906: 2015/12/16(水) 20:59:03.38 ID:qY8oONSG0
こんばんは、>>1です。



 
それでは、投下していきます。

907: 2015/12/16(水) 21:02:32.63 ID:qY8oONSG0
 ―7時過ぎ、講堂―

司令長官「えー、本日は黎明君が休みのため、儂が代わって朝礼を務めるよ」

ざわ……ざわ……

司令長官「実は、黎明君の仕事による疲れが、少し看過できないくらいのものになっちゃったから、無理やり休ませたんだ」

金剛「テートク…大丈夫でしょうカ……」

司令長官「大丈夫大丈夫。氏ぬほど疲れてるってわけじゃないから。あ、それと今日の黎明君の代わりは長門君に任せてあるから、何かあったら対応を

     長門君に一任してあるから、その辺はよろしくね」

長門「………………」コクッ

皆『はーい』
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
908: 2015/12/16(水) 21:16:03.67 ID:qY8oONSG0
【ある提督の休み】

 ―8時、提督の私室―

提督「…………………」スー、スー

目覚まし時計「ピピピピッ、ピピピピッ」

提督「」バシッ

目覚まし時計「」

提督「…………………」ノソノソ

提督「……………起きるか」


 ―数分後、洗面所―

提督「………………」シャコシャコ

川内「あ、提督おはよー」

提督「川内さん、おはようございます」

川内「今起きたの?」

提督「ええ、今日は休みをもらっておりますので、少しゆっくり過ごそうかと」シャコシャコ

川内「その割には早起きに入るんじゃないかな。私なんて、休日は10時前ぐらいまで寝てるけど」シャコシャコ

提督「それは貴女が夜更かしをしているからでしょう。昼夜逆転なんてことになったら、ただじゃ済ましませんからね」

川内「分かってるって。それにしても、提督にとっての遅起きって、このくらいなの?」シャコシャコ

提督「いえ、前に一度昼過ぎまで寝た事があるんですが、その時に、半日寝て過ごしてしまった事にとてつもない後悔を抱いてしまいまして……。それで、

   遅くとも9時には起きようという事にしたんです」

川内「へー。でも、司令長官の話じゃ結構疲れてたみたいじゃない」

提督「…司令長官がどう話したのかは知りませんが、結構疲れていたことは確かです。倒れる事はありませんでしたが、雷さんと電さんを間違えたり、

   ボーキサイトがボートサンドに聞こえたり」

提督「重症じゃん…」

提督「まあ見かねた司令長官が、急遽私に休日をくれたという事です」

川内「なるほど……。じゃ、私は行くね。ま、提督は働き過ぎな感じもあったから、今日はゆっくり休んだ方がいいと思うよ。朝ごはん食堂で食べるのなら、

   早めに行った方がいいよ」

提督「ありがとうございます」

909: 2015/12/16(水) 21:26:35.74 ID:qY8oONSG0
 ―十分後、食堂―

提督「おはようございます、間宮さん」

鳳翔「あら提督。おはようございます。体調は如何でしょうか?」

提督「いえ、私は別に問題はありませんが……それより、朝食のほうは…」

鳳翔「あ、はい。すぐにお持ちしますね」


鳳翔「どうぞ、ごゆっくり」

提督「ありがとうございます」

長門「む、提督か」

提督「長門さん。やけに遅い朝食ですね、私が言えた義理ではありませんが」

長門「いや、他の皆に貴様の容態はどうなんだと問いただされてな」

提督「本当にすみません。急に提督業の代わりを任せてしまった上に、心配をおかけし待って…」

長門「いや、貴様が無事であるのならばそれでいいんだ。これで、他の皆も安心するだろう」

提督「…だといいんですが、特に金剛さんが騒ぎそうです」

長門「はっはっは、それは否定できんな」

提督「………では、いただきます」

長門「それで、貴様は今日はどうするんだ?」

提督「そうですねぇ……たまの休日ですし、今日はゆっくり休もうと思います」

長門「そうした方がいいだろう。貴様は昨日、少々尋常じゃない疲労度を抱えていたからな。今日ぐらいはゆっくり体を休めた方がいい」

提督「ええ、そうします」

910: 2015/12/16(水) 21:35:22.84 ID:qY8oONSG0
 ―9時過ぎ、提督の私室―

提督「さて……今日はどうするか……」

提督「…………とりあえず、部屋の掃除でもするか………」


 ―数分後―

ウィィィィィィィン

提督「やはり、ルンバなどでやるよりも自分でやった方がいいですねぇ、遣り甲斐の出てくる」ウィィィィィ


 ―十分後―

提督「片付いてしまったか……まあ、元々綺麗に整えていたつもりだったから…」

提督「…………たまには、見る事の出来ない艦娘達の姿も見ておいた方がいい、ですね」


 ―10時過ぎ、中庭―

暁「全砲門、斉射!てーっ!」

響&雷&電「てーっ!!」

提督「?」

暁「もう一回!全砲門、斉射!てーっ!」

響&雷&電「てーっ!!」

提督「暁さん、何をなさっているのですか?」

暁「あ、司令官。体の方は大丈夫なの?」

提督「ええ、何とか」

雷「まったく、困っているようだったら私を頼ってもよかったのに!」

提督「流石に、貴女みたいな子を酷使する事はできませんよ」

雷「子ども扱いしないでよねっ!」

911: 2015/12/16(水) 21:47:00.79 ID:qY8oONSG0
提督「それで、先ほどは何をなさっていたんですか?」

響「暁曰く、『一人前のレディになるための訓練』だそうだよ」

提督「ああ……またそういう間違った事を…」

暁「間違ってなんかないわ!大人のレディの長門さんは、いつもこうやって自慢の主砲で敵を倒してるじゃない!それに今日だって提督代行で、提督の代わりに

  仕事をしてるわよね?あれこそ、レディの権化だわ!」

雷「権化って……」

暁「その長門さんみたいになるために、まずは戦闘中の長門さんの事を真似てみる事にしたのよ!」

提督「………一応理解しましたが、なぜ響さん達まで?」

響「巻き込まれたんだ。『待機中で暇でしょ?』って」

雷「私は長門さんの手伝いをしようと思って…」

電「深雪ちゃんと一緒にお茶でも飲もうかと思っていたのですが…」

提督「電さんのはやめて正解だったと思います」

暁「で、司令官どうだった?私、レディに見えた?」

提督「………まず、予定があった皆さんを無理やり巻き込んでまで私情に巻き込んだのがレディとは言えません」

暁「」グサッ

提督「それと、主砲を撃っているところの真似をしているだけでは、レディっぽさは身に付きませんよ」

暁「そんな……私のやってきた事は、間違いだったっていう事……!?」

提督「はい(無慈悲)」

暁「がくっ」

響「流石司令官。容赦ないね」

雷「休日に嫌なものを見て機嫌が悪くなったんじゃないかしら?」

電「では、電は深雪ちゃんとお茶を飲んでくるのです」タタタッ

※この後やっぱり深雪とぶつかった。

912: 2015/12/16(水) 22:00:06.40 ID:qY8oONSG0
 ―12時過ぎ、食堂―

赤城「あら、提督。こんにちは」

提督「こんにちは」

赤城「体調の方は?」

提督「問題ないですよ。というか、皆さんそればっかりですね」

加賀「それだけ皆さん、提督の事が心配だったという事ですよ」

提督「……加賀さんは、私の事は別に心配ではなかったんですか?」

加賀「私は別に。この程度で音をあげてしまうのでしたら、司令長官の補佐官を務める事なんてできないだろうし」

赤城「とか何とか言って、加賀ってば昨夜『提督、大丈夫かしら…』って窓の外を眺めながら何度も呟いていたじゃないですか」

加賀「…………………」プイッ

提督「心配してくださって、ありがとうございます」

加賀「………早く料理を食べてしまいましょう。せっかく美味しそうなのに冷めてしまいます」

赤城&提督(露骨なまでの話題変換)

赤城「それで、本日はどうなさるご予定なんですか?」

提督「ええとですね、今日は鎮守府の中でゆっくり過ごすつもりです。午後は間宮さんの場所にでも行こうかと」

赤城「午前は何をなさっていたんですか?」

提督「部屋の掃除をした後で、中庭に行ったら暁さんが間違ったレディの嗜みを練習していたので、やめさせました」

加賀「また同じような事を…」

提督「でその後、深雪さんとお茶にしようとした電さんが深雪さんとぶつかってしまって、医務室へ運んで介抱をして、それだけで午前が潰れました」

赤城「またぶつかってしまったのね……」

加賀「解消はしなかったのね?この前対策的な事をしてたはずですけど」

提督「ミスと言うものは、思い出したころにまたやらかしてしまうものなんです」

913: 2015/12/16(水) 22:11:50.15 ID:qY8oONSG0
 ―13時前―

提督「さて、そろそろ席を―」

鳳翔「あのー、提督?ちょっとよろしいでしょうか?」

提督「はい?」

鳳翔「名取ちゃん、どこに行ったか分かりませんか?」

提督「?いえ」

鳳翔「お昼ご飯の予約を入れてたみたいなんだけど、結局来なかったから……」

提督「………今日名取さんは、何か予定が入っていましたっけ?」

鳳翔「ええと…長門さんから何か仕事の事を言われたみたいだけど…」

提督「…………」


 ―十分後、装備保管庫―

ガチャ

提督「名取さん」

名取「ひぅっ!?て、提督!?だ、御体の方は大丈夫なんですか!?」

提督「私の事は大丈夫です。それより、昼食を食べに来なかったようでしたが?」

名取「へっ?って、ああっ!?もうこんな時間!?お昼食べるの忘れちゃった!!」

提督「素で忘れてたんですか。しかし、そこまで没頭していたんですか」

名取「ええと……提督が疲れすぎてるって聞いて、私達が不甲斐ないせいで提督は疲れてしまったんだって……」

提督「私が疲れているのは、別に貴女たちのせいではありませんよ。むしろ、私個人の問題です」

名取「それでも、私達がもっと意欲的に仕事に取り組んでいたら、こんな事にはならなかったんだなって思って…」

提督「………お気遣いは、ありがたく頂戴します。ただし、自分の食事の事まで忘れるくらい仕事に没頭していては、いずれ貴女も倒れてしまいますよ?」

名取「うっ………ごめんなさい」

提督「さ、早く食堂へ行ってください。鳳翔さんが待ってますよ」

名取「は、はい!」

914: 2015/12/16(水) 22:25:10.60 ID:qY8oONSG0
 ―15時前、≪甘味処・間宮≫―

提督「ごめんください」ガラガラッ

間宮「あら、提督!いらっしゃい!どうしたんですか?」

提督「いえ、休日で暇ですのでちょっと寄ってみようかと」

間宮「あら…そうでしたか。では、何かご用意しますね」

提督「いえ、お気になさらず」

間宮「いえ、いつも頑張ってくださっていますからサービスです♪」


 ―数分後―

間宮「お待たせしました、ストロベリーアイスになります」コトッ

提督「……よく私の好みをご存知でしたね」

間宮「この前、司令長官がここを訪れた時にぽろっとこぼしていたのを覚えておりまして」

提督「あの爺……」パクッ

提督「……美味しいですねぇ」

間宮「ありがとうございます!」

提督「ところで、この店が開いてから少し経ちますが、どんな感じですか?」

間宮「順調ですよ。皆さん、味は変わってないって言ってますし。伊良湖ちゃんもここの設備にべた惚れしてます」

提督「設備にべた惚れって…」

鈴谷「ほーう、提督ってイチゴが好きなんだ~」

提督「…………どっから湧いた」

鈴谷「失礼だな~通りかかっただけだって。それにしても、提督はお休みの日に間宮さんと楽しく談笑か~ほうほう。青葉が聞いたら喜びそうな情報だね」

提督「青葉さんにリークしても、貴女と青葉さんはただじゃ済ましませんからね」

鈴谷「冗談だって、じゃ、お大事に~」

提督「まったく………」

間宮「やだもう………鈴谷さんったら///」

提督「間宮さん?」

915: 2015/12/16(水) 22:39:33.46 ID:qY8oONSG0
 ―17時過ぎ、執務室―

ガチャ

長門「む?どうかしたのか、提督よ」

提督「いえ、つい来てしまいました」

長門「それはあれか?長年の慣れ、というやつか?」

提督「そういうものですね。それより、仕事の方はどうですか?」

長門「問題ない。私の腕でも十二分にこなせる量だ」

提督「………そうであっても、私の仕事を急に任せてしまって申し訳ございません」

長門「またその話か。その点に関しては気にするなと言っただろう」

提督「そうはいってますが、提督の代行業務と言うのは本来とても難しいものなのですが…」

長門「だが私はそれができた。私の技量だからこそだな」ムフ

提督「ふっ」

長門「だが何度も言うが、心配はするな。むしろ私達が心配なのは貴様の方だ」

提督「…………………」

長門「私達のために昼夜を問わず貴様は仕事と指揮を執っている。その貴様の負担が少しでも減るのであれば、私達はどんなことでもするさ」

提督「………まあ、限度はあるでしょうが」

長門「当たり前だ。それと、貴様も言っていただろう。私達は同じ仲間だ、共に支え合い頑張ろう、と」

提督「……ええ、確かにそう言いましたね」

長門「なら、何も問題はないさ」


司令長官(………今日の事で、黎明君が皆にどう思われているかを知ってもらえるといいかな)

大淀(司令長官、意外と色々考えていたんですね

司令長官(意外とってどういう意味かな)


【終わり】

922: 2015/12/17(木) 21:01:51.76 ID:Ua1mLjMU0
 ―10時前、執務室―

霞「ねえ、そろそろよ」

提督「………………ああ、そうですね。では…」

コンコン

提督「はい?」

霞(もう会議の時間だってのに、誰よったく…)

蓮村「やあ、黎明。失礼するよ」ガチャ

提督「おや、蓮村さん。どうしたんですか?」

蓮村「11月の月次報告書を出すのを忘れちゃって…直接出しに来たんだ」スッ

提督「これはご丁寧に…どうも」

蓮村「後、お店ができたって聞いたから見に来たんだけど…」

提督「ありがたいのですが……」チラッ

提督「すみません。もうすぐ会議ですので…」

蓮村「あ、そうだったの?邪魔しちゃってごめんね」

提督「いえ、お気になさらず。では、行きましょうか。霞さん」

霞「分かってるわよ、ク…提督」

蓮村(………………ん?)

923: 2015/12/17(木) 21:11:00.42 ID:Ua1mLjMU0
【罵詈雑言】

提督『適当にくつろいでいていいですよ。鎮守府の中を見物しても構いませんし』

蓮村「…と言われたけど……」

蓮村「さっきの黎明と霞ちゃんの会話……何か違和感があったような…」

コンコン

蓮村「ん?」

曙「クソ提督、いる?」ガチャ

蓮村「ああ、黎明なら会議に行っちゃってるよ」←ある程度、第壱鎮守府の艦娘とは認識がある。

曙「そ……。まったくあのクソ提督ったら…」バタン

蓮村「……そうだ、黎明との会話には霞ちゃんの罵声が足りないんだ!」

蓮村(…確か、霞ちゃんはいつも提督の事をクズって言ってたはず…。現にうちの鎮守府ではそうだし)

蓮村(でも何で……クズって言わないんだろう……)

蓮村(黎明が脅した?考えられるけど決めつけられないな……)

蓮村「誰かに聞いてみよう」


 ―数分後、廊下―

蓮村「しかし、誰かいるものか……」

朝潮「………………」テクテク

蓮村「あ、朝潮ちゃーん」

朝潮「はい!………あのー、どちら様でしょう…」

蓮村「あ、ごめんね。僕は湯河原第陸鎮守府の提督、蓮村だ。よろしくね」

朝潮「あ、はい!よろしくお願いします!」

924: 2015/12/17(木) 21:20:33.31 ID:Ua1mLjMU0
蓮村「それで一つ、聞きたいことがあるんだけど…」

朝潮「はい、なんでしょうか?」

蓮村「この鎮守府に、霞って駆逐艦がいるよね?」

朝潮「ええ、私の妹に当たりますが……」

蓮村「その霞ちゃんって、黎明……ここの提督の事をなんて呼んでる?」

朝潮「ええと…確か‶提督‶…だったはずです」

蓮村「ふーん、そっか…。いやね、他の鎮守府にいる霞ちゃんは、提督の事を‶クズ‶って呼んでるんだよね」

朝潮「あ、ウチの霞も最初は司令官の事、‶クズ‶って呼んでました」

蓮村「それが何で、普通に‶提督‶呼びになったのか、知ってるかな?」

朝潮「そうですね………前に理由を聞いたら霞は……」


霞『別に……。ただ、あたしも少し言い過ぎたかなって思っただけよ』


朝潮「って」

蓮村(たぶんそんな理由じゃないと思うんだけどなぁ……)

蓮村「わかった、ありがとうね」

朝潮「いえ、お気になさらず」

蓮村(この様子じゃ、他の皆も知らないよなぁ…)

蓮村「直接黎明に聞くかぁ…」

925: 2015/12/17(木) 21:36:22.20 ID:Ua1mLjMU0
 ―14時過ぎ、≪甘味処・間宮≫―

提督「艦娘の中には、かつて自分の艦長だった方を尊敬する方が何人もいらっしゃいます」

蓮村「例えば?」

提督「代表的な方は、多門丸……山口多門氏を尊敬しておりますし、長波さんも田中少将の事をよく話題にあげております」

蓮村「うーん、確かにそうだね」

提督「さらにこれに気づく人はあまり多くはありませんが、五十鈴さんも山本五十六氏や山口多門氏の事をたまに口に出して、感謝の意を述べています」

蓮村「あー…確かにそんなのもあったな…」

提督「ですが反対に、霞さんはもちろんの事、曙さんや満潮さんは、艦長が無能と言うかなんというか……それに加えて理不尽な非難を受けた過去によって、

   口が非常に悪くなってしまっているんです」

蓮村「あ、そうだったのか……」

提督「ですので、艦娘となって転生した今、新しく皆さんの提督となった私の事をあまり信頼してはいないのでしょう」

蓮村「ウチもそんな感じだったなぁ。皆、僕の事を品定めするような目で見てたし……」

提督「それでまあ、霞さんも私の事を当然ながらクズと最初は呼んでいました」

蓮村「うん、それはさっき朝潮ちゃんから聞いたね」

提督「で、そんな中ですよ」


 ―3年前、執務室―

霞「手紙よ。何度言わせんのよ、このクズ!」

提督「……ありがとうございます」ジッ

霞「何?何見てんの?何か用があるのかしら?」

提督「…………いえ、とくには」

霞「用がないなら見ないでよね?ったく。仕事も終わってないくせにジロジロ女の子を見るなんて、ホントにクズな口リコンなんだから」

926: 2015/12/17(木) 21:45:39.03 ID:Ua1mLjMU0
提督「…………」ガタッ

霞「何?どうしたの?」

提督「………………」ツカツカツカ

霞「えっ……何……来ないで……」

提督「………………」壁ドン!

霞「ひっ…………」

提督「………私も提督の端くれですので、軍艦だった頃の‶霞‶の事は知っているつもりです」

霞「……………それが、何よ……」

提督「ですので、貴女の口が悪くなってしまう事もまあ理解はできます」

霞「………………だから、それが…」

提督「ですが、仮にもあなたの上司である私に対して‶クズ‶と呼ぶのはどうかと思います」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

霞「い、いいじゃない……どう呼んだって。それにそれを言うなら、曙と満潮だって…」

提督「満潮さんは私の事を普通に‶司令官‶と呼んでいますし、曙さんも私の事はクソ扱いですが、一応‶クソ提督‶と敬称はつけていますので良しとしています。

   ですが私の事を‶クズ‶呼ばわりする事は、ただ私の事を罵倒しているだけです」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

霞「………………」

提督「過去の事を忘れない事を悪いとは言いません。しかし、いつまでもそれに囚われていては、いつまでたっても成長する事はできませんよ」ゴゴゴゴゴゴ

霞「………はい」

提督「さしあたり、私の事は普通に‶提督‶、もしくは‶クズ提督‶でもいいのでそう呼びなさい」

霞「……提督と、呼ばせていただきます」

提督「よろしい」スッ

霞「……………」プルプル

927: 2015/12/17(木) 21:55:24.10 ID:Ua1mLjMU0
提督「と言った感じで説得しました」

蓮村「はたから見ればそれってただの脅迫だからね?」

霞「…………………」フルフルフル

提督「おや、霞さん。どうしたのですか?」

霞「何でそのエピソードを本人の前で言うのよ!!」

提督「いえ、着いてきたのは霞さんでしょう」

蓮村「そうそう」

霞「そりゃ、私の事について話すって聞いたら気にせずにはいられないじゃない!!」

提督「それに、私の事をクズ呼ばわりしなくなってから、霞さんの口調も少し柔らかくなってるのも事実です」

霞「えっ…そうなの…?」

提督「ほら、私の言葉に対してあまり棘のない言葉を返すあたり、明らかに成長しています」

蓮村「確かにそうだね。普段の霞ちゃんなら、『はあ?何言ってんのかしら?』って言いそう」

霞「…男が女の口真似をするのって、結構気持ち悪いわね」

蓮村「ひどいなぁ。さすがに傷つくよ」

提督「他の皆さんも、3年前と比べて親しみやすくなったと言っている方も増えていますし」

霞「ふ、ふーん…そうなんだ、へー」

提督&蓮村(まんざらでもないような顔してる)

928: 2015/12/17(木) 22:04:29.07 ID:Ua1mLjMU0
 ―16時過ぎ、掲示板前―

『スクープ!提督、ドМ疑惑が!?』

『提督が受けで霞が攻めか』

提督&蓮村&霞「」

蓮村「黎明ってどっちかと言えばSっぽかったと思うけど」

霞「左に同じよ」

提督「いつから私がSに興じたというのですか。というかまた青葉さんはこんな事実無根な記事を作って……」

青葉「いやだなー、事実無根なんかじゃないですよ~」

提督「おや、噂をすれば影とやら」

青葉「だって、今朝執務室からこんな声が……」


『そうだ!黎明との会話には霞ちゃんの罵声が足りないんだ!』


青葉「って聞こえてましたよ?これって、司令官が霞さんの罵声を求めてるって事ですよね?ね?」

提督&霞「」

曙「あ、その言葉って確か、そこの提督が言ってたわね」

提督&霞「」グルン

蓮村「あーもうこんな時間だー帰らなきゃなー」スタタタ

提督「待ちやがれ腐れ優男!!」ダッ

霞「このクソクズ外道提督!!」ダダッ


満潮「……あの司令官も大概なんじゃないかしら」

曙「私達も相当言ってるけどね」


【終わり】

930: 2015/12/17(木) 22:09:48.96 ID:Ua1mLjMU0
【キャラクター紹介】

≪霞≫

朝潮型駆逐艦十番艦。艦娘No.90。白みがかった灰色の髪が特徴の、気が強い感じの女の子。提督の事を‶クズ‶と呼んだり、つっけんどんな物言いをしたりと、

かなり毒舌な雰囲気が目立つが、その理由は過去の軍艦‶霞‶が過酷な過去を辿ってきたが故。しかし提督の言葉により、提督の事を普通に‶提督‶と呼んだり、

少し言葉に棘が無くなってきた様子。かつてはその性格からあまり友達ができなかったが、今ではすっかり鎮守府にの雰囲気に溶け込んでいる。

好きな言葉は『口は災いの門』。

936: 2015/12/19(土) 21:15:48.42 ID:gK1t8Rh10
 第二次世界大戦の時に比べて、現在の機械技術は遥かに進歩している。

 携帯電話はもちろんの事、ラジオにテレビ、冷蔵庫など、それは戦後の高度経済成長期と比べても全く違う。


 話は変わるが、艦娘は生まれてくると同時に、日常の基本動作を身に着けている。

 それは、電話や冷蔵庫などのありきたりな機械(家電)の使い方も理解している。

 しかし、それでも機械に慣れていない艦娘もいるわけだ。

937: 2015/12/19(土) 21:23:12.49 ID:gK1t8Rh10
【機械音痴】

 ―10時過ぎ、特別艦寮・休憩室―

伊168(以下イムヤ)「~♪」ツイーツイー

提督「イムヤさん」

イムヤ「あ、司令官。ごきげんよー」

提督「スマホですか?」

イムヤ「そ、ツウィッターやってたの」

提督「私にはツウィッターの良さと言うものがわかりませんが……」

イムヤ「どうして?有名人とかのツウィッターをフォローすると、なんだかその有名人と話しているみたいで面白いじゃん」

提督「…構いませんが、煽ったり炎上したりするような事はしないでくださいね」

イムヤ「分かってるって」

提督「それと、スマホにかまけすぎて他の方との親交が薄まっていく、なんて事にもならないように」

イムヤ「分かってるってば。もう、司令官ってたまに過保護?って感じになるよね」

提督「それだけ心配なのですよ、スマホの威力が」

イムヤ「威力って……ところで司令官はどうしてここに?」

提督「いえ、ただの巡回ですよ。特別艦寮は特に問題はありませんでした」

イムヤ「そ、よかった。……もしかして、巡回ってここで最後?」

提督「いえ、ここが最初ですから」

イムヤ「良かったら一緒に行ってもいい?暇を持て余してたから」

提督「別に構いませんよ」

938: 2015/12/19(土) 21:31:49.46 ID:gK1t8Rh10
 ―数分後、空母寮付近―

提督「それにしても、イムヤさんはよくスマホを使いこなせるものですね」

イムヤ「まあ、このスマホも去年の給料で買ったやつだし、だいぶ慣れてきたね。司令官は携帯は?」

提督「この二つ折りのヤツですよ」スッ

イムヤ「わっ古い……買い換えようとは思わないの?」

提督「私は別に、電話とメールと音楽が聞ければそれで十分ですし」

イムヤ「それもまた味気ない……あれ?」

ワーワー

提督「……何の騒ぎでしょうか」


『鳳翔さんを呼んできて!私達じゃ手に負えない!!』

『いや、ここは明石さんを呼ばなきゃ!』


提督「何かあったんですか?」

飛龍「あ、提督!実はね……」

イムヤ「?」ヒョコッ

飛龍「雲龍さんが洗濯機壊しちゃった!!」

提督&イムヤ「」


 ―洗濯機室―

雲龍「服も肌も泡だらけ…とりあえず脱がなきゃ…」ヌギッ

イムヤ「わーっ!わーっ!わーっ!」

雲龍「あら、イムヤちゃん。こんなとこで何してるの?」ヌギッ

提督「それはこっちのセリフです。それと貴女はまず恥じらいと言うものを学びなさい」

939: 2015/12/19(土) 21:44:55.66 ID:gK1t8Rh10
雲龍「あら提督。ごきげんよう」

提督「なんですか、このありさまは」

イムヤ「わっ……床も洗濯物も泡だらけ……どうしてこんなことに?」

雲龍「私は別に……ただ洗濯機に洗濯物を入れて、洗剤を入れて、スイッチを入れて回して……」

提督「?特に……」

イムヤ「手順に問題は無いけど……」

雲龍「そこで、下着を入れ忘れた事に気づいて、洗濯機を動かしたままふたを開けたら……」

提督&イムヤ「アウト」

雲龍「………セーフ?」

イムヤ「よよいのよい……じゃなくて!」

雲龍「あら、このネタを知ってるのね」

提督「何で動かしたまま洗濯機の蓋を開けるんですか。ここに一時停止ボタンがあるでしょう」

雲龍「え?…あら、ほんと。気づかなかったわ」

イムヤ「でも驚きだな~…雲龍さんって、着任したのって大体2年前でしょ?それなのに、まだ洗濯機の使い方がわかってないなんて」

雲龍「ごめんなさい……こういう機械には弱くって……」

提督「とにかく、洗濯機は直せばまだ使えますから、飛龍さん」

飛龍「は、はい?」

提督「明石さんを呼んできてください。それと蒼龍さんは、雲龍さんを浴場へ。他の方たちは、ここの掃除と片づけをお願いします」

蒼龍「あ、はい!」

瑞鶴「分かったわ」


 ―寮の外―

提督「雲龍さんに限らず、いまだに機械に慣れていない方が結構いるんですよねぇ」

イムヤ「雲龍さんって戦時急造艦だから慣れていないのかと思っていたけど、違うんだ?」

提督「機械に関する事は、戦時急造艦だとかは問題ありません。現に、葛城さんは普通に洗濯機が使えていますし」

940: 2015/12/19(土) 21:51:44.46 ID:gK1t8Rh10
 ―十分後、重巡洋艦寮・休憩室―

鈴谷「コーヒーメーカー?」

熊野「奮発して買ってみましたの」

鈴谷「まあ熊野がコーヒー好きなのは知ってるけど、なんで?電気ポットがあるじゃん」

熊野「インスタントなコーヒーだけじゃなくて、本格的なコーヒーも飲めたらと思いまして。それに、妙高さんや高雄さんも欲しがっていましたし」

鈴谷「……ま、鈴谷はいいけど、使い方はわかってるの?」

熊野「この取扱説明書を見れば大丈夫ですの!」


 ―数分後―

提督「どうもコーヒー臭いと思ったらこれですか」

熊野「………申し訳ございませんの」グッショリ

鈴谷「鈴谷は止めたんだけど~」グッショリ

熊野「止めてなかったでしょう!」ジタバタ

提督「コーヒーまみれで暴れないでください。飛沫が飛び散る」

イムヤ「うー……なんだか……鼻が曲がりそう……」

鈴谷「それにしても、こりゃ掃除が大変そうだね~」

熊野「あの~、提督?よろしければ手伝っていただいても…」

提督「散らかしたのは貴女なんだから自分でやりなさい」

鈴谷(だろうね、そう言うと思った)

941: 2015/12/19(土) 22:05:17.81 ID:gK1t8Rh10
 ―14時過ぎ、食堂―

陸奥「ふ~、珊瑚諸島沖も疲れるわね~……」←艤装装備中

伊良湖「あれ…?あれれ~…?」ガチャガチャ

陸奥「あら、伊良湖ちゃん?どうしたの?」←艤装装備中

伊良湖「あ、陸奥さん……。それが、電子レンジが急に動かなくなったって……」

陸奥「ふーん……取扱説明書は見たの?」←艤装装備中

伊良湖「それが、読んでみたんですけどさっぱりで……。私、機械はちょっと苦手で……」

陸奥「……確か、こんな話を聞いた事があるわ」←艤装装備中

伊良湖「?」

陸奥「なんか、機械が壊れた時は斜め45度の入射角でチョップをすると直るって話」←艤装装備中

伊良湖「な、なるほど!ではやってみます!えいっ!」ペチン

電子レンジ「」シーン

伊良湖「あれー?何でだろ……」ペチペチ

陸奥「もっと強い力でやるといいんじゃない?」←艤装装備中

伊良湖「そうですか……では、陸奥さんやってみて下さい!」

陸奥「へ、私?別にいいけど…壊しても起こらないでね?」←艤装装備中!

伊良湖「大丈夫です!ドンとやっちゃってください!」

陸奥「……分かったわ、やったげる!」←艤装装備中!!

伊良湖「はい、お願いします!」

陸奥「じゃ、えーい!!」←艤・装・装・備・中!!!

ガスッ

ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!



 ―19時前―

『都合により食堂は数日の間、休止とします』

提督「艤装を装備している間、貴女たちの身体能力は格段に跳ね上がるという事を忘れたのですか?」

陸奥「……失念しておりました。申し訳ございません」

伊良湖「いえ、陸奥さんは悪くありません。煽った私が悪いんです……」

長門「我が妹ながら情けない……」

陸奥「」グサッ

イムヤ「取扱説明書に『困ったときは』って項目無かった?」

伊良湖「」グサッ

942: 2015/12/19(土) 22:16:16.98 ID:gK1t8Rh10
 ―翌日10時過ぎ、講堂―

提督「さて、ここ最近になって機械関係のトラブルが増えてきました」

ざわざわ……

提督「ある人は洗濯機室を潜在まみれにしたり、ある人は寮の休憩室をコーヒーまみれにし、またある人は食堂を爆破しました」


イムヤ「爆破って……まあ、ニュアンスは間違ってないけど……」

陸奥「」ズーン

伊良湖「陸奥さん……もう元気出してください……」

長門「違う…おそらく第三砲塔の爆発のトラウマを思い出したんだろう」

陸奥「もう……爆発は嫌ぁ……」


提督「えー、そこで1つある講義を、皆さんに対して開きたいと思います」

皆『?』

提督「おそらく機械に関してはとても詳しい明石さんと夕張さんに、機械・家電の取り扱いに関する講義をしてもらいます」

明石「どうもー」

夕張「よろしくお願いしまーす」

摩耶「えー、でも今さら機械の取り扱い講義って、あたしらには必要ないんじゃねーの?」

提督「……偉そうな口利いてますけど、貴女この前食堂のテレビ壊したでしょうが」

摩耶「うっ」

愛宕「あー、そんなことあったわね~。ま、あのあと私からしっかり注意しましたから」

提督「とまあ、他の皆さんも大なり小なり機械関係でトラブルを抱えているようですから」

943: 2015/12/19(土) 22:25:41.63 ID:gK1t8Rh10
 ―15時過ぎ、執務室―

イムヤ「でも驚きだな~」

提督「何がですか?」

イムヤ「皆艤装とかは自在に操れるっていうのに、家電とかはあまり得意じゃないんだってところがさ」

提督「艤装と家電は完全に別物でしょう。一応、家電のスイッチを入れたり切ったりすることはできるのですが、応用ができないんですよ」

イムヤ「応用?」

提督「例えば、雲龍さんの時のように、正常に動作している時に何か別の動作をしたいとき。または、伊良湖さんと陸奥さんのように故障してしまったとき…。

   そういう時の対応ができていないんです」

イムヤ「なるほどね~…」

提督「しかしイムヤさんは、そう言ったトラブルにも対処できるのでしょう?」

イムヤ「まー、そうだね。電子レンジとかなら取説を見れば大体わかるし…どうしてもわからなかったら明石さんに聞くかな」

提督「コールセンターより明石さんを取るんですか」

イムヤ「だって明石さんなら何でも直してくれるんだもん」

提督「まあ、否定はできませんが」

イムヤ「…あ、もしかして」

提督「?」

イムヤ「データ課でパソコンを使わない理由って、それもまた一つ?」

提督「……霧島さんや鳥海さんなら有り得ないと思いますが、いかがわしいサイトへアクセスして勝手にダウンロードが完了しましたとか、データを消すとか、

   そんなことになりかねないんですから、迂闊に買えないんですよ」

イムヤ「…その二人、パソコン教室にでも通わせたら?」

提督「…そうした方がいいかもですね」

イムヤ「何事にも基本が一番だって事だよ」


【終わり】

944: 2015/12/19(土) 22:32:53.20 ID:gK1t8Rh10
【キャラクター紹介】

≪伊168/イムヤ≫

海大Ⅵ型潜水艦一番艦。艦娘No.126。赤い髪とスク水の上にセーラー服を着たスタイルが特徴の女の子。鎮守府では一番早く着任した潜水艦の艦娘で、

提督との付き合いもそれなりに長い。スマホを操作している姿がよく目立つが、そのせいで他の艦娘との交友関係が薄くなっている、なんて事はない。

潜水艦娘の中でもまともな部類に入るため、U-511やまるゆの教育係を務めた事もある。同時期に着任したゴーヤと仲が良い。

好きな言葉は『初心忘るべからず』。

950: 2015/12/20(日) 21:03:47.08 ID:DRhp+J2g0
 ―10時過ぎ、執務室―

提督「あ、敵空母3隻撃沈任務が届いておりますね」

蒼龍「じゃあ、どこでその任務を消化しようか?オリョール?」

提督「いえ、ここは経験値も多く獲得できるカレー洋にしましょう。あそこでしたら、駆逐艦の方や重巡洋艦の方もバランスよく経験値を上げられますから」

蒼龍「あー…そう言えば私も、あそこで特訓したっけ」

提督「では、ヒトゴーマルマル(15時00分)にカレー洋へ出撃としましょう。編成は、旗艦・扶桑、赤城、飛鷹、古鷹、時津風、そして雪風」

蒼龍「はい、了解しました!」

951: 2015/12/20(日) 21:11:40.87 ID:DRhp+J2g0
【孤独の海】

 ―14時過ぎ、≪甘味処・間宮≫―

扶桑「あら、もうこんな時間…。そろそろ準備しないと」

山城「姉さま?出撃ですか?」

扶桑「ええ、カレー洋沖で空母3隻を撃沈する任務を任されて」

山城「まったく……あの冷血提督ったら、姉さまにそんな危ない真似をさせるなんて…」

扶桑「まあまあ、私は大丈夫よ」

雪風「扶桑さーん!」

扶桑「あら、雪風ちゃん。どうしたの?」

雪風「そろそろ、出撃の準備をした方が良いかと思いまして、呼びに来ました!」

扶桑「あら、悪いわね。じゃあそう言うわけで山城、留守の間は鎮守府の事を頼んだわよ?」

山城「あ、はい。分かりました。姉様もお気をつけて」


扶桑「それにしても雪風ちゃん、よく私の居場所が分かったわね?」

雪風「他の戦艦の方に聞いて回りました」

扶桑「それに、私は旗艦だから他の皆よりも準備をする事が沢山あることも見越して、先に呼びに来たのかしら?」

雪風「はい、そうです!」

扶桑「ふふっ、雪風ちゃんはえらいわね~」ナデナデ

雪風「ありがとうございます!」ニヘー

952: 2015/12/20(日) 21:25:14.24 ID:DRhp+J2g0
 ―15時前、執務室―

提督「では、扶桑さん。出撃中の進撃・撤退の判断は貴女にゆだねます。ただし、大破した方がいる場合は無条件に帰投してください」

扶桑「はい、分かりました」

提督「では皆さん、よろしくお願いいたします」

全員「はい!」

雪風「しれぇ、もしかして緊張してる?」

提督「まあ、カレー洋は遭遇する敵艦隊の編成によっては、大規模な損害を被る事にもなってしまいますから。flagshipと遭遇した場合、苦戦を強いられる

   事になるでしょう」

雪風「でも、心配する必要はありません!」

提督「?」

雪風「この雪風がいる限り、皆さんを沈めたりはしません!」

提督「………………」

蒼龍「何の根拠もないのがちょっとなー…」


 ―数十分後、カレー洋・Fマス(敵潜水艦教導艦隊)付近―

扶桑「そろそろ敵艦隊との索敵海域よ。皆さん、警戒してね」

古鷹「!」ピクッ

赤城「これは…」

古鷹「敵艦発見!軽巡へ級elite1隻、駆逐イ級elite2隻!」

時津風「あれ?少ない?」

雪風「いいえ、違います!ソナーに感あり!潜水ヨ級elite1隻、潜水カ級1隻、潜水カ級elite1隻です!」

赤城「潜水艦は零式水上偵察機の索敵範囲外でしたからね……」

古鷹「迂闊でした……」

扶桑「陣形・単横陣!」

雪風「魚雷航走音、2!来ます!」

953: 2015/12/20(日) 21:34:04.17 ID:DRhp+J2g0
扶桑「総員警戒―」

ズドオオン

時津風「きゃっ!?」小破

扶桑「時津風ちゃん!」


雪風「!」ゾクッ


飛鷹「おっと!」サッ

赤城「ナイス回避よ、古鷹さん」

扶桑「時津風ちゃん、大丈夫?」

時津風「大、丈夫です…はい」

赤城「軽巡へ級、こちらに照準!」

扶桑「しつこい……っ…!主砲、撃てぇ!」ドォン

バゴォ

軽巡へ級elite「ガッ!?」撃沈

赤城「飛鷹さん!」ビシュッ

飛鷹「分かってます!全艦載機、発艦始め!」バサッ

バルルルル

駆逐イ級elite「シィッ!」ドォン

ドン、チュドン

飛鷹「撃ち落とされた!」

赤城「いえ、まだ艦載機は残ってるわ!」

ズドドドドドドン

駆逐イ級elite「ゴベェッ……」撃沈

駆逐イ級elite「ガフッ!」撃沈

赤城「駆逐艦と軽巡洋艦は倒したわ!」

飛鷹「後は私達の役目ってわけね!」

954: 2015/12/20(日) 21:45:06.60 ID:DRhp+J2g0
雪風「……………」

飛鷹「雪風ちゃん、何してんの!?」

雪風「は、えっ!?」

赤城「軽巡と駆逐艦は倒したから、後の潜水艦は雪風ちゃん達に任せたわ!」

古鷹「頑張って!」

雪風「は、はい!」ガシャン


 ―十数分後―

飛鷹「ふう…何とか落ち着いたわね」

扶桑「こちらの被害は、時津風ちゃんが小破…時津風ちゃん、大丈夫?」

時津風「時津風は、まだ大丈夫だよ」

古鷹「雪風ちゃんも、大丈夫?」

雪風「え、雪風は問題ないですけど……」

赤城(雪風ちゃん、どうかしちゃったのでしょうか…)ヒソヒソ

扶桑(どう…とは?)

赤城(時津風ちゃんが小破したのを見て、なんだかぶるっと震えていた気がするんです…)ヒソヒソ

扶桑(?)

飛鷹(その後、なんだか心ここにあらずみたいな感じになって…)ヒソヒソ

扶桑(うーん…私には少し判断のしようがないわね……)

雪風「どうかしたのですか?」

扶桑「あ、ううん!別になんでもないわ。じゃあ、進撃するって事でいいかしら?」

全員「」コクッ

扶桑(次のエリアで空母3隻と当たる事ができるし、万が一の場合はそこで撤退しましょう)ヒソヒソ

赤城(そうね)ヒソヒソ

飛鷹(分かったわ)ヒソヒソ

955: 2015/12/20(日) 21:54:52.61 ID:DRhp+J2g0
 ―数十分後、Hマス(敵空母機動部隊)―

ズドドオオオン

扶桑「何でこんな時に限ってflagshipと当たるのよ~!!」ズドーン

空母ヲ級flagship「フフフ……」

飛鷹(おまけに、空母は2隻……これで、この先もまた進撃しなくちゃいけなくなった……)

赤城(たとえ、雪風ちゃんに不調があったとしても……)

扶桑「飛鷹さん、赤城さん!上!!」

飛鷹「えっ」

赤城「はっ!?」

ズガガガガガガ

古鷹「間に合えっ……!!」ダダダダダダ

ズドドドン

赤城「きゃああっ!?」損傷軽微

飛鷹「や……っ!?このぉ……!」中破


雪風「!!」ビクッ


時津風「撃ち方、はーじめーっ!!」ドドン

空母ヲ級elite「ク……ッ!」中破

赤城「飛鷹さんの痛み……返して差し上げます!!」ビシュシュッ

バルルルルル

空母ヲ級flagship「!」

ズッドオオオオオン

空母ヲ級flagship「グオオオオ……」撃沈

扶桑「そこですっ!!」ダアン

空母ヲ級elite「ガフゥ……」撃沈

956: 2015/12/20(日) 22:05:02.09 ID:DRhp+J2g0
 ―十数分後―

赤城「古鷹さん、あの時の対空砲撃、助かりました。あれが無ければ私達はもっと大きな被害を受けていました」

古鷹「いえ、私は私のやるべき仕事したまでで……」

時津風「飛鷹先輩、お尻が見えそうだよ?」

飛鷹「ああん見ないで!もー、どうしていつもこんなふうに破れちゃうのよ~!!」

雪風「…………」

扶桑「雪風ちゃん?雪風ちゃん!?」

雪風「ふぁいっ!?」ビクゥ

扶桑「本当にどうしたの?体調が悪いんだったら、すぐに帰投するけど……」

雪風「い、いえ!大丈夫です!それより、進撃した方がいいのでは!?」

扶桑「え?」

雪風「ほ、ほら。この戦闘で空母が2隻しか倒せなかったじゃないですか?ですから、このまま進撃すればまた空母に遭遇できるかもしれないですよね?」

扶桑「それはそうだけど…飛鷹さんは……」

飛鷹「私はまあ……開幕航空戦ぐらいなら参戦できるけど……」

扶桑「うーん………」

赤城(どうしますか……雪風ちゃんの様子も少しおかしいですし……安全を期するためにここは撤退をした方が……)ヒソヒソ

扶桑(………少し、確かめたいことがあります。進撃しましょう)ヒソヒソ

赤城(えっ…?)ヒソヒソ

扶桑「進撃しましょう。提督も、この進撃で空母を3隻撃沈する事を目的としておりましたから、ここで撤退しても提督は良い顔をしないでしょう。飛鷹さん、

   大丈夫ですか?」

飛鷹「旗艦がいう事だったら、従うわ」

扶桑「では、出撃しましょう。差し当たって、まずは羅針盤を……」スッ

赤城(一体何を……?)

扶桑(南西に行けば補給艦と戦闘をはさみ、運が良ければここで空母を一隻倒す事ができる……けど)

957: 2015/12/20(日) 22:17:01.15 ID:DRhp+J2g0
 ―17時半過ぎ、Dマス(東方主力艦隊)―

扶桑「……分かってたわ。不幸だもの。仕方ないわね……」

飛鷹「ちょっと、自分で進撃するって言っておいて、何憂鬱になってるんですか」

赤城「そろそろ敵艦隊の偵察結果が返ってきますよ」

雪風「……………」ブルブル

時津風「雪風、大丈夫?」

雪風「だ、大丈夫だから……」ブルブル

古鷹「偵察機からの偵察結果、来ました!…………これは」

扶桑&赤城「?」

飛鷹「なに、どうしたの?」

古鷹「…戦艦ル級flagship1隻、空母ヲ級flagship1隻、重巡リ級elite、軽巡ト級elite各1隻、駆逐ロ級elite2隻です!」

赤城「よりによって一番強力な艦隊……」

扶桑「不幸だわ……」

時津風「なんだか久々に聞いたな~、扶桑さんの『不幸』発言」

雪風「気をつけなきゃ……気をつけなきゃ……」

時津風「雪風?本当に大丈夫―」


赤城「敵艦載機、接近!」


飛鷹「ちっ……出遅れた……!?」バサッ

赤城「攻撃隊、直掩隊、発艦!」ビシュッ

ズドドドドドドド

飛鷹「流石はflagship…艦載機の練度も高いね……」

扶桑「敵艦載機からの攻撃に注意して!来るわよ!」

ダダダダダダダダ

ズッドオオオオオオオオオオオオオオン!!!

958: 2015/12/20(日) 22:24:31.34 ID:DRhp+J2g0
飛鷹「きゃああああっ…!?」大破

時津風「うぁあ……っ」大破

扶桑「くっ……」損傷軽微


雪風「!!!」ドックン


赤城「敵艦隊……駆逐ロ級2隻撃沈……」

飛鷹「ちっ……ヲ級にはかすりもしなかった……」

古鷹「ル級flagshipも健在です……」

扶桑「やれるだけの事は…やるのよ!」ズドオオオン

ドゴォ

重巡リ級elite「ガハッ!」撃沈

飛鷹「ナイス、扶桑さん!」

古鷹「あっ、扶桑さん!左舷!」

扶桑「へ?」

戦艦ル級flagship「ハァッ!!」ズッドン

バゴォ

扶桑「キャアアッ!?」大破

雪風「う…………」

赤城「扶桑さん!」

扶桑「私は大丈夫……それより……後の奴らを……」

古鷹「私は軽巡を倒します!赤城さんはヲ級かル級を!」

赤城「え、ええ!」

959: 2015/12/20(日) 22:31:44.68 ID:DRhp+J2g0
古鷹「主砲、斉射ッ!!」ズドオオオン

ドッゴオオン

軽巡ト級elite「グオッ……」撃沈

古鷹「やった!!」

赤城「後は……あの2隻だけ!」ビシュシュ

バルルルルル

戦艦ル級flagship「フン」ズドオン

ダァン、バゴォ

赤城「撃ち落とされた…!?」

空母ヲ級flagship「ハッ!」ビシュッ

キイイイン

ズドオオオン

赤城「そんな……っ!?」中破

扶桑「これまで…かしら……」


雪風「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


全員「!?」ビクッ

空母ヲ級flagship「?」チラッ

空母ヲ級flagship(何だ、あの小娘……)

雪風「わあああああああああ!!!」ズドドドン

空母ヲ級flagship「ク……ッ」小破

赤城「雪風…ちゃん?」

雪風「うおおおあああああああああああ!!!」ザザザザザザザザ

戦艦ル級flagship(バカか……戦艦に真っ向から向かってくるか)ジャコン

古鷹「危ないよ雪風ちゃん!下がって!!」

戦艦ル級flagship(この近距離なら、一撃で撃沈する事も容易いだろう)

ズドオオオオ

960: 2015/12/20(日) 22:38:21.37 ID:DRhp+J2g0
戦艦ル級flagship「ム?」

戦艦ル級flagship(消えた?)

空母ヲ級flagship「ヲヲッ!!(後ろ!!)」

戦艦ル級flagship(何!?)

雪風「ああああっ!!」ズドオオオン

戦艦ル級flagship「グブゥゥ……!?」中破

戦艦ル級flagship(この……小娘がぁ……!!)グルン

戦艦ル級flagship(いない……バカな……)


ドゴオオン

空母ヲ級flagship「ガブァッ!?」撃沈

戦艦ル級flagship(バカな……あの一瞬でヲ級の後ろを取っただと…!?)

雪風「……他人の心配をしている場合ですか…?」

戦艦ル級flagship「ナ……!?」

戦艦ル級flagship(あり得ない……最速の駆逐艦でも……)

バゴオン

戦艦ル級flagship「グ……ブ……」大破

雪風「……古鷹さん」

古鷹「う、うん!」ズドオオン

ドッゴオオオオオオン

戦艦ル級flagship「…………………」撃沈

赤城「……………雪風ちゃん……」


雪風「雪風は……大丈夫ですから」


扶桑「………………」

961: 2015/12/20(日) 22:50:27.71 ID:DRhp+J2g0
 ―18時半過ぎ、執務室―

扶桑「………報告は、以上です」←高速修復剤適用済み

提督「…雪風さんの暴走、ですか」

古鷹「本来の雪風さんの性能ではありえないような動きでした。一瞬でヲ級flagshipとル級flagshipの後ろを取り、致命的な攻撃を与える……。熟練の、

   戦艦でもなかなか難しい動きを……」

提督「……恐らく、雪風さんの中の恐怖心が、彼女を突き動かしたのでしょう」

扶桑「恐怖心?」

提督「雪風さんは、戦時の主力駆逐艦の中で唯一大戦後まで生き残った艦であり……長門さんや妙高さんと同じく、戦後まで生き残った数少ない艦です」

古鷹「それが……」

扶桑「…………」

提督「それまで生き残ってきたという事は、沈んでいった味方の艦も多く見ているという事です」

古鷹「…あ」

提督「さらに、艦娘は艦の時の記憶を有しております。その、沈んでいった仲間たちが今はこうして一緒にいる事ができますが、他の皆さんが沈んだり、

   大きな損傷を受けて沈みかける…と言った状況に遭遇すると、その過去のトラウマが蘇り、今回のような事になったのでしょう」

古鷹&扶桑「………………」


 ―20時過ぎ、駆逐艦寮・雪風&時津風の部屋―

時津風「あー…お風呂すっきりした~」ガチャ

雪風「うっ……………ううっ……」

時津風「雪風?」

雪風「…うぅ……時津風ぇ……」

時津風「…………」ギュッ

雪風「うぇ?」

時津風「…大丈夫だよ。今は時津風がいる。陽炎がいる。島風がいる。そして司令がいる。皆がいる。誰も沈んでいない。これからも誰も沈んだりしない。

    だから、安心していいんだよ」

雪風「………うん」


【終わり】

962: 2015/12/20(日) 22:54:25.73 ID:DRhp+J2g0
【キャラクター紹介】

≪雪風≫

陽炎型駆逐艦八番艦。艦娘No.5。丈の短いセーラー服と、口の中から覗く白い歯が特徴の女の子。とてつもない強運の持ち主であり、日常的にラッキーな事に

出くわす。その運の良さは、運の悪い戦艦勢から嫉妬されるほど。しかし、過去の軍艦‶雪風‶は戦後までの生き残りであるために他の艦が沈む姿を見続けおり、

そのことがトラウマ。自分以外の艦娘が沈みかけたりすると自分の感情が爆発し、本来の性能以上の戦闘能力で敵を屠る。時津風は親友。

好きな言葉は『一蓮托生』。

969: 2015/12/21(月) 21:18:22.02 ID:/YrP7tNz0
 ―初春型各員の報告書―

初春…恐ろしく達筆すぎて、なんて書いてあるかわからない。

子日…『ドーンとやってバーン!』と言った感じに、擬音だらけ。よくわからん。

若葉…『殲滅』『被弾』など、単語でしか書かれていない。分かりにくい。

初霜…戦闘の詳細が、敵艦隊の編成、陣形などが事細かに書かれている。とても読みやすい。


提督「……なぜ末妹だけこうなったのか…」

970: 2015/12/21(月) 21:26:54.15 ID:/YrP7tNz0
【真面目】

 ―10時過ぎ、廊下―

初霜「この書類を、書庫に置けばいいんですか?」

提督「ええ、それにしてもすみませんね。他の初春型の皆さんと和気あいあいとしていたのに」

初霜「いえ、提督が忙しそうにしているところを見たら…」

提督「ありがとうございます」

三日月「あら、司令官?」

提督「三日月さん」

三日月「すごい書類の数ですね…よろしければお手伝いしましょうか?」

提督「いえ、三日月さんは今日はお休みでしょう?無理して手伝わなくても」

三日月「いえ、私の中のリトル三日月が、『司令官の手伝いを』とささやいたのです」

提督「ああ…そんなフレーズ、一時期はやりましたね」

三日月「そんなわけで司令官、書類半分いただきますね」ゴソッ

提督「あっ」

三日月「さあ、行きましょう」

提督「ふむ………」

971: 2015/12/21(月) 21:42:26.24 ID:/YrP7tNz0
 ―13時過ぎ、執務室―

初霜「提督、この書類このファイルに挟んでおけばよろしいんですか?」

提督「ええ、お願いします」

三日月「司令官、この書類ミスがありますよ」

提督「え?ああ、すみません。ありがとうございます」

三日月「ふふっ。司令官がミスするなんて、珍しいですね」

提督「…三日月さんは本当に真面目ですね」

三日月「はい?」

提督「いえ、休日であるにもかかわらず私の手伝いをしている事がです」

三日月「いえ、私も暇を持て余していたところですから」

提督「三日月さんや初霜さんのような歳の子供でしたら、休日は遊び倒すとかそういう事がありそうですが……休日は普段お2人は何をなさってるんですか?」

初霜「私は……お部屋の掃除をしたり…図書室で勉強をしたり……」

三日月「私も勉強ですね」

提督「君らは出木杉君の女の子バージョンか」

初霜「いえ、休日はそのくらいしかやる事が無くて……」

三日月「後は……お料理をしたりしますね」

提督「ほお…。鳳翔さんや間宮さんから手ほどきをお願いしたのでしょうか?」

初霜「ええ…私も鳳翔さんからお料理を教えていただきました」

提督「ですが……お二人は大体食事当番で間宮さん達の手伝いをする時ぐらいでしょう?」

初霜「ええと……よく初春や子日から頼まれるんです。『初霜の料理が食べたい』って」

提督「姉たち、それでいいのか」

972: 2015/12/21(月) 21:55:21.30 ID:/YrP7tNz0
提督「とすると、三日月さんも同じですか?」

三日月「ええ、私も大体……。睦月や皐月、文月からねだられるんですよ…」

提督(ネームシップ=姉と言う認識は改めた方がいいのか)

提督「まあしかしお2人の真面目なところは他の皆さんにも改めてほしいところです」

初霜「私達が見本ですか……?」

三日月「恥ずかしいです……」

提督「その歳で家庭的なスキルを持っていれば、将来も有望でしょう。まあ、グレる可能性もありますが」

初霜「いやですね……グレたりなんてしませんよ」

三日月「そうですって」

提督(……まあ、こういう真面目でいい子ほど、心の内に何かを抱えているものですが)


 ―数日後16時過ぎ、執務室―

初霜「…申し訳ございません、提督。キス島、ボスまでたどり着けませんでした…」大破

三日月「…面目ございません」大破

提督「いえ、私も少し敵艦を甘く見過ぎてしまっていたようです。お2人は入渠して…」

初霜「いえ……今回の損害は、看過できるものではありません」

三日月「初霜の言う通りです……私達は、重大なミスを犯してしまいました……」

提督「………………ん?」

初霜「ですから……」

三日月「なので………」

973: 2015/12/21(月) 22:01:07.92 ID:/YrP7tNz0


三日月&初霜「お仕置きを…してください!!」


提督「」

三日月&初霜「………………」キラキラキラキラ

提督「………」ジーコジーコ

三日月&初霜「?」

提督「……ああ、鳳翔さんですか。すみません、戦闘で少々疲れてしまっている方が執務室にいらっしゃいますので、介抱をお願いしたいのですが」

三日月&初霜「」

提督「ええ、はい。お願いします」ガチャリ

三日月&初霜「あ、あのー……」

提督「すみません。貴女たちがそんなに負担を抱えていたなんて……気づく事ができず申し訳ございません。お二人にはしばしの間休暇を与えます」

三日月&初霜「え、えーっ!?」


提督(まさか………Мか?)


 ―数日後、駆逐艦寮・若葉&初霜の部屋―

若葉「く……オリョールでやられてしまった…」

初霜「大丈夫?」

若葉「少々痛みが走ったが……悪くはない」

初霜「………その気持ち、分かるわ!」

若葉「む?」

974: 2015/12/21(月) 22:13:34.62 ID:/YrP7tNz0
 ―15時過ぎ、厨房―

三日月「よ…いしょっと…」ホイホイ

間宮「うん、ホットケーキなら問題なく作れてるわね」

三日月「本当ですか?ありがとうございます!」クルッ

間宮「って、よそ見してると―」

ジュッ

三日月「熱ぁ!?」

間宮「もう言わんこっちゃない……ほら速く水で冷やして!」

三日月「でも…………気持ちいい」

間宮「きゃああああああああああ!!」


 ―16時過ぎ、執務室―

間宮「怖い!怖いわよぉ!!」

若葉「ふむ……初霜がおかしくなってしまったようだ」

提督「………まさか、真面目ゆえに抱え込んでいたストレスがМ、自傷癖と言う形で表れてしまうとは……」

若葉「だが原因の一端には、提督がSであることもあると思うが?」

提督「だから、私がSと言うのは間違いですって」

間宮「でも……提督の事が好きな金剛さんは、『テートクが望むのなら、私はテートクの奴隷となっても構いまセーン!』って言ってましたし…」

提督「その愛情には脱帽せざるを得ませんが……私はSではありません」

ガチャ

初霜「提督……今、お時間よろしいでしょうか?」つムチ

三日月「お時間があるようでしたら…私達にご指導を……」つハリセン

提督「カエレ!!」


【終わり】

980: 2015/12/22(火) 21:28:46.46 ID:GAMR4c1b0
【パパラッチ】

 ―18時過ぎ、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋―

青葉「い、生き残った……」ガチャ

衣笠「もう……また根も葉もないゴシップ記事でも書いたの?」

青葉「…なんでわかったの?」

衣笠「青葉が皆から追われる理由何て大体それぐらいでしょ」

青葉「くぅ……否定できません」

衣笠「それで、今度はどんな記事書いたのよ?」←遠征で新聞を見ていない。

青葉「これです…」スッ


『金剛、他鎮守府に愛人!?……か?』


衣笠「何々?『演習で相手艦隊と戦闘を行った後で、金剛氏は相手側の艦隊の提督と楽しそうに談話しており…』って、これだけ?」

青葉「はい」

衣笠「これだけじゃ、全然愛人とかそんなんじゃないでしょ」

青葉「分かってますよ」

衣笠「じゃあなんで?」

青葉「どんな些細な事でも面白く興味深いようなゴシップに仕立て上げるのが、記者と言うモノ!」

衣笠「とりあえずアンタは全国のまっとうな記者に謝った方がいいよ。というか、提督も今大変なんだよ?」

青葉「?」

衣笠「その話題になった相手の提督から苦情が来ていて謝り倒してるし、激怒した比叡さんや榛名さんをなだめたり、すっかりしょげた金剛さんを慰めたり、

   もうてんやわんやで」

青葉「金剛さんを慰める……その話詳しく―」

衣笠「いい加減にせんかっ!!」

981: 2015/12/22(火) 21:36:02.96 ID:GAMR4c1b0
 ―数日後・20時過ぎ、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋―

ガチャ

衣笠「ふ~、いいお風呂だった~♪」ホカホカ

衣笠「後はもうやる事ないし、寝るだけ―」チラッ

衣笠「これ…明日の‶青葉デイリー‶?」バサッ


『司令官と衣笠に淫らな関係が…!?下着姿で執務室に入る衣笠……』


衣笠「」

青葉「いい湯だな、あはは♪」ガチャ

衣笠「青葉!!これはどういうつもり!?」

青葉「なんですか衣笠、藪からスティックに」

衣笠「これ、明日の青葉デイリーでしょ!?なんでここに、私の写真が載ってるの!?」

青葉「だって事実ですし」

衣笠「そもそもこれは、私が旗艦だった時に中破しちゃって、それで帰投したことを伝えて戦果の報告をして―」

青葉「だったら入渠した後で報告すればよかったじゃないですか」

衣笠「うっ」

青葉「他にも、他の艦隊の方に帰投した報告だけを伝えてもらって戦果報告は自分で後でするとか、やりようはいくらでもあったんじゃないんですか?

   流石の私でも中破とかしたら、入渠して服が整ってから司令官のところへ向かいますよ」

衣笠「ううっ!?」

青葉「つまり衣笠は、司令官に下着姿を見せつけるために執務室へ行ったとしか―」

衣笠「わー、ストップストップ!!青葉もうやめて!今度スイーツでも何でも奢ってあげるから勘弁して!」

青葉「本当ですか?その言葉忘れないでくださいね?」

衣笠「忘れないから!」

青葉「じゃあ、この件は水に流すという事で」

衣笠「ほっ…」


【終わり】

982: 2015/12/22(火) 21:40:43.19 ID:GAMR4c1b0
【溜息】

 ―14時過ぎ、執務室―

提督「……………」カリカリカリ

コンコン

提督「どうぞ」

電「失礼するのです、司令官」ガチャ

提督「電さん。どうしたのですか?」

電「この前の演習の報告書が出来ましたので、提出しに来ました」

提督「ああ、ご苦労様です。では、そこのケースに入れておいてください」スッ

電「はい、なのです」

提督「…………はぁ」

電「!し、司令官…どうかしたのですか?」

提督「?いえ、ただ溜息をついただけですけど」

電「だめです!」

提督「へ?」

電「溜息をつくと、寿命が半年縮んじゃうって、龍田さんが言っていたのです!」

提督(龍田さん……また余計な事を……)

提督「あのですね、その理論から言いますと、私の寿命はとっくに尽きている計算になるんですけど」

電「ええっ!?」

983: 2015/12/22(火) 21:48:08.61 ID:GAMR4c1b0
提督「?いえ、特に理由もなく溜息つきたくなるものでしょう」

電「ないのです……」

提督「では、私が特殊という事でしょうか……」

電(司令官は結構特殊な気がするのです……立場でも、性格でも…)

提督「しかし、私が聞いた迷信では、『溜息をつくと幸せがが逃げていく』というヤツでしたね」

電「そ、そんな迷信もあったのですか!?」

提督「まあその理論だと、私の幸せなんて完全に尽きているでしょうし」

電「司令官さん…悲しすぎるのです……」

提督「あ、もしかして扶桑さんが不幸なのも、溜息をつきすぎているせいだからですかね?」

電「いえいえ、それは流石にないと思うのです……」

提督「分かっていますって、冗談ですよ」


 ―18時過ぎ、戦艦寮・休憩室―

ワー!ギャー!

長門「扶桑が倒れた!?」

陸奥「何でこんなことに!?」

山城「姉さまが……『溜息をついたら幸せが逃げていくらしいから、溜息をしないようにしばらくは呼吸をしない』って…午後の2時過ぎくらいから息を止めて」

長門「馬鹿者!何故それを止めさせなかった!艦娘だからよかったものの…4時間も息を止めてるなんて普通の人間だったら氏んでるぞ!」

陸奥「そんな事より人工呼吸よ!」

金剛「イヤ、明石さんを呼ぶのデース!!」

伊勢「ここは救急車でしょ!?」


提督「なんだか戦艦寮が騒がしいですねぇ」←騒ぎの元凶

電「何かあったのでしょうか……」←溜息の話題に導いた人


【終わり】

984: 2015/12/22(火) 21:54:10.08 ID:GAMR4c1b0
【竜田揚げ】

 ―13時過ぎ、執務室―

提督「………」カリカリカリ

提督「あっ……もうこんな時間になってしまったか……」

提督「もう食堂は空いていないだろうし……後で間宮さんの店にでも行くか」

コン、コン

提督「はい?」

龍田「失礼しまーす」ガチャ

提督「龍田さん、珍しいですね」

龍田「あら~、私が執務室を尋ねちゃおかしいのかしら~?」

提督「いえ、今日は別に龍田さんは予定が入っていないはずでしたから、少し疑問に思いまして」

龍田「安心してね~、ちゃんと理由はあるわよ~」

提督「?」

龍田「さっき食堂でご飯を食べてたら~、提督の姿が見えなくってね~?それで、『もしかしたら仕事に集中しすぎて食事の時間に気づいていないのかな?』

   って思ったのね~」

提督「…ええ、その通りです」

龍田「そこで~、私からのプレゼントよ~?」

提督「?」

龍田「じゃじゃーん、竜田揚げ~。てれれてってれ~」

提督「……セルフBGMって、悲しくなりますよね」

龍田「……自分でやって思い知ったわ~。それより早く食べてね?揚げたてだから~」

提督「ありがとうございます。では」

985: 2015/12/22(火) 22:00:30.30 ID:GAMR4c1b0
パクッ

龍田「お味の方はどうかしら~?」

提督「……ええ、とても美味しいです」

龍田「本当~?」

提督「本当です。これほどまでに美味しい竜田揚げは、今まで食べた事がありません」

龍田「もー、提督ったらほめ過ぎ~。リップサービスは嬉しくないわよ~?」

提督「いえ、事実ですって」

龍田「あら~。だったら素直に受け取っちゃおうかしら~?うふふ~」

提督「しかし、龍田さんって意外と家事が結構得意なんですね」

龍田「どこからその情報を仕入れたのかしら~?」

提督「天龍さんが良く自慢してくるんですよ。『龍田は自慢の妹だ』って」

龍田「もう、天龍ちゃんったら~♪」

提督「まあ、龍田さんはいい嫁になりそうですね」サラッ

龍田「………………」

ビュン

提督「!!」サッ

龍田「………」ブンブンブンブン

提督「落ち着いてください。無言で薙刀を振り回さないでください。気でも狂ったんですか」

龍田「あら~、違うわよ~?これはただの照れ隠しよ~♪」

提督「照れ隠しで氏んでたまりますか」


【終わり】

986: 2015/12/22(火) 22:09:36.55 ID:GAMR4c1b0
【皆勤賞】

 ―15時過ぎ、中庭―

(ひょんなことから、どちらが多く敵を倒したか、と言う話になった木曾と天龍)

木曾「俺の方が先に着任していたから、俺の方が敵を多く倒してるはずだ!」

天龍「おいおい、木曾。そのジョークはイケてないな。着任した順番で敵を倒した数に差が出るっていうのはおかしいだろ?俺の方が倒してるね」

木曾「へっ、にわかには信じがたいな。そんなのどうやって証明するんだよ」

天龍「まず、俺は悲しい事に性能が他の軽巡洋艦に劣ってるから大きな海域には出せてもらえない。せいぜい、キス島沖か鎮守府海域の潜水艦哨戒ぐらいだ」

木曾「それがなんだよ」

天龍「だが、そこに出撃を重ねているうちに、自然と多くの数の雑魚共を倒しているようになったんだ。潜水艦をぶっ倒した数なら、鎮守府で一番だぜ」

木曾「何かと思えば、そんな事かよ」

天龍「…何?」

木曾「俺は元々、神通ほどではないが初期の頃に提督の下に付いたからな。色々な海域の攻略には参加させてもらったぜ。モーレイ海やオリョール海、さらに

   アルフォンシーノにも参加させてもらった」

天龍「ぐっ」

木曾「もちろん、一回で攻略できたってわけじゃねぇ。何度も何度も出撃したさ。その過程で俺は多くの敵を倒してきた。実戦経験だったら俺の方が上だ」

天龍「そりゃ本末転倒だぜ。俺たちの対決は、どれだけ多くの敵を倒したかだ。実戦経験なんて関係ねぇよ」

木曾「なんだと、この『眼帯の可愛い方』が!」

天龍「てんめぇ……禁句を言っちまったな中二病がァ!!」

木曾「うるせぇ眼帯俺っ子とかいう中途半端なキャラ付けしやがって!」

天龍「お前が言うな!!」

987: 2015/12/22(火) 22:16:01.94 ID:GAMR4c1b0
彩雲妖精「失礼しまーす」ゴソゴソ

天龍&木曾「!!」

彩雲妖精「えっほ、えっほ……」

14cm単装砲妖精「彩雲ちゃん、大丈夫?」

彩雲妖精「大丈夫大丈夫!それより、戦艦ル級を倒したってホント?」

14cm単装砲妖精「う、うん……」

彩雲妖精「すごいじゃない!」

14cm単装砲妖精「で、でも…天山(六〇一空)ちゃんは、装甲空母姫に大ダメージを与えたって話でしょ?私なんて…」

彩雲妖精「艦載機とはまた別だよ!すごいよすごい!」

14cm単装砲妖精「そ、そう…?ありがとう…」


天龍&木曾「………………」

天龍(戦闘に多く参加して………)

木曾(なおかつ敵を多く倒してきた奴……)

天龍(さらに他の艦娘達と強い信頼関係を結び…)

木曾(どんなに強力な深海棲艦も倒す者…)


天龍&木曾(妖精さんじゃねぇか!!)


【終わり】

988: 2015/12/22(火) 22:20:03.41 ID:GAMR4c1b0
今日はここまでにします。


さて、そろそろ残りレスが少なくなってきたので、次スレを建てようと思います。

ただ、明日は>>1の都合上無理ですので、明後日に新スレを立てる予定です。また、新スレのURLをここに貼る予定です。


新スレは、このスレの続編となります。age進行、1話大体2~3レス(大体今日の小話と同じくらい)で時々5レス以上の話をはさむと言った感じです。

また、キリ番安価も採用予定です。


ここまでこれたのも読者の皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

それでは、次スレで会いましょう。


【艦これ】総司令部日和



引用: 【艦これ】総司令部の日常