811: 2016/03/01(火) 21:09:31.57 ID:p3IWfDXp0
こんばんは、>>1です。



  それでは、投下していきます。

812: 2016/03/01(火) 21:19:39.72 ID:p3IWfDXp0
【口は災いの門】

 ―14時過ぎ、波止場―

長良「よーし、鎮守府到着!北方鼠輸送作戦、お疲れさま~」

皆『お疲れさま~』

長良「じゃあ、私は遠征の報告をしてくるから、皆は先に補給をして休んでおいてね~」

朝潮「あ、長良さん!」

長良「なーに?」

朝潮「あの、報告をした後って、長良さんが報告書を作成するんでしたっけ?」

長良「ああ、うん。そうだけど?」

朝潮「よろしければ、朝潮が報告書を作ってもよろしいでしょうか?」

長良「え?あ、私は別に構わないけど……司令官がОKを出せばいいんじゃないかな?」

朝潮「本当ですか!」

大潮(あー…なんか嫌な予感がするぞー……)


 ―数分後、執務室―

提督「報告書ですか?それは別に構いませんけど…」

朝潮「やった!」

提督「しかし、自発的に報告書を書きたいとは…珍しいですね。いや、朝潮さんならあり得るか…またどうして?」

朝潮「はい!いつかは私も、遠征で旗艦になって報告書を書く事があるやもしれませんから、その時のために練習しておこうと思いまして!」

提督「なるほど……」

朝潮「………………」

提督「分かりました。しかし、最初は長良さんのサポートをつけます。長良さんも、それで構いませんよね?」

長良「んー、大丈夫です!」

提督「では、朝潮さん。報告書を明日のヒトフタマルマル(12時00分)までに作成し、私の方へ提出してください」

朝潮「了解です!」ビシィ

提督「長良さん、サポートお願いします」

長良「はい!」ビシィ
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
813: 2016/03/01(火) 21:31:42.69 ID:p3IWfDXp0
 ―17時過ぎ、駆逐艦寮・朝潮&大潮の部屋―

長良「―で、司令官はこんな情報を知りたいわけだから、こういう事を書いてね…」

朝潮「つまり、こう書けばいいって事ですか?」カリカリ

長良「うん、そうそう。それで、今度はこう書いて~…」

朝潮「なるほど……」

大潮(やばいな~……これ、どうしよう…)


 ―翌日11時半過ぎ、執務室―

朝潮「昨日の遠征の報告書です!」スッ

提督「はい、では確認します」スッ

提督「…………………」ペラ、ペラ

朝潮&長良「…………」ドキドキ

提督「はい、大丈夫です。お疲れ様です」

朝潮「あ、ありがとうございます」

提督「しかし、長良さんのサポートが付いていたとはいえ、初めて書いたとは思えないくらい、読みやすく書かれていますねぇ…」

長良「あ、実はそれほとんど朝潮さんが書いて、私はほんと、アドバイスぐらいしかできなかったんですよ……」

提督「え、そうなんですか?」

朝潮「は、はい…」

提督「素晴らしい、上出来ですよ」

朝潮「きょっ、恐縮です!」


 ―数日後、執務室―

提督「と言うわけで、しばらくの間は駆逐艦の方にも報告書を書くのに慣れてもらうために、報告書を書いてもらおうと思います」

不知火「それは、遠征に出た艦娘の中から駆逐艦1人が、正規の報告書を作成する、という事ですか?」

提督「はい。ま、旗艦の方にもサポートをしてもらいますがね。またそれに伴い、これまでは駆逐艦の方だけの遠征は口頭報告だけで大丈夫としてましたが、

   これからは紙面の報告書も提出してもらいますので、お願いします」

大潮(ほらあああああああああああああ…)


【終わり】

814: 2016/03/01(火) 21:40:02.13 ID:p3IWfDXp0
【はかない夢】

 ―19時過ぎ、食堂―

清霜「うーん、間宮さんの料理って本当においしいね~」パクパク

早霜「…ええ、そうね…。ふふ」モグ、モグ

長波「あー、ご飯美味しいなぁ。ホント」

清霜「間宮さん、おかわり!」

間宮「はい、分かりました。それにしても、清霜ちゃんはいつもお代わりをするわねぇ」

清霜「うん、いっぱい食べて、大きくなって、戦艦になるんだ!」

間宮「そ、そう…」

清霜「ね!いっぱい食べて大きくなったら戦艦になれるよね、ね?」

早霜「…え、ええ……そうね」

長波「あー…うん、そうだな」

清霜「よし、清霜、戦艦になるために頑張ります!」パクパク


 ―翌日11時過ぎ、演習―

清霜「清霜がMVP?やったー!」

夕雲「おめでとう、清霜」

巻雲「着任して間もないのに、すごいですねぇ」

清霜「ふっふーん!これでもう、戦艦にふさわしい戦果と火力を持っているって事だよね!」

夕雲「え、あ、うん……」

巻雲「ええっと……そう、ですね」

清霜「ね、長門さんも、そう思いますよね!」

長門「あ、あー……そうだな。清霜が戦艦になれる日も近いんじゃないかなー…」

赤城「そ、そうですね……」

清霜「あー、早く戦艦になりたいな~」


夕雲(駆逐艦が戦艦に慣れるなんてことは無いのに…)

巻雲(清霜はそれを信じてならない……)

長波(だが、それを清霜に悟られてはならんよなぁ…)

早霜(…清霜、悲しむでしょうし……)

815: 2016/03/01(火) 21:52:38.52 ID:p3IWfDXp0
 ―19時過ぎ、食堂―

提督「駆逐艦は戦艦にはなれませんよ」

夕雲&巻雲&長波&早霜「」

清霜「え………嘘、なれない、の……?」

提督「はい、絶対に、なれません」

夕雲&巻雲&長波&早霜(どええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?)

清霜「」

夕雲「ちょ、ちょっと提督…!?気は確か!?」

長波「そ、そうだぜ!あんな、駆逐艦も戦艦になれると信じてやまない清霜に現実を突きつけるなんて、こいつ泣くぞ!」

提督「大丈夫でしょう。彼女、そんな神経持っていないでしょうし」

清霜「皆何気に清霜の事バカにしてない?」

早霜「…でも、どうして素直に言うのかしら?」

巻雲「司令官様…そう言った夢は壊さないような事を言う人かと思ってましたけど…」

提督「実現性のある夢に関してはそれを壊そうとは全く思いません。鳳翔さんが1人で料理店を開きたいと夢を語った時も壊そうなんて気持ちは毛頭ありません

   でしたし。ですが、清霜さんの抱いているような、実現する事があり得ない夢に関しては、早々に壊そうと決めておりますので」

長波「うわー……えげつない…」

提督「ですが、この方がショックは小さい方ですよ。そんな実現する事がない夢を抱いたまま成長して、何年何十年と経ってもその夢が実現しなければ、自分が

   抱いていた夢は全て単なる絵空事だったと自覚し、これまでの年月を無駄と感じます。ですが、今の清霜さんのように幼いころに芽を摘んでおくと、

   そのような絶望を味わわずに済むんですから」

夕雲「うーん……提督の言っている事にも一理あるんだけど……」

早霜「…合理的な分、反対意見を見つけにくいのよね、司令官の場合……ふふ、うふふふふふふふふふ」

長波「あー、でも提督の言う通りかもなー」

巻雲「う~ん…巻雲、難しくてわからないです」

清霜「あはは、やだなぁみんな~」

提督&夕雲&巻雲&長波&早霜「?」

清霜「そんな事言って、ホントはなれるんでしょ?駆逐艦も戦艦に」

提督&夕雲&巻雲&長波&早霜「」

清霜「そんな夢のない事言って、清霜を駆逐艦のままにしておきたいんだろうけど、そうはいかないよ~?清霜はこれからも、努力に努力を重ねて重ねて、

   五日戦艦になってやるんだから!」

提督「………………このポジティブさは、戦艦並みだと思いますがね」

夕雲&巻雲&長波&早霜「……………………」コクコク


【終わり】

816: 2016/03/01(火) 21:58:53.67 ID:p3IWfDXp0
【キャラクター紹介】

≪清霜≫

夕雲型駆逐艦十九番艦。艦娘No.210。灰色と紺色のツートンカラーの長い髪が特徴の、ポジティブな女の子。駆逐艦も大きくなれば戦艦になれると信じており、

ご飯は良く食べて、演習や出撃では敵をたくさん倒して、日々努力を重ねている。夕雲型の末っ子なので他の夕雲型の艦娘からは可愛がられていて、若干過保護

なところも少しある。憧れの戦艦は武蔵。屈託のない笑顔で、先輩の艦娘達からはとても可愛がられている。

好きな言葉は『大器晩成』。

822: 2016/03/02(水) 21:09:49.37 ID:tFv9F1Km0
【大人の魅力】

 ―20時半過ぎ、浴場―

如月「ふんふんふん~♪」

皐月「如月って、ホントに髪の手入れに手間かけすぎてるよねぇ」

如月「あらぁ、髪は女の命よ?皐月ちゃんも、もっと髪に気を遣った方がいいわよ~」

皐月「そんなもんなのかなぁ~?ボク、あんまり気にしてなかったから…」

如月「これからは、気を付けた方がいいわよ~?」

皐月「う~ん………」


 ―翌日6時半過ぎ、駆逐艦寮・睦月&如月の部屋―

如月「るるり~ららら~♪」

睦月「如月ちゃん!そろそろでないと、朝礼に間に合わないよ!?」

如月「もう、せかさないでよぉ。髪の手入れには時間を掛ける方なのよ、私」

睦月「気持ちは分からなくもないけど、そんな時間は無いよ!?」

如月「髪はデリケートだもの。丁寧にね~」

睦月「ああん、もう…!」


 ―7時過ぎ、講堂―

提督「で、遅刻ですか」

睦月「はいぃ…」

如月「うふふ~、ごめんなさいねぇ」

823: 2016/03/02(水) 21:18:53.21 ID:tFv9F1Km0
 ―8時過ぎ、食堂―

提督「遅刻も遅れによっては見逃す事もなくはないですが、今朝みたいな下らない理由は初めてです」

如月「司令官ったら…。下らないんて失礼ですよ?髪は女の命なんですから」

提督「別に貴女がおしゃれをどうしようが構いませんが、それで時間に遅れるようでは元も子もありません」

如月「司令官、大人な如月を見たくはないの?」

提督「別に髪を綺麗に整えたところでその容姿じゃ大人とは言えないでしょう」

如月「もう…デリカシーのない人……」

提督「デリカシーとか求められましても」

如月「でもぉ、こうやってぇ……」ズイ

提督「………………」

如月「近づいたらどうかしらぁ…?///」ズイズイ

提督「…………………」

如月「……………………///」

提督「………………………」

如月「……ごめんなさい、ちょっと恥ずかしい///」

提督「恥ずかしがっているようでは、まだまだ子供ですね」

如月「………////」

提督「大人になろうと背伸びをしている子供ですか……」

如月「せっ、背伸びなんてしてないもん!」

提督「やはり、子供ですね」


【終わり】

824: 2016/03/02(水) 21:28:14.50 ID:tFv9F1Km0
【AIBO】

 ―10時過ぎ、廊下―

提督「………………」スタスタ

まるゆ「……………………」ビクビクビク

提督「まるゆさん?」

まるゆ「ふわっ!?って、隊長…?」

提督「何をしているんですか、そんなところで?」

まるゆ「えっと……その……」

提督「?」チラッ


木曾「………………」スタスタスタ


提督「木曾さんがどうかしたんですか?」

まるゆ「えっと、その…お話ししたいんですけど、恐れ多くて………」

提督「別に気負う必要はないのでは?いつも一緒にいるはずですが、どうして?」

まるゆ「用もないのにお話しするのはどうかと思いまして……」

提督「木曾さんは別に、そんな事で気を損ねるような方じゃありませんよ」

まるゆ「そ、そっか……そうですよね。うん」

提督「では、行ってきなさい」

まるゆ「はい。木曾さーん!」


木曾『お?まるゆか。どうしたんだ?』

まるゆ『い、いえ。ちょっとお話ししたいなーって。お時間があればですけど…』

木曾『ん、いいぜ。どこで話そうか?』

825: 2016/03/02(水) 21:36:20.89 ID:tFv9F1Km0
 ―19時半過ぎ、食堂―

提督「やはり、木曾さんとまるゆさんもまた、過去の軍艦だった頃の因縁か、仲が良いですねぇ」

まるゆ「そうですね…あの時は急に『お前、何者だ?』って言われたり………。はぁ」

木曾「昔の事なんて気にしてもしょうがねぇだろ?」

まるゆ「そ、そうですよね!」

提督「まるゆさん、木曾さんといる事が多いですよね。もしかして、同じ潜水艦の子たちと馴染めていないとか?」

まるゆ「あ、いえ…そういう事は無いんですけど…」チラッ

木曾「?」

まるゆ「なんだか、木曾さんと一緒にいると、安心するっていうか………居心地がとてもいいというか…」

木曾「んなっ…そ、そんな恥ずかしい事言ってんじゃねぇ!///」

まるゆ「ふふっ、木曾さん顔が赤いですよ?」

木曾「馬鹿言ってんじゃねぇ!これは、あれだ!味噌汁が辛いんだよ!」

提督(言い訳にもなっていない…)

提督「まあ、お2人の中がよろしいのは良い事ですが……まるゆさん」

まるゆ「はい?」

提督「同じく陸軍出身のあきつ丸さんが親の仇でも見るような目でこちらを見ているので、たまにはあきつ丸さんにも構ってあげてください」


あきつ丸「………………」プルプルプルプル


まるゆ「…あ」


【終わり】

826: 2016/03/02(水) 21:41:54.04 ID:tFv9F1Km0
【キャラクター紹介】

≪如月≫

睦月型駆逐艦二番艦。艦娘No.32(改二はNo.235)。黒のロングヘアーと大きなの髪飾りが特徴の、色っぽい感じの女の子。髪の手入れには特に気を遣っており、

髪のセットのせいで朝礼に遅刻してしまうほど。大人っぽい……というか色っぽいイメージが強く、提督に対して色目を使う事もしばしば。しかし後になって、

恥ずかしがることが大半。同室の睦月とはとても仲が良い。前述のように提督によく色目を使っているが、当の提督は全く気にしていない。

好きな言葉は『女心と秋の空』。

832: 2016/03/03(木) 21:06:16.31 ID:s/tnTyZ+0
【激励の舞】

 ―9時過ぎ、駆逐艦寮・休憩室―

舞風「提督、今日は出張なんだっけ?」

野分「ええ。まあ、出張と言うよりは視察、かな。他の鎮守府の様子を見に行くって言ってたから」

舞風「そっかー。提督がいないと、なーんか面白くないからな~」

野分「あれ?もしかして舞風、提督の事が気になってるの?」

舞風「あ、いや、別に好きとかそう言うのじゃないよ?ただ、あの提督がいてくれると、適度に面白いっていうか…」

野分「ああ、確かに……。司令がいると、退屈しないし…」

舞風「あー、暇だな~。早く帰ってこないかな~。それじゃあ野分、帰ってくるまで踊ろうか!」

野分「えっ、ええと……昨日も踊ったから……」


 ―16時過ぎ、中庭―

舞風「ワン、ツー!ワン、ツー!」

野分「わ、わん、つー…わん、つー…///」

那珂「おーい、舞風ちゃーん」

舞風「あ、那珂先輩!どうかしたんですか?」

那珂「提督、帰ってきたよ。舞風ちゃん、提督のこと待ってたんでしょ?」

舞風「あっ、えーと…別に待ってたってわけじゃないけど…提督、執務室にいるんでしょ?」

那珂「え、うん。いるんだけどー……」

舞風&野分「?」

833: 2016/03/03(木) 21:15:12.34 ID:s/tnTyZ+0
 ―数分後、執務室―


提督「……………………………………………………………………………………はぁ」ズーン


那珂「あの通り」

舞風「」

野分「ええと、なぜあのような事に?」

那珂「なんかー、視察に行った先の鎮守府の提督がね、どうも神経を逆撫でするような言い草だったから、ほとほと疲れちゃったんだって」

野分「な、なるほど…………」

舞風「………ここは、舞風のダンスで元気をつけてあげよう!」

那珂「おぉ、頑張って!」

野分「でも、気を付けないと………」


舞風「提督ぅー、お疲れさま~!」

提督「……ああ、舞風さんですか。どうも」

舞風(うっわ……すんごい疲れてるなこれ)

舞風「えっと、だ、大丈夫?」

提督「ええ、何とか……くそ、あのバカ提督め……次あのようなまねをしたらどう始末してくれようか………」

舞風「えっと、提督?あの、何があったのか舞風には分からないけど……そんな、一つの事に囚われてちゃ、人生損しちゃうよ?そんな、思い出すのさえも

   嫌な相手の事をずっと考えるなんて、馬鹿馬鹿しいじゃない!ほら、そんなときは踊って気分転換だよ!」

提督「………………舞風さん…」

舞風「ほら、じゃあ舞風の踊り、見てて!さん、はい!」

舞風「ワン、ツー!ワン、ツー!ワン、ツー!ハーイ、ハイ!」

………

舞風「ふぅ………どうだった?」

提督「………ありがとうございます。少しだけですが、元気が出ました」

舞風「そっかー。よかった!じゃあ提督、今度は一緒に―」

提督「嫌です」

舞風「がくっ」


【終わり】

834: 2016/03/03(木) 21:25:46.56 ID:s/tnTyZ+0
【再びの独艦隊】

 ―13時過ぎ、休憩室―

ビスマルク「はぁ、大規模作戦も終わったわねぇ」

Z1「そうだね。でも、作戦を遂行させるのにかかったのは大体3~4日だけど、貴重な艦を探すために出撃したのが大体3週間ぐらいだから……」

Z3「長いのか短いのか分からないわね」

Z1「あはは……」

ビスマルク「でも、出撃した割に大した艦を仲間にできなかったのは、痛かったわね…。ただ資源を無駄にしただけじゃない」

Z3「でも、提督も出撃する海域を何度も見直して、東京急行にも遠征組を派遣したから、資源の回復も早かったわね」

Z1「うーん……これで、グラーフ・ツェッペリンとかプリンツ・オイゲンとかもドロップできたら万々歳だったんだけど……」

Z3「ないものねだりをしても仕方ないわ」

ビスマルク「それにしても……またイタリアの艦か……」

Z1「?どうかしたの?」

ビスマルク「イタリアのリットリオとリベッチオなんてあんなぽわぽわしているからつかみどころがつかめない上に、何かと私の事を頼ったりするから…。

      イタリアの艦って面倒な感じしかないのよ……」

Z3「まあ、戦時中のイタリアも面倒な立ち位置だったらしいし」

ビスマルク「そんなイタリアの艦がまた増えるなんて……………ああ、胃が痛い…」

Z1「大丈夫?胃薬持ってこようか?」

ビスマルク「ま、まあ。なんにせよ、今回の大規模作戦では私達は出撃しなくて、良かったかもしれないわね。無駄に疲れる心配もなかったし……」


 ―数十分後、執務室―

提督「他の鎮守府からの情報で、北海道北東沖に展開していた重巡棲姫傘下の深海棲艦が西方海域へ逃げ延びたようですので、貴女達3人には、この残党を

   見つけ出し、討伐してもらいたいのです」

835: 2016/03/03(木) 21:37:51.37 ID:s/tnTyZ+0
※Z1、Z3の表記はそれぞれレーベ、マックスでした。すみません。


ビスマルク「………はあ、どうして私達が?」

提督「貴女達は大規模作戦に参加しなかった故、疲労がたまっていない事と、編成上駆逐艦2隻を要するからですよ」

レーベ「つまり、僕たちが出撃するのはカレー洋って事?」

提督「ご明察です。その残党勢力をつけていた艦隊は、西方海域・カレー洋に向かっていったのを見たようですから」

ビスマルク「……ま、分かったわ。つまり、私を必要としてるって事ね?」

提督「言い方が若干アレですが、要はそういう事です」

レーベ「分かった、僕たちに任せて!」

マックス「大規模作戦で活躍できなかった分は、ここで挽回します」

提督「…ありがとうございます。残りの艦は、飛鷹さん、加古さん、雲龍さんでお願いします。なお、旗艦はビスマルクさんで」

ビスマルク「了解したわ。良い戦果を期待しててね?」

提督「お願いします」


 ―15時過ぎ、カレー洋・Fマス(敵潜水教導艦隊)―

ビスマルク「レーベ、マックス。南西のルートは潜水艦と会敵する可能性がとても高いルートよ。用心しなさい」

レーベ「分かった。爆雷の準備をしておくよ」ガシャン

マックス「了解、旗艦殿」

ビスマルク「飛鷹も、分かってるわよね?」

飛鷹「当然」バサッ

ビスマルク「潜水艦以外の艦種がいるかもしれないから、加古と雲龍は3人の後ろで、私と共に常時攻撃できる状態で待機」

雲龍「了解」

加古「おっけー」

ビスマルク「もっと覇気のある返事をなさい!」

加古「はい!」ビクッ

飛鷹「敵艦発見!感6!潜水ヨ級3隻、潜水カ級3隻!内、ヨ級1隻とカ級1隻はともにeliteクラス!」

ビスマルク「レーベ、マックス、飛鷹!貴女達の出番よ!」

レーベ&マックス&飛鷹「はい!」

836: 2016/03/03(木) 21:44:06.36 ID:s/tnTyZ+0
 ―数十分後、Hマス(敵空母機動部隊)―

ズドドドドドン

雲龍「行きなさい、六○一空隊!」ビシュシュシュシュッ

キィィィィィィィィィン

ズドゴオオオオン

軽空母ヌ級elite「ボブッ!」撃沈

軽空母ヌ級elite「ベベッ!」撃沈

空母ヲ級elite「グ……ッ」

レーベ「うわぁ、雲龍さんすごいね……空母2隻をあっという間に無力化した…」

マックス「改造してから、随分調子がいいみたいね」

ビスマルク「Feuer!」ズドゴォォォォオン

ボッゴオオオオン

軽巡ホ級FlagShip「ガアアアアア……」撃沈

加古「おお、カッコいいなぁ~」

ビスマルク「感心していないで、貴女もやりなさい」

加古「ほいほいっと。フォイア!」ドドオン

バゴッ

空母ヲ級elite「ガアアッ…!」撃沈

ビスマルク「よし、敵影無し!進軍するわよ!」

飛鷹「了解!」

チョンチョン

ビスマルク「?」


羅針盤娘「さあ、どこへ行きますか?」ニヤリ


全員「……………………」

837: 2016/03/03(木) 21:55:48.18 ID:s/tnTyZ+0
 ―数十分後、Dマス(東方主力艦隊)―

ビスマルク「びっくりした……あそこでここへ来れなかったらどうしようかと思っていたわ……」

マックス「まあ、来れたからいいんじゃないかしら?」

レーベ「ところで、敵の編成が微妙に違うね…」

雲龍「戦艦タ級に、軽巡ツ級elite……確認されていないのが混ざっている…。これが恐らく、残党組ね」

ビスマルク「なら、ここで潰しておくのが先決でしょうっ!Feuer!!」

ボフフフッ

軽巡ツ級elite「グゥ………」損傷軽微

加古「弾着観測射撃でも倒せない…流石ヘイトの権化、とでも言うべきかな」

レーベ「これはちょっと、苦戦しそうだね………」


 ―夜戦―

戦艦タ級FlagShip「ハァッ!!」ズドドドン、ドドドドン

ビスマルク「しまっ―」

雲龍「させないわ」ビュッ

ドゴゴゴン

ビスマルク「雲龍!」

雲龍「私の事はいいから……」中破

ビスマルク「雲龍…………うらああああああああああああ!!」ズダダダダダム

ボゴゴゴウ、ゴゴゴゴン

戦艦タ級FlagShip「グアアアアア…………」撃沈

ビスマルク「ふぅ……終わったわね」


 ―17時半過ぎ、執務室―

ビスマルク「以上で報告は終わりよ」

提督「お疲れ様です。では、前のように頭を撫でて差し上げましょうか?」

ビスマルク「もう私は子供じゃないわ。そんなのはいらない」

提督「そうですか。まあともかく、大規模作戦で出撃できなかったストレスが発散できたようで何よりです」

ビスマルク「え?」


【終わり】

838: 2016/03/03(木) 22:01:35.96 ID:s/tnTyZ+0
【キャラクター紹介】

≪舞風≫

陽炎型駆逐艦十八番艦。艦娘No.119。明るい金髪と軽い身のこなしが特徴の、明るい女の子。踊る事が大好きで、暇な時は踊ったり新しいダンスの振り付けを

練習したりしている。また、野分の事が大好きでいつも一緒にいる。野分が着任するまで、何度も『野分ちゃん来てほしい』とつぶやいていたため、周りの子

たちから少し気味悪がられていた。カツレツが好きで、足柄や香取、大淀のカツレツをよく食べている。

好きな言葉は『血沸き肉躍る』。

846: 2016/03/04(金) 21:20:40.87 ID:+Qbfa7nw0
【更生施設】

 ―10時過ぎ、執務室―

提督「遠征に失敗ですか……」

初霜「申し訳ございません……」

三日月「遠征前の演習で補給をするのを忘れてしまって……」

提督「真面目な御二方が……情けないというか…」

初霜「あうっ」ビクン

提督「………………もう少し、注意を払えばよかったものを…」

三日月「んんっ」ビクン

提督「………………失望しました(当然ながら本心ではない)」

初霜&三日月「はぁんっ」ビクビクン

提督「………………………」

初霜「もっと、もっと詰ってください…!」

提督「………………………………………………………………………………………………」


 ―19時過ぎ、食堂―

提督「あれ、相当ヤバいですよ」

司令長官「そうだねぇ。普段は真面目にやってるのに、君の前だとあの様だから…やっぱり、普段から真面目な子って色々溜め込んじゃってるんだよねぇ」

提督「他の鎮守府にも、あんなのは確認されてませんでしたし」

司令長官(まあ、キミのSっぽい言動が助長させてるんだけど…)

司令長官「それで、どうするの?あのままってわけにもいかないでしょ?」

提督「……あれはもう、私にはどうにもできません。スペシャリストに頼みましょう」

司令長官「スペシャリスト?」

提督「館山鎮守府の提督ですよ」

司令長官「ああ、彼ね」

847: 2016/03/04(金) 21:28:02.71 ID:+Qbfa7nw0
 ―数日後10時前、列車内―

ガタン、ガタン

提督「館山第質鎮守府の提督の実家は、寺院なんですよ」

初霜「そうなんですか?」

提督「ええ。その提督の両親が、見聞を広めるためにと、息子さんを海軍に入れたらしいです」

三日月「つまり、その方もお坊さん……という事ですか?」

提督「修行もしましたし、確かに僧侶ではありますね。それに、彼はまだ僧侶を辞めたというわけではありませんし」


 ―数十分後、館山第質鎮守府・正門―

提督「本日は、よろしくお願いいたします」

第質鎮守府提督(以下一角)「いえ、こちらこそよろしく」

提督「こちらが、館山第質鎮守府の提督、一角 正(いっかく まさし)さんです」

初霜「総司令部の初霜です。よろしくお願いします」

三日月「同じく総司令部の三日月です。よろしくお願いいたします」

一角「…この2人ですか?件の艦娘は」

提督「はい」

一角「なるほど……………」ジッ

初霜&三日月「?」

一角「………欲に塗れている目をしていますね」

初霜&三日月「」

提督「分かりますか」

一角「これでも、人を見る目はありますからねぇ」

848: 2016/03/04(金) 21:35:57.85 ID:+Qbfa7nw0
 ―数分後、執務室―

一角「ささ、どうぞこちらへ」ガラッ

初霜「…すごい、畳ばりの執務室何てうわさでは聞いていたけど、初めて見た…」

三日月「ホント……なんだか、いい匂いがする」

一角「畳は、リラックスさせる効果もありますから。日本人が好むのも納得です」サッ、サッ

一角「さ、どうぞお座り下さい」

初霜&三日月「失礼します」スタ

提督「失礼します」スタッ

一角「して、斑殿はこのお2人の更生をお願いしたい、とおっしゃられていましたが、具体的にこの2人は…」

提督「ぶっちゃけると、ドМになってしまいました」

一角「」

提督「実はこれこれしかじかで」

一角「なるほど……分かりました」

初霜「ちょっと待ってください!私達はMなんかじゃありません!」

三日月「そりゃ、司令官から怒られたり罵倒されたりしたらちょっとゾワゾワしたりムラムラしたりしますけど、Mってわけじゃ!」

提督「ご覧のとおりです」

一角「なるほど、重症ですね」

初霜&三日月「」

一角「しかし、これも欲に塗れた結果……座禅を試してみましょうか」

提督「座禅ですか」

一角「はい。あれが一番、心を研ぎ澄ます事ができるものですから。しばしお待ちを」スクッ

初霜「座禅って……あの、肩をビシッって叩かれる、あれ?」

三日月「多分………でも、司令官に叩かれるなら…」

提督「貴女達ちょっとは自重してくれませんか」

849: 2016/03/04(金) 21:47:58.92 ID:+Qbfa7nw0
 ―数分後―

提督&初霜&三日月「(座禅中)」

一角「はい、では目を閉じて……」

三日月「…………」スッ

初霜「…………」スッ

提督「…………」スッ

一角「改めて考えてみてください……」スタ、スタ

初霜「……………」

三日月「……………」

一角「貴女達は、過去の艦の記憶を得て、再びこの世に人間として生まれ変わった、我々人間とは異なる命………」

初霜「……………」

一角「その異なる命と人生は、いわゆる仏様から授かった、ありがたきもの………」

三日月「……………」

一角「そのありがたきものを、自ら傷つきたいという欲望で塗りつぶすことの、なんと愚かな事か………」


初霜&三日月「…………………………」


ベシィ!!

三日月「~~~~!」プルプルプル

一角「そのような欲望を抱いて生きていくより……清純なる恋をし、友と夢を語り合い、一杯の白米で腹を満たす……」

初霜「…………」

一角「そのように平坦に生きる方が……これからも、楽しくはないだろうか……」


初霜「……………………」


ビシィ!!

初霜「~~~~~!」プルプルプル

850: 2016/03/04(金) 21:57:16.68 ID:+Qbfa7nw0
一角「……自分の歪んだ欲望に従って生きていくと、いずれは身を滅ぼす……」

初霜&三日月「………」

一角「そのような、醜い欲望は切り捨て、これからを誠実に生きる…………」

初霜&三日月「………」

一角「それだけでも、この世に生を受けただけでありがたいものなのです………」


初霜&三日月「…………………」


バキィ!!

初霜&三日月「?」クルッ

一角「私の警策を防ぐとは……」

提督「すみません、ついやってみたくなってしまいました」

一角「まったく、これ結構高いんですよ…?」

提督「で、どうでしたか」

初霜「ええと………」

三日月「何て言いますか……今まで私達は、何をやっていたんだろう…って改めて思いました」

初霜「ええ……。そんな、提督にまで迷惑がられることをしてしまうなんて……艦娘として、恥じることです」

三日月「司令官、今まで申し訳ございませんでした」ドゲザ

初霜「これまでの、大変失礼な身の振る舞い、お許しください」ドゲザ

提督「いえ。それよりお2人とも」

三日月&初霜「?」

提督「お2人は大変真面目な性格ですから、何かとストレスが溜まってしまうものでしょう。ですが、ストレスが溜まってきたと思ったら、素直に吐き出して

   構いませんよ。私に話すなり、演習で発散するなり、大声を出すなり……そうでもしないと、また一角さんのお世話になってしまいますよ」

初霜「はい!」

三日月「分かりました!」

851: 2016/03/04(金) 22:05:35.90 ID:+Qbfa7nw0
 ―数分後(お茶タイム)―

一角「斑殿から聞きましたかな?私の実家は寺なんですよ」

初霜「はい、知っております」

一角「なら、私が親から見聞を広めるようにと言われて海軍に入った事も」

三日月「存じております」

一角「私は海軍の提督であるのと同時に、1人の僧侶…。そうやすやすと艦娘と肉体的関係を持ったりすることもできないわけですよ」

提督「男としては、相当痛いでしょうねぇ」

一角「ですから、私は海軍では欲から切り離された生活を送ってきました。セクハラなど一切せず、食事は腹八分、睡眠も最低限度と」

提督「ある意味で、生真面目すぎる提督ですねぇ」

初霜「でも、艦娘の方からアプローチを掛けられることもあるでしょう?その、金剛さんとか」

一角「ええ、ありましたよ。かなりの数。でも、自制心を持てば容易いものですよ」

提督「一角さんは、最低限の欲しか持っていませんよ。たとえば、大規模作戦でもただ全海域を攻略しようという欲だけしか持っていませんし、女性の方と

   性的な関係を持ちたいと思っても、邪淫をむさぼるような真似はしませんし。空腹を感じる事はあっても、暴飲暴食はしない…」

初霜「なるほど………でも、苦痛じゃありませんか?」

一角「確かに、苦痛ではありますよ。でも、欲を切り離せば、法を犯す事もありませんし」

三日月「?」

提督「俗にいう犯罪は、欲望を暴走させた結果とも言えますからね……」

一角「ですから、寺出身という事も、欲を切り離すという事も、私にとってはあまり苦ではありませんよ」

初霜&三日月「…………」

852: 2016/03/04(金) 22:13:39.78 ID:+Qbfa7nw0
 ―16時過ぎ、帰り道道中―

初霜「なんだか、変わった方でしたね………」

三日月「そうだね…あれが僧侶なのかな…」

提督「ですが、彼の鎮守府はこれまで一度も法規を破ったりせず、不祥事を起こしたこともない。ある意味、日本人の中の日本人ですね」

初霜「確かに………」

三日月「うん………」

提督「まあなんにせよ、貴女達が元の性格に戻ってくれてよかったです。元の、真面目な性格に」

初霜「ええ、自分でもバカなことをしていたなぁ……と」

三日月「そうですね……提督も、迷惑がられていたのに、自分の欲望を優先させてしまって……」

提督「これからは、もうこのような事のないようにしてください」

三日月&初霜「はい!」


 ―数日後14時過ぎ、第拾参鎮守府執務室―

禊「す、すみません…瑞理さんは今その……」

提督「……意味深な方の夜戦中ですか」

禊「………はい」

提督「あいつにも、一角さんの座禅をさせた方がいいか」

禊「はい?」

提督「いえ、何でもないです」


【終わり】

853: 2016/03/04(金) 22:18:22.77 ID:+Qbfa7nw0
【キャラクター紹介】

≪初霜≫

初春型駆逐艦四番艦。艦娘No.78(改二はNo.219)。黒く長いロングヘアーと、ソプラノの高い声が特徴の、生真面目な女の子。初春型(主に子日と若葉)の

暴走のストッパー役を務めている。デスクワークはそつなくこなし、機嫌もちゃんと守る。が、普段の生真面目な性格とストレスが原因で、性格が少し歪み

ドMな性格になる。現在は一角提督の修行によってドMと言う性格は直った。

好きな言葉は『桃栗三年柿八年』。

854: 2016/03/04(金) 22:22:05.62 ID:+Qbfa7nw0
≪三日月≫

睦月型駆逐艦十番艦。艦娘No.37。黒いストレートの髪とアホ毛、金色の瞳が特徴の、真面目な女の子。個性豊か過ぎる睦月型の中ではとてもまともな方で、

暴走気味になったら軌道修正の役目。同じく真面目な初霜とよく一緒にいて、デスクワークも肉体労働もそつなくこなす。しかし、その性格と日々のストレスで

ドMな性格になってしまった。初霜と共に一角提督の下で修業し、元の性格に戻る。

好きな言葉は『前途洋々』。

855: 2016/03/04(金) 22:27:10.60 ID:+Qbfa7nw0
≪一角 正(いっかく まさし)≫

関東・館山第質鎮守府提督。性別は男性で、年齢は32歳。実家が寺で、彼自身も僧侶。両親から『見聞を広めるように』と勧められて海軍に入り、提督の適性

試験に合格して提督となる。必要以上の欲を切り離すよう心がけており、暴飲暴食、邪淫、惰眠などもってのほか。そのせいかこれまで放棄を破る等の不祥事は

これまで起こした事が一度もない。週1~2回のペースで、艦娘にも座禅を組ませている。噂かと思われていた畳ばりの執務室を地でやっている。

好きな言葉は『臥薪嘗胆』。

863: 2016/03/05(土) 21:08:15.92 ID:5T7K2ISq0
【ある恋の終着点】

 ―16時過ぎ、第壱拾参鎮守府付近商店街―

瑞理「まったく、禊君も明石ちゃんも奥手すぎるんだよ。あれから全然進展がない」

金剛「What?あれ、とは?」

瑞理「バレンタインデーの時の事だよ。明石ちゃん、禊君に手製のチョコレート作ってたって、夕張ちゃんから聞いたし…大淀ちゃんと話してるときも、

   どーこか浮かれてる感じがしてたから…。多分明石ちゃんも、禊君の事が好きなんだろうね」

金剛「Oh…で、無事明石サンはchocolateを渡せたんでしょうか?」

瑞理「渡せたらしいよ?禊君、嬉しそうだったから」

金剛「それは良かったデスネー!でも…それから進展がないんデスカ?」

瑞理「そうなんだよねぇ…。何か、きっかけか何かでも上げられればいいんだけど、禊君も明石ちゃんも奥手過ぎて……」

サーサーイラッシャイイラッシャイ

瑞理「?」

金剛「福引デスネー」

瑞理「あ、そう言えば福引券貰ったっけ」

金剛「頑張ってくださいネー!ところで、一等の景品は何でしょうカ?」

瑞理「えーっと…………おっ」

金剛「テートク?」

瑞理「………久々に、最強の雪風提督の力を使おうか」

金剛「??」

864: 2016/03/05(土) 21:16:52.29 ID:5T7K2ISq0
 ―数十分後、執務室―

禊「えっ、福引で一等惹いたんですか!?しかも一回で!?」

瑞理「そうそう。どんなもんだね」

禊「すごいです!流石は最強の雪風提督ですね!それで、景品は何だったんですか?」

瑞理「山梨の温泉旅館ペア宿泊券」

禊「へえー……それで、瑞理さんは誰と一緒に行くんですか?」

瑞理「え、何言ってんの?」

禊「え?」

瑞理「君が、明石ちゃんと、2人で、行くに決まってんじゃん」

禊「……………………………………ええええええええええええ!!?」

瑞理「」キーン

禊「ななな、何言ってんですか!?無理ですってそんな事!」

瑞理「はぁ、これだから………」

禊「無理ですよそんな……2人で旅行とか……」

瑞理「僕が何のために、福引で最強の雪風提督の力を使ってまで一等を引いたと思ってるの?」

禊「俺の為だったんですか!?」

瑞理「そうだよ。だって2人ともバレンタインからまるっきり進展が無くて、見ててまだるっこしく感じてたんだもの」

禊「それは………」

瑞理「そんな2人にチャンスを与えようかと」

禊「むぅ……でも、明石さんが一緒に来てくれるかなんて……」

瑞理「まずは誘ってみなって。それで、多分明石ちゃんは受けると思うよ」

禊「どうしてですか?」

瑞理「さあね?」

865: 2016/03/05(土) 21:22:54.17 ID:5T7K2ISq0
 ―18時過ぎ、工廠―

明石「あ、禊君……。ずいぶん遅かったね、何かあったの?」

禊「い、いえ…別に…」

明石「ふ~ん?」

禊(明石さんも別に、バレンタインの時から何も変わっていないみたいだし……やっぱりあのチョコって、義理なのかな)

明石(普通に話すだけでもう限界!あー…恋をすると世界が変わるってホントだったのか~…!///)

禊「あ、あの……明石さん」

明石「な、何?//」

禊「ええと…その、折り入って頼みがあるというか……」

明石「?」

禊「それが、ですね……瑞理さんから、その……」

明石「提督から、何?」

禊「……温泉旅行のペアチケット、いただきまして……」

明石「……えっ」

禊「よろしければ……ご一緒に……」

明石「!!///」

禊「な、なんて、ご迷惑でしたよね…。あはは、すみません、忘れて―」

明石「待って!」

禊「は、はいっ!」

明石「……その、いいよ//」

禊「へ?」

明石「一緒に、温泉旅行……行こ?///」

禊「!!はっ、はい!」

禊(マジか!?)

明石(あああああああああああああ……恥ずかしいいいいい!)

866: 2016/03/05(土) 21:32:19.09 ID:5T7K2ISq0
 ―20時過ぎ、執務室―

瑞理「ね?大丈夫だったでしょ?」

禊「は、はい………いや、しかしやってしまった………」

瑞理「何を?」

禊「一緒に温泉旅行なんて……もはやカップルのする事じゃないですか……!!」

瑞理「いや、君たちのいままでの行動カップルに見えるよ?しかも、バカップルの類の」

禊「そ、それに泊りがけでしょ!?その、だから………」

瑞理「?」

禊「理性……保つかなって………」

瑞理「何言ってるのこのヘタレが!っていうか、いい加減男ならびしっと決めろ!」

禊「えええっ!?」

瑞理「いいかい…もし今回の旅行で告白とか進展が無かったら、君の給料30%ダウンね」

禊「そんな横暴な!!」

瑞理「それぐらいの覚悟を持って行くんだ。それじゃなきゃ男が廃るってものだよ」

禊「うう………」


 ―数日後7時前、第壱拾参鎮守府正門―

瑞理「じゃ、行ってらっしゃい」

夕張「明石さん、留守中は私が頑張りますから、お休みをごゆっくり満喫してきてください!」

明石「う、うん。お願いね……」

禊「では、行ってきます………」


瑞理「さーってと、禊君は男を見せられるかな?」

夕張「どうでしょうねぇ…。禊さん初心ですから……ところで、ついていったりしないんですか?」

瑞理「まさか。僕は他人の恋路を邪魔する趣味は持ち合わせていないからねぇ」

夕張「あー、それにしても温泉か~。私も行きたかったな~」

瑞理「君がいないと工廠が完全に機能停止しちゃうから…」

867: 2016/03/05(土) 21:38:25.14 ID:5T7K2ISq0
 ―8時過ぎ、道中列車内―

ガタン、ゴトン

禊「い、いやぁ……まさか、温泉旅行に行けるなんて、思いもしませんでしたよ~……」

明石「そ、そうだね…。あー、提督には感謝しないとね~」

禊「ほ、ホントですねぇ……あははは……」

禊(滅茶苦茶気まずいぞ!そりゃ、あんな変な誘い方したら絶対怪しいと思われるわ!ああああ………)

コツン

禊「?」

明石「すぅ………すぅ………」

禊「あ、明石さ―//」

明石「み、そぎ……くん………」

禊「………いつも仕事で、疲れちゃってたのかな………」

禊「……お疲れ様です」ナデナデ

明石「んんぅ………」モゾモゾ


 ―数時間後―

明石「ふぁ………」モゾッ

禊「あ、起きました?」

明石「あれ、私……あっ!」

禊「え?」

明石「ご、ゴメン!寄りかかっちゃって!」

禊「いえ、別に大丈夫ですよ」

明石「ゴメンね、ホントに…。重くなかった?あ、涎とかない!?」

禊「いえいえ、大丈夫ですって。重くありませんでしたし、寝顔可愛かったですし」

明石「…………………そ、そう」

禊(あれ?)

868: 2016/03/05(土) 21:45:27.02 ID:5T7K2ISq0
 ―数十分後、駅―

禊「さて、ようやく着きましたねぇ」

明石「そ、そうだね……///」

禊「?明石さん、大丈夫ですか?」

明石「い、イヤ何でもない!」

禊「疲れているようでしたら、一回どこかで休んで…」

明石「だ、大丈夫!大丈夫だから、早く旅館へ行こう!」

禊「は、はい………」

禊(急にどうしたんだろう?吹っ切れたのかな?)


 ―さらに数十分後、旅館玄関―

禊「いやー…やっと着いた……」コキコキ

明石「はー…随分立派な旅館だねぇ~……」

従業員「いらっしゃいませ。ご予約の方でしょうか?」

禊「あ、はい。予約した禊と言います」

従業員「お待ちしておりました、禊様」チラッ

明石「?」

従業員「……もしや、ご夫婦でしょうか?」

禊&明石「ちっ、違います!!」

従業員「おや、失礼しました…。お2人とも、仲が良さそうでしたので………」

禊「あはは…そんなんじゃありませんってぇ~……」

明石「そ、そうですよぉ……」


 ―客室―

従業員「では、ごゆっくり…」パタン

禊「いやー、結構広い部屋ですねぇ」

明石「そうだね…。私たち2人じゃ、ちょっと広いかも…?」

禊「これで2人用っていうんですから、驚きですよね~」

869: 2016/03/05(土) 21:54:46.60 ID:5T7K2ISq0
禊「さて、どうしましょうか?市街地の方へ行っていろいろ見ますか?それと、旅館で少し休みますか?」

明石「うーん……。明日はあまり時間もかけずに帰りたいし、今はまだ昼前だし、市街地へ降りよ?」

禊「分かりました」

明石「エスコートは、任せたよ?」

禊「…は、はい!///」


 準備をした後2人は市街地へ降りて、料理店で昼食を食べた後、街を歩いて観光を楽しんだ。たまに史跡を見たり、土産物店を覗いて鎮守府の皆へのお土産を

一緒に選んだり……。

 そして旅館へ戻るころには、18時を過ぎていた。


 ―18時過ぎ、客室―

禊「いや~…意外と時間かかっちゃいましたね……」

明石「そうだねぇ。でも、お土産も買えたし、写真もいっぱい撮れたしよかった~」

禊「明石さんがスイーツ食べたいって駄々をこねてなければ……」

明石「い、いいじゃない!美味しそうだったんだもの!」

ガララッ

従業員「失礼いたします」

禊「あ、はい」

従業員「お食事の準備ができましたので、ご案内させていただきます」

禊「あ、もうそんな時間ですか…分かりました」

従業員「では、こちらへどうぞ」


従業員「市街地の方では、お楽しみいただけましたか?」

禊「ええ、お土産も買う事ができまして…」

明石「スイーツもおいしかったです」

従業員「それはよかった…。何分、今は戦争中で…皆さんどこか沈んでおられましたから…」

明石「あ……」

870: 2016/03/05(土) 22:01:56.20 ID:5T7K2ISq0
従業員「ですから、お客様に楽しんでいただければ、私達はそれで嬉しいんです」

禊「…………………」


 ―数分後、食事処―

禊「…美味しいですね」

明石「そうだね~。間宮さんや鳳翔さんの料理に引けを取らないくらい!」

禊「いえ、あの2人と比較するのはまた違うと思いますけど…」

禊(それにしても…)クルッ

瑞理『今はオフシーズンだから人も少ないし、気兼ねなく楽しめると思うよ~』

禊(確かに今はオフシーズンなんだろうけど、やっぱり戦争中って事もあるから、輪を掛けて少ないなぁ…)

明石「?禊君、どうかしたの?」

禊「え、いや、別になんでもないですよ?」

明石「?」


 ―20時前、客室―

明石「あー、お腹いっぱいだね~」

禊「そうですねぇ……」

明石「でも………」

禊「?」

明石「今は戦争中っていうのを聞いて、私達は改めて、最前線で戦ってるんだって思い出した……」

禊「あ………」

明石「私達、本当は鎮守府で皆と共に戦うべきだっていうのに…今ここにいて………」

禊「いえ、明石さん」

明石「?」

禊「今日だけは、戦いの事を忘れちゃっていいんですよ。戦いにだけ身を任せているといつか、今日みたいな平和な日を過ごす事ができなくなってしまいます」

明石「………」

871: 2016/03/05(土) 22:11:16.54 ID:5T7K2ISq0
禊「戦争が終わって平和になっても、今日みたいな日を思い出す事ができなければ戦いから抜け出す事ができなくなります…。ですから、今日みたいな平和な

  日も過ごした方がいいんです」

明石「……そうだね。うん」

禊「では、この話はおしまいにしましょう」

明石「…じゃ、温泉に入ろうか。今回の旅行の目玉」

禊「あ、そう言えばそうでしたね…。なんか、市街地散策で目的達成しちゃった雰囲気になってましたからね…」

明石「あはは。確かにあれも楽しかったね~」


 ―数分後、温泉前―

禊「じゃあ、一時間後にまた部屋で」

明石「うん、分かった。それじゃあ」

禊「はい」

禊(混浴じゃなくてよかった………。いや、よかったのか…?)

明石(混浴じゃなくてよかった~………。あれ、よかったのかなぁ…?)


 ―浴場、男湯―

禊「はー……」ザバー

禊「なんか、鎮守府だとあまり広くない風呂だったから、なんかこう言うの新鮮だな~……」

禊「ぶあー……結構色々な種類あるな~……」


 ―同時刻、女湯―

明石「………………」チャプ

明石(いけない……どうしても、禊君の事が頭から離れない……///)

明石(これったやっぱり……恋なんだよねえぇ………)

明石(ああ、この想い……どうすればいいんだろう……)

872: 2016/03/05(土) 22:18:51.13 ID:5T7K2ISq0
 ―21時過ぎ、客室―

禊「やばいやばい……ちょっと入り過ぎた……」ガラガラッ

禊「すみません!遅れてしまいました!」


明石「あ、ううん?私も今上がってきたところだから…」←浴衣


禊「……!!」

明石「?禊君、どうかしたの?」

禊「…浴衣姿の明石さん、すごい綺麗です」

明石「うええっ!?そ、そう……………あ、ありがとうね///」

禊「そ、それで明石さんは、何を?」

明石「え、ああ、うん。その、星をね………」

禊「星?」スタスタ

禊「うわっ……すごくきれいですね………」

明石「でしょ?山の中腹あたりだから、空気が綺麗なんだよね~」

禊「すごい……鎮守府でもこんなに澄んではいませんでしたもんね………」

明石「本当だよね……ああ、見とれちゃうね……」

禊「そうですね……」

明石「……えっと、さ。禊君」

禊「はい?」

明石「ちょっと、変なこと聞いちゃうけど……///」

禊「なんでしょうか?」


明石「私と、この満点の星空…。どっちが綺麗?」


禊「………えっ、ええっ!?い、いきなり何を…………///」

明石「…お願い、正直に答えて///」

禊「あ、はい………」

明石「……………………///」ドキドキドキドキドキ

873: 2016/03/05(土) 22:29:31.01 ID:5T7K2ISq0



禊「…明石さんの方が、断然……ずっと……綺麗です///」


明石「!!」

禊「………うああああ………恥ずかしいいいいいいいいいいいいい………!///」

明石「…………//////」

禊「いや、本当にすみません!なんだか、気持ち悪い事言っちゃって…!機嫌を損ねてしまったんでしたら、本当にすみませんでした!」

明石「…………//////」

禊「え、ええっと……明石さん?」

明石「……ありがとう。すごい、嬉しいよ///」ニコッ

禊「え、ああ…どうも………///」

明石「………ねえ、禊君」

禊「はっ、はい?」

明石「禊君が私達の鎮守府に来てから、もうだいぶ経つよね………」

禊「えっ、ああ~…そう、ですね。大体、5カ月ぐらい…ですか?」

明石「そうだね。大体そのくらい。それで、私と一緒に仕事をしてきたよね……」

禊「…はい」

明石「…そうして仕事をしてるうちにね、君の事が色々分かったよ」

禊「?」

明石「君は、私達艦娘の事を人間と差別せず優しく接してくれて、私の事を気遣ってくれて、さっきみたいに私の事を綺麗って言ってくれて………」

禊「………」

明石「私、そんな事を言われたの、提督のほかには貴方が初めて」

禊「………明石さん」

明石「禊君……私ね………」

禊「………はい」

874: 2016/03/05(土) 22:30:35.92 ID:5T7K2ISq0





明石「………君の事が、好き。…………………大好き///」





875: 2016/03/05(土) 22:36:31.68 ID:5T7K2ISq0
禊「……………………」

明石「君の答え……聞かせて下さい///」

禊「……………………」

明石「…禊君?」

禊(えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?)

禊(嘘、今、マジで、え、えええ!?)

明石「禊くーん?」

禊「明石さん!?」

明石「はっ、はい!」

禊「いま、何とおっしゃいましたか?」

明石「……だから、君の事が…………だ、大好き……です///」

禊(ウソだろマジか)

明石「で、君の答えは………?」

禊「…………明石さん」

明石「……はい」

禊「俺は、明石さんの言う通り、5カ月ほど前から一緒に工廠で仕事をしてきました」

明石「……うん」

禊「そこで、俺は明石さんの色々な面を見てきました」

明石「……面?」

禊「皆の為に努力を惜しまず、また一方で俺みたいなやつの面倒をしっかり見てくれて、料理も得意で、笑顔も可愛くて……」

明石「かっ、かわっ……///」

禊「……それで、つまりですね……」

明石「………………………………」

876: 2016/03/05(土) 22:37:31.57 ID:5T7K2ISq0





禊「俺も、明石さんの事が好きです!………愛しています!」





877: 2016/03/05(土) 22:43:04.56 ID:5T7K2ISq0
明石「………!///」

禊「これが………俺の答え、です」

明石「………」グスッ

禊「あ、明石さん?」

明石「…よかった……」グスッ

禊「え、明石さん…?」

明石「……………………私が君の事を好きっていえたのも、君が私の事を好きだって言ってくれたのも……まとめてうれしくて……!」

禊「………明石さん」

明石「私……すごく、嬉しい……っ!」ギュッ

禊「明石さん………!」ギュッ

明石「いいよ……私、君となら……これからも……ずっと!」

禊「明石さん……」グイッ

明石「あっ…………………」


チュッ


明石「んっ………」

禊「……告白は、俺からできませんでしたから………ね」

明石「……そっか。ふふっ………じゃあ………///」スルッ

禊「なっ……あ、ああ……」

明石「夜戦の方は、私から………ね♪///」パサッ

禊「~~~~~~~~!!!///」

879: 2016/03/05(土) 22:49:23.17 ID:5T7K2ISq0
 ―翌朝6時過ぎ―

禊「………………」ムクッ

明石「……おはよ」

禊「………昨夜は………その………」

明石「初めてだったって割には、気持ちよかったよ♪///」

禊「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」ブンブンブン

明石「私達……1つに慣れたんだよね………」

禊「……はい」

明石「あ、でも一つ思ったんだけど…………」

禊「はい?」

明石「……整備員と艦娘の婚姻て、認められてたっけ」

禊「こん…っ!!」

明石「あれ、しないの…?」ウルッ

禊「そりゃ……しますけど………」

明石「ふふっ。でも、鎮守府の人間とはいえ、整備員と艦娘の結婚はおろか恋愛って、前例がないから、認められるか………」

禊「…どうでしょうね……。あの、斑さんが認めてくれるかどうか、分からないですもんね……」

明石「ま、あれこれ考えるよりも、まず起きよう」ガバッ

禊「……あの、もうちょっと恥じらいを……///」

明石「もう…夜戦までしたんだから、別に恥ずかしがらなくても…」

禊「うああああああ………俺は気にするんですっ!」


 ―帰りの列車内―

ガタン、ゴトン

禊「…絶対、瑞理さんから根掘り葉掘り聞かれますよね」

明石「うん……でも、正直に話した方がいいよ。じゃなきゃ、面倒な事になる気がするから」

880: 2016/03/05(土) 22:55:05.17 ID:5T7K2ISq0
 ―15時過ぎ、第壱拾参鎮守府・執務室―

瑞理「いやぁ~、まさかキミたちがそこまで進展するとは思わなかったよ~」

禊&明石「…………///」

瑞理「で、これからはどうするの?結婚するの?ガチの方」

禊「……俺は、したいと思っています///」

明石「私も……///」

瑞理「まあ、僕は反対しないよ。ただ、それはなるべく戦争が終わってからにしてほしいし、それに総司令部のあの冷血男が許すかどうかだけど」

禊「やっぱりそれがネックですよね……」


 ―数日後14時前、第壱鎮守府・執務室―

提督「別に構いませんよ?」

禊&明石&瑞理「えっ」

提督「確かに、整備員と艦娘の結婚という前例はありません。ですから、お2人にその第一歩を飾っていただきたいのです。それに、お2人の熱愛っぷりを見て

   無残に引き裂くなんてことはできませんから」

明石「そ、それじゃ……!」

提督「はい、おめでとうございます」

禊「やった……やりましたよ、明石さん!」

明石「うん、やったね!私、幸せ~!」

提督「まあ、それには深海棲艦との戦争を終わらせなければなりませんがね」

瑞理「そう、そうだよね」



瑞理「さてと、お2人の仲が良いうちに頑張らなきゃね」


【終わり】

888: 2016/03/09(水) 21:09:45.87 ID:v/VefRAf0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました満潮、護衛要塞の話を書いていきます。

>>883,>>885,>>887
  禊&明石、春雨、大鳳、了解しました。

それでは、投下していきます。

889: 2016/03/09(水) 21:17:55.25 ID:v/VefRAf0
【つっけんどん】

 ―14時前、執務室付近―

満潮「まったく……長良先輩ってば…」

長良『筋肉痛で動けない……悪いけど代わりに報告書出してきて~…』

満潮「何のために毎日トレーニングしてんのかしら……」

ワイワイ

満潮「?」


提督『確かに、整備員と艦娘の結婚という前例はありません。ですから、お2人にその第一歩を飾っていただきたいのです。それに、お2人の熱愛っぷりを見て

   無残に引き裂くなんてことはできませんから』

明石『そ、それじゃ……』

提督『はい、おめでとうございます』

禊『やった……やりましたよ、明石さん!』

明石『うん、やったね!私、幸せ~!』


満潮「?何の話をしてんのかしら……」


 ―数分後―

提督「ああ、あれですか。第壱拾参鎮守府の整備員の方と明石さんが、婚約なさるという事でその相談に」

満潮「こ、婚約!?それって、ガチの方!?」

提督「ええ」

満潮「ふ、ふーん……。で、あんたはそれを認めちゃっていいの?」

提督「認めざるを得ないでしょう。あんなにお互い愛し合っているというのに、『前例がないからダメです』なんて言葉で切り捨てるわけにもいかないですし。

   前例がないからこそ、あの2人には前例になってもらいたいと思ったのです」

満潮「結局、前例が欲しかったから?祝おうって気はなかったの?」

提督「ないわけがないでしょう。私はそこまで冷酷ではありません」

満潮「冷酷って自覚はあるのね…」

提督「ありますよ」

満潮「……………………ねぇ」

提督「なんでしょうか?」

890: 2016/03/09(水) 21:23:39.98 ID:v/VefRAf0
満潮「あんたはさ、その、結婚する気とかあるの?」

提督「それはカッコカリの方ですか?それとも、カッコガチの方ですか?」

満潮「……両方よ」

提督「そうですねぇ……。まあ、カッコカリする気は今のところありますが……」

満潮「っ」

提督「カッコガチの方は、まだ考えてはいませんね」

満潮「………あっそう」

提督「して、満潮さんがそんな事を聞くとは…珍しいですねぇ。どうかしたんですか?」

満潮「べっ、別に!ただの興味本位よ、興味本位!ほら、さっき整備員と艦娘がケッコンカッコガチするっていうから!それでなんとなくね!」

提督「………まあ、そういうことにしておきます」

満潮「むきー!」


 ―数日後11時過ぎ、執務室―

提督「さて、そろそろ寮の巡視に向かいますか………」チラッ

提督「雨が降ってきそうですし、早めに行ってしまおう」ガタッ


 ―数分後、通用口―

ザー、ザー

提督「……まさか、この数分でここまで降るとは……」

提督「仕方がない、傘を取りに帰ろう」

??「あっ、司令官……」

提督「?」クルッ

891: 2016/03/09(水) 21:30:15.89 ID:v/VefRAf0
満潮「……何してんの」

提督「これから駆逐艦寮へ巡視に向かおうとしたんですが、雨が突然降ってきましたので傘を取りに戻ろうと」

満潮「……そ」

提督「では」スタスタ

満潮「ま、待ちなさいよ!」

提督「?」ピタッ

満潮「その…さ。私、今傘持ってるし、駆逐艦寮に戻るところだからさ……」スッ

提督「………」

満潮「は、入っていきなさいよ!」グイッ

提督「……満潮さんの背では、背伸びをしなければならないでしょう」スッ

満潮「なっ、ちっちゃくないし!」

提督「私が差します。行きましょう」バサッ

満潮「………ん」

提督「しかし、最近満潮さんは妙に丸くなったと言いますか………どういう心境の変化です?」

満潮「……あんたには、分かんないわよ」


 ―同時刻、廊下の窓―

司令長官「んー?満潮君、黎明君にやけに積極的だねぇ」

荒潮「そうねぇ。満潮ちゃんも、やーっと優しくなれたって事ねぇ~」

司令長官(ただ…このまま黎明君と満潮君がゴールインすると、Sが2人に増えて余計に儂の風当たりが悪くなるんだよなぁ~…)


【終わり】

892: 2016/03/09(水) 21:32:19.90 ID:v/VefRAf0
俺の名は護衛要塞。深海棲艦の一種だ。


まさか、この俺にスポットライトが当たるとは思わなかった。


しかしいい機会だ。俺の事を少しでも知ってもらいたい。


そんなわけで、行ってみよう。

893: 2016/03/09(水) 21:44:05.43 ID:v/VefRAf0
【どことなくたこ焼に見えるアレ】

 ―15時過ぎ、北方AL海域・Fマス(北方AL泊地)―

北方棲姫「カエレッ!」バシュッ

ドッゴオオオン

翔鶴「きゃああっ!?」中破

瑞鶴「翔鶴姉!この…っ!」

護衛要塞「ギシシシッ!」ドゥーン

バゴォ

瑞鶴「あっ…!?あいつ!」中破

 俺の配属されている場所は、北方AL海域。特別海域(エクストラオペレーション)だ。菱餅やら秋刀魚やらで、ここに来た人も大勢いるだろう。

その北方AL海域の、北方AL泊地が、俺のテリトリーだ。いや、‶俺の‶テリトリーってわけじゃないか。

北方棲姫「護衛要塞、お疲れさま」

護衛要塞「いえ、これしきのこと」

 この人は俺の直属の上司にあたる、北方棲姫。深海棲艦の中でも上層部に位置する、姫級の1人だ。見た目は完全に口リ……子供だが、侮るなかれ。彼女の

能力はそんじょそこらの深海棲艦とはまるで違う。戦艦タ級なんて目じゃないくらいだ。

 ただ……

北方棲姫「うーん……戦ったらお腹減った……たこ焼、食べさせて」

護衛要塞「だ・か・ら!俺は護衛要塞でたこ焼じゃありません!そんで俺は食えませんから!」

北方棲姫「またまた、そんな事言って。知ってるぞ、護衛要塞の中にはタネとたこ焼が入ってるんでしょ?」

護衛要塞「生々しいわ!」

 こんな感じでどこか抜けている。というか、俺の事をたこ焼と言うのはもう何度目かもわからない。

 ちなみに、俺は一度艦娘達に食べられ…鹵獲されかかった事がある。なんか、赤い袴の空母艦娘で………トラウマが蘇ってきた。思い出すのはよそう。

894: 2016/03/09(水) 21:56:02.03 ID:v/VefRAf0
 ―19時過ぎ、深海棲艦本拠地―

北方棲姫「ただいまー!」バァーン

護衛要塞「ただいま戻りました」

泊地水鬼「あ、お帰りなさい……遅かったですね」

護衛要塞「いや~、定時間際で艦隊が攻めて来ましてね~………」

 ここが深海棲艦の本拠地。俺たち深海棲艦は夜になると持ち場(海域)を離れてここに戻ってくる。と言っても、海域を留守にしているわけじゃない。

それなりに腕利きの奴を残しているんだ。たとえば、今俺たちのいた北方AL海域には空母ヲ級改Flagshipと戦艦ル級改Flagshipがいる。

北方棲姫「今日の夕飯何ー?」

泊地水鬼「あ、今日はハンバーグです…」

北方棲姫「やったー!ほっぽ、ハンバーグ大好き!」

泊地水鬼「そう…よかったです」

 この人は泊地水鬼さん。去年の春に初陣を飾ったものの、その後の扱いがひどくてとても可哀そうな人だ。うん、正直同情せざるを得ないくらい。本拠地じゃ

もっぱら家事や炊事を担当している。料理は結構美味い。ウチの提督の事を好きみたいだ。

港湾棲姫「あら、ほっぽ…。お帰りなさい」

北方棲姫「ただいま!敵、いっぱいやっつけた!」

港湾棲姫「そう…偉いわね」ナデナデ

 この人は港湾棲姫さん。北方棲姫さんの姉貴分で、面倒見がとてもいい。普段は西方海域の特別海域で海域封鎖を担当している。ごくたまーに、俺がこの人の

所へ出張する事もある。この人も家事が上手だ。しかし、あの手の構造はどうなっているのかいまだに謎。

ガチャッ

護衛要塞「?」クルッ

泊地水鬼「あっ……///」パァッ

895: 2016/03/09(水) 22:09:19.67 ID:v/VefRAf0
深海提督「おー、ほっぽちゃんに護衛要塞。戻ってたのか」

護衛要塞「お疲れ様です。提督」

北方棲姫「ていとく!ただいま!」

深海提督「おー、お帰り」ナデナデ

 この人が俺たちの司令官だ。本名は分からない。普段からこの本拠地にいて、デスクワークとかを主な仕事にしている。だから、俺たちの持ち場へ来ることは

ほとんどない。せいぜい、月に1回ぐらいだ。あれ、それってほとんどじゃ無くね?

深海提督「北方棲姫ものお守も大変だろう?」

護衛要塞「ええ、本当大変ですよ……。今日も勝手に西方海域の港湾棲姫さんの所へ行こうとしたり……」

深海提督「…ま、子供のお守なんて人間誰でも経験するようなもんだ。今のうちに慣れておけ」

護衛要塞「……はい」

 この人は、俺と同じ男って事で、気が合う。というかぶっちゃけ、俺と深海提督ぐらいしか男がいない。レ級はオレっ娘だけど、スタイルは女性だから、

ノーカウント。イ級とかにも男(雄)がいるらしいが、見分けがつかないからこれも除外。

 それと、この深海提督は、地上世界で普通の人間として過ごしていたが、過去のとある事情で世間から見捨てられたらしい。それで、人間に復讐するために

深海棲艦を率いる提督となったそうだ。家族や人の温もりを知らなくても本当は良い人だからか、俺たち深海棲艦とは簡単に打ち解ける事ができた。だから、

良い人な分この人の悲しみは相当なものだと思う。俺も、この人の過去を聞いた時は憤りを覚えざるを得なかった。

 ただ………………。

護衛要塞「本拠地も大変でしょう?」

深海提督「いやぁ、別にデスクワークは問題じゃないのさ。ただ、別の方のがな………」

護衛要塞「……………………」

 ああ、このパターンだ。

深海提督「さっき執務室で書類書いてたら、空母棲姫が入ってきたんだ。そしたら突然俺の目の前に腰かけてきて、体をしならせて胸を無駄に強調してな、

     『息抜きに、一戦どう…?』って誘惑してきたんだわ」

護衛要塞「………………へー」

深海提督「それで結局集中できなくて追い出した。まったく、人が仕事してるのを面白がりやがって………」

896: 2016/03/09(水) 22:20:12.72 ID:v/VefRAf0
深海提督「後な、南方棲戦鬼が外から帰ってきた時にな。服が戦闘でボロボロになったからって俺の目の前で脱ぎだしたんだよ。当然直視なんてできるわけが

     無いから服を渡そうとしたら間違って、ちょうどそこを通りかかった駆逐棲姫の胸に触っちまって『……変O』って目で見下された」

護衛要塞「…………………」

深海提督「いやぁ、ついてないのなんのて…………」

ガブゥ

深海提督「いっぎゃああああああああああああああああああああ!!!右手があああああああああああ!!」

 こんな感じでラッキースOベを何度も何度も疲れたように話してくる。同じ男として、ムカつく事この上ない。

 今、『え、お前性欲あるの?』って思った人がいるかもしれない。確かに俺は人外だが、ちゃんと人間の三大欲求はある。だから腹は減るし、眠くもなるし、

女性を見て欲情する事だってある。しかし、性欲に関しては発散する手段が敵と戦う事と、他の人と違う。って、俺は何を力説してるんだ。

泊地水鬼「ほら2人とも…。喧嘩はいけませんよ…。そんな時はほら、ご飯を食べて落ち着きましょう?」

深海提督「いでででででででで!ほら、聞いた通りだから!飯食って落ち着け!」

護衛要塞「ちっ」パッ

 今回は、泊地水鬼さんのメシに免じて許してやろう。

泊地水鬼「では今日も、いただきます」

皆『いただきまーす!』


 ―数十分後、提督用浴場―

深海提督「はー………」

護衛要塞「俺まですみませんね……入れてもらっちゃって…」

深海提督「いいっていいって。あー、にしても今日も疲れたなぁ………」

護衛要塞「お疲れ様です。やっぱり、大変ですか。デスクワークも、皆とのかかわりも」

深海提督「確かに、大変だなぁ」

護衛要塞「…そうですか」

897: 2016/03/09(水) 22:28:16.17 ID:v/VefRAf0
深海提督「でも……楽しいよ」

護衛要塞「?」

深海提督「……地上世界で、『無理心中をした夫婦の息子』ってレッテルを張られて、世間から見放されながらも生きていた時と比べたら、ずっとな」

護衛要塞「……なんだか、すみませんでした」

深海提督「いや、お前が謝る事じゃないさ。それに、風呂場でそんな辛気臭い話をした俺の方が悪かった。風呂はやっぱり、楽しく入るものだよな」

護衛要塞「そ、そうですよね~」

ガラッ

装甲空母姫「そうよ。だから…」←すっぽんぽん

戦艦レ級「一緒に入って楽しもーぜ!」←すっぽんぽん

空母ヲ級改Flagship「オ背中流シマス、提督!」←すっぽんぽん

深海提督&護衛要塞「カエレッ!!」


 ―23時過ぎ、港湾棲姫&北方棲姫&護衛要塞の部屋―

 夜寝る場所は、港湾棲姫さんと北方棲姫と一緒だ。俺は、北方棲姫のベッドの上で一緒に寝る。別に添い寝するわけではなく、布団の上に寝るだけだ。

深い意味はない。

 とまあ、大体こんな感じだ。俺の事…とはあまり関係のないことを結構話しちゃったかもしれないが、どうだろうか。俺たち深海棲艦の事が少しだけでも、

分かってくれただろうか。分かってくれたなら、幸いだ。

 それじゃ、な。

北方棲姫「おやすみ、おねーちゃん!」

港湾棲姫「はい、お休みね」

北方棲姫「おやすみ、たこ焼き!」

護衛要塞「たこ焼じゃねぇ!護衛要塞だ!」

 後頼むから、俺の事は護衛要塞と呼んでくれ。たこ焼は止めろ。気分が悪い。


【終わり】

898: 2016/03/09(水) 22:31:48.38 ID:v/VefRAf0
【キャラクター紹介】

≪満潮≫

朝潮型駆逐艦三番艦。艦娘No.87。お団子頭の茶髪と、小学生のようなスタイルの服装が特徴の、きつめな性格な女の子。つっけんどんな物言いをし、提督にも

遠慮なくバッサリとモノをいう。着任した当初から口が悪かったが、今は大分丸くなっている模様。また、結婚についての話を聞いた後になって、提督に対して

少しデレるようになる。西村艦隊の時雨、扶桑などとは今でも付き合いがある。同じく口が悪い霞、曙とは気がある。

好きな言葉は『綺麗な薔薇には棘がある』。

899: 2016/03/09(水) 22:43:29.51 ID:v/VefRAf0
今日はここまでします。

>>806-807
  満潮、護衛要塞の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

  また、>>296でも述べた『デレさせようとしたキャラ』は、本来山城の予定だったのですが、満潮の方が書きやすかったので、満潮をデレさせました。

  山城のデレを期待していた方、申し訳ございません。


また、900レスを迎えましたので、このスレ最後のキリ番安価を取ろうと思います。ここまでこれたのも、このスレを読んでくださった皆様のおかげです。

本当にありがとうございます。現在リクエストを受けているキャラは、速吸、禊&明石、春雨、大鳳です。これらのキャラクターを書いた場合無効となります。

ご注意ください。(800レス代のキリ番安価みたいに口リばっかりなのはやめてください)


また、残りレス数によってはこれまでに受けたリクエストを全て消化しきれないかもしれません。消化しきれなかったリクエストは、4スレ目で消化します。


さらに、最後には斑提督とある艦娘をケッコンカッコカリさせます。ケッコンカッコカリ候補は既に決定しいておりますので、悪しからず。



感想等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



Z1秘書艦でレア駆逐艦レシピ建造、24分が出て『よっしゃ!』と思ったらまさかの雪風。何とも言えない微妙な表情になった。

【艦これ】総司令部日和【その10】

900: 2016/03/09(水) 22:56:31.15 ID:0mdM4b/w0
乙―

引用: 【艦これ】総司令部日和