1: 2011/08/28(日) 20:29:50.33 ID:h0o515WAO
---
某日、万事屋

TV『みなさんのおかげで……ここまでやってこれて……』

銀時「…………」

新八「銀さん、何見てるんですか?」

銀時「何かアイドルの総選挙……アレだ、最近よく出てる無駄に人数の多い……」

新八「アイドルの選挙……あー、A○B48ですか?何かたまに人気投票みたいなことやってますよね」

銀時「これやり方が汚くね?何なの、CD一枚につき投票権一枚とか」

銀時「もう買い手から搾れるだけ搾り取ろうって魂胆が丸見えだよね」

新八「まあまあ……これも一つの売上を伸ばす作戦なんですよ」

2: 2011/08/28(日) 20:40:23.97 ID:h0o515WAO
新八「でも凄いですよね、一人で千枚以上のCDを買う人もいるらしいですよ?」

銀時「いや、カード付きスナック然りおまけで客を釣るってのは昔からあるやり方だけどよ……」

銀時「これはさすがに……あ、銀魂もそうすりゃいくね?DVDとBDに投票権みてーな」

新八「いや、もう人気投票とかジャンプでやってるじゃないですか」

銀時「あーそうだ忘れてたわ、ぱっつぁん三回連続ミラクル8位だったな、俺は1位だったけど」

新八「はっ倒しますよアンタ」

3: 2011/08/28(日) 20:50:28.67 ID:h0o515WAO
ジリリリリ ジリリリリ

新八「っと……はい、万事屋ですけど……姉上?どうしたんですか?」

新八「はっ……え?ちょ、なんで……」

ブツッ ツーツーツー

銀時「何だぱっつぁん、あのゴリラ女が何か言ってきたか?」

新八「いや……銀さんと一緒にすぐ来い、だそうです」

銀時「あぁ?なんで?」

新八「いや、分からないですけど……とにかくすぐ来るように、だそうです」

銀時「いいよめんどくせー、どうせロクなことじゃねーだろ」

新八「絶対に連れてきてって言われたんで……すいません銀さん、ちょっとだけお願いします」

銀時「…………」



第?訓『女って基本めんどくさい』

4: 2011/08/28(日) 21:01:19.50 ID:h0o515WAO
---
新八宅

妙「ヒロインNo.1決定戦をしましょう」

銀時「…………」

新八「…………」

銀時「…………は?」

妙「だから、ヒロインNo.1決定戦をしましょうってことです」

銀時「新八、お前の姉貴はまだ頭ん中がアナログだ、早く地デジにしてやれよ」

新八「いや……うちはちゃんと地デジですよ」

銀時「だっておかしいもの、地デジ化してたらこんなおかしな電波拾わないもの」

5: 2011/08/28(日) 21:11:39.77 ID:h0o515WAO
妙「本当はこんなことしなくてもいいんですけどね?ヒロインは私って決まってるし」

妙「でも……せっかくだったら投票みたいなちゃんとした方法で決めたいじゃないですか」

銀時「……投票?」

銀時『コイツ絶対さっきの総選挙見てたよ、めんどくせー感情がパイルダーオンしちゃってるよ』

新八『どうすんですか銀さん、姉上は一回言いだしたらなかなか止まりませんよ?』

銀時『落ち着け新八……まだ慌てるような時間じゃねェ、何とかなる』

6: 2011/08/28(日) 21:22:26.02 ID:h0o515WAO
銀時「総選挙だか決定戦だか知らねーけどよ、そんなモンに参加する奴なんざいねーだろ」

銀時「誰も参加しないならその選挙自体が開催できねェじゃねーか」

妙「……そうかもしれないわね、ヒロインのポジションを私と争って勝てる人なんていないものね」

銀時(……思ったよか簡単に乗ってきたな)

銀時「はい、この話はここで終了っと……じゃあ俺ァもう帰らせて…」

ガラッ!!

あやめ「話は聞かせてもらったわ!そのNo.1ヒロイン決定戦に当然私も……」

銀時「ホワタアァァァァァァァ!!」

あやめ「へぶっ!?」

8: 2011/08/28(日) 21:32:12.86 ID:h0o515WAO
銀時『新八!めんどくせーことになる前に早く襖を閉めろ!』

新八『は、はいっ!』

ピシャッ!

妙「あら、今……誰か来なかったかしら?」

銀時「え、誰かいた?ぱっつぁん、誰もいなかったよな?」

新八「え、ええ姉上!誰も来てませんよ!」

妙「そう、ならいいんだけど……」

あやめ「よくないわよ」

妙「あら……いたのね」

銀時(しまったァァァ!襖を閉じたら天井から来やがったァァァ!!)

9: 2011/08/28(日) 21:41:09.85 ID:h0o515WAO
あやめ「ちょっとお妙さん!あなた、この私を差し置いてヒロインを気取るなんておかしくない?」

妙「あら、あなたみたいな変Oキャラでもヒロインにはなりたいのね」

妙「でもごめんなさい、先にも言ったけどあなたはヒロインって言うより変Oの色物キャラなの」

あやめ「なっ……!」

妙「本人の希望だけじゃどうしようもないわよね、そういうキャラ設定なんだし」

あやめ「…………」イラッ

10: 2011/08/28(日) 21:55:02.94 ID:h0o515WAO
あやめ「……言ってくれるわね、むしろ私はお妙さんにヒロインの資格があるのか疑問なんだけれど」

お妙「……?」

あやめ「あなた、ヒロインを気取るわりにはロクに銀さんにデレてないわよね?」

あやめ「そのくせやたら銀さんを見下したり殴りつけたり……何なの?それがヒロインのすること?」

あやめ「あなたみたいなキャラを世間では似非ヒロインと呼ぶのよ」

お妙「…………」イラッ

新八「銀さんヤバいです、何かいきなりドロドロした女の争いが始まってるんですけど」

銀時「少なくともヒロイン語る輩が踏み込んでいいレベルの争いじゃねーよコレは」

11: 2011/08/28(日) 22:08:18.84 ID:h0o515WAO
妙「じゃあいいわ、この際だし主役に決め手もらいましょう」

銀時「は?」

あやめ「そうね、それがいいわ」

銀時「いやよくないからね、一ミリもよくないからね」

妙「ねえ銀さん……当然、ヒロインにふさわしいのは私よね、こんな雌豚より」

銀時(半分脅しにかかってっけど!?何この見えないプレッシャー!)

あやめ「雌ゴリラなんてヒロインには相応しくないわ、銀さんは豚肉派よね?」

銀時(コイツに至っては何の話!?つーかもうどっちもヒロインの器じゃねーよ!)

12: 2011/08/28(日) 22:18:15.52 ID:h0o515WAO
ガラッ!

神楽「ちょっと待ってヨ姉御!」

銀時「!?」

妙「あら神楽ちゃん、ダメよ、これは子供のあなたが入ってきていい領域じゃないわ」

神楽「ズルいネ!私だって銀魂のヒロインになりたいアル!」

銀時「なに言っちゃってんの神楽ちゃぁん!?これ以上場をひっかき回さないで!?」

妙「でもね……ヒロインにしては年齢が幼すぎるし……」

神楽「でも私、この中じゃ一番活躍してるし人気投票も一番上アル!」

妙「!」

あやめ「言われてみれば……」

銀時「オイ止めろっつってんだろ!これ以上人数増やしてごちゃごちゃした状況にすんな!」

13: 2011/08/28(日) 22:29:11.45 ID:h0o515WAO
妙「ごめんなさいね神楽ちゃん、あなたもヒロイン候補の一人だったのね……」

妙「分かったわ、神楽ちゃんも私たちと同じ位置に立ってると認めるわね」

神楽「さっすが姉御ネ!話が通じるアル!」

銀時「俺の話は全然通じてないんだけど!?」

あやめ「まあいいわ、銀さんが私を選ぶのは変わらないし」

妙「それで……銀さん、私たちの誰がヒロインなんですか?」

銀時「テメーらの茶番に付き合ってられるかァァァ!!」ダッ

新八「あっ!銀さん!?」

妙「逃がすかァァァ!」

14: 2011/08/28(日) 22:39:17.27 ID:h0o515WAO
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かぶき町

銀時「はあっ……はあっ……ま、撒いたか……」

銀時(くそ、ああいう女にゃ付き合ってられねェ……)

銀時「しばらくはどっかに隠れとかねーと……ってやべ、躓い……!」

ムニュ

銀時「…………」

銀時(……あれ、コケそうになって伸ばした手の先に伝わるこの感触は?)

月詠「…………っ!」

銀時「何……だと……!」

月詠「何さらしとんじゃあぁっ!!」ドゴガッ!!

15: 2011/08/28(日) 22:58:27.90 ID:h0o515WAO
---

月詠「……そうか、それで逃げて回って疲れていたと…それはすまないことをしたな」

銀時「いや……いいけどね、お前はそういうキャラだって分かってるから」

月詠「しかし……ヒロインか、どうでもいいことで必氏になるものじゃな」

銀時「意地張った男ってのはめんどくせー生き物だけどよ、女も大概だな……じゃ、俺ァ行くぜ」

月詠「待ちなんし、どこへ行く気じゃ?なんなら吉原で匿ってやるぞ?」

銀時「心遣いはありがてーが吉原はな……あそこじゃ誰に見られるか分からねェ」

月詠「そうか……なら、くれぐれも見つからぬよう気をつけるんじゃな」

16: 2011/08/28(日) 23:08:34.44 ID:h0o515WAO
---

神楽「銀ちゃんどこ行ったアルか?」

妙「まだこの辺にいるはずよ、手分けして探しましょう」

あやめ「……ちょ、二人とも!あれってツッキーじゃない?」

月詠「ぬしらか……」

妙「本当だわ、お久しぶりね……で…いきなりで悪いんだけど、あの天然パーマを見なかったかしら?」

月詠「ああ……あの焼け野原ならどこへと走っていったな、何でもぬしらから逃げ回っているとかで」

妙「それで……銀さんはどこへ?」

月詠「さあ……すまんが、そこまではわっちも知らんな」

17: 2011/08/28(日) 23:17:02.32 ID:h0o515WAO
神楽「でもツッキーが銀ちゃんと会ったってことはやっぱりこの辺にいるってことアル」

妙「そうね……見つけるのも時間の問題かしら」

月詠「ぬしらも必氏じゃな……ま、わっちには関係ないが」

あやめ「…………あれ、ツッキーまたそういうポジション?」

月詠「?」

あやめ「なまじ人気があるくせにこのヒロイン決定戦には加わらないつもり?」

月詠「いや、わっちはそんなものに興味が……」

あやめ「そういうのってズルいわよね、それじゃ仮に誰が一位になったとしても」

『へー、アイツがヒロインになったんだ……まあ私が参戦してれば一位は確実だったけど』

あやめ「みたいな言い訳が通っちゃうじゃない!」

月詠「何の話をしとるんじゃさっきから!」

18: 2011/08/28(日) 23:22:02.35 ID:h0o515WAO
妙「そうね……それも何だかズルいわね」

神楽「ツッキーも一緒にヒロイン目指すアル!誰が勝っても文句は無しネ」

月詠「いや……しかしわっちは……」

あやめ「年賀状回とバレンタイン回でそれっぽいことしときながら今更言い訳してんじゃないわよ!」

月詠「あっ……あれは……!」

妙「決まりね、さあ……一緒に行きましょうか」

月詠「…………」

月詠(何でこんなことに……)

19: 2011/08/28(日) 23:25:17.10 ID:h0o515WAO



銀八「と、まあこんな感じで話は進みますけど今日はこの辺りで終わっときます」

銀八「何がやりたいかってことがちょっとでも分かってもらえりゃそれでいいんで……」

銀八「こっちは時間気にしないでのんびり書けるんで多分グダグダしながら続けます、はい」

29: 2011/08/29(月) 21:29:44.09 ID:pibTWYfAO
>>27
お久しぶりです

再開します

30: 2011/08/29(月) 21:34:04.14 ID:pibTWYfAO
---

銀時「ったく、なんでこんな苦労しなきゃならねーんだ……オヤジ、団子もう一本頼むわ」モグモグ

オヤジ「ヘヘッ、よく分からねーがダンナも色々と大変だね、とりあえずはウチでたらふく食ってってくんな」

銀時「どさくさに紛れて売り上げ伸ばそうとしてねーか?」

「すまない、こちらにも団子を一つ追加してもらえるか?」

オヤジ「ヘイ毎度!」

銀時「ん?」モグモグ

九兵衛「む?」モグモグ

31: 2011/08/29(月) 21:44:16.05 ID:pibTWYfAO
銀時「……お前、なんでここにいんの?」モグモグ

九兵衛「団子屋にいる理由など団子を食べにきた以外にないだろう」モグモグ

銀時「いや……てっきり俺を捕まえにでも来たのかと思ってよ」

九兵衛「なんだ、また君は何かしでかしたのか」

銀時「俺ァなにもしてねーぞ、むしろ馬鹿な女の争いに巻き込まれた被害者だからね」

九兵衛「……どういうことだ?」

銀時「…………」

32: 2011/08/29(月) 21:55:12.45 ID:pibTWYfAO
---

九兵衛「ひ、ヒロイン決定戦……!」

銀時「そうそう、どこで決定戦やろうが知ったこっちゃねーが人を巻き込むなってんだ」

九兵衛「それには……お妙ちゃんも参加しているのか?」

銀時「むしろあの馬鹿が言い出したんだよ、テメーからも言ってやれよ、くだらねェことはやめろって」

九兵衛「そんな……もしお妙ちゃんがヒロインになれば……君と将来を共にするのか!」

銀時「…………」

33: 2011/08/29(月) 22:16:16.99 ID:pibTWYfAO
銀時「え……ちょ、え?なに言ってんの九兵衛くん?」

九兵衛「そんなことになれば……お妙ちゃんと僕が一緒にいられなくなる、それは絶対に……」

銀時「ねえ聞いてる?そんなことないって言ってるんだけど?」

九兵衛「ダメだ!お妙ちゃんがヒロインになるくらいなら僕がヒロインになる!」

銀時「なんでだァァァァァ!?」

35: 2011/08/29(月) 22:31:28.46 ID:pibTWYfAO
銀時「オイィィィ!!馬鹿なの?馬鹿なのお前!?その結論はどう考えてもおかしいだろ!?」

九兵衛「ヒロインになって形の上だけでも君と一緒にいれば、お妙ちゃんと君はくっ付かないだろう」

銀時「テメーがヒロインになって主人公とくっ付いたら何にもならねーだろ!」

九兵衛「たとえ重婚という形になってもお妙ちゃんさえいれば僕は構わない!」

銀時「ちょっとなに言っちゃってんのこの子ォォォ!止めて!誰か止めたげて!?」

37: 2011/08/29(月) 22:39:39.05 ID:pibTWYfAO
東城「聞きましたぞ若ァァァァァァ!!」

九兵衛「東城!」

銀時「オイ!テメーはコイツの世話係だろ!ちゃんと面倒を……」

東城「よくぞ御決断してくれました!この東城歩、ヒロインは若しかあり得ないと常々思っていたところ!」

東城「ささ、早く主人公である銀時殿とドッキング接合を……」

銀時「ここには馬鹿しかいないのかコノヤロー!!」ダッ

九兵衛「ま、待て!」

38: 2011/08/29(月) 22:49:56.11 ID:pibTWYfAO
銀時「はあっ……はあっ……も、もうさすがに逃げ切っ……」

「九ちゃんから逃げて来たんですか?お疲れ様でしたね、銀さん」

銀時「お疲れなんてモンじゃねーよ、こちとら今日は走りっぱなしで……」

妙「じゃあもう休んでいいですよ?」

銀時「…………」

あやめ「さっき銀さんが逃げたのは試練!愛の試練なのね!いいわ、どんな試練も乗り越えてあげるわよ!」

神楽「黙れ雌豚コルァ!ヒロインは私アル!ねっ、銀ちゃん!」

月詠「…………」

銀時「…………雌ゴリラと雌豚と神楽はアレとして、なんでテメーまでそこにいる?」

月詠「……面目ない」

41: 2011/08/29(月) 23:05:25.66 ID:pibTWYfAO
---
某所

妙「というわけで……さっそくヒロインNo.1決定戦を始めましょう」

ドンドンドン!パフパフパフー!

新八「……結局捕まったんですね、銀さん」

銀時「……仕方ねーだろ、あいつら百華とか動員して俺を探させてやがったんだぞ」

新八「すいません、姉上の思いつきで苦労かけて……僕も出来るだけフォローしますから」

銀時「フォローってかコイツらの茶番を大至急終わらせてくれよ」

新八「それは無理ですよ……ちょっとだけこれに付き合って、適当な所で終わらせる感じで行くしかないです」

銀時「俺ァ嫌な予感しかしねーんだけど」

43: 2011/08/29(月) 23:26:57.35 ID:pibTWYfAO
妙「あ、そうそう……出場者なんだけれど」

1番……志村妙
2番……猿飛あやめ
3番……神楽
4番……月詠
5番……柳生九兵衛
6番……キャサリン
7番……たま
8番……結野クリステル
9番……ゲスト枠
10番……ゲスト枠

銀時「オイ、予定より人数増えてんぞ」

妙「せっかくだから後腐れがないように出来るだけ大勢集めてみたの」

銀時「時間が掛かってしょうがねェだろこんなに人数が多けりゃ!」

銀時「しかも一人明らかにヒロイン枠じゃねーのが混じってっけど!」

キャサリン「ソレ、私ノコト言ッテルンジャネーダロウナ」

44: 2011/08/29(月) 23:39:23.28 ID:pibTWYfAO
銀時「つーか結野アナァァァ!なんであなたこんな所に来ちゃってるのォォォ!?」

結野「お久しぶりですね、分からないんですけど……とりあえず来ちゃいました!」

新八「……あの、無邪気に来てくれたのはホント有り難いんですけど、出来れば帰ったほうが…」

銀時「そう、僕はあなたに何かあったらと思うと……この胸が張り裂けそうになりますから」

新八「銀さんいきなりキャラ変えてアピールするの止めてください」

結野「大丈夫です、何かがあったときのためにちゃんと連れてきてます!」

銀時「は?連れてきてる?」

外道丸「あっしでござんすよ、銀時様」

45: 2011/08/29(月) 23:51:12.60 ID:pibTWYfAO
外道丸「お久しぶりでござんす銀時様、相変わらず巻いてるようで何より……」

銀時「巻いてるようでって何?髪のこと言ってんの?つーか普通はお元気そうで、とかだよね?」

外道丸「クスクス……愉快なところも相変わらずでござんすね」

新八『でも良かったじゃないですか銀さん、外道丸がいてくれれば結野アナは無事で済みますよ!』

銀時『ばっかお前……あの面子だったら何をやらかしてもおかしくねーぞ』

銀時『ゴリラ、豚、クソ化け猫がいる時点でまともじゃないからね、人間以外の生物混ざってるからね』

46: 2011/08/30(火) 00:07:02.29 ID:azMf7e8AO
銀時「あと……何このゲスト枠って?」

妙「ああ、それはまだ到着してないゲストキャラクターですね」

銀時「もういいよそういうの、今いる面子だけでもキャラ立ってんのばっかだし」

妙「まあいいじゃないですか、一応ですよ……あ、ヒロインを決める審判なんですけど……」

銀時「審判?この茶番に審判なんていんのか?」

妙「茶番だなんてヒドいわ銀さん、みんな快く協力してくれてるのに」

銀時「みんな……?」

審判
土方十四郎、沖田総悟、長谷川泰三、桂小太郎、+(志村新八、坂田銀時)

妙「ほら、こんなにたくさんの人が協力してくれたのよ?」

銀時「アイツら椅子に体が固定されてんだけど、あれは協力じゃなくて拘束と言うんじゃないんですか?」

47: 2011/08/30(火) 00:14:47.55 ID:azMf7e8AO
土方「万事屋ァァ!なんで俺がこんなことしなきゃならねェんだ!!」

銀時「知るか!俺ァなにも悪くねーぞ!」

沖田「旦那ァ、とりあえずこの拘束を何とかしてくれませんかね?」

沖田「拘束すんのは好きでもされるのは大嫌いなんでさァ、土方さんと違って」

土方「俺が拘束されるのが好きみてェな言い方はやめろ!!」

桂「フハハハハハ!公僕どもめ!貴様らに捕まり牢に監禁される志士の不自由さを味わうがいい!」

銀時「お前も拘束されてんぞ、不自由さをまさに味わってんぞ!」

48: 2011/08/30(火) 00:18:28.70 ID:azMf7e8AO


銀八「眠くなっちまったんで短いですが今日はこの辺で勘弁してください」

銀八「何か分かりにくいところとかあれば聞いてくれれば答えるんで」

銀八「しかし空知はすげーなマジで、あれはただのゴリラじゃないね、ホント」

63: 2011/08/30(火) 21:27:56.18 ID:azMf7e8AO
銀時「テメーら一旦落ち着け」

土方「落ち着けるか!こっちは拘束されてんだ!公務執行妨害でとっ捕まえるぞ!」

銀時「あ、じゃあお前はいいわ、耳貸せ沖田くん」

沖田「へい」

桂「何か考えがあるのか?ちょうどいい、俺も聞いておこう」

銀時「とりあえずここはだな……」

土方「…………」

64: 2011/08/30(火) 21:40:51.52 ID:azMf7e8AO
土方「……オイ、なんで三人で作戦会議してんだ、俺にも聞かせろ」

銀時「え?いいよ、だってこっちの話に加わる気はねーんだろ」

銀時「俺たちがパーティ組んでる間にお前は一人でレッツパーリィしてればいいじゃん」

土方「何でパーリィしなきゃならねェんだ!馬鹿言ってねェでさっさと話を……」

沖田「何ですか土方さん、仲間に入りてーんですかィ?だったらはっきりそう言ってくださいよ」

銀時「ツンデレでごめんなさい、僕も話に入りたいですって言ってみろコノヤロー」

沖田「言ってみろ土方、お前なら言えるはずだ土方」

桂「副長ともあろうものがこの有り様とは……真選組の先は長くないな」

土方「テメーら後で絶対斬り頃す……!」

65: 2011/08/30(火) 21:55:42.06 ID:azMf7e8AO
銀時「いいか……こうなっちまったらもう逃げんのは無理だ、もうそっちの可能性は捨てよう」

銀時「だったら審査員の俺たちが結託してこの茶番を即行で終わらせるしかねェ」

沖田「そうですね、確かにそのほうが良さそうでさァ……俺は乗りますぜ」

土方「ちっ……早いとこカタつけて終わらせるぞ」

桂「真選組の貴様らと手を組むのは癪だが仕方あるまい……俺にも重大な仕事があるのでな」

土方「ほォ……帰って幕府を転覆させる算段でもつけるつもりか?」

桂「録画しておいたエヴァ破を見なければならない」

銀時「オイ、誰かこの馬鹿を翼を与えてこの大空に飛ばしてくれ、二度と戻って来なくていいから」

66: 2011/08/30(火) 22:08:03.19 ID:azMf7e8AO
長谷川「……不可能だ」

桂「ま、まさかあれは……碇ゲンド……!!」

銀時「ヅラ、お前ちょっと黙ってろ」

新八「長谷川さん、不可能ってどういう……」

長谷川「奴らの様子を見てれば分かる……」

妙「さて……ところで、決定戦って何をやればいいのかしら?」

あやめ「……さあ?」

月詠「わ、わっちに聞かれても知らんぞ」

新八「…………」

新八(アイツら何にも考えてねーのかよォォォォ!!)

長谷川「女ってのは基本的に自由気ままに生きてんだ……細かい予定なんざ立ててねェのさ」

68: 2011/08/30(火) 22:24:12.95 ID:azMf7e8AO
新八「銀さんどうすんですか!?こっちが手際よく進めようとしても肝心のあっちがあれじゃ……」

銀時「これだ、これだから女ってのは嫌なんだよ」

沖田「もうこうなりゃ何をするかまで全部こっちがやっちまったほうが早そうですぜ」

桂「同感だな、あっ……来週のルパンの予約もしなければ」

銀時「…………」

沖田「……旦那、どうかしたんですか?」

銀時「……テメーら、あのゴリラはいねーのか?」

沖田「近藤さん?……さあ、見てねェですけど……どうかしたんですかィ?」

69: 2011/08/30(火) 22:36:06.67 ID:azMf7e8AO
銀時「こんなイベント…あのゴリラなら真っ先に首突っ込んで来そうだろ、何かおかしかねーか?」

土方「……認めたくねェが同意だな」

銀時「何これ、もう嫌な予感しかしねーんだけど?」

新八「あっ、銀さん!遅れてたゲストが来たみたいですよ!」

銀時「はぁ?もうそんなにヒロインポジションになるキャラなんざいねーだろ!一体誰が……」

平子「兄貴ー!」

銀時「お前かよォォォォ!?」

71: 2011/08/30(火) 22:52:26.63 ID:azMf7e8AO
銀時「ちょっと待てお前ェェェ!なんでいんの?なんで来ちゃってんの!?つーかお前ヒロインか!?」

平子「やだなぁ、アニキと私は杯を交わした仲じゃないですか~」

銀時「誰が未成年のガキに酒なんざ飲ますか!テメーはオロナミンCでも飲んでろ!」

新八「ていうかなんでホントに来ちゃってるの!?親子で旅をしてるはずじゃ……」

平子「それはあれですよ~……あの……てへっ」

ガシッ

銀時「テメーは何ちょっと可愛く言った感じで誤魔化そうとしてんだ、この触角引っこ抜くぞ」

平子「アニキ~、こういう細かいところには突っ込みを入れないのがお約束ですよ?」

74: 2011/08/30(火) 23:12:21.25 ID:azMf7e8AO
沖田「何だ、このガキ旦那の知り合いですか?」

銀時「コイツは知り合いっつーかなんつーか……」

平子「とりあえずアニキ、なんかアイツ生意気そうなんで真っ赤なお花を咲かせちゃっていいですよね?」

新八「ピラ子ちゃん!?何とんでもないこと言っちゃってるのォォォォ!?」

沖田「面白いこと言うじゃねーか、だったらこっちはテメーのビラビラにスゲーもんブチ込んでやろーか」

新八「沖田さんも対抗しないでェェェ!?つーかそれやったらどうやっても映像化出来ませんよ!?」

土方「落ち着け総悟、こんなガキに構ってる時間は……」

平子「アニキ、前髪がAの逆さまになってるニコチン中毒の味覚馬鹿にガキって言われました~」

土方「あるよねー!ちょっと子供と大乱闘する時間くらいあるよねー!じゃあ僕は刀キャラ使おうかなー!」チャキッ

新八「アンタも落ち着けェェェェ!!」

75: 2011/08/30(火) 23:25:03.21 ID:azMf7e8AO
月詠「なんじゃ、ぬしらはずいぶんと楽しそうにやっておるな」

銀時「これのどこが楽しそう!?半分修羅場になってっけど!?」

神楽「久しぶりアル!マンビラビラビラビラ子ォォ!」

新八「だからどんだけビラビラ言ってんの!」

長谷川「あ、一流タレントになって大金持ちになるだ!」

桂「何!?くっ……順調なサクセスロードを歩んでいるな……」

銀時「何でテメーらは暇すぎるからって二人で人生ゲームやってんだァァァ!」

桂「おお銀時、お前も混ざるか?俺ももう少しで資産が爆発的に増えそうでな」

銀時「お前らは頭が爆発しろ!!話がまったく進まねーんだよ!!」

76: 2011/08/30(火) 23:33:50.33 ID:azMf7e8AO
妙「あっ、最後のゲストが来たみたいですよ」

新八「こ、この状況でさらに人数が!?」

銀時「もうこれ以上誰か増えられたらこっちじゃ捌ききれ……」

お登勢「ちょっと何だいこの騒ぎは……あたしゃ何も聞いてないよ?」

銀時「…………」

新八「…………」

77: 2011/08/30(火) 23:41:09.80 ID:azMf7e8AO
お登勢「……なんだいアンタたち、人が来るなりそんな顔するなんて失礼じゃないか」

銀時「……『く』るしい時だから、『そ』んな時だから、早く帰ってくれ『ばばあ』」

お登勢「あたしだって来たくて来たんじゃないんだ、文句は言わないどくれ」

新八「でも銀さん、何やかんやで争いが収まってますけど」

銀時「ババア登場のインパクトが強すぎたんだろ、センターフライをキャッチャーが捕ったくらいの衝撃だよ」

新八「すいません銀さん、例えがよく分からないです」

79: 2011/08/30(火) 23:54:23.10 ID:azMf7e8AO
妙「さて、これで全員揃いましたね」

九兵衛「やれやれ長かった、だがこれでようやく始められるな」

あやめ「ヒロインの座は私のものよ!そして銀さんと結ばれるのも……きゃーっ!!」

月詠「……まったく、ぬしはこれからも図太く生きていきそうじゃな」


銀時「よし、みんな準備は出来たか……なら行くぜ」

銀時「俺たちの戦いはこれからだ!!」

---完






妙「銀さん、なに勝手に終わらせてるんですか?」メキメキ

銀時「ですよねー!反省してるで一旦アイアンクローを止めてくださいお妙さん」

妙「じゃあ改めて……ヒロインNo.1決定戦を始めるわ!」

80: 2011/08/30(火) 23:57:34.61 ID:azMf7e8AO
銀八「とりあえず今日はここまでで……ようやく導入部分が終わったところですね」

銀八「関係ないけどヒロイン候補に旅館のレイをいれるか氏ぬほど悩んでました」

銀八「じゃあまた明日来るんでそん時に……読みにくいのは勘弁してください」

89: 2011/08/31(水) 22:08:25.22 ID:xKpmDVYAO
銀時「で……結局なにをやるかは決まったのか?」

妙「思ったんです……ヒロインを決める方法を女の私たちが自分で決めちゃったら駄目じゃないですか」

銀時「……つまり、何が言いたいんですかキャバ嬢さん」

妙「そういうのは銀さん達が決めちゃって下さい、誰がヒロインかを決めるのはあなた達なんですから」

銀時「素直に丸投げしますって言えコノヤロー」

妙「こっちで決めるのは面倒なんで男どもに丸投げします」

銀時「ホントに言いやがったよコイツ、『男どもに丸投げ』とか言ってる時点で既にヒロイン失格だよね」

90: 2011/08/31(水) 22:26:53.03 ID:xKpmDVYAO
桂「待て銀時……ここは俺と長谷川さんがまとめよう」

銀時「ヅラ……お前……!」

桂「ヅラじゃない桂だ、まあ俺に任せておけ」

沖田「いいんですか土方さん、桂のヤローに仕切らせて」

土方「あれでも荒くれ者の攘夷浪士をまとめてる輩だ、場を治める能力はあんだろ…とりあえずは様子見だ」

91: 2011/08/31(水) 22:30:15.79 ID:xKpmDVYAO
長谷川「じゃあヅラっち、まずはヒロインのなんたるかを具体例を出して説明してくれ」

桂「よく聞け貴様ら、ここにたまたま俺が持っていたエヴァのブルーレイがある!」

新八「いや、なんでそんなモン持ち歩いてんですか!?」

桂「攘夷志士として当然の嗜みだ」

新八「国を憂うとか言ってる連中のくせにどんな嗜み持ってんだァァァ!」

沖田「土方さん、あの馬鹿に任せてホントにいいんですかィ?」

土方「…………」

93: 2011/08/31(水) 22:46:02.60 ID:xKpmDVYAO
桂「知ってのようにこの作品には超有名なヒロインが複数いる、彼女たちを例に話をしよう」

銀時「なんでわざわざ?え、いらないよねその作業」

桂「えー……まずは彼女だ」

『ごめんなさい、こんな時…どんな顔をすればいいのか分からないの』

桂「綾波レイ、儚げでありつつ女性としての美しさを併せ持つ素晴らしいキャラクターだ」

桂「彼女のようなキャラクターはある意味では革新的であり新時代を切り開いたと言ってもいいだろう」

銀時「なんなのコイツ、なんで急にエヴァ語り出しちゃってるの?」

94: 2011/08/31(水) 22:52:44.22 ID:xKpmDVYAO
桂「えー、次は……」

『あんた馬鹿ぁ?』

桂「まあアスカも説明不要だな、今で言うツンデレだがその完成度は非常に高い」

銀時「オイ、もういいっつってんだろ」

桂「そして最後にもう一人忘れてはならないのが……」

銀時(もう一人……新劇場のメガネか?それとも……)

桂「カヲルく……」

銀時「何でだァァァァ!」バキッ!!

桂「ぶべらっ!?」

95: 2011/08/31(水) 22:59:38.02 ID:xKpmDVYAO
九兵衛「……すまない、結局なにが言いたいのか僕には分からないんだが」

長谷川「ま、まあ要するに……あの二人に共通するものは女キャラとしての魅力」

長谷川「顔、スタイル、性格……その他多くの要素が満たされてこそ真のヒロインってわけだ」

妙「なるほど……それは確かにそうですね」

長谷川「というわけで……ヒロイン候補には今からヒロインの役を演じてもらう」

月詠「ヒロインの役……?」

96: 2011/08/31(水) 23:07:58.10 ID:xKpmDVYAO
妙「どういうことですか?」

桂「ヒロインは基本、主人公の側にいて支えてくのが仕事……」

桂「言うなればヒロイン力を試す、ということだ」

九兵衛「そのヒロイン力……というのはどうやって図る?」

桂「いいか、今から主人公が危機的状況に陥る」

銀時「え?」

桂「その主人公に対して取った行動を俺たちが採点して決める」

銀時「いや、なに言っちゃってんの?危機的状況ってなに?」

桂「そうだな……例えば主人公が瀕氏の重傷を負ったというシチュエーションで……」

銀時「俺に半頃しになれって言ってんのか!?」

97: 2011/08/31(水) 23:17:58.69 ID:xKpmDVYAO
『もし、主人公が氏にかけた状態でヒロインの家にやって来たら?』

---志村妙の場合

ドンドンッ

妙「こんな夜遅くにどなたですか?」

銀時「はっ……はっ……!」

妙「ぎ、銀さん!一体どうしたんですか!?」

銀時「ワリーな……少しやらかしちまったらしい……」

妙「とりあえず止血を……!」


---
審査員席

土方「……まあ、普通にヒロインやってんじゃねーのか?」

沖田「けどあんまオリジナリティってモンを感じませんね、この程度のキャラなんざ腐るほどいますぜ」

桂「まあ、もうしばらく様子を見よう」

98: 2011/08/31(水) 23:34:40.54 ID:xKpmDVYAO
銀時(あの馬鹿ども聞こえてんだよ!余計なこと言ってコイツが何かしたらどうすんだ!)

妙「ダメだわ、呼吸も弱くなって来てる……私がやるしかないわ!」

銀時「!?」

新八(姉上、まさか人工呼吸を!?)

妙「さあ銀さん、新鮮なポカリよ!」

銀時「むごががが!?」

新八「」

新八(ちょっと何やってんですか姉上ェェェ!?なんで氏にかけの人間にポカリ飲ませてんのォォォォ!)

100: 2011/08/31(水) 23:48:44.35 ID:xKpmDVYAO
土方「……何やってんだあの女は」

沖田「俺に聞かねーでくだせェ、とりあえず旦那が演技でなくマジで氏にそうですけど」

新八「…………」

新八(終わった……姉上、ヒロインはもう終わりましたよ)

---その時、桂に電流走る!

桂「いや待て……ポカリは知っての通り水分補給には最適だ……塩分濃度も計算されている」

新八「え?」

桂「さらにあれは輸血代わりに使用することも……完璧だ、この状況における最善手!」

桂「まさか……ここまで読み切ってポカリを選択したというのか!?」

長谷川「さすがお妙ちゃん……修羅場をくぐり抜けてるだけのことはあるな」

新八(いや、絶対桂さんの考えすぎだと思うんですけど)

102: 2011/09/01(木) 00:11:15.12 ID:9+usMrHAO
---

妙「私だったらこんな感じかしら、主人公のために救命措置を取って……みたいな?」

銀時「…………」

新八「姉上、救命措置された主人公氏にかけてるんですけど」

妙「嫌ね銀さん、いつまでも演技しなくていいんですよ?」

銀時「…………」

へんじがない ただのしかばねのようだ

妙「じゃあ採点、お願いしていいかしら?」

新八「今明らかに表示された言葉スルーしましたよね、しかばねにしたの姉上ですからね」

103: 2011/09/01(木) 00:22:57.43 ID:9+usMrHAO
桂「採点は一人10点満点だ……俺としては今のお妙殿の対応は9点と言ったところだな」

妙「あら、一点の減点はどこなんですか?」

新八(いや、どこっていうかむしろ減点される部分しかありませんでしたよね)

桂「すまないが俺はアクエリ派でな」

新八「そこじゃないだろォォォォ!!」

長谷川「俺もお妙ちゃんは9点でいいかな、減点としては対応がちょっと完璧すぎたってとこで」

妙「ああ、主人公の怪我に完璧に対処するなんて確かにヒロインらしくはなかったかもしれませんね」

新八「…………」

104: 2011/09/01(木) 00:44:37.38 ID:9+usMrHAO
その他の採点

沖田……5点、理由……なんか面白かったんで、まあこれぐらい点数やりゃいいでしょ

土方……6点、理由……天パーを地獄へ送ったことは評価する

新八……5点、理由……姉上補正です、あんまり点が低いとあとが怖いんで

銀時……へんじがない ただのしかばねのようだ(無回答)


桂「無回答の銀時は……まあ7点というでいいだろう」

沖田(旦那に意識がありゃ確実に0点……いや、マイナス出すかもしれねーな)

桂「というわけで……お妙殿のヒロイン力は41点だ!」

妙「41点……まあまあかしら」

新八「…………」


外道丸「大丈夫でござんすか銀時様?」ツンツン

銀時「…………」

新八(正直あっちのほうがまだヒロイン力高いと思うけど)

105: 2011/09/01(木) 00:46:39.79 ID:9+usMrHAO
すいません、眠くて今がどんな展開になってるか分からなくなっちまいました
今日のとこは終わらせてください

111: 2011/09/01(木) 22:43:47.01 ID:9+usMrHAO
あやめ「40点くらいで満足するなんて……これだから似非ヒロインはダメね」

あやめ「次は私の番よ……あなたと私の格の差を思い知らせてあげるわ!」

妙「あら、弱い犬はよく吠えるって言うけど豚も吠えるんですね」

あやめ「何とでも言ってるがいいわ、さあ銀さん!次は私たちの愛を確かめる番よ!」

銀時「もう……なんでもいいから早く終わらせて……」

新八「…………」

沖田「土方さん、旦那がマジで氏にかけてますぜ」

土方「いい気味だ、俺たちは関係ねェ」

112: 2011/09/01(木) 22:49:58.10 ID:9+usMrHAO
---猿飛あやめの場合

ドンドンッ

あやめ「この扉の叩く音は銀さんだわ!」

ガラッ

銀時「はぁ……はぁ……!」

あやめ「ど、どうしたの銀さん!?ひどい傷じゃない!」

銀時「でけー声出すな……うっぷ……ぽ、ポカリが……」

あやめ「大丈夫よ銀さん!けがの手当てだったら慣れてるから!」

---
審査員席

桂「ふむ、扉の音だけで主人公を判別するか……これはポイントが高いな」

長谷川「何か俺にはこのシーンが傷の手当てじゃなくて、飲みすぎた酔っ払いを介抱してるように見えるんだけど」

新八「間違ってないですよ長谷川さん、むしろそうとしか見えませんから」

113: 2011/09/01(木) 22:59:24.62 ID:9+usMrHAO
あやめ「そうだわ!こういう時は人工呼吸よ!人工呼吸しかないわ!人工呼吸すべきよ!」

あやめ「そして唇が触れた瞬間に夜のバトルに……キャー!銀さんんん!」

あやめ「そういうわけで銀さん!今から私と……」

あやめ「…………あら、銀さんは?」

桂「む、銀時がいないだと……?」

新八「いや…………」

『おぼろろろろろろろろろろ……』

新八「さっちゃんさんがキャーキャー言ってる間にもうトイレでバトルしてますけど」

114: 2011/09/01(木) 23:14:29.99 ID:9+usMrHAO
---

桂「というわけで、今から採点に入る」

土方「今ので何を採点しろってんだ」

長谷川「採点っつっても、さっちゃんが騒いで銀さんがトイレで吐いてただけだからなあ」

あやめ「ちょっと待ちなさい!あれは銀さんの体調がよくなかったからじゃない!もう一回やらせなさいよ!」

妙「あら、一人だけ二回やろうだなんて……ヒロイン候補のくせにズルいこと考えるんですね」

あやめ「なっ……何ですって……」

115: 2011/09/01(木) 23:26:02.09 ID:9+usMrHAO
新八(でも……元々は姉上が銀さんにあんなにたくさん飲ませなければ…………)

新八(……あれ?飲ませなければ……?)

妙「でも仕方ないですよね、猿飛さんの時に銀さんが『偶然』体調を悪くなってたんですからね」

あやめ「!」

新八「…………」

新八(つ、潰しだァァァ!大量のポカリで銀さんの体調を悪くして後の候補者のアピールタイム潰す気だァァァ!)

新八(つーか姉上、ポカリで評価を獲得するだけじゃなくて妨害するところまで計画してたんですか!?)

116: 2011/09/01(木) 23:42:17.67 ID:9+usMrHAO
桂……7点、理由……報われないヒロインというのも、まあアリではなかろうか

長谷川……6点、理由……顔とスタイルは素晴らしいと思う

新八……7点、理由……頑張ってるのは伝わりました、あと何かすいませんの気持ちも込めて

沖田……5点、理由……特にないんでパス

土方……5点、理由……上に同じ

銀時……5点、理由……吐いたら少しすっきりしたから

桂「合計は……35点だな」

妙「あらあら、40点届きませんでしたね」

あやめ「は、計ったわねお妙さん……!」

妙「言いがかりはやめてくださいね?」

117: 2011/09/01(木) 23:49:42.65 ID:9+usMrHAO
九兵衛「さて……次は僕だな」

東城「若ァァァ!この私めに出来ることがあれば何なりとお申し付けをォォォ!」

九兵衛「今すぐ僕の視界から消えてくれ」

銀時「……オイ、まだやんのか?」

新八「……あと八人ですよ銀さん」

銀時「やってらんねーよいい加減、なにされるか分かったモンじゃねーし……ぱっつぁん変わってくれよ」

新八「いや……僕じゃ代役は無理ですよ」

118: 2011/09/01(木) 23:56:12.00 ID:9+usMrHAO
---柳生九兵衛の場合

ドンドンッ!

九兵衛「遅かったじゃないか、今日はカレーを作って……」

銀時「……はぁ」

九兵衛「ど、どうしたんだ!血が出ているじゃないか!」

---

沖田「旦那の息切れの演技、ありゃもう溜め息になってますぜ」

土方「……少しだけ野郎に同情したくなった」

119: 2011/09/02(金) 00:03:25.80 ID:5u2irTDAO
九兵衛「ど、どうしたんだこの傷は……君ともあろう者が不覚を取ったのか!?」

銀時「あぁ……やらかしちまったらしい」

九兵衛「そんな……お妙ちゃんに怪我はないのか!?」

銀時「……ああ、アイツは大丈夫じゃねーか?」

九兵衛「お妙ちゃんは無事か……良かった……」

九兵衛「お妙ちゃんに何かあったら僕は……僕は……!」

銀時「俺の心配をしろォォォォ!!」

120: 2011/09/02(金) 00:11:01.28 ID:5u2irTDAO
---

九兵衛「どうだろう、僕の愛情が少しでも伝わっただろうか?」

新八「とてつもなく歪んだ愛情はよく伝わりました」

銀時「主人公ほっぽってたからね、後半はブリーチのチャドレベルの空気にされてたからね」

長谷川「いや……でも、さっきのは『お妙ちゃん』の部分を主人公にしたらかなりいいんじゃないか?」

沖田「冒頭で一応傷の心配はしてましたしねィ」

土方「馬鹿げた行動が少なかっただけでもまだまともだな」

桂「…………」

121: 2011/09/02(金) 00:25:01.10 ID:5u2irTDAO
長谷川……8点、理由……言葉を投げかける対象を間違えなければ満点だと思う

新八……8点、理由……今までの中では一番ヒロインっぽいセリフだったと思います

沖田……7点、理由……まあ何となくこの辺の点数出しゃ文句ねーでしょう

土方……7点、理由……アホな行動が少なかったから

銀時……7点、理由……めんどくせーことはなかった


新八「37点……姉上の41点を越えるには4点以上、桂さんが出せば」

桂……1点、理由……一人だけ堅物キャラですか、クソ真面目ですか、やっぱり九兵衛時がいれば俺はいりませんか
つーか九兵衛殿より俺のほうが早く出てた

新八「いや桂さん、いつまでライバル意識してんですか!?」

129: 2011/09/02(金) 22:41:16.96 ID:5u2irTDAO
九兵衛「38点……僕ではやはりお妙ちゃんの魅力には及ばないか」

妙「そんなことないわよ九ちゃん、とってもヒロインらしかったわ」

銀時「主人公無視だったけどね、主人公に目もくれないヒロインって斬新すぎるジャンルだよね」

九兵衛「……どうやら君は勘違いしているようだが、僕は君が嫌いなわけじゃないんだ」

銀時「あん?」

九兵衛「お妙ちゃんが可愛すぎる、それが全ての原因なんだ」

銀時「その思考に走るお前の頭が全ての原因だろ」

130: 2011/09/02(金) 22:58:14.72 ID:5u2irTDAO
東城「若!私は納得がいきませんぞ!点数が低すぎるでしょうこれは!!」

東城「若は可愛いしカレー作っちゃうし可愛いしエテ公にすら愛情を注ぐし可愛いし可愛いし可愛いんですよ!?」

新八「東城さん、後半は可愛いしか言ってませんけど」

九兵衛「止めろ東城、お妙ちゃんに負けるのならば納得がいく」

東城「しかし若……」

九兵衛「東城、僕はもういいと言っている」

東城「ではせめてこのゴス口リメイド服の着用を……」

九兵衛「しない、あと僕の半径10メートル以内に近づくな」

東城「お言葉ですが若、卍解した私の若への愛は13キロ先まで届きますぞ!」

新八「いや東城さん、さっきから言ってんですか」

131: 2011/09/02(金) 23:10:16.57 ID:5u2irTDAO
神楽「フッフッフッ……とうとう私の時代が来たアル、真のヒロインの力見せてやるネ!」

沖田「お前みてーな野郎でもヒロインを語れるたァ世も末だぜ」

神楽「あんだコルァ!!お前、私のヒロイン力見くびるなよ!泣いて謝らせてやるネ!」

沖田「いいのかオイ、俺のさじ加減でお前なんざ簡単にヒロインの座から引きずりおろせるぜ?」

神楽「フン、それぐらいのハンデがあったほうが燃えるアル!ねっ、銀ちゃん!」

銀時「なんでお前とコンビ組んだみてーになってんの?」

132: 2011/09/02(金) 23:18:43.20 ID:5u2irTDAO
---神楽の場合

ドンドンッ

神楽「どちら様アルかー?」

ガラッ

銀時「…………」

神楽「ぎ、銀ちゃん!血だらけになってどうしたアル!?」

銀時「……何か斬って斬られて血が出たみたいな」


新八「…………」

新八(あれもう完全に投げやりになってるよね、陸上で金メダル取れるよね)

133: 2011/09/02(金) 23:28:24.99 ID:5u2irTDAO
神楽「銀ちゃんが氏んじゃったら私……泣くアルよ?」

銀時「……いや、氏なねーけど」

神楽「いっつも銀ちゃんは一人で無茶して怪我して……私がどれだけ心配してるかわかってないネ!」

銀時「…………」

新八(ま、まさかあの神楽ちゃんが正統派ヒロインを……!)

神楽「まあそれはシリアスパートの話で、今はギャグパートだから関係ないけどネ」

新八「その一言いらないだろォォォォ!?なんでいきなり身も蓋もないこと言ってんの!?」

134: 2011/09/02(金) 23:39:45.46 ID:5u2irTDAO
---

神楽「完璧だったアル!」

桂「うむ……確かにあれは完璧だった、さすがはリーダーと言うべきか」

新八「最後の部分は触れないんですか、桂さん」

長谷川「いや、そこを差し引いてもかなり良かったんじゃないかと俺は思うね、あんなこと俺も言われてーよ」

銀時「アンタは奥さんに言ってもらえばいいだろ」

長谷川「銀さん、傷あと掘り返すの止めてくんない?」

135: 2011/09/02(金) 23:48:07.23 ID:5u2irTDAO
桂……10点、理由……リーダーだから

長谷川……9点、理由……最後以外はかなりまともだった

新八……5点、理由……やっぱり最後のアレはマズいと思う

土方……6点、理由……オイ、いつまで続くんだこれ

銀時……6点、理由……俺に聞くんじゃねーよ、こっちも早く帰りてェんだ

新八「ここまでで36点……沖田さんが何点いれるか……つか最後の二人、理由の枠で何やってんですか」

136: 2011/09/02(金) 23:55:35.59 ID:5u2irTDAO
沖田……4点、理由……チャイナだから

新八「4点ってことは……一位の姉上にはギリギリ届かない!」

神楽「オイ、ドS馬鹿ァァァ!どういうつもりアルかァァァ!」

沖田「残念だったなーチャイナ、あと一点で一位になれたってのに」

新八(あの人絶対わざとだ、わざとギリギリで神楽ちゃんを負けさせたよ)

神楽「悔しくないモン!私を評価してくれてる人もいっぱいいるアル!」

沖田「じゃあそいつらと一緒に傷の舐めあいでもしてな、一点差で負けたヒロイン候補」

神楽「銀ちゃーん!ドS馬鹿が虐めるアルぅぅぅ!!」

銀時「泣くな、あとで酢昆布買ってやっから」

137: 2011/09/03(土) 00:10:00.89 ID:b8PFNaKAO
月詠「……次はわっちか」

銀時「もういいよ……テメーだってめんどくせーって思ってんだろ?」

月詠「否定はしないが……場の流れと言うやつじゃ、すぐに終わらせる」

月詠「それに……辞退したら辞退したで面倒なことになるのでな」

銀時「……?」

138: 2011/09/03(土) 00:23:38.34 ID:b8PFNaKAO
---月詠の場合

ドンドンッ

月詠「銀時か、待ちなんし……すぐに戸を開ける」

ガラッ

銀時「……よう」

月詠「な、何じゃこの傷は……ぬしともあろう者が誰かに斬られたか!?」

銀時「ああ……ちょっとやらかした」

月詠「体力も減っているようじゃな……!」

銀時(コイツ、面倒って言ったわりには真面目にやんのな)

月詠「銀時、横になれ!活力を取り戻させる!」

銀時「…………?」

月詠「とりあえずは……脱がせて尺をしてくわえれば良いんじゃな?」

銀時「俺に何を取り戻させる気だテメーはァァァァァ!!」

139: 2011/09/03(土) 00:34:39.88 ID:b8PFNaKAO
銀時「オイィィィィ!取り戻させるって何を!?取り戻すどころか大切な何かを失うわ!!」

月詠「じゃが男を元気にするにはこの方法が一番だと……」

銀時「確かに元気になるけどそれは違うだろォォォォ!男の意味が違ってるからね!?」

月詠「そうか…ぬしは挟んで擦るほうが好きなクチか、それとも最初から本腰を入れ……」

銀時「お前は何を言ってるんださっきからァァァ!そっちの知識は疎いんじゃねーのか!?」

月詠「いや……いざというときのために少しは知っておけと日輪に言われてな」

銀時「今はいざってときじゃねーよ!!」

140: 2011/09/03(土) 00:42:23.28 ID:b8PFNaKAO
---

月詠「……まあこんな感じじゃな」

長谷川「いい、本当にやれば最高だったけどあのやり取りだけども全然イケる」ダラダラ

新八「とりあえず鼻血は止めたほうがいいですよ」

桂「ああいう少し天然なヒロインというのも魅かれるものがあるな」

土方「安易な下ネタはどうなんだ?あんまりいいとは思えねェぞ」

沖田「土方さん、俺もアンタが副長だなんてあんまりいいとは思えねーよ」

土方「いい加減斬るぞお前」

147: 2011/09/05(月) 19:57:56.37 ID:uE+IGH8AO
遅れました、再開させてください

148: 2011/09/05(月) 20:02:18.29 ID:uE+IGH8AO
桂「では採点に移ろう……みな、点数を示してくれ」

長谷川「俺は10点、ロインに求められる隠し要素…工口スを完璧に表現していたからね」

新八「いや、何ですかその要素」

長谷川「ほとばしる熱いパトスで少年を神話にする、大人への一歩を踏み出させるきっかけ……それが工口ス」

銀時「さっきの実際にやってたら大人への一歩どころじゃねーよ、屋上までノンストップのエレベーターだよ」

桂「俺は……9点としておこう」

長谷川「あれ、ヅラっちはああいうのはあんまり好きじゃねーの?」

桂「いや……月詠殿は堅物クソ真面目キャラという点で俺と被っているからな」

新八「被ってないです、一ミリも被ってないです」

149: 2011/09/05(月) 20:07:50.14 ID:uE+IGH8AO
その他の採点

新八……8点、理由……月詠さんらしいアプローチだとは思った

銀時……6点、理由……めんどくせーから基本6点でいくわ

沖田……6点、理由……細かいのをいちいち採点すんのはたりーから旦那と同じ感じで


新八「これで39点……土方さんが3点以上出せば姉上を超えますね」

妙「…………」

土方「じゃあ俺は7て……」

妙「あ、土方さん……ちょっとこの紙、見てくれませんか?」

土方「ん?紙……?」

『た す け……』

土方「…………」

土方(こ、この字はまさか……!)

妙「ああ、それ……家に不法侵入したゴリラが書いたものですから」

土方(近藤さんんんん!!)

152: 2011/09/05(月) 20:18:32.35 ID:uE+IGH8AO
土方(何やってんだあのゴリラ上司!なんだこの状況!?監禁されてんのか!?)

沖田「あれ土方さん、まだ点数は出さねーんですか?」

土方「あ、ああ……」

土方(オイィィィィ!!どんだけ分かりやすい脅しいれて来てんだあの女ァ!)

土方「俺は……あの、2点くらいで」

妙「土方さん」

土方「1点で」

153: 2011/09/05(月) 20:25:22.82 ID:uE+IGH8AO
長谷川「1点!?オイオイそりゃないぜ、さすがに低すぎだろう」

沖田「俺はまだ最初のポカリよか好感が持てましたぜ、さすが土方さん、ゲテモノ好きですね」

土方「黙れお前!今のタイミングでそんなこと言うんじゃねェェェェ!!」

沖田「で、その点数の理由はなんなんですかィ?」

土方「それは……あの、少年誌的に下ネタはマズいんじゃねーかっていうアレで……」

桂「表現規制に怖じ気づくか……アグネスと戦う度胸もないとはとんだ鬼の副長だな」

銀時「お前、みんなの大好きなTO LOVEるは週間連載の頃からそいつと戦い続けてたんだぞ」

土方「テメーらが何を言おうが俺はこれ以上点数は上げられねーんだよ!」

154: 2011/09/05(月) 20:31:52.16 ID:uE+IGH8AO
妙「残念でしたね月詠さん、一票差だったのに」

月詠「いや、別にわっちは気にして……」

妙「人気投票でも私が上に行っちゃったものね、私が10位で月詠さんは11位だったかしら」

妙「そっちの人気投票じゃ私が125票リードしてたわね……でも気にしないで、ツッキーも頑張ったわ」

月詠「なんでぬしはそこまで細かく覚えとるんじゃ……」

155: 2011/09/05(月) 20:42:04.42 ID:uE+IGH8AO
キャサリン「小娘ハ引ッ込ンデナ、ココカラハ大人ノ女ノ時間ガ始マルンダヨ!」

長谷川……0点、理由……論外

キャサリン「テメッ!マダ何モシテネーヨ!!」

その他審査員……0点、理由……同上

キャサリン「テメーラ絶対ブッ飛バス!!」

156: 2011/09/05(月) 20:46:38.39 ID:uE+IGH8AO
新八「まったく……もうグダグダですよ銀さん」

新八「……あれ、銀さん?」

土方「どこ行きやがったあの野郎」

沖田「旦那ならさっき便所に行くって言ってましたぜ」

長谷川「え?俺さっき行ったけど銀さんなんか見なかったけどな」

土方「……に、逃げやがったなあの野郎ォォォ!」

157: 2011/09/05(月) 20:56:39.27 ID:uE+IGH8AO
---
裏路地

銀時「やってられるかってんだ……ろくなヒロインがいやしねェ」

銀時「あ、結野アナまで回ってから逃げりゃ良かったか……?」

「いまさら悔やんでも仕方ねェだろう、それがお前さんの選択だったんだ」

銀時「!」

銀時は反射的に木刀へと手を伸ばす、そこには何の思考も挟まない、まさに反射だった。

「ほォ……この俺の殺気を感じるや即座に武器を手に取るか」

銀時「テメェ……!」

阿伏兎「久しぶりだな、お前さんと会うのは吉原で少しやり合ったとき以来か?」

158: 2011/09/05(月) 21:04:36.57 ID:uE+IGH8AO
銀時「テメェ……なんで地球に…かぶき町にいやがる……!」

阿伏兎「俺だって来たくて来たわけじゃねェ、文句はウチの上司に言ってくれ」

銀時「上司……?」

阿伏兎「さて、ここで一つ問題と行こう……黙って俺についてくるか、もしくは」

銀時「……もしくは?」

阿伏兎「無理やりにでも連行されるか……」

銀時「…………」

160: 2011/09/05(月) 21:12:33.62 ID:uE+IGH8AO
銀時「……どうもここにいんのはテメー一人じゃなさそうだな」

阿伏兎「ふむ……そいつは俺の出した問題とは違うが大正解だ」

阿伏兎「姿を見せちゃいねーが……二十を超える夜兎がここを囲んでるぜ」

銀時「はっ、場を固めといて選択肢なんざ出すんじゃねーよ」

阿伏兎「クク……この状況で怖じ気付かずに物を言えるのは褒めてやるぜ」

銀時「…………」

阿伏兎「俺としちゃここで殺り合ってもいいんだが……お前さんはいいのか?」

阿伏兎「狭い裏路地のここは滅多に人は来やしねェが…少し行けば往来する人間の多い表通りよ」

阿伏兎「そんな中で斬り合いしたらどうなるかね……」

銀時「…………」

阿伏兎「分かったらついて来な……」

161: 2011/09/05(月) 21:17:44.39 ID:uE+IGH8AO
---
某建物

銀時「ずいぶんとご立派な座敷部屋じゃねーか、今から宴会でもしようってか?」

阿伏兎「お前さんは一応客人だからな……ま、このぐらいの待遇はな」

銀時「……で、俺を呼んだテメーの上司ってのは?」

阿伏兎「ああ、そいつは……」

神威「俺のことだよ」

銀時「!」

162: 2011/09/05(月) 21:26:15.97 ID:uE+IGH8AO
銀時「テメーは……!」

神威「覚えててくれたんだ、こいつは嬉しいね……あの時の傷はもう治ったかい?」

銀時「余計なお世話だ……何しに来やかった」

神威「あらら、せっかちだね……まあいいや、細かいことを話すのは苦手だし」

神威「じゃあ結論から言うよ、このかぶき町が次の俺たちの標的になった」

銀時「なっ……!」

神威「お礼しに来たのさ、君たち侍に……元第四師団団地のこともあるしね」

銀時「第四師団……?」

神威「君たちが壊滅させたメガドライブのことさ」

銀時「いやメガドライブはもう既に壊滅してんだろ」

163: 2011/09/05(月) 21:32:43.97 ID:uE+IGH8AO
神威「あーあ、その言い方は阿伏兎が怒るね」

阿伏兎「俺は任天堂派って言ったろうがクソ提督」

銀時「提督……?」

神威「色々あって出世しちゃってね、今は俺が提督なんだ」

銀時「…………」

神威「まあそういうわけだから、君たちも準備しておいてね?」

銀時「なんで俺にわざわざテメーらが攻めてくることを教えた?」

神威「何の抵抗もされずに敵を倒してもつまらないだろう?」

神威「侍……俺達とは違う形の力を有する修羅……君たちとの戦いを俺の血は求めてる」

神威「戦場において全力の君たちと戦い…豪なる者の血で戦場が満ち溢れたとき」


---俺の魂は潤う

166: 2011/09/05(月) 21:45:52.24 ID:uE+IGH8AO
銀時「……何だオイ、ようはテメーら…喧嘩がしてェだけか」

神威「そうさ、喧嘩だよ……命を懸けたね」

銀時「付き合ってられねーな、喧嘩馬鹿に巻き込まれるこっちの身にもなれってんだ」

神威「君たちに選択権はないよ、間もなく君の町は戦場になる……これはもう決まってるんだ」

銀時「……一つ言っとくぜ」

神威「?」

銀時「テメーはさっきから楽しむだの潤うだの、ずいぶんと楽しそうに話してやがるが…」


銀時「かぶき町を敵に回してただですむと思うんじゃねーぞコノヤロー」

168: 2011/09/05(月) 21:55:50.24 ID:uE+IGH8AO
神威「フフ……やっぱり侍は面白いね、これは君を呼んで正解だった」

銀時「!」

殺気。

銀時はとっさに木刀へ手を伸ばす、その様子を見て神威はクスクスと笑っていた。

神威「お兄さん、少し俺の相手してよ……もちろん本気でね」

銀時「…………」

ここから逃げ出すのは簡単ではない、目の前の戦闘狂も逃げることを許すはずがない。

やるしかなかった。

神威「ああ、もしあまりにも不甲斐ないようだったらこの場で頃しちゃうからね」

銀時「テメーに消されるほど俺の魂の陽は安かねーよ……!」


それは……最強の夜兎と最強の白い夜叉の決闘の始まり

169: 2011/09/05(月) 22:08:59.44 ID:uE+IGH8AO
銀時「ウオオオオォォォ!!」

神威にしてみれば力試しの小競り合いのつもりなのだろう、だが銀時にとっては話が違う。

仮にここで敵の提督を仕留めることが出来ればかぶき町への侵攻も止まる可能性が高い。

手など抜くはずがなかった。全力で振るった一撃だった。

神威「……いいね、本気で俺を殺りにきてる」

その一撃も夜兎の持つ戦闘用の傘で防がれる、完全に見切られていた。

銀時「ちっ!」

連続して二撃、三撃と斬り結ぶ……が、打ち合う度に敵との力の差が露呈する。

銀時(コイツ……ガキのくせしてどんなクソ力してやがる……!!)

170: 2011/09/05(月) 22:23:01.18 ID:uE+IGH8AO
神威「俺からも打たせてもらうよ」

銀時「!」

神威の一撃をとっさに木刀で受け止める、完璧に受けきったはずだった。

銀時「がっ……!」

銀時は己の立つ地に亀裂が走るほどの、とてつもない衝撃に襲われていた。

神威「へえ……この一撃を耐えるんだ、さすがは鳳仙を倒しただけのことはあるね」

銀時「なめんじゃねェクソガキ、まだ一太刀止めただけだろうが……!」

神威「そうだね、けど……俺の一撃に耐えられる奴もそうはいない、自信を持っていいよ」

銀時「余計なほめ言葉をありがとよ」

171: 2011/09/05(月) 22:36:32.15 ID:uE+IGH8AO
---
どれだけの時が流れたのだろう、それは正確には分からない。

ただ一つ明らかなのは

銀時「はぁ……はぁ……!」

致命傷こそないものの確実に銀時が追い込まれているということだった。

神威「うん、悪くないね……前よりも腕も上がっているみたいだし」

神威「真剣を使っていればもう少しマシになるだろうからね」

銀時「…………」

違う、真剣を使ってもコイツと真正面からぶつかっては勝ち目は薄い。

それはここまで何百合と打ち合ってきた銀時がもっともよくわかっていることだった。

172: 2011/09/05(月) 22:51:16.02 ID:uE+IGH8AO
神威「じゃあお兄さん、今日はもう帰っていいよ」

銀時「っ!?」

一瞬の隙をつかれて懐に入られると同時、凄まじい蹴りが胴体に炸裂した。

銀時「ぐあっ!」

吹き飛ばされた銀時は建物の窓を突き破り外へと放り出された。


神威「フフ……坂田銀時、侍の中でも一際光を放つ屈強な修羅か……」

神威「予想以上に楽しかったな……高杉の言っていた通りだったね」

180: 2011/09/06(火) 21:58:08.19 ID:CPLHRTiAO
---

銀時「はあっ……はあっ……」

銀時(ちっ……肋骨が何本かいっちまったか……!)

銀時は体を引きずるようにかぶき町へと向かっていた。

春雨の襲来という恐れていた事態が発生してしまった……この事実は何としても知らせなければならない。

銀時「…………!」

あと数歩でかぶき町に着く、そこまで来た所で銀時は自分の後をつける天人たちの存在に気づく。

考えるまでもなく春雨の一味だった。

181: 2011/09/06(火) 22:19:52.83 ID:CPLHRTiAO
春雨A「傷だらけで辛そうだな、だったら俺たちがここで楽にしてやろうか」

銀時「……はっ、過分な心遣いにゃ感謝するがそいつァ御免だな」

春雨A「あいにく戦闘狂の提督と違って俺たちは現実主義でな、わざわざ敵を増やそうとなんざ思わねぇ」

春雨A「俺たちの情報を知るテメエを生かしておくわけにはいかねぇな」

銀時「…………」

夜兎らしき天人は見当たらない…だが己を囲むは宇宙に名を轟かせる最強の宇宙海賊の戦闘員。

夜兎と並ぶ戦争集団の辰羅族と思しき天人の姿も見える。

加えて神威との戦いで疲弊しきった身体……勝ちの目などあるはずがなかった。

182: 2011/09/06(火) 22:31:40.06 ID:CPLHRTiAO
春雨A「お前を頃したら今度はかぶき町にいるお前のお仲間を血祭り……」

刹那…鈍い音が響き渡る、それは近くにいた春雨の戦闘員を銀時が殴り飛ばした音だった。

同時にその春雨が所持していた真剣を奪い取り、構えを取る。

春雨A「き、貴様……」

銀時「動くな」

春雨A「!」

銀時「それ以上……一歩たりともこの町へ近付くんじゃねェ……」

春雨A「…………!?」

数では圧倒的有利を誇る天人たち……その誰一人として足を踏み出すことが出来ない。

一歩でも足を踏み出した瞬間に斬られて倒れ伏す……そう感じたからだ。

183: 2011/09/06(火) 22:45:00.03 ID:CPLHRTiAO
銀時「春雨よ……テメーらが攻めようとしてるかぶき町は馬鹿の蔓延る治安の悪いとんでもねェ場所だ」

春雨A「…………?」

銀時「くだらねェ馬鹿やって酒飲んで本気で笑える奴らしかいねェ……ホントろくでもねー町でな」

銀時「その町を……俺の国を……テメーらみてーな腐った雨で濡らすわけにはいかねーんだよ」

侍は刀を握った、勝算など考えていない。

銀時「来るなら来やがれ……かぶき町へ通じるこの道は通行止めだ」

銀時「たった今からこの先は……地獄への一本道に変わったぜ」

春雨A「ぜ、全員で奴を攻め立てろ!氏に損ないだ!!」

184: 2011/09/06(火) 23:01:51.74 ID:CPLHRTiAO
銀時「ウオアアアアァァァァァ!!」

春雨A「な、何だアイツは……!」

己の何十倍もの戦力を相手に銀時は大立ち回りを繰り広げていた。

片手に真剣、片手に木刀の二刀流……雲のように変化する型で敵を薙ぎ倒していく。

春雨A(なぜアイツは氏なねぇ……なぜアイツはあれだけ動ける!?)

一人で数十の敵を圧倒してはいた、だがすべての攻撃を受けきれるわけではない。

足や腕、胴体に少しずつ傷を負っていき……銀時はすでに大量の血を流していた。

銀時「オオオオオオオォ!!」

それでも銀髪の侍は止まらなかった、いくら斬られようが僅かの怯みも見せることはない。

血の雨を身体に浴び、尚も敵を斬り伏せるその姿はまさしく---白夜叉

185: 2011/09/06(火) 23:15:36.90 ID:CPLHRTiAO
すいません、ちょっとだけ間を空けます

187: 2011/09/07(水) 01:32:19.40 ID:icvSzo2AO
---

春雨A「…………」

銀時「あっ……がっ……はぁ……はぁ……!」

最後の敵を討ち取った今、戦場に立っているのは銀時ただ一人だった。

勝ち目のないはずの戦いですら彼は覆した、不屈の魂によって。

銀時「ちっ……もう、ろくに足が動かねェ……!」

その時、全員斬り伏せたはずの敵のうちの一人が動いたことに銀時は気付くことができなかった。

氏んだふりをしていたその天人は隠し持った刀で銀時の氏角から

春雨A「し、氏に損ないが……さっさとくたばれェェェ!」

銀時「っ!」

深々と腹に刀を突き立てた。

188: 2011/09/07(水) 01:33:21.27 ID:icvSzo2AO
ピリリリリッピリリリリッ

土方「電話……山崎?」ピッ

土方「何だ山崎、今こっちは面倒なことになって……」

山崎『緊急です!町外れで浪人と侍が斬り合いをしてるとの通報が!』

土方「何っ!?」

山崎『通報者曰わく、天人は数え切れないほどの数で……浪人は銀髪で木刀を持っていたと!』

土方「!」

山崎『副長!この浪人って……!』

土方「山崎、詳しい場所を報告しろ!」

山崎『は、はい!』

189: 2011/09/07(水) 01:39:59.49 ID:icvSzo2AO
新八「土方さん、何か……」

土方「馬鹿が天人と斬り合いしてるらしい……」

新八「き、斬り合いって……!」

ドンッドンッ

新八「こ、こんな時に一体誰が……」

ガラッ

銀時「はっ……はっ……!」

妙「えっ……?」

沖田「だ、ダン……!」

新八「ぎ、銀さん!?」

190: 2011/09/07(水) 01:49:39.27 ID:icvSzo2AO
神楽「ぎ、銀……ちゃん……?」

銀時「よう……テメーら、全員いるか……?」

新八「ど、どうしたんでしかこの傷!血だらけじゃないですか!!」

銀時「まずは……聞け、宙海賊の春雨が…もうすぐこの町に来る……」

月詠「は、春雨じゃと……!」

銀時「確かだ……まず間違いねェ、連中は必ず来る……」

土方「町外れで大量の天人と斬り合いしてた浪人ってのは……やっぱテメーか……!」

新八「その天人ってのは……春雨の一味ですね!」

九兵衛「まさか……君は敵を町へ入れないために一人で……!」

銀時「…………」

191: 2011/09/07(水) 01:53:47.78 ID:icvSzo2AO
銀時「やっちまったな……もう少し俺もしぶといと思ったんだけどよ……」

大量の吐血---銀時は倒れ込みそうになる己の体を木刀を杖代わりに必氏で支えていた。

その場の誰もが緊急事態であることを察する。

新八「ぎ、銀さんしっかりしてください!」

土方「総悟!車手配しろ!!大至急だ!!」

沖田「分かってまさァ!!」

妙「誰か止血出来るもの!何でもいいから早く持ってきて!!」

あやめ「すぐに持ってくるわ!」

結野「外道丸手伝って!私たちの術で少しでも治療を!」

外道丸了解でござんす!」

月詠「しっかりしろ銀時!気をしっかり持て!!」

神楽「銀ちゃん!」

銀時「…………」

192: 2011/09/07(水) 01:56:04.43 ID:icvSzo2AO
銀時は目の前の光景を黙って見ていた、必氏になって動いている仲間の姿を。

銀時「……ワリーな、テメーらにゃ…今まで世話かけちまった」

新八「な……なに言ってるんですか銀さん……」

銀時「…………」

侍は笑っていた。

全身から血を流し、傷だらけになりながらも、彼は確かに笑っていた。

銀時「ありがとよ……テメーらの面ァ見れて……俺……は……」

次の瞬間、侍は紐の切れた人形のようにその場へ倒れ込んだ。

193: 2011/09/07(水) 02:05:26.22 ID:icvSzo2AO
新八「ぎ……銀さ……!」

妙「な、何やってるんですか銀さん……そういう大袈裟な演技はもういいって言いましたよね?」

妙「また馬鹿な冗談なんでしょう……ヒロイン決定戦のアレなんでしょう?ねえ、銀さん……」

銀時「…………」

妙「何とか言ってくださいよ銀さん!!下ネタでも何でもいい……だから!!」

桂「しっかりしろ銀時!俺だ、桂だ!まだ俺たちは日本の夜明けを見てないではないか!」

新八「ぎ…銀さん……銀さんんんんん!!」

204: 2011/09/08(木) 21:35:20.08 ID:Sx8tDKAAO
---
病院

近藤「はあっ……はあっ!」

近藤は息を切らしながらも病室の中を全力で駆け抜けていた。

目当ての部屋に辿り着くと同時、勢いよくドアを開ける。

そこにあったのは

銀時「…………」

ベッドで横になり、人工呼吸器でかろうじて命を保っている銀時の姿だった。

205: 2011/09/08(木) 21:43:23.22 ID:Sx8tDKAAO
近藤「よ、万事屋………!」

土方「……遅かったじゃねーか、近藤さんよ」

横たわる銀時の周りを見慣れた男たちが取り囲んでいる。

攘夷浪士である桂もいたが今はそれどころではない。

近藤「お妙さんたちは……」

沖田「女たちにゃここから出て行ってもらってまさァ、数が多くても仕方ねーんで」

206: 2011/09/08(木) 21:43:59.31 ID:Sx8tDKAAO
新八「銀さんは……銀さんは大丈夫なんですよね!?助かるんですよね!?」
主治医「……大量の出血に内臓の損傷、身体自体に凄まじいダメージを負っている状態で…」

主治医「正直生きているのが不思議なほどの……」

沖田「そんなことはどうでもいいんでィ……旦那は助かるのかどうかって聞いてんだ」

主治医「……はっきり言って…相応の覚悟はしておくべきかと」

新八「!?」

207: 2011/09/08(木) 21:51:22.77 ID:Sx8tDKAAO
ドアが勢いよく開かれると別室で待機していた女性陣がなだれ込むように入ってきた。

外で今の話を聞いていたらしい。

あやめ「ぎ、銀さんが助からないってどういうことよ!!」

平子「アニキが氏ぬだなんて適当なこと言うヤブ医者は……」

月詠「止めろ!何をする気じゃ!」

お登勢「……本当なのかい、この馬鹿が峠をさまよってるってのは」

主治医「正直……もう奇跡を祈るしか」

お登勢「……そうかい」

208: 2011/09/08(木) 23:10:41.10 ID:Sx8tDKAAO
それは医師による通告、助かる見込みが限りなく低いとはっきり告げられた。

流れる重い空気---それを打ち破ったのは

神楽「みんな騒ぎすぎネ、銀ちゃんならこのくらい大したことないアル」

神楽は笑いながら、いつもの調子でそういった。

妙「か、神楽……ちゃん?」

神楽「私は分かってるアル、すぐに銀ちゃんは目を覚ますって」

神楽「眠そうな顔であくびしながら……『あー、よく寝たわ』とか言って起きてくるに違いないネ」

神楽「だって、だって銀ちゃんだから……銀ちゃんは……!」

いつもの笑顔を崩さないよう努めるも所々に嗚咽が漏れる。

神楽は笑いながら頬を涙で濡らしていた。

209: 2011/09/08(木) 23:34:07.06 ID:Sx8tDKAAO
九兵衛「そうだな…僕たちは彼を見くびっているのかもしれない」

あやめ「そうよ!銀さんがこのくらいでどうにかなるわけないじゃない!」

月詠「ああ、夜王の呪縛を解き放ち……暗闇しかなかった吉原に太陽を灯した男じゃ」

月詠「誰もが諦め、抗うことをしなかったわっちらを変えた…本当に『強い』男じゃ」

たま「銀時様は私に魂という概念を教え……私のために命を懸けて戦ってくれました」

たま「機械の私に命を賭けてくれた……本当に『勇気ある』方です」

平子「アニキは鎖に縛られたオヤジを解放して、私まで救ってくれた男です!」

平子「大切なものを全部壊そうとした私なんかも助ける……『優しい』男です!」

210: 2011/09/09(金) 00:17:35.86 ID:DVp2pjbAO
結野「不思議なお侍さんですよね……他人同然だった私を助けようとしてくれて…」

結野「今まで解決出来なかった結野と尻野の関係まで取り持ってくれたんです」

妙「……本当に銀さんは『馬鹿』ですよね、得にもならないことに首を突っ込んで」

妙「それで自分がどんな痛い目にあっても諦めないでやり抜く……本当に『馬鹿』な人ですよ」

キャサリン「…………」

お登勢「……守ってやろうじゃないかい、今度は私らで」

お登勢「強く勇気ある、優しいあの馬鹿侍を……護るために戦い続けてたあの天然パーマを」

お登勢「アイツの愛したこのかぶき町を何が何でも守り抜く…そいつが今の私らに出来る全てさ」

212: 2011/09/09(金) 00:30:44.19 ID:DVp2pjbAO
近藤「……春雨の連中が攻めてくるのはいつだ?」

土方「今から十日後……すでに提督は江戸に潜伏してるらしい」

近藤「十日……それは確かか?」

土方「野郎が敵の大将から聞いた情報だ、どこまで本当かはわからねェ…」

桂「いや……本気で奇襲を仕掛けるつもりならば銀時に接触を図る必要などない」

桂「俺たちを攪乱するために偽りの情報を流している可能性も低いだろう、そんな手の込んだ真似はするまい」

沖田「舐められてんですよ俺たちは……敵にわざわざ攻めてくる日を教えるなんざ正気じゃねェ」

土方「上等じゃねーか……だったらこっちは売られた喧嘩を買うだけだ」

213: 2011/09/09(金) 00:46:40.74 ID:DVp2pjbAO
新八「僕たちなら大丈夫です…今の僕たちならどんな敵とだって戦えます!!」

神楽「春雨がどれだけ来ようと関係ないネ!全部ぶっ潰せばいいだけアル!」

新八「戦いが終わったら……目を覚ました銀さんに言ってやりましょうよ」

新八「『昼寝が長すぎるぞこの天パー!どんだけ寝てたんだ!』って」

妙「あはは、それ良いわね!そうしましょうか!」

九兵衛「ああ……そのために」

お登勢「この中の誰一人として……氏ぬんじゃないよ」

214: 2011/09/09(金) 00:58:46.76 ID:DVp2pjbAO
---
某所

高杉「……馬鹿は戦線離脱か、クク…奴もずいぶんと鈍ったな」

神威「あの侍は俺が目を付けていたのに……ホント、嫌になるね」

神威「まったく…一部の馬鹿が余計なことをした……ま、仕掛けた奴らは全員返り討ちにあったみたいけどさ」

神威「奇襲しようなんて考える連中も何人か艦内に残ってたけど…俺が皆頃しにしておいた」

高杉「フン、同じ春雨のお仲間にずいぶんと手荒いことだな」

神威「俺の歩む修羅が戦いの道……それを邪魔するような連中は必要ない」

神威「君だってそれは同意なんじゃないのかな?」

高杉「フ……俺の前に決まった道なんざありはしねェ、あるのはただの暗闇よ」

223: 2011/09/10(土) 23:48:08.26 ID:Nfo2pa5AO
---
数日後、かぶき町……某所

住人A「聞いたか、お登勢さんのところで厄介になってる侍さんの話」

住人B「万事屋の旦那だろ、天人と斬り合いして重体だとか聞いたが……」

住人A「ああ、何でもかぶき町に攻め入ろうとした連中を一人で食い止めてたとか」

住人B「四天王の抗争があったと思いきや今度は天人かい……なんてこった」

住人A「今回ばっかりはかぶき町から逃げたほうが良いかもしれねェな」

住人B「ああ……荷物まとめといたほうが良さそうだ」

224: 2011/09/10(土) 23:54:11.00 ID:Nfo2pa5AO
某所

住人C「万事屋の旦那の話聞いたか?重傷でもう助からねェらしい」

住人D「んな馬鹿な!あの人は馬鹿ばっかりやってたが腕っぷしはとんでもないぞ!?」

住人D「それにあの人はバイクで事故っても爆発しても金玉潰れても氏なねェって話だ!」

住人C「それがあの宇宙海賊の春雨とやり合ったらしい…しかも相手は大人数ときた」

住人D「春雨って…あの悪名高い春雨かい!?何でまたそんな連中がかぶき町に……」

住人C「さあな…何にしても旦那にゃ何とか助かってほしいモンだが…」

住人D「ああ、まったく……」

住人Y「エフッエフッ……ずいぶんとオモシロイことが起こりそうだな」

住人C「……ところでアンタ、誰?」

225: 2011/09/11(日) 00:06:00.02 ID:KrTyMejAO
---
病院

銀時「…………」

鉄子「……町の噂なんて信じたくなかった」

西郷「私はこの眼で見ても信じられないくらいさ……まさかパー子がこんなことになってるなんてね」

辰巳「なあ……起きてくれよ銀さん、こんなところで寝てるなんてらしくねェよ……!」

新八「……大丈夫ですよ、銀さんならすぐに起きてきますから」

西郷「……で、アンタらは戦うつもりかい」

新八「……銀さんの守りたかったものを守るだけです」

西郷「敵は強大だよ、前の華陀なんて目じゃないくらいにね……それでも戦うのかい?」

新八「銀さんは家族で……僕は『侍』ですから」

西郷「…………」

226: 2011/09/11(日) 00:13:45.67 ID:KrTyMejAO
西郷「…………」

西郷「……アンタ、パー子に似てきたね」

新八「それ、褒めてるんですか?」

西郷「さあね……とりあえずはっきりしてんのは、私にもやらなきゃいけないことが出来たってことさ」

新八「!」

西郷「ここで戦わないのはオカマに非ず……アンタらだけに戦わせやしないよ」

鉄子「……春雨が相手なら逃げるわけにはいかない、私にも出来ることはあるんだ」

辰巳「かぶき町の底力、奴らに見せてやろうぜ」

新八「…………!」

228: 2011/09/11(日) 00:21:23.77 ID:KrTyMejAO
---
真選組、集会所

近藤「……以上だ」

局長である近藤から伝えられた事実に隊士たちは驚きを隠せなかった。

宇宙に名を轟かせる春雨が江戸に潜伏、数日後には攻撃を仕掛けてくる……

信じられない……いや、信じたくはない話だった。

山崎「局長、俺たちは何を……」

近藤「……江戸を守るのが俺たちの役目だ、当然奴らを迎え撃つことになるだろう」

山崎「あの宇宙海賊春雨を、俺たちだけで……ですか?」

近藤「そうだ」

山崎「…………」

229: 2011/09/11(日) 00:27:24.65 ID:KrTyMejAO
真選組は決して弱者の集まりではない、全員が鍛錬を積んだ侍である。

が…春雨とは組織としての規模が違いすぎる、兵力で言えば数倍以上の差があるだろう。

それを食い止めろということ……それはすなわち文字通り、命を賭けることと同義だった。

土方「命が惜しい奴は刀を置け、戦場じゃ邪魔になるだけだ」

「…………」

家族がいる者……恋人がいる者……自分の命が惜しい者……彼らの迷いがその場の空気を支配する。

誰か一人でも刀を置けばそれに追随する形で自分も刀を置こう、そんな考えを持つ隊士は少なくない。

戦うの意志のある者も含め、誰しもが春雨との戦いに怯えていた。

230: 2011/09/11(日) 00:34:13.26 ID:KrTyMejAO
近藤「ハハハハハハ!」

局長の発した突然の笑い声、それ隊士たちの注目を一瞬で集めた。

近藤「何だお前たち!気を使って刀を置くことが出来んのか?」

近藤は理解していた、隊士たちの抱く恐怖、戦いたくはないという思いを。

近藤「恥じることはない、こんな戦いに恐れを抱かぬほうが人としてどうかしている!」

近藤「刀を置きたい者は堂々と置け、それを非難する者は俺が許さん!」

231: 2011/09/11(日) 00:39:34.01 ID:KrTyMejAO
動揺する隊士たちに向かって近藤は続ける。

近藤「はっきり言おう、偉そうに話してはいるが俺もお前たちと同じ、何ひとつ変わらない」

近藤「春雨なんぞと戦うのは怖いし氏ぬことも怖い……出来ることなら逃げだしたいとも思う」

近藤「だが俺が一番怖いのは…………」

近藤「てめーで守れるはずのものを守れねェことさ」

232: 2011/09/11(日) 00:53:05.74 ID:KrTyMejAO
近藤「俺たちには刀(コイツ)しかねェのさ、刀で己の誇りを守り…この町の人々を護る」

近藤「刀を振ることでしかてめーを表現出来ねェ、信念を馬鹿の集まり…」

近藤「それが俺たち、真選組だ」

沖田「…………」

近藤「今まで共に戦ってきた俺は知っている、お前たちがどれだけ強い人間なのかを」

近藤「もう一度だけ言う、決して恥じることはない……刀を置きたい者は堂々と置け」

もはや誰一人として刀を置こうとする者はいない。

辺りに満ちていた恐怖などはとうに消えさっていた。

235: 2011/09/11(日) 01:13:33.71 ID:KrTyMejAO
近藤「……刀を置く者はいないか」

沖田「近藤さんもタチがワリーや、あんな話されて刀置けるわけねーでしょう」

土方「……かなわねェな、近藤さんには」

山崎「でも……局長、俺たちの意志は決まってますよ」

沖田「俺たちゃ近藤さんの人柄に惚れて集まった芋侍だ、アンタが戦うなら俺たちも続きますぜ」

土方「テメーら、覚悟は出来てるな……?」

隊士「オオッ!」

近藤「……ありがとうよお前たち、俺は幸せモンだな」

土方「……近藤さ」

近藤「よし!地球侵略を狙う宇宙からの使徒を倒すため!エヴァンゴリオン初号機、発進…ふばあっ!?」

土方「何で最後が締まらねェんだこのゴリラ上司はァァァ!!」ゲシッゲシッ!!

近藤「ちょ、痛っ!痛いから!?春雨と戦う前に瀕氏になっちまうぞ!?」

沖田「瀕氏になれ土方ー、目の前が真っ暗になれ土方ー!」

土方「お前は何を言ってんださっきから!!」

237: 2011/09/11(日) 01:23:15.28 ID:KrTyMejAO
三年Z組ー銀八先生!

銀八「はい、全然進みませんでしたが今日はこの辺りで勘弁してください」

銀八「明日はもうちょい進むと思うんで…多分、おそらくは」

銀八「じゃあ最近はまた暑さがぶり返して来てるけど、扇風機のかけすぎには注意するようにー」

252: 2011/09/27(火) 01:02:54.16 ID:517vIwFAO
ちょこっと!銀八先生!


銀八「はい、まず最初に謝っときます、遅れててホント申し訳ないです」

銀八「ちょっと色々と事情があって忙しかったわけで……」

銀八「いや違うからね、決して今週のジャンプのめだかちゃんの行動に衝撃を受けてたとかじゃないからね?」

銀八「善吉くん可哀想だろこれ……長い付き合いなら気持ちを汲めやコノヤローとか思ってたわけじゃないからね?」

銀八「……まあ冗談はおいといて、明日明後日くらいには続きを書けそうです、はい」

銀八「とりあえずこれは必ず完結させるんで、ほっぽりだしたりしないってことは言っときます」

銀八「じゃあまた近いうちに来るんでそん時はよろしく頼みます」

256: 2011/09/28(水) 22:34:54.45 ID:GbxfYR5AO
---


松平「オメェ……今の話、冗談じゃねェんだな?」

近藤「春雨が地球に来てるのは事実だ、目撃者も大勢いる……とっつぁん、俺たちで迎え撃つしかねェ」

松平「……近藤、色眼鏡を掛けねぇで考えろ…真選組の戦力で奴らとドンパチ出来ると思うか?」

近藤「…………」

松平「嫁さんとの戦いなら男がしばき倒されて頭下げりゃケリが着く、だが命懸けた戦争となりゃ話は別だ」

松平「コイツは脅しでも何でもねェ……氏ぬぞ、間違いなくな」

近藤「とっつぁん、俺たちは戦うしかねェ……どこへ逃げようと安全な場所なんざありはしねーよ」

松平「てめーの部下共々、わざわざ氏にに行くってのか……」

近藤「俺たち真選組に氏ぬつもりの奴なんて一人もいやしねェ……勝つつもりだ」

松平「…………」

258: 2011/09/28(水) 22:53:29.91 ID:GbxfYR5AO
松平「……ダメだ、迎撃することは許さねえ」

近藤「とっつぁん!」

松平「迎撃なんてまどろっこしいするな……やるんならこっちから奇襲仕掛けろ」

近藤「!」

松平「いいか、一人たりとも氏なせるんじゃねえぞ……町民も、隊士も…てめー自身もだ」

近藤「…………」

近藤「……真選組局長、近藤勲…その長官命令、必ずや…!」

259: 2011/09/28(水) 23:01:01.97 ID:GbxfYR5AO
松平「ただし……兵力は真選組のみでいけ、外部勢力から兵を募るようなことはするな」

松平「大っぴらにそんなことをすりゃ町民にも余計な不安感を与えちまう」

近藤「……分かった、俺たちだけで何とか…」

松平「まあもっとも……『呼んでもいねェのに勝手に兵が集まってくる』なら話は別だがな」

近藤「と、とっつぁん…そりゃどういう意味……」

ふと、松平が視線を逸らした。

近藤もそれにつられて自分の上司の視線を追う。

その先には

桂(エヅラ子)「…………」

襖から覗き見をしている家政婦の姿があった。

260: 2011/09/28(水) 23:12:22.84 ID:GbxfYR5AO
近藤「…………」

松平「オイそこの家政婦、なーに盗み聞きしてやがんだ」

桂(エヅラ子)「申し訳ございません、お掃除に入る機会を窺っておりまして……」

松平「家政婦はここにいちゃいけねェよ、さっさと帰んな」

近藤「いやとっつぁん!あれどう見ても桂だろ!?」

桂「桂じゃありません、エヅラ子です」

松平「そう、あれはただの家政婦だ……なあ、エヅラ子」

桂「エヅラ子じゃない、桂だ」

松平「…………」

桂「あ、間違ったエヅラ子です」

261: 2011/09/28(水) 23:22:58.32 ID:GbxfYR5AO
松平「まあいい……『ただの家政婦一人』に話を聞かれたくらいなら問題ねェだろう」

松平「エヅラ子、間違ってオメェのお仲間に今の話を聞かせたりするんじゃねーぞ」

桂(エヅラ子)「かしこまりました、奇襲の話を仲間に知らせ、結集して真選組に助太刀したりは決して致しません」

近藤「…………!」

松平「分かってんならいい……早く行け」

262: 2011/09/28(水) 23:32:50.20 ID:GbxfYR5AO
---

近藤「とっつぁん……」

松平「てめーは許せねェか、野郎と手ェ組むなんざ……」

近藤「……いや、今は江戸の危機だ…四の五の言ってる場合じゃねェ」

松平「そういうこった、それに……桂の野郎は攘夷浪士と言えど今は危険思想を持ってねェ」

松平「いや……アイツが危険じゃねぇってことはお前が一番分かってるか」

近藤「…………」

松平「何にしても決戦の時は近ェ……殺るか殺られるかの戦争だ」

松平「腹だけはきっちりくくっとけ……」

近藤「とっつぁん……アンタもな」

松平「ああ、俺は今からキャバ嬢たちに身辺整理の電話を……」

近藤「あれ?いいのこれ?殴っちゃっていいのこれ?」

263: 2011/09/28(水) 23:38:31.59 ID:GbxfYR5AO
数日後、かぶき町では既に春雨襲来の噂がまことしやかに流れていた。

たかが噂と話を信じない者は今までと変わらずに生活を送り

春雨襲来を信じた者は命だけは助かろうとひたすらに逃げる準備を始め

逃げる場所などないと絶望した者はただ時が過ぎるのを待ち

そして---

新八「……必ず勝とう、神楽ちゃん」

神楽「当然ネ、万事屋のいるかぶき町に喧嘩売ったことを連中に後悔させてやるアル」

『護る』ために戦うと心に誓った者は己の魂という刃を堅く握りしめる。

264: 2011/09/28(水) 23:51:42.20 ID:GbxfYR5AO
---
病院

銀時「…………」

昏睡状態にある銀時は未だに眼を覚ましてはいなかった。

その銀時の周りを黒い制服の三人が囲み、言葉を紡いでいた。

近藤「伝説の攘夷志士……白夜叉か」

土方「桂の野郎や高杉とも繋がりがあったことからくせーとは思ってたがな……」

近藤「…………」

土方「……近藤さん?」

近藤「いや…攘夷志士として鬼神の如き活躍を見せた男が今は万事屋として生きている……」

近藤「あの攘夷戦争の後……万事屋は一体何を思っていたのか気になってな……」

土方「…………」

265: 2011/09/29(木) 00:00:34.78 ID:xNPROS6AO
土方「攘夷志士だろうが万事屋だろうが……コイツは根っこの部分は何も変わっちゃいねーよ」

土方「コイツは……ただてめーの護りてェと思うモンのために刀を振るってた」

土方「攘夷ん時は国のために……今はこの町にある野郎にとっての大切なモンのためにな」

近藤「……その大切なモンに、『俺たち』も含まれてると思うか?」

土方「さあな……」

266: 2011/09/29(木) 00:15:40.11 ID:xNPROS6AO
近藤「総悟、お前はどう思う?」

沖田「……近藤さん、俺ァ旦那が浪士だの白夜叉だのってのは興味がねーんですよ」

近藤「?」

沖田「俺にとっての旦那は一緒に馬鹿やって派手に騒いで気軽に貸し借り作れる……」

沖田「なげー人生でもそうそう出会えるモンじゃねェ……何にも代え難い悪友でさァ」

沖田「そんな旦那だから俺ァ今まで一緒に馬鹿やってこれたんですよ」

近藤「…………」

沖田「旦那の過去がどうだろうと知ったことじゃねェ……」

沖田「旦那は旦那のままでいいんでィ」

275: 2011/10/07(金) 23:29:31.21 ID:tWcnQ3oAO
桂「病室に誰かがいると思えば……貴様たちか」

土方「お前……」

桂「よせ…俺は友の見舞いに来ただけだ、争う気はない……春雨と戦うまでに傷を負うわけにはいかんのでな」

近藤「……桂」

桂「何も言うな、俺たちは勝手に集まり勝手に春雨と戦う…ただそれだけのこと」

桂「それならば真選組と攘夷志士が結託したことにはならん…そのほうが貴様たちにも好都合だろう」

土方「…………」

276: 2011/10/07(金) 23:45:08.14 ID:tWcnQ3oAO
近藤「……行くぞ、トシ、総悟」

土方「ああ……」

二人を引き連れ病室から去る直前、ふと近藤は立ち止まる。

そして桂に背を向けたまま

近藤「……ありがとうよ桂、氏ぬんじゃねェぞ」

桂「!」

桂の位置から近藤がその時どんな顔をしているかを伺い知ることは出来ない。

だが彼には容易に想像が着いていた、口元で笑みを浮かべる近藤の表情が。

桂「……ああ、お互いにな」

そう言うと桂も同じく笑みを浮かべる。

その笑い方は、どことなく先の近藤の笑みと似ていた。

277: 2011/10/07(金) 23:52:55.43 ID:tWcnQ3oAO
---

桂「…………」

真選組が去ったあと、桂は眠りから覚めない銀時に語りかけていた。

桂「……銀時、もうじき俺たちは春雨と真正面からぶつかり合う」

桂「聞くところによると…春雨は鬼兵隊と繋がりがあるらしい」

桂「おそらく……高杉とも戦うことになるだろう」

それは---同じ師を仰ぎ、同じ志を抱き、同じ戦場を駆け抜けたかつての仲間。

桂「……もう一度、奴と辰馬…そしてお前と共に同じ道を歩んでみたかったが…叶わぬ夢だったらしい」

278: 2011/10/08(土) 00:01:42.02 ID:ye/DlSZAO
桂「高杉は道を外れすぎた……だが、俺にとっては無二の友であることに変わりはない」

桂「道を踏み外した奴を止めるのは友である俺の役目だ……銀時」

桂「春雨に……高杉に……お前の護りたかったこの国を壊させはしない」

桂「この桂小太郎の命に賭けて護り通す……必ずだ!」

それは親友に対する男の約束、戦場で命を預け合ったことのある仲間への誓い。

この瞬間、桂はその誓いを魂に刻み込んだ。

279: 2011/10/08(土) 00:02:19.32 ID:ye/DlSZAO
そして---決戦の時が訪れる。

280: 2011/10/08(土) 00:10:17.72 ID:ye/DlSZAO
その日、かぶき町に災害時における避難訓練という名目の緊急の避難命令が下される。

万が一、かぶき町への侵攻を許した際に備えてのことだった。

近藤「…………」

土方「近藤さん、隊士はアンタの声を待ってるぜ」

それは決戦直前、真選組全隊士が一堂に会する最後の機会だった。

この隊士からはたして何人生き残れるか……全滅も十分に考えられる。

その場はこの上ない緊迫感に溢れていた。

281: 2011/10/08(土) 00:16:33.55 ID:ye/DlSZAO
近藤「お前たち……トイレは済ませたか?」

………………

山崎「……局長、今なんて言いました?」

近藤「トイレは済ませたか、と聞いた」

山崎「……いや、あの局長?俺たち、今かなり緊張した空気だったんですけど?」

近藤「馬鹿を言うな、トイレは超重要事項だろう、遠足のバスと違って戦場じゃ誰も待ってくれないからね」

『ヤバいヤバい…マジで腹痛い、次の駅で降り……あ?なんかちょっと治っ…あ、やっぱ痛い……』

近藤「みてーな状態で敵と戦えるはずがないだろう!」

山崎「いやそれ完全に局長の個人的な体験ですよね、電車で腹痛と決闘してただけですよね」

282: 2011/10/08(土) 00:28:18.79 ID:ye/DlSZAO
近藤「まあ冗談はこのくらいにして……局長として、最後にお前たちに言っておきたいことがある」

局長に出来る最後の仕事、それは檄を飛ばし隊士たちの士気をわずかでも上昇させること。

近藤は隊士全員を見渡すと息を大きく吸い込み

近藤「戦場は敵で満ちている、戦力の差なんざ言うまでもねェだろう!」

近藤「だがここは俺たちの誇り高き国だ、何も恐れることはない!!」

近藤「氏ぬ気で戦えなどと馬鹿なことは言わん、何が何でも氏なぬ覚悟を持って戦え!!」

隊士「オオッ!!!」

近藤「行くぞ!!」

284: 2011/10/08(土) 01:02:53.51 ID:ye/DlSZAO
---
同時刻、病院

銀時「…………」

新八「じゃあ銀さん、ちょっと行ってきますね」

神楽「すぐに帰ってくるアル!私たちがいないからって泣くなヨ!」

妙「……行きましょう、新ちゃん、神楽ちゃん…もうみんな準備は出来てるわ」

新八「…………分かりました」

神楽「どうしたネ新八、今更怖くなったアルか?」

新八「……考えてみれば、いつも銀さんがそばにいて僕を助けてくれてたから…」

新八「後ろ姿を見てた僕が今度は銀さんのために戦うと思うと…ちょっと色々とね……」

神楽「……何バカなこと言ってるアルかこのダメガネは」

新八「?」

神楽「銀ちゃんならいつでもいるアル、私たちとずっと一緒に!」

新八「……そうだね」


僕たちの『魂』は、いつだって銀さんと共にある!

290: 2011/10/12(水) 23:19:32.31 ID:/7gH3KCAO
---
ターミナル

高杉「…………」

真選組らが動き始めていた頃、高杉は江戸のターミナルの屋上に佇み煙を区揺らせていた。

そんな高杉の背後に近付く一つの影、それは

神威「後ろ、取られてるよ」

神威の傘が高杉の頭に触れる、この距離では攻撃を回避することも防ぐこともままならない。

気まぐれに神威が何か仕掛けられれば、高杉とてどうなるかは分からないだろう。

そんな状況にあるにも関わらず、高杉は余裕の姿勢を崩さずに口元で笑い

高杉「これはこれは提督殿……元気なようで何よりじゃねーか」

291: 2011/10/12(水) 23:30:07.83 ID:/7gH3KCAO
神威「フフ、君のほうはずいぶんと元気がないようだけれど?」

高杉「…………」

神威「もしかして、今更になってこの国に未練が出たのかな?」

高杉「クク……今更ちゃぶ台をひっくり返すような真似はしねェよ」

神威「ま、君が感傷に浸ってようと俺には関係ないけどね……せいぜい氏なないように頑張ってよ」

高杉「…………」

高杉「フン……あの人を奪った世界で生きるってことは俺にとっては氏んでるのと変わらねーよ」

高杉「だから俺ァこの世界をぶっ壊す…あの人を奪った腐った世界を……」

神威「ふーん……やっぱり、侍の考えることは分からないね」

292: 2011/10/12(水) 23:38:07.90 ID:/7gH3KCAO
次の瞬間、遠方で爆撃音が響き渡る。それはターミナル屋上からも確認出来るほどのものだった。

神威「何かあったみたいだね?」

高杉「奴さんが仕掛けてきたんだろうよ、ここ最近は妙な動きを見せてやがったからな」

高杉「俺たちを迎え撃つよりか奴らから奇襲を仕掛けたほうが勝算があると踏んだんだろうよ」

神威「だったら俺たちが潜伏していた場所は既に戦場になってるってわけだ……」

神威「フフ、宇宙海賊春雨に恐れず向かってくるなんてね」

高杉「だが……奴らの奇襲なんざ何の意味も持たねェよ」

293: 2011/10/12(水) 23:46:39.33 ID:/7gH3KCAO
---
某所

春雨兵A「で、伝令だ!地球人どもが攻めて来やがったぞ!」

春雨にとっては予期せぬ真選組の奇襲。敵は混乱に混乱を重ね、まるで統率が取れていなかった。

近藤「この機を逃すな!一気に叩き潰せ!!」

近藤「一番隊、二番隊は右から!三番隊、四番隊は左から行け!奴らを逃がすな!」

対する真選組は入念に練られた計画通りに流れるような攻撃を仕掛けている。

戦況は明らかに真選組に傾いていた。

294: 2011/10/12(水) 23:53:51.72 ID:/7gH3KCAO
土方「…………」

沖田「土方さん、コイツァ……」

土方「ああ、『上手く行き過ぎて』やがる」

奇襲による混乱を加味しても敵は宇宙にその名を轟かす最強の宇宙海賊、春雨。

当然、兵の規模で言えば真選組を遥かに圧倒する。

にもかかわらず---戦況は真選組が圧倒的有利に立っている。

その事実に二人はそこはかとない違和感を感じていた。

土方(話に聞く夜兎族はどこにいやがる……春雨と組んだ高杉率いる鬼兵隊も見かけねェ)

土方(まさか……いや、考えるな…今すべきことは)

土方「とにかく今はここを制圧するぞ、今更退くわけにもいかねェ!」

沖田「分かってまさァ!」

295: 2011/10/13(木) 00:00:32.77 ID:VbUZ/6oAO
山崎「局長!副長!緊急伝令です!」

近藤「緊急だと?」

山崎「江戸のターミナルに多数の武装した天人が現れ、ターミナルを制圧したとの情報が!」

近藤「何っ!?」

山崎「天人だけでなく攘夷浪士の姿も確認されてます、間違いなく春雨と高杉です!」

沖田「……やられやしたね、コイツは」

土方「野郎どもの主力はターミナルに行ってやがったとはな…ここには雑魚しかいねェってわけだ」

近藤「何てこった……これではここを制圧したところで何も……!」

296: 2011/10/13(木) 00:15:19.44 ID:VbUZ/6oAO
山崎「局長!もう一つの情報が!」

近藤「もう一つ……?」

山崎「選挙されたターミナルに武器を持った多くの市民たちが向かっていると!」

近藤「!」

山崎「あの桂と思しき人物が指揮を取っています!おそらくは……」

土方「攘夷浪士……いや、それだけじゃねェだろうな」

沖田「眼鏡とチャイナ、柳生家……旦那と繋がりのあった連中も動いてますぜ、間違いなく」

近藤「桂……春雨の本丸と戦う気か」

297: 2011/10/13(木) 00:20:07.02 ID:VbUZ/6oAO
沖田「野郎においしいところを持ってかれるのも面白くねェ、俺たちもターミナルへ……」

土方「いや……そうもいかねェらしい」

沖田「?」

土方「見ろよ、新しい客だ」

佐々木「お久しぶりですね、バラガキさん」

信女「…………」

306: 2011/10/25(火) 00:26:34.54 ID:C6KXf7dAO
本編前の小ネタ?

307: 2011/10/25(火) 00:27:11.33 ID:C6KXf7dAO
---失われた絆

銀時「テメーら……何も覚えちゃいねーのか!?」

美琴「アンタみたいな天パーなんて知らないわよ、金時先生の真似でもしてるつもり?」

佐天「こ、この人……何だか怖い……!」

初春「金時先生と私たちの思い出を馬鹿にしないでください!」

金時「そういうことだ……おかしいのは全部、アンタ一人だってわけだ」

銀時「テメェ……!」

美琴「金時先生に手出しはさせない!」

銀時「っ!」

308: 2011/10/25(火) 00:36:06.20 ID:C6KXf7dAO
---失われぬ銀色の絆

銀時「まさかお前……俺のことが……!」

一方通行「テメェみたいな馬鹿を忘れるわけがねェだろォが……銀時よ」

銀時「!」

一方通行「光はまだ消えちゃいねェンだ……やれンだろ、オマエなら」

一方通行「俺もアイツらも、手の届くすべてを掬い取りやがったオマエならなァ」

銀時「……ああ、アイツらの目ェ醒まさせるようなパーチーと行こうじゃねーか」

309: 2011/10/25(火) 00:41:34.37 ID:C6KXf7dAO
---交錯する想い

黒子「やはり……あなたは……!」

銀時「久しぶりじゃねーか、黒子よ……」


---さらなる決戦

一方通行「はッ……やってくれンじゃねェか」

上条「いいぜ……もしもテメーが本当に先生の全てを超えてるとでも思ってるなら…」

銀時「金色で何もかも塗りつぶしちまうことが出来ると思ってんなら……」

銀時・上条・一方通行「まずはその幻想をぶち頃す!」

金時「…………!」

310: 2011/10/25(火) 00:46:30.67 ID:C6KXf7dAO
…………

銀時「え、何これ?こんなのやんの?俺ァ何も聞いてねーぞ」

新八「いや、僕に聞かないでくださいよ」

沖田「こんなやりもしねェ嘘予告なんざ興味ありませんぜ、さっさと本編行きやしょうや」

神楽「10日も間空けるとかホント予想外過ぎたアルな」

銀時「はぁ……んじゃボチボチ本編を再開すっか」


遅れてすいません、再開します

311: 2011/10/25(火) 01:08:54.78 ID:C6KXf7dAO
近藤「見廻り組……!」

佐々木「おや、覚えていましたか……影の薄い我々のことなどとうに忘れていると思ってましたよ」

土方「今はテメーらのことなんざどうでもいい、そこをどきやがれ」

佐々木「その命令には従いかねますね、真選組副長殿……」

土方「何……?」

佐々木「我々の仕事はあなた達を止めることです」

土方「…………」

佐々木「ここは地球に住む善良な天人たちが暮らす施設です、そこを強襲するなど許される行為ではありません」

312: 2011/10/25(火) 01:18:18.19 ID:C6KXf7dAO
近藤「ここは宇宙海賊春雨が潜伏していた場所だぞ!見廻り組にも報告が届いているはず……」

土方「人が良すぎるぜ近藤さんよ、上っ面は白いが内は腹黒いお坊ちゃんの話を信じるなんざ…」

話を一度区切り、土方はおもむろにタバコに火をつけた。

息を吸い、煙を吐く……それは目の前にいる敵を燻しているかのようだった。

土方「テメーら、高杉とはハナから連んでやがったんだろ?……なあ、見廻り組局長殿」

佐々木「…………」

313: 2011/10/25(火) 01:24:00.24 ID:C6KXf7dAO
佐々木「その言い方は少々語弊がありますね、彼らとは利害が一致してるので共に行動しているだけです」

近藤「何……?」

沖田「近藤さん、考えてる暇はなさそうですぜ……奴らも退く気はねーでしょう」

信女「…………」

沖田「よう…生きてやがったか、なまくら女……まさかまたテメーの面を拝むとは思わなかったぜ」

沖田「俺の作ってやった鞘はお気に召さなかったか?」

信女「私はあんな鞘に収まるような刀じゃない、それに……あなたは斬ると決めた私の標的」

信女「あなたが生きている限り私は必ず現れる、あなたを頃すために」

沖田「…………」

314: 2011/10/25(火) 01:32:34.56 ID:C6KXf7dAO
沖田「……やってられねーや、こんなめんどくせー女に付きまとわれちまうたァ…」

沖田「ストーカー女がどうとか言ってた旦那も気持ちだったんですかねィ」

近藤「全くだな、ストーカーなどこの世から絶滅させねばならん最低のクソ虫だ」

沖田「そのセリフ…丸ごと全部ブーメランになってますぜ、クソむ…近藤さん」

近藤「あれ総悟、お前クソ虫って言いかけた?ねえ、俺をクソ虫って言おうとしたよね?」

315: 2011/10/25(火) 01:40:36.66 ID:C6KXf7dAO
信女「最後の別れがすんだのなら……斬る」

沖田「!」

信女が動くと同時、沖田は即座に刀を構えて一太刀を受け止める。

既に戦闘は始まっていた。

沖田「この女は俺が引き受けまさァ!クソ虫はあのクソ眼鏡を!」

近藤「ほら!今クソ虫って言ったよね!絶対クソ虫って言ったよね!?」

土方「チッ……とっととターミナルに向かわなきゃならねーってのに!」

二人の援護に入るべく土方は刀を構えた。

佐々木が相当な手練れであることは土方が一番よく知っていたことであり…

沖田と交戦している信女という女剣士もやはり一筋縄では行かないだろう。

援護に入ろうとする土方の行動は当然のことだった。

316: 2011/10/25(火) 01:50:56.55 ID:C6KXf7dAO
沖田「土方さん、アンタの仕事はここにはありませんぜ」

土方「……?」

援護に入ろうとした土方を引き止めたのは他ならない沖田自身だった。

沖田「とっととターミナルへ行っちまってください、俺たちもすぐ行きまさァ」

土方「お前……!」

沖田「桂の野郎においしい部分を全部持ってかれちまうのは気分がワリーんですよ……だから」

沖田「ここは俺たちに任せて……とっとと行きやがれい、土方ァァァァァァ!!」

土方「っ!」

317: 2011/10/25(火) 01:52:30.48 ID:C6KXf7dAO
短いですが今日はここまでで……すいません
書きためはあるんで次は日を空けずに来れると思います

319: 2011/10/25(火) 02:25:39.12 ID:VmTeAsa0o

おらwktkしてきたぞ

引用: 銀時「……ヒロインNo.1決定戦?」