515: 2013/04/27(土) 11:57:26.88 ID:YTBXS2OJ0


最初から:モバP「まゆのヤンデレを治す!」

前回:モバP「まゆのヤンデレを治す!」藍子ちゃん編

P「まゆが昨日、ついに家に来なかったんですよ。」

社長「ということは…、君の作戦が成功したと言っていいのかな?」

P「はい!!」

社長「で、後ろで抱き着いてるまゆを見て成功と言えるのかな?」

P「甘い基準では大成功ですよ!!」

社長「激甘じゃねーか!!」

まゆ「まゆとPさんの関係も激甘ですよぉ。」

P「まあ、そういうわけで…」

社長「なんていうかさ、いちいち俺に報告するなよ…。頭痛くなってきた。」

P「やさしさならありますよ。」

社長「てめーの優しさで治るんだったらバファリンなんていらねーんだよ。」
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516: 2013/04/27(土) 12:17:47.04 ID:YTBXS2OJ0
のあ「あら、いつものことながら早いわね。」

P「のあさん、今日は休みじゃなかったんですか?」

のあ「休日という日を怠惰に過ごすことには慣れていないの。」

P「事務所に何の御用ですか?」

のあ「ちょっとした忘れ物とジンクスのため、かしら。」

P「ジンクス?」

のあ「あまり人に質問するものではないわ。女ならなおさらに。」

P「はぁ…」

のあ「あなたも自らに課せられた仕事を全うしなさい。もっとも、あなたの場合は課していると言った方が正しいのかしら?」

P「さぁ…」

のあ「自らの意思で選んだ道に食いつぶされないでちょうだい。私とあなたには約束があるんだから。」

P「そうですね。」

P(この人にヤンデレールは効くのだろうか…。不安だ。)


517: 2013/04/27(土) 12:23:10.97 ID:YTBXS2OJ0
P「そういえばのあさん、試供品のビタミン剤があるんですけど…」

のあ「ビタミン剤ね…、そう。」

P(なんかバレてる。)

のあ「それがあなたの挑戦というのなら受けてたつわよ。」

P「な、何のことですかね…」

のあ「後悔はしないわね。」

P「いや、するかも…」

のあ「いいじゃない、たった1日私に時間を捧げればいいだけの話よ。」

P(確信犯だよ…)

のあ「じゃあ、一粒もらおうかしら。禁断の果実…いや、ここではビタミン剤ね。」

P「ど、どうぞ…」

のあ「感謝するわ。」

521: 2013/04/28(日) 19:36:51.76 ID:EV2xEWOJ0
のあ「じゃあ、帰ろうかしら。」

P「え?」

のあ「案外、暇じゃないってことを思い出したのよ。」

P「え…、それって一体どういうことなんですか?」

のあ「女の子には準備が必要なのよ。」

P「もう女の子って年でもないでしょう。」

のあ「女性はいつでもかわいいと思われたいものよ。それとも、分かっててからかってるのかしら?」

P「…」

のあ「沈黙、ね。ある意味正しい選択肢ね。じゃあ、お先に失礼するわ。」

522: 2013/04/29(月) 13:29:45.91 ID:w93TEJSw0
のあ「鍵ね。こんなもので隔てることが出来るとでも思っているのかしら?」

のあ「開きなさい。まだ使命を全うしたいでしょう。って言っても開くはずないわね。悲しいわね、主人に全てをゆだねているあなたをここで壊すのわ。」

まゆ「人の家の前で何をやっているんですかぁ?」

のあ「ちょっと、ね。それよりここはPの家のはずだけど。」

まゆ「わたしとPさんのいえですよぉ。」

のあ「じゃあ、ちょっと家に洋二があるの。上がらせてくれる?」

まゆ「…」

のあ「沈黙は肯定の意味でうけとっていいのかしら?」

まゆ「自分で考えて下さい、そんなこと。」


524: 2013/04/29(月) 22:08:43.17 ID:w93TEJSw0
まゆ「何の用ですか、ここはあなたのいるべき場所じゃありませんよぉ。」

のあ「ちょっとだけ貸してちょうだい。対価は払うつもりよ。」

まゆ「そんなことは関係ありません。早く…」

のあ「大丈夫、一瞬であなたは幸せな夢の中へ墜ちる。もう戻ってきたくなくなるくらいの、ね。」

まゆ「そんな冗談にごまかされる年じゃありません。」

のあ「ふふ…、冗談だと思う?残念、私は本気よ。」

まゆ「何を…」

のあ「今からあなたは幸せな夢の世界へ行く。ここ帰ってきたくなくなるくらいの素晴らしい世界に…。さあ、目を閉じなさい。そして願いなさい。自らの幸福を。」

まゆ「ま、まゆは…、そんな、まやかしに屈したりはしません…」

のあ「大丈夫、身を任せて。そう、そのまま、精神を傾けるの…」

まゆ「Pさん…、Pさんが見え…る…」

のあ「飛び越えなさい、世界の境界を!」

まゆ「うふふ…、Pさん…、嬉しいです。こんな素敵な…ゆ…び…わ…」トローン

のあ「指輪ね…、夢の中とはいえ気持ちの良くない者だわ。」

525: 2013/04/29(月) 23:34:40.79 ID:w93TEJSw0
P「まゆ、今帰ったぞ。まゆ、まゆ?いないのか。まあ、これが当たり前なんだけど。」

のあ「お帰りなさい……………、にゃん。」

P「の、のあさん!!何やってるんですか!?」

のあ「何も…」

P「いや、そういうことを…」

のあ「まあ、来なさい。全てが分かるわ。」

P「え…」

のあ「その名にふさわしいノアの方舟といったところかしら。」

P「ノアの方舟?」

のあ「その昔、大洪水で地上が洗い流された際、唯一生き残りを許されたノアの一族が乗った方舟よ。」

P「それが一体…」

のあ「分かっているくせに…」

526: 2013/04/30(火) 00:10:37.86 ID:HyY5XPpu0
のあ「ここよ。」

P「まゆ!まゆがうつろな目で虚空を眺めているじゃないですか!?どういうことですか!?」

のあ「彼女には遠い世界にいってもらったの。幸せの楽園。いうなれば、エデンかしら。」

まゆ「Pさん、5人目が生まれましたよぉ。これでユニットが作れますねぇ。」トローン

P「まゆ、しっかりしろ!!まゆ!!」

のあ「ただの催眠術よ。そんな長い時間眠っているわけではないわ。まあ、自分の意志で戻ってきそうにはないけどね。」

P「のあさん、どういうつもりなんですか?」

のあ「言ったでしょ。ノアの方舟って。」

P「きちんと教えて…く…だ…さ…い…」

のあ「このアイドルの洪水とも呼べる世界にあなたと私だけの方舟を作るの。そう、永遠に結ばれた愛の契約。決して壊れず、決して沈まない方舟を。私とあなたは神から選ばれし存在。あなたと私でこのアイドルの洪水を生き延びましょう。他の小娘なんてどうでもいいわ。他の女になんて目をくれてやる必要もない。」

P「そんな…こと…は…」

のあ「特殊な香を焚いてるの。徐々に睡眠状態に落ちていくものをね。このまま、洗脳すればあなたと私の楽園になる…、そう、楽園に。」

P「なぜ…あなたには、お香が…」

のあ「ヤンデレールという薬はひどい興奮状態に陥る薬なの。この香の匂いを凌駕するくらいにね。」

P「そ…んな…」

のあ「いらっしゃい、わたしとあなたの楽園へ…」

527: 2013/04/30(火) 00:37:22.21 ID:HyY5XPpu0
P(ここは…、どこだ…)

のあ「どこでもいいじゃない。ここは楽園。あなたとあたしだけの楽園。」

P「のあさん?」

のあ「のあって呼んで。ここでは永遠に幸せな時間が過ぎる。あなたにとって幸せって何?」

P「幸せ…、それはアイドルたちと共にトップアイドルを目指すことが…」

のあ「それは建前。本当の幸せを教えて。」

P「普通の日常を送りたい…」

のあ「そう、普通の日常。有名なアイドルたちに圧迫されたり、芸能界の裏なんて見なくてもいい。そんな日常。」

P「違う…、違う…」

のあ「違わないわ。あなたはただの一般人として生きたがってる。でも才能が、夢がそれを邪魔するのね。大丈夫よ。全部、私が背負ってあげるから。」

P「私は…、楽に…」

のあ「本当のあなたを教えて…」

P「私は…、僕は…幸せに…」

のあ「そう幸せに暮らすのよ。この楽園で…」

P「うん、そっちの方がいいのかな、のあ。」

のあ「そうよ、P。私がついててあげる。」

528: 2013/04/30(火) 00:54:50.42 ID:HyY5XPpu0
P「のあ、普通ってどう過ごせばいいのかな。最近、働きづめだったから分かんないや。」

のあ「そうね、休日に自分のやりたいことが出来るってことくらいしか思いつかないわ。」

P「あ、ライブだ。見に行こうよ。」

のあ「待ちなさい!!」

P「あ、日高舞のライブだ!!チケットありますか?二枚ください!!」

のあ「ちょっと待ちなさい。」

P「ラッキーだな、チケットが2枚も残っているなんて。行こう、のあ。」

のあ「仕方ないわね。」

P「えへへ…」

529: 2013/04/30(火) 01:28:15.18 ID:tuXw5AsDO
追いついたらPが王手だったとは・・・

531: 2013/04/30(火) 01:37:07.97 ID:HyY5XPpu0
P「うわあ、すごい。舞だ、日高舞だ!!」

のあ「良かったわね。」

P「うん!!」

のあ「舞か…」ギリ

P「舞!!舞!!」

舞「今日は引退ライブに来てくれてありがとう!!」

P「舞の引退ライブに来れて良かった。えへへ。」

舞「じゃあ、今日はファンの人に来てもらおうかなー。」

観衆「うおー、舞ちゃんと一緒にステージに上がれるの!?」

舞「じゃあ、そこの君!!」

P「え、僕?行ってくるね、のあ。」

のあ「え、ええ。」

舞「ボク、お名前は?」

P「Pです。」

舞「Pくんは将来の夢とかある?」

P「プロデューサー!!だって、舞ちゃんみたいなかわいいアイドルと結婚できるから。」

舞「あはははは、面白いね、Pくん。」

P「えへへへ…」

のあ「そう、それがあなたの答えなの。」

532: 2013/04/30(火) 01:47:29.44 ID:HyY5XPpu0
のあ(今から13年前、電撃引退した日高舞。そのアイドルに憧れてこの世界に入ったのね。なら、私がそのポジションにつけばもう、確実にPは私のもの…)

P「のあ、難しい顔をしてどうしたの?」

のあ「ちょっと考え事をね。P、遊んできなさい。」

P「はーい。」

のあ「ここまで精神年齢を低くしたかいがあったものだわ。彼の原点が見れたわけだし。さて、小学生から中学生程度に上げようかしら。」

P「のあ…、どうしてそんなことするの?」

のあ「P、聞いていたの!?」

P「のあは僕がどんな目にあったか分からないからそんなことが言えるんだ。僕の幸せを壊さないでよ。永遠にこの日が来るだけでいいのに。」

のあ「そう、そうよね。P、この楽園でずっと一緒に暮らしましょう。」

P「うん、そうするよ。」

のあ(彼の中学校時代に何があったのかしら?)

533: 2013/04/30(火) 01:54:20.87 ID:HyY5XPpu0
のあ(彼には内緒で中学生の記憶を覗き見しましょう。)

P「舞のコンサート…、のあ。見たいの、僕の過去がそんなに面白いの?」

のあ「え?」

P「見ればいいよ、のあ。君の言う一般人の日常を。」

のあ「P…」

P「学校だ、早く行こう。のあ。」

のあ「ええ。」

P「後悔はしないで。」

のあ「そのつもりよ。」

534: 2013/04/30(火) 02:04:44.71 ID:HyY5XPpu0
のあ「下駄箱ね。」

P「開けるか。」ガチャ

ザザーッ

のあ「何、この手紙の山!?」

P「呼んでみてよ、のあ。」

のあ「ええ、そうさせてもらうわ。」

手紙『アナタヲミテイル。エイエン二。ワタシノイトシイヒト。ズットズットイッショ』

手紙『あなたがスキです。どうしようもないくらいに。』

手紙『私はアナタのウンメイの人。』

手紙『アア、ヒトは間違いを犯す。』

手紙『君は純粋だ、怖い位に。』

手紙『君はどうして私の前にいるんだい。』

手紙『さようなら。会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない会いたくない』

のあ「何これ…」

P「彼女は嘘つきだ。ずっと傍にいてくれるって約束したのに。僕より他の男を選んだ。

のあ「まさか。ストーカーしたんじゃ…」

P「正解。さあ、戻ろうよ。あの頃に、戻ってよ。でなきゃ、まゆに会わせてよ。

のあ「いえ、進めましょう。時を。」

535: 2013/04/30(火) 02:16:46.24 ID:HyY5XPpu0
のあ「高校ね。」

P「そうだね。のあは幻滅しないかな。僕に幻滅しないかな?」

のあ「さあね、せめて私の愛したPと同じになるまで止めにしないわ。」

P「まだ彼女のストーカーさ。」

のあ「え?」

P「僕はさ、諦めきれなかった。彼女を。追った、追った、どこまでも。」

社長「おい、何してるんだ?」

P「先輩に言う筋合いはありません。」

社長「いや、ここは進学校だし。もうストーカーなんてやめたら…」

P「先輩にはわかりませんよ。愛なんて、恋なんて…」

社長「すごい言われようだな。で、例の件は考えてくれた?」

P「芸能事務所を立ち上げるからプロデューサーになって欲しいってことですか?ああ、OKですよ。どうせ、商品にしか思えませんし。」

社長「はは、冗談がうまいね。」

P「冗談、か。」

社長「君の夢は知っているよ。プロデューサーになってかわいい女の子と結婚するんだろ。」

P「前に話した通りですよ。それで明らかに向いてない僕をどうして…」

社長「ティンと来たんだよ。なにかしら、ね。」

P「バカにしやがって。」

536: 2013/04/30(火) 02:25:13.65 ID:HyY5XPpu0
社長「君は前に言った。シンデレラは魔法にかかる前は単なる灰かぶりでしかなかった。魔法をかけてようやくシンデレラになれた。だから、僕も魔法をかけたい。一番、輝いている女の子を傍で見たい。幼き日に見た日高舞のような…」

P「やめましょう、その話。連れがいるんで。」

社長「そうか、じゃあ、頑張れよ!!ストーカーはダメだからな!!」

P「はい。分かりました。」

のあ「魔法ね。私は今チャームをかけられているわ。ここまで人を一途に思えるって素敵なことよ。」

P「ああ、そうだね。」

537: 2013/04/30(火) 02:48:45.86 ID:HyY5XPpu0
のあ「P、ここは、駅のホームよね?」

P「見てるといいよ。」

のあ「ええ。」

  「あなた、ここまで来たの?」

P「逃げなくてもいいじゃないか?だって、僕は君の運命の人だろう。」

  「もう嫌。あなたに付きまとわれたくない。」

P「何を言ってるの?」

  「あなたともう関わりを持ちたくないの。さよなら。」

P「待って!!」

  「私が好きならちょっとだけそこで待ってて。贈り物をあげるわ。」

P「うん、分かったよ。」

  「じゃあね。」

プワーン

ガッタンゴットンガッタンゴットン

  「あなたみたいな素直すぎる男、大っ嫌い。この言葉で吹っ切れたでしょ。最高の贈り物でしょ!!」

P「…、ごめんね。」








のあ「お終い、かしら。」

P「ああ。私の回想はこれでお終いだ。私にとってアイドルは魔法をかける存在にしか過ぎないんだよ。」

のあ「嘘、つかないで。こんな記憶ないくせに。私を騙せると思ったの?こんな作り物で私をあなたから離すことが出来たと思うの?最後に聞くわ。これは嘘でしょう。」

P「のあさんには敵わないなぁ。嘘ですよ。全部、嘘。私にとってアイドルは生きる意味です。それを邪魔しないでください。私の普通の日常はあなた達のプロデュースなんですから。」

のあ「まったく、素敵よ。下らなさ過ぎて。こんなことに必氏になって抵抗して…」

P「洗脳なんてされませんよ。絶対に。」

のあ「ええ、終わりにしようかしら。茶番はお終い。本気で洗脳するわ。」

P「夢の中でお話ししているの楽しかったですよぉ…」

のあ「!!、まゆ…、そういうこと…」

538: 2013/04/30(火) 03:01:05.92 ID:HyY5XPpu0
まゆ「わたしに催眠術ですかぁ。かかるわけないじゃないですかぁ。結局、まゆがのあさんにかけちゃう形になりましたけど、しかたありませんねぇ。」

P「まゆ、ただいま。」

まゆ「お帰りなさい、Pさん。」

P「あれ、まゆ。のあさんが寝ているんだが…]

まゆ「お疲れなんじゃありませんかぁ?」

P「なんでここに?」

まゆ「さあ、誰かさんの薬のせいじゃないですかねぇ。」

P「うっ…」

まゆ「夕食が冷める前にいただきましょう。」

P「ああ…」

まゆ「方舟は私とPさんのものですよぉ。決してあなたになんか渡しませんからねぇ…」ボソッ












結局、のあさんはその日は1日中寝続けていた。時折苦しそうな顔を見せるのあさんにPは不安を覚えた。

539: 2013/04/30(火) 03:09:18.84 ID:HyY5XPpu0
のあさん編終了です。


簡単な補足
のあさんは>>524の時点ですでにまゆに催眠術をかけられています。「まゆはまやかしに屈しません」とありますが、そのあたりからかけ始めています。なので、Pの過去は全てまゆの作り出した嘘です。まゆの声が途切れ途切れになっているのは、のあさんが催眠術にかかり始めたからです。もう最後のまゆが落ちた部分ではのあさんの方が術中にはまってます。



ノリだけのSSなのにどうしてこうなったし…



次回:モバP「まゆのヤンデレを治す!」きらり編



次はきらり編を書きます。

引用: モバP「まゆのヤンデレを治す!」