506: 2014/01/19(日) 00:39:28.51 ID:v6Csju4Qo
遅くなってしまってすみません。
【ダンロン×斉Ψ】斉木楠雄(コロシアイ学園生活を阻止する)Chapter1
【ダンロン×斉Ψ】斉木楠雄(コロシアイ学園生活を阻止する)Chapter1
507: 2014/01/19(日) 00:41:31.09 ID:v6Csju4Qo
【前回のあらすじ】
ドッキリカメラ?
斉木(新Chapterに入ったことだし、改めて自己紹介しておこう)
斉木(僕の名前は斉木楠雄。“超高校級のジャンケニスト”だ)
斉木(じゃんけんの才能を見込まれ、天下の私立希望ヶ峰学園にスカウトされた……らしい)
斉木(事実、僕はじゃんけんに強い。勝ちに限らず負けやあいこも思うままだ)
斉木(……というのは全て、僕が“超能力者”であることに起因する)
斉木(僕も好きでこんな力を得たわけじゃないんだ。むしろこの能力にはウンザリしている)
苗木(どうして? 超能力者なんて誰でも一度は憧れるはずだよ?)
斉木(質問なら後にしてくれ。そんなことより今は……)
霧切「……苗木くん、今の話を聞いていたかしら」
斉木(全員揃って会議をしている最中だぞ?)
ドッキリカメラ?
斉木(新Chapterに入ったことだし、改めて自己紹介しておこう)
斉木(僕の名前は斉木楠雄。“超高校級のジャンケニスト”だ)
斉木(じゃんけんの才能を見込まれ、天下の私立希望ヶ峰学園にスカウトされた……らしい)
斉木(事実、僕はじゃんけんに強い。勝ちに限らず負けやあいこも思うままだ)
斉木(……というのは全て、僕が“超能力者”であることに起因する)
斉木(僕も好きでこんな力を得たわけじゃないんだ。むしろこの能力にはウンザリしている)
苗木(どうして? 超能力者なんて誰でも一度は憧れるはずだよ?)
斉木(質問なら後にしてくれ。そんなことより今は……)
霧切「……苗木くん、今の話を聞いていたかしら」
斉木(全員揃って会議をしている最中だぞ?)
508: 2014/01/19(日) 00:44:14.29 ID:v6Csju4Qo
苗木「わ、分かってるよ! 舞園さんをどうするかってこと……だよね?」
朝日奈「大して聞いてないじゃん。話し合いはもうちょっと先に進んだのに!」
苗木「うぅ……」
石丸「では、苗木くんのために再度説明しようではないか!」
斉木(苗木のためというよりSS読者のためじゃないのか?)
石丸「斉木くんの活躍もあり、舞園くんは処刑されることなく無事に戻ってきた!」
石丸「しかし……舞園くんには一度人を殺めようとした罪がある」
腐川「アイドルはみんな腹黒いのよ……表面上は反省してても、また誰かを頃すチャンスを窺っているに違いないわ……!」
桑田「いい加減にしろよ! 舞園ちゃんは絶対に殺人なんかしねぇ!!」
十神「絶対も何も、その女は事実として一度人を殺そうとしているんだぞ?」ニヤリ
桑田「なんだよアホぉ!!」
石丸「静粛にしたまえ!! ……とにかく、このように舞園くんを信頼するか否か、意見は真っ二つに分かれているのだ」
大神「いがみ合いや疑心暗鬼が起こったままでは……舞園に限らず、全員が殺人を犯す可能性がある」
霧切「そして疑いの矛先は、間違いなく舞園さんに向けられるでしょうね」
石丸「万が一そのような事態に陥ってしまったら、犯人とモノクマの思う壺だ!」
セレス「よって、わたくしからご提案をさせていただきました。舞園さんの見張りを行ってはいかがでしょうか、と」
朝日奈「大して聞いてないじゃん。話し合いはもうちょっと先に進んだのに!」
苗木「うぅ……」
石丸「では、苗木くんのために再度説明しようではないか!」
斉木(苗木のためというよりSS読者のためじゃないのか?)
石丸「斉木くんの活躍もあり、舞園くんは処刑されることなく無事に戻ってきた!」
石丸「しかし……舞園くんには一度人を殺めようとした罪がある」
腐川「アイドルはみんな腹黒いのよ……表面上は反省してても、また誰かを頃すチャンスを窺っているに違いないわ……!」
桑田「いい加減にしろよ! 舞園ちゃんは絶対に殺人なんかしねぇ!!」
十神「絶対も何も、その女は事実として一度人を殺そうとしているんだぞ?」ニヤリ
桑田「なんだよアホぉ!!」
石丸「静粛にしたまえ!! ……とにかく、このように舞園くんを信頼するか否か、意見は真っ二つに分かれているのだ」
大神「いがみ合いや疑心暗鬼が起こったままでは……舞園に限らず、全員が殺人を犯す可能性がある」
霧切「そして疑いの矛先は、間違いなく舞園さんに向けられるでしょうね」
石丸「万が一そのような事態に陥ってしまったら、犯人とモノクマの思う壺だ!」
セレス「よって、わたくしからご提案をさせていただきました。舞園さんの見張りを行ってはいかがでしょうか、と」
509: 2014/01/19(日) 00:46:56.80 ID:v6Csju4Qo
レス「起床から夜時間まで、見張り役の方が舞園さんと行動を共にするのです」
セレス「交代は5時間ごと。日誌を準備して舞園さんの様子を記録しておけば、情報も共有できます」
セレス「現時点で一番の危険人物を全員の責任で見張っておけば、殺人も未然に防げるはずですわ」
石丸「そのためこれから舞園くんの見張り当番表を作成するところだったのだよ!」
苗木「ありがとう。これでボクも話に追いつけたよ」
霧切「…………そう。それは良かったわ」
斉木(現時点で一番の危険人物……か。僕には十神やルーデンベルクさんの方がよっぽど危険に感じるな)
斉木(それにルーデンベルクさんは見張り制度に抜け道があることを黙っている……)
苗木「でも舞園さん……そんなに拘束されて平気なの?」
舞園「はい。……私がしでかしたことの重大さを考えたら、このくらい当然です」
霧切「私も見張りの案には同意するけれど、ひとつ条件を付けたいの」
霧切「見張りは二人一組、舞園さんを信用している人と警戒している人がペアになること」
セレス「交代は5時間ごと。日誌を準備して舞園さんの様子を記録しておけば、情報も共有できます」
セレス「現時点で一番の危険人物を全員の責任で見張っておけば、殺人も未然に防げるはずですわ」
石丸「そのためこれから舞園くんの見張り当番表を作成するところだったのだよ!」
苗木「ありがとう。これでボクも話に追いつけたよ」
霧切「…………そう。それは良かったわ」
斉木(現時点で一番の危険人物……か。僕には十神やルーデンベルクさんの方がよっぽど危険に感じるな)
斉木(それにルーデンベルクさんは見張り制度に抜け道があることを黙っている……)
苗木「でも舞園さん……そんなに拘束されて平気なの?」
舞園「はい。……私がしでかしたことの重大さを考えたら、このくらい当然です」
霧切「私も見張りの案には同意するけれど、ひとつ条件を付けたいの」
霧切「見張りは二人一組、舞園さんを信用している人と警戒している人がペアになること」
510: 2014/01/19(日) 00:51:27.52 ID:v6Csju4Qo
桑田「ハァ? 何考えてるんだよ霧切! 舞園ちゃんを2人掛かりで抑えつけるつもりかよ!?」
桑田(勘弁してくれよ、二人一組じゃ舞園ちゃんと2人きりになれねーだろーが!)
斉木(そんなことだろうと思ったよ)
不二咲「もしかして……見張りの人が舞園さんに濡れ衣を着せないようにするため?」
霧切「察しが早くて助かるわ。見張りが複数人であれば、虚偽の報告も防げるでしょう?」
斉木(さすが安定の霧切さん、すぐに抜け道を塞いでくれた)
舞園「私としてもその方が助かります。一刻も早く皆さんの信用を取り戻したいので……」
大和田「本人もそう言ってるわけだ。オメェは諦めろ」
桑田「………………ちぇっ」
石丸「では霧切くんの意見も採用するとしよう!」
セレス(残念ですわ。卒業への布石にしようと思っていましたのに……)
斉木(お前のやろうとしていることは全てお見通しだ。そのまま観念してくれ)
桑田(勘弁してくれよ、二人一組じゃ舞園ちゃんと2人きりになれねーだろーが!)
斉木(そんなことだろうと思ったよ)
不二咲「もしかして……見張りの人が舞園さんに濡れ衣を着せないようにするため?」
霧切「察しが早くて助かるわ。見張りが複数人であれば、虚偽の報告も防げるでしょう?」
斉木(さすが安定の霧切さん、すぐに抜け道を塞いでくれた)
舞園「私としてもその方が助かります。一刻も早く皆さんの信用を取り戻したいので……」
大和田「本人もそう言ってるわけだ。オメェは諦めろ」
桑田「………………ちぇっ」
石丸「では霧切くんの意見も採用するとしよう!」
セレス(残念ですわ。卒業への布石にしようと思っていましたのに……)
斉木(お前のやろうとしていることは全てお見通しだ。そのまま観念してくれ)
511: 2014/01/19(日) 00:53:49.84 ID:v6Csju4Qo
斉木(そのまま石丸と霧切さんを中心に当番表が作られ、早速桑田と江ノ島さん(仮)が夜時間まで舞園さんを見張ることになった)
斉木(現在の時刻は午後6時42分。夜時間までしばらく時間があるし、久々の自由行動安価でも出すか)
斉木(ルールを忘れた人は>>52を参照してほしい。今回は過去に指名された霧切さん、桑田、山田の3人に加え、江ノ島さん(仮)を除外する)
斉木(舞園さんを指名することもできなくはないが、その場合には見張り番の人物……今回で言えば桑田と江ノ島さん(仮)とも一緒に行動する)
斉木(おそらくこのルールは舞園さんから見張りが外されるまで続くだろうな。まあ、遅くともChapter3が終わるまでにはどうにかなるだろう)
斉木(さて……それでは【安価下】のところへ行くとするか)
斉木(現在の時刻は午後6時42分。夜時間までしばらく時間があるし、久々の自由行動安価でも出すか)
斉木(ルールを忘れた人は>>52を参照してほしい。今回は過去に指名された霧切さん、桑田、山田の3人に加え、江ノ島さん(仮)を除外する)
斉木(舞園さんを指名することもできなくはないが、その場合には見張り番の人物……今回で言えば桑田と江ノ島さん(仮)とも一緒に行動する)
斉木(おそらくこのルールは舞園さんから見張りが外されるまで続くだろうな。まあ、遅くともChapter3が終わるまでにはどうにかなるだろう)
斉木(さて……それでは【安価下】のところへ行くとするか)
514: 2014/01/19(日) 01:16:01.58 ID:v6Csju4Qo
斉木(苗木のところへ行くとするか)
【校舎1階】
斉木(苗木誠。“超高校級の幸運”枠として、一般人の中から抽選で選ばれた、普通を絵に描いたような生徒だ)
斉木(それから、この学園で僕の正体を知る唯一の人物でもある。……氏者を生き返らせてしまった以上は仕方の無いことだったんだ)
斉木(僕は苗木と行動を共にすることで時間を潰そうと思ったのだが……)
苗木「ボクの時間の潰し方? みんなのことを知るために、自由時間はいつも誰かと一緒に行動してるよ」
斉木(これが主人公の運命か)
斉木(しかし安価は絶対だ……このまま苗木についていくとしよう)
【校舎1階】
斉木(苗木誠。“超高校級の幸運”枠として、一般人の中から抽選で選ばれた、普通を絵に描いたような生徒だ)
斉木(それから、この学園で僕の正体を知る唯一の人物でもある。……氏者を生き返らせてしまった以上は仕方の無いことだったんだ)
斉木(僕は苗木と行動を共にすることで時間を潰そうと思ったのだが……)
苗木「ボクの時間の潰し方? みんなのことを知るために、自由時間はいつも誰かと一緒に行動してるよ」
斉木(これが主人公の運命か)
斉木(しかし安価は絶対だ……このまま苗木についていくとしよう)
515: 2014/01/19(日) 01:29:01.22 ID:v6Csju4Qo
【体育館】
朝日奈「ほらダッシュダッシュ! いっぱい動いて汗かくと気持ちいいよー!」タッタッタッタッ
苗木「待っ……朝日奈さん、速すぎるよ……」ヨロヨロ
斉木(ここは……苗木よりちょっと速い程度に調整するか)タッタッ
【1-B教室】
不二咲「でね、アルゴリズムっていうのはねぇ……」ペラペラ
苗木「へぇ……ボクは体操と行進しか知らなかったよ……」
斉木(ふむ、上手く応用すれば他人の発言の記憶も効率化できそうだな)
【ランドリー】
葉隠「そんなわけで、とんでもなくありがたーいご利益のある水晶玉を苗木っちに勝ってほしいんだべ!」
苗木(……斉木クン、これって)
斉木(アクリル樹脂製だ)
苗木(だよね…………)
朝日奈「ほらダッシュダッシュ! いっぱい動いて汗かくと気持ちいいよー!」タッタッタッタッ
苗木「待っ……朝日奈さん、速すぎるよ……」ヨロヨロ
斉木(ここは……苗木よりちょっと速い程度に調整するか)タッタッ
【1-B教室】
不二咲「でね、アルゴリズムっていうのはねぇ……」ペラペラ
苗木「へぇ……ボクは体操と行進しか知らなかったよ……」
斉木(ふむ、上手く応用すれば他人の発言の記憶も効率化できそうだな)
【ランドリー】
葉隠「そんなわけで、とんでもなくありがたーいご利益のある水晶玉を苗木っちに勝ってほしいんだべ!」
苗木(……斉木クン、これって)
斉木(アクリル樹脂製だ)
苗木(だよね…………)
517: 2014/01/19(日) 01:53:41.83 ID:v6Csju4Qo
【食堂】
苗木「なんだか……心身共に疲れが増した気がする……」
斉木(まあ一度殺されてる時点で朝から疲労困憊だろうな)
苗木「斉木クンはちっとも疲れてないみたいだね。さすが超」
斉木(………………)ギロッ
苗木「……超、高校級のジャンケニスト……だよね」
斉木(それでよろしい)
苗木「そうだ! 斉木クンにもプレゼントを渡さないと」
斉木(プレゼントか……そういえば、朝日奈さんや不二咲さん、葉隠にも何か渡していたな)
苗木「一緒に過ごした人には、ありがとうの気持ちを込めてプレゼントを渡してるんだ。……と言っても、中身はモノモノマシーンの景品だけど」
斉木(ありがとうの気持ち? 何をどう感謝するんだ?)
苗木「うまく言えないんだけど……ボクらは学園内に閉じ込められて、コロシアイを強要されてるでしょ?」
苗木「しかもボクは、みんなと違って何の取り柄もない一般人なのに……それでも一緒に同じ時間を過ごして、お互いを知って、少しずつ仲良くなれる」
苗木「それって、よくありそうだけどなかなか無いことだと思うんだ」
苗木「だから今日は斉木クンのことも沢山知れた気がするよ。そんなわけで、はい」ポン
斉木(これは……“ルアックコーヒー”じゃないか!!)キラキラ
苗木「ここまで喜んでもらえると、あげたこっちも嬉しくなるよ。今日は本当にありがとう」
苗木(ボクを、舞園さんを……みんなを助けてくれて)
苗木「なんだか……心身共に疲れが増した気がする……」
斉木(まあ一度殺されてる時点で朝から疲労困憊だろうな)
苗木「斉木クンはちっとも疲れてないみたいだね。さすが超」
斉木(………………)ギロッ
苗木「……超、高校級のジャンケニスト……だよね」
斉木(それでよろしい)
苗木「そうだ! 斉木クンにもプレゼントを渡さないと」
斉木(プレゼントか……そういえば、朝日奈さんや不二咲さん、葉隠にも何か渡していたな)
苗木「一緒に過ごした人には、ありがとうの気持ちを込めてプレゼントを渡してるんだ。……と言っても、中身はモノモノマシーンの景品だけど」
斉木(ありがとうの気持ち? 何をどう感謝するんだ?)
苗木「うまく言えないんだけど……ボクらは学園内に閉じ込められて、コロシアイを強要されてるでしょ?」
苗木「しかもボクは、みんなと違って何の取り柄もない一般人なのに……それでも一緒に同じ時間を過ごして、お互いを知って、少しずつ仲良くなれる」
苗木「それって、よくありそうだけどなかなか無いことだと思うんだ」
苗木「だから今日は斉木クンのことも沢山知れた気がするよ。そんなわけで、はい」ポン
斉木(これは……“ルアックコーヒー”じゃないか!!)キラキラ
苗木「ここまで喜んでもらえると、あげたこっちも嬉しくなるよ。今日は本当にありがとう」
苗木(ボクを、舞園さんを……みんなを助けてくれて)
519: 2014/01/19(日) 01:59:54.99 ID:v6Csju4Qo
【寄宿舎廊下】
斉木(最高級コーヒーの味をひとしきり堪能してから苗木と別れたのだが……今度は違う人物が僕に近付いてきた)
霧切「斉木くん。あなたに頼みたいことがあるの」
斉木(お断りさせてもらおう。僕は超能力者だから霧切さんの真意も丸分かりなんだ)
霧切「どこへ行くつもり? 何か後ろめたいことでもあるのかしら」
霧切「私はただ、人間観察が得意なあなたに危険な人物を探ってほしいだけよ」
斉木(それくらいのことは霧切さんにもできるだろう。スキル“観察眼”の持ち主が何を言う)スタスタ
霧切「どうやら応じてもらえないようね……だったら別のことを質問させてもらうわ」タッ
霧切「あなたはどうしてモノクマの攻撃を完璧に見切ることができたの?」
斉木(……やっぱりな。そこを突いてくると思ったよ)
霧切「あなたのじゃんけんの強さの秘訣は、優れた人間観察能力よね」
霧切「普通、人間観察は表情や仕草の微妙な変化を見るものよ」
霧切「けれどあの時の相手はモノクマ……間違いなくあれはロボットだったわ」
霧切「斉木くん、あなたはモノクマの……無機物の思考すらも読むことができるというのかしら……?」
桑田「いやぁそんなマネできねーよ! オレにできんのは野球を通じて奇跡を起こすことだけだな!」
霧切「えっ」
斉木(最高級コーヒーの味をひとしきり堪能してから苗木と別れたのだが……今度は違う人物が僕に近付いてきた)
霧切「斉木くん。あなたに頼みたいことがあるの」
斉木(お断りさせてもらおう。僕は超能力者だから霧切さんの真意も丸分かりなんだ)
霧切「どこへ行くつもり? 何か後ろめたいことでもあるのかしら」
霧切「私はただ、人間観察が得意なあなたに危険な人物を探ってほしいだけよ」
斉木(それくらいのことは霧切さんにもできるだろう。スキル“観察眼”の持ち主が何を言う)スタスタ
霧切「どうやら応じてもらえないようね……だったら別のことを質問させてもらうわ」タッ
霧切「あなたはどうしてモノクマの攻撃を完璧に見切ることができたの?」
斉木(……やっぱりな。そこを突いてくると思ったよ)
霧切「あなたのじゃんけんの強さの秘訣は、優れた人間観察能力よね」
霧切「普通、人間観察は表情や仕草の微妙な変化を見るものよ」
霧切「けれどあの時の相手はモノクマ……間違いなくあれはロボットだったわ」
霧切「斉木くん、あなたはモノクマの……無機物の思考すらも読むことができるというのかしら……?」
桑田「いやぁそんなマネできねーよ! オレにできんのは野球を通じて奇跡を起こすことだけだな!」
霧切「えっ」
520: 2014/01/19(日) 02:02:37.59 ID:v6Csju4Qo
桑田「オレの野球ミラクルはマジヤベェぞ、荒れ放題の食堂を元通りにしちまうんだからな!」
桑田「ヤケになってた舞園ちゃんもオレの言葉で正気を取り戻したからな! オレってマキシマムカッケー!」
桑田「おっと、舞園ちゃんなら今さっき部屋まで送り届けてきたぜ! 舞園ちゃんしっかり反省してたぞ」
桑田「部屋の鍵は大神に渡しといたからな。アイツ次の当番だし……ってオイ、ちゃんと聞いてる?」
霧切(そんな……私は確かに斉木くんを追いかけていたはずよ)
霧切(なのに気が付いたら桑田くんに話しかけていた……どうしてなの? いつの間に?)
斉木(……やれやれ。霧切さん相手は不安だったが、上手く“催眠”に掛かってくれたようだな)
斉木(僕が使う“催眠”は、他人を別の誰かとして誤認させる超能力だ。今回は桑田の姿を僕だと誤認するようにしておいた)
斉木(この能力の最大の欠点は自分の姿を誤認させることはできないところだ。それができればもっと手早く霧切さんを撒けただろうに……)
斉木(まあ別にいいか。もうすぐ夜時間だ、部屋に入ろう)バタン
斉木(……霧切さんが僕を警戒してさえいなければ、僕も素直に彼女を頼れるのだが……現実は厳しいな)
桑田「ヤケになってた舞園ちゃんもオレの言葉で正気を取り戻したからな! オレってマキシマムカッケー!」
桑田「おっと、舞園ちゃんなら今さっき部屋まで送り届けてきたぜ! 舞園ちゃんしっかり反省してたぞ」
桑田「部屋の鍵は大神に渡しといたからな。アイツ次の当番だし……ってオイ、ちゃんと聞いてる?」
霧切(そんな……私は確かに斉木くんを追いかけていたはずよ)
霧切(なのに気が付いたら桑田くんに話しかけていた……どうしてなの? いつの間に?)
斉木(……やれやれ。霧切さん相手は不安だったが、上手く“催眠”に掛かってくれたようだな)
斉木(僕が使う“催眠”は、他人を別の誰かとして誤認させる超能力だ。今回は桑田の姿を僕だと誤認するようにしておいた)
斉木(この能力の最大の欠点は自分の姿を誤認させることはできないところだ。それができればもっと手早く霧切さんを撒けただろうに……)
斉木(まあ別にいいか。もうすぐ夜時間だ、部屋に入ろう)バタン
斉木(……霧切さんが僕を警戒してさえいなければ、僕も素直に彼女を頼れるのだが……現実は厳しいな)
521: 2014/01/19(日) 02:08:51.31 ID:v6Csju4Qo
【斉木の個室】
斉木(シャワーを浴びて服を着た頃、モノクマのアナウンスが聞こえてきた。夜時間の合図だ)
斉木(そのまま寝支度を進めながら、周囲のテレパシーに意識を傾ける)
斉木(不二咲さんや朝日奈さんは夜時間を待たずして眠ってしまったようだ。今日は朝から酷い騒ぎだったからな、疲れるのも無理はない)
斉木(それから……石丸も眠りについたようだが、こいつの場合は規則正しい生活を実践しているだけだな)
斉木(眠っている人間はこの3人くらいだ。残りはまだ寝付けない人か、元々夜型人間かのどちらかに分類される)
斉木(全員に共通しているのは……今日の事件から身に迫る氏を実感したということか。今夜ぐっすり眠れる人は居ないだろうな)
斉木(さて、僕も横になるとしよう。もうすぐあいつが話しかけてくるはずだ……)
苗木(……もしもし、斉木クン。届いてる?)
斉木(ああ、ばっちり届いているぞ。挙動不信にならないよう、狸寝入りでもしながら念じてくれ)
斉木(それでは密談を始めるとするか。食堂と違って、テレパシーの会話なら黒幕にもバレないだろう)
斉木(シャワーを浴びて服を着た頃、モノクマのアナウンスが聞こえてきた。夜時間の合図だ)
斉木(そのまま寝支度を進めながら、周囲のテレパシーに意識を傾ける)
斉木(不二咲さんや朝日奈さんは夜時間を待たずして眠ってしまったようだ。今日は朝から酷い騒ぎだったからな、疲れるのも無理はない)
斉木(それから……石丸も眠りについたようだが、こいつの場合は規則正しい生活を実践しているだけだな)
斉木(眠っている人間はこの3人くらいだ。残りはまだ寝付けない人か、元々夜型人間かのどちらかに分類される)
斉木(全員に共通しているのは……今日の事件から身に迫る氏を実感したということか。今夜ぐっすり眠れる人は居ないだろうな)
斉木(さて、僕も横になるとしよう。もうすぐあいつが話しかけてくるはずだ……)
苗木(……もしもし、斉木クン。届いてる?)
斉木(ああ、ばっちり届いているぞ。挙動不信にならないよう、狸寝入りでもしながら念じてくれ)
斉木(それでは密談を始めるとするか。食堂と違って、テレパシーの会話なら黒幕にもバレないだろう)
522: 2014/01/19(日) 02:11:45.42 ID:v6Csju4Qo
斉木(僕のテレパシーによると、明日モノクマは校舎の2階を開放するらしい)
苗木(もしかして……裁判で言ってた“新しい世界への扉の鍵”って、そのことだったのかな?)
斉木(そう考えて間違いない。明日は2階の探索から始めることになりそうだな)
斉木(特に図書室には学園生活の謎を解くヒントが用意されている。僕達はそこを調べよう)
苗木(すごい! 斉木クンって何でも分かるんだね!)
斉木(不可抗力だ。透視とテレパシーは歯止めが利かないから、おおよそのことは分かってしまう)
苗木(だったら……次に誰かを頃しそうな人も分かる?)
斉木(霧切さんに続いてお前もそれを尋ねるのか……まあ、苗木には話しておいてやろう)
斉木(現時点で明確に卒業を狙っているのは十神とルーデンベルクさんの2人だ。まだ準備段階だが、潮時になれば容赦無く誰かを頃すだろう)
斉木(それから腐川さんと江ノ島さん(仮)も危険だな。きっかけがあればいつでも人を頃しかねない)
斉木(後は舞園さんも含め大丈夫だ。事故でも起きない限り人を頃すことはない)
苗木(もしかして……裁判で言ってた“新しい世界への扉の鍵”って、そのことだったのかな?)
斉木(そう考えて間違いない。明日は2階の探索から始めることになりそうだな)
斉木(特に図書室には学園生活の謎を解くヒントが用意されている。僕達はそこを調べよう)
苗木(すごい! 斉木クンって何でも分かるんだね!)
斉木(不可抗力だ。透視とテレパシーは歯止めが利かないから、おおよそのことは分かってしまう)
苗木(だったら……次に誰かを頃しそうな人も分かる?)
斉木(霧切さんに続いてお前もそれを尋ねるのか……まあ、苗木には話しておいてやろう)
斉木(現時点で明確に卒業を狙っているのは十神とルーデンベルクさんの2人だ。まだ準備段階だが、潮時になれば容赦無く誰かを頃すだろう)
斉木(それから腐川さんと江ノ島さん(仮)も危険だな。きっかけがあればいつでも人を頃しかねない)
斉木(後は舞園さんも含め大丈夫だ。事故でも起きない限り人を頃すことはない)
523: 2014/01/19(日) 02:15:06.78 ID:v6Csju4Qo
斉木(後は状況が変わり次第追って説明していく。これで満足か?)
苗木(…………うん)
斉木(……十神はともかく、ルーデンベルクさんが殺人を計画していることが意外だったようだな)
斉木(彼女は超高校級のギャンブラーだ。平然と嘘をつける人間でなければ、そんな肩書きは持っていないだろう)
苗木(でも……セレスさんはボクらの中で一番この生活を受け入れてたのに……)
斉木(内心では誰よりも外に出たがっているぞ。具体的にはChapter3辺りで実行に移すつもりらしい)
苗木(そんな……斉木クンの超能力でどうにかできないの?)
斉木(……無理だな。僕は舞園さんの時も犯行を止めようとしたが、結局あんなことになってしまった)
斉木(僕が無駄に超能力を使ったところで、人を頃すほどの強い気持ちはどうにもならないだろうな)
苗木(…………うん)
斉木(……十神はともかく、ルーデンベルクさんが殺人を計画していることが意外だったようだな)
斉木(彼女は超高校級のギャンブラーだ。平然と嘘をつける人間でなければ、そんな肩書きは持っていないだろう)
苗木(でも……セレスさんはボクらの中で一番この生活を受け入れてたのに……)
斉木(内心では誰よりも外に出たがっているぞ。具体的にはChapter3辺りで実行に移すつもりらしい)
苗木(そんな……斉木クンの超能力でどうにかできないの?)
斉木(……無理だな。僕は舞園さんの時も犯行を止めようとしたが、結局あんなことになってしまった)
斉木(僕が無駄に超能力を使ったところで、人を頃すほどの強い気持ちはどうにもならないだろうな)
524: 2014/01/19(日) 02:19:03.49 ID:v6Csju4Qo
苗木(……斉木クンって冷めてるんだね。ボクには諦めるなんてできないよ……)
斉木(ああ、達観している部分はあるかもしれないな。幼児期には人類を滅ぼそうとしたこともある)
苗木(ま、まさか斉木ク)
斉木(落ち着け。今はそんなこと微塵も考えていない)
苗木(よかった……一瞬心臓が止まりそうになった)ホッ
斉木(それに僕はコロシアイの阻止を諦めているわけではないぞ。殺意をへし折ることはできないと言っただけだ)
斉木(凶器の殺傷力を下げられるし、監視カメラが無ければ氏者蘇生もできる……と判明した)
斉木(どれだけの超能力を使うか考えると気が遠くなるが、16人揃って生存することも可能だろう)
斉木(僕がモノクマに気付かれないよう超能力を使うために、苗木にはサポート役を引き受けて貰う。いいな?)
苗木(……サポート役なんて言わないでよ)
苗木(そんな役割が無くたって、ボクは斉木クンに協力する!)
斉木(……予想より良い返事が聞けて安心した。今のやり取りが氏亡フラグにならないことを切に願おう)フッ
苗木(もしかして斉木クン……今、笑った?)
斉木(気のせいだ。顔も見えないのに何を言っている)
苗木(あれ? 絶対そうだと思ったのになぁ……)
斉木(ああ、達観している部分はあるかもしれないな。幼児期には人類を滅ぼそうとしたこともある)
苗木(ま、まさか斉木ク)
斉木(落ち着け。今はそんなこと微塵も考えていない)
苗木(よかった……一瞬心臓が止まりそうになった)ホッ
斉木(それに僕はコロシアイの阻止を諦めているわけではないぞ。殺意をへし折ることはできないと言っただけだ)
斉木(凶器の殺傷力を下げられるし、監視カメラが無ければ氏者蘇生もできる……と判明した)
斉木(どれだけの超能力を使うか考えると気が遠くなるが、16人揃って生存することも可能だろう)
斉木(僕がモノクマに気付かれないよう超能力を使うために、苗木にはサポート役を引き受けて貰う。いいな?)
苗木(……サポート役なんて言わないでよ)
苗木(そんな役割が無くたって、ボクは斉木クンに協力する!)
斉木(……予想より良い返事が聞けて安心した。今のやり取りが氏亡フラグにならないことを切に願おう)フッ
苗木(もしかして斉木クン……今、笑った?)
斉木(気のせいだ。顔も見えないのに何を言っている)
苗木(あれ? 絶対そうだと思ったのになぁ……)
525: 2014/01/19(日) 02:20:35.64 ID:v6Csju4Qo
というわけで、今後は基本的に斉木と苗木の協力プレイでお送りしていきます。
次回からChapter2本格始動の予定ですが……投下は2月になってしまいそうです。もうしばらくお待ち下さい。
次回からChapter2本格始動の予定ですが……投下は2月になってしまいそうです。もうしばらくお待ち下さい。
555: 2014/02/10(月) 00:14:44.34 ID:KIADXAg7o
【前回のあらすじ】
二人一組
葉隠「おっ、苗木っちと斉木っちだべ!」
舞園「おはようございます。二人とも早起きなんですね」ニコッ
苗木「おはよう! ボクはいつもこれくらいの時間に起きるけど、葉隠クンが居るなんて珍しいな……」
朝日奈「今朝は葉隠が舞園ちゃんの見張り当番だから早起きしてるの。普段から早起きした方が絶対気持ちいいのに!」
苗木「へぇ。葉隠くんって、そういうところは意外と真面目なんだね」
斉木(それは違うぞ。葉隠は舞園さんを疑っている側の人間だ)
葉隠「いやぁ、本当はもうちょっと寝てたいんだけどよ……ここで俺が舞園っちを引き止めとかねーと、朝飯に毒を盛られるかもしれないべ!」
苗木「それは……ちょっと考えすぎじゃないかな……」
斉木(だから言っただろ。葉隠が真面目なわけがない)
二人一組
葉隠「おっ、苗木っちと斉木っちだべ!」
舞園「おはようございます。二人とも早起きなんですね」ニコッ
苗木「おはよう! ボクはいつもこれくらいの時間に起きるけど、葉隠クンが居るなんて珍しいな……」
朝日奈「今朝は葉隠が舞園ちゃんの見張り当番だから早起きしてるの。普段から早起きした方が絶対気持ちいいのに!」
苗木「へぇ。葉隠くんって、そういうところは意外と真面目なんだね」
斉木(それは違うぞ。葉隠は舞園さんを疑っている側の人間だ)
葉隠「いやぁ、本当はもうちょっと寝てたいんだけどよ……ここで俺が舞園っちを引き止めとかねーと、朝飯に毒を盛られるかもしれないべ!」
苗木「それは……ちょっと考えすぎじゃないかな……」
斉木(だから言っただろ。葉隠が真面目なわけがない)
556: 2014/02/10(月) 00:22:12.81 ID:KIADXAg7o
葉隠「今の時間は本来なら俺とオーガが見張り役だべ。朝食の支度を手伝うとか言ってオーガについていけば、舞園っちは簡単に毒を仕込めるべ」
葉隠「代理の朝日奈っちは簡単に騙されそうだからな、この場で唯一の味方は俺自身だべ!」
斉木(頼りない味方だな)
朝日奈「何よその言い方! 舞園ちゃんはしっかり反省したんだから、そんなことするわけないのに!」
舞園「いえ……このくらいは拘束されて当然ですよ。私が犯した罪は、それだけ大きいんですから」
舞園「自分の行動がもたらした結果を受け止める……苗木くんの言う“引き摺っていく”って、こういうことだと思うんです」
苗木「舞園さん……」
舞園「それに、アイドルはスキャンダルがあったら自力で信用を取り戻さなきゃいけませんからね」ニコッ
朝日奈「うぅ……舞園ちゃん本人がそこまで言うなら、仕方ないのかなぁ……」
斉木(どうやら事件前よりもメンタルが強くなったようだな。流石は超高校級のアイドルと言ったところか)
斉木(それに比べて葉隠は……)
葉隠(今の舞園っちを占って名誉挽回の最善策を教えてやれば30万は確実に貰えるべ!)
斉木(どこまでもクズだ)
葉隠「代理の朝日奈っちは簡単に騙されそうだからな、この場で唯一の味方は俺自身だべ!」
斉木(頼りない味方だな)
朝日奈「何よその言い方! 舞園ちゃんはしっかり反省したんだから、そんなことするわけないのに!」
舞園「いえ……このくらいは拘束されて当然ですよ。私が犯した罪は、それだけ大きいんですから」
舞園「自分の行動がもたらした結果を受け止める……苗木くんの言う“引き摺っていく”って、こういうことだと思うんです」
苗木「舞園さん……」
舞園「それに、アイドルはスキャンダルがあったら自力で信用を取り戻さなきゃいけませんからね」ニコッ
朝日奈「うぅ……舞園ちゃん本人がそこまで言うなら、仕方ないのかなぁ……」
斉木(どうやら事件前よりもメンタルが強くなったようだな。流石は超高校級のアイドルと言ったところか)
斉木(それに比べて葉隠は……)
葉隠(今の舞園っちを占って名誉挽回の最善策を教えてやれば30万は確実に貰えるべ!)
斉木(どこまでもクズだ)
558: 2014/02/10(月) 00:25:05.58 ID:KIADXAg7o
斉木(そういえば……石丸と不二咲さんの姿が無いな。2人とも早起きだから既に来ていると思ったが、テレパシーは食堂の外から聞こえてくる)
斉木(石丸の方は1-Bの教室に居るようだな。千里眼で様子を見よう)ギュルン
――――――――――
桑田『なー石丸ー、もうこれでいいだろー?』
石丸『駄目だっ! 日誌は最初の1ページ目によってモチベーションも持続されるのだぞ!』
石丸『だのに何かねこの適当な記録は! “まいぞのちゃんカワイイ マジアイドル”だなんて、単なる個人の感想ではないか!』
桑田『個人の感想じゃねーよ事実だよ! イインチョは舞園ちゃん見てカワイイと思わねーのか!?』
石丸『彼女は超高校級のアイドルだぞ、容姿が優れているのは言わずと知れたことだろう! この日誌に書くべきは昨日の舞園くんの行動だ!』
桑田『あーあ……たまに早起きしたらこれかよ……』
――――――――――
斉木(……石丸は今日も元気そうだ)パッ
舞園「石丸くんなら、日誌の管理は風紀委員の仕事だって張り切っていましたよ」
苗木「あはは……熱心だね」
斉木(石丸の方は1-Bの教室に居るようだな。千里眼で様子を見よう)ギュルン
――――――――――
桑田『なー石丸ー、もうこれでいいだろー?』
石丸『駄目だっ! 日誌は最初の1ページ目によってモチベーションも持続されるのだぞ!』
石丸『だのに何かねこの適当な記録は! “まいぞのちゃんカワイイ マジアイドル”だなんて、単なる個人の感想ではないか!』
桑田『個人の感想じゃねーよ事実だよ! イインチョは舞園ちゃん見てカワイイと思わねーのか!?』
石丸『彼女は超高校級のアイドルだぞ、容姿が優れているのは言わずと知れたことだろう! この日誌に書くべきは昨日の舞園くんの行動だ!』
桑田『あーあ……たまに早起きしたらこれかよ……』
――――――――――
斉木(……石丸は今日も元気そうだ)パッ
舞園「石丸くんなら、日誌の管理は風紀委員の仕事だって張り切っていましたよ」
苗木「あはは……熱心だね」
559: 2014/02/10(月) 00:27:47.93 ID:KIADXAg7o
斉木(後は不二咲さんか。彼は寄宿舎内に居るようだが……)ギュルン
斉木(…………駄目だ、探しても見つからない。一体どこに居るんだ?)
不二咲「――み、みんなぁ!!」ダッ
朝日奈「不二咲ちゃん! おはよー、今日は遅かったね!」
不二咲「はぁ、はぁ……あのね、倉庫が開放されてたんだぁ!」
苗木「倉庫!? そんな場所あったっけ……?」
不二咲「えっと……寄宿舎の中に、シャッターが降りてて通れない階段があるでしょ?」
不二咲「その手前の右側にある扉……黄色い封鎖テープが無くなってたんだ!」
不二咲「中には消耗品とか、着替えとかお菓子とか……天井まで届くくらい、たくさんのダンボールがあったよ!」
葉隠「本当か!? すげー大発見だべ!」
不二咲「えへへ……ちょっとだけ役に立てたかなぁ?」
斉木(そうか。僕がまだ行ったことのない場所に居たのなら、千里眼で見つからなくて当然だな)
斉木(…………駄目だ、探しても見つからない。一体どこに居るんだ?)
不二咲「――み、みんなぁ!!」ダッ
朝日奈「不二咲ちゃん! おはよー、今日は遅かったね!」
不二咲「はぁ、はぁ……あのね、倉庫が開放されてたんだぁ!」
苗木「倉庫!? そんな場所あったっけ……?」
不二咲「えっと……寄宿舎の中に、シャッターが降りてて通れない階段があるでしょ?」
不二咲「その手前の右側にある扉……黄色い封鎖テープが無くなってたんだ!」
不二咲「中には消耗品とか、着替えとかお菓子とか……天井まで届くくらい、たくさんのダンボールがあったよ!」
葉隠「本当か!? すげー大発見だべ!」
不二咲「えへへ……ちょっとだけ役に立てたかなぁ?」
斉木(そうか。僕がまだ行ったことのない場所に居たのなら、千里眼で見つからなくて当然だな)
560: 2014/02/10(月) 00:30:40.10 ID:KIADXAg7o
モノクマ「なぁんだ、もう見つけちゃったの?」ピョーイ
朝日奈「うわっ、また出た!」
モノクマ「倉庫は氏角になりやすい場所にあるから、開けといても気付かれないと思ったのになー……」
モノクマ「まぁいいや。折角だからほかの場所もいくつか開けとくね!」
モノクマ「新しい凶器もいくつかあるだろうから頑張って探してねー!」ヒュン
舞園「……あっという間でしたね……」
斉木(……若干Chapter1での台詞と整合性が取れていないが、そこは目を瞑ることにしよう)
朝日奈「ねえねえ、これからどうする? やっぱり探索に行った方がいいのかな?」
葉隠「行くにしても朝飯の方が先だべ。腹が減っては戦もできないべ!」
苗木「じゃあ……このことを朝食会でみんなにも伝えてから 、手分けして探索するのはどう?」
舞園「それがいいですよ。前回と同じように報告会も開きましょう!」
不二咲「新しい場所に出口があるといいなぁ……!」
朝日奈「うわっ、また出た!」
モノクマ「倉庫は氏角になりやすい場所にあるから、開けといても気付かれないと思ったのになー……」
モノクマ「まぁいいや。折角だからほかの場所もいくつか開けとくね!」
モノクマ「新しい凶器もいくつかあるだろうから頑張って探してねー!」ヒュン
舞園「……あっという間でしたね……」
斉木(……若干Chapter1での台詞と整合性が取れていないが、そこは目を瞑ることにしよう)
朝日奈「ねえねえ、これからどうする? やっぱり探索に行った方がいいのかな?」
葉隠「行くにしても朝飯の方が先だべ。腹が減っては戦もできないべ!」
苗木「じゃあ……このことを朝食会でみんなにも伝えてから 、手分けして探索するのはどう?」
舞園「それがいいですよ。前回と同じように報告会も開きましょう!」
不二咲「新しい場所に出口があるといいなぁ……!」
561: 2014/02/10(月) 00:33:24.58 ID:KIADXAg7o
【校舎2階・図書室】
斉木(朝食会の後、早速僕たちは校内探索に乗り出した)
斉木(倉庫の他に、寄宿舎の大浴場と校舎2階全域が開放されたようだ。透視やテレパシーのお陰で足を運ばずとも瞬時に把握できる)
斉木(だが、遠くから物を見聞きしていることに変わりはない。詳細な部分は自らの目で確かめるしかないのだ)
斉木(だからこそ、重要なアイテムが眠っている図書室へ来たのだが……)
苗木「……2人とも、何をそんなにムキになってるの……?」
山田「腐川冬子殿が! 腐川冬子殿が漫画を馬鹿にしたのですっ!!」
腐川「当然でしょ……! あんたの好きな低俗で汚らわしい本が、この神聖な活字の海にあるわけないじゃない!!」
山田「何もわかっちゃいない! 今や漫画も世界に誇る日本の立派な文化ですぞ!」
腐川「立派な文化? 恥を晒してるだけじゃないの!?」
斉木(図書室は静かにご利用ください)
斉木(朝食会の後、早速僕たちは校内探索に乗り出した)
斉木(倉庫の他に、寄宿舎の大浴場と校舎2階全域が開放されたようだ。透視やテレパシーのお陰で足を運ばずとも瞬時に把握できる)
斉木(だが、遠くから物を見聞きしていることに変わりはない。詳細な部分は自らの目で確かめるしかないのだ)
斉木(だからこそ、重要なアイテムが眠っている図書室へ来たのだが……)
苗木「……2人とも、何をそんなにムキになってるの……?」
山田「腐川冬子殿が! 腐川冬子殿が漫画を馬鹿にしたのですっ!!」
腐川「当然でしょ……! あんたの好きな低俗で汚らわしい本が、この神聖な活字の海にあるわけないじゃない!!」
山田「何もわかっちゃいない! 今や漫画も世界に誇る日本の立派な文化ですぞ!」
腐川「立派な文化? 恥を晒してるだけじゃないの!?」
斉木(図書室は静かにご利用ください)
562: 2014/02/10(月) 00:35:43.19 ID:KIADXAg7o
苗木「2人とも喧嘩しないで。漫画も小説も面白いんだから、もっと歩み寄ろうよ……」
腐川「歩み寄る!? あんな下品なものを好きになれっていうの!?」
山田「下品んんんんん!? あなたは上品な漫画や下品な小説があることをご存知、ないのですか!?」
十神「そこの2人、気が散るから失せろ。或いは呼吸を止めろ」
山田「なっ……!」
十神「それと……腐川、だったか? お前は風呂に入れ。臭うんだよ」
腐川「ぐ……うぅ……」
苗木「十神クン、それはちょっと言い過ぎじゃ
腐川「はいぃぃい! 分かりました今すぐ垢と臭いとその他諸々の不純物を落としてきますぅぅぅぅう!」デレッ
山田「」
斉木(……形はどうあれ、十神に自分のことを気に掛けてもらえたことが嬉しいようだぞ)
苗木「…………人間って不思議だね」
腐川「歩み寄る!? あんな下品なものを好きになれっていうの!?」
山田「下品んんんんん!? あなたは上品な漫画や下品な小説があることをご存知、ないのですか!?」
十神「そこの2人、気が散るから失せろ。或いは呼吸を止めろ」
山田「なっ……!」
十神「それと……腐川、だったか? お前は風呂に入れ。臭うんだよ」
腐川「ぐ……うぅ……」
苗木「十神クン、それはちょっと言い過ぎじゃ
腐川「はいぃぃい! 分かりました今すぐ垢と臭いとその他諸々の不純物を落としてきますぅぅぅぅう!」デレッ
山田「」
斉木(……形はどうあれ、十神に自分のことを気に掛けてもらえたことが嬉しいようだぞ)
苗木「…………人間って不思議だね」
563: 2014/02/10(月) 00:38:35.80 ID:KIADXAg7o
霧切「あら、斉木くんと苗木くん」ガチャ
苗木「霧切さん! 奥の部屋には何かあった?」
霧切「様々な資料を保管するための書庫……と言ったところかしら。中でこんな物を見つけたわよ」ピラッ
斉木(手紙か。差出人は“希望ヶ峰学園事務局”となっているな)
苗木「えっと……『希望ヶ峰学園閉校のお知らせ』!?」
霧切「ええ。文中には“深刻な問題の発生”によって決断を余儀なくされた、と書いてあるわ」
霧切「便箋の劣化具合から推測するに、この手紙は1年以上前に書かれたと考えられるわね」
苗木「深刻な問題? 入学式の朝、外から校舎を見た時はそんなことが起こってるように思わなかったけど……」
斉木(その記憶は2年前のものなんだが……下手に事実を教えたら、苗木は確実に動揺するだろう)
斉木(それがきっかけで黒幕に悟られると、今以上に超能力を使いづらい状況になってしまう)
斉木(やれやれ……どの程度までの真実を苗木に教えるか、考えものだな……)
苗木「霧切さん! 奥の部屋には何かあった?」
霧切「様々な資料を保管するための書庫……と言ったところかしら。中でこんな物を見つけたわよ」ピラッ
斉木(手紙か。差出人は“希望ヶ峰学園事務局”となっているな)
苗木「えっと……『希望ヶ峰学園閉校のお知らせ』!?」
霧切「ええ。文中には“深刻な問題の発生”によって決断を余儀なくされた、と書いてあるわ」
霧切「便箋の劣化具合から推測するに、この手紙は1年以上前に書かれたと考えられるわね」
苗木「深刻な問題? 入学式の朝、外から校舎を見た時はそんなことが起こってるように思わなかったけど……」
斉木(その記憶は2年前のものなんだが……下手に事実を教えたら、苗木は確実に動揺するだろう)
斉木(それがきっかけで黒幕に悟られると、今以上に超能力を使いづらい状況になってしまう)
斉木(やれやれ……どの程度までの真実を苗木に教えるか、考えものだな……)
564: 2014/02/10(月) 00:40:18.08 ID:KIADXAg7o
十神「だが、これではっきりした」
十神「ここに他の生徒や教職員が居ないのは、希望ヶ峰学園が閉校していたからだったとな……」
十神「お前ら愚民にしては上出来じゃないか。褒めてやろう」フッ
斉木(あいつの眼鏡サイコキネシスで割ってもいいかな)
苗木「あっ! 見てよ、机の引き出しにこんなのが入ってたよ!」
斉木(これは……旧型のノートパソコンか)
霧切「でも電源が入らないみたいね。不二咲さんなら修理して解析できると思うけれど……」
苗木「そうか、不二咲さんは“超高校級のプログラマー”だもんね! 不二咲さんは今どこに居るのかな……」
苗木(……斉木クン、超能力で不二咲さんの居場所を調べられない?)
斉木(不二咲さんのテレパシーは水練場の辺りから聞こえてくる。桑田や朝日奈さん、ルーデンベルクさんと一緒のようだ)
苗木「よし、それじゃあボクたちで不二咲さんを呼んでこよう!」
十神「ここに他の生徒や教職員が居ないのは、希望ヶ峰学園が閉校していたからだったとな……」
十神「お前ら愚民にしては上出来じゃないか。褒めてやろう」フッ
斉木(あいつの眼鏡サイコキネシスで割ってもいいかな)
苗木「あっ! 見てよ、机の引き出しにこんなのが入ってたよ!」
斉木(これは……旧型のノートパソコンか)
霧切「でも電源が入らないみたいね。不二咲さんなら修理して解析できると思うけれど……」
苗木「そうか、不二咲さんは“超高校級のプログラマー”だもんね! 不二咲さんは今どこに居るのかな……」
苗木(……斉木クン、超能力で不二咲さんの居場所を調べられない?)
斉木(不二咲さんのテレパシーは水練場の辺りから聞こえてくる。桑田や朝日奈さん、ルーデンベルクさんと一緒のようだ)
苗木「よし、それじゃあボクたちで不二咲さんを呼んでこよう!」
565: 2014/02/10(月) 00:42:38.06 ID:KIADXAg7o
【水練場】
苗木「居た! 不二咲さん、ちょっと図書室に来てほしいんだけど……」
朝日奈「ねぇ苗木っ!」ズイッ
苗木「うわぁ!?」
朝日奈「この奥にプールがあったんだよ! プールだよプール、おっきなプール!!」
斉木(落ち着け)
朝日奈「私ずっと泳ぎたかったの! もう今すぐ泳いじゃいたいよ、服なら後で乾かせばいいし!!」
朝日奈「あーもう! 全身がムズムズしてきた! むしろムズムズを通り越してムカムカしてきた!」
斉木(何故怒りに変わった)
桑田「マジかよ!? だったらオレも朝日奈と一緒に泳ごーっと!」
朝日奈「あ、桑田はダメね。なんか下心ありそう」
桑田「べべべ別にそんなんじゃねーよ、全身運動したかっただけだし!」
セレス「下手な嘘は見苦しいですわよ」
斉木(全くだ)
苗木「居た! 不二咲さん、ちょっと図書室に来てほしいんだけど……」
朝日奈「ねぇ苗木っ!」ズイッ
苗木「うわぁ!?」
朝日奈「この奥にプールがあったんだよ! プールだよプール、おっきなプール!!」
斉木(落ち着け)
朝日奈「私ずっと泳ぎたかったの! もう今すぐ泳いじゃいたいよ、服なら後で乾かせばいいし!!」
朝日奈「あーもう! 全身がムズムズしてきた! むしろムズムズを通り越してムカムカしてきた!」
斉木(何故怒りに変わった)
桑田「マジかよ!? だったらオレも朝日奈と一緒に泳ごーっと!」
朝日奈「あ、桑田はダメね。なんか下心ありそう」
桑田「べべべ別にそんなんじゃねーよ、全身運動したかっただけだし!」
セレス「下手な嘘は見苦しいですわよ」
斉木(全くだ)
566: 2014/02/10(月) 00:44:30.13 ID:KIADXAg7o
朝日奈「泳ぐなら他の女の子と一緒の方がいいな! セレスちゃん、不二咲ちゃん! 私と泳がない?」
セレス「わたくしはご遠慮致しますわ。お顔が水に濡れるのが怖くて……」
桑田「どーせ化粧の落ちた顔を見られたくないだけだろ」ボソ
セレス「何か言ったかアホザルがぁぁぁ!!!」
桑田「ヒイッ!?」
朝日奈「うーん……なら不二咲ちゃんだけでも! どうかな?」
不二咲「えっ、えっ……あの……泳げなくて……」
朝日奈「泳ぎ方なら私が教えるよ! 泳げるようになったらプールは友達、怖くないよ?」
不二咲「そ、そんな……!」ウルウル
斉木(苗木、助けてやってくれ。不二咲さんをプールに行かせてはならない)
苗木(どうして? カナヅチを克服させてあげるのは良いことだと思うけど……)
斉木(間違いなく大騒動になるぞ。不二咲さんは男性だからな)
苗木(えっ……)
セレス「わたくしはご遠慮致しますわ。お顔が水に濡れるのが怖くて……」
桑田「どーせ化粧の落ちた顔を見られたくないだけだろ」ボソ
セレス「何か言ったかアホザルがぁぁぁ!!!」
桑田「ヒイッ!?」
朝日奈「うーん……なら不二咲ちゃんだけでも! どうかな?」
不二咲「えっ、えっ……あの……泳げなくて……」
朝日奈「泳ぎ方なら私が教えるよ! 泳げるようになったらプールは友達、怖くないよ?」
不二咲「そ、そんな……!」ウルウル
斉木(苗木、助けてやってくれ。不二咲さんをプールに行かせてはならない)
苗木(どうして? カナヅチを克服させてあげるのは良いことだと思うけど……)
斉木(間違いなく大騒動になるぞ。不二咲さんは男性だからな)
苗木(えっ……)
567: 2014/02/10(月) 00:47:01.50 ID:KIADXAg7o
苗木「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
不二咲「わっ!?」ビクッ
桑田「どうしたんだよ苗木、急にスットンキョーな声上げて!」
苗木「あ……いや……えっと、ボクは不二咲……さんに用があってここに来たから……」
苗木「そうだ、図書室で壊れたパソコンを見つけたから不二咲さんに診てほしいんだ!!」アセアセ
セレス「妙に挙動不審ですわね……」
苗木「本当だよ! 不二咲く……不二咲さんなら修理できるかもって霧切さんが言ったんだ!」ニギッ
不二咲「わ、わかったよぉ! わかったから引っ張らないで!」
苗木「――朝日奈さん!!」
朝日奈「な、何!?」
苗木「不二咲さんがパソコンのことを完全に調べ終わるまで泳ぎに誘っちゃ駄目だからね!!!」
朝日奈「ああ……うん」
苗木「じゃあ行こう不二咲さん!!」ダッ
不二咲「だから引っ張らないでってばぁ!」
斉木(………………)
斉木(……やっぱ苗木には下手に真実を教えない方がいいな)
不二咲「わっ!?」ビクッ
桑田「どうしたんだよ苗木、急にスットンキョーな声上げて!」
苗木「あ……いや……えっと、ボクは不二咲……さんに用があってここに来たから……」
苗木「そうだ、図書室で壊れたパソコンを見つけたから不二咲さんに診てほしいんだ!!」アセアセ
セレス「妙に挙動不審ですわね……」
苗木「本当だよ! 不二咲く……不二咲さんなら修理できるかもって霧切さんが言ったんだ!」ニギッ
不二咲「わ、わかったよぉ! わかったから引っ張らないで!」
苗木「――朝日奈さん!!」
朝日奈「な、何!?」
苗木「不二咲さんがパソコンのことを完全に調べ終わるまで泳ぎに誘っちゃ駄目だからね!!!」
朝日奈「ああ……うん」
苗木「じゃあ行こう不二咲さん!!」ダッ
不二咲「だから引っ張らないでってばぁ!」
斉木(………………)
斉木(……やっぱ苗木には下手に真実を教えない方がいいな)
617: 2014/03/13(木) 22:22:10.28 ID:dLutYGDqo
>>600
葦柳錠人参(いりゅうじょうにんじん)とは
13世紀前半の中国において重宝された漢方薬の一種である。
古来より人参は漢方として用いられてきたが、葦や柳の葉から造られる丸薬「葦柳錠(いりゅうじょう)」と調合することで、疲労回復・滋養強壮、抗絶望病において著しい効果を発揮する新薬として爆発的人気を得た。
しかし葦柳錠は製造に手間が掛かるため供給が追いつかず、干し椎茸を代用品とした粗悪品が流通するようになってしまった。
なお、幻・錯覚などを意味する「illusion」という英単語については、当時の中国において正規の葦柳錠人参が非常に入手困難だったことに由来するという説が支配的である。
――民明書房刊 『東洋医学の真常識』より
予告より大幅に遅れてしまいましたが、続きを投下します。
葦柳錠人参(いりゅうじょうにんじん)とは
13世紀前半の中国において重宝された漢方薬の一種である。
古来より人参は漢方として用いられてきたが、葦や柳の葉から造られる丸薬「葦柳錠(いりゅうじょう)」と調合することで、疲労回復・滋養強壮、抗絶望病において著しい効果を発揮する新薬として爆発的人気を得た。
しかし葦柳錠は製造に手間が掛かるため供給が追いつかず、干し椎茸を代用品とした粗悪品が流通するようになってしまった。
なお、幻・錯覚などを意味する「illusion」という英単語については、当時の中国において正規の葦柳錠人参が非常に入手困難だったことに由来するという説が支配的である。
――民明書房刊 『東洋医学の真常識』より
予告より大幅に遅れてしまいましたが、続きを投下します。
620: 2014/03/13(木) 22:25:20.90 ID:dLutYGDqo
【前回のあらすじ】
人間って不思議だね
【校舎2階・図書室】
苗木(不二咲さんが男の子?)
苗木(そんなわけないよ、ボクよりも背が低くて大人しい性格なのに……)
苗木(でも……機械いじりは男の人の方が得意って言うよなぁ……)
不二咲「えっとね、このパソコンは基盤がいくつか損傷してたせいで電源が入らなかったみたいなんだぁ」
不二咲「2日か3日で直せると思うから……預かってもいいかな?」
霧切「ええ、任せたわ。何か有力な情報の入ったファイルが見つかったら報告して」
不二咲「うん! 頑張るねぇ!」
苗木(……やっぱりこの笑顔は女の子にしか見えない)
苗木(斉木クンがボクをからかって嘘をついたのか……?)
人間って不思議だね
【校舎2階・図書室】
苗木(不二咲さんが男の子?)
苗木(そんなわけないよ、ボクよりも背が低くて大人しい性格なのに……)
苗木(でも……機械いじりは男の人の方が得意って言うよなぁ……)
不二咲「えっとね、このパソコンは基盤がいくつか損傷してたせいで電源が入らなかったみたいなんだぁ」
不二咲「2日か3日で直せると思うから……預かってもいいかな?」
霧切「ええ、任せたわ。何か有力な情報の入ったファイルが見つかったら報告して」
不二咲「うん! 頑張るねぇ!」
苗木(……やっぱりこの笑顔は女の子にしか見えない)
苗木(斉木クンがボクをからかって嘘をついたのか……?)
621: 2014/03/13(木) 22:28:40.68 ID:dLutYGDqo
山田「それにしても不二咲千尋殿はすごいですな!」
不二咲「ほ……ほんと?」
山田「拙者はピザでヲタクですがパソコン操作は人並みしかできず……不二咲千尋殿がテライケメンに見えますぞ!」
不二咲「えへへ……! イケメンかなぁ、かっこいいかなぁ?」
苗木(……不二咲さんがイケメンって言われてとっても嬉しそうにしている)
苗木(ってことは……やっぱり男の子!?)
霧切「どうしたの苗木くん」
苗木「えっ……いや、なんでも……」
霧切「……何か、重大な発見をしたのかしら?」
苗木「重大な発見……? そ、そうだ! さっき水練場に行ったら更衣室の入口に大きな機関銃がぶら下がってて、ひょっとしたらあのプールは巨大兵器に変け」
霧切「もういいわ」
苗木「え?」
霧切「もういいわ」
苗木「……うん」
不二咲「ほ……ほんと?」
山田「拙者はピザでヲタクですがパソコン操作は人並みしかできず……不二咲千尋殿がテライケメンに見えますぞ!」
不二咲「えへへ……! イケメンかなぁ、かっこいいかなぁ?」
苗木(……不二咲さんがイケメンって言われてとっても嬉しそうにしている)
苗木(ってことは……やっぱり男の子!?)
霧切「どうしたの苗木くん」
苗木「えっ……いや、なんでも……」
霧切「……何か、重大な発見をしたのかしら?」
苗木「重大な発見……? そ、そうだ! さっき水練場に行ったら更衣室の入口に大きな機関銃がぶら下がってて、ひょっとしたらあのプールは巨大兵器に変け」
霧切「もういいわ」
苗木「え?」
霧切「もういいわ」
苗木「……うん」
622: 2014/03/13(木) 22:30:43.73 ID:dLutYGDqo
【寄宿舎1階・倉庫】
斉木(あと20分ほどで報告会の時間だ)
斉木(校舎に関してはほとんど調べ終わった。ここを除けば、残るは大浴場のみなんだが……)ガサゴソ
斉木(僕にはどうしても確認しておきたいことがある)ガサゴソ
斉木(…………あった。粉ゼラチンだ)
斉木(ダンボール箱2つに、粉ゼラチンの小箱が隙間無く詰めてある。ざっと見て3年分はあるな)
斉木(食堂にはコーヒーの素があるから……これを使えばコーヒーゼリーが3年分食べられる……!!)ジュルリ
江ノ島「ありゃ? 斉木も倉庫に来てたんだー!」
斉木(おっと、江ノ島さん(仮)が来てしまった)ササッ
江ノ島「ここってマジで色んなものがあるって聞いたからさー、アタシの好きな食べ物も倉庫になら置いてるかなーって思ったんだよね」
斉木(ふむ。ここにはドーナツや油芋など、生徒の好きそうな食べ物が置いてある。だが……)
江ノ島「災害対策のレーション! あれメチャウマだから!」
斉木(断言しよう、それは無い)
斉木(あと20分ほどで報告会の時間だ)
斉木(校舎に関してはほとんど調べ終わった。ここを除けば、残るは大浴場のみなんだが……)ガサゴソ
斉木(僕にはどうしても確認しておきたいことがある)ガサゴソ
斉木(…………あった。粉ゼラチンだ)
斉木(ダンボール箱2つに、粉ゼラチンの小箱が隙間無く詰めてある。ざっと見て3年分はあるな)
斉木(食堂にはコーヒーの素があるから……これを使えばコーヒーゼリーが3年分食べられる……!!)ジュルリ
江ノ島「ありゃ? 斉木も倉庫に来てたんだー!」
斉木(おっと、江ノ島さん(仮)が来てしまった)ササッ
江ノ島「ここってマジで色んなものがあるって聞いたからさー、アタシの好きな食べ物も倉庫になら置いてるかなーって思ったんだよね」
斉木(ふむ。ここにはドーナツや油芋など、生徒の好きそうな食べ物が置いてある。だが……)
江ノ島「災害対策のレーション! あれメチャウマだから!」
斉木(断言しよう、それは無い)
623: 2014/03/13(木) 22:33:30.33 ID:dLutYGDqo
江ノ島「斉木は知らないだろうけど、近頃のギャル的にはレーションがチョベリグなの!」
斉木(ああ知らないな。近頃のギャルがチョベリグという言葉を使うことも知らなかった)
江ノ島「でもなんか無さげだよねー。朝日奈は冷凍ドーナツ見つけたって言ってたのになー……」
江ノ島(盾子ちゃん……私の好物を用意してくれないなんて、とっても絶望的……)
斉木(お前も中々に絶望的な人物だと思うぞ)
江ノ島「……そう言えばさー、朝日奈が言ってたんだけど」
江ノ島「昨日、朝日奈と苗木と3人でランニングしたんだって?」
斉木(確かに昨日はそうして過ごしたな。ランニングは朝日奈さんたっての希望だった)
江ノ島「でも……そのちょっと前まで、苗木はお腹を刺されて倒れてたんでしょ?」
江ノ島「現場を見張ってた大神すら、まだ生きてるって気付かないレベルの重体でさ」
斉木(………………)
江ノ島「……ねぇ、斉木」
江ノ島「昨日戻ってきた苗木は、本物の苗木くんなのかな?」
斉木(……まさか江ノ島さん(仮)にこんな穿った質問をされるとは思わなかった)
斉木(昨日のうちに気付けばよかったが……どういう言い訳が最も自然だろうか……)
黒幕(オイコラ残姉! 素が出てんぜ! オレは苗木と斉木について探れたぁ言ったがキャラ崩せなんて命令しちゃいねーぞ!)
斉木(またお前か)
斉木(ああ知らないな。近頃のギャルがチョベリグという言葉を使うことも知らなかった)
江ノ島「でもなんか無さげだよねー。朝日奈は冷凍ドーナツ見つけたって言ってたのになー……」
江ノ島(盾子ちゃん……私の好物を用意してくれないなんて、とっても絶望的……)
斉木(お前も中々に絶望的な人物だと思うぞ)
江ノ島「……そう言えばさー、朝日奈が言ってたんだけど」
江ノ島「昨日、朝日奈と苗木と3人でランニングしたんだって?」
斉木(確かに昨日はそうして過ごしたな。ランニングは朝日奈さんたっての希望だった)
江ノ島「でも……そのちょっと前まで、苗木はお腹を刺されて倒れてたんでしょ?」
江ノ島「現場を見張ってた大神すら、まだ生きてるって気付かないレベルの重体でさ」
斉木(………………)
江ノ島「……ねぇ、斉木」
江ノ島「昨日戻ってきた苗木は、本物の苗木くんなのかな?」
斉木(……まさか江ノ島さん(仮)にこんな穿った質問をされるとは思わなかった)
斉木(昨日のうちに気付けばよかったが……どういう言い訳が最も自然だろうか……)
黒幕(オイコラ残姉! 素が出てんぜ! オレは苗木と斉木について探れたぁ言ったがキャラ崩せなんて命令しちゃいねーぞ!)
斉木(またお前か)
624: 2014/03/13(木) 22:35:26.83 ID:dLutYGDqo
斉木(黒幕は江ノ島さん(仮)を介して僕達の情報を入手しようとしている)
斉木(しかし今までの行動から察するに、江ノ島さん(仮)は相当残念な人だから……)キィン
『非常食スペースの一番奥……』
江ノ島「あっ! レーションみーっけ! こんなところにダンボールごと置いてあるとかマジ神じゃね!?」
斉木(アポートを使って、適当な箱をレーションにすり替えた。今のうちに退散するとしよう)
斉木(……ついでにコラコーラの箱も用意しておくか。スペシャライザーフィギュアの礼を山田に先払いしてやる)キィン
黒幕(残姉! 残姉! レーションばっか食ってねぇで斉木を追い掛けろよ!!)
江ノ島「んー……フランスの味付けサイコー……」モグモグ
斉木(まあ、苗木本人の『壮大なドッキリだった』という言い分を信じ込ませておけば問題は無さそうだ)
斉木(しかし今までの行動から察するに、江ノ島さん(仮)は相当残念な人だから……)キィン
『非常食スペースの一番奥……』
江ノ島「あっ! レーションみーっけ! こんなところにダンボールごと置いてあるとかマジ神じゃね!?」
斉木(アポートを使って、適当な箱をレーションにすり替えた。今のうちに退散するとしよう)
斉木(……ついでにコラコーラの箱も用意しておくか。スペシャライザーフィギュアの礼を山田に先払いしてやる)キィン
黒幕(残姉! 残姉! レーションばっか食ってねぇで斉木を追い掛けろよ!!)
江ノ島「んー……フランスの味付けサイコー……」モグモグ
斉木(まあ、苗木本人の『壮大なドッキリだった』という言い分を信じ込ませておけば問題は無さそうだ)
625: 2014/03/13(木) 22:37:42.31 ID:dLutYGDqo
【食堂】
石丸「全員揃ったな! 第2回希望ヶ峰学園定例報告会を始めようではないか!」
石丸「まずは校舎2階に非常口や脱出可能な場所があったか確認したい!」
舞園「それは私と葉隠くんと大神さんで調べました。2階全体をまわったから時間も掛かっちゃいましたが……」
大神「またしても無理だった……窓の鉄板は頑丈に取り付けられていた」
葉隠「それと3階に続く階段も見付けたべ! ……でもシャッターが降りてて進めなかったべ」
石丸「ふむ。ならば3階に出口があることを期待しよう!」
苗木(斉木クンなら上の階に出口があるか超能力でわかるよね?)
斉木(その通り、僕には透視で最上階の様子まで見えている。しかし時には真実を言わないでおく優しさも必要だぞ)
苗木(……無いんだね)ハァ
石丸「全員揃ったな! 第2回希望ヶ峰学園定例報告会を始めようではないか!」
石丸「まずは校舎2階に非常口や脱出可能な場所があったか確認したい!」
舞園「それは私と葉隠くんと大神さんで調べました。2階全体をまわったから時間も掛かっちゃいましたが……」
大神「またしても無理だった……窓の鉄板は頑丈に取り付けられていた」
葉隠「それと3階に続く階段も見付けたべ! ……でもシャッターが降りてて進めなかったべ」
石丸「ふむ。ならば3階に出口があることを期待しよう!」
苗木(斉木クンなら上の階に出口があるか超能力でわかるよね?)
斉木(その通り、僕には透視で最上階の様子まで見えている。しかし時には真実を言わないでおく優しさも必要だぞ)
苗木(……無いんだね)ハァ
626: 2014/03/13(木) 22:40:10.03 ID:dLutYGDqo
石丸「次に、2階の特殊教室の有無を知りたいのだが……報告はあるかね?」
朝日奈「はいはいはい!! プールがあったよ! おっきなプール! やっと泳げるよ水と一体化できるよ!!」
朝日奈「それから更衣室にはトレーニング器具もあったんだよ!! これで体を鍛え直せるよ!!」
桑田「オメーちょっと落ち着けよ!」
苗木「ととと、ところでさ!」
苗木「更衣室の入口……水練場のところに、大きな機関銃が設置されてたよね?」
朝日奈「そうだっけ? 私はプールのことばかり考えてたから目が行かなかったよ?」
斉木(それは重症だぞ)
腐川「ききき機関銃!? 一体誰を蜂の巣にしてカイカンを得るつもりなのよ!?」
モノクマ「決まってんじゃん、覗き魔へのオシオキだよ!」ピョーイ
斉木(また出た)
朝日奈「はいはいはい!! プールがあったよ! おっきなプール! やっと泳げるよ水と一体化できるよ!!」
朝日奈「それから更衣室にはトレーニング器具もあったんだよ!! これで体を鍛え直せるよ!!」
桑田「オメーちょっと落ち着けよ!」
苗木「ととと、ところでさ!」
苗木「更衣室の入口……水練場のところに、大きな機関銃が設置されてたよね?」
朝日奈「そうだっけ? 私はプールのことばかり考えてたから目が行かなかったよ?」
斉木(それは重症だぞ)
腐川「ききき機関銃!? 一体誰を蜂の巣にしてカイカンを得るつもりなのよ!?」
モノクマ「決まってんじゃん、覗き魔へのオシオキだよ!」ピョーイ
斉木(また出た)
627: 2014/03/13(木) 22:43:20.29 ID:dLutYGDqo
モノクマ「水練場の更衣室は男女に分かれていますが、入口に電子生徒手帳をかざしてロックを解除しないと中に入れません!」
モノクマ「もしも自分と違う性別の更衣室へ入ろうとしたら……」
モノクマ「容赦無く警報が鳴り響き、ガトリング銃で見るも無惨な姿に!!」
不二咲「うぅ……あんまりだよぉ……!」
モノクマ「そう? 煩悩まみれの犯罪者には然るべき制裁を加えなきゃいけないと思うんだ」
モノクマ「ホラ、ボクって曲がりなりにも教育者じゃん?」
斉木(曲がりすぎだ)
大和田「人頃しは犯罪じゃねーのか?」
モノクマ「やだなぁ、殺人犯にも相応のオシオキを用意してるよ! それが学級裁判のシステムってワケ」
朝日奈「ほんっと悪趣味……」
モノクマ「もしも自分と違う性別の更衣室へ入ろうとしたら……」
モノクマ「容赦無く警報が鳴り響き、ガトリング銃で見るも無惨な姿に!!」
不二咲「うぅ……あんまりだよぉ……!」
モノクマ「そう? 煩悩まみれの犯罪者には然るべき制裁を加えなきゃいけないと思うんだ」
モノクマ「ホラ、ボクって曲がりなりにも教育者じゃん?」
斉木(曲がりすぎだ)
大和田「人頃しは犯罪じゃねーのか?」
モノクマ「やだなぁ、殺人犯にも相応のオシオキを用意してるよ! それが学級裁判のシステムってワケ」
朝日奈「ほんっと悪趣味……」
628: 2014/03/13(木) 22:46:13.96 ID:dLutYGDqo
セレス「ひとつ確認をさせてください」
セレス「その防犯システムは、異性の電子生徒手帳を借りてしまえば簡単に突破できるのでは……?」
モノクマ「むむっ、ボクとしたことが何たる見落とし! そんな抜け道があったとは!」
モノクマ「そんな姑息な手は通じないからね! 校則にも書き足しとくから足掻いてもムダだよ!」
【校則が追加されました】
『電子生徒手帳の他人への貸与を禁止します。』
モノクマ「ルールを守って健全なコロシアイ学園生活をしましょう! じゃーねー!」
葉隠「コロシアイに健全も不健全もねーべ!」
苗木「でも……どうして更衣室の警備をそこまで厳しくするんだろう?」
苗木(そのせいで不二咲さんの性別がバレるのも時間の問題になっちゃったし……)
十神「……そうかそうか、つまりお前はそういうやつなんだな」
葉隠「許してやるべ、苗木っちも健全な男子だべ」
苗木「それは違うよっ!」
セレス「あら、苗木くんは不健全な男子なのだそうですよ」
苗木「そっちじゃないよ! ボクは覗くつもりで言ったんじゃなくて……!!」
斉木(どんどん墓穴を掘り進めてるぞ)
セレス「その防犯システムは、異性の電子生徒手帳を借りてしまえば簡単に突破できるのでは……?」
モノクマ「むむっ、ボクとしたことが何たる見落とし! そんな抜け道があったとは!」
モノクマ「そんな姑息な手は通じないからね! 校則にも書き足しとくから足掻いてもムダだよ!」
【校則が追加されました】
『電子生徒手帳の他人への貸与を禁止します。』
モノクマ「ルールを守って健全なコロシアイ学園生活をしましょう! じゃーねー!」
葉隠「コロシアイに健全も不健全もねーべ!」
苗木「でも……どうして更衣室の警備をそこまで厳しくするんだろう?」
苗木(そのせいで不二咲さんの性別がバレるのも時間の問題になっちゃったし……)
十神「……そうかそうか、つまりお前はそういうやつなんだな」
葉隠「許してやるべ、苗木っちも健全な男子だべ」
苗木「それは違うよっ!」
セレス「あら、苗木くんは不健全な男子なのだそうですよ」
苗木「そっちじゃないよ! ボクは覗くつもりで言ったんじゃなくて……!!」
斉木(どんどん墓穴を掘り進めてるぞ)
629: 2014/03/13(木) 22:49:00.43 ID:dLutYGDqo
石丸「話題を切り替えて次に進もう! 他に校舎で新たな発見はあったかね?」
山田「そうでした! 同じく2階には広い図書室がありましたぞ!」
十神「奥には書庫もあったな。古今東西の様々な資料が集積されていた」
石丸「図書室……だと……!? 遂に僕は勉強を再開できるのだなッ!!」ブワッ
斉木(それは顔面を崩壊させて泣くほど嬉しいことなのか?)
不二咲「あっ……それとね、図書室には……」
霧切「図書室には1通の手紙があったわ。『希望ヶ峰学園閉校のお知らせ』と題した手紙がね」ズイッ
不二咲「…………うぅ」シュン
大和田「閉校って……オレらは潰れた学校に入学しちまったってことかよ!?」
セレス「きっとモノクマは無人になった希望ヶ峰学園を占拠し、コロシアイの舞台に仕立てあげたのでしょうね」
大神「黒幕は莫大な財力を持っているのだろうな……」
斉木(改築費用に関しては希望ヶ峰の予算をフル活用したみたいだぞ)
苗木(格別お金持ちってわけでもないんだね……)
山田「そうでした! 同じく2階には広い図書室がありましたぞ!」
十神「奥には書庫もあったな。古今東西の様々な資料が集積されていた」
石丸「図書室……だと……!? 遂に僕は勉強を再開できるのだなッ!!」ブワッ
斉木(それは顔面を崩壊させて泣くほど嬉しいことなのか?)
不二咲「あっ……それとね、図書室には……」
霧切「図書室には1通の手紙があったわ。『希望ヶ峰学園閉校のお知らせ』と題した手紙がね」ズイッ
不二咲「…………うぅ」シュン
大和田「閉校って……オレらは潰れた学校に入学しちまったってことかよ!?」
セレス「きっとモノクマは無人になった希望ヶ峰学園を占拠し、コロシアイの舞台に仕立てあげたのでしょうね」
大神「黒幕は莫大な財力を持っているのだろうな……」
斉木(改築費用に関しては希望ヶ峰の予算をフル活用したみたいだぞ)
苗木(格別お金持ちってわけでもないんだね……)
630: 2014/03/13(木) 22:51:28.94 ID:dLutYGDqo
不二咲「それとね、図書室にパ」
霧切「けれどわからないことがあるの。黒幕がこんなことをした目的は何なのかしら」
不二咲「…………うぅぅ」グスン
葉隠「黒幕の目的なぁ……きっと俺たちの中の誰かに恨みがあったんだべ!」
山田「他の人は完全なとばっちりじゃないすか! やだー!!」
腐川「じゃあ……ここにいる人は全員何らかの罪を犯したことがあって、黒幕は制裁を加えるために……」
十神「犯人は超高校級の判事だとでも言うつもりか?」
不二咲「……あの、パソ……」
霧切「解析が終わるまでパソコンのことは内密にしてほしいの。モノクマに気付かれると危険だから」ヒソヒソ
不二咲「う……うん……」ショボン
霧切「けれどわからないことがあるの。黒幕がこんなことをした目的は何なのかしら」
不二咲「…………うぅぅ」グスン
葉隠「黒幕の目的なぁ……きっと俺たちの中の誰かに恨みがあったんだべ!」
山田「他の人は完全なとばっちりじゃないすか! やだー!!」
腐川「じゃあ……ここにいる人は全員何らかの罪を犯したことがあって、黒幕は制裁を加えるために……」
十神「犯人は超高校級の判事だとでも言うつもりか?」
不二咲「……あの、パソ……」
霧切「解析が終わるまでパソコンのことは内密にしてほしいの。モノクマに気付かれると危険だから」ヒソヒソ
不二咲「う……うん……」ショボン
631: 2014/03/13(木) 22:54:32.47 ID:dLutYGDqo
舞園「あの……黒幕がジェノサイダー翔って可能性はありますか?」
腐川「ジェノサイダー翔!? そんなわけないじゃない、なんであんな奴があたし達をターゲットにするのよ!?」
苗木「……ジェノサイダー翔? それって有名人?」
桑田「んだよ、オメー知らねぇのか? 」
葉隠「ジェノサイダー翔。現場に血文字で“チミドロフィーバー”って書き残す、巷で噂のシリアルキラーだべ」
苗木「シリアルキラー……猟奇殺人犯!?」ゾワッ
斉木(一聴しただけではピーチティー長谷川みたいなふざけた名前に思えるが……やってることのえげつなさは本物だぞ)
舞園「ジェノサイダー翔は数々の殺人を犯していながら未だ逮捕されていない人物ですから……」
朝日奈「誰にもバレないで私たちをさらってきてコロシアイさせるくらいの実力はあるのかも……」
霧切「そして……黒幕には動機など存在せず、ただ人を頃す楽しみだけを求めている。ありえなくもない話ね」
斉木(いや、黒幕はジェノサイダー翔じゃないぞ。あいつがこんな回りくどい殺人を犯すわけがない)
斉木(この能力を使う機会はもう無いと思っていたが……)
『“人を頃す楽しみ”……』
江ノ島「――それは違うって!」
斉木(代理論破でジェノサイダー翔への嫌疑を晴らしておこう)
腐川「ジェノサイダー翔!? そんなわけないじゃない、なんであんな奴があたし達をターゲットにするのよ!?」
苗木「……ジェノサイダー翔? それって有名人?」
桑田「んだよ、オメー知らねぇのか? 」
葉隠「ジェノサイダー翔。現場に血文字で“チミドロフィーバー”って書き残す、巷で噂のシリアルキラーだべ」
苗木「シリアルキラー……猟奇殺人犯!?」ゾワッ
斉木(一聴しただけではピーチティー長谷川みたいなふざけた名前に思えるが……やってることのえげつなさは本物だぞ)
舞園「ジェノサイダー翔は数々の殺人を犯していながら未だ逮捕されていない人物ですから……」
朝日奈「誰にもバレないで私たちをさらってきてコロシアイさせるくらいの実力はあるのかも……」
霧切「そして……黒幕には動機など存在せず、ただ人を頃す楽しみだけを求めている。ありえなくもない話ね」
斉木(いや、黒幕はジェノサイダー翔じゃないぞ。あいつがこんな回りくどい殺人を犯すわけがない)
斉木(この能力を使う機会はもう無いと思っていたが……)
『“人を頃す楽しみ”……』
江ノ島「――それは違うって!」
斉木(代理論破でジェノサイダー翔への嫌疑を晴らしておこう)
633: 2014/03/13(木) 22:56:53.88 ID:dLutYGDqo
苗木(なんだろう……江ノ島さんの言葉を聞いた瞬間、うら寂しい気持ちになったような……)
斉木(決め台詞を取られたからじゃないのか?)
大和田「あぁ? ジェノサイダーが黒幕じゃねぇって根拠でもあんのかよ?」
江ノ島「こう……殺人鬼ってさ、自分で人を頃したいから殺人鬼なわけじゃん?」
江ノ島「なのに他人同士で頃し合わせてそれを眺めてるだけって……なんかつまんなくない?」
葉隠「え、江ノ島っちがしれっと怖いこと言ってるべ……」
山田「色相が濁りまくってそうですな……」
江ノ島「はぁ!? あたしが人を頃すとかありえないんだけど!!」
斉木(変装してる時点で十二分に怪しいぞ)
斉木(決め台詞を取られたからじゃないのか?)
大和田「あぁ? ジェノサイダーが黒幕じゃねぇって根拠でもあんのかよ?」
江ノ島「こう……殺人鬼ってさ、自分で人を頃したいから殺人鬼なわけじゃん?」
江ノ島「なのに他人同士で頃し合わせてそれを眺めてるだけって……なんかつまんなくない?」
葉隠「え、江ノ島っちがしれっと怖いこと言ってるべ……」
山田「色相が濁りまくってそうですな……」
江ノ島「はぁ!? あたしが人を頃すとかありえないんだけど!!」
斉木(変装してる時点で十二分に怪しいぞ)
634: 2014/03/13(木) 22:59:15.73 ID:dLutYGDqo
十神「江ノ島……だったか?」
十神「お前の言い分は随分幼稚だが、俺も黒幕はジェノサイダー翔ではないと考えている」
腐川「と、十神……白夜様……っ!!」
霧切「あなたは……黒幕の正体を確信しているというの?」
十神「いや、俺は単にジェノサイダー翔が黒幕である可能性を否定しているだけだ」
十神「もっとも、その根拠をお前らに話してやる義理などないがな」
斉木(相変わらず他人の神経を逆撫でする言葉ばかり使うんだな……しかし)
腐川「白夜様ともあろうお方ならば……根拠なぞ語らずとも説得力を発揮するのですね……!」ハァハァ
斉木(こいつにとってはご褒美のようだな)
石丸「話題が脱線してしまったが報告会を続けるぞ! 次に寄宿舎の方だが――」
――――――――――
十神「お前の言い分は随分幼稚だが、俺も黒幕はジェノサイダー翔ではないと考えている」
腐川「と、十神……白夜様……っ!!」
霧切「あなたは……黒幕の正体を確信しているというの?」
十神「いや、俺は単にジェノサイダー翔が黒幕である可能性を否定しているだけだ」
十神「もっとも、その根拠をお前らに話してやる義理などないがな」
斉木(相変わらず他人の神経を逆撫でする言葉ばかり使うんだな……しかし)
腐川「白夜様ともあろうお方ならば……根拠なぞ語らずとも説得力を発揮するのですね……!」ハァハァ
斉木(こいつにとってはご褒美のようだな)
石丸「話題が脱線してしまったが報告会を続けるぞ! 次に寄宿舎の方だが――」
――――――――――
636: 2014/03/13(木) 23:00:19.28 ID:dLutYGDqo
――――――――――
【数十分後・斉木の個室】
斉木(その後も報告会は滞りなく行われ、舞園さんの見張り役を山田と朝日奈さんに交代してから解散となった)
斉木(会議シーンが長すぎるとダレるからな。後の描写は割愛して、ここら辺で自由行動安価に移ろうと思う)
斉木(今回は過去に指名された霧切さん、桑田、山田、苗木、そして見張り中の朝日奈さんを除いた10人から選んでほしい)
斉木(その代わり、舞園さんを指名した場合は山田と朝日奈さんとも同時に過ごすことになる。後はいつも通り>>52を参照してくれ)
斉木(それでは……【安価下2】と共に過ごすか)
【数十分後・斉木の個室】
斉木(その後も報告会は滞りなく行われ、舞園さんの見張り役を山田と朝日奈さんに交代してから解散となった)
斉木(会議シーンが長すぎるとダレるからな。後の描写は割愛して、ここら辺で自由行動安価に移ろうと思う)
斉木(今回は過去に指名された霧切さん、桑田、山田、苗木、そして見張り中の朝日奈さんを除いた10人から選んでほしい)
斉木(その代わり、舞園さんを指名した場合は山田と朝日奈さんとも同時に過ごすことになる。後はいつも通り>>52を参照してくれ)
斉木(それでは……【安価下2】と共に過ごすか)
640: 2014/03/13(木) 23:39:04.66 ID:dLutYGDqo
斉木(……大神さんと共に過ごすか)
【校舎2階・水練場】
斉木(大神さくら。“超高校級の格闘家”という肩書きで希望ヶ峰に入学した人物だが、彼女は“超人級の格闘家”と名乗っても遜色ないと思う)
斉木(乳母車に乗っている頃から戦い続け、公式戦において未だ無敗の人物だ。僕が超能力を駆使して氏闘に臨んだとしても、良くて相討ちにしかならないだろう)
斉木(そして現在、大神さんは女子更衣室の中で筋トレ真っ最中だ……かれこれ4時間は続けている。疲れないのか?)
大神「……む、斉木か。奇遇だな」ガチャ
斉木(すみません、ずっとスタンバってました)
大神「我はトレーニングの息抜きにな……プロテインコーヒーを飲みに、1階へ降りようと思っていたのだ」
斉木(プロテインコーヒー? それは美味いものなのか……?)
大神「……時に斉木よ。我と手合わせをしてはくれぬか?」
斉木(どうしてそうなった)
大神「先日の学級裁判の折……お主は舞園の命運を懸けてモノクマと戦ったな」
大神「お主はモノクマの反則技を完全に見切った上、見事勝利を収めた……」
大神「よって我はお主が武芸にも長けた人物だと見た。斉木よ、その実力を我にも見せては貰えぬか……?」
斉木(ぜんぶ気のせいだ。丁重にお断りさせていただく……)
大神「もし手合わせをしてくれるのならば、明日の朝食の献立にはお主の好物を加えるが……」
斉木(コーヒーゼリーをお願い致します)
【校舎2階・水練場】
斉木(大神さくら。“超高校級の格闘家”という肩書きで希望ヶ峰に入学した人物だが、彼女は“超人級の格闘家”と名乗っても遜色ないと思う)
斉木(乳母車に乗っている頃から戦い続け、公式戦において未だ無敗の人物だ。僕が超能力を駆使して氏闘に臨んだとしても、良くて相討ちにしかならないだろう)
斉木(そして現在、大神さんは女子更衣室の中で筋トレ真っ最中だ……かれこれ4時間は続けている。疲れないのか?)
大神「……む、斉木か。奇遇だな」ガチャ
斉木(すみません、ずっとスタンバってました)
大神「我はトレーニングの息抜きにな……プロテインコーヒーを飲みに、1階へ降りようと思っていたのだ」
斉木(プロテインコーヒー? それは美味いものなのか……?)
大神「……時に斉木よ。我と手合わせをしてはくれぬか?」
斉木(どうしてそうなった)
大神「先日の学級裁判の折……お主は舞園の命運を懸けてモノクマと戦ったな」
大神「お主はモノクマの反則技を完全に見切った上、見事勝利を収めた……」
大神「よって我はお主が武芸にも長けた人物だと見た。斉木よ、その実力を我にも見せては貰えぬか……?」
斉木(ぜんぶ気のせいだ。丁重にお断りさせていただく……)
大神「もし手合わせをしてくれるのならば、明日の朝食の献立にはお主の好物を加えるが……」
斉木(コーヒーゼリーをお願い致します)
644: 2014/03/14(金) 00:09:25.77 ID:UBfNFCH2o
【校舎1階・体育館】
斉木(……結局、大神さんとは3回ほど戦った。結果は全て大神さんの圧勝だった)
斉木(献立プラスの条件に勝敗は関係無かったため、僕は“常人よりやや強い”程度の印象を与えつつ、負けを選んだ)
斉木(それに、意地になってしまえば超能力をうっかり使ってしまいかねないからな。この閉鎖空間で過ごすにはこれくらいが丁度いい……)
大神「感謝するぞ……お主が付き合ってくれたお陰で良い息抜きになった」
斉木(本当に息抜きになったのか? 僕としては息もつかせぬ戦いだったぞ)
大神「独りで黙々と体を鍛えることも大切だが、他人と一戦を交え経験を積むこともまた大切なのだ……」
大神「そして……この手合わせを通じて、我は斉木楠雄という人物を理解できたと感じるぞ」
大神「お主……何か大きな隠し事をしているだろう」
斉木(!)
斉木(……結局、大神さんとは3回ほど戦った。結果は全て大神さんの圧勝だった)
斉木(献立プラスの条件に勝敗は関係無かったため、僕は“常人よりやや強い”程度の印象を与えつつ、負けを選んだ)
斉木(それに、意地になってしまえば超能力をうっかり使ってしまいかねないからな。この閉鎖空間で過ごすにはこれくらいが丁度いい……)
大神「感謝するぞ……お主が付き合ってくれたお陰で良い息抜きになった」
斉木(本当に息抜きになったのか? 僕としては息もつかせぬ戦いだったぞ)
大神「独りで黙々と体を鍛えることも大切だが、他人と一戦を交え経験を積むこともまた大切なのだ……」
大神「そして……この手合わせを通じて、我は斉木楠雄という人物を理解できたと感じるぞ」
大神「お主……何か大きな隠し事をしているだろう」
斉木(!)
667: 2014/03/15(土) 22:34:53.60 ID:73FbDm/7o
斉木(“黒幕と対談”……か)
斉木(かなりのリスクを冒すことになりそうだが……まあ、その程度ならできなくもない)
斉木(わかった。次の次の投下あたりには、黒幕と直接話しをすることになるだろう)
斉木(……ところで、バンナムはちゃんと僕のビクトリーバーサスプレイ動画を製作してくれているんだろうか?)
斉木(かなりのリスクを冒すことになりそうだが……まあ、その程度ならできなくもない)
斉木(わかった。次の次の投下あたりには、黒幕と直接話しをすることになるだろう)
斉木(……ところで、バンナムはちゃんと僕のビクトリーバーサスプレイ動画を製作してくれているんだろうか?)
692: 2014/04/01(火) 00:41:50.68 ID:Bo9basXvo
【前回のあらすじ】
フランスの味付け
斉木(寄宿舎へ戻る道すがら、僕はあの赤い扉の前へ歩を進めた)
斉木(今は学級裁判の必要も無いので、扉は固く閉ざされている。願わくばこのまま永遠に開かないでほしい)
斉木(僕達にコロシアイをさせるため、黒幕もあの手この手を使ってくるだろうが……僕が居る限り、もう誰も氏なせはしない)
斉木(……汗が冷えてきたな。早く寄宿舎へ戻――)ヨロッ
――――――――――
苗木『っぐ……う……』グスッ
苗木『……間違ってるよ。こんなの絶対、絶対に間違ってる……!!』
――――――――――
斉木(……今のは予知か? 苗木がこの扉に縋りついて、泣きじゃくっている姿が見えた)
斉木(状況を推理するに……学級裁判は再び開廷してしまうのか……!?)
フランスの味付け
斉木(寄宿舎へ戻る道すがら、僕はあの赤い扉の前へ歩を進めた)
斉木(今は学級裁判の必要も無いので、扉は固く閉ざされている。願わくばこのまま永遠に開かないでほしい)
斉木(僕達にコロシアイをさせるため、黒幕もあの手この手を使ってくるだろうが……僕が居る限り、もう誰も氏なせはしない)
斉木(……汗が冷えてきたな。早く寄宿舎へ戻――)ヨロッ
――――――――――
苗木『っぐ……う……』グスッ
苗木『……間違ってるよ。こんなの絶対、絶対に間違ってる……!!』
――――――――――
斉木(……今のは予知か? 苗木がこの扉に縋りついて、泣きじゃくっている姿が見えた)
斉木(状況を推理するに……学級裁判は再び開廷してしまうのか……!?)
693: 2014/04/01(火) 00:45:54.19 ID:Bo9basXvo
【寄宿舎1階・苗木の個室前】
ピンポーン
苗木「あれ、斉木クン?」ガチャ
斉木(風呂道具を用意しろ、大浴場へ行くぞ)
苗木「ボクは別にいいけど……斉木クンから誘ってくれるなんて珍しいね?」
斉木(勘違いするな。風呂に入るだけなら1人で事足りる)
斉木(脱衣場と大浴場には監視カメラが無いからお前を誘ったんだ)
苗木「ってことは……」
苗木「………………」ゾッ
斉木(違う。コロシアイ阻止の作戦会議をするためだ)
ピンポーン
苗木「あれ、斉木クン?」ガチャ
斉木(風呂道具を用意しろ、大浴場へ行くぞ)
苗木「ボクは別にいいけど……斉木クンから誘ってくれるなんて珍しいね?」
斉木(勘違いするな。風呂に入るだけなら1人で事足りる)
斉木(脱衣場と大浴場には監視カメラが無いからお前を誘ったんだ)
苗木「ってことは……」
苗木「………………」ゾッ
斉木(違う。コロシアイ阻止の作戦会議をするためだ)
694: 2014/04/01(火) 00:49:05.44 ID:Bo9basXvo
【脱衣所】
斉木(ふむ……大浴場から伝ってくる湯気が温かい。毛穴の開く心地がするな)
苗木「石丸クンが報告してくれた通りの広いお風呂だ! 気持ち良さそう!」
苗木「それに……本当に監視カメラが付いてないね。ここならテレパシーを使わなくても話し合いができそうだよ」
斉木(このまま話しているのもなんだ、早く服を脱いで湯船に……)ピリッ
――――――――――
照橋『あれ? こんなところに男子の制服が……』
照橋(……ってこれ斉木くにおのじゃない!)オッフ
照橋(きっと斉木のことだから、暑くなって制服の上を脱いで椅子の背もたれに掛けたまま帰ってしまったのね……)
照橋(きっと普通の美少女は誰かの制服を見つけても放置して立ち去るでしょうけれど、私は綺麗に畳んで机の上に置いといてあげるわ!)
照橋(何故なら私は可愛いだけでなく、完璧な美少女だから……!!)
――――――――――
斉木(ふむ……大浴場から伝ってくる湯気が温かい。毛穴の開く心地がするな)
苗木「石丸クンが報告してくれた通りの広いお風呂だ! 気持ち良さそう!」
苗木「それに……本当に監視カメラが付いてないね。ここならテレパシーを使わなくても話し合いができそうだよ」
斉木(このまま話しているのもなんだ、早く服を脱いで湯船に……)ピリッ
――――――――――
照橋『あれ? こんなところに男子の制服が……』
照橋(……ってこれ斉木くにおのじゃない!)オッフ
照橋(きっと斉木のことだから、暑くなって制服の上を脱いで椅子の背もたれに掛けたまま帰ってしまったのね……)
照橋(きっと普通の美少女は誰かの制服を見つけても放置して立ち去るでしょうけれど、私は綺麗に畳んで机の上に置いといてあげるわ!)
照橋(何故なら私は可愛いだけでなく、完璧な美少女だから……!!)
――――――――――
695: 2014/04/01(火) 00:51:45.57 ID:Bo9basXvo
斉木(……たった今気付いた。大神さんと手合わせした時に、左手の透明手袋が破れてしまっていたようだ)
斉木(直ちに復元しておこう。風呂のお湯に対して“サイコメトリー”が発動してしまったら大惨事だ)キィン
苗木「サイコメトリー? それって、えーと……」
斉木(物体の残留思念を読み取る能力だ。ややマイナーな超能力だが、推理モノに時々出てくる)
苗木「じゃあ、その能力があれば事件の犯人を簡単に当てられるんだね!」
斉木(いや……そうでもないぞ。殺人事件の凶器に触れたとしても、事件に無関係な残留思念を多く読み取ってしまう)
斉木(その中には精神衛生上よろしくない残留思念も含まれている。レストランの食器なんかは地雷そのものだ)
苗木「あー……どんな人が使ったか分かんないもんね」
斉木(そんなわけで、僕はサイコメトリーの発動を防ぐため、極薄の透明手袋をはめている)
斉木(僕が捜査にサイコメトリーを使う時が来たら、ほぼお手上げの状態だと思ってくれ)
苗木「……なんだか、学級裁判で地道に議論を展開してた理由が分かった気がしたよ」
斉木(直ちに復元しておこう。風呂のお湯に対して“サイコメトリー”が発動してしまったら大惨事だ)キィン
苗木「サイコメトリー? それって、えーと……」
斉木(物体の残留思念を読み取る能力だ。ややマイナーな超能力だが、推理モノに時々出てくる)
苗木「じゃあ、その能力があれば事件の犯人を簡単に当てられるんだね!」
斉木(いや……そうでもないぞ。殺人事件の凶器に触れたとしても、事件に無関係な残留思念を多く読み取ってしまう)
斉木(その中には精神衛生上よろしくない残留思念も含まれている。レストランの食器なんかは地雷そのものだ)
苗木「あー……どんな人が使ったか分かんないもんね」
斉木(そんなわけで、僕はサイコメトリーの発動を防ぐため、極薄の透明手袋をはめている)
斉木(僕が捜査にサイコメトリーを使う時が来たら、ほぼお手上げの状態だと思ってくれ)
苗木「……なんだか、学級裁判で地道に議論を展開してた理由が分かった気がしたよ」
698: 2014/04/01(火) 00:53:44.19 ID:Bo9basXvo
【大浴場】
苗木「あったかい……体がほぐれる気分だ……!」チャポン
斉木(悪くない湯加減だな。掃除も行き届いているし、嫌いではない)
斉木(ところで……苗木、ここに来た目的は覚えているか?)
苗木(えっ? 確か……)
苗木「……コロシアイ対策会議、だったよね?」
斉木(まあ良しとしよう。黒幕は僕達にコロシアイをさせようと、何らかの方法で煽動する方法を考えているようだ)
苗木「そんな……! 黒幕はボクと舞園さんの時と同じことを起こすつもりなのか!?」
斉木(起こさせないための会議だろう。このくだり何回やれば気が済むんだ?)
苗木「あったかい……体がほぐれる気分だ……!」チャポン
斉木(悪くない湯加減だな。掃除も行き届いているし、嫌いではない)
斉木(ところで……苗木、ここに来た目的は覚えているか?)
苗木(えっ? 確か……)
苗木「……コロシアイ対策会議、だったよね?」
斉木(まあ良しとしよう。黒幕は僕達にコロシアイをさせようと、何らかの方法で煽動する方法を考えているようだ)
苗木「そんな……! 黒幕はボクと舞園さんの時と同じことを起こすつもりなのか!?」
斉木(起こさせないための会議だろう。このくだり何回やれば気が済むんだ?)
699: 2014/04/01(火) 00:55:47.78 ID:Bo9basXvo
苗木「でも……斉木クンってどんな超能力が使えるの?」
苗木「テレパシーや復元は分かるけど……もっとこう、RPGの攻撃技みたいな超能力は無い?」
斉木(攻撃に用いることは少ないが、色々使えるぞ。例えば……“パイロキネシス”)ボッ
苗木「わっ! 火が出た!!」
斉木(僕のパイロキネシスは元を辿せば加熱能力だ。発火点まで行かずとも、気温や体温の微調整もできる)メラメラ
苗木「じゃあ……水を使った攻撃は?」
斉木(何も無い場所から水を出す超能力は原作未登場だが、サイコキネシスを応用すれば……)フォン
斉木(こんな感じで風呂のお湯を宙に浮かせることくらい造作もない)プカプカ
苗木「すごいや……! 無重力の映像みたい!」
斉木(更にサイコキネシスでお湯の形状を変え、瞬間冷凍して……)パキン
斉木(電撃を使って表面を削る)バリバリ
斉木(アイスグラスの完成だ)
苗木「テレパシーや復元は分かるけど……もっとこう、RPGの攻撃技みたいな超能力は無い?」
斉木(攻撃に用いることは少ないが、色々使えるぞ。例えば……“パイロキネシス”)ボッ
苗木「わっ! 火が出た!!」
斉木(僕のパイロキネシスは元を辿せば加熱能力だ。発火点まで行かずとも、気温や体温の微調整もできる)メラメラ
苗木「じゃあ……水を使った攻撃は?」
斉木(何も無い場所から水を出す超能力は原作未登場だが、サイコキネシスを応用すれば……)フォン
斉木(こんな感じで風呂のお湯を宙に浮かせることくらい造作もない)プカプカ
苗木「すごいや……! 無重力の映像みたい!」
斉木(更にサイコキネシスでお湯の形状を変え、瞬間冷凍して……)パキン
斉木(電撃を使って表面を削る)バリバリ
斉木(アイスグラスの完成だ)
700: 2014/04/01(火) 00:57:32.35 ID:Bo9basXvo
苗木「まるで手品みたいだったよ! そのアイスグラス、触ってみていい?」ペタペタ
斉木(勝手にしろ。どうせそのうち解ける)
苗木「これだけ自由自在に超能力を操れるなら、黒幕のところに行って直接攻撃しても……」
斉木(無理だ)
苗木「えっ」
斉木(その方法は僕も既に考えた。具体的に言うと、ここに閉じ込められた晩に徹夜しながら考えた)
斉木(だが、その時に黒幕の心の声を聞いてな……)
斉木(『万が一私様が人間達に殺されることがあったとしても、全員が共倒れになるように細工を施してある!』……とか考えていた)
苗木「黒幕の思考回路がそんなにダダ漏れなのに、手出しできないなんて……」
斉木(情けない話だが事実だ。今は僕達の身の安全を最優先すべきだろう)
斉木(勝手にしろ。どうせそのうち解ける)
苗木「これだけ自由自在に超能力を操れるなら、黒幕のところに行って直接攻撃しても……」
斉木(無理だ)
苗木「えっ」
斉木(その方法は僕も既に考えた。具体的に言うと、ここに閉じ込められた晩に徹夜しながら考えた)
斉木(だが、その時に黒幕の心の声を聞いてな……)
斉木(『万が一私様が人間達に殺されることがあったとしても、全員が共倒れになるように細工を施してある!』……とか考えていた)
苗木「黒幕の思考回路がそんなにダダ漏れなのに、手出しできないなんて……」
斉木(情けない話だが事実だ。今は僕達の身の安全を最優先すべきだろう)
701: 2014/04/01(火) 01:00:15.00 ID:Bo9basXvo
苗木「じゃあ、斉木クンの超能力で外から助けを呼ぶのは?」
斉木(それも無理だな。今の僕は学園の外に干渉する能力がほとんど使えない)
斉木(せいぜい外の様子を透視するか、アポートで外のものを引き寄せる程度だな)
苗木「アポート……遠くのものを引き寄せる超能力だっけ」
斉木(それだ。テレポートで等価交換という原則は存在するが、ここに足りないものを外部から調達することができる)
苗木「だったら学園の外にいる人を引き寄せてみようよ! 裁判場にボクをアポートした時みたいにさ!」
斉木(ふむ……その発想は無かった。一度試してみる価値はありそうだな)
斉木(では、学園の外に居る役立ちそうな人間を――)
斉木(――アポート!!)カッ
苗木「……何も起こらなかったね」
斉木(風呂場の道具じゃ等価交換は成立しなかったらしい)
斉木(それも無理だな。今の僕は学園の外に干渉する能力がほとんど使えない)
斉木(せいぜい外の様子を透視するか、アポートで外のものを引き寄せる程度だな)
苗木「アポート……遠くのものを引き寄せる超能力だっけ」
斉木(それだ。テレポートで等価交換という原則は存在するが、ここに足りないものを外部から調達することができる)
苗木「だったら学園の外にいる人を引き寄せてみようよ! 裁判場にボクをアポートした時みたいにさ!」
斉木(ふむ……その発想は無かった。一度試してみる価値はありそうだな)
斉木(では、学園の外に居る役立ちそうな人間を――)
斉木(――アポート!!)カッ
苗木「……何も起こらなかったね」
斉木(風呂場の道具じゃ等価交換は成立しなかったらしい)
702: 2014/04/01(火) 01:03:55.55 ID:Bo9basXvo
苗木「うーん……せめて斉木クンが外に出られたらいいのになぁ……」
斉木(さっきも言っただろう、超能力は使えないんだ。瞬間移動も試したが無理だった)
苗木「それは分かってるけどさ、まだ試してない超能力ってない? 壁を突き破るとか、すり抜けるとか」
斉木(壁を突き破ろうとしたことならいくらでもある。“火事場の馬鹿力”で思い切り殴ってみたが、壁には傷ひとつ付かなかった)
斉木(それに僕は壁をすり抜ける超能力など使えない。そこそこ良いアイディアだったが却下させてもらおう……)
斉木(……いや、前言撤回だ。あの能力を使えば壁をすり抜けられたな)
苗木「ほんと!? それってどんな能力なの?」
斉木(“幽体離脱”だ)
苗木「幽体離脱……?」
苗木(それ……超能力っていうか霊能力なんじゃ……)
斉木(超能力だ。読切時代からある由緒正しき超能力だ)
斉木(さっきも言っただろう、超能力は使えないんだ。瞬間移動も試したが無理だった)
苗木「それは分かってるけどさ、まだ試してない超能力ってない? 壁を突き破るとか、すり抜けるとか」
斉木(壁を突き破ろうとしたことならいくらでもある。“火事場の馬鹿力”で思い切り殴ってみたが、壁には傷ひとつ付かなかった)
斉木(それに僕は壁をすり抜ける超能力など使えない。そこそこ良いアイディアだったが却下させてもらおう……)
斉木(……いや、前言撤回だ。あの能力を使えば壁をすり抜けられたな)
苗木「ほんと!? それってどんな能力なの?」
斉木(“幽体離脱”だ)
苗木「幽体離脱……?」
苗木(それ……超能力っていうか霊能力なんじゃ……)
斉木(超能力だ。読切時代からある由緒正しき超能力だ)
703: 2014/04/01(火) 01:06:22.99 ID:Bo9basXvo
斉木(念のため改めて説明するが、幽体離脱は幽霊の状態になって行動できる超能力だ)
斉木(霊感の無い人間には認識されないが……壁をすり抜けたり、他の幽霊と接触できる)
苗木「これで外に助けを呼べるね! 斉木クン、霊感のある人にボク達が閉じ込められてることを伝えてきてよ!」
斉木(部屋に戻ってから試してみる。ここでは抜け殻になった身体に何をされるか分からないからな)
斉木(……そういえば、苗木。ひとつ確認させてくれ)
苗木「確認……? どんなこと?」
斉木(お前……ここに来てから赤い扉の前で泣いた覚えがあるか?)
苗木「? ううん、赤い扉の前どころか、泣いたことすら全然無いよ」
斉木(……だとすると、さっき見た光景は予知によるものか、“空白の2年間”のサイコメトリーか……)
苗木「それが一体どうしたの?」
斉木(……いや、何でもない。そろそろ上がろう、作戦会議とはいえ長湯しすぎた)
斉木(霊感の無い人間には認識されないが……壁をすり抜けたり、他の幽霊と接触できる)
苗木「これで外に助けを呼べるね! 斉木クン、霊感のある人にボク達が閉じ込められてることを伝えてきてよ!」
斉木(部屋に戻ってから試してみる。ここでは抜け殻になった身体に何をされるか分からないからな)
斉木(……そういえば、苗木。ひとつ確認させてくれ)
苗木「確認……? どんなこと?」
斉木(お前……ここに来てから赤い扉の前で泣いた覚えがあるか?)
苗木「? ううん、赤い扉の前どころか、泣いたことすら全然無いよ」
斉木(……だとすると、さっき見た光景は予知によるものか、“空白の2年間”のサイコメトリーか……)
苗木「それが一体どうしたの?」
斉木(……いや、何でもない。そろそろ上がろう、作戦会議とはいえ長湯しすぎた)
704: 2014/04/01(火) 01:09:01.66 ID:Bo9basXvo
【脱衣所】
苗木「ふう、気持ち良かった! また近いうちに入りに来たいな。今度はみんなも誘っ……」
不二咲「」ビクッ
苗木「て……」カラン
斉木(風呂道具が落ちたぞ)
不二咲「……ぁ……ぅ……」
苗木「ごっ、ごめんね不二咲さん! すぐに服着るから!」アセアセ
不二咲「あっ……あのね、急がなくても……」
苗木「で、でも……不二咲さんにボクの裸なんか見せちゃって……」
斉木(不二咲さんは男子だ、同性の裸を見るくらい何ともないはずだぞ)
苗木(そうだ! 不二咲さんは女の子に見えるけど本当は男なんだった!」
不二咲「…………なんで、知ってるの……!?」グズッ
斉木(声に出てる)
苗木「あっ」
苗木「ふう、気持ち良かった! また近いうちに入りに来たいな。今度はみんなも誘っ……」
不二咲「」ビクッ
苗木「て……」カラン
斉木(風呂道具が落ちたぞ)
不二咲「……ぁ……ぅ……」
苗木「ごっ、ごめんね不二咲さん! すぐに服着るから!」アセアセ
不二咲「あっ……あのね、急がなくても……」
苗木「で、でも……不二咲さんにボクの裸なんか見せちゃって……」
斉木(不二咲さんは男子だ、同性の裸を見るくらい何ともないはずだぞ)
苗木(そうだ! 不二咲さんは女の子に見えるけど本当は男なんだった!」
不二咲「…………なんで、知ってるの……!?」グズッ
斉木(声に出てる)
苗木「あっ」
705: 2014/04/01(火) 01:11:55.08 ID:Bo9basXvo
斉木(苗木が平謝りを続けてしばらく経った頃、不二咲さんはぽつりと呟いた)
不二咲「……驚かないんだね」
苗木「えっ? うん……まあね」
苗木(斉木クンから先に教えてもらってたことは黙ってよう)
苗木(でも……なんで男の子なのに女の子の格好なんかしてるんだ……?)
斉木(お前はそんなことも分からないのか。不二咲さんの女装は――)
不二咲「僕が、弱いからなんだ」
斉木(おっと自供が始まってしまった)
不二咲「体も小さいし、気も弱いし……昔からよくいじめられてたんだ」
不二咲「いじめっ子はいつも、僕を女みたいだって言うから……思ったんだ」
不二咲「女の子のフリをしちゃえば、もう僕をいじめる人はいなくなるって」
不二咲「それで僕は女装をして……弱さの中に逃げ込んだんだ」
不二咲「……驚かないんだね」
苗木「えっ? うん……まあね」
苗木(斉木クンから先に教えてもらってたことは黙ってよう)
苗木(でも……なんで男の子なのに女の子の格好なんかしてるんだ……?)
斉木(お前はそんなことも分からないのか。不二咲さんの女装は――)
不二咲「僕が、弱いからなんだ」
斉木(おっと自供が始まってしまった)
不二咲「体も小さいし、気も弱いし……昔からよくいじめられてたんだ」
不二咲「いじめっ子はいつも、僕を女みたいだって言うから……思ったんだ」
不二咲「女の子のフリをしちゃえば、もう僕をいじめる人はいなくなるって」
不二咲「それで僕は女装をして……弱さの中に逃げ込んだんだ」
706: 2014/04/01(火) 01:13:51.80 ID:Bo9basXvo
苗木(弱さの中に逃げ込んだ……?)
苗木(不二咲さ……不二咲クンはどう見ても女の子にしか見えないけど、そのせいで本人はこんなに苦しんでたのか……)
不二咲「……男の癖にスカートなんか履いて、気持ち悪いよねぇ……」グスン
苗木「……気持ち悪くなんかない」
不二咲「……なん、で……?」
苗木「ただでさえ不二咲クンが悩んでいたことなのに、他人のボクがとやかく言う筋合いは無いよ」
苗木「それに……その、不二咲クンがボク達に自分のことを打ち明けてくれて、嬉しかった……っていうかさ」
不二咲「う……うえぇ……!!」ボロボロ
苗木「だ、だからもう泣かないで! 泣かないでってば!」
苗木(斉木クン! 不二咲クンの涙を超能力で止め)
斉木(無理だな)スタスタ
苗木(なんで逃げるのさ!!)
苗木(不二咲さ……不二咲クンはどう見ても女の子にしか見えないけど、そのせいで本人はこんなに苦しんでたのか……)
不二咲「……男の癖にスカートなんか履いて、気持ち悪いよねぇ……」グスン
苗木「……気持ち悪くなんかない」
不二咲「……なん、で……?」
苗木「ただでさえ不二咲クンが悩んでいたことなのに、他人のボクがとやかく言う筋合いは無いよ」
苗木「それに……その、不二咲クンがボク達に自分のことを打ち明けてくれて、嬉しかった……っていうかさ」
不二咲「う……うえぇ……!!」ボロボロ
苗木「だ、だからもう泣かないで! 泣かないでってば!」
苗木(斉木クン! 不二咲クンの涙を超能力で止め)
斉木(無理だな)スタスタ
苗木(なんで逃げるのさ!!)
707: 2014/04/01(火) 01:17:12.91 ID:Bo9basXvo
不二咲「ぐすっ……あのね。僕、強くなりたいんだ」
不二咲「今は無理でも……いつか胸を張って『僕は男です』って言えるようになりたいんだ」
不二咲「だからね、苗木くん。お願いがあるんだけど……友達になってくれるかな?」
不二咲「僕が強くなるための手伝いをしてくれるかなぁ……?」
苗木「勿論手伝うよ。それに……ボクも斉木クンも、もう友達でしょ?」
斉木(勝手に僕を含めるな)
不二咲「やったぁ! ありがとう、これからよろしくね!」ニコッ
斉木(……やれやれ。“もう友達だ”なんて決まり文句、手垢がつきすぎて聞き飽きてしまったぞ)
斉木(それを言う苗木も苗木だが……言われて喜ぶ方も大概だな)
斉木(全く、不二咲はどうしてこんなに心の底から喜んでいるんだ……常人の気持ちは理解し難いな)
不二咲「今は無理でも……いつか胸を張って『僕は男です』って言えるようになりたいんだ」
不二咲「だからね、苗木くん。お願いがあるんだけど……友達になってくれるかな?」
不二咲「僕が強くなるための手伝いをしてくれるかなぁ……?」
苗木「勿論手伝うよ。それに……ボクも斉木クンも、もう友達でしょ?」
斉木(勝手に僕を含めるな)
不二咲「やったぁ! ありがとう、これからよろしくね!」ニコッ
斉木(……やれやれ。“もう友達だ”なんて決まり文句、手垢がつきすぎて聞き飽きてしまったぞ)
斉木(それを言う苗木も苗木だが……言われて喜ぶ方も大概だな)
斉木(全く、不二咲はどうしてこんなに心の底から喜んでいるんだ……常人の気持ちは理解し難いな)
708: 2014/04/01(火) 01:20:21.61 ID:Bo9basXvo
苗木「そういえば不二咲クン、どうしてここに来たの? お風呂道具は持ってないみたいだけど……」
不二咲「あのね……図書室で見つけたノートパソコンの修理が終わったから、隠しに来たんだぁ!」
苗木「確かにここは監視カメラが無いけど……なんでパソコンを?」
不二咲「このパソコンには希望ヶ峰学園に関する機密データが入ってるみたいだから、モノクマに気付かれないように解析を進めたいんだ。それに……」
パソコン『コンニチハ、ゴ主人タマ!』パッ
苗木「パソコンが喋った!?」
不二咲「うん。作業を効率化してくれるAI……人口知能をプログラミングしたんだぁ!」
斉木(かがくのちからってすげー)
不二咲「表情や会話パターンもこれから増やしていきたいから、プログラム開発にも協力してねぇ!」
苗木「う……うん、協力するね」
斉木(それは僕達が協力できる事柄なのか?)
不二咲「あのね……図書室で見つけたノートパソコンの修理が終わったから、隠しに来たんだぁ!」
苗木「確かにここは監視カメラが無いけど……なんでパソコンを?」
不二咲「このパソコンには希望ヶ峰学園に関する機密データが入ってるみたいだから、モノクマに気付かれないように解析を進めたいんだ。それに……」
パソコン『コンニチハ、ゴ主人タマ!』パッ
苗木「パソコンが喋った!?」
不二咲「うん。作業を効率化してくれるAI……人口知能をプログラミングしたんだぁ!」
斉木(かがくのちからってすげー)
不二咲「表情や会話パターンもこれから増やしていきたいから、プログラム開発にも協力してねぇ!」
苗木「う……うん、協力するね」
斉木(それは僕達が協力できる事柄なのか?)
709: 2014/04/01(火) 01:24:37.25 ID:Bo9basXvo
【斉木の個室】
斉木(夜時間を迎えたので、2人とは別れて部屋に戻ってきた)
斉木(さて……苗木のアイディアに従って、幽体離脱を試してみよう)フワッ
斉木(……これで幽体離脱完了だ。SSの文面ではわかりづらいが、今の僕は霊となって宙に浮いている)
斉木(実体が無いから壁をすり抜けることもできる。音も立てずに廊下に出ることだって簡単だ)スッ
斉木(おっと、本来の目的を忘れかけていたな。僕が幽体離脱したのは、希望ヶ峰学園のことを外の人間に伝えるためだ)
斉木(まずは外に出て幽霊と接触するか。誰かの協力を仰ぐのは不本意だが、この状態で出来ることは限られている)
斉木(せめて寺生まれの霊能力者にでも現状が伝わ)ゴツンッ
斉木(…………壁にぶつかった、だと……?)ヒリヒリ
幽霊「やあ! 君って超能力だけじゃなく霊能力も使えたんだね!」
斉木(誰だお前)
幽霊「ここに閉じ込められた幽霊だよ! どうやらこの学園の外壁には特殊な呪術が施されてるみたいでね、幽霊も外には出られないんだ!」
斉木(………………)フワッ
幽霊「でも超能力者ならこの壁を突破できると思ったんだけど……ってあれ? どこ行ったんだい!?」
斉木(……今日はもう寝るか。苗木には明日“変な幽霊が居た”とだけ報告しよう)
斉木(夜時間を迎えたので、2人とは別れて部屋に戻ってきた)
斉木(さて……苗木のアイディアに従って、幽体離脱を試してみよう)フワッ
斉木(……これで幽体離脱完了だ。SSの文面ではわかりづらいが、今の僕は霊となって宙に浮いている)
斉木(実体が無いから壁をすり抜けることもできる。音も立てずに廊下に出ることだって簡単だ)スッ
斉木(おっと、本来の目的を忘れかけていたな。僕が幽体離脱したのは、希望ヶ峰学園のことを外の人間に伝えるためだ)
斉木(まずは外に出て幽霊と接触するか。誰かの協力を仰ぐのは不本意だが、この状態で出来ることは限られている)
斉木(せめて寺生まれの霊能力者にでも現状が伝わ)ゴツンッ
斉木(…………壁にぶつかった、だと……?)ヒリヒリ
幽霊「やあ! 君って超能力だけじゃなく霊能力も使えたんだね!」
斉木(誰だお前)
幽霊「ここに閉じ込められた幽霊だよ! どうやらこの学園の外壁には特殊な呪術が施されてるみたいでね、幽霊も外には出られないんだ!」
斉木(………………)フワッ
幽霊「でも超能力者ならこの壁を突破できると思ったんだけど……ってあれ? どこ行ったんだい!?」
斉木(……今日はもう寝るか。苗木には明日“変な幽霊が居た”とだけ報告しよう)
740: 2014/04/26(土) 22:02:08.70 ID:f8A+NwDBo
【前回のあらすじ】
ゾッ
斉木(時刻は朝8時20分。遅刻常習犯も含め、食堂にはいつもの顔ぶれが揃ってきた)
斉木(こうして辺りを眺めていると、生徒間で少しずつ人間関係が築かれていることが伺える)
斉木(例えば……)
大神「今日のトレーニングは何時から行うか……」
朝日奈「朝食会が終わって少し休憩してから……9時半でいいんじゃない? あっ、それ運ぶよ!」
斉木(体育会系女子の朝日奈さんと大神さんは、この生活が始まってすぐに打ち解けたらしい)
斉木(2人とも早起きなのもあって、朝食はいつも彼女達が準備してくれている)
斉木(それから……山田とルーデンベルクさん)
山田「ほ、本日のモーニングミルクティーでございます」
セレス「では一口……」コクッ
斉木(執事とお嬢様のような謎の主従関係が築かれている)
セレス「――ロイヤル以外のミルクティーなんざちっとも美味くねぇんだよ!! とっとと淹れ直せビチグソがぁぁぁぁぁ!!」パリーン
山田「ぶひぃぃぃぃぃぃ!?」
斉木(いや……下僕と女王の方が正しいかもしれない)
ゾッ
斉木(時刻は朝8時20分。遅刻常習犯も含め、食堂にはいつもの顔ぶれが揃ってきた)
斉木(こうして辺りを眺めていると、生徒間で少しずつ人間関係が築かれていることが伺える)
斉木(例えば……)
大神「今日のトレーニングは何時から行うか……」
朝日奈「朝食会が終わって少し休憩してから……9時半でいいんじゃない? あっ、それ運ぶよ!」
斉木(体育会系女子の朝日奈さんと大神さんは、この生活が始まってすぐに打ち解けたらしい)
斉木(2人とも早起きなのもあって、朝食はいつも彼女達が準備してくれている)
斉木(それから……山田とルーデンベルクさん)
山田「ほ、本日のモーニングミルクティーでございます」
セレス「では一口……」コクッ
斉木(執事とお嬢様のような謎の主従関係が築かれている)
セレス「――ロイヤル以外のミルクティーなんざちっとも美味くねぇんだよ!! とっとと淹れ直せビチグソがぁぁぁぁぁ!!」パリーン
山田「ぶひぃぃぃぃぃぃ!?」
斉木(いや……下僕と女王の方が正しいかもしれない)
741: 2014/04/26(土) 22:04:55.96 ID:f8A+NwDBo
斉木(後は……似た者同士なのか、桑田と葉隠がよくつるんでいるな)
斉木(石丸と大和田は立場上すぐにいがみ合うものの、そこまで仲が悪いわけではないと思う)
斉木(……そして、この僕にも行動を共にする人物がいる)
苗木「おはよう斉木クン! 今日はいつもより早く来てたんだね」
斉木(友達かと言われると首を傾げてしまうが……コロシアイ阻止の協力関係にある相手を無下に扱うわけにもいかない)
苗木(そういえば昨日の幽体離脱作戦はどうだった?)
斉木(変な幽霊が居た。もう一度言おう、変な幽霊が居た)
苗木(……失敗だったんだね)
江ノ島「チョリッス苗木! 昨日はよく眠れたー?」
斉木(お前は本当に氏語が好きだな)
苗木「お、おはよう江ノ島さん……今日はいつもより早起きなんだね」
江ノ島「まぁね! 昨日は久々に大好物が食べれたし! ところでさー、今朝はまだ舞園って来てない感じ?」
苗木「うん。見張り当番の人が一緒じゃないと部屋を出られないから……」
苗木(……見張り当番?)
斉木(石丸と大和田は立場上すぐにいがみ合うものの、そこまで仲が悪いわけではないと思う)
斉木(……そして、この僕にも行動を共にする人物がいる)
苗木「おはよう斉木クン! 今日はいつもより早く来てたんだね」
斉木(友達かと言われると首を傾げてしまうが……コロシアイ阻止の協力関係にある相手を無下に扱うわけにもいかない)
苗木(そういえば昨日の幽体離脱作戦はどうだった?)
斉木(変な幽霊が居た。もう一度言おう、変な幽霊が居た)
苗木(……失敗だったんだね)
江ノ島「チョリッス苗木! 昨日はよく眠れたー?」
斉木(お前は本当に氏語が好きだな)
苗木「お、おはよう江ノ島さん……今日はいつもより早起きなんだね」
江ノ島「まぁね! 昨日は久々に大好物が食べれたし! ところでさー、今朝はまだ舞園って来てない感じ?」
苗木「うん。見張り当番の人が一緒じゃないと部屋を出られないから……」
苗木(……見張り当番?)
742: 2014/04/26(土) 22:09:26.94 ID:f8A+NwDBo
苗木「斉木クン、今朝の見張り当番って誰だっけ?」
斉木(十神と不二咲だ。あの2人もまだ食堂に来ていない)
苗木「十神クンと、不二咲……さん……」
江ノ島「それってありえなくね? 不二咲は毎朝早起きっしょ、なんでまだ来てないワケ?」
斉木(あの2人は既に起きているが、別の場所でひと悶着あったみたいだ)
苗木(それって……コロシアイに発展しそうなこと?)
斉木(心配するな、些細なことだ。今は大人しく座っていよう……)
朝日奈「さくらちゃーん! 冷蔵庫のコーヒーゼリーってどうするのー?」
大神「食後に全員分持ってこよう……食べる直前まで冷やしておいた方が美味であろうからな」
朝日奈「わかった! じゃあしばらくお預けだね!」
斉木(十神と不二咲はまだ来ないのか)ガタッ
斉木(十神と不二咲だ。あの2人もまだ食堂に来ていない)
苗木「十神クンと、不二咲……さん……」
江ノ島「それってありえなくね? 不二咲は毎朝早起きっしょ、なんでまだ来てないワケ?」
斉木(あの2人は既に起きているが、別の場所でひと悶着あったみたいだ)
苗木(それって……コロシアイに発展しそうなこと?)
斉木(心配するな、些細なことだ。今は大人しく座っていよう……)
朝日奈「さくらちゃーん! 冷蔵庫のコーヒーゼリーってどうするのー?」
大神「食後に全員分持ってこよう……食べる直前まで冷やしておいた方が美味であろうからな」
朝日奈「わかった! じゃあしばらくお預けだね!」
斉木(十神と不二咲はまだ来ないのか)ガタッ
743: 2014/04/26(土) 22:11:36.85 ID:f8A+NwDBo
十神「…………」スタスタ
石丸「おはよう十神くん、遅かったではないか! 約束の時間を守りたまえ!」
十神「俺がいつお前らと約束をした」
石丸「なっ……!?」
十神「俺はコーヒーを淹れに来ただけだ。朝食会などという無益な集いに参加する気は無い」
霧切「……随分と協調性に欠けたことを言うのね」
十神「いずれ頃す相手と馴れ合うことに何の意味がある?」コポコポ
桑田「キョーチョーセーとかどーでもいいんだけどさー、オメー今朝の舞園ちゃん当番っしょ? それはどーすんだよ?」
十神「知ったことか。俺としては、あの女が誰かを頃して事態が進展した方が都合が良い」
桑田「コイツ……舞園ちゃんをあの女呼ばわりしやがった! ゼッテー許さねぇ!!」
斉木(十神が来た途端、一気に場の空気が悪くなった。心の声も十神への敵意が剥き出しだ……)
腐川(白夜様……大胆不敵なその態度、なんて素敵なの……!)トロン
斉木(約1名を除いて)
石丸「おはよう十神くん、遅かったではないか! 約束の時間を守りたまえ!」
十神「俺がいつお前らと約束をした」
石丸「なっ……!?」
十神「俺はコーヒーを淹れに来ただけだ。朝食会などという無益な集いに参加する気は無い」
霧切「……随分と協調性に欠けたことを言うのね」
十神「いずれ頃す相手と馴れ合うことに何の意味がある?」コポコポ
桑田「キョーチョーセーとかどーでもいいんだけどさー、オメー今朝の舞園ちゃん当番っしょ? それはどーすんだよ?」
十神「知ったことか。俺としては、あの女が誰かを頃して事態が進展した方が都合が良い」
桑田「コイツ……舞園ちゃんをあの女呼ばわりしやがった! ゼッテー許さねぇ!!」
斉木(十神が来た途端、一気に場の空気が悪くなった。心の声も十神への敵意が剥き出しだ……)
腐川(白夜様……大胆不敵なその態度、なんて素敵なの……!)トロン
斉木(約1名を除いて)
744: 2014/04/26(土) 22:13:46.25 ID:f8A+NwDBo
大和田「オイ、朝っぱらから何の騒ぎだよ……」
石丸「おはよう大和田くん、君も遅刻だな! もっと早起きしたまえ!」
十神「……フン、誰かと思えばプランクトンか。お前のような人種が居るから、俺は朝食会に参加する気が失せるんだ」
斉木(大和田が居なくてもどうせ不参加だっただろ)
大和田「丁度いい、十神。さっきそこで不二咲と会ったんだが……あの女を泣かせたの、オメェだろ」
十神「察しが良いな。不二咲千尋はこの期に及んで人を頃したくないとほざいたから、現実を突きつけてやった」
十神「『お前のような弱虫こそ、真っ先に殺されるべき人間だ』……とな」
朝日奈「ちょっと十神! そんな言い方……」
大和田「テメェこそブッ殺されるべきクズ野郎だろうが!!」ガッ
朝日奈「やめなよ大和田もっ!」
石丸「おはよう大和田くん、君も遅刻だな! もっと早起きしたまえ!」
十神「……フン、誰かと思えばプランクトンか。お前のような人種が居るから、俺は朝食会に参加する気が失せるんだ」
斉木(大和田が居なくてもどうせ不参加だっただろ)
大和田「丁度いい、十神。さっきそこで不二咲と会ったんだが……あの女を泣かせたの、オメェだろ」
十神「察しが良いな。不二咲千尋はこの期に及んで人を頃したくないとほざいたから、現実を突きつけてやった」
十神「『お前のような弱虫こそ、真っ先に殺されるべき人間だ』……とな」
朝日奈「ちょっと十神! そんな言い方……」
大和田「テメェこそブッ殺されるべきクズ野郎だろうが!!」ガッ
朝日奈「やめなよ大和田もっ!」
745: 2014/04/26(土) 22:16:13.40 ID:f8A+NwDBo
十神「すぐ暴力に訴える単細胞がどの口で俺をクズと言うんだ?」
大和田「女を泣かせる野郎なんざ総じてクズだクソがァ!!」
苗木(不二咲クンって本当は男なんだけどなぁ……)
大和田「それとも何だ? 御曹司ってのは弱い者いじめが趣味なのかよ?」ビキビキ
斉木(お前不二咲の地雷をことごとく踏み抜いてるぞ)
斉木(だが……僕も十神の言動を快くは思わない。ミステリーでは集団から外れて行動するのは典型的氏亡フラグじゃなかったのか……?)
十神「何とでもほざいていろ。馴れ合いの空気でコーヒーがぬるくなる前に、俺はこの場を立ち去るとしよう」スタスタ
大和田「オイ待てコラ! 不二咲に詫びのひとつもねぇのかよ!」
斉木(自分から謝るつもりは毛頭ないようだな。後でサイコキネシスでも使って十神のコーヒータンブラーを破壊してやろう)
大和田「女を泣かせる野郎なんざ総じてクズだクソがァ!!」
苗木(不二咲クンって本当は男なんだけどなぁ……)
大和田「それとも何だ? 御曹司ってのは弱い者いじめが趣味なのかよ?」ビキビキ
斉木(お前不二咲の地雷をことごとく踏み抜いてるぞ)
斉木(だが……僕も十神の言動を快くは思わない。ミステリーでは集団から外れて行動するのは典型的氏亡フラグじゃなかったのか……?)
十神「何とでもほざいていろ。馴れ合いの空気でコーヒーがぬるくなる前に、俺はこの場を立ち去るとしよう」スタスタ
大和田「オイ待てコラ! 不二咲に詫びのひとつもねぇのかよ!」
斉木(自分から謝るつもりは毛頭ないようだな。後でサイコキネシスでも使って十神のコーヒータンブラーを破壊してやろう)
746: 2014/04/26(土) 22:19:13.62 ID:f8A+NwDBo
セレス「けれど……困りましたわね」
セレス「十神くんが舞園さんの見張りを放棄してしまっては、いつまでも彼女を迎えに行けませんわ」
桑田「んなモン別に不二咲1人で行きゃいいだろ?」
霧切「いいえ、それだと2人のうちどちらかが殺された時にアリバイを立証できないの」
霧切「ただでさえ舞園さんが真っ先に疑われる状況なのに……捜査が難航してしまうわ」
苗木(そうか。学級裁判の結果はそれぞれの投票によるから、先入観を払拭するだけでも一苦労だろうな……)
大和田「……なぁ霧切、十神の代わりにオレが不二咲と組んでもいいか?」
霧切「別に構わないけれど、どうしてあなたが面倒を引き受けようと?」
大和田「別に……女を泣かせたままにしたくねぇだけだ」
大和田「朝食会は先に始めててくれ。オレは不二咲と一緒に舞園を連れてくる」
斉木(……大和田は不二咲を気遣っているようにも見えるが、実際はもっと複雑な感情によって行動しているようだ)
斉木(まぁ、あいつもプランクトンほど単純な人間じゃなかったということか)
江ノ島「ねーねー! ご飯冷めちゃうよー?」
斉木(お前はもう少し複雑な人間になれ)
セレス「十神くんが舞園さんの見張りを放棄してしまっては、いつまでも彼女を迎えに行けませんわ」
桑田「んなモン別に不二咲1人で行きゃいいだろ?」
霧切「いいえ、それだと2人のうちどちらかが殺された時にアリバイを立証できないの」
霧切「ただでさえ舞園さんが真っ先に疑われる状況なのに……捜査が難航してしまうわ」
苗木(そうか。学級裁判の結果はそれぞれの投票によるから、先入観を払拭するだけでも一苦労だろうな……)
大和田「……なぁ霧切、十神の代わりにオレが不二咲と組んでもいいか?」
霧切「別に構わないけれど、どうしてあなたが面倒を引き受けようと?」
大和田「別に……女を泣かせたままにしたくねぇだけだ」
大和田「朝食会は先に始めててくれ。オレは不二咲と一緒に舞園を連れてくる」
斉木(……大和田は不二咲を気遣っているようにも見えるが、実際はもっと複雑な感情によって行動しているようだ)
斉木(まぁ、あいつもプランクトンほど単純な人間じゃなかったということか)
江ノ島「ねーねー! ご飯冷めちゃうよー?」
斉木(お前はもう少し複雑な人間になれ)
748: 2014/04/26(土) 22:22:15.92 ID:f8A+NwDBo
【数時間後・食堂】
斉木(………………)モニュモニュ
斉木(……十神が朝食会を欠席したお陰でコーヒーゼリーが1個余った)モニュモニュ
斉木(給食のプリンよろしく、じゃんけんによる争奪戦が勃発したが……参加者は僕が一瞬で捩じ伏せた)モニュモニュ
斉木(そして今、僕は昼食のデザートとしてコーヒーゼリーを食べている)モニュモニュ
斉木(やはり大神さんは料理が上手だな。芳醇で贅沢な味わい……これっぽっちも嫌いじゃない)モニュモニュモニュモニュ
不二咲「あっ、斉木くんだぁ!」
大和田「オレらはこれから昼飯なんだ。隣座るぜ」ガタン
斉木(不二咲と大和田か。見張り当番は終わったようだな)キリッ
不二咲「うん! 舞園さんと3人で購買部に行ってきたんだぁ」
大和田「モノモノマシーンをブッ叩いてやったらラッキー5連チャンになったんだが……」
大和田「5つとも同じやつが出たんだよ!! 子猫のヘアピンなんざ5つもいるかってんだクソがぁ!!」
斉木(因果応報という言葉を知ってるか?)
斉木(………………)モニュモニュ
斉木(……十神が朝食会を欠席したお陰でコーヒーゼリーが1個余った)モニュモニュ
斉木(給食のプリンよろしく、じゃんけんによる争奪戦が勃発したが……参加者は僕が一瞬で捩じ伏せた)モニュモニュ
斉木(そして今、僕は昼食のデザートとしてコーヒーゼリーを食べている)モニュモニュ
斉木(やはり大神さんは料理が上手だな。芳醇で贅沢な味わい……これっぽっちも嫌いじゃない)モニュモニュモニュモニュ
不二咲「あっ、斉木くんだぁ!」
大和田「オレらはこれから昼飯なんだ。隣座るぜ」ガタン
斉木(不二咲と大和田か。見張り当番は終わったようだな)キリッ
不二咲「うん! 舞園さんと3人で購買部に行ってきたんだぁ」
大和田「モノモノマシーンをブッ叩いてやったらラッキー5連チャンになったんだが……」
大和田「5つとも同じやつが出たんだよ!! 子猫のヘアピンなんざ5つもいるかってんだクソがぁ!!」
斉木(因果応報という言葉を知ってるか?)
749: 2014/04/26(土) 22:25:14.08 ID:f8A+NwDBo
不二咲「それからね、大和田くんと“男の約束”をしたんだよ!」
斉木(男の約束……不二咲が食いつきそうな言葉だな)
大和田「不二咲はもう泣かない、オレは誰かに暴力を振るわない。オレと不二咲が誓った“男の約束”だ」
斉木(お前さっきモノモノマシーンに暴力振るったって言ってなかった?)
不二咲「男の約束は氏んでも守るものだから、破ったら絶交なんだって……」
斉木(絶交という言葉を小学校以来久々に聞いたぞ)
不二咲「でもね、大和田くんと絶交するのは嫌だから、泣きたくなっても我慢するんだ!」
大和田「……ってわけだから、オレもウカツに十神を殴れねぇんだよなぁ」
不二咲「男の約束……破っちゃうの……?」ウルウル
大和田「冗談だよ冗談! だから泣くんじゃねーって!」アセアセ
不二咲「だよねぇ……よかったぁ!」
斉木(仮にこいつらが絶交したとしても翌日には仲直りしそうな気がする)
斉木(男の約束……不二咲が食いつきそうな言葉だな)
大和田「不二咲はもう泣かない、オレは誰かに暴力を振るわない。オレと不二咲が誓った“男の約束”だ」
斉木(お前さっきモノモノマシーンに暴力振るったって言ってなかった?)
不二咲「男の約束は氏んでも守るものだから、破ったら絶交なんだって……」
斉木(絶交という言葉を小学校以来久々に聞いたぞ)
不二咲「でもね、大和田くんと絶交するのは嫌だから、泣きたくなっても我慢するんだ!」
大和田「……ってわけだから、オレもウカツに十神を殴れねぇんだよなぁ」
不二咲「男の約束……破っちゃうの……?」ウルウル
大和田「冗談だよ冗談! だから泣くんじゃねーって!」アセアセ
不二咲「だよねぇ……よかったぁ!」
斉木(仮にこいつらが絶交したとしても翌日には仲直りしそうな気がする)
750: 2014/04/26(土) 22:27:24.34 ID:f8A+NwDBo
【斉木の個室】
斉木(コーヒーゼリーを食べ終えたので自分の部屋に戻ってきた)
斉木(今は特に用事も無いし、自由行動安価をやっておこう)
斉木(例によってルールは>>52参照だ。指名できない生徒は……霧切さん、桑田、山田、苗木、大神さんの5人だな)
斉木(……重複禁止のルールさえなければ、もう一度大神さんと共に行動してコーヒーゼリーを作ってもらうんだが……)ショボン
斉木(おっと、説明は途中だった)キリッ
斉木(舞園さんを見張っている最中の2人は指名不可の決まりだが……今は苗木と霧切さんの2人だから関係無いな)
斉木(それから舞園さんを指名した場合には、苗木と霧切さんを入れた4人で行動することになる)
斉木(これら諸々のことに注意して……今回は【安価下3】のところへ行こう)
斉木(コーヒーゼリーを食べ終えたので自分の部屋に戻ってきた)
斉木(今は特に用事も無いし、自由行動安価をやっておこう)
斉木(例によってルールは>>52参照だ。指名できない生徒は……霧切さん、桑田、山田、苗木、大神さんの5人だな)
斉木(……重複禁止のルールさえなければ、もう一度大神さんと共に行動してコーヒーゼリーを作ってもらうんだが……)ショボン
斉木(おっと、説明は途中だった)キリッ
斉木(舞園さんを見張っている最中の2人は指名不可の決まりだが……今は苗木と霧切さんの2人だから関係無いな)
斉木(それから舞園さんを指名した場合には、苗木と霧切さんを入れた4人で行動することになる)
斉木(これら諸々のことに注意して……今回は【安価下3】のところへ行こう)
754: 2014/04/26(土) 22:53:34.45 ID:f8A+NwDBo
斉木(よし、今回は十神のところへ……)
斉木(……十神? 十神だと?)
斉木(……まぁいい、まずは移動しよう)
【校舎2階・図書室前】
斉木(十神白夜。十神財閥の激しい後継者争いに勝利した“超高校級の御曹司”だな)
斉木(当然あいつは単なる運で後継者になれたわけじゃない。天性の才能と並々ならぬ努力の賜物だ)
斉木(しかし……あいつはあまりに他者を見下し軽蔑している。“超高校級”という点においては御曹司も暴走族も同列なんだがな)
斉木(…………僕は今とても迷っている)
斉木(自由行動安価といっても、各生徒ごとにある程度の行動の方針は事前に立ててあるのだ)
斉木(苗木なら“苗木流自由行動に密着”、山田なら“スペシャライザーの話を振ってみる”といった具合にな)
斉木(だが……十神だけはそれが無い。僕と十神が2人きりになったらどんな行動を取るべきか、全くもって思いつかないのだ)
斉木(……そんなわけで、今回は特別に安価に丸投げする)
斉木(現在の十神は優雅に読書中のようだ。僕はどうするべきか……>>756に委ねてみる)
斉木(……安価の結果がどうなったとしても、タンブラーは最後に破壊してやるつもりだ)
斉木(……十神? 十神だと?)
斉木(……まぁいい、まずは移動しよう)
【校舎2階・図書室前】
斉木(十神白夜。十神財閥の激しい後継者争いに勝利した“超高校級の御曹司”だな)
斉木(当然あいつは単なる運で後継者になれたわけじゃない。天性の才能と並々ならぬ努力の賜物だ)
斉木(しかし……あいつはあまりに他者を見下し軽蔑している。“超高校級”という点においては御曹司も暴走族も同列なんだがな)
斉木(…………僕は今とても迷っている)
斉木(自由行動安価といっても、各生徒ごとにある程度の行動の方針は事前に立ててあるのだ)
斉木(苗木なら“苗木流自由行動に密着”、山田なら“スペシャライザーの話を振ってみる”といった具合にな)
斉木(だが……十神だけはそれが無い。僕と十神が2人きりになったらどんな行動を取るべきか、全くもって思いつかないのだ)
斉木(……そんなわけで、今回は特別に安価に丸投げする)
斉木(現在の十神は優雅に読書中のようだ。僕はどうするべきか……>>756に委ねてみる)
斉木(……安価の結果がどうなったとしても、タンブラーは最後に破壊してやるつもりだ)
757: 2014/04/26(土) 23:21:36.42 ID:f8A+NwDBo
斉木(神降臨とは正にこのことか)
斉木(これは僕としても楽しみだ。早速図書室へ入って十神に悪戯してみよう)ガチャ
【図書室】
十神「……お前か」
十神「ジャンケンなどという児戯で希望ヶ峰に入った人間も活字を読むんだな」
斉木(うるさい。読書は僕の数少ない娯楽だ)
斉木(やはり十神には痛い思いをさせてやるべきだ。あいつは今、何を考えているんだ……?)
十神(……喉が渇いた。またコーヒーを淹れてくるか……)
斉木(……成程。その必要は無いぞ、超能力者はサイコキネシスで飲み物を引き寄せられる)フォン
十神(…………今度は誰だ、落ち着いて本も読めない……)
十神「って……水筒が勝手に入ってきただと!?」
水筒「^^」フワフワ
十神(これが斉木の仕業とは思えない……まさか俺がコーヒーを飲みたいと念じたからか!?)
水筒「^^」コトン
十神「いいだろう……飲んでやる」ゴクゴク
十神「!?」ブフォ
十神(なんだこれは……とてつもなく不味い……!!)ゲホゴホ
斉木(おいおい、御曹司とあろうお方が青汁と乾汁の区別もつかないのか?)
斉木(これは僕としても楽しみだ。早速図書室へ入って十神に悪戯してみよう)ガチャ
【図書室】
十神「……お前か」
十神「ジャンケンなどという児戯で希望ヶ峰に入った人間も活字を読むんだな」
斉木(うるさい。読書は僕の数少ない娯楽だ)
斉木(やはり十神には痛い思いをさせてやるべきだ。あいつは今、何を考えているんだ……?)
十神(……喉が渇いた。またコーヒーを淹れてくるか……)
斉木(……成程。その必要は無いぞ、超能力者はサイコキネシスで飲み物を引き寄せられる)フォン
十神(…………今度は誰だ、落ち着いて本も読めない……)
十神「って……水筒が勝手に入ってきただと!?」
水筒「^^」フワフワ
十神(これが斉木の仕業とは思えない……まさか俺がコーヒーを飲みたいと念じたからか!?)
水筒「^^」コトン
十神「いいだろう……飲んでやる」ゴクゴク
十神「!?」ブフォ
十神(なんだこれは……とてつもなく不味い……!!)ゲホゴホ
斉木(おいおい、御曹司とあろうお方が青汁と乾汁の区別もつかないのか?)
759: 2014/04/26(土) 23:36:19.51 ID:f8A+NwDBo
斉木(監視カメラのことは心配するな。僕は十神から離れたところで本棚を物色するフリをしている)
斉木(今使っている超能力は全て十神のせいにしているし、モノクマにバレる心配は無いだろう)
斉木(そんなことより……超高校級の御曹司も乾汁には勝てなかったようだ)
十神(口の中が焼けるように痛い! ……せめて……せめて普通の水を……!!)
ミネラルウォーター「」フワフワ
十神(今度はペットボトルが飛んできた!?)
十神(まさか……まさか俺は魔法や超能力の類が使えるようになったのか……!?)ゴクゴクゴクゴク
十神(ありえない……ありえないがしかし…………!!)ゴクゴクゴクゴク
十神「………………」プハッ
十神「…………本よ、元の棚に戻れ」ボソッ
斉木(超能力は声に出さなくても使えるぞ)フォン
十神「なっ……間違いなく元の棚に戻っていった……!!」
十神「やはり俺は魔法使いの才能に目覚めたということか……!!」パァァァァ
斉木(それ魔法じゃなくて超能力なんだけど)
十神「幼い頃に憧れていた>>761の魔法も使えるかもしれない……!!」
斉木(今使っている超能力は全て十神のせいにしているし、モノクマにバレる心配は無いだろう)
斉木(そんなことより……超高校級の御曹司も乾汁には勝てなかったようだ)
十神(口の中が焼けるように痛い! ……せめて……せめて普通の水を……!!)
ミネラルウォーター「」フワフワ
十神(今度はペットボトルが飛んできた!?)
十神(まさか……まさか俺は魔法や超能力の類が使えるようになったのか……!?)ゴクゴクゴクゴク
十神(ありえない……ありえないがしかし…………!!)ゴクゴクゴクゴク
十神「………………」プハッ
十神「…………本よ、元の棚に戻れ」ボソッ
斉木(超能力は声に出さなくても使えるぞ)フォン
十神「なっ……間違いなく元の棚に戻っていった……!!」
十神「やはり俺は魔法使いの才能に目覚めたということか……!!」パァァァァ
斉木(それ魔法じゃなくて超能力なんだけど)
十神「幼い頃に憧れていた>>761の魔法も使えるかもしれない……!!」
761: 2014/04/26(土) 23:37:46.01 ID:ect6K0nXo
浮翌遊
762: 2014/04/27(日) 00:00:29.61 ID:7p3nZg6no
十神「これなら……幼い頃に憧れていた浮遊の魔法も使えるかもしれない……!!」
十神「俺の体よ、宙に浮け!!」ビシッ
斉木(よほど嬉しいのか珍妙なポーズまで取り始めた)
十神「…………何も起こらないな」
十神「水筒やペットボトルを飛ばせるんだ、俺の体を浮遊させられないわけがない……」
十神「もしかして……空を飛ぶには箒が必要なのか!?」
十神「この図書室にも掃除用具箱は備わっている……」ガチャ
十神「学校用の回転箒に跨って……」
十神「箒よ! 空を飛べ!!」ビシッ
斉木(御曹司さん超ノリノリだな)フォン
十神「やった……遂に空を飛べた……!!」フワッ
十神「この力で俺は完全犯罪を成し遂げ、十神財閥を生まれ変わらせてやる……フハハハハハ!!」フワフワ
十神「ドアよ開け! 箒よ前に進め!」ヒュン
十神「このまま校内を箒でドライブしようじゃないか! まずはプールの天井を触りに――」
モノクマ「あのさぁ」
十神「」ピタッ
モノクマ「殺人事件に魔法とか使うなんてさー、どう考えてもアンフェアじゃない?」
モノクマ「そんなわけだから校内で魔法を使うの禁止ね! 破ったらオシオキだよ!!」
十神「せめて……せめて殺人以外の用途に使うのは……」
モノクマ「ダメったらダメ! 御曹司なんでしょ、それくらい我慢なさい!」
十神「…………………………」ウルッ
斉木(……可愛そうだからタンブラーは破壊しないであげよう)
【校則が追加されました】
『学園内で魔法を使ってはいけません。』
十神「俺の体よ、宙に浮け!!」ビシッ
斉木(よほど嬉しいのか珍妙なポーズまで取り始めた)
十神「…………何も起こらないな」
十神「水筒やペットボトルを飛ばせるんだ、俺の体を浮遊させられないわけがない……」
十神「もしかして……空を飛ぶには箒が必要なのか!?」
十神「この図書室にも掃除用具箱は備わっている……」ガチャ
十神「学校用の回転箒に跨って……」
十神「箒よ! 空を飛べ!!」ビシッ
斉木(御曹司さん超ノリノリだな)フォン
十神「やった……遂に空を飛べた……!!」フワッ
十神「この力で俺は完全犯罪を成し遂げ、十神財閥を生まれ変わらせてやる……フハハハハハ!!」フワフワ
十神「ドアよ開け! 箒よ前に進め!」ヒュン
十神「このまま校内を箒でドライブしようじゃないか! まずはプールの天井を触りに――」
モノクマ「あのさぁ」
十神「」ピタッ
モノクマ「殺人事件に魔法とか使うなんてさー、どう考えてもアンフェアじゃない?」
モノクマ「そんなわけだから校内で魔法を使うの禁止ね! 破ったらオシオキだよ!!」
十神「せめて……せめて殺人以外の用途に使うのは……」
モノクマ「ダメったらダメ! 御曹司なんでしょ、それくらい我慢なさい!」
十神「…………………………」ウルッ
斉木(……可愛そうだからタンブラーは破壊しないであげよう)
【校則が追加されました】
『学園内で魔法を使ってはいけません。』
763: 2014/04/27(日) 00:04:08.47 ID:7p3nZg6no
【寄宿舎1階】
斉木(寄宿舎へ戻ってくると、脱衣所の方から心の声が聞こえてきた)
斉木(それもただならぬ音量のテレ(ぬおおおおおおおおおお負けるものかああああああああああああ!!!!!!!!)で)
斉木(僕自身の心の声も掻き消され(暑さにやられるかよクソがあああああああああああああああああああああ!!!!!!!)ほどだ)
斉木(………………)イラッ
斉木(少し様子を見てこよう。そしてなるべく早めに黙らせてやろう)
【脱衣所】
セレス「あら斉木くん、ごきげんよう」
舞園「お風呂なら後にした方がいいですよ……今は取り込み中ですから」
不二咲「うぅ……2人が氏んじゃっても、泣いちゃダメだ……!」グスッ
石丸(正義は必ず勝つ! 正義は必ず勝つ!! 正義は必ず勝つんだああああああああああああああああああああ!!!)
大和田(オレは強ぇ! オレは強ぇ!! オレは強ぇんだああああああああああああああああああああ!!!)
斉木(問題の心の声は、大浴場の一番奥……サウナの中から聞こえてくる)
斉木(大和田と石丸がサウナで我慢比べをしているようだな。苗木の微かなぼやきは……立会人を任されでもしたのか?)
不二咲「うん……石丸くんが大和田くんを根性無しだって言って……」
舞園「怒った大和田くんが、どちらが根性のある男か白黒つけようって、サウナ対決を持ちかけたんです」
斉木(やっぱプランクトンはプランクトンか)
斉木(寄宿舎へ戻ってくると、脱衣所の方から心の声が聞こえてきた)
斉木(それもただならぬ音量のテレ(ぬおおおおおおおおおお負けるものかああああああああああああ!!!!!!!!)で)
斉木(僕自身の心の声も掻き消され(暑さにやられるかよクソがあああああああああああああああああああああ!!!!!!!)ほどだ)
斉木(………………)イラッ
斉木(少し様子を見てこよう。そしてなるべく早めに黙らせてやろう)
【脱衣所】
セレス「あら斉木くん、ごきげんよう」
舞園「お風呂なら後にした方がいいですよ……今は取り込み中ですから」
不二咲「うぅ……2人が氏んじゃっても、泣いちゃダメだ……!」グスッ
石丸(正義は必ず勝つ! 正義は必ず勝つ!! 正義は必ず勝つんだああああああああああああああああああああ!!!)
大和田(オレは強ぇ! オレは強ぇ!! オレは強ぇんだああああああああああああああああああああ!!!)
斉木(問題の心の声は、大浴場の一番奥……サウナの中から聞こえてくる)
斉木(大和田と石丸がサウナで我慢比べをしているようだな。苗木の微かなぼやきは……立会人を任されでもしたのか?)
不二咲「うん……石丸くんが大和田くんを根性無しだって言って……」
舞園「怒った大和田くんが、どちらが根性のある男か白黒つけようって、サウナ対決を持ちかけたんです」
斉木(やっぱプランクトンはプランクトンか)
765: 2014/04/27(日) 00:07:20.88 ID:7p3nZg6no
セレス「またしても問題発生ですわ。現在舞園さんの見張り役を務めているのは、わたくしと石丸くんなのです」
舞園「夜時間も近いのに、このままじゃ私は自分の部屋に帰れません……」
斉木(十神の時みたいに不二咲が代理役になれば済むんじゃないのか?)
セレス「霧切さんの許可を得ないまま勝手な行動をするなんて……胸が痛みますわ」
斉木(ちっとも痛んでないだろ)
斉木(やれやれ、やはりここに来たのは間違いだった。見なかったふりをして立ち去ろう――)クラッ
――――――――――
モノクマ『というわけで……今から24時間以内にクロが出なかったら、その紙に書いてあるオマエラの秘密を世間に公表しちゃいまーす!』
不二咲『そ、そんなぁ!?』
大和田『マジかよ……!!』
苗木『モノクマ……どうしてこんなことを……!』
モノクマ『だってオマエラ、ここ最近やけに仲良しこよしで事件とか起きそうにないんだもん!』
――――――――――
斉木(今のは……予知か。頭痛もしたしサイコメトリーではなさそうだ)
斉木(どうやらモノクマは新たな動機を造ることで僕たちを殺人に駆り立てるつもりらしい)
斉木(次なる事件を防ぐためにも、早急に対策を取らなければならない。今回は苗木の協力が無くても事足りそうだ)
斉木(だがその前に……)ズカズカ
舞園「夜時間も近いのに、このままじゃ私は自分の部屋に帰れません……」
斉木(十神の時みたいに不二咲が代理役になれば済むんじゃないのか?)
セレス「霧切さんの許可を得ないまま勝手な行動をするなんて……胸が痛みますわ」
斉木(ちっとも痛んでないだろ)
斉木(やれやれ、やはりここに来たのは間違いだった。見なかったふりをして立ち去ろう――)クラッ
――――――――――
モノクマ『というわけで……今から24時間以内にクロが出なかったら、その紙に書いてあるオマエラの秘密を世間に公表しちゃいまーす!』
不二咲『そ、そんなぁ!?』
大和田『マジかよ……!!』
苗木『モノクマ……どうしてこんなことを……!』
モノクマ『だってオマエラ、ここ最近やけに仲良しこよしで事件とか起きそうにないんだもん!』
――――――――――
斉木(今のは……予知か。頭痛もしたしサイコメトリーではなさそうだ)
斉木(どうやらモノクマは新たな動機を造ることで僕たちを殺人に駆り立てるつもりらしい)
斉木(次なる事件を防ぐためにも、早急に対策を取らなければならない。今回は苗木の協力が無くても事足りそうだ)
斉木(だがその前に……)ズカズカ
766: 2014/04/27(日) 00:10:18.47 ID:7p3nZg6no
【大浴場】
苗木「斉木クン! 聞いてよ、大和田クンと石丸クンが大変なんだ!」
斉木(話はルーデンベルクさんたちから聞いた)ズカズカ
苗木「ほんと? じゃあ斉木クンは2人を止めに来てくれたんだね!」
斉木(ああ、2秒で止めてやる。SSとして書かれていないだけで、今も心の声が喧しいからな……)スッ
斉木(“パイロキネシス”)ボッ
大和田「」バタッ
石丸「」バタッ
苗木「えっ」
斉木(一瞬だけサウナの室温を発火点ギリギリまで上昇させた)
苗木「それ下手したら2人の息の根まで止まっちゃうよね!?」
斉木(心配するな、命に別状は無い。後は適当に看病しといてくれ)スタスタ
苗木「一番面倒なことを任せないでよ!!」
斉木(――耳障りな心の声は消えた。これで安心して黒幕の根城へ乗り込める)
苗木「斉木クン! 聞いてよ、大和田クンと石丸クンが大変なんだ!」
斉木(話はルーデンベルクさんたちから聞いた)ズカズカ
苗木「ほんと? じゃあ斉木クンは2人を止めに来てくれたんだね!」
斉木(ああ、2秒で止めてやる。SSとして書かれていないだけで、今も心の声が喧しいからな……)スッ
斉木(“パイロキネシス”)ボッ
大和田「」バタッ
石丸「」バタッ
苗木「えっ」
斉木(一瞬だけサウナの室温を発火点ギリギリまで上昇させた)
苗木「それ下手したら2人の息の根まで止まっちゃうよね!?」
斉木(心配するな、命に別状は無い。後は適当に看病しといてくれ)スタスタ
苗木「一番面倒なことを任せないでよ!!」
斉木(――耳障りな心の声は消えた。これで安心して黒幕の根城へ乗り込める)
767: 2014/04/27(日) 00:13:28.07 ID:7p3nZg6no
【午前1時・倉庫】
斉木(夜時間も深くなってきた。ほとんどの人間は深い眠りに就いている)
斉木(これくらいの時刻になれば、僕が>>666を実行しても……)
斉木(……じゃなかった、黒幕のもとへ殴り込みに行っても他人にはバレないだろう)
斉木(黒幕と直に接触するにあたって、僕も細心の注意を払ってある)
斉木(まず、自室のベッドにはダミーとして適度に布類を突っ込んできた。これで僕は掛け布団の中に潜り込んでいたと言い訳できる)
斉木(次に、僕のイメージとは掛け離れた服をアポートして着替えておいた)
斉木(日中の十神の件もあるし、黒幕には魔法で侵入してきた魔法使いだと思われるだろう)
斉木(そしてこれが最大のポイントだ。服装が変わろうが外見を変えなければ僕の仕業だと丸分かりなので――)
斉木楠子(――女の子に“変身”しておいた)
斉木(夜時間も深くなってきた。ほとんどの人間は深い眠りに就いている)
斉木(これくらいの時刻になれば、僕が>>666を実行しても……)
斉木(……じゃなかった、黒幕のもとへ殴り込みに行っても他人にはバレないだろう)
斉木(黒幕と直に接触するにあたって、僕も細心の注意を払ってある)
斉木(まず、自室のベッドにはダミーとして適度に布類を突っ込んできた。これで僕は掛け布団の中に潜り込んでいたと言い訳できる)
斉木(次に、僕のイメージとは掛け離れた服をアポートして着替えておいた)
斉木(日中の十神の件もあるし、黒幕には魔法で侵入してきた魔法使いだと思われるだろう)
斉木(そしてこれが最大のポイントだ。服装が変わろうが外見を変えなければ僕の仕業だと丸分かりなので――)
斉木楠子(――女の子に“変身”しておいた)
768: 2014/04/27(日) 00:17:31.05 ID:7p3nZg6no
楠子(“変身”はその名の通り、自分の姿を変える超能力だ。現在の僕は生物学上正真正銘の女性になっている)
楠子(当然デメリットもある。姿が変わるまでに2時間も掛かるし、実在の誰かに変身することはできない)
楠子(おまけに超能力も普段よりパワーダウンしてしまうが……)シュンッ
【校舎4階】
楠子(それでも僕のスペックが常人よりかけ離れていることに変わりはない)タンッ
楠子(ふぅ……この姿だと気兼ねなく超能力を使えるな。いくら目立っても“斉木楠雄”が怪しまれることはない)
楠子(とはいえ油断は禁物だ。黒幕が居る情報処理室へ行き、動機提示を阻止しよう)
楠子(当然デメリットもある。姿が変わるまでに2時間も掛かるし、実在の誰かに変身することはできない)
楠子(おまけに超能力も普段よりパワーダウンしてしまうが……)シュンッ
【校舎4階】
楠子(それでも僕のスペックが常人よりかけ離れていることに変わりはない)タンッ
楠子(ふぅ……この姿だと気兼ねなく超能力を使えるな。いくら目立っても“斉木楠雄”が怪しまれることはない)
楠子(とはいえ油断は禁物だ。黒幕が居る情報処理室へ行き、動機提示を阻止しよう)
770: 2014/04/27(日) 00:20:50.94 ID:7p3nZg6no
【情報処理室】
黒幕「あーあ……食糧補充し終わった後ってホントに退屈だなー」
黒幕「十神くんはずっと図書室で本を読んでるしぃ、後のみんなはぐっすり夢の中だしぃ……」
黒幕「大和田くんと石丸くんが脱水で倒れたらしいけど、脱衣所にカメラは無いから監視できないしぃ……」
黒幕「つまんないつまんないつまんないー!!」ジタバタ
黒幕「舞園さんが苗木くんを刺しちゃった時は絶望で全身がゾクゾクしたのに……」
黒幕「あの素晴らしい絶望をもう一度味わえないかなぁ……」
黒幕「…………ん?」
黒幕「無人のはずの4階廊下に人影が見えるけれど……アタシの気のせいかな?」
黒幕「いや……気のせいではなさそうだね。ファンシーなドレスを着た少女が4階を探索している」
黒幕「この学園にいるのはアタシを含めて17人だけのはずだけど……あの娘は何処から迷い込んだのかな?」
黒幕「まあ侵入経路は気にしないでおこう。どう足掻いたってあの娘は――」
黒幕「アタシに殺される運命だからね」ポチッ
黒幕「あーあ……食糧補充し終わった後ってホントに退屈だなー」
黒幕「十神くんはずっと図書室で本を読んでるしぃ、後のみんなはぐっすり夢の中だしぃ……」
黒幕「大和田くんと石丸くんが脱水で倒れたらしいけど、脱衣所にカメラは無いから監視できないしぃ……」
黒幕「つまんないつまんないつまんないー!!」ジタバタ
黒幕「舞園さんが苗木くんを刺しちゃった時は絶望で全身がゾクゾクしたのに……」
黒幕「あの素晴らしい絶望をもう一度味わえないかなぁ……」
黒幕「…………ん?」
黒幕「無人のはずの4階廊下に人影が見えるけれど……アタシの気のせいかな?」
黒幕「いや……気のせいではなさそうだね。ファンシーなドレスを着た少女が4階を探索している」
黒幕「この学園にいるのはアタシを含めて17人だけのはずだけど……あの娘は何処から迷い込んだのかな?」
黒幕「まあ侵入経路は気にしないでおこう。どう足掻いたってあの娘は――」
黒幕「アタシに殺される運命だからね」ポチッ
771: 2014/04/27(日) 00:23:53.66 ID:7p3nZg6no
【校舎4階・廊下】
楠子(殺される運命? 僕がそう簡単に氏ぬわけないだろ)シュタッ
楠子(槍を降らせるなら本数を増やせ。でないと簡単に躱されてしまうぞ?)シュバババババ
黒幕(このアマぁ! ちょこまか逃げんじゃねーよ!)ポチッポチッ
楠子(やれやれ……ついでだから学園長室にも入って情報収集したかったが……)フォン
楠子(ここまで手厚く歓迎されたら、あのドアにすら近づけないじゃないか)バシュッ
楠子(黒幕のやつ、よっぽど僕に構ってほしいようだな……)タタタタタッ
楠子(……いいだろう)ピタッ
楠子(少々手荒になるが、覚悟しておけ……!)ガシャン
楠子(殺される運命? 僕がそう簡単に氏ぬわけないだろ)シュタッ
楠子(槍を降らせるなら本数を増やせ。でないと簡単に躱されてしまうぞ?)シュバババババ
黒幕(このアマぁ! ちょこまか逃げんじゃねーよ!)ポチッポチッ
楠子(やれやれ……ついでだから学園長室にも入って情報収集したかったが……)フォン
楠子(ここまで手厚く歓迎されたら、あのドアにすら近づけないじゃないか)バシュッ
楠子(黒幕のやつ、よっぽど僕に構ってほしいようだな……)タタタタタッ
楠子(……いいだろう)ピタッ
楠子(少々手荒になるが、覚悟しておけ……!)ガシャン
772: 2014/04/27(日) 00:27:38.80 ID:7p3nZg6no
黒幕「うそ!? 鍵掛けてたのに開いちゃったんだけど!!」
楠子(この程度のセキュリティなら設けるだけ無駄だ。1秒の時間稼ぎにもならないぞ)
黒幕(こいつ……直接脳内に……!?)
楠子(僕は外から来た魔法使いだ。お前の悪行を止めに来た)
黒幕「ちょっとタンマタンマ!! 魔法は校則違反だから使うの禁止だってば!!」
楠子(知ったことか。僕が要求することはただひとつ……)
楠子(このコロシアイ生活を終わらせ、希望ヶ峰学園の生徒たちを解放することだ)
楠子(逆らうならばお前の首を刎ねてやる。どうだ、降伏するか?)
黒幕「……ふっふっふっふ……」
黒幕「ふっふっふ……はーっはっはっはっは!!」
黒幕「面白い! 面白いぞ魔法少女!! この私様が呑むわけのない条件をわざと突きつけてきたわね!?」
楠子(とりあえず見事な二段笑いを実演してくれてありがとう)
楠子(この程度のセキュリティなら設けるだけ無駄だ。1秒の時間稼ぎにもならないぞ)
黒幕(こいつ……直接脳内に……!?)
楠子(僕は外から来た魔法使いだ。お前の悪行を止めに来た)
黒幕「ちょっとタンマタンマ!! 魔法は校則違反だから使うの禁止だってば!!」
楠子(知ったことか。僕が要求することはただひとつ……)
楠子(このコロシアイ生活を終わらせ、希望ヶ峰学園の生徒たちを解放することだ)
楠子(逆らうならばお前の首を刎ねてやる。どうだ、降伏するか?)
黒幕「……ふっふっふっふ……」
黒幕「ふっふっふ……はーっはっはっはっは!!」
黒幕「面白い! 面白いぞ魔法少女!! この私様が呑むわけのない条件をわざと突きつけてきたわね!?」
楠子(とりあえず見事な二段笑いを実演してくれてありがとう)
773: 2014/04/27(日) 00:30:40.61 ID:7p3nZg6no
黒幕「これは失礼。私のもとへ人が訪ねてくるのは貴方が初でして、つい取り乱してしまいました」
楠子(嘘つけ。内通者をカウントしろ)
黒幕「おっしゃる通りです。正式には“内通者を除いて貴方が初”ですね」
黒幕「しかしながら、貴方は生徒の中に内通者が存在することを把握済みの様子……」
黒幕「ならば貴方は、私を頃しても無益だとご存知なのでは?」
楠子(やれやれ……流石の分析力だな。このコロシアイ学園生活を企て実行しただけのことはある)
黒幕「分析力だけではありません。洞察力、思考力、判断力、身体能力や女子力など、私はありとあらゆる能力に秀でています」
黒幕「これらの力を結集すれば貴方が超能力を使えることもお見通しです」
楠子(要するに才能を持て余してるんだな)
黒幕「おっと、話が脱線しちまったなぁ! オメェがホントに要求することを言ってみな!」
楠子(……お前は生徒たちを煽動するために、各人の秘密を握って脅そうと考えていたな?)
黒幕「うっわスゲーなんで当てちまったんだよ(棒)!?」
楠子(僕の真の要求は……“その脅迫を実行しないこと”だ)
楠子(嘘つけ。内通者をカウントしろ)
黒幕「おっしゃる通りです。正式には“内通者を除いて貴方が初”ですね」
黒幕「しかしながら、貴方は生徒の中に内通者が存在することを把握済みの様子……」
黒幕「ならば貴方は、私を頃しても無益だとご存知なのでは?」
楠子(やれやれ……流石の分析力だな。このコロシアイ学園生活を企て実行しただけのことはある)
黒幕「分析力だけではありません。洞察力、思考力、判断力、身体能力や女子力など、私はありとあらゆる能力に秀でています」
黒幕「これらの力を結集すれば貴方が超能力を使えることもお見通しです」
楠子(要するに才能を持て余してるんだな)
黒幕「おっと、話が脱線しちまったなぁ! オメェがホントに要求することを言ってみな!」
楠子(……お前は生徒たちを煽動するために、各人の秘密を握って脅そうと考えていたな?)
黒幕「うっわスゲーなんで当てちまったんだよ(棒)!?」
楠子(僕の真の要求は……“その脅迫を実行しないこと”だ)
774: 2014/04/27(日) 00:34:56.98 ID:7p3nZg6no
黒幕「そんなことでいいんですか……? なんだか拍子抜けです……」
楠子(“内通者の人質を解放すること”も候補に入れていたんだが……ひとまずこちらを優先させる)
黒幕「いいですよ。分かりました」
楠子(え?)
黒幕「明日の夜時間直前に生徒を体育館に集め、各々の秘密を記した封書を渡して殺人を教唆する予定でしたが……」
黒幕「人質を解放するのは嫌ですし……あなたの要求を受け入れることにします」
楠子(それは……本当か? 何か裏があるんじゃないのか……?)
黒幕(裏があってもどうせあなたには隠し通せないのでしょう?)
楠子(分かってるじゃないか黒幕)
黒幕「僕っ娘魔法少女は……私にとって未知の存在です……」
楠子(正直僕にとっても未知の領域だ、こんなの二度としたくない)
黒幕「下手に抗って殺されるのもそれはそれで絶望的ですが……」
黒幕「ここは大人しくあなたの要求を呑むのが最善の手でしょう……」
楠子(……その言葉に嘘偽りは無いようだな)
楠子(少々不安は残るが、僕もお前に手出しはしないでおこう)
楠子(“内通者の人質を解放すること”も候補に入れていたんだが……ひとまずこちらを優先させる)
黒幕「いいですよ。分かりました」
楠子(え?)
黒幕「明日の夜時間直前に生徒を体育館に集め、各々の秘密を記した封書を渡して殺人を教唆する予定でしたが……」
黒幕「人質を解放するのは嫌ですし……あなたの要求を受け入れることにします」
楠子(それは……本当か? 何か裏があるんじゃないのか……?)
黒幕(裏があってもどうせあなたには隠し通せないのでしょう?)
楠子(分かってるじゃないか黒幕)
黒幕「僕っ娘魔法少女は……私にとって未知の存在です……」
楠子(正直僕にとっても未知の領域だ、こんなの二度としたくない)
黒幕「下手に抗って殺されるのもそれはそれで絶望的ですが……」
黒幕「ここは大人しくあなたの要求を呑むのが最善の手でしょう……」
楠子(……その言葉に嘘偽りは無いようだな)
楠子(少々不安は残るが、僕もお前に手出しはしないでおこう)
775: 2014/04/27(日) 00:38:47.64 ID:7p3nZg6no
黒幕「その代わり……私のくだらない質問に答えてください……」
楠子(……まあいい。僕の素性に関わること以外なら答えよう)
黒幕「うぷぷぷぷ! じゃあ僕っ娘魔法少女さんのお言葉に甘えて……」
黒幕「魔法少女の中には、絶望に打ちのめされると化物に変身しちゃう女の子もいるんでしょ?」
黒幕「だったらさ……キミは何かに絶望したことある?」
楠子(……………………)
楠子(絶望したところで、現状は何ひとつ変わらないだろう)
黒幕「……ふーん。絶望的に退屈な答えをありがとう」ニコッ
楠子(さて、僕はこの場を去るが……約束を破った場合は損得関係無しにお前の首を刎ねに来るからな)シュンッ
黒幕「うわー消えた! さっすが僕っ娘魔法少女!!」
黒幕「はぁ……いつかあの娘にも教えてあげたいなぁ」
黒幕「現状を何ひとつ変えられないからこそ味わえる、本物の“絶望”を……」ゾクゾクッ
楠子(……まあいい。僕の素性に関わること以外なら答えよう)
黒幕「うぷぷぷぷ! じゃあ僕っ娘魔法少女さんのお言葉に甘えて……」
黒幕「魔法少女の中には、絶望に打ちのめされると化物に変身しちゃう女の子もいるんでしょ?」
黒幕「だったらさ……キミは何かに絶望したことある?」
楠子(……………………)
楠子(絶望したところで、現状は何ひとつ変わらないだろう)
黒幕「……ふーん。絶望的に退屈な答えをありがとう」ニコッ
楠子(さて、僕はこの場を去るが……約束を破った場合は損得関係無しにお前の首を刎ねに来るからな)シュンッ
黒幕「うわー消えた! さっすが僕っ娘魔法少女!!」
黒幕「はぁ……いつかあの娘にも教えてあげたいなぁ」
黒幕「現状を何ひとつ変えられないからこそ味わえる、本物の“絶望”を……」ゾクゾクッ
776: 2014/04/27(日) 00:42:06.61 ID:7p3nZg6no
【寄宿舎1階・脱衣所】
楠子(やれやれ……予定よりも長くあの部屋に滞在してしまったな)タンッ
楠子(いつもの制服はあらかじめロッカーに入れてある。後は着替えを済ませて変身を解除するだけだ)
楠子(しかし……“超高校級の絶望”の心の声を至近距離で聞き続けたからか、体調があまり優れない)
楠子(去り際に黒幕の首の裏を“トン”と叩いて気絶させてやればよかったか……?)
楠子(……そんなことしても焼け石に水か。絶望テレパシーにはもっと根本的な対策をしないと……)ヌギヌギ
桑田「やっべ! 大和田の見舞いに来た時にキャットドッグプレス置いてきちまっ……た……」
桑田「……………………」カァァァァァ
楠子(それとあの部屋にあった壊れたテレビ……一体何だったんだ……)ヌギヌギ
楠子(……って、桑田? お前いつの間に……?)
桑田「…………あの」
桑田「ノーブラでトランクスってマジ刺激的っすね」
楠子(黙れ)トン
桑田「」ドサッ
楠子(やれやれ……予定よりも長くあの部屋に滞在してしまったな)タンッ
楠子(いつもの制服はあらかじめロッカーに入れてある。後は着替えを済ませて変身を解除するだけだ)
楠子(しかし……“超高校級の絶望”の心の声を至近距離で聞き続けたからか、体調があまり優れない)
楠子(去り際に黒幕の首の裏を“トン”と叩いて気絶させてやればよかったか……?)
楠子(……そんなことしても焼け石に水か。絶望テレパシーにはもっと根本的な対策をしないと……)ヌギヌギ
桑田「やっべ! 大和田の見舞いに来た時にキャットドッグプレス置いてきちまっ……た……」
桑田「……………………」カァァァァァ
楠子(それとあの部屋にあった壊れたテレビ……一体何だったんだ……)ヌギヌギ
楠子(……って、桑田? お前いつの間に……?)
桑田「…………あの」
桑田「ノーブラでトランクスってマジ刺激的っすね」
楠子(黙れ)トン
桑田「」ドサッ
783: 2014/04/27(日) 02:58:35.16 ID:7p3nZg6no
ごめんなさい……誤植を発見しました。
>>773で黒幕が「あなたが超能力を使えることもお見通しです」と言っていますが、
黒幕は楠子の能力を超能力ではなく魔法によるものだと思い込んでいます。
よってここの台詞は、
黒幕「これらの力を結集すれば貴方がクーデレ属性の魔法少女であることもお見通しです」
とかに脳内で差し替えておいてください。
多分これも十神のせいです。
>>773で黒幕が「あなたが超能力を使えることもお見通しです」と言っていますが、
黒幕は楠子の能力を超能力ではなく魔法によるものだと思い込んでいます。
よってここの台詞は、
黒幕「これらの力を結集すれば貴方がクーデレ属性の魔法少女であることもお見通しです」
とかに脳内で差し替えておいてください。
多分これも十神のせいです。
828: 2014/05/30(金) 12:58:36.79 ID:hb/CCOAmo
【前回のあらすじ】
僕っ娘魔法少女
――――――――――
モノクマ『だーいせーいかーい! 今回のクロは大和田紋土くんでしたー!!』
石丸『信じないぞ……僕は……信じない……』
大和田『……すまねぇ、石丸』
石丸『何故だ!?』ガシッ
石丸『何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?』
石丸『何故……そんなことをしたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
――――――――――
斉木(――っ!!)ガバッ
斉木(何だ……ただの予知夢か。テレパシーの数は減っていない、全員無事だ)
斉木(いや、今後無事では済まないからこその予知夢か。どうやら大和田が誰かを頃してクロになるようだが……)
斉木(いくらあいつが超高校級の暴走族といえども、簡単に人を頃すほどのプランクトンには思えない)
斉木(黒幕には昨日動機提示を中止するよう脅しておいたし、いざとなれば本気で黒幕を立体パズルのピースにしてやれる)
斉木(……念のため苗木にも伝えて、2人体制で大和田の様子を見ていよう)
僕っ娘魔法少女
――――――――――
モノクマ『だーいせーいかーい! 今回のクロは大和田紋土くんでしたー!!』
石丸『信じないぞ……僕は……信じない……』
大和田『……すまねぇ、石丸』
石丸『何故だ!?』ガシッ
石丸『何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?』
石丸『何故……そんなことをしたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
――――――――――
斉木(――っ!!)ガバッ
斉木(何だ……ただの予知夢か。テレパシーの数は減っていない、全員無事だ)
斉木(いや、今後無事では済まないからこその予知夢か。どうやら大和田が誰かを頃してクロになるようだが……)
斉木(いくらあいつが超高校級の暴走族といえども、簡単に人を頃すほどのプランクトンには思えない)
斉木(黒幕には昨日動機提示を中止するよう脅しておいたし、いざとなれば本気で黒幕を立体パズルのピースにしてやれる)
斉木(……念のため苗木にも伝えて、2人体制で大和田の様子を見ていよう)
829: 2014/05/30(金) 13:00:50.15 ID:hb/CCOAmo
【寄宿舎1階・廊下】
斉木(その前に、今朝の僕にはすべきことがある)
斉木(腐川さんと2人で舞園さんを迎えに行く……そう、僕にもやっと見張り当番が回ってきたのだ)
斉木(というわけで僕は今、舞園さんの部屋の前に立っている)
斉木(だが……当番を組む相手が腐川さんだというのは先行きが不安になってくる)
腐川「……な、何よ」ギロッ
斉木(僕の心境を察したのか、こちらを睨みつけてくるし……)
腐川「あんたのことだもの……どうせあたしなんかと二人一組になって心底ガッカリしてるんでしょ!?」
斉木(被害妄想癖を遺憾なく発揮してくるし……)
腐川「あんたなんてこっちから願い下げだわ! クール系眼鏡男子なんて白夜様とキャラ被りまくりなのよ!!」
斉木(こんな風に十神と比較して難癖つけられるし)
斉木(僕は腐川さんと組むこと自体はそこまで嫌ではない。問題は腐川さんが抱えている“大きな爆弾”の方だ)
斉木(腐川さんは極度の血液恐怖症だ……彼女に血の一滴でも見せると大混乱が生じてしまう)
斉木(その前に、今朝の僕にはすべきことがある)
斉木(腐川さんと2人で舞園さんを迎えに行く……そう、僕にもやっと見張り当番が回ってきたのだ)
斉木(というわけで僕は今、舞園さんの部屋の前に立っている)
斉木(だが……当番を組む相手が腐川さんだというのは先行きが不安になってくる)
腐川「……な、何よ」ギロッ
斉木(僕の心境を察したのか、こちらを睨みつけてくるし……)
腐川「あんたのことだもの……どうせあたしなんかと二人一組になって心底ガッカリしてるんでしょ!?」
斉木(被害妄想癖を遺憾なく発揮してくるし……)
腐川「あんたなんてこっちから願い下げだわ! クール系眼鏡男子なんて白夜様とキャラ被りまくりなのよ!!」
斉木(こんな風に十神と比較して難癖つけられるし)
斉木(僕は腐川さんと組むこと自体はそこまで嫌ではない。問題は腐川さんが抱えている“大きな爆弾”の方だ)
斉木(腐川さんは極度の血液恐怖症だ……彼女に血の一滴でも見せると大混乱が生じてしまう)
830: 2014/05/30(金) 13:03:24.81 ID:hb/CCOAmo
腐川「それより……インターホン押さなくていいの? 舞園絡みで問題が起こったらあんたの責任よ……?」
斉木(安心しろ、連帯責任だ。それにインターホンを押さないのにも歴とした理由がある)
斉木(透視とテレパシーのせいで舞園さんの部屋の状況は手に取るように分かるのだが……)スゥゥゥ
舞園(どうしよう、制服のボタンを付け直してたら指刺しちゃった……!)アセアセ
斉木(現在タイミング良く流血中だ)
腐川「ああもう! 早くあたしを解放してよ!!」ピンポーン
斉木(! まずい、このままだと舞園さんの傷を見た腐川さんが卒倒してしまう……!)
斉木(かくなる上は……)
舞園「はーい、今行きま」ガチャ
斉木(恥を忍んで舞園さんの手を握る)ギュッ
斉木(安心しろ、連帯責任だ。それにインターホンを押さないのにも歴とした理由がある)
斉木(透視とテレパシーのせいで舞園さんの部屋の状況は手に取るように分かるのだが……)スゥゥゥ
舞園(どうしよう、制服のボタンを付け直してたら指刺しちゃった……!)アセアセ
斉木(現在タイミング良く流血中だ)
腐川「ああもう! 早くあたしを解放してよ!!」ピンポーン
斉木(! まずい、このままだと舞園さんの傷を見た腐川さんが卒倒してしまう……!)
斉木(かくなる上は……)
舞園「はーい、今行きま」ガチャ
斉木(恥を忍んで舞園さんの手を握る)ギュッ
831: 2014/05/30(金) 13:05:17.92 ID:hb/CCOAmo
舞園「えっ……!? 斉木くん、いきなり何を……」
腐川「不潔よ不貞よインモラルよ! だからあんたとなんか組みたくなかったのよぉぉぉぉぉ!!」
斉木(おっと語弊があったな。正確には『舞園さんの手を握って傷口にポケットティッシュを押し当てる』だ)
斉木(本来はティッシュのような繊維質のものを傷口に押し当てるのは応急処置として間違っている)
斉木(しかし、この学園に医学に精通した人はいない。正しいやり方はどこかの世界に居るスーパー校医に任せるとして……)ゴソゴソ
斉木(アポートで絆創膏を引き寄せ、舞園さんの指に貼る)ペタリ
斉木(そしてその上から復元能力を使えば、もう血が流れる心配もない)キィン
舞園「ありがとうございます。流石超高校級のジャンケニストさん、桁外れの動体視力ですね!」
斉木(疑念を抱かないでくれたのは嬉しいがこじつけが強引すぎる)
腐川「……動体視力? 斉木が何をしたわけ……?」
舞園「私の指先の怪我を見つけて、瞬時に手当てをしてくれたんです」
腐川「ななな何よそれ!? 人外じみてるわ!!」
斉木(元から人外だ)
腐川「不潔よ不貞よインモラルよ! だからあんたとなんか組みたくなかったのよぉぉぉぉぉ!!」
斉木(おっと語弊があったな。正確には『舞園さんの手を握って傷口にポケットティッシュを押し当てる』だ)
斉木(本来はティッシュのような繊維質のものを傷口に押し当てるのは応急処置として間違っている)
斉木(しかし、この学園に医学に精通した人はいない。正しいやり方はどこかの世界に居るスーパー校医に任せるとして……)ゴソゴソ
斉木(アポートで絆創膏を引き寄せ、舞園さんの指に貼る)ペタリ
斉木(そしてその上から復元能力を使えば、もう血が流れる心配もない)キィン
舞園「ありがとうございます。流石超高校級のジャンケニストさん、桁外れの動体視力ですね!」
斉木(疑念を抱かないでくれたのは嬉しいがこじつけが強引すぎる)
腐川「……動体視力? 斉木が何をしたわけ……?」
舞園「私の指先の怪我を見つけて、瞬時に手当てをしてくれたんです」
腐川「ななな何よそれ!? 人外じみてるわ!!」
斉木(元から人外だ)
832: 2014/05/30(金) 13:08:29.91 ID:hb/CCOAmo
【食堂】
斉木(食堂に着くと、大方の人間は既に揃っていた)
斉木(相変わらず十神の姿は無い。あいつは今日も図書室で優雅にモーニングコーヒーを飲んでいるようだな)
斉木(……それにしても)
大和田「どうだ石丸! オレはもう6人分のメシを並べたぜ!!」シュバババババ
石丸「やるな大和田くん! しかし配膳が間違っているぞ、主菜の正しい位置は左奥だ!!」シュバババババ
斉木(こいつら昨日よりやかましくなってないか?)
舞園「いいじゃないですか、仲が良いに越したことはありませんよ」
斉木(いい加減そのエスパーごっこをやめてくれ)
苗木「……おはよう斉木クン」
斉木(苗木か。お前なら昨日の一部始終を知っているはずだ、どういうことか説明しろ)
苗木「………………」
苗木(ボクが話さなくたって、斉木クンならテレパシーで簡単に分かるでしょ?)
斉木(分からないから尋ねているんだ。まあ、今の苗木は介抱を手伝わなかった僕に対して怒っているようだがな)
苗木「……サウナから大和田クンと石丸クンを運び出したり、夜時間間際に冷水を用意したり」
苗木「2人同時に倒れたことを伝えたら、石丸クンと大和田クンがお互いをライバルとして認め合っちゃったり」
苗木「更に勝負を続けようとするのをみんなで押さえたり……」
苗木「……どのくらい大変だったかなんて、体験してない斉木クンには分かりっこないよ」プイッ
斉木(なんやかんや僕に説明してくれるあたりお前は本当にお人好しだよ)
斉木(食堂に着くと、大方の人間は既に揃っていた)
斉木(相変わらず十神の姿は無い。あいつは今日も図書室で優雅にモーニングコーヒーを飲んでいるようだな)
斉木(……それにしても)
大和田「どうだ石丸! オレはもう6人分のメシを並べたぜ!!」シュバババババ
石丸「やるな大和田くん! しかし配膳が間違っているぞ、主菜の正しい位置は左奥だ!!」シュバババババ
斉木(こいつら昨日よりやかましくなってないか?)
舞園「いいじゃないですか、仲が良いに越したことはありませんよ」
斉木(いい加減そのエスパーごっこをやめてくれ)
苗木「……おはよう斉木クン」
斉木(苗木か。お前なら昨日の一部始終を知っているはずだ、どういうことか説明しろ)
苗木「………………」
苗木(ボクが話さなくたって、斉木クンならテレパシーで簡単に分かるでしょ?)
斉木(分からないから尋ねているんだ。まあ、今の苗木は介抱を手伝わなかった僕に対して怒っているようだがな)
苗木「……サウナから大和田クンと石丸クンを運び出したり、夜時間間際に冷水を用意したり」
苗木「2人同時に倒れたことを伝えたら、石丸クンと大和田クンがお互いをライバルとして認め合っちゃったり」
苗木「更に勝負を続けようとするのをみんなで押さえたり……」
苗木「……どのくらい大変だったかなんて、体験してない斉木クンには分かりっこないよ」プイッ
斉木(なんやかんや僕に説明してくれるあたりお前は本当にお人好しだよ)
833: 2014/05/30(金) 13:10:36.11 ID:hb/CCOAmo
石丸「ああ、彼には分かりっこない! 分かりっこないな!」シュバババババ
石丸「“好敵手”と書いて“とも”と読む、僕と大和田くんの関係の素晴らしさも分からないだろう!」シュバババババ
斉木(そんな素晴らしさ永遠に分からなくていいです)
大和田「“とも”だァ? オレらはそんなチャチな関係じゃねぇ……“宿敵”と書いて“マブダチ”だろうが!!」シュバババババ
斉木(結局敵と味方のどっちなんだ?)
石丸「この配膳対決が終わったら食器洗い対決! それも終わったら掃除対決!!」シュバババババ
大和田「昼は最速カップラーメン早食い対決、午後はプールで競泳対決だコラァ!!」シュバババババ
石丸「男同士の戦いは炎よりも熱いのだ!!!」シュバババババ
腐川「男って単純ね……くだらないわ」
斉木(男を一括りに扱わないでくれ、あれはバカな男のパターンだ)
舞園「……とりあえず、朝食の支度は順調に進んでるみたいですね」
斉木(バカ2人の対決が流血沙汰に発展しないことを祈ろう)
石丸「“好敵手”と書いて“とも”と読む、僕と大和田くんの関係の素晴らしさも分からないだろう!」シュバババババ
斉木(そんな素晴らしさ永遠に分からなくていいです)
大和田「“とも”だァ? オレらはそんなチャチな関係じゃねぇ……“宿敵”と書いて“マブダチ”だろうが!!」シュバババババ
斉木(結局敵と味方のどっちなんだ?)
石丸「この配膳対決が終わったら食器洗い対決! それも終わったら掃除対決!!」シュバババババ
大和田「昼は最速カップラーメン早食い対決、午後はプールで競泳対決だコラァ!!」シュバババババ
石丸「男同士の戦いは炎よりも熱いのだ!!!」シュバババババ
腐川「男って単純ね……くだらないわ」
斉木(男を一括りに扱わないでくれ、あれはバカな男のパターンだ)
舞園「……とりあえず、朝食の支度は順調に進んでるみたいですね」
斉木(バカ2人の対決が流血沙汰に発展しないことを祈ろう)
834: 2014/05/30(金) 13:12:39.05 ID:hb/CCOAmo
斉木(……苗木、頼みたいことがある)
苗木(今度は何? またボク1人が大変なことは嫌だからね……)
斉木(大和田と石丸の対決に同行し2人を見張っていてほしい)
苗木「案の定ボク1人が大変なことだ!!」
斉木(諦めてくれ。僕は昼まで舞園さんから離れられないんだ)
斉木(それに……大和田と石丸の身に何かが起こるという予知夢を見てしまった)
苗木(まさか……2人が殺人を……!?)
斉木(役目を終えたら僕も合流する。それまでの間の辛抱だ)
斉木(危険な対決をしようとした場合、お前がどうにかして止めてくれ……)
舞園「なんだか面白そうですね!斉木くん、腐川さん、私たちも2人の対決を観戦しませんか?」
苗木「それに賛成するよ! ボクも舞園さん達と一緒に過ごしたいな」ニッコリ
斉木(まあ薄々こうなる気はしていたよ)
苗木(今度は何? またボク1人が大変なことは嫌だからね……)
斉木(大和田と石丸の対決に同行し2人を見張っていてほしい)
苗木「案の定ボク1人が大変なことだ!!」
斉木(諦めてくれ。僕は昼まで舞園さんから離れられないんだ)
斉木(それに……大和田と石丸の身に何かが起こるという予知夢を見てしまった)
苗木(まさか……2人が殺人を……!?)
斉木(役目を終えたら僕も合流する。それまでの間の辛抱だ)
斉木(危険な対決をしようとした場合、お前がどうにかして止めてくれ……)
舞園「なんだか面白そうですね!斉木くん、腐川さん、私たちも2人の対決を観戦しませんか?」
苗木「それに賛成するよ! ボクも舞園さん達と一緒に過ごしたいな」ニッコリ
斉木(まあ薄々こうなる気はしていたよ)
835: 2014/05/30(金) 13:14:44.39 ID:hb/CCOAmo
腐川「……あたしは嫌よ」
腐川「本当なら今すぐにでも白夜様のお姿を拝見したいのに、あんな連中の低能な勝負を見るなんて、時間をドブに捨てるようなものだわ……」
舞園「先入観だけで判断することこそ勿体ないですよ! もしかしたら腐川さんの小説のネタにできるかもしれないでしょう?」
腐川「あたしの恋愛小説は純度100%の妄想で出来てるの、馬鹿にしないで!!」
斉木(そこを力説されましても)
石丸「なればこそ妄想の外側の世界を知るべきだ!」グッ
斉木(お前配膳対決はどうした?)
石丸「世の中にはどれほど座学を極めても知り得ない事象がある! それを知るには未知の領域へと足を踏み入れねばならないのだ!」
石丸「現に僕は“宿敵”と正反対の男と対決したことで、所謂チンピラへの印象が大きく変わってしまった!!」
石丸「未知との出逢いは化学反応を引き起こす! どうだ腐川くん、僕達の試合を
苗木「そうだ! 掃除対決の舞台を図書室にするのはどうかな?」
腐川「図書室!? 図書室なら白夜様に会えるわ!!!」バッ
斉木(……石丸の熱弁は何だったんだろうな)
大和田「おい“宿敵”! さっさと勝負に戻れよ!」
腐川「本当なら今すぐにでも白夜様のお姿を拝見したいのに、あんな連中の低能な勝負を見るなんて、時間をドブに捨てるようなものだわ……」
舞園「先入観だけで判断することこそ勿体ないですよ! もしかしたら腐川さんの小説のネタにできるかもしれないでしょう?」
腐川「あたしの恋愛小説は純度100%の妄想で出来てるの、馬鹿にしないで!!」
斉木(そこを力説されましても)
石丸「なればこそ妄想の外側の世界を知るべきだ!」グッ
斉木(お前配膳対決はどうした?)
石丸「世の中にはどれほど座学を極めても知り得ない事象がある! それを知るには未知の領域へと足を踏み入れねばならないのだ!」
石丸「現に僕は“宿敵”と正反対の男と対決したことで、所謂チンピラへの印象が大きく変わってしまった!!」
石丸「未知との出逢いは化学反応を引き起こす! どうだ腐川くん、僕達の試合を
苗木「そうだ! 掃除対決の舞台を図書室にするのはどうかな?」
腐川「図書室!? 図書室なら白夜様に会えるわ!!!」バッ
斉木(……石丸の熱弁は何だったんだろうな)
大和田「おい“宿敵”! さっさと勝負に戻れよ!」
836: 2014/05/30(金) 13:17:46.50 ID:hb/CCOAmo
【校舎2階・図書室】
十神「……で、お前らは騒音を立てるために図書室へ来たのか?」
石丸「断じて違うッ!!」サッサッサッサッ
大和田「“宿敵”同士で戦うためだコラァ!!」フキフキフキフキ
斉木(などと供述しており現在も図書室の騒音公害は続いている模様です)
苗木「えーと……ここまで1勝1敗1分だから、決着をつけたいんだって」
腐川「そんな事情白夜様が聞くわけないでしょ!!」
斉木(お前の言動1レス前と矛盾してない?)
十神「何が宿敵と書いてマブダチだ。1人で殺人のトリックを考えた方が有意義な時間を過ごせるはずだが」
十神「それとも共犯関係になるつもりか? モノクマ曰く卒業できるのは実行犯1人だけらしいぞ?」ニヤリ
舞園「まあまあ。お昼前には引き上げますので少しくらい大目に見てくださいよ」
舞園「それに……本棚は整理してあった方が、目当ての本も探しやすくなると思いませんか?」
十神「……………………」
十神「…………俺は奥の書庫に篭る。扉を開けたら10点マイナスにするからな」
斉木(勝手にルールを作り始めた)
大和田「おう! 悪ィな!!」フキフキフキフキ
石丸「感謝するぞ十神くん!!」サッサッサッサッ
腐川「あたしもご一緒します白夜様ぁ!!」
十神「お前はこっちに来るな、舞園を見張っていろ」
腐川「はいぃ!!!」ビュンッ
十神「…………それと」
十神「魔術に関連した書籍を見つけたら俺のところに持ってこい。その場合は50点のボーナスだ」
斉木(お前本当に魔法使いを目指すつもりか)
十神「……で、お前らは騒音を立てるために図書室へ来たのか?」
石丸「断じて違うッ!!」サッサッサッサッ
大和田「“宿敵”同士で戦うためだコラァ!!」フキフキフキフキ
斉木(などと供述しており現在も図書室の騒音公害は続いている模様です)
苗木「えーと……ここまで1勝1敗1分だから、決着をつけたいんだって」
腐川「そんな事情白夜様が聞くわけないでしょ!!」
斉木(お前の言動1レス前と矛盾してない?)
十神「何が宿敵と書いてマブダチだ。1人で殺人のトリックを考えた方が有意義な時間を過ごせるはずだが」
十神「それとも共犯関係になるつもりか? モノクマ曰く卒業できるのは実行犯1人だけらしいぞ?」ニヤリ
舞園「まあまあ。お昼前には引き上げますので少しくらい大目に見てくださいよ」
舞園「それに……本棚は整理してあった方が、目当ての本も探しやすくなると思いませんか?」
十神「……………………」
十神「…………俺は奥の書庫に篭る。扉を開けたら10点マイナスにするからな」
斉木(勝手にルールを作り始めた)
大和田「おう! 悪ィな!!」フキフキフキフキ
石丸「感謝するぞ十神くん!!」サッサッサッサッ
腐川「あたしもご一緒します白夜様ぁ!!」
十神「お前はこっちに来るな、舞園を見張っていろ」
腐川「はいぃ!!!」ビュンッ
十神「…………それと」
十神「魔術に関連した書籍を見つけたら俺のところに持ってこい。その場合は50点のボーナスだ」
斉木(お前本当に魔法使いを目指すつもりか)
837: 2014/05/30(金) 13:19:49.10 ID:hb/CCOAmo
【寄宿舎1階・食堂】
斉木(図書室掃除対決は石丸の辛勝だった。英語が読める分、魔術関連の洋書を多く見つけられたのが勝因らしい)
斉木(腐川さんは図書室に残ると言い出したので、僕は苗木を引き連れ、次の舞園さん当番のもとに来たんだが……)
桑田「だからよー、マジでホントの話なんだって!」ズイッ
斉木(……たった今、とても不快な心の声を聞いてしまった)
葉隠「信じねーぞ! 俺はオカルトは嫌いなんだ!」
桑田「信じる信じない以前の話だよ! オレはズェッテェーに見た、そして感じた!!」
苗木「2人とも何を話してたの?」
桑田「ヨッシャ、苗木なら信じてくれんだろ! ……あんまし大声で話せる内容じゃねーけどさ」
斉木(大声でも小声でも話してほしくない)
桑田「昨日の夜中、忘れ物したから脱衣所に行ったんだけどさ……」ヒソヒソ
桑田「ピンク色の髪の女の子が生着替え中だったんだよ!」
苗木「えっ……!?」カァァァァァ
斉木(…………屈辱だ)
斉木(図書室掃除対決は石丸の辛勝だった。英語が読める分、魔術関連の洋書を多く見つけられたのが勝因らしい)
斉木(腐川さんは図書室に残ると言い出したので、僕は苗木を引き連れ、次の舞園さん当番のもとに来たんだが……)
桑田「だからよー、マジでホントの話なんだって!」ズイッ
斉木(……たった今、とても不快な心の声を聞いてしまった)
葉隠「信じねーぞ! 俺はオカルトは嫌いなんだ!」
桑田「信じる信じない以前の話だよ! オレはズェッテェーに見た、そして感じた!!」
苗木「2人とも何を話してたの?」
桑田「ヨッシャ、苗木なら信じてくれんだろ! ……あんまし大声で話せる内容じゃねーけどさ」
斉木(大声でも小声でも話してほしくない)
桑田「昨日の夜中、忘れ物したから脱衣所に行ったんだけどさ……」ヒソヒソ
桑田「ピンク色の髪の女の子が生着替え中だったんだよ!」
苗木「えっ……!?」カァァァァァ
斉木(…………屈辱だ)
838: 2014/05/30(金) 13:22:12.49 ID:hb/CCOAmo
苗木「そ、それって江ノ島さんの見間違いじゃないの?」
葉隠「そうだべ! 江ノ島っちの髪色はピンクゴールドって感じだべ!」
桑田「江ノ島じゃねーよ全く見たことない女の子だよ! メガネ掛けててクールっつーかアンニュイっつーか……」
桑田「歌に例えるとアルエとか何処へでも行ける切手みたいな……」
斉木(要するに綾波レイっぽかったんだろ)
桑田「しかもだぜ、その娘クールな感じなのにめっちゃフリフリの口リータドレス着てたんだぜ!?」
桑田「その上口リータドレスなのにトランクス穿いてたんだぜ!? このチグハグっぷり超かわいくね!?」
葉隠「やっぱ俺には桑田っちの幻覚としか思えねーべ」
桑田「いーや幻覚じゃなかった!! オレはその娘に“トン”されて気絶しちまったんだけど……」
桑田「そのとき腕におっOいが当たったんだよ! あれはD寄りのCだった!!」ガシッ
苗木「そんなこと力説しなくても……」
苗木(……それに斉木クン)
苗木(さっきから怖い顔してない……?)
斉木(気のせいだ。敢えてもう一度言う、気のせいだ)
苗木(…………そうだね。気のせいだね)
葉隠「そうだべ! 江ノ島っちの髪色はピンクゴールドって感じだべ!」
桑田「江ノ島じゃねーよ全く見たことない女の子だよ! メガネ掛けててクールっつーかアンニュイっつーか……」
桑田「歌に例えるとアルエとか何処へでも行ける切手みたいな……」
斉木(要するに綾波レイっぽかったんだろ)
桑田「しかもだぜ、その娘クールな感じなのにめっちゃフリフリの口リータドレス着てたんだぜ!?」
桑田「その上口リータドレスなのにトランクス穿いてたんだぜ!? このチグハグっぷり超かわいくね!?」
葉隠「やっぱ俺には桑田っちの幻覚としか思えねーべ」
桑田「いーや幻覚じゃなかった!! オレはその娘に“トン”されて気絶しちまったんだけど……」
桑田「そのとき腕におっOいが当たったんだよ! あれはD寄りのCだった!!」ガシッ
苗木「そんなこと力説しなくても……」
苗木(……それに斉木クン)
苗木(さっきから怖い顔してない……?)
斉木(気のせいだ。敢えてもう一度言う、気のせいだ)
苗木(…………そうだね。気のせいだね)
839: 2014/05/30(金) 13:24:39.60 ID:hb/CCOAmo
斉木(誤解を招きそうな言い方をするが……楠子状態の着替えを見られたことは大して恥ずかしくない)
斉木(問題は桑田が近付いてくることに気付かず着替えを続行していたことだ。普段の僕ならあのくらい簡単に気付けたはずだ)
斉木(あの晩は黒幕と接触するにあたり、入念な準備をして臨んだというのに……)
斉木(最後の始末をする段階で、アポの桑田に姿を見られ、あまつさえバストサイズまで把握されてしまった)
斉木(これを屈辱と言わずして何と言う……!!)ピキピキ
葉隠「そういや斉木っちの髪もピンク色だな。もしかすっと斉木っちが女そ」
苗木「なんてこと言うんだよ葉隠クン!!! 言いがかりにも程があるよ!!!!!」バッ
葉隠「むがもご」
舞園「……男子だけで何を話しているかと思えば
桑田くんってそんな人だったんですね」
桑田「へ? 舞園……ちゃん?」
舞園「まあスOベ丸出しな桑田くんのことですし、最低な幻覚を見ちゃうのも頷けますね」ジトー
桑田「違うって誤解だって! 本当にオレが見たありのままを話しただけなんだよぉ!!」
モノクマ「そうだそうだー! 僕っ娘魔法少女は桑田くんの前でありのままの姿を見せたに過ぎないんだよ!!」ピョーイ
桑田「全くだぜ……ってモノクマ!? オメーいつからそこに!?」
モノクマ「ボクはいつでもオマエラの心の中にいるよ!」
斉木(もう一人の目撃者が来てしまった)
斉木(問題は桑田が近付いてくることに気付かず着替えを続行していたことだ。普段の僕ならあのくらい簡単に気付けたはずだ)
斉木(あの晩は黒幕と接触するにあたり、入念な準備をして臨んだというのに……)
斉木(最後の始末をする段階で、アポの桑田に姿を見られ、あまつさえバストサイズまで把握されてしまった)
斉木(これを屈辱と言わずして何と言う……!!)ピキピキ
葉隠「そういや斉木っちの髪もピンク色だな。もしかすっと斉木っちが女そ」
苗木「なんてこと言うんだよ葉隠クン!!! 言いがかりにも程があるよ!!!!!」バッ
葉隠「むがもご」
舞園「……男子だけで何を話しているかと思えば
桑田くんってそんな人だったんですね」
桑田「へ? 舞園……ちゃん?」
舞園「まあスOベ丸出しな桑田くんのことですし、最低な幻覚を見ちゃうのも頷けますね」ジトー
桑田「違うって誤解だって! 本当にオレが見たありのままを話しただけなんだよぉ!!」
モノクマ「そうだそうだー! 僕っ娘魔法少女は桑田くんの前でありのままの姿を見せたに過ぎないんだよ!!」ピョーイ
桑田「全くだぜ……ってモノクマ!? オメーいつからそこに!?」
モノクマ「ボクはいつでもオマエラの心の中にいるよ!」
斉木(もう一人の目撃者が来てしまった)
840: 2014/05/30(金) 13:26:11.50 ID:hb/CCOAmo
苗木「お前……またみんなを煽動するつもりか!!」
舞園「しばらく登場しなかったから、私達も平和に過ごせていたのに……!」
斉木(>>1の力量不足を痛感させるようなことを言わないでほしい)
モノクマ「実はさー……桑田くんが見たっていう女の子、昨日ボクの部屋にも来たんだよねー」
葉隠「はぁ!? 幻覚じゃなかったんか!?」
モノクマ「桑田くんはともかくボクがそんな幻覚見るわけないでしょ!」
桑田「だから最初からそうだって言ってたろアホ!」
モノクマ「ボクはあの娘に惹かれて、もう一度会うことを夢見ちゃってさぁ……」
斉木(その夢が今実現中ということには気付いていないようだな)
舞園「しばらく登場しなかったから、私達も平和に過ごせていたのに……!」
斉木(>>1の力量不足を痛感させるようなことを言わないでほしい)
モノクマ「実はさー……桑田くんが見たっていう女の子、昨日ボクの部屋にも来たんだよねー」
葉隠「はぁ!? 幻覚じゃなかったんか!?」
モノクマ「桑田くんはともかくボクがそんな幻覚見るわけないでしょ!」
桑田「だから最初からそうだって言ってたろアホ!」
モノクマ「ボクはあの娘に惹かれて、もう一度会うことを夢見ちゃってさぁ……」
斉木(その夢が今実現中ということには気付いていないようだな)
841: 2014/05/30(金) 13:29:29.03 ID:hb/CCOAmo
モノクマ「そんなわけで、ボクはあの娘をおびき出すためのグーッドアイディーアを思いついちゃいました!!」
ピンポンパンポーン
モノクマ『えー、校内放送、校内放送……』
モノクマ『オマエラ、至急体育館にお集まりください。来なかったらオシオキだかんね!』
舞園「――これって、もしかして」ガクガク
モノクマ「おや? どうしたの舞園さん、顔色が悪いよ?」
桑田「オメーのせいだろ! オメーが校内放送で全員を集めてドラえもんのDVDを配るから、舞園ちゃんは……!!」
モノクマ「だーかーらー、それだけはボクのせいじゃないってば!」
苗木「とぼけるな!!」
斉木(すまん本当のことなんだわ)
モノクマ「じゃあボクは先に行ってるから、オマエラも早くおいでよ!」ヒュン
斉木(先に行くも何もお前の本体はずっと同じ場所に居るだろ)
ピンポンパンポーン
モノクマ『えー、校内放送、校内放送……』
モノクマ『オマエラ、至急体育館にお集まりください。来なかったらオシオキだかんね!』
舞園「――これって、もしかして」ガクガク
モノクマ「おや? どうしたの舞園さん、顔色が悪いよ?」
桑田「オメーのせいだろ! オメーが校内放送で全員を集めてドラえもんのDVDを配るから、舞園ちゃんは……!!」
モノクマ「だーかーらー、それだけはボクのせいじゃないってば!」
苗木「とぼけるな!!」
斉木(すまん本当のことなんだわ)
モノクマ「じゃあボクは先に行ってるから、オマエラも早くおいでよ!」ヒュン
斉木(先に行くも何もお前の本体はずっと同じ場所に居るだろ)
842: 2014/05/30(金) 13:32:52.05 ID:hb/CCOAmo
葉隠「……モノクマがみんなを集めるなんて、占うまでもなく嫌な予感しかしないべ」
舞園「でも……行きましょう。行かなかったら、オシオキされてしまいます……」ヨロヨロ
苗木「待ってよ舞園さん!」
斉木(……舞園さんの頭の中で、苗木を刺してしまった記憶がフラッシュバックしている)
斉木(苦痛を隠しきれていないが、それでも自ら体育館へ赴こうとするのは……彼女のプライドのお陰だろうな)
斉木(僕も行くとしよう。黒幕は僕と交わした約束を破るつもりのようだ)
斉木(黒幕を倒すとしても事件が起こった後では手遅れだ。かと言って、今から楠子に変身していたのでは間に合わない……)
斉木(……やはり体育館で直接手を打とう)ガタン
斉木(……ところで)
大和田「~~~~~~~~!!!!」ズルズルズル
石丸「~~~~~~~~!?!?」ハフハフハフハフ
不二咲「だめだよぉ! もっとフーフーしないと舌をヤケドしちゃうよぉ!!」
斉木(何やってんだあいつら)
舞園「でも……行きましょう。行かなかったら、オシオキされてしまいます……」ヨロヨロ
苗木「待ってよ舞園さん!」
斉木(……舞園さんの頭の中で、苗木を刺してしまった記憶がフラッシュバックしている)
斉木(苦痛を隠しきれていないが、それでも自ら体育館へ赴こうとするのは……彼女のプライドのお陰だろうな)
斉木(僕も行くとしよう。黒幕は僕と交わした約束を破るつもりのようだ)
斉木(黒幕を倒すとしても事件が起こった後では手遅れだ。かと言って、今から楠子に変身していたのでは間に合わない……)
斉木(……やはり体育館で直接手を打とう)ガタン
斉木(……ところで)
大和田「~~~~~~~~!!!!」ズルズルズル
石丸「~~~~~~~~!?!?」ハフハフハフハフ
不二咲「だめだよぉ! もっとフーフーしないと舌をヤケドしちゃうよぉ!!」
斉木(何やってんだあいつら)
863: 2014/06/22(日) 05:46:32.98 ID:80WCuopnO
石丸「なんてことだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ビヤァッ
苗木「どうしたんだろう石丸クン……世界の終わりみたいな顔してるよ」
斉木(瑣末なことだ。気にするだけ損だぞ)
石丸「瑣末なことなんかではない! 日本人たるもの間違えてはならないほどの重要事項なのだっ!!!」ガッ
斉木(お前までエスパーの仲間入りか?)
石丸「だのに僕は……僕はもう日本人失格だぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
苗木「えっと……流石に日本人失格にはならないだろうから、何があったか話してみてよ」
石丸「流石苗木先生!! どうか僕の恥ずべき過ちを嘲笑ってほしい!!!」
斉木(いつ苗木がお前の先生になった?)
苗木(こないだの自由行動かな)
石丸「僕は先日……厳密には>>832で『主菜の正しい位置は左奥だ』と堂々語っていたが……」
石丸「本当は右奥に配置するのが正解だったのだぁぁぁぁぁぁああああああああっっっ!!!!!!!」ブワァッ
苗木(……気にして損した)
斉木(だから言ったろ)
苗木「どうしたんだろう石丸クン……世界の終わりみたいな顔してるよ」
斉木(瑣末なことだ。気にするだけ損だぞ)
石丸「瑣末なことなんかではない! 日本人たるもの間違えてはならないほどの重要事項なのだっ!!!」ガッ
斉木(お前までエスパーの仲間入りか?)
石丸「だのに僕は……僕はもう日本人失格だぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
苗木「えっと……流石に日本人失格にはならないだろうから、何があったか話してみてよ」
石丸「流石苗木先生!! どうか僕の恥ずべき過ちを嘲笑ってほしい!!!」
斉木(いつ苗木がお前の先生になった?)
苗木(こないだの自由行動かな)
石丸「僕は先日……厳密には>>832で『主菜の正しい位置は左奥だ』と堂々語っていたが……」
石丸「本当は右奥に配置するのが正解だったのだぁぁぁぁぁぁああああああああっっっ!!!!!!!」ブワァッ
苗木(……気にして損した)
斉木(だから言ったろ)
864: 2014/06/22(日) 05:48:57.64 ID:80WCuopnO
苗木「そんなに思い悩むことはないよ。ボクはお茶碗を右側に置いても気にしないからさ……」
石丸「それはいけない! 和食の皿の配置には日本人の思い遣りの心が溢れているのだぞ!!」
斉木(急に泣き止んで解説を始めた)
石丸「日本人には右利きが多い! 食事の際は左手で食器を持って食べることを想定し、茶碗や副菜は向かって左側に置く!」
石丸「対する主菜は大皿に盛られるので、食器を置いたままでも食べやすいよう向かって右側の奥に配置するのだ!!」
苗木「右の手前には置かないの?」
石丸「汁物を手に取りづらくなるではないかっ!!!」論破!
苗木「しまった!」シュウン
斉木(発言力減ったぞ苗木先生)
石丸「社会に出向いても立派に胸を晴れるよう、食事のマナーについて勉強したというのに……」
石丸「僕は日本が誇る無形文化遺産を侮辱してしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ブワァッ
斉木(こいつホントめんどくさい)
石丸「それはいけない! 和食の皿の配置には日本人の思い遣りの心が溢れているのだぞ!!」
斉木(急に泣き止んで解説を始めた)
石丸「日本人には右利きが多い! 食事の際は左手で食器を持って食べることを想定し、茶碗や副菜は向かって左側に置く!」
石丸「対する主菜は大皿に盛られるので、食器を置いたままでも食べやすいよう向かって右側の奥に配置するのだ!!」
苗木「右の手前には置かないの?」
石丸「汁物を手に取りづらくなるではないかっ!!!」論破!
苗木「しまった!」シュウン
斉木(発言力減ったぞ苗木先生)
石丸「社会に出向いても立派に胸を晴れるよう、食事のマナーについて勉強したというのに……」
石丸「僕は日本が誇る無形文化遺産を侮辱してしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ブワァッ
斉木(こいつホントめんどくさい)
865: 2014/06/22(日) 05:51:29.57 ID:80WCuopnO
大和田「そう泣くなよ、“宿敵”」
石丸「はっ! その声は……“宿敵”か!?」
苗木「大和田クン! いつからここに?」
大和田「話は最初から聞かせてもらってた。配膳のこたぁよく知らねーが、そう悩むほどのモンでもねぇと思うぜ」
大和田「“宿敵”……オメェ、左利きだろ?」
石丸「――――!!」
苗木「石丸クンにそんな設定あったっけ」
斉木(一応ゲームの公式サイトに行ったら左手でチョーク持って“清掃週間”と書き殴ってるぞ)
大和田「左利きなら左腕の届くところに大皿置きてーだろ。 オメェが間違えて覚えちまったのもしゃあないんじゃねーのか?」
石丸「だが……左利きは右利きという多数派のため、圧倒的我慢をすべき立場の人間だ」
石丸「配膳だけではない。右利きの人と腕がぶつかることも、右利き向けに設計された道具の数々も」
石丸「罫線の無い紙に横書きしたら字がどんどん斜めに上がっていってしまうことも……!!」
大和田「……だったらよ、“宿敵”。今日の昼飯はオレと一緒に鍋焼きうどん食おうぜ」
大和田「一品料理なら……配膳なんざ関係ねぇだろ?」ドヤッ
石丸「“宿敵”……! 君は馬鹿ではなかったのだな……!!」ウルッ
斉木(いや、どっちも十二分に馬鹿だよ)
苗木「結局ボクが話を聞いた意味って何だったんだろう……」
石丸「はっ! その声は……“宿敵”か!?」
苗木「大和田クン! いつからここに?」
大和田「話は最初から聞かせてもらってた。配膳のこたぁよく知らねーが、そう悩むほどのモンでもねぇと思うぜ」
大和田「“宿敵”……オメェ、左利きだろ?」
石丸「――――!!」
苗木「石丸クンにそんな設定あったっけ」
斉木(一応ゲームの公式サイトに行ったら左手でチョーク持って“清掃週間”と書き殴ってるぞ)
大和田「左利きなら左腕の届くところに大皿置きてーだろ。 オメェが間違えて覚えちまったのもしゃあないんじゃねーのか?」
石丸「だが……左利きは右利きという多数派のため、圧倒的我慢をすべき立場の人間だ」
石丸「配膳だけではない。右利きの人と腕がぶつかることも、右利き向けに設計された道具の数々も」
石丸「罫線の無い紙に横書きしたら字がどんどん斜めに上がっていってしまうことも……!!」
大和田「……だったらよ、“宿敵”。今日の昼飯はオレと一緒に鍋焼きうどん食おうぜ」
大和田「一品料理なら……配膳なんざ関係ねぇだろ?」ドヤッ
石丸「“宿敵”……! 君は馬鹿ではなかったのだな……!!」ウルッ
斉木(いや、どっちも十二分に馬鹿だよ)
苗木「結局ボクが話を聞いた意味って何だったんだろう……」
868: 2014/06/22(日) 06:52:07.61 ID:Wsz4XtMSo
乙
今更突っ込むことでないと思ってたがそういう事情があったのね
今更突っ込むことでないと思ってたがそういう事情があったのね
880: 2014/06/24(火) 22:24:39.40 ID:0Ep8zRthO
【前回のあらすじ】
“宿敵(マブダチ)”
斉木(僕が体育館に来て15分ほど経ってから、やっと全員が集合した)
斉木(特筆すべきは、最後に来たのが十神ではなく大和田・石丸・不二咲の3人であることだ)
霧切「あなたたち……モノクマは“至急”と言っていたはずよ」
石丸「風紀委員とあろう者が集合に遅れてしまって大変申し訳ない! しかし致し方ない事情があったのだ!!」
大和田「男と男の真剣勝負は……何があっても途中で放り出しちゃいけねぇんだ!!」
不二咲「……えっと……霧切さん、ごめんねぇ……」
霧切「…………呆れて怒る気にもならないわ」ハァ
“宿敵(マブダチ)”
斉木(僕が体育館に来て15分ほど経ってから、やっと全員が集合した)
斉木(特筆すべきは、最後に来たのが十神ではなく大和田・石丸・不二咲の3人であることだ)
霧切「あなたたち……モノクマは“至急”と言っていたはずよ」
石丸「風紀委員とあろう者が集合に遅れてしまって大変申し訳ない! しかし致し方ない事情があったのだ!!」
大和田「男と男の真剣勝負は……何があっても途中で放り出しちゃいけねぇんだ!!」
不二咲「……えっと……霧切さん、ごめんねぇ……」
霧切「…………呆れて怒る気にもならないわ」ハァ
882: 2014/06/24(火) 22:27:10.53 ID:0Ep8zRthO
モノクマ「ようやく全員揃ったみたいだね。それじゃあ始めるとしますか!」ピョーイ
朝日奈「出た!!」
モノクマ「今日オマエラを呼び出したのは他でもない。実は昨日、メンバーのヒロミに……」
斉木(絶妙に懐かしいネタを出してきたな)
モノクマ「『折角コロシアイの場を設けたのに全然事件の起こる気配が無いんだけど』って言ったらさぁ」
モノクマ「『建物に閉じ込めるだけじゃ動機として弱いんじゃないの?』って指摘しやがって……」
モノクマ「図星じゃねーか! ヒロミに的確なアドバイスされるとか自己嫌悪だよっ!!」
石丸「つまり……どういうことなのだ……?」
大和田「おう、“宿敵”はテレビに疎いんだったか? オレが今度教えてやるよ」
モノクマ「そんなわけで……ボクは今後、誰も事件を起こさなかった場合は定期的に“動機”を提示することにしました!」
モノクマ「第1弾はコチラ! テキトーにバラ撒くから自分の名前が書かれた封筒を拾ってね!」バッ
黒幕(僕っ娘魔法少女たんとの約束を破れば、きっと私を頃すためにまたあの娘が来てくれる……)
黒幕(会いたくて会いたくて震えちゃいそう!)トロリ
苗木「さ、斉木クン……」
斉木(案ずるな。下準備は済ませておいた)キィン
朝日奈「出た!!」
モノクマ「今日オマエラを呼び出したのは他でもない。実は昨日、メンバーのヒロミに……」
斉木(絶妙に懐かしいネタを出してきたな)
モノクマ「『折角コロシアイの場を設けたのに全然事件の起こる気配が無いんだけど』って言ったらさぁ」
モノクマ「『建物に閉じ込めるだけじゃ動機として弱いんじゃないの?』って指摘しやがって……」
モノクマ「図星じゃねーか! ヒロミに的確なアドバイスされるとか自己嫌悪だよっ!!」
石丸「つまり……どういうことなのだ……?」
大和田「おう、“宿敵”はテレビに疎いんだったか? オレが今度教えてやるよ」
モノクマ「そんなわけで……ボクは今後、誰も事件を起こさなかった場合は定期的に“動機”を提示することにしました!」
モノクマ「第1弾はコチラ! テキトーにバラ撒くから自分の名前が書かれた封筒を拾ってね!」バッ
黒幕(僕っ娘魔法少女たんとの約束を破れば、きっと私を頃すためにまたあの娘が来てくれる……)
黒幕(会いたくて会いたくて震えちゃいそう!)トロリ
苗木「さ、斉木クン……」
斉木(案ずるな。下準備は済ませておいた)キィン
883: 2014/06/24(火) 22:29:45.39 ID:0Ep8zRthO
霧切(……これが、私宛ての封筒)
霧切(モノクマ……今度はどんな手を使って私達を煽るつもりかしら……)ペラッ
霧切「……………………」
霧切「……『モノクマは間違えてマスカラを眉毛に塗ったことがある』」
霧切「……………………」クスッ
桑田「は? 『モノクマは三枚おろしが苦手だから最終的には内臓をグチャグチャにして遊ぶ』だァ?」
山田「『モノクマはこう見えて恋人がいた経験有り』……ですと?」ズーン
江ノ島「『モノクマは3年前に家族から借りた6300円を返していない』……そうだった!」
大神「……モノクマも人間味溢れるエピソードを持っていたのだな」
モノクマ「違うって! それ半分くらい嘘だから!!」
十神「ほう。残りの半分は事実か」
モノクマ「あ゛」
苗木「…………これって」
斉木(封筒の中身を“モノクマ及びモノクマの家族が持つ恥ずかしい秘密”にすり替えておいた)
霧切(モノクマ……今度はどんな手を使って私達を煽るつもりかしら……)ペラッ
霧切「……………………」
霧切「……『モノクマは間違えてマスカラを眉毛に塗ったことがある』」
霧切「……………………」クスッ
桑田「は? 『モノクマは三枚おろしが苦手だから最終的には内臓をグチャグチャにして遊ぶ』だァ?」
山田「『モノクマはこう見えて恋人がいた経験有り』……ですと?」ズーン
江ノ島「『モノクマは3年前に家族から借りた6300円を返していない』……そうだった!」
大神「……モノクマも人間味溢れるエピソードを持っていたのだな」
モノクマ「違うって! それ半分くらい嘘だから!!」
十神「ほう。残りの半分は事実か」
モノクマ「あ゛」
苗木「…………これって」
斉木(封筒の中身を“モノクマ及びモノクマの家族が持つ恥ずかしい秘密”にすり替えておいた)
885: 2014/06/24(火) 22:33:29.40 ID:0Ep8zRthO
黒幕(何これ超ハズカシイんだけど超絶望的なんだけど!!! 誰の仕業だよまったく!!!!)
黒幕(――はっ!? まさかあの娘が!? 私にも会わないまま……!?)
斉木(ご名答。テレパシーで読み取った情報を15枚の便箋に写し、封筒の中身とアポートした)
斉木(僕との約束を破った罰だ。しばらくその恥辱に身悶えていろ……!)ニタァ
苗木(うわぁ……斉木クンの笑顔がそこはかとなく悪役じみてる)
セレス「それで、モノクマさん」
セレス「あなたに関する情報が……ふふっ……何故わたくし達の動機となりうるのですか?」
モノクマ「笑うな笑うな! そんなに笑うならオマエラにもボクと同じ辱めを受けてもらうよ!」
十神「お前と同じ辱め? 俺はエレベーターとエスカレーターを呼び間違えるような真似はしていないぞ?」
モノクマ「キミわざと言ってるでしょ!? ボクが言いたいのは“オマエラの恥ずかしい秘密を知っている”ってことだよ!!」
腐川「あたし達の……」
不二咲「恥ずかしい秘密……!?」
大和田「………………!!」ギリッ
黒幕(――はっ!? まさかあの娘が!? 私にも会わないまま……!?)
斉木(ご名答。テレパシーで読み取った情報を15枚の便箋に写し、封筒の中身とアポートした)
斉木(僕との約束を破った罰だ。しばらくその恥辱に身悶えていろ……!)ニタァ
苗木(うわぁ……斉木クンの笑顔がそこはかとなく悪役じみてる)
セレス「それで、モノクマさん」
セレス「あなたに関する情報が……ふふっ……何故わたくし達の動機となりうるのですか?」
モノクマ「笑うな笑うな! そんなに笑うならオマエラにもボクと同じ辱めを受けてもらうよ!」
十神「お前と同じ辱め? 俺はエレベーターとエスカレーターを呼び間違えるような真似はしていないぞ?」
モノクマ「キミわざと言ってるでしょ!? ボクが言いたいのは“オマエラの恥ずかしい秘密を知っている”ってことだよ!!」
腐川「あたし達の……」
不二咲「恥ずかしい秘密……!?」
大和田「………………!!」ギリッ
887: 2014/06/24(火) 22:36:03.17 ID:0Ep8zRthO
モノクマ「今から24時間以内にコロシアイが起きなかった場合、オマエラの秘密を学園の内外にバラ撒いちゃいます!!」
モノクマ「フルボリュームで校内放送しちゃったり、街宣カーに乗ってビラを撒いちゃったり……」
モノクマ「うぷぷぷぷ! 考えるだけでワックワックドッキドッキしちゃうなぁ!!」
石丸「待て! 僕達には後ろめたい隠し事などない! 仮にあったとしても真正面から打ち明ければきっと理解しあえるはずだ!」
モノクマ「果たしてホントにそうかなぁ? 秘密の重さは人それぞれだよ?」
葉隠「……今回ばかりは俺もモノクマに同意だべ」
葉隠「他人にとっちゃ些細なことでも、本人には深刻な問題だったりするもんだべ……」
モノクマ「そういうこと! バラされたくない人はサクッと誰か頃しちゃってよね!」
霧切「待って。訊きたいことがあるの」
モノクマ「なぁに? 一発殺りたい気分になっちゃった?」
霧切「……便箋に書かれたあなたの秘密は、とても人間じみたものばかりだわ」
霧切「今更だけど……あなた、クマの皮を被った人間ね?」
モノクマ「知らないよそんなの! モノクマはモノクマ! 中に誰もいませんよっ!!」ヒュン
朝日奈「なんか……図星だったみたいだね」
モノクマ「フルボリュームで校内放送しちゃったり、街宣カーに乗ってビラを撒いちゃったり……」
モノクマ「うぷぷぷぷ! 考えるだけでワックワックドッキドッキしちゃうなぁ!!」
石丸「待て! 僕達には後ろめたい隠し事などない! 仮にあったとしても真正面から打ち明ければきっと理解しあえるはずだ!」
モノクマ「果たしてホントにそうかなぁ? 秘密の重さは人それぞれだよ?」
葉隠「……今回ばかりは俺もモノクマに同意だべ」
葉隠「他人にとっちゃ些細なことでも、本人には深刻な問題だったりするもんだべ……」
モノクマ「そういうこと! バラされたくない人はサクッと誰か頃しちゃってよね!」
霧切「待って。訊きたいことがあるの」
モノクマ「なぁに? 一発殺りたい気分になっちゃった?」
霧切「……便箋に書かれたあなたの秘密は、とても人間じみたものばかりだわ」
霧切「今更だけど……あなた、クマの皮を被った人間ね?」
モノクマ「知らないよそんなの! モノクマはモノクマ! 中に誰もいませんよっ!!」ヒュン
朝日奈「なんか……図星だったみたいだね」
888: 2014/06/24(火) 22:38:32.15 ID:0Ep8zRthO
十神「さて、お前らはどうするつもりだ」
十神「俺には後ろめたい秘密など無いが、お前ら愚民は隠し事にまみれているんだろう?」
斉木(“十神白夜は魔法使いに憧れている”は隠さなくていいのか)
桑田「でもなー……どんな秘密を暴露されるか分からない分、思い当たるフシもあんまし無いっつーか」
腐川「あんたらしいアホな意見ね」ボソッ
桑田「誰がアホだぁ!? アホって言った奴がアホなんだよアホー!!」
斉木(その発言が一番アホっぽい)
腐川「あたしには……あるわ。思い当たる節が」
腐川「あたしの秘密を知られたら……あんた達はこぞってあたしを頃すに決まってる!」
腐川「だからって誰かを頃しても結局あたしはクロだとバレて処刑される……終わりよ、終わりだわ……!!」
朝日奈「お……落ち着きなって腐川ちゃん。思い切って打ち明けたら、みんな受け入れてくれるかもよ?」
大和田「オメェ何言ってんだよ、誰がそんな自分の首絞めるようなマネ……」
舞園「――舞園さやかは、ほぼ全てのライブでリップシンク……口パクをしています」
大和田「しちまうのかよ!?」
十神「俺には後ろめたい秘密など無いが、お前ら愚民は隠し事にまみれているんだろう?」
斉木(“十神白夜は魔法使いに憧れている”は隠さなくていいのか)
桑田「でもなー……どんな秘密を暴露されるか分からない分、思い当たるフシもあんまし無いっつーか」
腐川「あんたらしいアホな意見ね」ボソッ
桑田「誰がアホだぁ!? アホって言った奴がアホなんだよアホー!!」
斉木(その発言が一番アホっぽい)
腐川「あたしには……あるわ。思い当たる節が」
腐川「あたしの秘密を知られたら……あんた達はこぞってあたしを頃すに決まってる!」
腐川「だからって誰かを頃しても結局あたしはクロだとバレて処刑される……終わりよ、終わりだわ……!!」
朝日奈「お……落ち着きなって腐川ちゃん。思い切って打ち明けたら、みんな受け入れてくれるかもよ?」
大和田「オメェ何言ってんだよ、誰がそんな自分の首絞めるようなマネ……」
舞園「――舞園さやかは、ほぼ全てのライブでリップシンク……口パクをしています」
大和田「しちまうのかよ!?」
890: 2014/06/24(火) 22:40:59.43 ID:0Ep8zRthO
舞園「それから……クイズ番組でディレクターさんから答えを事前に教えてもらったことがあります」
舞園「他にも一昨年の京セラ公演でノーブラのままステージに立っちゃったこととか……」
舞園「あと、撮影用の水着を反対に着ちゃったこともありますね」
腐川「そんなこと言って、自分にダメージの少ない秘密を選んでるだけでしょ……どうせ枕営業してるくせに!」
舞園「未遂に終わったことなら1度だけありますよ」
桑田「それ言っていいのかよ舞園ちゃん!?」
舞園「但し私から営業に出向いたんじゃありません。まだ駆け出しの頃、某テレビ局のお偉いさんに騙されてホテルに連れ込まれちゃって……」
舞園「必氏で抵抗して逃げ出したら、その人が怒って週刊誌にウソの情報を売り込んだんです」
舞園「まあ、事務所が横分けヘアの敏腕弁護士さんに依頼してくださったお陰で裁判は圧勝でしたよ」
舞園「その人は口リコン工口親父だと業界で干され、私は慰謝料の2億円でお父さんにお家を買ってあげました」
舞園「今となっては週刊誌に“枕園さやかの下半身アンサンブル”なんて書かれたことも良い思い出です」ニコッ
葉隠「すげぇべ! 暴露本出したらベストセラー確実の内容だべ!」
舞園「他にも一昨年の京セラ公演でノーブラのままステージに立っちゃったこととか……」
舞園「あと、撮影用の水着を反対に着ちゃったこともありますね」
腐川「そんなこと言って、自分にダメージの少ない秘密を選んでるだけでしょ……どうせ枕営業してるくせに!」
舞園「未遂に終わったことなら1度だけありますよ」
桑田「それ言っていいのかよ舞園ちゃん!?」
舞園「但し私から営業に出向いたんじゃありません。まだ駆け出しの頃、某テレビ局のお偉いさんに騙されてホテルに連れ込まれちゃって……」
舞園「必氏で抵抗して逃げ出したら、その人が怒って週刊誌にウソの情報を売り込んだんです」
舞園「まあ、事務所が横分けヘアの敏腕弁護士さんに依頼してくださったお陰で裁判は圧勝でしたよ」
舞園「その人は口リコン工口親父だと業界で干され、私は慰謝料の2億円でお父さんにお家を買ってあげました」
舞園「今となっては週刊誌に“枕園さやかの下半身アンサンブル”なんて書かれたことも良い思い出です」ニコッ
葉隠「すげぇべ! 暴露本出したらベストセラー確実の内容だべ!」
892: 2014/06/24(火) 22:44:03.11 ID:0Ep8zRthO
苗木(……斉木クン、舞園さんの言ってることって)
斉木(嘘みたいな話だが全て事実だ)
斉木(あたかも発声練習をするかのように、躊躇なく言える度胸……超高校級のアイドルは伊達じゃないな)
苗木(でも、それだと舞園さんのアイドルとしての人気が……!)
舞園「心配しないでください。このくらいへっちゃらですよ!」
苗木「また考えてることを読まれた!?」
斉木(いつも僕がやってることだろ)
舞園「誰かを頃してしまうくらいなら……隠し事をぜんぶ話した方がよっぽどマシです」
舞園「スキャンダルがあっても人気は努力次第で取り戻せますが……命を奪った罪は、決して消えませんから」
苗木「舞園さん……」
苗木「……ボクは、小学5年生までおねしょ癖が治らなかったよ!」
舞園「えっ」
斉木(いきなり斜め上に行ったな)
斉木(嘘みたいな話だが全て事実だ)
斉木(あたかも発声練習をするかのように、躊躇なく言える度胸……超高校級のアイドルは伊達じゃないな)
苗木(でも、それだと舞園さんのアイドルとしての人気が……!)
舞園「心配しないでください。このくらいへっちゃらですよ!」
苗木「また考えてることを読まれた!?」
斉木(いつも僕がやってることだろ)
舞園「誰かを頃してしまうくらいなら……隠し事をぜんぶ話した方がよっぽどマシです」
舞園「スキャンダルがあっても人気は努力次第で取り戻せますが……命を奪った罪は、決して消えませんから」
苗木「舞園さん……」
苗木「……ボクは、小学5年生までおねしょ癖が治らなかったよ!」
舞園「えっ」
斉木(いきなり斜め上に行ったな)
894: 2014/06/24(火) 22:46:25.09 ID:0Ep8zRthO
苗木「ボクも舞園さんのマネをして恥ずかしい秘密を自己申告するんだ!」
斉木(だからっておねしょの話から入らなくても)
舞園「ありがとうございます。……苗木くんが私の味方でいてくれて、本当によかった」ウルッ
斉木(それに対して感極まらなくても)
石丸「さあ、皆も舞園くんと苗木くんを見習って恥を晒すのだ! 僕は祖父が大切にしていた盆栽を割ってしまったことがある!」
朝日奈「……え、えーと、私も水着を表裏逆に着ちゃったことあるよ! しかもそのまま大会に出て優勝したよ!」
山田「拙者は中学の文化祭で劇のBGMと間違えてアニソンを流したことがありますぞ!」
不二咲「……そ、その……いつか、ちゃんとみんなに言えるくらい強くなるから……!!」
斉木(軽い懺悔の部屋状態になっているが……案外いい流れかもしれない)
斉木(賭けに近いが、お前にも秘密をさらけ出してもらうぞ。腐川冬子……!!)スッ
江ノ島「あれ? 斉木、紙で指切ってね?」
腐川「指を切っ……!? それって血じゃないのぉぉぉぉぉぉ!!!」バターン
斉木(だからっておねしょの話から入らなくても)
舞園「ありがとうございます。……苗木くんが私の味方でいてくれて、本当によかった」ウルッ
斉木(それに対して感極まらなくても)
石丸「さあ、皆も舞園くんと苗木くんを見習って恥を晒すのだ! 僕は祖父が大切にしていた盆栽を割ってしまったことがある!」
朝日奈「……え、えーと、私も水着を表裏逆に着ちゃったことあるよ! しかもそのまま大会に出て優勝したよ!」
山田「拙者は中学の文化祭で劇のBGMと間違えてアニソンを流したことがありますぞ!」
不二咲「……そ、その……いつか、ちゃんとみんなに言えるくらい強くなるから……!!」
斉木(軽い懺悔の部屋状態になっているが……案外いい流れかもしれない)
斉木(賭けに近いが、お前にも秘密をさらけ出してもらうぞ。腐川冬子……!!)スッ
江ノ島「あれ? 斉木、紙で指切ってね?」
腐川「指を切っ……!? それって血じゃないのぉぉぉぉぉぉ!!!」バターン
895: 2014/06/24(火) 22:48:54.93 ID:0Ep8zRthO
葉隠「わぁぁ! 腐川っちが氏んだべ!!」
十神「この人でなし……」
大神「否……氏んではいない。気絶したのであろう」
不二咲「腐川さん、血が苦手って言ってたもんねぇ……」
江ノ島「え? なんで腐川倒れてんの? アタシ何かした?」
斉木(江ノ島さんは何も悪くない、僕が浅い切り傷を付けただけだ)
斉木(腐川さんは複雑な家庭環境、過酷な日常生活、歪みきった人格構造から、精神面で深刻な問題を抱えている)
斉木(それが……)
腐川?「呼ばれてないけど邪邪邪邪ぁーーーんっ!!!」シャキン
斉木(“解離性同一性障害”。俗に言う多重人格だ)
十神「この人でなし……」
大神「否……氏んではいない。気絶したのであろう」
不二咲「腐川さん、血が苦手って言ってたもんねぇ……」
江ノ島「え? なんで腐川倒れてんの? アタシ何かした?」
斉木(江ノ島さんは何も悪くない、僕が浅い切り傷を付けただけだ)
斉木(腐川さんは複雑な家庭環境、過酷な日常生活、歪みきった人格構造から、精神面で深刻な問題を抱えている)
斉木(それが……)
腐川?「呼ばれてないけど邪邪邪邪ぁーーーんっ!!!」シャキン
斉木(“解離性同一性障害”。俗に言う多重人格だ)
896: 2014/06/24(火) 22:51:21.16 ID:0Ep8zRthO
桑田「ちょ、待てよ腐川! カミングアウトするならもっとわかりやすいように言えっつーの!」
腐川?「アタシのこと腐川って呼ぶなやアポ! そういう気遣いができないせいで主人公から第1クロに格下げされたんじゃねーの!?」
桑田「いや何の話だよ!!」
苗木「あの……腐川さん、なんか雰囲気変わった……?」
腐川?「まーくん惜しいけどざんねーん☆ 変わったのは雰囲気じゃなくて人格でーっす!」
山田「な、なんと……腐川冬子殿は二重人格だったのですか!?」
腐川?「そゆことそゆこと! でもアタシは腐川冬子なんてダッセェ名前で呼ばれるのは御免なのよゴルァ!!」
霧切「もうひとつの人格は随分と攻撃的なのね……」
腐川?「そんでもって自分の名前が“腐川?”って表示されてる現状にもウンザリだから、」
腐川?「こっちのアタシのことは以後“ジェノサイダー翔”と呼ぶように!!」ビシィ
腐川?「アタシのこと腐川って呼ぶなやアポ! そういう気遣いができないせいで主人公から第1クロに格下げされたんじゃねーの!?」
桑田「いや何の話だよ!!」
苗木「あの……腐川さん、なんか雰囲気変わった……?」
腐川?「まーくん惜しいけどざんねーん☆ 変わったのは雰囲気じゃなくて人格でーっす!」
山田「な、なんと……腐川冬子殿は二重人格だったのですか!?」
腐川?「そゆことそゆこと! でもアタシは腐川冬子なんてダッセェ名前で呼ばれるのは御免なのよゴルァ!!」
霧切「もうひとつの人格は随分と攻撃的なのね……」
腐川?「そんでもって自分の名前が“腐川?”って表示されてる現状にもウンザリだから、」
腐川?「こっちのアタシのことは以後“ジェノサイダー翔”と呼ぶように!!」ビシィ
897: 2014/06/24(火) 22:53:28.82 ID:0Ep8zRthO
斉木(腐川さんは、くしゃみをするか血を見ることでもう1人の人格と交代する。それがこの“ジェノサイダー翔”だ)
ジェノ「あースッキリしたぁ! アイデンティティの確立って感じ!?」ゲラゲラゲラゲラ
苗木「ジェノサイダー翔……!?」
江ノ島「ジェノサイダー翔って、現場に“チミドロフィーバー”の血文字を書き残して遺体を磔にする、あの連続猟奇殺人鬼の!?」
斉木(説明乙)
十神「ククククク……十神家所有の極秘ファイル通りだ」
十神「ジェノサイダー翔は解離性同一性障害者……鋭く研いだ鋏を使って人を頃し、磔にする……」
十神「その太腿に装着したシザーケース! 幾つも刻まれた正の字! お前が本物のジェノサイダー翔である何よりの証だ!!」
ジェノ「やだー嬉しいー! アタシったらそんなにナマ足魅惑のマーメイドかしらん???」ニヤニヤ
斉木(敢えて何も言うまい)
十神「よもや希望ヶ峰学園の生徒の中に殺人鬼が紛れ込んでいたとは夢にも思わなかっただろうな!」
十神「どうする? 舞園のように監視対象にするか? 下手をすると返り討ちに遭うかもしれないぞ!?」
斉木(やけに楽しそうですね御曹司さん)
ジェノ「あースッキリしたぁ! アイデンティティの確立って感じ!?」ゲラゲラゲラゲラ
苗木「ジェノサイダー翔……!?」
江ノ島「ジェノサイダー翔って、現場に“チミドロフィーバー”の血文字を書き残して遺体を磔にする、あの連続猟奇殺人鬼の!?」
斉木(説明乙)
十神「ククククク……十神家所有の極秘ファイル通りだ」
十神「ジェノサイダー翔は解離性同一性障害者……鋭く研いだ鋏を使って人を頃し、磔にする……」
十神「その太腿に装着したシザーケース! 幾つも刻まれた正の字! お前が本物のジェノサイダー翔である何よりの証だ!!」
ジェノ「やだー嬉しいー! アタシったらそんなにナマ足魅惑のマーメイドかしらん???」ニヤニヤ
斉木(敢えて何も言うまい)
十神「よもや希望ヶ峰学園の生徒の中に殺人鬼が紛れ込んでいたとは夢にも思わなかっただろうな!」
十神「どうする? 舞園のように監視対象にするか? 下手をすると返り討ちに遭うかもしれないぞ!?」
斉木(やけに楽しそうですね御曹司さん)
899: 2014/06/24(火) 22:55:47.23 ID:0Ep8zRthO
石丸「決めつけは良くないぞ十神くん!」ビシッ
石丸「きっと腐川くんは己の秘密を吐露したかっただけだ! 僕達がその秘密を受け容れずして誰が受け容れるというのかね!!」
十神「一方的に信頼して何になる。相手が裏切るつもりだとは思わないのか?」
苗木「うん。腐川さんは誰かを頃したりなんかしない」
十神「……お前の善人ぶりには心底呆れる」
苗木「理由ならあるよ。腐川さんにとって最大の秘密は、ジェノサイダー翔のことだと思うんだ」
苗木「それをみんなに知られちゃった以上、腐川さんは誰かを頃しても秘密を隠しきれなくなる……ちっとも得しないんだよ」
霧切「その通りよ。加えて、今後事件が発生した場合、ジェノサイダー翔は真っ先に疑いを向けられるわ」
霧切「少なくとも今回は、舞園さんと腐川さんは事件を起こさないんじゃないかしら」
斉木(石丸の希望論はさておき……苗木と霧切さんの考えは的を射ている)
斉木(舞園さんは改心どころか積極的に事件を防ごうとした。実際秘密のカミングアウト大会によって場の空気はかなり和らいだ)
斉木(そして……ジェノサイダー翔もまた、この学園での人頃しはしないだろう)
石丸「きっと腐川くんは己の秘密を吐露したかっただけだ! 僕達がその秘密を受け容れずして誰が受け容れるというのかね!!」
十神「一方的に信頼して何になる。相手が裏切るつもりだとは思わないのか?」
苗木「うん。腐川さんは誰かを頃したりなんかしない」
十神「……お前の善人ぶりには心底呆れる」
苗木「理由ならあるよ。腐川さんにとって最大の秘密は、ジェノサイダー翔のことだと思うんだ」
苗木「それをみんなに知られちゃった以上、腐川さんは誰かを頃しても秘密を隠しきれなくなる……ちっとも得しないんだよ」
霧切「その通りよ。加えて、今後事件が発生した場合、ジェノサイダー翔は真っ先に疑いを向けられるわ」
霧切「少なくとも今回は、舞園さんと腐川さんは事件を起こさないんじゃないかしら」
斉木(石丸の希望論はさておき……苗木と霧切さんの考えは的を射ている)
斉木(舞園さんは改心どころか積極的に事件を防ごうとした。実際秘密のカミングアウト大会によって場の空気はかなり和らいだ)
斉木(そして……ジェノサイダー翔もまた、この学園での人頃しはしないだろう)
900: 2014/06/24(火) 22:57:37.83 ID:0Ep8zRthO
ジェノ「つーかさ、さっきからアタシが人を頃すか殺さないかについてグダグダ喋ってっけど……」
ジェノ「アタシは高潔なる誇りを持って人を頃す愛と正義の殺人鬼なの! 無駄な頃しはしない主義なのっ!!」
朝日奈「殺人そのものが無意味だと思うけど……」
ジェノ「ノンノン、そこは深く考えないこと! ところでアンタおっOいでかくね? 牛乳に相談した?」
朝日奈「ち……違うよっ!!」カァァァ
十神「ならば、お前が考える無駄ではない殺人とは何だ?」
ジェノ「アタシが頃すのは“萌える男子”だけ! 女子供は関係ないのよ!! ドューユーアンダスタァン?」
山田「萌える男子とはどのような……?」
ジェノ「そうねぇ……この中で“萌える男子”に該当するのは、そこのパツキンイケメン眼鏡ぐらいのモンね!」
ジェノ「奥の方に立ってるパラスコ星人も良さげだけどカラーリングが目に優しくないからアウト。他は今後の成長に期待!」
斉木(パラスコ星人って誰だ?)イラッ
苗木(たぶん斉木クンのことだと思う……)
ジェノ「アタシは高潔なる誇りを持って人を頃す愛と正義の殺人鬼なの! 無駄な頃しはしない主義なのっ!!」
朝日奈「殺人そのものが無意味だと思うけど……」
ジェノ「ノンノン、そこは深く考えないこと! ところでアンタおっOいでかくね? 牛乳に相談した?」
朝日奈「ち……違うよっ!!」カァァァ
十神「ならば、お前が考える無駄ではない殺人とは何だ?」
ジェノ「アタシが頃すのは“萌える男子”だけ! 女子供は関係ないのよ!! ドューユーアンダスタァン?」
山田「萌える男子とはどのような……?」
ジェノ「そうねぇ……この中で“萌える男子”に該当するのは、そこのパツキンイケメン眼鏡ぐらいのモンね!」
ジェノ「奥の方に立ってるパラスコ星人も良さげだけどカラーリングが目に優しくないからアウト。他は今後の成長に期待!」
斉木(パラスコ星人って誰だ?)イラッ
苗木(たぶん斉木クンのことだと思う……)
901: 2014/06/24(火) 22:59:46.16 ID:0Ep8zRthO
石丸「これでわかっただろう。腐川くんは人頃しなどしない!」
石丸「腐川くんが人頃しをしないということは、16人の中で誰も人頃しをしないということだ!」
江ノ島「いや話飛躍しすぎじゃね?」
十神「……そこまで自信満々に断言するならば、俺は黙って24時間後を待つとしよう」
十神「それまでお前らは互いの傷を舐め合っていろ」スタスタ
斉木(やれやれ……一か八かだったが、ジェノサイダー翔はあまり大きな騒動にならずに済んだ)
斉木(いつもの方の腐川さんが人を頃す可能性も捨てきれないが……テレパシーに集中すれば事件を阻止できる)
斉木(残る要注意人物は……内通者の2人と、元から誰かを頃すつもりのルーデンベルクさん、あと一応十神)
大和田「…………なぁ“宿敵”、早くプールに行こうぜ。急がねーと自由形水泳50往復対決ができなくなっちまう」
石丸「む、それもそうだな! 今日はこれで解散だ、モノクマになど惑わされず普段通り過ごすのだぞ!」
斉木(そして……秘密を隠すことに執着して生きてきた男、大和田紋土だ)
石丸「腐川くんが人頃しをしないということは、16人の中で誰も人頃しをしないということだ!」
江ノ島「いや話飛躍しすぎじゃね?」
十神「……そこまで自信満々に断言するならば、俺は黙って24時間後を待つとしよう」
十神「それまでお前らは互いの傷を舐め合っていろ」スタスタ
斉木(やれやれ……一か八かだったが、ジェノサイダー翔はあまり大きな騒動にならずに済んだ)
斉木(いつもの方の腐川さんが人を頃す可能性も捨てきれないが……テレパシーに集中すれば事件を阻止できる)
斉木(残る要注意人物は……内通者の2人と、元から誰かを頃すつもりのルーデンベルクさん、あと一応十神)
大和田「…………なぁ“宿敵”、早くプールに行こうぜ。急がねーと自由形水泳50往復対決ができなくなっちまう」
石丸「む、それもそうだな! 今日はこれで解散だ、モノクマになど惑わされず普段通り過ごすのだぞ!」
斉木(そして……秘密を隠すことに執着して生きてきた男、大和田紋土だ)
902: 2014/06/24(火) 23:01:39.94 ID:0Ep8zRthO
【校舎2階・男子更衣室】
苗木「……それで、どうしてボクまでここに……?」
斉木(コロシアイ阻止の一環だ。お前は了承してくれたはずだろう?)
苗木「それはそうだけど……ここで事件は起きにくいっていうか……」
苗木(どちらかというとプールで溺氏とかの方がありえそうかなって……)
斉木(よく考えろ。観戦者がいる状況でどうやって相手を溺れさせる? 事故に見せかけた殺人は僕には通用しないぞ)
斉木(何より問題なのは更衣室のセキュリティシステムだ。電子生徒手帳を取り出して解錠する手間が掛かる)
斉木(万が一の事態に備えるなら、鍵の内側でギリギリまで粘った方が確実だろう)
苗木(納得したような……納得できないような)
大和田「おう! オメェらいつまでオレ達のこと待ってんだ?」
苗木「えっ? いやぁ……プールサイドに行ってもやることがないからさ……?」チラッ
斉木(何だその目配せは)
石丸「よいではないか“宿敵”よ! 彼らは貴重な観戦者だ!」
石丸「モノクマのせいで舞園くんと腐川くんの興が醒めてしまった今、僕達の勝負の行く末を見届けてくれるのは彼ら2人しかいない!」
大和田「そうなのか? 不二咲も水泳対決見たいって言ってたぞ」
石丸「何だと? それでは不二咲くんも含めると観客は3人になるのだな! 嬉しい誤算だ!」
苗木(きっと不二咲クンは男の友情に憧れたんだろうね……)
斉木(不二咲がこいつらと同じ方向に進まないことを切に願おう)
苗木「……それで、どうしてボクまでここに……?」
斉木(コロシアイ阻止の一環だ。お前は了承してくれたはずだろう?)
苗木「それはそうだけど……ここで事件は起きにくいっていうか……」
苗木(どちらかというとプールで溺氏とかの方がありえそうかなって……)
斉木(よく考えろ。観戦者がいる状況でどうやって相手を溺れさせる? 事故に見せかけた殺人は僕には通用しないぞ)
斉木(何より問題なのは更衣室のセキュリティシステムだ。電子生徒手帳を取り出して解錠する手間が掛かる)
斉木(万が一の事態に備えるなら、鍵の内側でギリギリまで粘った方が確実だろう)
苗木(納得したような……納得できないような)
大和田「おう! オメェらいつまでオレ達のこと待ってんだ?」
苗木「えっ? いやぁ……プールサイドに行ってもやることがないからさ……?」チラッ
斉木(何だその目配せは)
石丸「よいではないか“宿敵”よ! 彼らは貴重な観戦者だ!」
石丸「モノクマのせいで舞園くんと腐川くんの興が醒めてしまった今、僕達の勝負の行く末を見届けてくれるのは彼ら2人しかいない!」
大和田「そうなのか? 不二咲も水泳対決見たいって言ってたぞ」
石丸「何だと? それでは不二咲くんも含めると観客は3人になるのだな! 嬉しい誤算だ!」
苗木(きっと不二咲クンは男の友情に憧れたんだろうね……)
斉木(不二咲がこいつらと同じ方向に進まないことを切に願おう)
903: 2014/06/24(火) 23:03:03.40 ID:0Ep8zRthO
大和田「ここまでは2勝2敗1分……この対決でようやくオレの勝ちが決まる!」
石丸「寝言は寝て言いたまえ! この対決で勝利するのは僕だ!」
大和田「抜かすじゃねーか“宿敵”……オレは泣く子も黙る関東最大の暴走族“暮威慈畏大亜紋土”の総長なんだぞ?」
石丸「暴走族など知ったことではない! 僕は日本随一の偏差値を誇る高校で風紀委員を務めた“超高校級の風紀委員”だ!」
斉木(お前らの馬鹿さ加減を鑑みると完全に設定負けしてるな)
大和田「オレは総長になって以来“走り”も“喧嘩”も負けたことがねえぜ! オレの勝負にはメンバー全員の誇りが懸かってんだ!」
石丸「僕は文武両道を体現するために鍛錬を積み重ねてきた人間だぞ! 誰が相手であろうと戸惑うことは無い!」
石丸「だからこそ……だからこそ僕は、モノクマの殺人教唆にも動じないのだっ!!」
大和田「………………!!」ギリッ
斉木(何の戸惑いも無く地雷を踏み抜きやがった)
石丸「寝言は寝て言いたまえ! この対決で勝利するのは僕だ!」
大和田「抜かすじゃねーか“宿敵”……オレは泣く子も黙る関東最大の暴走族“暮威慈畏大亜紋土”の総長なんだぞ?」
石丸「暴走族など知ったことではない! 僕は日本随一の偏差値を誇る高校で風紀委員を務めた“超高校級の風紀委員”だ!」
斉木(お前らの馬鹿さ加減を鑑みると完全に設定負けしてるな)
大和田「オレは総長になって以来“走り”も“喧嘩”も負けたことがねえぜ! オレの勝負にはメンバー全員の誇りが懸かってんだ!」
石丸「僕は文武両道を体現するために鍛錬を積み重ねてきた人間だぞ! 誰が相手であろうと戸惑うことは無い!」
石丸「だからこそ……だからこそ僕は、モノクマの殺人教唆にも動じないのだっ!!」
大和田「………………!!」ギリッ
斉木(何の戸惑いも無く地雷を踏み抜きやがった)
904: 2014/06/24(火) 23:05:16.36 ID:0Ep8zRthO
斉木(まずい……大和田の心の声が激情で満ちてくる)
苗木「……お、大和田クン……ちょっと怖い顔してる、よ……?」
大和田「…………のかよ」
石丸「む? 聞こえないぞ、もっと大きな声で話したまえ!」
大和田「……弱いのかよ」
大和田「モノクマの脅しに怯えるような奴は弱いのかよ……」
石丸「僕はそう思うぞ! 屈強な心を持っていれば秘密の暴露など痛くも痒くもない!」
斉木(監視カメラは……氏角がゼロになる場所を計算して設置されている)
斉木(悪目立ちする超能力は使えない……!)
大和田「そうか……オレは弱くてオメェは強えってのか……!!」
苗木「落ち着いてよ大和田クン! ほら、深呼吸して!」
石丸「“宿敵”……どうしたのだ……?」
大和田「“秘密”の上に成り立つ“強さ”が、“強さ”がねぇと守れねぇ“約束”が」
斉木(大和田の突発的犯行を防ぐためには)
大和田「“約束”のために“秘密”を隠し続ける苦しみが……!」グッ
斉木(ダンベルを振り下ろす腕の軌道を……)
大和田「オメェなんかに!! わかるってのかよおおおおおお!!!!!」
斉木(“サイコキネシス”でねじ曲げる!!)フォン
不二咲「やめて大和田くん――」
ガンッ
苗木「……お、大和田クン……ちょっと怖い顔してる、よ……?」
大和田「…………のかよ」
石丸「む? 聞こえないぞ、もっと大きな声で話したまえ!」
大和田「……弱いのかよ」
大和田「モノクマの脅しに怯えるような奴は弱いのかよ……」
石丸「僕はそう思うぞ! 屈強な心を持っていれば秘密の暴露など痛くも痒くもない!」
斉木(監視カメラは……氏角がゼロになる場所を計算して設置されている)
斉木(悪目立ちする超能力は使えない……!)
大和田「そうか……オレは弱くてオメェは強えってのか……!!」
苗木「落ち着いてよ大和田クン! ほら、深呼吸して!」
石丸「“宿敵”……どうしたのだ……?」
大和田「“秘密”の上に成り立つ“強さ”が、“強さ”がねぇと守れねぇ“約束”が」
斉木(大和田の突発的犯行を防ぐためには)
大和田「“約束”のために“秘密”を隠し続ける苦しみが……!」グッ
斉木(ダンベルを振り下ろす腕の軌道を……)
大和田「オメェなんかに!! わかるってのかよおおおおおお!!!!!」
斉木(“サイコキネシス”でねじ曲げる!!)フォン
不二咲「やめて大和田くん――」
ガンッ
906: 2014/06/24(火) 23:07:38.41 ID:0Ep8zRthO
斉木(――テレパシーを大和田に集中させていたせいで気付けなかった)
斉木(まさかこんな都合の良すぎる……いや、都合の悪すぎるタイミングで、男子更衣室のドアを開けて)
斉木(不二咲が飛び込んでくるだなんて……!!)
石丸「なっ……ふ、不二咲くん!?」
苗木「不二咲クン! しっかりして、不二咲クン!!」
苗木(斉木クン! 早く不二咲クンに復元の超能力を!)
斉木(言われるまでもない、“復元”!)キィン
大和田「………………どうして」ガクッ
大和田「…………オレは今、石丸を殺そうとして」
石丸「――何故だ!?」ガシッ
石丸「何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?」
石丸「何故……こんなことをしたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
苗木「やめてよ2人とも!! 不二咲クンなら一命を取り留めたから――」
斉木(……すまない。無事とは言えない状況だ)
苗木「え?」
斉木(不二咲の体は24時間前の健康な状態に戻った。呼吸や心拍数にも異常は無い)
斉木(だというのに……不二咲のテレパシーが全く聞こえてこないんだ)
苗木「……まさか」
斉木(不二咲の意識が……戻らない……!!)
斉木(まさかこんな都合の良すぎる……いや、都合の悪すぎるタイミングで、男子更衣室のドアを開けて)
斉木(不二咲が飛び込んでくるだなんて……!!)
石丸「なっ……ふ、不二咲くん!?」
苗木「不二咲クン! しっかりして、不二咲クン!!」
苗木(斉木クン! 早く不二咲クンに復元の超能力を!)
斉木(言われるまでもない、“復元”!)キィン
大和田「………………どうして」ガクッ
大和田「…………オレは今、石丸を殺そうとして」
石丸「――何故だ!?」ガシッ
石丸「何故だ……何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?」
石丸「何故……こんなことをしたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
苗木「やめてよ2人とも!! 不二咲クンなら一命を取り留めたから――」
斉木(……すまない。無事とは言えない状況だ)
苗木「え?」
斉木(不二咲の体は24時間前の健康な状態に戻った。呼吸や心拍数にも異常は無い)
斉木(だというのに……不二咲のテレパシーが全く聞こえてこないんだ)
苗木「……まさか」
斉木(不二咲の意識が……戻らない……!!)
907: 2014/06/24(火) 23:09:42.65 ID:0Ep8zRthO
ピンポンパンポーン
モノクマ『氏体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を開きまーす!』
モノクマ『……と言いたいけど、まだ不二咲くんは氏んでないし、大和田くんは犯行現場を3人に目撃されてるんだよねぇ』
モノクマ『うーん……非常に残念だけど、今回の学級裁判はナシ!』
モノクマ『意識不明の不二咲くんがお亡くなり次第、大和田くんへのオシオキを執り行いまーす!!』
モノクマ『いやぁ、大和田くんには中々に絶望的なモノを見せてもらっちゃったね!』
モノクマ『今回はご都合展開じゃなく、ちゃーんと3階を開放してあげるし……』
モノクマ『オマエラの秘密も“大和田紋土は兄を頃した”ってこと以外は暴露しないどいてあげるよ!!』
モノクマ『それじゃあ大和田くん、残り少ない執行猶予期間を有意義に過ごしてねー! ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!!』
ピンポンパンポーン
石丸「苗木くん、斉木くん。済まないが不二咲くんを運ぶのを手伝ってはくれまいか」
苗木「……それなら、ボクらよりも力持ちの大和田くんの方が」
石丸「不二咲くんの華奢な身体を人頃しに運ばせるのかね」
苗木「そんな言い方っ……!」
石丸「彼には心底失望した」
石丸「暴走族とは、掛け替えのない兄弟や友人をいとも容易く頃してしまう最低の人種だったのだな」
大和田「待てよ! それは――」
石丸「この期に及んでまだ言い訳をするのか!!」
大和田「ぐっ……」
石丸「……もういい、不二咲くんは僕が看病する。人頃しは二度と不二咲くんの前に姿を見せるな」
石丸「少しでもお前と理解し合えると勘違いした僕が馬鹿だった!!!」
斉木(……どうしてこうなった)
斉木(サイコキネシスを使わなければよかったのか? モノクマに動機提供の話をさせなければよかったのか?)
斉木(それとも……僕は協力者がいることに安堵して、事件発生を阻止するための努力を怠ってしまったのか……?)
モノクマ『氏体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を開きまーす!』
モノクマ『……と言いたいけど、まだ不二咲くんは氏んでないし、大和田くんは犯行現場を3人に目撃されてるんだよねぇ』
モノクマ『うーん……非常に残念だけど、今回の学級裁判はナシ!』
モノクマ『意識不明の不二咲くんがお亡くなり次第、大和田くんへのオシオキを執り行いまーす!!』
モノクマ『いやぁ、大和田くんには中々に絶望的なモノを見せてもらっちゃったね!』
モノクマ『今回はご都合展開じゃなく、ちゃーんと3階を開放してあげるし……』
モノクマ『オマエラの秘密も“大和田紋土は兄を頃した”ってこと以外は暴露しないどいてあげるよ!!』
モノクマ『それじゃあ大和田くん、残り少ない執行猶予期間を有意義に過ごしてねー! ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!!』
ピンポンパンポーン
石丸「苗木くん、斉木くん。済まないが不二咲くんを運ぶのを手伝ってはくれまいか」
苗木「……それなら、ボクらよりも力持ちの大和田くんの方が」
石丸「不二咲くんの華奢な身体を人頃しに運ばせるのかね」
苗木「そんな言い方っ……!」
石丸「彼には心底失望した」
石丸「暴走族とは、掛け替えのない兄弟や友人をいとも容易く頃してしまう最低の人種だったのだな」
大和田「待てよ! それは――」
石丸「この期に及んでまだ言い訳をするのか!!」
大和田「ぐっ……」
石丸「……もういい、不二咲くんは僕が看病する。人頃しは二度と不二咲くんの前に姿を見せるな」
石丸「少しでもお前と理解し合えると勘違いした僕が馬鹿だった!!!」
斉木(……どうしてこうなった)
斉木(サイコキネシスを使わなければよかったのか? モノクマに動機提供の話をさせなければよかったのか?)
斉木(それとも……僕は協力者がいることに安堵して、事件発生を阻止するための努力を怠ってしまったのか……?)
908: 2014/06/24(火) 23:11:04.56 ID:0Ep8zRthO
今回はここまでです。
「週刊少年ゼツボウマガジン」の醍醐味は、学園生活の中で築かれた友情がモノクマの手によって瓦解してしまうところにあると思います。
……それを実践しようとしたら、かなり駆け足な展開になってしまいました。反省。
おそらく次回でChapter2完結です。もうしばらくお待ちください。
「週刊少年ゼツボウマガジン」の醍醐味は、学園生活の中で築かれた友情がモノクマの手によって瓦解してしまうところにあると思います。
……それを実践しようとしたら、かなり駆け足な展開になってしまいました。反省。
おそらく次回でChapter2完結です。もうしばらくお待ちください。
951: 2014/08/11(月) 01:07:31.89 ID:RTCZbhaiO
【前回のあらすじ】
パラスコ星人
【不二咲の個室】
不二咲「………………」
石丸「……調子はどうかね」
石丸「僕たちの調子はすこぶる良好だぞ。今しがた朝食会の片付けを終えて戻ってきたところだ」
石丸「ジェノサイダー翔……とやらは、特に問題を起こすこともなく皆と交流している」
石丸「十神くんに関しては相変わらず挑発的な言動が目立つが、案ずることはない」
石丸「彼は率先してジェノサイダー翔の相手をしてくれているのだ!」ハッハッハッ
不二咲「………………」
石丸「………………」
石丸「……すまない。今のは笑いどころではなかったようだな」
パラスコ星人
【不二咲の個室】
不二咲「………………」
石丸「……調子はどうかね」
石丸「僕たちの調子はすこぶる良好だぞ。今しがた朝食会の片付けを終えて戻ってきたところだ」
石丸「ジェノサイダー翔……とやらは、特に問題を起こすこともなく皆と交流している」
石丸「十神くんに関しては相変わらず挑発的な言動が目立つが、案ずることはない」
石丸「彼は率先してジェノサイダー翔の相手をしてくれているのだ!」ハッハッハッ
不二咲「………………」
石丸「………………」
石丸「……すまない。今のは笑いどころではなかったようだな」
952: 2014/08/11(月) 01:08:25.63 ID:RTCZbhaiO
石丸「それにしても……丸3日も経つが、お腹は空かないのかね?」
石丸「健康な身体は健康な食生活からなるのだぞ。このままでは餓氏してしまうではないか!」
不二咲「………………」
石丸「……それとも、君はあの男を頃したいのか?」
石丸「僕は反対だ。あの男が処刑される条件は、君が息を引き取ること……」
石丸「確かに彼は罰せられるべきだが、君は氏ぬべきではない。大切な仲間が1人減ってしまう!」
不二咲「………………」
石丸「……君が目覚めるまで、僕はずっと看病を続ける」
石丸「今は封鎖されているが、校舎1階の保健室もいつかは開放される。保健室を利用すれば看病も捗るはずだ!」
石丸「手始めに医学書を読み漁るとしよう! 何、万全の知識を身に付ければ長期治療など恐るるに足らない!」
不二咲「………………」
石丸「だから……君も、頑張って生きていてくれ」
石丸「僕を……ひとりにしないでくれ……」
石丸「健康な身体は健康な食生活からなるのだぞ。このままでは餓氏してしまうではないか!」
不二咲「………………」
石丸「……それとも、君はあの男を頃したいのか?」
石丸「僕は反対だ。あの男が処刑される条件は、君が息を引き取ること……」
石丸「確かに彼は罰せられるべきだが、君は氏ぬべきではない。大切な仲間が1人減ってしまう!」
不二咲「………………」
石丸「……君が目覚めるまで、僕はずっと看病を続ける」
石丸「今は封鎖されているが、校舎1階の保健室もいつかは開放される。保健室を利用すれば看病も捗るはずだ!」
石丸「手始めに医学書を読み漁るとしよう! 何、万全の知識を身に付ければ長期治療など恐るるに足らない!」
不二咲「………………」
石丸「だから……君も、頑張って生きていてくれ」
石丸「僕を……ひとりにしないでくれ……」
953: 2014/08/11(月) 01:10:24.25 ID:RTCZbhaiO
斉木(……やれやれ。今回の事件、石丸の方が大きなダメージを受けたんじゃないのか?)
斉木(不二咲は3日経っても目覚める気配が無い。せめて不二咲の部屋に直接入れたら手掛かりを掴めるかもしれないが……)
斉木(石丸が他の生徒を徹底的に追い出すせいで、千里眼すら使えやしない……)
幽霊「ハロー超能力者くん!」
斉木()
幽霊「なかなか幽体離脱してくれなかったから寂しかったよ! 3~4ヶ月ぶりの再会かな?」
斉木(作中時間はそこまで経っていない。冷やかしなら消えてくれ)
幽霊「冷やかしなんかじゃないよ! 俺はあの2人のことが気になって仕方ないだけなんだ!」
斉木(……大和田と石丸のことか)
幽霊「そうだよ。君が総長に山盛りの激マズパスタを食わせてグロッキー状態にしてくれてたら事件も防げたはずなのに!」
斉木(そんな所業ができるのは大泉洋くらいだろ)
幽霊「ところでシゲのBE MY BABYはいつになったらネタにしてもらえるのかな? 俺アレのせいで原曲聴いても笑っちゃうんだよね」
斉木(知るか。僕は1×8派だ)
幽霊「なんだ……君は日5そっちのけで木村アナ演じるおばちゃん役を観ちゃうタイプの人か」ショボン
斉木(冗談じゃない。あの人最近はSTVの番宣でも誰得女装するようになってしまったんだぞ)
幽霊「もうやめてくれ! 誰のせいでこんなに話が脱線したと思ってるんだよ!!」
斉木(お前だ)
斉木(不二咲は3日経っても目覚める気配が無い。せめて不二咲の部屋に直接入れたら手掛かりを掴めるかもしれないが……)
斉木(石丸が他の生徒を徹底的に追い出すせいで、千里眼すら使えやしない……)
幽霊「ハロー超能力者くん!」
斉木()
幽霊「なかなか幽体離脱してくれなかったから寂しかったよ! 3~4ヶ月ぶりの再会かな?」
斉木(作中時間はそこまで経っていない。冷やかしなら消えてくれ)
幽霊「冷やかしなんかじゃないよ! 俺はあの2人のことが気になって仕方ないだけなんだ!」
斉木(……大和田と石丸のことか)
幽霊「そうだよ。君が総長に山盛りの激マズパスタを食わせてグロッキー状態にしてくれてたら事件も防げたはずなのに!」
斉木(そんな所業ができるのは大泉洋くらいだろ)
幽霊「ところでシゲのBE MY BABYはいつになったらネタにしてもらえるのかな? 俺アレのせいで原曲聴いても笑っちゃうんだよね」
斉木(知るか。僕は1×8派だ)
幽霊「なんだ……君は日5そっちのけで木村アナ演じるおばちゃん役を観ちゃうタイプの人か」ショボン
斉木(冗談じゃない。あの人最近はSTVの番宣でも誰得女装するようになってしまったんだぞ)
幽霊「もうやめてくれ! 誰のせいでこんなに話が脱線したと思ってるんだよ!!」
斉木(お前だ)
954: 2014/08/11(月) 01:12:17.79 ID:RTCZbhaiO
斉木(それに……今回の事件で不二咲を殴打したのは大和田ということになっているが)
斉木(あれは僕の仕業だ。僕が超能力の使いどころを誤ったせいで……大和田を止めるどころか……)
幽霊「やっぱりね。ダンベルで誰かを殴ろうとして、人間の腕があんな奇妙な動きをするはずがない」
幽霊「でも……少なくとも君は、風紀委員くんの命を救ってくれた。感謝しているよ」
斉木(その石丸はあんなにやつれているぞ? お前も見ただろう、現在の石丸は不二咲の介抱だけを心の拠り所にしている)
幽霊「じゃあ君が心の拠り所を増やしてやってくれないか? 風紀委員くんは意地を張ってるけど、本当は誰よりも総長のことを信じているはずだ」
幽霊「超能力者くんならそれくらい分かるんでしょ。テレパシーとか使えそうだし」
斉木(馬鹿言うな。超能力は万能ではない、他人同士を仲直りさせることなどできるものか)
幽霊「とか言っちゃって……連載第1話は両親を仲直りさせる話じゃなかったっけ?」
斉木(なんでそんなこと知ってるんだよ)
斉木(あれは僕の仕業だ。僕が超能力の使いどころを誤ったせいで……大和田を止めるどころか……)
幽霊「やっぱりね。ダンベルで誰かを殴ろうとして、人間の腕があんな奇妙な動きをするはずがない」
幽霊「でも……少なくとも君は、風紀委員くんの命を救ってくれた。感謝しているよ」
斉木(その石丸はあんなにやつれているぞ? お前も見ただろう、現在の石丸は不二咲の介抱だけを心の拠り所にしている)
幽霊「じゃあ君が心の拠り所を増やしてやってくれないか? 風紀委員くんは意地を張ってるけど、本当は誰よりも総長のことを信じているはずだ」
幽霊「超能力者くんならそれくらい分かるんでしょ。テレパシーとか使えそうだし」
斉木(馬鹿言うな。超能力は万能ではない、他人同士を仲直りさせることなどできるものか)
幽霊「とか言っちゃって……連載第1話は両親を仲直りさせる話じゃなかったっけ?」
斉木(なんでそんなこと知ってるんだよ)
955: 2014/08/11(月) 01:14:09.91 ID:RTCZbhaiO
斉木(それより少し黙ってろ。苗木と石丸が喋っている)
幽霊「苗木? ああ、幸運枠で入学したアンテナくんか!」
石丸「やあ苗木くん。すまないが、まだ不二咲くんの部屋には入らないでくれ」
苗木「不二咲クンのことも気になるけど……ボクの用事はお見舞いじゃないんだ」
苗木「石丸クン! もう一度大和田クンとサウナ対決をしてよ!!」
斉木(ちょっとまてわけがわからない)
石丸「またその話かね! 今日で3度目だぞ!」
苗木「でもボクだってこのまま終わるのは嫌なんだ!」
石丸「朝食会の後にも言ったが、僕はこの期に及んであんな人頃しと関わるつもりは無い」
石丸「不二咲くんの看病を怠るわけにもいかないし、何よりあんな奴に貴重な時間を割きたくないのだ!」
苗木「だけど、このままじゃ2人の対決は決着がつかないまま終わっちゃうし……」
苗木(永遠に仲直りできなくなったら……大和田クンも石丸クンも、ボクもきっと後悔する……!)
斉木(………………)
幽霊「苗木? ああ、幸運枠で入学したアンテナくんか!」
石丸「やあ苗木くん。すまないが、まだ不二咲くんの部屋には入らないでくれ」
苗木「不二咲クンのことも気になるけど……ボクの用事はお見舞いじゃないんだ」
苗木「石丸クン! もう一度大和田クンとサウナ対決をしてよ!!」
斉木(ちょっとまてわけがわからない)
石丸「またその話かね! 今日で3度目だぞ!」
苗木「でもボクだってこのまま終わるのは嫌なんだ!」
石丸「朝食会の後にも言ったが、僕はこの期に及んであんな人頃しと関わるつもりは無い」
石丸「不二咲くんの看病を怠るわけにもいかないし、何よりあんな奴に貴重な時間を割きたくないのだ!」
苗木「だけど、このままじゃ2人の対決は決着がつかないまま終わっちゃうし……」
苗木(永遠に仲直りできなくなったら……大和田クンも石丸クンも、ボクもきっと後悔する……!)
斉木(………………)
956: 2014/08/11(月) 01:16:19.96 ID:RTCZbhaiO
石丸「人頃しとの決着などつかないままで構わない。僕は看病で忙しいのだ、帰ってくれないだろうか」
苗木「……また後で来るよ。ボクは諦めないからね」スタスタ
幽霊「へー……アンテナくんもアンテナくんなりに2人をどうにかしようと頑張ってるね」
斉木(……幽霊。僕は2人を仲直りさせることは不可能だと言ったが、前言撤回だ)
幽霊「え!? マジ!?」
斉木(お前の活躍次第では、大和田と石丸の仲を改善させられるかもしれない)
幽霊「よっしゃー!! なんだか俺の出番もChapter2限りな気がするしメインキャラを食うぐらいの意気込みで活躍するぞー!!」
斉木(いい加減そのメタギャグ連発やめてくんない?)
幽霊「それでは俺は総長の様子を見に行ってくるよ! また後で打ち合わせしようねー!」ヒューン
斉木(……やっと行ったか。幽霊の心は読めないからどうも苦手だ)
斉木(僕もそれなりに策は講じているが、石丸を大浴場へ行かせなければ話にならない)
斉木(そのためには超能力で……)
『ババンババンバンバン……』
石丸「……む? 空耳か?」
『ババンババンバンバン……』
石丸「何故だろう……時には時間を忘れて湯舟でのびのびとしたい気分になってきたぞ……」
石丸「……はっ! そんなことより今は医学書を優先せねば!」
斉木(石丸の脳内に温泉ステマソングを流し、気持ちを傾けていこうと思う)
苗木「……また後で来るよ。ボクは諦めないからね」スタスタ
幽霊「へー……アンテナくんもアンテナくんなりに2人をどうにかしようと頑張ってるね」
斉木(……幽霊。僕は2人を仲直りさせることは不可能だと言ったが、前言撤回だ)
幽霊「え!? マジ!?」
斉木(お前の活躍次第では、大和田と石丸の仲を改善させられるかもしれない)
幽霊「よっしゃー!! なんだか俺の出番もChapter2限りな気がするしメインキャラを食うぐらいの意気込みで活躍するぞー!!」
斉木(いい加減そのメタギャグ連発やめてくんない?)
幽霊「それでは俺は総長の様子を見に行ってくるよ! また後で打ち合わせしようねー!」ヒューン
斉木(……やっと行ったか。幽霊の心は読めないからどうも苦手だ)
斉木(僕もそれなりに策は講じているが、石丸を大浴場へ行かせなければ話にならない)
斉木(そのためには超能力で……)
『ババンババンバンバン……』
石丸「……む? 空耳か?」
『ババンババンバンバン……』
石丸「何故だろう……時には時間を忘れて湯舟でのびのびとしたい気分になってきたぞ……」
石丸「……はっ! そんなことより今は医学書を優先せねば!」
斉木(石丸の脳内に温泉ステマソングを流し、気持ちを傾けていこうと思う)
957: 2014/08/11(月) 01:17:48.71 ID:RTCZbhaiO
【校舎3階・物理室】
大和田「………………」
舞園「……ここに居たんですね」
大和田「舞園……1人なのか? 見張りはどうした」
舞園「桑田くんと江ノ島さんなら、外で待ってくれています」
舞園「万が一私が大和田くんを頃しても、部屋の出入口を見張っていれば現行犯で取り押さえられる……という算段です」
大和田「怖くねぇのかよ。オレがオメェを頃すかもしれないだろ」
舞園「ご冗談を。大和田くんは女性に手を上げるような人じゃありません」
大和田「根拠も無いのにえらい自信だな」
大和田「オレは……不二咲に、か弱い女子に手を上げたんだぞ」
舞園「不二咲くんは男の子だったんですよ。石丸くんがみんなに報告してくれました」
大和田「はァ!? 男っ……不二咲が!?」
舞園「男の子です。紛れもなく男の子です」
大和田「……妙に納得したぜ。アイツ、やけに“男の約束”って言葉に喜んでたもんな……」
大和田「………………」
舞園「……ここに居たんですね」
大和田「舞園……1人なのか? 見張りはどうした」
舞園「桑田くんと江ノ島さんなら、外で待ってくれています」
舞園「万が一私が大和田くんを頃しても、部屋の出入口を見張っていれば現行犯で取り押さえられる……という算段です」
大和田「怖くねぇのかよ。オレがオメェを頃すかもしれないだろ」
舞園「ご冗談を。大和田くんは女性に手を上げるような人じゃありません」
大和田「根拠も無いのにえらい自信だな」
大和田「オレは……不二咲に、か弱い女子に手を上げたんだぞ」
舞園「不二咲くんは男の子だったんですよ。石丸くんがみんなに報告してくれました」
大和田「はァ!? 男っ……不二咲が!?」
舞園「男の子です。紛れもなく男の子です」
大和田「……妙に納得したぜ。アイツ、やけに“男の約束”って言葉に喜んでたもんな……」
958: 2014/08/11(月) 01:19:01.97 ID:RTCZbhaiO
舞園「ふぅ、やっと登れました。梯子ってちょっと怖いですね」
大和田「天下の希望ヶ峰学園がボロい梯子を使うわけねーだろ」
舞園「言われてみればそうでした。お隣、失礼します」
大和田「おう」
大和田「……ところでオメェ、何でこの場所が分かったんだ?」
舞園「大和田くんは物理室の奥……梯子を登ったところのロフトで孤独に座り込んでいる、って予知したんです! エスパーですから!」
大和田「ヤケに細けぇ予知だな。的中してんのが更に不気味だぜ」
舞園「うふふ、冗談ですよ。電子生徒手帳にみんなの居場所を調べてくれる機能があるんです」
大和田「そいつを使っても大方の居場所しかわかんねーだろ。ロフトの上だなんて、どうやって見分けんだ?」
舞園「そこは私の推理です。このロフトからだと――」
ゴオオオオオオオ
舞園「空気清浄機がてっぺんまでよーく見えますからね」
大和田「空気清浄機? オレはずっと“タイムマシン”って呼んでたぜ」
舞園「違います。この学園全体に酸素を供給し続ける立派な空気清浄機ですよ!」
舞園「……もしかして、大和田くんもモノクマさんに嘘つかれちゃいました?」
大和田「なんだ、オメェも同じこと言われたのか」
舞園「はい。3階の探索で、ここへ初めて来たときに」
大和田「“1分だけ過去に戻れるタイムマシン”……つくづくロクでもねぇ野郎だぜ」
テーレーレーレーレー
モノクマ「心外だなぁ! ロクでもねぇ野郎って言う方がロクでもねぇ野郎なんですー!」
ヒュン
大和田「それ言うためだけに出てきたのかよ!?」
大和田「天下の希望ヶ峰学園がボロい梯子を使うわけねーだろ」
舞園「言われてみればそうでした。お隣、失礼します」
大和田「おう」
大和田「……ところでオメェ、何でこの場所が分かったんだ?」
舞園「大和田くんは物理室の奥……梯子を登ったところのロフトで孤独に座り込んでいる、って予知したんです! エスパーですから!」
大和田「ヤケに細けぇ予知だな。的中してんのが更に不気味だぜ」
舞園「うふふ、冗談ですよ。電子生徒手帳にみんなの居場所を調べてくれる機能があるんです」
大和田「そいつを使っても大方の居場所しかわかんねーだろ。ロフトの上だなんて、どうやって見分けんだ?」
舞園「そこは私の推理です。このロフトからだと――」
ゴオオオオオオオ
舞園「空気清浄機がてっぺんまでよーく見えますからね」
大和田「空気清浄機? オレはずっと“タイムマシン”って呼んでたぜ」
舞園「違います。この学園全体に酸素を供給し続ける立派な空気清浄機ですよ!」
舞園「……もしかして、大和田くんもモノクマさんに嘘つかれちゃいました?」
大和田「なんだ、オメェも同じこと言われたのか」
舞園「はい。3階の探索で、ここへ初めて来たときに」
大和田「“1分だけ過去に戻れるタイムマシン”……つくづくロクでもねぇ野郎だぜ」
テーレーレーレーレー
モノクマ「心外だなぁ! ロクでもねぇ野郎って言う方がロクでもねぇ野郎なんですー!」
ヒュン
大和田「それ言うためだけに出てきたのかよ!?」
959: 2014/08/11(月) 01:20:35.66 ID:RTCZbhaiO
大和田「……なぁ、舞園」
大和田「オメェ……もしタイムマシンが使えたら何をしたい?」
舞園「1分前に戻って伸びたカップラーメンを元に戻します」
大和田「アホか。モノクマの嘘は抜きにして、だよ」
舞園「でも……本当にタイムマシンで過去に戻っても、私は今以上の私になんてなれないと思います」
舞園「行くなら未来がいいですね。ちゃんと16人で揃ってここを脱出して、私はメンバーの皆とアイドルに復帰できてたらいいなぁ」
大和田「………………」
舞園「……こんな質問をしてくるってことは、大和田くんはタイムマシンを使いたいんですか?」
舞園「例えば……不二咲くんを殴ってしまう前に戻りたいとか」
大和田「…………もっともっと、それよりも前だ」
大和田「オレは……兄貴を頃しちまった日に戻って、全てをやり直してぇ」
大和田「オメェ……もしタイムマシンが使えたら何をしたい?」
舞園「1分前に戻って伸びたカップラーメンを元に戻します」
大和田「アホか。モノクマの嘘は抜きにして、だよ」
舞園「でも……本当にタイムマシンで過去に戻っても、私は今以上の私になんてなれないと思います」
舞園「行くなら未来がいいですね。ちゃんと16人で揃ってここを脱出して、私はメンバーの皆とアイドルに復帰できてたらいいなぁ」
大和田「………………」
舞園「……こんな質問をしてくるってことは、大和田くんはタイムマシンを使いたいんですか?」
舞園「例えば……不二咲くんを殴ってしまう前に戻りたいとか」
大和田「…………もっともっと、それよりも前だ」
大和田「オレは……兄貴を頃しちまった日に戻って、全てをやり直してぇ」
960: 2014/08/11(月) 01:22:08.51 ID:RTCZbhaiO
舞園「……モノクマさんが言っていた“大和田くんの秘密”ですね」
大和田「オレは一時の焦りに気を取られて、兄貴を頃しちまった……」
大和田「“暮威慈畏大亜紋土”を一緒に立ち上げた……実の兄貴を……!!」ギリッ
舞園「違いますよ」
舞園「大和田くんがお兄さんの氏に責任を感じているから、オレが兄貴を頃した、なんて言い回しをしているだけですよね?」
大和田「……なんでそう思うんだよ。エスパーだからとか言わねーだろうな」
舞園「仮に大和田くんが本当にお兄さんを殺害していたら、“超高校級の暴走族”になれるはずがありません」
舞園「お兄さんの氏を1人で背負い込んだまま、総長の座を継いで暴走族を纏め上げる強さの持ち主……」
舞園「希望ヶ峰学園は、そんな大和田くんを見込んでスカウトしたんじゃないでしょうか」
大和田「舞園はオレのことを買い被りすぎだよ」
舞園「あれ、バレちゃいました?」テヘペロ
大和田「……オメェが女じゃなけりゃアイドルだろうとブン殴ってたところだ」
大和田「オレは一時の焦りに気を取られて、兄貴を頃しちまった……」
大和田「“暮威慈畏大亜紋土”を一緒に立ち上げた……実の兄貴を……!!」ギリッ
舞園「違いますよ」
舞園「大和田くんがお兄さんの氏に責任を感じているから、オレが兄貴を頃した、なんて言い回しをしているだけですよね?」
大和田「……なんでそう思うんだよ。エスパーだからとか言わねーだろうな」
舞園「仮に大和田くんが本当にお兄さんを殺害していたら、“超高校級の暴走族”になれるはずがありません」
舞園「お兄さんの氏を1人で背負い込んだまま、総長の座を継いで暴走族を纏め上げる強さの持ち主……」
舞園「希望ヶ峰学園は、そんな大和田くんを見込んでスカウトしたんじゃないでしょうか」
大和田「舞園はオレのことを買い被りすぎだよ」
舞園「あれ、バレちゃいました?」テヘペロ
大和田「……オメェが女じゃなけりゃアイドルだろうとブン殴ってたところだ」
961: 2014/08/11(月) 01:23:42.05 ID:RTCZbhaiO
大和田「第一、オレなんかより不二咲の方が遥かに強ぇよ」
舞園「今日の大和田くんは珍しいことを言いますねえ」
大和田「だってよ……アイツは何の迷いも無く石丸を庇ったんだ」
大和田「モノクマが握ってた秘密ってのは、きっと性別のことなんだろ」
大和田「自分の体裁より他人の命を優先させるなんてこと……オレにはできなかった」
大和田「今まで隠してきた過去も、執着してきた“強さ”も、もう何の意味も持っちゃいねぇ」
大和田「やっぱオレは……石丸の言う通り、弱ぇ人間だったんだ……」
舞園「……大和田くんは強いですよ」
大和田「は? オレは弱ぇって散々説明しただろ、オメェちゃんと聞いてたのか?」
舞園「聞いてましたよ。聞いた上で思ったんです、大和田くんは強くて弱くて強い人だって」
舞園「大和田くんが自らの弱さに気付けたなら……きっと今より強い大和田くんになれますよ」ニコッ
舞園「今日の大和田くんは珍しいことを言いますねえ」
大和田「だってよ……アイツは何の迷いも無く石丸を庇ったんだ」
大和田「モノクマが握ってた秘密ってのは、きっと性別のことなんだろ」
大和田「自分の体裁より他人の命を優先させるなんてこと……オレにはできなかった」
大和田「今まで隠してきた過去も、執着してきた“強さ”も、もう何の意味も持っちゃいねぇ」
大和田「やっぱオレは……石丸の言う通り、弱ぇ人間だったんだ……」
舞園「……大和田くんは強いですよ」
大和田「は? オレは弱ぇって散々説明しただろ、オメェちゃんと聞いてたのか?」
舞園「聞いてましたよ。聞いた上で思ったんです、大和田くんは強くて弱くて強い人だって」
舞園「大和田くんが自らの弱さに気付けたなら……きっと今より強い大和田くんになれますよ」ニコッ
962: 2014/08/11(月) 01:24:46.01 ID:RTCZbhaiO
大和田「………………」
大和田「……なんだ。その、ありがとよ」
舞園「どういたしまして、です」クス
大和田「……いつだったか、十神の代わりにオレが舞園の見張り当番をやっただろ」
舞園「はい。とても真面目に見張ってくださいましたね」
大和田「多分……オレは舞園に、昔のオレの姿を重ねちまってたんだと思う」
大和田「焦りに負けて苗木を氏なせそうになって……なのにオメェは苗木に許された」
舞園「あれは……苗木くんが優しかったから……」
大和田「だからオレも、どうにか不二咲と石丸に許してもらえねーか考えてみる」
大和田「オメェはオレより先に自分の弱さに気付けた女だ。そんだけ強くなりゃ苗木のヤツも文句なんざ言わねーよ」
舞園「……こちらこそ、ありがとうございます」
桑田「ちきしょー!! 大和田のヤロー舞園ちゃんとイイ感じじゃねーか! このままだと舞園ちゃん取られちまうよ!!」
江ノ島「んなわけないじゃん、舞園こないだ苗木が好きって言ってたらしいよ?」
桑田「どっちにしろ前途多難じゃねーかオレ!!」
大和田「……なんだ。その、ありがとよ」
舞園「どういたしまして、です」クス
大和田「……いつだったか、十神の代わりにオレが舞園の見張り当番をやっただろ」
舞園「はい。とても真面目に見張ってくださいましたね」
大和田「多分……オレは舞園に、昔のオレの姿を重ねちまってたんだと思う」
大和田「焦りに負けて苗木を氏なせそうになって……なのにオメェは苗木に許された」
舞園「あれは……苗木くんが優しかったから……」
大和田「だからオレも、どうにか不二咲と石丸に許してもらえねーか考えてみる」
大和田「オメェはオレより先に自分の弱さに気付けた女だ。そんだけ強くなりゃ苗木のヤツも文句なんざ言わねーよ」
舞園「……こちらこそ、ありがとうございます」
桑田「ちきしょー!! 大和田のヤロー舞園ちゃんとイイ感じじゃねーか! このままだと舞園ちゃん取られちまうよ!!」
江ノ島「んなわけないじゃん、舞園こないだ苗木が好きって言ってたらしいよ?」
桑田「どっちにしろ前途多難じゃねーかオレ!!」
963: 2014/08/11(月) 01:26:14.70 ID:RTCZbhaiO
【不二咲の個室】
石丸「では、失礼して……」ソーッ
不二咲「………………」
石丸「……………………」ガクガク
石丸「やっぱり駄目だぁぁぁぁ! 僕には脈拍数の計測など到底できない!!」バッ
石丸「そもそも医師免許を持っていない上に本から得た知識だけで意識不明の患者と向き合うという愚行に走るなど僕には到底不可能だぁぁぁぁぁ!!」
ピンポーン
石丸「む、また来客か。面会謝絶の旨を伝えなければ……」ガチャ
霧切「それには及ばないわ」スチャッ
石丸「っ!?」ビクッ
石丸「ななななな何のつもりかね霧切くん!? 今すぐその銃を下ろして諸手を挙げたまえ!!」
霧切「……モノモノマシーンで獲得した“黄金銃”。パーツが欠けていて撃つこともできない不良品よ」バンザイ
石丸「紛らわしいことをしないでくれ!!」
964: 2014/08/11(月) 01:27:23.50 ID:RTCZbhaiO
霧切「それよりあなた、三日三晩看病し続けて体力も限界のようね」
石丸「僕はまだまだ余裕だぞ! あと2週間は行ける!」
霧切「ふらついた足取り、骨ばった頬、隈ができて落ち窪んだ目元」
石丸「ぐっ……」
霧切「そしてたった今、あなたは何の警戒も無しにドアを開けた。思考能力が鈍っている証拠だわ」
石丸「に、鈍ってなどいない! 僕は不二咲くんのために荒事は避けようと……」
霧切「満身創痍のまま看病を続けることが果たして不二咲くんの為になるのかしら」
石丸「…………っ」
霧切「あなたは一度休むべきよ。1日程度なら私が代わりに不二咲くんを看てあげるわ」
石丸「……では……非常に不服だが、今晩だけ休息をとらせて頂こう。しかし……」
霧切「大丈夫。もし不二咲くんに何かあれば、私を疑ってくれて構わない」
石丸「縁起でもないことを言わないでくれっ!!」バタン
霧切「ようやく帰ってくれたわね。意固地な彼にしては早々に折れてくれたけれど」
霧切「それにしても、苗木くんはどういうつもりかしら?」
霧切「石丸クンに息抜きをさせてあげたいから霧切さんの力を貸してほしい、なんて……」
霧切「苗木くんのくせに、何か別の目的があるような気がするわ……」
石丸「僕はまだまだ余裕だぞ! あと2週間は行ける!」
霧切「ふらついた足取り、骨ばった頬、隈ができて落ち窪んだ目元」
石丸「ぐっ……」
霧切「そしてたった今、あなたは何の警戒も無しにドアを開けた。思考能力が鈍っている証拠だわ」
石丸「に、鈍ってなどいない! 僕は不二咲くんのために荒事は避けようと……」
霧切「満身創痍のまま看病を続けることが果たして不二咲くんの為になるのかしら」
石丸「…………っ」
霧切「あなたは一度休むべきよ。1日程度なら私が代わりに不二咲くんを看てあげるわ」
石丸「……では……非常に不服だが、今晩だけ休息をとらせて頂こう。しかし……」
霧切「大丈夫。もし不二咲くんに何かあれば、私を疑ってくれて構わない」
石丸「縁起でもないことを言わないでくれっ!!」バタン
霧切「ようやく帰ってくれたわね。意固地な彼にしては早々に折れてくれたけれど」
霧切「それにしても、苗木くんはどういうつもりかしら?」
霧切「石丸クンに息抜きをさせてあげたいから霧切さんの力を貸してほしい、なんて……」
霧切「苗木くんのくせに、何か別の目的があるような気がするわ……」
965: 2014/08/11(月) 01:29:35.14 ID:RTCZbhaiO
石丸(……本当に、霧切くんに一任してよかったのだろうか)
石丸(もし不二咲くんの容態が悪化したら……もし不二咲くんが目を覚ましたら……)
石丸(否! 僕はその時のために己の身を休めようと決めたのだ!!)ブンブン
石丸(しかし……睡眠不足の状態での入浴は、果たして許されることなのだろうか)
石丸(入浴中に心疾患を発症する恐れがあるから皆様には真似しないでいただきたいような気がするのだが……)
『ババンババンバンバン……』
石丸(何故かは分からないが、大浴場へ行けばこのメロディも忘れられるような気がする……)
石丸「……む」
大和田「…………よ、よぉ。その……オメェも風呂か?」
石丸「……気が変わった。人頃しと同じ湯船に入るくらいならシャワーで済ませた方がマシだ」スタスタ
大和田「待て! オレは今風呂を上がったところだから――」
キーンコーンカーンコーン
モノクマ『夜時間となりました云々』
大和田「あー……水飲みたかったけどしゃーねえ、自販機のポカリで我慢するか」
石丸「……なんと間の悪い……」
石丸(もし不二咲くんの容態が悪化したら……もし不二咲くんが目を覚ましたら……)
石丸(否! 僕はその時のために己の身を休めようと決めたのだ!!)ブンブン
石丸(しかし……睡眠不足の状態での入浴は、果たして許されることなのだろうか)
石丸(入浴中に心疾患を発症する恐れがあるから皆様には真似しないでいただきたいような気がするのだが……)
『ババンババンバンバン……』
石丸(何故かは分からないが、大浴場へ行けばこのメロディも忘れられるような気がする……)
石丸「……む」
大和田「…………よ、よぉ。その……オメェも風呂か?」
石丸「……気が変わった。人頃しと同じ湯船に入るくらいならシャワーで済ませた方がマシだ」スタスタ
大和田「待て! オレは今風呂を上がったところだから――」
キーンコーンカーンコーン
モノクマ『夜時間となりました云々』
大和田「あー……水飲みたかったけどしゃーねえ、自販機のポカリで我慢するか」
石丸「……なんと間の悪い……」
966: 2014/08/11(月) 01:30:37.53 ID:RTCZbhaiO
【大浴場】
斉木(……大和田と石丸が鉢合わせになったぞ)
苗木「さすが霧切さん、うまく説得してくれたみたいだね」
苗木「後は大和田クンの頼み事がうまく行けばいいけど……心配だなぁ……」
斉木(しかし苗木、何故お前はそこまでサウナ対決にこだわるんだ? 僕にはどうしても理解できないんだが)
苗木「そう言われると……なんでだっけ?」
斉木(覚えてないのかよ)
苗木「でも……どうしてか分からないけど、大和田クンと石丸クンがサウナで対決したら仲直りできそうな気がするんだ」
斉木(やれやれ、根拠は無いのに自信だけはあるようだな)
斉木(……奇遇なことに、僕の作戦もサウナで実行する予定だった)
苗木「作戦……? 斉木クンも2人を仲直りさせようとしてくれてたの?」
斉木(実行すればわかるはずだから説明は省く。人が来たぞ)
斉木(……大和田と石丸が鉢合わせになったぞ)
苗木「さすが霧切さん、うまく説得してくれたみたいだね」
苗木「後は大和田クンの頼み事がうまく行けばいいけど……心配だなぁ……」
斉木(しかし苗木、何故お前はそこまでサウナ対決にこだわるんだ? 僕にはどうしても理解できないんだが)
苗木「そう言われると……なんでだっけ?」
斉木(覚えてないのかよ)
苗木「でも……どうしてか分からないけど、大和田クンと石丸クンがサウナで対決したら仲直りできそうな気がするんだ」
斉木(やれやれ、根拠は無いのに自信だけはあるようだな)
斉木(……奇遇なことに、僕の作戦もサウナで実行する予定だった)
苗木「作戦……? 斉木クンも2人を仲直りさせようとしてくれてたの?」
斉木(実行すればわかるはずだから説明は省く。人が来たぞ)
967: 2014/08/11(月) 01:31:59.50 ID:RTCZbhaiO
大和田「まだ湯舟に居たのか。オメェら長風呂だな」
苗木「大和田クン!」
石丸「……まだ上がるつもりがないのならば、サウナ対決の立会人になってもらえるかね」
苗木「石丸クンも! ってことは、交渉は成功したんだね!」
大和田「ああ。少し条件が変わっちまったけどな」
石丸「僕が我慢比べに負けた場合、彼が不二咲くんに面会することを特別に許可する。その代わり……」
大和田「オレが負けたら明日の朝までに腹を切る」
斉木(やれやれ……えらく大きく出たじゃないか)
苗木「腹を切る!? 切腹するってこと!?」
石丸「ああ。最大限譲歩した結果だ!」
斉木(まったく、石丸はどれだけ大和田を憎んでいるんだ? 下手したら十神よりタチが悪いぞ……)
苗木「だからってこんなの……!!」
大和田「よせ苗木。命の1つや2つ、これっぽっちも惜しかぁねえよ」
石丸「本人もこう言っていることだ。さあ、サウナに入るぞ!」
大和田「おう……“灼熱地獄”の始まりだ……!!」
苗木「大和田クン!」
石丸「……まだ上がるつもりがないのならば、サウナ対決の立会人になってもらえるかね」
苗木「石丸クンも! ってことは、交渉は成功したんだね!」
大和田「ああ。少し条件が変わっちまったけどな」
石丸「僕が我慢比べに負けた場合、彼が不二咲くんに面会することを特別に許可する。その代わり……」
大和田「オレが負けたら明日の朝までに腹を切る」
斉木(やれやれ……えらく大きく出たじゃないか)
苗木「腹を切る!? 切腹するってこと!?」
石丸「ああ。最大限譲歩した結果だ!」
斉木(まったく、石丸はどれだけ大和田を憎んでいるんだ? 下手したら十神よりタチが悪いぞ……)
苗木「だからってこんなの……!!」
大和田「よせ苗木。命の1つや2つ、これっぽっちも惜しかぁねえよ」
石丸「本人もこう言っていることだ。さあ、サウナに入るぞ!」
大和田「おう……“灼熱地獄”の始まりだ……!!」
968: 2014/08/11(月) 01:33:41.85 ID:RTCZbhaiO
大和田「……………………」ダラダラ
石丸「……………………」ジリジリ
苗木「もう1時間経つのに……2人とも平気なのかな」
斉木(サウナ内の室温はパイロキネシスで調整している。暑さで氏なれたら困るからな)
苗木(超能力でそんなこともできるの? だったら早く大和田クンを勝たせてあげようよ!)
斉木(急かすな。どのみち大和田には勝ってもらわないと困るが、その前にやっておきたいことがある)
斉木(ひとつは石丸に考えを改めさせることだ――)
『絶対に……負けてたまるかよ……』
石丸「――む?」キョロキョロ
石丸(今のは大和田く……じゃなくて、人頃しの声か……?)
大和田「……どうした。オレの顔になんか付いてたか?」
石丸「………………」プイッ
苗木(今、石丸クンに超能力を使ったの?)
斉木(“強制以心伝心”……テレパシーの応用技だ。大和田が考えていることをそのまま石丸の脳内に送っている)
苗木(それ大和田クンには結構キツい仕打ちだね……)
斉木(だが石丸の固定観念を壊すにはこれ以外の方法が浮かばなかったんだ)
苗木(聞く耳を持たない今の石丸クンには、心からの本音をぶつけるしかない……ってこと?)
斉木(まぁそういうことになる)
969: 2014/08/11(月) 01:34:44.68 ID:RTCZbhaiO
『不二咲は強ぇ心の持ち主だ……オレと石丸の間に怯みもせず飛び込んできたんだから』
石丸(やはり空耳ではなかった! しかし口は全く動いていないぞ? 彼は腹話術の才能も持っているのかね……?)
石丸(…………才能)
石丸(才能の上に胡座をかいて挑発してくる人間なんかに、僕が負けてたまるものか……!!)ギリィ
『比べてオレはどうだ? どんなに喧嘩が強くたって、あの事故からずっと目を背けてるようじゃ不二咲の足元にも及ばねぇ』
石丸(事故? 殺人の言い間違いではないのかね?)
『……オレは、兄貴の命日からずっと成長しねーままだったんだ』
『けどそれも今日で終いだ……変わってやるよ』
石丸(一体何を言っているのだ! 暴走族の総長として人を纏める才能の持ち主が今更どう変わろうと――)
『石丸をかばった不二咲みてぇに、オレをかばってくれた兄貴みてぇに』
『大切なモンのためなら、自分の身を呈して守れるような……本当の強さを持った“漢”になってやる』
石丸(かばった? 身を呈した? では、人頃しは故意の行いではなく、むしろ大和田くんの兄が自ら……!?)
『この勝負は、今からオレが始める“努力”の第一歩だ!!』
石丸(っ――――!!)
石丸(やはり空耳ではなかった! しかし口は全く動いていないぞ? 彼は腹話術の才能も持っているのかね……?)
石丸(…………才能)
石丸(才能の上に胡座をかいて挑発してくる人間なんかに、僕が負けてたまるものか……!!)ギリィ
『比べてオレはどうだ? どんなに喧嘩が強くたって、あの事故からずっと目を背けてるようじゃ不二咲の足元にも及ばねぇ』
石丸(事故? 殺人の言い間違いではないのかね?)
『……オレは、兄貴の命日からずっと成長しねーままだったんだ』
『けどそれも今日で終いだ……変わってやるよ』
石丸(一体何を言っているのだ! 暴走族の総長として人を纏める才能の持ち主が今更どう変わろうと――)
『石丸をかばった不二咲みてぇに、オレをかばってくれた兄貴みてぇに』
『大切なモンのためなら、自分の身を呈して守れるような……本当の強さを持った“漢”になってやる』
石丸(かばった? 身を呈した? では、人頃しは故意の行いではなく、むしろ大和田くんの兄が自ら……!?)
『この勝負は、今からオレが始める“努力”の第一歩だ!!』
石丸(っ――――!!)
970: 2014/08/11(月) 01:36:58.99 ID:RTCZbhaiO
大和田「オレは強くなる、オレは強くなる……」ブツブツ
大和田「……ん? 石丸、オメェ顔色が悪ィぞ?」
石丸(努力!? 超高校級の才能の持ち主が努力を……!?)ワナワナ
大和田「おい石丸、聞いてんのか」
石丸(そんな、天才とは努力もなしに成功を約束された人間の集まりであって、)ワナワナ
大和田「テメェシカトしてんじゃねーよ、真剣勝負の途中だぞ?」
石丸(天才とは悲劇であって、努力の大切さを知ることなどできなくて、)ワナワナ
石丸「だからこそ僕は、僕は、僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は、」ガクガク
大和田「石丸……? オメェ気は確かか……!?」
苗木「斉木クン! 石丸クンを助けよう! なんだか様子がおかしいよ!」
斉木(――天才は悲劇だ。それは確かに同意しよう)
苗木「何をじっとしてるんだ! 石丸クン寝不足だったから無理がたたったんだよ!!」
斉木(だが、才能を有していながらもなお努力する人間もいること……)
斉木(そして、“努力”を体験できないからこそ、その価値を知る人間もいること)
苗木「っ……大和田クン!早く石丸クンを脱衣所へ連れていこう!!」ガチャ
斉木(――そんな天才たちの苦悩を知らない石丸も、悲劇の主人公だと思うぞ)ボッ
石丸「」バタン
大和田「オイ石丸!! 返事しろ石丸!!!」
大和田「……ん? 石丸、オメェ顔色が悪ィぞ?」
石丸(努力!? 超高校級の才能の持ち主が努力を……!?)ワナワナ
大和田「おい石丸、聞いてんのか」
石丸(そんな、天才とは努力もなしに成功を約束された人間の集まりであって、)ワナワナ
大和田「テメェシカトしてんじゃねーよ、真剣勝負の途中だぞ?」
石丸(天才とは悲劇であって、努力の大切さを知ることなどできなくて、)ワナワナ
石丸「だからこそ僕は、僕は、僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は、」ガクガク
大和田「石丸……? オメェ気は確かか……!?」
苗木「斉木クン! 石丸クンを助けよう! なんだか様子がおかしいよ!」
斉木(――天才は悲劇だ。それは確かに同意しよう)
苗木「何をじっとしてるんだ! 石丸クン寝不足だったから無理がたたったんだよ!!」
斉木(だが、才能を有していながらもなお努力する人間もいること……)
斉木(そして、“努力”を体験できないからこそ、その価値を知る人間もいること)
苗木「っ……大和田クン!早く石丸クンを脱衣所へ連れていこう!!」ガチャ
斉木(――そんな天才たちの苦悩を知らない石丸も、悲劇の主人公だと思うぞ)ボッ
石丸「」バタン
大和田「オイ石丸!! 返事しろ石丸!!!」
971: 2014/08/11(月) 01:39:09.59 ID:RTCZbhaiO
【脱衣所】
苗木「……石丸クンを頃したのって斉木クンでしょ?」
斉木(人聞きが悪いぞ。生命の危機に陥る前に気絶させてやっただけだ)
苗木「嘘だ! 直前の斉木クンの独白があからさまに不穏だったもん!!」
斉木(判断材料それでいいのか)
苗木「これが斉木クンの作戦だとしても、次からはもっと安全な方法を考えてね?」ムスッ
斉木(安全な方法か……34通りしか浮かばなかったな)
苗木「じゃあそっちを実行してよ!!」
大和田「タオル濡らしてきてやったぜ。……まだ目ぇ覚めないのか」
苗木「呼吸はあるから命に別状は無いと思うけど……何かあったら斉木クンの責任だよ」
斉木(好きにしろ。放っておけば回復する)
大和田「おいおい、責任のなすりつけなんざ苗木らしくねーぞ。今回の件はサウナ対決に誘ったオレのせいだ」
苗木「大和田クン……」
大和田「……にしても、なーんか後味悪ィな。オレの勝ちだってのに、不二咲と会うのが後ろめたいっつーか」
苗木「そろそろ石丸クンの意識も戻るはずだよ。そしたら寝る前に不二咲クンのところへお見舞いに行こう」
苗木「きっと石丸クンも、サウナ対決を通じて大和田クンの根性を認めてくれたはずだからさ」
大和田「そうなら良いんだけどよ……」
苗木「……石丸クンを頃したのって斉木クンでしょ?」
斉木(人聞きが悪いぞ。生命の危機に陥る前に気絶させてやっただけだ)
苗木「嘘だ! 直前の斉木クンの独白があからさまに不穏だったもん!!」
斉木(判断材料それでいいのか)
苗木「これが斉木クンの作戦だとしても、次からはもっと安全な方法を考えてね?」ムスッ
斉木(安全な方法か……34通りしか浮かばなかったな)
苗木「じゃあそっちを実行してよ!!」
大和田「タオル濡らしてきてやったぜ。……まだ目ぇ覚めないのか」
苗木「呼吸はあるから命に別状は無いと思うけど……何かあったら斉木クンの責任だよ」
斉木(好きにしろ。放っておけば回復する)
大和田「おいおい、責任のなすりつけなんざ苗木らしくねーぞ。今回の件はサウナ対決に誘ったオレのせいだ」
苗木「大和田クン……」
大和田「……にしても、なーんか後味悪ィな。オレの勝ちだってのに、不二咲と会うのが後ろめたいっつーか」
苗木「そろそろ石丸クンの意識も戻るはずだよ。そしたら寝る前に不二咲クンのところへお見舞いに行こう」
苗木「きっと石丸クンも、サウナ対決を通じて大和田クンの根性を認めてくれたはずだからさ」
大和田「そうなら良いんだけどよ……」
972: 2014/08/11(月) 01:41:32.93 ID:RTCZbhaiO
苗木(……斉木クン、早く石丸クンに復元の超能力を使ってくれないかな……)
斉木(断る。放っておけば回復するんだぞ、復元を使うまでもない)
苗木(そういえば日中にモノモノマシーンでルアックコーヒー引いたんだけどこれ誰にあげたらいいんだろう)
斉木(うん、手当ては迅速かつ適切にするべきだ)ササッ
大和田「斉木オメェ急にどうした!?」
苗木「えーと……斉木クンも早く2人に仲直りしてほしいんだって」
斉木(違う。最高級コーヒーを飲むなら相応の仕事をしたいだけだ)テキパキ
大和田「ありがとよ。んじゃ、オレもウチワで扇いでやっか」パタパタ
斉木(大和田が石丸に接近した。今だ――)フワッ
斉木(断る。放っておけば回復するんだぞ、復元を使うまでもない)
苗木(そういえば日中にモノモノマシーンでルアックコーヒー引いたんだけどこれ誰にあげたらいいんだろう)
斉木(うん、手当ては迅速かつ適切にするべきだ)ササッ
大和田「斉木オメェ急にどうした!?」
苗木「えーと……斉木クンも早く2人に仲直りしてほしいんだって」
斉木(違う。最高級コーヒーを飲むなら相応の仕事をしたいだけだ)テキパキ
大和田「ありがとよ。んじゃ、オレもウチワで扇いでやっか」パタパタ
斉木(大和田が石丸に接近した。今だ――)フワッ
973: 2014/08/11(月) 01:42:38.97 ID:RTCZbhaiO
石丸「…………ん」
大和田「!! 石丸、オメェようやく――」
石丸「無理に変わろうとすんな。お前は十分強いだろーが」
大和田「っ――!?」
石丸「お前は今までも努力してきただろ。秘密ってのは曝け出すにも隠し通すにも相応の努力が要るもんだ」
大和田「オメェ、何言って」
石丸「けど過去の自分を恥じるのは間違ってたからじゃねぇ、お前が成長した証拠だよ」
大和田「わけわかんねーぞ! 普段と雰囲気も違うしよぉ!」
石丸「変わるにしても、お前らしさを忘れんじゃねーぞ。さもないと――」
大亜「俺は寂しくて寂しくて成仏できやしねぇんだ。紋土」
大和田「………………!!」ボロッ
大和田「!! 石丸、オメェようやく――」
石丸「無理に変わろうとすんな。お前は十分強いだろーが」
大和田「っ――!?」
石丸「お前は今までも努力してきただろ。秘密ってのは曝け出すにも隠し通すにも相応の努力が要るもんだ」
大和田「オメェ、何言って」
石丸「けど過去の自分を恥じるのは間違ってたからじゃねぇ、お前が成長した証拠だよ」
大和田「わけわかんねーぞ! 普段と雰囲気も違うしよぉ!」
石丸「変わるにしても、お前らしさを忘れんじゃねーぞ。さもないと――」
大亜「俺は寂しくて寂しくて成仏できやしねぇんだ。紋土」
大和田「………………!!」ボロッ
974: 2014/08/11(月) 01:44:10.27 ID:RTCZbhaiO
大和田「ぁ……兄貴……!!」
斉木(残念だが、時間切れだ)フワッ
石丸「…………」ガクッ
大和田「………………っ」グズッ
大和田「クソが……なんで今、こんな幻覚を見ちまうんだよ……」
苗木(……一瞬だけ、石丸クンの姿が違う人に見えた)
苗木(それに石丸クンの口調も変だったし……これも斉木クンの超能力?)
斉木(……“幽体離脱”と“催眠”を使った。気絶した石丸に幽霊を憑依させ、その人物の姿に見えるよう錯覚を起こした)
苗木(つまり……石丸クンに憑依した人って)
斉木(ああ。事故で亡くなった大和田の兄、大和田大亜だったようだな)
斉木(さて、そろそろだろう。復元を使うまでもない……)
石丸「…………うぅ」
石丸「頭がふらつくぞ……僕は確かサウナで…………む?」
大和田「クソが! クソがぁ……!!」ボロボロ
石丸「……何故君が泣いているのだ。大和田、くん」
大和田「るせぇ!! オメェのせいだ、この野郎……!!」グズッ
斉木(残念だが、時間切れだ)フワッ
石丸「…………」ガクッ
大和田「………………っ」グズッ
大和田「クソが……なんで今、こんな幻覚を見ちまうんだよ……」
苗木(……一瞬だけ、石丸クンの姿が違う人に見えた)
苗木(それに石丸クンの口調も変だったし……これも斉木クンの超能力?)
斉木(……“幽体離脱”と“催眠”を使った。気絶した石丸に幽霊を憑依させ、その人物の姿に見えるよう錯覚を起こした)
苗木(つまり……石丸クンに憑依した人って)
斉木(ああ。事故で亡くなった大和田の兄、大和田大亜だったようだな)
斉木(さて、そろそろだろう。復元を使うまでもない……)
石丸「…………うぅ」
石丸「頭がふらつくぞ……僕は確かサウナで…………む?」
大和田「クソが! クソがぁ……!!」ボロボロ
石丸「……何故君が泣いているのだ。大和田、くん」
大和田「るせぇ!! オメェのせいだ、この野郎……!!」グズッ
975: 2014/08/11(月) 01:45:38.49 ID:RTCZbhaiO
石丸「……大和田くんも泣きやんだところで」
石丸「約束通り、君を不二咲くんに面会させよう」
大和田「……おう」
苗木「やったね、大和田クン!!」
石丸「だが、その前に……すまなかった!!!」バッ
斉木(見事なまでに直角に頭を下げたな)
大和田「何で謝んだよ。まさかお前、オレを散々人頃し呼ばわりしたからとか言わねぇだろうな?」
石丸「それ以前の問題だ。僕は今まで君たち天才のことを、努力も苦労も知らない人間だと勝手に思い込み、勝手に憎んでいた」
石丸「しかし……君は先程のサウナ対決で、強い意志を胸に僕と戦っていた」
石丸「不二咲くんのことやお兄様のことに悩み、苦しみ……その気持ちと真正面から向き合おうとしていた」
大和田「オメェなんでたかがサウナ対決からそんなにオレの心情分かるんだよ」
石丸「君の強い想いがサウナの熱を介して僕の心へひしひしと伝わってきたのだっ!!」
斉木(強制以心伝心を好意的に解釈してくれてありがとう)
石丸「約束通り、君を不二咲くんに面会させよう」
大和田「……おう」
苗木「やったね、大和田クン!!」
石丸「だが、その前に……すまなかった!!!」バッ
斉木(見事なまでに直角に頭を下げたな)
大和田「何で謝んだよ。まさかお前、オレを散々人頃し呼ばわりしたからとか言わねぇだろうな?」
石丸「それ以前の問題だ。僕は今まで君たち天才のことを、努力も苦労も知らない人間だと勝手に思い込み、勝手に憎んでいた」
石丸「しかし……君は先程のサウナ対決で、強い意志を胸に僕と戦っていた」
石丸「不二咲くんのことやお兄様のことに悩み、苦しみ……その気持ちと真正面から向き合おうとしていた」
大和田「オメェなんでたかがサウナ対決からそんなにオレの心情分かるんだよ」
石丸「君の強い想いがサウナの熱を介して僕の心へひしひしと伝わってきたのだっ!!」
斉木(強制以心伝心を好意的に解釈してくれてありがとう)
976: 2014/08/11(月) 01:47:38.45 ID:RTCZbhaiO
石丸「君は僕に、努力というものが凡人のみに与えられた権利ではないことを教えてくれた」
石丸「これからは僕も変わっていきたい! 平凡非凡を問わず、人々に努力の素晴らしさを伝えられるようになりたい!!」
石丸「独り善がりは承知の上だ! 大和田くん、僕が変わる手伝いをしてはくれないだろうか!!」
大和田「……人ってのは」
大和田「無理に変わろうとするよりも、自分らしさを忘れないで少しずつ成長していった方が良いんだろ」
大和田「だから……オメェのそういう頑固なとこも、ちったぁ残しといた方が良いんじゃねーか?」
石丸「……む? そうなのかね?」
大和田「オメェ自分で言ったことなんだから少しは覚えとけよ」
石丸「すまない! 全く記憶にないぞ!」
大和田「は? じゃあさっき喋ってたのは……」
大和田「………………」ウルッ
苗木「お、大和田クン! あんまり泣いちゃだめだよ、脱水になるよ!!」
大和田「黙れ苗木ぃ! こいつぁ花粉症だコラァ!!」グスッ
石丸「それは違うぞ大和田くん! ここに植物は無いからな!」
大和田「テメェも黙れ石丸!!」
石丸「これからは僕も変わっていきたい! 平凡非凡を問わず、人々に努力の素晴らしさを伝えられるようになりたい!!」
石丸「独り善がりは承知の上だ! 大和田くん、僕が変わる手伝いをしてはくれないだろうか!!」
大和田「……人ってのは」
大和田「無理に変わろうとするよりも、自分らしさを忘れないで少しずつ成長していった方が良いんだろ」
大和田「だから……オメェのそういう頑固なとこも、ちったぁ残しといた方が良いんじゃねーか?」
石丸「……む? そうなのかね?」
大和田「オメェ自分で言ったことなんだから少しは覚えとけよ」
石丸「すまない! 全く記憶にないぞ!」
大和田「は? じゃあさっき喋ってたのは……」
大和田「………………」ウルッ
苗木「お、大和田クン! あんまり泣いちゃだめだよ、脱水になるよ!!」
大和田「黙れ苗木ぃ! こいつぁ花粉症だコラァ!!」グスッ
石丸「それは違うぞ大和田くん! ここに植物は無いからな!」
大和田「テメェも黙れ石丸!!」
977: 2014/08/11(月) 01:50:20.92 ID:RTCZbhaiO
大和田「ったく、オメェら斉木を見習えよ! この期に及んで無口なヤツだぜ……」
苗木「……っていうか寝ちゃってるね」
苗木(それか幽体離脱中なのかも……きっと大和田クンのお兄さんと話したいだろうから)
大和田「コイツ! 人が大事な話をしてるのに何寝てんだよ!!」ガッ
苗木「抑えて抑えて!! もう夜も遅いんだから不可抗力だよ!!」
石丸「!? 現在の時刻は……」
大和田「……夜中の1時回ってんな」
石丸「しまったぁぁぁぁぁぁぁ!! 夜時間は出歩き禁止のルールを堂々と破ってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大和田「んなモン夜時間ギリギリに風呂場来た時点でたかが知れてるだろ」
石丸「知れてなどいない! 僕は風紀委員だぞ、僕がルールを守らなければ誰が守るというのだ!」
大和田「そのルールは単なる口約束だろうが! オメェもっと柔軟になれ!!」
石丸「断る! 僕は僕らしさを残したまま成長していくぞ!!」
苗木「……とりあえず、不二咲クンに会いにいくのは明日の朝にしようか……」
苗木「……っていうか寝ちゃってるね」
苗木(それか幽体離脱中なのかも……きっと大和田クンのお兄さんと話したいだろうから)
大和田「コイツ! 人が大事な話をしてるのに何寝てんだよ!!」ガッ
苗木「抑えて抑えて!! もう夜も遅いんだから不可抗力だよ!!」
石丸「!? 現在の時刻は……」
大和田「……夜中の1時回ってんな」
石丸「しまったぁぁぁぁぁぁぁ!! 夜時間は出歩き禁止のルールを堂々と破ってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大和田「んなモン夜時間ギリギリに風呂場来た時点でたかが知れてるだろ」
石丸「知れてなどいない! 僕は風紀委員だぞ、僕がルールを守らなければ誰が守るというのだ!」
大和田「そのルールは単なる口約束だろうが! オメェもっと柔軟になれ!!」
石丸「断る! 僕は僕らしさを残したまま成長していくぞ!!」
苗木「……とりあえず、不二咲クンに会いにいくのは明日の朝にしようか……」
978: 2014/08/11(月) 01:51:31.89 ID:RTCZbhaiO
斉木(……やれやれ。石丸も大和田も、ようやく立ち直ったみたいだな)
幽霊「本当大変だったよねー! 僕の熱演が無ければあのまま険悪ムードで短い障害に幕を下ろしてたよね!」
斉木(……ひとつ訊かせてくれ。知り合いのアホ霊能力者の話だと、幽霊は生前の記憶を持っていないらしいが……)
斉木(お前、本当は全部覚えてるんじゃないのか?)
幽霊「滅相もないよ!! 僕は本当に生前の自分が暴走族だったなんて信じたくないレベルなんだ!!」
斉木(特攻服でリーゼントヘアのくせにどの口が言う)
幽霊「でも……なんでか知らないけど、あの総長のことはずっと気掛かりで仕方なかったんだよね」
幽霊「……もしかして、僕の“魂”が総長のことを“憶”えていたのかも?」ドヤァ
斉木(こいつさっさと成仏してくれないかな)
幽霊「本当大変だったよねー! 僕の熱演が無ければあのまま険悪ムードで短い障害に幕を下ろしてたよね!」
斉木(……ひとつ訊かせてくれ。知り合いのアホ霊能力者の話だと、幽霊は生前の記憶を持っていないらしいが……)
斉木(お前、本当は全部覚えてるんじゃないのか?)
幽霊「滅相もないよ!! 僕は本当に生前の自分が暴走族だったなんて信じたくないレベルなんだ!!」
斉木(特攻服でリーゼントヘアのくせにどの口が言う)
幽霊「でも……なんでか知らないけど、あの総長のことはずっと気掛かりで仕方なかったんだよね」
幽霊「……もしかして、僕の“魂”が総長のことを“憶”えていたのかも?」ドヤァ
斉木(こいつさっさと成仏してくれないかな)
979: 2014/08/11(月) 01:52:46.13 ID:RTCZbhaiO
アイテムゲット!
【魔法少女ドレス】
リボンやフリル、ピンク色など、女の子らしい要素がふんだんに盛り込まれたメルヘンなドレス。
かつて世界を絶望から救った少女がノートに描いたデザインを元にしているらしい。
Chapter2 週刊少年ゼツボウコニャック
END
To Be Continued
980: 2014/08/11(月) 01:54:29.86 ID:RTCZbhaiO
これにてChapter2終了です。
今回サウナ対決以降のシーンで詰まってしまい、息抜きにTOKIOがダンガンロンパをプレイするSSを書き溜めていたところ、
途中から指が勝手に「斉木」と入力し始めたのでこちらの続きを書いてみたらスラスラ進みました。
人間真面目に生きなきゃ駄目ですね。
次回のChapter3から次スレに投下します。
引き続きよろしくお願いします。
折角なので、>>1000に書かれたことは可能な範囲で実現させます。
(連続レスは無効です)
今回サウナ対決以降のシーンで詰まってしまい、息抜きにTOKIOがダンガンロンパをプレイするSSを書き溜めていたところ、
途中から指が勝手に「斉木」と入力し始めたのでこちらの続きを書いてみたらスラスラ進みました。
人間真面目に生きなきゃ駄目ですね。
次回のChapter3から次スレに投下します。
引き続きよろしくお願いします。
折角なので、>>1000に書かれたことは可能な範囲で実現させます。
(連続レスは無効です)
1000: 2014/08/11(月) 12:27:12.57 ID:+eHHKnzrO
>>1000なら黒幕にコーヒーゼリー馬鹿にされ怒りの超能力無双
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