106: 2018/04/29(日) 02:03:15.37 ID:ppBgPTw90
最初から:【艦これ】暁が如く【極道】
前回:第七話「けんもほろろ、神風組/陽炎組の収入源」
第八話
「私計か、それとも……。秋雲の苦悩」
―――陽炎組・本部
ザワザワ…
陽炎「――さて、みんな集まったかしら」
シーン…
陽炎「今日みんなを集めたのは、最近活発になってきている他の組についてよ」
磯風「……それは人間の、ということですか?」
陽炎「いいえ、違うわ。……まぁたしかに、徒党を組んで陰で何か企んでるんじゃないかって噂もあるけど」
陽炎「――ただ、今日は艦娘の組についてよ。暁組の事はみんな知っているかしら?」
ザワザワ…
陽炎「そう。最初は気にも留めてなかった組だったんだけどね。それが今や、睦月組・吹雪組・秋月組と手を組み、私たち陽炎組に匹敵するほどの勢力になってるわ」
陽炎「私たちも何とか対抗していきたいんだけど、残念ながら周りに敵が多すぎる」
陽炎「……そして、新たな問題も浮上してきたわ」
初風「……問題、ですか?」
陽炎「……黒潮、お願い」
黒潮「――はいはいー」
黒潮「みんな、おはようさん。……問題っていうのはな、資金源のことなんや」
黒潮「えーっと……うちら陽炎組は、基本的に他の人間の組から資金を調達しとる」
黒潮「まぁ、まっとうにやってるところはええんやけど、主にはあくどい商売やってるとこに対してやな」
黒潮「最近になると、みんなの働きもあってか数は減ってるように思う」
黒潮「――ただ、おかしな報告も増えてきてな。これがその問題っちゅうやつや」
黒潮「『逃げられた』……そういう報告が多くなってきたんや」
浜風「そういえば、たしかに……」
谷風「あぁー! そんなこともあったねぇ」
嵐「偶然だったり……」
野分「話の意図を考えなさい。これはつまり……」
舞風「あれあれ? ……まさか、暗い話かなー」
105: 2018/04/29(日) 02:02:30.60 ID:ppBgPTw90
>>104
島風は、業界最速の配達員。裏の顔は気まぐれヒットマンやで。
ただ、なんやかんや色々あって天津風を目の敵にしてるって設定だけど、特に深い意味はないから気にしなくていいよ。
島風は、業界最速の配達員。裏の顔は気まぐれヒットマンやで。
ただ、なんやかんや色々あって天津風を目の敵にしてるって設定だけど、特に深い意味はないから気にしなくていいよ。
107: 2018/04/29(日) 02:03:47.90 ID:ppBgPTw90
浦風「――待ってくれんじゃろか本部長ッ!! ウチには……本部長がイヤな事を言っているように聞こえてしまうんよ……」
黒潮「……そうやな。うちもできることなら言いたくはないんやけど、こればっかりはそういうわけにもいかん」
浦風「それじゃ、やっぱり……」
黒潮「そうや……――」
黒潮「 この中に、陽炎組の情報を流してるもんがおる 」
時津風「そっかぁ……」
浦風「……まさかなぁ」
磯風「ふむ……」
浜風「この中に……っ」
谷風「そいつぁ……」
野分「………………」
嵐「マジかぁ……」
舞風「うはー……」
萩風「そ、そんな……」
秋雲「………………」シラー…
陽炎「――みんな、静かに。……こうは言ったけどね、可能性としては違うことも考えられるわ」
陽炎「人間の組が私たちを混乱させるためにやってるのかもしれないし、私たちもまだ決めつけてはいない」
陽炎「……でも知っておいて」
陽炎「――……もし、それが原因で陽炎組の誰かが危険な目に遭うのだとしたら、私はそいつを許さない」ゴゴゴゴ…‼
陽炎「……以上よ。解散していいわ」
秋雲「………………」ダラダラダラダラダラ…
萩風「……秋雲? 大丈夫、すごい汗だけど……?」
秋雲「へ、へっ!? ちょ、ちょーっと暑くてさ……あはは……」
萩風「そう、かな……?」アツイ…?
――――――
――――
――
108: 2018/04/29(日) 02:05:02.52 ID:ppBgPTw90
陽炎「――もし陽炎組の中に居るのだとしたら、浜風から下の組員かしらね……」
黒潮「たぶん、そういうことになるやろなぁ……」
陽炎「……不知火。情報を受けている組はわかった?」
不知火「断定はできませんが、綾波組か夕雲組。……おそらくは夕雲組かと」
陽炎「そう、ご苦労さま。……夕雲組から目を離さないでおきましょう。小さな動きも見逃さないで」
不知火「はい」
陽炎「ふぅ……。もう、迷ってる暇はないのかもしれないわね……」
黒潮「……どうするつもりなんや?」
陽炎「……神風組と初春組、そして……白露組。この三つに同盟を持ち掛けましょう」
黒潮「なっ……! 初春組はともかく、神風組は断られたばかりやないかっ? それに白露組にもなんて……!」
陽炎「もう事態は動き始めてるわ。この前とは違う。……神風組も動いてくれると思う」
黒潮「だとしても、なんで白露組にも……。それなら綾波組のほうがええと思うけど」
陽炎「綾波組は……なんて言えばいいのかしら。静かすぎるのよ」
黒潮「どういうことや?」
陽炎「ここまで夕雲組も綾波組も……、どちらも大きな動きを見せてないわ。大人し過ぎる気がしない? ……イヤな予感がするの」
黒潮「だからって……」
陽炎「それに、いつまでも白露組っていう爆弾を抱えてるわけにもいかないでしょう。もし、同盟がダメなら……やるしかない」
黒潮「…………そうかぁ」
黒潮「わかったわ。組長がそこまで言うんやったら、うちも何も言わん。……やったろうやないか」
陽炎「悪いわね……。ここが正念場よ――」
――――――
――――
――
秋雲「………………」ゴソゴソ…
萩風「――あら、秋雲? どこかに出かけるの?」
秋雲「あ、あぁ、萩風の姉貴! うん、ちょっと出かけてるくる……」アハハ…
萩風「そう……。気を付けてね」
秋雲「あはは、大丈夫大丈夫っ! それじゃ、いってきまーっす!」
萩風「………………」
―――CMへ
109: 2018/04/29(日) 02:05:50.88 ID:ppBgPTw90
―――CM⑧
『☆アイオワのテレビショッピング☆』
サラトガ「――ハァ……」
イントレピッド「Hey,Sara? そんな落ち込んでどうしたの?」
ガンビア「そ、そうですよ! らしくないです……」
サラトガ「それが、最近出撃が少なくて……ちょっと運動不足かも……」
デデーン‼
アイオワ「――Hi! Sara、あなたのその悩み解決するわっ!」
サラトガ「えぇっ? でも、どうやって……?」
アイオワ「今回紹介するのは、こちら!」
ガラガラ…
イントレピッド「こ、これはランニングマシーン?」
ガンビア「で、でも、水が入ってます……」
アイオワ「そう! これはジェット水流によって、まるで出撃の時の海の上を走るように運動できるマシーンなのよっ!」
サラトガ「Wow! これなら出撃できないときも、部屋の中で同じだけの運動ができるわねっ!」
イントレピッド「うーん……。でも、ずっと部屋にあるとさすがに邪魔じゃないかしら……?」
アイオワ「Don’t worry! ――カモン、Samuel!」
サミュエル「Nice to meet you! よろしくね!」
アイオワ「それじゃ、さっそくお願いできるかしら」
サミュエル「OK! ――よいしょ……」カチャカチャ…
ガンビア「わぁ! あんなに折りたためるなんて!」
サラトガ「それに、あんなに小さい子でも動かすことができるのねっ!」
アイオワ「これなら使いたい時すぐに出すことができるし、しまう場所も選ばないわっ!」
イントレピッド「たしかに、これはすごいわねっ! ……でも、やっぱりお値段は高いの?」
アイオワ「フフーン! この私を甘く見てもらっては困るわ!」
アイオワ「今ならなんと、このPriceで!」ガシャーン
サラトガ「Fantastic! なんてお買い得なのかしら!」
アイオワ「――さぁ、そこのあなたも! いますぐチェック!」
111: 2018/05/01(火) 21:43:24.28 ID:Z6WJcbW70
―――CM明け
―――某所
秋雲「………………」コソコソ
「――秋雲」
秋雲「――うわぁっ!」ビクッ
風雲「な、なによ……! そんなビックリしなくてもいいじゃない……」
秋雲「か、風雲の姉貴か……。はぁ、心臓に悪いよ」
風雲「…………? どうしたの、今日はやけにビクついてるわね」
秋雲「あ、あぁー……。それが……さ――」
――――――
風雲「――なるほど、ねぇ。そっか、私たちが邪魔してるのバレてるんだ」
秋雲「まだ、秋雲としては疑われてはないかもだけど……」
風雲「……じゃあ、こっちに来たらどう?」
秋雲「え?」
風雲「これが引き際なのかもしれないわ。秋雲だって、そんな神経すり減らすのは疲れるでしょ?」
秋雲「………………」
風雲「――というか、もともと夕雲組長だって反対してたのよ。秋雲にだけそんなことはさせられないって」
秋雲「……いいんだよ。これで、いいんだ……」
風雲「はぁ……、最初にあんたが夕雲組に接触してきたときは警戒したものだけど、いまならわかるわ。……誰かのために、動いてるんでしょ?」
秋雲「………………」
風雲「でもね、物事にはどうしようもないこともあるの。……もう十分、秋雲は頑張ったわよ。後は夕雲組がなんとかするわ」
秋雲「――ダメだよ」
風雲「なんで……って聞いてもいいの?」
秋雲「……まず、風雲の姉貴は勘違いをしてる。……これは私のためなんだ。誰のためでもない」
風雲「………………」
秋雲「私のため……。そのために、夕雲組を利用してるんだ。……ただ、それだけなんだよ」
風雲「……そう。まぁ、それでもいいわ――」
112: 2018/05/01(火) 21:47:31.34 ID:Z6WJcbW70
――
――――
――――――
秋雲「――こんなもんかな。……それじゃ、引き続きよろしく頼むよ」
風雲「えぇ、わかったわ」
秋雲「あ……それと、これからはこう頻繁に会えないかもしれない。今までみたいに、曜日で会うのは止めにしよう」
風雲「いいけど……。どうするのよ?」
秋雲「何とか連絡するよ。……さて、それじゃ――」
カランッ…
風雲「――誰ッ!!」ガチャ‼
萩風「あっ……あの……!」
秋雲「は、萩風の姉貴……っ!!?」
萩風「――――っ」ダッ
風雲「逃がさないわ――」
秋雲「ま、待って!!」バッ‼
風雲「どきなさいっ! 見られてるのよっ!?」
秋雲「あ、秋雲が……! なんとか説得するから……、だから……!」
風雲「…………ハァ……。……秋雲、こうなってしまった以上しょうがないわ。夕雲組に行きましょう」
秋雲「……いいや、行かない」
風雲「………………。――そう、それじゃもう終わりね。秋雲があの娘を説得できようができまいが、次からのあんたの情報は信用できなくなる」
秋雲「うん、わかってる」
風雲「……それでも、戻るのね?」
秋雲「………………」コクッ
風雲「――じゃあ、もう何も言わないわ。……もしなにかあったら、ここに連絡しなさい」スッ
秋雲「これは……?」
風雲「私の連絡先よ。……夕雲組としては動けないかもしれないけど、風雲としてなら動けるかもしれないわ」
秋雲「……わかった。ありがとう、風雲の姉貴―――」
――――――
113: 2018/05/01(火) 21:51:25.67 ID:Z6WJcbW70
―――陽炎組・本部
秋雲「………………」ゴクッ
ガララッ‼
秋雲「た、ただいま帰りましたー……」
浦風「――あぁ、秋雲。おかえり」
秋雲「――ッ! あ……えと……」
浦風「…………? どうしたんじゃ、そんな顔して……」
秋雲「…………えっ? ――あ、あぁいやっ、なんでもないです!」ヘヘヘ…
浦風「そ、そうなん……? なにかあったら、遠慮なく言うんよ?」
秋雲「はい、ありがとうございます……――」
―――陽炎組・本部・厨房
萩風「………………」トントントン…
ジュー…
秋雲「――萩風の姉貴」
萩風「………………」
秋雲「なんで、黙ってるんだ?」
萩風「……言えなかった。……なんででしょうね」トントントン…
秋雲「報告するならまだ間に合う。……これじゃ、萩風の姉貴も共犯になっちゃうよ」
萩風「止めないの?」
秋雲「しょうがないよ。全部、私の責任だから……」
萩風「………………」
萩風「――秋雲、今日は健康ハンバーグを作ってみたの。配膳、手伝ってくれる?」
秋雲「萩風の姉貴っ! どうして――」
萩風「だって! ……秋雲は、苦しんでるじゃない!」
秋雲「――――っ」
萩風「それに、可愛い妹分だから……。ふふっ、私たち……共犯だね」
秋雲「なんだよ、それ……。…………ありがとう」ボソッ…
――――――
――――
――
第八話
「私計かそれとも……。秋雲の苦悩」
お わ り
114: 2018/05/01(火) 21:53:02.39 ID:Z6WJcbW70
【次回予告】
デデンデデン♪
高波「夕雲組若頭補佐、高波……です!」
高波「ついに私たち夕雲組が動き出す時が来た……かも!」
高波「でも、私たちの動向は陽炎組に見張られちゃってたりするかもですけど――」
高波「夕雲組は陽炎組なんかには負けない……です!」
高波「次回『暁が如く』」
高波「『のうある鷹はなんとやら? 夕雲組の覚悟』」
高波「任侠桜に仁義の嵐……かも!」
高波「――へっ!? さ、最後に一言って……聞いてないかもっ!」
デデデン♪
115: 2018/05/01(火) 22:10:03.65 ID:Z6WJcbW70
読んでる人居るかな?
ちょっと聞きたいのですが。
自分はこのサイトでSSを書く時って、基本的には行数いっぱいに使って書くようにしてるんだけど、これって読みにくかったりしますか……?
「行数全部使ったら読みにくい」という意見があったので……。
出来ればこのままでやりたいのですが、読みにくいって人が居るなら直そうかなと思ってます。
第九話「のうある鷹はなんとやら? 夕雲組の覚悟」
ちょっと聞きたいのですが。
自分はこのサイトでSSを書く時って、基本的には行数いっぱいに使って書くようにしてるんだけど、これって読みにくかったりしますか……?
「行数全部使ったら読みにくい」という意見があったので……。
出来ればこのままでやりたいのですが、読みにくいって人が居るなら直そうかなと思ってます。
第九話「のうある鷹はなんとやら? 夕雲組の覚悟」
引用: 【艦これ】暁が如く【極道】
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