630: 2015/11/20(金) 21:15:31.51 ID:YLbCKr1I0
こんばんは、>>1です。


 

それでは、投下いたします。

631: 2015/11/20(金) 21:19:54.63 ID:YLbCKr1I0
 ―16時過ぎ、執務室―

大淀「提督!」ガチャ

提督「大淀さん……どうかしたんですか?ノックもなしに」

大淀「先ほど最上さん率いる連合艦隊から電文が……!」

提督&五月雨「!」

大淀「『補給物資の輸送に成功、輸送作戦完遂』……第3海域、攻略成功です!」

五月雨「やったぁ~!」ピョン

提督「よかったですねぇ…。では、最上さん達は今から戻ってくるという事で?」

大淀「ええ……新しく仲間に迎える方を引き連れて……」

五月雨「じゃあ私、最上さん達と新しい艦娘の方の出迎えに行ってきます!」タタッ

提督「あ……お願いします」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
632: 2015/11/20(金) 21:27:56.81 ID:YLbCKr1I0
【準初期艦】

 ―17時前、鎮守府付近海上―

ザザザザ

鹿島「海軍総司令部…ですか…」

吹雪「ええ、私達の鎮守府は他と違いまして…海軍関係の仕事もしなくちゃならないんですよね……」

鹿島「それはまた…やりがいがありそうですね」

吹雪「安心してください!私達が優しく指導させていただきますから!」

鹿島「ありがとうございます。それで、吹雪さんは初期艦と言う話でしたけど…」

吹雪「はい、その通りです!」

五月雨「吹雪ちゃーん!」

吹雪「あれ、五月雨ちゃん?どうしたの?」

五月雨「じつはこれこれしかじかで」

吹雪「あ、そうだったんだ…。じゃあ、鹿島さんを司令官のところに連れて行ってくれるかな?」

五月雨「うん、分かった!吹雪ちゃん達は、入渠ドックへ行ってて!」

鹿島「?」


 ―十数分後、執務室―

鹿島「練習巡洋艦・鹿島、着任しました。よろしくお願いいたします」

提督「よろしくお願いいたします、私がここの提督です。私達は、貴女を快く迎えます」

鹿島「ありがとうございます」ペコリ

提督「聞いているかもしれませんが、ここは海軍総司令部という事で、他の鎮守府とは少し勝手が違い、さらに1人当たりの仕事の量もまた変わってきます。

   一応こちらで、仕事の量は調整しますが、それでもよろしいでしょうか?」

633: 2015/11/20(金) 21:33:35.41 ID:YLbCKr1I0
鹿島「大丈夫です。とても、遣り甲斐がありそうでワクワクします」ニコッ

提督「嬉しそうで何よりです。分からない事がありましたら、他の皆さんにどんどん聞いてください」

鹿島「はい、分かりました」

提督「それと、貴女の姉である香取さんは今、多分寮にいますのでよろしければ後ほどお会いするといいでしょう」

鹿島「ほんとですか?」

提督「では、五月雨さん。すみませんが、そこの棚にある艦娘図録に、鹿島さんの名前だけ書き加えていただけますか?写真撮影と装備や性能のチェックは、

   また後日に行いますので」

五月雨「はい、分かりました!」タタタッ

鹿島「?艦娘図録?」

提督「私が保管している、この鎮守府の艦娘達のリストみたいなものです」

五月雨「きゃあっ!?」

ドッシャーン

鹿島「!?」ビクッ

提督「あー、またやってしまいましたか」

五月雨「うううう…」

鹿島「だ、大丈夫ですか!?」

五月雨「は、はい…」

提督「急に転ぶなんて、どうしたんですか?」

634: 2015/11/20(金) 21:34:46.89 ID:YLbCKr1I0
五月雨「思ったより…図録が重くて……」

提督「大丈夫ですか?」

鹿島「あのー、提督

635: 2015/11/20(金) 21:42:30.23 ID:YLbCKr1I0
五月雨「思ったより…図録が重くて…」

提督「大丈夫ですか?」

五月雨「だ、だいじょぶです」

鹿島「あのー、提督さん?」

提督「はい?」

鹿島「五月雨さんって、さっきも何もないところで転んだり、出合い頭に涼風ちゃんとぶつかったりしてましたけど、もしかして……」

提督「もしかしなくてもドジです」

五月雨「改めて真正面から言われると…辛いです」

鹿島「やっぱり……」

提督「しかし、ドジっ子と侮れませんよ?」

鹿島「え?」

提督「五月雨さんは、私が提督として着任してからかなり初期に来てくれたんですよ」

鹿島「え、でも確か初期艦は吹雪ちゃんって聞きましたけど…」

五月雨「えっと…それは…」

提督「私が提督となり、最初に建造した方が五月雨さんですよ」

鹿島「あ、そうだったんですか…」

五月雨「あの時の提督って、今よりずっと怖かったですもん…」

提督「あの時は、まだちょっと心の傷が癒えていませんでしたからねぇ…」

鹿島「心の傷!?」

提督「まあ、色々あったんですよ」

五月雨(この提督、実は結構怖くてS気質なところがあるんですよ)ヒソヒソ

鹿島(へぇ……それはまた、面白そうですね)ヒソヒソ

提督「聞こえてるぞ、女子のヒソヒソ話」

636: 2015/11/20(金) 21:52:56.37 ID:YLbCKr1I0
鹿島「でも…こんなドジな子が初期に来ていたなんて……うっかりどこかでドジで沈んでしまうような事になってると思ったけど…」

五月雨「流石の私でも怒りますよっ!」

提督「いえいえ、それでも彼女は凄いんですよ」

鹿島「?」

五月雨「攻略困難と謳われていた沖ノ島海域と、北方海域艦隊決戦にも参加してたんですよっ!」

鹿島「えっ、すごいです!」

提督「それも、そのどちらの出撃でも夜戦にて戦艦を撃沈するという功績も上げていますから。それもありまして、練度は吹雪さんに次いで駆逐艦の中で、

   最高です」

鹿島「思いのほかベテランだった!」

五月雨「でしょう?」フンス

提督「っと……それより五月雨さん…また一つお願いが」

五月雨「あ、何でしょうか?」

提督「すみませんが、第4海域の資料が隣の部屋にあったはずですから、取ってきてもらえませんか?」

五月雨「はい、お任せください!」

提督「ああ言った風に、最初期から私の下に居ましたから、鎮守府の事は大体は分かっています。そして、私に従順です」

鹿島「従順って……」

提督「そして、先ほどのような華々しい戦果も挙げていて、この鎮守府でもベテランと言っても過言ではないのですが…」

鹿島「?」


五月雨「きゃーっ!?」ズベシャッ
↑さっき散らばった紙を踏んづけてころんだ


提督「ああいう日常的なドジのせいで、ベテランっぽさが全く感じられないんです」

鹿島「マッチポンプ……」


【終わり】

637: 2015/11/20(金) 21:59:22.17 ID:YLbCKr1I0
【キャラクター紹介】

≪五月雨≫

白露型駆逐艦六番艦。艦娘No.83。蒼い髪とあどけない笑顔が可愛らしい、元気で健気な女の子。自他ともに認めるドジっ子で、日常的にオーソドックスな

ドジをやらかす(佐藤と塩を間違える、パンチラなど)。しかし実は鎮守府最古参組で、あ号艦隊決戦と北方海域艦隊決戦にも参加し、その上夜戦で戦艦を

撃沈せしめたすごいベテラン。初期艦である吹雪と、涼風と仲が良い。白露型と中々認識してもらえないのが少し悩み。

好きな言葉は『為せば成る』。

645: 2015/11/21(土) 21:18:33.46 ID:t9NLSDgY0
 ―11時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

祥鳳「今日、少し暖かいわね…」

瑞鳳「そうだね…平年より少し高いって、さっき天気予報で言ってた…」

祥鳳「こうも暑いと…上着をこうしなきゃ…」ヌギッ

瑞鳳「もう……祥鳳も女の人なんだから、そんな簡単に服をはだけさせちゃだめだよ…」

祥鳳「でも暑いんだもの…」

瑞鳳「私はこれで我慢してるのに……」

祥鳳「…っと、そんな事より、提督に呼ばれているんだった…。行かなきゃ、じゃあね」

パタン

瑞鳳「…あの格好で提督の前に行くのって…」

646: 2015/11/21(土) 21:27:45.10 ID:t9NLSDgY0
【服装議論】

 ―数分後、執務室―

提督「瑞鳳さんのいう事はもっともです。女性がそう簡単に服をはだけさせるんじゃありません」

祥鳳「今日、暖かいんですよ?この服装のままじゃ、汗ばんで気持ち悪いんです…」

提督「戦闘中ならまだしも、ここは室内で、私も男性ですし少しは控えていただきたいです。もしその格好で外に出ようものなら、奇異の目で見られるか、

   性犯罪の被害者になってしまいますよ」

祥鳳「それはまあ……っていうか、私はそこまで非常識じゃありませんよ」

提督「……まあ、人に服装どうこう言われて腹が立つ私が、祥鳳さんに注意できる筋合いじゃありませんけど…」

祥鳳「え……提督って、服のセンスに口出しされたくないんですか?」

提督「そうですねぇ。服は着れればいいですし、さほど奇抜なデザインでもない限りは着ても構わないと思っています」

祥鳳「うーん…最近の男性はファッションにも気を使っているって聞きましたけど…」

提督「正直、ファッションなんてどうでもいいと思っています。ほかにもっと、知恵を使うところがあるでしょうと私は言いたいんです」

祥鳳「そう言えば…私服の提督って、どのような格好なんですか?」

提督「その日の気分によりますね。まあ、自分が着たい服を着ている、と言った感じです。他人の目なんてあまり気にしませんし…それに……」


提督「他人の服装を見てケラケラ笑う人なんて、見た目でしか人を判断できない残念な人と私は認識してますから」

祥鳳「うわぁ……」


提督「まあ、服装に関する問題は、海軍でも問題が多々あるんですけどね」

祥鳳「へ?」

647: 2015/11/21(土) 21:37:29.74 ID:t9NLSDgY0
提督「バレンタインの時、時雨さんとか睦月さんとかが、なぜかバレンタインの調理道具を持って出撃しましたよね?」

祥鳳「ああ…確かにそんな事が…」

提督「それに私が気付いたのは、彼女たちが数回出撃した後で、当然本人とその時の旗艦には厳重注意を施しました。戦闘と関係ないものを持っていくとは、

   万が一で沈んでしまったらどうするのか、と注意しました」

祥鳳「でも確か……その時のみなさんって、‶雰囲気で‶と言ってましたね…」

提督「当然拳骨をして、さらに出撃禁止を命令しましたし…」

祥鳳「しかし、夏は水着で出撃してた人もいましたよね?」

提督「あの水着、ただの水着だと思ってるでしょう」

祥鳳「へ?」

提督「あれ、市販の水着に妖精さんが何らかの力を施して、戦闘でも傷つかないようになっているんです」

祥鳳「そ、そんなことが!?」

提督「今の浴衣にだってそうですよ。まあ、クリスマスの時の服装は、さして戦闘に支障を及ぼしていませんでしたからスルーしましたけど」

祥鳳「妖精さんって……凄い…」

提督「別に鎮守府で着る分には全然構いません。しかし、戦闘ともなれば話は別です。いつ沈んでしまうかもわからないという緊張感漂う状態なのに、

   そんな水着と言う肌を大きく露出させる服装とは…いかがなものかと思います。祥鳳さんのそれも一緒です」

祥鳳「は、はい……」

648: 2015/11/21(土) 21:48:10.02 ID:t9NLSDgY0
提督「さらに問題がもう1つ」

祥鳳「まだあるんですか?」

提督「出撃で被弾する度に、服が破れたりしてしまうでしょう?」

祥鳳「ああ……私達はあまり気にしてませんけど……」

提督「あれ、服装を直しているのは‶縫合妖精‶と呼ばれている、妖精さんです」

祥鳳「ここでまたしても妖精さん!?」

提督「結構な数いますよ。顔はみな違いますけど、実に50人以上います」

祥鳳「そんな数いて顔がみんな同じでしたらよほど怖いですけど…」

提督「そして、この服が破れてしまう、という事にもまた問題があるんです」

提督「中破・大破で服装がボロボロなのに、女性のあられもない姿を見たいがために入渠させないという提督も最近増えてきているんです」

祥鳳「うぅ……なんの羞恥プレイですか…」

提督「実際に、総司令部に向けて迷惑だと直訴してきた艦娘がいまして、そのような行動をとり、かつ艦娘の方が嫌だと申告してきた場合に限り、

   その提督はブラック提督としてシベリア送りとなります」

祥鳳「ああ……」

提督「服装と言うものは、デリケートであり、気を付けなければならないものですからね」

祥鳳「私のこの格好も、気を付けなければ、ですね」


 ―同時刻、第壱拾参鎮守府・執務室―

瑞鶴「ねぇ…提督さん……いつまでこの格好でいればいいの?」大破

瑞理「もうちょっとだけ、もうちょっと」

瑞鶴「もう……いい加減入渠したいんだけど」

瑞理「ちょっと待って、僕が君と火遊びしてからにしてー!」ピョン


提督「なぜか今、すごい不快な気分になりました」

祥鳳「?」


【終わり】

649: 2015/11/21(土) 21:51:42.04 ID:t9NLSDgY0
【キャラクター紹介】

≪祥鳳≫

祥鳳型軽空母一番艦。艦娘No.94。長い髪と、胸にサラシと言う開放的な服装が特徴の、頑張り屋のお姉さん。普段は朗らかに笑っているが、戦闘に入ると、

一転して直情的になる。そしてMVPを取った時は子供のようにはしゃぐ。見た目は優しそうだが、本当は熱い性格をしており、皆を良く励ましたりもする。

室内にいる時の服装は普通の着物だが、戦闘時は着物の左半分をはだけさせる。暑い場合は室内でも脱ぐ。服をはだけさせることに抵抗があまりない。

好きな言葉は『立つ鳥跡を濁さず』。

655: 2015/11/22(日) 21:18:41.94 ID:Poz4LWWp0
 ―11月18日・21時過ぎ、小樽第鉢拾伍鎮守府・執務室―

手稲「‶突撃!海上輸送作戦‶、ですか」

響「大規模作戦かい?」

手稲「いや、期間が2週間弱と、普段より少し短い。それに、海域も前回のように多くはない。中規模作戦と言ったところかな」

響「じゃあ、私達も出撃する事になるのかな」

手稲「うーん…そうしたいんだけど…」チラッ

響「?窓の外に何かあるのかい?」

手稲「…そろそろ、この近海荒れる時期だからねぇ」

響「…そっか」

656: 2015/11/22(日) 21:27:35.51 ID:Poz4LWWp0
【北の海は荒れて】

 ―19時過ぎ、食堂―

ТV『北海道の近海では、この時期になりますとやはり海が荒れてきてしまい、北海道沿岸は全域で高波警報が出ています』

長波「あー、もうこの時期じゃ北海道の鎮守府は出撃できないのかー」パクパク

提督「そうですね。この時期の大規模作戦に参加してくる北海道方面の鎮守府は、結構少ないですね」パクパク

早霜「……海が荒れてるのに出撃する鎮守府もあるなんて…無謀、ね」モソ、モソ

提督「まあ、言ってしまえばそうですが」パクパク

長波「でもさー、そうなると北海道側の鎮守府って不利じゃね?大規模作戦で仲間にできる艦娘もいないし、勲章ももらえないし…」

提督「そう言った面の救済もあります」

早霜「……例えば、どんな?」

提督「まず、資源を各2000贈呈します」

長波「えっ、そんなに?」

提督「遠征にも出せないのだから当然でしょう。後他には、勲章を各鎮守府に1つずつ差し上げます」

早霜「……そんなにホイホイ勲章をあげるなんて、勲章としての価値が下がってしまうのでは?」

提督「まあ、仕方ありませんから」

長波「でも確か、この時期って遠征も出撃も演習もできないんだろ?いいな~」

提督「こちとらそんな事言ってる場合じゃないんですよ。各鎮守府からの攻略情報をまとめる上に、私の鎮守府も作戦を攻略しなければならないのに……」

長波「て、提督?」

提督「畜生め……駆逐水鬼…潜水棲姫…戦艦棲姫……許すまじ」

長波「な、なあ…この提督…大丈夫か?」

早霜「……何日も連続で徹夜している上に新しく入ってきた鹿島さん以外で貴重な艦娘が来ていないから、イライラが頂点に近づいているのよ」

657: 2015/11/22(日) 21:37:02.89 ID:Poz4LWWp0
 ―大規模作戦発令2日目・10時過ぎ、第鉢拾伍鎮守府・講堂―

手稲「えー…わが鎮守府近海にも波浪警報が出ているため、出撃は困難な状況にあります」

皆「………………」

手稲「ですので、休み以外の艦娘の方々は、いつでも出撃できる状態にしておいて、各自待機しておいてください」

皆「はーい!」

手稲「明石さんは工廠で待機、間宮さんと伊良湖さんは食堂でいつも通りにしていてください」

明石&間宮&伊良湖「分かりました」


 ―同時刻、第壱鎮守府執務室―

神通「て、提督……第2海域攻略にはドラム缶が必要です…」

提督「まさか大規模作戦でドラム缶が必要になる日が来ようとは……」

神通「それと……海域ボスのいる場所まで行くには、特定の海域を通過したうえ、ドラム缶を特定数以上運んで、その上にそこまで行ける固定メンバーは、

   私と浜風ちゃん、雪風ちゃん、三日月ちゃん、皐月ちゃんで……」

提督「なんだその固定条件!つまりはその方たちに数回以上連続で出撃させなければならないって事ですか!ブラック鎮守府にしたいんですか!誰だ、

   そんな面倒な攻略様式に決めたバカは!」ガーッ!!

神通「ひ、ひぃっ!提督が、キレたぁぁ!」


軽巡棲姫『ヘックシュン!……ウゥ……誰カガ私ノ噂話ヲシテイルノカシラ……」

658: 2015/11/22(日) 21:45:40.25 ID:Poz4LWWp0
 ―大規模作戦発令3日目・11時、第鉢拾伍鎮守府・講堂―

手稲「えー、今日は近海の海はあまり荒れていませんが、遠洋の方はまだ荒れていますので、今日は鎮守府近海の哨戒とします」

皆「はーい」

手稲「基本的に軽巡洋艦と駆逐艦の方を起用します。駆逐艦と軽巡洋艦の方で休みでない方は各自いつでも出撃できる状態で待機。その他の方は………

   もうすぐ雪の季節になりますので、雪かき用の道具の準備と手入れをお願いします」

皆「了解でーす!」

手稲「ああ、それと哨戒に向かう方は、できるようであれば漁船の護衛もできればお願いします」


 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

あきつ丸「提督殿……どうやら第3海域は、輸送任務用の特別な連合艦隊のシステムが実装されたそうであります」

提督「輸送任務用?」

あきつ丸「そして、ボスを倒すためにはドラム缶を複数個持っていき、ボス艦隊に勝利して輸送物資を運ばなければならないようであります。さらに、

     今回の作戦で空母は起用できないのであります」

提督「またか!またそんな面倒くさいシステムの海域か!なんなんだ、今回の作戦少し攻略方法が変すぎやしませんか!?しかもドラム缶積んでしまったら、

   火力不足で敵艦隊旗艦を倒せなくてS勝利が超困難になって、レアな艦娘の方を迎え入れる事ができなくなってしまうんです!ド畜生めが!誰だよ、

   そんな面倒な攻略方法設定しやがった馬鹿野郎は!」

あきつ丸「お、落ち着いてください、提督殿!お気を確かに!」


水母棲姫『ハクチュン…!ウゥ……風邪カシラ……一応、るる飲ンデオコウカシラ』

659: 2015/11/22(日) 21:53:24.39 ID:Poz4LWWp0
 ―大規模作戦発令4日目19時過ぎ、第鉢拾伍鎮守府・講堂―

響「ただいま、司令官」

手稲「おや響、お帰り」

響「今日最後の哨戒任務が終わったよ」

手稲「ご苦労様。明日からは近海もまた荒れ模様らしいし、明日はまた鎮守府籠りになってしまうかな…ははは」

響「この鎮守府、冬の間は引きこもりみたいだよね」

手稲「身もふたもないような表現はやめなさい」


 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

大淀「…提督、連合艦隊が第4海域ボス海域から電文を送ってきました」

提督「戦果はどうでしたか?」

大淀「……敵旗艦の潜水棲姫の撃破には成功…ただ、戦艦棲姫を倒せなかったためにS勝利できず、A勝利でした……」

提督「ホントなんなんだ戦艦棲姫!お前必要ないだろ!お前のせいでS勝利が困難なんだよ!S勝利できないから今作戦限定艦娘はおろか、貴重な艦娘が

   手に入んないんだよ!大体何で潜水棲姫のお供がそんな凶暴なんなんだ!せめてお供は潜水艦で固定するかもっと軽い奴にしなさいよ、丙作戦なのに!

   せめて、空母ヲ級改flagshipぐらいにしとけ、戦艦棲姫いらんがな!もういっそのこと、お前がボスになっちまえ!!」ウガーーーーーーーーー!!!

大淀「て、提督がご乱心なさった~!」


潜水棲姫『フェックシュン……風邪カシラ……』

戦艦棲姫『大丈夫?気ヲツケナサイネ』

660: 2015/11/22(日) 22:01:34.03 ID:Poz4LWWp0
 ―大規模作戦発令5日目、第壱鎮守府・執務室―

提督「また補給作戦か!!もうたくさんだ!私がやりたいのは敵旗艦を倒してゲージを破壊する、爽快感溢れる大規模作戦だったのに!それなのになんなんだ、

   またしてもドラム缶必須の海域か!それとPT小鬼群が腹が立つんですよ!体力がたった9しかないのに全然倒せないし雷撃戦で大ダメージ与えるし!

   ドラム缶のせいで火力不足でボスを倒しきれないし!というか今回のイベント、新規艦娘が少なすぎるのにそのくせしてS勝利が取りにくい強さだし!

   なんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」スペペペペペペペペペペペペペペペペペペーン

司令長官「だ、誰か手伝って!黎明君を休ませるんだ!強制的にでも休ませよう!!」

長門「任せろ、この私が正気に戻してやる!」

扶桑「あの提督がここまで乱心するなんて……」

山城「もう、一週間ぐらい徹夜してるって話もあるわ…」


 ―同時刻、第鉢拾伍鎮守府・執務室―

手稲「今頃、大規模作戦は順調に進んでいるかな」

響「参加したかったかい?」

手稲「いえ、皆さんが傷つくのを見ているのはいたたまれませんし、正当な理由があってイベントに参加しなくてもいいというのであれば、参加しない方が

   いいですよ」

響「…司令官って、存外怠けものなんだね」

手稲「ははは…最近そう思いはじめましてね」


 ―数十分後、第壱鎮守府・執務室―

提督「フーッ!フーッ!!」

間宮「て、提督!少々お茶とスイーツで休憩にでもしましょう!」

明石「作戦どころじゃないよ、これ!」


【終わり】

668: 2015/11/24(火) 21:15:15.75 ID:aiq2ERD40
 ―15時過ぎ、食堂―

提督「……ふぅ。すみません、落ち着きました」

司令長官「黎明君、徹夜のし過ぎは体を壊すよ?」

間宮「っていうか、精神が壊れかかってましたよ?」

大淀「ともかく、今日の夜はもうお休みになられた方が良いと思います」

提督「そうですね……まあ、書類が片付いてきた頃ですし、今日は休みますかね」

長門「書類が残っているのなら、私に任せておけ」

加賀「私にもね」

提督「すみません…お願いします」


 ―数十分後、執務室―

利根「あー、スマンが提督…いま良いか?」ガチャ

提督「利根さん、どうしたんですか」

利根「その……だな……」

提督「?」

利根「演習を……したいのだ」

669: 2015/11/24(火) 21:24:37.13 ID:aiq2ERD40
【不機嫌カタパルト】

提督「演習、ですか?」

利根「うむ、その通りじゃ」

提督「なぜ、今?」

利根「知っての通りだが、今吾輩たちは第5海域・バニラ湾に出撃して居るだろう?」

提督「ええ、そうですね。やっと忌々しい補給ゲージを破壊しましたから」

利根「それで、そこに出撃している艦隊は川内、時雨、江風、夕立、浦風、北上だったな?」

提督「ええ、どうやら川内さん、時雨さん、江風さんを同じ艦隊に編成し、さらに軽巡洋艦と駆逐艦を合計5隻編成しなければ出撃できないので………」

利根「しかも、江風はまだ改造していない、未改造状態ではないか」

提督「…正直、江風さんには悪い事をしてしまったと思っています。この大規模作戦が終わったら、江風さんに何かお礼でもしなければ…」

利根「それで、1つ思ったのじゃ」

提督「?」

利根「練度がまだ低い江風が嫌がらずに出撃しており、順調に練度を上げてきている。しかして、吾輩たちはどうだろう?」

提督「つまり?」

利根「吾輩たちはまだ大規模作戦で出撃しておらんし、最近になって体が鈍ってきたと実感している。まあ、他の大規模作戦に出撃していない者たちは、

   休めると喜んでおったが、吾輩はどうもそうはいかんのだ」

提督「なるほど………利根さんは、案外真面目なのですね。普段は落ち着きがない言動で、筑摩さんに頼りっきりでしたし…」

利根「その言い方では吾輩が子供っぽいようではないか!お主、今まで吾輩の事を何だと思っておったのじゃ!?」

提督「子供っぽい」

670: 2015/11/24(火) 21:34:00.12 ID:aiq2ERD40
提督「別に演習をするのは構いませんが、今の時期だと、どの鎮守府の第一艦隊も大規模作戦攻略のためにかなり高練度の編成を組んでいますけど、それでも

   よろしいんですか?」

利根「戦う相手が強ければ強いほど、吾輩の戦闘欲も掻き立てられるモノじゃ!」

提督「そんなもんなんですか……では、演習を行うのは明日、旗艦は利根さんで、他のメンバーはこちらで決めさせていただいてよろしいでしょうか?」

利根「合点じゃ!」


 ―翌日10時前、演習海域―

利根「さーて、腕の見せどころじゃな!」

筑摩「利根姉さん、カタパルトの調子はどうですか?」

利根「万全じゃ!演習前に何度も検査したからのう」

飛龍「そのセリフ、前に一緒に出撃した時も聞きましたよ?」

蒼龍「そうそう、それで結局故障しちゃって」

利根「あ、あの時は!」

比叡「はいはい、皆さん世間話はそのぐらいにしましょう。もうすぐ演習が始まりますよ」パチパチ

阿武隈「頑張らなくっちゃ……」ムン

利根「提督曰く、演習を受け付けている鎮守府の中で、強くも弱くもない艦隊を選んだそうじゃ…楽しみだのう」

筑摩「ええ、頑張りましょう!」


 ―約1時間後―

ズッドオオオオオンン

飛龍「大和型が来てるなんて聞いてないわよ!」中破

筑摩「おそらく……相手方の鎮守府が直前で編成を変えたんでしょう…小癪な」小破

利根「任せるのじゃ!大和型など、吾輩の弾着観測射撃の前では赤子も同然!」ガシャン

蒼龍(すっごい氏亡フラグ)

利根「まずは零式水上偵察機、発艦!敵艦の位置を―」

671: 2015/11/24(火) 21:39:46.15 ID:aiq2ERD40
ガチャガチャ

利根「むっ?」

ガチャガチャ

筑摩「?姉さん、どうしたんですか?」

比叡「まさか、またカタパルト不調ですか?」

蒼龍「あはは、そんなことないでしょ~?」小破

阿武隈「そうですよね、演習前に何度もチェックしたって言ってましたし」


利根「カタパルトが不調じゃ!」


全員「なにいいいいいいいいいいいいいいい!?」

筑摩「姉さん、本当ですか!?」

利根「本当じゃ!ここで吾輩が嘘をつくメリットが見つからん!」

零式水上偵察機妖精「何で動かないのー?分かんない!」

利根「むぅ……妖精さんでも分からんようじゃ…」

阿武隈「あ、あのー……」

利根「なんじゃ、どうした阿武隈?」

阿武隈「向こうの大和さん、こちらに照準を―」

ズドゴオオオオオオオオオオン

利根「あひいいいいいいいいい…………」大破

筑摩「姉さーん!!」


 ―12時前、執務室―

利根「すまぬ…提督……お主の期待に応えられなかった……」

提督「いえ、貴女が謝る事はありません。実は、演習を申し込んだ時とさっきの演習での編成、誤差がありました」

673: 2015/11/24(火) 21:51:39.44 ID:aiq2ERD40
利根「分かっておる。吾輩も、事前に今回の演習では相手方の艦隊に大和型は組まれていないとお主から聞いておったし」

提督「向こうの鎮守府に何らかの理由があるにしろ、こちらに連絡もせず勝手に編成変えた向こうは完全に違反です。規定でも、編成の変更がある場合は、

   必ず相手方にその旨を連絡するように決められていますから」

利根「むぅ………」

提督「ただ、あそこの鎮守府は別に常習犯と言うわけではありませんし、知らなかったのでしょう。各資源マイナス2000で勘弁してあげます」

利根「結構な代償を……その没収した資源はどうするのじゃ?」

提督「まだ設立してから間もない鎮守府に分配します。こちらがこの演習で勝利したのであればまだペナルティーも課さずに許す事は出来ましたけれど、

   今回の演習でこちらはD敗北を喫してしまいましたから、当然と言えるでしょう」

利根「しかし……やはり吾輩のカタパルトが不調を起こしたせいで…」

提督「そのことなんですけど……」

利根「なんじゃ?」

提督「利根さんのカタパルトは、出撃・演習では必ずと言っていいほど高確率で故障しますよね?他の皆さんからもそのような事を聞きました」

利根「そうなのじゃ……明石に見てもらった上で、妖精と一緒に点検をして、ちゃんと異常がないことを確認したというのに、なぜか故障して……」

提督「しかし、1回目の戦闘で故障したものの、2回目の戦闘で故障が見られなかった事で、戦闘に支障が出なかったと」

利根「うむ……前にオリョール海に出撃した時の話なんじゃが、1回目の戦闘―Cマス(敵巡洋艦隊)での戦闘でカタパルトが故障してしまったんじゃが、

   2回目の戦闘―Fマス(敵強襲揚陸艦隊)での戦闘では直っておったんじゃよ」

提督「なるほど………その原因は、妖精さんにもわからないと」

利根「うむ、首を振って『何でだろう、分かんない』と言っておったぞ」

提督「分かりました……一度、本格的に明石さんに点検してもらいましょうか」

利根「む?」

674: 2015/11/24(火) 22:00:07.37 ID:aiq2ERD40
 ―13時半過ぎ、工廠―

明石「利根さんのカタパルトですか?」

提督「一度、本格的に点検をすべきかと思いまして」

明石「あー、確かにそうですね……。私が損傷を直す時も、艤装は妖精さんに直してもらってるし……一度、私自身の手で点検する必要もあるかも…」ワキワキ

提督「その手つきを止めなさい」

利根「しかして、その間吾輩のカタパルトはどうするのじゃ?」

提督「筑摩さんのを借りましょうか」

利根「筑摩のをか?そんなこと…できるのだろうか…」

提督「多分できますよ。同型艦ですし」

明石「私も……できると思いますね」

利根「む、分かったのじゃ!では明石、よろしく頼むぞ」

明石「はい、お任せください」

提督「……カタパルトの不調ですか…」

明石「?」

提督「おそらく、軍艦であった‶重巡洋艦・利根‶の時の事象が反映されているんでしょうね」

明石「ああ、私たち艦娘にはそういう事がありますからねぇ」

提督「艦娘のメカニズムは未だ不明瞭です。ただ、今現在で分かっているのは、皆さんは過去の軍艦の記憶と事象を記憶し、それに伴う艤装と性格、

   トラウマ……。おそらく利根さんのカタパルトも、それと同じなのでしょう」

明石「確かにそうですねぇ…まあ、おそらくカタパルト不調は利根さんのだけだと思いますが…」


 ―数日後、執務室―

利根「すまぬ提督…筑摩のカタパルトを借りて演習をしたら、故障が起きて……」

提督「ますます分らなくなった」


【終わり】

675: 2015/11/24(火) 22:05:09.07 ID:aiq2ERD40
【キャラクター紹介】

≪利根≫

利根型重巡洋艦一番艦。艦娘No.63(改二はNo.188)。威厳のある言葉遣いと屈託のない笑顔が特徴の、頼りになるお姉さん。妹の筑摩が世話焼きなせいか、

利根自身は筑摩に頼りっきりなところもある。2人の身長差から、筑摩が姉と間違われることも。カタパルト不調にいつも悩まされておりその原因は不明。

実は積極的な面もあり、自ら進んで出撃・演習を志願する事も。改二になるのに改装設計図が必要な事に疑問を抱いている。日々是牛乳。

好きな言葉は『将を射んとする者はまず馬を射よ』。

676: 2015/11/24(火) 22:08:49.28 ID:aiq2ERD40
今日はここまでにします。

>>603
  利根の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

>>667
  了解しました。


明日は、リクエストにありました三川艦隊(メンバーは古鷹、加古、青葉、衣笠、天龍、鳥海で行きます)の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




E-4のレア艦掘りで消費する資材よりも、E-5を攻略するのに消費する資材の方が少ないという事に気づき、E-5を丙作戦で攻略する事に。

しかし、PT小鬼群がすごい邪魔で面倒くさい。

682: 2015/11/25(水) 21:15:58.11 ID:jddew44k0
 ―9時過ぎ、重巡洋艦・青葉&衣笠の部屋―

青葉「あーあ…大規模作戦中と言うのに、暇ですねぇ…」

衣笠「そうだね……別に演習も無し、遠征もなしで…出撃とかないし…」

青葉「今攻略している第5海域は、水雷戦隊じゃなきゃだめで、雷巡と航巡が有効っての言うのがもっぱらの噂ですし、私達が起用される可能性は低いです」

衣笠「でも、ここまで何もないと、暇だよね~…」

青葉「あー…じゃあ気晴らしに間宮さんのところにでも行きますか?」

衣笠「間宮さんのところに?何で?朝からいきなりスイーツは嫌だよ」

青葉「いえいえ、おそらく待機中であろう方々にインタビューして何かいいネタを見つけるんですよ」

衣笠「そんな理由だと思ったよ」

683: 2015/11/25(水) 21:22:13.78 ID:jddew44k0
【三川艦隊で】

 ―数分後、食堂―

古鷹&加古「あっ」

天龍「おっ」

鳥海「あら」

青葉&衣笠「あ」

古鷹「どうかしたの、2人とも?」

青葉「いやー…あまりに暇すぎて、暇つぶしに何かあるかなって食堂へ…」

衣笠「そういう古鷹と加古は?」

古鷹「私達も大体同じ理由…あと、加古があまりにも寝過ぎるから…」

加古「あたしゃ休めるんだったら1日中休みたいけど、古鷹が起こしてきて…」

青葉「ははっ、加古らしいですねぇ」

加古「そう言えば、天龍は?いつも龍田と一緒なのに…」

天龍「龍田なら今、各鎮守府への電文と通達で忙しいぜ」

古鷹「龍田ちゃんが?珍しいね……いつもは大淀さんがやってるイメージがあるけど…」

天龍「なんでも、第4海域で大淀を出撃させて疲れてるだろうからって、比較的そっち方面の事が得意な龍田が代役を務めてるんだと」

青葉「……なんか、龍田さんが鎮守府へ通達って言われると、何か脅してるイメージが強い気が……」

衣笠「あー、青葉?そういうのはあんまり本人の前で言わない方がいいって…」

青葉「え、本人?」クルッ


龍田「………………………」ニコォ

684: 2015/11/25(水) 21:30:25.78 ID:jddew44k0
 ―数秒後―

青葉「」チーン

龍田「じゃあ、失礼するわね~」

加古「あの数秒で青葉をここまでに…やはり天才か」

衣笠「青葉、大丈夫~?」

青葉「か、かろうじて……」プルプル

天龍「あ、鳥海はどういう理由で?いつも摩耶さんと一緒じゃなかったっけか?」

鳥海「摩耶姉さんは、第1海域で出撃して、大きなダメージ受けちゃったから、提督から休むように言われてるんです。で、今はぐっすり…」

加古「いーなー…あたしもグッスリ眠りたい…」

青葉「そんな事言ってますけど、加古って朝礼の時ほとんど遅刻してますよ?私達よりもぐっすり寝てるじゃないですか」

加古「平日の睡眠と休日の睡眠は別もんなんだよ~」

天龍「まあ、分からなくはないが…」

古鷹「…それにしても、久々だね」

衣笠「何が?」

古鷹「元‶三川艦隊‶で集まるのって」

天龍&青葉&衣笠&鳥海「あ…………」

古鷹「あの時は、考えられなかった事だよね……。同じ艦隊のメンバーで、今はこうして女の子の体を持って、話をする事ができるなんて…」

加古「あー、あー、やめやめ!そんな辛気臭い話は無しにしてよ!せっかくの休日がなんかダメになる気分!」

青葉「そ、そうですよ古鷹~…もー、古鷹は変なところで真面目になって~」

衣笠「でも、その真面目なところが古鷹のいいとこだよね」

青葉「で、提督から一目置かれていると噂が広がっているんですよね、分かる分かる」

古鷹「ええっ!?やっ、そんなぁ、そんなことないよぉ!私は別に提督なんて―」

685: 2015/11/25(水) 21:36:34.32 ID:jddew44k0
衣笠「嫌いなの?」

古鷹「そんなわけない――――――――あ」

青葉「青葉、聞いちゃいました」ニヤニヤ

衣笠「ほうほう」ニヤニヤ

天龍「おやおや」ニヤニヤ

鳥海「あらあら」クスクス

加古「ZZZZZ……」

古鷹「も、もおおおおおおおおお」


 ―同時刻、執務室―

提督「……くしゅっ」

龍田「あら~、提督~?くしゃみなんて珍しいわね~」

提督「…最近、急に寒くなってきましたからねぇ…風邪に気を付けなければ……」


 ―食堂―

天龍「しかし…暇だな……」

鳥海「そうですね……出撃が無くて休めるのはいいんですけど……」

加古「ZZZZZZ…………」

古鷹「いっ、いい加減に起きて!」ゴスッ

加古「うぶふぅ………」ムクッ

青葉「あ、チャンバラでもしますか?」

衣笠「チャンバラ?」

青葉「ええ、屋内演習場は空いていますし」

古鷹「あ、面白そう!」

青葉「じゃ、早速やりましょう!」

686: 2015/11/25(水) 21:44:01.77 ID:jddew44k0
 ―1時間後、屋内演習場―

衣笠「うぅ……強すぎる……」

鳥海「くっ………」

古鷹「あ、あれ?手加減したつもりなんだけど…」

天龍「この俺が負ける…だと?」

青葉「いやぁ……古鷹は相変わらず強いですねぇ……」

加古「そうなんだよなぁ……一度も勝った事なんてねーし…」

衣笠「流石武勲艦だね」

古鷹「たまたまだよ~」

天龍「……………………」ドヨーン

衣笠「あれ、天龍どしたの?」

鳥海「あれですよ。常に帯剣して戦闘でも剣術で戦ってるのに、ただのチャンバラで負けてしまった事に打ちひしがれてるんですよ」

天龍「ただの…チャンバラに……」

加古「鳥海って何気にひどい事言ってるよな……」ヒソヒソ

青葉「あ、あれですよ…破天荒な姉がいるから、たまの休日くらいストレスを発散したいんですよ…」ヒソヒソ

衣笠「青葉、あんたも結構ひどい事言ってるよ…」ヒソヒソ

古鷹「あ、あれって霧島さん?」


鳥海「あ、霧島さん」

霧島「あら、鳥海さん。せっかくの休日、満喫してるかしら?」

鳥海「ええ、まあ……」

霧島「私も、大規模作戦が終わってからは、休みをもらえるようになってるけれど……」

687: 2015/11/25(水) 21:50:59.58 ID:jddew44k0
鳥海「すみません…私だけ……私なんて、4連徹夜でギブアップしてしまって……でも、霧島さんはもう5連徹夜でしょう?すごいです」

霧島「いえ、貴女も十分頑張ってるわ。じゃ、せっかくの休日を楽しみなさいね。私はちょっと気晴らしに歩いていただけだから」スタスタ

鳥海「は、はいっ!」


古鷹「………鳥海さん、今日昼ごはん奢ってあげるよ」

鳥海「?ありがとうございます」

加古「このコーラ、やるよ…」

鳥海「ど、どうも……」

青葉「鳥海さん、今度仕事代わってあげますよ…」

鳥海「?どうしたんですか、急に?」


 ―数時間後、重巡洋艦寮・休憩室―

青葉「しかし、暇ですねぇ……」

加古「だー、もー、昼めし食って眠いんだし、寝かせてよ~」

古鷹「もう、しょうがないなぁ……」

衣笠「まぁ、私も眠かったし……ふわぁぁ…」

天龍「俺も…少し……」

青葉「むぅ……ただでさえ鎮守府の中は暖かいゆえ、ご飯を食べた後の満腹感で皆さん緊張が切れてしまってるのでしょうか……」

鳥海「私は……どうしようかしら……」

青葉「貴女はむしろ寝た方がいいですって」

688: 2015/11/25(水) 21:57:10.15 ID:jddew44k0
 ―数分後―

加古「ぐー……かー……」

古鷹「すぅ………すぅ………」

天龍「…すー……すー……」

青葉「すぴー……すぴー……」

衣笠「ふー……ひー……」

鳥海「ス……ぴ……」


那智「む?どうしたんだ、こいつら。6人で川の字に寝てるとは…」

妙高「日頃の出撃で疲れているのよ、きっと。寝かせてあげましょう」

足柄「それにしても、皆気持ちよさそうに寝てるわね~」

羽黒「でも、皆さん……」スッ

那智「?」


羽黒「皆さん、手握ってますよ?」


妙高「あら」クスッ

足柄「へぇ~…結構ロマンチックじゃない」

那智「なんだ、手を握ってほしいのか」

足柄「違うわよっ」


 ―20時過ぎ―

青葉「しまった!もう20時です!!」

古鷹「ええっ!?寝過ごしちゃった!!どうしよう!?」

加古「あー腹減った……起きる…」

鳥海「……うう……データ……頭が……」

衣笠「鳥海、目を覚まして!!」

天龍「夢でも仕事とか…どんだけ仕事中毒なんだよ、鳥海…」


【終わり】

696: 2015/11/27(金) 21:10:56.02 ID:tR/70j1q0
 ―10時過ぎ、執務室―

提督「えー、データ課の霧島さんと鳥海さんですが、連日の徹夜と書類整理によって、疲労度が大変な事になりました」

高雄「ええ、存じております。鳥海は今、摩耶と一緒に部屋におります」

提督「そこで、貴女方2人には、少しの間だけデータ課で仕事をしていただきたいのですが……」

妙高「構いませんわ」

高雄「私も同じくです」

提督「では、申し訳ございませんが、少しの間よろしくお願いいたします」

高雄&妙高「はい!」

697: 2015/11/27(金) 21:17:32.64 ID:tR/70j1q0
【隣の芝は青い】

 ―10時過ぎ、データ課室―

高雄「よいしょ…っと」ドサッ

高雄「ふー……すごい数の書類ね……」

妙高「まあ、この国の全ての鎮守府の戦力データがここに集中してるんだから、当然と言えば当然よね」

高雄「それで、この戦力データをもとに戦績表に反映していくと…」

妙高「しかもそのすべてが手書き……気が遠くなりそうね……」

高雄「まあ、地道にやっていくしかないわね…」

妙高「そうね……はぁ、腱鞘炎になりそう……」


 ―約1時間経過―

高雄「………………………」カリカリカリカリ

妙高「………………………」カリカリカリカリ

高雄「ふぅ………疲れたわね…」コキコキ

妙高「そうね~……」ノビー

高雄「んっん~…!」ノビー

プルン

妙高「……………」

妙高(大丈夫……私は平均かそれ以上あるわ……)

高雄「?どうかしたの?」

妙高「あ、ううん…何でもないわよ」アセッ

698: 2015/11/27(金) 21:30:11.25 ID:tR/70j1q0
妙高「それにしても、霧島さんと鳥海さんは凄いわねぇ…」

高雄「?急にどうしたの?」

妙高「この部屋のデータ、全部霧島さんと2人で分担で処理してるんでしょう?凄いじゃない。私達も同じ2人でやってるのに1時間で音を上げて…」

高雄「まあ……確かにそうねぇ」

妙高「そういう意味も含めて、霧島さんと鳥海さんは凄いって言ったのよ。それに鳥海さんは武勲艦って言うし…羨ましいわね~、そんな根気強い妹がいて…」

高雄「何言ってんの、貴女には那智さんがいるじゃない」

妙高「確かに那智は根気強いけど、どこか女性らしさが欠けてるって感じがしなくもないのよ」

高雄「ああ…分かるわね…なんとなくだけど。でも、提督に褒められたら少し照れるのも女性らしさって言えないかしら?」


那智『司令官。リランカ島の攻略に成功したぞ』

提督『お疲れ様です。そして、よく頑張ってくれました。ありがとうございます』

那智『ふ、ふんっ。別に、これしきの事…!///』


妙高「あれ、女性らしさって言うのかしら…」

高雄「それに比べてうちの次女の愛宕ったら…提督を誘惑する事しか頭にないような感じがするし…」

妙高「でも、彼女は結構女子力高いわよ?この前なんて、自前のクッキーを駆逐艦のみんなに配ってたそうじゃない」


愛宕『みんな~、遠征お疲れさま♪ご褒美に、私特製のクッキーをプレゼントするわね~』

駆逐艦ズ『わーい!愛宕先輩、ありがとー!』

愛宕『ふふふ、どういたしまして~』


高雄「まあ、あの子は料理が元々得意だから…」

699: 2015/11/27(金) 21:37:35.95 ID:tR/70j1q0
高雄「というか、女子力の高い妹って、羽黒ちゃんがいるじゃない」

妙高「うーん…羽黒って、女子力がそこまで高いかしら…?」

高雄「高いわよ~。提督の秘書艦してる時なんて、さりげなくコーヒーを注いであげてるし…」


羽黒『し、司令官さん…その…どうぞ』カチャ

提督『おや、すみませんね』

羽黒『い、いえ…これしきの事…』


高雄「その他色々、妙高の見てないところで頑張ってるのよ?彼女」

妙高「そうだったの……羽黒ったら、おどおどしてて泣き虫なイメージが強くって…」

高雄「姉としてそれはどうなの……」

妙高「でも、摩耶ちゃんみたいな妹も欲しかったな~…」

高雄「え?摩耶が?」

妙高「あの、いつもは反抗的な態度を取っているようで、時折見せる素直な表情と言葉に胸を打たれるというか…」


摩耶『……何であの時かばったんだよ』

赤城『あの時貴女は、あと一歩のところで轟沈するところでした…。それに、大切な仲間を失いたくなかったから…です』

摩耶『……………ありがと、な』


高雄「でも、それ言ったら足柄さんも似たような感じじゃない」

妙高「うーん……足柄は…ただ戦う事が楽しくて仕方ない…ちょっと女性としてどうなの、ってところがあるし…」

700: 2015/11/27(金) 21:43:58.08 ID:tR/70j1q0
高雄「でも、彼女と一緒に出撃した時、結構楽しかったわよ?」


足柄『戦場が!勝利が私を呼んでいるわ!!』

高雄『ふふっ、どんな戦いになるのかしら、楽しみね』

足柄『でも、心配する事はないわ。私がいるんだから、勝利は間違いなしよ!』


高雄「彼女の言葉には、戦意高揚の効力もあるのかしら」

妙高「そんな効力絶対ないと思うわ」

高雄「でも、自分の妹の魅力って、案外自分じゃ気づかないものよねぇ」

妙高「確かにそうね……。それで、他人の妹の魅力にばかり目が行って羨ましくなって……」

高雄「って、こんな話無し無しね。さ、早く仕事に戻りましょう」

妙高「そうね、まだ仕事はたくさんあるから……」

高雄「あー、でも羽黒ちゃんの守ってあげたい感じはいいわね…」

妙高「それなら、鳥海ちゃんの女の子らしさと武勲艦としての働きを併せ持ってるのもまた……」


提督(おばちゃん同士の井戸端会議か)


【終わり】

701: 2015/11/27(金) 21:55:30.23 ID:tR/70j1q0
【キャラクター紹介】

≪高雄≫

高雄型重巡洋艦一番艦。艦娘No.59。おっとりした感じでふかふかな体が特徴の優しいお姉さん。かつては御召艦としての役割も務めていたためか、女子力は

意外と高め。妙高と仲が良く、よく一緒に食事を摂ったり出かけたりしている。後輩の指導に関しては優しくも厳しいスタイルを貫き、深海棲艦との戦闘では、

一切の躊躇と遠慮をしない。ふくよかなスタイルに加えて『馬鹿め』という言葉遣いから、一部鎮守府のマゾ提督には人気の様子。

好きな言葉は『千里の道も一歩より』。


≪妙高≫

妙高型重巡洋艦一番艦。艦娘No.55(改二はNo.191)。シックなどこか大人じみた雰囲気が特徴の、優しいお姉さん。個性豊かな妙高型をまとめる姉であり、

その真面目性格を提督から認められている、優秀な人。戦闘スタイルは慎重派で、突っ走り過ぎる足柄をたしなめる役割も請け負う。怒ってしまった時は、

逆に穏やかな笑みを浮かべて周りを戦かせる。怒らせると怖い人。歳の事とか雑コラとかで馬鹿にしてはならない。

好きな言葉は『転ばぬ先の杖』。

707: 2015/11/29(日) 21:06:25.04 ID:T3yu7zPO0
 ―15時過ぎ、第壱拾参鎮守府・工廠―

明石「……っこいしょっと……ふぅ~…」ガシャァン

瑞理「明石ちゃん、お疲れさま~」

明石「ああ、提督…お疲れ様です…」

瑞理「?疲れてるようだけど」

明石「ええ……大規模作戦で負傷する艦娘の艤装が増えて……それで疲れが溜まっちゃって…」

瑞理「なんなら、手っ取り早く疲れを抜く方法があるけど…」ワキワキ

明石「夜のお相手ならお断りですよ」

瑞理「ありゃ残念……けど、明石ちゃんの負担が増えてきてるのは確かだしなぁ……」

明石「いえ、私の苦労何て提督に比べれば……」

瑞理「…そろそろ、整備員を雇おうかな」

708: 2015/11/29(日) 21:18:21.53 ID:T3yu7zPO0
【直すのは人の手】

 ―17時過ぎ、第壱鎮守府・執務室―

瑞理『と言うわけで、整備員を1人雇いたいんだけど』

提督「…事情は分かりました。しかし、そう言った話は直に会って話していただきたかったのですが」

瑞理『だってお前の顔直に見るの何て嫌だったし。あ、整備員の子は可愛い子にしてね~』プツッ

提督「…まったく」カチャン

比叡「?司令?さっきの方は?」

提督「瑞理さんからです。工廠の人手不足解消のために整備員を1人雇いたいとのことです。まったく、大規模作戦中に仕事を増やしてくれる…」

比叡「あれ?そう言った整備員とかの話って、総司令部に直接来るんですか?」

提督「ええ、機関関係の部署は今は存在しませんし、総司令部で総括しているんです」

比叡「…そもそも、整備員ってどうやって養成してるんですか?」

提督「それはですね…海軍学校で整備員も養成してるんです」

比叡「?」

提督「海軍学校には、提督になるための学科である司令科と、整備員等工業関係の仕事に携わるための機関科の2つに分かれているんです。鎮守府で働く

   整備員は、ほとんどこの機関科の学科を修了した方たちです」

比叡「ふむふむ……あれ、1つ気になったんですけど…」

提督「はい?」

比叡「海軍学校を卒業して、すぐに鎮守府で働くって事、できるんですか?」

提督「そう言った事例は、今のところ、そこそこある程度です」

比叡「あ、やっぱりですか」

709: 2015/11/29(日) 21:30:20.38 ID:T3yu7zPO0
提督「整備員を雇いたい鎮守府もあるにはありますが、あまり多くはありません。せいぜい、全国の3~4割と言ったところでしょう。そのぐらいの数しか、

   整備員を雇ったりはしませんので、必然的にどこの鎮守府にも属さない整備員の方もいらっしゃいます」

比叡「その方々って、鎮守府に雇われるまではどうするんですか?」

提督「どこかの鎮守府が求人を出すまでは、海軍付属の施設で働いてもらっています。工場や、訓練所等……まあ、色々あります。そして整備員を雇いたい

   鎮守府の提督が、総司令部に連絡をして、こちら側がその鎮守府へ配属させる整備員をリストから探し、そこへ行かせると言った感じです」

比叡「はぇ~……」

提督「……後、鎮守府側はある程度、雇いたい整備員の方の希望を出す事ができるんです」

比叡「?希望?」

提督「一番多い希望が『女性であること』。鎮守府で働いている方はほぼ全員が女性です。男性を雇うと、不純な関係が構築されるかもしれない。それを恐れ、

   最初から女性整備員を希望する方が最近増えてきています」

比叡「女性整備員って…いるんですか?」

提督「けっこういますねぇ。艦娘の存在が公になってから、同じ女性が海に出て深海棲艦と戦っているのだから、私達にも何かができるかもしれない、と考え、

   提督業を志望する女性も増えてきています。もちろん、機関科を希望する女性も増えてきています」

比叡「あー…女性の私が言うのもアレですけど、女性って同じ女性が頑張ってるのを見ると、感化されることが良くありますからねぇ…」

提督「…まあ、ほかの希望条件と言えば、『ある程度の資格・免許を持っている事』、『身体能力が高い事』、『博識がある者』などなど……結構細かく、

   希望できます」

比叡「結構あるんだ……」

提督「……しかし、先ほどの瑞理さんは、特に理由を述べるまでもなく『可愛い子をお願い』とのたまってました」

比叡「あからさまに自分の趣味ですよね……」

提督「そうです。ですから……」

比叡「?」

提督「私がムカつく奴の鎮守府に、そんな自己中心的であいまいな理由で希望してきた通りの人材を送ると思うかって話ですよ」

比叡「嗚呼……」

710: 2015/11/29(日) 21:37:31.91 ID:T3yu7zPO0
 ―数日後・10時、第壱拾参鎮守府・執務室


禊「初めまして!禊 秀平(みそぎ しゅうへい)です!よろしくお願いします!」←可でも不可でもない容姿の男


瑞理「何でよりにもよって野郎を雇わせたんだ」

提督「もし女性を貴方の鎮守府で働かせたら、貴方が女性に現を抜かして執務に身が入らないだろうからと言う、私の気遣いです」

瑞理「そんな気遣いいらん」

禊「あ、あの……」

瑞理「ああ、ごめんごめん。別に君が嫌だってわけじゃないんだ。僕はこの鎮守府の提督の瑞理 兆だよ。よろしくね」スッ

禊「あ、はい!よろしくお願いいします、瑞理提督!」アクシュ

瑞理「瑞理提督なんて堅苦しいから、‶瑞理さん‶でもいいよ」

禊「あ…分かりました、瑞理さん」

瑞理「さて……色々教えたいところなんだけど…」

コンコン

川内『川内でーす…第一艦隊が帰投しましたぁ~…』

瑞理「入ってどうぞ~」

ガチャ

川内「失礼しまーす……」大破

禊「んなっ!?」

瑞理「お疲れちゃん。どうだった?」

川内「それがね…って斑提督…こんにちは」ペコリ

提督「こんにちは」ペコリ

711: 2015/11/29(日) 21:45:09.69 ID:T3yu7zPO0
川内「それで……そっちの人は?」

瑞理「彼は、禊君。今日からうちで働くことになった整備員だよ」

川内「へー…」ジロジロ

禊「う……な、何か…?」

川内「私は川内!よろしくね!好きなものは月と星と夜戦です!」

禊「み、禊です。よろしくお願いします…」アクシュ

瑞理「それで、バニラ湾はどうだった?」

川内「いやぁ…やっぱり駆逐水鬼が強いねぇ……A勝利がいっぱいいっぱいかな…」

瑞理「そっか……まあ、いいや。川内ちゃんと…あと損傷を負ったのは?」

川内「江風ちゃんが中破、時雨ちゃんが小破だよ」

瑞理「確か、ドックは全部空いてたよね?じゃあ、3人は入渠して構わないから。それと、夕立ちゃんを呼んできてくれるかな?夕立ちゃんは無傷でしょ?

   それと、川内ちゃんは報告書はまた後日でいいから」

川内「あ、うん。分かった~」

瑞理「…まあ、こんな感じで今は大規模作戦中で忙しいんだ。ゆっくり案内したり説明したいところなんだけど、こんなだから詳しい説明はまた今度にして、

   とりあえず工廠に向かってくれないかな?そこが君の主な仕事場になるだろうから」

禊「あ、はい!」

瑞理「工廠の勝手は、明石ちゃんに訊いた方が早いと思うしね」

提督「では、私はこれで。禊さん、頑張ってくださいね」

禊「はい!頑張ります!」

712: 2015/11/29(日) 21:51:38.91 ID:T3yu7zPO0
 ―数分後、工廠―

明石「君がここで働く禊君か~。私が明石!よろしくね」

禊「よろしくお願いします!」

明石「じゃあ、早速で悪いんだけど…」チラッ

禊「?」

明石「この被弾した艤装を運ぶの、手伝ってくれないかな?」

禊「あ、はい!」

明石「その後は、壊れた部分を修復しなくちゃならないし…」


 ―18時過ぎ、工廠―

明石「ふぅ~……終わった~……」

禊「結構きついですね…」

明石「いやぁ、君が手伝ってくれたおかげで、普段よりも体力を使わなくて済んだし、結構余裕をもって作業できたよ。ありがとね」ニコッ

禊「い、いえ……」ドキッ

ガラガラー

瑞理「禊君いる?」

禊「あ、はい!ここにいます!」

瑞理「出撃や仕事がひと段落着いたから、鎮守府の事を説明しようと思って」

禊「分かりました、すぐに向かいます」

瑞理「工廠の事は明石ちゃんに教わったかな?」

禊「大丈夫です」

瑞理「じゃ、執務室へ行こうか。明石ちゃんも一緒にね」

明石「了解です!」

713: 2015/11/29(日) 21:58:26.76 ID:T3yu7zPO0
 ―19時過ぎ、執務室―

瑞理「…とまあ、大体こんな感じ。後、禊君には工廠関係の仕事のほかに、雑務とかも手伝ってもらったりもしちゃうけど、いいかな?」

禊「頑張ります!……けど、ちょっと不安で…」

瑞理「まあ、分からない事があったら何でも聞いてくれていいからね。あ、そうだ…」

禊「?」

瑞理「禊君の部屋とかどうしよう……」

明石「あ、よろしければ工廠にある、私の部屋の隣の空部屋使います?」

瑞理「あれ、あそこ空いてたっけ?」

明石「ええ、掃除すれば綺麗になりますよ」

瑞理「じゃあ、禊君。君の部屋は明石ちゃんの隣の部屋でいいかな?」

禊「俺は構いませんけど…」

禊(明石さんの隣の部屋か……)


 ―数日後、工廠―

明石「あ、禊君!ちょっちいいかな?」

禊「はい?」

明石「この書類、提督のところに持って行ってくれないかな?」

禊「あ、分かりました」

明石「お願いね」ニコ

禊「は、はい!」


 ―数分後、執務室前―

禊「瑞理さーん、明石さんからの書類を―」

714: 2015/11/29(日) 22:02:53.24 ID:T3yu7zPO0
『だ……めぇ、イ……クぅぅっ…!!』

禊「」

禊「」

禊「」

禊「……………落ち着け秀平、きっと尋ねた時間が悪かったんだ。また時間を改めて来よう」


 ―13時過ぎ―

禊「瑞理さーん―」

『もっと……もっとしてぇ……!』

禊「」


 ―15時過ぎ―

禊「瑞理―」

『だめだめぇ……そっちは違うぅ……!』

禊「」


 ―17時過ぎ―

禊「ミズーリ……」

『あはぁっ!これ気持ちイイよぉぉ~…ッ!!』

禊「」


 ―19時過ぎ、食堂―

禊「……………なんなんだ…一体……」

明石「あー…聞いちゃったのか~…何度も執務室に行っては戻ってを繰り返してたから何かと思ったけど……」

禊「明石さんは……知ってるんですか…」

715: 2015/11/29(日) 22:08:13.02 ID:T3yu7zPO0
明石「まあ、私も曲りなりにもここの艦娘だしね」

禊「……明石さんも……その………あんな事を…?」

明石「いやいや、私は流石に簡単に体を明け渡したりはしないから。まだ夜戦(意味深)の経験はないし。せいぜい胸とかお尻とかを触られたくらいだから」

禊「せいぜい!?」

明石「というか、斑さんから聞いてなかったの?ウチの提督はそういう人だって」

禊「………そう言えば……」


 ―数日前、第壱鎮守府・執務室―

提督『貴方には、明日から東海・伊豆第壱拾参鎮守府で働いていただきます』

禊『はい!』

提督『あー、ちなみに……そこの提督は少々あれですので、気を付けてください』

禊『?』


禊「アレ…って、そういう意味だったんですね」

明石「あはは、まあ頑張ってね」

禊「…なんだか、ここは自分の常識を犯されそうな気がします…」

明石「まあ私達艦娘もそもそも常識を逸してる存在のようなもんだしね~…」


【終わり】

716: 2015/11/29(日) 22:14:34.16 ID:T3yu7zPO0
【キャラクター紹介】

≪禊 宗平(みそぎ しゅうへい)≫

東海・伊豆第壱拾参鎮守府で働いている整備員の男性。年齢は20歳。容姿はそこそこ、可でも不可でもないと言った感じ。海軍学校の頃は機関科に所属し、

システム関係の学科を学んでいた。しかし成績は突出して良いというわけではない。少し泣き虫なところもあり、少しきつい言われ方をしただけで泣く事も。

瑞理提督の事は(スケコマシと言うところを除けば)信頼はしている。明石に対して恋に近い感情を抱いている。

好きな言葉は『布衣之交』。

717: 2015/11/29(日) 22:18:19.42 ID:T3yu7zPO0
今日はここまでにします。

‶ハーレム鎮守府の整備員‶の話、いかがでしたか?


明日はリクエストにありました…というか設定を忘れてしまっていた初期空母・祥鳳の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




駆逐水鬼を初めて見た時、持っていたものが紐じゃなくて鞭に見えてしまった…。そして『あ…スパルタ系?』と偏見を持ってしまった…。

718: 2015/11/29(日) 22:20:50.73 ID:qq8E3kqX0
乙っしたー


次回:【艦これ】総司令部の日常【その9】


引用: 【艦これ】総司令部の日常