912: 2016/03/10(木) 21:08:04.33 ID:0kgc0F3V0
こんばんは、>>1です。




それでは、投下していきます。

913: 2016/03/10(木) 21:18:42.82 ID:0kgc0F3V0
【別ベクトルのおかん】

 ―6時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

妙高「おはようございます、提督」

提督「妙高さん、おはようございます」

妙高「本日は、秘書艦の仕事を務めさせていただきます。よろしくお願いしますね」

提督「はい、お願いします。………ふぁ」

妙高「提督?」

提督「あ、すみません。ここ最近、徹夜が続いていまして…」

妙高「もう…いけませんよ提督?いくら私達艦娘を率いている立場上すぐに休めないとはいえ、体を壊してしまっては皆さんに示しがつきませんから…」

提督「ええ、これからは気を付けようと思います」

妙高「というか、仕事がそんなに多いというのであれば、私達に相談してくださればよかったのに……。提督は、何かと私達に迷惑を掛けようとはしないで、

   自分一人の力で全て片づけてしまうところが目立ちますから……」

提督「………」

妙高「いいですか?少しでもつらいと思うところがあったら、遠慮せず私達に相談してくださいね?私達は、いつでも提督の力になってあげますから。

   何でもかんでも自分一人で抱え込んじゃいけませんからね?」

提督「……分かりました」


 ―12時過ぎ、食堂―

提督「……というやり取りが朝あったわけですよ」

那智「ふむ、なるほどな…。まあ、妙高姉さんなら納得だな」

妙高「あら、私ってそんなに口うるさいかしら?」

那智「いや、口うるさいってわけではないが……よく説教をする、と言うイメージはあるな」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
914: 2016/03/10(木) 21:32:57.74 ID:0kgc0F3V0
提督「その口ぶりだと、那智さんも説教を受けたのですか?」

那智「うむ…。あれはだな、数日前に我々妙高型姉妹で飲んでいた時の事だ……」


 ―数日前20時過ぎ、重巡洋艦寮・妙高&那智の部屋―

那智「うらー、羽黒ぉ~!もっと飲め~!飲まんか~///」

羽黒「ふぇうううう…もう飲めないですぅ………」

妙高「こら、那智。いくら自分が酒好きだからって、他人に酒を強要するんじゃありません」

那智「むおっ…そ、そうか……すまなかったな、羽黒」

妙高「大体、那智ったらほぼ毎日お酒ばっかり飲んでるじゃない。そんなに飲んでちゃ、体に悪いわよ?艦娘は病気になりにくい体だって言っても、健康のため

   に少しは控えなさい。女性としてどうかと思うわ」

那智「………はい」

妙高「足柄、貴女もよ?」

足柄「んにゃ?」

妙高「提督から聞いたわ。足柄ったら、戦場に行きたくて何度も何度も意見具申と懇願を繰り返しているって話じゃない」

足柄「んぐっ」

妙高「そりゃ、平和な世界を一刻も早く実現するために戦いたいという気持ちは分かるわ。でもね?戦いに明け暮れていたら、周りが見えなくなって仲間を、

   姉妹を失う事だってあるかもしれないわ……」

足柄「……………」

妙高「それに、そんなバトルジャンキーな女性なんて、世の男性が気に入るかもわからないし……」

足柄「ああっ!妙高姉さんがそんな話をするとは思わなかった!」

妙高「とにかく、よ。足柄はもう少しおしとやかに、静かに、控えめになった方がいいわ。足柄は、静かにしていれば美人って言われてるんだから……。あと、

   羽黒?」

羽黒「は、はい?」

妙高「貴女も、おどおどしてないで、もっと自分に自信を持ちなさい。貴女は芯はとても強い子なんだから…。なされるがまま、流されてばかりいてちゃ、

   いつか失敗しちゃいますからね?」

羽黒「わ、分かりました!」


那智「………と言った感じに」

妙高「那智ったら……恥ずかしいですわ」

提督「なるほど………どことなく、お母さんのような感じがしますね。鳳翔さんとは別のベクトルで」

足柄「それはあれよ提督、少し年を食ってるように見えるから、余計にお母さんみたいに見えて―」

妙高「あら、何か言ったかしら、足柄?」オオオオオオオ

足柄「な、なんでもないです」


【終わり】

922: 2016/03/11(金) 21:29:31.44 ID:hCbQPEbN0
【そういうお年頃】

 ―15時過ぎ、キス島沖・Hマス(敵キス島包囲艦隊)―

球磨「左舷に敵艦だクマ!」ズドドオン

バゴォ

軽巡ホ級Flagship「グボアッ!?」

球磨「………よし、敵艦、全艦沈黙を確認、クマ」

白露「すっごーい!FlagShipを2隻も沈めるなんて~!」

球磨「いやぁ、それほどでもないクマ。ワタシくらいの練度になれば、あれぐらい簡単だクマ」←練度51

村雨「おお~…もしかして、駆逐艦の私達でもそれぐらいの練度になれば、FlagShipも倒せるかも?」

球磨「できるクマ!」

五月雨「でもすごいな~。球磨先輩、あんなに敵の攻撃をヒュンヒュン避けて、敵に大ダメージを与えて!」

涼風「ああ、ホントだよな~!あたいも球磨先輩みたいにかっこよく戦いたいな~!」

球磨「ほらほら、おしゃべりはそのぐらいにして、そろそろ鎮守府へ戻る球磨。五月雨、提督への連絡は任せるクマよ」

五月雨「あ、はい!分かりました」


 ―18時前、執務室―

球磨「………以上で、報告は終わり球磨」

提督「お疲れさまでした。それでは、今回の報告書は明日のヒトハチマルマル(18時00分)までに提出してください」

球磨「了解したクマ」

提督「では、もう休んで構いませんよ」

球磨「分かったクマ…………………」

提督「………………」カリカリカリ

球磨「…………………」ジー

提督「?どうかなさいましたか?」

球磨「……あ、いや。なんでもないクマ。じゃ、失礼するクマ」

923: 2016/03/11(金) 21:41:59.14 ID:hCbQPEbN0
 ―20時過ぎ、軽巡洋艦寮・球磨&多摩の部屋―

球磨「むぅ~…………」

多摩「む?どうかしたのにゃ?」

球磨「あ、多摩…………」

多摩「駆逐艦の子たちから聞いたにゃ。キス島で大活躍したそうだにゃ」

球磨「そうかクマ………」

多摩「その割には嬉しそうじゃないにゃ。何でにゃ?」

球磨「……………」

多摩「ははぁ、さては、褒めてもらえなかったのがいけなかったのかにゃ?」

球磨「い、いや………褒めては貰ったクマ」

多摩「………もしや、提督に?」

球磨「……ワタシって、球磨型の長女クマ?だから立場上、提督に真っ向から褒めてって言えないクマ。だから、褒めてもらいたいって簡単には言えないクマ」

多摩「でも、駆逐艦の子たちからも褒めてもらったにゃ?」

球磨「いや、なんかこう………駆逐艦の子たちに褒めてもらうのと、提督に褒めてもらうのとはどこか違うクマ」

多摩「………でも、ビスマルクさんも提督に頭を撫でてもらったらしいにゃ?」

球磨「び、ビス子センパイがクマ!?それは驚きだクマ……」

多摩「だから、球磨も思い切って行ってみたらどうにゃ?」

球磨「………分かったクマ。言ってくるクマ!」ダダッ

多摩「………褒めてもらいたいお年頃なんだにゃ~……」

木曾「いや、多摩姉ちゃんも大体同い年だろ」


 ―数分後、執務室―

球磨「……え、外出?」

大淀「ええ、何か急用ができたとかで……」

球磨「……………………はぁ」ズーン


【終わり】

924: 2016/03/11(金) 22:00:48.00 ID:hCbQPEbN0
【水面下のスナイパー】

 ―13時半過ぎ、執務室―

提督「実は、中部海域の最初の海域を攻略するには、潜水艦が必要なんですよ」

伊168(以下イムヤ)「ふーん。で、どうして私達を呼んだの?」

提督「貴女達2人は、着任がハチさんやシオイさん、ゆーさんよりも早かったのと練度が比較的高いから、です」

伊58(以下ゴーヤ)「じゃあ今日は、その中部海域へ出撃するんでちか?」

提督「いえ、まだ貴女達の練度は高いと言っても攻略するには不十分すぎますので、本日はオリョール海で練度をあげてもらいます」

ゴーヤ「オリョール………嫌な響きでち」

提督「いや、うちの鎮守府はオリョールクルージングはやってませんよ」

イムヤ「でも、私達だけで出撃ってわけじゃないでしょ?」

提督「もちろんです。他の艦娘は、練度上げもかねてZaraさん、雲龍さん、扶桑さん、飛鷹さんです。なお、旗艦のZaraさんはまだ戦闘には不慣れですので、

   サポートの方もよろしくお願いします」

イムヤ&ゴーヤ「了解(でち)!」


 ―14時前―

Zara(以下ザラ)「それでは、ザラ率いる第一艦隊、東部オリョール海域へ練度向上のために出撃します!」

提督「はい。では、イムヤさんとゴーヤさんには伝えましたが、雲龍さん、扶桑さん、飛鷹さん。ザラさんは戦闘には不慣れですので、サポートの方を」

雲龍&扶桑&飛鷹「分かりました」

提督「では、出撃してください!」


 ―数十分後、東部オリョール海・Cマス(敵巡洋艦隊)―

ザラ「あ、あの~…………」

ゴーヤ「なんでちか?」

ザラ「あの、貴女達って、いつも泳いで移動してるの…?」

雲龍「ああ、貴女は潜水艦と組んで出撃するのは初めてよね?彼女たち潜水艦娘は、戦闘開始と同時に海中へもぐって、魚雷を発射するから、それまでの手間を

   削減するために、私達みたいに海面を移動するんじゃなくて泳いで移動するのよ」

ザラ「へ~………」

雲龍「それより、そろそろ会敵するわよ。準備なさい」

ザラ「は、はい!」

925: 2016/03/11(金) 22:09:36.25 ID:hCbQPEbN0
ザラ「あっ、電探に感あり!11時の方向、距離9000!重巡リ級1、雷巡チ級1、軽巡ト級elite1、軽巡へ級1、駆逐ロ級2!」

イムヤ「やっと出番ね!」ドプン

ゴーヤ「潜るでち!」ドボン

ザラ「わっ、ホントに潜った!」

雲龍「感心している場合じゃないわ。艦載機、発艦開始」バサッ

飛鷹「攻撃隊、発艦開始!」

バルルルルルルルル

ドッゴオオオオオン

雷巡チ級「グアアアア…」撃沈

軽巡へ級「ゴブァッ!」撃沈

ザラ「おおお!」

バシューーーーーーン

ザラ「え、魚雷航走音…?どこから―」

ズッドオオオオオン

駆逐ロ級「ガアアアアア…ッ」撃沈

軽巡ト級elite「グアアアアッ!?」撃沈

ザラ「うそっ!?どこから…!?」

雲龍「潜水艦の子たちよ」

ザラ「……今のが………」

イムヤ「やったね!」ザバッ

ゴーヤ「ぷはぁ!さすが、ゴーヤの魚雷さん!敵を倒してくれたでち!」

ザラ「わ~、すごいね~」

重巡リ級「オラァ!」ズドオオオン

ザラ「ぎゃ…っ!?」大破

雲龍「……戦闘以外の事に気を向けすぎね。次からは気をつけなさい」

駆逐ロ級「…………」ガシャン

ザラ「まず………っ」

926: 2016/03/11(金) 22:16:01.84 ID:hCbQPEbN0
ザザザザザ

駆逐ロ級「?」

イムヤ「私達が相手よ!」ザザザザ

ゴーヤ「やれるもんならやってみるでち!」ザザザザ

駆逐ロ級「!」バシュッ

ズドム

イムヤ「当たらないよ~!」

ゴーヤ「へたくそでち!」

雲龍「ああやって、潜水艦の子たちは軽巡や駆逐、軽空母の攻撃を自分に誘導させるの。でも、重巡とか戦艦とかは無理ね。あいつらは他の奴らより賢いから」

ザラ「へ、へ~………」

扶桑「すみません、準備が遅れてしまいました!主砲、うてぇ!」ズドーン

バゴオオオオオオン

重巡リ級「グオオオオオアアア………」撃沈

ザラ「私も………えーい!」ドーン

ボッゴウ

駆逐ロ級「グベエエエエエエ………」大破

ザラ「あ…」

雲龍「大丈夫よ」

ズドオオオオン

駆逐ロ級「!?」撃沈

ザラ「え!?」

ゴーヤ「必殺、魚雷投げでち!」

イムヤ「どーよ!」

ザラ「すごい………」


 ―帰投後、執務室―

提督「魚雷投げは危ないので、今後はしないようにしてください」

ゴーヤ「えーい………」

イムヤ「分かりましたぁ~………」

提督「あと、ザラさんはもっと集中してください。説明会でも言ったはずですが」ゴゴゴゴゴ

ザラ「は、はい………!(こ、怖い!)」


【終わり】

927: 2016/03/11(金) 22:24:08.89 ID:hCbQPEbN0
【キャラクター紹介】

≪伊58/ゴーヤ≫

巡潜乙型潜水艦改二三番艦。艦娘No.127。ピンクの髪と髪飾りとスク水セーラー服、‶でち‶という特徴的な語尾の元気な女の子。鎮守府での毎日を自由気ままに

過ごしており、暇な時は昼寝をしたり他の潜水艦娘達と遊んだり間宮さんのところへ行ったり、とにかく多趣味。実は地味に運が高いが、本人はそれをあまり

気にしていない。U-511と仲が良いが、‶でっち‶と呼ばれるのは嫌い。また、名前がゴーヤだからと言って野菜のゴーヤが好きなわけではない。

好きな言葉は『落花流水の情』。

933: 2016/03/12(土) 21:26:23.97 ID:hEF9tU430
【リズミカルワーキング】

 ―10時過ぎ、執務室―

提督「…………………」カリカリカリカリ

ガチャッ

利根「失礼するぞ、提督!」

提督「利根さんですか。何か御用ですか?」

利根「お主、暇そうじゃの?」

提督「この山積みの書類のどこを見てそんなセリフが言えるんですか?」

利根「すまんすまん。社交辞令みたいなもんじゃ。して、本当にその書類はどうしたのじゃ?普段より多い気がするが」

提督「昨日は望月さんが秘書艦でしたので、書類が滞っているんですよ。各鎮守府の陳情書、意見具申、決済……」バサバサ

利根「望月を秘書艦にしなければよかったのでは…」

提督「それだと望月さんが仕事を覚えないので…」

利根「…しかし、シャレにならん量だの。よし、我輩も手を貸すぞ」

提督「いえ、利根さんは今日は休みでしょう?」

利根「そんな事言っとる場合か。そんな量の書類をお主一人でやっておったら、倒れるやもしれん。見て放っておけるか」

提督「……すみません。今度間宮さんのスイーツを奢ります」

利根「俄然、やる気が出てきたのじゃ。さて、始めるかの」スッ

カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

提督&利根「…………………」

カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

提督「…………………」

利根「………………のう」

提督「何か?」

利根「音が無くて、寂しくないか…?」

提督「私はいつも、無音で仕事をしてますが?」

利根「じゃが、音が無いというのもどこか味気ない。BGMが欲しいところじゃ」

934: 2016/03/12(土) 21:40:42.67 ID:hEF9tU430
提督「それでしたら………ジュークボックスがありますが…」ガシャン

利根「ほう、いつの間に?」

提督「新しい家具のサンプルが欲しかったので…後、開発者の夕張さんが買えとうるさかったのです」

利根「家具を造っとるのもアイツだったのか……」

提督「それより、音楽は適当でよろしいですか?」

利根「構わんぞ!我輩はジャズでもクラシックでもいけるクチじゃ!」

提督「では」カシャン

~♪

利根「うむ、では仕事にとりかかろうか!」

提督「はい」

提督&利根「…………………」カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

利根「…………~~♪」カリカリカリカリ

提督「…………?」

利根「…………~~♪」カリカリ、タタン、タタン、カリカリ

提督「…………」

利根「~~~~♪」タンタンタン、カリッ、カリッ、ペッタンペッタン

提督「…………」

利根「~~~~~~♪」ベチベチ、カキカキ、タタンタタン

提督「……あの、利根さん」

利根「…………あ、スマン。なんじゃ?」

提督「音楽を聞きながら作業をする事に対しては私も文句はありません。ただ、音楽に気を取られて作業に身が入らないようでは本末転倒です」

利根「おっと、我輩としたことが!スマンかったのう」

提督「それにしても…利根さんは存外リズム感覚があるのですね」

利根「ううむ…別に習い事をしているわけではないのだが。自然と身に付いた」

提督「そのリズム感覚があれば、舞風さんや那珂さんと組む事ができるのでは?」

利根「じゃが我輩は、今時のちゃらちゃらした曲より演歌の方が…」

提督「あんたはじーさんか」


【終わり】

936: 2016/03/12(土) 22:04:40.41 ID:hEF9tU430
【空地】

 ―15時過ぎ、波止場―

翔鶴「は~、疲れたわね~」

瑞鶴「そうだね~…サーモン海域は敵はあまり強くないけど、ルーチンワーク的なところがあるからね…」

秋月「でも私は、練度をあげる事ができて、学ぶところの多いものでした!」

瑞鶴「秋月は本当に真面目ね~…」

翔鶴「こら、瑞鶴。それより、報告が終わったら間宮さんのところでおやつでも食べましょう?」

瑞鶴「やった~!」

秋月「よろしいんですか?」

翔鶴「いいのよこれくらい。たまには先輩らしいところ見せないとね♪」

秋月「いえ、翔鶴さんはもう十分先輩らしいところが!」

瑞鶴「あれ?それって私には先輩らしいところが無いって事かな…?」

秋月「いえいえ!そう言うわけでは…」

翔鶴「じゃあ、私は報告に行ってくるから、2人はちゃんと燃料と弾薬を補給するのよ~」

秋月「翔鶴先輩!逃げないで~!」


 ―15時半過ぎ、≪甘味処・間宮≫―

瑞鶴「う~ん、私はこのチョコパフェ!」

翔鶴「私はいちごパフェにしようかしら…」

瑞鶴「あっ、じゃあ半分こにしよ!」

翔鶴「ええ、いいわよ」

秋月「んん~…………私は、この羊羹に…」

瑞鶴「んもう…秋月ったらまたそんな質素なので……」

翔鶴「あまり遠慮しなくていいのよ?お金には余裕があるし…」

秋月「いえ、そういうわけではなくて…」

937: 2016/03/12(土) 22:18:06.73 ID:hEF9tU430
瑞鶴「あー、翔鶴姉。秋月はそう言うのを気にしてるんじゃなくて…」

翔鶴「へ?」

秋月「いえ、秋月はその…こういった今風の食べ物が口にしにくくて…」

瑞鶴「あーもう、これだよ。これだから秋月は……雲龍さんも同じだけど、そんなんじゃ皆に付いて行けないよ?」

秋月「いえ、戦闘能力では皆さんに付いて行けてますが…」

瑞鶴「だから、そう言うのじゃなくてね!」

翔鶴「すみませーん」

伊良湖「はい?ご注文はお決まりでしょうか?」

翔鶴「チョコレートパフェと、いちごパフェと、あとは…フルーツプリンをそれぞれ1つずつ!」

秋月「えっ………」

伊良湖「かしこまりました!チョコレートパフェ1つ、いちごパフェ1つ、フルーツプリン1つですね!少々お待ちくださーい」タタタ

秋月「え…翔鶴さん?」

翔鶴「慣れていないなら、今日から慣れていきましょうね」

瑞鶴「翔鶴姉…こういう時って強引なんだよね………」


 ―10分後―

伊良湖「お待たせしました~」カチャカチャ

翔鶴「ありがとうね」

瑞鶴「うわっ、美味しそ~」

伊良湖「ごゆっくりどうぞ~」

秋月「これは………」

翔鶴「貴女の分のプリンよ?食べなさいな」

秋月「…………いただきます」パクッ

938: 2016/03/12(土) 22:31:44.39 ID:hEF9tU430
秋月「!!!」カッ

瑞鶴「…………どう?」

秋月「美味しい…………美味しいです!」

翔鶴「でしょ?」

瑞鶴「ん~、このパフェもおいしい~♪あっ、翔鶴姉半分頂戴!」

翔鶴「はいはい。じゃあ瑞鶴のパフェも頂戴ね」

瑞鶴「うん!」

秋月「…………………」

翔鶴「じゃあ、秋月ちゃんに私のいちごパフェ少しあげるね」

秋月「えっ、悪いですよ!」

翔鶴「いいからいいから」

瑞鶴「それじゃ、私のチョコパフェもね」

秋月「あっ………」

翔鶴&瑞鶴「…………」ニコニコ

秋月「…………///」

秋月「………ありがとうございます」

翔鶴「今の食べ物を食べてると、こうやってお互いに食べさせ合ったり交換したりできるのよ?」

秋月「……………私、頑張ります。今の食べ物が食べられるように、頑張ります!」

翔鶴&瑞鶴「うん、頑張ってね」


 ―翌日、8時過ぎ―

提督「おや、秋月さんまだ起きてきていないんですか?」

照月「なんだか、お腹が痛いって………」

提督「ふむ………また誰か、私の許可なしに近代の食べ物を秋月さんに食べさせましたね」


【終わり】

946: 2016/03/13(日) 21:45:16.38 ID:jOyYWT1c0
【嗚呼、同志よ】

 ―14時半過ぎ、食堂―

提督「何かご不満・問題等はございませんか?」

鳳翔「いえ、特にはございませんよ」ニコ

提督「そうですか、分かりました。でも、何かありましたら遠慮なく仰ってください。ではこれで」ペコリ

鳳翔「はい、お疲れ様です」


提督「ふむ…食堂は問題無し、と」カリカリ

提督「後は………」

キャイキャイ

提督「?」チラッ


陸奥「あら、新しく発令された任務、完遂できなかったの?」

五月雨「そうなんですよ…普段は中枢艦隊の所へ行けたはずなのに…」

扶桑「羅針盤ってそういうところがあるわよね……補給艦を撃沈する任務を受けている時はなぜか中枢艦隊の所へ誘導されて、逆に中枢艦隊を撃滅する時は

   それ以外の所へ流されて………」

翔鶴「あら、扶桑さんも?私も同じような経験があるんです………」

ビスマルク「ほんとよねぇ。あれ、何とかならないのかしら?」

五月雨「実は一度、羅針盤に従わないで進軍したことがあるんですけど………」

レーベ「え、どうなったの?」

五月雨「…なぜか、艤装が急に爆発した」

陸奥「ばくっ………」ブルッ

山城「落ち着きなさい」

マックス「ふーん……結構愉快な事になったじゃない」

五月雨「ゆっ、愉快なんてもんじゃないよ!艤装が爆発したら思うように航行ができないし、スピードが思いっきり下がるし、敵に見つかったらどうしようも「

    ないし………」

陸奥「ばっ、ばっ、ばばばばば………」ガタガタガタガタ

大鳳「おっ、おっ、もちついて陸奥さん!大丈夫だよぉ~!?」

山城「貴女も大丈夫じゃないわよ」

947: 2016/03/13(日) 21:56:00.77 ID:jOyYWT1c0
翔鶴「あ~、でも楽しいわね…こうやって幸薄い人同士で楽しく話せるなんて………」

扶桑「そうね……五月雨ちゃんも加わったし、もっと楽しくなったわ…」

五月雨「いや、そんな私は……」

山城「姉さまに褒められるなんて、相当な事よ。誇りなさいな」

陸奥「山城のシスコンぷりも通常運転ねー」

ビスマルク「それにしても、ニホンの艦娘って運如きで一喜一憂するなんて…」

レーベ「あれ?でもビスマルクって最初『運が二桁ってなによぅ……』って凹んでたじゃないか」

マックス「ま、私達も同じような事になったけどね」

ビスマルク「ちょっ、それは言わない約束でしょ!」

大鳳「でも、同じ仲間がいるって素晴らしい事ですよね?五月雨ちゃん、またこうやってお話ししたくなったら遠慮なく言ってちょうだいね?」

五月雨「は、はい!ありがとうございます!」


 ―15時過ぎ、執務室―

提督「何の集まりかと思えば、運の低い艦娘の集まりでしたか」

五月雨「あはは…私もそばを通りかかったらなんだか引き留められちゃって……」

提督「……しかし、五月雨さんの運って、平均より少し低いぐらいでしたよね?別にそこまで低いわけでもないですし…」

五月雨「はい…。だから、どうして私が…?と思ったんですよ……」←運10

提督「ふむ……………」


五月雨『ふぇぇ、お茶こぼしちゃったよぉ~…』ビチャビチャ

五月雨『きゃ~っ!?ぱ、パンツが見えちゃう…………』バサバサ

五月雨『いった~い……タンスの角に小指が………』ピクピク


提督「………シンパシー、でしょうか」

五月雨「へ?」


【終わり】

948: 2016/03/13(日) 22:09:18.58 ID:jOyYWT1c0
【本の虫】

 ―17時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「はい」

伊8(以下ハチ)「失礼するね、提督」

提督「ハチさんですか。何か?」

ハチ「外出から帰ってきたから、それの帰還報告に」

提督「ああ、そうでしたね。休日は如何でしたか?」

ハチ「程よく休めましたよ」

提督「それはよかったです。ところで、外出許可証の目的に‶買い物‶とありますが、もしかして……」

ハチ「はい、本です」スッ

提督「やはりですか。ハチさんは本が好きですねぇ…」

ハチ「本はいいですよ。作者さんによって話の内容やキャラクターの魅力が違うし、飽きないですよ」

提督「そうですね、私もそれは同感です」

ハチ「提督も本を読むんですか?」

提督「はい。まあ私は、普通の小説や、ライトノベルや漫画も読みますがね。でも、ハチさんは違うんでしょう?」

ハチ「私は小説ばかりですね……」

提督「他の皆さんも、本を読まない方が増えているようですし、皆さんがハチさんのように本を読んでいただけると、読解力と語彙力が高まると思うのですが」

ハチ「それはそうかも。特に、天龍先輩とか島風ちゃんとかは、ね」

提督「それはそうですね」

ハチ「ふふっ」

ガチャッ

イムヤ「いやー、そうでもないよ?」

ハチ「あ、イムヤ」

949: 2016/03/13(日) 22:21:01.34 ID:jOyYWT1c0
提督「そうでもない、とは?」

イムヤ「皆がはっちゃんみたいに本を読むと、皆不真面目になっちゃうかも」

提督「……どういう事ですか?」

イムヤ「この前出撃した時にね……」


 ―数日前、バシー島沖・Dマス(敵運送船団)付近―

ザザザザザ

ハチ「ほう……こういう展開で来たか…」ペラッ、ペラッ

Italia(以下イタリア)「はっちゃん…?航行中に本を読むのは危ないよ?」

ハチ「大丈夫…ちゃんと前は見ているから…」

イタリア「でも……」

イムヤ「あー、イタリア先輩…こうなったらはっちゃんはもう聞かないから……」

イタリア「もう……」

飛鷹「艦載機より報告!10時の方向、距離8500に敵艦隊あり!編成、戦艦1、軽巡1、駆逐2、補給2!」

イタリア「よし……敵は強くないけど、気を引き締めないと」グッ

イムヤ「聞いた通りだよ、はっちゃん!潜航して雷撃の準備を―」

ハチ「ちょっとまって、今いいところだから…」パラッ、パラッ

イムヤ「うぉおおい!?何言ってくれちゃってんの!?」

ハチ「ほほう、その展開は読めなかった……」ペラッ、パラッ

イムヤ「おい何してんの早く準備しないと敵にペースを―」

イタリア「やああっ!?」


イムヤ「あの時は結局、イタリア先輩が頑張ってくれたから何とかなったけど……」

提督「…………………」

ハチ「……えへ」

提督「イムヤさん。ハチさんと同室のゴーヤさんに連絡し、部屋の本を全て撤去するように言ってください」

ハチ「ちぇっ」


【終わり】

950: 2016/03/13(日) 22:26:51.53 ID:jOyYWT1c0
【キャラクター紹介】

≪伊8/ハチ≫

巡潜3型潜水艦二番艦。艦娘No.128。後ろで結んだ金髪と眼鏡、白いハイソックスが特徴の、おっとりした感じの女の子。潜水艦娘の中では比較的真面目だが、

どこか抜けているところもある。本が大好きで、いつも本を読んでおり、休日は本屋へ赴く事もある。しかし、航行中及び戦闘中も本を読んだりして、仲間は

ヒヤヒヤさせられる。かつてドイツまで遠征に言った事もあるからか、ドイツ語を嗜んでいる。また同じ理由で、ドイツから来た艦娘とも仲が良い。

好きな言葉は『熟読玩味』。

958: 2016/03/14(月) 21:12:15.10 ID:cpdcUSz+0
【大変身】

 ―13時半過ぎ、工廠―

提督「………………」

ゴーヤ「あ、あははは………」

提督「……元々、艦娘は改造をすると見た目が大幅に変わったりしたりすることはよくあることです。吹雪さんは改二になると服が変わりましたし、綾波さんは

   全体的に黒くなりました」

ゴーヤ「そ、そうだね~…」

提督「また、名前が変わる艦娘もいますね。リットリオさんが改造したらイタリアさんになったり、響さんがВерныйさんになるのがその例です」

ゴーヤ「あ、あー…そんな事もあるでちね~…」

提督「艦種が変わる事もあります。水上機母艦のちとちよさんが軽空母になったり、伊勢さん達一部の戦艦が航空戦艦になることも」

ゴーヤ「うん、あるある~でち…」

提督「それらの事を踏まえても、です」チラッ



U-511改めて呂-500(以下ろー)「二人とも、何そんなに落ち込んでるの?」


提督「何をどうしたらこうなった」

ろー「提督、ろーちゃん生まれ変わりました、はい!ご感想は?」

提督「正直、あまりの変わりようにもはや別の艦としか認識できません」

ろー「それってつまり、可愛くなったって事?ありがとー!」

提督「性格まで変わってますねぇ…」

ゴーヤ「うーん、どうしてこうなったんでちかね?」

提督「確か、ろーさんはよくゴーヤさんと行動してましたよね?」

ゴーヤ「?そうでちよ?」

ろー「うん!ろーちゃんは、でっちとよく一緒に出撃したりしたって!」

ゴーヤ「ゴーヤは‶でっち‶じゃないでち!」

959: 2016/03/14(月) 21:23:03.10 ID:cpdcUSz+0
提督「つまりは、U-511さんがこうなったのはゴーヤさんのせい、と」

ゴーヤ「え、何その風評被害は」

提督「U-511さんをこんな風に変えた動機を言え、でち公!」

ゴーヤ「わっ、てーとくがゴーヤの事‶でち公‶って呼んだでち!これは完全にキレてるでち!」

提督「理由によっては貴女をブラック鎮守府の代名詞、通称‶オリョクル‶に出さざるを得ない…」

ゴーヤ「止めるでち!」


ろー「やめてっ!」


提督&ゴーヤ「………」ピタッ

ろー「確かにろーちゃんは、改造するまではよく、でっちと一緒に行動してたよ…。でも、でっちのせいでこんな風になったっていうのは、間違いだって…」

提督&ゴーヤ「……………」

ろー「でっちだけを責めるのは間違いだって!だからやめて!」

提督「……そうでしたね。私としたことが、失念しておりました。ゴーヤさん、先ほどは申し訳ございません」

ゴーヤ「う、ううん…そんなに気にしてないでちよ?」


ろー「一緒に行動してたのは、でっちだけじゃなくて、イムヤちゃんにイクちゃん、はっちゃんにシオイちゃんだよ!」


提督「」ピクッ

ゴーヤ「あっ、それは言わない約束でち!」

提督「‶約束‶?」

ゴーヤ「あっ」

ろー「あ、ゴメンね。話しちゃった。てへ☆」

 その後潜水艦全員が提督からの事情聴取を受けた。


【終わり】

960: 2016/03/14(月) 21:35:28.98 ID:cpdcUSz+0
【流星拳】

 ―14時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

速吸「失礼します、提督!速吸、無事改造を終えました!」

提督「お疲れ様です。改造したての感じは如何ですか?」

速吸「問題ないです。改造前と同じ感触ですね。あ、こちら改造後のステータスを記したものです。明石さんから、渡すように指示を受けました!」

提督「ありがとうございます………ほう、新しく流星が装備されていますねぇ」

速吸「なんだか、艦攻を新しく装備できるようになったらしいです」

提督「なるほど………つまりは、流星や天山、九七艦攻を装備して出撃できる、という事ですね」

速吸「そう、ですね。あ、今まで通り瑞雲も装備できます!」

提督「………では明日、改造後のテストも兼ねてオリョール海へ出撃してみましょうか」

速吸「え、出撃ですか?」

提督「あ、不安でしたら断わっていただいても構いませんけど…」

速吸「い、いえ!速吸、大丈夫です!」ビシッ


 ―翌日、東部オリョール海・Gマス(敵主力打撃群)―

速吸「装備は‶流星改‶、‶流星‶、‶九七艦攻‶……。大丈夫、できる!」

速吸「速吸航空隊、頼みます!」ビシュシュッ

キィィィィィィィン、ズドオオオオオオン

戦艦ル級elite「ガアアアアア…!」撃沈

空母ヲ級「グガアアア……」大破

摩耶「おお、すげぇ!」

大鳳「elite級の戦艦を撃沈して空母も大破に…素晴らしいです!」

速吸「えへへ…まさか、こんなにできるなんて思いませんでした……」

日向「………………」

961: 2016/03/14(月) 21:43:34.13 ID:cpdcUSz+0
 ―19時過ぎ、食堂―

速吸「艦攻を装備して出撃するとあんな事ができるなんて……すごい…!」

速吸(よし、明日から訓練をもっと頑張って、もっともっと強くなるようにしないと!)

トントン

速吸「あ、はい?」クルッ

日向「…やあ、速吸」

速吸「日向さん、お疲れ様です!」

日向「お疲れ。それで速吸、少し聞きたいことがあるんだが、いいかな?」ガタッ

速吸「あ、はい。なんでしょうか?」

日向「……瑞雲は、そんなに魅力が無いか?」

速吸「…へ?」

日向「いや、速吸は改造して艦攻を装備する事ができるようになったのだろう?」

速吸「はい!艦攻は全て!」

日向「だが、瑞雲も装備する事は出来るのだろう?」

速吸「え、はい………」

日向「改造前の速吸はよく瑞雲を装備して出撃していただろう?だから、改造したとたんに瑞雲を使わなくなるとは、あまり瑞雲に魅力を持っていなかった、

   と考えてな……」


 ―20時過ぎ、執務室―

速吸「…という事がありまして…」

提督「あの瑞雲マニア………では速吸さん、すいませんが次からの出撃は……」

速吸「?」


 ―数日後、東部オリョール海・Kマス(敵強襲揚陸艦隊)―

速吸[流星改・流星・瑞雲]

バルルルルルルルル

日向「なあ速吸、やはり瑞雲はいいものだろう?」ニコニコ

速吸「は、はい………」


【終わり】

962: 2016/03/14(月) 21:51:29.94 ID:cpdcUSz+0
【キャラクター紹介】

≪U-511/ゆー⇒呂-500/ろー≫

UボートIXC型潜水艦(呂-500は呂号潜水艦)。艦娘No.231(呂-500はNo.236)。白い髪で改造前は物静かな性格で、呂-500になってからは明るくポジティブ

な性格にメガ進化した女の子。U-511の頃はウェットスーツを着用していたが、呂-500になったらスク水を着用するようになった。着任した当初は潜水艦の子達に

快く歓迎されたが、潜水艦の皆の雰囲気に毒されて今のような状態になった(らしい)。ゴーヤに‶でっち‶という愛称を付けた。

好きな言葉は『何事も始めは難しい』。

963: 2016/03/14(月) 21:59:55.11 ID:cpdcUSz+0
≪速吸≫

改風早型補給艦一番艦。艦娘No.260。ショートボブの黒髪と白いジャージが特徴の、献身的な女の子。着任当初は、主に給仕係を務め、瑞雲を装備して出撃し、

≪甘味処・間宮≫の手伝いもしていた。改造後は流星など艦攻が装備できるようになり、出撃する機会が増えてMVPを取る回数も増えた。しかし、瑞雲大好き

日向に、瑞雲の魅力を教えられ、出撃でも1スロットは瑞雲を装備するようになる。補給艦仲間で、間宮、伊良湖とは仲が良い。速吸の淹れたお茶は美味しい。

好きな言葉は『健康は富に勝る』。

969: 2016/03/15(火) 21:12:56.85 ID:O2aJisIL0
【ホワイトデー】

 ―3月12日14時過ぎ、執務室―

司令長官「そう言えば、明日はホワイトデーだねぇ」

提督「バレンタインデーに対して盛り上がりに欠けるあの日ですか」

司令長官「黎明君も、他人事じゃないでしょ?艦娘の皆からもらったんじゃないの?」

提督「なんですか、私の行動を監視してるんですか。プライバシーの侵害です」

司令長官「君は小学生か。そうじゃなくて、バレンタインデーの前の日にチョコとかクッキーとか準備してる子がいたからもしかしたらと思ったんだよ」

提督「なるほど………」

司令長官「あとは、他の鎮守府の女性の提督からももらったんでしょ?具体的には、胎内の朱鷺君とか、塩釜の保柄君とか」

提督「まったく、どうしてそう言う洞察力はあるのやら…。その洞察力を少しは日常業務に生かしてくれませんか」

司令長官「ほっといてよ。で、どうするの?」

提督「まあ、一応お返しは用意しますよ。つきましては、明日は食堂を少しの間出入り禁止にします」

司令長官「あっ、もしかしてクッキー焼いたりしちゃうの?」

提督「……いけませんか」

司令長官「いや、いいんだよ。君は料理が上手だから、美味しくなると思うよ」

提督「……お褒めにあずかり、光栄です」

司令長官「できたら、儂にも1つくらいほしいな~って」

提督「自分で作れ」

司令長官「そう来ると思ったよ」


 ―3月13日、ケーキ屋前―

店員「ありがとうございました~」

提督「…………」ペコリ

提督「……さて、これで2人分は確保、と。後は………」

店員(あの人もしかして、バレンタインデーにいくつも貰ったのかしら?色男ね~)

970: 2016/03/15(火) 21:24:38.40 ID:O2aJisIL0
 ―14時過ぎ、食堂前―

『現在、食堂閉鎖中。入室厳禁』

睦月「あれ~?食堂入れないの~?」

皐月「なんか、司令官が妖精さんや間宮さんと作業をしてるらしいよ?」

睦月「ふ~ん?何してるんだろ~…」

如月「いやねぇ、2人とも。明日は3月14日、っていう事は、ね~?」

睦月&皐月「?」


 ―同時刻、厨房―

提督「すみません、わざわざ手伝ってもらってしまって」

間宮「いえいえ、構いませんよ。第一、この鎮守府全員分のクッキーを作るなんて1人じゃ相当時間がかかりますから…」

妖精さん「それにしても、案外純情だよね~。提督さんって~」

提督「………………」

妖精さん「バレンタインデーのお返しを律儀に返すの、なんだか可愛いな~」

提督「妖精さんって、その小ささでしたらフライパンで叩いても簡単に潰れますよね」スッ

間宮「やっ、やめてください!」

間宮(っていうか、提督って案外照れ屋なんですね…)


 ―17時過ぎ、鎮守府正門―

提督「では、よろしくお願いします」

宅配便「はい、分かりました。ご利用ありがとうございま~す」

ブロロロロ

司令長官「今の、女性提督宛?」

提督「正確には、朱鷺さんと保柄さん宛です」

司令長官「あれ?確かもっと多くの女性提督からもらってなかったっけ?」

提督「あの2人は普段から代表提督として世話になっておりますし、他の提督の皆さんは下心が見えていたので渡さない事にしました。後は単に、お金が

   かかるからです」

司令長官「案外、切実な問題だね…」

971: 2016/03/15(火) 21:34:54.21 ID:O2aJisIL0
 ―3月14日11時過ぎ、中部地方・胎内第壱拾玖鎮守府・執務室―

コンコン

朱鷺「どうぞ~」

陸奥「失礼するわね、提督」ガチャ

朱鷺「あ、むっちゃん。どうしたの?その箱」

陸奥「提督宛の宅配便よ」

朱鷺「へ?誰から?」

陸奥「総司令部の斑さんから」

朱鷺「ん?斑君から?なんだろ…」

陸奥「なんか、‶食品‶って書かれてるけど…」

朱鷺「んん~?」

バリッ、バリッ、パカッ

陸奥「あら…………」

朱鷺「……ケーキ?」

陸奥「メッセージカードも………なになに?『バレンタインデーではお世話になりました。これはそのお礼です。今後とも、よろしくお願いいたします』って」

朱鷺「あ、そう言えば今日はホワイトデーか……」

陸奥「あらあら、ちゃんとお返しをくれるなんて、良かったじゃない」

朱鷺「うーん、そうだねぇ。よかったよかった。ただ、私チョコレートケーキが好きだから、ショートケーキはちょっとな~…」

陸奥「貰っておいてそれは無いでしょ」


 ―12時前、東北地方・塩釜第質拾参鎮守府・執務室―

山雲「司令さ~ん、宅配便よ~?」

保柄「あら~、ありがとうね~。誰からかしら~?」

山雲「差出人は~、総司令部の斑さんだって~」

保柄「わ~、ケーキが入ってる~」

山雲「あら~、美味しそうね~」

保柄「なんか~、バレンタインデーのおかえしだって~」

山雲「あら~、良かったわね~。ケーキ、好きなんでしょ~?」

保柄「好きだよ~。でもね~、あの人からもらえたのが~、嬉しいんだ~」

山雲「ま~、斑さんも罪な人ね~」

天龍「てめぇらさっさと喋れ!」

972: 2016/03/15(火) 21:42:42.15 ID:O2aJisIL0
 ―15時過ぎ、食堂―

伊勢「このクッキー、提督が作ったの?凄い美味しい!」サクサク

赤城「…………」サクサクサクサク

大和「赤城さん、1人3個までですって…」

神通「とても、美味しいです…」パクッ

妙高「ありがとうございます、提督。とても美味しいです」

提督「喜んでもらえたようで、何よりです」

吹雪「でも、これだけの……鎮守府の大体150人分のクッキーを焼くなんて、大変じゃありませんでした?」

提督「いえ、間宮さんや妖精さんにも手伝ってもらいましたから…それほど大変ではありませんでしたよ」

伊良湖「ああ…だから間宮さんの皿のクッキーは、皆さんより少し多いんですね」

間宮「すみません、私だけ…」

提督「いえ、それはこちらのセリフですよ」

睦月「でも、どうして調理中は食堂に入れてくれなかったんですか?」

司令長官「それはあれでしょ、普段からつっけんどんな黎明君がクッキーを焼いてるなんて乙女チックなところを誰にも見られたくないから―」

ゲシッ

司令長官「脛は止めて!」

提督「まあ、調理中に食堂を閉鎖していた理由は簡単ですよ」

皆『?』

提督「それは……」チラッ

提督「つまみ食いする輩がいるからですよ」

赤城「むぐ?」

加賀「………はぁ」


【終わり】

980: 2016/03/16(水) 21:22:25.10 ID:fEoUlEvh0
【衝撃】

 ―15時過ぎ、執務室―

演習相手提督「………はいっと、ここに記入終わりましたよ」

提督「ありがとうございます。では、これで演習はすべて終了です。お疲れさまでした」

演習相手提督「はい、ありがとうございます。では」

パタン

榛名『あ、提督。用事は終わりましたか?』

演習相手提督『ああ、終わったよ。それじゃ、帰ろうか』

榛名『いえ…せっかくですし、もう少し提督と2人きりでいたいです…』

演習相手提督『こらこら、ここは総司令部なんだし、他の皆が待ってる。だからいかないと』

榛名『はい………』シュン

演習相手提督『じゃあま、夜は………ね』

榛名『は、はい………///』


提督「……………はぁ」


 ―19時過ぎ、食堂―

提督「最近、演習先の鎮守府でケッコンカッコカリした艦娘をよく見ますねぇ」

司令長官「確かに、今日来た演習相手の提督も、榛名君とケッコンしてたよね?」

吹雪「ええ…榛名さん1人だけ練度が100を超えてました…」

提督「まったく…他人様の敷地内でイチャつくのもいかがなものかと思いますが」

吹雪「ほ、ホントですよね。総司令部を何だと思っているんでしょうか」

司令長官「まあ、人の事はいいんだけどさ…」チラッ

提督「はい?」

吹雪「?」


司令長官「黎明君もそろそろ身を固めるべきだよ。カッコカリでも」


981: 2016/03/16(水) 21:33:53.91 ID:fEoUlEvh0
………シーン

提督「急に私の話ですか」

吹雪「そ、そうですよぉ~…。それに、練度とか…………」←練度99

司令長官「いや、鎮守府に練度が上限に達している艦娘はもう何人もいるよ。吹雪君だってそうだし」

吹雪「えっ、いや、その~………///」

司令長官「それにこれは儂の切実な理由なんだけど、この必殺仕事人は所帯でも持たないと角が取れないよ」

提督「貴方が真面目に仕事をすればすべて済む話なんですよ」

司令長官「うぬっ………」


提督LOVE勢(ぐぬぬうぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……………)

金剛(テートクのHeartを掴むのは、この私ナノーネ。他の人に負けるはずがないのデアール)

榛名(榛名は…負けませんからっ!)

敷波(……まあ、司令官が誰とケッコンしても司令官の勝手だけど…あたしを選んでくれたら、な…)

加賀(……………ふっ)ドヤッ


提督(仕方ありませんね……………そろそろ、覚悟を決めますか)



 ―翌日8時過ぎ、食堂―

葛城「今日の朝は卵焼きか~。美味しそ~」

葛城「雲龍姉、隣良い?」

雲龍「ええ、いいわよ」

葛城「じゃ、失礼するわね」カタン

雲龍「もぐっ………ん、美味しい…」ニコ

982: 2016/03/16(水) 21:40:19.41 ID:fEoUlEvh0
キラッ

葛城「あれ?雲龍姉、その左手の薬指の指輪、何?新しいアクセサリー?」


雲龍「ああ、これ?これは、昨日提督からいただいたものよ」


葛城「ふ~ん、そっかそっか~」

葛城「……………………………………………………………………………………………………………………はい?」

司令長官「ん?葛城君、どうかしたの?」

葛城「あっ、司令長官…あの、え…」カタカタ

雲龍「司令長官、おはようございます」ガタッ、ビシィ

司令長官「いや、楽にしていいよ楽に。食堂でわざわざ立ち上がって敬礼なんて」

雲龍「そうでしたか。では、失礼します」

司令長官「………………ちょっと待って、雲龍君」

雲龍「はい?」

司令長官「………左手、見せて」

雲龍「構いませんけど…………」スッ

司令長官「…………この指輪、何?」


雲龍「ですから、葛城にも話しましたけど、昨日提督からいただいて……………」


シ――――――――――――――――――――――――――――――――――ン

司令長官「それって、つまり………………」

983: 2016/03/16(水) 21:47:34.42 ID:fEoUlEvh0



雲龍「昨日提督から、ケッコンカッコカリをしてほしいと言われて…ОKしました///」



全員「」

全員「なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?」

司令長官「バカナ…黎明君と雲龍君が…………?」

金剛「あり得ないノーネ!」

榛名「」チーン

五月雨「………………ふぇぇぇぇぇぇぇぇ」

吹雪「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

村雨「……………ぐすっ」

隼鷹「ああっ!駆逐艦の子たちが泣いてる!?」

加賀「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」

赤城「加賀!?」

司令長官「って、肝心かなめの黎明君は!?」

間宮「い、いないです!食堂にはいません!」

司令長官「執務室かっ!」

青葉「うおおおおおおおお大スクープだああああ!!」


 ―数分後、執務室―

[入室厳禁]

司令長官「いやぁ、まさかびっくりだよ……雲龍君を選ぶとは………」

雲龍「ありがとうございます、提督…私を選んでくださって」

提督「……正直、恥ずかしかったんですよ?カッコカリとはいえプロポーズはおろか告白何て初めてで………」

984: 2016/03/16(水) 21:55:55.08 ID:fEoUlEvh0
 ―>>767の後、執務室―

提督「それで、お話とは?」

雲龍「はい…………///」

提督「?」

雲龍「…………その………」

提督「?」


雲龍「私は…………提督の事が好きです//」


提督「………………」

雲龍「上官として、ではなく、1人の異性として、です。とても頼りになる貴方が、厳しさと優しさを兼ねそろえている貴方が、好きです///」

提督「……………」

雲龍「提督は、私の事を…どう思っていますか……?」

提督「………………そう言うのは、男性である私の方から、と思っていたのですがね」ボソッ

雲龍「?」

提督「あ、いえ。なんでもないです。それでその返事ですが、少し時間を置いてもよろしいでしょうか?」

雲龍「あ、はい……分かりました」←練度97


 ―昨日22時過ぎ、執務室―

提督「………」←練度99

雲龍「…………」ドキドキドキドキ

提督「……先日の、告白についてなんですが…………」

雲龍「は、はい…………」

提督「……貴女は、戦闘時となれば気を引き締め、戦線で華々しい戦果を挙げておりました」

雲龍「え?」

提督「しかし、普段はほんわかとしたところが目立ち、どこかく抜けているところまりました」

雲龍「ええと…どうして私を非難して…?」

提督「非難などしてませんよ」

985: 2016/03/16(水) 22:02:16.05 ID:fEoUlEvh0
雲龍「へ?」

提督「私は日々の多忙の中で、貴女のそのほんわかとした姿に癒されて、その中で貴女に惹かれていき……」ゴソッ

雲龍「…………………」

提督「いつしか私は、貴女の事を考えずにはいられなくなった…………」

雲龍「……………」

提督「雲龍さん」

雲龍「………はい」




提督「私と、ケッコンしていただけませんか」




雲龍「………………………はい」グスッ

提督「……………」スッ

雲龍「………この指輪、大切にいたしますね」

提督「………………告白とは、心地よいものですね」

雲龍「…………提督」

提督「はい?」

雲龍「私、いま…………胸が張り裂けそうなくらい…………」ズイッ

提督「……………」

雲龍「………嬉しいです♪」ニコッ

チュッ


司令長官「は~、そんな事があったんだねぇ~……」

雲龍「あの時は嬉しくて、思わず涙してしまいました…………///」

986: 2016/03/16(水) 22:07:17.80 ID:fEoUlEvh0
司令長官「それにしても、君、雲龍君のことを好きだって素振り、全然見せなかったじゃない」

提督「雲龍さんを頻繁に秘書艦にしたり、結構アピールしてたつもりなんですが」

司令長官「君は小学生か」

司令長官(まあ、これでちょっとは角が取れるかな)

提督「それより………」


ギャーギャー!

シレイカーン!ヒトコトドウゾー!

ワタシトイウヒトガイナガラー!!

ヤッパリムネカ、ムネナンカー!


提督「あれ、どうにかしないと静まりませんね」

雲龍「ほとぼりが冷めるのを待っては?」

提督「それでは、鎮守府が機能しません」

司令長官「じゃあどうするの?窓から逃げる?」

提督「そんな事しませんよ。ただ、真正面から正論突き付ければいいんです」

司令長官&雲龍(そうすると思った(思いました))

提督「では………行きますか」ガチャッ


【第三部 完】

987: 2016/03/16(水) 22:10:56.12 ID:fEoUlEvh0
これにて、総司令部編第三部は終了です。いかがでしたか?

斑提督のケッコンカッコカリ相手は雲龍となりました。一応、複線的なものはあまり仕掛けていませんでしたが、最初から雲龍とケッコンカッコカリするのは

決まっていましたので………もしかすると、お気に召さない方もいるかもしれません。


次スレは、前々から予告しておりましたエスニックジョーク×艦これになります。

元ネタに、ブラックジョーク等も含まれておりますので、それ系のモノが苦手な方はご注意ください。

明日には、このスレに新スレを建てた事を報告します。それ以降は、第四部でのリクエスト・感想等をお気軽にお書きし、埋めてくださるとありがたいです。


それではまた、新スレで会いましょう。




雲龍型で、天城だけ持ってない…。

988: 2016/03/16(水) 22:22:33.35 ID:ime4n+iN0
完走おめでとうございます、完走記念に那珂ちゃんのファン辞めます
自分も艦これにホイホイされる原因になったヴェールヌイとケッコンするために響のレベリングに東京に行ってきます

引用: 【艦これ】総司令部日和