1: 2012/03/09(金) 22:28:08.83 ID:HdNqqZtLo
・・・・・・

あかり「はい京子ちゃん、お茶淹れたよ」コト

京子「おおっ、あかりは気が利くな~」

あかり「それにしても京子ちゃんが遊びに来るなんて珍しいね。あかり嬉しいなぁ」パァ

京子「それがさ~。結衣の奴ちなつちゃんとデートに行くから遊べないって言うんだよ」

あかり「そっかぁ。ちなつちゃんは結衣ちゃんのことが好きだもんね」

京子「私だってちなつちゃんのこと好きなのに~!」

あかり「あはは……(あれ?でも京子ちゃんって結衣ちゃんのことが好きなんじゃ……まあいっか)」

京子「とまあ、こんな三角関係とは微塵も関係ないあかりを慰めてあげようと思ってさ」

あかり「私を慰めるの!? っていうかあかりを可哀想な人みたいに言わないで~!」

第11話 「わたしたちのごらく部」

2: 2012/03/09(金) 22:29:19.14 ID:HdNqqZtLo
京子「ま、暇だったから遊びに来ただけなんだけどね」

あかり「丁度あかりも暇だったんだぁ。 何して遊ぼっか?」

京子「ゲーム! ゲームやろう!」

あかり「ゲームかぁ……ぷよぷよとかどう?」

京子「ぷよぷよは難しいからパス!」

あかり「えぇっ、そんなことないよぉ。 連鎖できると楽しいよ~」

京子「結衣とぷよぷよやって勝ったことないんだもん。
   横で大連鎖されて為す術もなく敗北する惨めさと言ったら、トラウマもんだよ……」

あかり「そ、そんなに結衣ちゃんって強いんだ……」

京子「まー私が下手すぎるってのもあるけど」

3: 2012/03/09(金) 22:30:19.61 ID:HdNqqZtLo
あかり「ぷよぷよは駄目かぁ」

京子「ナモクエ持ってないの? ほら、最近新しいの出たじゃん」

あかり「ナモクエⅢなら……」

京子「何年前のゲームだよっ」

あかり「あぅぅ……」ショボーン

京子「……ま まあⅢも名作だからね。 うん、よし! やろう!
   そんで何時間でクリアできるか挑戦しようじゃないか!」

あかり「う、うん! 今から準備するね!」パァァ

京子(せっかく遊びに来てるんだし、我儘ばかりじゃあかりに悪いもんな……)

4: 2012/03/09(金) 22:31:45.09 ID:HdNqqZtLo

テーンテテーンテーン…♪

京子「うわ、すごい懐かしい……これ私たちが小学校低学年の頃のゲームだよな?」

あかり「あかりたちがまだ出会ったばかりの頃だね~」


→ つづきから  ピッ
   最初から


あかり きょうこ ゆい  ちなつ
lv.99    lv.99   lv.99   lv.99


京子「!? あかりどんだけやりこんでんの!?」

あかり「えへへ、ここまでレベル上げるの大変だったんだよぉ」

京子(しかも私たちの名前入れてるし……あれ?)

京子「ちなつちゃんって……小学校の頃はいなかったよね?
   なんで名前があるの?」

5: 2012/03/09(金) 22:32:44.89 ID:HdNqqZtLo
あかり「あ、そのデータは最近のだからちなつちゃんの名前も入れたの」

京子「最近のやつって……もしかしてあかり、ずっとこのゲームやってるの?」

あかり「そうだよ~もうかれこれ10周はしたかな。
    これで遊んでると、みんなと冒険してるみたいですごく楽しいんだ~」

京子「でも新作が出てるんだし、そっちで遊べば……」

あかり「う~ん……あかりはあまりお金持ってないし、ナモクエⅢは結衣ちゃんと京子ちゃんと
    3人で買った思い出のゲームだから、大切にしたくて……」

京子「3人で買った……? そんなことあったっけ?」

あかり「忘れちゃったの? みんなのお年玉持ち寄って買ったんだよぉ。
    しばらく結衣ちゃんの家で遊んでたんだけど、新作が出た時に古いのはいらないからって
    あかりにくれたんじゃない」

京子「……? すまん、覚えてないわ」

あかり「もぉ~」

6: 2012/03/09(金) 22:34:05.50 ID:HdNqqZtLo
京子(しっかし律儀に遊び続けてるところがあかりらしいというか……)

あかり「じゃあ新しい冒険の書作ろっか」ピッ

京子「あ! そのデータ消しちゃっていいの!?」

あかり「大丈夫だよぉ。もう一回レベル99まで上げればいいんだし」

京子「な、なるほど……しかしあかりがそこまでやり込んでるとなると、最短クリアじゃ生温いな~」

あかり「そうだね~。たぶん4時間くらいでクリアできちゃうかも」

京子「よし! じゃあ低レベルクリアを目指そう!」

あかり「わぁ、それならあかりもまだやったことないから面白そう!」

京子「ふっふっふ、低レベルクリアなら私の十八番よ!」

あかり「さっそくやろう!」

7: 2012/03/09(金) 22:34:35.48 ID:HdNqqZtLo

・・・・・・

あかり「……京子ちゃん、やっぱりここはレベル上げないと無理だよぉ」

京子「いーや! 道具と魔法を上手く使えばいける! あと必要なのは運だ!」

あかり「ご、強引だね……あ、もうこんな時間か~。京子ちゃん、何かおやつ食べる?」

京子「やくそう! やくそうが欲しい!」

あかり「薬草なんて無いよぉ」

京子「いやゲームの話なんだけど」

あかり「もう、まぎらわしいよ~」

京子「ラムレーズンくれ!」

あかり「あっ、丁度ラムレーズンあるんだった。 持ってくるね~」

8: 2012/03/09(金) 22:35:02.75 ID:HdNqqZtLo
京子「ラムレーズンうめー!」ムシャムシャ

あかり「美味しいね~」サクサク

京子「さて、エネルギーも補充できたし、続きだ続き!」ピコピコ

あかり「♪」

京子「…………」ピッピッ

あかり「…………」

京子「…………うわ~っ、またやられた!」

あかり「そういえば、この町で少しお金稼げるよ。
    それで装備を整えた方がいいんじゃないかな」

京子「そういうことは先に言え~っ!」

あかり「ご、ごめんなさい~」

9: 2012/03/09(金) 22:35:30.31 ID:HdNqqZtLo

・・・・・・

京子「……ふぃ~、やっと最初のボス突破かぁ。
   難しいけど案外面白いな~」

あかり「おめでと~……ってなんであかりだけ氏んでるのぉ!?」

京子「え? だってあかりHP低いんだもん。回復してる暇がなくてさ~」

あかり「魔法使いのちなつちゃんの方がHPも防御力も低いのに……」

京子「ちなつちゃんを氏んだままにしておけないだろ」

あかり「その情けをあかりにも分けて~っ!」

京子「大丈夫。あかりはしっかり私たちの盾になってくれたよ」b

あかり「それって喜んでいいのかな……」ズーン

10: 2012/03/09(金) 22:36:03.74 ID:HdNqqZtLo
京子「ん~~……集中してたから疲れちゃったな~。
   あかり~ベッド借りるよ~」ボフッ

あかり「もうゲーム止めちゃうの?」
    
京子「ちょっと休憩するだけ~……」

あかり「じゃああかりが続きやってみるね」

京子「レベルは上げちゃ駄目だぞ~……むにゃむにゃ」

あかり「分かったー……って京子ちゃん寝ないでね!?」

京子「寝ないよ~……あ~、この布団あかりの匂いがする~……」スンスン

あかり「へ、変なこと言わないでよぉ///」

京子「……な~んかあかりの部屋って落ち着くんだよなぁ~……
   結衣の部屋とはまた違った雰囲気だけど……安心できるっていうかさ~」

あかり「そ、そうかな」

11: 2012/03/09(金) 22:37:02.61 ID:HdNqqZtLo
京子「なんでだろうな~……空気だからかな~……」

あかり「あかり空気じゃないもん!」プンプン

京子「…………」

あかり「…………京子ちゃん?」

京子「…………zzZZ……」

あかり「……寝るの早すぎるよ……」

12: 2012/03/09(金) 22:38:47.10 ID:HdNqqZtLo

・・・・・・

あかり「えいっ えいっ ……あぁ~、ゲームオーバーになっちゃったよぉ。
    難しいなぁ。 でもゆいちゃんときょうこちゃんが活躍してくれるから心強いな~♪」

京子「……zzZZ……」

あかり「……京子ちゃん、夕飯はうちで食べていくのかな。
    結衣ちゃんの家に行く時はいつもそうだもんね」

京子「zzZZ……」スピースピー

あかり「えへへ……京子ちゃんの寝顔かわいい~……あ、よだれ垂らしてる。
    もお~、あかりの枕なのに~……拭いてあげないと」

フキフキ

あかり「……京子ちゃんのほっぺた柔らかいなぁ」ツンツン

京子「む~……」

あかり「あっ、起こしちゃったかな……?」

13: 2012/03/09(金) 22:39:33.38 ID:HdNqqZtLo
京子「あかりぃ……」

あかり「ふぇ? あかりがどうかした?」

京子「あかり良い匂い……むにゃむにゃ」

あかり「なんだ寝言かぁ……っていうか、あかりってそんなに良い匂いするのかなぁ」スンスン

あかり「……京子ちゃんの方が良い匂いすると思うんだけどなぁ」

あかり「……ちょっと嗅いでみよう」

ス――

あかり(……こうやって近くで見ると、京子ちゃんの肌って綺麗だなぁ。
    髪の毛もつやつやだし……それにやっぱり良い匂いする……可愛いなぁ)

14: 2012/03/09(金) 22:40:20.60 ID:HdNqqZtLo
京子「あかり……」パッチリ

あかり「!! はわわわ……お、起きてたの!?」

京子「ちょっと来て」

あかり「来てって……どどど、どういう……!?」

京子「いいから!」グイッ

あかり「ひぇぇーっ!」モフ

ダキッ

あかり(きょきょきょ京子ちゃんがあかりに抱きついてっ!?)

京子「ん~~~~……」スーハースーハー

あかり(首筋嗅がないでぇ~っ)

15: 2012/03/09(金) 22:41:54.14 ID:HdNqqZtLo
京子「あ~やっぱり落ち着くわ~……」スンスン

あかり「きょ、京子ちゃんくすぐったいよぉ」

京子「良い匂いだしあったかいし……よし、決めた!!」

あかり「へっ!? な、なにを……?」

京子「あかりは今日から私の専用抱き枕になるのだ!」

あかり「ええええええっ!?」

京子「あかりに拒否権はない!」

あかり「そ、そんなぁ~っ! っていうか抱き枕って何~!?」


この後むりやり京子ちゃんにお持ちかえりされてしまいました。
それ以来京子ちゃんは暇さえあればあかりに抱きつくようになりました。
最初はびっくりしたけど、京子ちゃんの腕に包まれているとあかりも嬉しくなります。
京子ちゃんも良い匂いで、柔らかくて、あったかくて……
いつかは抱き合うだけじゃなく、もっと深い関係になりたいなぁ……なんて、思ったりもするのでした。



おわり

16: 2012/03/09(金) 22:50:40.84 ID:aqs3/1WmP
うむ。ゆるゆりSSにふさわしいほのぼの百合だな。おおいに乙

引用: 京子「あかり~遊びに来たぞ~」