57: 2018/04/07(土) 19:17:40.11 ID:R/AEFjLD0

最初から:【艦これ】暁が如く【極道】
前回:第三話「かん違いの遊園地! 暁組を追い詰めろ!」

  第四話
 「よもや激突……? 陽炎組 対 朝潮組」



―――陽炎組・本部


陽炎「――黒潮。最近どうかしら」


黒潮「へっ? 急にどうしたんや、組長」


陽炎「別に、ただの世間話よ」


黒潮「ほーん? まぁ、うちが任されてる財務管理の事なら、全然問題はないで。うちらには、なにより雪風がおるからなぁ」


陽炎「そう、それはよかったわ」


黒潮「ただ……あえて言うなら、不知火姉さんにもう少し大人しくするよう言ってもらえへんやろか」


黒潮「あの人は周りの被害を考えへんから……。堅気の方々に渡す金も馬鹿にならんで」ハァ…


陽炎「…………言っておくわ」アハハ…


陽炎「――あぁ、そうそう。睦月組の話って知ってる?」


黒潮「あー、あのもともとあの辺りを仕切ってた組が、遊園地で手に入る金惜しさに爆弾しかけて、返り討ちにされたっちゅう話やったっけ?」


陽炎「そう。……ただ、あの事件。暁組が関わっているらしいわ」


黒潮「へっ? 暁組が爆弾しかけたってことかいな?」


陽炎「あぁ違う違う。暁組と睦月組が協力体制にあったってことよ」


黒潮「なるほど……。それはまぁ……」


陽炎「何か動きがあるみたいね……。暁組はたった四人の組って聞いてるけど、その力は正直未知数だわ。気を付けないとね」


黒潮「まぁ大丈夫やろ。暁組のシマとうちらのシマは離れてるし……」


陽炎「そういう油断が――」


ドタバタドタバタッ‼

バンッ‼


時津風「くみちょーっ!!」ウワーン‼


陽炎「と、時津風……? どうしたのよ?」


時津風「さっき起きたらさーっ! 私のオモチャが居なくなってたんだよぉー!」ウワーン‼


陽炎「なんだ、そんなこと……」


黒潮「それなら、また何人か連れてきてもらえばええやん」


時津風「でもさー。……こんな手紙が置いてあったんだー」


艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 水雷戦隊クロニクル(1) (角川コミックス・エース)
58: 2018/04/07(土) 19:18:39.12 ID:R/AEFjLD0


黒潮「ほほう? なになに……『拝啓 陽炎組さま。お前たちのオモチャは預かった。返してほしくば明日の正午、○○の倉庫まで来い』だと。また微妙な場所を指定するもんやなぁ。うちと朝潮組の境やないか」


陽炎「それもあるけど……。ってことは、私たちに気付かれずにこの本部の中に入ったってこと?」


黒潮「……だったら、下のもんが手を抜いてたってことやろか」


陽炎「それでも考えづらいわね。……ふふっ、おもしろい事してくれるじゃない」


黒潮「ちょっ、組長が行くんかっ? 別に浦風とかに行かせれば……」


陽炎「別にいいわ、体動かしたいと思ってたとこだし。……時津風も一緒に行きましょうか」


時津風「うんっ! いくー!」


黒潮「はぁ……。まぁ、せいぜい気を付けてな」


陽炎「わかってるわ。……明日の、正午ね……――」






―――その翌日 朝潮組・事務所


朝潮「ねぇ……。私たちは、このシマの方々を助けることができたと思う?」


大潮「またセンチメンタルですねー、朝潮組長! 最近は落ち着いてるじゃないですかー」


満潮「そうですよっ! 最近は組の残党も出なくなったし!」


荒潮「うふふふ……、心配性ですねぇ」


朝潮「モブ田組と、モブ本組の度を越えたショバ代とみかじめ料。それに苦しめられてる人々は、見るに堪えなかった……」



――――――


朝潮「…………こ、これは……」


「もうダメだ……。金なんかねぇし、逃げようとしたらそれこそ殺されちまう……」

「こんなとこ、客も来るわけがねぇ。あいつらはゆっくりと俺たちが苦しむのを楽しんでやがるんだ」

「うわーん! うわーん!」


朝潮「…………ッ!!」



―――モブ本組・事務所

トントンガチャ‼

朝潮「失礼っ!」


モブ本A「……あぁ? 何の用だ」


朝潮「これはあんまりではないですかっ!? あなた達には、苦しんでる人々が見えないのですか!」


モブ本A「はっ! おいおい、お前になんの関係があるってんだ」


59: 2018/04/07(土) 19:19:51.33 ID:R/AEFjLD0


モブ本A「お嬢ちゃん、教えといてやる。……この世は弱肉強食さ。あいつらが弱いのがいけないのさ。あっはっはっは!!」


朝潮「…………っ!」グッ‼


モブ本A「――おい、誰か早く追い出せ」


モブ本B「へいっ!」


朝潮「――だったら、私が代わります」


モブ本A「あぁ……?」


ドゴォン‼


朝雲「さぁーって、出番よね。山雲、準備できてる?」


山雲「朝雲姉はせっかちさんね~。爆雷、投げま~す」ポイッ


カンッ…

モブ本A「なっ……――っ!!」

ドカーン‼


――――――

――――

――



朝潮「――あれから少しは……」


ドタバタドタバタッ


霞「組長ッ! 大変ですっ!」


朝潮「か、霞? いったいなにが?」


霞「住民からの電話で、〇〇の倉庫で何やら怪しい動きがある……と!」


朝潮「――っ! また組の残党がなにかを……っ? すぐに向かうわ!」





―――〇〇の倉庫


陽炎「……そろそろ時間ね。さて、どうなるかしら」

時津風「がるるー!」


バタバタ‼


朝潮「――ここねっ、この倉庫――……って、あ、あなたは陽炎組の……!?」


陽炎「そんな…………嘘でしょ。まさか、朝潮組――?」


―――CMへ


60: 2018/04/07(土) 20:37:46.98 ID:R/AEFjLD0

―――CM④

『パスタの国から』


アーアーーアアアアアー♪
アーアーーアアアアアー♪



イタリア「る、るーるるる……。るーるるるる……」



アーアーーアアアアアー♪



リベッチオ「パスタが無ければ暮らせないよっ!!」



アーアーーアアアアアー♪



ザラ「ここでの生活に……金はいりません」


ザラ「小麦粉と水…………、なんなら後は卵を使って……パスタを作ればいいんです」


ザラ「どうしても食べたいなら、マカロニも作ればいい」



アーアーーアアアアアー♪



ポーラ「それでもやっぱり……私はお酒が飲みたいわけでありぃ~……」


ポーラ「こっそり家を抜け出してはぁ~……地中海をみながら、お酒におぼれるのでしたぁ~……」



アーアーーアアアアアー♪




ルイージ「……あむっ……」クルクル


ローマ「………………」


アクィラ「すいません、あの――」


ローマ「子供が、まだパスタ食べてるでしょうがっ!」パリィン‼



――――――

――――

――



『パスタの国から』
 地中海テレビ系列にて放送中。




62: 2018/04/08(日) 23:53:54.55 ID:3eDzoXUE0

――――CM明け


朝潮「――あなたは、陽炎組の……っ!?」


陽炎「嘘でしょ……。まさか、朝潮組……?」




コソコソッ


モブ本A「へっへっへ……。どうやらうまくいったみたいだなぁ、モブ田組よぉ」


モブ田A「あぁ、作戦成功だ。うまくぶつけることができたみてぇだ」


モブ田A「くくっ……! 陽炎め……。どうせ何もできねぇとでも思って逃がしたのかもしれねぇが、俺はタダじゃ転ばねぇ男だぜ」


モブ田A「お前たちが使ってる本部は、もともと俺たちの本部なんだってことを忘れるんじゃねぇぞ。いざという時の隠し扉ってもんがあんのさ」ククッ…


モブ本A「しかし、陽炎組を連れてくるとは……。なかなかやるじゃねぇか」


モブ田A「そっちこそ。朝潮組をうまく誘導したな」


モブ本A「あいつらは馬鹿正直なもんでな。適当に電話入れてやりゃこの通りよ」


モブ田A「ふふっ……! こうなっちまえば、あいつらも争わずにはいられないはずだ……」


モブ本A「弱り切ったところを、俺たちが潰すって算段だな。ふざけたやつらだが、そうなれば俺たちも負けやしねぇ――」




陽炎「……参ったわね。……正直、まだ朝潮組とはぶつかりたくなかったんだけど……」


朝潮「……同感です」


陽炎「でも、そうも言ってられないわよねぇ? こうして出会ってしまったんだもの」


朝潮「……えぇ。幸い、ここなら大きな被害は出ないでしょうし」



陽炎「……時津風。……やるわよ」

時津風「がるるー……!」



朝潮「みんな、覚悟はできた?」

大潮「テンションアゲアゲですっ!」ガチャッ

満潮「えぇっ、いつでも」

荒潮「仕方ないわねぇ~……」




モブ田A「ははっ! いよいよやり合うみたいだぜっ!」

モブ本A「へっへっ! 本当、馬鹿な奴らだっ!」



初風「――見ーつけた」




63: 2018/04/08(日) 23:54:53.11 ID:3eDzoXUE0

モブ田A「――なっ!? て、テメェは……!?」


ザザッ

初風「……組長。組長の読み通り、居ましたよ。今から連れて戻ります」



ザザッ

陽炎「――あら、それはよかった。お願いね」スッ


朝潮「……見つかりましたか?」


陽炎「みたいだわ。悪いわね、猿芝居につき合わさせちゃって」


朝潮「いえ、かまいません。それよりも、陽炎さんが居てよかったです」


大潮「はぁ~っ! なかなかスリリングでしたねっ」


満潮「別に、そうでもないわ」


ズリズリ…

初風「――お待たせしました」


モブ田A「こ、この野郎っ! この縄を解きやがれっ!」ジタバタ


モブ本A「お、おいッ! これはどういうことだッ!!」


荒潮「うふふふふ。あなた達が、なにも知らなかったってだけよぉ」


モブ本A「なんだとっ!?」


陽炎「もともと、私たちと朝潮組は同盟関係にあるってことよ。……まぁ、知らなくても不思議じゃないわ。誰にも言ってないもの」


モブ田A「くそったれめ……!」


陽炎「あら、久しぶりね。とっくに逃げたものだと思ってたけど、その根性は見直したわ」


モブ田A「いつから気付いてやがった」


陽炎「最初っからよ。だいたい、色々と不自然だし」


時津風「――ねぇねぇくみちょー。こいつ、私のオモチャにしていいの?」


モブ田A「ひっ……」


陽炎「まだダメよ。……とりあえず、私たちの本部にどうやって忍び込んだのか、詳しく聞かないとね」


モブ田A「お、俺が喋ると――」

陽炎「アンタは喋るわ。……いずれ、喋りたくなる。そういうものよ」


モブ田A「…………っ」ゾクッ‼


陽炎「――朝潮。もしそっちが良ければ、この二人は陽炎組が預かるけど……。それでいいかしら?」


朝潮「はい、お願いします」


64: 2018/04/09(月) 00:17:11.42 ID:Hrdufd1q0


朝潮「……しかし、危ない所だったのかもしれません」


陽炎「あぁ、同盟関係に無かったらってこと? 正直、それでも私は朝潮組に手をだそうだなんて思ってないけどね」


朝潮「それはありがたいのですが……。もし、この場に居たのが陽炎組じゃなくて、白露組だったらと思うと……。少し、自分は軽率だったのかもしれません」


陽炎「……たしかに、ね。……まぁ、白露組はあの若頭が居る限り、こんな安い罠に引っかかるなんてことないでしょうけど」


朝潮「わ、私はその安い罠にかかってしまったのですが……」ウツムキ


陽炎「あははっ、そうだったわね」


陽炎「――でも、それが朝潮の良い所だと思うわ。恥じることはないわよ。……それに」


朝潮「……それに?」


陽炎「そんなあなたを支える組員が居るでしょう? ……それでいいのよ、自分の道を貫きなさい」



大潮「アゲアゲですねっ!」

満潮「ふんっ……」

荒潮「うふふふふっ」



朝潮「――……はいっ!」



陽炎「ふふっ……。それじゃ、私たちは引き上げるわね」


朝潮「わかりました。……陽炎さん、お達者で」




朝潮「――それじゃ、私たちも帰りましょうか」


朝潮「私たちのシマへっ!」


大潮「おーっ!」

満潮「はいはい……!」フフッ

荒潮「はぁ~い!」


アハハ‼

アゲアゲデス‼



――――――

――――

――





 第四話
 「よもや激突……? 陽炎組 対 朝潮組」


お わ り

65: 2018/04/09(月) 00:18:19.18 ID:Hrdufd1q0

【次回予告】

デデンデデン♪


若葉「若葉だ」


若葉「………………」


若葉「………………」


若葉「………………」


若葉「次回『暁が如く』」


若葉「『くう腹の秋月組/謎多き初春組』」


若葉「任侠桜に仁義の嵐」


若葉「……だが、悪くない」



デデデン♪

66: 2018/04/09(月) 00:21:24.54 ID:lq2/jYE/0
おつ
次回予告の体を為してないwwww
…だが、悪くない

第五話「くう腹の秋月組/謎多き初春組」

引用: 【艦これ】暁が如く【極道】