは裏腹に敵を容赦なく沈める姿を見て、響がこう名付けた。このモードになると、

普段の電からは認められないようなどぎつい発言、凶悪な行動が目立つようになる。

388: 2015/10/25(日) 21:11:45.24 ID:E4DwzEgl0
 ―11時過ぎ、倉庫付近―

白露「それでねー」

時雨「そうなんだ…知らなかったよ」

村雨「それで気づいたら臭くってさ~」

夕立「あははっ」

提督「ほらほら、貴女たち」パンパン

白露「あ、提督…」

提督「貴女たちには確か、資材倉庫の中身を整理するように言いましたよね?終わりましたか?」

白露「あ、ごめんなさい、まだです!」

時雨「ちょと休憩のつもりでお話をしてたら…」

提督「では、今すぐに始めなさい。そして、12時までに終わらせてください」

村雨「了解~…」

夕立「あと一時間しかないよ…頑張らなきゃいけないっぽい…」


提督「仲が良いのは良い事ですが、度が過ぎるとだらけてしまいますね…」

提督「どう思いますか、ビスマルクさん?」

Bismarck(以下ビスマルク)「そうね………」

ビスマルク「一度、鍛えなおした方が良さそうね」

389: 2015/10/25(日) 21:21:50.72 ID:E4DwzEgl0
【生真面目ドイツ艦】

 ―7時過ぎ、講堂―

提督「最近、皆さんの行動に若干のだらけが見られるようになってきました」

ざわざわ……

提督「戦闘における弾薬の無駄撃ち及び命中率と敵艦撃滅率の低下、さらに報告書提出の遅れに個々人の仕事の進捗率の遅さ……。それらの裏側には、

   皆さんの怠けがあると思われます」

加賀「……一理あるわね」

提督「艦娘の体や海軍の仕事に慣れてきた頃になって、気が緩んでしまうものです。そして、とんでもないような事故につながる…」

提督「それを防ぐために、本日から一部の艦娘に対して再教育を実施する事になりました」

『え~…マジかよ~…』

『教育って、勉強?』

『うわぁ~…眠くなる自信ある…』

提督「再教育を受ける対象は、艦種を問わずネームシップ(一番艦)全員と、私が再教育を必要とすると判断した方となります。再教育を受けるメンバーは、

   後ほど食堂前の掲示板に掲示いたします。また、講師の方はビスマルクさんと加賀さんとなりますので、ご了承ください」

ざわっ!?

『ビスマルクさんって…マジかよ』

『ぜってー厳しいぞ……』

提督「では、よろしくお願いいたします」

390: 2015/10/25(日) 21:32:58.56 ID:E4DwzEgl0
 ―10時過ぎ、会議室―

ビスマルク「と言うわけで、再教育の指導をするビスマルクよ。ビシバシ行くから、覚悟しなさいね」

初雪「もう……モチベーション下がる…」

望月「だよなー…あー、かったりー…」

ビスマルク「ほらそこの2人!机に顔をつけない!」

初雪&望月「あーい…」

ビスマルク「返事は‶はい‶でしょ!」

初雪&望月「はい…」

天龍「うわ…厳しいな……」

ビスマルク「天龍!」

天龍「お、おう?」

ビスマルク「頬杖を突かない!」

天龍「お…は、はい」

ビスマルク「それじゃあ最初は12時まで座学と行くわよ。休憩時間は1回だけ、5分間よ」



 ―13時過ぎ、演習海域―

ビスマルク「まずは港湾淵を10周!周回遅れになった者は5周追加!」

初雪「……………疲れた…帰りたい……」ザザザザ

望月「……めんどくせー……」ザザザザ

ビスマルク「ほらほら、そこの2人!あんまりだらけてると、一カ月テント生活にするわよ!」

初雪&望月「!!!」ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

天龍「なんつー頃し文句を…」

391: 2015/10/25(日) 21:53:06.52 ID:E4DwzEgl0
 ―18時過ぎ、執務室―

提督「いかがでしたか?」

ビスマルク「初日からきっつい子が何人もいたわね…。初雪と望月のダウナーコンビはもちろんだけど…講義中におしゃべりをしだす子もいたり…」

提督「思ったより深刻ですね……」

ビスマルク「ここの鎮守府は規律が緩いみたいじゃない。ドイツの決まりも取り入れたらどうかしら?」

提督「いえ、前にも言いましたがここは総司令部の仕事もありますから、規律は少し緩くしないと心の余裕が無くなってしまいますので……」

ビスマルク「そんな事を言ってるから、今みたいな状況になったんじゃないの」

提督「まあ、そうですけどね……」

司令長官「いいんじゃないの?今のままでいても」

提督&ビスマルク「?」

司令長官「あんまり規律とかで抑え込んじゃうと、本当に心の余裕が無くなっちゃって、ただ命令に従って働くだけの存在になっちゃうよ?」

提督「…………………」

司令長官「皆がだらけてるのは儂の目から見ても明らかだけど、最後には『今後は気を付けるように』って注意した方がいいと思うよ」

ビスマルク「…………そうね、そうした方がいいかしら」

提督「…確かに、人間である以上、怠けるって事もありますよね」

司令長官「……それにしても、ビスマルク君は規律に厳しいね」

ビスマルク「厳しいというか、規律に従っていないと何だか気が済まないのよね」

提督「その辺は、勤勉で真面目なドイツ人と同じと言う感じですね」

ビスマルク「日本はドイツに負けず劣らず真面目って聞いてたけど、案外そうでもないようね。あの怠けようを見たら」

提督「あの年代の子供たちは、あれくらい自由な方がいいんですけど、ここは海軍ですからそうもいかないんですよね…」

司令長官「そう言えば、ビスマルク君は長門君に似てるって、黎明君前に言っていたよね?」

ビスマルク「?どういう事?」

提督「ビスマルクさんは、どこか長門さんと似ていると少しだけ思ったんですよ」

392: 2015/10/25(日) 22:08:50.17 ID:E4DwzEgl0
提督「戦闘では、旗艦としての任務を全て一任できるほどの頼れる指揮能力と観察眼、先ほどは厳しい態度を見せていましたが、本当は優しく、

   みなさんを気遣う心を持っている、など長門さんと似ているんですよね」

ビスマルク「へー?長門も、そんな風なんだ?」

提督「ええ。さらに、ビスマルクさんはヨーロッパ最強の戦艦と謳われていたそうですし、日本の誇りである長門さんとも、どこかしら似ていますからね」

司令長官「ああ、確かに。それに、艦娘になった今の姿も、どこか似ている感じがするしねぇ」

提督「ビスマルクさんの指揮能力はとにかくすごいですよ?この前の西方海域でも…」


 ―数日前、カレー洋制圧戦―

吹雪「で、電探に感あり!」

飛鷹「え、嘘!?まだ会敵予想区域に入っていないじゃない!」

蒼龍「やだやだ、こんなとこでハプニング!?」

叢雲「ちょっ、どうすんのよ!?」

ビスマルク「皆落ち着きなさい!!」カッ

全員「!!」ビクッ

ビスマルク「吹雪、敵艦隊の編成はわかる?」

吹雪「は、はい!空母ヲ級3隻、重巡リ級1隻、軽巡へ級2隻です!」

ビスマルク「なるほど……空母中心の艦隊か……。よし、全員輪形陣。中心は蒼龍と私で、前方に古鷹、後方に叢雲。左舷に飛鷹、右舷に吹雪。

      輪形陣を軸とし、複縦陣を取る場合は私が合図を出すわ。それと、敵艦隊の位置はわかってるわね?」

吹雪「はい!」

ビスマルク「飛鷹と蒼龍は烈風と彩雲を飛ばして、敵艦のクラス(elite、flagship)を確認。確認次第報告して」

飛鷹&蒼龍「了解!」

ビスマルク「かかるわよ!」


ビスマルク「ああ、あの時の事ね。別に大したことはなかったわ」

提督「素晴らしい、これこそ戦艦に求められる能力の1つですね」

司令長官「そうだねぇ。そんな風にスパッと指示を出せる子ってそういないからねぇ」

ビスマルク「あら、そうなの?」

提督「ええ。シスコン過ぎて姉を守る事を第一にしか考えていない方や、食べ物事しか考えていない方なども…あ、よろしければその方たちの再教育、

   お願いしてもよろしいでしょうか?」

ビスマルク「ばっちこいよ」

司令長官(ある意味この2人って、混ぜたら危険なんだよなぁ~)


【終わり】

393: 2015/10/25(日) 22:18:08.29 ID:E4DwzEgl0
【キャラクター紹介】

≪Bismarck/ビスマルク≫

Bismarck級戦艦一番艦。艦娘No.171(改はNo.172、zweiはNo.173、dreiはNo.178)。長い金髪と引き締まったボディが特徴の頼れるお姉さん。勤勉な国、

ドイツの艦であるためか、本人もとても真面目で勤勉な性格で、緩んだ規則が大嫌い。しかしルールやマニュアルに固執してしまうところもあるため、

たまにひどい目に遭うことも。ビールが大好きで、いくら飲んでも酔わない。だが日本酒はあまり好きではない様子。料理は全体的に‶素材で食え‶。

好きな言葉は『勤勉無しに賞はない』。

399: 2015/10/26(月) 21:04:29.08 ID:gaocQxJO0
 ―10時過ぎ、執務室―

天龍「提督、通信が届いたぜ」

提督「ご苦労様です。では、確認させていただきます」

天龍「おう、よく読んどけよ」

提督「当然です」ペラッ

天龍「さてと、この書類こっちの棚に入れておくぜ」

提督「お願いします」

天龍「どっこいせっと……」

提督「………………」

天龍「よっと…」

提督「…………事案発生か」

天龍「はっ!?」

400: 2015/10/26(月) 21:10:54.21 ID:gaocQxJO0
【憲兵団】

天龍「い、今なんつった?事案?」

提督「ええ、それも、よろしくないものです」

天龍「何があったんだよ?」

提督「第肆拾玖鎮守府にて、工廠の整備員が艦娘に対して乱暴をしたとの報告がありました」

天龍「ん?整備員っているのか?ここにはいないが」

提督「整備員は、各鎮守府の提督が総司令部の許可を取れば雇う事が許されているんです。まあ、その鎮守府への資金の数パーセントは、

   整備員の給料となります」

天龍「はーん…ウチは雇えないんだっけ?」

提督「世間の目も気にしなければいけませんからね」

天龍「…艦娘への乱暴って……」

提督「まあ、ええ…はい。女性への乱暴って言ったら…アレしかありませんが」

天龍「……第肆拾玖鎮守府の資料を持ってくる」

提督「お願いします」


 ―数分後―

天龍「持ってきたぜ」

提督「ご苦労様です。さて……」ペラペラ

天龍「…………………どうだ?」

提督「資料によれば、2年前に第肆拾玖鎮守府の提督は、工廠で働いている明石さんの負担を減らすために総司令部に整備員を雇う許可をもらい、

   十名ほどの男性整備員を雇ったようです」

天龍「…………」

提督「…で、今回乱暴をされたのは明石さんと、そのほか数名の艦娘の方です。まったく、これでは本末転倒もいいところですね」

天龍「なんツー提督だそいつ…」

401: 2015/10/26(月) 21:19:47.92 ID:gaocQxJO0
提督「おまけにこの提督、整備員への給料を、明石さんやそのほかの艦娘の体を明け渡す事で減らしていたようです」

天龍「うわ……」

提督「これは看過できません。憲兵団に調査を依頼したうえで、こちらでも調査をし、なおかつその提督をクビにします」

天龍「ん?憲兵団?」

提督「何か?」

天龍「…前々から気になってたんだが、憲兵団って何なんだ?」

提督「憲兵団は、陸軍大臣の管轄に属していますが、海軍における軍事警察や行政警察、司法警察も職務としています」

天龍「????」

提督「…まあ、陸海軍直属の警察と思ってもらって構いません」

天龍「お、おう……」

提督「…まあ、鎮守府側がしらを切ろうとしても、絶対と言われている妖精さんネットワークでリークされてきた情報に偽りはありえませんし、

   それをたたきつける事にしましょう」

天龍「妖精さんネットワークって……」

提督「詳細は省きますが、各鎮守府の事情を監視している妖精さんから総司令部に情報がリークされますので、その情報は絶対と言える信頼性があります」

天龍「へー…」

提督「そう言えば……憲兵団の本部も視察に行かなければなりませんね…」

天龍「ん?憲兵って陸軍直属なんだろ?それなのに視察に?」

提督「ええ。一応、決まりですから」

天龍「……なあ、俺も行っていいか?」

提督「?」

天龍「話に訊いてた憲兵ってやつがどんなのかが見てみてぇ!」

提督「まあ、構いませんけどね。では、憲兵司令官と掛け合ってみましょうか」

天龍「頼むぜ」

提督「……ああ、一応言っておきますけど、現在の憲兵司令官って女性で私の高校時代の同級生なんですよ」

天龍「!?」

402: 2015/10/26(月) 21:31:00.14 ID:gaocQxJO0
 ―数日後、憲兵本部・玄関口―

憲兵司令官(以下城)「どうも~、憲兵司令官の城 瑠璃(じょう るり)でーす」

天龍(こんな奴が、憲兵司令官?)

提督「お久しぶりです、瑠璃さん」

城「久々だねぇ、黎明君。私が憲兵司令官になった時以来かな?」

提督「大体その時ぐらいですね。と、それより例の案件ですけど」

城「あー、はいはい。あのブラック鎮守府の話ね」

提督「こちらが、その第肆拾玖鎮守府の資料及び、そこに雇われている整備員たちのリストです」

城「ご苦労様ね~。それにしても、まーたこんな事件か」

提督「最近、多くなってきましたからねぇ。動物における発情期でしょうか」

天龍「発情期って……」

城「ホントだよね、まったく、そんな奴ら全員氏ねばいいのに」

提督「同感です」

天龍「氏っ…!?」

城「あ、そっちのケモミミの子は艦娘の子かな?」

天龍「ケモミミじゃねえ!天龍だ。よろしくな」

城「よろしく、天龍ちゃん」ニコ

提督「ああ、それと先日述べた通り憲兵本部の視察もしたいのですが」

城「あ、それはオッケーだよ。入って入って~」

提督「では、失礼いたします」

天龍「失礼するぜ~…」


 ―1階―

城「1階は主に、歩兵科、砲兵科、騎兵科の部署があるね。それと、食堂と酒保。24時間オープンだね」

天龍「え、酒保もあるのか。それに、24時間?」

城「うん、私らは仕事上決まった時間に食事を取る事が難しいからね。そんなわけで、食堂酒保は24時間。私がそうさせたんだ」

天龍「へー…なんか、提督と同じような感じだな」

403: 2015/10/26(月) 21:39:47.09 ID:gaocQxJO0
 ―2階―

城「2階は、獣医部、経理部、軍学部、衛生部の部署があるよ」

提督「皆さん、静かに自分の仕事に取り組んでいますね」

城「いやー、普段はもっとみんなわいわいしているんだけど、私が昨日『明日海軍の司令長官補佐官が来るからね』って言ったら、

  皆急に自分のデスク回りとか掃除し始めちゃって」

提督「貴女が原因ですか」

城「あ、勘違いしないでね?皆普段はふざけてるってわけじゃないから。そりゃあ、皆には個性ってものがあるから、皆の個性は大切にしているし…。

  だからってふざけすぎるのはいけないけど」

ピリリリ

提督「あ、すみません。司令長官からです。ちょっと、席外しますね」タタタ

城「はいはーい、ごゆっくり~」

天龍「…なんだか、城さんって俺たちの提督と似ているな」

城「?どうして?」

天龍「俺たちの提督は、俺たちの個性をちゃんと理解したうえで、俺たちの事を指揮してくれてる。自己中心的な規則を押し付けたりはしないでな」

城「…そっか、私は黎明君と似ているのか」

天龍「?」

城「…嬉しいな」

天龍「……へ?」

城「あ、ごめんね?変な事言っちゃって」

提督「すみません、お待たせいたしました」

城「いいっていいって。じゃ、次行こうか」

404: 2015/10/26(月) 21:46:48.01 ID:gaocQxJO0
 ―寮付近―

城「ここが憲兵たちの寮。こっちが男子寮で、向こうが女子寮。それぞれの寮の中に、浴場があるよ。ここは流石に、中は案内できないかな」

提督「…一応確認しておきますが、中は散らかり放題なんてことはないですよね?」

城「いやぁ…それは私も分からないかな…。よく点検で女子寮の方は行くけど……」

憲兵「司令官。今、お時間よろしいでしょうか?」

城「あ、呼ばれちゃった。ちょっとゴメンね」タタタ

提督「分かりました」

天龍「……なあ、提督」

提督「はい?」

天龍「…あの城さん、過去になんかあったのか?」

提督「?」

天龍「…いや、何か色々と発言に何か引っかかるものがあるような気が……」

提督「……実は、これはあまり言いふらしていい内容ではないのですが…」

天龍「…?」


提督「……城さん、高校時代の頃に男子生徒に犯されかけた事がありまして」


天龍「!?」

提督「まあ私があの時助けに入った事で未遂で終わりましたし、その男子生徒は退学処分を受けましたが、城さんは心に大きな傷を負ってしまいました…」

天龍「………………」

提督「私があの時、あの人を励ましたので何とか立ち直りました……そして、その男性に対するトラウマを胸に、彼女は憲兵を目指したそうです」

天龍「……だから、女性に乱暴する提督なんて氏ねばいいのに、何て言ってたのか」

提督「ええ。察してあげてください」

天龍(じゃあ、提督はあの人のそばについていてあげたから…)

城『…嬉しいな』

天龍(……つまり、城さんは提督の事を…)

405: 2015/10/26(月) 22:00:55.75 ID:gaocQxJO0
城「ごめんねー、ちょっと遅れちゃった」

提督「いえ、お気になさらず」

城「それで、さっきあの子から誘われたんだけど、今夜一緒に飲まない?」クイクイ

提督「?いいんですか?憲兵も多忙でしょう?」

城「いやいや、そんなことないって。そんなしょーもない理由で通報してくるバカな輩もいないし」

提督「でしょうね。憲兵と警察は違いますし。アホな通報をしてくる奴もいないでしょうしね」


 ―19時半過ぎ、食堂(居酒屋モード)―

ワイワイ、ガヤガヤ

城「はっはっはー!今日はこの私のおごりだぞー!皆存分に飲むがいい~!」

『うおおおお!流石司令官!』

『俺たち、一生ついていきまーす!!』

『太っ腹~!!』

城「だーれが太ってるって~!?」

ハハハハハ

天龍「城さんのモチベーションアップスキル、ぱねぇ…」

提督「元々、彼女は皆を盛り上げるような立ち位置でしたからねぇ」

天龍「…こんな事言うのもアレだけど、城さんって……」


城「ほら君君~!もっと食わんといかんぞ~!男の子はもっと食べないとなぁ~!!」

憲兵「えー、ちょっともう食えないし飲めません…」

城「なーに言ってんの!若いんだからもっと行ける行ける!」


天龍「もう過去のトラウマ忘れちまってるんじゃ……」

提督「……憲兵の皆さんの大半は、彼女のトラウマを知っています。そして、それを知ったうえで彼女に付いて行っているんです。ですから―」


憲兵「おーい!駆逐艦娘に乱暴をしようとした提督がいるって通報があったぞー!!」

城「出動可能な憲兵は直ちに準備して出動!そのくそったれな提督を私の前に連れて来い!引導を渡してやる!!必要なら撃ち頃しても構わん!!

  女性に乱暴する輩など、地獄に落としてしまうのだ!!!」

『うおおおおおおおおおお!!!』

『やったるでえええええええ!!!』

『ヒャッハー!汚物は消毒だぁ!!』


天龍「……ああ、城さんのトラウマと、みんなのモチベーションを上げるスキルがあって、憲兵団の結束力は強まっていくんだな…」

提督「ちょっと待て、駆逐艦娘に乱暴しようとしたクソ提督どいつだ」


【終わり】

406: 2015/10/26(月) 22:05:40.17 ID:gaocQxJO0
【キャラクター紹介】

≪城 瑠璃(じょう るり)≫

陸軍憲兵司令官。年齢は26歳。皆のモチベーション上げる統率力を併せ持つ、元気はつらつな女性。高校生時代は3年間、斑提督と同じクラスだった。

その明るい性格と裏腹に、過去に男子生徒に犯されかけたというトラウマを持っている。そのトラウマを胸に抱いて憲兵になる。女性に乱暴する輩は、

全員滅んでしまえと考えている。その事もあり憲兵団の皆は彼女の事をとても尊敬している。トラウマの一件以来、提督に想いを寄せている。

好きな言葉は『言わぬが花』。

412: 2015/10/28(水) 21:43:38.77 ID:crjCJz7T0
 ―13時過ぎ、ジャム島攻略作戦・Dマス(東方派遣艦隊)―

赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!」ビシュッ!

キイイイイイイイインン

隼鷹「はー、いつ見ても綺麗なV字だねぇ」

響「…空ぁに~、憧れて~♪」

金剛「その歌は割とシャレにならないネー…」

バババババババババ

重巡リ級flagship「グオオオオオオ……」中破

軽母ヌ級elite×2「ガアアアアアア…!!」大破

隼鷹「よっし、敵の空母の無力化に成功っと!」

赤城「気を抜いてはいけません。いくら空からの脅威を消したとしても、私達の身が安全とは言えませんから」


 ―数時間後―

赤城「第二次攻撃隊、発艦!!」ビシュゥッ!!

キイイイイイイイイイイイイン

重巡リ級flagship「!!」ギロッ

ダダダダダダダダダダダダ

ズッドオオオオン

重巡リ級「ガ…アアアア…」撃沈

赤城「…よし、敵艦隊の撃滅に成功しました!」

隼鷹「いやー、疲れたねぇ~帰ったら酒でも飲みたいなぁ」

赤城「私はおやつが欲しいですけどね」

413: 2015/10/28(水) 21:53:29.49 ID:crjCJz7T0
【一航戦の代表】

 ―16時過ぎ、執務室―

赤城「―報告は以上になります」

提督「ご苦労様です、損傷を負った方の入渠は済んでいますか?」

隼鷹「ああ、響と金剛さんは、もう入渠ドックへ向かわせたよ」

提督「結構です。では、損傷を負わなかった貴女たちも、補給を済ませたら休んで構いません。詳細な報告書は、明日の夜フタマルマルマル(20時00分)

   までに、お願いします」

赤城「はい、分かりました!」

隼鷹「あー…今夜は祝杯上げようかなぁ~」

赤城「私もお腹が空いてしまいました……」

提督「…それは、暗に私に奢れと言っているんですか」

隼鷹「うん」

赤城「あ、気づきました?」

提督「……まあ、貴女方空母のおかげで目立った損傷も負わずに済みましたし、いいでしょう。今夜は奢って差し上げます」

隼鷹「っしゃー!そんじゃ、明日も頑張るからねぇ~。赤城さんも居酒屋でいい?」

赤城「ええ、構いませんよ?」

提督「…手持ちは、ありますね」


 ―20時過ぎ、≪居酒屋・匠≫―

隼鷹「外の居酒屋ってのも、またいいもんだねぇ」

提督「今日は鳳翔さんの店がお休みですし、仕方がありませんね」

赤城「居酒屋って好きなんですよねぇ~。色々なメニューがありますし、雰囲気も好きですし…」

414: 2015/10/28(水) 22:02:04.62 ID:crjCJz7T0
 ―数分後―

隼鷹「そんじゃ、かんぱーい!」つ焼酎

赤城「かんぱーい!」つビール

提督「乾杯」つコーラ

隼鷹「んぐっ、んぐっ。ぷはぁ!!」

赤城「………………ふぅ。提督は、お酒は嗜まないのですか?」

提督「いえ、別に問題なく飲めますけど、明日もまた執務がありますし。貴女たちは明日は休みですけど」

赤城「あ、そうでしたね…って、ほら料理が来ましたよ!」ギラン

提督&隼鷹(戦場で弓を引くときと同じ目をしている…)

店員「お待たせしましたぁ!串焼き盛り合わせと、鶏のから揚げ、ポテトフライになりまーす!」コトッ、コトッ、コトッ

赤城「わぁ……!」キラキラ

店員「ごゆっくりどうぞー!」

提督「では、いただきましょう」

赤城「いただきます!」

隼鷹「いただきまーす」

赤城「ん~…!美味しい…!鶏のから揚げの肉汁が口の中にあふれて…!」キラキラキラ

隼鷹「まったく……昼の戦闘見てからこの赤城さん見ると、全然一航戦って感じがしないぜ」

提督「まあ、威厳のある一航戦とはいいがたいですね」

赤城「もう、何ですか2人とも私の事を食いしん坊みたいな言い方…」

隼鷹「……いや、串焼きと唐揚げの大半を1人で食っちまうあたり食いしん坊だろ」

提督「私と隼鷹さんの分もちゃんと取っておいてくださいね」

赤城「分かっていますって、私もそこまで鬼ではありませんから」

415: 2015/10/28(水) 22:11:05.81 ID:crjCJz7T0
 ―数十分後―

提督「まあ、赤城さんの艦載機運用能力は、まさに一航戦の名にふさわしいと思いますが」

隼鷹「ああ、それはアタシもそう思ったな」

赤城「でも、私だって最初からあんな風に自由自在に艦載機を操れたわけじゃないんですよ」

隼鷹「え、そうだったの?」

提督「…そうでしたね。赤城さん、着任当初は艦載機の運用がダメダメでしたからね」

隼鷹「うーん……いまいち想像できない」

赤城「それで、私より先に着任していた祥鳳さんに艦載機の動かし方を教わったんですよ」

隼鷹「はぇ~、意外!赤城さんみたいな空母みんなの憧れが、祥鳳から教わったなんて」

提督「誰しも、最初から才能を発揮できるというわけではありません。才能と言うのは、おのずと開花していくものですからね」

隼鷹「それは、まあ分かるかな」

赤城「ええ、提督の言う通りです。かつての軍艦だった赤城は一航戦として名を馳せていましたが、着任したての時なんて……」


 ―約4年前、練習場―

赤城「うう……弓が引けない……」キリ・・・キリ・・・

祥鳳「もう少し…右腕と左腕を一直線に……」

赤城「…ぐぬぬ……」ギリギリ・・・


赤城「はぁッ!」ビシュッ

ヒイイイイイイイ

バルルルルルル

赤城「や、やりました!やっと矢が艦載機に変化しました!!」

祥鳳「それよりも、艦載機の操作に専念してください。実際に艦載機を操作しているのは妖精さんですけど、指示を送るのは赤城さん自身なんですから」

赤城「あ、そ、そうでした!」

バルルルルル

ヒュンヒュン

赤城「って…ああ!?どうして九七艦攻はそっちへ行ってしまうのですか!?ととと、九九艦爆はそっちじゃありませんって!もー!」

416: 2015/10/28(水) 22:20:14.48 ID:crjCJz7T0
提督「何てこと、ありましたよね」

赤城「ああ、懐かしいですねぇ~…」

隼鷹「そう言えば…あたし達、よくあんなに操作が複雑な艦載機操れてるよな…」

提督「…冷静に考えれば、元々人じゃなかった軍艦が、突然人の体を持った上に弓を引いて艦載機に乗っている妖精さんに脳内イメージで指示を送り、

   敵を撃滅するなんて、人間にも難しい事をしているんですから、驚きですよね」

赤城「ええ…そう言えば、そうですね…」

隼鷹「あー、はいはい!こんな難しい話は居酒屋には合わないって!飲もう飲もう!」

赤城「ええ、そうですね。すみませーん、もつ煮込みと冷奴を」

隼鷹「焼き鳥の砂肝!!」

提督「あ、すみません、たこわさを」


 ―数時間後―

隼鷹「ういいいい~……///」

赤城「隼鷹さん、やっぱり酔ってしまいましたね」

提督「まあ、予想通りと言うかなんというか」

赤城「私も少し、お腹がいっぱいになってしまいましたし、少ししたら店を出ましょうか」

提督「…………………」ジー

赤城「?何か?」

提督「…赤城さんとか隼鷹さんとか空母を運用すると、ボーキサイトが減るじゃないですか」

赤城「ええ、そうですよ。落としてしまった艦載機を補充するために、ボーキサイトを必要とするんですよ。それが何か?」

提督「……いえ、よく赤城さんや加賀さんなどの空母勢は、ボーキサイトを食べている、という噂を聞いた事があるんですけど…艦載機を補充するために、

   ボーキサイトを消費しているという事は、別に食べているというわけではないですよね?」

赤城「…………………………………食べていませんよ」

提督「今の間は何ですか」


【終わり】

417: 2015/10/28(水) 22:26:37.93 ID:crjCJz7T0
【キャラクター紹介】

≪赤城≫

赤城型正規空母一番艦。艦娘No.6。長い栗色の髪と、穏やかで優しげな雰囲気が印象的な、頼りになるお姉さん。食べ物を食べる事がとても大好きで、

休日は食べ歩きなどをしているし、食堂のメニューはいつも大盛り。頼れる一航戦として他の空母の皆から信頼されているが、着任当初艦載機の扱いは、

下手な方だった。そして、古参の祥鳳に教えてもらい腕をめきめき上げた。普段は穏やかだが、本気でキレると大爆発。ミッドウェーの記憶はトラウマ。

好きな言葉は『油断大敵』。

422: 2015/10/30(金) 20:45:29.07 ID:24JQJafL0
 私の名前は港湾棲姫。深海棲艦の1人です。

 今日は、総司令部から少し離れて、私達の話をしたいと思います。

 と言うわけで、今日のお話は、私と深海棲艦の話です。

423: 2015/10/30(金) 20:59:30.94 ID:24JQJafL0
【深海棲艦・港湾棲姫】

 ―15時過ぎ、カレー洋リランカ島沖・Mマス(リランカ島港湾守備隊)―

港湾棲姫「クルナ…ト…イッテイル…ノニ…」ビシュシュシュ

ズドドドッドオン

金剛「Shit!!テートクにもらった、大切な装備ガ!!」中破

利根「大丈夫か、金剛!」

摩耶「ちっ、あんの野郎…倍にして返してやる!」

港湾棲姫「ナニモ…ナニモ…ワカッテイナイ…」

 私のホームグラウンドはここ、カレー洋のリランカ島沖。ここでカレー洋の海路を寸断する役目を担っています。しかし、艦娘達も馬鹿ではありませんし、

日に日に学習して、私達を撃滅しにかかっています。氏にかける事だってしばしばあります。

護衛要塞「……………」ニヤリ

港湾棲姫「護衛要塞、逸ッテハダメ。奴ラノ力ハ計リ知レナイノダカラ」

戦艦ル級flagship「シカシ、敵ノ戦艦ヲ潰シタ今、奴ラノ戦力モ半減シテイルノデハ?」

港湾棲姫「イイエ、マダ夜戦ガ残ッテイル…ソコデ倒サレテハ元モ子モナイワ…」

 私のおともには主に、護衛要塞と戦艦ル級、重巡ネ級がいます。彼女たちは、よく働いてくれる頼もしい子たちだけれど、よく艦娘の力を侮り、

見下す傾向がある、それはあまり褒められたものではありません。

 ですけど、私が説明すると…

護衛要塞「………」シュン

戦艦ル級flagship「確カニ……失礼シマシタ」

港湾棲姫「分カレバ良イノヨ」

 ちゃんと学習し、自分の非を認めます。皆、本当はいい子たちですよ?

424: 2015/10/30(金) 21:09:10.64 ID:24JQJafL0
 ―18時過ぎ、深海棲艦拠点―

 さて、突然ですが。皆さんは深海棲艦に対して、どのようなイメージを抱いていますか?

深海棲艦「スクラップの時間だぜェェェェェェェェェ!」

 とか。

深海棲艦「てめえらの血は何色だーっ!!」

 とか、大体こんな感じのイメージを抱いている人も少なくないはずです。

 ですが実際は……


戦艦棲姫「アッ、ばななハ卑怯ヨ!」キュキュキュ

戦艦レ級「フフーン、ばななダケジャナイヨ。ぼむ兵ダッテアルモンネ!」ピューン、ドーン

戦艦棲姫「アーッ!?こーすあうと…」

離島棲鬼「アーア、戦艦棲姫弱ーイ」

泊地水鬼「ア、アノ…皆さん夕飯何ニシマスカ…?」

北方棲姫「私、おむらいす!」

装甲空母姫「すてーきヲ希望スルワ」

港湾棲姫「ア、私手伝イマス…」


 大体こんな感じです。普通にマリ○カートをやったり、皆でご飯を食べたり、お風呂に入ったり、テレビを見て腹を抱えて笑ったり…そんな感じです。

ね?怖くなんてないでしょう?

 あ、そう言えば。深海棲艦の本拠地はどこかの深海にありますけど、中は地上の建物と同じように、海水はなく、ちゃんと空気が入ってきています。

 本拠地に帰れるのは週に3~4日程度ですけど、そのたびに皆さんが快く迎えてくれます。本拠地に常駐しているのは、大規模作戦でしか出番のない、

空母棲姫さんや離島棲鬼さん、泊地水鬼さんなどがいらっしゃいます。

425: 2015/10/30(金) 21:23:12.68 ID:24JQJafL0
 私の本拠地での役割は、主に炊事洗濯といった家事全般です。また、けんかの仲裁に入る事もよくあります。

防空棲姫「初陣ノ私ノ出番ヲ取リヤガッテ!ロクニぎゃらモモラエナカッタワヨ!」

空母棲姫「イイジャナイノ!初陣ダカラコソ、アンタニ負担ガカカラナイヨウニ前ノ海域デ潰シテオイタノヨ!ムシロ感謝シテモライタイワネ!」

防空棲姫「余計ナオ世話ヨ!」

 ちなみにこの2人の喧嘩の原因は、『防空棲姫ちゃんは前の大規模作戦の最終海域で初陣を迎える事になったのだけれど、その1つ前の海域で、

空母棲姫さんが艦娘をばっかばっか倒して、提督たちの心を折らせて最終海域まで艦娘が出撃してこない事になり、防空棲姫ちゃんのギャラが減った』

と言った感じです。

港湾棲姫「チョット2人トモ…落チ着イテ…」

防空棲姫&空母棲姫「港湾棲姫サンハドウ思ウ!?」

港湾棲姫「ア、エート…ウウ…」

 そして喧嘩の仲裁に入ると、大体こんな感じで意見を聞かれ、困惑すると言った感じがほとんどです。


 まあ、私の心労は他にもありますけど…。

 例えば、およそ1年前に、私と同じ港湾系の深海棲艦が仲間に加わるという事で、私が先輩として色々教える事になりました。しかし、

実際に着任したのは…。


港湾水鬼「私ガ今回仲間ニ加ワルコトニナッタ港湾水鬼ダ。同ジ港湾系トシテ、仲良クヤロウジャナイカ」

港湾棲姫「」


 何なのあの不運と踊っちまったような顔は!?初対面の人にいきなりメンチ斬られるって、相当なモンですよね!?

 まあ、そんな衝撃的な出会いもあり、当初はあまり仲良くなれないと思っていたんですけど、それから数週間後に…。


港湾水鬼「……友達デキナイ…寂シイヨォ…」シクシク


 うん、部屋の片隅で体育座りで泣きながらそんな言葉つぶやかれたら、抱きしめるしかありませんよね。そんなわけで抱きしめて、すっかり仲良く…。

そして今は…。

港湾水鬼「港湾棲姫サン、ジャガイモハコンナ感ジデイイデスカ?」

港湾棲姫「エエ、おーけーデス。ジャア、次ハにんじんヲオ願イシマスネ」

 と言った感じで私の手伝いをしてくれています。あ、今日は金曜日でしたので、夕飯はカレーになりました。

426: 2015/10/30(金) 21:35:22.96 ID:24JQJafL0
 まだ私の心労は他にもあります。

 この前、カレー洋リランカ島沖で、いつものように艦娘達を迎撃していたところ……。

バルルルルルルル

ドドドドドド

港湾棲姫「クッ………!?」混乱

戦艦ル級改flagship「ドウイウコトデショウ…ナゼカ港湾棲姫サンバカリ狙ッテキマスネ…」

重巡ネ級「先ニ旗艦ヲ潰セバ、最低デモA勝利ハ確定スルカラデショウ?」

戦艦ル級改flagship「確カニソウダガ…ソレナラバ向コウノ艦隊ハ全員港湾棲姫サンヲ狙エバイイハズ…。ナノニ、港湾棲姫サンヲ攻撃シテイルノハ、

          ナゼカ艦載機ニヨル攻撃ノミ…。戦艦ヤ重巡ハ普通ニ我々を狙ッテ攻撃シテイル…ット」

護衛要塞「\(^〇^)/」撃沈

輸送ワ級flagship「<(^q^)>」撃沈

 この時、確かにル級ちゃんの言う通りでした。なぜか、私を狙ってきているのは敵の艦載機のみで、戦艦や重巡は私のお供の皆しか攻撃しません。

これが、奇異に思えて仕方がないのです。

瑞鶴「………………………乳のお化けめ」

大鳳「………………………氏ねばいいのに」

榛名「…このお二人、大丈夫でしょうか」

那智「いつもの事だ、気にするな」

 私には、どうしてこうなるのかが気になって、あまり眠る事ができません。一体、何が原因なのでしょうか……。


 ―20時過ぎ、港湾棲鬼の自室―

港湾棲姫「ハア……疲レタ…」

 そんな心の悩みを抱えて部屋に戻ります。そして、ここにいると大体あの子が来ます。

北方棲姫「オネーチャン、遊ボー!」

 この子は北方棲姫。見た目は子供で可愛らしいけれど、北方AL海域のボス手前のマスを陣取る実力のある子でもあります。

 そしてこの子は、私にとって…

北方棲姫「?オネーチャン、ドウカシタノ?オ腹デモ痛イノ?」

港湾棲姫「ア、ウウン…大丈夫ヨ」

 娘みたいな子です。

 この子と一緒に遊んでいると、なんだか心が癒されて、日頃の疲れが消えていくような感じがします…。

 ああ、和やか…。

427: 2015/10/30(金) 21:43:49.81 ID:24JQJafL0
 そうそう、最近のマイブームは、地上のスーパー銭湯や温泉に行くことです。

 温泉に入ると、疲れが取れますし、ダイエットにもつながりますので、最近は深海棲艦たちの一部の間でもブームが広がっています。

 地上に行くときは、角は隠しています。常に帽子をかぶり、風呂の中では頭にタオルを巻いて何とか隠していますが…それでもばれそうになった場合は…。

港湾棲姫「ふんっ!!」バキィ

北方棲姫「オネーチャン!?大丈夫!?」

 もう、折っちゃいます。

 折った瞬間だけ痛いですけど、後は痛みもなくなり…少し経てばすぐに再生するので、問題ありません。

 ですけど、この前ハプニングが起きました…。

熊野「もしかして、港湾棲姫と北方棲姫?」

 まさかの、行った先のスーパー銭湯で艦娘に会い、挙句に正体がばれました。この時はもう私達は終わりだと思いましたが、なぜか温泉では戦わない、

という事になりました。

 それ以来…

熊野「あら、港湾棲鬼さんに北方棲姫ちゃん、ごきげんよう」

港湾棲姫「ゴキゲンヨウ、熊野サン」

北方棲姫「熊野オ姉チャン、コンニチハ!」

 一緒に温泉に入る仲になってしまいました。



 さて、大体こんな感じで私の事や深海棲艦の事を話しましたが、いかがでしたでしょうか?全然、怖くないでしょう?

 我々深海棲艦は、新たに人材を募集しています。

 と言うか、私達を指揮してくれる提督を欲しております。今私達は、ただ自分の思うように戦っていますから…。

 気になる方は、お電話、FAX、メール、お手紙をどうぞ!

南方棲戦鬼「イヤ、無理デショウ。トイウカ、何コノCMミタイナ終ワリ方」


【終わり】

428: 2015/10/30(金) 21:49:04.39 ID:24JQJafL0
【キャラクター紹介】

≪港湾棲姫≫

深海棲艦の上位個体『姫』級の一種。艦種は港湾基地。長く白い髪と、とても大きな胸と腕が特徴の薄幸系の女性。カレー洋リランカ島沖を持ち場とし、

西方海域の海路掌握を主な任務としている。たまに大規模作戦にも駆り出されるが、大体かませ役になってしまうのが少し悩み。本拠地では家事等をこなし、

仲間同士の喧嘩の仲裁も務めている。マイブームは温泉。腕の爪は取り外し可能で、あの中身は普通の手。北方棲姫は娘のようで、港湾水鬼は後輩。

好きな言葉は『一衣帯水』。

434: 2015/10/31(土) 21:13:44.63 ID:mLxXJYFw0
 ―昨日19時過ぎ、食堂―

TV『明日はハロウィンという事で、百貨店やショッピングモールも装飾をハロウィン風にしたり、商品がハロウィン風となっており…』

衣笠「へぇ~、ハロウィンか…」

提督「そう言えば、もうそんな季節なんですね…」

衣笠「ハロウィン、楽しそうだな~。ね、提督。ウチの鎮守府でもやるんでしょ?」

提督「え、やりませんよ?」

衣笠「……え?」

435: 2015/10/31(土) 21:23:18.70 ID:mLxXJYFw0
【ハッピーハロウィン】

衣笠「え、ハロウィンやらないの!?」

提督「はい」

衣笠「ちょちょちょ、ちょっと待って!青葉から聞いたよ、この鎮守府ってクリスマスも節分もやったっていうのに、ハロウィンはしないの!?なぜに!?」

提督「なぜって…やる必要ないでしょう」

衣笠「ええ?そうかなぁ…」

提督「…衣笠さんは、ハロウィンとはどういうものか、ご存知ですか?」

衣笠「え?うーん…そうだなぁ……。子供たちがお化けの格好して、色々な家を回って『トリック・オア・トリート!』って言いながらお菓子ねだる…

   って感じかな?」

提督「まあ、大体の方たちはそう考えますよね」

衣笠「え、違うの?」

提督「…冷静に考えてください」

衣笠「?」


提督「家の人からすれば、見ず知らずの子供がいきなりお化けの格好で突然訪ねてきて菓子よこせと押しかけて来たら誰だって嫌がるもんでしょう」


衣笠「あー…確かにそう考えればそうだね……って、そんな理由?」

提督「いえ、ちゃんとした理由もありますよ」

衣笠「ほうほう」

提督「元々、ハロウィンと言うものは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い払う宗教的な意味合いの強い行事だったんですよ。そして今、アメ…某国で、

   民間行事として定着し、それに伴って宗教的意味合いもほぼなくなってしまったんです」

衣笠「へぇ……そうだったんだ」

提督「つまり、日本でよく見る子供たちがお化けの格好して菓子をねだるというのは、間違っているものなんです」

衣笠「なるほどね…」

436: 2015/10/31(土) 21:36:37.54 ID:mLxXJYFw0
提督「悪霊払いがあるんでしたら、2月の節分の豆まきや柊鰯で厄除けをしたり邪気払いをしてますから事が足りていますし」

衣笠「節分ってそういう意味もあったんだ…」

提督「まあ、日本人は普段から仕事とか交友関係とかでストレスが溜まっていますから、仮装などをしてはっちゃけたいと言う意味もあるんでしょう」

衣笠「あー、それはまあ確かに分かるな~」

提督「まったく、そもそも日本は他の国の文化を取り入れて発展してきたというのに、なぜこのような無駄な習慣ばかり取り入れてしまうのか…。いっそ、

   イタリアやスペインの‶仕事中でもシエスタを取る‶という習慣も取り入れてもらいたいもんです」

衣笠「ありかもしれないけど、仕事が完全にストップして会社的にもアウトなんじゃないかな…」

提督「…ま、ハロウィンなんてこの鎮守府には関係のない話ですよ」

衣笠「むぅ……」


 ―22時前、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋―

衣笠「…って事があってさ~」

青葉「あー、そうだね。ウチって、ハロウィンは一度もやったことが無いな~」

衣笠「そうだったの?」

青葉「青葉、司令官が着任した時からの付き合いだけど、クリスマスや節分はやったことがあっても、ハロウィンは一度もしたことが無いもん」

衣笠「…逆に、何で豆まきやクリスマスはやるんだろ…。いや、豆まきはわかるけど」

青葉「えっと、前に司令官が―」


 ―1年前、クリスマス―

提督『クリスマスとは本来、イエス・キリストの生誕を祝う日なんですよ?よく街で見かけるカップルがイチャコラしているようなクリスマスは、

   まったくもって別物ですよ』

青葉『ほうほう?その割には、なにやらクリスマスツリーやプレゼント交換会など楽しんでいるようにも見られますが?』ニヤニヤ

提督『こういう時しか皆さん楽しめないですし』


青葉「って」

衣笠「あー、確かにあの提督なら言いそう…」

青葉「それより衣笠、あした秘書艦でしょう?早く寝なくていいんですか?」

衣笠「あ、そうだった!おやすみ!」

437: 2015/10/31(土) 21:53:30.37 ID:mLxXJYFw0
 ―翌日9時過ぎ、執務室―

提督「今日は確か、演習が入っていましたっけ」

衣笠「あ、はい。えーっと、相手艦隊は第壱拾参鎮守府だね」

提督「…ちっ、あのクソ野郎の艦隊か」

衣笠「ひぃ…」

提督「あ、申し訳ございません。続けてください」

衣笠「は、はい。えーっと……編成は、睦月、如月、皐月、長月、文月、菊月です。相手方の艦隊がこっちに赴いてくるそうだよ」

提督「駆逐艦だけの艦隊か……」

衣笠「どうする?手加減した方が…」

提督「こちらの編成は金剛、赤城、古鷹、神通、伊勢、加賀で行きましょう。装備は標準装備。赤城さんと加賀さんの余った装備枠には零式艦戦21型、

   伊勢さんには12.7cm連装高角砲、古鷹さんと神通さんにはそれぞれ61cm四連装(酸素)魚雷を装備してください」

衣笠「うわっ、えげつない…」

提督「あいつはどうせ、こっちの保護欲を掻き立て手加減させようとしているのでしょうが、その手は食いません。むしろ、烈風や流星を起用しない、

   私の優しさを知ってもらいたいです」

衣笠「優しさ…ね」


 ―13時過ぎ、執務室―

金剛『演習が終了したネー!結果はこっちの勝利デース!』

提督「了解しました。では、こちらへ帰投した後は補給を―』

金剛『あ、ちょっと待ってくださいネ…。Hm…、OKデース。Hey,テートク。どうやら相手方のDestroyer Girlたちがテートクに話がある、

   そうですヨ』

提督「私に?分かりました、通してください」

金剛『了解デース!』


 ―数十分後、―

提督「それで、私に話とは何ですか?」

睦月「えっと…あの、私達の提督からの伝言で…その」

提督「あいつから?何をですか?」

睦月「…ねえ、言った方がいいと思う?」ヒソヒソ

如月「でも、提督は言ってくれって頼んでたし…」ヒソヒソ

皐月「言った方がいいと思うかな…」ヒソヒソ

文月「私も言った方がいいと思うよぉ~。言わないと、提督からお菓子貰えないしぃ~」ヒソヒソ

長月「ううむ…」ヒソヒソ

菊月「言ってしまおうか!」

提督「?」

睦月型「……と」

提督&衣笠「と?」

438: 2015/10/31(土) 22:04:02.46 ID:mLxXJYFw0


睦月型「トリック・オア・トリート!!お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!!具体的には、秘密のルートで手に入れた斑提督の恥ずかしい黒歴史を、

    鎮守府回覧で暴露しちゃうぞー!!」


提督&衣笠「」

ぶちっ!

睦月型「!?」

衣笠(あ、この音知ってる。頭の中で何かが切れた音だ)

提督「……………………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

睦月型「………」ビクビク

提督「……本来、‶トリック・オア・トリート‶の‶トリート‶って、おもてなしって意味なんですよね」

衣笠「?それがどうかしたの?」

提督「…さて、第壱拾参鎮守府の皆さん」

睦月型「…は、はい?」

提督「演習でお疲れでしょう。ウチで少し休憩していっては?よろしければ、間宮さんや伊良湖さんのスイーツをご馳走します。お代は結構ですので」

睦月「え、いいんですか!?」

提督「ええ、大丈夫です」

衣笠「えっ、なんで!?」

提督「それと、皆さんの補給資材も、こちらから用意いたしますので」

如月「あらぁ、司令官ったら、ダ・イ・タ・ン♪」

皐月「わーい!間宮さんのスイーツがタダで食べられるぞー!」

菊月「いいのか?斑提督よ」

提督「大丈夫です、問題はございません。その代り、こちらからも少しお願いがございます」

長月「お願いとは何だ?まあ、スイーツを奢ってもらえるうえに資材もいただけるのであれば、お安い御用だが…」

文月「わ~い、文月アイス食べたいなぁ~」

衣笠(…なんで、こんなに優しいのかな?侮辱的な仕打ちを受けたのに…)


 ―数分後、食堂―

ワイワイ、キャッキャッ

提督「では、衣笠さん。私は少し、明石さんに用がございますので、少し席をはずします」

衣笠「あ、うん。分かったー」

439: 2015/10/31(土) 22:16:23.86 ID:mLxXJYFw0
 ―17時過ぎ、波止場―

提督「では、この箱を瑞理提督に渡してください。貴女たちは、この箱は絶対に開けてはいけません。分かりましたね?」スッ

睦月「睦月、了解!」ビシッ

長月「何から何まで世話になって済まない…」

提督「いえ、お気になさらず。では、お気をつけて」

睦月型「今日はありがとうございましたー!!」ペコリ

衣笠「…で、一体何を渡したのさ?」

提督「……あのような仕打ちを受けて、何もしないほど私は優しくはありません」

衣笠「ですよね」


 ―19時過ぎ、第壱拾参鎮守府・執務室―

瑞理「で、貰った箱がこれ?」

睦月「はい!」

瑞理(ま、ハロウィンにかこつけてあいつに精神的ダメージを与えられたし、へへっ。ざまーみろ)

睦月「それでは、睦月たちは補給してきます!」

瑞理「ああ、お疲れさま♪」

榛名「では、榛名も夕食を摂らせていただきます」

瑞理「うん、ごゆっくり~」

パタン

瑞理「…しかし、あいつからプレゼントか…。なんだろ、一体。手紙には『ハッピーハロウィン』…。気持ち悪いけど、とりあえず開けてみよう」パカッ


ピンッ←箱の中のスタングレネードのピンが取れた音


ビッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

ドギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

瑞理「ボケタレ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!!」


[スタングレネード]

爆発時の爆音と閃光により、一時的に周囲の人間に失明、眩暈、難聴、耳鳴りの症状とそれに伴うパニックや見当識失調を誘発させる、手榴弾の一種。

今回使用したものは明石さん特製であるため、爆音の高さと閃光の明るさは、通常のスタングレネードよりも滅茶苦茶高い。


 ―同時刻、食堂―

提督「明石さん特製スタングレネード。間宮さんのスイーツと補給資材6人分であのバカの視覚、聴覚を奪えるのでしたら、安いものです」

衣笠「ホントに提督って、あの人の事嫌いだね…」


【終わり】

440: 2015/10/31(土) 22:20:43.10 ID:mLxXJYFw0
【キャラクター紹介】

≪衣笠≫

青葉型重巡洋艦二番艦。艦娘No.120(改二はNo.142)。ショートヘアと明るい性格が特徴の、ムードメーカー的な存在の女の子。あの青葉の妹だからか、

噂話が大好き。しかし新聞は発行せず、たまに青葉の作る新聞の印刷や編集の手伝いをするくらい。青葉の妹であるが、それはなかなか皆気づかない。

着任したのはつい最近なため、鎮守府の事は大体情報屋の青葉から把握している。提督とは、友達のようなノリで付き合っている。明るくて元気な子。

好きな言葉は『火のない所に煙は立たぬ』。

441: 2015/10/31(土) 22:23:22.75 ID:mLxXJYFw0
今日はここまでにします。

ハロウィンの話、いかがでしたか?


明日は、リクエストにありました伊勢の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。


次回:【艦これ】総司令部の日常【その6】


引用: 【艦これ】総司令部の日常