7: 2024/08/03(土) 21:26:38.66 ID:PTH364OK0.net
生徒会長の朝は早い。

5:00

ピピピ…

栞子「ん…ん〜…」ムクッ

朝起きると軽く身支度をして、自室を後にする。

トントントン

薫子「ふぁ〜おはよ〜」

栞子「おはようございます。お茶でいいですか?」

薫子「コーヒー…」

栞子「ご飯と焼き魚ですよね?」

薫子「ん〜大丈夫。味噌汁は?」

栞子「今作ってます」

12: 2024/08/03(土) 21:37:46.55 ID:PTH364OK0.net
Q.朝食はいつも栞子さんが?

栞子「いえ、いつもと言う訳ではありません。お手伝いさんに作って頂いたり、母も作ってくれる事はあります。ただ、私もなるべく自分の事は自分で出来る様にと」

Q.三船家の教育方針ですか?

栞子「いえ、姉はやらないですし。実は今、学校にお弁当を持参してまして。今週は私の番なので」

Q.栞子さんの番?

栞子「はい。先週から私の所属する同好会の友人と週替わりでお弁当を作っていく約束をしてるんです」

Q.それは楽しそうです。

栞子「はい。とっても楽しいです」

16: 2024/08/03(土) 21:49:50.34 ID:PTH364OK0.net
お金持ちでお手伝いさんまでいるのに自分で朝食を作る真面目な三船栞子さん。では、ご家族の方は彼女の事をどう見ているのか。

Q.あなたから見て栞子さんはどんな人?

薫子「栞子〜?そうですね〜ま〜真面目ですよ。あと、頑固!だって、朝から朝食に魚焼いて出してくるし。普通は学校行く前に魚焼かないでしょ?でも、真面目で頑固だから、一度朝食を作ると決めたら手を抜けないんです。私だったら食パン焼いて終わり」

Q.なるほど。真面目で頑固なのですね。

薫子「そう。姉としてはも〜ちょっとユーモアを身につけて欲しいけど。真面目過ぎてたまに心配になる時があるもん」




Q.とお姉さんは仰っていましたが?

栞子「そうですね。姉さんにそう言われるのはとても心外ですね。もう少し真面目に生きて欲しいです」

17: 2024/08/03(土) 22:02:18.55 ID:PTH364OK0.net
7:20。家を出る。

Q.学校は8時45分からですよね?いつもこんなに家を早くでるのですか?

栞子「そうですね。生徒会の仕事もあるので」

Q.え?朝から生徒会の仕事をするのですか?

栞子「はい。午後は同好会の方に顔を出したいので。朝出来る仕事は朝のうちに終わらせる様にしています。あっ、もちろん、午後は全く生徒会の方に顔を出さないと言う訳ではないです?役員の方達とのコミュニケーションも大切ですから。ただ、なるべく午後の負荷を減らそうと考えて、朝やる事にしてるのです」

Q.偉いですね。

栞子「いえ、自分の為にやってる事ですから」

微笑みながらそう答える彼女。

18: 2024/08/03(土) 22:08:14.23 ID:PTH364OK0.net
栞子「あっ、しずくさん」

しずく「栞子さん。おはようございます」

栞子「おはようございます」

登校中。どうやら友達と遭遇したようだ。

栞子「早いですね。演劇部ですか?」

しずく「はい。栞子さんは生徒会?」

栞子「そうなんです」

しずく「あまり無理しちゃダメだよ。体は一つしかないんだから」

栞子「ありがとうございます。しずくさんもお身体は大事にですよ」

21: 2024/08/03(土) 22:14:21.73 ID:PTH364OK0.net
友人と話す彼女を見てふと、気がついた事があった。

Q.友人と話す時も敬語?

栞子「そうですね。基本的にはこの話し方です」

Q.お姉さんに対しても敬語でしたね。

栞子「子供の頃は違ったのですが。いつからですかね?この喋り方になったのは」

Q.覚えてない?

栞子「はい。気がついた頃にはこうなって居たので。やはり変でしょうか?親しい友人相手に敬語で喋ると言うのは」

Q.そんな事はないと思いますよ。

栞子「そうですか。ありがとうございますかっこ

23: 2024/08/03(土) 22:24:33.85 ID:PTH364OK0.net
しずく「栞子さんですか?」

Q.はい。あなたから見て彼女はどんな人ですか?

しずく「ん〜そうですね…とにかく真面目で誠実?あと、結構天然な所があるんです!」

Q.天然ですか?

しずく「ほら?栞子さん真面目だから。冗談とか間に受けちゃう時が多々あって」

Q.なるほど。そう言う事ですか。

しずく「そう言う所も可愛いなって思います」

24: 2024/08/03(土) 22:33:42.16 ID:PTH364OK0.net
8:00。学校に到着した彼女は自分のクラスではなく、直接生徒会室へと向かった。

Q.どんな仕事があるんですか?

栞子「基本的には事務作業です。今は時期的にやる事も限られてるのですが、この学校は生徒数がとにかく多いので、生徒からの要望書が沢山届くんです。なので、そちらの対応ですかね」

Q.生徒からの要望に生徒会が対応するのですか?

栞子「はい。生徒の代表が生徒会ですから。もちろん、やるやらないを最終的に判断するのは学校側なので、我々はそれを実現出来る様に動いたり、学校側に声を届けるのが仕事になります」

26: 2024/08/03(土) 22:37:36.83 ID:PTH364OK0.net
Q.生徒からはどんな要望があるのですか?」

栞子「様々な意見が来ますよ。例えば……部費を増やして欲しい…」

Q.どうしました?

栞子「いえ、見覚えのある字体だったのでもしかしてとは思ったのですが」

Q.お知り合いから?

栞子「私の所属する同好会のメンバーです」

28: 2024/08/04(日) 18:14:20.48 ID:CYyyGwbG0.net
Q.承認するのですか? 

栞子「同好会は当初の予算通りの金額で活動出来ていますからね。特別な理由もなく活動費を出したりはしません」

Q.身内相手でも厳しいのですね。

栞子「当然ですが。身内だからと特別扱いしていたら、必ず綻びが生まれます」

Q.なるほど。まさにその通りだと思います。

30: 2024/08/04(日) 18:28:56.38 ID:CYyyGwbG0.net
ここで学園の生徒達に三船栞子の評判を聞いてみた。

「三船会長ですか?クールで冷静沈着、それでいて真っ直ぐな人でかっこいいです」

「すごいですよね。一年生で生徒会長ですからね。風紀委員で少し一緒だったんですけど、仕事もテキパキとこなしちゃうんですよ」

「家があの三船財閥だからね〜品があるよね〜やっぱり」

「しお子ですか?あ〜しお子はあだ名ですよ。しお子は真面目ですねぇ。真面目過ぎてたま〜に冗談が通じないんですよね。この間も…凄い恥ずかしい話があって〜あっ、これ、誰が話したか分からない様にして下さいよ」

やはり、概ね品行方正で真面目と言う意見が大方だった。

31: 2024/08/04(日) 18:37:35.37 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「そう言って頂けるのは嬉しいです。私は堅すぎる所があるのは自覚していて…近寄り難いと思われたりしてないかなと少々心配だったので」

そう言って彼女は少し嬉しそうに、はにかんだ。

11:45。午前中の授業が終わると彼女はお弁当を三つ持って中庭へと向かった。

歩夢「わ〜栞子ちゃんの手作りお弁当。楽しみ〜」

侑「いいの?私まで貰っちゃって?」

栞子「もちろんです。ぜひ、召し上がって下さい」

侑「じゃあ、お言葉に甘えて頂きま〜す」

歩夢「頂きま」

33: 2024/08/04(日) 18:50:51.79 ID:CYyyGwbG0.net
Q.いつもここでお友達と食べてるんですか?

栞子「いつもと言う訳ではありませんが、最近は歩夢さんの侑さんのご一緒させて頂く事が多いです」

歩夢「私達も普段は食堂だったんですけど、順番でお弁当を作って来ようって話になったんです」

栞子「先週は歩夢さんのお弁当を頂いたのですが、とっても美味しいくて。私の作ったお弁当がお口に合うか不安なのですが」

歩夢「凄く美味しいよ」

侑「うん。凄く美味しい」

栞子「ありがとうございます」

友達と楽しそうにお昼を囲むその姿は、今日初めて見る、等身大の姿だったかもしれない。

34: 2024/08/04(日) 19:01:03.36 ID:CYyyGwbG0.net
役員「生徒会長〜」

栞子「あら?どうしました?」

役員「ちょっと、トラブルが。来てもらえますか?」

栞子「はい。あっ」

侑「私達の事は気にしないで行ってきて」

栞子「すいません。失礼します」

35: 2024/08/04(日) 19:04:45.63 ID:CYyyGwbG0.net
Q.トラブルはよく起こるんですか?

栞子「そんな事はありませんが。まあ…生徒数が多いので…。それで?トラブルとは?」

役員「その…」

栞子「言い難いのですか?」

役員「まあ…現場に到着すれば分かります」

そう言って我々が到着したのは調理室。

37: 2024/08/04(日) 19:08:44.10 ID:CYyyGwbG0.net
役員「生徒会長が到着しました!」

生徒A「おぉ…」

せつ菜「おや?栞子さん!!!」

彼方「栞子ちゃ〜ん…」

栞子「せつ菜さん、彼方さん?一体…何をされてるんですか?」

せつ菜「はい。彼方さんからパンケーキの作り方を教わっていて」

栞子「お昼休みに?」

彼方「短時間で出来るパンケーキなんだよね」

38: 2024/08/04(日) 19:12:09.56 ID:CYyyGwbG0.net
せつ菜「これ!良かったら栞子さんも召し上がって下さい」

栞子「え?……これは…」

せつ菜「パンケーキですかっこ

役員「近くに居た生徒に配った様で」

栞子「なるほど……」

39: 2024/08/04(日) 19:15:56.59 ID:CYyyGwbG0.net
役員「どうしましょう?」

栞子「そうですね…」

Q.お知り合いなのですか?

栞子「はい…あの…前生徒会長で……同好会のメンバーです……」

Q.なるほど…大変ですね。

41: 2024/08/04(日) 19:25:42.24 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「あの…せつ菜さん。確認ですが調理室の使用許可は」

せつ菜「もちろん取っていますよ!もちろん、食料品を持ち込む許可も取ってますし、全て火を通しています!」

栞子「ぬかりないですね。流石です…」

せつ菜「これでも生徒会長やっていましたから!で、栞子さんはどうしてここに?」

栞子「えっと…一応、不特定多数の人に配るのは控えて頂きたいと言うか。何かあってからでは遅いので。あの…せつ菜さんなので、そんな事はないとは分かっていますが。一人を許してしまうと…」

せつ菜「確かに…そうですね。最近は集団食中毒等の事件もありますもんね。すいません、そこらへんの認識不足でした」

栞子「いえ。あの…調理の勉強は素晴らしいと思うので。では、彼方さん。後はよろしくお願いします」

彼方「え…栞子ちゃ〜ん」

42: 2024/08/04(日) 19:33:46.83 ID:CYyyGwbG0.net
Q.トラブル解決ですね!

栞子「そうですね。予想外のトラブルでしたが」

役員「生徒会長」

栞子「なんでしょうか?」

役員「たった今…校則違反の疑いがあるとのタレコミが…」

栞子「タレコミ?誰からですか?」 

Q.忙しいですね。タレコミなんてあるんですか?

栞子「いえ…普段はありませんが…。取り敢えず、向かいましょう」

43: 2024/08/04(日) 19:38:01.65 ID:CYyyGwbG0.net
我々が向かったのはゲーム研究部の部室」

栞子「ゲーム研究部ですか…初めて来ますが…何があったのですか?」

役員「はい。実はこの部室で賭け事が行われていると…」

栞子「え…」

Q.校則違反どころか法律に触れませんか?

栞子「そ、そうですね。でも、まさか…学校でそんな堂々と…」

44: 2024/08/04(日) 19:39:55.86 ID:CYyyGwbG0.net
ロォーーーーーーン

役員「聞こえて来ますね」

栞子「そうですね…」

Q.まさか、賭け麻雀?

栞子「いや…取り敢えず確認しましょう」

45: 2024/08/04(日) 19:53:44.73 ID:CYyyGwbG0.net
ガチャ

栞子「失礼します」

薫子「残念!ロォン!」

ミア「くっ。ブラハかっ」

ランジュ「卑怯よ」

ゲーム部員「やられた」

薫子「あははは。それじゃあ、出して貰おうかな〜」

ミア「ちっ」

栞子「何をやってるんですか?」

薫子「へ?おや?栞子?」

47: 2024/08/04(日) 19:59:23.09 ID:CYyyGwbG0.net
ランジュ「栞子も混ざりに来たの?」

栞子「そんな訳ないでしょ!!!姉さん、生徒に混じって何をしてるんですか!!!!」

薫子「ちょっ、大きな声を出さない。皆んなビックリするよ」

栞子「ビックリしてるのはこっちです。まさか、賭けてないですよね?」

薫子「あ〜…」

ミア「賭けてるに決まってるじゃないか」

ランジュ「当然よね?普通にやってもつまらないわ」

栞子「なっ………」

役員「あ〜………」

薫子「ちょっ、違うよ?お金は掛けてないから。お昼のおかずを賭けてるだけだから。流石に学校で賭け麻雀なんてやらないよ」

49: 2024/08/04(日) 20:05:25.13 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「………本当ですか?」

薫子「本当だよ!!!え?私の事信用出来ないの?」

栞子「………」

薫子「実の姉なのに…」

ゲーム部員「あの、本当にお昼ご飯とジュースしか賭けてないですよ。金銭のやり取りはないです」

薫子「そうそう。法律上、ジュースを賭けたりは問題ないはずだから。変な誤解はしないで」

ランジュ「へ〜お金を賭けたら違法なのね」

ミア「面白い国だね、ジャパンって」

栞子「取り敢えず、先生方には報告しておきます」

薫子「変な言い方しないでねーーーー」

50: 2024/08/04(日) 20:08:36.53 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「あっ、父さんと母さんにも伝えて起きますから」 

薫子「なっ、この鬼畜ーーーー」

ランジュ「あはは。薫子が焦ってる姿珍しいわ〜」

ミア「そんな事より続きやろうよ」

栞子「いきましょう」

役員「はい」

51: 2024/08/04(日) 20:11:36.31 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「はあ…」

Q.大変ですね。

栞子「お恥ずかしい所をお見せしました。頭が痛い…身内から犯罪者が出るかと…」

Q.取り敢えずは良かったですね。

栞子「良かったのでしょうか…」

52: 2024/08/04(日) 20:17:44.19 ID:CYyyGwbG0.net
キーンコーンカーンコーン

栞子「あっ…私…まだ…」

結局、昼食をまともに食べる事なく三船栞子の昼休みは終わった。

栞子「…はあ…お昼…楽しみにしてたのに」

彼女の横顔はどこか悲しそうに見えた。

栞子「姉さん。絶対に許さない」

いや、怒りに満ち溢れていた。

55: 2024/08/04(日) 20:32:41.88 ID:CYyyGwbG0.net
15:00。午後の授業を終えても、三船栞子は動く。

栞子「と言う事が昼休みにありました。校内外問わず違法行為は決して許されません。今回は法律に触れる事はありませんでしたが、今一度、身を引き締める様に周知をお願い致します…本当に…どう言う事で、本日は特に業務もありませんから、これで解散と…」

バチッ 

栞子「ん?なにか切れた音が聞こえました?」 

役員「そうですね。あっ、部屋の灯りが消えてます」

栞子「本当ですね。LEDなので切れたと言う事もないでしょうし…」

役員「パソコンの充電も出来てないですね。停電では?」

56: 2024/08/04(日) 20:40:43.03 ID:CYyyGwbG0.net
Q.とくにこの地域での停電は発生していませんが?

栞子「あっ、調べていただいたんですね。ありがとうございます。と言う事は校内でのトラブルでしょうか?」

プルルルル、プルルル。その時、三船栞子の携帯電話が鳴った。

栞子「璃奈さんから?…もしもし?栞子です。はい、はい。え……そう…ですか。今行きます」

Q.何かあったのですか?

栞子「停電の原因が分かりました。また、身内でした」

そう言って、ゆっくりと立ち上がると彼女は生徒会室を後にした。

57: 2024/08/04(日) 20:48:00.19 ID:CYyyGwbG0.net
彼女が向かったのは工作室。

愛「いや〜やちゃった。ごめんね、しおってぃ」

璃奈「ごめんなさい」

栞子「いえ、取り敢えず、怪我はありませんか?」

愛「うん、大丈夫。でも、まさか、生徒会室まで電源落ちるとは」

璃奈「短絡させたからね。この部屋のブレーカーよりも先に主幹が切れたんだと思う」

栞子「よく分かりませんが気をつけて下さい。何をしてたんですか?」

58: 2024/08/04(日) 20:56:43.83 ID:CYyyGwbG0.net
璃奈「はい」

栞子「で、何を作ろうとしてたんですか?」

璃奈「タイムマシン」

栞子「……そうですか」

Q.タイムマシンが完成したら、ぜひ取材させて下さい。

璃奈「うん」

60: 2024/08/04(日) 21:00:44.86 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「なんだか疲れました」

しずく「あっ、栞子さん!ちょうど良い所に」

栞子「ちょうど?」

しずく「はい。これ、今度の演劇部の劇の脚本を私が考えたのですが」

栞子「そうなんですか?なぜ、私に?」

しずく「学校の名を背負って発表するので、内容の許可を得る決まりになってるんです。なので、生徒会長である栞子さんに」

栞子「そうだったのですね。すいません。まだ、就任して日が浅く、知りませんでした」

63: 2024/08/04(日) 21:08:24.07 ID:CYyyGwbG0.net
しずく「で、これが脚本」

栞子「あっ、はい。ここで?」

しずく「できれば」

栞子「えっと………」

廊下でも生徒会長の仕事は舞い込んで来る。彼女は脚本を読み始めたのだった。

栞子「あの……」

しずく「どうかな?」

栞子「いや…これ、モデルいますか?」

しずく「モデル……はい」

栞子「ですよね。流石に…身近過ぎませんか?」

しずく「そっか。やっぱり分かっちゃうんだね」

64: 2024/08/04(日) 21:12:28.84 ID:CYyyGwbG0.net
栞子「そうですね。あの〜…愛憎劇はやめましょう!身近な人物をモデルにするなら、もう少し明るい話で」

しずく「分かりました。手直しして来ます」

栞子「はい。お願いします」

しずく「あっ、栞子さんもう部室に行くの?」

栞子「はい。このまま向かおうかと」

しずく「じゃあ、一緒に行こう」

66: 2024/08/04(日) 21:20:00.97 ID:CYyyGwbG0.net
Q.ところで三船さんが所属している同好会は何をしてるのですか?

栞子「そう言えばお話ししていなかったですね。私が所属しているのはスクールアイドル同好会です」

Q.スクールアイドル同好会ですか。意外ですね。

栞子「自分でもそう思います」

Q.と言う事はラブライブを目指しているのですか?

栞子「いえ。私達の目的はスクールアイドルとしてパフォーマンスをする事なので。特にラブライブに拘ってはいません」

67: 2024/08/04(日) 21:31:51.19 ID:CYyyGwbG0.net
しずく「ラブライブ優勝を目指して居た時期もあったんですけどね。私達にそれは合わないって判断して今に至るんです」

Q.なるほど。色々とあったのですね。

しずく「色々とあったんです」

栞子「私が入部する前の話ですね」

Q.三船さんは入部が桜坂さんに比べて遅い?

栞子「そうですね。私はメンバーの中でも最後の方の加入ですね。先程、ゲーム研究部の部室に居た、鐘嵐珠とミア・テイラーさんが最後の加入でその前が私になります」

Q.ミア・テイラー?あの世界的有名な音楽家系のテイラーですか?

栞子「はい。ご存知なかったのですか?」

Q.驚きました。まさか、テイラーがスクールアイドルを?そして賭け麻雀…

栞子「賭け麻雀ではありませんよ」

しずく「ん?」

69: 2024/08/05(月) 20:13:14.51 ID:CXBLq8dH0.net
栞子「と、とにかく…部室に」

ぐぅ〜

栞子「あ…」

しずく「え…っと」

栞子「違うです」

しずく「まだ何も言ってない」

栞子「お昼ちゃんと食べてなくて」カァァァァ

71: 2024/08/05(月) 20:28:32.05 ID:CXBLq8dH0.net
しずく「……そうなんですか?なぜ…」

栞子「話すと長くなります」

しずく「お菓子で良かったら少し持ってるから、部室に着いたら食べる?」

栞子「ありがとうございます。皆んながしずくさんの様な人だったら世界は平和なのに」

しずく「何があったの…一体…」

72: 2024/08/05(月) 20:36:12.69 ID:CXBLq8dH0.net
大人びていても、三船栞子も等身大の高校生である。

栞子「ここが同好会の部室です」

ガチャ

かすみ「あっ、しお子!活動費の件!」

栞子「……今回は見送りで」

かすみ「え〜なんで!!?自分の所属する同好会なんだよ?少しは裕福にしてよ!ただでさえ、部活じゃないから少ないのに」

栞子「自分の所属する同好会だからって特別扱いはしません」

かすみ「む〜」

73: 2024/08/05(月) 20:42:11.62 ID:CXBLq8dH0.net
ランジュ「お腹空いたわ…」

ミア「ボクも…」

しずく「…お二人もお昼抜きですか?」

ミア「も?」

しずく「栞子さんもお昼抜きだった様で」

かすみ「え?そうなの?ダイエット?」

栞子「違います」

ミア「クソ。明日は今日の分取り替えしてやる」

ランジュ「薫子があんなに強かったなんて知らなかったわ」

栞子「…姉さん…本当にお昼を巻き上げたんですか…仮にも教え子なのに…」

74: 2024/08/05(月) 20:46:13.02 ID:CXBLq8dH0.net
せつ菜「お腹空いている様だったら、私の作ったパンケーキ食べますか?あっ!ちゃんと部室で配る許可は取りました!」

栞子「え?」

かすみ「せつ菜先輩が作ったんですか?」

ミア「食べる。今は何でもいいから食べた気分だ」

ランジュ「ランジュも食べるわ」 

せつ菜「はい、どうぞ」

ドーン

ミア「うっ…なにこれ?」

せつ菜「パンケーキです!」

ランジュ「私の知ってるパンケーキと違うわ」

せつ菜「中国のとですか?」

75: 2024/08/05(月) 20:48:52.01 ID:CXBLq8dH0.net
かすみ「たぶん、そう言う事じゃない」

せつ菜「かすみさんも食べますか?」

かすみ「大丈夫でーす」



栞子「はあ…」

歩夢「なんだかお疲れだね」

栞子「歩夢さん…」

エマ「疲れてるなら…少し横になる?」

栞子「エマさん…いや…でも…」

76: 2024/08/05(月) 20:50:39.38 ID:CXBLq8dH0.net
彼方「少しだけ、甘えてごらんよ。エマちゃんのお膝、気持ちいいよ」

栞子「え…」

エマ「ほら、おいで〜」

栞子「は、はあ…では…」

77: 2024/08/05(月) 20:57:42.97 ID:CXBLq8dH0.net
エマ「どう?気持ちいい?」

栞子「うっ…うぅ…」

エマ「え?どうしたの?」

歩夢「泣いてる…?」

果林「何したの…エマ?」

エマ「何もしてないよぉ。どうしたの?どこか痛い?」

栞子「違うんです。姉さんやランジュはいつも振り回してくるのに…エマさん達はなんて優しくてあたたかいのだろうって…」

歩夢「な、なるほど…なんか…大変だったんだね。栞子ちゃんがこんなになるなんて…」

果林「何したのよ…あなた達…」

ランジュ「何もしてないわよ。ね?」

かすみ「え?かすみん、こっち側ですか?」

栞子「う…うぅ…………すぅ…すぅ…」

79: 2024/08/05(月) 21:03:31.08 ID:CXBLq8dH0.net
かすみ「寝たっ!!!?」

しずく「よっぽど疲れたんだね。栞子さん」

かすみ「いやでも、泣きながら寝るって…赤ちゃんじゃあるまいし…」

果林「そう言う事言わないのよ」

せつ菜「そうですよ。生徒会長に就任したばかりで気も張っていたのでしょう」

ランジュ「昔から無理し過ぎなのよね。疲れた時は疲れたって言わなきゃ」

歩夢「あはは…なんか…ランジュちゃん達に振り回されたって言ってた様な…」

80: 2024/08/05(月) 21:08:22.18 ID:CXBLq8dH0.net
16:00

栞子「はっ!!!?」

エマ「ん…ふぁ〜…おはよ…じゃないか」

栞子「私…ずっと寝て」

侑「可愛い寝顔だったよ」

栞子「なっ…」カァァァァァァ

三船栞子。クールで冷静沈着で真面目な生徒会長。しかし、我々は確かに等身大の16歳の彼女の姿を見たのだった。

81: 2024/08/05(月) 21:12:10.28 ID:CXBLq8dH0.net
18:00

栞子「璃奈さん!!!タイムマシンいつ頃出来そうですか!!!」

璃奈「あと20年あれば」

栞子「20年…今すぐ過去に戻りたい…」

愛「しおってぃでもやり直したい過去があるんだね〜。びっくり」

しずく「私はあと20年でタイムマシンが出来る方がびっくりです」

82: 2024/08/05(月) 21:12:23.41 ID:CXBLq8dH0.net

83: 2024/08/05(月) 21:35:35.05 ID:xe1cDagd0.net
お疲れ様です
面白かったー

84: 2024/08/05(月) 21:36:18.52 ID:pzl+TZdc0.net
ᶘイ;⇁;ナ川

86: 2024/08/05(月) 22:00:11.38 ID:CXBLq8dH0.net
栞子、かすみ、ミアは書きやすい。

引用: SS「生徒会長 三船栞子」