296: 2016/01/18(月) 21:01:35.29 ID:N+9kikSK0
こんばんは、>>1です。




それでは、投下いたします。

297: 2016/01/18(月) 21:08:11.40 ID:N+9kikSK0
【雪】

 ―19時半過ぎ、食堂―

TV『明日は太平洋側を中心に大気が不安定で、都心でも大雪となるでしょう。また、海上の波も荒れるようで―』

司令長官「これじゃ、明日の出撃は中止した方がいいかもねぇ」

提督「そうですね。雪が降り始めるのは今夜からでしょうし、明日起きてから鎮守府の敷地と海の状態を見て決めましょう」

深雪「おっ、明日は雪が降るみたいだぜ!初雪だ!」

初雪「………私はここにいる……」

叢雲「なーにを雪ぐらいで喜んでるんだか」

磯波「あはは、叢雲ちゃんは大人っぽいね」


朝潮「雪ですか…これじゃ、明日の訓練は無理そうですね」

大潮「ラッキーです!雪が積もったらみんなで雪合戦しよう!」

霰「雪合戦…やってみたいです」

満潮「ふんっ。雪合戦なんて子供っぽいったらありゃしない」

霞「ホントホント」

荒潮「あらあら~?じゃあなんで二人ともウキウキしてるのかしら~?」

満潮&霞「!///」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
298: 2016/01/18(月) 21:14:22.17 ID:N+9kikSK0
 ―翌日9時過ぎ、中庭―

『本日は大雪と会場の天候が不安定なため、出撃・演習・遠征は全面中止とする』

大潮「それーっ!」ビシュッ

満潮「はっ、ぜんっぜん遅いわね!」

霞「そんなんじゃ、当んないわよ!」

霰「んちゃっ!」ヴン

バキャッ

満潮「いったぁ!?何これ、めっさ痛い!!」

霞「ちょっ、大丈夫―」

霰「ちゃっ!!」ヴヴン

ボグッ

霞「ぐ……っ」バタッ

荒潮「あら~霰ちゃん~……ちょーっとやりすぎじゃないかしらぁ~?」


 ―同時刻、倉庫―

提督「確かここらに、雪かき用の掃除があったはず……」ガサゴソ

提督「ありました。スコップです」

司令長官「せめて、除雪機ぐらいは欲しかったなぁ…」

提督「あんなのいくらすると思ってるんです?」

長門「さてと、ではやるとするか」

加賀「そうね。この雪は少し鬱陶しいし」

朝潮「精一杯頑張ります!」

299: 2016/01/18(月) 21:23:43.73 ID:N+9kikSK0
 ―数時間後―

朝潮「えっほ、えっほ…」ガッシガッシガッシ

司令長官「朝潮君、本当に皆と遊ばなくていいの?」

朝潮「だ、大丈夫です!今日みたいな日は訓練ができませんし、雪かきをやってみたいと思っていたんです!それに、雪かきも体力作りになりますから!」

司令長官「…………別に構わないんだけど、朝潮君さっきから向こうの方を見過ぎじゃない?」

朝潮「えっ」

<ワーキャー!!

朝潮「いえっ、そんなことはっ……!」

司令長官「君はまだこういう時は遊んでいていい年ごろなんだから、こういう時くらい皆と遊んで来たら?」

朝潮「で、でも……!」

司令長官「こっちには長門君も加賀君もいるから、君は存分に遊んでおいで」

朝潮「……………………」

司令長官「真面目なのはいいことだけど、どこかでガス抜きしないと体がもたないよ?」

朝潮「…………………ちょっと、皆と遊んできます!」

司令長官「うん、いってらっしゃい」


 ―17時過ぎ、司令長官室―

朝潮「朝潮、ただ今戻りました!」

司令長官「うん、雪合戦はどうだった?」

朝潮「とても楽しかったです!訓練にもなりましたし!」

司令長官「……………そのようだね」

朝潮「?」←雪のせいでベッチョベチョ


【終わり】

300: 2016/01/18(月) 21:32:33.51 ID:N+9kikSK0
【おまけ】

 ―13時過ぎ、北方AL海域・Fマス(北方AL泊地)―

※寒くて風も強い。雪も降ってる。

北方棲姫「寒い……寒いよぉ……」ブルブル

護衛要塞「そうですねぇ……。本土は都心でも雪が降っているようですし、そんなに寒い日は海上も寒いでしょう……」ガチガチガチ

北方棲姫「…もう寒すぎ……眠い……」カックンカクン

護衛要塞「ね、寝ちゃダメですよ!?氏んで―いえ、氏んでしまいます!」

北方棲姫「…………………………………………」ジー

護衛要塞「?ほっぽさん?」

北方棲姫「………たこ焼が飛んでる」ボケー

護衛要塞「だ・か・ら!!俺の名前は護衛要塞ですってば!この状況で名前間違えないでください!!」

北方棲姫「……たこ焼が喋ってる…大きい、美味しそう…」

護衛要塞「……え、何この反応…。もしかして、ガチで寒さで幻覚でも見えるようになったんですか、ほっぽさん!?」

北方棲姫「いいから大人しく私に食べられなさいたこ焼!!」

護衛要塞「いやあああああああああ!!仲間に食べられるなんて嫌だああああ!!!子供みたいな上司に食べられるとかどういうプレイだよおおおお!!!」

北方妖精「たこ焼きいいいいいい!!」

護衛要塞「誰か来てくれぇ!!ツ級さん!リ級ちゃん!ロ級さん!!誰か来てくれ!!SOS!お助けえええええ!!!」


 ―同時刻、北方AL海域・Kマス(北方増援艦隊主力)付近の島―

グツグツグツ

軽巡ツ級「……うん、そろそろいい具合ですね」ツンツン

軽巡ツ級「いただきます」パクッ

軽巡ツ級「ん~…。やっぱり、かまくらの中で食べる鍋はおいしいですねぇ」モグモグ


【終わり】

301: 2016/01/18(月) 21:38:30.83 ID:N+9kikSK0
【キャラクター紹介】

≪朝潮≫

朝潮型駆逐艦一番艦。艦娘No.85。黒いロングヘアと、ランドセルのベルトのように見える艤装のベルトが特徴の、しっかり者の女の子。超が付くほど真面目で、

暇があれば勉強し、遊ぶよりも訓練をするくらい、軍人気質。しかし、本当は年ごろの女の子のように他の皆と遊びたいとも思っている。朝潮型および駆逐艦の

全員をまとめる統率力も併せ持っており、吹雪、五月雨に次ぐ実力者。どんなことにも一生懸命取り組む。意外に甘党。

好きな言葉は『石の上にも三年』。

312: 2016/01/19(火) 21:07:07.81 ID:ep1y8zKH0
【頑張る五月雨】

 ―16時過ぎ、駆逐艦寮・休憩室―

五月雨「えっ、提督が…?」

時雨「うん。最近また徹夜が増えているって話だよ。戦艦の先輩たちが、夜間の巡視中に見つけたみたい」

五月雨「やっぱり、仕事のせいかなぁ…」

時雨「だろうね。提督が徹夜する理由何てそれぐらいしかないし」

五月雨「何か私達にできる事ってないかなぁ……」

時雨「それは五月雨、あれだよ」

五月雨「?」

時雨「こっそり提督に会いに行って手伝ってあげたり夜食を作ってあげたりして、ポイントを稼げばいいんだよ」

五月雨「え、ええーっ!?む、無理だよぉ!」

時雨「どうして?五月雨って、提督が鎮守府に着任して以来の付き合いなんだろう?何を気に病む必要があるんだい?」

五月雨「だ、だって……そんな、夜中に提督のところに行くなんて……///」

時雨「………先に言っておくけど、僕たち白露型は、五月雨が提督に気があるって事は知ってるからね」

五月雨「………………………え?」ポカン

時雨「気づいていないと思ったのかい?」

五月雨「………………………はぅ」カクッ

時雨「おやおや、初々しいね」

313: 2016/01/19(火) 21:15:52.15 ID:ep1y8zKH0
 ―十数分後、執務室―

提督「………指定時間就寝免除申請証?」

五月雨(………時雨ちゃんの言う通り、提督疲れてる感じがするなぁ……)

提督「…何のために、ですか?」

五月雨「えっと、ちょっと夜にしかできない事がありまして…それで……」

提督「……………分かりました。深くは尋ねません、許可します」

五月雨「あ、ありがとうございます!」

提督「ただし、トラブルは起こさないようにしてくださいね」


 ―17時過ぎ、駆逐艦寮・五月雨&涼風の部屋―

五月雨(もし手伝ったら多分ドジを踏んで、手伝いどころじゃなくなるから…)

五月雨(夜食でも作ってあげようかなぁ…)ウーン

五月雨(一応、起きられる許可はとったけど……)

五月雨(失敗とかしたらどうしよう……)

五月雨(料理は何とか作れるけど、ちょっと何品か作っておこうかなぁ……)

涼風「五月雨?何うんうんうなってるんだい?」

五月雨「涼風ちゃん…実はね……」カクカクシカジカ

涼風「は~、五月雨も乙女だねぇ」

五月雨「べ、別にいいじゃない!」

涼風「ははは、別にバカにしてるわけじゃないさ」

五月雨「それで、どんな料理作ったら、提督は喜ぶかなぁ…」

涼風「うーん、おかゆとか?」

314: 2016/01/19(火) 21:25:05.04 ID:ep1y8zKH0
 ―20時半過ぎ、厨房―

五月雨「うーん…おかゆかぁ………」

五月雨「何度か作った事があるけど…失敗しないよね…?」

五月雨「…悩むより、作ってみよう!」


 ―数分後―

五月雨「えーっと、確か塩を入れるといいって、鳳翔さんが言ってたよね……」

五月雨「ちょいちょいっと」ササッ

五月雨「後はねぎを切って……」トントントン

五月雨「よし、後は炊けるまで待ってと……」


 ―約20分後―

五月雨「できた~」ホカホカ

五月雨「うん、我ながら美味しそう。ちょっと味見…」パクッ

五月雨「…ッ!?何、甘い…!?な、何で……ッ!?」

五月雨「……………あ、砂糖と塩を間違えた……」

五月雨「はぁ~……どうしよう……」

間宮「…五月雨ちゃん?」

五月雨「ひっ…!?ま、間宮さん…?」

間宮「どうしたのこんな時間に……」

五月雨「じ、実は…提督に、お夜食を作ってあげようかと……」

間宮「あら、いいじゃない。それで、そのおかゆが?」

315: 2016/01/19(火) 21:29:35.57 ID:ep1y8zKH0
五月雨「それが…このおかゆ砂糖と塩を間違えちゃって…」

間宮「あら、じゃあ作り直す?」

五月雨「……うーん……」

間宮「……ああ、そう言えば」

五月雨「?」

間宮「提督も多分お仕事で徹夜をしているのでしょう?」

五月雨「は、はい…」

間宮「じゃあ、手軽に食べられるものにしたらどう?」

五月雨「手軽に?」

間宮「そう、例えば―」


 ―23時過ぎ、執務室―

提督「…………………………」カリカリカリ

コンコン

提督「?」

提督(こんな時間に…?何かトラブルでしょうか…)

提督「どうぞ」

ガチャ

五月雨「し、失礼します…」

提督「………五月雨さん?どうかしたんですか?」

五月雨「えーっと……提督、今夜も徹夜ですか?」

316: 2016/01/19(火) 21:33:51.08 ID:ep1y8zKH0
提督「ええ、書類が山積してまして」

五月雨「…………でしたら…そのう………」

提督「?」


五月雨「……おにぎり、作ってみましたので………おなかが空いたらどうぞ…」


提督「…すみませんね。私なんかのためにわざわざ」

五月雨「い、いえっ!丹精込めて作りましたので、召し上がってください!」

提督「………では、今一つ食べてみましょう」パクッ

五月雨「あっ―!」

提督「……………」モグモグ

五月雨「…………………」ドキドキドキ

提督「………美味しいです」

五月雨「あ、ありがとうございます」

提督「五月雨さんの愛情が込められてるのが良く分かります」←深夜のテンションと徹夜の疲れによるうわ言

五月雨「あ、あいっ……!?///」

提督「?どうかしましたか?」

五月雨「い、いえっ!では、私はこれで失礼します!提督も無理をなさらずにーっ!!」ダダダ

提督「?」

提督「…………さて、頑張りますか」パクッ


【終わり】

323: 2016/01/20(水) 21:02:46.39 ID:8XBh//Kq0
【デカい暁】

 ―18時過ぎ、サーモン海域・Оマス(敵補給部隊本隊)―

ビスマルク「Feuer!(フォイヤー:撃て)」ズダァァン

ズッドゴオオオオン

輸送ワ級flagship「ヴアアアアアアア………」撃沈

ビスマルク「どんなもんよ!」

飛龍「やったぁ!これで輸送ワ級を5回倒したし、海域解放よ!」

蒼龍「ばんざーい」

ビスマルク「ふぅ……それにしても、なんだか肩透かしなくらい簡単だったわね」

北上「まー、前の海域がえげつないくらい難しかったからねぇ」


 ―19時過ぎ、執務室―

ビスマルク「と言うわけで、サーモン海域攻略成功よ」

提督「お疲れさまでした。ビスマルクさんも戦闘で疲れているでしょうし、今日のところはもう休んでいただいて構いませんよ。詳細を書いた報告書は、

   明日の夕方までで構いませんよ」

ビスマルク「お気遣い、感謝するわ」

提督「はい」

ビスマルク「…………………」ジー

提督「?何か?」

ビスマルク「い、いえ……じゃあ、失礼するわね」

パタン

324: 2016/01/20(水) 21:12:04.47 ID:8XBh//Kq0
 ―十分後、食堂―

ビスマルク「……はぁ」

北上「んー?どうしたのビスマルクさん?そんな溜息ついちゃって」

ビスマルク「北上……ちょっと、ね」

北上「サーモン海域を解放したヒーローさんが、その日の夕ごはん時に溜息なんて、らしくないねぇ」

ビスマルク「いえ、別にいいのよ。大したことでもないし………はぁ」

北上「あー、ほら。そんなに大したことでもないのに溜息なんてつかれちゃ、気にするなって方がって話だよ」

ビスマルク「むぅ………北上って、結構仲間思いなのね」

北上「む、その言い方は心外だね。北上さんはいつだって皆の事を思っていますよー」

ビスマルク(嘘こけ。駆逐艦うざー、とか言ってるくせに)

北上「で、どしたのさ?」

ビスマルク「えーっと………馬鹿にしないでくれる?」

北上「もちろん」

ビスマルク「その、ね?サーモン海域攻略したじゃない?」

北上「そうだねぇ」

ビスマルク「それでね、私が敵の旗艦を倒して海域を開放できたじゃない?」

北上「うんうん」

ビスマルク「それで…………ね?」

北上「?」

ビスマルク「そのー……要するに、あれよ」

北上「??」

325: 2016/01/20(水) 21:19:32.54 ID:8XBh//Kq0


ビスマルク「…………褒められたいのよ。提督に」


北上「」

ビスマルク「…な、何よその沈黙」

北上「ふ…ふふ…っ」

ビスマルク「…北上?」

北上「あはははははっ。あははははははははは」

ビスマルク「わ、笑うなぁ!」

北上「いや~。こりゃびっくりだぁ。あの規律に厳しいビスマルクが、提督から褒めてもらいたいなんてさ~」

ビスマルク「いいじゃない別に!それぐらい!」

北上「いや、さすがは‶デカい暁‶と呼ばれるだけの事はあるねぇ」

ビスマルク「何その不名誉なあだ名は!」

北上「ま、話を戻してと。褒められたいって、褒められたんじゃないの」

ビスマルク「いえ、全然?ただ、お疲れさまでした、としか」

北上「うーん、普段と大して変わらないねぇ。で、提督に褒めてもらいたい意外と子供なビスマルクさんは提督にどんな感じで褒めてもらいたいの?」

ビスマルク「いちいち言い方が腹立つわねぇ……」

北上「で、どうなのよ?」

ビスマルク「………………………」

北上「?」

326: 2016/01/20(水) 21:26:36.27 ID:8XBh//Kq0


ビスマルク「…………頭を、撫でてもらいたい」


北上「」

ビスマルク「……………ダメ、かしら」

北上「………………ふひっ」

ビスマルク「鼻で笑わないで!」

北上「あははははっっはははははははははっは!!うひーひひい…!」

ビスマルク「」


ビスマルク「そうよ。私みたいな堅物がそんな子供みたいなことを望むのが浅はかだってわけよ。滑稽でしょ?滑稽デショウ?笑いなさいよ。笑えばいいわ」

北上「あははは…もー、大いに笑わせてもらいましたっと」

ビスマルク「くっ……屈辱!よりによって北上に話すなんて…っ!」

北上「あはは…ひーひー……ふぅ。うん、ありがとうね。久々に笑わせてもらったよ」

ビスマルク「………で、どうすればいいと思う?こんだけ痴態を見せたんだから、アドバイス無しとかは許さないわよ」

北上「うーん、そうだねぇ~」

ビスマルク「………………」

北上「ま、あたしからは何もアドバイスできないかなー?」

ビスマルク「こいつときたらーっ!!」

327: 2016/01/20(水) 21:36:21.34 ID:8XBh//Kq0
北上「まあ、前の海域がすんごく難しくって、その時旗艦を倒した夕立を褒めちぎったから、簡単なサーモン海域にはあんまり関心が無いんじゃないかな?」

ビスマルク「な……」

北上「でも安心して。今日あの時あそこにいた皆は、ビスマルクセンパイの活躍をちゃーんと覚えていますから」

ビスマルク「でも……我儘かもしれないけど、提督からも褒めてもらいたかったなーって」


提督「そういう事だったんですか」


ビスマルク「そうなのよ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――え?」

提督「どうも」

ビスマルク「な、なんでぇ!?」

提督「いえ、私も夕食を食べに来ただけですし。それに、北上さんの凄い笑い声が執務室まで聞こえてましたので」

ビスマルク「!!」ギロッ

北上「ぴゅる~♪」

提督「で、さっきの話ですけど………」」

ビスマルク「何よ!貴方も私の事をバカにするんでしょ!?子供っぽいってバカにするんでしょう!?滑稽でしょ!笑えばいいじゃないの!」

ポフッ


提督「サーモン海域を開放してくれて、ありがとうございます」ナデナデ


ビスマルク「」

提督「……こんな感じでいいんですか?」

ビスマルク「え、えへへへへ…………Danke」

北上「へー」ニヤニヤ


後日、この様子を青葉に見られ、青葉新聞に『これがレディ!?明かされる大戦艦ビスマルクの素顔!!』と、鎮守府内に大々的に報じられて、

またひと悶着あったがその話は別の機会に。


【終わり】

336: 2016/01/21(木) 21:09:09.79 ID:Ly/y7ITy0
【輸送任務とドラム缶】

 ―15時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「どうぞ」

春雨「失礼します、司令官」ガチャ

春雨「昨日の鼠輸送任務の報告書を提出に来ました」

提督「お疲れ様です。短距離の遠征とはいえ、初めての旗艦はいかがでしたか?」

春雨「その、ちょっと緊張しました……」

提督「まあ、最初は誰でもそんな感じです。後は場数を重ねていくしかないでしょう」

春雨「は、はい!」

提督「では、報告書を少し確認します」ペラッ

春雨「…………」ドキドキ

提督「……………あの」

春雨「な、なんでしょうか?」

提督「この、戦闘詳細に『ドラム缶で敵艦を2隻撃沈』とありますが、どういう事ですか?」

春雨「えっと、そのままの通りですけど…」

提督「いえ、まったくもってわからないんですけど、どういう状況ですか?」

春雨「えーっとですね……」

337: 2016/01/21(木) 21:21:55.56 ID:Ly/y7ITy0
 ―昨日12時過ぎ、鎮守府近海―

春雨「みなさーん、あと少しで鎮守府ですけど、気を緩めないで行きましょ~」ザザザ

村雨「はーい」ザザザザ

夕張(最初は危なっかしかったけど、最後には結構慣れた感じだねぇ)

白露「でもドラム缶ってやっぱり重い~」ザザザザ

江風「ンな事言ったってよ~……この中には資源がたんまり入ってんだから捨てるわけにも行かねェだろ?」ザザザザ

白露「そうだけど~」ザザザザ

春雨「あっ!」ピタッ

夕張「ん?どうかしたの、春雨ちゃん?」ピタッ


春雨「11時の方向、敵艦見ゆ!」


夕張「えっ!?ウソ!?」

春雨「艦種……軽巡ホ級1、駆逐ハ級1、駆逐ロ級2!」

江風「なンだ。雑魚ばっかじゃねェか。楽勝楽勝」

村雨「江風ちゃん……私達は今、ドラム缶しか装備してないのよ~…」

江風「あッ、そうだった!畜生!」

夕張「どうしよう…こちらから見えたという事は、あちらからも見えた可能性が高い……」

白露「で、でも今ならまだ大きく回避すれば逃げられる可能性が高いかも……」

春雨「私に任せて」

338: 2016/01/21(木) 21:29:45.61 ID:Ly/y7ITy0
夕張「春雨ちゃん!?」

白露「で、でも!春雨ちゃんだってドラム缶しか装備していないんだよ!?これじゃ戦えないって!」

春雨「それだけあれば十分だよ。私、ドラム缶の扱いには自信があるんだ」

夕張「そ、そんなの……」

春雨「大丈夫です、夕張さん」ザザザザ


軽巡ホ級「!」ピクッ

駆逐ロ級「!」ギロッ

春雨「やああああああああ!!」

軽巡ホ級(あいつ、ドラム缶しか持っていないのに突進してくるだと…?)ガション

駆逐ロ級(氏にたがりか、ただのバカか……)ガシャリ

春雨「やぁっ!」グイン

軽巡ホ級「?」

春雨「えーいっ!!」ブン

ガアァン

軽巡ホ級「ガッ…!?」撃沈

駆逐ハ級(ドラム缶で殴る…だと!?)

駆逐ロ級(ホ級さーん!?)

春雨「たああああっ!!」ヒュン

339: 2016/01/21(木) 21:32:16.95 ID:Ly/y7ITy0
ゴォォン

駆逐ロ級「ブベッ!?」撃沈

駆逐ロ級「!?」

春雨「みなさん!このすきに行きましょう!!」

夕張「え、ええ!」

白露「ドラム缶で2隻も撃沈するなんて……」

江風「すげー…ドラム缶にあンな使い方があったのか……」

村雨「まさに、‶その発想はなかった‶って感じね~」


春雨「っていうわけです」

提督「……にわかには信じがたいですが……」

春雨「本当ですってば~!!」


【終わり】

340: 2016/01/21(木) 21:38:30.25 ID:Ly/y7ITy0
【キャラクター紹介】

≪春雨≫

白露型駆逐艦五番艦。艦娘No.205。薄いピンクの髪と対照的な黒い制服が特徴の、静かな雰囲気の女の子。元気な子が多い白露型の中では珍しく大人しくて、

それゆえに他の白露型の子からは妹のように扱われている。輸送任務が得意で、ドラム缶の扱いもお手の物。ドラム缶で深海棲艦を倒したことも少なくない。

料理が得意で、その腕は鳳翔や間宮のお墨付き。得意料理は(やっぱり)麻婆春雨。頭の帽子の中には何かが入っているらしい。

好きな言葉は『禍を転じて福と為す』。

341: 2016/01/21(木) 21:40:45.50 ID:Ly/y7ITy0
今日はここまでにします。

>>305
 春雨の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日はリクエストにありました阿武隈、瑞鶴の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




ドラム缶しか積んでいない艦娘が、flagship級駆逐艦をcriticalhitで倒した時、『え?』と思う事が何度もある。

349: 2016/01/22(金) 21:02:24.60 ID:fmxQW9UN0
【相性】

 ―10時半過ぎ、執務室―

阿武隈「納得がいきません!」ダン

提督「いえ、私も申し訳ないと思っていますよ?でも仕方ありませんって」

阿武隈「でもぉ!」クルッ


阿武隈「何であたしと北上さんが同じ艦隊なんですかぁ!!」


北上「あのさー、阿武隈ちゃん?そう言う言葉は本人のいない場所で言ってくれないかなぁ?あたしでも傷つくよ」

阿武隈「北上さんは黙ってて!それで提督、他にも軽巡洋艦の子がいたでしょ!何であたしなの!?」

提督「ですから、鬼怒さんは遠征ですし、大井さんは体調不良で欠席。他の軽巡の方もその他の任務やら仕事やらで手一杯なんです。阿武隈さんしか、

   手の空いている方はいないんですから」

阿武隈「でもぉ!」

北上「あー、阿武隈?いい加減あたしもキレていい?」」

提督「ほらほら、早く出撃してください。他の方たちも待っていますから」

阿武隈「んもう……」

北上「じゃ提督、行ってくるね~」

350: 2016/01/22(金) 21:11:11.51 ID:fmxQW9UN0
 ―数時間後、サーモン海域・Оマス(敵補給部隊本隊)―

阿武隈「えーいっ!」ドシュン

ドッゴオオン

戦艦ル級flagship「ガウッ…!?」中破

阿武隈「やった!ル級を中破にまで追いやった―」

北上「あらよっと」ドゥン

バゴオオオン

戦艦ル級flagship「グエエエエエ………」撃沈

阿武隈「」

北上「あー、いいねぇ。この爽快感」


 ―帰り道―

北上「いやー、資源も持って帰れて、輸送艦を倒して万々歳だねー」ザザザ

阿武隈「………ソウデスネ」

阿武隈(はぁ……倒せなかったな…)

北上「いやー、阿武隈には助かったよ~」ガシッ

阿武隈「ふぇっ!?なんですか急に~!」

北上「いやね、あの時ル級を中破にしてなくちゃ、いくら北上さんでも倒せなかったよ。あいつは。でも、阿武隈が中破にしてくれたから何とか倒せた。

   あたしの為にありがとうね~」

阿武隈「いやいやいや、あれは北上さんの為なんかじゃなくて―」

北上「照れ隠しなんていいよ~。くまっち~、お礼に頭を撫でてあげよう」グシャグシャ

阿武隈「あたしの名前は阿武隈です~!って、髪ぐしゃぐしゃしないで~!!」

351: 2016/01/22(金) 21:20:39.18 ID:fmxQW9UN0
 ―15時過ぎ、執務室―

阿武隈「あー、疲れた…」

提督「お疲れ様です」

阿武隈「もう、北上さんの相手は嫌……」

提督「そんなに嫌なんですか?」

阿武隈「それはもう、嫌ですよ!北上さんがじゃれついてくると、大井さんが鬼のような形相でこっちをにらんでくるし!」

提督「それは精神的に来そうですねぇ…」

阿武隈「他にもいっぱいあるんですよ!北上さんは何かあるたびにあたしの髪ぐしゃぐしゃしてくるし!」

提督「髪のセットが大変そうです」

阿武隈「あたしのこと‶くまっち‶って変なあだ名で呼んでくるし!」

提督「うーん……球磨さんが怒りそうですね」

阿武隈「あたしをパシらせるし!」

提督(キリがなさそうですね…)

阿武隈「旅行行ったらあたしにだけお土産くれるし!」

提督「………ん?」

阿武隈「廊下で会ったら『今日もべっぴんだね~』って褒めてくるし!」

提督「……………ん?」

阿武隈「あたしが遠征から帰ってきたらジュース奢ってくれるし!あたしが落ち込んでたら肩を叩いてくれるし!その後スイーツまで奢ってくれるし~!!」

提督「…………貴女、気に入られてません?」


【終わり】

352: 2016/01/22(金) 21:30:43.78 ID:fmxQW9UN0
【敵にさえ】

 ―10時過ぎ、珊瑚諸島沖・Dマス(敵機動部隊本隊)―

瑞鶴「稼働機、全機発艦!」ビシュシュッ

キイイイイイン

瑞鶴「いっけぇ!」

ズッドオオオオオオオオオオオオオオン

南方棲戦鬼「ガアアアアッ!?」中破

空母ヲ級flagship「クッ………」大破

戦艦タ級flagship「ゴアッ………」中破

瑞鶴「よーっし!」

翔鶴「すごいじゃない瑞鶴!一人であんなに倒すなんて!」中破

赤城「ええ、かなり艦載機操作の腕を上げましたね」中破

瑞鶴「ふっふーん。これでもう、七面鳥なんて言わせな―」


南方棲戦鬼「ヤルジャ……ナイカ……」ポヨーン

空母ヲ級flagship「チィ………ヤッテクレル………」ポヨヨーン

戦艦タ級flagship「ウヌゥ………カナリヤルナ………」ポヨヨヨーン


瑞鶴「」フッ

翔鶴「?瑞鶴?どうしたの?」

長門「瑞鶴、よくやった!後は私達に任せて―」

353: 2016/01/22(金) 21:34:56.22 ID:fmxQW9UN0
瑞鶴「……………………」キリキリキリ

赤城「ず、瑞鶴さん?何を―」

瑞鶴「……………………」ビシュッ

キイイイン

ドゴオオオオオオオオオオオオン

南方棲戦鬼「ガウアッ!?」撃沈

空母ヲ級flagship「ヲゥッ!?」撃沈

戦艦タ級flagship「アェッ!?」撃沈

瑞鶴「………………ふぅ」

長門「………瑞鶴?どうかしたのか…?」

瑞鶴「………成長って、残酷よね」

全員「?」


 ―17時過ぎ、執務室―

提督「大体の状況は理解しました」

瑞鶴「なんなのよ……敵のくせに、人間の敵のくせにあの胸は何なのよ……胸なんていらないんじゃないの…ホントなんなのよ……」

提督「最近出撃する度に愚痴る方が多いですねぇ…。そういう季節でしょうか…」

瑞鶴「提督さんはどう思う!?胸はやっぱりあった方がいいと思う!?」

提督「よく聞かれます、その質問。ですが、ノーコメントで」

瑞鶴「逃げないでよ!」

354: 2016/01/22(金) 21:40:18.00 ID:fmxQW9UN0
 ―19時過ぎ、食堂―

瑞鶴「って話があってね~」

翔鶴「珊瑚諸島のあれはそういう事だったのね……」

瑞鶴「翔鶴姉はいいよね~。あって」

翔鶴「べ、別にあってもいいものじゃないわよ?肩がこるだけだし、走ると痛くなるし…」

瑞鶴「そーいうのを贅沢っていうのよ!」

翔鶴「それに……相手の男の人がいなくっちゃ、これって無用の長物だし……」

瑞鶴「あ、ごめん…………」

翔鶴「いえ、いいのよ…。でも、瑞鶴は今のままの方がいいわ」

瑞鶴「え?」

翔鶴「胸の大きい瑞鶴なんて、瑞鶴じゃないって気がするの。失礼かもしれないけど、今の胸の小さい瑞鶴のままの方が、瑞鶴らしさがあっていいと思うの」

瑞鶴「………まあ、一理あるかも。でも、1ついい?」

翔鶴「?」

瑞鶴「深海棲艦だからって胸は必要ないと思うの!」

翔鶴「………まあ、うん……あれ?」

瑞鶴「もう、敵のくせに!!憎らしい!」

翔鶴「その感情を戦闘に回したらどう……?」


【終わり】

355: 2016/01/22(金) 21:45:45.28 ID:fmxQW9UN0
【キャラクター紹介】

≪阿武隈≫

長良型軽巡洋艦六番艦。艦娘No.110(改二はNo.200)。飴を転がしたような甘ったるい声と、特徴的な金髪の髪型が目立つゆるふわ系のお姉さん。普段は

ほんわかしたところが目立ち不安げな行動をしているが、ちゃんとしている時は凛々しい姿を見せてくれる。北上との相性は悪く本人は毛嫌いしているが、

傍から見れば北上に気に入られている言動がほとんど。長良型だという事を皆覚えてくれないのが悩み。改二になるために日々是鍛錬中。

好きな言葉は『蛍雪の功』。

364: 2016/01/23(土) 21:25:42.48 ID:UvcqAz+I0
【イギリスからの来訪者】

 ―(イギリス)16時過ぎ、イギリス海軍司令部・司令長官室―

イギリス海軍司令長官(以下アネリ)「………………………ふむ」カチャリ

アネリ「そろそろ、頃合いかしらね。ランスロット」

ガチャ

イギリス海軍司令長官補佐官(以下、ランスロット)「お呼びでしょうか、司令長官」

アネリ「貴方に、ある仕事をしてもらいたいのだけれど」

ランスロット「仕事?なんでしょうか?」

アネリ「日本の海軍総司令部に行き、‶艦娘‶に関する情報を持ち帰ってもらいたいわ」

ランスロット「………また、どうして日本に?」

アネリ「今、世界中の海を支配している‶深海棲艦‶は、我が国の領海の外側にもいるわ。そして今私達海軍は、そいつらの侵攻を『食い止める』事は出来ても、

    『撃滅する』事は未だ出来ていない…」

ランスロット「分かっております」

アネリ「でも、あの東洋の島国は別。あの国は深海棲艦の侵攻を食い止めている上に、撃滅する事も出来ている。そのおかげであの国は、海上輸送に関しては

    不自由の無い状況よ」

ランスロット「ええ、確かにニュースでもそのように報道されておりますが」

アネリ「その日本へ行き、深海棲艦と戦っている‶艦娘‶の情報を我が国へ持ち帰り、そのメカニズムを解析する事ができれば、我が国でも‶艦娘‶を作り出す

    事が可能となる。そして、深海棲艦を撃滅する、と」

ランスロット「………事情は分かりました。しかし、なぜ私が?司令長官自らが行けばいいのでは……」


アネリ「だって、面倒くさいじゃないの」


ランスロット「……………はあ」

365: 2016/01/23(土) 21:35:52.25 ID:UvcqAz+I0
 ―(日本)数日後10時、新日本海軍総司令部・正門―

ランスロット(俺の名はランスロット=オールポート。イギリス海軍司令長官の補佐官を務めている)

ランスロット(今回こんな小国の海軍総司令部を訪ねた理由は、深海棲艦と互角、いやそれ以上に戦っている日本の‶艦娘‶に関する情報を持ち帰るためだ)

ランスロット(アメリカはしくじったようだが、その二の轍を踏む気は無い。これを機に、アメリカを出し抜いて再び世界の頂点に立つ…!)

提督「大変お待たせいたしました、ランスロット補佐官」

ランスロット「いや、私も今来たところだからな。それで、お前が海軍の司令長官か?」

提督「いえ、私は司令長官の補佐官を務めております、斑 黎明と申します」

ランスロット「補佐官?司令長官はいないのか?」

提督「はい。司令長官は今日、四国の方へ出張に行っております」

ランスロット「ほう、出張ね」

提督「ええ、大変申し訳ございません。本日は、司令長官の補佐官である私が案内をさせていただきます」

ランスロット「そうか。俺の司令長官も多忙な故に訪問する事ができなかったからな。お互い、多忙な上司を持つ者同士仲良くしようじゃないか」

提督「善処いたします」

提督(ま、司令長官は温泉旅行で四国に行っているんですが)

ランスロット(ま、司令長官は面倒くさいからの一言で来なかったんだが)

ランスロット「では、早速だが中を見学させてもらっても構わんか?」

提督「あ、その前に少々手荷物を見せていただいてもよろしいでしょうか?」

ランスロット「ん?別に構わんが」スッ

提督「ありがとうございます。では、青葉さん」

青葉「はいはーい!では、失礼しまーす」シュタッ

ランスロット(こいつも艦娘か?)

ランスロット「しかし、なぜ手荷物検査を?空港の手荷物検査はパスしているが?」

提督「いえ、隠しカメラや盗聴器などを持っていないかをチェックしますので」

ランスロット(なるほど、やはりその手の事に関しては手を抜かないな。アメリカもしくじるわけだ)

366: 2016/01/23(土) 21:43:49.04 ID:UvcqAz+I0
提督「実は昨年の12月に、中国の海軍司令長官が訪問されたのですが、カバンの中に盗聴器と隠しカメラを大量に入れておりましたので、規制を強くしました」

ランスロット「」

提督「後、その司令長官には『二度と来るな』と言って蹴とばしました」

ランスロット(こいつ…一国の司令長官になんつー態度取っているんだ!?)

青葉「はい、異常なしですね。ありがとうございます~」

提督「………それにしても」

ランスロット「なんだ?」

提督「ニワトコの杖は入っていませんでしたね」

ランスロット「………お前うちの国を何だと思っているんだ。まあ、魔法とかそういうオカルト方面の伝統が強いのは否めんが」

提督「後イギリスのイメージと言えば、紅茶か、大して美味しくもない食事か、世界一工口い国としか―」

ランスロット「お前ホントうちの国を何だと思っているんだ!!」


 ―数分後、中庭―

暁「それーっ、響パース!」ピューン

雷「させないわよっ!」バシィ


ランスロット「あの少女達も、艦娘なのか?」

提督「ええ。あのように子供の姿ですが、戦闘能力に関しては何ら問題もありません。彼女たちは、駆逐艦です」

ランスロット「…あんな幼い子供を戦場に放り出すというのも、心が痛むがな」

提督「ごもっともです。しかし、あの子たちが深海棲艦を倒す希望という事も事実ですし、なるべく危険な海域には出撃させないという事が精一杯ですが」

ランスロット「いや、その心がけだけでも十分だと俺は思うぞ」

提督「…ありがとうございます」

367: 2016/01/23(土) 21:50:58.12 ID:UvcqAz+I0
 ―数十分後、工廠―

明石「どうも、この工廠の責任者の明石です!」

ランスロット「俺はイギリス海軍司令長官の補佐官、ランスロットだ。よろしく」

明石「こちらこそ、よろしくお願いします!」

ランスロット「…こんな危険な場所でも艦娘が働いているのか」

提督「彼女だけだはありませんよ。ほら」スッ

ランスロット「?」チラッ

妖精さん「あ、こんにちはー。お客様ですかー?」

ランスロット「…………なんだ、こいつは」

提督「妖精さんです。というか、見えるんですか?」

ランスロット「あ、ああ。作業用のつなぎを着て、ヘルメットを被ってるだろ?」

提督「その通りです。しかし、初見で妖精さんが見えたのは貴方が初めてです」

ランスロット「……それより、このちっこいのも工廠で働いているのか?」

提督「ええ。まあ、妖精さんは艤装にくっついているのとかもいますし」

ランスロット「………なおさら不安だ」


 ―数分後、本館―

鈴谷「でさー。そうなんだよ~」

熊野「あら、そうなんですの?」


ランスロット「しかし…」

提督「?」

ランスロット「やはりと言うかなんというか、‶艦娘‶だから女性ばかりなのだな」

提督「その通りです。どうやら妖精さん曰く、英語圏では船の事を女性名詞で呼ぶかららしいんですが、その点どうなんですか?」

ランスロット「俺に言われてもな……。しかし、こういう状況だとあれだろ?」

提督「…あれ、とは?」

368: 2016/01/23(土) 21:58:11.86 ID:UvcqAz+I0
ランスロット「欲情せんのか?」

提督「やはりあなたはイギリス人ですね」

ランスロット「うるさいな。で、実際どうなんだ?」

提督「………私は別に、そう言った感情を表に出すという事はありませんから」

ランスロット「建前はそうなんだろう?で、本音はどうなんだ?」

提督「………………………………正直、してます」

ランスロット「…分かるぞ、その気持ち。俺も同じ状況になったらそうなると思う」

提督「……そうですか」

ランスロット「だが、艦娘達はどうやらお前の事を慕っているようだし、この状況なら男冥利に尽きるんじゃないのか?」

提督「一見女性たちの中に男性がただ1人って状況、とても気まずいんですよ?そんな、欲情する前に」

ランスロット「あー……それは分らんでもない」

提督「ランスロットさんは海軍司令長官の補佐官ですから、女性の事で苦労したりしなさそうですが」

ランスロット「……俺の上司は女性だからな……。下手な発言してセクハラとか言われたら、目も当てられない事になるから……」

提督「…それは、お察しいたします」

ランスロット「分かってくれるか」

提督「ええ、分かりますよ」

ランスロット「ありがとう」



 ―15時過ぎ、≪甘味処・間宮≫―

ランスロット「総司令部の中にこんな施設が…しかも運営しているのは艦娘か」

提督「間宮さん…ここを運営している方が店を開きたいと仰っていましたので、その希望に応える事にしました」

ランスロット「なるほどな…。しかし、このスイーツ美味しいな」

提督「間宮さんの作るスイーツはいつも美味しいですからねぇ」

369: 2016/01/23(土) 22:05:15.94 ID:UvcqAz+I0
金剛「失礼しマース!テートク!」タタタ

提督「金剛さん。どうかしたのですか?」

金剛「テートクにmailが届いていマース!Loveletterは許さないからネー!!」

提督「分かりました…って、速達?」ビリッ

金剛「Oh?Youは誰でスカー?」

ランスロット「おっと、自己紹介が遅れてしまったな。これは失礼。俺はイギリス海軍司令長官の補佐官、ランスロット=オールポートだ」

金剛「Oh,イギリス!Meは英国生まれの戦艦・金剛デース!」

ランスロット「おお、あの金剛か!いやぁ、こんな可憐な女性に生まれ変わって…」

金剛「ヘイヘイ、お世辞は照れくさいネー」

ランスロット「ははは」


金剛「では、失礼するネー」

ランスロット「ああ。いや、済まなかったな。つい話が盛り上がってしまって―」

提督「…………………………………………」ズーン

ランスロット「…ど、どうかしたのか?」

提督「この手紙を見ればわかります」

ランスロット「?俺が見てもいいのか?」

提督「構いませんよ」

ランスロット「そうか、では失礼して……」チラッ

……

ランスロット「…なあ、この‶ケッコンカッコカリ‶ってなんだ?」

提督「艦娘と提督が、強い絆で結ばれることです」

ランスロット「そうか…で、この手紙は要するに、『艦娘と結婚しました。お世話になったあなたにお礼を言いたい』とあるが?」

提督「大して親しくもない他人が結婚したって報告を自慢げに見せられて、嬉しいと思いますか」

370: 2016/01/23(土) 22:15:34.09 ID:UvcqAz+I0
ランスロット「………ちなみにお前、結婚は…」

提督「してませんよ!艦娘とのケッコンカッコカリはおろか、妻もいません!この状況で他人がケッコンカッコカリしたって報告を受けたら傷つきますよ!

   まったく、こちとら総司令部の仕事と提督個人の仕事が山積していて結婚する暇がないというのに!!」

ランスロット「そ、そうか……。俺も同じだぞ…」

提督「?」

ランスロット「こっちは司令長官の分の仕事をして、関係部署に視察やら会議やらで忙しくて…俺も独身なんだ」

提督「…そうでしたか」

ランスロット「………あんた、意外といい奴なんだな」

提督「どういう事ですか?」

ランスロット「最初に会ったときはイヤミばっかり言ってくる嫌な奴だと思っていたが、ここを見学している間に、俺とお前には似ているところが結構ある、

       という事がわかった。要するに、気が合うという事だ」

提督「…そうですか」

ランスロット「艦娘にも少なからず欲情しているという事も、仕事が多くて結婚できないという事も、上司がろくでもないというところも、性格的なところも、

       どことなく似ている。親近感がわくのだ、お前には」

提督「……私も、貴方にはどことなくシンパシーを感じていました」

ランスロット「………」ガタッ

提督「………」ガタッ


ランスロット「改めて、ランスロット=オールポートだ。これからも、よろしくな」ガシッ

提督「斑 黎明です。こちらこそ、よろしくお願いいたします」ガシッ



ランスロット「…すまんな。今日はこちらの情報を持ち帰ろうと企んでいたのだが、すまない」

提督「いえ、その程度の事、今となっては関係ありませんよ」

ランスロット「?」

提督「貴方なら、艦娘の方たちを大切にしてくれるでしょう。それに妖精さんが見える貴方には、提督になる素質がある」

ランスロット「つまり、どういう事だ?」

提督「要するにですね―」

371: 2016/01/23(土) 22:22:26.11 ID:UvcqAz+I0
 ―(イギリス)数日後、イギリス海軍司令部・司令長官室―

コンコン

ランスロット『ランスロットです』

アネリ「どうぞ」

ガチャ

ランスロット「日本より、帰還致しました」

アネリ「ご苦労様。それで、艦娘に関する情報を持ち帰ることはできた?」

ランスロット「それがですね……」

アネリ「?」


ランスロット「我が国へ艦娘を派遣、さらに日本の鎮守府の設備をこちらに建造してくれることとなりました」


アネリ「」

ランスロット「と言っても、まだ承認はされていません。司令長官が承認すればこのプロジェクトはすぐに実行されます」

アネリ「……………………………………………………………………………え?」

ランスロット「いや、『え?』じゃありません。そのままの意味です」

アネリ「そ、それって我が国にも鎮守府ができるって事!?」

ランスロット「はい」

アネリ「ちょちょちょちょっと待って!そりゃこっちとしては万々歳だけど、ただ情報を持ち帰るだけが何でそんな事に!?」

ランスロット「…ちょっと、日本の海軍に気の合う奴ができましてね」


 ―(日本)同時刻、新日本海軍総司令部・司令長官室―

司令長官「ええっ!?そんな勝手な事されちゃ困るよ!」

提督「いえ、あちらの使者も結構優しいお方でしたので、これなら任せられるかと思いまして」

司令長官「しかしねぇ…海外に艦娘を派遣するって………」

提督「派遣する艦娘は、出撃でドロップした艦娘をある程度送り、工廠などの施設を建造すれば後は妖精さんがやってくれますから」

司令長官「君、何でそんなに嬉しそうなの?」

提督「…ちょっと、イギリスの海軍に気の合うやつができましてね」


【終わり】

372: 2016/01/23(土) 22:27:45.89 ID:UvcqAz+I0
【キャラクター紹介】

≪アネリ=ローウェル≫

イギリス海軍司令長官。性別は女性で、年齢は54歳。イギリスの領海及び世界中の海洋に深海棲艦が出現し、イギリスに深海棲艦を撃滅する力がないことを憂い

日本の艦娘に関する情報を探ろうとする。50を超えてもまだ凛とした表情をしており、体の方もまだ衰えていない。自由奔放かつ豪快な性格であるため、部下の

多少無茶な出撃や作戦に関しても笑って容認するくらい。しかし、単に面倒くさいだけと言う意見もある。

好きな言葉は『行いが美しい者は、姿も美しい』。

373: 2016/01/23(土) 22:32:19.16 ID:UvcqAz+I0
≪ランスロット=オールポート≫

イギリス海軍司令長官の補佐官。性別は男性で、年齢は28歳。短い金髪と蒼い瞳が特徴。生真面目で少し仕事人間と、少し斑補佐官に似た性格をしている。

イギリス海軍のアネリ司令長官から、日本の艦娘に関する情報を探るように指示を受けて日本に来たが、その過程で斑補佐官の人となりをみて共感を覚え、

最後には斑補佐官と親友ともいえる関係になる。その結果、イギリスに日本の鎮守府の支部ができる予定になった。常に冷静な性格であると自負しているが、

突発的なアクシデントでパニくることが多々ある。また、自分の国に誇りを持っており、バカにされると怒る。むっつりスOベ。

好きな言葉は『ミスを犯さない人間には、何もできない』。

382: 2016/01/24(日) 21:09:46.90 ID:ji/M1fzO0
【憲兵と海軍】

 ―10時前、憲兵本部前―

提督「お久しぶりです、城さん」

城「久しぶり~。で、そいつが?」

ブラック提督「離せ、離せ!」ジタバタ

提督「はい。ブラック鎮守府判定された鎮守府の提督です」

城「了解っと。じゃあ君たち、後よろしくね」

憲兵×2「はい、司令官!」ガシッ

ブラック提督「やめろっ!悪かった!あれはただの出来心で!!」

憲兵「はいはい、話は取調室で聞いてやるから」

憲兵「大人しく着いて来い」

ブラック提督「お助けえええええ!!慈悲を~…!!」

憲兵×2「慈悲は無い」

城「で、アイツ何したの?」

提督「鎮守府内で艦娘に裸でいる事を強要し、あまつさえ暴行にまで及んだとか」

城「なるほど、人でなしだね。刻んで堆肥にしてやろうか」

提督「あんな奴、頃す価値もありません。シベリアで氏ぬまで強制労働で十分です」

城「それもそうだね。それじゃ、本題に移ろうか?」ペラッ

提督「ええ」

城「まったく、イヤな世の中になったもんだねぇ」

提督「まったくです」

383: 2016/01/24(日) 21:23:28.24 ID:ji/M1fzO0
 ―数日前、海軍総司令部・応接室―

城「艦娘の護衛強化?」

提督「つい先日、某鎮守府に所属している、非番で艤装を外していた駆逐艦の艦娘が鎮守府の外を散歩したら、ハイエースされて暴行を受けてしまったという、

   事件が発生しましてね」

城「………………………うっ」

提督「…やはり貴女には、少しトラウマに触れてしまうようなものでしたか」

城「…いや、大丈夫。続けて」

提督「それで、そのハイエースした犯人は海軍とは無関係の、ただの一般人だったという事でした。その犯人は普通の警察に引き渡されて判決が下されました。

   しかし、それで解決するはずはありません」

城「まあ、だろうねぇ」

提督「このような事件は、過去に数件ほど起こっております。犯人は海軍内外問わずに」

城「報道規制がかかっていたのかなぁ」

提督「それは貴女が単にニュースをあまり見ないからでしょう」

城「それで、その襲われちゃった艦娘達って、どうなっちゃったの?」

提督「…………残念ながら、海軍にいた時の記憶をなくすために、解体して一般人にする事としました」

城「…………それは………」

提督「そこで、このような事態をこれ以上起こさないためにも、憲兵団の方々に協力をしていただきたいのです」

城「なるほどねぇ」

提督「憲兵団はあくまで陸軍所属ですが、海軍内部での警察行為も実施しております。ですから、海軍に所属している艦娘の警備をしてくださるのもまた、

   憲兵団の仕事ではないかと思ったのですが」

城「私は別に構わないよ。憲兵団の皆も協力してくれると思うし」

384: 2016/01/24(日) 21:38:27.29 ID:ji/M1fzO0
 ―現在、憲兵本部・会議室―

提督「と言うわけで皆さん、よろしくお願いいたします」

憲兵たち「よろしくお願いいたします!」

提督「さて、手元の資料にも書いてある通り、ここ最近非番で艤装をつけていな艦娘が襲われるという被害が何件か発生しております。このような事態を

   防ぐために、憲兵団の方々にも協力していただきたいのです」

憲兵A(周防)「あの~、1つ質問してもいいでしょうか」

提督「なんでしょうか?」

周防「こういう事件が起きているというのは、理解できました。ただ、民間人…でいいのか?の警備をするのって大体警察の仕事でしょう?それなのに、

   どうして我々憲兵団がこのような仕事を…?」

城「………」ジロッ

周防「あ、いえ…別に斑補佐官の案を否定するというわけではなくてですねっ…!」

憲兵B(円上)「すみません補佐官殿。こいつ新入りで状況がまだ上手く呑み込めていないんでさぁ…」

提督「いえ、別に気にしていませんよ。それで先ほどの質問の答えですが、憲兵団は主に、海軍内でブラック鎮守府の摘発やブラック提督の逮捕などなど、

   警察の役割を務めているんです。ですから、非番とはいえ海軍の艦娘の警備は、海軍で警察の役目を持っている憲兵団に頼みたいという事です」

円上「って事らしい。分かったか?」

周防「は、はい。すみませんでした」

憲兵C(笠戸)「非番の艦娘の警備を憲兵がするという事は分かりました。しかして、具体的にはどのように?」

城「どのように、って?」

笠戸「まず第一に、鎮守府は日本全国に100近くあります。それで、その鎮守府に所属している艦娘はそれぞれ大体100人前後…。単純計算で1万人ほどいる、

   彼女たちを憲兵が警護するというのは少々難しい話だと思いますが…」

提督「ですが、全ての鎮守府の艦娘1万人が一度に全員外出するというわけではありません。平均して1回につき大体20人ぐらいが外出しております」

笠戸「あ、そのぐらいなんですか」

385: 2016/01/24(日) 21:51:06.97 ID:ji/M1fzO0
提督「各地方に憲兵の詰所は2~3か所。その詰所には大体30~40人ほどの憲兵が所属していますよね?そして各地方の鎮守府の数は12で、その全ての鎮守府に

   艦娘が100人ほど所属しているとすれば、憲兵約100人に対して艦娘は約1200人。この時点で憲兵の数は艦娘のおよそ1/12です」

憲兵D(屏風)「一地方に1200人……」

周防「そんなにいるのか……」

提督「ですが、一度に外出するであろう艦娘は一鎮守府につき最高で20人。その12ある鎮守府すべてから20人艦娘が外出するとすれば敬語対象艦娘は約240人。

   ですが、一度に20人も一斉に外出するという事はほとんどないでしょうし、十分カバーできると思いますが」

屏風「まあ、そうかもしれんが……。つまりは、憲兵総出で艦娘の警護をしろと?」

提督「ありていに言えば、そうなりますね」

円上「あー、1ついいか?」

提督「はい?」

円上「艦娘の警護を憲兵がやるというのは賛成だが、総出でっていうのはちと難しい。他にブラック鎮守府が発見されたって通報があったらそっちに行かねば

   ならんからな。つきっきりっていうのは難しいぞ」

提督「確かにそうですね。ですが、何も四六時中警護しろと言うわけではありません。ただ、人目のつかない場所については特に警備を強化してほしい、

   と言いたいんです」

憲兵E(志々)「じゃあ、こうしたらどうでしょうか?」

提督&全憲兵「?」

志々「まず数日の間、艦娘が外出する際は我々憲兵が警護する。そして、しばらく経った後、その外出する方々が行くであろう場所に憲兵を配置するとか。

   そうすれば、人員を割く必要があまり無くなりますし」

提督「なるほど……そういう手もありますね」

城「まあ、そうだねぇ。その方が、人件費も削減できるからねぇ」

円上「あるいはだが~」

386: 2016/01/24(日) 22:01:26.75 ID:ji/M1fzO0
 ―数時間後―

城「じゃあつまり、最初の内は憲兵団が可能な限り艦娘の警護をして、時期が経ったら要所要所に憲兵を配置する。そしてまたしばらく経ったら憲兵団で

  艦娘の護衛…この繰り返しをしていくってことで、いい?」

提督「はい。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」

円上「しかし、あんたみたいな腕利きでも憲兵に頼らなくちゃならないとは…相当ヤバい案件案だなこれ。今さらだが」

提督「艦娘は全員女性ですから、2人一組にするという手も考えましたが、2人まとめて襲われるって事もありますから…。それと妖精さんにも協力を

   仰いでみましたが、どうも人手が不足しているようで…」

周防「妖精さんって……」

屏風「しかし、私達は今回の会議で出た結論に賛成だが……」

志々「あの陸軍司令官が承認するかどうか…」

城「そうなんだよねぇ…。憲兵はあくまでも陸軍の配下だから、陸軍司令官の承認を得なきゃダメなんだけど、あの耄碌爺は反対しそうなんだよねぇ~」

提督「海軍に関しては問題ありません。司令長官はこの案件を私に丸投げ―任せてくれていますから」

笠戸「丸投げって言いませんでした、今?」

提督「それと、陸軍司令官についても問題ありません」

城「え、どうして?」


提督「前に行った艦娘の暴行事件の犯人の1人が、陸軍司令官でしたから」


全員「」

提督「ですから、今この案を承認する権利を持っているのは、憲兵司令官の城さんですよ」

周防「えっ!?本当なんですか!?」

円上「あいつ…旅行とか言っときながら艦娘にけしからんことしてたのか…」

笠戸「ううむ………まあ、陸軍司令官がいなければいいんじゃないでしょうか?承認しても」

城「ま、元々無理を通してでも黎明君の案は通すつもりだったんだけどね」

周防&円上&笠戸&屏風&志々(本当にこの人一途だな)

城「近いうちに憲兵団内で決議を取ってから返事をするから。待っててね~」

提督「ありがとうございます」

※結局、提督達の立てた案は承認されました。


【終わり】

387: 2016/01/24(日) 22:08:29.61 ID:ji/M1fzO0
【キャラクター紹介】

≪城 瑠璃(じょう るり)≫

陸軍憲兵司令官。性別は女性で、年齢は26歳。みんなのモチベーションを爆上げする統率力を持つ、はつらつとした女性。高校生時代の3年間、斑、鳥川、蓮村

と同じクラスだった。明るい性格だが、高校時代に男子生徒から強姦されそうになったというトラウマを持っている。が、その時助けてくれた上にその後自分を

支えてくれた斑に対し恋慕している。また、そのトラウマを胸に抱いて憲兵となった。その過去ゆえ、憲兵の皆も彼女を慕っている。

好きな言葉は『言わぬが花』。

388: 2016/01/24(日) 22:11:00.01 ID:ji/M1fzO0
≪陸軍司令官≫

名前は不明。性別は男性で、年齢は60歳。憲兵団からは‶耄碌爺‶と言われるくらい評判が悪い。深海棲艦を駆逐し、その評判によって世間から脚光を浴びている

海軍に対して忌避感、嫉妬心を抱いており、それゆえに海軍が嫌い。あきつ丸を使って諜報活動をした事もある。艦娘に対して暴行を加えた事によって警察に

逮捕されて、陸軍から追放されることとなった。この事件について、陸軍軍人のほぼ全員が『せいせいした』とコメントした。それくらい陸軍でも嫌われてる。

389: 2016/01/24(日) 22:13:04.29 ID:ji/M1fzO0
今日はここまでにします。

>>294
 憲兵の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

  ちなみに、今日の話で出てきたモブ憲兵の名前は、瀬戸内海の島の名前から取っております(どうでもいい)。


明日はリクエストにありました最上、新一航戦(翔鶴、瑞鶴、大鳳)の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。

【艦これ】総司令部日和【その5】

394: 2016/01/25(月) 10:01:01.16 ID:5Ti1a68SO
乙です

引用: 【艦これ】総司令部日和