123: 2018/05/03(木) 01:43:11.34 ID:RgrSEOcd0

最初から:【艦これ】暁が如く【極道】
前回:第八話「私計か、それとも……。秋雲の苦悩」

  第九話
 「のうある鷹はなんとやら? 夕雲組の覚悟」


―――暁組・事務所


ザザッ…

暁「――あれ? ……テレビの調子がおかしいわ」


電「はわわっ! こ、これじゃ、じゃんけんができないのです……」


雷「うーん、困ったわね……。叩けば治るかしら」スッ


電「わーっ! だ、ダメなのです! きっとテレビじゃなくてアンテナの方なのです……」


暁「アンテナかぁ……。でも、いま響いないし、秋月組のみんなも出ちゃってるのよね」


雷「……あっ、そうだ」

ゴソゴソ…

暁「…………? なに探してるの?」


雷「じゃーん! DVDよ!」


電「たしかに、DVDなら見れるのです! けど、内容はいったい……?」


雷「――ホラーよ」


暁「」

電「」


雷「どうする、組長? 組長が怖いならやめましょうか」


暁「なっ……! ぜ、全然怖くなんかないわ! いいわよ、見てやろうじゃない!」カチーン‼


電「はわわ……。電は怖いの苦手なのです……」

ワーワーギャーギャー

――――――

――――

――



―――神風組・本部


神風「――あらあら。これはこれは……」


朝風「まさか……アンタが来るとはね」





陽炎「実際に会うのは初めてかしら? ……先日は親潮が世話になったわね」





艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 水雷戦隊クロニクル(1) (角川コミックス・エース)

124: 2018/05/03(木) 01:43:49.39 ID:RgrSEOcd0


春風「随分と、度胸のあることですね」


松風「いいじゃないか。そういうの、嫌いじゃないよ」


神風「……それで、今回はいったい何の用? ――と、言いたいんだけど……」



不知火「………………」ゴゴゴゴ…



神風「そっちのが、随分とやる気じゃない。……でも、戦争をしに来たわけじゃないでしょう?」


陽炎「えぇ、もちろん。……不知火、大人しくしなさい」


不知火「ずっと大人しくしてます」


陽炎「わかったから。ジッとしてて」


不知火「………………」ムスッ


陽炎「ごめんなさいね、気にしないでくれると助かるわ」


神風「ま、いいわ。――それで、陽炎組の組長さんが、こんな小さな組に何の用かしら?」


陽炎「どうやら、回りくどい言い方は好まないようね? 私もそうだから、単刀直入に言わせてもらうわ――」


陽炎「――私たち陽炎組と、同盟を組んでほしいの」


神風「はっ……。また答えないといけないの? 断ったつもりだったけど」


陽炎「前回とは状況が違うわ。……もう少しで、私たち艦娘の間にある均衡が崩れる。そんな予感がするの」


神風「『予感』ね。そんな曖昧なもので私たちは動かないわ。……で、話は終わり?」


陽炎「……もう一度、よく考えなおしてくれないかしら?」


神風「…………解せないわ。何故、陽炎組ともあろうものが、私たちなんかに頭を下げるの?」


神風「正直に言えば、神風組が陽炎組と戦えば、神風組が勝つ見込みは少ない。それぐらいは私でも分かる」


神風「――あなたは、私たちを力で屈服させることもできたはず……。それが何故?」


陽炎「そんなの、単純な話よ……」



陽炎「――私たち陽炎組と神風組は、同等の立場として一緒に戦ってほしいの」



神風「………………!」


陽炎「……でも、ダメなら諦めるわ。今後一切、陽炎組は神風組に関わらないことを――」


神風「――わかった」


陽炎「……え?」



125: 2018/05/03(木) 01:44:47.33 ID:RgrSEOcd0

神風「『わかった』って言ったの。何度も言わせないで」


陽炎「それじゃ……!」


神風「えぇ、私たち神風組は、いついかなる時も陽炎組に味方するわ」


朝風「ちょ……! 組長、それは……――!」


神風「――黙りなさい、朝風。もう口に出してしまったの。今さら無しだなんて言えないわ」フフッ…


朝風「はぁ……。まったく……」

春風「……私は、組長がそれでいいのであれば」

松風「……ま、それもおもしろいかもね」

旗風「私も、異論はありません」


陽炎「……感謝するわ」


神風「どうするの? 盃でも交わすのかしら?」


陽炎「それはまたの機会に。……実は、もう一つ厄介なものを抱えてるのよ」


神風「ふぅん……?」


陽炎「……初風。イヤな役を押し付けちゃったわね……――」



――――――

――――

――



―――白露組・本部


クスクスクス…
アハハハ…
ドウシテヤロカシラ…


初風「………………」ダラダラ…


時雨「……ようこそ。初風さん……だったかな?」


初風「え、えぇ……――」


初風(なんなのよこれ……。まるで生きた心地がしないわ……)


ヤッチャッテイイッポイ?
ダメヨ…マダ…
クスクスクス…


初風(――あぁもう……。組長、恨みます……)


時雨「まぁ、そう緊張しないで。リラックスしてよ」


初風(くっ……出来るわけないでしょう……!)


――――――

126: 2018/05/03(木) 01:45:35.72 ID:RgrSEOcd0


―――数刻前・陽炎組・本部


初風「――わ、私が、一人で白露組に……!?」


陽炎「ごめんね、初風。本当なら私が行こうと思ってたんだけど……」


陽炎「みんなが『私が行くなら着いていく』って聞かないのよ……」


黒潮「当たり前や。自分の立場ってもんを考えろっちゅうんや」


陽炎「不知火にはそういうのは無理だし、黒潮も向いてないし、親潮にもちょっと荷が重いかなって」


陽炎「――初風、あなたが適任なの。どうか、お願いされてくれないかしら」


初風「で、ですが、一人ですか……?」


陽炎「今回、白露組と交渉をするなら、出来るだけ戦闘の意思を見せないで欲しいの」


陽炎「……これは難しい任務よ。……今回ばかりは、無理にとは言わないわ。イヤならイヤと言っても、誰も責めない」


陽炎「でもね。同時に、この任務は初風にしか出来ないとも思っているわ」


初風「………………」


陽炎「……どう?」


初風「……ズルいですよ、そんなの……」


陽炎「ごめんね……」


初風「――あぁ、わかりましたっ! この初風、たとえ首を落とされてもこの任務、遂行して見せます!」


陽炎「……よく言ってくれたわ。……初風、よろしく頼むわね――」


――――――

――――

――


初風「……断ればよかったかしら……」ボソッ


時雨「……なにか言ったかな?」


初風「――い、いえ。……それで、今回は私たち陽炎組と白露組で同盟を結びたい……という話で来たのですが……」


時雨「同盟……ね。一つ聞きたいのだけど、それは僕たちにとってどんなメリットがあるのかな?」


初風「……最近、暁組という組が急激に力を付けてきてます。それに対抗する形で――」


時雨「答えになってないなぁ。それじゃあ僕たち白露組は、陽炎組と同盟を組まないと潰されてしまう……と、キミはそう言いたいの?」ゴゴゴゴ…


初風「――そ、そういう……わけでは」


初風(なんていうプレッシャー……。若頭の時雨……噂以上ね……)



127: 2018/05/03(木) 01:46:52.34 ID:RgrSEOcd0

村雨「同盟なんてそんなものより、陽炎組に乗り込んじゃったほうが面白いんじゃないかなぁ?」


初風「なっ……!」


夕立「賛成っぽい! それじゃあ……、この人はヤっちゃっていいっぽい?」ガチャ


時雨「うるさいよ。……いま僕が話してるんだ」ギロッ


時雨「――でも、それも悪くない意見だ。まさか陽炎組が、そんなに弱腰だとは思わなかったよ」

クスクスクス…
アハハ…
ヨワイノネ…

初風「――ッ!!」グッ…


時雨「……話は終わりかな? それじゃ、いい機会だ。僕たち全員で、陽炎組まで送って差し上げようじゃないか」ニコッ


初風(……やられる? 逃げなきゃ……!?)


初風「――ふふっ……」


時雨「…………何かおかしいかな?」


初風(――『逃げる』? 陽炎組を馬鹿にされたまま、私は逃げるっていうの? ……あり得ないわ)


初風「……いい度胸だわあなた達。陽炎組を敵に回す事、後悔させてあげ――」




白露「――ねー、時雨? 同盟ってなに?」




時雨「あぁ、組長……。同盟というのは、弱い者同士が力を合わせることです。僕たちには……」


白露「じゃあ、組むのと組まないの。どっちが一番に近いの?」


時雨「……そういう意味では、組んだ方が早いかもしれませんけど――」


白露「――じゃあいいよ。同盟の話」


初風「へっ?」


時雨「……組長がそういうのであれば」


時雨「――っていうことになったよ。よろしくね、初風さん」ニコッ


初風「あ、あぁ……はい……」


夕立「えぇー! そんなの――」


時雨「――夕立、これは組長の意向だよ? まさか逆らうのかい?」ゴゴゴゴ…


夕立「じょ、冗談っぽい……」シュン…



初風「…………け、結果オーライって所かしら……」



128: 2018/05/03(木) 01:48:07.40 ID:RgrSEOcd0


時雨「――でもまぁ、僕たちの同盟はその暁組とのいざこざが終わるまでだ」


時雨「それが終わったら、僕たちは即座に君たちの敵になる。……これでいいかな?」


初風「えぇ、かまわないわ」


時雨「初風さん、先ほどまでの無礼は詫びよう。……実際の所、ここに一人で来るだなんて……相当な実力と、信頼があるんだね」


初風「……まぁね」フンッ


時雨「ふふっ……。まぁ、こういうのも面白い。そう思うようにするよ――」


――――――

――――

――


―――CMへ



129: 2018/05/03(木) 01:50:34.09 ID:RgrSEOcd0

―――CM⑨

『サーチ♥ライト』


―――猫鳴警察署

ダンッ

球磨「――くっそー『怪盗サーチ♥ライト』め……! また予告状なんて出してきやがったクマ!」

多摩「球磨主任……。今のうちからそんなに緊張しててもしょうがないニャ」

球磨「しかしだクマ! いつまでも舐められてるわけにはいかんクマ!」

北上「まぁーさー。こういう時はあの喫茶店でも行って落ち着こーよ」

球磨「……それもそうクマね――」


―――喫茶店『サーチライト』

カランカラン…

那珂「――いらっしゃーい!」キャピッ


球磨「来たクマー」


神通「――あれ、皆さん。なにか神妙な面持ちですね」


多摩「また予告状が届いたのニャ……」


川内「あー、あの『怪盗サーチ♥ライト』から? 早く捕まえちゃってよー。偶然にも同じ名前のこの店が悪く見られちゃうしさ」


球磨「うぐっ……。く、球磨達だって頑張ってるんだクマ……」


神通「そうですよ、姉さん。……はい、コーヒーです」コトッ


北上「でもさー、なんであの怪盗たちは予告状なんて出してくんのかねー。黙って盗ってきゃいいのにさ。そうすれば、私たちだってこんな動かなくてもすむんだけどなぁ」


那珂「あー! 刑事さんがそんなこと言ってもいいの?」


北上「あははー、いいのいいの」


カランカラン…‼


木曾「球磨主任! やっぱりここに……。今日は会議だってのを忘れたのか?」


球磨「あっ……」


神通「あはは……。それじゃ、お仕事頑張ってくださいね――」




――しかし、そんな彼女たちには裏の顔があった!


神通「――川内姉さん! 那珂ちゃん! 行きますよ!」

川内「おーっ!」
那珂「いえーいっ!」


闇夜を駆ける三つの影。そして照らされる探照灯!
 そう、彼女たちこそが『怪盗サーチ♥ライト』だったのだ!


『サーチ♥ライト』
 二水戦テレビ系列にて絶賛放送中!

133: 2018/05/04(金) 23:22:27.17 ID:0vVFI0yr0

―――CM明け


―――暁組・事務所


アナタハダァレ?

暁「………………」ゴクッ

アハハ‼アハハハハハ‼

雷「んー! んーー……!」チラッ

ソレハナァ…―

電「はわわ……! はわわわわ…………!!」ガタガタ…


オマエダァアアアアアアアアアアアアアア‼


「「「いやぁああああああああああああっ!!」」」


ガチャ…

響「ただいま。いま、なにか悲鳴が聞こえたような――」


「「「きゃあああああああああああああ――!」」」


暁「――って! ひ、響じゃない!! び、びっくりさせないでよ、もうっ!!」


響「……すまない」


電「はわ………………」チーン…


雷「こ、こんなに怖いなんて、聞いてないじゃない……!」


響「……ふーん、ホラー映画を見てたのかい?」


暁「ま、まぁね! ぜ、全然怖くなかったけど!」

電「……電はすごい怖かったのです……」

雷「ウソよっ! 組長だって叫んでたじゃない!」

暁「そ、それは――!」


響「――まぁまぁ。それよりも……」


暁「…………? それよりも?」


響「いや、そこに居る赤い服の人は誰かな……って思ってね」


暁「」ピキッ

電「」パキッ


雷「――だ、騙されないわっ! そういって、響は私たちを驚かそうとしてるのね!」

響「そう言われても……」

暁「そ、そうだわっ! ふんっ、どうせ誰も居な――」クルッ


早霜「…………こんにちは」フフッ…


――イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……


134: 2018/05/04(金) 23:22:56.38 ID:0vVFI0yr0

――

――――

――――――


暁「――ゴホンっ。……えーと、それじゃ改めて……」


暁「……私たちの事務所に勝手に入り込んで、あなた誰なのよっ?」


早霜「ごめんなさい……つい。映画を見終わるまで、待っていようかと思ったのですけど……」


雷「というか、いつから居たの?」


早霜「ずっといましたよ。ずーっと……」フフフ…


電「この人怖いのです」


響「……その服から察するに、キミは夕雲組だろう? ……いったいどんな用件で?」


早霜「それは、まず私の口よりもこれを……」スッ


暁「……DVD? ……こ、怖いのじゃないのよね?」


早霜「ご安心を……。夕雲組長からの伝言です……」カチッ



夕雲『――初めまして、暁組の皆さん。夕雲組組長、夕雲と申します』

夕雲『このような形での挨拶となってしまい、大変申し訳ない気持ちであります』

夕雲『ですが、いま夕雲組はとある事情から陽炎組に目を付けられていまして、外出はおろか通信機器すらも傍受されている可能性から、使うことができないのです。どうかご容赦くださいますようお願いいたします』

夕雲『私どもの方にも、暁組の活躍は聞き及んでおります。さぞ、組長様は器の大きい方なのでしょう』


暁「そ、それほどでも……あるわね」

雷「………………」

電「………………」


夕雲『――そこで一つ。無茶な事なのは承知の上で、暁組にお願いしたいことがあるのです』

夕雲『陽炎組に居る私たちの内通者。秋雲の救出をお願いしたいのです』


暁「救出……?」


夕雲『こうなってしまった経緯は話せば長くなってしまうので割愛しますが、彼女は多くの情報を私たちに与えてくれました』

夕雲『私たちはその情報をもとに、陽炎組の力を削っていたのですが。しかし、陽炎組も馬鹿ではありません。ついに情報提供の事が感付かれてしまったのです』

夕雲『まだ秋雲さんが内通者だということは気付かれていないようですが、それも時間の問題でしょう』

夕雲『……そこで、陽炎組の目がこちらに向いている隙に、秋雲さんを暁組に救出していただきたいのです』

夕雲『もちろん、本来であれば私たち夕雲組で解決しなければいけないことでしょう。しかし、先ほども申しました通り。夕雲組は陽炎組に目を付けられてしまっていて動くことができません』

夕雲『……無茶なお願いなのはわかっています。強要はできませんし、お断りしていただいても構いません』


夕雲『――……ですが、もしやっていただけるとの事であれば、私たち夕雲組は暁組に絶対の忠誠を誓いましょう』

夕雲『どうか、ご一考いただければ幸いでございます。……これ以上の詳しい話は、その場に居る早霜にお聞きください』



早霜「――以上が、夕雲組長からのお言葉です」


135: 2018/05/04(金) 23:23:31.46 ID:0vVFI0yr0


暁「きゅ、救出って……あの陽炎組相手に……? な、なんで私たちなのよっ?」


早霜「……それはそうでしょう。いまや、あの陽炎組に対抗できるのは、睦月組・吹雪組・秋月組を傘下に置く、あなた方暁組だけなのですから」


電「さ、傘下って……?」


雷「……まぁ睦月組はともかく、他二つはそう見えてもおかしくないわね……」


響「――しかし、理解できないな。なぜ、その内通者一人のためにそこまでするのか……。もともと、そういうリスクは承知の上なのでは?」


早霜「……それについては、少し複雑なのです……。その秋雲ですが、もともと私たちが送り込んだものでもありません」


暁「どういうこと?」


早霜「秋雲は元から陽炎組の組員なのです。……それが、ある時私たちに接触してきて情報を提供してきたのです」


雷「へぇ……。どんな見返りを望んでたのかしら?」


早霜「……いいえ、秋雲は見返りを要求しなかったのです。ただ、陽炎組が大きくなるのを止めてくれればそれでいいと」


電「え、えぇっと……?」


早霜「それ以上のことはわかりません……。秋雲本人に聞いてみないことには」


響「……それで? 夕雲組が秋雲一人のためにそこまでする理由は?」


早霜「……夕雲組長は仁義を重んじるお方です。秋雲を見捨てておくのが我慢ならないのでしょう」


暁「……か、考える時間はどれくらいあるの?」


早霜「実は……あまり猶予がありません。なぜかと言いますと、このDVDを録った後に陽炎組の萩風という組員から電話があったのです」


早霜「『秋雲を、守ってほしい』と」


電「で、でも……、さっき通信機器は……」


早霜「そう。おそらくは下の組員まで詳しく話をしていなかったのでしょう……。萩風のその電話はたぶん……」


雷「もし、私たちが断ったら?」


早霜「……その時は、夕雲組と陽炎組の戦争になるでしょう。……勝ち目は薄いかもしれませんが」


暁「……みんなはどう思う?」


電「い、電は……よくわからないのです……」


雷「難しいわね……。夕雲組が味方になるのはすごいことだと思うけど……」


暁「……響は?」


響「――私は反対だ。『絶対の忠誠を誓う』とは言っても、夕雲組がそれを守る保証はどこにもない」


響「陽炎組を相手にすれば、私たちだってタダじゃ済まないかもしれないんだ……」


136: 2018/05/04(金) 23:24:57.25 ID:0vVFI0yr0

暁「…………そうよね」


早霜「さっき夕雲組長が言った通り。断ってもそれはしょうがない事です。暁さんが気に病むことではありません」


暁「………………」


雷「組長…………」

電「はわわ……」

響「…………組長」


暁「――……決めた」


早霜「…………はい」






暁「 秋雲救出の件。私たち暁組が請け負ったわ 」






早霜「…………え……?」


雷「――ふふっ! 組長なら、そう言うわよね!」


電「なのですっ!」


響「………………っ!」


暁「…………響。あの、えっと……」


響「――ハラショー。……それでこそ、我が組長だ」


暁「え? いいの……?」


響「もちろんさ。……私は、それがたとえ地獄へ通ずる道だとしても、組長と共に歩くよ」ハラショー


暁「響……!」


早霜「あ、あの……! 本当に……」


暁「――早霜、帰って夕雲さんに伝えなさい。秋雲は、私たちが必ず救い出してみせる……ってね」ニコッ


早霜「――っ! ……必ず」グッ



暁「戦争だなんて、そんな物騒なこと止めた方が良いに決まってるわ。……みんなを集めましょう。今すぐに作戦会議よ!!」

雷「えぇっ! 秋月達に伝えてくるわね!」

電「い、電はお茶とお菓子を用意するのです!」

響「それじゃ、私は作戦を考えようかな……」


 第九話
 『のうある鷹はなんとやら? 夕雲組の覚悟』

お わ り

137: 2018/05/04(金) 23:25:52.81 ID:0vVFI0yr0

【次回予告】

デデンデデン♪


曙「綾波組の若中をやってるわ、曙よ。……お相撲さんではないわ」


曙「あーあー、まったく面倒くさいことになってきたわね」


曙「正直な話、陽炎組と夕雲組が戦争したところで、私の知ったことじゃないわ」


曙「……でもまぁ、組長が言うんだったら仕方がないか」


曙「見てなさい。目に物を見せてあげるから」


曙「次回『暁が如く』」


曙「『嫁菜の如く』」


曙「任侠桜に仁義の嵐……ってなによこれ?」


曙「ホント……冗談じゃないわ」


デデデン♪



138: 2018/05/04(金) 23:48:29.77 ID:ZTJE4ObQ0
乙でございます

第十話「嫁菜の如く」

引用: 【艦これ】暁が如く【極道】