1: 2009/07/29(水) 06:13:07.19 ID:J16iBVfyO
ジュン「あぅ……あぶあぶ……」ヨチヨチ

紅「………………」

ジュン「ばぶ…………ひゃい!!」

紅「………………」

ジュン「あゃぅやっ!!」キャイキャイ


紅「………………え?」

2: 2009/07/29(水) 06:15:04.59 ID:J16iBVfyO
紅「あ、……赤ん坊?」

ジュン「あう?」

紅「あ、あなたが、私の螺旋をまいたの?」

ジュン「うー?」

紅「ど、どうなの?」

ジュン「ばぶっ!!」

紅(………………)

5: 2009/07/29(水) 06:19:49.80 ID:J16iBVfyO
紅「よくみたら、この子指に契約の指輪がはめられてるわね……」

ジュン「うー?……んむ」ペロペロ

紅「ちょっ……」

キィィン!!!!!!

紅「け、契約しちゃった……」

ジュン「ばぶ?」

紅「ばぶ?じゃないわよ……もう……」

ジュン「ん~……」

紅「んー?」

ジュン「あぅあ!!」キャイキャイ

紅「ふぅん、そうなの……(何言ってるのかしら……)」

ジュン「ぶーぶー!!」プンスカ

紅「え、な、なんで!?」

8: 2009/07/29(水) 06:28:08.81 ID:J16iBVfyO
のり「じゅんくーん?どうしたのー?」ガチャ

紅「あなた、この子の保護者?よかった、少し話が……」

のり「…………にん……ぎょう?」

紅(…………説明が面倒臭いわね)

のり「人形が動いてる!!何これ!!まるで本物の女の子ちゃんみたい!!」

紅「私は真紅。……誇り高きローゼンメイデン第五ドール……」

のり「すごいわ!!喋ってる!!動いてる!!可愛い!!素敵!!」

紅「今から私の話を聞いてちょうだい。良いかしら?」

のり「すごいわすごいわなんて賢いのぅクレバーなのぅ!!」

紅「聞いて」

メコリ

のり「…………はい」

9: 2009/07/29(水) 06:32:36.34 ID:J16iBVfyO
かくかくしかじか……

のり「へぇ……姉妹で争ってるのねぇ……」

紅「そのために、私は媒介となる人間と契約する必要があるの。……けど……」

ジュン「ばぶ?」

のり「赤ちゃんのジュン君が契約しちゃったのね……」

紅「この子は、ジュンというのね」

紅「ジュンは赤ん坊。私の契約相手としては、幼すぎるわ」

紅「私は契約を破棄する。代わりに、あなたが契約を……」

ジュン「うあうあ」ペチペチ

紅「じ、ジュン……叩かないでちょうだい……」

ジュン「あぅあぅ」ヨジヨジ

紅「の、上らないで……」

10: 2009/07/29(水) 06:36:20.07 ID:J16iBVfyO
のり「うふふ……」

紅「のり……見てないで助けて……」

のり「ねえ、真紅ちゃん……ジュン君は真紅ちゃんのことを気に入ってるみたい」

のり「ジュン君と契約続けてくれないかな?」

紅「え?……いや、子供には危険……」

ぴーーーーっ!!

のり「やだっ!!ヤカンのお湯が!!じゃ、真紅ちゃん。少しジュン君を見ていてあげてね」トトト

紅「ちょ……」

ジュン「あぶ……ぶぅ」

紅「あ、髪、髪はひっぱらないで!!」

12: 2009/07/29(水) 06:41:44.81 ID:J16iBVfyO
ガシャァァァン!!!!

紅「なにっ!?」

くま「………………」

紅「これは……彼女ね……」

紅「目覚めて早々……いやになるわ……

ジュン「びゃぁぁぁああああん!!!!」

紅「じ、ジュン!?」

ジュン「おぎゃぁぁぁぁぁあ!!ぶぇぇぇぇぇん!!!!」

紅「あぁぁ、急に大きな音がしてびっくりしちゃったのね……よしよし」

ジュン「うわぁぁぁあああん!!!!」

紅「ほら、泣き止んで……男の子でしょ?……困ったわね……」

ジュン「ぶぇぇぇぇぇん!!」

くま「………………」

15: 2009/07/29(水) 06:51:48.35 ID:J16iBVfyO
紅「泣き止まない……泣き止まないわ……」

ちょんちょん

くま「………………」

紅「ちょ、ちょっと待ってなさい!!今赤ちゃん泣いてるでしょ!!」

くま「………………」

紅「そんな目で見ないで!!泣き止むまで待ってなさい!!」

ジュン「ぶぇぇぇぇぇん!!!!」

紅「あぁぁぁあ、ごめんなさい、ジュン。ほらほら、ゆ~らゆ~ら」

くま「………………」

とぼとぼ
λ.................[桜田家]

16: 2009/07/29(水) 07:03:55.89 ID:J16iBVfyO
??「のこのこと舞い戻ってきて……どういうつもり?」

くま「………………」

??「……真紅のマスター?それがなぁに?」

くま「………………」

??「……手を出せない……ですって?」

くま「………………」

??「言い訳は聞かないわ」

くま「………………」

??「真紅……今、会いに行くわよ……。ふふ……。」

17: 2009/07/29(水) 07:08:19.07 ID:J16iBVfyO
ジュン「んぐ……んぐ……」クピクピ

紅「……ミルクを飲んだら泣き止んだわ……」

のり「ねぇ、真紅ちゃんってごはんたべられるの?」

紅「問題なく食べられるわ」

のり「よかったぁ!!実はもう用意しちゃってて、食べられなかったらどうしようかと……」

紅「計画性が無いわね……」

ジュン「ぷぁ」

紅「あら、たくさん飲んだわね。ほら、けぷってしましょうね」トントン

ジュン「………………」

紅「…………なかなか出さないわね」トントントントン

ジュン「………………」

紅「………………あれ?な、なんで?」トントントントントントントントン

ジュン「………………けぷ」

紅「ほっ……」

19: 2009/07/29(水) 07:11:32.25 ID:J16iBVfyO
紅「ところでのり、この家にはあなたとジュンしかいないの?」

のり「ええ」

紅「両親は?赤ん坊のジュンを置いてどこかに行くなんてことは……」

のり「両親は海外を飛び回ってるわ」

紅「なっ……こんな小さな子を残して!?いったいどうして!!??」

のり「真紅ちゃん…………」



のり「ご都合主義って言葉、わかる?」

紅「なら仕方ないわね」

ジュン「うぁ!!」

23: 2009/07/29(水) 07:21:39.67 ID:J16iBVfyO
夜中

紅「…………zzZZ」

ジュン「…………zzZZ」

うにょん

??「………………うふふ」

??「真紅、びっくりするでしょうねぇ。起きたらマスターが氏んでいる……なんて」

??「あぁ……絶望に浸かる真紅の顔が目に浮かぶわぁ」

??「ローザミスティカを手に入れるためなら、なんだってする……」

銀「アリスになるのはこの私、水銀燈よ……!!」

25: 2009/07/29(水) 07:25:09.08 ID:J16iBVfyO
銀「……で、真紅のマスターはどこかしら?……あら?」

ジュン「…………zzZZ」

銀「この赤ん坊の指……契約の指輪!?まさか、このガキが!?」

銀「……ほ、本物よね?」チョンチョン

ジュン「…………んゅむ」ガシッ

銀「ちょっ!!指を捕まれた!!」

ジュン「…………zzZZ」

銀「は、離して!!離しなさい!!」グイグイ

ジュン「…………zzZZ」

銀「……は、離れない……」

26: 2009/07/29(水) 07:27:21.23 ID:J16iBVfyO
銀「仕方ないわね。予定どおり、息の根を止めるまでよ……」

銀「氏になさっ…………

ジュン「…………あう?」パチクリ

銀「………………」

ジュン「……うぶ」

銀「………………」

ジュン「あうあ、うー」ペチペチ

銀「ちょ、叩かないで……」

30: 2009/07/29(水) 07:35:16.66 ID:J16iBVfyO
銀「くっ……目が覚めたようね。眠っていれば、恐がらずにすんだのに……ねぇ?」

ジュン「う?」

銀「さぁ、私の羽であなたの体を細切れにして……」

ジュン「あうあ!!あー」ニパー

銀「細切れにして……」

ジュン「あうあう」ヨジヨジ

銀「……こまぎ…………れ……」

ジュン「ばぶー。あぅ!!」

銀「………………」

32: 2009/07/29(水) 07:38:25.54 ID:J16iBVfyO


ガパッ

紅「ふぁ……。さて、ジュンは起きてるかし……ら……」

銀「………………」

ジュン「…………zzZZ」

紅「す、水銀燈!?あなた、何でジュンを抱いてるの!!??何をするつもり!?」

銀「静かになさい!!起きちゃうでしょ!!!!」

紅「…………え?」

ジュン「…………んぁ?」パチクリ

銀「あらあら、起きちゃったのねぇ?よしよし」ユラユラ

ジュン「あぅあ、きゃい!!」キャイキャイ

紅「………………」

34: 2009/07/29(水) 07:46:56.56 ID:J16iBVfyO
銀「真紅、私気付いたのよ……」

紅「な、なんでしょうか」

銀「アリスになる方法」

紅「アリスになる方法?」

銀「聖母マリアは少女でありながらも身籠り、キリストを産んだ」

銀「マリアは一点の汚れなく子を宿し、聖なる象徴として今でも崇められている」

紅「え、あの、話が見えない……」

銀「この子を育てるわ。そう、あのマリアの様に……私も、この子を」

銀「それが、アリスへの道!!」

紅「………………」

銀「私の見解に驚いて、言葉も出ないようね」

紅(水銀燈が母性に目覚めた……)

36: 2009/07/29(水) 07:52:48.86 ID:J16iBVfyO
紅(何にせよ、水銀燈と争わなくてすむのは善いことね)

紅「すばらしい考えだわ、水銀燈(ここは合わせておきましょう)」

銀「うふふ……。この子を立派に育てるわよ」

ジュン「ばぶ、ばぶー!!」キャイキャイ

紅「ジュンも喜んでるわ」

銀「じゃ、私この子をつれて帰るから」

紅「待ちなさい」

38: 2009/07/29(水) 07:56:49.21 ID:J16iBVfyO
そのころ

??「ごめんね、雛苺。ずっと一人にして」

雛「……トモエ……トモエは雛苺と遊んでくれるかしら?」

巴「うん」

雛「じゃあ一緒に行きましょ」

巴「うん、行こう……」

40: 2009/07/29(水) 08:01:28.19 ID:J16iBVfyO
紅「水銀燈、そういえばあなたはどこから入ってきたの?」

銀「簡単よ。そこのクローゼット、あけたら鏡がついてるのよ」

ガチャン

紅「あら、本当。nのフィールドを通ってきたのね」

銀「……どうやらその道、私以外にも目を付けた娘がいたみたいね」

紅「……え?」


雛「うふふ……」

紅「雛苺!!」

41: 2009/07/29(水) 08:06:12.72 ID:J16iBVfyO
雛「遊びにきたわ、真紅」

紅「あなた……アリスゲームをしに来たのね」

雛「ううん。本当に遊びに来たのよ。ヒナのフィールドに、真紅を招待してあげる」

紅「……どういうつもり?」

雛「ヒナは遊びたいの。来て、巴も待ってるわ」

うにょん

銀「……行くの?」

紅「あの子の考えが解らない……けど、いやな予感がするわ」

銀「行ってきなさいよ。その間、ジュンは私と遊びましょうねぇ?」

ジュン「あぶ、あぁー」キャイキャイ

紅「………………」

43: 2009/07/29(水) 08:10:20.95 ID:J16iBVfyO
雛「トモエ、真紅をよんだわ。もっと、もっと遊びましょ?」

巴「ひな……いち……ご?」

雛「トモエもヒナと同じカッコ。似合ってるのよ?」

巴「雛苺……」

雛「ね、もっとあそぼ?」

雛「ずっと、ずぅっと……」

44: 2009/07/29(水) 08:14:03.51 ID:J16iBVfyO
紅「おイタがすぎるんじゃない?雛苺」

雛「真紅!!遊びに来てくれたのね!!」

紅「違うわよ!!」

紅「…………それより」

巴「雛苺!!雛苺ぉぉぉっ!!」

紅「あそこで、あなたと同じ格好をした『おっさん』は誰?」

雛「ヒナのマスター!!」

巴「うぉぉぉぉ!!!!雛苺!!この格好はすこぶるハズい!!!!」

雛「似合ってるのよー」

紅「………………」

50: 2009/07/29(水) 08:20:38.72 ID:J16iBVfyO
巴「キツい!!ショーツとかいうのもキツいが、この格好、年齢的にもキツい!!」

紅「雛苺、やめてあげて……」

雛「なんで?可愛いのよ?」

紅「あぁ、日本語がわかってないのね。あれは気持ち悪いというのよ」

雛「very cute!!」

紅「oh no……」

巴「ぐぎぎぎぎ……」

紅「力まないで、顔が醜いから」

巴「ひ、左に傾ければ良いか?」

紅「『見にくい』じゃなくて、『醜い』よ……」

58: 2009/07/29(水) 08:30:34.31 ID:J16iBVfyO
電源が切れまくる。ちょっとまっててください。

65: 2009/07/29(水) 08:44:32.00 ID:J16iBVfyO
紅「これ以上おっさんをいじめるなら、あなたをとめるわ、雛苺」

雛「そんな……ヒナはもっとあそびたいの!!」

紅「遊ぶならおっさんを戻してあげて……」

巴「ひないちごぉお!!」

雛「真紅のばか!!てるてるぼーず!!ニンジン!!」

雛「真紅なんか、ペシャンコになっちゃえ!!」

ぬいぐるみ「………………」ぬおおっ!!

66: 2009/07/29(水) 08:59:42.56 ID:J16iBVfyO
紅「結構すごいことができるじゃないの……」

雛「ぜったいぜったい、負けないんだからぁ!!」

巴「あっつ!!指輪あっつ!!火傷すんぞこれ!!」

紅(逃げ回って、おっさんが疲れたところで、雛苺を説得しましょう)

紅(私は、媒介から力を取れないから……)

紅「雛苺、私を捕まえてみなさい!!」

68: 2009/07/29(水) 09:02:14.09 ID:J16iBVfyO
そのころ

ガチャ

のり「ジュンくーん。真紅ちゃーん」

銀「あら、誰かしら?」

のり「まぁ、真紅ちゃんじゃないお人形さん?」

銀「もしかして、この子の身内?」

のり「はじめまして、ジュン君のお姉ちゃんの、のりです」

銀「私は水銀燈よ。覚えておきなさい」

69: 2009/07/29(水) 09:04:52.94 ID:J16iBVfyO
銀「ふぅん、両親は旅行ね……」モグモグ

ジュン「ばぶ」クピクピ

のり「そうなの。だから私がジュン君を育ててたのよ」

銀「あれ、あなた、学生?」

のり「ご都合主義」

銀「ふぅん」

ジュン「ん……ん……」クピクピ

銀「あら、これおいしいわね」モグモグ

のり「たくさん食べてね」

銀「わるいわね」モグモグ

ジュン「ん……ぷぁっ」

70: 2009/07/29(水) 09:07:33.25 ID:J16iBVfyO
のり「でね、この写真が生まれたばかりのジュン君」

銀「あぁ、まるで天使ね……」

のり「けっちがお昼寝ジュン君!!」

銀「きゃっ!!何これ!!猫と一緒じゃない!!」

のり「可愛いでしょ?可愛いでしょ!?」

銀「なんで私はこの時いなかったのよ!!!!」

のり「こっちはワンちゃんと」

銀「一枚!!一枚よこしなさいよ!!」

73: 2009/07/29(水) 09:09:59.38 ID:J16iBVfyO
二時間後

紅「はぁっ……はぁっ……」

雛「ふぅっ……ふぅっ……」

巴「うぉぉ!!指が熱いぞ!!熱すぎる!!」

紅「………………」

巴「ヒナァッ!!ヒナァッ!!」

紅「………………」

巴「おおおぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!」

紅「疲れなさいよっ!!!!」

巴「え、えぇっ!?」

76: 2009/07/29(水) 09:13:14.17 ID:J16iBVfyO
雛「トモエはね、けんどーどーじょーの『しはん』なんだって」

巴「有り余るパワー。ほとばしる熱気。柏葉巴です」

紅「勝てる気がしない……」

紅「いい、雛苺」

雛「うゅ?」

紅「もし、このおっさんがこのままの格好で一生を過ごしたら、どうなるか解る?」

雛「んー?」

紅「…………逮捕よ」

雛「えぇっ!?」

巴「え゛ぇ゛っ!!??」

77: 2009/07/29(水) 09:17:32.13 ID:J16iBVfyO
紅「それでも良いの?そうなると、もうおっさんとは遊べないわよ」

雛「や、やだぁ!!そんなのやだぁっ!!」

しゅぅうぅう

巴「おぉっ!!元着ていた甚平にもどった!!」

紅(あら、まともな格好ならフツメンね。というか、甚平って渋いわね)

雛「ごめんね、トモエ……」

巴「いいんだよ、雛。稽古ばかりで構ってやれなかった俺が悪いんだ」

巴「これからは、もっと雛と遊んでやる!!」

雛「トモエ……」

紅「帰りたい…………」

79: 2009/07/29(水) 09:21:42.91 ID:J16iBVfyO
うにょん

紅「ただいま……」

雛・巴「おじゃましまーす」

紅「え、なんで?」

巴「いや、同じローゼンメイデンのマスターどうし、挨拶をしておこうと」

雛「れーぎなのよ」

紅「あ、……そう」

巴「で、えーっと、真紅?君のマスターは?」

ジュン「あぶあぶ」

銀「よしよし……」

紅「あの赤ん坊よ」

巴「……え?」

雛「わぁっ!!かわいい!!」

紅「でしょ?」

81: 2009/07/29(水) 09:30:22.84 ID:J16iBVfyO
雛「でも、なんで水銀燈がいるの?」

紅「それはね……」

かくかくしかじか

雛「ふぉぉっ!!水銀燈すごいの!!」

巴「む……。しかし、姉妹で争わなくてすむなら、それに越したことはないな」

紅「水銀燈。あなた、のりをしらない?」

銀「あの女ね。学校へ行ったわ」

巴「……のり?」

85: 2009/07/29(水) 09:37:28.84 ID:J16iBVfyO
銀「のりは、この写真の右上の女よ」

紅「……あなた、何よその写真」

銀「この子の写真をもらったの。ねー?」

ジュン「あぅあっ!!」キャイキャイ

雛「………………トモエ?」

巴「…………美しい」

紅・銀・雛「え?」

巴「惚れた!!!!」

紅・銀・雛「えぇぇっ!!!!」

ジュン「ぶぅ……」

88: 2009/07/29(水) 09:42:35.19 ID:J16iBVfyO
のり帰宅

のり「お人形さん……増えたわねぇ……」

雛「うゅ」

巴「あ、あの!!」

のり「あら?……えっと、どちら様ですか?」

巴「じ、自分、柏葉巴です!!ローゼンメイデン雛苺のマスターです!!」

雛「雛苺です。よろしくおねがいしますっ!!」

のり「や~んかわいぃっ!!」ムギュー

雛「うゅー」

巴「聞くところによりますと、のりさんは学校に通っていらっしゃると?」

のり「ええ……」

90: 2009/07/29(水) 09:46:36.50 ID:J16iBVfyO
巴「あの、おたくのジュン君の子守、任せてはもらえませんか!?」

銀・紅「え゛?」

巴「のりさんが学校に行っている間、二体のドールズだけでは不安かと……」

銀「なんですって……?」

紅「まって、水銀燈。おっさんのいうとおりよ」

紅「仮に強盗が来た場合、私たちだけでは、ジュンを守れないわ」

巴「自分、剣道の師範なので、そういった危険を防ぐことができます!!」

のり「でも、何だか悪いわ……」

93: 2009/07/29(水) 09:50:31.12 ID:J16iBVfyO
巴「……それに、雛苺のことで」

雛「うゅ?」

のり「ヒナちゃんが?」

巴「自分だけじゃなく、ここにいる二体のドール。姉妹なんだ、一緒にいさせてあげたい」

巴「アリスゲームも休戦中のようですし」

のり「柏葉さん……」

のり「わかりました、おねがいします」

巴「いやっほぉぉぉぉぅいっ!!!!ktkr!!!!(お任せください!!)」

紅「思ってることと口に出てることが逆よ……」

ジュン「ばぶ、うーあ」

雛「よしよし」

銀「よしよし」

94: 2009/07/29(水) 09:55:04.21 ID:J16iBVfyO
その夜 有栖川大学病院


からたちの…… とげは痛いよ……♪
青い あおい……

??「……あら」

銀「……続き、歌って」

??「………………」

??「な、なんだって?」

銀「続き歌って」

??「はいぃ?」

銀「つ・づ・き・を・う・た・っ・て!!」

??「あぁぁ……つづきね。……いや、最近耳が遠くてね……」ヨボヨボ

銀「……そう」

??「えぇっと、なんだったかねぇ?」ヨボヨボ

銀「………………」

101: 2009/07/29(水) 10:03:21.97 ID:J16iBVfyO
??「柿崎さん、柿崎さん。消灯の時間だから窓を閉めてくださいね」

柿崎「看護婦さん、こうするとね、窓から天使さんが来てくれるんですよ」

看護婦?「柿崎さん、私は看護婦じゃなくて介護師ですよ」

柿崎「そうじゃったかのう?」

介護師「ちゃんとご飯食べてくださいよ、柿崎さん」

柿崎「……入れ歯の噛み合わせが悪くて、食べるのがつらいんですよ……」

介護師「じゃあごはんやわらかくします?」

柿崎「そんなゲロみたいなもの、食べる気がしないねぇ……」

104: 2009/07/29(水) 10:08:47.04 ID:J16iBVfyO
数日前

銀「あなたが私のネジをまいたのぉ?つまんないカンジぃ……」

柿崎「おやまぁ、天使さんかい?もうお迎えが来たんだねぇ……」ヨボヨボ

銀「あきれたおばかさぁん。まぁいいわ。契約を結びなさい。あなたの力を根こそぎ貰うわ」

銀「貴女みたいな氏にかけの老いぼれなら、すぐイッちゃうかもぉ……」

柿崎「やっぱりお迎えだねえ。こんな綺麗な天使さん見られるなんて、ナンマンダブナンマンダブ……」

銀「天使……?だから私は……」

柿崎「天使さんだねぇ……」

銀「………………」

106: 2009/07/29(水) 10:14:23.62 ID:J16iBVfyO


??「……すけて……」

??「助けて、真紅っ……!」

ガシャァァアアアン!!!!!!

ジュン「ふ、ふぇぇぇぇぇぇぇん!!びぇぇぇぇぇん!!!!」

??「真紅!!」

メコリ

紅「うるさい」

??「ご、ごめんなさいです……」

107: 2009/07/29(水) 10:17:21.95 ID:J16iBVfyO
紅「あなた、一体何のようなの、翠星石」

翠「そ、その……」

ジュン「ふぇぇぇん!!!!ふぇぇぇん!!!!」

紅「まって、その前にジュンをあやすから。ほら、いい子ねジュン」

翠「そ、そのチビ人間はなんですか?」

紅「私のマスターよ。ほら、いないいない……ばぁ」

ジュン「あぅあ、……うーあ!!!!」

紅「ほーら、いい子ねジュン」

翠「…………」

108: 2009/07/29(水) 10:19:25.13 ID:J16iBVfyO
紅「あなたも触ってみる?」

翠「え!?」

ジュン「う?」

紅「ほら、手に触れてごらんなさい」

翠「………………」オズオズ

ジュン「うぁっ!!」パタパタ

翠「ひ、ひぃっ!!」ササッ

紅「大げさね。赤ちゃんじゃないの」

111: 2009/07/29(水) 10:27:38.95 ID:J16iBVfyO
紅「人間といえども、まだジュンは赤ん坊なのよ?すこし人見知りすぎではないの?」

紅「それに、『あの子』はどうしたの?あなたの……双子の妹」

翠「……人間……なんて、大嫌いっです!!」

ぺちん

ジュン「ふぇっ!!ふ、ふぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」

メコリ

紅「なんてことするのよ」

翠「ご、ごめんなさいです……」

113: 2009/07/29(水) 10:33:17.86 ID:J16iBVfyO
同時刻 某所にて

??「ひゃっはー!!今日も良い走りだったぜフタバァ!!」ブオンブオン!!

二葉「お前もなぁカズハァ!!!!」パラリラパラリラ!!

一葉「俺たち『薔薇夜氏鬼』は、誰も止められねぇぜ!!!!なぁおまえら!?」ババババババ!!

舎弟達「おぅっ!!薔薇夜氏鬼、世露氏苦ぅ!!」バオンバオン!!!! 


蒼「………………」

115: 2009/07/29(水) 10:39:42.44 ID:J16iBVfyO
翠「翠星石は、怖くて族を逃げたですが……蒼星石は……」

紅「捕らえられてしまったのね……」

翠「へ?誰がそんなこといったですか?」

紅「……じゃあどうしたというの?」

翠「…………その、ヘッド……に……」

紅「………………」

翠「………………」

121: 2009/07/29(水) 10:44:22.79 ID:J16iBVfyO
同時刻 某所にて

蒼「止めなアンタらぁ!!」

一葉「あ、姉貴!!」

二葉「何ですか!?今最高にノッてたじゃないですか!!」

蒼「そんなチンケな、赤子の泣き声みたいな音で、よく言うね……」

蒼「本物の音、聞かせてやるよ!!」

バオン!!バボボボボバオン!!!!バババババボボボン!!!!!!

一葉「す、すげぇや!!さすが姉貴だぁ!!」

二葉「ア・ネ・キ!!ア・ネ・キ!!」

蒼「今夜はもうひとっぱしり行くよ!!ついといで!!!!」

舎弟達「おぅっ!!!!!!」

127: 2009/07/29(水) 10:50:08.05 ID:J16iBVfyO
パラリラパラリラ

紅「……今窓の外を通ったの……」

翠「薔薇夜氏苦ですね……」

パラリラパラリラパラリラパラリラ

ジュン「ふぇ……ふ、ふぁ……」

紅「じ、ジュン!!ダメよ泣いたら、ほら、いい子ねー」

ジュン「ぅ、ぅ、……」

バババババボボボンバババババボボボン!!!!!!

ジュン「ふぇぇぇぇぇぇぇん!!!!うわぁぁぁぁぁぁああん!!!!!!」

紅「………………翠星石」

翠「はい?」

紅「……ちょっと潰してくるからジュンを頼んだわ」

翠「えぇっ!?」

128: 2009/07/29(水) 10:54:09.99 ID:J16iBVfyO
舎弟達「ひゃっはー!!!!」パラリラパラリラ

ぶわっ!!

舎弟A「な、め、目の前に薔薇の花吹雪が!!」

舎弟B「ま、前が見えねぇ!!」

舎弟C「お、おい!!こっち来んな!!ぶつか、うわぁぁああ!!」

メコリ メコリ メコリ

舎弟三人 全治3ヵ月

紅「この調子で行くわよ」

銀「ジュンを泣かせた奴らは頃す……」

129: 2009/07/29(水) 10:55:04.05 ID:J16iBVfyO
× 薔薇夜氏苦
○ 薔薇夜氏鬼

133: 2009/07/29(水) 11:00:48.67 ID:J16iBVfyO
うわぁぁあああ メコリ
ぎゃぁああああ メコリ
びゃぁぁぁぁあ メコリ


一葉「な、何だか音が静かになってね?」

二葉「お、おい!!舎弟共がいつのまにかいねぇぞ!!」

一葉「あ、アネキ!!大変だ!!」

蒼(この気配……真紅と水銀燈?なぜ仲の悪い二人が?)

蒼「うろたえるんじゃないよ!!どうやら、戦争が始まるみたいだよ!!」

一葉「なにぃ!?まさか、炎呪のやつらが!?」

二葉「い、いや、羅腐゜裸透かも……」

蒼「どっちでもない!!このまま峠に入るよ!!」

一葉・二葉「応!!!!」

137: 2009/07/29(水) 11:05:04.60 ID:J16iBVfyO
蒼「……あれは?道が消えてる!!」

蒼「とまれぇ!!急ブレーキだぁ!!」キキキィィィッ

一葉「と、とまれねぇぇ!!」

二葉「うわぁぁあああ!!」

銀「かかったわね!!」

ばさぁっ!!

蒼「な、道が無いんじゃなく、黒い羽を敷いてあっただけ!?」

紅「はぁっ!!」

メメコリ

一葉・二葉「ぎゃぁあああああ!!!!」

一葉・二葉 瀕氏の重傷 全治5ヶ月

141: 2009/07/29(水) 11:09:54.24 ID:J16iBVfyO
蒼「……やってくれるね、真紅、水銀燈」

紅「覚悟は良い?」

銀「祈る時間は与えないわよ」

紅「もちろん、貴女がしゃべる時間も」

銀「謝る時間もね」

蒼(二人はなぜか共闘態勢。何があったかは知らないけれど、一筋縄じゃ行かない)

蒼(どうする?何ができる?)

蒼(バイクを捨てるか……いっそバイクを爆破して二人を爆風に巻き込む……)

蒼(……長いな、時間がゆっくりに感じる。……二人もゆっくりとしてる)

蒼(……あれ?)

蒼(体が……動かない?)

143: 2009/07/29(水) 11:13:43.17 ID:J16iBVfyO
巴「よく氏ぬ間際に走馬灯というものを見るらしい」

雛「走馬灯?」

巴「なんか、危機的状況に脳から何やら分泌されて、一瞬がゆっくりと感じるらしいんだ」

巴「大量に分泌されたアドレナリンとかの所為で、視覚情報含む五感がマヒするとかしないとか」

雛「説明するならちゃんとしたほうが良いのよ」

巴「まぁ、あれだよね」

巴「氏亡フラグ」








メコリメコリメコリメコリ

145: 2009/07/29(水) 11:17:09.18 ID:J16iBVfyO
蒼「あが……ぐ……」

紅「一度だけチャンスをあげるわ。ごめんなさい、いえる?」

蒼「……ごめ……なさ……」

ボガァァァアアアン

銀「あら、バイク壊れちゃった」

紅「今の音で聞こえなかったから、謝罪は無効ね」

蒼「そんな……げほっ……」

銀「うふふ……真紅、ローザミスティカは出しちゃダメよ」

紅「難しいわね」

蒼「………………かはっ」ガクッ

紅「気を失ったわ」

148: 2009/07/29(水) 11:21:49.94 ID:J16iBVfyO
やっと、見つけたと思ったんだ。僕らしさ。翠星石とは違う、自分だけの部分。
……楽しかった。みんな僕を見てくれる。みんな、僕を慕ってくれる。
半身なんかじゃない、本当の自分自身を求めた。

けれど、間違っていたのかな。
僕は求めて藻掻くあまり、泥の海に気付いてなかった。

…………まぁ、そんなことより。


蒼「あの、そろそろ許してください」

銀「ダメよ!!次はジュンとこの花と一緒に映るの」

蒼「いつまで写真取れば良いの?」

紅「水銀燈が飽きるまでよ」

蒼「そんな……」

翠「蒼星石……」

ジュン「あぶっ!!」

150: 2009/07/29(水) 11:31:10.15 ID:J16iBVfyO
ジュン「あう、あうあ……」ヨジヨジ

蒼「わ、ちょ、な、なに?」

紅「ジュンは蒼星石が気に入ったみたいね」

ジュン「ばぶっ!!ばぶー」ニパー

蒼「………………」

ジュン「だぁ、だぁいっ」キャイキャイ

蒼「…………ふふっ」

蒼「ほら、たかいたかーい」

ジュン「きゃぁっ!!あうあー」キャイキャイ

翠「す、翠星石もたかいたかいしてやるです!!」

紅「あら、人間は嫌いじゃなかったの?」

翠「ち、チビ人間は別ですぅ……。その、なんというか、えっと……」

銀「かわいいじゃないの」

翠「……です」

紅「…………ふふっ」

153: 2009/07/29(水) 11:33:20.24 ID:J16iBVfyO
桜田家庭

  「ふっふっふ。平和。実に平和」

  「今のうちに十分平和を堪能しておくと良いかしら!!」

  「ローザミスティカは、この金糸雀が、楽してズルして頂きかしら!!」

  「………………」

  「あ、あれ?……名前が……」

158: 2009/07/29(水) 11:37:46.08 ID:J16iBVfyO
後日 桜田家

紅「それじゃあ、二人とも契約はしていなかったの?」

翠「です」

蒼「なんか、彼らにとって契約は同じ杯でお酒を飲むことなんだって」

紅「…………そう」

雛「じゅーん、いないいない……ぱぁっ!!」

ジュン「うあぅっ!!」キャイキャイ

銀「………………」パシャッパシャッ

巴「10621……10622……10623……」

翠「ところで、あの腕立てが一万台突破してもペースが落ちないおっさんはなにものですか?」

紅「雛苺のマスターよ」

蒼「すさまじいね……」

166: 2009/07/29(水) 11:47:33.93 ID:J16iBVfyO
雛「ねぇトモエ、遊んで?」

巴「じゃあ全力鬼ごっこやろう」

雛「みんな、全力鬼ごっこやるのよ!!」

銀「私とジュンはパス」

翠「全力鬼ごっこ?」

紅「初めて聞いたわ」

巴「簡単さ。自分が鬼をやるから、みんなは逃げて」

蒼「普通と何が違うの?」

巴「巴、全力出します」

紅・翠・蒼(大変だ……)

168: 2009/07/29(水) 11:52:01.55 ID:J16iBVfyO
よーい、スタート!!!!

紅「十秒後、巴がやってくるわ!!」パタパタ

翠「に、逃げるです!!本気で逃げるです!!」

蒼「少し大げさじゃないかな?だって、本気っていっても

       十秒

  所詮人間の運動能力だよ?」
バシュッ!!

蒼「……あれ?体が浮いてる?」

巴「つ~かまえた~」

蒼「う、うわぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!」

翠「なんで蒼星石はあんなに氏亡フラグを立てるですか!!」

紅「ていうか、本当に早い!!!!」

169: 2009/07/29(水) 11:55:11.41 ID:J16iBVfyO
翠「逃げるです!!」

わしっ

巴「二人目~~」

翠「ひぃぃぃっ!!!!」

わしっ

巴「三人目~~」

紅「      」←失神

巴「あとは雛苺だけかな?」

翠「そういえば、チビ苺が見当たらないですね?」

蒼「どこに逃げたんだろ?」

170: 2009/07/29(水) 11:58:48.66 ID:J16iBVfyO
十分後

巴「雛苺~降参だよ~。出てきてよ~」

銀「……ですって

もぞもぞ

雛「ぷはっ」

紅「……水銀燈のスカートの中……」

蒼「水銀燈、不自然に身長が低いように見えたんだよね」

銀「十分も中腰だったから……腰が……」

翠「逃げられないなら、隠れる。……ですか」

巴「あはは、雛苺はつよいなぁ」

雛「えへへ」

172: 2009/07/29(水) 12:03:50.26 ID:J16iBVfyO
夜 有栖川大学病院

柿崎「すみませんね、介護師さん。病院までいつも来てくれて」

介護師「いいんですよ、別に。じゃ、消灯時間だから、帰りますね」

柿崎「はいはい、じゃあね……」

バタン

銀「……なぜ看護婦を利用しないの?」

柿崎「ここの病院の看護婦、駐車が下手なのよ……」

銀「めぐ……そんな理由で?」

めぐ「……本当は、あの人の残した財産を、なるべく使いきりたくてねぇ……」

めぐ「息子夫婦たちは、あの人の残した財産を私からすべて奪おうとしてる……」

めぐ「あの人は、私に託してくれた。あんな金に汚い息子夫婦には、とてもあの人のお金はあげられないよ……」

銀「…………そう」

175: 2009/07/29(水) 12:06:50.57 ID:J16iBVfyO
めぐ「銀ちゃん、こっちにおいで……」

銀「………………何よ」

めぐ「あ~ぁ、本当に銀ちゃんは、綺麗だねぇ……」

銀「当たり前じゃない。人形だもの」

めぐ「……孫がいれば、銀ちゃんくらいかしらね」

銀「……孫、いないの?」

めぐ「あの息子夫婦、お金にしか目が無くて、孫を作りもしないのさ」

めぐ「……ほんと、碌でもない息子だよ……」

銀「………………」

179: 2009/07/29(水) 12:10:22.25 ID:J16iBVfyO
紅「ジュンを、水銀燈のマスターに会わせたい?」

銀「……マスターじゃないんだけどね。その、高齢で……孫が見たいって」

紅「……あなたが誰かのためになんて、珍しいわね」

銀「……はじめてよ」

銀「……あんなに真っすぐに私を見てくる存在は」

紅「……変わったわね、あなた」

銀「……この子のおかげかしらね」

ジュン「………………zzZZ」

紅「……本当に、いい子」

銀「……えぇ」

182: 2009/07/29(水) 12:13:11.65 ID:J16iBVfyO
巴「なるほど。それで、病院へ?」

のり「えぇ。ジュン君だけじゃなく、真紅ちゃん達もつれていきたいんだけれど……」

巴「じ、自分がつれていきましょうか?カバン五つくらい軽いですよ!!」

のり「あら、良いんですか?」

巴「ぜひ!!」

のり「何か、申し訳ないわ」

巴「いいえ!!むしろドンと来てください!!」

のり「……はぁ」

183: 2009/07/29(水) 12:17:27.36 ID:J16iBVfyO
同時刻 某所

金「というわけで、明日は病院を偵察してくるかしら!!」

??「そ、そう。……あ、あの、あんまり、……無茶、しないでね?」

金「大丈夫!!みっちゃんは安心して女子中学校に行ってくるかしら!!」

みつ「う、うん。……あ、あの、カナ?」

金「なにかしら?」

みつ「だ、だっこ……。し、して、いい、かな?」

金「お安い御用かしら!!」ピョイン

みつ「か、カナ……や、やわらかくて、かわいいなぁ……」ポワァ

金「みっちゃんも可愛いかしら!!」スリスリ

みつ「あ、あ、……ありがと……カナ……」カァァ……

189: 2009/07/29(水) 12:21:36.07 ID:J16iBVfyO
みつ「ま、また……作ったの……カナに、に、似合いそうな……お話……」

カナ「本当!?聞かせて聞かせて!!」

みつ「う……うん。……こほん。……昔々、あるところに、金糸雀という可愛らしい女の子がいました」

カナ「………………」ワクワク

みつ「金糸雀は毎日、お城の前の広場で、バイオリンを演奏しています」

カナ「うんうん!!」

みつ「ある日、王様が散歩をしようと門を出ると、広場から金糸雀の奏でるバイオリンの音が……」

カナ(みっちゃん……カナは幸せかしら……)

192: 2009/07/29(水) 12:26:57.36 ID:J16iBVfyO
後日 有栖川大学病院

のり「しつれいします」

めぐ「おやまぁ……あなた達が、銀ちゃんの言ってた子達だね……」

のり「は、はじめまして。桜田のりです」

巴「柏葉巴です。あと、ローゼンメイデン四体の」

ガパッ

紅「はじめまして。ローゼンメイデン第五ドール、真紅よ」

翠「同じく第三ドール、翠星石です」

蒼「第四ドール、蒼星石です」

雛「ヒナなの!!」

めぐ「あらあら、みんな可愛らしいわねぇ……」

巴「えっ!?」

銀「あなたは入ってないわよ」

197: 2009/07/29(水) 12:30:32.50 ID:J16iBVfyO
のり「それで、この子がジュン君です」

めぐ「あらまぁ……可愛いわねぇ……。抱っこしても良いかしら?」

のり「はい」

ジュン「あう?」

めぐ「綺麗な目ね。すごく澄んでるわ」

ジュン「うー。……あいっ」

めぐ「あら、おしゃぶりくれるの?」

ジュン「んー」

めぐ「ありがとう」

銀「…………めぐ」

198: 2009/07/29(水) 12:33:12.24 ID:J16iBVfyO
めぐ「お二人は恋人……」

巴「………………」ピク

めぐ「ではなさそうね」

巴「………………」ショボン

翠「ぷくーっぷぷっ」

紅「だ、だめよ翠星石……笑っちゃ……くくっ」

蒼「………………くくっ」プルプルプルプル 

巴「………………」

雛「お婆ちゃん!!」ピョイン

めぐ「あら、雛ちゃん?」

雛「ヒナなの!!」

201: 2009/07/29(水) 12:37:24.81 ID:J16iBVfyO
雛「お婆ちゃん、もう淋しくない?」

めぐ「え?」

雛「お婆ちゃん、雛がお部屋に入ったときはすごく淋しそうな目だったわ」

めぐ「………………」

雛「でも、ジュンを抱っこしつから、お婆ちゃん目がキラキラしてるの!!」

のり「ヒナちゃん…………」

雛「ヒナはね、カバンの中でずーっと一人ぼっちだったの。ヒナ、淋しいのは嫌い……」

204: 2009/07/29(水) 12:43:50.66 ID:J16iBVfyO
雛「今でもヒナ、カバンで寝る時はたまにこわくなっちゃうの」

雛「もしかして、このままずーっと目覚めなかったら、ヒナはまた一人ぼっちなのかしらって……」

巴「雛苺……」

雛「でも、朝になるとヒナはおばかさんだったわっていつも思うのよ。だってね……」

雛「トモエものりもジュンも真紅達も、起こしてくれる人はたくさんいるんだもの」

めぐ「……そう。そうね」

雛「もしお婆ちゃんが夜寝るのが怖くなったら、ヒナに言ってね」

雛「ヒナが起こしてあげるからね」

めぐ「…………ありがとう、ヒナちゃん。皆さん」

207: 2009/07/29(水) 12:47:29.96 ID:J16iBVfyO
めぐ「……良いことを考えたわ」
銀「……めぐ?」

めぐ「あの人の財産、すべて息子に渡してしまいましょう」

銀「そんな!!だってめぐは……」

めぐ「良いのよ、水銀燈。あれでも、私の息子なのよ」

めぐ「あの人も、許してくれるわ。きっと……」

銀「…………えぇ」

翠「ぐすっ……うぅぅ~……。蒼星石、蒼星石と翠星石は、ずっと一緒ですよ!!」

蒼「うん。そうだね……」

ジュン「あぶっ!!」

208: 2009/07/29(水) 12:50:20.91 ID:J16iBVfyO
金「…………すっごく出にくいかしら……」

金「あんな雰囲気の中に奇襲かけるなんて、カナにはできないかしら……」

金「……今日は予定変更して、桜田家に侵入するわ!!」

金「その前に、みっちゃんの卵焼き入りお弁当を……」カパッ

カラス「カアッ、カァッ」パクッ

金「あ、ああぁぁ!!!!」

261: 2009/07/29(水) 19:19:53.58 ID:J16iBVfyO
後日

銀「あれからめぐが回復に向かってるのよ」

ジュン「あぶ、あうあう」キャイキャイ

紅「あら、それは良いことね」

ジュン「ばーぶ、ぶー」キャイキャイ

銀「それで、またジュンを抱っこしたいって言ってるわ」

紅「そうね、のりの時間があれば頼んでみましょう」

ジュン「うー?うば!!」

蒼「ジュン君をあやしながら会話してる……。慣れてるね」

265: 2009/07/29(水) 19:23:17.77 ID:J16iBVfyO
巴「雛苺、これは何を書いたのかな?」

雛「真紅と、水銀燈!!あと翠星石と蒼星石!!」

巴「これは……あ、もしかしてジュンとのりさんに、お婆ちゃん?」

雛「うん!!」

巴「………………」

巴「じゃあ、この怪獣は……」

雛「トモエー!!!!」

巴「………………」

269: 2009/07/29(水) 19:26:40.53 ID:J16iBVfyO
翠「おーいチビ人間。ちょっととっち向きやがれですー」

ジュン「うー?」

ふにふに

翠「はぁぁぁあ……。ほっぺがやわらけーですぅぅ……」

蒼「どれどれ……」

ふにふに

ジュン「あう、あー。きゃいっ!!」キャイキャイ

蒼「ああぁぁ……」

翠「いやされますねー」

蒼「至福のひとときだね……」

270: 2009/07/29(水) 19:30:14.37 ID:J16iBVfyO
桜田家庭

金「むむ……みんなのんきに遊んでいるわね……」

金「このまま気付かれないように、少しずつ距離を縮めるかしら……」ニジリニジリ

のり「…………」

金「あとすこし……あの半開きになった窓から侵入すれば……」ニジリニジリ

のり「………………」

ひょい

金「あら?体が浮いてるかしら?」

のり「………………」

金「………………」

のり「こんにちは」

金「…………こんにちは……」

273: 2009/07/29(水) 19:39:44.33 ID:J16iBVfyO
雛「カナリアァァァアア!!!!」ギュゥ

金「ぐ、ぐるじいがじら、びないぢご……」

紅「あなた、なぜここへ?」

のり「なんかお庭に一人でいたのぅ。可愛かったからつれてきちゃった♪」

銀「……ははぁ。さてはあなた、どうせまた楽してズルしていただきかしら~とか言ってるんでしょ?」

金「ドキッ」

翠「ドキッって口で言いましたよ?」

蒼「そういう子なんだよ。金糸雀は」

276: 2009/07/29(水) 19:45:52.30 ID:J16iBVfyO
金「かくなるうえは……」

ばっ!!

ジュン「…………ばぶ?」

金「この子を人質とするわ!!!!」

紅・銀・のり「ジュン!!!!」

金「この子を危険な目に遭わせたくないなら、おとなしくしているかしら……」

翠「……どう思います?」

蒼「うまく行かない気がする。そういう子だから。金糸雀は」

279: 2009/07/29(水) 19:49:26.60 ID:J16iBVfyO
雛「金糸雀、遊びに来たんじゃないの?」

巴「なんだ、物騒な子だなぁ」

金「し、静かにして!!」

ジュン「………………?」

ジュン「あうあう」ペチペチ

金「ちょ、オデコたたかないで……」

ジュン「うー」ギュゥ

金「あ、あんまりしがみつかれると動きにくいかしら……」

ジュン「あー!!ばぶ!!だぁっ!!」グイグイ

金「ほっへをひっはらはいれ……」

銀「なんて羨ましい!!」

283: 2009/07/29(水) 19:55:28.01 ID:J16iBVfyO
金「もう……なんなのよこの子……」

蒼「赤ん坊にそんな事言っても……」

翠「金糸雀が遊ばれてるです……ぷくっくくっ!!」

金「うぅぅ……あ、あかんぼめぇ……」

ひょい

巴「はい、ジュン君救出」

金「……はれ?」

紅・銀「カ・ナ・リ・アァ?」ゴゴゴゴ

金「ひ、ひぃっ!!」

286: 2009/07/29(水) 19:59:35.80 ID:J16iBVfyO
金「だしてぇ~。ごめんなさいぃ~……」

蒼「ちょっとひどくない?」

銀「何故?本来ならジャンクにするところよ」

紅「二時間も頭冷やせば反省するでしょ」

金「さむいよぉ……くらいよぉ……」

翠「膝丈まで水を張ったお風呂に放置。真っ暗にして蓋をして閉じ込める。……拷問じゃねーですか」

紅「六秒に一回水滴が落ちるわ」

雛「暗いの怖いの……」

金「ごめんなさい……ごめんなさいぃ~……」

287: 2009/07/29(水) 20:02:42.44 ID:J16iBVfyO
二時間後

金「………………」ガクガクブルブル

のり「真っ青になっちゃって……。大丈夫?」

紅「甘やかしは厳禁よ」

銀「ほぉら湯タンポよぉ。暖かいわよぉ」

金「ゆ、ゆたんぽ……ゆたんぽ……」

巴「実はドールズって怖いんだな……。帰るよ、雛苺」

雛「はぁい」

のり「ありがとうございます。では、また明日……」

巴「は、はぁい!!」

289: 2009/07/29(水) 20:05:28.20 ID:J16iBVfyO
銀「湯タンポはこっちよぉ……ほらほら」

金「あったかいの……湯タンポ……」フラフラ

蒼「もうその辺にしておいてあげて……」

翠「ひーっ、ひーっ、ぷくっ、くくく、あははははっ!!」ケラケラ

銀「ほら」ペト

ジュウッ

金「あっつ!!!!」

銀「あははははは」

紅「うふふふふふ」

蒼「お願い……やめてあげて……」

291: 2009/07/29(水) 20:09:43.71 ID:J16iBVfyO
数時間後 某アパート

金「た、ただいまかしらぁ……」ヘロヘロ

みつ「あ、……お、おかえり、なさい……カナ……」

金「みっちゃぁぁん!!」ピョイン

みつ「ど、……どうし、たの?カナ、……だ、だいじょうぶ?」

金「作戦失敗しちゃったかしらぁぁ!!!!」

みつ「そ、そう……なの?」

金「えぐえぐ……」

みつ「だ、大丈夫……だよ。カナ、次は……う、うまく、い、行くよ……」

金「……ホント?」

みつ「……うん」ナデナデ

金「みっちゃぁぁん!!!!」オヨヨ……

296: 2009/07/29(水) 20:13:23.01 ID:J16iBVfyO
みつ「じ、……じゃぁ……明日、その……が、学校、お休み、だ、だから……」

金「……へ?」

みつ「わ、わたしも……カナと、……た、戦いに、行く」

金「みっちゃんが!!だ、だめよ!!あぶないわ!!」

みつ「で、でも……カナは、た、戦ってる……。わた、私、カナのマスター、だもん……」

みつ「わ、私も……た、戦う……」

金「みっちゃん……」

みつ「……ね?」

金「…………うん!!」

297: 2009/07/29(水) 20:15:53.98 ID:J16iBVfyO
翌日 土曜日

みつ「………………」ドキドキ

カナ「ここが例の桜田家かしら」

みつ「……う、うん……」

カナ「カナは裏手に回るから、みっちゃんはピンポンダッシュをお願いするかしら」

みつ「が、がんばる……うん」

カナ「それじゃ、ミッションスタート!!」

みつ「………………」コクリ

298: 2009/07/29(水) 20:19:00.58 ID:J16iBVfyO
みつ「……お、押したらに、逃げる。……押したら、に、に、逃げる……」ソロソロ

ピンポーン

みつ「は、走る!!」タタ……

ガチャ

のり「はぁい。……あら?」

みつ「………………っ!!」トテトテ

のり「………………」

みつ「……きゃぁっ!!」ポテ

のり「きゃぁっ!!女の子が転んだわ!!」

301: 2009/07/29(水) 20:21:57.51 ID:J16iBVfyO
のり「大丈夫?」

みつ「だ、大丈夫、……です……」

のり「そう、よかったわ」

みつ「………………」

のり「それで、家に何か御用?」

みつ「…………ぇ、……え?」

のり「インターホン、押したでしょ?」

みつ「………………」

のり「………………?」

みつ(か、かかか、カナァァ!!助けて!!)

302: 2009/07/29(水) 20:23:40.08 ID:J16iBVfyO
同時刻 桜田家居間

紅「………………」

銀「………………」

翠「………………」

蒼「………………はぁ」

金「………………」

紅・銀・翠「何か言うことは?」

金「ありません」

305: 2009/07/29(水) 20:31:27.38 ID:J16iBVfyO
のり「とりあえず怪我を消毒しましょう」

みつ(は、はわわ、はわわわわわゎゎゎゎゎ)

ガチャ

金「み、みっちゃん!!」タタッ

みつ「か、か、カナ!!」タタッ

ぎゅっ

みつ「ご、ごめん……なさい。し、失敗、し、しちゃった……」

金「カナも失敗しちゃったかしらぁ」オヨヨ

銀「え、金糸雀の、マスター?」

のり「あらあら。そうだったのぅ?」

蒼(どうしよう。涙で前が見えない……)

307: 2009/07/29(水) 20:36:28.86 ID:J16iBVfyO
紅「なるほど。マスターと二人で戦いに来たと……」

金「すみませんでした」

みつ(か、可愛い子達だなぁ……。み、みんな、カナの……姉妹なのよね……?)

紅「あなた、名前は?」

みつ「ぇ、え!?あ、あの……そ、その……えっと……」カァァァ

翠「みるみる顔が赤くなっていきますね」

みつ「く、草笛……。草笛、み、……みつ…………です……」

金「みっちゃんは、その、ものすごく恥ずかしがり屋さんなのかしら」

紅「なるほど」ジッ

みつ(ふぁ、……あ、あの子、じっと見てくる……)

紅「…………」ジ--ッ

みつ(ふ、ふぇぇ…………)カァァァ

蒼「お願いだから……やめてあげて……」

311: 2009/07/29(水) 20:39:51.76 ID:J16iBVfyO
ジュン「うぅ?うーあ、うーあ」ヨジヨジ

みつ「……へ?」

ジュン「……う!!」

翠「おぉ、膝にのりましたね。そこが気に入りましたか?」

ジュン「あう!!」

みつ「あ、あ、え?ど、どどどどうし、あ、えっと……」オロオロ

ジュン「うあ、だー」キャイキャイ

みつ「ぁ、ぁぁ、ぁぁぁ……」プシュゥゥ

銀「ショートした……」

金「みっちゃぁぁん!!!!」

313: 2009/07/29(水) 20:44:32.39 ID:J16iBVfyO
のり「あら、もうこんな時間……みんな、お昼ご飯作ってくるから、待っててね」

紅・銀・翠・蒼「はぁーい」

のり「あなたたちも、食べるでしょ?」

金「……へ?」

みつ「わ、わた、私たち……も?」

のり「えぇ」

金「……良いの?」

のり「ジュン君が懐くんだから、悪い人じゃないと思うし」

みつ「あ、……その……あ、あ、あり、……ありがと……ご、ございます……」

のり「いいえ。ふふ」

金「た、卵焼き……」

のり「作ってあげる」

金「わぁい!!!!」

335: 2009/07/29(水) 21:23:06.86 ID:J16iBVfyO
金「みっちゃんは素敵なお話をたくさん作れるかしら!!」

紅「お話?」

蒼「お伽噺、とか?」

みつ「あ、……そ、そんな、た、たい、たいそうなものじゃ……」

銀「ふぅん……」

翠「やいやい、ちぃっと翠星石達にも聞かせるです!!」

紅「そうね。興味はあるわ」

金「みっちゃん。みっちゃんの素敵なお話を聞かせて、みんなをぎゃふんと言わせるかしら!!」

みつ「う、うん……がんばる……」

みつ「じ、じゃぁ、えっと……『独りぼっちの王さま』を……」

ドールズ「………………」ワクワク

338: 2009/07/29(水) 21:26:50.29 ID:J16iBVfyO
数分後

のり「みんな~。ごはん……よ……」

翠「えぐっ……の、のりぃ~……」スンスン

蒼「うわぁぁぁあああん……」メソメソ

紅「よかったわ……よかったわね王さま……」ホロホロ

銀「………………くっ」プルプル

金「み、みっちゃ~ん」エグエグ

のり「……あの」

みつ「す……すみ、……ません……」

340: 2009/07/29(水) 21:29:38.00 ID:J16iBVfyO
ジュン「うわぁぁぁあああん!!ふえぇぇぇぇぇえ!!!!」

のり「あらあら、ジュン君まで……。いったいどうしたの?」

みつ「あ、あの……」

か、かくかく……し、しか、しかじか……

のり「まぁ、そんなに素敵なお話なの?」

翠「王さまの野郎、最後にちゃんとみんなと仲直りできたですぅ……」エグエグ

蒼「うわぁぁぁあああん!!」メソメソ

のり「あらあら……」

345: 2009/07/29(水) 21:37:55.07 ID:J16iBVfyO
いただきまぁす

翠「はふはふっはむはむはぐっ、ぐぐ!!」

蒼「翠星石、落ち着いて食べなよ」

紅「ほら、たくさん飲みなさい」

ジュン「んむ……んむ……」クピクピ

銀「おくびは私が出させるわ」

金「げっぷのことかしら」

みつ「あの、す、すみません……。こんな、お、お昼まで……」

のり「いいのよぅ」

346: 2009/07/29(水) 21:40:44.59 ID:J16iBVfyO
紅「そうだ、水銀燈。あなた、金糸雀にも聞かせてあげたら?あなたの見つけた、アリスへの道を」

銀「そうね……。また不法侵入されても困るし」

翠「水銀燈はこの家にすんでなむぐっ」

蒼「しーっ」

金「……どういうこと?」

銀「……それは」

かくかくしかじか

金「…………ほぇー」

みつ「…………?」

347: 2009/07/29(水) 21:43:30.22 ID:J16iBVfyO
金「カナもその可能性、試してみたい。……本当は、姉妹で争いなんて……」

みつ「か、カナ……」

翠「んじゃ、しばらくは六体のドールは、平和にくらせそうですね」

蒼「そうだね」

蒼「…………六体は……か……」







うふふふ……
  みいつけた……

352: 2009/07/29(水) 21:51:01.35 ID:J16iBVfyO
更に同時刻 某所

??「七体のドールが目覚めた……」

??「…………ローゼン……メイデン」

??「君の美しさを見せるときだよ、薔薇水晶」

薔「………………見せる?」

??「そして、探してくるんだ」

??「七体目のドールを。一刻も早く」

薔「解りました……お父様」


??「ローゼン。試される時が来たよ……」

353: 2009/07/29(水) 21:54:37.78 ID:J16iBVfyO
更に更に同時刻 柏葉家玄関

雛「Cor……Corinne……!!」

コリンヌ?「ぶふひぃっwwwwwひ、雛苺wwww見つけたでごさるwwwwひょーwwwww」

巴「オラァッ」

メコリ

コリンヌ?「ぶぎゃぁぁぁあああ!!!!!!」

356: 2009/07/29(水) 21:58:37.66 ID:J16iBVfyO
雛「コリンヌ……コリンヌなの?」

コリンヌ?「いいえwwwwwコリンヌじゃなくwwwww乙出・フォッセーですwwwwwうひゅwww」

雛「コリンヌじゃないの?」

乙出「爺さんですわwwwwwwwwwやべwwwwヒナカワユスwwwwww」

乙出「マンマンwwwwwwなめたいwwwwww」

巴「ウラァッ」

メコリ

乙出「うぎゃぁぁぁっ!!!!」

358: 2009/07/29(水) 22:00:49.19 ID:J16iBVfyO
雛苺の記憶 コリンヌとの思い出

コリンヌ「雛苺。今日はお医者さんごっこをしよう」

雛「お医者さん?」

コリンヌ「そう。……さ、レントゲンを撮るから、服を脱いで」

雛「それ、普通のカメラよね?」

コリンヌ「ううん、レントゲンだよ。さ、脱いで。……へへへ……」

雛「うゅ?」

362: 2009/07/29(水) 22:04:35.81 ID:J16iBVfyO
雛「その後、コリンヌは『児童ポOノ』とかで逮捕されて、ヒナは一人ぼっちになっちゃった……」

巴「正義はくだされた」

乙出「俺はそんなヘマwwwwwナッシングwwwwwヒナを毎日wwwwペロペロwwwww」

巴「警察呼びますよ」

乙出「やるか?俺こう見えて空手二段だぜ?通信でやってたんだよ。マジ俺の鉄拳がうなるぜ?あ?」

メコリ

乙出「いてぇぇぇぇぇええ!!!!!!!!」

巴「もしもし、警察ですか?」

367: 2009/07/29(水) 22:08:57.25 ID:J16iBVfyO
TV「……次のニュースです。児童売春の疑いが掛けられていた乙出・フォッセー氏が今日、児童ポルノ禁止法違反で逮捕されました」

TV「証言によりますと、乙出氏は、『女の子の花園に夢を見た』などと供述しており……」

翠「最近物騒ですねー」

紅「ジュンも気を付けなきゃ」

銀「こんなに可愛いんですもの。狙われるわ、きっと」

ジュン「ぶぶ、あー」

蒼「じ、ジュン君、ぼ、帽子返してよ……」

370: 2009/07/29(水) 22:12:58.91 ID:J16iBVfyO
独房内

乙出「なんで……なんでだよ……」

乙出「なんであの男がよくて、俺がダメなんだよ……」

ぴちょん

乙出「……水が漏れてやがる……水溜まり……」 

乙出「…………畜生」


 雛苺を、あなたのものにしたいのですか?

乙出「だ、誰だ!?」


うふふ……ふふふ……

乙出「み、水溜まりが……」

乙出「ひかっ





  うふふふ……

372: 2009/07/29(水) 22:16:47.05 ID:J16iBVfyO
同時刻 桜田家

ガシャァァァァン!!!!!!

銀「何っ!?」

ジュン「あうっ!?」

紅「ジュン、こっちへ!!」

薔「………………ジュン、こっちへ」

翠「な、なんですかお前は!?」

薔「……なんですか、……お前は?」

蒼「まさか、七体目!?」

紅「ジュン!!」タタタッ

ガシッ

薔「ジュン……捕まえた……」

ジュン「…………う?」

銀「このぉぉっ!!!!」

373: 2009/07/29(水) 22:20:04.96 ID:J16iBVfyO
薔「今は……戦わない……」

紅「ジュン!!ジュン!!」

銀「その手を離しなさい!!!!」

薔「…………さようなら」

薔「……夢で……待ってる……」

スウッ

蒼「ジュン君がっ!!」

翠「な、なんですかあいつは!?見たことも無い奴でしたよ!?」

紅「ジュン……ジュン……」

銀「…………くそっ!!」

377: 2009/07/29(水) 22:24:32.61 ID:J16iBVfyO
ごはんタイム。もぐもぐ。

386: 2009/07/29(水) 22:51:19.74 ID:J16iBVfyO
雛「遊びにきたのよー!!」

巴「うわ、ガラス踏んじゃった……って、うわぁ!!ガラスが……」

紅「二人とも、よく聞いて……」

かくかくしかじか

巴「ちょ、ジュン君になにかあったら……」

雛「夢で待つって……どういうこと?」

紅「こういうことよ。蒼星石!!」

蒼「巴さん、ごめんなさい」

メコリ

巴「い、いったぁ……」

蒼「…………あれ?」

銀「丈夫ねぇ……」

389: 2009/07/29(水) 22:54:55.58 ID:J16iBVfyO
巴の夢のなか

巴「最初から寝てって言ってくれれば……」

蒼「す、すみません」

翠「しかし、奴は本当に夢のなかにいるですか?夢の扉を開けられるのは、翠星石と蒼星石だけです」

銀「私たちは彼女ね能力を知らない。もしかしたら、何らかの方法で夢へ入ったのかもしれないわ……」

蒼「けれど……誰の夢?」

紅「…………おそらく、ジュンの夢ね……」

395: 2009/07/29(水) 23:00:50.71 ID:J16iBVfyO
巴「……大きな樹だなぁ……」

翠「世界樹の一枝ですね。あれを辿って他人の夢にも行けるです」

蒼「世界の根源に繋がっているという話もあるね」

銀「で、ジュンの夢にはどう行けば良いの?」

翠「たぶん、こっちです!!」

401: 2009/07/29(水) 23:05:34.11 ID:J16iBVfyO
ずず……
  ずずず……

薔「………………こんにちは、お姉様方……」

紅「ジュン!!ジュンはどこ!?」

薔「あの子なら、……安全な場所で、安らかにお昼寝中……」

蒼「君は、ローゼンメイデンなのかい?」

薔「…………私は、ローゼンメイデン?」

銀「……質問しているのはこっちよ」

薔「質問は……どっち?」

翠「む、ムカつく奴ですぅ!!!!」

402: 2009/07/29(水) 23:09:49.81 ID:J16iBVfyO
薔「私は、薔薇水晶……お父様より作られた……誇り高い……ドール……」

薔「はじめましょう……アリスゲームを……」

キィィィン!!!!

紅「周りが、水晶に!?」

銀「逃げ場は無いみたいね……行くわよ!!!!」

蒼「しかし、まずいな……」

翠「どうしたですか?」

蒼「忘れたのかい?翠星石……。僕らは、マスターと契約していないんだ」

翠「…………あ……!!」

404: 2009/07/29(水) 23:13:06.07 ID:J16iBVfyO
蒼「更に、水銀燈の契約者はお婆ちゃん。真紅は赤ちゃん」

蒼「まともに戦えるのは……」

翠「戦えるのは……」

蒼・翠「…………」チラッ

雛「…………うゅ?」

巴「…………え?」



銀(くっ……全力が出せない!!)

紅(この子、強い!!)

薔「………………」

407: 2009/07/29(水) 23:15:38.28 ID:J16iBVfyO
ごごごごご

薔「…………なに?」

銀「地鳴り!?」

紅「いえ、これは……」

ガシャァァァァン!!

巨大くま「………………」

銀「……水晶を割って、くまが……」

雛「薔薇水晶、ジュンを返して!!」

薔「………………ひっ!!」

ずずん………………ぷち

紅「…………あ」

銀「…………踏んだ……」

410: 2009/07/29(水) 23:18:47.13 ID:J16iBVfyO
薔「…………えぐっ……すん、すん……」

紅「あ、あっさり片付いたわ……」

銀「…………なんか、虚しい感じぃ」

巴「いえーい」

雛「いえーい!!!!」

紅「さて、この子をどうしましょうか」

蒼「そもそも、君は何でこんなことを?」

薔「そ、……それは……」

??「その子を渡してもらうかしら」

ドールズ「っ!!!!」バッ

金「………………」

紅「か、金糸雀?」

413: 2009/07/29(水) 23:22:19.09 ID:J16iBVfyO
銀「何、どういうこと?なんであなたがいるのよ」

金「ジュンの家に来てみたら、夢の扉が開いていて、ここまで来たの」

金「薔薇水晶。みっちゃんを返して!!」

翠「なっ!!お前、ジュンだけじゃなくてあの女もさらったですか?」

紅「ずいぶん過激なのね」

薔「し、……しらない。……私は、知らない……」

金「嘘つき!!」

薔「うそ……ちがう。……本当に、知らない……」

417: 2009/07/29(水) 23:34:56.59 ID:J16iBVfyO
??「薔薇水晶は、嘘をついてないよ」

紅「……誰?」

??「……久しぶりだね、真紅。もっとも、君は僕を覚えていないかな」

槐「僕は槐。薔薇水晶の父であり、ローゼンの弟子だ」

銀「お父様の……弟子?」

薔「私、ローゼンメイデンなんて……言ってない……」

翠「ぐぎぎぎぎっ……」

蒼「抑えて……翠星石……」

418: 2009/07/29(水) 23:40:33.04 ID:J16iBVfyO
金「じゃあ、みっちゃんは!?みっちゃんはどこに!?」

槐「……それは、たぶん……」

メコリ

槐「ぐっ……」ドサッ

薔「お父様!!」

翠「な、なんですか!?」

銀「こ、攻撃!?」

紅「どこから!?」

雛「こ、怖い……」

巴「大丈夫だよ……雛苺」

蒼「………………っ!!」



  だァれが頃した駒鳥さん……
     そォれは、わたし……

421: 2009/07/29(水) 23:44:40.89 ID:J16iBVfyO
乙出「薔薇乙女……きれい……あはは……はは……」

巴「この男は!!」

翠「じ、児童ポルノ!!」

乙出「う……ぐふっ……」

どさっ

蒼「全身に白い茨が……」

紅「……いい加減出てきたらどうなの?」

??「ふふふ…………」

ぬるぅ……

雪「はじめまして、お姉様方……。ローゼンメイデン第七ドール、雪華綺晶です……」

雛「雪華綺晶?」

銀「……この子、気味が悪いわね」

422: 2009/07/29(水) 23:49:51.50 ID:J16iBVfyO
金「あなたが、あなたがみっちゃんを!?」

雪「みっちゃん……?……あなたのマスター?」クスクス

金「返して!!みっちゃんを返して!!」

雪「黄薔薇のお姉様……あなたのマスター……」

雪「……どォれだァ?」

ザァァ…………

みつ「……か、かな……」

めぐ「…………うぅ……」

ジュン「あぅ、あー……」

銀「なっ…………!!」

紅「ジュン!?あぁ……まさか……」

銀「ジュン!?めぐ!?」

金「みっちゃん!!みっちゃん!!」

巴「ひ、ひどいことを……」

441: 2009/07/30(木) 00:17:08.45 ID:BZSZgS2VO
物質世界に存在を縛られる事自体が
アリスへの枷になってしまう、不要の形骸なのか
エーテルから解放されたアストラル
イデアのイリアステル

その輝きこそがアリスなのか
お父様はそう考えた……

雪「私は、実体を持たない。でも、それでも足りない」

雪「私でもまだ、アリスには到達できない」

雪「だから、私は私を補って、至高の少女になるのです……」

紅「そのために、私たちのマスターから?」

雪「あぁっ!!潤むわぁっ!!満たされていく!!マスター達の力が、私にあふれる!!」

金「みっちゃん!!」

雪「けれど、まだ足りない……」

雪「お姉様方……。雪華綺晶に、ちょうだァい?」

442: 2009/07/30(木) 00:22:33.82 ID:BZSZgS2VO
雛「ダメェッ!!」

巨大くま「………………」ゴゴゴ

雪「あら……」

巴「雛苺!!」

雛「みんなをいじめちゃ、ダメェ!!!!」

翠「一思いに踏み潰すです!!チビ苺!!」

雪「たァいへん。……防がなきゃ」クスクス

ジュル……シュルル

みつ「ぁぁ……ぁ……」

めぐ「ぅ…………」

銀「待ちなさい雛苺!!」

雛「う、うゅ!?」

紅「やってくれるわね、雪華綺晶」

雪「………………」クスクス

444: 2009/07/30(木) 00:25:23.55 ID:BZSZgS2VO
翠「ど、どういう事ですか?」

蒼「彼女が防御しようとしたとき、茨が金糸雀と水銀燈のマスターから力をすっていたんだ」

金「あんまり力を吸われたら、みっちゃんが氏んじゃう……」

薔「七体目……みつけた……見つけましたわ……お父様……」

銀「このままじゃ、ジュンとめぐはすぐに……」

紅「ジュン…………」

445: 2009/07/30(木) 00:26:38.69 ID:BZSZgS2VO
>>443
おでる

450: 2009/07/30(木) 00:34:44.46 ID:BZSZgS2VO
雪「赤薔薇のお姉様……そんなにこの子が気になりますか?」

雪「この若々しく瑞々しい体……あぁ、きっとやわらかいのでしょうね」

雪「私は触る事ができませんが、実体をもてたら、まずこの子を抱き上げましょう……」

紅「……どうしましょう……水銀燈……」

銀「私と真紅が引きつけ、茨を蒼星石に切ってもらいましょう」

蒼「でも、僕は力を……」

銀「何いってるのよ。出せるでしょ?」

銀「……そこに良い酒樽が転がってるじゃない」

巴「…………え?」

453: 2009/07/30(木) 00:38:23.75 ID:BZSZgS2VO
紅「ローズテイル!!」

銀「メイメイ!!」

雛「雛も頑張る!!」

金「カ、カナも!!」

紅(ジュン……みっちゃんさん……めぐ……少しだけ、我慢して!!)

翠「…………あれ?」

翠「もしかして、今このマスター三人は眠ってるですか?」

みつ「………………ぅぅ」

めぐ「…………ぁぅ……」

ジュン「………………」

翠「………………」

翠「………………」ニンマリ

457: 2009/07/30(木) 00:40:06.80 ID:BZSZgS2VO
薔「お父様……お父様……」

槐「……ん、薔薇水晶……」

薔「七体目……見つけた……」

槐「…………あぁ、そのようだね」

薔「…………もってくる?」

槐「あぁ。お願いするよ」

458: 2009/07/30(木) 00:44:06.95 ID:BZSZgS2VO
蒼「えいっ!!」

ズバァッ!!!!

雪「……何!?茨が」

蒼「茨は切らせてもらったよ!!」

翠「ついでに、この翠星石がこいつらの木に栄養をやってきたので、体力はちゃんと回復してますよ」

雪「私の……私の『カケラ』が……」

雪「私だって……私だって触れたいのに……」

雪「お姉様方ばかりぃっ!!!!」

ぞわぁっ!!!!

紅「茨が、縦横無尽にっ!!」

銀「ちょっとまずいんじゃなぁい?」

459: 2009/07/30(木) 00:47:18.34 ID:BZSZgS2VO
つめたい…… あたたかい……
かたい…… やわらかい…… 
いたい…… ここちよい……

それって、どんな感じ?

雪「一辺に、あなた方からすべてを奪います。あの可愛い赤ん坊も、骸になるでしょう」

雪「私はそれでもかまいません。これが終われば、私は実体をもてるはず……」

雪「そうすれば触れられる、感じられる!!」

紅「雪華綺晶……あなた……」



紅「寂しいの?」

463: 2009/07/30(木) 00:50:39.54 ID:BZSZgS2VO
紅「アリスになっても、実体をもてない事が……」

紅「アリスになっても、お父様に触れられないことが……」

雪「…………っ!!」

紅「契約しても、触れることで、絆を確認できないから……?」

雪「……なぜ……なぜなのですか?お父様……」

雪「何故、私には体が無いのですか……お父様……」

雛「……雪華綺晶……」

銀「………………」




薔「…………じゃーん」

467: 2009/07/30(木) 01:07:36.41 ID:BZSZgS2VO
金「……薔薇水晶」

翠「おまえ、まだいたですか……」

蒼「じゃーん、って、え?」

薔「お父様だけど、お父様じゃないお父様からあずかりもの……」

銀「…………は?」

槐「つまり、ローゼンからの。だね」

紅「どういうこと?」

槐「雪華綺晶。……こっちへおいで」

雪「………………なんですか?」

槐「…………これを」

雪「………………これは……」





雪「………………からだ?」

469: 2009/07/30(木) 01:13:11.98 ID:BZSZgS2VO
槐「……頼まれていたんだ。ローゼンから。君を見つけたら、これを渡すようにと」

雪「……これ、これは……私の?」

槐「そう。君が求めるならと、ローゼンは残していった」

槐「アリスになるのはアリスゲームに勝だけじゃない。様々な方法がある」

槐「ローゼンは、君たちにそれを見つけてほしいと思ってる」

紅「薔薇水晶がジュンをさらったのは?」

薔「……見たかった。……絆」

槐「ローゼンは絆というものをすごく重んじていた。僕らは、君たちがそれを忘れないために試験をした」

槐「……なんか、余計なお節介だったみたいだけどね」

紅「……ふふっ。……本当ね」

470: 2009/07/30(木) 01:21:26.69 ID:BZSZgS2VO
ぱああぁぁぁ

雪「これが……からだ?」

紅「……雪華綺晶」

ジュン「あう、うー」

雪「……いいのですか?」

紅「やさしく、抱いてあげて」

雪「…………あ、あぁ……」

きゅっ

ジュン「ばぶ、だぁ、だぁ!!」キャイキャイ

雪「う、……うぅ……ぐすっ」

雪「やさしくて、やわらかくて、あたたかく、……心地よいですわ……」

雪「うぅ、う、うわぁぁぁぁぁぁぁああああん!!!!」

ジュン「あう、……うー」キュッ

紅「やさしい子ね、ジュン……」

雪「うわぁぁぁぁぁぁぁああああん!!!!ああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」

474: 2009/07/30(木) 01:29:29.62 ID:BZSZgS2VO
後日

蒼「おじゃましまーす」

雛「のり~こんにちは~」

巴「の、のりさん、今日も、もももも」

翠「落ち着くですよ……」

のり「あら、いらっしゃい。ジュン君達は上にいるわよ」

巴「いや、自分はのりさんと一緒に!!」

蒼「さ、行くよ」

雛「ジューン♪」

巴「は、離してくれ蒼星石!!今日こそ!!今日こそはこの思いを!!」

翠「………………」ニヤニヤ

475: 2009/07/30(木) 01:31:43.37 ID:BZSZgS2VO
銀「…………もっと右ね」

雪「……こう、ですか?」

銀「いいわ!!」パシャパシャ

ジュン「う?」

紅「何枚撮るのよ……」

雪「あぁ……ほっぺやわらかい……」

紅「いつまで触ってるのよ……」

476: 2009/07/30(木) 01:34:21.52 ID:BZSZgS2VO
みつ「……めでたしめでたし」

めぐ「いいお話だねぇ」

金「み、みっぢゃぁん……」

薔「…………ぐす」

めぐ「将来は絵本か何かを?」

みつ「だと……い、いいな……」

めぐ「なれるわよ。あなたなら」

槐「なれる!!なれるぞ!!」グズッ

薔「お父様……涙拭いて……」

477: 2009/07/30(木) 01:35:20.86 ID:BZSZgS2VO
裁判官「被告人、乙出・フォッセー、氏刑!!」

乙出「………………」

480: 2009/07/30(木) 01:42:51.74 ID:BZSZgS2VO
紅「……ジュン?」

ジュン「う?あうぁっ!!」

紅「……ふふ。ありがとう。あなたのおかげね。薔薇乙女がみんな、平和に暮らしてる」

紅「あなたは、まるで天使ね」

ジュン「あーう?うう?ばっ……」

紅「ふふ、解んないわよね」

紅「ジュン。私は誇り高いローゼンメイデンの第五ドール
 そして幸せな、あなたのお人形」

ジュン「ばぶ、ぶー。ぃ、いんう、しんー……く」

紅「じ、ジュン!!今あなた……!?」

紅「みんな、見てちょうだい!!ジュンがしゃべったの!!それも、私の名前よ!!」




おわり

484: 2009/07/30(木) 01:44:26.09 ID:3StFLefYO


すげーよかった

486: 2009/07/30(木) 01:47:03.11 ID:BZSZgS2VO
おつかれさまです。長い時間お付き合いありがとうございました。
なんか自分はジュンをひどい目に遭わせるのが好きみたい(発情期にしたりア0ルにローター入れたり怪物にしたり)です。しかし、今回は赤子。キュート。
それにともない、まわりの人間をいじりました。たのしかったです。

……ほんとは銀様が主役で、めぐを赤ちゃんにするのを考えてたりしました。

なにはともあれありがとうございます。

質問とかあれば答えます。例のごとく。

引用: 真紅「あなたが、私の螺旋をまいたの?」