130 :2009/07/28(火) 03:20:35.09 ID:t9Mk3vXWO
真紅「フフフ……雛苺、今日もとっても可愛くてよ」
雛苺「やあ……またこんなに明るいうちからそんな事……」
真紅「だって、せっかく今日も二人っきりなんですもの。楽しまなくっちゃ損だわ」
雛苺「うゆ……でもぉ」
真紅「嫌なの? じゃあやめましょうか」
雛苺「え?」
真紅「だって、貴女は嫌なのでしょう?」
雛苺「そ、それは……」
真紅「大切な貴女に無理強いするなんて私には出来ないわ。だから、今日はやめましょう」
雛苺「うゆ……そんなぁ」
132 :2009/07/28(火) 03:48:47.29 ID:t9Mk3vXWO
真紅「あら、なぁに?」
雛苺「それは……そのぅ」
真紅「何? はっきり言ってくれなくては分からないわ」
雛苺「……真紅のいじわるぅ」ジワ
真紅「フフフ、泣かないで雛苺。可愛いお顔が台無しだわ」
雛苺「真紅ぅ」
真紅「少し意地悪し過ぎたみたいね。ごめんなさい。でも、貴女が素直になってくれないからイケナイのよ」
雛苺「真紅……あっ/////」
真紅「私の可愛い雛苺。さあ、目を閉じて」
雛苺「んん……んふっ////」
水銀燈「はぁい、真紅ぅ。ってあら? ……貴女達何してるの?」
真紅・雛苺(ゲッ、水銀燈)
137 :2009/07/28(火) 04:44:48.14 ID:t9Mk3vXWO
水銀燈「貴女達……今いったい何を
真紅「あら水銀燈、何しに来たの?」
水銀燈「何しにって、貴女に会い……じゃなくて、ローザミスティカを……いえ、そんな事より今
真紅「そう!なら相手をしてあげるから早くかかってらっしゃい」
水銀燈「いや、ちょっと待って!」
真紅「貴女が来ないならこっちから行くわよ!」
水銀燈「ちょっと待って! 違うの! 本当は今日は話をしに来たの!」
真紅「話……ですって?」ピタ
139 :2009/07/28(火) 05:08:00.37 ID:t9Mk3vXWO
水銀燈「そ、そうよぉ……お話をしに来たの」
真紅「話……いったい何の?」
雛苺「真紅、騙されちゃダメなの! 水銀燈は真紅を油断させてやっつけるつもりなの! ヒナと二人で早く水銀燈をやっつけるの!」
水銀燈(ぐっ……この糞ガキッ)
真紅「お止めなさい、雛苺」
雛苺「え!?」
真紅「そんな頭ごなしに疑うものでは無いわ。まずは話しを聞いてみなくては。それで水銀燈、お話って何?」
水銀燈「えっとそれはぁ……そう! アリスゲームの事よ! 貴女、前に〝私には私のやり方がある。って言ってたじゃない!? 私もその……真紅のやり方ってのに興味が湧いてきて……」
真紅「水銀燈」
水銀燈「貴女はその……姉妹の誰も傷つける事なくアリスに成れる道を探そうとしてるのでしょう?私も出来ればその方が良いなぁ~……なんて」
140 :2009/07/28(火) 05:13:22.78 ID:t9Mk3vXWO
雛苺「真紅、水銀燈は嘘をついてるの! 水銀燈がそんな事を思うわけ無いの! 水銀燈はなんかを企んでるのよ!」
水銀燈(くっ……雛苺めぇ~)
真紅「……水銀燈」
水銀燈「ひぇ!? ハ、ハイ!?」
真紅「素晴らしいわ。やっと貴女も分かってくれたのね!?」ギュ
水銀燈「ふぇ!? へ!? え!?////(て、手を……にぎ……握っ……!?)」
雛苺「!?」
144 :2009/07/28(火) 05:33:11.31 ID:t9Mk3vXWO
真紅「貴女と分かり合える日がこんなに早く来るなんて」
雛苺「真紅!騙されちゃダメなの!そんなの嘘に決まって
真紅「そうだわ! せっかくの機会なんですもの、ただお話をするだけじゃ勿体無いわ! お茶でも飲みながらゆっくり話し合いましょう! 水銀燈、貴女もそれが良いわよね?」
水銀燈「えぇ、まあ……」
真紅「それじゃあ、雛苺。早速お茶の準備をして頂戴」
雛苺「ちょっと待ってなの! 水銀燈は何か企んで……」
真紅「お願い雛苺。ねっ?」
雛苺「うゆ……わかったの」
雛苺「…………」キッ
水銀燈「…………!?」ビクゥ
雛苺「……フン」トタトタトタ
真紅「さぁ、水銀燈。貴女も一緒に下に行きましょう。私もテーブルセッティングをしなくっちゃ。あ、貴女は準備が整うまでソファーにでも座ってゆっくりしててね」
水銀燈「……はい」
146 :2009/07/28(火) 05:49:43.28 ID:t9Mk3vXWO
真紅「さぁ、お茶も用意出来たみたいだし水銀燈もこっちに来て一緒にお茶にしましょう」
水銀燈「はははははい……」
水銀燈(真紅とお茶会……真紅とお茶会……どどどどうしよう~緊張するわぁ~)
雛苺「…………」
真紅「とっても良い香りね雛苺。私は良いから先に水銀燈に入れてあげて頂戴」
雛苺「……ハイなの」ドンッ
真紅「……雛苺、これは」
水銀燈「お茶碗に……ご飯?」
トクトクトク
雛苺「はいどーぞ、ぶぶ漬け召し上がれ、なの」
真紅「雛苺!」
雛苺「うゆ……だってぇ」
148 :2009/07/28(火) 05:56:11.34 ID:t9Mk3vXWO
真紅「ご、ごめんなさいね水銀燈、この子ったらまだ貴女の事疑ってるみたいで」
水銀燈「だ、大丈夫よぉ。無理もないわぁ。私が今まで貴女達にしてきた事を考えたら」
真紅「そう言ってくれると助かるのだわ。ほら雛苺、貴女も水銀燈に謝りなさい」
雛苺「…………」プイッ
真紅「まったく。あ、そうだわ。私が貴女のカップに注いであげる」
水銀燈「え!?」
雛苺「!?」
トクトクトク
真紅「はい、どうぞ。召し上がれ」
水銀燈(真紅が入れてくれた紅茶が飲めるなんて……嬉しすぎる!)プルプル
雛苺「…………」ブッスゥー
150 :2009/07/28(火) 06:12:19.96 ID:t9Mk3vXWO
真紅「それにしても貴女とこんな風にお茶を楽しめる日がくるなんて信じられないわ」
水銀燈「そ、そうね」
水銀燈(1077480時間前に争った時も本当は一緒にお茶を楽しみたかったけど、どうしても素直になれなくて……)
真紅「でも何で突然、私のやり方に興味を持ってくれたの?」
水銀燈「え? それはそのぅ」
水銀燈(そうだ。とっさにそんな事言っちゃったけど、本当はさっき真紅達がやってた事を確認するために話がしたかったんだ。雛苺が真紅の陰になってて良く見えなかったけどあれって多分……キスしてたのよね?結果的に真紅とこうしてお茶ができる事になって浮かれてたけど……怖いけど……勇気をだして雛苺との関係を確認しなきゃ!)
真紅「水銀燈?」
水銀燈「へ!? あ、どうして興味を持ったかよね!? えっとその~。そう! じ、実はね、最近私もちょっと仲良くしてる人間がいてね、まあ所謂マスター候補の人間なんだけど。それでね、その子と接する内に貴女の言う〝絆〟ってヤツが少しは理解出来たって言うか~」
真紅「そう! 貴女にもそんな相手が出来たなんて素晴らしいわ!」
雛苺「な~んか怪しいの」
真紅「雛苺」
152 :2009/07/28(火) 06:26:51.56 ID:t9Mk3vXWO
真紅「ねぇ雛苺。貴女の気持ちも分かるけどもう少し水銀燈の事を信じてあげて頂戴」ボソボソ
雛苺「でもぉ……」
真紅「私の目標は姉妹全員の力を合わせてアリスゲームを終わらせる事。それは貴女もよーく知ってるでしょう?」ボソボソ
雛苺「うゆ……」
真紅「水銀燈が私達と和解してくれる事はその目標を叶える為の大きな一歩になる筈よ。もちろん、水銀燈が嘘をついている可能性だってあるわ。でも、疑ってばかりいたら決して前には進めない。だからお願い、水銀燈の事を少しは信じてあげて」ボソボソ
雛苺「うゆ……わかったの」
真紅「良い子ね雛苺。ありがとう。お礼に後でいっぱい可愛がってあげるわね」ボソボソ
雛苺「真紅……////」
水銀燈「あ、あの……真紅?」
真紅「あ、あらごめんなさい水銀燈。貴女を仲間外れにしてしまって」
水銀燈「う、ううん良いのよ別にぃ」
水銀燈(き、聞かなきゃ……さっきの事を……雛苺との関係を……怖いけど聞かなきゃ!)
156 :2009/07/28(火) 06:40:26.97 ID:t9Mk3vXWO
水銀燈「あ、あの、真紅!」
真紅「な、何!? 突然!?」
水銀燈「あ、えっと……さっきの事なんだけど」
真紅「さっきの事?」
水銀燈「あの……さっき二階の部屋で雛苺と二人きりで居たとき何かしてたわよね?」
真・雛「!」
157 :2009/07/28(火) 06:44:40.83 ID:t9Mk3vXWO
水銀燈「あれっていったい……」
真紅「ああ、雛苺の目に入ったゴミを私が取ってた時の話かしら」
水銀燈「え?」
真紅「雛苺が目にゴミが入って痛がってたから私が取ってあげてたのよ。こう、雛苺の正面に顔を近づけて」
水銀燈「目に……ゴミ?」
真紅「そうよ。それがどうかして?」
水銀燈「ううん、何でもないわぁ」
水銀燈(そっか……目にゴミか。キスしてた訳じゃなかったんだ!)
雛苺「違うのよ」
水銀燈「え?」
雛苺「ヒナと真紅はこうしてたんだからぁ!」ガバァ
真紅「ちょっと、雛苺……んふっ////」
水銀燈「!?」
164 :2009/07/28(火) 09:03:47.29 ID:t9Mk3vXWO
真紅「ぷはっ……雛苺、貴女水銀燈の前で何を」
雛苺「ヒナと真紅はね、もうずっと前から愛し合ってるの。貴女が割り込む隙間なんて無いの!」
真紅「雛苺……貴女何を言って」
雛苺「ヒナ知ってるのよ……水銀燈も真紅の事が好きだって事。だから、いつも真紅に手を出して来るんだって事!」
水銀燈「…………」
166 :2009/07/28(火) 09:16:02.94 ID:t9Mk3vXWO
真紅「雛苺、何をバカな事を言ってるの?そんなはずあるわけ……」
雛苺「真紅はヒナと愛し合ってるの! 真紅はヒナの物なの! 邪魔しないでなの!」
真紅「雛苺……」
水銀燈「……そうよ」
真紅「え?」
水銀燈「そうよ! 私はずっと真紅の事が好きだった! ずっと真紅に振り向いて欲しかった!」
真紅「水銀燈……貴女」
167 :2009/07/28(火) 09:27:56.22 ID:t9Mk3vXWO
水銀燈「でも素直になれなかった! だから、戦いを挑み続けた! 私の事を見ていて欲しかったから!貴女を見続けていたかったから!」
真紅「水銀燈……」
水銀燈「……ずっと愛していたから」ポロポロ
雛苺「ダメよ……貴女に真紅は渡さないんだから」
真紅「……雛苺」
雪華綺晶「フフフ……抜け駆けは許しませんよお姉様」
真・雛・水「雪華綺晶!?」
170 :2009/07/28(火) 09:37:55.51 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「お姉様方、お久しぶりです」
水銀燈「貴女、何しに来たの!?」
雪華綺晶「もちろん、愛しの紅薔薇のお姉様に会いに来たのですわ。……それにしても。まさか桃薔薇のお姉様と紅薔薇のお姉様がそんな関係だなんて気付きもしませんでした」
雛苺「雪華綺晶……貴女も真紅の事を?」
雪華綺晶「ええ」
171 :2009/07/28(火) 09:51:51.65 ID:t9Mk3vXWO
雛苺「ダメよ……真紅は絶対誰にも渡さないんだから」
雪華綺晶「フフ、強気ですねお姉様。二人の敵を相手にそんなにも強気になれるなんて」
雛苺「うゆ……」
雪華綺晶「ねぇ、黒薔薇のお姉様。ここは共同戦線と参りませんか?」
水銀燈「何ですって?」
雪華綺晶「今や雛苺は私達の恋路を邪魔する共通の敵。まずはこれを二人で取り除くのが良策だと思いませんか?」
真紅「何を言って……ダメよ!そんな事はさせないわ」
水銀燈「……っ」
雛苺「真紅……」
173 :2009/07/28(火) 10:10:18.73 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「お優しいお姉様。でも、その優しい愛情が雛苺に注がれれば注がれる程、私の中の嫉妬の炎は燃えたぎり憎しみのいばらは鋭さを増すのです。そして、それが狙うのはもちろん……」ギロ
雛苺「ひっ……」
真紅「そんな事をしてみなさい。もう絶対貴女を許さないわよ!」
雪華綺晶「でも、このまま何もしなければお姉様の愛は雛苺に注がれるだけ。ならば、その愛情の行き場を破壊し、流れを無理やりにでも変える他ありません」
真紅「そんな事をして私が貴女を愛するとでも思ってるの!?」
雪華綺晶「もちろん。邪魔者さえいなければお姉様を振り向かせる自信はあります」
真紅「狂ってるわ……」
雪華綺晶「まあ、酷い仰りよう。私達はただ、純粋に愛してるだけなのに。ねぇ、黒薔薇のお姉様?」
水銀燈「…………」
真紅「水銀燈……貴女も雛苺を傷つけようと言うの?」
水銀燈「私は……私も……真紅を」
真紅「水銀燈……」
174 :2009/07/28(火) 10:19:09.80 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「どうやら黒薔薇のお姉様も協力してくれるみたいですね」
真紅「そんな……」
水銀燈「…………」
雪華綺晶「さあ、いきますよ。桃薔薇のお姉様」
雛苺「……うゆっ」
真紅「ダメよ、雛苺に手出しはさせない!」
雛苺「真紅ぅ!」
雪華綺晶「フフ、いきますよっ!」
175 :2009/07/28(火) 10:34:41.72 ID:t9Mk3vXWO
無数の白いいばらがソファーや机を巻き込みながら、それでも勢いを殺ぐ事無く真紅達に襲い掛かる。
正確にはそれらは全て雛苺を狙って放たれた物だが、真紅が雛苺の前に立ちはだかり、無数の薔薇の花びらでその全てを迎撃する。
「ホーリエ!」
真紅の叫びと共にホーリエが一直線に雪華綺晶に向かう。
「メイメイ!」
しかし、水銀燈が放った人工精霊によって、その動きは遮られた。
真紅「くっ……水銀燈!」
雪華綺晶「無駄ですよ紅薔薇のお姉様。私と黒薔薇のお姉様が手を組んだ以上、貴女にはどうしようもありません。もう、諦めて桃薔薇のお姉様をこちらに渡して下さい」
真紅「ダメよ……雛苺には指一本触れさせない!」
雛苺「真紅ぅ……」
177 :2009/07/28(火) 10:55:02.66 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「仕方ありませんね。出来れば紅薔薇のお姉様を傷つけたくはなかったのですが」
再び、白いいばらが二人を襲う。先程より更にスピードをましたいばらの動きに、雛苺も苺わだちを出して懸命に応戦するものの、二人は防戦一方となる。
真紅「あぁ!」
不意に真紅の右太ももに痛みが走る。見れば、真紅の足には黒い羽が深く突き刺さっていた。
雛苺「真紅……キャアッ!」
真紅「雛苺っ!」
雪華綺晶のいばらに弾かれ、雛苺の小さな身体が宙に舞う。放物線を描くその身体はまもなく固いフローリングの床に強かに打ち付けられた。
真紅「いやあぁぁぁっ! 雛苺!」
雛苺「うぅぅ」
うずくまり小さくうめき声をあげる雛苺。真紅は右足を引きずりながら雛苺に駆け寄ろうとするが、その行く手を水銀燈の身体によって遮られる。
178 :2009/07/28(火) 11:15:56.67 ID:t9Mk3vXWO
真紅「水銀燈、そこを退いて!」
雪華綺晶「無駄です、紅薔薇のお姉様。黒薔薇のお姉様も桃薔薇のお姉様が邪魔なんですもの。退く筈がありません」
水銀燈はうつむきながら、ただ黙って真紅の前に立ち塞がるばかり。前髪に隠れたその表情は、右足を押さえ下から覗きこむ形の真紅すら捉える事は出来なかった。
真紅「お願いよ水銀燈……このままじゃ雛苺が」
涙を流し水銀燈に懇願する真紅。しかし、その言葉水銀燈が反応する事は無かった。
雪華綺晶がゆっくりと雛苺に近づく。雛苺は逃げようとするものの、上手く身体を動かす事が出来ずその場に横たわるばかりだった。
179 :2009/07/28(火) 11:35:03.17 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「無様ね、雛苺」
雪華綺晶が雛苺を見下ろし冷たく言い放つ。
雪華綺晶「でもこれで終わり。紅薔薇のお姉様の愛は私の物」
雛苺「しん……くぅ」
雛苺が力なくその手を真紅に向かって伸ばす。
真紅「雛苺っ!」
真紅も水銀燈に遮られるながら、その手を雛苺に向かって伸ばす。
水銀燈「ぐ……っ」
雪華綺晶「さようなら、雛苺」
真紅「雛苺っ! いやあぁぁぁっ!!!」
180 :2009/07/28(火) 11:41:52.92 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶のいばらが一つの束となり大きくうねる。
水銀燈「ダメ……やっぱりこんなのダメよっ!!!」
巨大ないばらの鞭が降り下ろされ、雛苺への止めの一撃が放たれた様とする刹那、雛苺の身体に黒い陰が覆い被さった。
水銀燈「う……ああぁぁっ!!!」
真紅「!?」
雪華綺晶「水銀燈!?」
182 :2009/07/28(火) 11:55:46.70 ID:t9Mk3vXWO
雛苺「うゆ……水銀燈」
水銀燈「うぅ……大丈夫? 雛苺」
雪華綺晶「雛苺を庇うなんて……どういうつもりですか?」
水銀燈「ダメよ……雪華綺晶……こんな事してはダメ。こんな事しても真紅は愛してなんかくれないわ」
雪華綺晶「何を今更……」
水銀燈「ごめんなさい、雛苺。こんな事しても何も得られ無い事は分かっていたのに……最初から分かっていたハズなのに」
雛苺「水銀燈……」
水銀燈「醜い嫉妬に目が眩み……貴女を傷つけてしまった。こんなのただの子供じみた八つ当たりなのにね。馬鹿な姉を許して」
真紅「雛苺……水銀燈!」
水銀燈「真紅、本当にごめんなさい。貴女の愛を得る為に貴女を傷つけるなんて。貴女の大切な物を傷つけるなんて……本当にお馬鹿さんだわ」
真紅「水銀燈……もう良いの。もう良いのよ。そんな事よりケガは」
水銀燈「ふふ……平気よぉこれくらい」
184 :2009/07/28(火) 12:32:26.53 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「ふふ、滑稽ですね黒薔薇のお姉様。欲しい物も手に入れられず、恋敵の為に傷つくなんて。本当に馬鹿みたい」
真紅「……雪華綺晶」
雪華綺晶「何ですか?お姉様」
真紅「……っ」バチィィィン
雪華綺晶「痛っ……酷いわお姉様。いきなり頬を叩くなんて」
186 :2009/07/28(火) 12:38:21.47 ID:t9Mk3vXWO
真紅「貴女に水銀燈を笑う資格なんて無いわ。水銀燈は薔薇乙女の名にふさわしい、誇り高きドールよ!」
雪華綺晶「ふふ、誇りなんて欲しい物が手に入らないならなんの価値も無いですわ」
真紅「……ねえお願い。貴女もわかって頂戴。そんな考えではいずれ何もなくなってしまうだけよ」
雪華綺晶「お姉様こそどうしてわかってくれないんですか?私はお姉様の愛が欲しいだけなのに!お姉様が私だけを愛してくれたら他には何も望まないのに!」
真紅「……雪華綺晶」
雪華綺晶「どうしても私を受け入れてくれないのですか?」
真紅「ごめんなさい……私には雛苺を裏切れない……」
雪華綺晶「そうですか……それなら仕方ありませんね……」
真紅「…………」
雪華綺晶「……どうあっても欲しい物が手に入らないと言うなら……いっそ壊してしまった方がマシですっ!!!」
真紅「え!?」
水銀燈「真紅! 危ないっ!」
189 :2009/07/28(火) 12:52:58.37 ID:t9Mk3vXWO
それは一瞬の出来事だった。雪華綺晶のいばらが真紅に襲い掛かり、それに瞬時に反応した水銀燈が黒羽で雪華綺晶の身体を狙い撃つ。
無数の黒羽を全てその身体に受けた雪華綺晶の身体は大きく後方に吹っ飛ばされた。
一瞬のその光景。しかし、真紅と水銀燈はその一瞬に大きな違和感を覚えた。
真紅は吹き飛ばされ倒れる雪華綺晶の元に寄る。
194 :2009/07/28(火) 13:06:40.56 ID:t9Mk3vXWO
真紅「雪華綺晶! しっかりなさい!」
雪華綺晶「お姉様……私の事を心配して下さるのですか? 嬉しい……」
真紅「貴女、今わざと水銀燈の攻撃を受けたわね!? いえ、そもそもあの攻撃も当てる気なんて無かった。いったいどうして!?」
真紅と水銀燈が感じた違和感。雪華綺晶の攻撃に水銀燈は素早く反応し、雪華綺晶に攻撃を加えたが、それでもタイミング的には決して雪華綺晶の攻撃を止められる物では無かった。
しかし、実際には真紅に攻撃が届く事はなく、つまり雪華綺晶は真紅に当てる寸前に攻撃の手を止めていた。
そして、違和感はもうひとつ。水銀燈が攻撃を仕掛けた事に少なからず気付いていた筈なのに、それに対して全く身構える事なく全ての攻撃を食らった。これは、雪華綺晶が自ら望んで水銀燈の攻撃を受けた事に他ならない。
195 :2009/07/28(火) 13:11:14.47 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「私も……黒薔薇のお姉様と同じだったんです」
真紅「えっ?」
雪華綺晶「望むものが手に入らない苛立ちを他人にぶつけて」
雛苺「…………」
雪華綺晶「そんな事をしても本当に欲しい物は手に入らないと最初から気付いていたのに……」
水銀燈「…………」
雪華綺晶「それでも私は……自分を止める事が出来なかった……黒薔薇のお姉様みたいに自分の欲望を押さえる事が出来なかった」
真紅「雪華……綺晶」
196 :2009/07/28(火) 13:15:16.96 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「だから壊してしまいたかった……こんな渇きに苦しみ続ける自分を壊してしまいたかった」
真紅は雪華綺晶の上体を起こし、自分の胸にだきよせる。
真紅「なんて……なんて馬鹿な子なの……」ポロポロ
雪華綺晶「ふふ……馬鹿なんて酷いです。でも……お姉様が私の為に泣いてくれるなんて嬉しい……」
真紅「雪華綺晶……」
雪華綺晶「ねぇ、お姉様。最後に一つだけお願いしても良いですか?」
197 :2009/07/28(火) 13:23:05.75 ID:t9Mk3vXWO
真紅「……何?」
雪華綺晶「……それは」
真紅「…………」
雪華綺晶「……隙アリ」チュ☆
真紅「……え?」
水・雛「へ?」
198 :2009/07/28(火) 13:29:40.18 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「うふふふふ……わーい、貰っちゃった貰っちゃったぁ♪お姉様の唇貰っちゃったぁ♪」ピョンピョン
真紅「え? あ……え!?」
水銀燈「ちょっとそれ私のセリフ……じゃなくてアンタ、ケガはどうなったのよ!?」
雪華綺晶「えー? このくらい何ともありませんよ ~。私が黒薔薇のお姉様の攻撃くらいでそんなに重体になるわけ無いじゃないですかぁ。ホントにお・馬・鹿・さ・ん☆」
水銀燈「……っ」ムカッ
雪華綺晶「それにこの身体は借り物だからちょっとくらい傷ついてもノープロブレムですよ」
真紅「そ……そういえば……」
199 :2009/07/28(火) 13:34:25.87 ID:t9Mk3vXWO
雪華綺晶「それにしても遂に念願の紅薔薇のお姉様の唇を味わえて幸せですわ~。次はもっと上のステップに進みましょうね、お姉様!」
真紅「もっと上のステップって何よ!? って言うか貴女ちょっと……」
雪華綺晶「私は欲しい物を手に入れるまでは絶対に諦めませんから。今日のところは唇だけで我慢しますけど、いつか絶対紅薔薇のお姉様のハートも頂きますからね。それでは今日の所はこの辺で。ごきげんよう~」
雛苺「……行っちゃったの」
真紅「な、何なのよあの子はもおぉぉぉっっっ!!!うああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
200 :2009/07/28(火) 13:47:46.04 ID:t9Mk3vXWO
水銀燈「ねえちょっと真紅!」
真紅「な、何!?」
水銀燈「私にもキスしてよキス!」
真紅「ななな何を言い出すの貴女は!?」
水銀燈「だってズルいじゃない! あの子ばっかりズルいじゃない!私にもキスしてよ!」
雛苺「ダ、ダメェ~、真紅はヒナのなの! 真紅とチュ~して良いのはヒナだけなの!」
水銀燈「何よケチ! アンタなんかどーせいつもしてるんだからちょっとくらい良いじゃない!」
雛苺「ダメったらダメなのぉ~っ!」
水銀燈「ねぇ真紅ったらー!」
雛苺「ダメェ~!」
真紅「あぁ~まったくもうっ! 何なのよいったい!……はぁ、人気者は辛いのだわ」
おしまい
201 :2009/07/28(火) 13:49:47.15 ID:EgAxzmPjO
乙
面白かったんよ
大事な事忘れてた
212 :◆Canary9Ms2 2009/07/28(火) 15:22:38.55 ID:t9Mk3vXWO
大事な事忘れてた
薔薇水晶「お……お父様」ボロボロ
槐「ば、薔薇水晶! どうしたんだその傷!? はっ……まさかまた雪華綺晶に!」
薔薇水晶「はい……また雪華綺晶に身体を乗っ取られ……こんな事に……」メソメソ
槐「くそぅ、雪華綺晶めぇ~。家の大事なばらしーの身体を乗っ取るだけでも許せんのにこんなに傷だらけにするなんてぇ~!」
薔薇水晶「お父様……痛いよぅ」メソメソ
槐「お~よしよし薔薇水晶。こんな傷お父様がすぐに直してやるからな」
雪華綺晶「それは良かった」
槐「ひぃっ、雪華綺晶! 勝手に人ん家の鏡に出てくるな!」
雪華綺晶「その子のボディは今後も度々必要になってくるからしっかりとメンテナンスしておいて下さいね。何せこれからますます紅薔薇のお姉様との愛を深めて行かなくてはならないんですもの」
槐「ふざけるな! もう、二度とうちの子の身体に触れるんじゃない!」
雪華綺晶「それじゃあそう言う訳で宜しくお願いしますね。ごきげんよう」
槐「あ、コラ! ちくしょー二度と来るなこの疫病神ーっ!!!」
今度こそおしまい



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