703: 2016/02/23(火) 21:46:10.20 ID:0Qua2rLp0
こんばんは、>>1です。




それでは、投下していきます。

704: 2016/02/23(火) 21:55:47.04 ID:0Qua2rLp0
【バトルジャンキー】

 ―10時前、駆逐艦寮・村雨&夕立の部屋―

夕立「う~…」

村雨「夕立ちゃん?どうしたの、そんなに唸って」

夕立「…暇っぽい」

村雨「え~?そうかなぁ…」

夕立「夕立、北海道北東沖の重巡棲姫撃破を最後に出撃してないっぽい」

村雨「それはあれでしょ?提督が、敵勢力旗艦を撃破したご褒美ってことで、お休みをもらってるんじゃない」

夕立「そんな事は百も承知なんだけど、休日が何日も続いたら退屈するっていうか……。とにかく、艤装をつけて出撃したいの」

村雨「うーん…暇なら、演習でもしたら?」

夕立「提督さん、この前『この時期は演習先の鎮守府の第一艦隊は強力なところばかりで演習しても勝てない』ってぼやいてたから、ダメっぽい」

村雨「そっかー…じゃあ、諦めたら?」

夕立「いやっ!」


 ―11時過ぎ、休憩室―

夕立「あーあ…道場へ行ってチャンバラでもしようかな~…」

ワイワイ

夕立「?」

足柄「いやー、さいっこうね!こんなに砲雷撃戦ができるなんて、夢みたい!」

夕立「足柄さん?どうしたの?」

足柄「あら、夕立ちゃん。実はね、今沖波って子を探すためにオートロ島マーマレード湾へ出撃してるんだけど、私はそこに出撃する時何時も旗艦なの。で、

   そこじゃ心行くまで砲雷撃戦ができてもう…天国みたいよ!」

夕立「……………それだ!」

足柄「にゃ?」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
705: 2016/02/23(火) 22:07:07.79 ID:0Qua2rLp0
 ―数分後、執務室―

提督「出撃がしたい、ですか」

夕立「そう!今、足柄さんはオートロ島マーマレード湾へ出撃してるって言ってたし、そこはあまり敵が強くないんでしょ?だったら夕立が誰かの代わりに

   出撃しても、問題は無いっぽい!」

提督「まあ、それは別に構いませんが…疲れていないんですか?」

夕立「疲れなんてないっぽい!この私の主砲が、魚雷が、深海棲艦を倒したいと疼いて熱いのよ!」

提督(この子こんなバトルジャンキーだったのか)

古鷹「提督…どうしますか?」

提督「こういうガス抜きは、早くやっておいた方がいいんですよね。仕方ありません、許可しましょう」

夕立「やったー!」

提督「では、暁さんは下がらせて、代わりに夕立さんを投入。装備は、暁さんのを引き継いで10cm連装高角砲×2、それと照明弾を。次の出撃は、

   ヒトサンマルマル(13時00分)で」

古鷹「はい、そうさせます」

提督「では、オートロ島マーマレード湾で、思う存分ストレスを発散してください」

夕立「いやっほーい!!」


 ―13時過ぎ、鎮守府付近波止場―

夕立「久しぶりの出撃よ!腕がなるっぽい!」

足柄「ふふ、夕立ちゃんったらやる気満々ね」

夕立「そうよー!1週間近く出撃できなかった分、深海棲艦どもをボコボコにしてうっぷんを晴らすんだから!」

響「ソロモンのハウンドドッグとはまさにこのことだね」

大淀「勝手な二つ名をつけないでください…」

足柄「あら、じゃあ夕立ちゃん。どっちが深海棲艦を多く倒せるか勝負しましょ!」

夕立「乗った!」

響「飢えた狼対狂犬……見ものだね」

北上「あー、ほらほら早く行きましょうよ~」

707: 2016/02/23(火) 22:16:29.74 ID:0Qua2rLp0
 ―数十分後、オートロ島マーマレード湾・Aマス(潜水艦哨戒線Aライン)―

夕立「ぽいぽいっと!」バシュッ

ズドン

潜水カ級「アヒィ!?」撃沈

夕立「これで私が1点リードね!」

足柄「ちょっとちょっと、私は潜水艦には攻撃できないのよ?これはノーカンだわ!」

夕立「ぶー…」

大淀(真面目に戦ってほしいものですが…。ゲーム感覚で出撃なんて……)


 ―数十分後、Jマス(深海船団 間接護衛隊)―

重巡リ級flagShip「ハァッ!!」ドオオオン

夕立「きゃあっ!?」中破

響「ふっ」バシュッ

ズドゴォン

重巡リ級flagShip「ゴフッ!」撃沈

足柄「あらあら、夕立ちゃん。その傷じゃあもう敵は倒せないかしら?」

夕立「な、なんてことないって!まだまだいけるっぽい!」

北上「大淀さん、どう思うー?」

大淀「え、そうですね…まだ中破ですし、進軍は可能ですけど…」

夕立「ほら!まだまだ夕立は戦えるよ!」

足柄「その意気やよし!進軍するわよー!」

大淀(夕立さんも大淀さんも慢心してるところがありますから退避した方がいいですよーって言おうとしましたけど、言えませんでした…)


 ―数十分後、Мマス(警戒魚雷艇船体 I群)―

足柄「ここまで倒した深海棲艦の数は…私が3、夕立ちゃんも3ね……」

夕立「次の戦いで決着がつくわよ……負けないわ!」

足柄「私も負けないわよ!」

北上(あー、あたし先攻雷撃含めて4隻沈めてんだけどなぁ~)

708: 2016/02/23(火) 22:25:19.05 ID:0Qua2rLp0
 ―14時半過ぎ、Oマス(戦略補給物資集積地)―

集積地棲姫-壊「マタ…キタノカ……。モウ……カエレッ…ヨォ………ッ!(訳:疲れた)」

足柄「うるさい黙れっ!」

夕立「貴女の首は、砂浜に掲げられるのがお似合いっぽい!」

集積地棲姫-壊(私、泣いてもいいかな)

輸送ワ級(後で提督に泣きついても責められないと思いますよ)

北上「さくさくっと終わらせちゃいましょー」バシュッ

ドゴオオン

PT小鬼群「ギイイイッ!!」撃沈

夕立「ちょっと北上先輩何してんの!?」

北上「へっ?何って、先攻雷撃で敵を処分して―」


夕立「敵を倒しちゃ、的が減って夕立が倒せる敵の数が減っちゃうでしょ!」


北上「えっ、あたし敵倒して怒られたの初めてなんだけどー…」

大淀「北上さんは怒ってもいいと思いますよ…」

足柄「私の先攻!食らえっ!」ズドドオン

バゴオゴン

輸送ワ級「べぶっ!」撃沈

集積地棲姫-壊(ああっ!私の良き相談相手がっ!)

夕立「夕立もいくよ!えーい!」ドォン

ガァァン

PT小鬼群「ヒヒヒッ」

夕立「もうなんなのアイツ!素直に沈めっ!」

足柄「ふふーん、まだまだお子様ねっ!」ズドオォン

バゴッ

PT小鬼群「キャハハッ!」

足柄「」


響「ハラショー」バシュッ

ドオン

輸送ワ級「あべえしっ!」

北上「おー、響ちゃんナーイス」

大淀「流石ですね」

709: 2016/02/23(火) 22:32:26.81 ID:0Qua2rLp0
 ―昼戦終了時―

足柄「私がワ級1隻とPT小鬼群を1隻倒して、合計5隻……」

夕立「夕立も同じく、合計5隻……」

足柄「つまり…」チラッ

夕立「ええ…」チラッ


集積地棲姫-壊(皆私を攻撃してこないな~…なんでだろう)無傷

足柄&夕立(集積地棲姫を倒した方が勝ち!)


足柄「我、夜戦ニ突入ス!」

ブゥン(周りが夜のように暗くなる音)

足柄(残念だけど、この勝負は私の勝ちね。だって、夕立ちゃんは対陸上型深海棲艦に有効な弾薬が無いもの。三式弾がある私の方が圧倒的有利!)

足柄「これで、私の勝ちよぉ!!」ズドドドドドン!!

ゴガガガガガガ

集積地棲姫-壊「ヤメロ…モエテシマウ!」混乱

足柄「さらにもう一発!!」ズドドドドドン!!

バゴォォォン

集積地棲姫-壊「モヤスノハ、ヤメテ…」損壊(体力残り7)

足柄「あらっ!?」

夕立「ここだぁぁっ!!」ズダァァン

ボフッ

集積地棲姫-壊「ヤメロヨ…セッカクアツメタノニ、モエテシマウ…ヤメロォ」破壊

710: 2016/02/23(火) 22:38:01.31 ID:0Qua2rLp0
足柄&夕立「……………」

大淀「あー、引き分け、ですか」

足柄「ちょっと待って!私は無傷の集積地棲姫を損壊状態にまで追い詰めたのよ!与えたダメージの方なら私の方が上よ!」

夕立「冗談じゃないわよ!集積地棲姫を破壊したのは夕立なんだから、夕立の勝ち!」

足柄「夕立ちゃん一人の力じゃ集積地棲姫を破壊する事は出来なかったわ!夕立ちゃんが集積地棲姫を破壊するお膳蓼をしたのは私なんだから、私の勝ち!

   っていうか、どうして陸上型深海棲艦に有効な弾薬何て持っていないのに、攻撃が貫通するの!」

夕立「そりゃ、主砲を思いっきり上に掲げて撃てば、陸上の深海棲艦に届くし…」

足柄「それじゃ、装備面の方から見ても私の方が上!と言うわけで私の勝ち!」

夕立「ううん、少ない装備で敵を倒した私の方が勝ちよ!」

足柄&夕立「」グヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

足柄「じゃあ、ここから鎮守府に戻るまでに倒した敵の数もプラスする事にしましょう!」

夕立「そうね!今度こそ、夕立の方が上だって証明してやるんだから!」

※後日2人とも出撃禁止になりました。


 ―17時過ぎ、深海棲艦本拠地・執務室―

集積地棲姫「うっ、うぇええええええん……」

深海提督「…なあ、何でこいつ大泣きしてるんだ?」

輸送ワ級「……聞かないでください」


【終わり】

711: 2016/02/23(火) 22:44:26.29 ID:0Qua2rLp0
【真夜中のアピール】

 ―22時過ぎ、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋―

青葉「ありゃ」

衣笠「どうかしたの?」

青葉「司令官の部屋、まだ明かりがついてますねぇ」

衣笠「そりゃ、あの提督だもん。この時間はまだ起きてるのはよくある事だと思うけど…」

青葉「そうなんですけど、ここ最近司令官は毎日徹夜ばっかりで、やつれているように見えるんですよねぇ」

衣笠「そ、そうなんだ……」

青葉「そうなんだって……それだけでいいんですか?」

衣笠「何が?」

青葉「青葉、気づいちゃってるんですよ?衣笠は司令官の事を―」

衣笠「わーっ!?何言っちゃってるの!?」

青葉「え、その反応…ガチなんですか?ただ煽ってみただけなんですけど…」

衣笠「あっ……………///」

青葉「まあそんな初々しい反応は置いといて、ここはひとつ夜食やコーヒーでも持って行ってあげて、アピールするべきところですよ?」

衣笠「そ、そうなんだろうけど…もう金剛さんとかがやってたり…」

青葉「そんなの可能性だけの話ですって!やらないよりはやった方がましで―」


那智『貴様らうるさいぞ!消灯時間はもうとっくに過ぎているんだぞ、早く寝ろ!』


青葉&衣笠「は、はいっ!」バサッ

青葉(あー、そうだった…。今日の当直当番、那智さんだ……)

衣笠(夜食でも持って行って…………か)

712: 2016/02/23(火) 22:50:16.69 ID:0Qua2rLp0
 ―2時過ぎ―

青葉「すー、ぴー………」

衣笠「……………」ムクッ

衣笠(眼が冴えちゃった……)

衣笠「……………」チラッ

衣笠(執務室の明かり……まだ点いてる………。提督、まだ起きてるのかなぁ……)

衣笠「……………」

衣笠「……………」ヒタタタタ

カチャ

青葉「むにゃぁ……あおばぁ…みちゃいましたぁ………」モゾモゾ

パタン


 ―重巡洋艦寮・廊下―

ヒタタタタタタ

衣笠(ばれないように…ばれないように…)

ガタッ

衣笠「!!」ビクッ


那智「………衣笠………」


衣笠「那智さん………」

那智「…………」

衣笠「あ、あははは……ゴメンなさい、すぐに戻って……」

那智「……さっきの青葉との会話は、聞こえていたよ」

衣笠「へ?」

那智「…司令官のところへ行くんだろう?行って来い」

衣笠「……あ、ありがとうね!」ヒタタタタタ

那智「ふっ………青春、だな」

713: 2016/02/23(火) 22:56:44.24 ID:0Qua2rLp0
 ―数十分後、執務室―

提督「……………」カリカリカリカリ

提督(もうこんな時間か……そろそろ、切り上げて…)

コンコン

提督「?」

提督(こんな時間に…?当直当番の方でしょうか……)

提督「どうぞ」

ガチャ

衣笠「し、失礼しまぁす……」

提督「衣笠さん?どうしたんですか、こんな時間に」

衣笠「そ、その…眼が冴えちゃって起きちゃったんだけど…提督、まだ起きて仕事してるみたいだったから……その、ココアを淹れて……」

提督「……ああ、それは申し訳ございません。では、書類にこぼしたらシャレになりませんので、ソファでいただくとしますか。衣笠さんもどうぞ」

衣笠「し、失礼します」

ストン

提督「…………なぜ、隣に?」

衣笠「ダメ…ですか?」

提督「まあ構いませんが……では、いただきます」

衣笠「ど、どうぞ」

提督「いただきます」ゴクッ

衣笠「……………」

提督「………美味しいです、私好みの味です」

衣笠「ホント?良かった~……」

714: 2016/02/23(火) 23:03:40.97 ID:0Qua2rLp0
提督「さて、では私はもう少し仕事を進めますか…衣笠さんはどうしますか?寮に戻りますか?」

衣笠「……………」

提督「?衣笠さん?」

衣笠「……スー……スー……」コテッ

提督(……気が緩んでしまったのでしょうか…?)

衣笠「ん~……むにゃむにゃ……」

提督(このまま寝ると寒いでしょうが…。せめて、毛布とかでもあればいいのですが……)

衣笠「んん~……」グイッ

提督「あっ」

ポフッ

衣笠「こうした抱き合った方が……暖かいですよぉ~…」ムニャムニャ

提督「……仕方ありませんねぇ」


 ―5時半過ぎ―

提督「……はっ」

衣笠「すー……すー……」

提督「衣笠さん。起きて下さい」

衣笠「んぁ……あれ?」

提督「起きましたか……」

衣笠「あ、あれ?私、どうして提督と抱き合って……あれぇ?」

提督「貴女が昨夜、自分で抱き合った方が暖かいからと言って、したことですが?」

衣笠「…………えぇぇぇっ!?」

提督「覚えていないんですか?」

衣笠「寝ぼけてて………あんまり………」

提督「…それより、そろそろ準備をしないとなりませんね……。今日の秘書艦は………」

衣笠「」ポケー

715: 2016/02/23(火) 23:11:42.73 ID:0Qua2rLp0
 ―9時過ぎ、掲示板前―


『朝チュン!?提督と純情重巡・衣笠の間の淫らな関係……!?』←青葉新聞


提督&衣笠「」

青葉「青葉自らが不眠で6時間かけて作りました!載せられたことを誇りに思ってください!」←非番

那智「その……衣笠の気持ちを尊重してあの時は快く送り出したが…よもや、夜這いをするとは……思わなんだ…///」

衣笠「青葉…お、起きてたの?」

青葉「はい!衣笠が夜中こっそり部屋を出て行ったときには起きてましたよ!」

提督「……………」ゴゴゴゴゴ

那智「おっ、いい殺気だな」

提督「……まさか、この前も似たような事(前スレの大井との絡みについてのゴシップ)をしたというのにまだ反省していないとは……」

青葉(あ、あれ?これ、なんかデジャヴ……)

提督「どう始末してくれようかァ……」ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

青葉「これにて失敬!」

提督「逃がすかァ!!」

衣笠「……………」


 ―15時過ぎ、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋(青葉は説教中)―

衣笠「……………」


提督『貴女が昨夜、自分で抱き合った方が暖かいからと言って、したことですが?』


衣笠「……………/////////」

衣笠「はうぅ……………/////////」


【終わり】

716: 2016/02/23(火) 23:15:16.94 ID:0Qua2rLp0
【キャラクター紹介】

≪衣笠≫

青葉型重巡洋艦二番艦。艦娘No.120(改二はNo.142)。色の薄い茶髪と豊満なボディが特徴の、フレンドリーな女の子。姉の青葉と同じく野次馬根性があり、

楽しい事が大好き。戦闘面では攻撃と防御、切り込み隊長とサポートすべてをこなす事ができるオールマイティ。実は青葉に次いで古参の重巡洋艦。だから、

提督との付き合いは結構長い。そしてその時の中で、提督を好きになる。が、他にも提督の事が好きな艦娘は結構いるので、少し影が薄い感じ。

好きな言葉は『才色兼備』。

725: 2016/02/24(水) 21:06:35.70 ID:Xz8QT1M20
【人類堕落兵器】

 ―11時前、執務室―

提督「………遅い」

妙高「そうですね…もうすぐ演習の時間だというのに………」

提督「利根さん、どうしてしまったのでしょうか………」

提督「すみませんが、探してきます。妙高さん、時間になっても戻らなければ、こちらの不戦敗で良いと相手側に伝えてください」

妙高「はい、分かりました」


 ―数分後、重巡洋艦寮・休憩室―

提督「……………………」


利根「あ~、ここはこの世の楽園なのじゃ~…」←INこたつ


提督「……………………」

那智「何をしてるかと思えば、完全に堕落しているではないか」

提督「那智さん、筑摩さんを呼んでもらえますか」

那智「貴様が起こすのではないのか?」

提督「この状態の利根さんは恐らく梃子でも起きないでしょう」

那智「分かった。待ってろ」

726: 2016/02/24(水) 21:16:03.92 ID:Xz8QT1M20
 ―数分後―

筑摩「ほら、利根姉さん起きてください!もうすぐ演習の時間ですよ!」グイグイ

利根「んあー……ちくまー…代わりに行っとくれ~………」

筑摩「だめですって!昨日姉さん、『早く練度をあげて航空巡洋艦になるのじゃ!』っておっしゃったでしょう!演習でも練度は十分に上げられますよ!」

利根「む~…だめじゃ~………こたつから出たくないのじゃ~……」

筑摩「………はぁ、姉さん~…。お願いですから起きてください~………」

提督「…………」

筑摩「…どうしましょう…困りましたねぇ…」

那智(筑摩でも起こせないのか………)


提督「ああ、そう言えば今回の作戦で勲章が四つ集まって改装設計図が―」


利根「何?改装設計図!?つまり吾輩も改二になれると!?そうなれば話は早い!那智よ、お前も確か演習じゃったな?早く演習に向かうのじゃ!!」ガバッ

那智「あっ、おい!ああもう…!」ダッ

ダダダダダ

提督「はぁ………」

筑摩「申し訳ございません、提督…。姉さんのせいでお手数をおかけしてしまって…」

提督「日を重ねるにつれてあの人幼児化してますねぇ…。ベンジャミン・バトンか」

筑摩「しかし、こたつは人を堕落させると言いますから……」

提督「こたつは免罪符にはなりませんよ。っていうか、この前こたつは仕舞ったはずですけど…」

筑摩「ほら、今日になって寒くなったでしょう?ですから、皆さんも暖まるようにと私が出したんですよ」

727: 2016/02/24(水) 21:27:58.83 ID:Xz8QT1M20
提督「まあ、こたつを出すのは構いませんが、姉の行動には常に注意しておいて下さい。あともう少し遅ければ、演習でうちの鎮守府が不戦敗になるところ

   だったんですから」

筑摩「はい……すみませんでした」

提督「では、私は戻ります。休憩のところ申し訳ございませんでした…」

筑摩「はい………」

筑摩「……………」ブルッ

筑摩「寒い……少しこたつに入ろう……」ゴソゴソ

筑摩「あぁ………体が温まる……」ポカポカ

筑摩「………」フラッ

筑摩「いけない……眠くなってきちゃった…………流石は人類堕落兵器……」

筑摩「どうしよう……姉さんの話、一杯聞きたいのに………」

筑摩「だめ………かぁ………」パタリ

筑摩「………くぅ…………くぅ」


 ―数十分後―

利根「あ˝~……航空戦で大破されられてしまったのじゃ!吾輩、ただの木偶の坊ではないか!」

利根「筑摩~、聞いとくれ―」

筑摩「………くぅ…………くぅ………くぅ」

利根「……なんじゃ、寝とるのか」

筑摩「姉さぁん………くぅ…」

利根「……思えば、吾輩はいつも筑摩に頼ってばっかりじゃったう……吾輩の方がお姉さんじゃと言うのに……」

筑摩「……くぅ…」

利根「……今日は、筑摩を休ませてやるとするかの」スタスタ

筑摩「……ネェさん…大好きでぇ……くぅ…」


【終わり】

728: 2016/02/24(水) 21:34:05.50 ID:Xz8QT1M20
【キャラクター紹介】

≪筑摩≫

利根型重巡洋艦二番艦。艦娘No.64(改二はNo.189)。長い黒髪ストレートと優しい微笑みが特徴の、穏やかなお姉さん。利根の妹のはずなのだが、周りから

見ると完全に筑摩の方がお姉さん。戦闘でも利根のサポートに回り、自分が取れたであろうМVPも利根に譲ってしまうくらい利根が大好き。だからと言って、

他の皆との付き合いが悪いというわけではない。優しい雰囲気に包まれているが、怒ってしまうと大爆発。

好きな言葉は『転ばぬ先の杖』。

735: 2016/02/25(木) 21:05:10.41 ID:GmmkfLrm0
【おさかな天国】

 ―8時前、食堂―

多摩「にゃぁ……眠いにゃぁ……」フワァ

木曾「ったく…少しはシャキッとしたらどうなんだ?駆逐艦の奴らが見てるぞ…?」

多摩「多摩は自分に素直なだけにゃ…」

木曾「それ便利なセリフだよなぁ…っと、朝飯は何かなっと」

多摩「!!あ、アジの開きがあるにゃ!これで勝つる!!多摩の時代が来たのにゃ!」

木曾「落ち着け、お前は誰なんだ」

多摩「こうしちゃおれんにゃ!早く取りに行くにゃ!!」ダッ

木曾「あっ、おい!」


 ―数分後―

多摩「おいしいにゃぁ~…幸せにゃぁ…」モグモグ

木曾「はぁ……そりゃよかったな」

提督「多摩さん、木曾さん。隣、よろしいですか?」

木曾「ん?おお、いいぜ」

多摩「あ、提督。おはようにゃ」

提督「おはようございます」

多摩「にゃぁ……朝から魚が食べられるなんて、幸せだにゃぁ……」

提督「多摩さんは、魚が本当に好きですねぇ…」

多摩「多摩にとって魚はソウルフードにゃ」

木曾「つくづく姉ちゃんって猫みてーだよなぁ…」

多摩「何度も言ってるけど多摩は猫じゃないにゃ!!」

736: 2016/02/25(木) 21:16:21.41 ID:GmmkfLrm0
木曾「………」アゴカリカリ

多摩「にゃ、にゃふぅ………///」

多摩「ごろごろごろ………」

多摩「はっ!?じゃらすなってば!」

提督「やっぱり猫ですね」

木曾「まったく…何でこんな性格なったのやら………」

提督「さあ?名前が多摩(たま)=猫のメジャーな名前だからではないでしょうか?」

木曾「なるほどねぇ……球磨姉ちゃんもか」


 ―数十分後―

多摩「ふぅ…ごちそうさまにゃ」

木曾「おいおい、まだほうれんそうの御浸しが残ってるじゃないか」

多摩「多摩、ほうれん草は嫌いにゃ」

提督「…そう言えば、多摩さんって魚以外のモノを食べたところ、あまり見た事が無いですねぇ」

多摩「失敬な。ちゃんと魚以外も食べてるにゃ。肉も食べてるし、白米も食べてるし、卵だって食べてるにゃ。あっ、でも味噌汁は冷まさないとダメにゃ」

提督「ただの猫舌か」

木曾「でも確かに…多摩姉ちゃんって、俺も野菜食べてるの見た事がねぇな…」

多摩「にゃにゃ?」

木曾「あぁ、だからか………」

737: 2016/02/25(木) 21:28:23.53 ID:GmmkfLrm0
プニッ

多摩「にゃぁ………」

木曾「………余分な脂肪がついてるぞ」

多摩「こっ、これは脂肪じゃないにゃ!着ぶくれにゃ!」

木曾「素肌に触ってるのに何が着ぶくれだ」

提督「多摩さんって、確か暇な時は釣りをして、釣った魚をその場で焼いて食べてますよね」

多摩「そうにゃ。獲れたての魚が美味しいんだにゃ」

提督「それで、食べた後は大体寝ている……ろくに野菜も食べないバランスの悪い食生活を送りつつ食っちゃ寝してたら、太るのも当然でしょう」

多摩「究極の生活だにゃ!今の多摩の生活はかけがえのないものにゃ!ダイエットは出撃でできるし!」

木曾「出撃をダイエット扱いするなよ。後究極の生活の基準低いな…」

提督「とにかく、食生活を改善させましょう。それにはまず、多摩さんにはしばらくの間魚料理を提供禁止で」

多摩「にゃぁ!?」ガーン

木曾「おっ、そうだなぁ。毎日野菜炒めとかどうだ?」

多摩「」

提督「いえ、それは可哀そうですし、メニューは野菜炒めかピーマンの肉詰めか選べることにしましょう」

多摩「」

木曾「提督、お前も悪だなぁ…」

多摩「」

提督「悪ではありません。多摩さんの食生活改善の為ですよ」

多摩「………2人して、ひどいにゃ」グスッ

提督&木曾「そんな泣き顔に屈するような私(俺)達じゃない」

多摩「知ってたにゃ!うわーん!!」


【終わり】

738: 2016/02/25(木) 21:38:46.39 ID:GmmkfLrm0
【ドジっ子全開】

 ―9時過ぎ、執務室―

提督「しまったな………秘書艦を指名しておくのを忘れてしまった……」

提督「仕方がない…今日は1人で―」

コンコン

提督「はい」

五月雨「失礼しまぁす…」

提督「五月雨さん…どうしました?」

五月雨「いえ、提督最近、大規模作戦で大変そうだなぁ…って思って、何か手伝いができないかと思って…」

提督「ああ、それならちょうどよかった」

五月雨「へ?何がですか?」

提督「実は私のミスで、今日の秘書艦を指名するのを忘れてしまっていたのですが……五月雨さんに、お願いしてもよろしいでしょうか?」

五月雨「え、ええっ!?」

提督「あ、それとも今日、出撃とかの予定が入っていましたか?」

五月雨「あっ、いえ、そのような予定はありません!」

提督「まあ、急な話ですし無理にとは言いませんが………」

五月雨「いえっ!やらせていただきます!私、一生懸命頑張っちゃいますから!」

提督「それは良かった。では、今日一日よろしくお願いいたします」

五月雨「はい!」

五月雨(…思いがけないチャンスに出くわしちゃった…)

739: 2016/02/25(木) 21:49:49.54 ID:GmmkfLrm0
 ―数分前、駆逐艦寮・五月雨&涼風の部屋―

涼風「五月雨よぉ、何かアクション起こさねぇの?」

五月雨「アクションって?」

涼風「提督にアピールだよ。アピール」

五月雨「あ、アピール!?な、何を言ってるのかなあ!?」

涼風「今、提督大規模作戦で忙しいだろ?ここで1つ手伝いでもすれば、ポイント稼げるぜ?」

五月雨「ポイントって………」

涼風「ここらで他の皆より差をつけねーと、負けちまうぞ?」

五月雨「………うぅ」


五月雨(涼風ちゃんに背中押される感じで来ちゃったけど…結果オーライだよね!頑張ろう!)


 ―10時過ぎ、執務室―

提督「あ、五月雨さん」

五月雨「はい?」

提督「そこの棚に、1月分の戦術データが綴じてあるファイルがあるはずなんですが、取ってもらえませんか?」

五月雨「あっ、はい!お任せください!」テテテ

五月雨(えーっと…あっ、これだ!)グッ

五月雨「お、重い!!」

提督「あ、言い忘れてましたが重いし厚いので気を付けて―」

五月雨「先に言ってくださきゃアアア!?」ドザッ

バチッ、バサササ

提督「ああ、無理にファイリングしてましたから……大丈夫で―」

740: 2016/02/25(木) 21:58:02.20 ID:GmmkfLrm0


五月雨「あいたたた……ええ、何とか大丈夫ですぅ……」←М字開脚でスカートの中丸見え


提督「」

五月雨「あれ、どうかし―あ///」ガバッ

提督「…………………」

五月雨「…………見ましたか?///」

提督「……すみませんでした」

五月雨「い、いえ…元々私のドジが原因ですし…////」バサバサ


 ―13時過ぎ、執務室―

提督「五月雨さん」

五月雨「はい?」

提督「間もなく第一艦隊が出撃する時間ですので、旗艦の扶桑さんを呼んできてもらえませんか?」

五月雨「わかりました!すぐに!」ダッ


 ―数分後―

五月雨「あれ~…おかしいなぁ……」

五月雨「扶桑さん…どこ行っちゃったんだろう……」

五月雨「いないなぁ………とりあえず、探さなくっちゃ……」


 ―さらに十数分後、執務室―

提督「すみません、五月雨さんが出て行ったすぐ後で、扶桑さんが自ら執務室に来てくれたんです」

五月雨「そ、そんなぁ………タッチの差なんて………」


 ―15時過ぎ、執務室―

提督「……………」カリカリカリ

五月雨「提督、お茶淹れました!」

提督「あ、すみません。わざわざ…」

五月雨「いえいえ…私、さっきからドジばっかりで全然提督の役に立ててませんから………」

提督「いえ、五月雨さんは十分に―」

五月雨「あっ」ズルッ

741: 2016/02/25(木) 22:07:41.50 ID:GmmkfLrm0
バシャッ

提督「……………」ボタボタ

五月雨「あっ……そのっ…………」ジワッ

提督「いえ、大丈夫で―」

五月雨「ご、ごめんなさいぃぃぃ………!!」ダダダッ

バタン

提督「…………ふぅ」


 ―17時過ぎ、波止場―

五月雨「……………」

五月雨「………私ッたら、役立たずにもほどがあるよね……」ハァ

提督「誰が役立たずですって?」

五月雨「きゃっ!?て、提督!?」

提督「はい、提督ですよ」

五月雨「あっ、その……さっきは本当にごめんなさい!!」

提督「いえ、あれはもう大丈夫ですよ」

五月雨「それに……さっきも仕事を放って逃げちゃって……ごめんなさい!!」

提督「謝る事はありませんよ。私にも、失敗をしてしまったとき、逃げ出したくなることが何度もありますから」

五月雨「提督にも…?」

提督「はい。私が海軍になる前の話ですがね」

五月雨「………私ッたら、役立たずにもほどがありますよね…。ファイルはばらまいちゃうし、人も呼べなかったし、仕事も忘れて逃げちゃうし、ほとんど

    提督に迷惑かけてばかりで……」

提督「五月雨さんは、役立たずなんかじゃありませんよ」

五月雨「……へ?」

742: 2016/02/25(木) 22:16:35.55 ID:GmmkfLrm0
提督「結果は伴わなかったにしろ、五月雨さんは私の頼んだことに対して明るくはっきりと『ハイ』と返事を返してくれましたし、嫌がらずに仕事をこなそうと

   してくれました。それに、お茶を淹れたのは五月雨さんが私を気遣ってのことでしょう?それだけで十分ですよ」

五月雨「……………………」

提督「貴女は、『私は役立たず』っておっしゃってましたよね?人間、誰しも一度はそう考えてしまうものです。かつての私もそう考える事が幾度となく

   ありましたし」

五月雨「………………」

提督「ですが、そんな考えに縛られてクヨクヨ悩み何もしないというのはだめです。役に立たないと思うのであれば、役に立てることを見つければよいのです」

五月雨「…役に立つ、こと?」

提督「ええ。五月雨さんは、とても優しく気遣いもできるし、積極的です。それを活かせる何かを、見つけるべきでしょう」

五月雨「何か……ですか」

提督「はい」

五月雨「………分かりました」

提督「では、明日も秘書艦をよろしくお願いします」

五月雨「…………え?あんなに失敗したのに……」

提督「あれだけ失敗したのですから、明日は大丈夫でしょう?それに、貴女の長所を生かせることには、秘書艦の仕事も当てはまりますし…」

五月雨「………………」

提督「嫌と言うのであれば…………」

五月雨「いえ」

提督「?」

五月雨「五月雨、明日も秘書艦の仕事、一生懸命頑張ります!」


【終わり】

749: 2016/02/26(金) 21:13:45.16 ID:N9bbER/p0
【勤労意欲】

 ―10時過ぎ、駆逐艦寮・三日月&望月の部屋(三日月は遠征中)―

望月「んあー…極楽極楽…」ゴロゴロ

望月「大規模作戦中はあたしみたいな装甲の薄い艦は出撃もないし、今日は遠征もないし……いいねぇ~」

望月「こうしてずっとごろごろしていたいな~………」

コンコン

望月「んあ?初雪かな?どうぞー」

ガチャ

提督「失礼します、望月さん」

望月「あ、提督か……どったの?何か用?」

提督「ええ、少しお願いしたいことが…」

望月「お願い…?何?」

提督「実は、カンパン湾沖へ出撃してもらいたいのですが…」

望月「………………えっと、理由をお願い」

提督「カンパン湾沖では、今だ私の鎮守府にはいない瑞穂さんと朝霜さんがドロップする事ができるのです」

望月「ふんふん」

提督「しかしカンパン湾沖は、敵の勢力は潜水艦がほとんどなんです」

望月「つまり対潜能力のある駆逐艦を連れていきたいって事?それだったら、あたし以外にも…」

提督「ですが、カンパン湾沖は丙作戦だと、敵がそれほど強くもないので、練度を稼ぎやすい海域なんです。それに望月さん、改造したばかりで、

   練度が他の皆さんより足りていないでしょう?」

望月「あー、そうだけどォ~…」

提督「後、望月さんは大規模作戦にかこつけて自堕落な生活を送っているでしょう。少しは外に出てください。つーか、出ろ」

望月「うえ~…………」

750: 2016/02/26(金) 21:26:11.17 ID:N9bbER/p0
 ―14時過ぎ、カンパン湾沖・Bマス(先遣哨戒潜水艦隊 Ⅰ群)―

望月「あー、マジめんどくせー…」

皐月「ほらほら望月!そろそろ会敵予想区域だよ!気を引き締めないと!」

望月「へいへーい…じゃあ、ちゃちゃっとやっちゃうか…」

扶桑「敵艦発見!潜水カ級3!」

望月「はー、もーめんどくさいったらありゃしない」バシュシュッ

ズドオオオン

潜水カ級「グゲッ!」撃沈

鬼怒「お~、すごいじゃん望月ちゃん!」

扶桑「あんなに文句ばかり言っていたのに、やればできるのね」

望月「えっ、いや、別にこんなの誰にでもできるし…//」

皐月(褒められ慣れてないから、照れてるんだ。可愛いね)


 ―十数分後、Fマス(哨戒水雷戦隊 主力部隊)―

扶桑「敵艦発見!軽巡へ級FlagShip1、駆逐イ級後期型1、駆逐イ級3!」

望月「げぇ、ランクアップしてやがるのか……」

隼鷹「あわてんなって。あたしと扶桑でちゃっちゃっとやっつけちまうからよ!」

望月「期待してまーす」

隼鷹「行くぜ扶桑!攻撃隊、発艦開始!」

扶桑「ええ、瑞雲航空隊、発艦開始!」←瑞雲ガン積み

ズドドドドドドオン

駆逐イ級後期型「」撃沈

駆逐イ級×3「」撃沈

軽巡へ級FlagShip「フフーン!」

隼鷹「ありゃ」

望月「はー、何でこう面倒な奴だけ残すのかな~…」

隼鷹「しょ、しょうがねえだろうが!」

751: 2016/02/26(金) 21:34:56.03 ID:N9bbER/p0
軽巡へ級FlagShip「シィッ!!」ズドォン

名取「も、望月ちゃん危ないっ!」

望月「んあ?」ヒョイ

ヒュンヒュン

名取「あっ、あれぇ!?」

望月「あらよっと」ドォン

軽巡へ級FlagShip「グヘッ」中破

名取「あっ、当たってくださ~い!」ダァン

軽巡へ級FlagShip「ブフッ」撃沈

望月「あー、びっくりした」

皐月「す、すごいよ!へ級FlagShipを中破にするなんて、駆逐艦でも高練度の子じゃなきゃできないのに!」

望月「あー、そうなの?ま、あたしが本気出せばこんなもんよ」

扶桑「ふふっ、でも、慢心しちゃダメよ?赤城さんみたいに沈んじゃうから」


 ―数十分後、Jマス(先遣哨戒潜水艦隊 旗艦艦隊)―

鬼怒「さーて!もうすぐ中枢艦隊だね!望月ちゃん、頑張って!」

望月「いや、あたしに期待されてもねぇ…期待を裏切っちゃうかもしれないんだよ?」

扶桑「そんな事は無いわ。ここまで望月ちゃん、潜水艦1隻を沈めた上に、軽巡2隻にダメージを与えているんだもの。改造したばかりだというのに、これは

   凄い事だわ」

名取「そっ、そうだよ。私なんかよりずっと……」

隼鷹「あー、お前は自分を過小評価しすぎなんだよ」

扶桑「でも、注意してね。中枢艦隊には、姫級がいるんだから…」

隼鷹「まあ、安心しな。僚艦はあたしと扶桑で潰すから。後は望月たちの仕事だ」

752: 2016/02/26(金) 21:42:27.90 ID:N9bbER/p0
望月「そう言えば、あたし姫級と対峙するの初めてかも…」

皐月「そうなんだ?じゃあ、ここでもし倒せたら、すごいMVPだね!」

望月「いやいや、そんな簡単な話じゃないっしょ~」

扶桑「敵艦見ゆ!」

望月&皐月「!」ピクッ


潜水棲姫「キタノ…ネェ……?エモノタチ…ガァ……フフ…ハハハ…!」


望月「うっ、うるせー…どこの葛城センパイだよ……」キーン

扶桑「潜水棲姫1、軽巡ホ級1、駆逐イ級2!」

隼鷹「よっしゃ、攻撃隊発艦しちゃって~!」ビュンビュン

扶桑「もう不幸だなんて、言わせないわ…!」バシュシュシュ

ズドドドドドン

軽巡ホ級「」撃沈

駆逐イ級×2「」撃沈

隼鷹「よーっし!」

鬼怒「食らえ潜水棲姫、介錯してやるー!」

バスッ

潜水棲姫「イタイッ!ヤメテヨォ……!」損傷軽微

望月「…………」キーン

鬼怒「ありゃー、当たり所が悪かったかな~……こりゃ、10も削れてないか…」

名取「これじゃ、望月ちゃんでも倒せないか―」

753: 2016/02/26(金) 21:49:49.48 ID:N9bbER/p0
望月「つーか、マジでうるせーっての!!」バシュシュシュッ

ズドオオオオオン


潜水棲姫「ベブゥ!?」撃沈


望月以外「…………………………………………………え?(ほぼ)ワンキル?」

望月「あー、すっきりした」

望月以外「…………………」

望月「あれ、みんなどうしたの?」

望月以外「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

望月「うえっ!?」


 ―数時間後、執務室―

扶桑「……報告は以上です」

提督「望月さんが……凄いですねぇ」

扶桑「ええ、体力がほぼ万全の潜水棲姫を一撃で沈めてしまったのですから……」

提督「…………」


 ―翌日11時過ぎ、カンパン湾沖・道中―

長月「すごいじゃないか、望月。対潜艦隊レギュラー入りとは。初出撃で凄い戦果を挙げたから、だっただろう?」

望月「…………」

長月「普段めんどくさがりで引きこもりの望月の割にはすごいじゃないか」

望月(ちきしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)


【終わり】

754: 2016/02/26(金) 21:56:05.78 ID:N9bbER/p0
【キャラクター紹介】

≪望月≫

睦月型駆逐艦十一番艦。艦娘No.38。眼鏡と長い茶髪が特徴の、マイペースな女の子。超が付くほどのめんどくさがり屋で、自発的に何かをしようと言う気持ちは

全くと言っていいほどない。しかしやる時はしっかりとやるし、その時は強い深海棲艦でも倒す。同じめんどくさがり屋の初雪とはとても仲が良く、よく2人で

昼寝をしたりだらだらしたりする。引きこもっているから友達がいないというわけではなく、他の皆とも仲良くやっている。

好きな言葉は『後は野となれ山となれ』。

761: 2016/02/27(土) 21:07:50.85 ID:hnq8AgLY0
【決意】

 ―15時過ぎ、駆逐艦寮・江風の部屋―

江風「………む~…」ゴロゴロ

江風「…………あたしは…………」

江風(あたしは…提督が好きだ…。この想いに、変わりはない…)

江風(でも、その想いを告げられず……ただ悶々とした日々を過ごしている…………)

江風(ただちンたらしてたら、この想いが冷めちまうし…他の皆が告白しちまうかもしれねェ…)

江風「…………よし」


 ―数十分後、執務室―

提督「………………」カリカリカリ

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

江風「……よ、よォ…提督」

提督「江風さん。どうかしたんですか?」

江風「いや…ちょっと様子見にきてな。調子はどうだ?」

提督「ご覧のとおり、積みあがった書類を片付けているところですよ」

江風「そ、そうか……」

提督「?江風さん?」

江風「な、何だ?」

提督「どうかしたんですか?何か、いつもと様子が違うような気がしますが」

江風(クソッ、どうしてこいつは他の艦娘の好意には鈍いくせにこういう事には鋭いンだよ!)

提督「何か悩みがあるんでしたら…相談に乗りますよ」

763: 2016/02/27(土) 21:16:32.90 ID:hnq8AgLY0
江風「あ、いや…あ~…まあ、一応悩み…なのか、これ?」

提督「私は、人が悩んでいる姿を見ていて愉悦に浸るほど非情ではありません。私の大切な仲間が悩んでいるような様子を見たら、力になりたいのです」

江風「!」

提督「………?」

江風「て、提督!」

提督「はい?」

江風「あ、あたしは―」


司令長官「黎明君、ちょっといい?」ガチャ


江風「」

提督「ノックくらいはしてください。それで、何か用ですか?」

司令長官「実はさ、この前渡してもらった資料、失くしちゃって…もう一部くれない?」

提督「まったく仕方ないですねぇ耄碌オヤジ……何の資料ですか?」

司令長官「えーっと、四月付で提督に着任する子たちの資料…」

提督「司令長官ともあろう者が、情けない…」ガサゴソ

司令長官「ゴメンゴメンって…」

江風「……………」

司令長官「あ、江風君。何の話をしてたの?」

江風「………………」ガスッ

司令長官「いたっ!?何で脛蹴るの!?」

江風「………………」ゲシッゲシッゲシッ

司令長官「しかも無言で何度も蹴らないで!痛いってば!」

提督「いいですよ、江風さん。もっとやっちゃってください」

司令長官「ノリノリでまくしたてるな!保護者失格だろう!」

764: 2016/02/27(土) 21:27:32.45 ID:hnq8AgLY0
 ―数分後、廊下―

司令長官「まったく…なんであんな蹴るのさ」

江風「…悪かッたッて」

司令長官「………ところで、最近江風君はなんだか浮ついてる感じがするけど…どうかしたの?」

江風「え、あたしそんな風になってたか…?」

司令長官「これでも一応、人を見る目はあるからね」

江風「…………」

司令長官「それでおそらく……江風君は黎明君に―」

江風「はっ…はぁ!?ななな、なンでそンな事が分かるンだよ!?」

司令長官「いやぁ…前に君に、黎明君が司令長官補佐官になった時の話を聞かせた時から、『多分そうなるんだろうなぁ』って予想はある程度していたから、

     まさかとは思ったけど、ねぇ」

江風「………ああ、そうだよ。あたしは、提督が好きだよ」

司令長官「でも、想いを告げるタイミングが無いって感じかな」

江風「……なンだ?司令長官は人の心を見透かす目でも持ッてンのか?」

司令長官「だてに君たちや黎明君より長く生きちゃいないさ」

江風「……本当は、さッき告白するはずだッたンだけど、司令長官が入ッてきたから…」

司令長官「そ、それは本当にゴメン……。しかし、この時間中に告白するっていうのも無謀だったかもしれないねぇ」

江風「何でだよ?」

司令長官「ほら、今はまだ就業時間中だし、第一艦隊も出撃中でしょ?だから、他の皆が執務室に入ってくる可能性が高いからね」

江風「……あ」

司令長官「だからまぁ……さっきのお詫びに、儂がタイミングを作ってあげるよ」

江風「?」

司令長官「今日のフタヒトマルマル(21時00分)に、司令長官室の前に来てくれないかな?」

江風「べ、別にいいけど……何のつもりだ?」

765: 2016/02/27(土) 21:34:38.51 ID:hnq8AgLY0
 ―21時、司令長官執務室前―

江風「司令長かーん。来たぜー」コンコン

ガチャ

司令長官「ああ、江風君いいところに!」

江風「ハァ?何言ってン―」

司令長官「実はこの書類、黎明君に出し忘れちゃってねぇ…」スッ

江風「いやだから、呼ンだのは司令長官で―」

司令長官「悪いんだけどこれ、黎明君のところに持って行っといてくれないかなぁ?」

江風「!………チッ、しょうがねェなァ…。別にいいけど、しッかりしてくれよ?新日本海軍司令長官殿?」ニッ

司令長官「今度から気を付けるから。黎明君には、ホントにゴメンって言っといて」ニコッ

江風「りょーかい」

パタン

江風「………よし」


 ―数分後、執務室前―

江風「………………」

江風「スー、ハー………」

江風「…………」コンコン

提督『はい?』

江風「あ、あー…江風だ。司令長官から頼まれてきたんだが、いいか?」

提督『どうぞ』

766: 2016/02/27(土) 21:43:38.67 ID:hnq8AgLY0
ガチャ

江風「失礼するぜー」

提督「お疲れ様です。して、頼まれた…とは?」

江風「実はこの書類、出し忘れていたみたいでよ、司令長官も忙しそうだから届けに来たぜ」スッ

提督「すみません…まったく、あいつ………。江風さん、夜分にすみませんでした」

江風「い、いやいやいや!大丈夫だッて!あたし、夜好きだし!」

提督「……どこかの夜戦忍者みたいにならなければ構いませんが」

江風「あははは~………って、提督、その書類まだ片付いてねェの?」

提督「ええ、頑張ってはいるんですがねぇ」

江風「な、何だッたらあたしが手伝ッても…」

提督「いえ、さすがに駆逐艦の方を夜遅くまで私の仕事に付き合わせるのは少々気が引けますから…」

江風「そ、そうか………」

提督「ただ、気遣いは貰っておきます。ありがとうございます」

江風「!」

提督「さあ、貴女も今日はもう休んで構いませんよ。緊急で出撃する事になるかもしれませんから―」

江風「提督!」

提督「はい?」

江風(今しか言えない……告白するなら今しかない!)

提督「どうかしましたか?」

江風「あ、あのさ……///」

提督「……?」

江風「あ………」

提督「あ?」

江風「あ、あたしはッ――――――――――!」

767: 2016/02/27(土) 21:48:31.17 ID:hnq8AgLY0


雲龍「失礼します、提督」ガチャ


江風「」

提督「おや、雲龍さん…ノックはしてほしいものですが、どうしましたか?」

雲龍「実は、ちょっとお話がありまして…って、江風ちゃん、何か提督話していたの?」

江風「あ、いや…いいや。うン。じゃあ提督、おやすみ」

提督「?はい、おやすみなさい」

パタン


 ―数分後、駆逐艦寮・江風の部屋―

江風「……………………………………」

江風「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……」


 ―翌日8時過ぎ、食堂―

司令長官「おはよう江風君」

江風「………おはようさン」

司令長官「で、昨日黎明君とはどうなった?」

江風「…………………」バキッ

司令長官「何でっ!?」


【終わり】

768: 2016/02/27(土) 21:59:52.38 ID:hnq8AgLY0
【深海の大飯食らい】

 ―15時過ぎ、北海道北東沖、Tマス(侵攻部隊 旗艦艦隊)―

戦艦棲姫「ナンドデモ……シズメテ…アゲル……」

千歳「出たわね…、ダブルダイソン!!」

金剛「ンモウ!アイツらのせいで、無駄に被弾率が増えてしまうのデース!」

戦艦棲姫「シズミナサイ…!」ドオオン

長門「ぐはぁっ!?」大破

陸奥「長門!」

戦艦棲姫「オロカナ…カンムスドモ……、ワタシタチノマエニ……ヒレフシナサイ…!」


 ―19時前、深海棲艦本拠地・食堂―

戦艦棲姫「あー、疲れたわ~…」

深海提督「おっ、お疲れさま~。どうだった?」

戦艦棲姫「どうだったって、いつも通りよ。重巡棲姫のお供として、かかってきた艦娘をぼっこぼこにしてきたわ」

深海提督「上出来」

重巡棲姫「でもそのせいで、私の出る幕があまりないのよね~」

深海提督「戦艦棲姫は、もうほぼすべての作戦に参加してるんだし、休んでも構わないんだぜ?」

戦艦棲姫「いやよ。年に4回しか出番がないなんて、暇だもの」

深海提督(それ言っちゃ、他の空母棲姫とかも言えるんだけどなぁ)

戦艦棲姫「あー、それにしてもお腹空いたわ~。今日の夕飯当番誰で何?」

深海提督「今日は泊地水鬼で、回鍋肉だと」

重巡棲姫「あら、回鍋肉私大好きなのよね~。後、泊地水鬼さん料理上手だし」

泊地水鬼「あの、そんなに褒められますと……恥ずかしいです」

重巡棲姫「おっ、噂をすれば」

戦艦棲姫「ま、私は食べれればなんでもいいんだけど」

769: 2016/02/27(土) 22:08:55.71 ID:hnq8AgLY0
 ―数分後―

提督「では今日も、いただきます」

皆『いただきまーす』

戦艦レ級「よーっし!肉だ肉!たらふく食ってやるぜ!」

空母棲姫「こら、レ級。まずはお味噌汁を飲みなさい。マナー違反よ」

北方棲姫「お味噌汁熱い!」

港湾棲姫「はいはい、フーフーして食べましょうね」

深海提督「うん、美味しい。やっぱり泊地水鬼の作った料理は美味しいなぁ」

泊地水鬼「あ、ありがとうございます…。私なんかの作った料理で…」

集積地棲姫(あー、あれ?なんか回鍋肉甘い気がするぞ)

戦艦棲姫「………………」バクバクバクバク

深海提督「おいおい、戦艦棲姫。ちょっとはペースを落とせばいいんじゃないか?」

戦艦棲姫「そうは言っても、急いで食べないと食べた気がしないのよ」バクバク

深海提督「お前はカービ○か」

戦艦棲姫「あ、お代わり」スッ

泊地水鬼「あ、少々お待ちください」ガタッ

空母棲姫「しっかし、戦艦棲姫ってホントによく食べるわよね~。私はもうこれいっぱいで十分だけど」

戦艦棲姫「弾を撃ったら撃っただけお腹が減るようなもんなのよ」

泊地水鬼「はい、どうぞ」

戦艦棲姫「ん、ありがと」

北方棲姫「ほっぽも!ほっぽもたくさん食べて強くなる!」

港湾棲姫「うん、ほっぽちゃんも頑張ってね」

770: 2016/02/27(土) 22:17:22.41 ID:hnq8AgLY0
 ―数十分後―

深海提督「ごちそうさまでした」

皆『ごちそうさまでした』

戦艦棲姫「あー、食べた食べた」ゴロン

重巡棲姫「美味しかったわ、泊地水鬼さん」

泊地水鬼「ありがとうございます…私なんかの腕でそう言ってもらえると、嬉しいです」

深海提督「いや、本当においしかったよ。これだったら、毎日でも食べたいぐらいだね」

泊地水鬼「そっ、それって………!?///」

深海提督「?」

泊地水鬼「…………そんな…でも、私は提督なら…///」

深海提督「あの、どうしたんだ?」

護衛要塞(こんの天然ジゴロめが)

集積地棲姫(あれ、この緑茶、なんか甘いな)

空母棲姫「…………ねえ、戦艦棲姫」

戦艦棲姫「なにー?」

空母棲姫「………あんたって、いつも食っちゃ寝食っちゃ寝だよね」

戦艦棲姫「いいじゃない、別に。大規模作戦中だもの」

空母棲姫「いや、あんた普段からそんな生活してるでしょ。大規模作戦期間外でも、近辺の警備とかしないし」

戦艦棲姫「私みたいな図体のデカいのが出たら、艦娘に感知されやすいでしょ?」

空母棲姫「…………ま、いいけど」ゴトッ

戦艦棲姫「?」

空母棲姫「ここに体重計があるじゃろ?」

戦艦棲姫「なっ…!?」

空母棲姫「港湾棲姫、重巡棲姫、抑えて」

港湾棲姫&重巡棲姫「おーせのとーりに」

戦艦棲姫「まっ、待て!それはヤメロ!」

空母棲姫「現実と直面する時間よ、戦艦棲姫さん」

戦艦棲姫「いやああああああああああああああああああああ!!」

深海提督「あー、喧嘩はやめろよー」

771: 2016/02/27(土) 22:24:45.74 ID:hnq8AgLY0
 ―数分後―

戦艦棲姫「……………………………………………………」ズーン

泊地水鬼「あ、あの…大丈夫ですか…?」

空母棲姫「おお……これは……」

港湾棲姫「由々しき事態ですね………」

深海提督「何、太ったの?」

戦艦棲姫「」ピシィ

護衛要塞「あ、アホかお前!!そんな、女の子のデリケートなところをストレートに言うとか、バカの極みか!」

戦艦棲姫「………………はぁ」

空母棲姫「ま、これで分かったでしょ?そろそろダイエットしなさいな」

戦艦棲姫「ダイエットなんて、出撃してればいいし……」

空母棲姫「大規模作戦が終わったらどうするの?それに、そんな事言いつつ今まで体重は増えてきてたじゃない」

戦艦棲姫「」

深海提督「空母棲姫、キッツいね~」

空母棲姫「さあ、分かったら今からダイエット!」

戦艦棲姫「ひっ、ま、待って!私今日出撃したばっかりだから、疲れてて―」

空母棲姫「とか言って明日もまた逃げる気でしょう?逃がさないわよ。ああ、そう言えば汗をかくのもダイエットになるんだっけ?ならいいじゃない」

戦艦棲姫「いやああああああああああああああああああああ!!!」

深海提督「頑張れー」

戦艦棲姫「慈悲をおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

集積地棲姫(あれ?緑茶が急に美味くなったぞ)


【終わり】

772: 2016/02/27(土) 22:29:36.07 ID:hnq8AgLY0
【キャラクター紹介】

≪江風(かわかぜ)≫

白露型駆逐艦九番艦。艦娘No.259。粋のいい喋り方とバランスのいい体が特徴の、ヤンキーっぽい女の子。若干口が悪いが、根はとても繊細でセンチメンタル。

改白露型という事で、他の白露型とは若干異なる雰囲気だが、だから別に仲が悪いというわけではない。着任した当初、駆逐艦の子を仕事に駆り出す提督の運営

に不満を覚えたが、司令長官から真実を聞かされ、逆に提督の事を好きになる。その過程から、司令長官とも仲が良い。タイミングに恵まれない子。

好きな言葉は『豪放磊落』。

773: 2016/02/27(土) 22:33:30.26 ID:hnq8AgLY0
≪戦艦棲姫≫

深海棲艦の一種。艦種は戦艦。背中の巨大な艤装と、黒いロングヘアーが特徴のお姉さん。ほぼすべての大規模作戦に参戦し、その強力な火力と強固な装甲で、

数多くの提督艦娘達を絶望の淵に追いやるトラウマメーカー。実は結構な大飯食らいで、料理でお代わりは基本。ただ、日々の生活で食っちゃ寝を繰り返して

いるため、体重は若干増えている様子。空母棲姫、飛行場姫は気の置けない仲。最近は空母棲姫によってダイエットにいそしんでいる。

好きな言葉は『天衣無縫』。

774: 2016/02/27(土) 22:39:16.42 ID:hnq8AgLY0
≪泊地水鬼≫

深海棲艦の一種。艦種は敵泊地。漆黒の大きな艤装と、黒と白の混じった髪が特徴のお姉さん。大規模作戦に初めて参戦した時は、深海棲艦中でもトップクラス

の装甲と、精神を追い詰めるような言動で多くの提督と艦娘達にトラウマを植え付けた。普段からネガティブな言動が目立ち、何事にも悲観的。しかしながら、

家事全般は得意で料理の評判は結構いい。深海提督から(自覚のない)甘い言葉を掛けられて、惚れる。いつの日か、深海棲艦の皆が救われる日を望んでいる。

好きな言葉は『四苦八苦』。

783: 2016/02/28(日) 21:12:05.65 ID:E6/WDfoH0
【トラウマキャノン】

 ―14時過ぎ、執務室―

提督「………………」カリカリカリ

長門「………………」ペラッ、ペラッ

ギィイイイイイイン

提督&長門「………………」

ギャギャガガガガガガ

長門「…なあ、提督…。この音………」

提督「おそらく、開発課のせいでしょう」


[開発課]

新装備の提案・開発・試験を担当している部署。資料室で作業をそのまま始める事が多い。メンバーは明石、夕張。


提督「まあ、犯人と場所は知れてます。長門さん、すみませんが注意してきてくれませんか?」

長門「分かった。では、言ってくる」


 ―数分後、資料室―

ギイイイイイイイイイン

夕張「うふ、うふふふふふふふふふ…」

バチバチバチバチバチ

夕張「えへ、うぇへへへへへへへへへへ………」

ボコッ

夕張「イタッ!?」

長門「何をしている、夕張。後、気持ち悪い笑い声をあげて機械をいじるな」

夕張「危ないじゃないですか!作業中に頭を叩くなんて!」

長門「資料室で作業をしている方が危ないだろうが」

784: 2016/02/28(日) 21:18:51.99 ID:E6/WDfoH0
長門「で、今度は何を作っていたんだ?」

夕張「あ、実は今月の作戦の報酬となる装備を作っていたんですよ!」

長門「何の装備だ?」

夕張「はい、えっと……‶16inch三連装砲 Mk.7‶って言います!」

長門「む…?どこかで聞いたような装備だが…何の艦の装備なんだ?」


夕張「はい!アイオワ級戦艦のです!」


長門「」ピクッ

夕張「?」

長門「………アイオワ……アメリカ………米国……核実験……」ブルブル

夕張(あっ…やばい……)

長門「ウオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

夕張「わああああ!!爆発したぁ!!」

ガッシャーン、ドガバキィ

夕張「ひいいいい!陸奥さん!明石さん!助けてええ!!」


 ―同時刻、執務室―

提督「……………」カリカリカリカリ

ドシャアアアアン、ガッシャアアアアン

提督「?」

キャアアアアア、オチツケー

提督「……まさか」ガタッ

鎮守府妖精さん「嫌な予感がしますねー…」

785: 2016/02/28(日) 21:28:11.14 ID:E6/WDfoH0
 ―数十分後、食堂―

長門「………皆、すまなかった………」

陸奥「本当よ。皆に迷惑かけて…おまけに資料室もめちゃくちゃにしちゃって………」

夕張「そうですよ!せっかくの実験品も壊しちゃって!」

提督「いえ貴女はあそこで作業をしていた事自体が間違いですから」

長門「……くっ」

提督「………やはり、あの時の記憶がよみがえったのですか」

長門「あ、ああ…。ビッグセブンともあろう者が、過去の記憶に感情を左右されるなど………」

提督「過去のトラウマは簡単に消えないからトラウマなんですよ」

長門「…アメリカの事を聞くと、思い出すんだ……。あの、ビキニ環礁での出来事を……」

全員「……………」

長門「いや、すまん。変な空気にしてしまって…」

提督「でも、実際アメリカの事を連想させないようにするのは大変なんですよ。ニュースも見れませんし」

夕張「ニュースも?どうして?」

陸奥(ほら、今アメリカって大統領選が話題で………)

夕張(あ、ああ…)

提督「この前アメリカの司令長官が訪ねてきた時も、あの人がアメリカから来たという事を隠しましたし………」

長門「…分かってる…分かってるんだ。あの国がすべて悪いわけではないという事も……。しかし、あの時‶軍艦・長門‶が受けた傷と痛みは、想像を絶する

   ものだったに違いない……」

全員「…………」

長門「そして、それを想像すると……気持ちが…暴走して………!!」コオッ

提督「!」ガタッ

夕張「!」ピクッ

786: 2016/02/28(日) 21:40:02.67 ID:E6/WDfoH0
陸奥「…………………」ギュッ

長門「!」ピクッ

陸奥「……大丈夫よ、長門………」

長門「む………つ………?」

陸奥「…貴女だけじゃない…今は、私達がいる……貴女は、1人じゃない」

長門「…………」

陸奥「確かに、かつての‶長門‶が受けた傷は、計り知れないものなのかも。でも、だからって今の‶長門‶がそれに左右されて、気に病む必要はないのよ」

長門「………」

陸奥「長門は、悩みを他人に打ち明けるような性格じゃないのは、私が分かっているわ。でも、あんまり自分一人で抱え込んでいちゃ、いつか長門は、

   壊れてしまうかもしれないわ」

長門「…………」

陸奥「でも、今の長門は1人じゃない。私がいる、提督がいる、皆がいる…。皆、長門の事を頼ることが多いんだけど、逆に皆も長門に頼ってもらいたいのよ」

長門「…………」

陸奥「だから、今度からは、何でもかんでも1人で抱え込まないで皆に相談していいのよ」ギュッ

長門「……………う、うぅ……………」

陸奥「皆、貴女の弱々しいところ見てあざ笑うような性格じゃないのも、分かってるでしょ?」

長門「……ああ………」

陸奥「だから、今だって、自分の感情を素直に表に出してもいいのよ?」

長門「う、ううう………………」ギュッ

陸奥「いいわよ……そのまま……」

長門「あああ…………あああああああああああああああああああ…………」

 その日、鎮守府の皆は初めて長門の泣き声を聞いた。


【終わり】

787: 2016/02/28(日) 21:45:01.04 ID:E6/WDfoH0
【キャラクター紹介】

≪夕張≫

夕張型軽巡洋艦一番艦。艦娘No.111。色の抜けた黒神とポニーテールが特徴の、新しいものが大好きなお姉さん。新しい装備が大好きで、新しい装備を入手した

時は水からテスト役を買って出る。その新装備への探求心を買われて、開発課に配属されることになる。しかし資料室で作業をしたり、余計なものを開発したり

して、提督や他の艦娘から折檻をされることがある。明石が忙しい時は、手伝う事もある。胸部装甲が薄いために、龍驤、瑞鳳、瑞鶴、葛城と仲が良い。

好きな言葉は『日進月歩』。

788: 2016/02/28(日) 21:50:35.64 ID:E6/WDfoH0
≪陸奥≫

長門型戦艦二番艦。艦娘No.2。短い茶髪と、モデルのように整ったスタイルが特徴の、自由な感じのお姉さん。提督の事をからかうのが好きで、反応を見ては

面白がる。少し前までは鎮守府の主戦力として最前線で大活躍してきていたが、大和と武蔵が着任してからは少し休みが増えたらしい。その身に纏う大人っぽい

雰囲気は駆逐艦のあこがれの的。しかし、第三砲塔の謎の爆発はトラウマ。長門との姉妹仲は良好。運の値が低いため、日頃から不幸に見舞われている。

好きな言葉は『禍を転じて福と為す』。

795: 2016/02/29(月) 21:22:46.70 ID:blFREGSX0
【御召艦】

 ―15時過ぎ、厨房―

比叡「よいしょ、よいしょ………」グッ、グッ

提督「……………」スタスタ

比叡「あ、司令!ごきげんよう!」

提督「何をなさっているんですか?」

比叡「え、見てわかりませんか?クッキー焼いているんですよ!」

提督「…そうですか」チラッ


クッキーのようなもの「」おぞおぞおぞおぞおぞぞぞぞぞぞ


比叡「ところで司令はどうしてここに?クッキーの匂いがしたからですか?」

提督「正確には、他の皆さんから『厨房から異臭がする』という話を聞いて様子を見に来たんですよ」

比叡「えー?そんなに変なにおいかなー?」

提督「ところで、なぜまたクッキーを?」

比叡「実はですね、バレンタインの日に金剛お姉様に比叡特製チョコレートをプレゼントしようと思ったんですけど、金剛お姉様が『い、要らないネー…』と

   断ったので…」

提督(なぜ断ったのかは容易に想像できる)

比叡「それで比叡、思ったんです。もしかして、金剛お姉様はチョコがお嫌いなんだって!」

提督「正確には貴女が作ったであろうダークマターチョコが嫌いなんでしょうが」

比叡「そこで、今度はクッキーを作ってあげる事にしたんです!」

比叡「っていうか、ダークマターって何ですか!そこまでひどい出来じゃないですよ!実物を見て言ってくださいよ!」

提督「少なくとも、そこのクッキーの出来で大体想像はできます」

比叡「あ、ところで司令、このクッキー、一つ食べてみません?」

提督「私は今氏にたくはありません」

比叡「ぶえー…ちゃんと胃で消化できますよ」

提督「胃で消化できない食べものは食べ物ではありません。まったく…どうして過去の軍艦時代は豪華な料理が作れたのに、今はこうなったのか…」

比叡「なんででしょうね…………」

796: 2016/02/29(月) 21:28:59.79 ID:blFREGSX0
提督(もしかしたら………)

提督「クッキーの材料って、余ってますか?」

比叡「え?はい、一応…」

提督「その材料で、榛名さんと霧島さんの分のクッキーを作ってください。金剛さんの事は一切考えずに」

比叡「えー?何でですかー?」

提督「いいから、金剛さんの事は全く、一ミリも考えずに作ってください」

比叡「了解でーす………」


 ―1時間後―

比叡「できましたよー」

提督「………見た目は美味しそうですが………」

比叡「失敬な!‶見た目は‶って何ですか!」

提督「今までの比叡さんの料理って、見た目もダメダメですから。さて…」

比叡「?」


 ―数分後―

榛名「提督、何か御用ですか?」

霧島「データ課の仕事を切り上げるほどとは…」

提督「比叡さんがお2人の為にクッキーを焼いたので、ぜひ食べてほしいとのことです」

比叡「どうぞー!」

榛名&霧島「!!!」ビクッ

榛名「あ、あー…榛名、ちょーっと用を思い出して……」

霧島「わ、私もちょっと重要なデータが片付いていなくて…」

提督「比叡さん、2人を抑えてください」

比叡「了解です!」ガシッ、ガシッ

榛名「ひ、比叡お姉様!?」

霧島「力つよっ…流石、私達の姉………」

提督「今です」ヒュンヒュン

榛名&霧島「!!」パクッ

797: 2016/02/29(月) 21:36:19.50 ID:blFREGSX0
榛名「……あれ?」

霧島「…普通においしい……」

比叡「ほ、ホントですか!よかった~」

提督「やっぱり…」

榛名「これ、本当に比叡お姉様が?美味しいです!」

霧島「ええ、比叡お姉様が作ったとは思えない…」

提督「やはり、理由は金剛さんですか…」

榛名&霧島「?」


 ―数分後―

金剛「美味しいデスネー!紅茶によく合いマース!」

比叡「あ~、お姉様に喜んでもらえるなんて…幸せ…」


提督「比叡さんは、金剛さんの為に料理を作ろうとすると、金剛さんに美味しいと喜んでもらうために勝手にアレンジを加えていたんです」

榛名「確かに…比叡お姉様、料理中に奇妙な液体を料理に入れてましたから…」

提督「そしてその行動は、料理を振る舞う対象が不特定多数でその中に金剛さんが含まれていても、行っていたという事ですよ」

霧島「だから、私と榛名お姉様の為‶だけ‶に作ったクッキーは大丈夫だったって事ですか」

提督「つまり比叡さんは、料理中に金剛山の事を考えなければ大丈夫と言うわけですね」

榛名「でも………」


比叡「今後料理中に一切お姉様の事を考えない!?無理ですって!」

提督「それができれば苦労はしないというわけで」

榛名&霧島「ですよねー…」


【終わり】

798: 2016/02/29(月) 21:43:54.33 ID:blFREGSX0
【ダメ提督製造機予備軍】

 ―14時過ぎ、第拾参鎮守府・執務室―

禊「頼まれた報告書、持ってきました」

瑞理「ご苦労様。じゃ、後は明石ちゃんの手伝いとかしててね」

コンコン

瑞理「どうぞ~」

鹿島「提督、お疲れ様ですっ。お茶、持って参りました♪」

瑞理「あああ、鹿島ちゃんつかれたよ~」ダキッ

鹿島「うふふ、お疲れさま♪」

瑞理「僕としては、お茶よりも夜戦の指導をしてほしいんだけど~」

鹿島「もう、提督ったら。提督はもう実戦経験者でしょう?私相手にも十分に力を発揮できてましたし」

瑞理「ちぇー…」

禊(こいつまた女の子と火遊びしやがったのか!?)

瑞理「うん、鹿島ちゃんもなかなか気持ちよかったよ~」

鹿島「もう、提督ったら……こんな昼間に……」

禊(つくづく明石さんが瑞理さんの手に落ちなくてよかったと思う)

鹿島「さあさ、冗談はこれくらいにしてお茶にしましょう?冷めちゃいますから」

瑞理「いや~、ありがとねぇ。鹿島ちゃんの淹れたお茶って、紅茶でも緑茶でも美味しいから」

鹿島「褒めてくれて、嬉しいです♪どうぞ」コトッ

瑞理「………あ~、美味しい…。疲れが一気に取れた気分~…」

鹿島「辛かったら言ってくださいね?私を頼ってくれてもいいんですよ?」ナデナデ

瑞理「あ~…優しさが身に染みるよぉ~」

799: 2016/02/29(月) 21:50:42.32 ID:blFREGSX0
 ―16時過ぎ、廊下―

鹿島「るんるんるん♪」

禊「あ、鹿島さん」

鹿島「あら、禊さん。どうかしましたか?」

禊「その持っている箱は?」

鹿島「ああ、これですか?提督に頼まれて取ってきたものです」

禊「いやぁ……鹿島さんはとても面倒見がいいというか……」

鹿島「そんな、私はただ提督の力になりたくて…」

禊「でも、瑞理さんをあまり甘やかさない方がいいですよ?あの人、甘える時は極端に甘えますから」

鹿島「……そうかもしれません」

禊「鹿島さんも、無理に甘やかさなくてもいいんですよ?」

鹿島「…でも私…………楽しいんです」

禊「楽しい?」

鹿島「こう……誰かが自分を頼りにしている時、私の事を頼ってくれた時、得も言われぬ喜びを覚えるんです!」

禊「」

鹿島「そして最後に、その人が私に『ありがとう』と言ってくれた時、私は達成感に包まれて……それが、楽しいんです」

禊「そ、そうですか………」

鹿島「はい♪」

禊(この人、ダメ人間製造機か)


【終わり】

800: 2016/02/29(月) 21:57:08.09 ID:blFREGSX0
今日はここまでにします。


>>731,>>757
  比叡、鹿島の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


ここで、800レスになりましたのでキリ番安価を取ろうと思います。

現在リクエストされている艦娘は、ドイツ艦娘(ビスマルク、Z1、Z3)、三日月、初霜ですので、これらの艦娘を書いた場合は無効となります。

800レス代では明石と禊の恋の行方を書くつもりですので、その点もご理解いただければと思います。

また、安価の範囲は、少し短めとします。

感想等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



2016年冬イベント『出撃!礼号作戦』終了。

>>1は全海域丙作戦で攻略。

このイベントで新たに仲間にした艦娘は春雨、清霜、初月、まるゆ、風雲、Zara、霞、満潮…駆逐艦6隻と言うこの有様…口リコン…?

ドロップは難易度で左右されると学びましたので、次のイベントでは乙作戦で挑もうかと思います。

皆さん、お疲れさまでした。



【艦これ】総司令部日和【その9】

引用: 【艦これ】総司令部日和