397: 2016/01/25(月) 21:00:25.78 ID:6fAsYQgQ0
こんばんは、>>1です。




それでは、投下いたします。

398: 2016/01/25(月) 21:08:14.62 ID:6fAsYQgQ0
【どことなく男に見える】

 ―14時過ぎ、街中―

最上「でさー」アハハ

三隈「あら、そうなんですの?」

男「おっ、君たち結構可愛いね~」

最上「えっ」

三隈「なんですの?」

男「あっ、ヤローに興味は無いから。興味あんのは君の方さ」

最上「」ピクッ

三隈「ええと、その……」

男「ね、暇なら僕とお茶でもしない?そこの冴えない彼氏何てほっといてさー」

三隈「あのですね…そのお方は……」

最上「……いいよ、三隈。ボクが直接言う」

男「あ?なんだテメ―」

最上「ボクは女の子だっ!!」バキィ

男「げぶぅ!?」


 ―翌日10時過ぎ、執務室―

最上「っていう事が昨日あってさ~」

司令長官「それは災難だったねぇ…」

三隈「いえ、くまりんこは別に大丈夫でした。ただ、モガミンが…」

最上「そうなんだよ!ボクの事を男だと思ってたんだよそいつ!」

提督「いや、そこは仕方がないでしょう」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
399: 2016/01/25(月) 21:24:31.08 ID:6fAsYQgQ0
最上「提督!仕方がないってどいう意味さ!」

提督「どうもこうも、そのままの意味ですよ」

司令長官「確かに…今も短パンに黒髪ショートカット、それにボクっ子口調でしょ?普通の人が見たら、男の人って勘違いするよ」

最上「司令長官まで!ひどい!」

三隈「まあ、昨日のモガミンの服装も男性に見えるような服装でしたから…」

最上「なんてことだ……ボクは、どうしたら女の子と認識されるんだ………」

三隈「そうですわねぇ……。モガミンは家事全般はできますけど……女子力だけじゃダメですわよね…」

提督「髪の長い同じボクっ子の皐月さんみたいに髪を伸ばすのはすぐにはできないでしょうし、口調を変えてもあまり変化はありませんから、やはり服装から

   見直していくべきでは?」


 ―数分後―

三隈「と言うわけで、鈴谷の制服を借りてきましたけど……」


最上「うーん……色々と慣れないなぁ……したがスースーするし」


提督「男性が女性の格好をしているようにしか見えませんね…」

司令長官「一理あるねぇ……」

最上「2人とも…そろそろボクも怒るよ…?」

三隈「くまりんこ的には、このモガミンもありだと思いますわ!」

最上「あと、なんだか胸の部分が大分空いているような……」ポフポフ

提督「ノーコメントで」

司令長官「黙秘するよ」

最上「もっと女の子らしい服ってないの?」

提督「そうですねぇ……金剛型、扶桑型の巫女服とか、長門型の露出の高い服とか…」

最上「その辺りは恥ずかしいな……。妙高さん達の服は少し地味だし……。もっと普通のってないのかな…」

提督「あ、手っ取り早く行きたいのであれば潜水艦娘のスク水とか―」

最上「やめてっ!!」

400: 2016/01/25(月) 21:33:53.16 ID:6fAsYQgQ0
最上「あっ、そうだ。着てみたい服が1つあるんだけど……」

提督&司令長官&三隈「?」


 ―数十分後―

提督「明石さんが20分で作ってくれました。後でお礼を言った方がいいですよ」

最上「……うん、そうするよ」

司令長官「しかしまあ……よく作ったもんだねぇ………」


最上「一度、ウェディングドレスって着てみたかったんだ~///」


三隈(純白のウェディングドレス……普段のボーイッシュなモガミンとのギャップが……後胸元が少し見えて…………いけませんわ、鼻血が…)ボタボタ

提督「申し訳ありませんが百合はNGで」

最上「でも何だか、重くて動きにくい~……///」

提督「貴女は作ってもらっておいてそれですか」

最上「でも、ウェディングドレスって女の子の夢なんだよ?一度は着てみたいものだよ」

提督「そういうものなんでしょうか?私は男性ですので全く分かりませんが」

最上「そ、それで提督…その、どうかな?ボクのウェディングドレス姿…………」

提督「……とても、よく似合っていますよ。まさに花嫁と言った感じです」

最上「あ、ありがとう………///」

提督「…ま、最上さんはどっちかと言えばタキシードの方が似合っていると思いますが」

司令長官&三隈「ああ、確かに」

最上「んも~~~~!!!///」


【終わり】

401: 2016/01/25(月) 21:42:33.60 ID:6fAsYQgQ0
【キャラクター紹介】

≪最上≫

最上型重巡洋艦及び航空巡洋艦一番艦。艦娘No.51(改はNo.101)。黒髪ショートカットとボーイッシュなしゃべり方が特徴の、ちょっと天然気味な女の子。

自らの事を‶ボク‶と呼び容姿も男性的であるために、男性と間違えられてしまう事が多々ある。本人はそれをひどく嫌っており、そのイメージを払拭しようと

日々努力を重ねている。家事全般はお手の物。たまに見せる女の子らしさが魅力的。三隈、日向と仲が良い。ただし、三隈とはぶつかりやすいそう。

好きな言葉は『英姿颯爽』。

412: 2016/01/27(水) 21:17:43.25 ID:PBY11Esc0
【風呂】

 ―21時前過ぎ、浴場前―

瑞鳳「…うーん……」

龍驤「おんや?瑞鳳、どないしたん?風呂入らんの?」

瑞鳳「あ、龍驤……今はちょっと、ね」

龍驤「妖精さんが掃除でもしてるんか?」

瑞鳳「それがね、さっき脱衣所に入ったらね…」

龍驤「ふんふん」

瑞鳳「…赤城さんと加賀さんと飛龍さんと蒼龍さんと翔鶴さんと瑞鶴さんの着物が入っている脱衣かごがあったんだ…」

龍驤「あっ」

瑞鳳「今風呂に入ったら、加賀さんと瑞鶴さんのギスギスした雰囲気と、飛龍さんと蒼龍さんの甘々な雰囲気にのまれて疲れを取るどころじゃないから…」

龍驤「………また、出直すか」

瑞鳳「………そうだね」


 ―同時刻、浴場―

飛龍「それでね、間宮さんが新しいパフェを作っているそうなんですよ~」

赤城「あら、それじゃあ今度食べに行ってみないとね、加賀?」

加賀「赤城さんが行くというのなら……」

瑞鶴「おーおー、一航戦のお2人はお熱いですね~」

蒼龍「…いやいや、一日のほとんどの時間翔鶴と一緒にいる瑞鶴には言われたくないけど…」

翔鶴「それを言うんでしたら、いつも飛龍さんと一緒にいる蒼龍さんも同じですが……」

413: 2016/01/27(水) 21:32:17.12 ID:PBY11Esc0
赤城「それにしても、加賀と瑞鶴さんも大分仲が良くなりましたね」

加賀&瑞鶴「えっ」

飛龍「あー、確かに。前までは出会った直後に互いにバカにしてきたしね~」

加賀「…今となっては、なんで五航戦なんてだけで毛嫌いしていたのか、自分でも不思議に思えるわね」

瑞鶴「まあ、うん。加賀さんが辛く当たらってこなくなったから、私もあんまりばかな事言ったりしなくなったから…」

加賀「あら、先に謝ってきたのは貴女の方だった気がするけど」

瑞鶴「でっ、でもあの時許してくれた加賀さんも優しいっていうか…!」

蒼龍「本当、ちょっと前からすれば想像もつかない会話だよね」

飛龍「まったくね。でも安心して蒼龍、私達は絶対離れたりしないから!」ギュッ

蒼龍「ちょっ…苦しい…」

赤城「この二人もちょっと仲が良すぎるというかなんというか……」

翔鶴「そうですねぇ…瑞鶴も流石にここまでは引っ付いてきたりはしないわね…」

飛龍「え、しないんですか?」

瑞鶴「しないわよ!そこまで私はシスコンじゃないわよ!」

加賀「そう言えば……翔鶴と瑞鶴以外、姉妹艦じゃないわね」

飛龍「あっ、確かにそうだね……」

蒼龍「うん……」

赤城「だからでしょうか……翔鶴さんと瑞鶴さんみたいな関係がうらやましいのは…」

翔鶴「あら、じゃあ瑞鶴。一日だけ誰かの妹になってあげたら?」

瑞鶴「や、ヤだよ!私の姉は翔鶴姉だけなんだから!」

飛龍「やっぱシスコンじゃん」

蒼龍「そうだね~」

瑞鶴「ちょっとおおお!!」


瑞鳳「………なんだ、全然普通じゃん」


【終わり】

414: 2016/01/27(水) 21:41:22.67 ID:PBY11Esc0
※>>411で述べた第二駆逐隊のメンバーですが、正しくは村雨、夕立、春雨、五月雨でした。

【第一の第二駆逐隊】

 ―15時過ぎ、駆逐艦寮・休憩室―

村雨「さあ五月雨ちゃん?どうする~?」

五月雨「むむむむむむ………」

夕立「五月雨ちゃん早くするっぽい」

春雨「さ、五月雨ちゃん、焦らなくていいんだよ~?」

五月雨「…………こっちだっ!」カシュッ

五月雨「ッ!!」

村雨「はーい、じゃあ私はこっちね~」カシュッ

村雨「あーがり♪」ポイッ

五月雨「うわあああん~……」

夕立「じゃあ五月雨ちゃん、ジュース買ってきてね~」

五月雨「はーい…………」トボトボ


 ―数分後―

五月雨「ラムネでいいかな…?」

村雨「大丈夫だよ~」

夕立「ありがとねっ」

春雨「あの、ごめんね…?」

五月雨「ううん…ババ抜きで負けた私が悪いんだから」

415: 2016/01/27(水) 21:53:34.14 ID:PBY11Esc0
村雨「五月雨ちゃん考えてる事が表情に出ているんだもん、ポーカーフェイスの真逆って感じだよ」

五月雨「でも何で夕立ちゃんにも負けちゃったんだろ~…」

夕立「夕立、こういうゲームは得意っぽい」

春雨「大丈夫だよ、五月雨ちゃん。ただのゲームなんだから、そこまで思いつめなくても大丈夫だよ…」

五月雨「……一番に上がった春雨ちゃんに言われてもなぁ~……」

春雨「ふえっ!?」

五月雨「って、冗談だよ。はぁ…」

夕立「ところで五月雨ちゃん」

五月雨「なあに?」

夕立「提督さんとは、どんな感じなの?」

五月雨「ぶぶっ!?」

春雨「!?」

村雨「」ピクッ

五月雨「なななななな。何を言っているのかなぁ……」

村雨「そ、そうだよぉ…夕立ちゃん話題のチョイスっていうモンがねぇ…」

夕立「え?でも女の子が集まるとする会話って大体こーゆーのがいいっぽい」

春雨「わ、私は気になるな…ぶっちゃけ、五月雨ちゃん。どうなの?」

五月雨「あ、あーっ!ラムネの瓶を捨ててこなくっちゃ~!」

夕立「あっ、逃げた」

春雨「面白そうだったんだけどなぁ~……」

夕立「じゃあ村雨ちゃん、何かネタを~…」

村雨「逃げるが勝ちっ!」ダッ

夕立&春雨「あれっ?」


【終わり】

426: 2016/01/29(金) 21:13:52.33 ID:VvGGlVCz0
【劣る食事】

 ―19時過ぎ、執務室―

提督「では、今日のところはこれぐらいで切り上げましょうか」

秋月「え、もういいんですか?まだ書類は残っていますが」

提督「このぐらいの量でしたら、私一人で処理する事ができますから。それよりも、食事にしましょう」

秋月「では、お言葉に甘えさせていただきまして……」


 ―廊下―

提督「今日のメニューは…Aが妙高さんのから揚げ定食、Bが鮭の塩焼き定食、Cがいつものおにぎりセットですか」

秋月「秋月はおにぎりで……」

提督「鮭セットでしたら食べられるのでは?」

秋月「そんな…祝い事でもないのに鮭を食べるなんて…!」

提督「大げさすぎますって。半分の量でも食べてみては?」

秋月「うーん……気になりますが……では、半分で食べてみます」

提督「良い心がけです」


 ―数分後、食堂―

提督「では、いただきます」

秋月「い、いただきます」

秋月「………………………」パクッ

秋月「……心が、暖かくなります」

提督「鮭ぐらいで大げさな……」

427: 2016/01/29(金) 21:24:46.77 ID:VvGGlVCz0
TV『チャーチャラッチャー』

提督「…妹の照月さんは現代の食事に慣れてきたというのに、秋月さんはまだ戦時中の食事しか食べられないとは…」

秋月「だって……見た事もない料理に手を出すなんて無理ですって!」

提督「そりゃそうですが…唐揚げとか鮭の塩焼きとかは見た事があるでしょう?」

秋月「そうですけど……」

TV『ワンちゃんの事を考えたドッグフード―』

提督&秋月「?」チラッ

TV『栄養バランス良く配合し、ワンちゃんが食べやすい大きさに仕上げました!』

提督&秋月「」

TV『厳選された素材を使用した、ワンちゃんの事を第一に考えたドッグフード』

提督&秋月「」

TV『人間に寄り添うワンちゃんに、人間と同じ食生活を』

提督&秋月「」

提督「………………犬に劣る秋月さんの食事事情…」

秋月「………提督、その唐揚げ1個貰えますか」

提督「………どうぞ」スッ

秋月「………ありがとうございます」


【終わり】

429: 2016/01/29(金) 21:31:47.95 ID:VvGGlVCz0
【失敗】

 ―14時過ぎ、カレー洋制圧戦・Dマス(東方主力艦隊)―

ドォォォン、ズドォォォォォォン

瑞鳳「くぅぅ……強い……!」

瑞鳳「まさか、ル級flagShipとヲ級flagShipとかち合うなんて……っ!」

榛名「瑞鳳さん、起きてしまったことを悔やんでも仕方がありません。今は、目の前の敵を倒す事に集中しましょう」小破

瑞鳳「でも、榛名さんもけがしちゃって……」

榛名「この程度の傷、榛名は大丈夫です。さ、行きましょう」

瑞鳳「う、うん!」ギリギリ

瑞鳳「攻撃隊、発艦!」バシュッ

九七艦攻(村田隊)妖精「まっかせてー!」バルルルルルルルル

ズドドドドドドドン

重巡リ級elite「グオオオアッ!?」撃沈

軽巡ト級elite「ゴフアッ!」撃沈

駆逐ロ級elite「グベッ!?」撃沈

瑞鳳「よーっし!」グッ

ドッゴオオオオオオン

榛名「きゃああああっ!?」大破

瑞鳳「榛名さん…なんで………ッ」

空母ヲ級flagship「……………………」ニヤリ

瑞鳳「ヲ級……よくも榛名さんを……!」

430: 2016/01/29(金) 21:38:48.00 ID:VvGGlVCz0
バゴオオオオオオンン

利根「なぬぅっ!?」大破

瑞鳳「利根さん…!?ル級め……ッ!!」

バシューーーーーーン

瑞鳳(魚雷航走音!?どこに―)

ガァァァァァン

瑞鳳「私ッ!?」中破

赤城「瑞鳳さん!」

瑞鳳「……すみません、残ったロ級の雷撃でやられちゃいました。飛行甲板が壊れちゃって…発艦は無理っぽいです」

赤城「何てこと……」

ガシャン

赤城&瑞鳳「!!」ピクッ

戦艦ル級flagship「…………………………」ニヤ

空母ヲ級flagship「…………………………」ニイイイイイイイ

赤城&瑞鳳「……」

赤城「……これまで、ね」


 ―敗北 D―


 ―17時前、執務室―

瑞鳳「………報告は以上です」

提督「…そうですか、お疲れ様でした。では、瑞鳳さんも入渠ドックへ行って入渠を済ませてきてください」

瑞鳳「ごめんなさい……本当にごめんなさい」

431: 2016/01/29(金) 21:50:13.91 ID:VvGGlVCz0
提督「瑞鳳さんが謝る事はありませんよ。今回の作戦は、相手が悪かったと言うべきです。瑞鳳さんに非はありませんよ」

瑞鳳「でも………でもっ……」ポロポロ

提督「…………………」

瑞鳳「私がもっとちゃんと指揮を取れていれば、こんな…5隻も損傷を負うなんてことにもならなかったはずですし……」グスッ

提督「…………………」

瑞鳳「この海域何て、何度も出撃したことがあるのに……何度も旗艦を務めた事だってあったのに……」エグッ、エグッ

提督「…………………」

瑞鳳「だから……本当に、ごめんなさい………ッ」

提督「…………………」ガタッ

瑞鳳「!」ビクッ

提督「…………………」ナデナデ

瑞鳳「?」

提督「……そうやって自分の失敗を認める事は、大切です。ですが、その失敗に囚われて前に進む事ができなくなるのでは、いけません」

瑞鳳「…………………」

提督「この失敗を人生の糧とし、次のためその失敗を生かす事が、大切だと私は思いますよ。だから、そうやって自分を責めてはいけませんから」

瑞鳳「……………………はい」

提督「それに、同じ失敗をする方を私は非難したりすることはありませんから、安心してください」

瑞鳳「…………はい」

提督「この次は、頑張ってください」

瑞鳳「……はい!」


【終わり】

432: 2016/01/29(金) 21:58:26.15 ID:VvGGlVCz0
【キャラクター紹介】

≪瑞鳳≫

祥鳳型軽空母二番艦。艦娘No.112(改はNo.113)。スマートな体系と子供のような幼げな声が特徴の、ほんわかとした感じの女の子。艦載機がとても好き(特に

九九艦爆が好き)で、部屋には艦載機のプラモがたくさん作り置きしてある。料理も得意で、得意料理はやっぱりと言うか卵焼きで、皆からの評判も良いが、

食べ過ぎてアレルギーになってしまう人もいる。姉の祥鳳と比べて胸が小さいのは、飛行甲板要素が強いかららしい。龍驤とはとても仲が良い。

好きな言葉は『案ずるより産むが易し』。

441: 2016/01/30(土) 21:17:48.15 ID:AHYCKOVU0
【運命の大型建造】

 ―6時過ぎ、講堂―

提督「えー、本日は演習の予定はありませんが、東京急行へ行ってもらう方が多数おり…」

長門「メンバーはこの表に載せてある。後ほど確認するように」


 ―8時過ぎ、食堂―

ざわ・・・ざわ・・・

鈴谷「あー、美味しい~」ズズズ

熊野「たまにこう、味噌汁とご飯と目玉焼きという、古き良き日本の食事を食べたくなる事ってありますよね」モグモグ

雲龍「おにぎりをたまに食べたくなるのと同じよね」パクパク

葛城「いや、雲龍姉はいつもおにぎり食べてるじゃん……」

酒匂「…………………」キョロキョロ

陸奥「美味しいわね~」

比叡「私赤だしが好きですから~」

榛名「榛名は白だしが好きです」

霧島「私は合わせみそでもいける口です」

酒匂「……………」キョロキョロ

提督「酒匂さん?どうしたんですか?」

司令長官「おはよう、酒匂君」

酒匂「あ、司令、司令長官。おはよっ♪ちょっと気になることがあって…」

提督「気になること、ですか?」

司令長官「何?」


酒匂「この鎮守府に、大和さんとか武蔵さんとかいないの?」



442: 2016/01/30(土) 21:25:45.59 ID:AHYCKOVU0


シン…………


酒匂「え、あれ?」


提督&司令長官「………………………………………………………」

戦艦達「………………………」

空母達「………………………」

重巡洋艦達「………………………」

軽巡洋艦達「………………………」

駆逐艦達「………………………」

潜水艦達「………………………」


間宮&明石「………………………」

酒匂「あ、あれー?皆急に黙っちゃって、どうしたの~?」

全員「………………………………………」

提督「…………あれは、3年くらい前の事です」

酒匂「え、きゅうにどうしたの?」

提督「あの時私はまだ司令長官の補佐官ではなく、一鎮守府の提督でした」

酒匂「え、え?」

提督「それは、私の鎮守府が北方海域全域を攻略している時に起きました…」

酒匂「昔話?」

提督「当時、北方海域全域の攻略には難航しておりました。敵艦隊の装備・艦種・陣形があまりにもハイスペックなものであったため、まだ力不足であった

   私達の艦隊では出撃する度に敗北し、艦娘達は損傷しました」

酒匂「い、いや……あれ?何この話……」

提督「いくら装備を改良しても倒せず、どれだけ近代化改修を施しても倒せない……。そんな時、鎮守府ではある結論にたどり着きました」

酒匂「結論?」

443: 2016/01/30(土) 21:34:19.34 ID:AHYCKOVU0
提督「火力が高く装甲も厚い、大和型を建造すればよい、と」

酒匂「?」

提督「私の鎮守府は、徹底海峡作戦のサーモン海域最深部を攻略する事ができなかったため、武蔵さんを鎮守府に迎え入れる事も出来ていませんでした。

   しかし、大和型の2人は、大型建造で出会う事ができる……。ですから私達は、大型建造で大和さんもしくは武蔵さんを建造する事にしました」

酒匂「あっ(察し)」

提督「しかし、こちらも失敗の連続でした…。他の鎮守府で大和が出た事がある配分で資源を投入し、開発資材を大量投入しても、建造する事はできず……。

   そして最後には……」

酒匂「………………………」

提督「……各資源が3ケタになりました」

酒匂「」

提督「その後は失った資源を取り戻すために、ひたすら遠征を繰り返し、禁断のオリョールクルージングにまで手を出す始末……」

酒匂「つ、つまり~………」

提督「この鎮守府に、大和さんと武蔵さんはいません」

酒匂「で、でもこの鎮守府には、大鳳さんもシオイちゃんもいるじゃない!あきつ丸さんに、阿賀野姉たちだって…!」

提督「大鳳さん、シオイさんは大和型を建造する過程で建造されたものです。あきつ丸さんは、陸軍から派遣されて正式に仲間になったのですし、阿賀野型は、

   特別海域を攻略する過程で仲間にしたのです」

酒匂「そ、そんな…………」

司令長官「その話は、黎明君が補佐官になる時に聞いたよ。随分ひどい目に遭ったって」

提督「ですから私は、つぎ込んだ資源の割に目当ての艦娘を着任する事ができない大型建造に反対なんですよ」

444: 2016/01/30(土) 21:43:34.85 ID:AHYCKOVU0
酒匂(皆が落ち込んでるのは、これが原因なのかな……)

酒匂「そ、そうだ!」

提督「?」

酒匂「この際だから、今日建造しちゃおう!」

全員「………………………………………………………………………………………え?」

酒匂「ほら!もうすぐ大規模作戦を発令するでしょ?どんな強い敵が出てくるかわからないもの!だから今のうちに戦力を増強すればいいんだよ!」

提督「無理です。この大規模作戦前に、資源を徒に消費するなんて愚かな行為はしてはなりません」

酒匂「でっ、でも!大和さんや武蔵さんが来なくて寂しがっている艦娘もいると思うよ!」

提督「む………………」

利根「確かにのう……我が戦友武蔵がいなければ、どうも調子が狂う…」

鳳翔「そうですね…………大和さんともまた、お話がしたいですし…。‶あの‶時は言葉を交わす事もできませんでしたから……」チラッ、チラッ

『そろそろ、世界最強の戦艦ってやつを見てみたいぜ』

『大和ホテル、武蔵旅館……………体験してみたい…』

『あの主砲、直に見てみたいよ!』

艦娘達「………………………(期待のまなざし)」キラキラキラキラ


提督「………………確か、予備の資源が倉庫に入っていましたね」

艦娘達「!」

提督「その資源の中でなら建造するとしましょう」

艦娘達「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 ―数分後、中庭―

提督「……………第一艦隊の編成を、考えましょうか」

長門「すまんな、私達の期待に応えさせてしまって………」

提督「いえ。それより、向こう数週間の遠征スケジュールとローテーションも見直さなくてはなりませんね……」

長門「私も付き合おう。もとはと言えば、私達のせいだからな」

提督「では、頼らせていただきます」

445: 2016/01/30(土) 21:54:25.17 ID:AHYCKOVU0
 ―10時、工廠―

秘書艦…瑞鶴

第一艦隊…雪風、伊58、時雨、瑞鳳、飛龍、日向

残り資源…燃料:50000、弾薬:50000、鋼材:50000、ボーキサイト:50000、開発資材:500


明石「………本当に、よろしいんですか?」

提督「はい、皆さんの期待に応えるために」

明石「分かりました。資源配分はどういたしますか?」

提督「配分は、大和さんも武蔵さんも建造されている確率が高い、燃料4000、弾薬7000、鋼材7000、ボーキサイト2000にしましょう。開発資材は20で」

明石「それですと……単純計算で7回建造する事ができますね」

提督「できれば、早いところ済ませたいところです」

明石「それでは、大型建造ドックを2つ使って………ゲームスタート!」

工廠妖精さん「ゴー!」

カチッ


[第一大型建造ドック…建造残り04:58:53]

[第二大型建造ドック…建造残り06:01:32]


提督&明石&工廠妖精さん「」

提督「……………高速建造剤、使用で」

工廠妖精さん「りょうかーい」

ゴオオオオオオオオオオオオ

ナガトガタセンカンニバンカンノムツヨ.ヨロシクネ.

ショウカクガタコウクウボカンイチバンカン、ョウカクデス.

提督「次」

446: 2016/01/30(土) 22:02:38.08 ID:AHYCKOVU0
明石「2回目~、ゴーッ!」

工廠妖精さん「いっけー!」


[第一大型建造ドック…04:57:36]

[第二大型建造ドック…02:49:59]


提督&明石&工廠妖精「」

エイコクデウマレタ、キコクシジョノコンゴウデース!

チトセデス.

提督「次!」


 ―数分後―

提督「だめでしたか……………」

明石「結局、出ませんでしたね~」

提督「出たのは、陸奥さん、翔鶴さん、金剛さん、千歳さん、隼鷹さん、榛名さん、そして最上さん……。近代化改修には十分ですが、それでは無意味……」

明石「提督、こういうのは勢いですから、もっとやっちゃいましょうか!」

提督「しかし、大規模作戦前ですよ?そんな無暗に資源を使うのは………」

明石「大丈夫ですって!後数回で成功しそうな感じがしますから!」


 ―16時過ぎ―

残り資源…燃料:16498、弾薬:22242、鋼材:42457、ボーキサイト:78882

提督「確か、大型建造をする前は10万近くあったはずですが?」

明石「申し訳ございません」

提督「確か、貴女はあと数回で成功しそうって言っていましたが?」

明石「申し訳ございません」

447: 2016/01/30(土) 22:08:33.73 ID:AHYCKOVU0
提督「やはり、無謀でしたか。大和型を建造するなど」

明石「いくら秘書艦と第一艦隊に運の高い艦娘を配属しても、ダメなんですね~。いやー、勉強になるな~」

提督「あ?」

明石「ごめんなさい、すみません」

大鳳「提督、どうですか?」カツコツ

提督「残念ながら」

大鳳「そうですか……」

ツルッ

大鳳「きゃぁっ!?」

明石「あっ、機械油が………」

ドテッ

ピッ

大鳳「?何かいま、ピッって音が…」

明石「あ、それ……大型建造のスイッチ」

提督「」

明石「レシピは………今までと同じ4000/7000/7000/2000ですねぇ……しかも、2つの大型建造ドックで」

提督「」チラッ

残り資源…燃料:8498、弾薬:8242、鋼材:28457、ボーキサイト:74882

提督「…………大鳳さん、何てことを」

大鳳「も、申し訳ございません!私、取り返しのつかないことを……!!」

明石「あっ」

提督「あっ、じゃないですよ。なんですか」

明石「あ、あれ……」

提督&大鳳「?」

448: 2016/01/30(土) 22:15:21.54 ID:AHYCKOVU0


[第一大型建造ドック…残り07:59:22]

[第二大型建造ドック…残り07:45:49]


提督&明石&大鳳「」

提督「高速建造剤!」

工廠妖精「い、いえっさー!!」

妖精さん「焼き払え!」ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

[第一大型建造ドック…残り00:00:00]

[第二大型建造ドック…残り00:00:00]

アナウンス『建造終了。建造終了』

鉄の扉「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴン

提督&明石&大鳳「………………………………………………」


大和「大和型戦艦一番艦、大和!押して参ります!」

武蔵「フッ、随分待たせたようだな………。大和型戦艦二番艦、武蔵。参る!」


提督&明石&大鳳「」

大和「?貴方が、私達の提督ですか?」

武蔵「そのようだな。よろしく頼むぜ、提督」


提督「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!」


大和&武蔵「な、何!?」

※この日、鎮守府では盛大な歓迎会が開かれ、翌日からはひたすら遠征漬けの日が続いたという。


【終わり】

456: 2016/02/01(月) 21:12:59.13 ID:gC4HkDzW0
【不運の哨戒】

 ―10時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

瑞鶴「失礼するね、提督さん」

翔鶴「失礼します、提督」

大鳳「提督、失礼いたします」パタン

提督「えー、貴女たち3人に集まってもらったのは、少し頼みたいことがあるのです」

瑞鶴「提督さんから頼み事?珍しいね。それで、どうかしたの?」

提督「実は、珊瑚諸島沖に哨戒へ行ってもらいたいのです」

翔鶴「さ、珊瑚礁島沖に?あそこはもう、攻略したはずでは…?」

提督「それがですね、別の鎮守府から『珊瑚諸島沖に大規模な艦隊が停泊しているのを見た』という報告が上がってきていまして、それを総司令部が確認し、

   その情報に誤りがあるかどうかを見てきてもらいたいのです」

大鳳「大規模な艦隊……まさか、新種の姫級ですか…!?」

提督「それは定かではありません。ですので、それを確認してきてもらいたいのですが」

瑞鶴「…………分かった。でも一つ、質問してもいい?」

提督「なんでしょうか?」

瑞鶴「何で、私と翔鶴姉と大鳳さんなの?他の空母の人とかは?」

提督「実は、他の空母の方々は先日の作戦やら演習での疲労やらで、出撃できる状況ではないので、貴女たちに任せたいと思ったんです」

瑞鶴「そ…………分かった。ありがとうね」

提督「ありがとうございます。他のメンバーは、木曾さん、陸奥さん、長門さんです。艦載機は艦戦1、艦攻2、偵察機1でお願いします」

翔鶴「了解しました!必ずや、哨戒任務を成功させます!」

大鳳「私も、見つけた場合は撃滅するよう精進いたします!」

瑞鶴(どうしよう………失敗するビジョンしか見えない)

457: 2016/02/01(月) 21:25:06.72 ID:gC4HkDzW0
 ―13時過ぎ、珊瑚諸島沖・海上―

瑞鶴「でも、その報告を上げた鎮守府も神経質だよね~。そんな事をいちいち報告するなんて」

翔鶴「コラ瑞鶴、そんな言い方してはダメよ?もしその艦隊がかなり大規模な艦隊で、そのまま放置されていたらまた珊瑚諸島沖を掌握されてたかも…」

大鳳「ええ、事前に芽を摘むことはとても重要よ」

瑞鶴「それは分ってるんだけど…自分でも行動してよって話なんだよね~。総司令部に任せっきりにしないでさ~」

大鳳「………提督がつぶやいていたんだけど、その報告をした鎮守府の提督って、提督が補佐官だっていう事が気に食わない人みたいで……」

翔鶴「じゃあ、総司令部に面倒ごとを持ち込んでやろうって魂胆かしら?」

瑞鶴「うわ、まだいたんだそんな人…。提督さんの何がそんないけないんだろう」

翔鶴「人は誰しも、誰かしらから妬まれたりされるものなのよ。前に加賀さんが私達五航戦を毛嫌いしていたみたいに…」

瑞鶴「あー、今はもうそんなことはなくなったけどね~」

長門「3人とも。そろそろ目撃情報があった座標だ。戦闘準備に入っておくように」

翔鶴&瑞鶴&大鳳「了解!」

大鳳「さあ、どんな艦隊がいるのかしら?楽しみでもあるわね」

翔鶴「まあ、せいぜい戦艦ル級が2、3隻ぐらいでは?ひどくてもまた南方棲戦鬼がいるくらいで…」

大鳳「ま、そんな戦力をこっちに回してきたりはしないような気がするけど……」

瑞鶴(どうしよう、その可能性しか考えられなくなってきた)


 ―数十分後、珊瑚諸島沖・Dマス(敵機動部隊本隊)付近―

長門「くっ………」

陸奥「もう、なんなのよ一体………」

木曾「こいつは……予想外過ぎるぜ………」

大鳳「…まあ、早めに気づいてよかったと言いますか………」

翔鶴「そうね……、放っておいたらどんなことになっていたか………」

瑞鶴「………だからってぇ……」

459: 2016/02/01(月) 21:34:37.86 ID:gC4HkDzW0


瑞鶴「何でこんなトコに戦艦レ級がいるのよおおおおお!!!」


戦艦レ級「ヒャッハー!サア、カカッテコイ!ドンナ奴デモ塵ニシテクレルワ!!」ダァンダァン

翔鶴「レ級は確か…サーモン海域北方で目撃されていたはずなのに……」

大鳳「それなのに…どうして珊瑚諸島沖に?」

戦艦レ級「イヤ、ナカナカ艦娘共ガ俺ノ海域ニ来ナイカラ、暇ダッタノデ」

瑞鶴「そんな感覚で他の海域に出てくんな!」

戦艦レ級「デ、オ前ラドウスンノ?マダヤル?」

翔鶴「………」チラッ

長門「………くっ」小破

陸奥「いたたた……あーん、新調した服が…」中破

大鳳「けほっ……こほっ…」大破

翔鶴「いいえ、これ以上の攻撃はやめておきます」

瑞鶴「そうだね、皆が心配だし、こんなフレンドリーな敵艦も初めて会ったし、倒すのもはばかれるっていうかね…」


長門「私はまだ戦える…!」

陸奥「長門、ここはあの子たちに任せてみましょう?」


戦艦レ級「………俺ヲ見テ、ふれんどりート言ッタノハオ前達ガ初メテダ。俺モ、オ前達を攻撃スルノハヤメテオクヨ」

瑞鶴「珍しいね。深海棲艦がこんな事を言うなんて」

大鳳「それで、レ級さん」

戦艦レ級「ナンダ?」

大鳳「見逃してくれたお礼と言っては何ですが、代わりの艦隊をここへよこすので。そいつらで暇つぶしをしていただけませんか?」

戦艦レ級「ホウ?」

翔鶴「大鳳さん…まさか」

大鳳「………ええ」

460: 2016/02/01(月) 21:43:06.35 ID:gC4HkDzW0
 ―執務室―

ガチャ

大淀「提督、珊瑚諸島沖に哨戒中の大鳳さんから通信が来ています」

提督「ありがとうございます。大鳳さん?感度は如何ですか?」スッ

大鳳『あ、提督…感度は良好です。すみません、哨戒任務を仰せつかったのですが、その艦隊が目撃された場所に、戦艦レ級とその手下がおりまして………』

提督「…それで、どうなってしまったのですか?」

大鳳『申し訳ございません…戦力を大きくそがれてしまいまして…増援をお願いしたいのですが』

提督「増援ですか…ウチの鎮守府から出すとなると……」

大鳳『いえ、‶他の‶鎮守府から出してもらいたいんです』

提督「………何ですって?」

大鳳『増援をお願いしたい鎮守府は、第弐拾弐鎮守府で』

提督「…………ああ、そういう事ですか。分かりました、連絡しておきます」


 ―17時過ぎ、珊瑚諸島沖・Dマス付近―

戦艦レ級「オラオラオラオラーッ!!」ズダダダダダダダダ

ドドドドドドッドオーン

『くそっ、戦艦レ級なんて聞いてないぞっ!』

『あーん、倒せない~っ!!』

『ちくしょーっ、こんなことを押し付けた提督の奴絶対許さない!』

戦艦レ級「キンモチイイイイイイイイ!!!」


大鳳「提督の事を悪く言った鎮守府に増援をお願いしました」

翔鶴「元々、自分で見つけた種だし、あの鎮守府でカタをつけてもらいましょう」

瑞鶴「2人とも……提督さんの事信頼してるからって、そこまでするかね……」

結局、大規模な艦隊を発見したのは第弐拾弐鎮守府だったため、その艦隊と戦った第弐拾弐鎮守府は総司令部に対して何も言ってこなかった。


【終わり】

461: 2016/02/01(月) 21:54:35.79 ID:gC4HkDzW0
【最強の戦艦】

 ―数日前、執務室―

大和「改めまして、大和です。よろしくお願いいたします」

提督「私がここの鎮守府の提督であり、海軍司令長官の補佐官、斑と申します。よろしくお願いいたします」

大和「こちらこそ」

大和(挨拶前に皆から聞いた話だと、この提督はとても厳しくて怖いって言っていたけど……)


天龍『あ?提督?あいつはマジで恐ろしいぜ。俺の事を初対面で‶変‶って真っ向から言ってきたからな』

加賀『提督は…そうね、他の鎮守府よりも少し厳しいお方かしらね』


大和(一方で、優しいとか頼りになるって言っていたけど……本当のところはどうなのかしら…)

提督「さて、着任した当日は歓迎会であいさつができませんでしたが、一晩過ごしていかがでしたか?」

大和「はい、皆さんとても私に優しくしていただいて…武蔵も皆さんの事を気に入っております」

提督「武蔵さんは、歓迎会が終わった後で私のところに挨拶に来ましたからねぇ。まあ、大和さんは隼鷹さんとかに付き合わされてしまったので、仕方が

   ありませんが」

大和「それは…申し訳ございません」

大和(あれ?そんなに厳しくない…?)

提督「それにしても、やはり人間の体を持つと、色々と勝手が違うでしょう?」

大和「ええ、それはもう……。酒を飲んだのも、食べ物を食べたのも初めてですし……」

提督「まあ、ですよね。皆さん、そう言いますよ」

大和「あと、目覚めたら2016年って……!もう驚きですよ!」

提督「沈んでから70年も経っていたらそうですよね」

462: 2016/02/01(月) 22:04:17.03 ID:gC4HkDzW0
大和(なんだ…意外と優しい提督なんですね……よかった~)

提督「さて、少しお伝えしたいことがありまして…」

大和「は、はい?」

提督「過去の戦艦・大和及び、他の鎮守府の艦娘・大和の情報を見るに、大和さんはどうも燃費が悪いと聞きます」

大和「…お恥ずかしながら」

提督「私の鎮守府も総司令部と同じと言っても、資源の数が無限にあるわけではありませんので。申し訳ございませんが、大和さんを運用する機会は、

   演習や大規模作戦の終盤当たり、と限定的になってしまうでしょう」

大和「…はい」

提督「私もできる限り貴女を戦線に出したいとは思っていますが、やはり資源の問題があるのでそれは難しいです」

大和「ですよね……分かっています」

提督「で、まあ…これは某鎮守府の話なんですが…」

大和「?」


提督「とある鎮守府で、他の艦娘が大和さんを秘密裏にサーモン海域へ出撃させたそうなんです」コォッ


大和「!」ビクッ

提督「その鎮守府は、資源の異常な減り具合によって事を把握したようですが……。私の鎮守府でそのようなまねはさせません」ゴゴゴゴ

大和「」

提督「もしそんな真似をした場合は、無許可の出撃等による規律違反で貴女には然るべき処分を下させていただきます。最悪、解体する事にもなりますので」

大和「」

提督「私はあまり部下には厳しくしない主義なのですが、譲れないものもあるという事で、一応知っておいてください」

大和「は、はい!」

大和(どうしよう…この人、すごい怖い…)


【終わり】

463: 2016/02/01(月) 22:09:23.19 ID:gC4HkDzW0
【キャラクター紹介】

≪大和≫

大和型戦艦一番艦。艦娘No.131(改はNo.136)。黒く長い髪をポニーテールにまとめ、バランスの良いスタイルが特徴のお姉さん。落ち着いた雰囲気をまとい、

常に冷静沈着、おしとやかとまさに大和撫子と言った感じ。かつての戦艦・大和が燃費の悪さゆえに『大和ホテル』と言われていたからなのか、彼女の作る食事

は天下一品。その他の家事もこなす事ができる。しかし本人は『大和ホテル』と言われたくない。胸はパッド説があるが、ちゃんとある。

好きな言葉は山紫水明』。

471: 2016/02/03(水) 21:35:47.03 ID:RIF02jyT0
【改二】

 ―12月24日、妖精さんの部屋―

鎮守府妖精「そろそろさー」

工廠妖精「うんー」

鎮守府妖精「また誰かの改二実装とかいう時期じゃんー?」

工廠妖精「そうだねー」

鎮守府妖精「誰にしようかー?」

工廠妖精「メジャーな艦はやめた方がいいかもねー。マイナーな艦にした方がいいってー」

鎮守府妖精「そんな事言って前の改二実装は確か阿武隈さんだったでしょー?」

工廠妖精「いいやー、この前は翔鶴さんと瑞鶴さんだったよー」

鎮守府妖精「だったらー、マイナーな艦でいいかー」

工廠妖精「あ、そう言えばー」

鎮守府妖精「んー?」


 ―数日前、執務室―

提督「と言うわけで、次の改二は貴女という事になりました。霞さん」

霞「どういうわけよ、ク―司令官!」

提督「暁さんとか白露さんとかのメジャーな艦でなく、なおかつ他の艦娘と比べてインパクトの強い貴女が、妖精さんの気分で抜擢されたそうですよ」

霞「インパクトが強いって?」

提督「そうやって自分の提督の事をクズと呼び、ずけずけとした態度を取っているところでしょうか」

霞「し、仕方ないじゃないこの口調は!」

提督「それと、この話し合いがあったのは約70年前に礼号作戦が発令されたのと同じ日に行われたから、だそうですよ」

霞「場の雰囲気って事……?」

472: 2016/02/03(水) 21:43:33.73 ID:RIF02jyT0
提督「とにかく、さらなる改装が可能になったんですから、喜んでください」

霞「そんな曖昧な理由で選ばれた改二なんて喜べないわよ!それに…」

提督「それに?」

霞「………あの作戦由来何て、ね」

提督「……まあ、私も少し無神経でした。申し訳ございません」

霞「い、いいわよ別に謝んなくても」

提督「では、大淀さん。霞さんの改二実装決定の件、各地の鎮守府へ通達してください」

大淀「はい、了解しました。霞さん、おめでとうございます」ペコッ

霞「………ありがとね」


 ―数分後、駆逐艦寮・霰&霞の部屋(霰は外出中)―

霞「…………」パタン

霞「………ふふ」

霞「私にも……改二実装か~」

霞「ク…司令官の前じゃああいったけど…やっぱり嬉しいわね…」テレッ

霞「なんだか、改二が実装された時の吹雪の気持ちが分かるかも~…」テレtレ


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

霰「って感じで、霞は結構喜んでたよ」

提督「そうでしたか」

霞「離してっ!あのアラレちゃんをぶちのめすッ!!///」

足柄「落ち着きなさいっての!」


【終わり】

473: 2016/02/03(水) 21:53:29.84 ID:RIF02jyT0
【反面教師】

 ―10時過ぎ、執務室―

提督「では龍田さん、駆逐艦の方たちを連れて、キス島沖へ向かってください」

龍田「あら~。ま~た私がキスクル~?」

提督「ええ、お願いいたします。駆逐艦の方たちのレベリングがまだ不十分でして、教育と指導もかねてお願いしたいのですが」

龍田「え~?私はそんな指導とかそんな柄じゃないよぉ~?香取さんとか鹿島さんとかに任せたら~?」

提督「龍田さんも、最近出撃とかが無かったでしょう?香取さんとかの練習巡洋艦は演習や遠征で出番がありましたけど」

龍田「まぁ~、いいんだけどね~。で、誰を連れて行けばいいのかしら~?」

提督「萩風「さんと、巻雲さんを連れて行ってください。他のメンバーはこちらで招集済みですので」

龍田「りょうかーい」


 ―数十分後―

龍田「では~、旗艦・龍田、以下睦月、巻雲、摩耶、鳥海、龍驤は~、キス島沖へ練度向上のために出撃しま~す」

提督「はい、お願いします。あそこの敵は比較的強くはありませんが、油断は禁物です。全員の無事を祈っています」ビシッ

全員「了解!」ビシィ

摩耶「よーっし、駆逐艦どもにあたしの本気を見せてやるぜ!」

鳥海「まあ、キス島で全力全開で戦うって事もあまりないと思うけど…」

龍田「龍驤さ~ん?航空戦では少し手加減してね~」

龍驤「?なんでや?」

龍田「敵を多く倒しちゃったら~、駆逐艦の子たちにお手本を見せられないからよ~」

龍驤「ああ、そないな理由か。ほんなら、任せとき!」

睦月&巻雲「龍田さん!今日はよろしくお願いします!」

龍田「は~い、よろしくね~」

474: 2016/02/03(水) 21:59:38.39 ID:RIF02jyT0
 ―12時前、キス島沖・Aマス(敵水雷戦隊)―

ズッドオオオン

駆逐ハ級「ギオオオオオ……」撃沈

龍田「…って言った感じに倒すのよ~?分かった~?」

睦月「睦月、分かりました!やってみます!」

巻雲「巻雲も、頑張ります!」

睦月「てぇーっ!」ダァン

ビスッ

雷巡チ級elite「クッ………」小破

龍田「あら~、すごいわね~。いきなりチ級eliteを小破にするなんて~」

睦月「そ、そうですか?///」

巻雲「ま、巻雲もやりますっ!」ズドン

ガァァン

軽巡ホ級flagship「フ……ッ!」小破

巻雲「た、龍田さん!巻雲もやりました!」

龍田「2人とも筋がいいわね~。私の初戦闘の時よりもすごいわ~」

摩耶「おう、二人ともいい筋してるな!」

鳥海「初出撃でeliteとflagship級を小破にするなんて、なかなかできない事よ?」

龍驤「せやせや!2人とも胸張ってええんやで!」

睦月「えっへん!」フンスッ

巻雲「ふふーん!」フンスッ

龍田「うふふふ~」

475: 2016/02/03(水) 22:07:10.32 ID:RIF02jyT0
雷巡チ級elite(ちっ……私達が駆逐艦共の練習相手だと…?なめた真似を…)ガシャン

軽巡ホ級flagship(おのれ…私達をバカにするとは……目にモノ見せてくれる…)ガシャン

摩耶「お、おい!敵艦が―」

雷巡チ級elite「シズメ!」バシュシュッ

軽巡ホ級flagship「クラエ!」バシュシュシュッ

シューン

睦月「えっ、えっ?」

巻雲「ふわぁ!?」

龍田「危ないっ!!」ドンッ

ズッドオオオオオオオオオオオオオオン

龍田以外「龍田(さん)!」

龍田「…………」大破

摩耶「だ、大丈夫か…?」

龍田「……大丈夫よ~。それにしても~、ちょ~っと頭に来たかな~?」スッ

鳥海「た、龍田さん?」

龍田「私の得物、あいつらをぶった切りたくてうずうずしてる~♪」

龍驤(あ、これあかんパターンや)

龍田「うふふふふふ~♪」ザザザザザザザ

雷巡チ級elite(遅いな、このスピードなら魚雷の方が―)

龍田「させないわよ~」ザシュッ

476: 2016/02/03(水) 22:12:18.97 ID:RIF02jyT0
雷巡チ級elite「ア?」チラッ

ブシャァァァァァァァァァァ

雷巡チ級elite「ガ、アアアアアアアアアアア!?」大破

軽巡ホ級flagship「ち級!!右腕ガ―」

龍田「とどーめっ♪」

グサッ

雷巡チ級elite「」氏―撃沈

軽巡ホ級flagship「ウッ………」

龍田「次は貴女よ~?」クルッ

軽巡ホ級flagship「コチラノ主砲ノ方ガ早イ!」ズダダダダダン

龍田「る~るる~♪」ヒュンヒュン

軽巡ホ級flagship「スベテ避ケタダト…!?」

龍田「え~いっ♪」ズバッ

ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

軽巡ホ級flagship「ゴ、ア、ガアアアアアアアアアアア!!!」大破

龍田「や~っ♪」

ザクッ

軽巡ホ級flagship「」氏―撃沈

駆逐ハ級elite「!!」ゾクッ

龍田「…………………」ニタアアアアアアアア

ガッ、ダチュッ、ベキャッ、ゴシャッ

龍田「ふ~、終わりね~」

摩耶「ま、龍田はキレるとああなるからな~」

睦月&巻雲「…………………」ビクブルビクブル


 ―13時過ぎ、執務室―

龍田「って感じよ~」

提督「もう少し教育上よろしい指導をしてくださいよ」


【終わり】

477: 2016/02/03(水) 22:21:14.08 ID:RIF02jyT0
【節分】

 ―13時過ぎ、執務室―

提督「…………………………」

タタタタタタタタタタ

提督「?」

バァン

鬼怒「ゴメン提督、ちょっとかくまって!」

提督「鬼怒さん?どうかしたのですか?」

鬼怒「いいから!」ゴソゴソ

長門「おい、机の下にもぐるなど―」

駆逐艦達「提督~」

提督「皆さん、どうしたのですか?」

暁「鬼怒さん見なかった?節分の豆まきで鬼役を鬼怒さんにしたんだけど……」

提督「鬼怒さんなら、先ほどすれ違いましたが……鬼怒さんを鬼役にするの、やめた方がいいですよ」

深雪「えー、どうしてー?」

提督「鬼怒さん、本気で嫌がってる感じで逃げていましたし、本人が嫌がっているのに鬼役と勝手に決めつけて豆を投げるのは、少々見過ごせませんがね」

吹雪「う、ごめんなさい……」

提督「で、代わりと言っては何ですが、長門さん鬼役をやってもらえませんか?」

長門「私がか?なぜ?」

提督「いえ、その頭の信号旗用のアンテナが鬼の角に見えたので」

長門「ふむ……まあ、駆逐艦の子たちが健康で過ごす事ができるのであれば、この長門僭越ながら鬼役を買って出よう」

提督(この長門さんの行動、別に駆逐艦が好きだから、ってわけではないんですよね。分かりますよ)ヒソヒソ

長門(当たり前だ。私が駆逐艦にうつつを抜かすはずがないだろう?)ヒソヒソ

提督(そうですよね。失礼しました)ヒソヒソ

長門「よーし、駆逐艦達よ!中庭で豆まきとしようじゃないか!」

駆逐艦「はーい!」

478: 2016/02/03(水) 22:30:13.36 ID:RIF02jyT0
鬼怒「いや~、助かったよ。ありがとうね~」モゾモゾ

提督「名前に鬼の名を持つ艦娘も、苦労しますね」

鬼怒「ホントだよ~!何も鬼の名前がついてるからって勝手に鬼役にされちゃ、こっちもたまったもんじゃないよ!」プンスカ

提督「まあ、鬼役は長門さんに変わってもらいましたし、鬼怒さんも嫌がっているという事は伝えましたので、しばらくは大丈夫だと思いますよ」

鬼怒「いや~、ほんとにありがとうね~!助かったよ~」

提督「…後、長門さんに任せる予定だった仕事をやってもらっても構いませんか?」

鬼怒「それぐらい、鬼怒には朝飯前だよ!ところで、その書類なぁに?」

提督「先週の資源増減表ですよ。それで、こちらの書類が昨日の…」


鬼怒「はー、ほんとに提督ってマメだね~。豆まきだけに。なんちって~、あははははは♪」


提督「…………」イラッ

提督「ああ、すみませんが書庫に行って昨年の1月の資源増減表を取ってきてもらってもいいですか?」

鬼怒「あ、はーい。ちょっと待っててね~」


 ―数分後、書庫―

鬼怒「えーっと、これだね。よし」

ピンポンパンポーン

鬼怒「?なんだろう、放送?」

提督『えー、中庭で豆まき中の駆逐艦の方たちに連絡いたします』

鬼怒「?」

提督『鬼怒さんが、自ら鬼役を買って出ましたので、皆さん存分に鬼怒さんに豆を投げてください』

鬼怒「」

提督『なお、現在鬼怒さんは2階書庫におりますので、お早めに』プツッ

鬼怒「ちょちょちょ、ちょっと待って!鬼怒はそんな事一言も言ってないよ!!」

ダダダダダダ

鬼怒「ひい!駆逐艦の子たちの足音が聞こえる!まずい、どこかに身を隠して―」

バァン

鬼怒「!!」ビクッ

駆逐艦達「鬼は~、うち~!!」びしゅしゅ

鬼怒「うにゃあああああああああああああああああああああああ!!!」


【終わり】

479: 2016/02/03(水) 22:37:26.79 ID:RIF02jyT0
【キャラクター紹介】

≪鬼怒≫

長良型軽巡洋艦五番艦。艦娘No.109。赤い髪と独特のポーズが特徴の、元気な女の子。訓練が大好きで、演習には積極的に参加している。長良型であるが、

なかなかそうと認識してもらえないのが悩み。名前に‶鬼‶という感じが入っている唯一の艦娘であるため、節分では鬼役にされるのが鎮守府の暗黙の了解。

本人は嫌がっているが、提督の癪に障ったために鬼役にされる。よくダジャレを嗜み、周りを凍りつかせる(だから夏場は駆逐艦の子たちに人気)。

好きな言葉は『駑馬十駕』。

480: 2016/02/03(水) 22:41:33.24 ID:RIF02jyT0
【キャラクター紹介】

≪鬼怒≫

長良型軽巡洋艦五番艦。艦娘No.109。赤いショートカットの髪とコロンビアのポーズが特徴の、元気な女の子。常に努力を怠らず、演習には積極的に参加する。

長良型の一員であるが、なかなかそうと認識してもらえないのが悩み。名前に‶鬼‶とつく唯一の艦娘であるため、節分では鬼役にされて豆を投げつけられる。

よくダジャレを嗜んでおり、ダジャレを披露しては周りを凍りつかせる(駆逐艦の子たちには人気)。恋も訓練、料理も訓練、全ては訓練あるのみ。

好きな言葉は『駑馬十駕』。

487: 2016/02/04(木) 21:33:10.24 ID:m0Jw2/mG0


【コーヒー】

 ―14時半過ぎ、倉庫―

摩耶「よっこらしょっと………」ゴトッ

摩耶「ふー…これでいいか?」

提督「大丈夫です。これ、1人で持つには大きすぎたので、ありがとうございます」

摩耶「石油ストーブも終わりか…」

提督「新しく暖炉を購入しましたので…それより、手伝ってくれたお礼にコーヒーでも淹れましょう。ま、インスタントですが」

摩耶「おっ、いいのか?じゃ、いただこうかな」

提督「では、執務室に戻りましょう」


 ―数分後、執務室―

摩耶「ふー…疲れた。しかし、今になって何で暖炉なんて買ったんだ?」ドサッ

提督「石油ストーブだと、遠征で持ち帰ってきた燃料を使ってしまうので、空き箱の木が使える暖炉の方がいいと思ったんですよ」

摩耶「へー。ま、提督らしい理由だな」

提督「どういたしまして……っと、できましたよ。コーヒー」

摩耶「お、さんきゅーな」

提督「ミルクや砂糖はどうしますか?」

摩耶「そうだな…ミルクは―」ハッ

摩耶(待て…普通はミルクを結構多めに入れてるが…提督の前で‶カッコいい摩耶様‶のイメージを崩したくはない……ならここは…ミルクは入れられねー…)

提督「?」

摩耶「い、いや。いらない。そのままでいい」

提督「ブラックでよろしいんですか?」

摩耶「あ、ああ。ちょっと眠気があったから、目を覚ましたくてな」

提督「…分かりました、どうぞ」スッ

摩耶「さ、さんきゅー」スッ

摩耶(ブラック何て飲むのは初めてだが…………)

摩耶「んぐっ」ゴクッ

488: 2016/02/04(木) 21:39:32.30 ID:m0Jw2/mG0
摩耶(………………苦ぇ………)

提督「…苦かったですか?」

摩耶「い、いや……大丈夫だ、うん」

提督「そうですか」コポコポ

摩耶「て、提督もブラックか?」

提督「いえ、私はココアですよ」

摩耶「……………………え?」

提督「恥ずかしながら、私コーヒーが飲めなくて…。コーヒー牛乳とかココアは飲めるんですが、コーヒーは苦いのが嫌いで普段飲まないんです」

摩耶「あんた性格の割に舌がお子様だな!」

コンコン

提督「はい?」

鳥海「お疲れ様です、司令官さん。先日の各鎮守府の戦力データ表です」ガチャ

提督「いつもお疲れ様です。ちょうど、お湯を沸かしたところですので、インスタントではありますがコーヒーでもいかがですか?」

鳥海「よろしいんですか?」

提督「ええ、構いませんよ」

鳥海「では、いただきます」

提督「はい」コポコポコポ

摩耶「データ課も大変だろ?全部手作業なんて」

鳥海「大丈夫ですよ?徹夜も3日を過ぎれば眠くなくなりますし」

摩耶「それ、末期っていうぞ…」

提督「どうぞ、お待たせしました。ミルクはどうしますか?」

鳥海「いえ、ブラックでお願いします」キッパリ

摩耶「」

提督「どうぞ」スッ

鳥海「ありがとうございます…………ずずっ。はぁ、美味しいです」

摩耶(ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!)


【終わり】

489: 2016/02/04(木) 21:48:41.93 ID:m0Jw2/mG0
【総司令部色】

 ―14時前、書庫―

鹿島「えーっと、この書類はこっちで……これはあそこに…っと」スッ

鹿島「ふー……」


提督「総司令部には慣れましたか?」

鹿島「ええ。ここに来てから3カ月ぐらいになりましたけど、やっと慣れてきたって感じです」

提督「まあ、新しい場所に就いたら慣れるのにそれぐらいは必要ですから。それにしても、鹿島さんは呑み込みが早いですねぇ」

鹿島「ほ、本当ですか~?」

提督「ええ、嵐さんや萩風さんはもとより、酒匂さんも阿賀野さん達のサポートがあってもまだ仕事が覚えていないのですから…」

鹿島(阿賀野さんのサポートって役に立つのかなぁ……)

提督「ですが、鹿島さんはもうほとんどの仕事をこなす事ができてますよね。遠征・出撃の旗艦、報告書の作成など色々…流石と言うべきです」

鹿島「そ、そんな…嬉しいです…///」

提督「流石、あの香取さんの妹と言うべきですね」

鹿島「……もう、提督?」ジロッ

提督「?」

鹿島「…私の事をほめているんでしたら、他の方の名前を出さないでいただきたいものですね」

提督「………すみませんね」

鹿島「女性はそういう事には敏感なんですからっ」

提督「これからは気を付けていきます」


『おーい』


提督&鹿島「?」

490: 2016/02/04(木) 21:57:28.73 ID:m0Jw2/mG0
木更津第鉢鎮守府提督(以下鳥川)「おっす、黎明」

湯河原第陸鎮守府提督(以下蓮村)「やあ、黎明」

提督「鳥川さん、蓮村さん」

鹿島「??」

提督「ああ、こちら私の幼馴染の鳥川さんと蓮村さんです。2人とも、見てのとおり提督ですよ」

鳥川「よろしくな、鹿島さん」

蓮村「よろしくね」

鹿島「は、はい!よろしくお願いします!」

鳥川「それにしても、鹿島さんも可哀そうだねぇ」

鹿島「?ど、どうしてですか?」

蓮村「そりゃ、こんな鉄面皮のS気質なのが提督だなんて、気苦労も多いでしょ?残業とかも多そうで…」

提督「あんたらはケンカを売りに来たのか」

鹿島「そ、そんな!私は提督に良くしてもらっています!」

蓮村「本当に?」

鳥川「ぜってー、そんなことないって」

鹿島「い、いえ!大丈夫です!いつも22時には仕事を切り上げさせてもらっていますし、担当の仕事だってもらっていますし!

鹿島「常に演習の旗艦で皆さんを指導していますし!提督のが忙しい時は食事を用意させてもらってますから!」

鳥川「あー、ちょっといいか?」

鹿島「は、はい?」

鳥川「普通の鎮守府って就業時間は21時までで、各艦娘が担当案件を持っているなんてことは無いんだが…」

蓮村「それに、提督が忙しいときとかって、食事は基本的に提督が自分で用意するか、善意で用意するかのどっちかなんだけど…」

鹿島「……………………」

鹿島(私………総司令部に毒されてる……!?)


【終わり】

491: 2016/02/04(木) 22:07:10.89 ID:m0Jw2/mG0
【お部屋訪問再び】

 ―11時半過ぎ、廊下―

暁「司令ちょうかーん!」

司令長官「おや、暁君。それに響君たちも。どうしたんだい?」

響「朝に司令官を見なかったんだけど、もしかして…」

司令長官「うん、また働き過ぎてたから休ませたんだよ」

雷「もうっ、私を頼っていいって何度も言ってるのに!」

司令長官「ま、黎明君も君たちみたいな女の子を夜遅くまで起こしたくはないって事だろうね」

電「…私達の事を気遣ってくれるのは嬉しいのですけど、それで司令官が負担を抱えてるっていうのは、ちょっと間違っていると思うのです」

司令長官「だよねぇ。儂もそう思って、黎明君の仕事の量を減らしているんだけど、やっぱり総司令部っていう場所だから情報量とかは毎日毎日、山のように

     送られてくるから……データ課はデータ関連の事でいっぱいいっぱいだから…」

響「ところで、司令官は今も寝ているのかな?」

司令長官「多分ね」

響「だったら、私達がまた起こしに行こうか」

暁「い、嫌よ!そんな、男の人の部屋に入るなんて、レディらしくないわ!」

雷「とか何とか言って…前に司令官が起きていたことにびっくりしたから嫌なんじゃないの?」

暁「そ、そんなんじゃないわよ!」

電「前は傍で騒いじゃって起こしてしまったのですけど、今日は普通に起こしてみるのです。そうすれば、前みたいな事にはならないと思うのです」

司令長官「うーん……ま、多分ボコられるのは儂だから、起こしても大丈夫だと思うよ」

響「じゃあ、司令長官の許しも出た事だから、行こうか」

暁「しょ、しょうがないわね!ま、お寝坊さんな司令官を起こすのもレディの嗜みかしらね!?」

司令長官&響&雷&電(ちょろい)

492: 2016/02/04(木) 22:14:58.24 ID:m0Jw2/mG0
 ―数分後、提督の私室前―

雷「何度来ても、この部屋からは威圧的な何かを感じるわね…」

響「それじゃあ、入るとしようか」

暁「ま、待って!入るんなら私が一番に入るわよ!レディだし、一番艦だし!」

電「なんで、白露ちゃんみたいなことを言っているのです?」

暁「いいから!私が一番に入るから!」

響「じゃあ、お好きにどうぞ」

雷「いっちゃって~」

暁「じゃ、じゃあ入るわよ~」グッ


提督「はい?」ガチャ


暁「ほわあああああああああああああああああああ!!?」

響「あ、司令官。Доброе утро(ドーブラエ ウートラ:おはよう)」

雷「おはよ、司令官!」

電「おはようございます、なのです」

提督「はい、おはようございます」

暁「あっ、おっ…はははははは…よよよよぅ…」ガタガタガタ

提督「暁さん?」

暁「べっ、別にびっくりしたわけじゃないんだからねっ!ドアノブを握ろうとした瞬間にドアノブが回って中から提督が出てきたから怖かったんじゃ、

  無いんだからねっ!ただちょっと提督の顔が怖くてびっくりしただけなんだからっ!」

提督「あ、はい」

493: 2016/02/04(木) 22:24:48.13 ID:m0Jw2/mG0
提督「それにしても、皆さんどうかしたのですか?」

雷「まだ司令官が寝てるっていうから、健康面を考えて起こしに来たのよ!」

提督「ああ、またですか」

電「でも、今日はもう起きていたのですね?」

提督「ええ、昨日仕事はちょっと中途半端なところで終わらせてしまってまして、つい先ほど起きて、部屋で確認をしていたんですよ」

響「そうなんだ。それで、体調は大丈夫なのかい?」

提督「何とか大丈夫です」

暁「あ、部屋はやっぱりきれいなのね」

提督「ええ、綺麗にしていないと落ち着かないので」

雷「いいことじゃない!」

電「本棚は、難しそうな本がいっぱいなのです…」

響「そうでもないよ?ほら」クイッ

電&雷「?」

響「こっちの本棚には漫画やライトノベルがあるよ」

暁「し、司令官ってそういうのがすきだったの!?」

提督「こういうサブカルチャーも好きなんですよねぇ」

響「ふーん……」

ぷらず…電「でも、電達もぶっちゃけちゃえば二次元―」

提督&暁&響&雷「やめろ!!」


【終わり】

494: 2016/02/04(木) 22:36:40.67 ID:m0Jw2/mG0
【キャラクター紹介】

≪鳥川 将(とりかわ しょう)≫

関東・木更津第鉢鎮守府提督。性別は男性で、年齢は26歳。斑・蓮村とは小学校からの付き合いで、他人からの認識は‶凄いバカ‶。だが、突飛な発想力から、

とんでもない真理をつく事もある。高校までは斑・蓮村と同じだったが、卒業後は工業大学へ進学する。深海棲艦が出現した後は、通っていた大学を辞め、

斑を誘い元々興味のあった海軍に入る。その後、提督としての適性試験に合格して提督になる。憲兵司令官の城とも面識がある。嫁艦は木曾。

好きな言葉は『笑う門には福来る』。

495: 2016/02/04(木) 22:41:13.21 ID:m0Jw2/mG0
≪蓮村 宗(はすむら しゅう)≫

関東・湯河原第陸鎮守府提督。性別は男性で、年齢は26歳。斑・鳥川とは小学校からの付き合いで、他人からの認識は真面目。しかしさらっと毒を吐く事も。

それが原因でたまに鳥川をキレさせる。高校までは斑・鳥川と同じだったが、卒業後は海軍学校へ進学する。深海棲艦が出現した後は、提督の適性試験を受け、

合格して提督となる。提督歴は斑・鳥川よりも長い。鳥川(と間接的にだが斑)に提督募集の情報を流した。嫁艦は長良。

好きな言葉は『無病息災』。

496: 2016/02/04(木) 22:44:05.55 ID:m0Jw2/mG0
今日はここまでにします。

>>362,>>375,>>379
 摩耶、鹿島、第六駆逐隊の話、いかがでしたか?

  お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日はリクエストにありました深海棲艦組と、できれば北上の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。


【艦これ】総司令部日和【その6】

497: 2016/02/04(木) 22:56:08.79 ID:/ukFwoyIO
乙です

引用: 【艦これ】総司令部日和