647: 2014/01/22(水) 22:45:03.07 ID:Tdj/0Uft0


【FFT】ラムザ「家畜に神はいないッ!!」【前編】
【FFT】ラムザ「家畜に神はいないッ!!」【中編】


ティータ『兄さん、落ち着きましたか?』

ディリータ『ああ……』

ティータ『よかった……。大きな怪我もなくて、本当に……』

ディリータ『それは、こっちの台詞さ。無事でよかったよ、ティータ』

ティータ『兄さん……』

ディリータ『………』



ディリータ『……本当に、本当に……夢じゃ、ないんだよな……?』

ティータ『………』

ディリータ『……生きて、るんだよ、な……? おまえは、オレが作り出した幻影なんかじゃなくて……本当の、本当に……オレの妹の、ティータ……なんだよな?』

ティータ『もちろんです、ディリータ兄さん……! 私は世界でたった一人の、兄さんの妹です……!』

ディリータ『……ティータ』

ティータ『兄さん……』

ディリータ『ティータ、ティータ、ティータッ!!』

ティータ『ディリータ兄さんッ!!』

ディリータ『よかった……! おまえが無事で、氏んでなくて、本当にッ、よかったッ……!!』

ティータ『兄さん……泣かないで……。兄さんがそんなに泣いてると、わ、私まで……』

ディリータ『ごめん……!怖かっただろ、寂しかっただろ……? 迎えに来るのが遅くなって、ごめんな……!!』

ティータ『そんな、いいんです……。 兄さんがこうして来てくれただけで、私……』

ディリータ『ティータ……』

ティータ『ディリータ兄さん……』



ゴラグロス『(なんだこの茶番)』
ファイナルファンタジー タクティクス PS one Books

648: 2014/01/22(水) 22:51:06.63 ID:Tdj/0Uft0
ティータ『兄さん、好き……。だいすき……』

ディリータ『オレもさ、ティータ……。オレたちは、たった二人の兄妹だもんな』

ティータ『………』

ディリータ『ティータ?』

ティータ『……ごめんなさい、ディリータ兄さん……。私、とても悪い子です……』

ディリータ『ティータ!? 何を言ってるんだ!?』

ティータ『本当にごめんなさい、兄さん……。せっかく兄さんが助けに来てくれたのに、私……ッ!』

ディリータ『バカを言うな!おまえが悪い子なわけないだろうッ! ……さては、ゴラグロス!貴様が何か吹き込んだのかッ!?』

ゴラグロス『!? ち、違うッ! オレは何も言ってないッ!!』

ディリータ『ウソをつくなッ! だったらこれはどういうことなんだッ!?』

ゴラグロス『ち、ちが……!』

ティータ『違うんです、兄さん!ゴラグロスさんは本当に何も知りません!』

ディリータ『ッ!? ティータ?』

ティータ『………』

ディリータ『……? ティータ、一体どうしたんだ……?』

649: 2014/01/22(水) 23:06:05.71 ID:Tdj/0Uft0
ティータ『兄さん、私のことを軽蔑しないでください……』

ディリータ『何言ってるんだ、するわけがないだろう!』

ティータ『………』

ディリータ『一体どうしたんだ、ティータ? どうしてそんなことを言うんだ?』

ティータ『……兄さん。兄さんが助けに来てくれた時、私、本当に嬉しかったです。 こうして、生きて兄さんと再会できたことも、とても嬉しくて……』

ディリータ『そんなの、オレだって同じさ。 ……正直に言うと、もうダメかと思ったんだ。あのまま、おまえが氏んでしまったものだとばかり……』

ティータ『兄さん……』

ディリータ『だけど、どうしておまえが悪い子になるんだ? たった一人の肉親と無事に再会できたことを喜ぶのが、悪いことなわけがないだろう!』

ティータ『……違うんです、兄さん』

ディリータ『え……?』

ティータ『………』



ティータ『兄さん、わたし……』

ディリータ『………』

ティータ『……兄さんのことが、好きなんです。家族として、妹としてじゃなくて……、一人の女として、兄さんのことを愛しているんです……』

ディリータ『!? ティータ、それはッ!?』

ティータ『ごめんなさい、兄さん……。気持ち悪い、ですよね……? 兄さんにとっての私は、ただの妹でしかないのに……』

ディリータ『………』

ティータ『……一度は、諦めようと思いました。この感情は何かの間違いで、時が経てば自然と忘れるだろうと思っていたんです。 兄さんのことを好きだというこの気持ちは、心の奥底にしまっておこう。私だけがちゃんと感情を制御できれば、全てが丸く収まる……そう、思っていたんです。 ……でも!』

ディリータ『………』

ティータ『でも、だめだったんです……! 理屈ではわかっているはずなのに、この気持ちを持つことは悪いことのはずなのに! 自分で自分が、抑えられないんです……!』

ディリータ『………』

ティータ『兄さんが優しくしてくれた時。兄さんが頭を撫でてくれた時。兄さんが抱擁してくれた時。兄さんが指輪を買ってくれた時。 ……兄さんが、助けに来てくれた時。 全部、全部、どうやっても! 抑えようと思っているのに、捨てようと思っているのにッ! 兄さんを好きだという気持ちが次々と溢れ出してきて、止められないんです……!!』

ディリータ『ティー……、タ……』

650: 2014/01/22(水) 23:12:14.87 ID:Tdj/0Uft0
ティータ『ごめんなさい、兄さん……。こんなの気持ち悪いですよね、おかしいですよね……? わかってるんです、自分でも……』

ディリータ『………』

ティータ『だけど……もう少しだけ。 私のことを嫌いになっても、家族の縁を切っても構いません。 だけど、今は……、今だけは、こうして兄さんの温もりを感じさせてください……』

ディリータ『ティータ……』

ティータ『………』

ディリータ『………』


ティータ『……兄妹になんて、生まれてこなければよかった』

ディリータ『!?』


ティータ『兄さんと兄妹じゃなければ……、兄妹が結ばれることは禁忌だなんて、そんなこと……、関係、なかったのに……』

ディリータ『………』

ティータ『変なことを言って、ごめんなさい。どうか、私が言ったことは、全部忘れてください……』

ディリータ『………』

ティータ『………』

651: 2014/01/22(水) 23:19:36.93 ID:Tdj/0Uft0
─────────


ディリータ『……眠っちゃったか。あれだけ泣いたんだ、仕方ないよな……』

ディリータ『………』



───兄妹になんて、生まれてこなければよかった


───兄さんと兄妹じゃなければ……、兄妹が結ばれることは禁忌だなんて、そんなこと……、関係、なかったのに……


ディリータ『………』



───抑えようと思っているのに、捨てようと思っているのにッ! 兄さんを好きだという気持ちが次々と溢れ出してきて、止められないんです……!!



ディリータ『……そんなもの、オレだって同じさ』

ディリータ『ずっと、ずっと好きだったんだ。家族としてじゃなく、兄としてじゃなく、一人の男として、おまえのことが好きだったんだ』

ディリータ『オレだって、ずっと自分を抑えていたんだ。ずっと、自分の気持ちにウソをついていたんだ。 そこに確かに存在している感情を、気のせいだと決め付けて。見て見ぬ振りをして、ずっと誤魔化していたんだ』

ディリータ『……おまえと同じさ、ティータ。やっぱり、オレたちは世界で二人だけの兄妹なんだよ』

ディリータ『………』

653: 2014/01/22(水) 23:25:45.01 ID:Tdj/0Uft0
ティータ『……にい、さん……』

ディリータ『………』



ディリータ『……ゴラグロス』

ゴラグロス『!? な、なんだ……?』

ディリータ『正直に言って、オレはティータを危険な目に遭わせた貴様を許すことはできん。できることなら、今すぐにでも八つ裂きにしてやりたいくらいだ』

ゴラグロス『………』

ディリータ『……だが。そんなおまえのことを憎まないと、ティータは言った。おまえにやり直すチャンスを与えて欲しいと、オレに頼んできたんだ』

ゴラグロス『(嘘つけッ!!)』

ディリータ『一つだけ答えろ、ゴラグロス・ラヴェイン。 ……おまえは、赦しが欲しいか? 罪を償うつもりは、あるか?』

ゴラグロス『………』

ディリータ『おまえの返答次第では、オレも考えてやらないこともない。ティータの言うように、おまえにやり直すチャンスを与えてやる』

ゴラグロス『ま、まさか、おまえ……!?』







ディリータ『オレに協力しろ、ゴラグロス! オレは……ッ!世界を、変えてやるッ!!』

ゴラグロス『』

654: 2014/01/22(水) 23:30:53.75 ID:Tdj/0Uft0
ゴラグロス『(バカな……! バカな、バカな、バカなッ!! 本当に馬鹿なのか、こいつらはッ!?)』

ゴラグロス『(世界を変えるだと!? そんな馬鹿馬鹿しい理由で!? 世界中全てを利用してやるって!?)』

ゴラグロス『(バカだ、バカだ、バカだッ!! 有り得ない!あってはならないッ!! そんなことで世界中を敵に回すだなんて、そんなもの……ッ!!)』


ディリータ『ティータ……』

ティータ『……、ん……』

ディリータ『……待ってろよ、ティータ。おまえが苦しまなくてもいい、そんな世界を……オレが、作ってやる』

ティータ『……にい、さん……』

ディリータ『………』


ゴラグロス『(有り得ない……!こいつ、正気かッ!? シスコンってレベルじゃねーぞ!!)』

ゴラグロス『(普通断るだろ!? スケール大きすぎて頭おかしいって思うだろ!? なんでそんなにやる気満々なんだよバカなのか!?)』

ゴラグロス『(なんだよ……! なんだよ、この兄妹ッ!!)』






ティータ『………』ニヤッ

ゴラグロス『』

656: 2014/01/22(水) 23:42:45.93 ID:Tdj/0Uft0
ゴラグロス『お、おま……ッ!?』

ディリータ『どうした……?』

ゴラグロス『……な、なんでも、ない』

ディリータ『……?』



ゴラグロス『(あ、あの娘、あのガキッ!眠ってなんかいねぇ、しっかり起きてやがる! 狸寝入りだったのか!?)』

ティータ『………』

ゴラグロス『(な、なんだ……? 唇だけ動かして、何か、喋って……?)』

ティータ『(……ふふっ)』

ゴラグロス『!?』

ティータ『(どうですか、誘拐犯さん。私の言った通りになったでしょう?)』

ゴラグロス『………』

ティータ『(当然ですよね。兄さんが私を拒むはずがありません。だって私たちは、こんなにも愛し合っているんですから)』

ゴラグロス『(バ、バカな……こんな、こんなことが……)』

ティータ『(さっき言いましたよね、私たちに協力してくれるって。 これで名実ともに、あなたは私たちのしもべということになりますね)』

ゴラグロス『』

ティータ『まずは下準備から。実際に動き始めるのは、一年後……。 精々いい働きを期待していますよ、誘拐犯さん。ふふっ……♪)』

ゴラグロス『』

659: 2014/01/22(水) 23:58:38.84 ID:Tdj/0Uft0
─────────


ディリータ「………」

ラムザ「……? ディリータ?」

ディリータ「いや、なんでもない……。昔のことを少し、思い出してな」

ラムザ「………」



ゴラグロス「」

ラッド「おいwwwwwwwwwwどうしたんだよおまえwwwwwwwwwwwwww顔色やべーよwwwwwwwwwwwwwww」

アルガス「(こいつの表情……ひょっとして)」

ゴラグロス「……ハッ!? い、いかん、少しばかり嫌な記憶を思い出してしまったようだ……」

ラッド「戻ってきたwwwwwwwwwwwwwwwヤバい薬でもやってるのかおまえwwwwwwwwwwwwww大丈夫かよwwwwwwwwwwwwwww」

アルガス「………」



アルガス「ゴラグロス・ラヴェイン。元、骸旅団の幹部……」

ゴラグロス「……そういうおまえは、北天騎士団の指揮官補佐か……? ジークデン砦で、会ったな……?」

アルガス「ああ……。こっちはおまえのツラなんざ、二度と拝みたくはなかったけどな」

ゴラグロス「フン、それはお互い様だ……。おまえに撃たれた傷、今でも時折痛むぞ」

アルガス「そうかい、そりゃざまあみやがれってもんだ。薄汚い盗賊野郎にはお似合いだぜ」

ゴラグロス「口の減らないガキだ。そっちこそ、北天騎士団の指揮官補佐まで務めた男が、今や薄汚い傭兵稼業とはな。まあ、おまえのようなクソガキにはお似合いのようだがな」

アルガス「………」

ゴラグロス「………」



アルガス「……それはそうと、ゴラグロス」

ゴラグロス「……何だ」

アルガス「あのクズ野郎とは、どういう関係なんだ……?」

ゴラグロス「それを言うならおまえこそ、あのベオルブのクソ悪魔とどんな関係なんだ……?」

アルガス「………」

ゴラグロス「………」





アルガス「……おまえは家畜も同然の平民だが、何故だろうな……不思議と馬が合いそうな気がするぜ」

ゴラグロス「……おまえこそ、貴族のクソガキだが……本当に何故なんだろうな、おまえとはいい酒が飲めそうな気がする」

アルガス「………」

ゴラグロス「………」




ピシガシグッグッ



ラッド「どういうことだってばよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

661: 2014/01/23(木) 00:06:07.29 ID:6faAKHQS0
オヴェリア「感謝いたします、ディリータさん」

ディリータ「感謝なんてよせ。オレはお姫さまを誘拐しようとした重罪人だぞ?」

オヴェリア「でも、私を護ってくれました」

ディリータ「………」

オヴェリア「本当にありがとうございました、ディリータさん。このお礼は、いつか必ず」

ディリータ「……ふん。随分とおめでたいものだな、世間知らずのお姫さまは」

アグリアス「口が過ぎるぞ!!」

オヴェリア「やめて、アグリアス。いいの」

アグリアス「う……。オヴェリア様が、そう仰るのでしたら……」

ディリータ「………」


ラムザ「ディリータ、行くのかい……?」

ディリータ「ああ。おまえたちも、いつまでもこんな所で油を売っているんじゃないぞ」

ラムザ「ははっ、それはお互い様だよ。 ……またね、ディリータ」

ディリータ「ああ。また会おう、ラムザ。 ……今度は、お互い兄妹揃ってな」

ラムザ「!!」

ディリータ「それじゃあ、な。 ……行くぞ、ゴラグロスッ!ぼさっとするな!!」

ゴラグロス「わ、わかってるッ!!」

ラムザ「………」

662: 2014/01/23(木) 00:21:38.95 ID:6faAKHQS0
─────────


アグリアス「……ラムザ、加勢してくれたことに感謝する。 しかし、よいのか?北天騎士団を敵にまわしたのだぞ」

ラムザ「気にしないでください。自分で選んだ道です」

ラッド「そうそう。むしろこっちこそ、ガフガリオンの企みに気付けなかったしな。逆に申し訳ないくらいだぜ」

アグリアス「そうか……かたじけない」

アルガス「………」



ラヴィアン「それより、これからどうなさいますか、アグリアス様?」

アリシア「そうですよ! あの方の言った通り、私たちの周りは敵だらけなんですよ!」

ラムザ「悔しいけれど、ディリータの言った通りです。ラーグ公もゴルターナ公も敵である以上、僕らを助けてくれる人はいない……」

アグリアス「………」



アグリアス「……いや、まだ手はある」

ラムザ「というと……?」

アグリアス「ドラクロワ枢機卿に助けを求めてみようと思う……」

ラッド「ドラクロワ枢機卿って、あのライオネルの領主か?」

アグリアス「ああ。ライオネルはグレバドス教会の所轄領だ。教会ならなんとかしてくれるのではないだろうかと思うのだが……」

ラムザ「確かに、ライオネルなら北天騎士団も迂闊に手は出せません……。行きましょう、アグリアスさん。僕らはそこへ行くしかない」

ラヴィアン「そうですね……。教会の庇護下にさえ入れれば、騎士団も武力による介入はできないでしょうし……」

アリシア「ここからだと、ザランダを通る形になりますね。行きましょう、アグリアス様!」

アグリアス「ああ、そうしよう。ラムザ、それでいいな?」

ラムザ「もちろんです」



ラッド「だってさ、アルガス。いつまでもぼーっとしてんなよ? ……アルガス?」

アルガス「(アルガスとゴラグロスゎ……ズッ友だょ……!! )」

671: 2014/02/04(火) 17:41:40.14 ID:ToFPR0kA0
─────────


ラムザ「ふっははははwwwwwwwひれ伏せ愚民どもwwwwwwwwwww沈め沈めーいwwwwwwwwwwwwww」パンッパンッ

野盗A「」

野盗B「ち、ぢくしょぉ……!」

ラムザ「イヤッホォーゥwwwwwwwwwwwwホント戦場は地獄だぜぇぇぇwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「テンション高いなラムザwwwwwwwwなんかいいことでもあったのかwwwwwwwwwwww」

ラムザ「ちょっとねwwwwwwwwwwwwwwおっとwwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

野盗C「ぐぁッ!!」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


オヴェリア「」

アグリアス「オヴェリア様、見てはなりませぬ。さ、こちらへ」

ラヴィアン「ザランダまでは後少しです。足元にお気を付けください」

アリシア「でもツイてないですよね、こんな所で野盗に遭遇するなんて」

アグリアス「こんな御時世だ、仕方あるまい。それに何が来ようと、我々はオヴェリア様をお守りするのみだ」

ラヴィアン「(どちらかというと、このメンバーの中にいるほうが危険な気がするのですが)」

673: 2014/02/04(火) 17:50:28.67 ID:ToFPR0kA0
野盗D「あ、ぐぁ……」

野盗E「」


ラムザ「よし、これで片付いたね」

ラッド「だな。他に伏兵もいないみたいだ」

アルガス「チッ、野盗如きが余計な手間かけさせやがって……」

ラムザ「まあまあ、こんな御時世なんだから仕方ないよ。彼らも生きるために必氏なのさ」

アルガス「(……クソ。オレも一歩間違えたら、こうなってたかもしれねぇのか……)」


ラムザ「よーっしwwwwwwwwwwもうすぐザランダに到着するぞーwwwwwwwwwwww張り切っていくぞおまえらーwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「いやに張り切ってるなラムザwwwwwwwwww頼もしいことこの上ないぜwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「まかせろwwwwwwwwwwwwwwザランダだろうがライオネルだろうが更地にしてやんよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「それはダメだろwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

アルガス「(このクズどものせいで、オレは全てを失った……。仲間も、居場所も、親兄弟でさえ。 ……だが)」



『……おまえこそ、貴族のクソガキだが……本当に何故なんだろうな、おまえとはいい酒が飲めそうな気がする』


アルガス「(だが、オレはもう立ち止まらない……! オレは、もう一人じゃないんだッ!もう何も怖くないッ!!)」

674: 2014/02/04(火) 18:01:48.17 ID:ToFPR0kA0
ラムザ「さ、行きましょう、アグリアスさん」

アグリアス「あ、ああ……ところで」

ラムザ「? どうしました?」

アグリアス「その、なんだ……あれは、止めなくてもいいのか?」

ラムザ「あれ、といいますと……?」



ラッド「んだよ碌なもん持ってないじゃねぇかwwwwwwwwwwwチンケな盗賊どもだぜwwwwwwwwwwwwww」

アルガス「まだ使えそうな物は……この剣と斧くらいか。チッ、こんなんじゃ売っても大した金額にはならねぇな……」

ゴブリン「ゴブッ!ゴブゴブッ!」

ブラックゴブリン「ゴブー!!」

アルガス「あん? 何だよ、これが欲しいのか?仕方ねぇなぁ」

ゴブリン「ゴブーッ!」

ブラックゴブリン「ゴブッ!ゴブー!」

アルガス「そうかい、喜んでくれて何よりだ。そんなシケた武器でも、おまえらにとっちゃ貴重品なのかもな。 ま、精々大事に使えよ」

ラッド「アルガスやっさしーwwwwwwwwwwwwそんじゃおまえにはこれなwwwwwwwwwwww大事に使えよーwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「クェェーッ!?!?」

アルガス「あ、バカ!チョコボに鎧兜なんざ必要ないだろうが!!」

ラッド「いいじゃんいいじゃんwwwwwwwwwかっこいいじゃんwwwwwwwwwwww完全武装チョコボのできあがりだぜwwwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「グェ"ェ"ェ"ェ"ェ"ッ!!」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



アグリアス「その、なんだ……私には、もうどちらが追い剥ぎなのかわからなくなってきたのだが……」

ラムザ「この御時世ですからね、倒した野盗の身ぐるみを奪うことも止む無しですよ。仕方のないことです」

アグリアス「時世は関係ないのでは……」

ラムザ「仕方のないことです」

アグリアス「し、しかs」

ラムザ「仕方のないことです」

アグリアス「そ、そうか……すまない、余計なお世話だったようだな?」

オヴェリア「」

ラヴィアン「」

アリシア「」

675: 2014/02/04(火) 18:08:48.50 ID:ToFPR0kA0
─────────


若者「ハァ、ハァ……!」


「いたぞ、こっちだ!」

「囲め、逃がすなッ!!」


若者「クッ、しつこい奴らだ……!」

ごろつき「随分と手間をかけさせてくれたようだが、これまでのようだな!」

若者「ッ!? く、くそッ!」

ごろつき「どこへも逃げられんぞ! 命が惜しければおとなしく渡すんだ!」

若者「何を渡せっていうんだ? オレには何のことだかさっぱり……」

ごろつき「しらばっくれるんじゃない! ムスタディオ!」

ムスタディオ「………」

ごろつき「自分の親父がどうなってもいいのか? 素直に『聖石』を渡すんだ。渡せば親父を解放してやろう」

ムスタディオ「………」

ごろつき「だんまりか? ……よし、捕らえるんだ!」

ムスタディオ「……くそッ! まだ、捕まるわけにはいかねぇんだよッ!!」

ごろつき「何ッ!?」

676: 2014/02/04(火) 18:15:13.93 ID:ToFPR0kA0
ムスタディオ「ルードヴィッヒのヤローに言っておけ! 親父に指一本でも触れてみろ!『聖石』は二度と手に入らないことになるってなッ!!」

ごろつき「き、貴様───ッ!?」

ムスタディオ「!? 新手かッ!?」



ラッド「何だ、やけに騒がしいな?」

アグリアス「揉め事か? あの若者が誰かに追われているようだが……?」

アルガス「フン、どうせオレたちには関係のないことだ。放っといて進もうぜ」

ラヴィアン「うわ……」

アリシア「さいてー……」

アルガス「うるせぇ!!」


アグリアス「確かに、我々には無関係のいざこざだろうが……ラムザ、どうするのだ?」

ラムザ「そうですね。僕としても、無駄な争いは避けたいところですが……って」

アグリアス「? どうした?」

ラムザ「……すみません、アグリアスさん。ここは僕に任せてくれませんか?」

アグリアス「!? 貴公一人で何とかするというのか!?」

ラムザ「ええ、まあ。すみません、少し行ってきます」

アグリアス「ラ、ラムザ! 待て!」

677: 2014/02/04(火) 18:27:40.00 ID:ToFPR0kA0
ムスタディオ「(な、なんだ? 一人だけこっちに来る……?)」


ラムザ「ヘイそこのお兄さん!昼間っから元気だねー!僕も仲間に入れておくれよ!」

ごろつき「!? な、なんだ貴様!?」

ラムザ「何だとはご挨拶だなぁ。そっちこそ、こんな真昼間から街中で騒ぎを起こさないでおくれよ。通行人の迷惑になってるよ?」

ごろつき「ふ、ふざけやがって……!」

ムスタディオ「(変なヤツ……だが、奴らの仲間というわけではなさそうだ。こいつの助けがあれば、このごろつき連中を倒すこともできるかもしれない……!)」



ムスタディオ「な、なあ、あんた!オレを助け───」

ラムザ「ところで君、本当に僕のことを忘れちゃったのかな? 昔あんなに可愛がってやったのにさぁ」

ごろつき「!? むか、し……?」

ラムザ「もう忘れちゃったかーwwwwwwwwwなら仕方ないなーwwwwwwwwww無理矢理思い出させてやるしかないかなーwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「……その金髪、アホ毛、憎たらしい笑顔……ま、まさか」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「ラ……ラムザ……さん?」

ラムザ「大正解wwwwwwwwwいぐざくとりーwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「」

ラムザ「久しぶりじゃんゴーグのクソニートwwwwwwwwwww元気してたー?wwwwwwwwwwww相変わらず薄汚い恰好してんなぁおいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「」

ムスタディオ「」

691: 2014/02/07(金) 22:28:00.72 ID:q93XwFOK0
─────────


子分A『オラッ!誰の許可を得てオレらのシマに入り込んだんだぁ!?』

町人『や、やめてくれ!そんなつもりじゃなかったんだ!知らなかったんだよ!』

子分A『知らないだぁ!?兄キはこのスラム街の顔なんだぞ!知らないで済むと思ってんのかよッ!!』

町人『そ、そんなこと言ったって知らないものは……と、とにかく謝る!謝るから!』

子分B『あぁ!? ごめんで済むなら騎士団はいらねぇんだよ!申し訳ない気持ちがあるなら、それなりの誠意を見せてもらわねぇとなぁ!?』

町人『あ、うう……!』

ごろつき『……これだけか? チッ、はした金だな』

子分A『そうだそうだ!ナメてんのかてめぇはよぉッ!』

子分B『オレたちのシマに土足で入り込んだんだ、最低でも10000ギルくらいは用意してもらわねぇとなぁ!?』

町人『』

692: 2014/02/07(金) 22:43:59.59 ID:q93XwFOK0
子分A『ったくよぉ、どいつもこいつもナメた真似ばかりしやがって!』

子分B『まったくですぜ。ここらで一発、誰がここのボスなのかってことを思い知らせてやらねぇと。 ねぇ兄キ?』

ごろつき『そうだな。オレもあまり舐められるのは好きじゃない』

子分B『そんじゃ、次にオレらの縄張りに踏み込んだヤツは、街の連中への見せしめに殺っちまいましょうよ!どうせこんな場所なんだ、一人や二人頃したところで誰も手出しできやせんぜ!』

ごろつき『フン、それも悪くないな。ちょうど鬱憤が溜まっていたところだ』

子分A『ヒューッ!久々に兄キの解体ショーが見られるんですね!』

子分B『期待してますぜ兄キ!街の連中が震え上がるようなショーをお願いしますよ!』

ごろつき『そうだな…… ん?』

子分A『え?』

子分B『おっ?』



金持ちくさいの『へぇ、これが噂の……』

ビXチくさいの『そうよぉ~。見た目は少しチャチに見えるかもだケドぉ、威力は折り紙つきよぉ♥』

ポマードくさいの『こんな筒が、五十年戦争で猛威を振るったってのか?とてもそうは見えないがな……』



ごろつき『ククッ、カモがネギ背負ってやってきたってか? 見せしめには十分すぎるくらいかもなぁ?』

子分B『話術士の女と……もう片方はきっと貴族のガキですぜ、兄キ!』

子分A『従者まで付けてスラム街を見物ってかぁ!? 貴族のクソガキが、ナメやがって!』

ごろつき『ククッ、どうやら今夜は高い酒が浴びるほど飲めるかもしれないな……! やるぞ、おまえら!』

子分A『へい!』

子分B『やっちまいましょう、兄キ!』

693: 2014/02/07(金) 22:57:10.35 ID:q93XwFOK0
子分A『おうコラてめぇら!誰の許可でオレらの縄張りに入り込みやがったんだぁ!?』

子分B『今のオレたちはちっとばかしバイオレンスだぜぇ!? オレらのシマに無断で踏み込んじまったてめぇの運命を呪うんだなぁ!!』

金持ちくさいの『おお、思っていたより悪くないね!持った時もしっくりくる感じだよ!』

ビXチくさいの『よかった♥ 今はまだ無理だけどぉ、そのうち余裕ができたら予備も送らせるわねぇ~』

金持ちくさいの『本当かい!? ありがとうフランソワ!』

ビXチくさいの『いいのよぉ、ラムザちゃんのためだもん♥』

ラムザ『いえーい!どうよディリータ!僕の新しい武器は!』

ディリータ『ばっ、こっちに向けるなよ!やめろよ!!』

ラムザ『ビビんなよーwwwwwwwwwほらほらーwwwwwwwwwwww』

ディリータ『やめろよーwwwwwwwwwwやーめーろーよーwwwwwwwwwwwwwwwwww』

ディリータ『うるせぇばかwwwwwwwwww普通怖いだろwwwwwwwwwwwww暴発でもしたらどうすんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwww』

ラムザ『ヘタレ乙wwwwwwwwwwwwwこの僕がそう簡単に暴発なんてさせるわけwwwwwwwwwwwww あっ』パンッ

ごろつき『そういうわけだ、氏にたくなければ大人しくしてもらおぎゃあああああッ!?』

子分A『ちょっ』

子分B『兄キィィィィッ!?』

694: 2014/02/07(金) 23:07:41.57 ID:q93XwFOK0
ごろつき『があああああ!足がぁぁあああぁぁッ!!』

子分B『兄キ!しっかりしてくだせぇ!兄キィィィッ!!』

子分A『て、てめぇッ!よくも兄キをッ!!』

ラムザ『やっべwwwwwwwwほんとに暴発しやがったwwwwwwwwwwwwこえぇwwwwwwwwwwwwww』

ディリータ『なんか誰かに当たったくさいぞwwwwwwwwwwめっちゃキレてるwwwwwwwwwwwこえぇwwwwwwwwwwwwww』

ラムザ『僕しーらないwwwwwwwwwwww勝手に暴発したこの銃が悪いんだよwwwwwwwwwwwwww僕悪くないもーんwwwwwwwwwwww』

子分B『なッ……!?』

子分A『て、てめぇ!ふざけんじゃねぇぞッ!!』

ラムザ『やだ、こわいよーっwwwwwwwwwwwwww家畜の掃き溜めのスラム街で我が物顔してる人間未満のクズが何か言ってるよーっwwwwwwwwwwwwwwwwwww』

ディリータ『おいばかやめろってwwwwwwwwwwめっちゃ睨まれてるからwwwwwwwwwww大人しく謝っとけってwwwwwwwwwwwww』

ラムザ『さーせんっしたwwwwwwwwwwwめんごめんごっwwwwwwwwwwwwwwwwww』

ディリータ『悪かったなwwwwwwwwwwww50ギルあげるから許してやってくれwwwwwwwwwwwwwwww』

子分A『』

子分B『』

695: 2014/02/07(金) 23:26:08.01 ID:q93XwFOK0
ごろつき『こ、頃す……!頃してやるぞ……ッ!!』

ディリータ『だってさラムザ。どうやら本気で怒らせちまったらしいぜ?』

ラムザ『そんなこと言われても困るよ。僕だってわざとじゃないのに……』

ごろつき『黙れッ!貴様はこの手で八つ裂きにしてやるッ!!』

ディリータ『やれやれ。だからスラム街に来るのは反対だったんだ』

ラムザ『えー? だってさぁ、ロマンダが使ってた武器が輸入されてきたんだよ? 一度は見てみたいじゃないか。実際、収穫もあったわけだしね』

ディリータ『それはそうだが……』

ラムザ『だろ? いいじゃないか、まったくの無駄足ってわけでもなかったんだからさ』

ディリータ『わかったよ、そういうことにしておくさ』

ごろつき『………』



子分A『て、てめぇら!兄キを無視してんじゃねぇぞ!!』

子分B『ふざけやがってッ!!』

ラムザ『もう、仕方ないなぁ。せっかく見逃してあげようと思ってたのに』

子分A『んだと、貴族のクソガキがッ!!』

子分B『オレたちをナメるとどういうことになるか、痛い目見ねぇとわからねぇみたいだな!』

ラムザ『……まあいいや、そういうことならかえって好都合かな。その喧嘩、買ってあげるよ』

ごろつき『舐めた口を……ッ! おまえら、殺っちまえッ!!』

子分B『へい!!』

子分A『あの世で後悔しやがれ、クソガキがぁッ!!』

696: 2014/02/07(金) 23:30:39.33 ID:q93XwFOK0
─────────


ごろつき『ずびばぜんでじだぁ……!!』

ラムザ『wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』

ディリータ『wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』



703: 2014/02/08(土) 13:17:15.26 ID:EvBWpBnT0
─────────


ラムザ「それから僕たちは仲良しになったんだよね!いやー懐かしいなぁ!」

ごろつき「(それからオレの人生は狂っちまったんだ……ちくしょう……)」

ラムザ「僕たちがゴーグに滞在してる間だけだったけど、色々と楽しかったよね!鬼ごっこしたりとかさ!」

ごろつき「(鬼が銃片手に追い掛け回してくる鬼ごっこだったけどな……)」

ラムザ「射撃の練習にも付き合ってくれたよね!お陰で銃の扱いがだいぶ上達したよ!ありがとう!」

ごろつき「(オレの頭に乗せた果物を撃ち抜くっていうアレな……未だにトラウマなんだぞ……)」

ラムザ「それにしても、まさかこんなところで再会するとは思わなかったよ!今日はいい日になりそうだなぁ!」

ごろつき「(オレは会いたくなかった……今日は人生最悪の日だ……)」

ラムザ「なーに辛気臭い顔してんのwwwwwwwwwwwwwwww笑えよwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「」



傭兵A「……何だ、あいつは?」

傭兵B「何話してんのかは知らねぇが、いっそあのガキもターゲットと一緒に殺っちまうか?」

子分A「やめろ!やめろマジで!!」

子分B「馬鹿なことは考えるなッ!!氏にたいのかおまえらはッ!?」

傭兵A「」

傭兵B「」



ムスタディオ「(クソッ、あのごろつき連中の顔見知りかよ!助けてくれるどころか敵じゃねぇか!!)」

704: 2014/02/08(土) 13:26:25.06 ID:EvBWpBnT0
ラムザ「それでそれで?ゴーグのスラム街でブイブイ言わせてたニートたちの親玉さんが、こんなところで揃って何やってるのかな?」

ごろつき「そ、それは……」

ラムザ「君たちが追い掛け回してた彼、ゴーグの機工士だよね?何だってまた、一機工士相手にこんなに大勢で騒ぎを起こしていたんだい?身ぐるみ剥がしたところで大した額にはならなさそうだけど?」

ごろつき「い、いや、そういうことではなく……」

ラムザ「いいからはっきりしろよーwwwwwwwwwwww何も話してくれないんなら彼の味方しちゃおっかなー?wwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「!? ちょ、ラムザさん!?」

ラムザ「僕も一応はベオルブの人間だしなーwwwwwwwwwwwww君たちはどう見ても薄汚いごろつき連中だしなーwwwwwwwwwwwww悪漢に追われてる民間人を見捨てるわけにはいかないなーwwwwwwwwwwwwどうしよっかなぁーwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「」

ラムザ「おら言えよwwwwwwwwwww何であの機工士を追い掛け回してたのかkwskwwwwwwwwwwwwwwはよはよwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「(ち、ちくしょう……! だが、依頼の詳細を話すわけには……!)」

ラムザ「早くしないと退治しちゃうぞっ☆」

ごろつき「!? い、言います!ちゃんと喋りますからッ!!だから撃たないでッ!!お願いしますッ!!」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



ムスタディオ「(く、くそ……! 戦って切り抜けるしかないのか……!?)」

705: 2014/02/08(土) 13:34:55.56 ID:EvBWpBnT0
ごろつき「───と、いうわけです……」

ラムザ「なるほど。つまりあの機工士はゴーグで発掘された貴重な宝石を盗んだ罪人で、君たちは依頼を受けて彼を追っていたと」

ごろつき「ええ、まあ……」

ラムザ「ふーん……なるほどね……」

ごろつき「………」

ラムザ「君たちみたいなごろつきを雇ってまで取り返そうとするくらいだ、その宝石っていうのはよほど貴重な物なんだろうね」

ごろつき「ま、まあ、オレたちも詳しくは知らないんですが、そういうことらしいです」

ラムザ「へぇ……」

ごろつき「(だ、大丈夫だ……。依頼主の素性と『聖石』に関しては話せないが、これなら嘘は言ってない……)」

ラムザ「………」

ごろつき「…ラ、ラムザ……さん?」

ラムザ「……よし、それじゃあ僕も協力してあげるよ!!」

ごろつき「!?」

ムスタディオ「!?」

706: 2014/02/08(土) 13:39:35.13 ID:EvBWpBnT0
ごろつき「ラ、ラムザさん!? 協力って、一体何を……!?」

ラムザ「だから盗人退治に協力してあげるんだってばwwwwwwwwwwwww二回も言わせんなばかwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「」

ムスタディオ「」



ラムザ「とりあえずあの機工士をぶっ殺せばいいんだよね?wwwwwwwwwwwwww任せてよwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「ま、待ってくださいラムザさん!そいつを頃したら宝石の在処が」

ラムザ「そーれ、ロマンダ銃ばーんっwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

ムスタディオ「あぎゃあッ!?」

ごろつき「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?!?!?」


ラムザ「ヘーイwwwwwwミッションコンプリーッwwwwwwwwwwwwwwwwwイエァッwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ごろつき「」

ムスタディオ「」

708: 2014/02/08(土) 13:50:11.93 ID:EvBWpBnT0
ムスタディオ「せ、聖石を…やつらに渡しては…ダメだ……」

ごろつき「(あ、ああ……なんてこった……!あのガキが氏んだら『聖石』の在処が……!)」

ラムザ「………」



ラムザ「さ、これで君たちの依頼は完遂だ。依頼主に報告しに行っておいでよ」

ごろつき「………」

ラムザ「どうしたんだい?まだ何か問題でも?」

ごろつき「ほ、宝石の在処を知っているのは、そのガキだったんですよ……そいつ、逃げながらどこかに隠したみたいで……」

ラムザ「そうなの? そういうことなら先に言ってくれないと困るよ!もう撃っちゃったじゃないか!」

ごろつき「(あんたが人の話を聞かずに撃ったんだろうが!!)」



ラムザ「いやー、失敗したなぁ。まだ氏んでなければいいんだけど……」

ムスタディオ「……う……」

ごろつき「!!」

ラムザ「やった、まだ息がある!すぐに治療すれば間に合うかもしれないぞ!!」

ごろつき「おい、誰かこいつの手当てを──」

ラムザ「いや、僕の連れに白魔道士がいる!彼の治療は任せてくれ!!」

ごろつき「えっ?」

ラムザ「大丈夫だ、ついでに宝石の在処も聞き出しておく! そんなことより、そろそろ騒ぎを聞きつけた人間が集まってくる頃だ! 僕たちが彼から情報を聞き出している間、君たちは何事もなかったように振る舞うんだ!いいなッ!!」

ごろつき「ちょ、ラムザさ──」

ラムザ「ラッド、アルガス!人目のつかない場所に移動する!運ぶのを手伝ってくれ!!」

ごろつき「」

709: 2014/02/08(土) 13:58:42.49 ID:EvBWpBnT0
─────────


ムスタディオ「……う……、おや、じ……」

アグリアス「もう大丈夫だ。命に別状はないだろう」

ラムザ「ありがとうございます。アグリアスさんが白魔法を使えて助かりましたよ」

アグリアス「しかし、この男は一体……? あのごろつき連中に狙われていたようだが……」

ラムザ「僕にも詳しいことはわかりません。話を聞いた限りでは、どうやら彼が何かを盗み出したようですが」

アグリアス「盗人ということか?」

ラムザ「わかりません。何せ、金で雇われたごろつきの言うことですからね。どこまで信憑性があるのやら」

アグリアス「………」

ラムザ「何にせよ、彼に直接聞けばいいだけの話です。もしその話が事実なら、このまま街の自警団に引き渡してもいいでしょう」

アグリアス「ああ、そうだな……」

711: 2014/02/08(土) 14:10:09.82 ID:EvBWpBnT0
ムスタディオ「……う」

ラムザ「ん、目が覚めたかい?」

ムスタディオ「……、ッ!!? おまえはッ……!!」

ラムザ「うわッ!?」

アグリアス「ラムザ!?」

ムスタディオ「動くなッ!そのまま武器を置いて両手を上げろッ!!」

アグリアス「貴様、何のつもりだ!?」

ムスタディオ「それはこっちの台詞だ、ルードヴィッヒの手先め! こんな場所へ連れて来て、オレをどうしようっていうんだ!?」

アグリアス「ルードヴィッヒ? バート・ルードヴィッヒのことか?」

ムスタディオ「しらばっくれるつもりか!そこのアホ毛野郎はあのごろつきどもの仲間だろうが! オレから『聖石』の在処を聞き出すつもりなんだろ!?」

アグリアス「『聖石』……? あの、御伽噺に出てくる……?」

ムスタディオ「聖石の在処を教えて欲しければ親父を解放しろ! 親父はどこにいる!?無事なんだろうな!?」

アグリアス「ま、待て、何の話だ!?」



ムスタディオ「聞こえなかったのか!? おまえたちが捕らえたオレの親父は」

ラムザ「いいからちょっと黙ればかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

ムスタディオ「どごぎゃぁッ!?」

アグリアス「」

714: 2014/02/08(土) 14:26:44.43 ID:EvBWpBnT0
ムスタディオ「ほああああああ……!足がああああああ……!!」

ラムザ「黙って聞いてりゃキャンキャン喚きやがってwwwwwwwwwwwww誰がアホ毛野郎だっつーのwwwwwwwwwwwwwwww」

ムスタディオ「あぁが……!!」

ラムザ「この恩知らずがwwwwwwwwwwwww誰があの状況から助けてやったと思ってるんだよwwwwwwwwwwwwww命の恩人に銃を向けるたぁ何事だよwwwwwwwwwwwww恥を知れ恥をwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ムスタディオ「お、恩知らずも何も……!おまえはヤツらの仲間なんだろ……!?」

ラムザ「冗談じゃないwwwwwwwwwwwwあんな薄汚いごろつきの仲間になんてなるものかよwwwwwwwwwwwww昔一度だけ会ったことがあるってだけですーwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ムスタディオ「………」

ラムザ「ま、何も言わずに君を撃ったことは謝るよ。ああでもしないと、大人しく見逃してくれそうにはなかったからね」

ムスタディオ「……本当に、ヤツらの仲間じゃないのか?」

ラムザ「そもそも王女様の護衛を務めている僕たちが、ごろつきの仲間なわけがないだろう? あのタイミングで通りかかったのだって、偶然以外の何でもないさ」

ムスタディオ「………」

アグリアス「私はアトカーシャ王家直属の近衛騎士団に所属している。彼らの身の潔白は私が保証しよう」

ムスタディオ「………」

715: 2014/02/08(土) 14:34:09.49 ID:EvBWpBnT0
ムスタディオ「……取り乱してすまなかった。それと、助けてくれてありがとう」

ラムザ「落ち着いたかい? それじゃあ、そろそろ話してもらえるかな。君が彼らに追われていた理由を」

ムスタディオ「そ、それは……」

アグリアス「おまえはさっき、『聖石の在処』と言ったな。それは、あの御伽噺に出てくる聖石のことか? 聖石が実在していたとでもいうのか?」

ムスタディオ「………」

アグリアス「おまえがさっき口に出した名前……バート・ルードヴィッヒ。 貿易商として有名な、バート商会の元締めだな? おまえを追っていたのはバート商会の人間なのか?」

ムスタディオ「……ヤツらはバート商会に雇われたごろつき連中だ。元はゴーグで名の知れていた悪人どもさ」

アグリアス「バート商会の元締めが、そのような者たちと繋がっていると?」

ムスタディオ「バート商会はただの貿易商じゃない。阿片の密輸、奴隷の売買……ありとあらゆる悪行を手広くやっている犯罪組織なのさ、連中は」

ラムザ「そんな奴らに何故、追われていたんだい?」

ムスタディオ「………」

アグリアス「父親を人質に取られていると言ったな。バート商会がそうまでしておまえを追っている理由はなんだ?」

ムスタディオ「………」

716: 2014/02/08(土) 14:51:10.34 ID:EvBWpBnT0
ムスタディオ「……あんたたちはドラクロワ枢機卿に会いに行くと言っていたな。 枢機卿は五十年戦争で戦った英雄だ。ライオネルの人間は今でも枢機卿を英雄として尊敬している……」

ラムザ「………」

ムスタディオ「オレの親父も同じだ。この混乱した畏国をまとめられるのは枢機卿だけだって話している」

アグリアス「……それが、何だというのだ?」

ムスタディオ「頼む、オレも連れて行ってくれ! ヤツらに捕まった親父を助けるためには、枢機卿のお力を借りるしかないんだ!」

アグリアス「だから、おまえとおまえの父親が狙われている理由はなんだと聞いている!」

ムスタディオ「そ、それは……」

アグリアス「バート商会が裏では悪人と繋がっていたとして、何故おまえたちが追われている? あの連中はおまえが何かを盗んだと言っていたそうだが、それが聖石だとでもいうのか? だとしたら、何故バート商会が聖石などという大それたものを探している?」

ムスタディオ「………」

アグリアス「黙っていたのではわからん。我々も時間が惜しい、何も言わないのであれば先を急がせてもらうぞ」

ムスタディオ「ま、待ってくれ!頼む、オレを信用してくれ!オレは枢機卿に会わなくちゃならないんだ!!」

アグリアス「では理由を話せ。正直に言って、おまえは怪しすぎる。事情が話せないというのであれば、おまえのような怪しい者をオヴェリア様の傍に近付けるわけにはいかない」

ムスタディオ「………」



ラムザ「まあまあ、アグリアスさん。そうピリピリすることもないでしょう? それに、そんなにきつく問い詰めたら逆に言い出しにくくなってしまいますよ」

アグリアス「しかしだな……」

ラムザ「……少し、彼と二人だけにしてもらえませんか? 事情を話してもらえるよう、僕から頼んでみますよ」

アグリアス「おまえなら、理由を聞き出せるというのか?」

ラムザ「ええ。少なくとも、こうして時間を無駄にするよりは確実かと」

アグリアス「………」

ラムザ「どうです、アグリアスさん。ここは僕に任せてくれませんか? 碌な理由でもないのであれば、僕から同行を断りますから」

アグリアス「……わかった。おまえを信用しよう」

ラムザ「ありがとうございます。少し待っててください」

アグリアス「ああ、頼む」

717: 2014/02/08(土) 15:01:58.06 ID:EvBWpBnT0
ムスタディオ「……? あの騎士さんは何処へ行ったんだ?」

ラムザ「アグリアスさんには席を外してもらったよ。少しばかり、君と腹を割って話したくてね」

ムスタディオ「……何度聞かれようと、今はまだ」

ラムザ「大丈夫、わかってるさ。無理に聞き出すつもりはないよ。僕も君の気持はよくわかるからね」

ムスタディオ「……? どういう……」

ラムザ「君の気持はよくわかる。だって……“僕も君と同じだからね”」

ムスタディオ「!?」

ラムザ「だから、一緒に枢機卿に会いに行こう。アグリアスさんに何か聞かれたら、僕が適当に誤魔化しておくからさ」

ムスタディオ「………」



ムスタディオ「……オレと同じってことは、あんたも」

ラムザ「うん。君と同じ、“追われる身”さ」

ムスタディオ「………」

ラムザ「こんなことを誰かに話したところで、信じてくれるはずがない。それどころか、かえって敵を増やしてしまう。でも、枢機卿なら……」

ムスタディオ「力を、貸してくれるかもしれない……」

ラムザ「そういうこと。オヴェリア様のこととは別に、僕個人としても、枢機卿には助けを求めたいと思っているんだ」

ムスタディオ「………」

ラムザ「だから、君も一緒に行こう。同じ境遇の相手を見捨てることなんて、僕にはできない」

ムスタディオ「!!」



ムスタディオ「(オレと同じ追われる者……同じ境遇……!間違いない、こいつも聖石を……!)」

ラムザ「(ガフガリオンが大事そうに隠してた剣、黙って持ってきちゃったからなーwwwwwwwwwwww今頃すっごく怒ってるだろうなーwwwwwwwwwwwwww怖い顔して追いかけてくるだろうなーwwwwwwwwwwwwwwww)」

719: 2014/02/08(土) 15:11:47.24 ID:EvBWpBnT0
ラムザ「さ、行こう。あまりアグリアスさんたちを待たせるわけにもいかないし」

ムスタディオ「………」

ラムザ「ムスタディオ?」

ムスタディオ「………」


ムスタディオ「……なあ。オレと同じってことは、あんたも“アレ”を……聖石を持ってるんだろ?」

ラムザ「!! ……そうだよ?」

ムスタディオ「やっぱりか……だとしたら、あんたたちが北天騎士団に追われてるってのは……」

ラムザ「……そう。北天騎士団のトップ……ラーグ公とダイスダーグ卿は、私利私欲を満たすために僕の持つ聖石を狙っているのさ。聖石の力を使って、ライバルであるゴルターナ公を完膚なきまでに叩き潰すために、ね……」

ムスタディオ「そうか……そんなことが……」

ラムザ「君こそ、どうなんだい? バート商会に追われているということは、やっぱり奴らの狙いも聖石なんだろう?」

ムスタディオ「……ああ。ゴーグの地下には壊れて動かない機会が沢山埋まっている。でも、あの石を近づけると氏んでいるはずの機械がうなり始めるんだ……」

ラムザ「………」

ムスタディオ「……なあ。このことは、あの騎士さんたちには内緒にしておいてくれないか? 時期を見計らって、オレの口からちゃんと話すから……」

ラムザ「わかった、アグリアスさんたちには秘密にしておくよ」

ムスタディオ「すまない……それと、ありがとう……」

ラムザ「………」

720: 2014/02/08(土) 15:13:48.35 ID:EvBWpBnT0
─────────


ラムザ「………」

ラムザ「………」

ラムザ「………」

ラムザ「………」

ラムザ「………」


ラムザ「………w」














ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

721: 2014/02/08(土) 15:22:01.66 ID:EvBWpBnT0
ラムザ「やっべぇwwwwwwwwwwwwwww聖石だっておwwwwwwwwwwwwwwwwwww伝説のゾディアックブレイブ様の持ってたクリスタルだっておwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「あんなもん実在してんのかよwwwwwwwwwwwwまじぱねぇわwwwwwwwwwwwwwwゾディアックストーンぱねぇわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「なんか勝手にペラペラ全部話してくれたけどさぁwwwwwwwwwwwwwwwww別に僕は嘘ついてないもんねwwwwwwwwwwww最後以外はwwwwwwwwwwwwwwwwあいつが勝手に同族意識持って語りだしちゃっただけだもんねwwwwwwwwwwwwww僕しーらないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


ラムザ「それにしても聖石かぁwwwwwwwwwwwwwきっとすごいんだろうなぁwwwwwwwwwwwwwww伝説のクリスタルだもんなぁwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「売ったらいくらになるんだろうなぁwwwwwwwwwwwwwwwwww騎士団の運営費なんか屁でもないくらいの値がつくんだろうなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「そろそろこの貧乏傭兵生活にも嫌気が差してきた頃だったしなーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwしょうがないなーwwwwwwwwwwwwwwwwwww聖石でも売って一山当てるしかないなーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「機械がうなろうがなんだろうがwwwwwwwwwwwww僕の知ったこっちゃないしなーwwwwwwwwwwwwwwwwwww所詮世の中金が全てなんだよwwwwwwwwwwwwwww金にすべてをってなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「バート商会の連中がが兵器開発に利用したところでwwwwwwwwwwwwwその開発権ごと僕が根こそぎ奪い取ってやんよwwwwwwwwwwwwwwwwwそれが力ある者に与えられた当然の権利だからねwwwwwwwwwwwww仕方ないねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「イヤッホォーウwwwwwwwwwwwwwwwまた裕福な暮らしが始まるよーっwwwwwwwwwwwwwwwww準備はいいかーい?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

724: 2014/02/08(土) 15:38:09.67 ID:EvBWpBnT0
─────────


ダイスダーグ「なんとしてもオヴェリアを捕らえるのだ。むろん、オヴェリアと行動を共にするアグリアスらも同様だ。捕らえてその場で処分せよ!」

ガフガリオン「ラムザとアルガスもか?」

ダイスダーグ「尚更構わん!!ベオルブの名を汚すばかりか、我らの邪魔をする愚か者……いや、クズどもがッ!!見つけ次第抹殺せよ!あのクズどもを生かしておくなッ!!」

ガフガリオン「……実の兄とは思えン台詞だな。気持ちはわからなくもないが、胸糞が悪くなるぜ」

ダイスダーグ「フン、貴様にはわかるまい……。私があのクズどものせいで、どんなに、どんなに……ッ!!」

ガフガリオン「(わかる)」


ダイスダーグ「とにかく、あの二人だけは生かしておくな。ようやくあの三馬鹿のうち一人が消えたのだ、このまま一気にベオルブの恥部を消し去ってくれよう……!」

ガフガリオン「……ディリータとかいう小僧なら、生きてたみたいだぞ? 何たって、そいつがオヴェリアを攫って行ったンだからな」

ダイスダーグ「なん……だと……?」

ガフガリオン「それにアンタ、オヴェリアの誘拐をどこのどいつに命じたンだ? オヴェリアを追いかける時、ドーターで何者かに襲われたンだぜ。ありゃ、どういうことだ?」

ダイスダーグ「………」


ダイスダーグ「……本物の実行犯たちは修道院の近くの林の中で氏体で発見された。何者かが、我々の計画をかぎつけて邪魔をしようとしているようだな……」

ガフガリオン「(なるほどな。オーボンヌでオレたちがブッ頃した連中は、既にどこかの勢力の人間と入れ替わった後だったってことか……)」


ダイスダーグ「まあ、いい。いずれにせよ、オヴェリアがまだアグリアスの下にいる間は大丈夫。奪うチャンスはいくらでもある……」

ガフガリオン「そう願いたいもンだな」

725: 2014/02/08(土) 15:52:44.81 ID:EvBWpBnT0
ガフガリオン「しかし、ライオネルの枢機卿が邪魔したらどうする?教会がバックについたら、ラーグ公といえども迂闊には手出しできンぞ」

ダイスダーグ「それについてはすでに手を打ってある。心配するな、貴公はラムザたちの首を取ることだけを考えていればよい」

ガフガリオン「首を取る、ねぇ……。仮にも弟だろうに、つくづく恐ろしい人だな、アンタは」

ダイスダーグ「そう思うなら、少しは言葉を慎むんだな。貴公の首など簡単に切り離すことができるのだぞ。それを忘れるなよ」

ガフガリオン「おいおい、よしてくれよ。オレはアンタの忠実なる僕だぜ。 かの聖騎士殿のように頭が固いわけでもない。それを忘れないでくれよ」

ダイスダーグ「ならば、これ以上のヘマを踏まぬようにするのだな。あの馬鹿どもを確実に仕留めるのだ。そのために、貴公に“アレ”を託したのだからな」

ガフガリオン「アレ、ねぇ……。アレをアンタから受け取った時はどうなることかと思ったが、まさかベオルブの人間を頃す為に使うことになるとはな」

ダイスダーグ「よもや、無くしたなどとは言うまいな?」

ガフガリオン「もちろン、ここにあるさ」



ガフガリオン「敵の生き血を啜る魔剣、ブラッドソード。オレみたいな人間には実にお似合いの武器だが……実の弟相手にそこまでするかね、まったく」

ダイスダーグ「そんなことはどうでもよい。その魔剣でラムザの首を切り落とし、私の前へと持ってくるのだ。 あのクズが氏んだことをこの目で確かめるまで、私は安心して眠ることもできぬのだからな……」

ガフガリオン「ま、それが仕事ならオレは文句ないがね。ちょうどいい、アンタの弟でこいつの試し斬りをさせてもらおうか」スラッ

ダイスダーグ「………」

ガフガリオン「アンタの切り札とやらの性能、この目で確かめさせてもらおう」

ダイスダーグ「………」

ガフガリオン「……あン?どうしたよ、ダイスダーグ殿?」

ダイスダーグ「………」














ダイスダーグ「ガフガリオン、貴様、ふざけているのか……?」

ガフガリオン「えっ」

727: 2014/02/08(土) 16:01:09.60 ID:EvBWpBnT0
ダイスダーグ「貴様には、それが魔剣に見えるのか……?」

ガフガリオン「えっ、えっ……?」

ダイスダーグ「魔剣どころかどう見ても店売りのブロードソードにしか見えぬのは、私の目がおかしいのか……?どうなのだ……?」

ガフガリオン「」



ダイスダーグ「こんなふざけた真似をするのは、あの馬鹿どもだけで十分なのだがな……。どうやら氏にたいらしいな、ガフガリオン……?」

ガフガリオン「お、おい、待ってくれ!知らン、オレは知らンぞ!確かにこの鞘には、アンタから受け取った魔剣が───」

ダイスダーグ「……そこの、柄の部分に巻かれた羊皮紙は、何だ……?」

ガフガリオン「羊皮紙……!? 何だ、何か書かれて……」






『ガフガリオンへ。この鞘に入ってた剣、かっこいいから借りていくぜ☆ おまえの物はオレの物、オレの物もオレの物ォォォッ!! ……と言いたいところだけど、それではあまりに酷いと思ったので代わりの剣を置いていきます。等価交換だ、ありがたく思え!! ラムザより♥』





ガフガリオン「」

ダイスダーグ「」

728: 2014/02/08(土) 16:04:31.22 ID:EvBWpBnT0
─────────


ガフガリオン「ラムザのゴミ野郎は何処だッ!!あの馬鹿は何処へ行った!出てこいラムザッ!!」

シモン「オ、オヴェリア様をお助けに向かったのでは……?」

752: 2014/03/14(金) 22:34:10.68 ID:sdrNh4pb0
─────────


アグリアス「オヴェリア様、ごらんになれますか? あの山の向こうがライオネル城です」

オヴェリア「この城塞からは、まだ遠いのね……」

アグリアス「ええ。見回りに向かったラヴィアンが戻り次第、出発いたします。道中、バート商会に雇われた者どもの待ち伏せが予想されますが、どうか御安心を。オヴェリア様の身の安全は、我らの命に代えてもお守りいたしますゆえ」

オヴェリア「………」

アグリアス「オヴェリア様?」

オヴェリア「ドラクロワ枢機卿は、本当に私たちを助けてくれるのかしら……?」

アグリアス「……枢機卿殿は、王家に対する忠誠心がとても高いお方と聞いております。それに、今のところラーグ公とゴルターナ公の政争に対し中立の立場をとっておいでとか。オヴェリア様をどちらかに引き渡すような不義はなさらないでしょう」

オヴェリア「そうだとよいのだけれど……」

オヴェリア「それに枢機卿殿はグレバドス教会の信望も厚く、枢機卿殿の願いなら教会側もオヴェリア様を受け入れてくれましょう。そうなれば、北天騎士団も迂闊に手は出せないはずです」

オヴェリア「………」


オヴェリア「……王女になど、生まれてこなければよかった」

アグリアス「オヴェリア様……」

753: 2014/03/14(金) 22:44:37.93 ID:sdrNh4pb0
ラムザ「(いやぁ実にラッキーだったなぁwwwwwwwまさか伝説級のお宝に遭遇するチャンスが来るなんてwwwwwwwwwwwwwwwwwww飛んで火にいる金銀財宝ってかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwヒャアwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(あのムスなんたらに財宝の在処まで案内させてwwwwwwwwwwwwwwそしたらあいつは用済みだからwwwwwwwwwwwwwwバート商会にでも高値で身柄を売り飛ばしてやんよwwwwwwwwwwwwwwwバート商会の連中は馬鹿だからすぐ食い付くだろうしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(でも残念wwwwwwwwwwww宝は既に僕の手の内でございまーすwwwwwwwwwwwwwwwww薄汚い売人の分際で伝説の財宝を手に入れようなんざwwwwwwwwwwおこがましいにも程があるっつーのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(信心深い(笑)教会の連中にでも聖石とやらを売り払ってwwwwwwwwwwwwwその金でどこぞの領地でも買収してやりゃあwwwwwwwwwwwwwwww北天騎士団にも匹敵する程の権力が手に入るってもんだwwwwwwwwwwwwwwwwなんせ相手は伝説の宝石だからなぁwwwwwwwwwwwwwwwふははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(所詮世の中金が全てよwwwwwwwwwwwwwwww待ってろよクソ顎鬚がwwwwwwwwwwwwwwwww僕が貴族に返り咲く日も近いぜぇぇぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(クククwwwwwwwwwwwwwwあーっはっはっはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」







「……王女になど、生まれてこなければよかった」

「オヴェリア様……」


ラムザ「(……ん? 何話してるんだ……?)」

754: 2014/03/14(金) 22:53:53.20 ID:sdrNh4pb0
オヴェリア「私は修道院の壁しか知らない……。塀で囲まれた空しか外を知らない」

アグリアス「オヴェリア様……」

オヴェリア「アグリアスは知らないと思うけど、私は、オーボンヌ修道院へ行く前は他の修道院にいたの。亡き国王の養女に迎えられたと聞いたときも、その後も、ずっと修道院で暮らしていたのよ」

アグリアス「………」

オヴェリア「ううん、それがイヤだって言っているんじゃないわ。ただ……。ただ、私が王女であるばかりに私のために氏んでゆく人たちがいる。それがとてもつらいの……」

アグリアス「オヴェリア様がご自分を責めることはございません。オヴェリア様のせいではなく、オヴェリア様を利用しようとしている奴らが悪いのです」

アリシア「そ、そうですよ!オヴェリア様は何も気に病む必要はありません!」

オヴェリア「……ありがとう、2人とも」


ラムザ「(あちゃーwwwwwwwwwすっげー真面目な話してるwwwwwwwwwwww出て行きにくい雰囲気ですわwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(まあいいやwwwwwwもう少し出歯亀してよっとwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

755: 2014/03/14(金) 23:08:47.94 ID:sdrNh4pb0
オヴェリア「オーボンヌ修道院で知り合ったコがいるの。彼女も生まれてからずっと修道院で暮らしているって言ってたわ」

ラムザ「(……ん?)」

オヴェリア「それと、も一1人。そのコは元は平民だったけれど、両親を病で亡くしてしまってから貴族の家に引き取られて、それからはずっと修道院にいるって。同じような境遇だねって三人でよく笑ってたの。ふふふ、おかしいでしょ」

アグリアス「ベオルブ家の令嬢のアルマ様と、その養妹であるティータ様ですね」

ラムザ「(アルマとティータ! オヴェリア様と知り合いだったのか!)」

オヴェリア「私の初めての友だち……」

ラムザ「(くそッ!だったらそうと言ってくれれば!こうなる前に王家に取り入ることだってできたはずなのにッ!!)」


オヴェリア「……ドラクロワ枢機卿は私を利用したりしないかしら?」

アグリアス「………」

ラムザ「(ラーグ公が王女を消したがっている以上、もうこの女を使っても王家にコネクションを作ることはできない……!畜生、もっと早くにこのことを知っていれば……ッ!)」






ラムザ「(……ふ、ふん、いいもんね。 僕にはまだ聖石っていう金蔓が残ってるんだから)」

ラムザ「(とりあえず今は、出歯亀がバレないようにそっと撤退しy


ムスタディオ「ラムザッ! どこだ? そろそろ出発するぞ!」

アグリアス「む!?」

ラムザ「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



ムスタディオ「こんなところで何やって」

ラムザ「うるせー空気読め馬鹿野郎wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

ムスタディオ「るあぎゃあ!?」

761: 2014/03/16(日) 01:58:30.42 ID:s0mUegCc0
アグリアス「ラムザ。いたのなら声をかけてくれればよかったものを」

ラムザ「あ、いえ。何か話の途中だったようなので、出て行くタイミングを逃してしまって」

アグリアス「そうか、それは悪いことをしたな」

ラムザ「いえ、気にしないでください。一声かけなかった僕も悪いんですから」

ムスタディオ「ほあああああ……!ほあああああ……!!」



オヴェリア「何の音だったのかしら?」

アリシア「……オヴェリア様は何も気にしなくてもよさそうですよ、色々な意味で」

オヴェリア「?? そうなの?」

アリシア「そうなんです」

オヴェリア「そう……。ところで、アリシア」

アリシア「はい?なんでしょう?」







オヴェリア「えいっ」

アリシア「!?」



ズキュゥゥゥン

762: 2014/03/16(日) 02:04:17.25 ID:s0mUegCc0
ラムザ「!?」

アグリアス「!?」

ムスタディオ「!?」


アリシア「んっ!? んんーッ!?!?」

オヴェリア「んっ……ぷは。あら? アリシアったら、顔が真っ赤よ?」

アリシア「」

アグリアス「」



オヴェリア「アリシア。確か貴女、故郷に許婚がいるのよね」

アリシア「」

オヴェリア「その人ともうキスはしたのかしら? まだよねェ……」

アリシア「」

764: 2014/03/16(日) 02:06:25.82 ID:s0mUegCc0
no title

アリシア「」

アグリアス「」

ラムザ「」

ムスタディオ「」

765: 2014/03/16(日) 02:12:29.27 ID:s0mUegCc0
アリシア「」

アグリアス「」

ムスタディオ「」


オヴェリア「……? どうしてみんな固まっているの? やっぱり私のやり方じゃだめだったのかしら」

ラムザ「えっ」

オヴェリア「以前、友だちが教えてくれたんだけどなかなか上手くいかないわ。もしかしたら、舌の絡ませ方が悪いのかもしれないわね」

ラムザ「」

オヴェリア「私、あまりこういうのはやったことがないから……。普通の女の子はどうなのかしら?」

ラムザ「は、はぁ。それは男の僕には何とも言えない──」

オヴェリア「この際だからもう少し練習しちゃおうかしら」

ラムザ「ですんおっ!?」


ズキュゥゥゥン



ラムザ「」

766: 2014/03/16(日) 02:29:56.96 ID:s0mUegCc0
オヴェリア「……んっ、どう? さっきよりは上手くできたと思うけど……」

ラムザ「」

オヴェリア「……やっぱりだめみたい。私に教えてくれたあの子は、相当手慣れていたのね」

ラムザ「(ア、アルマ……アルマ以外と、キス…してしまった………)」


アグリアス「……はッ!? オ、オヴェリア様、一体何をッ!?」

オヴェリア「どうしたの、アグリアス。そんなに血相を変えて」

アグリアス「な、何故そのような、はしたない事を……ッ!」

オヴェリア「?? はしたない? どうして?」

ラムザ「!?」

アグリアス「!?」

オヴェリア「親しい間柄ならこういうことをするのは普通だと、友達から教わったわ。貴女たちは私を助けてくれたのだから、何もおかしいことではないと思うのだけど」

アグリアス「」

ラムザ「(こ、こいつ、この女!キス魔か……! それも、無自覚で一番タチの悪い……ッ!!)」


アグリアス「……お言葉ながら、オヴェリア様。このような事は、軽々しく行っていい行為ではないと私は思います。それが王女であるオヴェリア様ならば、尚のこと……」

オヴェリア「シモン先生にした時も同じことを言われたわ。だとしたら、彼女たちが嘘をついていたのかしら」

アグリアス「!? い、いえ、決してそういう意味では!!」

ラムザ「(っていうかシモン先生もかよwwwwwwwwwwwww修道院の風紀乱れまくりんぐwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」


オヴェリア「そう、よかった。もしかして、からかわれていたのかと思って心配してしまったわ。違うのなら何も問題はないはずよね?」

アグリアス「」

ラムザ「(アルマ何やってるんだよwwwwwwwwwwww王女様がとんでもない天然ビXチになっちゃったぞwwwwwwwwwwwww流石に僕も責任取れないわwwwwwwwwwwwwwwww)」

767: 2014/03/16(日) 02:38:52.24 ID:s0mUegCc0
オヴェリア「……んっ、だめ。どうしても友達のように上手くできないわ。何がいけないのかしら?」

アリシア「」

アグリアス「」

ラムザ「(まったく、アルマのやつ……とんでもない女を生み出してくれたものだよ。可愛いから許すけど)」

オヴェリア「ん、ちゅぅぅぅ……」

ラムザ「(………)」

オヴェリア「……ぷはっ。なかなか上手くいかないわ。ごめんねアリシア、もう少しだけ付き合ってね」

アリシア「」

ラムザ「(……不本意だけど、実に実に不本意だけど。妹の不手際の始末は、僕がつけなきゃいけないよね……)」



オヴェリア「次は舌の進入角度を、こう……」

ラムザ「オヴェリア様」

オヴェリア「?」

ラムザ「こうするんですよ」グイッ

アグリアス「えっ」




ズキュゥゥゥン!!

768: 2014/03/16(日) 02:49:12.96 ID:s0mUegCc0
ラムザ「………」

アグリアス「ンッ! んーっ!!」

ラムザ「………」

アグリアス「ンンンーッ!?」

ラムザ「……ふぅ」

アグリアス「」

ラムザ「……まあ、こんなところですね。ただ舌を入れるだけじゃなくて、相手の口の中を隙間なく舐め回すように動かすんですよ」

オヴェリア「こう?」

アリシア「!? も、やめ──」


ズキュゥゥゥン!!


アリシア「」

オヴェリア「あ、いい感じだわ」

ラムザ「(そりゃ父上直伝のテクニックですからねwwwwwwwwwwwwwどんな相手でもイチコロですわwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

オヴェリア「んっ、もう一度……」

アリシア「」

ラムザ「(本当はアルマ以外に使うつもりはなかったんだけどwwwwwwwwwwwwwまあ仕方ないwwwwwwwwwwwwwwwアルマから直々に教わったんだったらこのくらい出来るようになってくださいwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

769: 2014/03/16(日) 03:00:39.92 ID:s0mUegCc0
ムスタディオ「(あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!)」

ムスタディオ「(『おれはラムザに撃たれて地面をのたうち回っていたと思ったら、いつの間にか乱交寸前の光景が繰り広げられていた』)」

ムスタディオ「(な…何を言ってるのかわからねーと思うが……おれも何が起こっているのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだ……)」

ムスタディオ「(……だが。だが、しかし。一つだけ確かなことがある)」

ムスタディオ「(それは……)」



ズッキュゥゥゥゥン!!

アリシア「」

アグリアス「」



ムスタディオ「(この流れなら、来る……ッ! ゆっくりと、しかし確実に、オレに順番が回って来る時が……ッ!!)」

ムスタディオ「(『ファーストキスは可愛い女の子と、それも情熱的に』……ッ! そんなオレのささやかな夢が、もうじき叶うんだ……ッ!!)」

ムスタディオ「(いいぜ、お姫さま。てめえが誰とでもキスしまくるってなら……)」


オヴェリア「んぅ……」

アリシア「(も、もうお嫁に行けない……)」


ムスタディオ「(受けて立とうじゃないか! この機工士ムスタディオ・ブナンザの名にかけてなぁッ!!)」

772: 2014/03/16(日) 03:13:52.15 ID:s0mUegCc0
オヴェリア「……ふぅ。そろそろ──」

ムスタディオ「(そろそろオレの番だな!上等だ、さぁ来い! 妄想で鍛え上げたオレのテクニックを存分に味わわせてやるよッ!!)」










オヴェリア「──ラヴィアンが戻ってくるかしら。出発の準備をしなくちゃ」

ラムザ「ええ、そろそろ街を出る頃合です。ラッドとアルガスが連中の注意を引き付けているうちに、僕たちはバリアスの丘へ向かいましょう」


ムスタディオ「な"ん"で"だ"よ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!」

オヴェリア「きゃあっ!?」

ラムザ「うわっ!? ちょっとムスタディオ、びっくりさせないでよ!」

ムスタディオ「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」ヒクヒク

ラムザ「うるせーよwwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

ムスタディオ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!い゛で゛ぇ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!こ゛こ゛ろ゛も゛か゛ら゛だ゛も゛い゛で゛ぇ゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!」

ラムザ「(何こいつマジキチwwwwwwwwwwwwwやっぱ宝石手に入れたら売却確定だわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

792: 2014/03/29(土) 17:18:49.79 ID:RYmPfLKU0
─────────


ルードヴィッヒの傭兵「おい、例のヤツらはまだ見つからねぇのか!」

ごろつき「す、すまない……上手く逃げられちまったようだ」

ルードヴィッヒの傭兵「ケッ、役に立たねぇ野郎だな。昔はゴーグで幅を利かせてただか何だか知らねぇが、小僧一匹見つけることができねぇとはなぁ!ハッハッハ!」

ごろつき「(うるせぇよ馬鹿……できればもう関わりたくないんだよ……)」

子分A「(このクソ野郎が……! よくも兄キをコケにしやがって……!)」

子分B「(でも正直、オレもあのガキに関わるのはごめんですぜ……)」


ルードヴィッヒの傭兵「フン、まあいいさ。お前たちが無様に失敗した分、オレたちが報酬を丸々頂くだけだからなぁ。ククッ……」

ごろつき「(どうぞご自由に)」

子分A「(そのまま氏ねクソ野郎)」

子分B「(どうなってもオレは知らんぞ……)」

ルードヴィッヒの傭兵「野郎ども!ヤツらは枢機卿を頼りにライオネル城へ向かうはずだ。道中、必ずここを通る! それらしい連中を見逃すんじゃねぇぞッ!」

傭兵たち「了解!!」

ルードヴィッヒの傭兵「さあ、来るなら来やがれ。ククッ……!」

ごろつき「(あーあ)」

子分A「(共倒れになって氏ね)」

子分B「(オレ知ーらないっと)」

793: 2014/03/29(土) 17:25:06.38 ID:RYmPfLKU0
アリシア「待ち伏せがいますね……」

アグリアス「そのようだな」

ラヴィアン「街にいた一団とは別の集団のようですが、雇い主が同じという点では繋がっているようです。狙いは、恐らく……」

ムスタディオ「………」

アグリアス「……道を塞がれている以上、戦うしかないだろう。無論、おまえにも手伝ってもらう。いいな?」

ムスタディオ「……! あ、ああ!」

アグリアス「よく覚えておけ、私はおまえを完全に信用したわけではない。ラムザがおまえを連れて行くと判断したから、従っているに過ぎないのだからな」

ムスタディオ「それでも助かるよ!ありがとう、アグリアスさん!」

アグリアス「………」



アリシア「……? あの、アグリアス様?」

アグリアス「どうした、アリシア?」

アリシア「そのラムザ様の姿が、見当たらないようなんですけど……」

アグリアス「!?」

ラヴィアン「!?」

795: 2014/03/29(土) 17:28:40.90 ID:RYmPfLKU0
─────────


ラムザ「おらっwwwwwwwww大人しくしろってのwwwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「グェェェェ!!」

ラムザ「あーもうめんどくさいwwwwwwwwwwwwいいから大人しくしろってんだよこのクソ鳥wwwwwwwwwwwwwwでないと喉笛掻っ切ってやんぞぼけがwwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「」



ラッド「お、いたいた。おいラムザ、何やってんだ?動物虐待か?」

ラムザ「やあラッド。いやぁ、このクソチョコボがなかなか言う事聞かなくてさぁ。身体にマントを巻くだけだってのに無駄に抵抗してくれちゃって」

ボコ「クエェェェーッ!!」

ラムザ「うるせー馬鹿wwwwwwwwwwwwwwwもう黙ってろwwwwwwwwwwwwwwwwww」ザシュッ

ボコ「!? ~~~!~~~~~!!?!?」

ラッド「ん? 今、何したんだ?」

ラムザ「メイジマッシャー。巷じゃ魔術師頃しとか呼ばれてるナイフさ。今から敵に奇襲を仕掛ける関係上、鳴かれたり音を立てられたりすると困るからね」

ラッド「ふーん……。で、そのマントは?」

ラムザ「こっちは消えるマントっていって、身に付けた者の姿を隠してくれる……まあ、隠密用の小道具ってところさ」

ラッド「すげぇwwwwwwwwwwwよくそんなもん持ってたなwwwwwwwwwwwオレも知らなんだwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「だろーwwwwwwwwwwwwww覗きがしたくなったら言ってくれれば貸してやんよwwwwwwwwwwwwwwww着替え中だろうが交尾中だろうが目の前で鑑賞できまっせwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「おまえほんとゲスいよなwwwwwwwwwwwwwさすがマイフレンドだぜwwwwwwwwwwwwwwwwwww今度頼むわwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



ラムザ「(ティータを助けるのに役立つと思って持ち出したものの、結局使わず仕舞いのまま忘れてたんだよね。まさかこんなところで役に立つとは思わなかったよ)」

ボコ「」

796: 2014/03/29(土) 17:36:11.94 ID:RYmPfLKU0
ラムザ「よしできたwwwwwwwwwwwwどうよラッドwwwwwwwwwwwwwwwwwステルスチョコボの出来上がりだぜぇぇぇwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「見えねーwwwwwwwwwwwwwwwwwwどこにいるんだこれwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「かっこいいだろーwwwwwwwwwwwwwww何もないところから颯爽と姿を現すんだぜー?wwwwwwwwwwwwwwwwww忍者も真っ青のステルス性能なんだぜー?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「なにそれかっこいいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwでもどうやって運用するんだ?wwwwwwwwwwwwwwどう考えても単騎行動にしか向かないだろwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「そりゃもちろんwwwwwwwwwwww背後から相手に気付かれずに忍び寄りwwwwwwwwwwwwwwww気付いた時にはもう遅しwwwwwwwwwwww襲い掛かるチョコアタックwwwwwwwwwwwwwwwwwwwってな具合にねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「チョwwwwwwwwwコwwwwwwwwアwwwwwwwwwタwwwwwwwwwwwwwwwックwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「」



ラムザ「よし、手筈はさっき説明した通りだ。頼んだよ」

ボコ「………」

ラムザ「おらっwwwwwwwwwwwww返事はどうしたクソチョコボwwwwwwwwwwwwwwwww」ゲシッ

ボコ「!? ~~~!!!!」

ラッド「おいラムザwwwwwwwwwwwwwwおまえが鳴き声を封じたんだろうがwwwwwwwwwwwwwww流石に理不尽だぞwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「そうだったそうだったwwwwwwwwwwめんごめんごwwwwwwwwwwwwww許してくださいチョコボ様wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「ばっかおまえwwwwwwwwwwwwwwチョコボ如きに様なんていらねーよwwwwwwwwwwwwwwwwww所詮は家畜だろうがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「(その家畜以下の存在が僕たちの身近にいるわけですけどねwwwwwwwwwwwwwww話すと長くなりそうだから黙っておこうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ボコ「………」

797: 2014/03/29(土) 17:37:38.67 ID:RYmPfLKU0
ラムザ「ちなみにさぁwwwwwwwwwwww見えないからってそのまま逃げようなんて考えるなよー?wwwwwwwwwwwwww」

ボコ「!?」

ラムザ「15分以上経っても戻ってこなかったらwwwwwwwwwwww僕のコネクションを最大限に利用してwwwwwwwwwwイヴァリースの地図からチョコボの住める環境を根こそぎ消し去ってやるからなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwそのつもりでシクヨロッ☆wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



ラムザ「あとさっきからそこで我関せずを決め込んでる畜生どもwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「!?」

ブラックゴブリン「ゴブッ!?」

ラムザ「おまえらにも後でちゃぁんと仕事があるからねwwwwwwwwwwwwwwww関係ないと思って余裕ぶっこいてんじゃねーぞ家畜どもwwwwwwwwwwwwwwwwwしっかり御主人様に尽くせよーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「」

ブラックゴブリン「」

798: 2014/03/29(土) 17:47:00.96 ID:RYmPfLKU0
─────────


ルードヴィッヒの傭兵「おい、どうなってやがる!ヤツら一向に姿を見せないじゃねぇか!!」

弓使い「さぁ? 街を発ったという報せは受けているけどな」

ルードヴィッヒの傭兵「チッ、読みが外れたか……!? だが、ヤツらは必ずライオネル城に向かうはずだ……!」

ごろつき「(ざまぁ)」

子分A「(ざまぁ)」

子分B「(ざまぁ)」

ルードヴィッヒの傭兵「クソッ、イライラさせやがる……!」




召喚士「(ヒマだわ……いつまでこうして下で待機してなきゃならないのかしら)」

召喚士「(私の人生設計、どこで間違えちゃったのかなぁ? せっかく勉強して高位の召喚魔法も使えるようになったのに、こんなところで賞金稼ぎの真似事なんて……)」

召喚士「(あ~あ、こんな生活もうイヤ。どこかに私をこの生活から救ってくれる素敵な男の人はいないのかしら)」

召喚士「(そうね。できれば白馬に乗った素敵な男の人がいいけど、この際チョコボに乗ってる人でも可───)」


ボコ「~~ッ!!」


ドガッ!!


召喚士「(ッ!? なに、が……)」



召喚士「」

ボコ「~~!! ~~~~!!!」

799: 2014/03/29(土) 17:59:32.60 ID:RYmPfLKU0
─────────


ラムザ「ヘーイwwwwwwwwwwww捕獲完了wwwwwwwwwwwwちょろいもんだぜwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「畜生もたまには役に立つなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「そうだねwwwwwwよくやったぞクソチョコボwwwwwwwwwwwwwww褒美に鉛弾をくれてやろうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

ボコ「グェ"ェ"ェ"ェ"ェ"ッ!!?!?」

ラッド「ひでぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」



召喚士「……、う」

ラッド「おっとwwwwwwwwwそろそろお目覚めのようだぜwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「そうみたいだねwwwwwwwwwwwwwここからは僕に任せてくれwwwwwwwwwwwwwwwラッドは周囲の警戒を頼むよwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「まかせろwwwwwwwwwwwwwwwwww」



召喚士「ん、うぅ……」

ラムザ「やあ、目が覚めたかい?」

召喚士「……? あ、れ……? わたし、どうなって───って、誰!?ここどこ!?」

ラムザ「僕はラムザ。今現在、君たちが追っていた男の身柄を預かっている者さ」

召喚士「私たちが追っていた……? ……ッ!! ムスタディオッ!?」

ラムザ「そうそう、あのデコ野郎のことさ。僕の目的のためにも、君たちに彼を連れて行かれると困るんだ」

召喚士「(ってことは……敵じゃない! やだ、もしかして捕虜にされたってこと!? 最悪……ッ!!)」

800: 2014/03/29(土) 18:08:09.99 ID:RYmPfLKU0
ラムザ「というわけで、僕としては面倒な争い事は避けたいところなんだよね。黙って見逃してくれないかなぁ」

召喚士「私をどうするつもりなの……?」

ラムザ「あっれwwwwwwww話聞いてた?wwwwwwwwwwwwww黙って見逃してほしいって言ってるんだけどwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「その要求を無理にでも押し通すために、わざわざ私を捕まえたんでしょう? でなければ、最初から正面突破するはずだもの」

ラムザ「………」

召喚士「でも残念、私を捕まえても何の意味はないわ。あの人たちは所詮、お金で集められた烏合の衆。お互いの間に仲間意識なんてものは微塵もないもの。人質なんてものが通用するような連中じゃあないわ」

ラムザ「………」

召喚士「……もういいでしょ? 誰も彼もが仲間意識を持ってないっていうことは、勿論この私だって例外じゃない。このまま見逃してもらっても、あなたたちのことは誰にも言わないわ。だからもう私を放して───」


ラムザ「勝手に話進めてんじゃねーぞクソアマがwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ゲシッ

召喚士「きゃうっ!?」

ラムザ「勘違いしてんじゃねーよwwwwwwwwwwwwこっちはおまえを人質にするつもりなんざハナからないんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwおわかり?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「い、いたい……いたいよぉ……!」

ラムザ「あーもうやだわーwwwwwwwwwwwwこれだから自意識過剰な平民出のクソビXチはwwwwwwwwwwwwwwwwwwww話がまともに通じる頭してないんだもんなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「うう……」

801: 2014/03/29(土) 18:16:42.44 ID:RYmPfLKU0
召喚士「だ、だったら……!私をどうするつもりなのよ……!」

ラムザ「それをこれから説明しようと思ってたんだよwwwwwwwwwwwwwwwwなのに君が勝手に話の腰を折るからwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「……こほん。それじゃ、改めて君にお願いがあるんだけど……その前に」

召喚士「……?」

ラムザ「君、召喚士だよね?使える魔法の種類は?呼び出せる幻獣のランクはどの程度だい?」

召喚士「そ、そんなこと聞いて、一体どうしようって───」

ラムザ「無駄口叩くなwwwwwwwwwwwwいいから黙って答えろよwwwwwwwwwwwwwwwwww」ゲシッ

召喚士「あうぅっ!? や、やだ、もう蹴らないで……!」

ラムザ「だったらどうすればいいのかわかってんだろうがwwwwwwwwwwwwwwww黙って僕の質問にだけ答えろぼけがwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ゲシッゲシッ

召喚士「わ、わかった、わかったわよぉ……! だからもう蹴らないで……痛いのは嫌ぁ……!」

ラムザ「はいはいwwwwwwwwwwそんじゃさっさと答えてもらおうかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「うぅ……、はい……」






ラムザ「(あーもうやだやだwwwwwwwwwwwww可愛い女の子をいじめるなんて僕の趣味じゃないのにwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(あー辛いわーwwwwwwwwwwwww心が痛むわーwwwwwwwwwwwwwwwww作戦のためとはいえ罪悪感が半端ないわーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwいっそモル子さんみたいな男勝りな女なら気が楽だったのにwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(でもまぁ仕方ないよねwwwwwwwwwww正面切って戦うのはもっとめんどくさいもんwwwwwwwwwwwwwww僕悪くないよねwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(こんな時、ディリータかフランソワがいればなーwwwwwwwwwwwwwww僕がこんなことしなくても済むのになーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

802: 2014/03/29(土) 18:26:45.78 ID:RYmPfLKU0
召喚士「こ、これで全部……、です……」

ラムザ「……ふぅん。ま、僕の作戦に必要な基準は満たしているかな。薄汚い賞金稼ぎにしては優秀だね」

召喚士「………」

ラムザ「それじゃ、早速役に立ってもらおうかな。君にはこれから、僕の指示した通りに動いてもらうよ。手足を縛ったままでも召喚魔法は使えるだろう?」

召喚士「(チャンス……! 今は従うフリをしておいて、いざ召喚魔法を使うとなった時、最大威力の幻獣をこいつに向けて放てば……!!)」

ラムザ「そうそうwwwwwwwwwwww余計なことは考えないほうが身のためだよwwwwwwwwwwwwwwwww命やその他が惜しいならねwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「て、抵抗なんて、したくてもできないわよ……」

ラムザ「そうかい? 人間、氏ぬ気になれば意外と何でもできるものだよ。『火事場の馬鹿力』なんて言葉があるくらいだしね」

召喚士「でも、私は根っからの魔術師よ……。いくら火事場の馬鹿力だとしても、手足を縛られた状態では何もできないわ……」

ラムザ「そうでもないよ。例えば……」




ラムザ「今は大人しく従うフリをして、作戦中のどさくさに紛れて僕に向けて召喚魔法をぶっ放したりとか……ね?」

召喚士「!?」

803: 2014/03/29(土) 18:35:04.92 ID:RYmPfLKU0
ラムザ「おや、顔色が悪いよwwwwwwwwwwwwwww大丈夫かい?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「もちろん僕は君のことを信用してるよwwwwwwwwwwwwwwwwww信用してるけどねwwwwwwwwwwwwww万が一ってことがあるからねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「君のことじゃないんだけどねwwwwwwwwwww僕の連れにもいるんだよwwwwwwwwwwwwww何かと僕の寝首を掻こうとしてくる馬鹿がさぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwまったく困っちゃうよwwwwwwwwwwwwwまあ未遂に終わったんだけどねwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「(どこの誰だか知らないけど、やるなら成功させなさいよ……! 役立たず……ッ!)」

ラムザ「も・ち・ろ・んwwwwwwwwwwwww君はそんなことはしないよねwwwwwwwwwwwwwwwwwwねぇ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「頼むよー?wwwwwwwwwwwww僕は君のことを信じてるからwwwwwwwwwwwwwwww失望させないでよねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「(白々しい……!そんなもの、知ったことじゃない!こいつが何と言おうと、私が幻獣を呼べばそれで終わり……ッ!!)」

ラムザ「といってもまぁwwwwwwwwwwwwww一応保険は用意させてもらうよwwwwwwwwwwwwwwww信用してないわけじゃないけどwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「!?」

804: 2014/03/29(土) 18:42:18.64 ID:RYmPfLKU0
ラムザ「おらっwwwwwwwwwww出番だぞ畜生どもwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「ゴブ……」

ブラックゴブリン「ゴ、ゴブー……」

召喚士「(……!? ゴブリン……? この男、魔獣使いだったの……!?)」


ラムザ「紹介するよ。アラグアイの森で捕獲した僕の下僕3号と4号さ、よろしくね」

召喚士「(でも、ゴブリンが何匹いようと同じこと……! こんな冷気に弱いモンスターたちなんて、シヴァのダイヤモンドダストで……!)」

ラムザ「ちなみにこいつらを頃したいなら御自由にどうぞ。僕は構わないよ」

召喚士「えっ」

ゴブリン「ゴブッ!?」

ブラックゴブリン「ゴビャア!?」

ラムザ「僕は別に博愛主義者じゃないんでwwwwwwwwwwwwwwwww畜生の1匹や2匹氏んだところで痛くも痒くもありませーんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwむしろ薄汚いモンスターが1匹でも減ったほうが世の中の為なんじゃないかなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「」

ゴブリン「」

ブラックゴブリン「」

806: 2014/03/29(土) 18:55:20.00 ID:RYmPfLKU0
召喚士「(どういうこと……?だったら何で、こんなゴブリンたちを……?)」

ラムザ「ダイヤモンドダストの効果範囲は……大体対象の周囲2~3mってところかな。君から離れてそこの木陰まで下がれば、僕に魔法は届かないってわけだ」

召喚士「(!? こ、こいつ……ッ!)」

ラムザ「そこのゴブリンたちを頃したいなら殺せばいいよ。ただし、そいつらを頃しても僕は無傷だけどね?」

召喚士「(なら、あんたのほうを先に殺せば……!)」


ラムザ「……おっと。そうそう、君たちに命令するのを忘れてたよ」

ゴブリン「ゴブ?」

ブラックゴブリン「ゴブ…!?」

ラムザ「もしこいつが先に僕を攻撃したらさぁwwwwwwwwwwwwwwwこの女は君たちの好きにしていいよwwwwwwwwwwwwwwwくれてやんよwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「ゴブッ!?」

ブラックゴブリン「ゴブーッ!?」

召喚士「!?」

ラムザ「生かそうが殺そうがwwwwwwwwwwwww犯そうが孕ませようがwwwwwwwwwwwwwww八つ裂きにしようが解体しようがwwwwwwwwwwwwww苗床にしようが海に打ち捨てようがwwwwwwwwwwwwwwwwwぜーんぶ君たちの自由にしていいからねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwこの女は君たちの玩具だwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「ゴブッ!」

ブラックゴブリン「ゴブッ!ゴブゴブーッ!!」

ラムザ「そうかそうか嬉しいかーwwwwwwwwwwwwwwwそうだよなぁwwwwwwwwwwww所詮おまえたちも元は野蛮な畜生だもんなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwww三度の飯よりも殺戮と生殖行動が大好きな本能は隠せないよなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww僕は博愛主義者ではないけどwwwwwwwwwwww個人の自由は尊重してあげないといけないよねwwwwwwwwwwwww例えそれがモンスター相手でもさぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「ゴブ!ゴブゴブーッ!!」

ブラックゴブリン「ゴブッ!ゴブゴブゴブッ!!」

ラムザ「よーしよしよしwwwwwwwwwwwwだーっしゃっしゃっしゃwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwええこええこーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」





ラムザ「というわけでwwwwwwwwwwwwwwwww僕に何かあったらその時点で君はゴブリンどもの慰みもの確定だからwwwwwwwwwwwwwwwwww自分の立場は理解してくれたかな?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「」

ラムザ「それじゃあ具体的な作戦を伝えるよwwwwwwwwwwwwwww精々僕の機嫌を損ねないような働きを期待しているよwwwwwwwwwwwwwww賞金稼ぎのアバズレさんwwwwwwwwwwwwwwwwwはははははwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

810: 2014/03/29(土) 19:12:05.78 ID:RYmPfLKU0
─────────


ラムザ「お待たせしました、アグリアスさん」

ラヴィアン「ラムザ様!?何処に行っていたのですか!?」

ラムザ「いえ、少しばかり仕込みを、ね……」

ラヴィアン「??」

アリシア「仕込み?」

アグリアス「………」


ラヴィアン「ですが、これからどうしますか? ライオネル城へと続く唯一の道は、バート商会に雇われた傭兵たちによって封鎖されているようです……」

アリシア「迂回しようにも、丘の麓にまで召喚士が待ち構えてますよ」

ラムザ「ええ、わかっています。戦って道を切り開いてもいいですが、ここはこのまま少しだけ待機していてもらえませんか?」

ラヴィアン「待機、ですか……?」

ラムザ「その為の仕込みをしてきたところなんですよ──って、アグリアスさん?どうしました?」

アグリアス「──ッ!?」

ラムザ「アグリアスさん、聞いてましたか? このまま待機ですよ?」

アグリアス「な、なんでもない!どうもしていないぞ、私はッ!!」

ラムザ「?? ま、まぁ、それならいいんですけど……」

アグリアス「………」

ラムザ「……?」

811: 2014/03/29(土) 19:19:40.46 ID:RYmPfLKU0
ルードヴィッヒの傭兵「……クソッ、もう我慢できねぇ!! こうなりゃこっちからヤツらを捜しに行ってやろうか、あぁ!?」

ごろつき「(1人で行け馬鹿)」

子分A「(そのまま野垂れ氏ね)」

子分B「(オレはもう……戦わん……)」




ラッド「おらwwwwwwwwwwwwラムザの言った通りにしろよwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラッド「まずはタイタンwwwwwwwwwwwwwwその次はありったけの魔力を込めてリヴァイアサンだからなwwwwwwwwwwwwwwwww少しでも違う行動を取ったらわかってるだろうな?wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴブリン「ゴブッ!!」

ブラックゴブリン「ゴブゴブーッ!!」

召喚士「わかってる……!わかってるわよッ!!」

ラッド「よしwwwwwwwwwやれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「……大地を統べる無限の躍動を以て圧殺せん! タイタン!」








ルードヴィッヒの傭兵「おいおまえら!もうこっちから小僧どもをブチ頃しに打って出て──ッ!?」

ごろつき「な、なんだ!?」









            」」      」」       」」       」」
        __  |    __  |    __  |    __  |
              |          |          |          |   _|  _|  _|
        ___|    ___|    ___|    ___|

812: 2014/03/29(土) 19:22:30.34 ID:RYmPfLKU0
アグリアス「な、なんだッ!?」

ラヴィアン「地震!?」

アリシア「ちょ、ちょっと、規模がおかし……ッ!?」

ラムザ「来た、第一段階!皆さん、適当な木にでも掴まって!!」

オヴェリア「ラ、ラムザさん、一体何が……!?」

ラムザ「僕の仕込みが効果を発揮しているんですよ!オヴェリア様、絶対に丘の下に振り落とされないようにしていてくださいよッ!!」

オヴェリア「え……、きゃあああああああ!?」

813: 2014/03/29(土) 19:29:39.01 ID:RYmPfLKU0
no title



ルードヴィッヒの傭兵「ば、馬鹿、落ち着けおまえらッ!無闇に動き回るんじゃ───ぎゃあッ!?」

子分A「あ、兄キィィィィ!!」

ごろつき「お、おまえらッ!今すぐこの丘から離れろ!逃げるんだッ!!」


ごろつき「(こんな大規模な地震、自然に起こるわけがねぇ! 恐らく、ヤツの……!あの悪魔の攻撃に違いない……ッ!!)」


子分A「あ、兄キィ!逃げるったって、何処に……ッ!?」

ごろつき「知るかッ!どこでもいい、命が惜しけりゃさっさとしろ!!このままだと確実に氏ぬぞッ!!」

子分B「ひ、ひえぇぇぇッ!!」

ごろつき「逃げるんだよォォォーーーーーッ!!!!!」

814: 2014/03/29(土) 19:40:03.73 ID:RYmPfLKU0
ルードヴィッヒの傭兵「が、ぐぁ……ッ! ち、畜生ッ、痛てぇ……ッ!!」

弓使い「う、ぐ……!」

ルードヴィッヒの傭兵「く、くそ、畜生が……! 麓まで一気に落とされた……ッ!」

召喚士B「き、きっと今のは、タイタンによる攻撃です……!それも、かなり強い魔力の持ち主による……!」

弓使い「で、でかい地震なはずだ……!召喚魔法かよッ……!ざけんなッ……!」

ルードヴィッヒの傭兵「く、くそッ……! どこのどいつか知らねぇが、舐めた真似を……! ブチ頃してやる……ッ!!」










ラムザ「ようwwwwwwwwwwww派手にやったなぁクソビXチwwwwwwwwwwwwwwwwさすがに自分の命と貞操は惜しいってかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「じゃあその調子でwwwwwwwwwwww次はリヴァイアサンいってみようwwwwwwwwwwwwwww思いっ切り頼むよー?wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「わかったわよ……」

ラムザ「タイタンの攻撃で連中はうまいこと丘の麓に落ちてったwwwwwwwwwwwwwwつまりここから水をブチ込んでやればwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwどうなるかわかるよなぁ?wwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「薄汚い連中ごと丘の大掃除ってなぁwwwwwwwwwwww僕ってば何て環境に優しい貴族なんだろうwwwwwwwwwwwwwwwww表彰ものだねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「そんじゃさっさとやってもらおうかwwwwwwwwwwwwwwwwゴブリンの子袋になりたくないならねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwはははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「……もう、どうにでもなりなさいよッ! リヴァイアサンッ!!」

ラムザ「ヒューッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

815: 2014/03/29(土) 19:43:57.15 ID:RYmPfLKU0
ルードヴィッヒの傭兵「………」

弓使い「………」

召喚士B「………」

ルードヴィッヒの傭兵「ま、待てよオイ……!嘘だろ……!?」

弓使い「な、なんだってんだよッ……!!」

召喚士B「ひ、ひぃ……!」





リヴァイアサン「………」

ゴゴゴゴゴ……


ルードヴィッヒの傭兵「や、やめ───ッ!!」

816: 2014/03/29(土) 19:45:00.21 ID:RYmPfLKU0



ルードヴィッヒの傭兵「があああああああッ!!」

弓使い「ぐああああああッ!?」

召喚士B「イ、イヤアアアアアアッ!!」

818: 2014/03/29(土) 19:55:33.81 ID:RYmPfLKU0
─────────


ラムザ「あっははははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwやっべーこれやべーwwwwwwwwwwwwwwwwwwww津波の威力やべーwwwwwwwwwwwwwww人がゴミのようだwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「こりゃ壮観だなwwwwwwwwwwwwwこんな大掃除は滅多に見れるもんじゃないぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「こりゃライオネル城も無事じゃ済まないかなぁwwwwwwwwwwwwちょっとやりすぎちゃったかなぁ?wwwwwwwwwwwwww別に枢機卿が氏のうが僕は困らないからいいけどwwwwwwwwwwwwはははははwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「それはダメだろwwwwwwwwwwww枢機卿頃したら異端者になっちまうwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「そしたらアルガスがやったって言うからいいよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwちょうどいいじゃんwwwwwwwwwwwどうせ帰る場所なんてないんだしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「ほらほら見てよあれwwwwwwwwwwww君のお友達の召喚士ちゃんじゃないかなwwwwwwwwwwwwwwwww必氏に木の根にしがみついちゃってるよwwwwwwwwwwwwwwwかわいいなぁwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「濡れたローブが重くて大変そうだなwwwwwwwwwwwwいっそ素っ裸ならまだよかったのになwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「でも残念でしたーwwwwwwwwwwwwwwwらいじんのたまぼーんっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwびりびりーっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「わおwwwwwwwwwwww痙攣しながら流れてったwwwwwwwwwwwwwwwwうけるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「こいつまじひどいわーwwwwwwwwwwwwwwwwww人として許せないわーwwwwwwwwwwwwwwほんとクズだわーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「ひっどーいwwwwwwwwwwwwwむしろ彼女の為を思ってこその行動だよwwwwwwwwwwwwwww運がよければウォージリスにでも流れ着くだろwwwwwwwwwwwwwwwまあ助かったとしても即座に奴隷市行きだろうけどwwwwwwwwwwwwwwwwwww僕の知ったこっちゃないねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

819: 2014/03/29(土) 20:02:38.63 ID:RYmPfLKU0
ラムザ「あー面白かったwwwwwwwwwwwwwwww楽しめた上に環境にも優しいwwwwwwwwwwwwいい仕事したなぁwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「戦わずして勝つってやつだなwwwwwwwwwwwwさすがだぜマイフレンドwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「……もう、いいでしょ?私を解放してよ」

ラムザ「ん?」

ラッド「は?」

召喚士「だから、もういいでしょ!?ちゃんとあなたたちの言う通りにしたわ!私を解放してよッ!!」

ラムザ「え?」

ラッド「はえ?」

召喚士「!? あ、あなたたち……ッ!!」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」




ラムザ「なーんちゃってwwwwwww冗談冗談wwwwwwwwwwwベオルブジョークだよwwwwwwwwwwwwwwwwwそんなに睨まないでよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

ラムザ「あっれぇwwwwwwwwwおこなの?wwwwwwwwww激おこイフリート丸なの?wwwwwwwwwwwwwwwww冗談通じないの?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「短気は損気だぜwwwwwwwwwwwwww少しは落ち着けよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「本当、サイテーのクズね……!あなたたちみたいなクズ、初めてよ……!」

ラムザ「サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

825: 2014/04/02(水) 23:07:13.86 ID:ZiGpzkF+0
─────────


首領「おいてめぇら!例の女の件はどうなってんだッ!? あんな小娘から金巻き上げるなんざ、難しいことでも何でもねぇだろうがッ!!」

悪漢A「す、すいやせん、ボス! 次こそは必ず……!」

悪漢B「なんせあの女、オレたちと鉢合わせしないよう逃げ回るもんで……!」

首領「言い訳なんざ聞きたかねぇんだよッ!御託の前に結果を出せ、てめぇの命が惜しければなッ!!」

悪漢A「は、はい……!」

悪漢B「………」



首領「どいつもこいつも、使えねぇ野郎どもめ……!借金の取り立て如きに何ヶ月かけるつもりだ……!」

首領「チッ、まあいい……。こんなシケた街の連中なんざ、このオレが金品根こそぎ巻き上げて絞り尽くしてくれるわ……!」

首領「まずはてめぇからだ……!貸した3万ギル、何百倍にも利子を付けて返してもらうからなぁ……!」

首領「待ってろよぉ、エアリスゥゥゥ……ッ!!」


首領「ククク……! ヒャーッハッハッハッハ!!」




コンコン


首領「……あ?」

826: 2014/04/02(水) 23:17:39.74 ID:ZiGpzkF+0
首領「誰だ!まだ何か用かぁッ!?」

「………」

首領「おい、黙ってねぇで何とか言え!でなければ、とっととあの娘から金を巻き上げて来いッ!!」

「あ、あの……」

首領「(……あ?オレの部下じゃねぇな。それにこの声、女か……?)」

「す、すみません……。ここは、ザーギドス商会の本部……、ですよね?」

首領「(……どこぞの間抜けな商人が、オレたちの素性も知らずにノコノコやって来たってわけか。 ……ククッ)」

「あ、あの……違いましたか……?」

首領「……いいえ、間違いありませんよ。どうぞお入りください」

「は、はい……! では、失礼します……!」

首領「(……ククッ)」

827: 2014/04/02(水) 23:35:42.34 ID:ZiGpzkF+0
女「す、すみません、突然お邪魔してしまって……」

首領「いえ、お気になさらないでください。こちらこそ、大しておもてなしもできませんで」

女「い、いえ、そんな! 私のほうこそ、連絡もなしに押しかけてきてしまって……!」

首領「気にすることはございません。同業の方の来訪とあれば、我が商会はいつでも歓迎いたしますよ」

女「あ、ありがとうございます……! よかったぁ……。私、昨日この街に着いたばかりで……」

首領「おや、余所の街からですか。長旅、ご苦労様です。この街へ来たのは商売が目的で?」

女「は、はい。 だけど私、こないだ商人になったばかりのヒヨッコで……。どうやって商売すればいいのかわからなくて、困っていたんです」

首領「それは、それは……大変でしたねぇ……」

女「そこで、この街の商会の方に助言を頂けないかと思いまして……。ここがザーギドス商会の本部だと聞いて、失礼を承知で訪ねて来たんです……」

首領「なるほど、そういう事情でしたか。でしたら、御安心ください。微力ながら、我が商会が責任を持って貴女をサポート致しますよ」

女「あ、ありがとうございますっ!助かります!」

首領「いえいえ、困った時はお互い様ですからね。 ふふっ……」

828: 2014/04/02(水) 23:55:38.45 ID:ZiGpzkF+0
首領「私としましては、貴女を我が商会の一員として迎え入れてもいいのですが」

女「え?」

首領「我がザーギドス商会は、この街で最大の規模を誇る商人組合です。この街で商売をするにあたって、この上ない環境であると自負しています。如何でしょう?」

女「そ、そんな、私なんかが……いいんですか?」

首領「ええ、勿論。何なら、この街での商売に慣れるまでという条件付きでも構いません。貴女さえよろしければ是非、我が商会においでください」

女「は、はい!喜んでっ! まだまだ駆け出しの若輩者ですが、よろしくお願いします!」

首領「ええ、こちらこそよろしくお願いします」



首領「(ククッ、馬鹿め。そんな都合のいい話があるわけねぇだろうが……!)」

首領「(世の中にオレたちのようなモンがいるなんて思ってもいねぇ、いかにも世間知らずのお嬢様ってツラしてやがるな。傑作だ)」

首領「(オレの予想が外れていなけりゃ、どこぞの貴族の娘が商人に憧れて家を飛び出してきたってところか。新米の商人にしちゃあ、身なりが良すぎるぜ)」

首領「(ククッ、こいつはいい金蔓になりそうだぜ……! カモがネギ背負ってやって来たってかぁ?クククッ……!)」

829: 2014/04/02(水) 23:57:49.29 ID:ZiGpzkF+0
首領「(ククッ……。よく見りゃ、ツラもかなりの上物じゃねぇか。こいつは期待できそうだ……!)」

首領「(エアリスの件でイラついてたところだ、ちょうどいい。貴族のお嬢様で鬱憤を晴らさせてもらおうじゃねぇか)」

首領「(搾れるもん搾り取って、一つ残さず身包み剥いで、その後は……ククッ)」


女「あ、あの、本当にありがとうございます……! 何から何までお世話になってしまって……!」

首領「なに、気にすることはありませんよ。同じ商売人同士、助け合うのは当然のことなんですから」

女「あ、ありがとうございますっ……! 私、精一杯頑張ります!」

首領「ふふっ、期待していますよ」


首領「(ああ、精々頑張ってくれよ。オレたちのお楽しみの為になぁ……!クックク……!)」

830: 2014/04/03(木) 00:08:38.28 ID:bpbWIGHe0
女「……あ、あの!」

首領「はい、何でしょう?」

女「私、まだ稼ぎがないので、お礼になりそうな物が何もないんですけど……。せめてもの感謝の印に、私が持ってきた商品を……」

首領「そんな、お気遣いなんて不要ですよ。私は当然のことをしたまでですから」

女「いえ、それでは私の気が済みません! 私も商人の端くれ、恩義を受けた相手には精一杯の感謝を示さなくてはなりません!」

首領「ふむ。そういうものでしょうか?」

女「そういうものです!ですから、遠慮せずに受け取ってください! この───」
















女「ゴーグの機工士どもが丹精込めて作った、愛情たぁ~っぷりのミスリル弾をなァ……ッ!!」

首領「!?」



パンッ

834: 2014/04/03(木) 00:16:43.12 ID:bpbWIGHe0
悪漢A「い、今の音は何だッ!? ボスの部屋から聞こえたぞッ!!」

悪漢B「ボスッ!! 御無事ですかッ!?」


話術士「あらぁ? 下っ端さん、おハロ~♥ お邪魔してまぁす♥」

首領「」

悪漢A「……!? ボッ」

悪漢B「ボスゥゥゥゥゥーッ!?!!?」


話術士「銃声聞きつけてすぐに飛び込んでくる姿勢は評価するケドぉ、ちょぉ~っと遅かったカモ♥ あなたたちのボスの命、アタシが頂いちゃいましたぁ♥」

悪漢A「」

悪漢B「」

話術士「なんかミスリル弾の威力が強すぎちゃったみたいでぇ、頭の上半分がぐちゃみそになっちゃった♥ ゴメンネ♥」

首領「」

悪漢A「」

悪漢B「」

835: 2014/04/03(木) 00:30:13.50 ID:bpbWIGHe0
首領「」

悪漢B「ボス……ボスゥゥゥゥッ!! うわあああああああああああッ!!!!」

悪漢A「て、てめえ、よくもボスをッ!!」

話術士「だぁってぇ~……アタシたちがこの街で活動するのに、ここの商会は邪魔なんだもん♥ だから消えてもらったの♥」

悪漢A「こ、このクソアマ、ブッ殺───」


パンッ


悪漢A「あぎゃあああああッ!?」

836: 2014/04/03(木) 00:39:43.20 ID:bpbWIGHe0
話術士「だぁぁぁぁれがクソアマだァッ!? 口の利き方に気を付けろよ、このクソ馬鹿阿呆がッ!!」

悪漢A「あ、足がああああ……!!」

悪漢B「お、おい、しっかりしろ!!」

話術士「テメェらゴミどもの存在なんざ、銃弾一発ありゃ簡単にこの世から抹消できンだよ!自分の立場分かってンのかァッ!? 今この場を支配してンのは誰か、身を以って教えてやらなきゃなンねェみてぇだなぁオイ!!」パンッパンッ

悪漢A「ぐげぁ!?」

話術士「おーおー、汚ッたねぇ汚ッたねぇ!額の風穴からただでさえ少ねェ頭ン中身が垂れ流しだなぁオイ!?」

悪漢A「」

悪漢B「ひ……!ひ、あ……!?」

話術士「オイオイ……どうせ氏ぬなら環境に優しい氏に方しろよなァ……。テメェらゴミカスどもの血肉なンざ吸わされちゃ、母なる大地が可哀想ってモンだろうがよぉ……。こりゃアレか?もう片方はもちっとエコな氏に方……絞殺か毒殺か、それともいっそフレアで骨まで溶かして消し炭にでもしたほうがいいか?なぁ、テメェはどう思うよ? なぁ、なぁッ!!」

悪漢B「や、やめ……!ころさな、いで、くれ……ッ!」

話術士「おーいおいおいおい。オイオイオイ。やめろよなァ、そういうの。大の大人が情けねぇ。たかだか銃殺氏体の一つや二つで腰抜かしてンじゃねェよ」

悪漢B「あ、うあ……!!」

話術士「それにさァ……そンな、まるでアタシが悪者みたいな態度取るのやめてくンないかなぁ?こっちはテメェみたいな腐れ切った糞虫と違って、年頃真っ盛りの純情可憐な乙女なンだよ。わかるか?テメェのそういう態度のせいで、アタシの繊細極まりない心が傷付くンだよ。わかるか?フィアンセ以外の男にクソアマ呼ばわりされた乙女の気持ちがさァ!わかるか?わかるかァ!?あァッ!?」

悪漢B「」

話術士「……ッとぉ、そンな事はどうでもいいか。アタシの本来の目的を果たさなきゃなァ……!ククッ……!」

837: 2014/04/03(木) 00:42:08.98 ID:bpbWIGHe0
         こ の 商 会 は ア タ シ が 乗 っ 取 っ た !!




悪漢B「」

838: 2014/04/03(木) 00:51:31.36 ID:bpbWIGHe0
話術士「テメェら糞虫を取り仕切ってた頭が無様に氏ンだンだ、異論はねぇよなァ?」

悪漢B「」

話術士「なァに、そンなに心配そうな顔すンなって。テメェも含め、残った豚どもはちゃぁ~ンとアタシと部下どもで面倒見てやっからよぉ。今までの倍は稼がせてやるぜぇ?くっくく……!」

悪漢B「」

話術士「もっとも、いくら金を稼いだところで……使う前に氏に晒したらまったくの無意味になっちまうけどなァ……!精々アタシの機嫌を損ねないように努力しろよぉ? くく……」

悪漢B「」

話術士「そんなわけでぇ。これからよろしくねぇ~、ザーギドスのゴキブリさん♥」

悪漢B「」

話術士「(えへへ、うまくいっちゃった♥ ラムザちゃん喜んでくれるかしらぁ♥)」

855: 2014/04/15(火) 13:23:58.98 ID:CbyEsMAP0
─────────


ラムザ「あと1時間も歩けばライオネル領です。オヴェリア様、もう少しの辛抱ですよ」

オヴェリア「ええ……」

召喚士「……ねぇ」

アグリアス「オヴェリア様、少し顔色が悪うございます。お疲れのようでしたら、チョコボに乗せてもらっては?」

ラムザ「それがいいかもしれません。オヴェリア様は長旅には慣れていないでしょうからね」

召喚士「ねぇ」

ラムザ「おらクソチョコボwwwwwwwwww出番だぞwwwwwwwwwwwwwww」

ボコ「ク、クェェ~……」

アグリアス「………」

召喚士「ねぇってば」

ラムザ「さあ、オヴェリア様をチョコボに……って、アグリアスさん?どうしました?」

アグリアス「……ッ!? い、いや、なんでもない! さ、オヴェリア様、こちらへ」

オヴェリア「ありがとう。お言葉に甘えさせてもらうわね」

ボコ「クェ!クェェ~ッ!!」

ラムザ「オヴェリア様に撫でられた途端に元気になってんじゃねーよwwwwwwwこの工口チョコボがwwwwwwwwwwwwwwwwww」パンッ

ボコ「グェェェッ!?」

オヴェリア「」

856: 2014/04/15(火) 13:35:15.29 ID:CbyEsMAP0
ラッド「しかしラムザ、本当にいいのか?」

ラムザ「ん、何が?」

召喚士「ちょっと」

ラッド「お姫さまをライオネルに連れて行くって話さ。その枢機卿とやらは本当に信用できるのか? 裏でラーグ公と繋がっていないとも言い切れないだろ?」

ラムザ「僕もそこは気になっていたんだよね……。アグリアスさんが言うには、枢機卿は信用に足る人物なんだそうだけど」

召喚士「ちょっと……」

ラッド「信用ねぇ……。傭兵上がりのオレからしてみれば、世の中で心から信用できるのは金だけだと言いたいところなんだけどな」

ラムザ「まぁ……それも一理あるけど。ガフガリオンが言いそうな台詞だね」

ラッド「ああ、なんたってあいつの受け売りだからな。ま、そのお陰でオレも、不意に騙し討ちを食らうようなことがあっても対処できるようになったんだけどな」

ラムザ「それは頼もしい限りだよ。 ……正直な所、僕もどこまで枢機卿を信用していいのかどうかわからない。万が一の時は……頼んだよ?」

ラッド「ああ、任せとけ。あんなこと言った後でこう言うのも変な話だが、オレのことは信用してくれていいぜ。金の次くらいにはな」

召喚士「………」

ラムザ「ははっ!そうさせてもらうよ! ……ところでさぁ」




ラムザ「さっきから何なんだよwwwwwwwwwwww辛気臭いんですけどwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「それオレも思ったwwwwwwwwwwwww言いたいことがあるならはっきり言えよなwwwwwwwwwwwwww空気が重いんだよwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「なッ……!? あなたたちが無視するからでしょう!?」

ラムザ「そうだっけ?wwwwwwwwwwwwwwめんごめんごwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「さーせんwwwwwwwwwwwwww許してチョコメテオwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「おいパクんなwwwwwwwwwwwwwww面白くねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「………」

857: 2014/04/15(火) 13:54:09.60 ID:CbyEsMAP0
ラムザ「それで、何の用? 僕とラッドは今後について真面目な話をしてたんだけど?」

召喚士「あ、あのねぇ……!あなたたちが約束を破るからいけないんじゃない!」

ラムザ「約束……? ラッド、心当たりはあるかい?」

ラッド「いや、知らないな。勘違いなんじゃないか?」

召喚士「とぼけないでよ!私を解放してくれるって話だったでしょう!?早く自由にしてよ!!」

ラムザ「………」

召喚士「ちょっと、何とか言いなさいよ!私は言われた通りにやったわ!それなのに、どうしてあなたたちと一緒に行かなくちゃならないの!? あなたたちみたいなクズ、もう顔を見るのも嫌なのよッ!!」

ラムザ「………」

858: 2014/04/15(火) 13:57:17.29 ID:CbyEsMAP0
ラムザ「……そういえばさぁ、ラッド? バート商会の連中が、ムスタディオを捕まえるためにいくら使ってるか知ってるかい?」

召喚士「ちょっと、話を逸らすつもり!? 男らしくないわよッ!!」

ラッド「いいや、知らないな。おまえは知ってるのか?」

ラムザ「ちょっとした伝手を使って調べてみたんだけどさぁ……どうやら相当の数の傭兵やごろつきを雇ってるみたいなんだよね。総額で言うなら……よっぽどの力を持った貴族でもない限りは、一生かかっても払い切れない額だろうってさ」

召喚士「……!?」

ラッド「……そりゃ大変だな。オレたちみたいな一般庶民じゃ、氏ぬまで働いたところで無理な話だな」

ラムザ「本当にね。いやぁ、お金持ちの考えることはよくわからないなぁ。あんな男1人捕まえるために、とんでもない額のお金を使うんだからさ」

召喚士「………」


ラムザ「さっきの丘で待機してた連中を雇うのに、バート商会はいくら使ったんだろうね? それこそ、どこぞの召喚士の女が1人で弁償できる額じゃないだろうねぇ……?」

召喚士「ッ!? ちょ、ちょっと……!?」

ラッド「さぁな。ただ、これだけはハッキリ言えるぜ。あの連中を壊滅させた犯人は、ヤツらに見つかったら氏ぬよりも酷い目に遭わされるに違いない」

ラムザ「まぁ、普通に考えたらそうだろうね。あーあ。どこの誰だか知らないけど、馬鹿なことをしたものだよ」

ラッド「高位の魔法を使える召喚士ねぇ。そんな目立つヤツだ、雇った側からすりゃ、犯人の身元を割るのは簡単なことだろうな」

召喚士「ちょ、ちょっと待ってよッ!やれって言ったのはあなたたちでしょう!? 私は脅されて従っただけだわ!!」

ラムザ「え?」

ラッド「は?」

召喚士「!?」

859: 2014/04/15(火) 14:15:21.19 ID:CbyEsMAP0
ラムザ「君さぁ、さっきから何を言ってるんだい?誰も君の話なんてしてないんだけど?」

召喚士「え……?」

ラッド「オレたちはただ、バリアスの丘で待機してた連中の中に『味方目掛けて召喚魔法をぶっ放した裏切り者』がいるって話をしてただけだぜ?別にあんたのことじゃないさ」

召喚士「だ、だから、それはあなたたちが……!」

ラムザ「いやいや、ちょっと待ってよ。僕たちの中には召喚魔法を使える人なんて誰もいないよ? 僕もラッドも多少は魔法を使えるけど、精々、簡単な黒魔法や時魔法くらいだ。召喚魔法、それもリヴァイアサンみたいな高位魔法なんてとんでもない!」

ラッド「お姫さまやアグリアスも使えないだろうな。お供の騎士さん方は根っからの戦士のようだし、アルガスに至ってはボウガンしか能がない単細胞だぜ?馬鹿の一つ憶えかっての」

アルガス「」


ラムザ「そうそう。僕たちはちょっとした噂話をしていただけさ。傭兵たちの中にいた『裏切り者』は誰なんだろう、ってね」

召喚士「………」

ラムザ「勿論、僕たちの中に犯人がいるはずもない。君だって、偶然通りがかったところをたまたま僕たちに協力してくれた『親切な人』に過ぎないんだから、ね……?」

召喚士「!? ま、まさか、あなたッ!?」

ラムザ「それともさぁ……まさかとは思うけど、君が『裏切り者』だってなんてオチじゃあないよねぇ……?」

召喚士「……私を脅すつもりなの?」

ラムザ「いやいやいや。脅すとか脅さないとか、何のことだかさっぱりわからないよ。僕はただ……」



ラムザ「善意から僕たちを助けてくれた『親切な人』が、バート商会が血眼になって捜している『裏切り者』だったなんてことがあるわけがないって、そう思っただけさ」

召喚士「」



ラムザ「だからさぁwwwwwwwwwwwww君は僕のことも裏切らないよねぇ?wwwwwwwwwww君は『裏切り者』なんかじゃないよねぇ?wwwwwwwwwwwwねぇ?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「」

ラムザ「もちろん君はそんなことしないと思うけどねwwwwwwwwwwwwwww悪いのはその『裏切り者』であってwwwwwwwwwwww『親切な人』の君はまったくの無関係なんだからさwwwwwwwwwwwwwww僕は君のことを信用しているよwwwwwwwwwwお金の次くらいにはねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「いやぁwwwwwww親切な人が同行してくれるなんて心強いなぁwwwwwwwwwwwww道中の敵は全部任せるからねwwwwwwwwwwwwww親切さんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

召喚士「」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

861: 2014/04/15(火) 14:31:19.73 ID:CbyEsMAP0
─────────


アルガス「(また犠牲者が増えた、か……)」

召喚士「」

アルガス「ようこそ、クソッタレな職場へ。 ……まぁよろしくな」

召喚士「………」

アルガス「……そりゃ、最初はそうなるよな。だが、慣れればどうってことないさ。あのクズどもに理不尽にこき使われることは多いが、最低限の身の安全は保障される。下手な傭兵団にいるよりは安全だぜ。……悔しいけどな」

召喚士「………」

アルガス「ま、あのクズどもに脅されてる者同士、お互い精々頑張ろうぜ」

召喚士「……? 同士……?」

アルガス「あん?」

召喚士「脅されてる同士って言ったわね。 ……あなたも、あの2人に脅されてるの?」

アルガス「正確には3人……いや、4人か。まぁそんなところだ。家族を人質に取られてる」

召喚士「家族……」


アルガス「元はと言えば、あんなクズだと知らずにヤツに近付いたオレの責任だ。オレがヤツらに関わることさえなければ、オレの家族は……母さんは、こんな目に遭わずに済んだ」

アルガス「だけどな、オレは諦めちゃいない。ここでオレが諦めたら、それこそあのクズどもの思う壺だ。今は大人しく従うしかないが……オレの家族は、オレが必ず助け出す」

アルガス「そしていつか、あのクズどもに鉄槌を下してやる……! そうさ、このままで済ませるものか……ッ!!」

アルガス「駆逐してやる……!クズどもを、1人残らずッ!!」

召喚士「………」

863: 2014/04/15(火) 14:40:37.99 ID:CbyEsMAP0
アルガス「っと、悪いな、つい熱くなっちまった。おまえには関係のないことだってのにな」

召喚士「……ううん、そんなことない。あなたの気持ちは、私もよくわかるから……」

アルガス「……ま、ヤツらに下手に反抗しなけりゃ殺されることはないさ。時には自暴自棄になりたくもなるが……そんな時は気を強く持て。もしオレたちが氏んだら、ヤツらの本性を知る人間がいなくなっちまう。そんなのはダメだ」

召喚士「あんな非人道的な人間を、のさばらせておくわけにはいかない……」

アルガス「そういうことだ。悔しいだろうが、オレたちは耐えるしかないんだ。然るべき時が訪れるまではな」

召喚士「………」

アルガス「おっと、あんまり話してると余計な勘繰りを入れられそうだな。じゃあな、そっちも頑張れよ」

召喚士「あなたも、気を付けて」

アルガス「ハッ、オレはあいつらとは1年以上の付き合いだぜ?今更言われるまでもないさ。 だが、まぁ……その心遣いには感謝しておくよ」

召喚士「………」

864: 2014/04/15(火) 14:53:11.64 ID:CbyEsMAP0
アルガス「(………)」

アルガス「(……何やってるんだろうな、オレは。あんな女がどうなろうが知ったことじゃないはずなのに)」

アルガス「(以前のオレなら、誰がどうなろうと、どんなに理不尽な扱いを受けている者がいようと関心はなかった。そいつらは平民で、ヤツらはオレたちのような貴族とは違う。平民に生まれた人間がどうなろうと、惨めに氏のうと。それは全て天の定めた運命だと信じていた……)」

アルガス「(……だが、現実はどうだ? 名門中の名門、貴族の中の貴族と呼ばれたベオルブ家の人間は、どいつもこいつもクズばかり。元は平民だったはずの兄妹までもが、名門貴族の名を盾に好き勝手に振る舞い、それを悪びれることすらしない……)」

アルガス「(そして、何より。こんな惨めな状態にあるオレの支えとなっているのが、同じ境遇に置かれた連中……それも、どいつもこいつも平民だなんてな)」

アルガス「(これも、以前のオレなら考えられなかったことだ。手柄を立てることに躍起になっていた頃のオレは、平民と同じ空気を吸うことすらも汚らわしいと思っていたはずなのに……)」

アルガス「(……だが。貴族の名を盾にするだけのクソ野郎なんかよりも、今まで家畜同然と思っていたヤツらのほうが、よっぽど……)」

アルガス「(………)」


アルガス「(……チッ。何考えてんだ、オレは。まったくらしくないぜ……)」

880: 2014/04/26(土) 23:15:59.12 ID:TXmhTAkz0
──ライオネル城・城門前──


ライオネル城騎士「何者だ!ライオネル城に何用か?」

アグリアス「私はルザリア聖近衛騎士団しょぞk

ラムザ「ちわーっすwwwwwwwwwwwwwwwww枢機卿に会いにきましたーwwwwwwwwwwwwwww門を開けてくださーいwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「そうだそうだーwwwwwwwwwwww速やかに開門しろーwwwwwwwwwwwwさもなくば戦争だぞーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ライオネル城騎士「」

アグリアス「」

オヴェリア「」

883: 2014/04/26(土) 23:24:55.27 ID:TXmhTAkz0
召喚士「ばっ……!? あの人たち、馬鹿じゃないのッ!? 何考えてるのよッ!?」

アルガス「放っておけ、いつもの事だ。ヤツらは何も考えちゃいない」

召喚士「」


ライオネル城騎士「(……オレの聞き間違いか? 何やらとんでもなく無礼な事を言われたような気が)」

ラムザ「おらっwwwww早く開けろwwwwwwwwwwwお客様がお待ちかねなんだぞwwwwwwwwwwwさっさと部屋に案内して茶の一つでも出したらどうなんだwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「客をこんなに長く待たせるとかないわーwwwwwwwwwwwwこの城ほんとないわーwwwwwwwwwwwwwwwwwサービス悪すぎるわーwwwwwwwwwwwwwww評価するとしたら☆1つだわーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ライオネル城騎士「」

ラムザ「早くしてよねwwwwwwwwwwwwこっちは貴重な時間を割いてまで枢機卿に会ってやるって言ってるのにさぁwwwwwwwwwwwwそんな人を待たせるなんて失礼だと思わないのかいwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「まったくだwwwwwwwwwwwwwこんな失礼な奴は見たことがないぜwwwwwwwwwwww枢機卿は部下の躾がなってないようだなwwwwwwwwwwwwwwww」

ライオネル城騎士「(え、何? 何でオレが責められてるの? っていうか猊下に会いに来たのはそっちだよね?何威張っちゃってんの?何なの?氏ぬの?)」


召喚士「いやいやいやいや……おかしいでしょう……」

アルガス「放っとけ。この程度でいちいち気にしてたら身が持たないぜ」

召喚士「」

884: 2014/04/26(土) 23:47:54.15 ID:TXmhTAkz0
─────────


ドラクロワ「(未だに例の若者は捕らえられませんか……。聖石の捜索をルードヴィッヒに任せたのは間違いでしたかね)」

ドラクロワ「(ですが、目の前にある聖石を、みすみす逃す手はありません。何としても手に入れなければ……)」

ドラクロワ「(あの方の復活には、まだまだ時間がかかりそうですからね……。少しでも多くの“相応しい肉体”を捜さなければ……)」

ドラクロワ「(……例の彼は、どうでしょうね。様々な悪評を耳にしますが、それほどの強い自我や欲を持つ者ならば、あるいは……)」

ドラクロワ「(………)」



ライオネル城騎士「げ、猊下ァーッ!!」

ドラクロワ「!?」



ドラクロワ「何事ですか!?」

ライオネル城騎士「そ、それが……、城門前に、猊下との面会を希望するという一団が……!」

ドラクロワ「……? それは、いつもの事ではないですか。何か問題でも──」

ライオネル城騎士「あまりにも無礼な態度だった為に門番の兵が門前払いしようとした所、開門しなければ城に火を放つと……!」

ドラクロワ「」

ライオネル城騎士「さ、更に猊下に対し、門兵の非礼に対する謝罪、及び国賓級の待遇を要求しております!こちらも拒否すれば城に上級召喚魔法を放つと!」

ドラクロワ「開門しなさい!今すぐにですッ!!」

885: 2014/04/26(土) 23:55:07.58 ID:TXmhTAkz0
─────────


ラッド「ごっそさんwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「御馳走様でしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ライオネル城騎士「(このクソ野郎どもが……!人様の城でどんだけ食ってんだよッ……!)」


ラッド「ふぃーwwwwwwww食った食ったwwwwwwwwwwwwwこんな旨い飯は何年振りだろうなぁwwwwwwwwwwwwww」

ドラクロワ「………」

ラムザ「あ、猊下wwwwwwwww御馳走様でしたwwwwwwwwwwwwwwいやーすいませんねほんとwwwwwwwwwwwwwそんなつもりで言ったんじゃなかったんですけどwwwwwwwwwwwww軽いジョークのつもりだったんですけどwwwwwwwwwwwwwなんだかそちらの騎士さんたちが真に受けちゃったみたいでwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「まったくだぜwwwwwwwwww国賓級の扱いをしろなんて本気で言うわけないってのになwwwwwwwwwwwwww猊下、ほんとさーせんっしたwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ライオネル城騎士「」

ドラクロワ「………」

886: 2014/04/27(日) 00:03:04.07 ID:KdSRvvP/0
─────────


ドラクロワ「───なるほど、事情はよくわかりました。そういうことであれば、このドラクロワ、手を貸さぬわけにはいきますまい」

アグリアス「では……?」

ドラクロワ「早速、聖地ミュロンドへ使者を差し向けましょう。教皇猊下に直奏するのです。ラーグ公の不正を暴き、オヴェリア様の命が狙われることのないよう手を打ちましょうぞ」

アグリアス「猊下、フューネラル教皇猊下はお聞き届けくださいますでしょうか?」

ドラクロワ「心配召さるな、アグリアス殿。この私がついております」

ラムザ「(『この私がついております(キリッ』 だっておwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラッド「(かっけぇwwwwwwwwwwwww枢機卿マジぱねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」


ドラクロワ「貴公がそのように心配されてはオヴェリア様のお心も休まらぬというもの。古く汚らしい城ではありますが、聖地より返事がくるまでの間、ゆるりとくつろいでくだされ」

ラムザ「やっべwwwwwwwwwwwwwwここ見てよラッドwwwwwwwwwwwwめっちゃ埃まみれなんだけどwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「うわきったねwwwwwwwwwwwwwやーめーろーよーwwwwwwwwwwwwwww埃ぬぐった手で触るなよーwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「うわ見てよあそこやべぇwwwwwwwwwwwwめっちゃでかい蜘蛛の巣あるwwwwwwwwwwwきめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「きめぇwwwwwwwwwwwwwっていうかきたねーっwwwwwwwwwwwwwwwちゃんと掃除しておけよーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

アグリアス「」

オヴェリア「」

ドラクロワ「………」

887: 2014/04/27(日) 00:12:47.10 ID:KdSRvvP/0
ドラクロワ「……ときに、若き機工士よ。そなたの願いも承知しました。バート商会を壊滅させるために、わがライオネルの精鋭たちを機工都市ゴーグへ送りましょう」

ムスタディオ「ありがとうございます、猊下」


ラッド「ん? そんな宝石持ってたか、ラムザ?」

ラムザ「ああ、これかい? さっきここの騎士たちに因縁をふっかけられてね、どうせならと思って決闘にかこつけて巻き上げてきたんだよ」

ラッド「ちょwwwwwwwwwwwwwwww何してんだおまえwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「ここの騎士たち、よっぽど僕のことが気に食わなかったみたいでさぁwwwwwwwwwwwwやたら無礼だの何だのとうるさかったからwwwwwwwww鉛弾で手足ブチ抜いちゃった☆wwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「ひでぇwwwwwwwwwwwww騎士が手足ブチ抜かれたら仕事にならないだろwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「なんか自称この城一の使い手だったらしいんだけどさwwwwwwwwwwwww所詮剣じゃ銃には勝てないよってねwwwwwwwwwwwwww僕に一歩も近付くこともできずに出血多量で気絶しちゃったよwwwwwwwwwwwwざまぁwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「よく無事だったなおまえwwwwwwwwwwwwww周りの連中が黙ってなかったんじゃないかwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「うんwwwwwwwww卑怯だの反則だのうるさかったよwwwwwwwwwwwwもれなく全員に銃弾をくれてやりましたけどねwwwwwwwwwwwwwwなんでもこの城の精鋭部隊だったらしいよ?wwwwwwwwwwwwwwwww」

ラッド「ライオネル騎士団オワタwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ラムザ「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


ドラクロワ「」

ムスタディオ「」

888: 2014/04/27(日) 00:22:23.46 ID:KdSRvvP/0

ドラクロワ「………」

ムスタディオ「あ、あの、猊下」

ドラクロワ「バート商会を壊滅させるために、わがライオネルの精鋭たちを機工都市ゴーグへ送りましょう」

ムスタディオ「え? で、ですが、ライオネルの精鋭は」

ドラクロワ「……バート商会を壊滅させるために、わがライオネルの精鋭たちを機工都市ゴーグへ送りましょう」

ムスタディオ「ですからその、精鋭部隊はあいつらに潰さr

ドラクロワ「わがライオネルの“精鋭”たちを機工都市ゴーグへ送りましょう。異論は認めません。いいですね? 分かったら『はい』と言いなさい。さもなくば頃します」

ムスタディオ「」

ドラクロワ「バート商会を壊滅させるために、わがライオネルの精鋭たちを機工都市ゴーグへ送りましょう。それでいいですね?」

ムスタディオ「は、はいッ!!!!お願いしますッ!!!!!!!1!!!1!!」


ラムザ「(だから精鋭は僕がやっちゃったんだってばwwwwwwwwww認めろよwwwwwwwwwwwwwwどんだけプライド高いんだよwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラッド「(おいラムザラムザwwwwwwwwwwwムスタディオの顔見てみろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwめっちゃ脂汗かいてんぞwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(枢機卿怖すぎワロタァwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラッド「(wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

895: 2014/04/27(日) 22:51:19.54 ID:KdSRvvP/0
ムスタディオ「と、とにかく、ありがとうございます、猊下。何卒、父を助けるのに力をお貸しください」

ドラクロワ「……ふむ。 その前に、一つよいかな?」

ムスタディオ「はい?」

ドラクロワ「何故、そなたら親子が狙われるのか説明してくれぬか」

ムスタディオ「そ、それは……」

ラムザ「(おっと、いきなり核心を突いてきたね。さあ、枢機卿はどう出る……?)」


ドラクロワ「よいよい……。これであろう?」

ラムザ「(……!)」

ムスタディオ「!!」


アグリアス「そのクリスタルは……?」

ドラクロワ「“ゾディアックブレイブの伝説”をご存じかな……?」

アグリアス「子供の頃、教会でよく聞かされたあのおとぎ話ですか……?」

ドラクロワ「これはこれは。 ……アグリアス殿は教会が嘘を言っているとでも?」

アグリアス「そ、そのようなことは決して……」

ラムザ「………」

896: 2014/04/27(日) 22:56:23.88 ID:KdSRvvP/0
オヴェリア「……太古の昔、まだ大地が今の形を成していなかった時代、ルカヴィが支配するこの大地を救わんと、12人の勇者がルカヴィたちに戦いを挑みました」

オヴェリア「激しい氏闘の末、勇者たちはルカヴィたちを魔界へ追い返すことに成功し、大地に平和が訪れました」

オヴェリア「12人の勇者たちは黄道十二宮の紋章の入ったクリスタルを所持していたため、人々は彼らを黄道十二宮の勇者…、ゾディアックブレイブと呼ぶようになったといいます。その後も、時代を超えて、私たち人間が争いに巻き込まれる都度勇者たちが現われ世界を救ったとか……」

ドラクロワ「さすがはオヴェリア様、よくご存じですな……」

オヴェリア「オーボンヌ修道院でシモン先生に教わりました。 ……そういえば、聖アジョラは彼らを従えて、混乱したイヴァリースをお救いになったと聞いております」

ドラクロワ「勇者たちが所持していたクリスタルを我らは『聖石』と呼んでいます。そして、今、我らが目にしている石こそ、伝説の秘石、『ゾディアックストーン』……」

ラムザ「………」

ドラクロワ「聖石にはルカヴィたちを凌ぐほどの“御力”が備わっているとか……。確かに不思議な力を感じますが、私にはただの大きなクリスタルにしか見えませんが……」

ラムザ「………」

ムスタディオ「………」

ドラクロワ「……若き機工士よ。ゴーグの地下でこれと同じ石を見たのではないかな……?」

ムスタディオ「ッ!!」

897: 2014/04/27(日) 23:15:19.86 ID:KdSRvvP/0
ムスタディオ「地下には壊れて動かない機械がたくさん埋まっています……。でも、あの石を近づけると氏んでいるはずの機械がうなり始めるんだ……」

ドラクロワ「バート商会が狙っているのはその聖石ですね……?」

ムスタディオ「あの石にどんな力があるのか、オレにはわかりません……。しかし、ルードヴィッヒはあの力を解明して兵器にしようとしています……」

ドラクロワ「………」

ムスタディオ「親父は、聖石を渡してはならないと言っていました……。だから、親父はやつらに……」

ドラクロワ「心配いたすな、若き機工士よ。教会が責任を持って管理しましょう。我らの兵が悪漢どもと戦っている隙に一刻も早く聖石を持ち帰るのです」

ムスタディオ「は、はいッ。猊下」

ラムザ「………」



ラムザ「(随分と……物わかりがいいじゃないか。『ただの大きなクリスタルにしか見えない』なんて言っておきながら、さ……)」

ラムザ「(いくら自分が同じ物を持っているとはいえ、こうも簡単に事を進めるものか……? いや、それよりも……)」

ラムザ「(実在していた伝説の聖石を手にしても尚、こうも落ち着いていられるものか……? 少なくともグレバドス教の信者にとっては、聖石には他の何物にも代え難い程の価値があるはず。現に枢機卿はアグリアスさんに対し、『ゾディアックブレイブの伝説は真実である』と暗に告げている……)」

ラムザ「(にも関わらず、その聖石の力を眉唾程度にしか信じていないような物言いをする……。かと思えば、聖石の力が実在していることを前提としたムスタディオの話を、少しも疑う素振りを見せない……)」

ラムザ「(そもそも……いくら信仰心に厚いとはいえ、ただの機工士に対して自分から聖石の話を持ち出すだろうか? それも、ムスタディオが何も話さないうちに、だ……)」

ラムザ「(……胡散臭い。まるで奴らの狙いが何なのか、最初からわかってて言ってるみたいじゃないか)」

ラムザ「(………)」

899: 2014/04/27(日) 23:19:27.37 ID:KdSRvvP/0
─────────


ラッド「やれやれ、結局ゴーグまで付き合うことにするのか。 ま、どうせ他に行くアテもないんだけどな」

ラムザ「……ラッド。少し頼みたいことがあるんだけど、いいかい?」

ラッド「ん……?」

900: 2014/04/27(日) 23:55:31.92 ID:KdSRvvP/0
─────────


ラムザ「(……さてと。これであっちの方は問題ないかな。大丈夫、ラッドの腕なら上手くやってくれるだろう……)」


ラムザ「(恐らく、枢機卿は黒……バート商会の連中とグルだ。聖石の力で兵器を作ろうとしているだなんて話、突拍子もなさすぎて普通は信じない……。あまりにも理解がすぎるんだよ)」

ラムザ「(そもそもバート商会は、表向きはただの貿易商として通っている。最初にムスタディオを助けた時、アグリアスさんはバート商会の実態を全く知らなかった。ムスタディオのような当事者や、僕やフランソワのようにウォージリスやゴーグの貿易に関与している者以外、奴らが後ろ暗い商売をやっているなんてことは知らないはずだ)」

ラムザ「(ましてや、枢機卿はライオネルの領主。彼らの本性を知っていてその存在を野放しにしておけば、領主としての威厳にも関わる。つまり、こうしてバート商会の連中が今も尚のさばっている以上、枢機卿は連中の正体を知らなかったということになる……)」

ラムザ「(そんな人間が、たかが一機工士の話を全て鵜呑みにして、“ただの貿易商”相手に派兵する? それも“ただのクリスタル”の為に精鋭部隊まで動かすだって? ははっ!)」

ラムザ「(……笑わせるなよ、狸が。そんな馬鹿な話があるわけないだろう)」


ラムザ「(民の話に耳を傾け、民を守る為に剣を振るうのが真の騎士。口で言うだけなら簡単だよ。でも、現実はそうじゃない。名門中の名門と呼ばれたベオルブ家ですら、そんな話を鵜呑みにしたりはしない。もし、そんな奴がいたとしたら……そんなものは、お人よしなんてものじゃない。ただの馬鹿だ。騙し討ちをくらってすぐに氏ぬだろう)」

ラムザ「(僕は枢機卿の人となりなんて知らないし、興味もないけど……教会からライオネルを任せられている領主である以上、そんなこともわからないような人間ではないはずだ。僕なら絶対に、事の真偽がはっきりするまでは兵を動かしたりはしない。ましてや聖石なんて、実在するかどうかも疑わしいんだから)」

ラムザ「(にも関わらず、こうも都合よく話が進んだところを見るに、最初から枢機卿と奴らは繋がっていた……いや、そもそもルードヴィッヒは枢機卿の命令で聖石を回収に出向いたといったところか。どちらにせよ、このままゴーグに向かえば待ち伏せされるのは目に見えている……)」

ラムザ「(………)」


ラムザ「(……だけど)」














ラムザ「(それならそれで別にいいかなーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

902: 2014/04/28(月) 00:03:23.88 ID:AenCYT7F0
ラムザ「(要するにあれだろwwwwwwwwwwwwwwwwww枢機卿は小悪党と手を結んででも聖石が欲しいってことだろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwだったら話は早いじゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(ルードヴィッヒにはムスタディオの身柄を売り渡してwwwwwwwwwwwwwwwww奴らがぬか喜びしたところで聖石ぶんどってwwwwwwwwwwwwwwwwww今度はそれを枢機卿に売りつけてやんよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwまさに一石二鳥wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(僕の財布は潤うwwwwwwwwwwwwあわよくば教会にも恩を売れるなぁwwwwwwwwwwwwwwwwなんせグレバドス教にとって聖石は聖遺物といっていい程の代物だもんなぁwwwwwwwwwwwwwwww大枚はたいてでも欲しいはずだよなぁwwwwwwwwwwwwwwwwなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(でもってさぁwwwwwwwwwww人身売買なんてやってる連中と枢機卿が繋がってるなんてことが世間に知れたらさぁwwwwwwwwwwwwwwww教会の信用はガタ落ちだよなぁwwwwwwwwwww枢機卿様は敬虔なグレバドス教の信者様でござますものねーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

ラムザ「(ああ大変だぁwwwwwwwwwww枢機卿と教皇は僕の口がうっかり滑らないことを祈るしかないねwwwwwwwwwwwwwwwwどうしようどうしようwwwwwwwwwwwwwww札束で口に封をしないとなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwはははははwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」


ラムザ「(よっしゃーwwwwwwwみwwwwwなwwwwwぎwwwwwwwwwwwってwwwwwwwwwwwwきwwwwwwwwwたwwwwwwwwwwwwwぜぇぇぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)」

914: 2014/05/17(土) 14:28:06.90 ID:OPkVyVGA0
謝罪……!圧倒的謝罪ッ……!
圧倒的……! 圧倒的社畜ッ……!
連続ッ……勤務ッ……!12連勤ッ……!
更新はもう少し……!もう少しだけッ……!待っていて欲しいッ……!

916: 2014/05/17(土) 15:02:54.45 ID:SaVUo8UAO
ゆっくりでいい。
楽しみに待ってる

952: 2014/07/14(月) 16:55:41.74 ID:fhX583Ol0
>モルボルよりはマシさ~
ワロタ

引用: ラムザ「家畜に神はいないッ!!」