1:◆aKZmxL4TCc 2015/12/24(木) 21:11:01.73 ID:+k/CHSPs0
※注意
・艦隊これくしょんのSSで、もしも海軍司令部がこんな場所だったら、と言った感じの話です。

・人名&地名が出てきます。

・キャラ崩壊は多分している。

・誤字脱字、妙な改行などもあるかもしれません。

・タイトルが変わっていますが、下の作品の続編です。
 【艦これ】総司令部の日常

シリーズの最初:【艦これ】総司令部の日々

それでも大丈夫と言う方はどうぞ。

お手柔らかに見ていただければと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450959061

3: 2015/12/24(木) 21:20:33.25 ID:+k/CHSPs0
 ―12月10日・9時過ぎ、執務室―

司令長官「黎明君は今日確か、新しく着任した子への説明会だっけ?」

提督「はい。本当は大規模作戦が終了した日の翌日に開きたかったのですが、書類の始末等で日程が大幅にずれてしまいました」

司令長官「まあ、それは仕方ないね。それで、今回着任したのは鹿島君、嵐君、萩風君、それと酒匂君だっけ」

提督「4人だけ、と言うのが少々残念でしたが」

司令長官「前回の大規模作戦で仲間が多く加わり過ぎちゃったから、少し物足りない感じがしたんでしょ?嵐君を仲間に入れる事ができただけでも僥倖だよ」

提督「…グラーフ・ツェッペリンさんも仲間に加えたかったのですがね」

司令長官「ま、運が無かったって事だね」

提督「…さて、では私は説明会の準備をしておきますので、司令長官もご自分の仕事をなさってください」ガタッ

司令長官「分かってるって」

提督「もし仕事を終わらせていなかった場合、コテンパンにしますからね」

司令長官(毎度の事だけど、これが司令長官に対する態度かね……)
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
2: 2015/12/24(木) 21:14:54.95 ID:+k/CHSPs0
【前スレからのリクエスト状況】

・五十鈴  ・飛龍  ・艦載機妖精  ・大淀  ・五月雨  ・クリスマスの話

4: 2015/12/24(木) 21:37:55.52 ID:+k/CHSPs0
【着任】

 ―9時半過ぎ、大会議室―

提督「今回の作戦で鎮守府に着任する事となった4名の方々、ようこそ」

鹿島「ありがとうございます」

嵐「サンキュー!」

萩風「どうも……」

酒匂「ありがとねっ♪」

提督「…私がここの鎮守府の提督である、斑(まだら)です。まあ、既に会った事はあるかと思いますが、よろしくお願いいたします」

提督「まず最初に、この鎮守府は知っての通り、通常の鎮守府とは異なっております」

嵐「ああ、確かここは海軍の総司令部でもあるんだっけか?」

提督「はい。工廠、入渠ドック、寮、売店(明石の店)外にあり、本館には食堂、休憩室、資料室、作業室、書庫、そして会議室があります。鎮守府としての

   設備は他と同じですが、ここでは少し配置・構造が複雑になっておりますのでご注意ください」

鹿島「着任した日に一通り見させてもらいましたが、提督の仰る通りでした…」

提督「さらに、本来は作戦、軍備、情報、通信等の部署がございましたが、前の司令長官の戯言によってすべて廃止されてしまいました」

酒匂「えっ」

提督「私も仕事をしておりますが、本来は担当部署の方にしてもらうはずだった仕事が、艦娘の皆さんにも仕事をしてもらっています。」

萩風「そんな………」

提督「言ってしまっては何ですが、各地の鎮守府の戦力状況を統括しているデータ課は、総司令部の中で最も過酷と言われている部署ですので、

   ここの仕事ができれば一人前と言えるようになります」

4人(やりたくない…)

5: 2015/12/24(木) 21:50:27.83 ID:+k/CHSPs0
提督「続いて生活についてです。食事は基本的に、本館にある食堂を利用してもらいます。まあこれは、自炊をしている方もいらっしゃいますので、

   これについては自由です。ただし、朝食は必ず食堂で食べてください」

嵐「ん?何でだ?」

提督「単純な話、毎朝必ず朝食の前に講堂で朝礼を行いますので、料理をしている時間はないという事です」

嵐「ああ、そういう……」

提督「食事の時間は、朝食は8時から9時、昼食は12時から13時、夕食は19時から20時です。ですが、食堂は常時開放しておりますので、ご自由に利用して

   構いません」

酒匂「はーいっ♪」

提督「風呂についてですが、浴場は24時間開放しておりますので、こちらも自由に利用してくださって構いません」

萩風「えっ、24時間開放してるんですか?」

提督「演習や夜間遠征から帰って来た方がすぐに風呂に入れるようにしておりますので」

萩風「なるほど……」メモメモ

提督「寮の方は、艦種別で分けております。従って、嵐さん、萩風さんは駆逐艦寮、酒匂さんは軽巡洋艦寮、鹿島さんは特別艦寮で。って、もう皆さん、

   寮の方で生活しておりますからわかっていますよね」

嵐「ああ、よーく分かってるぜ」

酒匂(ぴゃぁ……夜になると夜戦忍者って子がうるさくて眠れない……)

提督「私と司令長官の私室は本館にございますので、何かトラブルがございましたら遠慮なく来ていただいて構いません」

提督「続いて―」


――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

6: 2015/12/24(木) 22:00:07.45 ID:+k/CHSPs0
提督「と言った感じです。分かっていただけましたか?」

鹿島「はい、大丈夫です」

酒匂「うーん…ちょっと難しかったかも……でも、何となくは分かりました!」

提督「何となくで分かっていただけただけで十分です。分からない事がございましたら、皆さんや私に遠慮なく聞いてください」

萩風「分かりました」

嵐「了解!」

提督「それと……最後に一つ忠告がございますが……」

4人「?」


提督「ここは総司令部であるが故、他の鎮守府より規律に厳しい仕様となっております」ゴゴ・・


4人「」


提督「就寝時間、食事、出撃、演習等の決まりは、よほどの理由が無い限り破る事は許されておりません。もし破った場合は反省文100枚と、1週間の謹慎処分

   となりますので、肝に銘じておくようにしてください」ゴゴゴゴゴゴ


4人「」ブルブル

提督「説明会は以上となります。今回の説明会で話した内容を踏まえて、皆さんと協力して過ごしていきましょう」

4人「は、はい!!」ビシィ


【終わり】

7: 2015/12/24(木) 22:09:17.24 ID:+k/CHSPs0
【キャラクター紹介】

≪提督/斑 黎明(まだら れいめい)≫

本作の主人公。関東・東京第壱鎮守府の司令官であり、海軍司令長官の補佐官でもある。また、関東地方の代表提督。性別は男性で、年齢は26歳。

生真面目な仕事人間であるが、若干S気質なところもある。司令長官が仕事を怠ける事が良くあるため、その司令長官の分の仕事をする事も多々ある。

みなしごであるために家族と言うものをよく知らない。また、元々は海軍所属ではなく一般の社会人であったが、その性格が災いして会社をクビになり、

途方に暮れていたところで親友の誘いに乗り海軍に入る。朴念仁、枯れていると思われることが結構あるが、本人曰く『節度を持っているだけ』。

他人から好意を向けられている事が結構あるが、本人の認識が仕事>恋愛と言うある種のワーカホリックであるために、中々気づかない。

好きな言葉は『謹厳実直』。

8: 2015/12/24(木) 22:11:02.52 ID:+k/CHSPs0
今日はここまでにします。

明日は、時期的な事もあるためクリスマス編の話を書いていきます。


リクエストは随時受けておりますので、どうぞ遠慮なくお書きください(深海棲艦をリクエストする事も可能です)。

キリ番安価も実施する予定です。

また、感想等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。本スレでもよろしくお願いいたします。

14: 2015/12/25(金) 22:26:21.36 ID:qn3a4tbx0
 クリスマスの過ごし方は人それぞれだ。

 家族で過ごす人もいれば、恋人と共に過ごす人もいるし、クリスマスなんてなかったかのように仕事をして過ごす人もいる。

 (まあ、どれも本場のクリスマスの過ごし方とは全く違うが)

 一番オーソドックスなのは、パーティを開くことかもしれない。

 規模は家族、友人、会社…色々だが、みんなはパーティで騒ぐことで日々の鬱憤を晴らしていることが一番の理由かもしれない。

 海軍の鎮守府には、パーティを開くところが少なくない。というかほとんどそうだ。

 まあ、パーティを開かない鎮守府もあるという事だ。

15: 2015/12/25(金) 22:34:56.27 ID:qn3a4tbx0
【聖なる夜に】

 ―19時過ぎ、伊豆・第壱拾参鎮守府―

第壱拾参鎮守府提督(以下瑞理)「メリー・クリスマース!!」

皆『いえーい!!』

瑞理「今日は皆、日々の戦いは忘れて、飲んで歌って大いに楽しもーう!」

皆『やっほおおおう!!』

禊(整備員)「瑞理さんや艦娘の皆さん、思いっきりはしゃいでいますね」

明石「まあそうだねー。皆いつもの戦いでストレスが溜まってたから、ここで発散したいんだろうね~」

禊(パーティでストレス発散って……)

瑞理「やあ明石ちゃん、禊君。楽しんでる?」

禊「あ、はい。それにしてもこの料理美味しいですね~。誰が作ったんですか?まあ、間宮さんや鳳翔さんがメインかもしれませんけど…」

瑞理「うん、その2人も作ってくれたけど、妖精さんも手伝ってくれたからね~」

明石「ちゃんと妖精さんも労ってあげたんですか?」

瑞理「もちろんさ。ちゃんとお菓子とクリスマスツリーの飾りのあまりをプレゼントしたよ」

禊「なんというささやかなプレゼント……」

瑞理(それよりさ、クリスマスって絶好の告白イベントだよ?この期に明石ちゃんに告白したら?)ヒソヒソ

禊(は、はああああ!?む、無理ですよ!まだ心の準備ができてませんってば!)ヒソヒソ

瑞理(はー…君ってホントに優柔不断だね)ヒソヒソ

明石(2人とも何の話してるんだろ……。ターキー美味しい)モグモグ

16: 2015/12/25(金) 22:46:15.89 ID:qn3a4tbx0
 ―同時刻、小樽・第鉢拾伍鎮守府―

第鉢拾伍鎮守府提督(以下手稲)「今日はホワイト・クリスマスってやつかな?」

響「司令官、猛吹雪の12月25日をホワイト・クリスマスって言うのは、何か違うと思うんだ」

手稲「まあ、確かにそうだね……さて、鍋の具合はどうかな?」

阿武隈「うん、もうそろそろいい感じだね~」グツグツ

手稲「よし、それじゃあ皆。1年間お疲れさまでした。今日は皆、遠慮なく食べてくれていいからね。じゃ、いただきます」

皆『いただきまーす』

手稲「うん、美味しい」モグモグ

響「それにしても、クリスマスと言ったらケーキにターキーが定番なんだろう?それなのに、何で鍋に?」パクッ

阿武隈「実はね、漁港のおじさんから、『寒い中紹介ご苦労様!これは俺たちからのクリスマスプレゼントだ!』っていっぱい魚とかをもらったの」モグモグ

手稲「ははは。今度そのおじさんに会ったらちゃんとお礼を言わないとね」

阿武隈「それにしても、まだ今年は1週間残ってるっていうのに、もう出撃ができないなんて…つまんないの」

手稲「仕方ないさ。もう鎮守府近海より遠くは荒れすぎててとても航行できそうな状態じゃないし、猛吹雪で視界が利かないんだから」

阿武隈「まあ、そうだけど」

手稲「大丈夫さ。他の鎮守府に後れを取るなんてことは無い。総司令部の斑さんから救済措置として資材を各3000いただいてるし、冬を超えるまでは、

   ゆっくり過ごそう」

響「そうだね。確かに真冬の海は寒すぎて出撃する気になれないし」

阿武隈「冬を越した後が怖い……体が鈍ってそうで…」

18: 2015/12/25(金) 23:00:50.76 ID:qn3a4tbx0
 ―同時刻、天草第陸拾壱鎮守府―

第陸拾壱鎮守府提督(以下守展)「うぇ―――い!!///」

千歳「うぇ―――い!!///」

那智「うぇ―――い!!///」

隼鷹「うぇ―――い!!///」

守展「高速道路は英語で、ハーイ…」

千歳&那智&隼鷹&足柄「ウェ―――――――イ!!」

千歳「セリ科の二年草はキャーラ…」

守展&那智&隼鷹「ウェ―――――――イ!!」

那智「『武器よさらば』の作者は、アーネスト・ヘミング…」

守展&千歳&隼鷹「ウェ―――――――イ!!」

天龍「うるせえええ!!酔っ払いのテンションがうぜー!!」

木曾「後ギャグの寒さがさらにウザさを増している!!」

千代田「うにゅううううう………///」

天龍「くそっ…提督が嫁の千代田さんを真っ先に酔わせたのはこれが目的か……」

木曾「ああ…ストッパー役の千代田先輩を酔いつぶれさせて、千歳先輩と提督その他飲兵衛組が酒が思いっきりに飲めるようにしたのか……」

隼鷹「『誰が為に鐘は鳴る』の作者もアーネスト…」

守展&千歳&那智「ヘミング・ウェ―――――――イ!!」

木曾「ネタがほとんど尽きてんじゃねぇか!!」

駆逐艦勢「」ブルブルブルブル

天龍「お前ら、駆逐艦のガキ共が怯えてんじゃねぇか!!」

木曾「っつーか、明日二日酔いで吐いても知らねえぞ!」

守展&千歳&那智&隼鷹「問題ない。柿とグレープフルーツとはちみつは準備してある」

天龍&木曾「はもんな!!」

19: 2015/12/25(金) 23:11:16.82 ID:qn3a4tbx0
 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

提督「………………………」カリカリカリカリ

司令長官「……………………」カリカリカリカリ

長門「…………」ペラッ、ペラッ


深雪「ウチはクリスマスパーティってできないのか~」

白雪「いえ、そのようなルールは無いんですけれど…」

吹雪「司令官と司令長官が仕事を頑張ってるのに、私達だけでクリスマスパーティを開くのって、なんか申し訳ない気がしない?」

初雪「……ケーキ、ターキー…食べたかった」


提督「司令長官、そちらの書類はあとどれくらいで終わりますか?」

司令長官「うーん…もうちょっと時間がかかるね……」

提督「私もまだ……」

長門「しかし……クリスマスぐらいお仕事を休んではどうだ?年に1日しかない貴重な日だぞ」

提督「いえ、この日は各鎮守府から送られてくる書類の数が少ない…ほとんどない日でもあるんです。この日のうちに、これまで溜まっていた書類を片付けて、

   少しでも後後の負担を減らすようにしているんです」

司令長官「そうそう。そのためにわざわざ儂も頑張ってるんだから」

提督「いえ、貴方が日頃から真面目に仕事をしていればここまで書類は溜まらなかったんですよ」

司令長官「んんっ……」

長門「しかし、私も手伝っているとはいえ、まだまだ書類は多いぞ。これではパーティを開けないではないか」

提督「ですから、私達には構わずにパーティを開いても構わなかったんですよ?」

司令長官「そうそう。こういう時くらい、皆で羽目を外せばいいじゃない」

20: 2015/12/25(金) 23:20:23.13 ID:qn3a4tbx0
長門「何を言っている。提督や司令長官がいなければ、パーティも盛り上がらない」

提督「そうですかね……」

司令長官「とにかく、皆も普段から出撃や演習で疲れてるでしょ?大会議室でパーティの準備を進めておいてあるから、長門君もそこに行ってくると良い」

長門「何……?そんなものを用意していたのか」

提督「ええ、事前に妖精さんに頼んで置いてありました」

司令長官「だから長門君。ここは良いから行っておいで。後は儂らでやっておくから」

長門「しかし……」

提督「長門さん、貴女は日ごろから私の代行業務を何度もやってくれています。ですからそのお礼と言っては何ですが、今日くらいは休んでください」

司令長官「黎明君もこう言ってるんだし、素直に行っておいで」

長門「…………すまない。では、行ってくる」ガタッ

パタン


 ―大会議室―

ざわ…ざわ…

赤城「料理もおいしそう……だけど」

鬼怒「えー…提督いないのか~…なんか残念……」

金剛(Shit!Christmasの夜にテートクに告白するっていう私の計画がパァに……)

吹雪「司令官がいないと何だかな~……」

睦月「むぅ……司令長官や司令官と一緒に食べたかったにゃしい……」

長門「………なら、こういうのはどうだ?」

21: 2015/12/25(金) 23:26:02.61 ID:qn3a4tbx0
 ―数十分後、執務室―

コンコン

司令長官「うん?だれかな?」

提督「どうぞ」

ガチャ

陸奥「失礼するわね、提督。司令長官」

提督「陸奥さん、どうしたのですか?」

陸奥「パーティの料理、おすそ分けに来たわよ♪」スッ

提督「これは……ありがとうございます」

司令長官「いやあ、悪いねぇ……」

陸奥「気にしないで。それより、後が大変だからね」

提督&司令長官「?」


コンコン、ガチャ

白露型「提督、プレゼント渡しに来たよ~!!」

コンコン、ガチャ

川内「提督!夜だよ夜!聖なる夜は私と一緒に夜戦しよっ!」

コンコン、ガチャ

青葉「司令官、青葉、聖なる夜にプレゼントと料理と特ダネを渡しに来ました!」


提督「………皆さんの心遣いはありがたかったのですが……」

司令長官「構いすぎてて結局書類が片付かなかったね……」


【終わり】

22: 2015/12/25(金) 23:32:41.94 ID:qn3a4tbx0
【キャラクター紹介】

≪司令長官/軍乃 盾間(いくさの じゅんま)≫

新日本海軍の司令長官。性別は男性。年齢は46歳。やや太り気味だが、恰幅の良い男性。仕事はやればできる方だが、斑補佐官に丸投げする事がよくあり、

それが原因でよく折檻を食らっている。他にも、用もないのに斑補佐官の部屋を訪ねたり、仕事中に雑誌を呼んだりなど、司令長官にあるまじき振る舞いを

している。他にも斑補佐官のストレス発散のための道具とされることが多いが、笑って許すなどとても寛大な性格をしている。艦娘からも慕われている。

本人は『自分は司令長官なんて柄じゃない』と言っているが、各鎮守府の提督の性格や特性を理解していたり、大規模作戦で正確かつ効率的な司令を下す

ところは、皆が認めている事。

好きな言葉は『治に居て乱を忘れず』。

27: 2015/12/26(土) 21:10:21.42 ID:P3ZUij2W0
【驚異の胸囲】

 ―13時過ぎ、執務室―

提督「………………」カリカリカリカリ

コンコン

五十鈴「潜水艦哨戒任務が終わったわよ~」ガチャ

提督「返事をしてから入ってきてくださいと何度も言っているんですが……」

五十鈴「細かい事はいいじゃないの。それとも何かマズい事でもしてた?」

提督「いえ、そういうわけではないのですが……まあいいでしょう。で、潜水艦哨戒が終了したんでしたっけ?」

五十鈴「ええ、とりあえず近海の潜水艦は倒したわ」

提督「お疲れ様です。報告書は今日の夕方ヒトハチマルマル(18時00分)までにお願いします」

五十鈴「分かったわ。じゃ、失礼するわね」

提督「あ、ちょっと待ってください」

五十鈴「何?」

提督「五十鈴さんが2回目の改造をする事ができる練度になっていましたので、後で工廠に来てください。報告書は明日の昼までで構いませんので」

五十鈴「え?そんな練度になってたんだ?」←LV.56

提督「はい、五十鈴さんの練度をすっかり忘れてしまっていました」

五十鈴「提督って何気にひどい事言うよね……」

提督「それは置いといて。あ、それと瑞鳳さんも工廠に呼んでおいてください。彼女には近代化改修を施しますので」

五十鈴「はいはい、分かりました」

パタン

28: 2015/12/26(土) 21:14:51.46 ID:P3ZUij2W0
 ―数分後、工廠―

提督「明石さん」

明石「はいはい、何か御用ですか?」

提督「五十鈴さんを改造するのをすっかり忘れてしまっていましたので、改造をお願いします」

明石「了解です!それにしても提督って意外とうっかりさんですね」

提督「自覚はあまりないのですが……まあ改造の方はお願いします。資源は、資源倉庫から持ってきて構いませんので」

明石「はーい」

提督「ああ、後瑞鳳さんに近代化改修を」

明石「あ、それはこっちの妖精さんがやってくれますから」

工廠妖精「瑞鳳殿、お任せください!」

瑞鳳「うん、よろしくね♪」


提督「………改造って、どのような仕組みでやってるのでしょうか……」

妖精さん「さー…分かりませんねぇ……」

明石「提督~」

提督「あ、終わりましたか?」

明石「はい、呼びましょうか?」

提督「お願いします」

明石「分かりました。おーい、五十鈴さーん!」

カツン

提督「?」

妖精さん「おお……」

29: 2015/12/26(土) 21:20:51.65 ID:P3ZUij2W0
五十鈴「ふふん、どうかしら?」シャラーン

提督「ほう、主砲の形が随分と変わりましたねぇ」

五十鈴「そうなのよ。前までは普通の連装砲タイプだったけど、改二になると拳銃型なのよね。まあ、この方が使いやすいからいいけど」

妖精さん「初期装備はどうなっているんですか~?」

明石「22号水上電探、21号対空電探、それと三式爆雷投射機ですね」

提督「全体的に対潜、対空性能が大幅に強化されていますね。心強いです」

五十鈴「これでもっと、活躍できるわね!」

提督「ただ、射程が短くなってしまったのは痛いですが…」

五十鈴「うっ」

ゴゴン

提督「?」

瑞鳳「提督~、近代化改修終わりましたよ―」


五十鈴「あら、瑞鳳。どう?生まれ変わった私は?」クルッ

プルーン


瑞鳳「」

五十鈴「?瑞鳳?どうかしたの?」

瑞鳳「イエイエナンデモアリマセンヨ。カッコイイデスネ」

五十鈴「でしょ?ふふーん、ありがとね」

妖精さん「瑞鳳さん、何で棒読みなの~?」

瑞鳳「ウウンキニシナイデ。ワタシハダイジョウブ」

妖精さん「ん~?」

提督「………この手の問題は、面倒くさいものです」

明石「あはは……」

明石(私は並み以上あるからこの件に関しては何にも口出しできない……)

30: 2015/12/26(土) 21:28:33.70 ID:P3ZUij2W0
 ―数十分後、軽巡洋艦寮・休憩室―

長良「ねえ聞いた?五十鈴が改二になるんだって」

由良「本当?」

名取「そうだとしたら、五十鈴姉さんどうなるんだろう……かっこよくなってるのかも?」

長良「そうだねぇ……きっと貴重な装備をいくつも積んでいると思うわ!」

由良「私は……前よりもずっと凛々しくなってると思うわね」

名取「後は、艤装がかっこよくなってるとか……」

長良「まあ、それは実際に見ないとわからないわね」

五十鈴「ただいま~」

長良「あ、五十鈴!おかえ―」


五十鈴「じゃじゃーん!新しく生まれ変わった五十鈴よ?どう?」シャラーン

バイーン


長良「」

由良「」

名取「わぁっ!かっこいい装備!特に二丁拳銃型の装備が!」

五十鈴「ふふーん、でしょでしょ?」

名取「わっ、電探を2つも!?すごいです!」

五十鈴「いいでしょー?苦労して戦ってきた甲斐があったわね~」

名取「それに何か、改二になる前と比べてちょっと凛々しくなったかも……」

五十鈴「あはは、妹に言われたとしても、ちょっと照れくさいわね……」

長良「」

由良「」


長良&由良(……あの胸……なりたい……改二に)


【終わり】

31: 2015/12/26(土) 21:37:38.60 ID:P3ZUij2W0
【仲良しこよし】

 ―14時過ぎ、執務室―

飛龍「第一艦隊、珊瑚諸島沖より帰投しました!損傷は、加古が大破!それ以外は全員無傷です!」

提督「おや、珊瑚諸島沖に出撃して被害がそれだけとは……大したものです。さぞかし、飛龍さんの指揮が良かったのでしょう」

飛龍「そんな、それはちょっとほめ過ぎです……皆さんのおかげです」

提督「…では、加古さんは入渠ドックへ。飛龍さんは今回の報告書を明日のヒトフタマルマル(12時00分)までに作成するように」

飛龍「分かりました!」

提督「では、ゆっくり休んでください」

飛龍「じゃ、失礼しまーす」

パタン


飛龍『蒼龍、私褒められちゃった!』

蒼龍『いやでもすごいって!珊瑚諸島沖に出撃して被害が大破一隻だけなんて初めてだよ!飛龍の指揮が良かったからだって!』

飛龍『ううん、私だけのおかげじゃないよ。蒼龍が開幕航空戦で敵をたくさん倒したのと、皆のサポートに徹してくれたからだって』

蒼龍『ふふっ、褒めても何も出ないよ~?』

飛龍『あー、それにしても疲れたね……。間宮さんのトコにでも行こうか?』

蒼龍『あ、私が奢ってあげるから』

飛龍『え?いいよ、悪いし……』

蒼龍『気にしないで、今回のお祝いだから♪』


提督「お2人って本当に仲が良いですねぇ」

赤城「そうですね。基本的にお2人で行動している事が多いですし」

提督「私、彼女たちが着任したての頃は2人は姉妹艦なのかと思っていましたが、後になってそれぞれ別の艦だったことに気づいて少々びっくりしました」

赤城「まあ、彼女たちはベースは同じようなものですから……。でも、彼女たちほど連携が取れて仲の良い方はそういないですね」

提督「確かに……コンビネーション良好、信頼関係も良好、性能も良好。三拍子そろっています、空母の主力と言っても過言ではありませんね」

33: 2015/12/26(土) 21:45:07.11 ID:P3ZUij2W0
 ―19時過ぎ、食堂―

飛龍「はい、蒼龍♪あーん」

蒼龍「ちょっと飛龍……恥ずかしいよぉ……」

飛龍「あーん♪」

蒼龍「…………はむっ」パクッ

飛龍「どう?」

蒼龍「うん、飛龍が食べさせてくれたから、美味しいよ」

飛龍「ふふっ、ありがと♪」


間宮「……………うっ…うぅ……」

伊良湖「間宮さん!?どうしたんですか!?」

間宮「何てこと……私の料理が美味しくないなんて……」

伊良湖「ええっ!?」


 ―20時半過ぎ、浴場―

カッポーン

蒼龍「飛龍、背中流してあげる」

飛龍「え、いいよぉ。悪いし……」

蒼龍「飛龍、前に言ったでしょ?私達の間で遠慮する事は無いって」

飛龍「そうは言ったけど……なんだか恥ずかしい……」

蒼龍「いいからいいから!それそれー!!」ゴシゴシゴシ

飛龍「あっ…ちょっ…やめっ……くふぅ……///」

蒼龍「ここかな?ここがいいのかしら~?」ゴシゴシゴシ

飛龍「もっ……やっ……あっ……///」


睦月「お…おぉ……………」

妙高「はいはい、見ちゃダメよ~」スッ

深雪「前が見えねぇ」

34: 2015/12/26(土) 21:50:17.28 ID:P3ZUij2W0
 ―数日後11時過ぎ、執務室―

提督「飛龍さん達って、改めて本当に仲が良いですね」カキカキ

飛龍「え、何急に」

提督「いえ、普段私の目に見えている範囲で、飛龍さんって蒼龍さんと一緒に行動してるじゃないですか」

飛龍「あー…確かにそうだね。蒼龍と一緒に過ごしてるね、基本」

提督「食堂や間宮さん、鳳翔さんの店……後皆さんの話では、風呂場でも一緒とか」

飛龍「そうだねー……蒼龍と一緒にいると何だか楽しいって言うか……」

提督「……それでお2人の姿を見た方々が口をそろえて、『カップルのいちゃついている様子を眺めてるみたいで甘ったるい』って言ってます」

飛龍「?それってどういう事?」

提督「要するに、皆さんから見れば貴女と蒼龍さんは恋人同士に見えるって事ですよ」

飛龍「」

飛龍「え、ええええええええ!?イヤイヤイヤ、恋人って!そんなはずないって!」

提督「ではノーマルという事ですか」

飛龍「当たり前だよ!蒼龍とは……その何と言ったらいいのか……友達以上……姉妹とも少し違うか……親友って感じだよっ!」

提督「なら、構いませんが」

飛龍「………でも、蒼龍と恋人同士か……」

提督「?」

飛龍「ちょっといいかも…///」

提督「おいコラ」


【終わり】

35: 2015/12/26(土) 22:02:05.08 ID:P3ZUij2W0
【キャラクター紹介】

≪飛龍≫

飛龍型正規空母一番艦。艦娘No.9(改二は196)。橙色の着物と頭の左側のくせ毛が特徴の、明るい性格のお姉さん。意外と大雑把な感じと思われているが、

艦載機運用能力は二航船の名に恥じないものである。かつて自分の艦長であった多門丸の事をとても尊敬しており、何かあるごとに多門丸の名を口に出す。

蒼龍とは大の仲良しでいつも一緒にいるが、その様子が恋人同士のみたいというのがもっぱらの噂。だが、本人はノーマルと主張している。

好きな言葉は『世は相持ち』。

36: 2015/12/26(土) 22:03:13.83 ID:P3ZUij2W0
今日はここまでにします。

前スレで五十鈴、飛龍をリクエストしてくれた方、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は、リクエストにありました艦載機妖精、大淀の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




飛龍は正規空母の中でも結構好きな方。

41: 2015/12/27(日) 21:20:18.17 ID:DPhO6ZoN0
【妖精談話】

 ―18時過ぎ、???―

≪中でだれが艦載機の扱いが上手いかと言う話になった妖精さん達≫

九七式艦攻妖精(以下九七妖精)「私はやっぱり赤城さんだと思うな~」

彗星妖精「どして?」

九七妖精「そりゃ、あれだよ。赤城さんと意識をリンクさせるとき、ちゃんと『頑張ってね』とか『よくやったわね』って言ってくれるんだよ?」

烈風妖精「そ……。いいんじゃないかしら?」

流星妖精「でも私は、加賀さんがいいと思います」

天山「えー?加賀さんってぶっきらぼうでちょっとおっかないと思うよ~」ズゾゾゾゾ

紫電改二妖精「いや、私は流星ちゃんの意見に賛成するよ」

九九艦爆妖精(以下九九妖精)「きゅ~?(どうして?)」

流星妖精「加賀さんは確かに普段そっけない態度をしてきますよ」

九七妖精「そうだね~。何か言っても『そう…』とか『そうね』ってばっかり。烈風ちゃんみたい」

烈風妖精「ち、ちがっ…私はそんなつもりは…」

紫電改二妖精「でもね、頑張って敵を倒したら、加賀さんが聖母みたいな笑顔で『よくやったわね』って撫でてくれるんだよ?」

零式艦戦52型妖精(以下52型妖精)「な、なにっ!?加賀さんの聖母のような笑顔だって!?」

彗星妖精「それは見てみたい!いろんな意味で!!」

流星妖精「もちろん、笑顔だけってわけではありませんよ。私達が撃墜されそうになったら、加賀さんは私達を気遣いつつ、敵の深海棲艦をギロッと睨んで、

     『許さない……私の大切な仲間を……』ってすごい声をひねり出してたから……」

天山妖精「わー、なんかカッコいいね~」ズゾゾゾゾ

彩雲妖精「天山ちゃん、ラーメン食べながら話しちゃだめだよ……」

42: 2015/12/27(日) 21:29:53.76 ID:DPhO6ZoN0
彗星妖精「私は飛龍さんと蒼龍さんのコンビが好きだな~」

烈風妖精「え、コンビもいいの?」

流星妖精「いいんじゃないでしょうか?それで、どうしてその2人を?」

彗星妖精「あの2人って、とにかく明るいでしょ?だから、私も明るくなれるなーって」

紫電改二妖精「うーん、確かに分かるかな……」

九九妖精「きゅ~~(私は翔鶴さんと瑞鶴さんが好きだな~)」

彗星妖精「え、ああ…あの2人…?」

九七妖精「あー、あの2人は好きなんだけど……」

天山妖精「翔鶴さんと一緒に出撃すると、なんかやたらと被弾しまくるんだよね~」ズゾゾゾゾ

彩雲妖精「そうだね………」

52型妖精「私は、雲龍さんが好き!あののんびりとしたところが好き!」

烈風妖精「ああ、だから最近アンタは出撃する時準備が遅くなったんだね」

彗星妖精「毒されちゃったか~…」

52型妖精「どっ、毒されてなんかないやい!」

天山妖精「私は龍驤さんと瑞鳳さんが好き~」

九九妖精「きゅ……きゅ(ああ、その理由は何となく想像がつくよ……)」

九七妖精「あれでしょ?頑張ったらご褒美くれるからでしょ?」

天山妖精「そうそう。龍驤さんはたこ焼き作ってくれて~、瑞鳳さんは卵焼き作ってくれるから~」

震電改妖精「でも、瑞鳳さんは九九艦爆ちゃんが好きって噂だよ?」

九九妖精「きゅ~……///(嬉しい……)」

天山妖精「じゃあ龍驤さんは私のモノ!」

烈風妖精「食いしんぼめ……」

43: 2015/12/27(日) 21:37:28.98 ID:DPhO6ZoN0
 ―同時刻、装備倉庫―

嵐「へ~、結構量があるんだな~」

提督「各装備最低2つはありますからねぇ。ま、さすがに貴重な装備は2つもありませんけど。試製35.6cm三連装砲とか」

嵐「いや、あったらすごいって」

『…!……?』トテトテ

嵐「ん?提督今何か言ったか?」

提督「いえ、別に?」

『……!!……?……!?』タタタタタッ

『…………!!』ドテッ

嵐「なあ提督。なんか天井から変な音が聞こえるんだが…」

提督「ああ、おそらく妖精さんですよ」

嵐「妖精さん?何で屋根裏に?」

提督「妖精さんの家は基本的に、屋根裏なんですよ。屋根裏を住みやすいように勝手に改造して、そこで自由に生活しているんです」

嵐「マジで!?大丈夫なのかそんな天井裏を改造って……リフォームの匠とか無しで?」

提督「ですが現に、今まで何ともありませんでしたから。ちなみに、ここ装備倉庫の屋根裏には艦載機妖精が、艦娘の皆さんの量の屋根裏には主砲の妖精が、

   本館の屋根裏にはその他の妖精さんが住んでいます」

嵐「妖精さんってすげぇな……。ちょこまかと走り回ったり、屋根裏で生活していたり、まるで鼠みたいだな……」

彩雲妖精「鼠って言われた…ショック」

嵐「しかも地獄耳かよ!」


【終わり】

44: 2015/12/27(日) 21:44:50.61 ID:DPhO6ZoN0
【働き者】

 ―10時過ぎ、執務室―

大淀「提督、失礼いたします」

提督「大淀さん、任務ですか?」

大淀「はい。こちら、本日発令する任務になります。ご確認を」

提督「ありがとうございます」

大淀「それと、5つの鎮守府から演習の申し込みが届いております。編成については、後ほどお伝えいたします」

提督「返事をどうするかは、編成を見てから考えましょう」

大淀「それと―」


大淀「―――以上になります」

提督「お疲れ様です」

大淀「では、失礼いたします」

パタン

司令長官「大淀君、いつもてきぱき働いているねぇ」

提督「そうですね。どこかの司令長官と違って」

司令長官「それ、ほとんど儂の事を名指ししているようなもんじゃないか」

提督「まあそれはともかく、大淀さんがいつもてきぱき働いているというのは同意します。むしろ、働き過ぎとも言えますね」

司令長官「確かに…。彼女、昼夜問わずいつも何か仕事をしているからねぇ…」

提督「朝は皆さんの今日の予定を表にして張り出し、先ほどのように私へ任務を通達、さらに他の鎮守府との折衝や各地の鎮守府への電文通達、

   徹夜をしていない分彼女が働いていると言えますね」

司令長官「体を壊さないといいんだけど……」

45: 2015/12/27(日) 21:53:08.25 ID:DPhO6ZoN0
 ―翌朝7時前、講堂―

ざわざわ…

川内「あれ、大淀は?」

神通「さあ……私は見ていないですね……」

那珂「お寝坊しちゃったのかも?」

川内「うーん……気になるね……」


 ―9時過ぎ、執務室―

川内「あー、提督?」

提督「どうしました?」

川内「大淀、なんかまだ寝てるみたいなんだよね…」

提督「大淀さんが?…そう言えば彼女、朝礼にも朝食にも姿を見せませんでしたねぇ……」

川内「そそ。でさ、これは私の提案なんだけど…」

提督「?」

川内「今日は大淀を休ませてあげたら?」

提督「…………………」

川内「大淀って、他の鎮守府とのやり取りとか、任務関係の事とか、色々頑張ってくれてるじゃない?それで、今日はその疲れが溜まって寝過ごしてるんだと、

   私は思うんだ……。だから、今日くらいは休ませてあげた方がいいと思って」

提督「………確かに、私達は少々大淀さんに頼り過ぎていたかもしれませんね。分かりました、今日は大淀さんを休みとしましょう」

川内「流石提督!」

提督「代わりと言ってはなんですが…」

川内「え?」

46: 2015/12/27(日) 21:59:54.80 ID:DPhO6ZoN0
 ―20時過ぎ、執務室―

大淀「提督、大変申し訳ございません!!」バン

提督「落ち着いてください、貴女らしくもない。そんなに慌てて」

大淀「慌てますよそりゃ!夜寝たはずなのに起きたら夜で日付も変わっていたなんてことになったら!」

提督「大淀さんは普段からの仕事で疲れていて寝過ごしてしまったんですよ。それと普段から一生懸命働いているから、今日は休ませてあげる事にしたんです」

大淀「大変申し訳ございません……。このような事は、今後は二度と致しませんので……!」

提督「大丈夫ですから。それと、大淀さんは明日も休みにします。ゆっくり休んでください」

大淀「そんな、いくら何でも…!」

提督「これが、せめてもの私からのお礼ですから。受け取ってください」

大淀「……ありがとうございます」

提督「お礼なら川内さんに言ってください。大淀さんを休ませてあげようと言い出したのは、川内さんですから」


 ―数分後、軽巡洋艦寮・休憩室―

大淀「川内さん!」

川内「んぁ……大淀?」

大淀「私の事を気遣ってくださって、私を休ませてくれるなんて……本当にありがとうございます!!」

川内「……お礼はいいよ……。それより、大淀は少し体力をつけた方がいいと思うよ……」←大淀がやるはずだった仕事を全てやった。

大淀「体力?わ、分かりました。あ、明日も休みをいただきましたので、体を少し鍛えようと思います!」

川内「………え…明日も大淀……休み?」

大淀「?そうですけど…」

川内「……………はふぅ」コテッ

大淀「川内さん!?川内さーん!?」


【終わり】

56: 2015/12/29(火) 22:31:01.04 ID:Q1i8BzDd0
【大誤解】

 ―7時過ぎ、講堂―

司令長官『えー、今年も残すところあと数日となって寒さも一段ときつくなってきており~…』

秋雲「……………」カックン、カックン

五月雨「あ、秋雲ちゃん…起きないと―」

提督『そこの夕雲型擬き駆逐艦!寝てないで司令長官の話を聞け!!』

秋雲「おふぁっ!?申し訳ございませんです!」

提督『こんなのでも一応司令長官ですから、その話は聞いておくのが礼儀と言うものでしょう!』

司令長官『こんなのって君ね…』

秋雲「はーい……ふぁ」

五月雨「…………………」


 ―8時過ぎ、食堂―

秋雲「………………」モグ、モグ

五月雨「秋雲ちゃん?眠いの?」

秋雲「あ、五月雨……ちょっと、最近徹夜ばっかりしてるから……」

五月雨「徹夜?秋雲ちゃんが…?」

五月雨(もしかして、何か重大な書類を処理しているとか!?)←秋雲が薄い本を書いている事を知らない

秋雲(あー……締め切りがもうすぐな上に、提督に検閲を頼むからもっと早く仕上げないと……)

五月雨「な、何か手伝おうか…?」

秋雲「あー、大丈夫大丈夫」

五月雨「本当…?」

57: 2015/12/29(火) 22:37:11.86 ID:Q1i8BzDd0
 ―13時過ぎ、駆逐艦寮・休憩室―

五月雨(昼ごはんに、秋雲ちゃん居なかったな……)

五月雨(秋雲ちゃんはああ言ってたけど、私もやっぱり仲間が困ってるときは手伝いたい……)

五月雨(よーし、ココアでも作ってあげよう!)


 ―数分後、秋雲の部屋前―

五月雨「秋雲ちゃーん」コンコン

シーン

五月雨「?秋雲ちゃーん?」コンコンコン

ガチャ…

秋雲「ふぁあああああ……い」ギィ

五月雨「だ、大丈夫?ココアを持ってきてあげたけど……」

秋雲「あー……ありがとうね。ありがたく頂戴します…」スッ

五月雨「それと、ほんとに何かできる事ってない?見るからに秋雲ちゃん、すごい疲れてるようだけど……」

秋雲「あー、それだったら……」ガサゴソ

五月雨「?」

秋雲「この封筒を、提督に渡して……」スッ

五月雨「これって?」

秋雲「提督に見てもらうんだ。『秋雲さんからです』って言えば、多分通じるから…」

五月雨「わ、分かった……」

秋雲「それと、中身は見ない方がいいからね……後、なるべく急いでね……じゃ」パタン

五月雨「?」

秋雲(な、何とか冬コミ前に間に合った……ちょっと寝る……)バタンキュー

58: 2015/12/29(火) 22:45:15.46 ID:Q1i8BzDd0
 ―廊下―

五月雨「はっ…はっ…はっ…」タッタッタッ

五月雨(急いでって言ってたけど、一体何を書いてたんだろう?そんなに急ぎの書類なのかな……)タッタッタッ

五月雨(それに、何の書類なんだろう…中身は見ないでって言われたし……)タッタッタッ

五月雨(でも、秋雲ちゃんが徹夜してまで作ったんだから、それなりに重大なんだろうなぁ……)タッタッタッ

五月雨(なら、もっと急がなくっちゃ!)タタタタ

ドシッ

五月雨「きゃっ!?」ドサッ

提督「っとっと」

バサバサバサ

五月雨「て、提督!?ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」

提督「いえ、私は別に……それより、五月雨さんの方は?」

五月雨「わ、私は何も……って、ああっ!?書類が―」


(まき散らされている薄い本の原稿)


五月雨&提督「」

提督「これは……」

五月雨「こ、これは違うんです!!あ、秋雲ちゃんから――はっ!」

提督(秋雲さん…?ああ、次のコミケに出す同人誌の検閲を私に頼もうとしたんでしょうか?)

五月雨(秋雲ちゃんが徹夜してこれを作った→さらにそれを提督に急いで渡そうとしていた→提督はそれを早く求めていた→つまり提督は……?)

五月雨「//////」プシュ~

提督「五月雨さん?」

五月雨「え……///」

提督「え?」

59: 2015/12/29(火) 22:51:08.01 ID:Q1i8BzDd0


五月雨「えOちなのは、いけないとおもいます!!///」


提督「」

五月雨「…お、男の人はこういうのに興味があるって事は知っていますけど……でも、そういう事を女の子に頼むのは、いけないと思いますっ!!///」

提督「」

五月雨「で、でも大丈夫です!私は、提督の趣味に口出しをするつもりは全くございませんので!で、ではごゆっくり~!!///」ダダダ

提督「」


 ―数分後、執務室―

提督「……では、この同人誌の検閲をお願いします」

鎮守府妖精「はーい、了解しましたー」

提督「………はぁ」

鎮守府妖精「んー?どうしたんですかー?」

提督「……いえ、ただあらぬ疑いを掛けられてしまったなぁ、と」

鎮守府妖精「?」

提督(さて……どう誤解を解いたものか……)


【終わり】

60: 2015/12/29(火) 23:02:17.37 ID:Q1i8BzDd0
【キャラクター紹介】

≪五月雨≫

白露型駆逐艦六番艦。艦娘No.83。蒼く長い髪と蒼い瞳、さらにどこか華奢な雰囲気が特徴的な女の子。自他ともに認めるドジっ子で、日常的にドジをやらかす

(砂糖と塩を間違える、滑ってこけてパンチラ等)。しかし実は鎮守府でも最古参組で、あ号艦隊決戦や北方海域艦隊決戦にも参加し、さらにその時の戦闘で

戦艦と空母を撃沈せしめた実力者。初期艦である吹雪や、同型艦の涼風とはとても仲が良い。ドジであるがゆえに思い込みが激しい方。

好きな言葉は『為せば成る』。


≪鎮守府妖精さん≫

妖精さんの1種。鎮守府が設立されると同時に、その鎮守府に最低3人出現する妖精さん。ただしその姿は、普通の提督、艦娘には視認する事ができないが、

司令長官とその補佐官の提督、それと他の妖精さんは視認する事ができる。鎮守府の様子を常に監視しており、ブラック鎮守府に該当するような事案が発生

した場合は、その情報を各地の鎮守府の鎮守府妖精さん同士で構成される‶妖精さんネットワーク‶にリークし、情報を共有、その後海軍総司令部に伝えて、

最終的に憲兵団に通報する。他の妖精さんと同様、甘いものが(特にお菓子)大好き。提督と艦娘の行動が監視されているため、迂闊な事ができない。

61: 2015/12/29(火) 23:04:24.28 ID:Q1i8BzDd0
今日はここまでにします。

五月雨をリクエストしてくれた方、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


次回の投下は、年が明けた1月2日の夜9時以降に、リクエストにありました磯風の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた。皆さん、良いお年を!



何で正月グラフィックは曙にしかないんだ!畜生!

66: 2016/01/02(土) 21:26:39.38 ID:KHawWHSF0
 ―1月1日・9時過ぎ、食堂―

吹雪「新年、明けましておめでとうございます!!」

金剛「Happy New Year!!」

皆『いぇーい!!』

提督「しかし、どうも新年が明けたという実感がわきませんねぇ…」

司令長官「確かに……ここ数年、年が明けたっていう事は知ってるんだけど、はしゃいだりはしなくなったね」

長門「貴様らは大人だからだろう。そういうものだと本で読んだぞ」

提督「長門さんは、気分はいかがですか?」

長門「新年、胸がとても熱いな!」

赤城「ところで、おせち料理はまだでしょうか?」ソワソワ

提督「この正規空母ときたら……」

赤城「いえ、私だけではありませんよ。駆逐艦の子たちもおせちを楽しみにしていますよ?」

Libeccio(以下リベッチオ)「日本のオセチ、食べてみたーい!」

朝潮「さあ、おせち料理を食べて新年の決意を新たに決めましょう!」

Bismarck(以下ビスマルク)「去年食べたのはとても美味しかったから、また今年も期待しているわよ」


間宮「はーい、お待たせしました~!おせち料理持ってきましたよ~!」

皆『わーい!』

間宮「今年は磯風ちゃんに手伝ってもらったから、きっと美味しいですよ~」

磯風「私も頑張ってみたぞ。おせちは初めてだったが、我ながらいい出来だと思う」

皆(2016年早くも終了のお知らせ)

67: 2016/01/02(土) 21:32:24.57 ID:KHawWHSF0
【おせち】

 ―12月29日、医務室―

提督「失礼します」ガラッ

医務妖精「あー、提督さーん。こんにちはー。どうしたんですか?」

提督「医務室の様子を見に―」


浦風「」チーン

谷風「」チーン

浜風「」チーン


提督「…彼女たちはどうして…?」

医務妖精「ちょっと、お腹を壊しちゃったらしくてー」

ガラッ

磯風「む、司令か。どうしたのだ?」

提督「………磯風さんが原因ですか」

磯風「?ああ、浦風達か。それがな、私がビーフストロガノフと言うものを作って、試食をしてもらったところ全員倒れてしまってな」

提督「はぁ……何回目でしょうか。磯風さんの料理でこの3人が犠牲になった回数は…」

医務妖精「犠牲になったのだー……」

磯風「犠牲?何を大げさな…」

提督「大げさじゃありませんよ。磯風さん、別に下手でも料理を作るのは構いませんが、自分で試食もせずに他人に振る舞うのはやめてください」

磯風「でもな……自分で作った料理って自信が無いだろう?だから皆に食べてもらって―」

提督「何言っちゃってんのこの子」

68: 2016/01/02(土) 21:38:01.67 ID:KHawWHSF0
コンコン

間宮「失礼しまーす…」ガラガラ

提督「間宮さん?どうかしましたか?食中毒ですか?」

間宮「いえ、違います…ええと、今度のお正月のおせち料理なんですが―」

磯風「おせち?」

提督「おせちがどうかしたんですか?」

間宮「おせち料理を全員分作るんですけど、ここの鎮守府に新しく着任した子が増えちゃって、それで作る量も多くなって人手が足りないのよ…」

磯風「それならば、この磯風が手伝おうか?」

間宮「え、いいの?おせち料理を作るのって、結構大変なのよ?」←磯風の作る料理が不味い事を知らない

磯風「構わない、この私に任せておけ」フンス

間宮「本当?ありがとね~♪今度私の店でスイーツサービスしちゃうから!」

磯風「それはありがたいな…では、早速準備に取り掛かろうではないか」タタッ

間宮「…ごめんなさいね提督、相談事が解決しちゃいまして―」


提督&医務妖精「………はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」ズーン


間宮「?提督、どうなさったのですか?」

提督「……間宮さん、ちょっと執務室に来てください」

間宮「?」

医務妖精「間宮さん…やっちまったね…」

間宮「???」

69: 2016/01/02(土) 21:46:52.31 ID:KHawWHSF0
 ―数十分後、執務室―

提督「―――と言うわけなんですよ」

間宮「」

陸奥「あらら…自分の失態にすごいショックを覚えたみたい」

提督「とにかく、磯風さんはああなった以上おせち料理を作ることを辞める事は無いでしょう。こうなっては、間宮さんに全力でサポートしてもらうしか」

間宮「…分かりました。何とか磯風さんのサポートをしてみます」

提督「お願いします。鎮守府全体で食中毒とかは勘弁してくださいね」


 ―12月30日、厨房―

磯風「さあ、頑張って作ろう!」

間宮「ええ、頑張りましょうね♪」

磯風「して、まずは何をするのだ?」

間宮「そうねぇ…まずは食器を洗ってもらおうかしら」

磯風「む?なぜだ?」

間宮「なぜって、ちゃんと料理前に殺菌消毒しなくちゃダメでしょう?軽く水で洗うだけでいいから」

磯風「…なるほど。先に器具を洗うとは盲点だった。では、張り切って洗うとしよう」ジャバジャバ

間宮(うーん…洗うかどうかは人のそれぞれだからいいけど……)


 ―数分後―

磯風「ふぅ…何とか洗い終わったぞ」

間宮「よし、じゃあまずは伊達巻きから作りましょうか」

磯風「分かった。まずは何をすればいい?」

間宮「そうね、まずは山芋の皮をピーラーで剥いてくれないかしら?私は出汁を作るから」

磯風「よし、任せておけ」

間宮「その後はミキサーで食材を液体化して―」

70: 2016/01/02(土) 21:53:03.01 ID:KHawWHSF0
 ―調理途中―

磯風「間宮さん、次はどうすればいい?」

間宮「あ、それはねー」

間宮(おかしいわね……見るからに普通に作れてるけど…)

磯風「あ、そう言えば聞いたぞ。黒豆を作るには重曹がいるとか」

間宮「え?ええ、そうよ。重曹を使う必要があるけれど―」

磯風「重曹とはこれだな?」スッ


つ食器用洗剤


間宮「違うわよ!?」

磯風「違うのか?重曹とは洗剤にも使われているというから―」

間宮「ちゃんと食用の重曹があるのよ!こっち!」

磯風「ああ、こっちにあったのか。うっかりしていた」

間宮(勘違いが結構あるみたいね…この前はビーフストロガノフで失敗したみたいだし…。どこかで作り方を間違えたのかしら…)

71: 2016/01/02(土) 21:58:43.80 ID:KHawWHSF0
 ―1月1日・10時過ぎ、食堂―

赤城「これ本当に磯風ちゃんが作ったの?すごく美味しいわね…」

長門「確かに……間宮さんの作ったのより美味しいな」

間宮「私がサポートしてあげたんだけど、ほとんど磯風ちゃん一人で作ってたましたよ?」

磯風「ああ、初めて作ってみたが中々に遣り甲斐のある料理だったぞ!」

提督「…して、磯風さんはどうしてそんなに料理が好きなのですか?」

磯風「………その、な」

提督「?」

磯風「私が大和先輩に憧れているのは知っているな?」

提督「ええ。その靴下の長さが左右違うのも、大和さんとお揃いにするため、でしたか」

磯風「…それで、大和先輩は料理も上手だと聞いてな。私も…その」

提督「…………………」

磯風「大和さんのようになりたいなぁ、と」

提督「……磯風さんって、存外女の子らしいんですね」

磯風「ど、どういう意味だそれは!」

提督「いえ、ただその努力が微笑ましいというわけで―」

磯風「そ、そもそも戦場で戦っているのであれば男も女も関係ない!しかし鎮守府で暮らしていく中で憧れの先輩など1人や2人できて当然というものだろう?

   だから私のこれはただ大和先輩のようになりたいという一種の羨望であり、人間の欲望に忠実に従った結果で―」

提督「訂正します、全然女の子らしくないです」


【終わり】

72: 2016/01/02(土) 22:03:18.97 ID:KHawWHSF0
【キャラクター紹介】

≪磯風≫

陽炎型駆逐艦十二番艦。艦娘No.167。黒く長い髪と、左右長さの違う靴下が特徴のクールな女の子。常にクールな雰囲気をまとっている。また、冷静な分析力・

判断力を併せ持っており、戦場ではその力を活かして仲間をピンチから救ったり戦闘を有利に進める。大和に対して憧れを抱いており、靴下が左右非対称なのも

大和に対する憧れの現れ。ただし大和のように料理は上手ではなく、下手の横好き状態。主に浦風、谷風、浜風がその被害者。料理が下手な原因は主に勘違い。

好きな言葉は『勇猛果敢』。

80: 2016/01/03(日) 21:14:01.84 ID:S3pdmzpf0
【初詣】

※みんなで初詣に行くことになりました。

 ―10時過ぎ、とある神社前―

雪風「おお~、大きいです!」

提督「私は毎年見ていますが、雪風さんは初めてでしたね」

翔鶴「でも残念ですね……瑞鶴も連れて来たかった…」

瑞鳳「まあ、鎮守府総勢100人以上で来たって迷惑でしょうし……」

扶桑「今回は、私達だけで楽しみましょう」

雪風「はい、楽しみますっ!」

加古「あー……鎮守府で寝たかったのに、どうしてこんなとこに…」

提督「貴女はこうでもしなければ寝正月を過ごすでしょうに」

鬼怒「はー、やっぱり三が日だから人が多いねぇ。見ろ、人がゴミの―」

瑞鳳「やめて」


雪風「雪風、初詣って初めてです!」タタタ

提督「あ、参道は脇を歩いてください」

雪風「え、どうしてですか?」

扶桑「参道の真ん中は、神様が通る場所だから開けておかないとダメなのよ」

雪風「なるほど~…」

提督「扶桑さんはこういう事についてよくご存じですね」

扶桑「ええ、まあ…」

81: 2016/01/03(日) 21:22:55.54 ID:S3pdmzpf0
 ―手水処―

提督「ここで手と口を清めます」

雪風「ばしゃばしゃ~…って冷たいっ!」

扶桑「まあ、まだ冬ですしね…」

翔鶴「げほっ、ごほっ!?」

瑞鳳「しょ、翔鶴さん!?大丈夫ですか!?」

翔鶴「けほっ……水が…気管に……」

提督(大丈夫だろうかこの先)

加古「ぐびぐびぐび…」

鬼怒「加古先輩、眠りながら飲まないで~!!」


 ―狛犬の前―

雪風「しれぇ、これは何ですか?」

提督「これは狛犬です」

雪風「狛犬って事は、犬ですか?」

扶桑「こっちの口を『あ』と開けている方が獅子…つまりライオンね。反対側の口を『ん』と閉じている方が狛犬よ」

雪風「はぇ~…そうだったんですかぁ…」

提督「扶桑さん、その知識をどこで…」

扶桑「ちょっと本で読んだことがあるんです」

雪風「この狛犬さん……犬みたいな夕立ちゃんに変えたら……」

提督「それは失礼でしょう。狛犬に対しても夕立さんに対しても」

鬼怒「………!(夕立が狛犬のポーズでこっちを見ているシーンを思い浮かべて必氏に笑いをこらえている)」

加古「鬼怒?どうしたんだ?」

82: 2016/01/03(日) 21:29:10.02 ID:S3pdmzpf0
 ―本殿―

提督「さあ、お参りを済ませましょう」

雪風「しれぇ、やり方は…」

提督「まず最初にお賽銭を賽銭箱に入れる」チャリーン

雪風「ほうほう」チャリーン

提督「次にこの鈴を鳴らす」ガラガラン

雪風「了解です」ガラララン

提督「そして、2回お辞儀」ペコペコ

雪風「……」ペコペコ

提督「さらに、2拍手」パチパチ

雪風「………」パン、パン

提督「そして、お祈り」

提督&雪風「…………………」

提督「最後に、1回お辞儀です」ペコリ

雪風「はいっ」ペコリ

雪風「はー…結構難しいんですね~…」

提督「まあ、何度か経験すれば体が自然と覚えますから」


翔鶴「あらっ…財布に穴が……」

扶桑「やだぁ…こっちは鞄に穴が…お財布がなくなってる……」

瑞鳳(ほんとにこの2人運悪いなぁ……)


鬼怒「最後に1回お辞儀…」ペコリ

加古「…………」ペコリ

加古「………ZZZZZZZ」

鬼怒(お辞儀のポーズのまま寝てる!?ある意味凄い!)

83: 2016/01/03(日) 21:41:57.57 ID:S3pdmzpf0
 ―おみくじ―

雪風「しれぇ、雪風大吉でした!」

提督「まあ、予想通りですねぇ」

雪風「しれぇはどうでしたか?」

提督「私は…半吉でした」

加古「うわっ…微妙…」

提督「別に気にしていませんよ。私、過去にも一度半吉を引いていますから。それで、加古さんは?」

加古「あー、あたしは中吉。まあまあだね」

雪風「しれぇ、引いたおみくじはあそこに結ぶんですか~?」

提督「いえ、あれは結果の悪かったおみくじだけ結ぶものなんです。『吉に転じるよう』にするためです」

雪風「なるほど~…じゃあ雪風たち3人は結ばなくてもいいんですね!」

提督「そういう事です」

加古「…にしても、これだけ結んであるって事は、それだけ凶系のくじを引いた人がいるって事か」

提督&雪風「……………………………………」


鬼怒「大吉キター!」ピョーン

瑞鳳「よかったね~。あ、私も大吉だぁ」

扶桑「……………分かってたわ。ええ、分かってたわ…………」←凶

翔鶴「…………………知ってました。所詮運の悪い私は、こんなのだって」←大凶

扶桑「大丈夫よ翔鶴さん、ほら見て?」スッ

翔鶴「?」

扶桑「あんなにおみくじが結ばれてる。私達と同じように、凶のおみくじを引いた人は何人もいるって事。そう思えば、気が晴れると思わないかしら?」

翔鶴「確かに……そう考えると少し気が楽になりますね」

扶桑「でしょう?じゃあ、私達も結んで―」チラッ


『大吉』『吉』『小吉』『中吉』『大吉』『凶』『大吉』←間違った知識によって結ばれている吉級のくじ


扶桑&翔鶴「」

扶桑&翔鶴「………………………嗚呼、如何不幸也………………………」ズーーーーーーーン

巫女さん(ええと……声を掛けてあげた方がいいのかしら……)

84: 2016/01/03(日) 21:48:35.64 ID:S3pdmzpf0
 ―帰り道―

雪風「しれぇ、しれぇは初詣で何てお願いをしたんですか?」

提督「そういうものは、口に出さないものなんですが」

雪風「そうなんですか……。雪風はこうお願いしました!『今年もみんなで一緒に楽しく暮らせますように』って!」

提督「さっきの私のセリフ覚えてますか?」

雪風「でも、しれぇには話しておこうと思って」

提督「私に?」

雪風「はい!雪風の願い事が叶うように、頑張ってほしいって!」

提督「………それは遠回しなプレッシャーにしかならないんですがねぇ」

雪風「えー…」ガッカリ

提督「まあ、頑張るとしましょうか」

雪風「はい!あ、扶桑先輩と翔鶴先輩は何とお願いしたのですか?」

扶桑「私?私はね、『今年1年平和に過ごせますように』って」

翔鶴「私は『今年も皆さんと仲良く、平和に過ごせますように』ってお願いしました」

提督「皆さんほとんど一緒の事ですか」

雪風「では、明日から皆さんの願いが叶うように頑張りましょう!」

扶桑「ええ、そうね」

翔鶴「はい、頑張りましょう!」


鬼怒(皆、鬼怒と一緒だな~。ところで、提督の願い事って何なんだろう?)

加古(眠い…帰ったら寝る……)

瑞鳳(……『胸が大きくなりますように』と願った私の初詣、やり直しを要求したい)


【終わり】

85: 2016/01/03(日) 21:55:27.19 ID:S3pdmzpf0
【食べ慣れないモノ】

 ―8時過ぎ、食堂―

雲龍「間宮さん…?」

間宮「はい?なんでしょうか?」

雲龍「これは、なんですか?」

間宮「それはですね、フレンチトーストと言う料理です」

雲龍「ふれ…んち?」

間宮「アメリカやヨーロッパでよく食べられてる、ポピュラーな料理ですよ?今日はちょっと作ってみようと思いましてね」

雲龍「…それは良いのだけれど…私、こういった感じの料理は食べ慣れてなくて……」

間宮「うーん…確かにそうなんですけれど、雲龍さんっていつもおにぎりとかコッペパンとか質素な食生活を送っているでしょう?だけどこのトーストで、

   少し慣れてもらおうと思ったんです」

雲龍「…………」

間宮「これまでみたいな食生活を送ってちゃ、健康にも悪いですよ?雲龍さんはまだまだ食べ盛りの年齢なんですから。これを機に、雲龍さんの食生活を、

   見直してみてはいかがですか?」

雲龍「………分かりました。食べてみます」

間宮「はい、頑張ってくださいね!」

86: 2016/01/03(日) 21:59:54.76 ID:S3pdmzpf0
 ―テーブル―

雲龍「…………」ジー

雲龍「…いただきます」スッ

雲龍「………はむっ」パク

雲龍「!…美味しい……!」

雲龍「こんな食感…味……初めて…」パクパク

雲龍「美味しい……とても美味しい…!これならいくらでも食べれそう…」モグモグ

提督「ええと、雲龍さん?」

雲龍「むぐ…はい?」クルッ

提督「そんなに気に入ったのでしたら、私の分も少し食べますか?」

雲龍「いえ、それは提督に悪いですし……」キラキラキラ

提督「言動と表情が一致してませんよ。それで、半分如何ですか?」

雲龍「提督は…それだけで大丈夫なんですか?」キラキラキラ

提督「私は大丈夫ですから」

雲龍「では……いただきます」パクッ

雲龍「ああ…やっぱり美味しい…♪」キラキラキラ

提督(これをきっかけに、普通の料理が食べられるようになればいいんですが……)

雲龍「こんな美味しいものが食べられるなんて…幸せ」キラキラキラ

提督(これで食事の消費量が他の空母と同等になってしまうと、食費がひっ迫してしまうんですよねぇ……)

87: 2016/01/03(日) 22:11:36.95 ID:S3pdmzpf0
 ―9時過ぎ、執務室―

提督「雲龍さんがフレンチトーストのおかげで戦意高揚状態となっていますので、戦闘意欲が高まっている今のうちにオリョール海に出撃させましょう」

大井「それは構いませんが…なぜ私に?」

提督「その艦隊の旗艦を大井さんに頼もうと」

大井「私ですか?」

提督「はい。それと、加賀さんも一緒に出撃させて、雲龍さんのサポートに回しましょう。万が一に備えまして。さらに雲龍さんには烈風、彗星、流星改、

   彩雲を搭載させます。それと、他のメンバーは…」


 ―10時前、執務室―

大井「ではこれより、大井、雲龍、古鷹、萩風、金剛、加賀。以上6名は、オリョール海へ残存勢力の掃討へ出撃いたします!」

提督「お願いします。雲龍さんは、まだ戦闘には不慣れな状態ですので、主に加賀さん、それと他の皆さんにもサポートをお願いしたいのですが…」

加賀「任せてください」

雲龍「皆さん、よろしくお願いしますね」キラキラキラ

萩風(フレンチトーストでこれだけキラキラするなんて……)

大井「では、出撃いたします!」


 ―数十分後、東部オリョール海・Cマス(敵巡洋艦隊)―

雲龍(美味しいものが食べられて、艦載機も豪華な艦載機を積めて…幸せです)キラキラキラ

ピクッ

雲龍「敵艦隊発見、艦載機は発艦準備を」バサッ

加賀「雲龍さん、メインは貴女で。私はバックアップに当たります」キリキリ

雲龍「お願いします。では、第一次攻撃隊、発艦始め」ビシュシュ

加賀「………………っ」ビュッ

キイイイイイイイイイイイン

流星改妖精(雲龍コントロール)「気分が高揚してるぜー!」

烈風妖精(雲龍コントロール)「目につく敵艦載機は全部倒す!」

彩雲妖精(雲龍コントロール)「この空は渡さないよー!」

88: 2016/01/03(日) 22:16:26.57 ID:S3pdmzpf0
ズドドドドドドドン!!!

重巡リ級elite「」撃沈

重巡リ級「」撃沈

軽巡ト級「」撃沈

軽巡へ級「」撃沈

駆逐ハ級「」撃沈

駆逐ハ級「」撃沈

雲龍以外「……………え?」

雲龍「やりました」ドヤッ

大井「そんな…私の開幕雷撃の出る幕が無いなんて…!」

加賀「私はバックアップに回ってたけど…まさか、雲龍さんの艦載機がほとんど敵を沈めるなんて…」

古鷹「す、すごいです!」

萩風「流石雲龍さんです!」

雲龍「それほどでもないわ。さあ、次へ参りましょう」

大井(魚雷撃ちたかった……)


 ―数十分後、Dマス・資源エリア―

萩風「あ、弾薬を見つけました!よいしょっと」

大井「よし、じゃあ萩風ちゃんはその弾薬の箱を曳航して」

雲龍「…………………」

ドックン

雲龍「!!」グッ

古鷹「雲龍さん?どうかしたんですか?」

雲龍「い、いえ…何でもないわ…」

89: 2016/01/03(日) 22:25:26.41 ID:S3pdmzpf0
雲龍(まさか……こんなところでお腹が痛くなるなんて………)グググ

雲龍(やっぱり、食べ慣れないモノを食べたせいかしらね………)グググ

雲龍(落ち着いて、こういう時は深呼吸よ。ひっひっふー…)

萩風「雲龍さん?どうかしたんですか?」

雲龍「だ、大丈夫…問題ないわ」

雲龍(落ち着け……北東のルートへ行けば、比較的軽い編成の敵艦隊と戦闘になる…。それならお腹への負担は少ないはず……)


 ―数十分後、Gマス(敵主力打撃群)―

雲龍「何でこういう時に限ってボス艦隊とかち合うのかしら……(涙目)」

加賀「どうかしたの?さっきまでの勢いはどうしたのかしら?」

雲龍「い、いえ。お気になさらず。第一次攻撃隊、発艦させます」ビシュシュ

加賀「何もないのなら、それでいいのだけれど」バシュッ

キイイイイイイイイイイイン

流星改妖精(雲龍コントロール)「な、なんだか様子がおかしいぞー…」

烈風妖精(雲龍コントロール)「調子が…出ない…」

彩雲妖精(雲龍コントロール)「なんだかなー……」

ズドドッドドドン

戦艦ル級elite「フン」無傷

戦艦ル級「問題ナイ」無傷

空母ヲ級「ドウトイウコトハナイ」小破

軽巡へ級「」撃沈

萩風「きゃっ!?」小破

古鷹「おっとっと…」損傷軽微

大井「雲龍さん?どうしたんですか?さっきまでの勢いは?」

90: 2016/01/03(日) 22:32:08.27 ID:S3pdmzpf0
グギュルルルルル

雲龍「ぐううう……いえ、ちょっとね」ガクガク

萩風(あっ……もしかして雲龍さん、食べ慣れないモノを食べちゃったせいでお腹がびっくりしちゃって、いまお腹が痛いのかも…)

萩風「皆さん、全力で敵を倒しましょう!」

大井「え、ええ!」

加賀「当然です」

古鷹「もちろんです!」

金剛「やっと私の出番デスネー!全力で行きマース!」


 ―戦闘終了―

金剛「全砲門、Fire!!」ズッドオン

戦艦ル級elite「ゴフェッ!」撃沈

金剛「私の活躍見てくれたノー?もっと頑張るから、目を離しちゃ―」МVP

萩風「良し皆さん、敵を倒しましたから早く鎮守府へ戻りましょう!」

金剛「え、アレー?」

萩風(雲龍さん、鎮守府までの辛抱です。頑張ってください)ヒソヒソ

雲龍(萩風ちゃん…ありがとう。ぐうっ……)ヒソヒソ


 ―数時間後、執務室―

大井「第一艦隊、帰投しました」

提督「お疲れ様です……って、雲龍さんは?」

萩風「雲龍さんは、ちょっとお花を摘みに……」

提督「?」


【終わり】

91: 2016/01/03(日) 22:37:33.42 ID:S3pdmzpf0
【キャラクター紹介】

≪雲龍≫

雲龍型正規空母一番艦。艦娘No.201(改はNo.206)。露出の激しい服と、ふんわりした感じの髪が特徴の、のんびりとした感じのお姉さん。どこか他の艦娘と

ずれたところが目立ち、羞恥心が無いようにも見えるが根は至って真面目。ただ戦時急造艦であるために、他の艦娘と比べてあまり物事を知らない。艦載機の

扱いも当初は初心者レベルであったが、今では鎮守府でも赤城&加賀に並ぶレベルにまで成長している。好物はおにぎり。秘書艦の期間が長いがその理由は?

好きな言葉は『待てば海路の日和あり』。

97: 2016/01/04(月) 21:07:43.10 ID:Lq+nrGmh0
【酒豪の集い】

 ―16時過ぎ、波止場―

隼鷹「いやー、疲れたねぇ~…」

那智「ううむ…肩がすごく凝ったな…」コキコキ

ビスマルク「それってあれでしょ?‶四十肩‶ってやつ―」

那智「なんか言ったか?」ガシャン

ビスマルク「なんでもないです、はい。それより那智、隼鷹」

那智「なんだ?」

隼鷹「んー?」

ビスマルク「今夜一杯、どうだ?」クイクイ

那智「なんだ珍しいな、ビスマルクの方から誘うとは」

ビスマルク「今夜は何か飲みたい気分なのよ…」

隼鷹「ま、酒飲むのに理由なんていらないけどね。あ、じゃあ千歳も誘おうか」

千代田「あー、残念だけど、この前千歳お姉酔って駆逐艦の子たちに絡んだから、しばらく禁酒令が出されてるの…」

ビスマルク&那智&隼鷹(千歳ェ……)


 ―19時半過ぎ、≪居酒屋・鳳翔≫―

ビスマルク「鳳翔さん、熱燗で」

隼鷹「お、ビス子今日は日本酒なんだ?」

ビスマルク「なんか今日は、日本酒の気分なのよねぇ」

隼鷹「まあいいや。あたしは黒ビールで!」

那智「私も同じでいいぞ」

鳳翔「はい、分かりました」

98: 2016/01/04(月) 21:18:07.25 ID:Lq+nrGmh0
 ―数分後―

ビスマルク「私ね…いつも思うところがあるのよ…」

隼鷹「何、どったの急に?」

ビスマルク「これよ」スッ

那智「?ただのお猪口だろう?それがどうしたのだ?」

ビスマルク「何で日本酒はいつもこんなちゃちいお椀でチマチマ飲むのよ面倒くさい!」

隼鷹「いやぁ、まあそう思った事もあるけども…」

ビスマルク「私の国のこれみたいに、もっと豪快に飲めばいいじゃない!」ジョッキドンッ!

那智「一度はそういう奴もやってみたいと思ったんだが…」

隼鷹「やー、あれだよ。そんなにガバガバ飲むより、静かに飲むのが日本酒の嗜み方っていうか…」

ビスマルク「じゃあせめてあれよ!ワイングラスぐらいの大きさでいいわよ!」

隼鷹「うーん…でもやっぱり、そのお猪口の方がしっくりくるんだよな」

那智「確かに。この小さいお椀の方が安心感があるというか…」

ビスマルク「それに、私の国のビールはみんなでわいわい楽しく飲むものだっていうのに、日本酒は静かに飲むか接待で出すぐらいの意味しかないじゃない!」

那智「言われてみれば…そうだな」

ビスマルク「Why japanese people!? Why japanese people!? 酒はもっと楽しく飲むもんだろうがよ!」

隼鷹「ビス子落ち着いて。それ元アメリカ人のネタだから」

ビスマルク「うー…理解に苦しむわ……日本酒……!」

隼鷹(ねえ、何でビス子、大して酒入っていないのにこんな荒れてんの?)ヒソヒソ

那智(あれだろう。さっきの珊瑚諸島沖で、敵中枢艦隊と鉢合わせたら南方棲戦鬼に一撃大破させられて、何の役にも立てずに帰ってきた事が、

   腹立たしいんだろう)ヒソヒソ

隼鷹(あー、あれね)ヒソヒソ

99: 2016/01/04(月) 21:24:58.46 ID:Lq+nrGmh0
 ―数時間後―

ビスマルク「うー……飲めない……もう無理ぽ…」グデー

Prinz Eugen(以下プリンツ)「もう、ビスマルクお姉様ったらやっぱりこんなところに…さ、帰りますよ」

ビスマルク「あう~……那智は?隼鷹は?」

プリンツ「お2人ならもう戻りましたよ…私達も帰りましょう?ね?」

ビスマルク「お願い…寮まで連れてって…」

プリンツ「もう…甘えん坊なお姉様ね…」

ビスマルク「日本酒ってしちめんどくさい……」

プリンツ「…じゃあなんでビスマルクお姉様の周りには大量のとっくりがあるのかしら…」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

プリンツ「ビスマルクお姉様、二日酔いがひどくて起きられないって…」

妙高「右に同じです」

飛鷹「さらに右に同じよ」

提督「まったく……そのお三方にも禁酒令を出した方がいいんでしょうかね…」


 ―数日後、≪居酒屋・鳳翔≫―

ビスマルク「いやー、日本酒っていいわねぇ。この小さいお猪口、可愛いわね~」

那智&隼鷹「」

ビスマルク「それに、日本酒はやっぱり静か~に飲むのが良いわよねぇ。それが日本酒ってやつよね~」

那智&隼鷹(何だこの熱い掌返し)


【終わり】

100: 2016/01/04(月) 21:30:42.49 ID:Lq+nrGmh0
【キャラクター紹介】

≪Bismarck/ビスマルク≫

Bismarck級戦艦一番艦。艦娘No.171(改はNo.172、zweiはNo.173、dreiはNo.178)。長い金髪と若干筋肉質な身体が特徴の、美人で頼れるお姉さん。性格は、

ドイツ人らしく真面目でしっかりしている。しかしマニュアルや前例、ルールに囚われて酷い目に遭う事が多々ある。大型建造でもかなりの資材を犠牲に

建造されたため、大いに歓迎された。ビールや日本酒、とにかくお酒が大好き。しかし自炊はあまりしない。皆からは憧れの戦艦として慕われている。

好きな言葉は『勤勉無しに賞は無い』。

101: 2016/01/04(月) 21:37:47.43 ID:Lq+nrGmh0
今日はここまでにします。

>>39
  ビスマルクの話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


ここで、キリ番安価を取ろうと思います。

ルールは、>>1の指定した範囲内で安価を取った艦娘の話が優先的に消化されるという感じです。

なお、ただ今溜まっているリクエストは空母水鬼、葛城、扶桑、吹雪&睦月&夕立、秋月&雲龍です。

これらの艦娘はとらないようにしていただければ幸いです。


また、扶桑をリクエストしてくれた>>74さんに1つ…。

このスレでは>>1でも書きましたが、オリジナルの人名を持つ提督が何人も登場します。扶桑の話は、この斑提督とは別の提督(人間不信の提督)と

絡ませる話にしようとしているのですがよろしいでしょうか?

【艦これ】総司令部日和【その2】

引用: 【艦これ】総司令部日和