83: 2018/04/18(水) 22:37:25.56 ID:cjwHVKvl0
最初から:【艦これ】暁が如く【極道】
前回:第五話「くう腹の秋月組/謎多き初春組」
第六話
「キケン、近寄るなっ! 武闘派集団白露組」
―――暁組・事務所
暁「――お祭り?」
雷「えぇ、この前言わなかったかしら?」
電「今度、このあたりの商店街でお祭りがあるのですっ!」
響「ハラショー」
暁「……そういえば、ドローンがお祭りの景品だとかなんとか言ってた気がするわ」
雷「だから、私たちも何か手伝いをしないとね」
暁「えっ? て、手伝いって言っても、何をやるのよ?」
電「お手伝いはお手伝いなのです」
暁「えぇー……、ちょっと面倒くさいかも……」
響「……そうか。残念だね」
暁「えっ?」
響「……手伝えば、みかじめ料でお好み焼きやたこ焼き、焼きそばとか貰えるかもしれないのに――」
暁「――みんなっ! 暁組の勢力を上げて手伝うわよッ!」
「「「おーっ!」」」
トントンガチャッ‼
秋月「――み、みなさんっ!」ガバッ‼
暁「秋月? そんな慌ててどうしたのよ」
秋月「そ、それが……。私たちが見回りをしてたら……その、見つけてしまって……」
暁「見つけた……? 見つけたって……なにを?」
秋月「そ、それがですね……――」
――――――
――――
――
84: 2018/04/18(水) 22:38:04.85 ID:cjwHVKvl0
場面は変わり、白露組の近くのシマ――。
―――モブ口組・本部
モブ口組長「――白露組だァ? はんっ、だから何だってんだよ」
モブ口A「し、しかし組長! あいつらの事を甘く見ない方が良いですよっ! あいつらのせいで、近くにシマを持ってた組のやつらは……――」
モブ口組長「ガタガタうるせぇっ! お前、いつからそんなビビりになっちまったんだ、えぇっ?」バンッ
モブ口A「――っ! く、組長……!!」
モブ口組長「おいおい、よく考えてもみろよ。近くにシマを持っていたやつらがやられただぁ? それがどうした」
モブ口A「えっ?」
モブ口組長「俺たちだって、あの程度のシマを奪おうと思えば出来たんだよ。ただ、少し面倒だっただけだ」
モブ口組長「むしろ好都合じゃねぇか。その白露組を潰せば、全部のシマが俺たちのものになるってことだしなァ……。くく、はっはっはっ!!」
モブ口A「………………っ!」
モブ口A(組長はわかってない……! 確かに、モブ口組はこの辺りでは一番の規模を持ってはいる……。そこらの組になら負けるはずはない)
モブ口A(――だがっ! 『あいつら』はそんなもんじゃない……! 俺は……この目で……――)
―――うふふふっ。いい感じ、いい感じ……。
モブ口A(――今でも、目を閉じれば聞こえてくる……。あの悪魔の声が……!)
山風「――はぁ……、……なんで私がこんなこと……」ボソッ
モブ口A「…………えっ?」
山風「…………なに?」
モブ口A「な、なにって……。お前は……!」
春雨「もう、山風。口を慎みなさい」
山風「………………」ムー
モブ口組長「……へぇ、テメェらが噂の白露組か?」
春雨「はい、どうやら知っていただけているようですね」
モブ口A(いつの間に本部の中にっ!? 組長を逃がさないと……!)
スッ
モブ口A「――ッ!!?」
85: 2018/04/18(水) 22:39:17.79 ID:cjwHVKvl0
海風「――ゆっくり動いてください。変なマネはしないように」
モブ口A「……わ、わかった」
モブ口組長「……で? お前たちは俺たちと戦争でもしようってのか? こんなとこまで土足で入ってきやがって……。礼儀のなってねぇガキ共だぜ」
春雨「戦争……というと、少し違うかもしれません」
モブ口組長「へぇ? それじゃなんだってんだ?」
春雨「戦争というのは、ある程度実力が拮抗してないとできないでしょう? だから、これは違うかと」
モブ口組長「言いたいことがわかんねぇな。……同盟でも組みたいってか?」
春雨「寝言を言うには、随分と目が開いているようですが」
モブ口組長「…………ッ!」ブチッ
春雨「――ここは狩場です。今から約十分後、ここにハンターが来ます」
モブ口A「狩場? ハンター? なにふざけたことを……!」
春雨「どう思おうがあなた達の自由です。――私たちは、あなた達が逃げないように監視させていただきます」
モブ口組長「ハッ! 逃げ出すのはそっちの方だろッ!! ――出て来いッ!!」
バタバタッ
ワーワー‼
モブ口組長「お前ら……、生きて帰れると思うなよ」
春雨「――江風、涼風」
江風「はいよっ!」
涼風「がってんだ!」
モブ口B「なっ……!」
ドゴッ‼
ギャーッ‼
モブ口A「だ、ダメだッ! お前たち、手を出すんじゃないっ!」
春雨「そうです。ここに居る私たちには争いの意思はありません」
春雨「――あぁ、もう時間が無くなってしまいますね……。それでは、私たちはこれで」
モブ口組長「誰が逃がすか――」
カチャリ…
山風「――動かないで……」
モブ口組長「――ッ!」
春雨「山風。……村雨姉さんに怒られますよ」
86: 2018/04/18(水) 22:40:00.55 ID:cjwHVKvl0
山風「………………」ムー
モブ口A(……村雨? それって……もしかして……)
春雨「――あなた達に逃げ道などありません。……生き残る道はただ一つ」
春雨「 立ち向かうこと 」
春雨「それでは、がんばってくださいね」ニコッ
――――――
――――
――
モブ口組長「お前ら……、武器は持ったか?」
ガチャガチャ…
モブ口A「く、組長。やはり、逃げたほうが……!」
モブ口組長「ここまで馬鹿にされて、逃げられるわけがねぇだろ……! ハンターだかなんだか知らねぇが、ぶちのめしてやる……!」
「お邪魔しま~す」
モブ口A「…………っ」
モブ口A(この声……。やっぱり、村雨っていうのは……!!)
ガララッ
村雨「あらあら、いい感じね……。春雨はいい仕事をしてくれるわ」
村雨「――うふふふっ。それじゃ、始めましょうか……」ニコッ
モブ口組長「――やっちまえっ!!」
村雨「 村雨……狩り、だーい好き 」
ドォン‼ドォン‼
ギャアアアア‼
ウワァアアアア‼
ドゴォン‼
――――――
――――
――
―――CMへ
87: 2018/04/18(水) 22:40:44.88 ID:cjwHVKvl0
―――CM⑥
『ヒエーハウス・COnGO弐番屋』
デデデデン♪
榛名「――霧島、聞いて!」
霧島「榛名、急にどうしたの?」
榛名「なんとですね! あの、ヒエーハウスが鎮守府にオープンするんですっ!」
霧島「そ、そんな……! 艦隊の頭脳と言われる私が、そんな大事なことを見逃していたなんて!」
榛名「今すぐにでもチェックしないといけませんねっ!」
金剛「――その心配は無いネー! 榛名、霧島!」
榛名・霧島「「金剛お姉さまっ!?」」
金剛「今度openするヒエーハウスのために、ちゃーんとクーポンを確保したデース!」
榛名「さすがお姉さま!」
金剛「さらに! Openしてから一週間は、ドリンク一杯無料のサービスもやってるのネー!」
霧島「すごい情報ですねっ!」
金剛「サァ! 準備はOK?」
榛名・霧島「「はいっ!」」
金剛「――Hey! そこのキミも、一緒に行くデース!」
あのヒエーハウスCOnGO弐番屋がついにオープン!
その新感覚の味を、あなたの自身でぜひ味わってみてはっ?
場所は『甘味処・間宮』のすぐそば!
比叡「気合! 入れて! 待ちますっ!」
比叡「――皆さんっ! ぜひ来てくださいねー!」
88: 2018/04/18(水) 22:41:42.43 ID:cjwHVKvl0
―――CM明け
―――白露組・本部
「――ねぇ、時雨?」
時雨「はい、組長」
白露「白露組はまだ一番じゃないの?」
時雨「はい、まだです。いま、みんな頑張っている最中ですから」
白露「ふーん……。いつ一番になれるの?」
時雨「大丈夫ですよ。そう遠くない未来に……必ず」
ガララッ
村雨「――はいはーい! 村雨、いま戻りましたー」
時雨「あぁ遅かったね。また遊んでたのかな?」
村雨「そうかも。いい感じに……ね」
時雨「――五月雨」
五月雨「は、はいぃっ!」
時雨「村雨にタオルを。そのままじゃ畳が汚れちゃうよ」
村雨「えっ?」ボタボタ…
五月雨「も、持ってきますっ! ――あっ」ガッ
ドンガラガッシャーン‼
村雨「もう、大丈夫? ……ちょうどいいから、村雨ちょっとお風呂に入ってこようかな」
時雨「そうするといいよ」
村雨「――あら、夕立は?」
時雨「夕立なら、もう行っちゃったよ」
村雨「えぇっ? まだ止めておく予定じゃなかったの?」
時雨「まぁ、いいんじゃないかな。春雨たちに様子を見に行ってもらってるし」
村雨「村雨も行きたかったなー……」
時雨「お風呂に入ってからでも、きっと間に合うさ。何しろ相手は――」
時雨「――あの吹雪組だからね」
89: 2018/04/18(水) 22:42:41.35 ID:cjwHVKvl0
村雨「残ってればいいけど……」
時雨「それでも艦娘さ。人間とは違う……」
ガララッ‼
時雨「――あれ、夕立?」
夕立「………………」ムスーッ
村雨「もう終わった……ってわけじゃなさそうね。なにがあったの?」
夕立「…………居なかったっぽい」ムスー
村雨「居なかったって……」
時雨「ふふっ。へぇ……なるほどね――」
―――暁組・シマの空き家
暁「――それで、これを見つけたってわけね」
秋月「はい……」
「あ、あのごめんなさいっ! 撃たないでくださいっ!」ヒーッ‼
初月「どうしようか?」カチャ
暁「砲は下ろしていいわ」スッ
雷「あなた達、吹雪組よね? ……どうしてこんなところに?」
吹雪「あ、あのっ! 私たちのシマが、し、白露組に狙われてるって情報が入って……」
電「えっ! あ、あの白露組なのですっ?」
白雪「……えぇ。ですので、早々にシマを引き上げてきてしまったのです」
吹雪「苦肉の策だったんですが……。幸い、白露組は堅気の人たちには興味が無いみたいなので……。お別れを言う暇は、ありませんでしたけど……」
響「それで、何故ここに?」
叢雲「ここが暁組のシマだって知らなかったのよっ!」
磯波「ほ、本当です! 私たち、逃げるのに一生懸命で……」
浦波「ほとぼりが冷めたら、こっそり出て行こうと……してたんですけど」
初月「そこを、僕たちが見つけたってところか」
吹雪「はい……」
90: 2018/04/18(水) 22:43:36.48 ID:cjwHVKvl0
吹雪「――お、おねがいですっ! 本当に悪気はなかったんです! 見逃してもらえれば、すぐ居なくなりますから!」
暁「……別にいいけど。あなた達、行くところはあるの?」
吹雪「あ、いや……。はぁ……」ガックシ…
雷「……どうするの、組長?」
電「ちょっと、可愛そうなのです……」
暁「…………そうね。私に一つ、良い案があるわ」
雷「案……?」
暁「――吹雪組のみんな、あなた達が良ければこのシマに居てもいいわよ」
吹雪「ほ、本当ですかっ!?」グワッ‼
暁「ただしっ! ……条件として、吹雪組にはある仕事をしてもらうわ」
吹雪「し、仕事……ですか? そ、その仕事っていったい……?」
暁「……それは――」
――――――
――――
――
ワーワー‼
ドンチャンドンチャン♪
アハハハッ‼
吹雪「――綿あめー! 綿あめはいかかですかー!」
白雪「甘くて、おいしいですよー!」
初雪「なんでこんなことに……」ズーン…
深雪「まぁまぁ、初雪の姉貴! 綿あめでも食べて……」
叢雲「はいっ、お釣りよ! ――って、なに見てるのよっ」
暁「うんうん。よく仕事してるわねっ!」
雷「いいじゃない!」
電「なのです!」
叢雲「ふん、組長命令よ。あんたの言うことを聞いてるわけじゃないわ」
磯波「だ、ダメですよ叢雲姉さん……。お客さんもいますし……」
91: 2018/04/18(水) 22:44:21.91 ID:cjwHVKvl0
雷「――お祭り、手伝ってもらえてよかったわね」
暁「ふふんっ。やっぱりレディは頭を使わなきゃね」
電「お祭りって、賑やかで楽しいのですー!」
「射的ー! 射的はいかがですかー!」
暁「あっ、射的もやってるみたいね!」
秋月「秋月の射的屋ですよー! いかかですかー!」
照月「照月の射的もどうですかー!」
涼月「涼月も、射的やってます……!」
初月「少しぐらい譲り合おうよ姉さん……」ハァ…
暁「あははっ、相変わらずね」
響「――それじゃ、射的やろうかな」
秋月「はい、どうぞー!」
響「………………」スッ
パパパパッ‼
秋月「ちょっ! ひ、響さんストップストップっ!!」
電「わぁー! 響ちゃんすごいのです!」
雷「あはは、容赦ないわね」
暁「――さてっ! 私たちも、何か手伝えることがないか聞いてみましょうか」
雷「そうねっ」
電「なのです!」
響「ハラショー」ドッサリ
秋月「け、景品が……」
暁「――それじゃ、みかじめ料獲得のため、みんな張り切っていくわよっ!」
「「「おーっ!」」」
第六話
「キケン、近寄るなっ! 武闘派集団白露組」
お わ り
92: 2018/04/18(水) 22:45:35.63 ID:cjwHVKvl0
【次回予告】
デデンデデン♪
春風「神風組、若頭補佐……春風です」
春風「最近、他の組の動きが激しくなっているみたいですね」
春風「私たちはただ、静かに暮らせればそれでいいのですけれど……」
春風「はたして、『風』はどこへ吹くのか」
春風「次回『暁が如く』」
春風「『けんもほろろ、神風組/陽炎組の収入源』」
春風「任侠桜に仁義の嵐……ですね」
春風「風が嵐にならないことを祈りましょう……」
デデデン♪
93: 2018/04/19(木) 00:57:38.99 ID:tLbas8hE0
引用: 【艦これ】暁が如く【極道】
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