174: 2018/05/26(土) 10:32:21.61 ID:C90wuXuc0
最初から:【艦これ】暁が如く【極道】
前回:第十話「嫁菜の如く」
第十一話
「はりきってまいりましょー! 結成、暁水会と陽炎連合」
―――暁組・事務所
暁「――え、夕雲から手紙?」
雷「えぇ、私たち全員で夕雲組の本部まで来てほしいらしいわ。理由が書いてないけど……」
電「なぜお手紙なのです?」
雷「さぁ? そういう気分だったんじゃない?」
響「あぁ、形式を重んじたのかもね」
暁(え、形式……?)
暁「時間はいつ?」
雷「えぇっとね……。――今日の夕方だわ」
暁「どうしたのかしら? ……もしかして、パーティとかっ!?」ハッ‼
電「ぱ、パーティなのです!? はわわ……、どんな服着てけば……!」
雷「いやいや……、それならそう書くんじゃない? ……でも、みんなでご飯とかかもしれないわね」
響「…………まぁ、黙っていようか」ボソッ
暁「ん? 響、何か言った?」
響「いいや。楽しみだね」ハラショー
暁「ふーん……? ――でもそうなると、ここを空けることになるわね」
電「秋月組と吹雪組がいるから大丈夫なのですっ!」
暁「……それもそうね」
雷「それは出かけるときに言えばいいわよね」
暁「えぇ、大丈夫でしょ」
暁「――……うーん、お腹とか空かせといた方がいいのかしら」
電「……ご飯だったら、食べられなかったら困るのです」
雷「そうね。今日はみかじめ料はいらないって言っておきましょ」
響「………………」
――――――
――――
――
175: 2018/05/26(土) 10:33:16.85 ID:C90wuXuc0
―――陽炎組・本部
不知火「……不知火がいない間にそんなことが。そんな肝心な時に……」グッ…
陽炎「しょうがないわよ。……それに、不知火が居ても結果は変わらなかったと思うわ。だから気負わないで」
陽炎「――それよりも、例の件はどうだったかしら?」
不知火「問題ありません。……今日の夕方に集まるかと」
陽炎「さすがね。……はぁ、それにしても。この前の事で白露組になんて言われるか不安だわ」フフッ…
不知火「その時は……」
陽炎「あーあー、何もしちゃダメよ。……さて、否が応でも私たちの関係は動き出すわ。……不知火も準備を怠らないでね」
不知火「はい……」
――――――
親潮「――磯風っ!」
磯風「……あぁ、親潮の姉貴。……すいませんでした、私が捕まってしまったせいで……」
親潮「……そのことで、親潮は言わなければいけないことがあって……」
磯風「え……?」
親潮「――実は、私たちは夕雲組に見逃されたの」
磯風「…………っ! ……それはいったい?」
親潮「あの時……――」
――
――――
――――――
陽炎『――戦わないで、気付かれない程度の距離で様子を見て、報告して!』
親潮「了解しました!」
プツッ…
親潮「浜風、時津風。……私たちは気付かれない程度の距離で様子を伺います。周囲の警戒も怠らないで」
浜風「はいっ!」
時津風「はーい!」
親潮「暁組と同時に動いた……。どうやって連絡を取っていたのかはわからないけど、もう決まりですね……」
176: 2018/05/26(土) 10:35:05.23 ID:C90wuXuc0
時津風「――……若頭ほさー!」ピコンッ
親潮「何か動きが?」
時津風「いやぁ、この風……どうかなぁ」
浜風「…………たしかに、何かを感じるような……」
親潮「……時津風の勘は当たる……。しかし……――」
沖波「――あっ……」
バッタリ
浜風「……あっ」
親潮「――撤退しますっ!! 急いで!」ダッ‼
沖波「あ、あぁ……えっと……! か、陽炎組見つけましたぁー!」アワワ…
時津風「一人なら……」ガルル…
親潮「ダメですっ! 浜風も遅れないでっ!」
浜風「はいっ!」
ズザァアア‼
朝霜「――おぉっとっ! ここはあたい達のシマだよ! 逃げ切れると思うっ?」
親潮「くっ……――!」
親潮「――つい倉庫のようなところに隠れてしまったけど……」
ドコイッター?
サガセー‼
浜風「見つかるのも時間の問題かもしれませんね……」
時津風「やっぱりさー、少しぐらい戦っても……」
親潮「でも、組長が『戦わないで』と言っていたので……」
藤波「――おーい、浜ちん! ここら辺調べたー?」
浜波「ま、まだだけど……。し、調べたほうが……いいの?」
藤波「もち! たぶんどっかにいると思うんだよねーこれが」
親潮「――仕方ありません……。最悪の場合は……」グッ…
時津風「いつでもいいよー……」
浜風「……浜ちん……」
177: 2018/05/26(土) 10:36:24.75 ID:C90wuXuc0
長波「――おーい、藤波ー!」
藤波「えっ? 長波姉さん……。どうしてここに?」
長波「陽炎組の捜索は中止! 帰るよー」
浜波「えっ……で、でも……」
長波「中止オブ中止だよ。組長命令だからさ」
藤波「この辺に居ると思うんだけどなー……」
長波「いいのいいの。……綾波組がうまくやれそうみたいだからさ。ほら、今回ばかりは……手柄は譲った方がいいじゃん?」
藤波「はぁー、なるほど。……じゃ、浜ちん帰ろっか」
浜波「う、うん……」
親潮「……綾波組もこの件に? それにしても、今の会話は……――」
――――――
――――
――
親潮「――ってことがあったの」
磯風「……なるほど。……しかし、何故それを私に?」
親潮「磯風が捕まっていなかったら、私たちが捕まっていたはず……」
親潮「……だから、あまり落ち込まないで。組長も言っていましたが、どちらにしろ結果は変わらなかったでしょうし……」
磯風「親潮の姉貴……、わざわざ励ますために……。――ふふっ、わかっています。……次は必ず、この磯風が結果を出して見せましょう」
親潮「えぇ、期待してますよ……――」フフッ…
―――暁組・事務所
暁「――えっ?? 秋雲と照月が居ないの??」
涼月「えぇ……。暁さんは知っているとばかり思ってましたけど……」
暁「え? なんで私が知ってるのよ?」
初月「えぇっと……」
暁「…………?? ――まぁいいわ。とにかく、留守は頼んだわね」
――――――
178: 2018/05/26(土) 10:38:47.51 ID:C90wuXuc0
雷「――えぇっ?? 吹雪と白雪が出かけてるの?」
浦波「はい。夕雲組のところに行くって……」
電「吹雪ちゃんたちもお呼ばれしてたのですね」
雷「なるほどね……。――まぁわかったわ。それじゃ留守の間、お願いね」
深雪「りょーかい!」
―――夕雲組・本部
暁「――わぁー……夕雲組の本部って大きいのね」
雷「すごいわね……」
電「でも、これなら確かにパーティ出来そうなのです!」
響「ハラショー」ポチッ
ピーンポーン…
ガララッ
風雲「――あぁ、暁組のみなさん。待ってたわ……さぁ、こっちへ……」ススス…
暁「お、お邪魔しまーす……」
雷「風雲、みんな来てるのよね?」
風雲「えぇ。すでに夕雲組長と睦月組・吹雪組・綾波組・秋月組の組長たちが集まっているわ」
電「はわわ……。どんなパーティなのです?」
風雲「えっ?」
暁「えっ?」
風雲「……えぇっと? ……とりあえず、大広間に着いたわ――」ススッ…
――――――
179: 2018/05/26(土) 10:40:07.18 ID:C90wuXuc0
―――陽炎組・本部
陽炎「――さて、全員集まったわね。みんな……今日はわざわざ集まってくれて、感謝するわ」
白露「へぇー、ここが陽炎組の本部かー。……白露組の本部より大きい? 一番じゃない?」
時雨「いえ、ほら……。白露組は庭が広いですから……」
朝潮「私たちも、入るのは初めてですね」
大潮「き、緊張するー……」
神風「ふぅん……。まぁまぁってことかしら」
朝風「あれが白露組……」
初春「ふっふっふ。わらわたちも呼んでもらえるとはのう……」
子日「………………」
―――夕雲組・本部
暁「……えっ??」
雷「……あれっ??」
電「はわわ……」
響「ハラショー」フフッ…
夕雲「あぁ、やっと主役オブ主役の登場ですね」
巻雲「いよー、待ってましたー」
睦月「わぁー! ぱちぱちぱちー!」
如月「く、組長……。すこし落ち着いて……」
吹雪「………………あ、あはは……」
白雪「……組長。いつまで緊張してるんですか……」
綾波「……あれが暁組……ですね」
敷波「ふぅーん? なんかあんまり……」
秋月「わ、私たちまでここに居ていいのかな……」
照月「ど、堂々としてないと……」
暁「…………あれ……全然パーティの雰囲気じゃない……かしら……」
雷「ど、どういうこと……」
電「はわわ……。はわわわわ……」
響「ふふっ……ハラショー」
―――CMへ
180: 2018/05/26(土) 10:42:07.64 ID:C90wuXuc0
―――CM⑪
『ウォースパイトの3分クッキング』
テレレッテッテッテッテ♪
テレレッテッテッテッテ♪
テンテンテンテンッ♪
ウォースパイト「――Hello,everyone! 3分Cookingの時間よっ」
ウォースパイト「さて、今日は我が英国の伝統料理であるパイを作ろうと思うわ」
ウォースパイト「――……と、その前に。大事なGuest performerを紹介しなくちゃね!」
ウォースパイト「Come on! Arkよ、みなさん拍手を!」パチパチ…
ワーワー
パチパチパチ…
アークロイヤル「やぁWarspite、今日は呼んでくれて感謝する。Thank you very much indeed」
ウォースパイト「いいえ、こちらこそ」ガシッ
ウォースパイト「――それじゃさっそく、まずは材料の紹介からね」
ウォースパイト「…………えぇっと、これは日本の言葉だと……難しいわね。――大淀、頼んでもいいかしら?」
テレレン♪
<材料>(4人前)
・バター 25g
・玉ねぎ 1個
・小麦粉 大さじ1/2
・白ワイン 大さじ3
・生クリーム――
――――――
――――
――
ウォースパイト「――そして、これを黄金色になるまで焼き上げるわ」
アークロイヤル「……ん? これって、3分じゃ無理じゃないか?」
ウォースパイト「Don’t worry! ――これが焼き上がったパイよ!」
アークロイヤル「あぁなるほど……」
ウォースパイト「今日は、Japanにも馴染み深いサンマを使ったわ。その名も『Stargazy pie』よ!」ドーン‼
アークロイヤル「日本語にすると『星を見上げるパイ』になるのだろうか」
ウォースパイト「そう、素敵な名前よね。……これの起源は、飢えに苦しむ村を救ったある勇敢な漁師を称えて、fishがちゃんと中に入っているということを示すために頭が出てるの」
アークロイヤル「ふむ。……では、さっそく頂くとしよう。――おぉ……美味しいじゃないか、腕を上げたな」
ウォースパイト「Thank you very much。……ちなみに、このパイはJapanの有名なアニメ映画にも出ているらしいわ。興味があったら調べてみて」
ウォースパイト「――あら、もう時間? ……そうね、来週はウナギを使った料理を紹介しようかしら」
ウォースパイト「それじゃ、See you next week! Cheerio!」フリフリ…
186: 2018/06/05(火) 21:58:58.01 ID:GwO0Zx8O0
―――CM明け
暁「――ゆ、夕雲っ? これはどういうことかしら……???」
夕雲「まぁまぁ、まずは上座へお座りください」グイグイ
雷「え、えぇ……わかったわ」
電「はわわ……」
夕雲「――ごほんっ。……それでは、皆さんもう見知った仲とは思いますが……簡単な挨拶から始めましょうか」
夕雲「……では私から。夕雲組をまとめております、夕雲です。私も含めて、構成員は11名。主力オブ主力の働きをすることを約束しましょう」
巻雲「夕雲組の若頭、巻雲といいます! お力になれるよう、がんばりますっ!」
睦月「睦月ですっ! 睦月組の構成員も11名にゃしぃ! ぜーったい、お役に立てるはずにゃあ」
如月「睦月組若頭、如月です。……よろしくお願いしますね」ウフッ
吹雪「ふ、吹雪組の組長をやっています! 吹雪です! 構成員は……えっと……――7名です! が、頑張ります!」
白雪「若頭の白雪です。暁組への御恩、少しでも返すことが出来ればと思います」
綾波「初めまして……ですね。綾波組組長、綾波と申します。構成員は8名。……先日の暁組の任侠、しかと見届けさせていただきました」
敷波「綾波組若頭、敷波。……以後、よろしく」
秋月「秋月組の組長をしています、秋月ですっ! 秋月組は4名と少ないかもしれませんが、主力級の活躍をご期待ください!」
照月「て、照月です! 練度はバッチリ……だと思います!」
暁「あ……えっと…………」
夕雲「……さ、暁さんの番ですよ」
暁「えぇっ!? ――……あ、暁よ。わ、私も一人前の組長として扱ってよね!」
ワーワー‼
パチパチパチ…
暁「え、えっと……夕雲? これはいったい……」
夕雲「――あぁ、そうです。……実はもう一人いるんですよ」
暁「えっ??」
ガララッ
タシュケント「――……Здравствуйте! ……タシュケントだ。『ホテル・ガングート』に所属している者さ」
暁「す、すとら……?? えっと……た、タシュケントね」
タシュケント「……Привет。ヴェー……――おっと、響……だったね」
響「やぁ、よく来てくれたね」
雷「ひ、響の知り合いなの?」
響「まぁ、ちょっとね」
電「はわわ……。か、海外の方なのです……!」
187: 2018/06/05(火) 22:00:00.45 ID:GwO0Zx8O0
タシュケント「まぁ、あたし達にも色々とあってね。とにかく、よろしく頼むよ」スッ
暁「え、えぇ……わかった――」
タシュケント「――っと、その前に忠告だけしておこう」
タシュケント「……あたしがこの世で我慢ならないものが二つある。一つは冷えたブリヌイ、もう一つは仁義を欠く輩さ。……覚えておいてくれ」
暁「………………」
コソコソッ
暁「――……ひ、響っ、ブリヌイってなに……?」ボソッ
響「え? うーん、そうだね……。まぁ、クレープみたいなものだよ」ボソッ
暁「ふーん……?」
ガシッ
暁「――私は冷えてるのも好きだわ! ……よろしく!」
タシュケント「あ、いや……。…………うん、よろしく」ガシッ
暁「…………って、待ってよ! 夕雲、私はまだよくわかってないんだけど……」
夕雲「今日、皆さんに集まってもらったのは他でもありません。ここに居る暁組を頭として、一つの組織を作るためです!」
ワーワー‼
ヒューヒュー‼
暁「そ、それって……」
夕雲「失礼ながら、この夕雲が名前の方を考えさせていただきました。その名も――」
夕雲「――『暁水会』。……どうでしょうか、暁さん。……いえ、暁会長?」
暁「な、名前はいいけど……。か、会長って――」
夕雲「決まりました! 今、この時を持ちまして暁水会の結成です!」
ワーワー‼
パチパチパチ‼
睦月「おーっ! 暁かいちょー!」
吹雪「お、おめでとうございます!」
綾波「ふふっ、おめでたいですね」
秋月「わぁー! おめでとうございます!」
タシュケント「ふふっ、ハラショー」
暁「あ……えっと……」
夕雲「さ、会長。……さっそく皆さんにお言葉を」
暁「えっ?」
188: 2018/06/05(火) 22:00:36.65 ID:GwO0Zx8O0
暁「え、えっと……」
夕雲「会長……」
巻雲「はわぁ……」キラキラ
睦月「むむぅ……」キラキラ
如月「うふふ……」
吹雪「…………っ!」キラキラ
白雪「ふふ……」
暁「あの……えぇっと……」
綾波「…………」ニコッ
敷波「…………」ジーッ
秋月「わ、わー……」ワクワク
照月「わぁ……」キラキラ
暁「――が、がんばりましょう!」グッ‼
ワーワー‼
ガンバルニャシー‼
ハワワワ‼
メガネガー‼
ワーワー‼
夕雲「――暁水会、全員合わせて46名……。これなら……――」
――――――
――――
――
―――陽炎組・本部
陽炎「――さて、これで簡単な挨拶は済んだわね」
時雨「合わせて、42名……になるのかな」
陽炎「いえ、実はまだ居るのよ。……入ってきて」
ガララッ…
レーベ「――Guten Tag。……『ビスマルクファミリー』から来た、レーベレヒト・マース。……レーベでいいよ、よろしく」
マックス「同じく、マックス・シュルツ。……よろしく」
神風「へぇ……」
朝潮「海外の……」
陽炎「この場にいる六組を、形式的にだけど陽炎組が仕切らせてもらうわ。『陽炎連合』……ってとこかしら」
時雨「……このまえ、あれだけの失態を演じた陽炎組から名前をとるのかい?」フフッ…
不知火「――ッ!」グッ‼
陽炎「不知火、やめなさい。……ただの名前よ。なんなら白露連合でもいいわ」
189: 2018/06/05(火) 22:01:28.52 ID:GwO0Zx8O0
時雨「――いいや、実のところどうでもいいよ。……でもね、勘違いしないでほしいのだけど、何もキミ達を馬鹿にしているわけじゃないんだ」
時雨「それよりも、陽炎組に一杯食わせた向こうの事が気になってね」
初春「たしか、暁組……とかいったかのう?」
レーベ「へぇ……、少し興味があるね。強いのかい?」
陽炎「えぇ。でも、向こうも一組だけではないわ。暁組・夕雲組・睦月組・吹雪組・綾波組・秋月組……。調べによると、合わせて40~50名ってとこかしら」
朝潮「なるほど、数だけで見ればほぼ互角……というところなのですね」
陽炎「そうね。この前はさすがにしてやられたわ」
神風「――それで。……私たちとしてはどうするつもりなのかしら? 相手の動きがあるまで待つの?」
陽炎「……いいえ」
陽炎「――今回は私たちから攻めるわ。……でも、仁義は通す。正面から、正々堂々と叩き潰すわ」ゴゴゴ…
不知火「…………っ!?」
神風「……えらく好戦的じゃない」
時雨「いや、いいじゃないかシンプルで。僕たちからすれば、早期決着するのは歓迎だ」
朝潮「……陽炎さんがそう望むのであれば……」
初春「ま、まぁ、わらわの力があれば……」
レーベ「ふぅん? そうそうにやるのかい?」
陽炎「実はね、もう手紙は送ってあるの。そろそろ届いてる頃じゃないかしら」
神風「はぁ……、まぁいいわ。……場所は?」
陽炎「今はもう誰も使っていない、宿毛湾泊地の鎮守府。……あそこなら誰にも迷惑もかからないでしょ」
朝潮「また随分と……、懐かしいですね……」
時雨「ふふっ……。そうか……楽しみだね」
陽炎「あとはどう返事が来るか、よ。……そんなところで、今日の所は一旦解散にしましょう」
陽炎「……各々、覚悟は決めておいてね――」
――――――
――――
――
190: 2018/06/05(火) 22:05:17.90 ID:GwO0Zx8O0
不知火「………………」
陽炎「……不満かしら、不知火?」
不知火「…………いえ」
陽炎「じゃあ、どうしてそんなに機嫌が悪いの?」
不知火「…………組長らしくありません」
陽炎「……そうかもね」
不知火「……それでも――」
陽炎「――ねぇ不知火。……最後まで私に、付いてきてくれる?」
不知火「はい、もちろんです」
陽炎「……ありがとう――」
――――――
――――
――
―――夕雲組・本部
夕雲「――会長。……さっそく、陽炎組から手紙が来たようです」
暁「て、手紙?」
夕雲「えぇ……。決着の時……みたいですね」
雷「……場所は……宿毛湾鎮守府。……確かに、決着をつけるのにはいい場所ね」
電「また……あの場所に行くのですか」
響「…………懐かしいね」
暁「……もう、引き下がることはできないのね」
暁「……私も、覚悟を決めなきゃ……」ボソッ…
暁「――みんな、よーく聞いて。私たち暁水会は、早くも陽炎組率いる陽炎連合との決着をつけることになってしまったわ」
暁「本当のことを言えば、戦いたくなんかないのよ。いつもの私なら逃げてたかもしれない」
暁「……でもね。いま、ここに立ってなんとなくわかった気がするの。私が背負っているものと、陽炎組の覚悟の大きさがね」
暁「応える為にも、行かなくちゃいけない。とても怖くて、足がすくむわ。……だから――」
暁「 だからお願い。みんなの力を貸してちょうだい 」ドンッ‼
192: 2018/06/05(火) 22:23:25.00 ID:GwO0Zx8O0
夕雲「……えぇ、もちろんです! ねぇ、巻雲さん?」
巻雲「はいっ! 本領発揮しますよぉー!」
睦月「まかせてよっ! 暁ちゃんは、絶対に睦月が守るにゃしい!」
如月「組長だけではありませんよ。睦月組のみんなが、暁組に感謝してるんですから」
吹雪「はいっ! 私も、暁組への恩を忘れてはいません!」
白雪「吹雪組一同。会長のために尽力いたします」
綾波「お任せを。綾波組が、守ります」
敷波「へぇ、なかなか良い眼するじゃん」
秋月「やらせはしません。秋月組が健在な限り!」
照月「もちろんです!」
タシュケント「同志よ。空色の巡洋艦の力、お見せしよう」
暁「――ありがとう!」
暁「……みんな」スッ
雷「大丈夫よ、組長。私が居るじゃない」
電「電もいるのです!」
響「私もいる。組長は前だけを見てればいい」
暁「……えぇ、わかってる」フフッ
暁「もう、怖くなんかないわ――!」
――――――
――――
――
第十一話
「はりきってまいりましょー! 結成、暁水会と陽炎連合」
お わ り
193: 2018/06/05(火) 22:26:30.84 ID:GwO0Zx8O0
【次回予告】
デデンデデン♪
暁「暁水会会長、暁っ!」
雷「雷よっ!」
電「電なのです!」
響「響だよ」
暁「ついにこの時が来てしまったわね」
雷「私たち、どうなるのかしら……」
電「怖いのです……」
響「……でも、私たちには仲間がいる」
暁「えぇ、そうね。心強い仲間が、いっぱいできたわ」
雷「きっと私たちなら……」
電「大丈夫に違いないのです」
響「ハラショー」
暁「……さぁ、行きましょうか。……決着の場所へ」
暁「――次回『暁が如く』!」
雷「最終回よっ!」
電「1時間すぺしゃるなのです!」
響「 『暁の水平線に』 」
「「「「任侠桜に仁義の嵐っ!!」」」」
暁「……それでも本当は、戦いたくなんかないわ……」
デデデン♪
194: 2018/06/06(水) 08:44:18.50 ID:Fv9Ir1GBO
引用: 【艦これ】暁が如く【極道】
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