1: 2011/05/04(水) 08:09:22.00 ID:h0IXoF5G0
一方通行「……」

一方通行(結標と出掛ける約束をしたのはいいが、何処に行けばいいのか全く思い浮かばねェ)

一方通行「……クソ、駄目だ」

打ち止め「さっきから黙り込んで頭抱えて、どうしたの? ってミサカはミサカはあなたの不審行動を心配してみる」

一方通行「あァ? いや……」

一方通行(正直今は藁にも縋りたい気分だ。クソガキの意見も聞いてみるか)

一方通行「結標と出掛ける約束があるンだが、何処行けばいいのか全く見当がつかねェンだ」

打ち止め「! そ、それってもしかしなくてもデートだよね!? って、ミサカはミサカは少女マンガ的フレーズにテンション急上昇させてみたり!」

一方通行「……まァ、そンなところだ。オマエは何か案あるか」

打ち止め「え? うーん……デート……。ってミサカはミサカは思いも寄らぬ突然の質問に頭を悩ませて見る」

一方通行「……」

打ち止め「あっ。>>5なんてどう? って、ミサカはミサカは割と真面目に提案してみたり」
『魔女狩りの王(イノケンティウス)』
5: 2011/05/04(水) 09:06:42.23 ID:rBH9PHAQ0
ホテル

6: 2011/05/04(水) 09:24:46.88 ID:h0IXoF5G0
打ち止め「ホテルなんてどう? って、ミサカはミサカは提案してみる」

一方通行「……、はァ? ホテル?」

打ち止め「うん」

一方通行「……どっからンなアイディアが出てきた」

打ち止め「え? ホテルはカップルなら必ず行く定番のスポットだって番外個体が言ってたよってミサカはミサカは正直に答えてみる」

一方通行「あンの糞耳年増……!」

打ち止め「え、もしかしてミサカ嘘吹き込まれちゃったの? ってミサカはミサカは若干ショックを隠せなかったり」

一方通行「あァ、そォ思っとけ。ホテル云々は忘れろ」

打ち止め「わかった、ってミサカはミサカは素直に聞き入れてみる」

7: 2011/05/04(水) 09:27:19.09 ID:h0IXoF5G0



一方通行「ったく……」

番外個体「あれ? どうしたのさ第一位。浮かない顔して、ミサカを喜ばせてくれてるの?」

一方通行「ンな訳ねェだろ。打ち止めに余計なこと吹き込みやがって」

番外個体「えー? ミサカ別に間違ったこと教えてないしいー」

一方通行「こっちはただでさえ結標と出掛ける先が浮かばなくて悩んでるっつゥのに……」

番外個体「結標って貴方の恋人のあの赤い髪の女? まったく、蓼喰う虫がいたものだね」

一方通行「それに関しては少し同意する」

番外個体「で、デートスポットだっけ? 仕方ないなあ、ミサカがとっておきの場所を教えてあげるよ」

一方通行「おォ。嫌な予感しかしねェが」

番外個体「けけけ。ミサカに意見させるんだから絶対にそこにしろよ」

一方通行「……あァ、いいだろォ」

一方通行(どうせ浮かばねェし、ここは賭けるのも悪くないかもしれねェ)

番外個体「>>10で決定」

10: 2011/05/04(水) 09:29:01.18 ID:8whkVgTD0
サンリオピューロランド

16: 2011/05/04(水) 09:37:29.43 ID:h0IXoF5G0
番外個体「サンリオピューロランドで決定」

一方通行「サンリオピューロランド?」

番外個体「サンリオっていう女の子向けのキャラクターとか作品たくさん出してる会社のエンターテイメントパークだよ。
     最近学園都市にも進出してきた。そんな事も知らないの?」

一方通行「どォ考えても俺にはクソ似合わねェ場所だな」

番外個体「だから提案したんじゃん☆ メルヘンキャラに塗れたところに貴方がいるとか、考えただけで超楽しい!」

一方通行「チッ……。まァ、聞いたからにはそこにしてやるよ」

一方通行(普通にデートスポットとして成り立ちそォだしな)

一方通行「じゃァ、行ってくる」

番外個体「くくっ。いってらっしゃーい♪」

打ち止め「いってらっしゃいって、ミサカはミサカはお見送りしてみる」

17: 2011/05/04(水) 09:44:31.85 ID:h0IXoF5G0
待ち合わせ場所


一方通行「よォ」

結標「……遅い。心配したわ」

一方通行「悪い。いろいろ考えてたら遅れちまった」

結標「別にいいけど、これからは遅れるならそう連絡して欲しいわ」

一方通行「あァ、わかった。じゃァ行くか」

結標「ええ。今日は何処へ連れて行ってくれるのかしら」

一方通行「サンリオピューロランドだ」

結標「……」

一方通行「あン? 嫌か?」

結標「いえ、そんな事は決してないけれど……。貴方の口からその固有名詞を聞く時が来るとは思わなかったから」

一方通行「あァ、俺には不似合いだろォな」

結標「……どうしてそこにしたの?」

一方通行「>>20だろォと思ったからだ」

20: 2011/05/04(水) 09:52:56.46 ID:7B7bMfXW0
お前となら楽しい

21: 2011/05/04(水) 09:58:21.08 ID:h0IXoF5G0
一方通行「オマエとなら楽しいだろォと思ったからだ」

結標「!」カァッ////

結標「な、何よそれ……」////

一方通行「悪いか」

結標「いえ、……すごく嬉しいわ」

一方通行「そォか。なら良かった」

結標(なんでそういう頃し文句をサラっと言ってのけるのよ……)////

一方通行「ほら、行くぞ」

結標「ええ」

22: 2011/05/04(水) 10:01:41.07 ID:h0IXoF5G0
テクテク

結標(手、繋ぎたいけど……。一方通行は嫌がるかしら)

結標(いえ、でもやっぱり付き合ってるんだし……。手を繋ぐくらいいいわよね)

結標「ア、一方通行」

一方通行「あァ?」

結標「手、繋いでもいいかしら……?」

一方通行「……>>25」

25: 2011/05/04(水) 10:04:43.17 ID:7B7bMfXW0
いちいち聞くな

28: 2011/05/04(水) 10:08:27.94 ID:h0IXoF5G0
一方通行「いちいち聞くな」

結標「え、ええ……」//// スッ ギュッ

一方通行「……」テクテク

結標「……」//// テクテク

結標(嬉しい……。今絶対私の顔赤いわ)

31: 2011/05/04(水) 10:15:37.19 ID:h0IXoF5G0
サンリオ到着

一方通行「混んでるな……」

結標「ええ……。というか、小さい子ばっかりね」

結標(でも男の子はあまりいないわ……。まぁ、女の子向けのキャラクターばかりだから当たり前ね)

結標「貴方のストライクゾーンまっしぐらの子ばかりじゃない?」

一方通行「>>35」

37: 2011/05/04(水) 10:18:04.64 ID:7B7bMfXW0
今はオマエしか見てねェ

42: 2011/05/04(水) 10:27:47.08 ID:h0IXoF5G0
一方通行「今はオマエしか見てねェ」

結標「な、なっ……!」カァッ////

結標「なな何言い出すのよもう。い、『今は』ってそれ、貴方かつて口リコンだった事を肯定してしまってるわよ」////

一方通行「そォか」

結標「そ、そうよ……」////

結標(ああもう顔直視できないわ……! 何でこんなに格好いいのよ!)

一方通行「エンターテイメントパークっつっても、屋内だけなンだな。もっと遊園地じみたものかと思ってたが」

結標「うぅ……」////

一方通行「結標? 聞いてンのか?」

結標「え、ええ、聞いてるわよ」///

一方通行「あと想像以上に子供向けだった」

結標「まぁ、そうね。とりあえず周ってみない? 何か面白いものがあるかも知れないわ」

一方通行「そォだな」



>>46「……」

46: 2011/05/04(水) 10:31:21.55 ID:K7vs9B9j0
姫神

51: 2011/05/04(水) 10:46:38.09 ID:h0IXoF5G0
ごめん登場人物きめる安価だった。分かりにくかったみたいなんで今後気をつけます。


姫神「……」

小萌「どうかしましたですかー? 姫神ちゃん」

姫神「いいえ。なんでもない」

小萌「それにしても何となく応募した抽選が当たってペアチケットもらえるなんて幸運だったのですー」

姫神「私で良かったの」

小萌「むむ、どういう意味でしょうか」

姫神「本当はあの時の赤い髪の神父……」

小萌「わーわー! ストップです! そんなことはありませんですー!

53: 2011/05/04(水) 10:48:06.53 ID:h0IXoF5G0
姫神「素直じゃない事は。よくないと思う」

小萌「むうう……」

姫神「素直なつもりでも。なかなか気付いてもらえない人だっている」

小萌「な、何だか妙な説得力が……」

姫神「気付いてもらえない人も。いる」

小萌「……わ、わかりましたです……。行動に移すかどうかは別問題ですが、もう少し向き合う努力をしますです」

姫神「よろしい」

姫神(それにしても。あの赤い髪の子。どこかでみたような)

55: 2011/05/04(水) 11:09:50.74 ID:h0IXoF5G0
一方通行「……」

一方通行(どォする。クソガキならまだしも結標と俺が興味をそそられるよォな物はねェぞ)

結標「……」

結標(今までこういう所は絶対趣味じゃないと思っていたけれど、一方通行と一緒だと不思議と楽しめるわ)

一方通行「……やっぱ思ってたより対象年齢低いな」

結標「んー、まぁ、そうみたいね」

一方通行「子供連れてくるくれェが丁度良かったみたいだな」

結標「え、こ、子供? 誰の?」

56: 2011/05/04(水) 11:11:37.68 ID:h0IXoF5G0
一方通行「あァ? 誰のっつったら、そンなの俺と結標の子以外に誰が……」

結標「……」

結標(こ、子供、って。うぅ……)///

一方通行「……いや、何でもねェ」

一方通行(そォいやコイツこォいう話苦手だったか。子供の話題も駄目とか少し過剰な気もするが仕方ねェな)

一方通行「悪い、そォいうつもりはなかった」

結標「あ、いえ、別に」

結標(気を悪くさせてしまったかしら……)

59: 2011/05/04(水) 11:24:50.55 ID:h0IXoF5G0




結標「あ、せっかくだからここ行きたいわ」

一方通行「あァ? ……」

[キテイズホーム]

一方通行「……わかった」

結標「ありがとう」

64: 2011/05/04(水) 11:35:57.24 ID:h0IXoF5G0
キテイズホームの中


一方通行(これは第二位もびっくりのメルヘン空間だな……)

結標(結構凝ってて可愛いわ)

一方通行(結標は割と楽しそうだからいいが)

一方通行「……オマエ、こォいう部屋に住みたいとか思ったりするか?」

結標「そうね……遊びに行くくらいならいいけれど、住みたいとは思わないわ。少し落ち着かないし」

一方通行「そォか」

結標「貴方は?」

一方通行「思うと思うか」

結標「思ってもいいとは思うわよ」

一方通行「生憎思わねェよ」

結標「そう。まぁそうでしょうね。あ」

一方通行「あァ?」

66: 2011/05/04(水) 11:47:12.31 ID:h0IXoF5G0

[キテイズホームの中でキテイと一緒に写真を撮っちゃおう! 一枚千円]

結標「……」

一方通行「……」

一方通行(この沈黙の意味する所は……)

結標「一方通行」

一方通行「……何だ」

一方通行(やべェ。正直勘弁して欲しい)

結標「えっと……その」

結標(やっぱり断られるかしら……でも、うぅ……)

一方通行「……」

67: 2011/05/04(水) 11:55:36.86 ID:h0IXoF5G0
結標「これ、撮りたい。……ええと、できれば……一緒に」

一方通行「……」

結標「……」

一方通行「……」

結標「……ご、ごめんなさい。何でもないわ、忘れてっ」

一方通行「……撮るぞ」

結標「……、え?」

一方通行「撮りたいなら撮ればいいだろ。白猫と一緒だろォが何だろォが。それだけの話だ」

68: 2011/05/04(水) 12:03:02.62 ID:h0IXoF5G0
結標「え、で、でも。貴方、嫌じゃ……?」

一方通行「何で俺がオマエと一緒に写真に写るのを嫌がらなくちゃいけねェンだ」

結標「だってキテイが……」

一方通行「あンなもンただの背景だ」

結標「……」

一方通行「……ただの背景だ……」

結標「……一方通行」

一方通行「……あァ?」

結標「貴方が私のために何かしてくれるのは、すごく嬉しいけれど」

結標「貴方が私のために無理をするのは、あまり嬉しくないわ」

一方通行「……」

69: 2011/05/04(水) 12:08:48.72 ID:h0IXoF5G0
結標「だから、嫌ならいいのよ。無理はしないで」

一方通行「……結標」

結標「何?」

一方通行「これに関しては別に無理はしてねェよ。だから大丈夫だ」

結標「……、そう?」

一方通行「あァ、だから撮るぞ」

結標「ええ、ありがとう。嬉しいわ」

一方通行「あと、結標。もォ一つ」

結標「ん?」

一方通行「……惚れた弱みって、知ってるか」

結標「え?」

一方通行「行くぞ」

結標「え、ええ。 ?」

76: 2011/05/04(水) 12:26:10.95 ID:h0IXoF5G0




結標「ふふ……」

結標(一方通行とサンリオで写真撮ってしまったわ。一生の思い出ね)ニコニコ////

一方通行「……」

一方通行(やべェ。俺のメンタルに大ダメージ。……ったく)

結標「えへへ……」ニコニコ////

一方通行(本当、惚れた弱みだよなァ……。あんな顔で頼まれて、誰が断れるンだよ)

結標「あ、ほら。一方通行の分」スッ

一方通行「……あァ」

一方通行(番外個体に見つかったらどれだけ馬鹿にされるンだろォな……)

結標「これ、絶対大切にするわ」ニコッ///

一方通行「……」

一方通行(まァ、いいか。もォその笑顔で全部チャラだ)

80: 2011/05/04(水) 12:43:54.80 ID:h0IXoF5G0





地下一階


結標「あ、見てあれ。すごく綺麗よ!」スッ タタタッ

一方通行「あ、おい。結標っ」

一方通行(こっちは人混みで杖突いてンだぞ……! やべェ、見失う)

結標「あれ、向こうにも人だかりがあるわ」タタタッ


結標「わぁ、すごいわ……」

結標「ねぇ、一方通行、」

結標「……一方通行?」クルッ

シーン

結標「……あれ?」

81: 2011/05/04(水) 12:48:22.02 ID:h0IXoF5G0



一方通行「完っ全に見失ったな……」キョロキョロ

一方通行(クソ、何でもっと注意しておかなかったンだ。ガキが多いとはいえ、本当に安全なのかどォかも分からねェのに)

一方通行「どォするか……電波も通じねェし」

一方通行(一回地上にでるか? いや、結標が地下にいるならこのまま探した方がいいか)

一方通行「どこに行きやがった……」

一方通行(とにかく無事でいてくれ……)

82: 2011/05/04(水) 12:55:23.89 ID:h0IXoF5G0





一方通行「いねェ……結構うろついたはずなンだが」

一方通行(こォいう時のために待ち合わせ場所決めておけば良かった……)

一方通行「……、あァ?」

小萌「姫神ちゃーん? どこへ行ってしまったのですー?」キョロキョロ

一方通行「月詠?」

小萌「あ、一方通行ちゃんではないですか。こんな所で会うなんて奇遇ですー」

一方通行「……あァ、そォだな」

小萌「しかし申し訳ないのですが先生は今人探し中です……。ゆっくりお話したいのですが……結標ちゃんの事とか」

小萌「ん、あれ? たしか一方通行ちゃんは今日結標ちゃんとデートのはずでは?」

一方通行「ああ。そォだな」

小萌「どうしてここに居るんですー?」

83: 2011/05/04(水) 13:09:38.02 ID:h0IXoF5G0

一方通行「今がそのデート中だからだ。人ごみの中ではぐれちまったがな」

小萌「あ、一方通行ちゃんも人探し中でしたか……」

一方通行「そォいう事だ」

小萌「なら一緒に探しながら行きませんです? その方が見つけやすいはずですー」

一方通行「あァ。オマエの連れはどンな奴だ」

小萌「姫神ちゃんといいましてですね、黒い髪をながーく伸ばしてる子です。前髪はぱっつんですー」

一方通行「目立たなそォな感じだな」

小萌「本人は結構気にしてるみたいなので、それは言わないであげてくださいです。一方通行ちゃんが探しているのは結標ちゃんですよね?」

一方通行「あァ」

小萌「分かりましたですー。頑張りましょう!」

一方通行「……そォだな」

84: 2011/05/04(水) 13:16:47.66 ID:h0IXoF5G0



結標「どうしましょう、一方通行が見当たらないわ。携帯も繋がらないし」キョロキョロ

結標(私の馬鹿……。一方通行は杖突いてるのに、さっさと先にいってしまうなんて)

結標(ただでさえ脳の障害で体が不自由なのに、人混みなんて……)

結標「……一方通行に、何かあったらどうしよう……!」

結標(分からないなら、座標移動なんて何の役にも立たないわ)キョロキョロ

姫神「小萌。どこ?」キョロキョロ

姫神(あ、またあの女の人。……あ)

姫神「思い出した。小萌の家の現在の居候」

結標「……え?」

姫神「はじめまして」

結標「あ、えっと……」

結標(どこかで見たことあるような……)

85: 2011/05/04(水) 13:32:26.95 ID:h0IXoF5G0
姫神「私は姫神。以前小萌の家に居候していた」

結標「あぁ、なるほどね。……はじめまして、結標よ」

姫神「何か。困った事でも?」

結標(どうする? 今あったばかりの人に言うような事かしら)

結標(……いえ、見栄をはっても仕方ないわね。それに、ここで会ったのも何かの縁だろうし)

結標「実は、一緒に来てた人とはぐれてしまって」

姫神「それは奇遇。私も小萌と来たのだけれどはぐれてしまった」

結標「あら、そうなの? なら、一緒に探しましょう?」

姫神「うん」

86: 2011/05/04(水) 13:43:53.94 ID:h0IXoF5G0




姫神「その人の特徴は?」テクテク

結標「えっと……。あ、丁度写真があるわ」スッ

姫神「……」

姫神(凄まじく目立つ容姿。羨ましい)

姫神「年齢はあなたと同じくらい?」

結標「ええ。だから多分貴方とも同じくらい」

姫神「……。彼氏?」

結標「え?……うぅ。まぁ、その……一応」

姫神「一応。なの?」

結標「い、いえ……きちんとした彼氏よ。少し照れくさいだけ」

姫神「羨ましい」

結標「そうかしら……」

88: 2011/05/04(水) 13:53:18.77 ID:h0IXoF5G0
姫神「好きな人と一緒にいられるなんて、すごく幸せ。うらやましい」

結標「まあ、幸せだけれど……」

姫神「何か。悩みがあるの?」

結標「悩み、ではないかもしれないわ」

姫神「じゃあ。何かあるの?」

結標「……ええ、少し」

姫神「そう」

結標「……」テクテク

姫神「……」テクテク

結標「……聞かないのね」

姫神「本人から言ってくれるなら聞くけれど。尋問するのは趣味じゃないから」

結標「じゃあ、聞いてもらってもいいかしら」

姫神「うん」

91: 2011/05/04(水) 14:03:57.42 ID:h0IXoF5G0

小萌「結標ちゃんが体を触らせてくれない?」

一方通行「そォは言ってねェよ。それじゃ語弊があるだろ」

小萌「そうですね、すみませんです。でも、それならどういう事です?」

一方通行「……ただ、アイツがスキンシップとかそォいう事に関して、抵抗を見せてくるってだけだ」

小萌「それが、結標ちゃんとの関係の中での悩み、ですか?」

一方通行「……、」

小萌「むむぅ……難しいですね。それは個人の感覚とか認識によるものなので」

小萌「ええと、参考までに聞きたいのですが、どこまでは言ったのです?」

一方通行「……手を繋ぐ以上の事はしたことがねェ」

小萌「ふむ。教師としては感心しますが、一方通行ちゃんが聞きたいのはそういう言葉ではないですよね」

一方通行「あァ」

93: 2011/05/04(水) 14:17:08.30 ID:h0IXoF5G0
>>92 しばらくはない


小萌「……ハグとかもだめです?」

一方通行「前断られた。つゥか能力使って逃げられた」

小萌「そうですか……」

小萌(それって割と本気で嫌がってますですよね……)

一方通行「……」

小萌「うーん、でも、とりあえずそんなに気に病む事はないと思いますですよ? 結標ちゃんが貴方を嫌っている可能性は無いですし」

一方通行「……」

小萌「結標ちゃん、お家ではこれでもかと言うほど惚気話を聞かせてくれますですー。独り身の先生としては少し辛いくらいの甘々なお話です」

小萌「それに、一方通行ちゃんが結標ちゃんの肌に触れたいと思うのも自然なことです」

小萌「好きな子にそういう事をしたいと思うのは決して悪い事ではありません」

小萌「結標ちゃんがそういうものが苦手だという事を理解して、我慢してあげているのですから、今の一方通行ちゃんは自分を誇っていいと思いますです」

小萌「……だけど、自分はそういう事をしたいと思ってるということは、結標ちゃんに一度しっかり伝えた方がいいかもしれませんです」

一方通行「……いや」

94: 2011/05/04(水) 14:17:42.86 ID:h0IXoF5G0

小萌「?」

一方通行「少し違うな……」

小萌「……何がです?」

一方通行「俺が悩んでるのは、結標がヤらせてくれねェ事だけじゃねェ」

小萌「……?」

一方通行「アイツの少し過剰な性への拒絶には、何か原因があるンじゃねェかって事もだ」

小萌「……」

一方通行「ハグすら拒むよォな、『原因』が」

小萌「それは……」

一方通行「……何か知らねェか、月詠」

96: 2011/05/04(水) 14:24:28.57 ID:h0IXoF5G0




姫神「ふむ。なるほど。つまり彼氏とスキンシップをとるのが。この上なく苦手だと」

結標「ええ、まあそういう事になるわね」

姫神「しかも特に原因もなく」

結標「ええ。トラウマじみた事はないわ。誰かに襲われたりとか」

姫神「自分で。思いつく理由は?」

結標「うーん……」

姫神「なら言い方を少し変える。どうして苦手だと思ったの?」

結標「……何か、こう、どうしたらいいか分からなくなるのよね。頭が真っ白になると言うか」

姫神「頭が。真っ白」

結標「ええ。何ていったらいいのかしら……『そういう事』を求められてるって考えてしまうと、脳の回路がショートを起こす感じ」

姫神「……」

97: 2011/05/04(水) 14:26:33.43 ID:h0IXoF5G0
結標「怖い、かしら。強いて言えば。そういう、本能的な欲求を向けられるのが、怖い。けだものみたいで」

姫神「でも彼は。無理矢理そういう事を強要したりは。しないんでしょう?」

結標「ええ……。じゃあ、」

結標「……本能的な欲求を向けられて、それに応えようとしてしまう自分の中の本能が怖い。私の中の、彼を求める本能的な欲求が」

姫神「長ったらしい。性欲で十分」

結標「なっ!? せっかくここまでオブラートに包んできたのに!」

結標「だ、だから、『性欲』とかいう言葉も苦手なのよ……」

姫神「それは。結構重症かも」

結標「ええ。手を繋ぐくらいなら平気になったのだけど……」

姫神「なった?」

結標「前はそれも苦手だったのよ」

姫神「それなら。貴方の今の悩みも。慣れによって解決できるという事」

結標「……そうね」

98: 2011/05/04(水) 14:27:00.82 ID:h0IXoF5G0
姫神「もう一度言うけれど。好きな人と一緒にいられるというのはとても幸福な事。それができない人もたくさんいる」

結標「……ええ」

姫神「好きな人と一緒にいたいと思うのは自然な事。そして」

姫神「貴方が好きな人に触れられたいと思うのも、至極自然な事。だと思う」

結標「……」

姫神「だから。それを怖がる必要は無い。少しずつでも向き合って。受け入れていけばいいと思う」

結標「……」

姫神「貴方の彼は。それを待っていてくれるような素敵な人なのでしょう?」

結標「……ええ」

姫神「なら。貴方はその人を好きになった事を誇るべき。その人に好きになられた事も」

結標「ええ、そうね。わかったわ。……ありがとう」

姫神「どういたしまして」

姫神(まさか。同年代に性教育をする事になるとは。思わなかった)

姫神(この講義を。自分に生かせる日が来る事を祈ろう)

100: 2011/05/04(水) 14:28:46.50 ID:h0IXoF5G0
結標「あっ」

姫神「?」

結標「一方通行だ……!」

姫神「見える?」

結標「ええ。ほら、あそこ」

姫神「いや。見えな……。あ」

姫神(一応見えるけれど。いくら容姿が目立つからと言って。あんな遠くにいて気付けるなんて)

姫神「……。愛の力?」

102: 2011/05/04(水) 14:30:11.95 ID:h0IXoF5G0
結標「えっ!? ……そ、そうかもしれないわね」

姫神「こっちに来てる。あ。小萌もいた」

結標「え? あら、本当だわ。良かったわね、お互い見つかって」

姫神「うん」

結標「もう、はぐれないようにしないと」

姫神「うん。万が一はぐれてもいいように。待ち合わせを決めておかないと」

結標「ね」ニコッ

姫神「ね」ニコッ

104: 2011/05/04(水) 14:33:02.47 ID:h0IXoF5G0
結標「一方通行ー。小萌ー!」フリフリ

月詠「あ! 結標ちゃんに姫神ちゃん!」

一方通行「! 結標!」

姫神「勝手に一人で先に言っては。だめ」

月詠「えぇ、先生のせいですかー!? ……うぅ、ごめんなさいです」

姫神「うむ。よろしい」

一方通行「結標、無事か!?」

結標「ええ。何も問題ないわ。心配かけさせてしまってごめんなさい」

一方通行「……良かった。……本当に、良かった……」

結標「……貴方は少し心配しすぎよ」

一方通行「ったく……。一人で勝手にさっさと行くンじゃねェ。こっちは杖突きだぞ」

結標「……ごめんなさい」

一方通行「こんな安全かどうかもよく分からねェ場所で、オマエに何かあったらどォすンだよ」

105: 2011/05/04(水) 14:33:53.35 ID:h0IXoF5G0
結標「ごめんなさい……。少し、はしゃぎすぎたわ。色々、嬉しすぎて」

一方通行「……」

姫神「にやにや。」

小萌「によによです」

一方通行「!」

結標「なっ!」

姫神「いえいえ。ごゆっくりどうぞ」

小萌「何でしたらもっといちゃいちゃしてもいいですよ?」

結標「あ、うぅ」カァッ////

一方通行「……世話になったな。小萌。お陰で結標と無事に会えた」

小萌「あ、いえいえ。何の役にも立てなくてすみませんでした。あと……」

一方通行「……あァ。それについてはちゃンと聞く。聞いて、受け入れるつもりだ」

小萌「……はい。先生はお二人を応援していますです」

一方通行「あァ」

106: 2011/05/04(水) 14:36:04.08 ID:h0IXoF5G0
姫神「結標さん」

結標「ん……何?」//

姫神「ぐっどらっく」bΣ ビシッ

結標「あ、……貴方もね!」ビシッ

姫神「ありがとう。貴方たちに追いつけるよう頑張る」

結標「ええ、心から応援するわ」

小萌「それでは、一旦さよならです」

一方通行「あァ」

姫神「またね」

結標「ええ、また」

108: 2011/05/04(水) 14:46:57.33 ID:h0IXoF5G0




結標「それにしても、良かったわ。また巡り会えて」

一方通行「まったくだ。もし次はぐれたら一階のインフォメーションの所で待ち合わせにするか」

結標「ええ、そうね」

一方通行「……」

結標「……」

一方通行「……カフェに行くか。少し話がある」

結標「? わかったわ」

109: 2011/05/04(水) 14:47:26.87 ID:h0IXoF5G0
四階 ドリームカフェ



結標「ん、この焼きドーナツおいしい。コーヒーはどう?」

一方通行「……」ゴクゴク

一方通行「……苦味に深さが足りねェ」

結標「まぁ、ブラックじゃないのだしね」

一方通行「……」

結標「……それで、話って何?」

一方通行「……答えにくかったら、答えなくていい。だが、できれば答えて欲しい。正直に」

結標「……」

一方通行「……オマエ、性的なトラブルに巻き込まれたことあるか?」

結標「……え? せ、性的な、トラブル?」

110: 2011/05/04(水) 14:48:55.80 ID:h0IXoF5G0
一方通行「あァ。……レOプとか、その未遂の類だ」

結標「……いえ、無いけれど。それがどうかしたの?」

一方通行「……無いのか?」

結標「ええ」

一方通行「本当だな」

結標「? ええ」

一方通行「そォか……。なら良い」

結標「えっと、質問の意味がよく分からないのだけど」

一方通行「いや、オマエのその性に対する抵抗には、何か原因があるンじゃねェかと思って」

結標「……、あぁ……」

一方通行「何も無いなら、良い」

結標「……ごめんなさい」

111: 2011/05/04(水) 14:49:19.07 ID:h0IXoF5G0
一方通行「あァ? 何で謝るンだよ」

結標「その、私、そういう事がどうしても苦手で……」

一方通行「……」

結標「貴方に我慢をさせてしまっているから……」

一方通行「ンな事気にしてンのかよ」

結標「……」

一方通行「気にするな。俺は平気だ。むしろオマエが一日二日で股開くよォな女じゃなかっただけ良い」

結標「……ありがとう」

一方通行「あァ。オマエも俺のために無理なンかするなよ」

結標「……ええ」

一方通行「じゃァ、行くか。探すのに時間喰われて、暗くなってきちまったが」

結標「ええ、行きましょう」

112: 2011/05/04(水) 14:50:43.49 ID:h0IXoF5G0





結標「あ、今ちょうどこのパレードが始まる時間じゃない? せっかくだから見ていきましょうよ」

一方通行「あァ」


サソリオハートフノレパレード"Believe"


結標「すごい……綺麗」

一方通行「……」

結標「ね、一方通行。すごく素敵ね」

一方通行「……>>120」

結標「え?」

125: 2011/05/04(水) 15:20:32.04 ID:h0IXoF5G0
一方通行「キティちゃンにも穴はあるンだよな……」

結標「……え?」

一方通行「……」

結標「……穴は、ないと思うわよ。彼女たちは完全だもの。弱点や欠点はきっとないわ」

一方通行「……そォか。俺たちもキティちゃンだったら良かったのにな」

結標「そう? ……こうして貴方と出会えて、一緒にいられて、痛みを分かち合えるなら」

結標「私は、穴だらけの人間で良かったと思えるけれど」

一方通行「……」

結標「貴方は、違うの?」

一方通行「……俺も」

結標「……」

一方通行「俺も、オマエと一緒に生きていけるなら……人間で、良かった」

一方通行「穴だらけの、人間で」

結標「ええ。そうね」

127: 2011/05/04(水) 15:21:44.98 ID:h0IXoF5G0







結標「一方通行、ありがとう。ここまで連れてきてくれて」

一方通行「……こちらこそ。ここまでついて来てくれて、ありがとな。結標」











引用: 一方通行「一方座標前提で気まぐれ安価とか誰が得すンだよ……」