1: 2009/08/10(月) 23:44:31.20 ID:BXJ5zsca0
続き物であるのかもしれません          
梓「音楽は暇つぶし」

2: 2009/08/10(月) 23:46:57.51 ID:BXJ5zsca0
中野梓についてのQ&A

―どうして軽音部に入ろうと?
梓「ヒマだからです」

―将来プロミュージシャンになりたい?
梓「働きたくないです」

―ギターがあんなにうまいのは誰かに教わった?
梓「うるさい音を出そうと思ってうるさい音出してるだけです。教わったことないです」

―ギター以外に出来る楽器はある?
梓「あとベースとドラムが出来ます」

―休日は何を?
梓「家でゴロゴロしたり……テレビ見たり……」

―特技はある?
梓「眼を開けたまま寝れます」

―好きなバンドは?
梓「バーズ、クレイジーホース、ブラックサバス、ストゥージズ……」

―本当に音楽好き?
梓「暇つぶしになるから好きです」

―ありがとうございました。

高3!

4: 2009/08/10(月) 23:50:55.96 ID:BXJ5zsca0
秋の日
1年2組

教師「あんまり急じゃありませんか? と聞くのです」

梓「Zzz……」

教師「めしべとおしべが」

梓「Zzz……」

教師「えーここでさっきの方程式に代入して」

梓「Zzz……」

教師「オスマン帝国は当時」

梓「Zzz……」

5: 2009/08/10(月) 23:55:00.31 ID:BXJ5zsca0
昼休み


憂「梓ちゃん、もうお昼だよ。起きて」

梓「……む」

憂「毎日のことだけど、よく寝るねー」

梓「あ~……」

憂「ほら、のんびりしてたらご飯食べる時間もなくなっちゃうよ」

7: 2009/08/10(月) 23:58:48.13 ID:BXJ5zsca0
午後の授業

教師「え~私はよくトモの悪口を言っている、まで訳したんでしたね。
   じゃあ、次の文章を中野さんから訳して」

梓「あ~……はい」

憂「(ちゃんと起きてる! がんばって~)」

梓「ちゅーびぃおぅねすと、あいどんとらいく」

教師「tは歯と歯で舌を噛んで。トゥッ! トゥッ!」

梓「トゥ、トゥ」

教師「ちーがう! トゥッ! トゥッ!」

梓「つ、つ」


9: 2009/08/11(火) 00:01:15.71 ID:2Zfv//+y0
>>3
2週間くらい前かな?似たような題でスレ立てた
ちょっと続きやってみますた

10: 2009/08/11(火) 00:04:11.87 ID:2Zfv//+y0
放課後のティータイム


唯「秋だねえ~りっちゃん」

律「秋だね~唯~」

唯「秋といえば、読書の秋」

律「秋といえば、運動の秋」

唯「でも…」

律「やっぱり…」

唯律「食欲の秋……」

12: 2009/08/11(火) 00:07:52.43 ID:2Zfv//+y0
唯「というわけで、ムギちゃん! お菓子とお茶を!」

紬「は~い♪ ただいま~♪」

唯「今日はなにかなー?」

澪「お前らなーせっかくこないだの学園祭で盛り上がったっていうのに。
  これからもっと練習して、もっといい演奏できるよう…」

唯「わあ! モンブラン!」

紬「ちょうど昨日いただいたのー」

律「ほほーさすがムギィ。わかってるねー」

澪「あんたたち……」

13: 2009/08/11(火) 00:10:42.99 ID:2Zfv//+y0
澪「はぁー結局いつもどおり、のんびりティータイムか……あ、甘い」

律「澪ー、わたしたち放課後ティータイムなんだからさー。ホントおいしいわコレ」

唯「このモンブランを作ったのは誰だー!」

紬「知り合いの洋菓子屋さんよ」

澪「梓も寝てばっかだし……」

梓「…………Zzz」

14: 2009/08/11(火) 00:13:22.28 ID:2Zfv//+y0
唯「あずにゃん、また眼開けたまま寝てるー」

律「こいつの場合、睡眠の秋だな」

紬「梓ちゃん、いつもお菓子を食べずに帰っちゃうから、今日こそはと思ったんだけど…」

唯「あ、じゃあその分はわたしが…」

律「なーに言ってんだ。私がいただきます」

唯「えー、じゃあ、私もいただきます」

澪「おい、梓、起きろ」

梓「…………む」

17: 2009/08/11(火) 00:15:43.41 ID:2Zfv//+y0
梓「ああ……もう解散ですか」

澪「ちがうよ……今日のお茶菓子だよ。ほら」つモンブラン

梓「……これは……うん○?」

唯澪律紬「わああああーーーっ!!」


19: 2009/08/11(火) 00:18:39.34 ID:2Zfv//+y0
紬「栗を使ったお菓子なの。食べてみて」

梓「…………」

律「あ、フォーク使わず手づかみ……」

梓「パクッ……もっちゃもっちゃ……むにゅむにゅ……ごくん」

唯「…………」

澪「…………」

紬「ど、どう?」

梓「このお菓子……栗を使ってますね」

澪「いや、言ったじゃん」

20: 2009/08/11(火) 00:21:29.53 ID:2Zfv//+y0
梓「けっこーいいですね」ムグムグ

紬「よかったーお口にあって」

唯「あずにゃん、手も口もベタベタだよ」

梓「…………」ペロペロ

律「子供か」

澪「よし。じゃあ、練習を始め……」

さわ子「今日のスイーツなにかいな~」バンッ

澪「…………」

22: 2009/08/11(火) 00:23:42.82 ID:2Zfv//+y0
さわ子「私に構わず、練習始めればいいじゃない」

澪「いや、なんとなく出鼻くじかれたというか……」

律「指スマ……にっ!」

唯「あぁ、負けちゃった~」

紬「じゃあ、次、わたし~」

梓「…………Zzz」

24: 2009/08/11(火) 00:26:04.36 ID:2Zfv//+y0
澪「結局今日はロクに練習せずに解散か」

律「陽が落ちるのが早くなったなー」

唯「それに寒い~」

紬「昼間は暖かかったのに」

さわ子「あら、じゃあ体を熱くすればいいのよ」

27: 2009/08/11(火) 00:28:53.53 ID:2Zfv//+y0
澪「先生と一緒に帰るのってなんだかなぁ」

さわ子「そおりゃっ」モミッ

澪「えっ! ちょ、ちょおっ!」

さわ子「ほぉらーこうすると体の奥の方からポカポカしてくるのよー。
    どーお、澪ちゃん、感じるー?」モミモミ

律「おーおー赤くなってる赤くなってる」

澪「ちょっと! どこさわって!」

28: 2009/08/11(火) 00:30:20.52 ID:2Zfv//+y0
さわ子「う~ん、それにしてもなかなかのモノね~」モミモミ

澪「や~め~ろ~」

紬「ほぅ……」

澪「ホントに……もう……あっ」

31: 2009/08/11(火) 00:33:38.39 ID:2Zfv//+y0
唯「あずにゃん、あずにゃん」

梓「はい?」

唯「へへー」ギュッ

梓「にゃ」

唯「あずにゃん、ちっちゃくて、あったかーい」

梓「……にあー」

紬「…………フヒ」

35: 2009/08/11(火) 00:36:57.49 ID:2Zfv//+y0
女「あれーさわ子ー?」

さわ子「あはははー。ん?」

女「さわ子じゃなーい、ひさしぶりー」

さわ子「あれーぐーぜーん! ひさしぶりじゃなーい」ポイッ

澪「助かった……」

36: 2009/08/11(火) 00:38:45.26 ID:2Zfv//+y0
さわ子「大学の同級生なの」

女「どうもー」



律「大学ってことはさわちゃんが変身した後を知ってる人だな」ヒソヒソ

紬「そういうことになるわね」ヒソヒソ

澪「うう……」ブルブル

37: 2009/08/11(火) 00:41:05.79 ID:2Zfv//+y0
女「教師になったってのは聞いてたけど。ふーん……」ジロジロ

さわ子「な、なーによぅ」

女「さすがに大学の頃とはファッションも違うか」

さわ子「あ、当たり前よぉー」

女「学生のころは穴だらけのジーンズにヨレヨレのネルシャツばっか着てたのにね」

律「ジーンズにシャツだって」ヒソヒソ

紬「今なら着ないわね」ヒソヒソ

さわ子「こら! そこ!」

39: 2009/08/11(火) 00:44:01.89 ID:2Zfv//+y0
律「大学の頃のさわちゃんって、今とは違ってたんですか?」

女「そうよー。タバコもスパスパ吸ってたし。ガラも悪かったし」

律「大学でグレたんだ」ヒソヒソ

紬「まあ自然な成り行きかも」ヒソヒソ

さわ子「別にグレてたんじゃないわよ!」

41: 2009/08/11(火) 00:46:21.53 ID:2Zfv//+y0
女「けど、ある日突然スカートなんかはきだして、メガネもかけだしたし」

さわ子「目は元々悪かったのよ」

女「なんだっけ。確か原因が、あれはおと…」

さわ子「ストオーップ! そこまで!」

律「男関係だ」ヒソヒソ

紬「今とあまり変わらないわね」ヒソヒソ

唯「あずにゃん、やわらかいにゃーん」

梓「……にあ」

42: 2009/08/11(火) 00:49:47.67 ID:2Zfv//+y0
さわ子「ひさしぶりに会ったんだから、ちょっと寄ってかない?」

女「そーねー」

律「逃げるってことはまだ他にもあるんだな」ヒソヒソ

紬「そういうことね」ヒソヒソ

さわ子「あんたたちィ~……蝋人形にしてやろうか」

45: 2009/08/11(火) 00:51:57.20 ID:2Zfv//+y0
さわ子と別れてそれから…


梓「それじゃ、私はここで」

唯「ああ、あずにゃんお別れにゃあ」

梓「また明日ですにゃあ」

律「(けっこうノリはいいんだよな)」

梓「おつかれさーでぇーす」

46: 2009/08/11(火) 00:54:59.71 ID:2Zfv//+y0
澪「梓っ!」

梓「……あずにゃん67号……いや、澪先輩」

澪「ちょっと、時間あるかな?」





唯「にゃあにゃあ」

紬「にゃあにゃあ」

律「仲がよろしいことで。あーあ、りっちゃんは仲間はずれかー」

唯「じゃあ、りっちゃんもくっつこうよう」ギュ

律「唯ネコはヒゲなしのネコかよー。ありえねーよー。ヒゲッ!」

紬「じゃあ、私もヒゲッ!」

律「ムギはなんか、お金持ちのオバサンの膝の上で撫でられてそう」

唯「えー、私だって、ホラァ、ヒゲッ!」

律「唯は飼い猫っぽいな」

紬「飼い主は憂ちゃんね、きっと」

47: 2009/08/11(火) 00:57:09.73 ID:2Zfv//+y0
某スタジオ


澪「ありがとな。練習つきあってくれて」

梓「別にいーですよ」

澪「じゃあ、最初はてきとーに音出そう」

50: 2009/08/11(火) 01:00:42.51 ID:2Zfv//+y0
  ブッブッブーブッブッブッブブッブーン
  
  ジャージャージャジャーンジャジャー

梓「…………ブツブツ」

  キィィィーーーンンギュオオオオオオオオオオオオ
  ギャリギャリギャリギャリジャッ……ピキピキジャカジャジャカジャッ

澪「(また、すごい音だな……)」

梓「むにゃむにゃ……」

  チュイィィーーーーン…ジャージャジャーーンジャー

澪「(今まで気づかなかったけど、ギター弾いてるとき、すごく気持ちよさそう)」

51: 2009/08/11(火) 01:03:39.61 ID:2Zfv//+y0
梓「こうして……こう」
  ブブーンブブーブブーンブブーンブブーブブンー

澪「そっか、なるほど……あのさ、梓はベースもドラムも出来るけど、前組んでたバンドでやってたのか?」

梓「初めてのバンドではドラムでした」

澪「そうなのか」

梓「そのバンドはベースの赤ペンとドラムの羊がウィリアム・テルごっこを始めて解散になりました」

澪「(…………うん、考えたら負けなんだろうな)」

梓「次のバンドではヘルプのベースをやってたんですが、ドラムと私二人だけでした。
  けれどドラムの町田さんは神経衰弱になってどこかへ行ってしまいました」

澪「…………」

53: 2009/08/11(火) 01:06:58.15 ID:2Zfv//+y0
梓「それからしばらくは一人でMTRに曲を録ったりしました。ギターもベースもドラムもできたので。
  まあ、暇つぶしにはなりました」

澪「録音か……じゃあ、ひょっとして自分で曲作ったりもしてたのか?」

梓「そうですね」

澪「へー。今度聴かせてよ」

梓「良くできたやつなら、カセット持ち歩いてますが……たまに聴くので」

澪「おお!!」


  ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
  ブツッ……ブツブツッ……
  カーン……カーン……


澪「……ホラー映画の音楽?」

54: 2009/08/11(火) 01:10:56.06 ID:2Zfv//+y0
ファーストフード店


律「ムギはいつもポテトばっか頼むなー」

紬「えへへ」

律「唯は余裕でセット食ってるな…さっきモンブラン食べたのに」

唯「わひゃひひゃへへもふほらないひゃら~」

律「はいはい、口に物を含んで喋らない」

 シェケナベイベナー♪

唯「わぁ、憂からだあ。もしもし、うーいー?」

憂『お姉ちゃーん、今晩なに食べたい?』

唯「えっとね、最近食べてなかったから生姜焼きなんかいいな~」

律紬「(たった今ハンバーガー食べてるのに…)」

55: 2009/08/11(火) 01:13:04.27 ID:2Zfv//+y0
律「はーぁ、帰ってから食べれるかな~」

紬「ねえ、またいつかみたいに、みんなでバイトしたいね」

律「バイトかー。そうだなー新しい機材なんかも買えるしなー」

唯「今のお店アルバイト募集出てたよ」

律「交通調査は短期間でもらえて手っ取り早かったよな」

唯「次はマグロ漁船とか!」

律「帰ってこれるかな…」

紬「(あー……ご一緒にポテトはいかがですかー)」

58: 2009/08/11(火) 01:16:28.28 ID:2Zfv//+y0
某CDショップ


梓「あ~…つきあわせてしまって……」

澪「私もつきあってもらったから、いいんだよ。
  それで? 欲しいものがあるんだろ?」

梓「はぁ……まぁ……」
  フラフラー

梓「…………」

澪「それ?」

梓「今度……来日するそうです」

The Vaselines-Son Of a Gun
http://www.youtube.com/watch?v=B0qIARknhMg


澪「ん……あ! これ聴いたことある!」

梓「たぶんカバーの方かと」

Nirvana - Son Of A Gun


59: 2009/08/11(火) 01:25:53.72 ID:2Zfv//+y0
梓「…………」フラー

澪「まだあるのか?」

梓「ストゥージズの最初の2枚は持ってるんですが、リマスタリングされたのは聴いてなくて」

澪「いぎーぽっぷ」

Iggy & Stooges - 1969, Down on the Streets
http://www.youtube.com/watch?v=D-j39KyobYI


澪「この人は今いくつなの?」

梓「還暦は越してる?」

澪「うへえっ!?」

62: 2009/08/11(火) 01:34:53.43 ID:2Zfv//+y0
梓「……再結成しないんだろうか」

Pavement - Carrot Rope



澪「いいよなぁ」

SUPERCAR - Lucky


65: 2009/08/11(火) 01:45:19.43 ID:2Zfv//+y0
梓「…………ブツブツ」

澪「ザ・フー……ジョンみたいなベース弾けたらな~」

梓「あ」

澪「んー?」

梓「これ、いいですよ」

Clark - Rainbow Voodoo


67: 2009/08/11(火) 01:52:11.95 ID:2Zfv//+y0
澪「…………うう」

梓「これはいいですよ」

澪「いや、私はこういうのはちょっと……ウップ」

梓「ぶーぅんさいこぉたならー……ブツブツ」

68: 2009/08/11(火) 01:54:10.18 ID:2Zfv//+y0
澪「CDプレイヤーも持ち歩いてるのか」

梓「はい。買ってすぐに聴けますから」

澪「なるほど」

梓「ぶーぅんさいこぉたならーうんふにゃふにゃ」

澪「……気に入ったんだ、さっきの」

梓「…………」

澪「気に入ったんだな!」

梓「え? ああ、はい」

澪「ハァー……」

70: 2009/08/11(火) 01:57:05.84 ID:2Zfv//+y0
澪「……梓」

梓「はい。ボリューム下げたから聞こえてます」

澪「……こないだの学園祭で思ったんだけどさ。やっぱり、梓が軽音部入ってくれてよかったよ」

梓「はぁ」

澪「去年から4人でやってきたけど、初めて5人で人前で演奏して、すごく、よかったんだ」

71: 2009/08/11(火) 02:00:11.11 ID:2Zfv//+y0
澪「5人で円になってリフ弾いてるときにさ、ああーもっとやりたいなー。
  もっと聴いてほしいなーってさ、思って」

梓「はぁ」

澪「次にステージで演奏するのはいつなんだろうって、そしたら、もしかしてまた1年後だったりして。
  とか考えてさ」

梓「はぁ」

澪「もっとみんなで音出してたいし、さっきみたいなスタジオとかでもさ。
  もっと人前でもやってみたいなーって……」

梓「はぁ、ライブですか」

澪「そ、そうだなっ」

梓「そーゆーことは私より律先輩とかに言ったほうが」

澪「ん? んーそうなんだけどさ。ちょっと、梓に話してみたくなったんだ」

梓「そうですか」

72: 2009/08/11(火) 02:03:08.46 ID:2Zfv//+y0
梓「澪先輩は私が嫌いなんだと思ってました」

澪「なんで!?」

梓「前にバンドを組んでた人に澪先輩みたいな人がいました。
  解散になったときに『お前の態度が気に入らない』と言われました」

澪「…………」

梓「なので澪先輩も私が気に入らないんではないかと思ってました」

澪「…嫌いだったら一緒に練習したり、買い物したりしないよ」

梓「そうなんですか?」

澪「んーまーでもそうだなー。確かに梓ちょっとKYっぽいとこあるよなー」

梓「KY? バンドの略ですか?」

澪「あはは、ち……うん、そう、バンドの略ー。えーと、キリング・ユースの略ー」

梓「聞いたことないです。すごくアングラっぽいですね。
  キリング・ジョークとソニック・ユースからとったんでしょうか」

澪「ヘビメタで歯ギターをやるギタリストがいて、未開の部族みたいな仮面とかしててさ」

梓「それはよさそうですね」

82: 2009/08/11(火) 02:48:53.93 ID:2Zfv//+y0
よくじつ!



律「1,2,3,4!」


 ジャカジャッジャージャージャジャー!


唯「鏡に映るわたしたちーな! んて! かっこいい…」

 バンッ!!
さわ子「ハァー……ハァー……」

 
 ギューーン……ッタンッ


唯「さわちゃん先生」

律「なんか顔色悪いぞ」

さわ子「…お~ちゃぁ~」

84: 2009/08/11(火) 02:51:25.56 ID:2Zfv//+y0
さわ子「……ゥハアァーー」

紬「だいぶ疲れてるみたい」

さわ子「大丈夫……なんでもないの」

澪「でもそうは見えないけど」



梓「…………ブツブツ」カチャカチャ

85: 2009/08/11(火) 02:56:34.81 ID:2Zfv//+y0
  キュイイイーーーーンゴオオオオオオオオオオオ!!

唯「うわあ」

澪「梓、ちょっと音出さないで」

梓「……ぶーどぅさいこぉたならー……むにゃむにゃ」

  ジョワジョワジョワジョワジョワワワワワ~~

さわ子「あ…………」

澪「梓! もうまったくー」

87: 2009/08/11(火) 03:00:08.39 ID:2Zfv//+y0
さわ子「…………」プルプル

澪「こおらっ!」

梓「あ、はい」

澪「今、先生が体調悪そうだから大きい音は」

さわ子「……キエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」


 「!?」

88: 2009/08/11(火) 03:03:05.46 ID:2Zfv//+y0
さわ子「フゥーッ……フゥーッ……」ガシッ

梓「あの……私のムスタング」

澪「せ、先生?」

律「さわちゃん?」

さわ子「ム、ムムムムスタング……」

89: 2009/08/11(火) 03:07:51.34 ID:2Zfv//+y0
さわ子「わ、私に近づくなァーーッ!!」ダダッ

澪「箒をつかんだ!?」ガシッ!

紬「そのまま床に叩きつけた!?」ぱしーん

律「掃除用具入れのロッカーに突っ込んだ!?」ガッシャーンッ!

唯「音楽室のホーキだよう」

さわ子「あああの女ああぁぁ! 一足先に嫁に行ったからっていい気になりやがってうがあああ!!」

91: 2009/08/11(火) 03:11:28.04 ID:2Zfv//+y0
さわ子「フゥーッ……フゥーッ……」ブッ…ィィイイイインン…

律「フライングV……」

さわ子「ああああああああああああああああああああ!!」
    ギュワワワワッワワワワッワワジョオオオアアアアアアアア!!

紬「きゃあ」

唯「あずにゃんのギターよりうるさいよ~」

梓「……いいセンスだ」

92: 2009/08/11(火) 03:14:46.11 ID:2Zfv//+y0
さわ子「ああっ」バタリ

唯「さわちゃん先生ー」

さわ子「またやってしまった……先生の時は」

律「おしとやかキャラってもう無理だろ」

さわ子「あの女の出現で蘇る記憶。私の知られてはならないもう一つの秘密。
    そう、あれは5年前のこと」

律「おーい、なんか語りに入っちゃてるぞー」

さわ子「あの人にフラれて、そのままヘビメタからも遠ざかっていた……」

93: 2009/08/11(火) 03:17:03.67 ID:2Zfv//+y0
さわ子「大学でも音楽サークルに入って、新しくジャガーを買った……始めたジャンルはグランジ・オルタナ……
    バンド名はクラッシュド・キャロッツ……病んでるけどポップなカンジをねらったの……」


さわ子『私に触れてみろ! 私は病気だ!!』

   『ウオーー! 出たーギター破壊!!』『ドラムに突っ込んだーー!!』



女『さわ子ー毎回ギター壊すけど大丈夫ー?』
さわ子『気分爽快。アンコールの言い訳にもなるしね』



さわ子「病んだ自分に酔いまくっていたある時……あいつに出会った……」

95: 2009/08/11(火) 03:19:29.36 ID:2Zfv//+y0
女『友達にDJやってる奴いるっていったでしょー。こいつ』
DJ男『どうもはじめまして』
さわ子『…………あっ、じょーも』





さわ子「ひとめぼれだった……年上だった……」

96: 2009/08/11(火) 03:21:52.99 ID:2Zfv//+y0
さわ子『早弾きとかする人って何考えてんだろうねー』

DJ男『うん』

さわ子『仮面とか被る人いるけど、あんなの最低だよー』

DJ男『そうだねー』

さわ子『やっぱり自分をさらけ出してる音楽がいちばんだよー』

DJ男『さわ子ちゃんの音楽はいつも全力で、そこがいいと思うよ』



さわ子「優しくて、余裕があって、隣で座ってるだけで幸せだった……はずなのに」

97: 2009/08/11(火) 03:24:13.44 ID:2Zfv//+y0
さわ子『(香水の匂い!?)』

さわ子『(女物の紙袋!?)』

さわ子『(また別の香水の匂い!?)』



さわ子「彼はモテた……私は……告白を決意した……」

98: 2009/08/11(火) 03:27:35.72 ID:2Zfv//+y0
さわ子『……すき……だから』

DJ男『……ごめんね』

さわ子『……ここ、さわって?』スッ

DJ男『ちょ、さわ子ちゃん!』ふよん

さわ子『わたしのここ……ブンブンいってるの、カンジる?』

DJ男『さわ子ちゃん……俺結婚してるんだ』

さわ子『(結婚けっこんって何奥さんいるのなぜなんでどうして私じゃだめなのいやそれでも)』

DJ男『子供もいるんだ』



さわ子『(                        )』

99: 2009/08/11(火) 03:30:01.75 ID:2Zfv//+y0
さわ子『にょーーーーーーーー!!』ドンッ

DJ男『わっ!』

さわ子『妻子持ちだぁあ~!? 思わせぶるんじゃねーよ!!
    期待させるんじゃねーよ!! モテてんじゃねーよ!!
    黒い皿回してかっこいいとでも思ってんのかテメー!!
    女の話をなんでも肯定すんじゃねーよテメー!!
    今私の胸2回も揉んでんじゃねーよテメー!!』

DJ男『そ、それはさわ子ちゃんが…』

さわ子『氏いいいいいいいいいいいいねええええええええェェーーーーーーーーーーーー!!!』


さわ子『うわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』


さわ子「私は走って……その足でジャガーを売った……
    ネルシャツを捨て、ジーンズを破り、コンバースを潰した……
    大学を卒業して、私はキャラチェンジを始めた……」

100: 2009/08/11(火) 03:32:26.68 ID:2Zfv//+y0
さわ子「それで昨日聞いたらあの女、あのヤローと結婚しやがって!
    なあにが『ずっと友達付き合い長かったしー』だ!
    なあにが『奥さんと別れた後、彼寂しそうでなんかかわいく思えてー』だ!
    『ごめんねぇ、お先に失礼~♪』
    むきゃあああああああああ!!」

フライングV「キィィイイイイイイジョアアアアアアア!!」

101: 2009/08/11(火) 03:35:10.03 ID:2Zfv//+y0
さわ子「……ふふ、バカみたいでしょ。こんな女…」

律「うひゃあ、これが梓の曲か~」

唯「次わたしに聴かせてー」

紬「私もー」

澪「いやあ、すごいぞ……」


さわ子「聞いて…ない?」

102: 2009/08/11(火) 03:38:29.38 ID:2Zfv//+y0
さわ子「いいよーどーせ行き遅れだよー給料の使い道は自分への投資だよーわーい」


澪「あのさ、みんなに話があるんだけど」

律「なにさー」

唯「なになにー」

澪「あの…これからは、休みの日とかも、遊ぶだけじゃなくて、スタジオで練習したり……
  あと、ライブももっとやりたいと思うんだけど……」

律「いいんじゃない?」

澪「え、そう?」

103: 2009/08/11(火) 03:41:18.78 ID:2Zfv//+y0
唯「ライブかーとうとう武道館を借りるんだねー」

律「いや、いきなり武道館はないだろ」

紬「対バンっていうのがあるんでしょう?」

唯「タイバン? なんか速そうだねー」

律「何を想像してるか知らないけど…バンドがたくさん出るんだよ。バンド対決」

唯「おお! オレノダチニナニスンジャーイ! ボケー!」

律「それはタイマン」

紬「がーきだーいしょー♪」


澪「……よかった」

梓「何がですか?」

澪「私一人が突っ走ってるんじゃなくて」

104: 2009/08/11(火) 03:43:44.11 ID:2Zfv//+y0
某ファーストフード店


律「地元のバンドが集まってくるんだろうから、ジェフ・ベックは来ないぞ」

唯「えーじゃージミヘンはー?」

澪「もう氏んでるから」

唯「せっかくサインもらおうと思ったのに……あ、そうだ! ライブで逆立ちを披露するってどうかなー」

紬「お菓子を配るとか!」

澪「もはやバンドじゃないな……」

梓「ちゅーーーーーずこここーーっ」

105: 2009/08/11(火) 03:48:42.71 ID:2Zfv//+y0
律「おーい、ムギーおいてくぞー」

紬「あ、うん! 待って! メモメモ……」

唯「今日はウチ、ホイコーローなんだー」

澪「唯、さっきセット食べたばっかじゃん……」

唯「憂がねー今日は中華な気分だってねー」

梓「じゃすらいくはに~……」

106: 2009/08/11(火) 03:52:57.99 ID:2Zfv//+y0
憂「おねーちゃーん! 出来たよー」

唯「うんー、えーと、ミュート? 何?」チャカチャカ



唯「今日ね、ライブをやろうって話になってねー」

憂「へーまた学校でやるの?」

唯「ううん。ライブハウスってとこでやろうってさー」

憂「ライブハウス? じゃあ、お客さんが来るんだねー」

唯「武道館でやるにはまだまだなんだって。いつやれるのかなー」

憂「武道館でやるにはもっともっとたくさんに人にお姉ちゃん達を知ってもらわなきゃ」

唯「でもね、地元のライブだとジェフさん来ないんだってー」

憂「……ジェフさん?」

108: 2009/08/11(火) 03:57:21.33 ID:2Zfv//+y0
澪「今日は言ってよかった……もっとグダグダになるかと思ったけど」

澪「よーし! 今日は歌詞書くぞー!」

澪「…………」

澪「…………」

澪「LazyとCrazyが続いたらちょっとかっこいいかも……」

110: 2009/08/11(火) 04:00:19.40 ID:2Zfv//+y0
律「しっかし、澪がねー自分からあんなこと言うとは。恥ずかしがりのくせに」

律「でも、りっちゃん、なんだか寂しい! なぜ!?」

律「…………」

律「…………」

律「…………あー、教本……どこだっけ」

112: 2009/08/11(火) 04:03:47.83 ID:2Zfv//+y0
紬「(ただの電話ただの電話別に緊張することじゃない)」

紬「…………」

紬「…………」

紬「なんで最後のヒトケタが押せないの!」

115: 2009/08/11(火) 04:09:42.16 ID:2Zfv//+y0
梓「…………ブツブツ」
  ギャーーンジャカジャカジャカジャカ

梓「…………トゥ、トゥ」
  キィーーーンギュワワワワワワワワワワ

梓「…………にあーん」
  ギュワーーーーーンギュワーーーーーーンギュワーーーーーーン

梓「…………Zzz」
  ズオオオオオオゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

116: 2009/08/11(火) 04:11:55.04 ID:2Zfv//+y0
さわ子「ダメだ、この新しい味は失敗ね」ばぁりぼぉり

さわ子「プハーーッ! でもビールはうまい!」キュッ

さわ子「あっはっはっはっ! 最近の若手は笑えるー」ゲラゲラ

さわ子「…………」

さわ子「…………あ、まずい、考え出しちゃう」

さわ子「…………私、ひとりで何やってんだろ……」

さわ子「…………あ、メール」

さわ子「…………合コン、だと」

117: 2009/08/11(火) 04:15:03.38 ID:2Zfv//+y0
よくじつ!!


律「梓は前に組んでたバンドでライブやったりしてたのか?」

梓「やったりしました」

澪「どうだった?」

梓「疲れます」

律「いや、もっと、参考になるようなことないの?」

梓「ペットボトルが飛んでくるので、キャップを被ります」

澪「え……」

119: 2009/08/11(火) 04:18:24.50 ID:2Zfv//+y0
律「じゃあ、今日はちょっとスタジオ行ってみるか」

唯「すたじお!」

紬「……あの」

唯「あずにゃん、ミュートって何?」

梓「ジャッジャッジャッってなるヤツです」

紬「あの!」

澪「うん?」

律「どしたー? ムギー」

紬「あの……今日は、私、これで」

121: 2009/08/11(火) 04:20:41.66 ID:2Zfv//+y0
唯「なんか用事ー?」

紬「うん……その、ごめんね!」

唯「ああ……行っちゃった」

律「……どうする?」

澪「うーん、仕方ないな」

唯「ムギちゃん、デートかなー」

澪律「デート!?」

123: 2009/08/11(火) 04:25:07.41 ID:2Zfv//+y0
澪「ムギ、彼氏いたのか?」

唯「いや、知らないよ?」

律「うーん、でもあのルックスならなー」

唯「そうだよねー、ムギちゃんモテそうだもんねー」

梓「(……ムギ先輩はフルネームなんていったっけ?)」

澪「しょうがない、今日は解散しよう」

125: 2009/08/11(火) 04:27:35.34 ID:2Zfv//+y0
律「そういえば、梓ンチってどんな感じなの?」

澪「突然だな」

梓「あー……ふつうです」

律「そりゃ、変ですって答えるとも思ってないけど。
  ギターとか自分の部屋で練習すんの?」

梓「練習は……外のガレージを改造して、そこで」

唯「ガレージ?」

梓「それなりに広さもあるし、音も響くし、まあ好きにできるし」

澪「へー、なんかカッコいいな」

律「じゃあさっ! 今から行ってみようよ!」

梓「えー……」

126: 2009/08/11(火) 04:31:53.49 ID:2Zfv//+y0
中野家のガレージ


律「うわー、車4台は余裕だな」

唯「でも、ちょっと寒いね」

律「お、アンプも揃ってる。ドラムもあるぞ。セット小さいけど」

澪「いつもここで練習してるわけだ」

梓「とゆーか……テレビとご飯とお風呂以外はここにいますね」

律「壁にポスター貼ってある。ルー・リード……梓にもこういうとこあったのか」

澪「マイクだ。ここで録音したのか」

梓「はい」

澪「なんかウィーザーの歌みたいだな」

唯「いんざーがーじ♪ あーふぃーせー♪」

律「no one hears me sing a song(僕が歌うのを聴くひとは誰もいない)♪」

129: 2009/08/11(火) 04:36:05.15 ID:2Zfv//+y0
律「せっかくだしさ、ちょっと合わせてみようよ」

梓「はぁ……」

唯「なんか不思議な気分だな~」

澪「おお、なんか良さそうなアンプ」





唯「君を見てるといつもハートドキドキ!」
  ジャカジャジャカジャーージャジャジャー
  ブンブンブンブブーーンブンブン
  ブッパンッブッパンッブッパンッブッパンッ
  ギャリリリッギャリリリッ

130: 2009/08/11(火) 04:41:21.09 ID:2Zfv//+y0
よくじつ!!!


紬「へーそうだったのー」

唯「うん。今度ムギちゃんも一緒に行こうよ」

紬「梓ちゃん、いいかしら?」

梓「別にいーですよ(この人は琴吹麦先輩。覚えてる覚えてる)」

律「で、ムギさー、昨日はどうだったんだ?」

紬「え!? な、何が?」

132: 2009/08/11(火) 04:44:50.89 ID:2Zfv//+y0
律「とぼけるなよ~、ん? どこまで進んでるのかな~?」

澪「なんかヒワイだぞ、律」

紬「えっと、そのう、たいしたことではなくて」

律「ほほ~ん? 顔赤くしちゃって~、ほれ、言ってラクになっちゃえ」

唯「まあ、ムギちゃんだから、なんとなくわかるけどねー」

紬「そ、そうかな? うーん……でも、ごめんね。まだ秘密。
  ただ、ちょっと悩んでて……他の選択肢もあるのよね」

澪「他の!」

律「選択肢!」

紬「どうしても、今のは最後の一押しが出来なくて……」

律「へ、へー! ムギってば、けっこう積極的だなー」

澪「な、なんとなくムギはむこうから声が来そうだけどなー!」

紬「ううん。来るはずないわ。こういうことは自分から行かなきゃ!」

澪律「おおお……」

133: 2009/08/11(火) 04:47:33.49 ID:2Zfv//+y0
さわ子「その通りよ、ムギちゃん!」バンッ!

唯「さわちゃん先生」

律「お、復活した」

さわ子「チャンスとは、自らの手で掴むもの……前進あるのみなのよ!」

紬「は、はい!」

さわ子「目の前は選り取り見取りでも……コレ、と決めたら……
    押して! 押して! 押しまくるのよ!!」

紬「はい! 先生!」

134: 2009/08/11(火) 04:50:13.49 ID:2Zfv//+y0
唯「なんかいつもより綺麗な服だね」

律「それに化粧も濃いな」

さわ子「今日はこれから……合コンなのよ!」

澪「合コン……」

さわ子「私は、女子高で音楽教師をしていて、吹奏楽部と軽音部の両顧問を担当。
    多忙な毎日、今日は久々に気が抜けるわー、あ、すいません、ちょっと気を緩めすぎてしまったようで…
    ちょっと、どこかで休みたい気分……
    こんなカンジでいきます」



律「多分、ダメだな」

澪「そんな気がする」

135: 2009/08/11(火) 04:53:44.16 ID:2Zfv//+y0
澪「さて今日はこの後…」

律「昨日ムギがいなかったし、また梓ンチ行くのは?」

唯「あずにゃんのガレージ!」

紬「行ってみたいな」

梓「はぁ……」

律「練習も出来るし……梓はどう?」

梓「構いませんけど……」

律「よーし、決まり~」

137: 2009/08/11(火) 05:20:43.48 ID:2Zfv//+y0
中野家のガレージ


紬「わぁ~すごーい」

澪「なんか悪いな、続けて」

梓「いえ、別に」

紬「空気がひんやりしてる」

唯「ソファーもあるんだよ~」

梓「それはベッドです」

律「じゃあ、今日は5人いるし、合わせてみよう」



唯「きらきら光るー願いごともーぐちゃぐちゃへたる悩みーごともー」
  ジャージャジャージャーン
  ブッブッブッブーーン
  ブッパンッブッパンッブッパンッブッパンッ
  ヒュワワワワワワワワワワ
  ポロロロン ポロロロン

138: 2009/08/11(火) 05:24:44.12 ID:2Zfv//+y0
>>127
今日がサンデーモーニングじゃないのが残念

昨日の夜幕張にいるときも地震あったけど
日本大丈夫なんだろうか・・・

143: 2009/08/11(火) 06:00:10.71 ID:2Zfv//+y0
秋の終わり
雪の降る日


唯「しゃ~む~い~」

憂「お姉ちゃん、ほら、ちゃんとマフラー巻いて」

唯「ううぅ、うーいー、寒い~」ブルルッ

憂「急に雪降ってきたもんねー」

唯「そうだ、こうしてマフラーを……」まきまき

憂「わあ」

唯「こうして二人ぐるぐる巻きにすればちょっと暖かいよ」

憂「お姉ちゃん、あったか~い」

144: 2009/08/11(火) 06:06:27.13 ID:2Zfv//+y0
音楽室


唯「ううっ! みんなー今日は寒いねー」

澪「そうだなー」

律「慌ててマフラー出したよ」

紬「もう冬なのねー」

唯「あずにゃん、まだ来てないね」

律「学年違うし、時間割も違うし、クラスの付き合いもあるだろ」

唯「ムギちゃん、あったか~いお茶ある?」

紬「うん。でも、梓ちゃんが来てからね」

145: 2009/08/11(火) 06:13:19.34 ID:2Zfv//+y0
澪「…………」

律「…………」

紬「…………」

唯「…………手袋のままじゃ、弾けないかぁ」

146: 2009/08/11(火) 06:18:51.04 ID:2Zfv//+y0
澪「メールは?」

律「送ったけど、返信来ない……」

紬「お茶も冷えちゃった……」

唯「はうっ! 手袋の糸が弦に絡まった!」

147: 2009/08/11(火) 06:23:44.96 ID:2Zfv//+y0
紬「あのう……今日は私、用事あるからもう帰るね」

律「そうなのか?」

紬「うん。ごめんなさい。梓ちゃん来たらよろしくね。それじゃ、お先に……」

澪「…………」

唯「用事ってなんだろう?」

148: 2009/08/11(火) 06:28:09.25 ID:2Zfv//+y0
律「仕方ない、今日はかいさーん」

澪「律ー、ちょっとCD買いに行かない?」

律「ああ、ごめん。私も今日はちょっと家で用事が…」

澪「そうなのか。唯は?」

唯「いいよー。付き合うよー」

律「そんじゃなー」

149: 2009/08/11(火) 06:34:21.47 ID:2Zfv//+y0
澪「どうしたんだろうな、梓」

唯「家で寝てたりしてね。授業中も、あずにゃんずっと寝てるって憂が言ってたよ」

澪「納得してしまうのが痛いな……」

唯「今日は澪ちゃん、何買うの?」

澪「んー、前に梓に教えてもらったのを……唯は最近好きなバンドとかあるのか?」

唯「J・マスシス! Jで始まるギタリストが好きなんだ~」

澪「ああ、多いもんなーJで始まるヤツ」

唯「ベビーワァイドンウイー♪」

150: 2009/08/11(火) 06:44:13.00 ID:2Zfv//+y0
澪「あったあった。何気に最後の一枚だったぞ」

唯「澪ちゃん、これ知ってる? 私好きなんだー」

Teenage Fanclub "The Concept"
http://www.youtube.com/watch?v=PAMqJP4VvdE


澪「ああ、いいよなーこれ。いい曲だ」

151: 2009/08/11(火) 06:50:44.86 ID:2Zfv//+y0
唯「あ、これあずにゃんちにあったヤツだ。聴いたことないや~」

Rovo - Condor


唯「…………ほへ~」


澪「スピッツは初期が好きだなー」

スピッツ 名前をつけてやる


153: 2009/08/11(火) 07:00:29.78 ID:2Zfv//+y0
澪「唯はさぁー」

澪「なーにー?」

澪「将来プロになりたいとか考たりする?」

唯「澪ちゃん、なりたいの?」

澪「いや、ただ聞いてみただけで、私は別に……」

唯「私もなんにも考えてないや。いいんじゃない、それでさー」

澪「そっかー」

154: 2009/08/11(火) 07:05:51.04 ID:2Zfv//+y0
某ファーストフード店


先輩「いい? 失敗してもきびきび次の行動をすること。
   あなたがオロオロしたからって、お客さん待たせられないのよ」

紬「はい……」

先輩「じゃ、休憩入って」

紬「はい……失礼します……」

155: 2009/08/11(火) 07:12:52.80 ID:2Zfv//+y0
紬「(バイト始めてちょっと経ったけど、まだ失敗も多い)」

紬「(また先輩に怒られちゃったし、きっと私のこと嫌いだろうな……)」

紬「(皆にはまだ言えない……恥ずかしいとこ見せたくない……)」

紬「(なんでバイト始めちゃったんだろ……)」

紬「(…………)」

紬「ダメダメ! 悪いふうに考えちゃ! もっと仕事ができるように考えなきゃ!」

紬「うん! 休憩終わり!」

157: 2009/08/11(火) 07:17:04.53 ID:2Zfv//+y0
よくじつ!



唯「あずにゃん、今日も来ないね……」

律「さすがに心配だな」

唯「憂もメール返ってこないって」

紬「どうしたのかな……」

澪「ちょっと、梓ンチ行ってみるか」

158: 2009/08/11(火) 07:19:40.92 ID:2Zfv//+y0
紬「ごめんなさい、今日もこの後、ちょっと用があるの……」

唯「今日、親が久しぶりに帰って来て、出かけるんだ」

律「そっかー。じゃ、二人で行ってくるよ」

澪「…………」



律「なーんか、最近集まり悪いなー」

澪「そうだな……」

律「今日も寒いなー。このヤロッ」

澪「そうだなー」

澪「(卒業したら、こういう風にあんまり皆とも会えなくて、バンドも解散したりして……)」

159: 2009/08/11(火) 07:42:52.65 ID:2Zfv//+y0
中野家


澪「チャイムは鳴らしたけど」

律「へんじがない。ただのあきやのようだ」

澪「そんなわけあるか。どっかに出かけいて、それでいないのかな?」

律「うーん……あ! ガレージは? よくいるって言ってたじゃん」

澪「あ、そっか」

160: 2009/08/11(火) 07:45:20.30 ID:2Zfv//+y0
ガレージ


律「おーい、梓ー、いるー?」ノックノック

澪「……反応がない。ただの……」

律「…………」ジッ

澪「な、なんだよっ」

律「いやーなんでもないですよー」

澪「くそう」

律「お、開いてる。無用心だな。おーい、梓ー? 入っちゃうよー」

162: 2009/08/11(火) 07:49:29.74 ID:2Zfv//+y0
澪「電気ついてる」

律「寝てるぞあいつ。なんだやっぱいるんじゃ~ん」

澪「おい、学校サボってずっと寝てたのか?」

梓「…………」

澪「メールも返さないし、心配させるなよ」

梓「…………はぁー……ぅー」

律「いつにもましてボンヤリしてるな」

梓「…………」

澪「なんか変だな……うわっ! 顔熱い!」

律「風邪か!?」

163: 2009/08/11(火) 07:53:04.54 ID:2Zfv//+y0
梓「……か……ぜ?」

律「これ、けっこう高いんじゃない?」

梓「……昨日からなんだか……ボーッとしてて……さっきから体が重いんです……」

律「上に半袖シャツ一枚しか着てないじゃん!」

梓「さむい……」ぎゅ

澪「お…………」

164: 2009/08/11(火) 07:55:48.66 ID:2Zfv//+y0
律「こんな寒いとこいたら当たり前だよ、もう」

梓「ふにゃ……」

澪「家の人達はいないのか?」

梓「……今日は……出かけてます……」

澪「病院連れてった方がいいよな」

律「そうだな。起きれそう?」

梓「……どこかに、行くんですか?」

律「うん、病院」

梓「あの……もうすぐ、テレ東の夕方アニメが始まるんで……1時間待ってください」

澪律「バカか!!」

166: 2009/08/11(火) 08:00:34.68 ID:2Zfv//+y0
某ファーストフード店


紬「ありがとうございました!」

先輩「そうそう。今みたいに他の人と協力してスムーズにね」

紬「はい」

先輩「それじゃ、お先に上がりまーす。お疲れさまー」

紬「お疲れ様でした!」

167: 2009/08/11(火) 08:07:11.18 ID:2Zfv//+y0
紬「いらっしゃいませ」

おばあさん「ええとね、コーヒーひとつちょうだい」

紬「はい、かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」

おばあさん「ええとね……」

紬「ただいまポテトが100円になっておりますが、こちらはいかがですか?」

おばあさん「ああ、お芋ね。じゃ、それひとつちょうだい」

紬「はい、ありがとうございます!
  お持ちいたしますので、お掛けになってお待ちください」

168: 2009/08/11(火) 08:11:44.15 ID:2Zfv//+y0
紬「お待たせいたしました。コーヒーとポテトになります」

おばあさん「はい、お姉ちゃん、ありがとう」

紬「(あっ……)」

紬「は、はい! ありがとうございます! ごゆっくりどうぞ」

紬「(うれしいな……)」

おばあさん「お姉ちゃん、かわいいねえ」

紬「えっ///」

171: 2009/08/11(火) 08:14:37.13 ID:2Zfv//+y0
病院


医師「たいしたことないです。一応、点滴打っていきましょう」

梓「あ~…………」

澪「よかった」

律「これからなんかあったら、誰かにメールなり電話なり、教えること!」

梓「はぁ……」

172: 2009/08/11(火) 08:24:00.46 ID:2Zfv//+y0
看護師「はぁ~い、腕出してくださ~い」

梓「え、なんですか?」

看護師「点滴ですから~動かないでね~下手に刺さっちゃうから~」

梓「え、な、なに、なんですか、点滴って、ちょっと、え、注射?」

看護師「注射じゃないですよ~点滴ですから~」

梓「え、だ、だって、針じゃないですか、注射じゃないですかそれ」

看護師「点滴ですから~動かないでね~」

澪「大丈夫だよ~」ガシッ!

律「痛くないからね~」ガシッ!

梓「ちょ、先輩、なにを、え、は、はり、はりりりりりりりりりりり」

看護師「ちょっとチクッとするけど、ガマンしてね~」

梓「ちゅうしゃははしかのよぼうせっしゅいらいしないってちかいを…………アッ」

174: 2009/08/11(火) 08:28:04.53 ID:2Zfv//+y0
梓「私がブライアン・ジョーンズみたいに氏んだら先輩たちのせいです。
  クラブの新しい一員と墓碑に刻んでおいてください」

澪「大げさだなー」

律「梓ってば注射が怖かったのかよー」

梓「あんな怖くて痛いものを刺すなんて人間の所業とは思えません。
  スズメバチかボビー・ギレスピーくらいのものです」

律「でも、もう平気そうじゃん、腕に針刺さってるのに」

梓「これは注射じゃなくて点滴っていうんですよ。知らないんですか?」

175: 2009/08/11(火) 08:30:55.21 ID:2Zfv//+y0
澪「でも、もう平気そうだな」

梓「点滴ですから」

澪「そうじゃなくて。体だよ。梓って普段、弱ってるとこ想像つかないっていうか……
  だから、ちょっと珍しかったな」

律「これからは、ガレージにいるときも暖かくしなよ」

梓「はぁ……」

176: 2009/08/11(火) 08:33:29.57 ID:2Zfv//+y0
律「ちょっと、トイレ行ってくるね」

澪「うん」

梓「…………」

澪「…………」

梓「…………ねむ」

澪「これからは、困ったことあったら、私達に言ってね。メンバーなんだから」

178: 2009/08/11(火) 08:36:21.47 ID:2Zfv//+y0
梓「はぁ」

澪「梓の親も来てくれたし、律が来たら、そろそろ帰るね」

梓「そうですか」

澪「うん…………」

梓「…………」

澪「…………」

179: 2009/08/11(火) 08:39:39.44 ID:2Zfv//+y0
澪「梓はやっぱり、プロを目指してるわけでは…」

梓「というか、働きたくないです」

澪「そうか……でも、これから、もっと大人になってからも、ギターは弾く?」

梓「はぁ……別にギターなんて、弾きたくなったら弾けばいいだけですから」

澪「そっか……なんか、かっこいいな、梓は」

梓「……澪先輩は、きれいな髪ですね」

澪「あ、ありがと」

梓「……ふぅん」

澪「ちょ、ちょっと、髪の毛引っ張らないで、痛いし、顔がぶつかる……むぐっ!?」

梓「…………」

187: 2009/08/11(火) 09:20:17.74 ID:2Zfv//+y0
梓「…………んっ」

澪「ぷはぁっ!」

梓「む……」

澪「あっ、あっ、梓っ!?」

梓「憂が口移しで風邪が治るって前に……」

澪「ばっ、ばっ、ばかっ! そっ、そっ、そんなわけ、あるか!」

梓「じゃあ、私は騙されたんでしょうか?」

澪「しっ、しっ、知るかっ!!」

188: 2009/08/11(火) 09:22:52.51 ID:2Zfv//+y0
音楽室


梓「ムギ先輩、お茶が飲みたくなりました」

紬「は~い♪」

梓「唯先輩、唯先輩に触りたくなりました」

唯「うん! じゃあ、あずにゃん、さわりっこしよ~」ベタベタ

律「なんか前よりは自己主張するようになったね」

澪「うん……まぁ、いいんじゃない」

律「澪、なんか顔赤いねぇ。風邪?」

澪「えっ! う、うん、ちょっとだるくてさ」

192: 2009/08/11(火) 09:25:01.96 ID:2Zfv//+y0
唯「澪ちゃーん、風邪は口移しで治るって聞いたことあるよ~」

澪「ええっ!?」

紬「そうねー、梓ちゃんも良くなったし、梓ちゃんが一番ご利益がありそうねえ」

梓「…………にゃ」

澪「え、遠慮しとくっ!」

193: 2009/08/11(火) 09:31:40.01 ID:2Zfv//+y0
律「さーて、この後もまた、どっかでダラダラするか」

唯「生ダラ~」

澪「お前らな……」

律「ほんじゃ、今日はポテトでもつまみに行くか」

紬「ごめんなさい。私、一緒に行けないの」

唯「ええ~また~?」

紬「ごめんね。またね!」

澪「……心なしか、楽しそうだな、ムギ」

律「やっぱり、彼氏か」

194: 2009/08/11(火) 09:37:02.73 ID:2Zfv//+y0
某ファーストフード店


紬「いらっしゃいませ」

律「おお!!」

唯「ムギちゃん!」

紬「うふ。ご注文は?」

澪「なるほどね」

紬「ごめんなさい、だから一緒には行けなかったの。
  でも、今日はちょっとだけだから」

律「待ってるよ」

紬「ありがとう」

唯「ムギちゃん、セットください。あ、あと、スマイル!」

紬「は~い♪」

197: 2009/08/11(火) 09:42:40.25 ID:2Zfv//+y0
澪「しっかりやってるな、ムギ」

律「でも、なんで教えてくれなかったんだ? 軽音部なのにさぁ」

澪「きっと、タイミングを見てたんだよ。いいとこ以外見せたくないってさ」

律「ふ~ん、そんなもんかぁ」

澪「そうだよ」

198: 2009/08/11(火) 09:48:05.57 ID:2Zfv//+y0
唯「そういえばさ、澪ちゃん、前にあずにゃんに教えてもらったCDって何?」

澪「んー? えーと、なんか長い名前で……
  ジーザス・アンド・メリーチェインの『サイコ・キャンディ』」

唯「へー、どんなのどんなの?」

澪「なんか……梓だなってカンジだよ。うるさくて、ぼんやりしてて」

唯「へぇ~」

律「ムギもそうだけど、よくわかってるなぁ、澪はぁ」

澪「なんか含みのある言い方だなぁ」

梓「…………アハハ~ン♪」

199: 2009/08/11(火) 09:52:21.60 ID:2Zfv//+y0
紬「お待たせ~」

律「お、来たなー」

唯「もちろん、聞かなきゃね~」

律「いつからだよ~」

紬「えっとね~…」


澪「…………」

梓「うるさくて、ぼんやりしてますか?」

澪「うん……してる」

200: 2009/08/11(火) 09:59:15.27 ID:2Zfv//+y0
中野家のガレージ


律「なんか溜まり場になりそうだな~」

唯「でも、ガレージバンドみたいでかっこいいよ!」

紬「それじゃ、カバー曲をいっぱい練習しなきゃ」

唯「せぶんねしょあ~み~♪」

澪「その曲だと、唯と律だけになっちゃうぞ」

唯「え!? そうなの?」

律「あれ二人組だもんなー」

203: 2009/08/11(火) 10:04:22.78 ID:2Zfv//+y0
澪「くしゅっ!」

紬「大丈夫?」

澪「うん。そんなにひどくない」

梓「あ~……毛布あります」つ毛布

澪「あ、ありがと…」

律「お、えらいえらい。あれからはここにいる時は暖かくしてる?」

梓「最近はずっと毛布かぶってます」

澪「(……これ、梓くさい)」

206: 2009/08/11(火) 10:13:13.54 ID:2Zfv//+y0
唯「そうだ、あずにゃん、サイコキャンデーってある?」

律「なんかのクスリみたいだな」

梓「えーと……」ゴソゴソ

紬「なーに?」

唯「あずにゃんのオススメなんだって」

梓「ありました」

唯「かけてかけてー」

梓「…………」ゴソゴソ

Just Like Honey JESUS AND MARY CHAIN
http://www.youtube.com/watch?v=AKN3QodIRW8

207: 2009/08/11(火) 10:18:38.38 ID:2Zfv//+y0
唯「ほあ~」

律「普通にいい曲じゃん」

紬「あま~いカンジね」

澪「いや、このあとキィヤアーーーンってなる」

Jesus & Mary Chain "Never Understand"
http://www.youtube.com/watch?v=noeTCf8PLuc

208: 2009/08/11(火) 10:26:19.17 ID:2Zfv//+y0
律「なるほど」

唯「あずにゃんだ」

紬「まさに」

梓「…………アハハン」

律「お、なんだ、もしかして、照れてんのか?」

唯「あずにゃ~ん、かわいい~」スリスリ

梓「……ふにゃあ」

紬「……あ、ティッシュ」

209: 2009/08/11(火) 10:31:27.25 ID:2Zfv//+y0
澪「せっかく揃ったし、練習しよう」

律「お! やるか」

唯「アハハーン♪」

紬「あ、一応キーボードもある」



唯「シェケナベイベー!!」
  ジャジャジャジャッ ジャジャジャジャジャッ
  ブブブブーン ブブブブ
  ッタタン ッタタン
  ピーピーピピッピー
  グウオオオオオンン…ジョアアアジャカジャカジャカ

211: 2009/08/11(火) 10:37:07.91 ID:2Zfv//+y0
梓「元々、ここを父がジャズバンドの練習に使っていて……そこのピアノもそのときのです」

紬「そうなの」

梓「まあ、録音で遊んでる時はけっこう使いましたね」

律「ああ、こないだのホラー」

澪「歌ってるのはないのか?」

梓「歌ですか……」

唯「そういえば、歌ってるのはカセットになかったね」

澪「いくつかバンド経験してるし、歌ったことあるだろう?」

梓「はぁ……まあ」

澪「歌ってみてよ」

212: 2009/08/11(火) 10:45:13.04 ID:2Zfv//+y0
梓「…………ブツブツ」
  ジャラアアーーーン

律「さっきの曲だ」

梓「りぃすんトゥッざがあーあずしぃてすおんはーふぁわー」

唯「わぁ」

紬「いい声だわ」

澪「(そういえば、入部してきたとき、歌ってみせたっけ)」

213: 2009/08/11(火) 10:47:50.68 ID:2Zfv//+y0
半年前


梓「あ~……じゃあキュアーのジャスト・ライク・ヘブンを……」

梓「……しょおみ~は~ゆどぅざとり……」
  ジャーンジャーンジャジャジャジャンジャジャーン!!

澪「(ギターはすごいのに歌はヘロヘロ……)」


214: 2009/08/11(火) 10:53:12.37 ID:2Zfv//+y0
3ヶ月前
合宿

梓「ぁあーあかーみさぁまおねぇーがぃ
  ふちゃりーだーけぇーのぉー
  どりぃーむうたーいーむぅーくぅだぁーさぁいぃ」

澪「(やっぱヘロヘロなんだけどなぜだろう……)」

律「(……なんか、泣ける)」

 ギュウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

216: 2009/08/11(火) 10:56:41.47 ID:2Zfv//+y0
梓「Just like honey(恋人のように)
Jsut like honey(まるで恋人のように)」
  ジャラアアーーーン……

217: 2009/08/11(火) 11:00:33.80 ID:2Zfv//+y0
パチパチパチパチ!!


律「いいじゃん!」パチパチ

唯「あずにゃん、よかったよ」パチパチ

紬「ほんと」パチパチ

澪「うん、よかった」パチパチ


梓「みなさんの暇つぶしにはなったみたいですね」

                 お わ り 

220: 2009/08/11(火) 11:04:10.74 ID:2Zfv//+y0
ごめんなさい、バイトがあるので
昼までに終わらせるつもりだったのに終わんなかった
今度は書き溜めてあったんだけど、消化しきれんかった

221: 2009/08/11(火) 11:05:13.20 ID:dsi0XXhx0
とりあえず乙

引用: 梓「音楽は暇つぶしに」