1: 2009/08/22(土) 23:29:14.18 ID:eapnWfLn0
この感じ新スレね!


35: 2009/08/23(日) 00:33:09.61 ID:cvHRbvSu0

梓「音楽は暇つぶし」
梓「音楽は暇つぶしに」
でググると出てくると思うんたん
3: 2009/08/22(土) 23:30:55.15 ID:eapnWfLn0
冬の日のそれから……


憂「梓ちゃん、起きて」

梓「む……」

憂「もう、授業中ずっと寝てるんだから。これ、返ってきたテストだよ」

梓「ねむい……起きたくない……」

憂「もう放課後です!」

梓「ジーザスみたいに氏にたい、JFKみたいに氏にたい」

憂「はいはい、ほら、軽音部行かなきゃでしょ」
高3!

5: 2009/08/22(土) 23:35:42.87 ID:eapnWfLn0
唯「期末テストも終わったし、もうすぐ冬休みだねー」

律「あとはクリスマスを待つばかり」

唯「今年もみんなでクリスマスパーティーやろうよ!」

律「去年はプレゼント交換したから、今年は景品にするとかどう? ビンゴとかでさ」

唯「おおう、いいねー」

9: 2009/08/22(土) 23:39:12.37 ID:eapnWfLn0
澪「ところで、唯はテスト大丈夫だったのか?」

唯「んな」

紬「それがねー」

律「まあ、なんというか」

唯「う~ふ~ふ~
  みんなのおかげで、すべて赤点を免れました!
  英語、国語、数学、えとせとら! オール60点! シックスナインです!」

澪「それは逆にすごいな……」

12: 2009/08/22(土) 23:43:47.81 ID:eapnWfLn0
律「一つでも、あと1点足らなかったら追試だったけどな」

紬「でも、今年になってからの唯ちゃん、がんばってるもの」

律「澪はー?」

澪「私は和というすばらしい味方がいるので、去年より成績が上がったのです」

唯「そっかあ。和ちゃん、頭いいもんねー」

澪「梓はどうだった? テストは」

梓「……Zzz」

13: 2009/08/22(土) 23:46:44.42 ID:eapnWfLn0
律「おーい、梓ちゃーん、起きてくださーい」ユサユサ

梓「む……ああ、お茶菓子ですか?」

唯「さっき、マカロン食べたばっかりだよ~」

澪「期末テストの話。梓はどうだった?」

梓「テスト……」

律「うん」

梓「あ~……そういえば、今日返却されたのがここに」ペラ

15: 2009/08/22(土) 23:50:00.81 ID:eapnWfLn0
  英語14点 国語29点 数学3点etc...

澪「これは……」

律「まさか、去年の唯を上回るとは……」

紬「あらー……」

唯「ほうほう」

16: 2009/08/22(土) 23:54:33.15 ID:eapnWfLn0
澪「これは当然追試だろ」

梓「あ~……そういえばそんなこと言ってたような」

律「ノンキだなぁ」

唯「でも、解答欄は全部埋まってるね」

紬「でも、ここ、座標を求めよってとこ、kgで答えてる」

澪「憂鬱が有打つになってる……」

律「日本語訳で書けってあるのに、英語で答えてる。しかもスペルミス」

17: 2009/08/22(土) 23:58:23.22 ID:eapnWfLn0
梓「空欄を見ると、埋めたくなるんです」

律「確かに、途中の計算式すっ飛ばして、答えが書いてある。ペケだけど」

澪「全教科追試……大変だぞ、これは」

紬「そうねぇ」

梓「はぁ」

唯「あずにゃん、私が勉強教えてあげる!」

律「おお、先輩っぽい」

澪「しばらく、梓はギター禁止! ちゃんと追試の勉強すること!」

梓「えー……」

18: 2009/08/23(日) 00:02:15.72 ID:cvHRbvSu0

平沢家


憂「うん、梓ちゃん、普段から授業中は寝てばっかりで」

唯「へ~音楽室でも寝てるけど、よく寝る子だねぇ」

憂「午前中はほぼ寝てて、ご飯食べた後、2回に1回は起きてるかな」

唯「よく怒られないね」

憂「うん、最初の頃はもちろん、先生も注意してたけど……最近は気にしなくなったみたい。
  なんだか入学したころ思い出すなぁ」

20: 2009/08/23(日) 00:06:06.48 ID:cvHRbvSu0
4月


憂「(わぁ、ちっちゃくてかわいい子だなー)」


友達「梓、ジャズ研の見学いこー」

梓「む……」

友達「ほら、おきてよ」

梓「あー……めんどくさい。明日にしよう」

友達「それ昨日も聞いたよ。いつもそれでズルズル先延ばしなんだから。ほらー」

梓「今日はグリーンマインドが戸棚から出てこないから、エサをやれなくて」

友達「はいはい、カエルの話はいいから」


憂「……かえる?」

21: 2009/08/23(日) 00:08:40.39 ID:cvHRbvSu0
ジャズ研


―中野さんは楽器できるの?

梓「ギター、ベース、ドラムができます」

―すごいじゃん! ジャズ研に来たってことは好きか、もしくは興味があったんだよね?

梓「父がジャズバンドをやっていました」

―へえ。じゃあ、その影響で楽器を?

梓「小学生のとき、『ひこうき』のビデオでエンジン音を聴いたり、テレコで工事現場を録ったのを聴き続けていたら、
  ギターを渡されました。好きにうるさい音を出してよくなったのでとてもうれしかったです」

―へえ……好きなジャズミュージシャンとかアルバムとかある?

梓「マイルス・デイビスの『ゲット・アップ・ウィズ・イット』が好きです」

―ふうん……マイルスは知ってるけどそれ知らないや。

梓「ふにゃ~わうわうつくたんつくたん」

―は?

梓「言葉にするとこんなカンジです」

23: 2009/08/23(日) 00:11:05.13 ID:cvHRbvSu0
―そう……えと、部に入ったらこんなのやってみたいとかある?

梓「あー……特には」

―特にはって……演奏とかしたいんじゃないの?

梓「演奏……なんでもいいです。暇つぶしになれば」

―あのさ、なんでここ来たの?

梓「他にすることがないからです」

―他にも部活があるから、ウチ以外のとこも見てきた方がいいと思うんだけど。

梓「そうですか?」

24: 2009/08/23(日) 00:13:50.26 ID:cvHRbvSu0
―あと、もう少し気をつかってしゃべった方がいいよ。

梓「木?」

―だからね、その人をバカにした態度をやめろって言ってんの。

梓「莫迦?」

―あのねえ、こっちは怒ってるんだよ。

梓「はぁ」

―ちょっと、もう帰ってくれない?

25: 2009/08/23(日) 00:16:43.00 ID:cvHRbvSu0
下校


友達「どうだった? ていうか……」

梓「む……ジャズっていうのとは少し違ったかな」

友達「まあ、梓は人に誤解されやすい……わけじゃなくて、そのまんまなんだけど、うーん」

梓「……ギターの音が聴こえる」

友達「ああ、音楽室からか。確か軽音部があるって」

梓「けいおん部……けいおんって何?」

友達「ああ、女子高生がダラダラ食っちゃお喋りするアニメ……じゃなくて。
   軽い音楽で軽音」

梓「軽い音楽……トライアングルとか使うのかな?」

  ウン、チーン♪ ウン、チーン♪

27: 2009/08/23(日) 00:18:55.86 ID:cvHRbvSu0
友達「バンド組んだりするんだと思うけど」

梓「ふーん」

友達「ジャズ研がダメだったから、こっちでもいいんじゃない?」

梓「バンドはめんどくさい」

友達「あっそ……まあ、梓なら外でも音楽やれるしね」

梓「早く帰らなきゃ」

友達「あー、なんだっけグリマイとやらにエサをやるんだっけ?」

梓「今日はアニマックスでフリクリを見なきゃ」

29: 2009/08/23(日) 00:20:49.92 ID:cvHRbvSu0
教室


憂「え! 決めちゃったの?」

純「うん、ジャズ研究会にすごいかっこいい先輩がいて……ごめんね」

憂「そ、そっかあ。しょうがないよ。どこに入るかは自由なんだし」

純「えへっ、じゃあ」


憂「ハァ……ん?」

梓「……む」

憂「あ、あの!」

30: 2009/08/23(日) 00:24:05.08 ID:cvHRbvSu0
梓「なに?」

憂「えっと、確かジャズ研の見学に行くって話してたよね」

梓「話して、それから行った」

憂「は、入るの?」

梓「ううん」

憂「よかったら、これから軽音部の新歓ライブ見に行かない?」

梓「ライブ?」

憂「うん、もう始まっちゃってるかもしれないけど」

梓「ライブができるの?」

33: 2009/08/23(日) 00:27:35.20 ID:cvHRbvSu0
憂「うん!」

梓「でも、トライアングルとかカスタネットとかで何やるの?」

憂「え? それは使わないんじゃないかな、ギターとかドラムだと思うけど……」

梓「ふうん……行く」

憂「ホント!? ありがとう! わたし、平沢憂です。よろしくね」

梓「うん」

憂「ええっと、あなたは?」

梓「あー……中野梓」

34: 2009/08/23(日) 00:30:34.76 ID:cvHRbvSu0
憂「中野さんは音楽系の部活に入るの?」

梓「さあ? なんでもいいけど」

憂「でも、ジャズ研の見学には行ったんでしょ?」

梓「行ったけど、他のとこも見たほうがいいって言われた」

憂「そっかー。あとは吹奏楽部とかあるけど」

梓「おなかすいたな」

憂「え、う、うん。そう?」

梓「たい焼き食べたい」

憂「(なんか……マイペースな子だなあ)」

37: 2009/08/23(日) 00:35:12.19 ID:cvHRbvSu0
憂「軽音部にね、お姉ちゃんがいるの。ひとつ年上の」

梓「ふうん」

憂「だから、お姉ちゃんが演奏してるとこ見たくて。でも、誰かと行きたかったんだ……あ、やっぱりもう始まってる!
  わあ、けっこういっぱいだぁ」

唯「(お水おいしいよー)」

憂「わあ、お姉ちゃん、ボーカルなんだぁ」

梓「(そういえば、ノドも乾いたな)」

39: 2009/08/23(日) 00:39:22.20 ID:cvHRbvSu0
唯「わたし、最初、軽音部って聞いて、軽い音楽だと思ってたんですよー。
  それで、カスタネットが出来ればなーなんて、軽い気持ちで入部しました」

梓「(やっぱり、軽音ってそういう意味なのか)」

憂「(おねえちゃんかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい)」

唯「なので、みなさんも、軽い気持ちで入部してください。
  じゃあ、次の曲、『わたしの恋はホッチキス』!」

40: 2009/08/23(日) 00:43:11.76 ID:cvHRbvSu0
唯「またあした~♪」


憂「(お姉ちゃん歌い方かわいいお姉ちゃんの声かわいいお姉ちゃんの腰フリかわいいお姉ちゃんギターの弾き方かわいい
   お姉ちゃんライトの当たり方かわいいお姉ちゃんの立ち方かわいいお姉ちゃんの存在そのものかわいい存在かわいい)」

梓「(見えない……)」

憂「(前の人たち邪魔だなわたしの目線にあわせてスパッとカットしたいなお姉ちゃんかわいいな……ん?)」

梓「(みえ……ない)」

憂「(うふふ、中野さんも楽しんでるみたい)」

梓「(背伸びしても見えない……か)」

42: 2009/08/23(日) 00:47:10.36 ID:cvHRbvSu0
平沢家


憂「もう半年かーはやいなー」

唯「うーいー、あずにゃん、授業中はどんなカンジなの?」

憂「えっと、そうだねー。朝いつのまにか来てて、それで顔を机に突っ伏してて、お昼までそのまま。
  だから、その日最初に話すのもお昼なの」

唯「音楽室だと、目開けたまま寝てるよ」

憂「そうそう、たまにやってるよ。どうしたら出来るんだろう?」

44: 2009/08/23(日) 00:51:03.95 ID:cvHRbvSu0
4月
国語の授業中


教師「あさ、眼をさますときの気持ちは、面白い」

梓「Zzz……」

教師「日の光がどっと来て」

梓「Zzz……」

教師「まぶしさ、それから、へんな間の悪さ」

梓「Zzz……」

教師「急にむかむか腹立たしく……いや、ちがう、あの感じでもない……」

梓「……たい焼き」

教師「なんだか……もっと、やりきれない……」

46: 2009/08/23(日) 00:55:53.56 ID:cvHRbvSu0
教師「ちょっと、中野さん、起きなさい」

梓「む……」

教師「朝、眼をさましたこの女生徒の気持ちはどういうものですか?(机に何も出さずこのガキャァ)」

梓「……『意地悪』、ですね」

憂「(合ってる……)」

教師「……結構」

48: 2009/08/23(日) 01:00:38.33 ID:cvHRbvSu0
昼休みにて


憂「梓ちゃん、さっきの授業、どうしてわかったの?」

梓「なにが?」

憂「ほら、先生に聞かれて答えてたよね、女生徒の気持ちはって」

梓「ああ……寝てるとこ起こされて意地悪な人だと思ったから」

憂「へえー」

梓「このあんぱん、つぶが足りないんだな」

憂「(なんか、ちょっと、お姉ちゃんみたい)」

49: 2009/08/23(日) 01:04:09.39 ID:cvHRbvSu0
平沢家


憂「でも、これはめずらしい方だよ。寝てるときはほぼ起きないの。
  無気力大王とか山を降りた仙人とか言う人もいるんだけど」

唯「へ~」

憂「でも、今度の梓ちゃんの追試は私も心配で。
  私も出来るだけ協力するから、お姉ちゃんたちも梓ちゃんを助けてあげて!」

唯「まかせなさい!」

憂「お姉ちゃん、頼りになる~」

唯「ナッハッハッハッ」

51: 2009/08/23(日) 01:07:01.29 ID:cvHRbvSu0
秋山家


「父にありがとう」「母にさようなら」「そしてすべての子供たちに」「おめでとう」


律「……これが最終回?」

澪「いや、梓によると映画に続くらしい」

律「はー、映画に……」

澪「アイデアはあってもそこまでできなかったらしい、時間とかいろいろ」

律「ふーん、まあ、続きがあるんだったら、やった方がいいよなー」

54: 2009/08/23(日) 01:11:19.31 ID:cvHRbvSu0
律「そういや、ウチって女子高だけど噂とかないよな」つポテチ

澪「サンキュ。噂って?」

律「いや、ほら、誰と誰がーってさ」ばりぼり

澪「はぁ?」

律「だから、手をつないで歩いてたとか、二人きりで教室いたとか」

澪「仲いいな」ぽりぽり

律「だぁからそうでなくて! ああ、もういいや……」

澪「なんだよ、話ふっといて!」

律「この話題はムギに話そう」

55: 2009/08/23(日) 01:14:50.32 ID:cvHRbvSu0
よくじつ!
音楽室にて


澪「1299年、現在のトルコにできた国は?」

梓「ホフマン帝国」

律「破戒を書いた人は?」

梓「松尾芭蕉」

唯「x2 − 3x + 2を因数分解すると?」

梓「斜め上にある数字は何なんですか?」

紬「lakeは日本語で?」

梓「銀行?」

56: 2009/08/23(日) 01:17:52.77 ID:cvHRbvSu0
澪「これは困ったぞ……」

紬「そうね……」

梓「ローリングサンダー作戦とかサーチアンドデストロイとかならわかるんですが」

唯「さーちあ……ろい?」

律「こういうときのために、今日は助っ人を呼んだぞ!」

和「生徒会の仕事の途中なんですけど……」

58: 2009/08/23(日) 01:21:04.19 ID:cvHRbvSu0
和「これは唯よりも苦労しそうね」

唯「えへぇ、そうかな~」

律「そのリアクションはなに?」

澪「英語と国語以外、全部一桁なんだ……」

和「……」

澪「どうしたらいいんだか」

梓「どうするんですか?」

律「うん、マイペースだねぇ、あんたは」

和「……なんとかなるんじゃない?」

59: 2009/08/23(日) 01:24:32.35 ID:cvHRbvSu0
澪「ホントか!?」

律「去年の唯よりひどいんだぞ!」

和「中学のころは、これよりもっとひどいの見たから」

律「あんた……」

唯「え? え?」

和「見てみると、英語はほとんどケアレスミスね。まあ、間違ってるのも多いんだけど。英語は多分ちょっとやればできるんじゃない?」

澪「そっか、考えてみたら、梓は普段から洋楽聴いてるから英語には慣れてるのか」

律「なんか覚えてる英語の歌詞とかある?」

梓「はぁ、ウチにあるのは歌詞は全部頭に入ってますけど」

律「なん、だと……」

61: 2009/08/23(日) 01:28:35.45 ID:cvHRbvSu0
紬「例えば?」

梓「あー、I try my best to be just like I am, but everyone wants you to be just like them」

澪「訳は?」

梓「僕は僕でいるためにベストをつくしてる、けど、みんなは君がみんなと同じようになることを望んでる」

唯「おお……」

律「ちなみにこれは誰の歌なの?」

梓「ボブ・ディランですね」

62: 2009/08/23(日) 01:33:33.80 ID:cvHRbvSu0
和「まあ合ってるけど、ちょっと簡単ね。もう少し長いのはない?」

梓「……This happened once before, when I came to your door, No reply
  They said it wasn't you, but I saw you peep through your window
I saw the light, I saw the light
  I know that you saw me 'cos I looked up to see your face」

和「うん?」

梓「前にもこんなことあった。君のうちのドアに行ったら、返事がない。
  あれは君じゃないって言われたけど、君が窓から覗いてるのが見えた。
  明かりがついてたよ、明かりがついてたよ。
  君も僕を見たよね。だって、目があったんだから」

澪「相手にされてないんだな」

律「ストーカー?」

梓「これはビートルズ」

64: 2009/08/23(日) 01:37:02.01 ID:cvHRbvSu0
和「それだけ覚えてるなら、テストくらい楽勝よ」

梓「そうですかね」

和「国語も間違ってるのは漢字で、設問はちゃんと答えてるのよ。とにかく漢字を覚えること」

澪「けっこう本読んでたりする?」

梓「中学生までなら……」

紬「なんだかいけそうじゃない?」

唯「うんうん、あずにゃん、いけるよ~」

65: 2009/08/23(日) 01:39:32.51 ID:cvHRbvSu0
和「他の教科は範囲をもう一度見直すこと。追試はほとんど同じ問題が出るんだろうし。
  とにかく頭に入れなさい」

梓「はぁ……」

澪「よし、じゃあ、今のアドバイスに従って始めるぞ」

唯「あずにゃん、がんばって!」

梓「……めんどくさ」

紬「まあまあ。今日のお菓子はたい焼きよ。甘いものは脳にもいいから」

梓「む……たい焼き」

67: 2009/08/23(日) 01:42:23.05 ID:cvHRbvSu0
よくじつの教室


憂「梓ちゃん、勉強してる」

梓「うん……」カリカリ

憂「漢字の練習?」

梓「先輩が休み時間にやれって……」カリカリ

憂「そっかぁ。がんばって! わたしも応援するから!」

梓「……同じ漢字書いてると、冠とかへんとか、文字に見えなくなってくる」カリカリ

憂「あ~そうかも」

梓「なんだか気持ち悪い……」カリカリ

69: 2009/08/23(日) 01:45:18.46 ID:cvHRbvSu0
音楽室


澪「光合成を行うのは?」

梓「緑黄色素?」

律「は~い、因数分解してね~」

梓「エックスの二乗はエックスかけるエックスでつまりエックスが二つで?」

唯「も~んご~るて~こくち~んぎ~すは~ん♪」

梓「も~んご~るて~こくち~んぎ~すは~ん♪」←歌って覚える

紬「今日はクリームのたい焼き~♪」

梓「ムグムグ……」

70: 2009/08/23(日) 01:51:11.41 ID:cvHRbvSu0
―最近、中野さんが勉強してる

―午前中に起きてるだけで奇跡なのに!

―まさか何かが起こる前触れ!?

―私も追試あんのよね……

―なんかご利益あったりして

―そうよ、今のうちに中野さんの消しゴムのカスをもらって運をもらうのよ

―なんかー中野さんと握手すると成績良くなるんだってー

―あたし、もう髪の毛もらってきたもんねー

73: 2009/08/23(日) 01:57:42.67 ID:cvHRbvSu0
教師「今日は中野さんお目覚めのようですね。机に教科書もノートも出てるし」

梓「……」

教師「では、一つ。元が興ったのはいつ?」

梓「ワン、ツー、ロクオー、フビラーイハーン」

皆「ワン、ツー、ロクオー、フビラーイハーン!!」

教師「!?」

75: 2009/08/23(日) 02:01:12.50 ID:cvHRbvSu0
そして……


澪「さて」

律「結果が出たわけですが」

紬「とうとう……」

唯「ふむふむ」

78: 2009/08/23(日) 02:04:31.89 ID:cvHRbvSu0
英語80点 国語79点 以下60、62、61…点


澪「国語と英語はすごいいいのに、他はギリギリだったな」

紬「まあまあ、よかったじゃない」

律「梓選手から試合を終えて一言、どうぞ」

梓「つかれました……ねむい」

唯「あずにゃん、よかったねぇ」

79: 2009/08/23(日) 02:06:23.67 ID:cvHRbvSu0
律「よーし、今日は記念にもんじゃ焼きを食べに行こう!」

澪「練習じゃないのか。ま、いーか」

唯「わあ、久しぶりだ!」

紬「わーい♪」

梓「わーい……?」

94: 2009/08/23(日) 03:00:19.33 ID:cvHRbvSu0
もんじゃ焼き屋


紬「わあ、鉄板だ!」

唯「ムギちゃん、もんじゃ焼き食べたことないの?」

紬「うん、初めて。これで焼くの?」

律「そう、これでじゅわじゅわ~って」

紬「楽しそう」

梓「……焼肉?」

澪「梓も初めて?」

梓「はい。もんじゃのもんじゃってなんですか?」

澪「えっ」

律「そういえばなんなんだろ」

95: 2009/08/23(日) 03:04:40.47 ID:cvHRbvSu0
―豚玉でーす


律「さあ、焼くぞー」

唯「あ、私、やりたいやりたい!」

律「じゃあ、唯が先で、次のイカが私ね」

唯「先に具を焼いて……」

  ジュウウウウ……

唯「汁かけてー」

  ジュワワワワワー……

紬「わあ!」

唯「ソース、青ノリ……これでちょっと待てば出来上がり」

96: 2009/08/23(日) 03:08:05.36 ID:cvHRbvSu0
紬「唯ちゃん、すごーい」

唯「そんなことないよー。ムギちゃんもやってみなよ」

紬「うん。どれくらい待つの?」

律「適当だよ」

澪「まあ、のんびりやろうよ」

紬「じゅわわわわわ……」

梓「なんだか……ゲ」

澪「言ったら食べさせないぞ~」

梓「にあー」

99: 2009/08/23(日) 03:12:41.24 ID:cvHRbvSu0
皆「いただきまーす!」


唯「あむあむ」

律「もうちょっと焼いてもよかったかな」

唯「私これくらいムニムニしてても好きだよ」

紬「おいしー」

澪「唯、ソース取って」

唯「ほい」

梓「あむあむ」

100: 2009/08/23(日) 03:15:48.94 ID:cvHRbvSu0
律「そういえば、こないだ澪と話してたけど、ウチの女子高って噂とか立たないのかね」

紬「あら……りっちゃんたら」

唯「噂って?」

律「誰さんと誰さんが、とかさ」

唯「そういえば聞かないねー。中学のとき、女子高はそういうこともあるって聞いたけど」

澪「なんで皆すぐに話がわかるんだ……そういうことってなんだ?」

律「だからーウチの学校で誰かつきあってるかって話だよ」

澪「そりゃー彼氏いる人もいるだろう」

律「だからねー澪ちゃん、この学校の中でっつう話ですよ」

澪「は!? だ、だって女子高だぞ?」

101: 2009/08/23(日) 03:19:23.52 ID:cvHRbvSu0
律「だってっても、なぁ?」

紬「女の子同士もいいものよ」

澪「え、だ、だって」

紬「先輩と後輩、仲良しの二人、教師と生徒……美しい」

澪「それは、男女でもあることなのでは」

紬「女の子だからいいの!」

唯「おこげ~」

103: 2009/08/23(日) 03:22:50.67 ID:cvHRbvSu0
律「澪なんかファンクラブがあるんだからさ、そのうち下駄箱に何か入ってるかもよ~?」

澪「な、何かって……」

律「いや、そんな怯えなくても。ラブレターとかさー」

澪「えーっ」

律「ああ、愛しの秋山先輩、こんなお手紙で気持ちをお伝えするのも気が引けますが、それでもっ」

澪「うーん……」

律「実際、中学でも同姓からモテたし」

澪「何それ?」

律「ほら、いっこ下に可愛くて有名なのいたじゃん。あれ名前なんだっけ……」

105: 2009/08/23(日) 03:27:22.55 ID:cvHRbvSu0
紬「まず具を焼き」

  ジュウウウウ……

紬「汁を」

  ジュワワワワワー……

紬「できたー」

澪「梓もやってみなよ、べビスタ」

梓「にゃ」

律「面倒見がいいなー。案外、お似合いかもよー」

澪「まだ言うか」

紬「……」

律「ほら、ムギも熱い目で見てるぞ~。そのうち、あずにゃん、タイが曲がっていてよ、てな」

澪「はいはい」

106: 2009/08/23(日) 03:31:27.94 ID:cvHRbvSu0
紬「もういちまい~♪」

律「えーもっと焼いてせんべいにしてくれよう」

紬「ゲル状がいいの~♪」

唯「次、お好み焼きにしよー」

澪「……」

梓「あむあむ」

澪「(律がバカ言うから、変に意識しちゃうじゃないか)」

107: 2009/08/23(日) 03:36:11.83 ID:cvHRbvSu0
澪「あー、梓」

梓「はい」

澪「ど、どう? もんじゃ焼き」

梓「はぁ。なかなかいいんじゃないでしょうか」

澪「そう、なかなか……」

澪「(うわー今少しどもったよなんだよやめろよもー)」

110: 2009/08/23(日) 03:42:30.52 ID:cvHRbvSu0
唯「お好み焼きだー!」

律「マヨを、かけるんだ!」

紬「ぺったんぺったん♪」


澪「……あのさ、これ話したっけ」

梓「はい?」

澪「そのうちさ、外でライブやりたいなって。あ、外っていうのは路上って意味じゃなくて」

梓「はぁ、ライブハウスですか」

澪「うん。そうだな、年明けあたりに出来れば」

梓「いいんじゃないですか? ライブは疲れますけど」

澪「そっか」

梓「照明が熱いとこもあるし」

112: 2009/08/23(日) 03:48:57.98 ID:cvHRbvSu0
律「いやぁ、食った食った」

唯「さすがにご飯はいらないかも」

紬「楽しかったー」

律「そうだ、クリスマスはどうする? また唯の家に集まる?」

唯「私はいいよー」

梓「あのー……私、クリスマスには予定が……」

律「彼氏ですよ奥さん」

唯「若い子はいいわねぇ」

梓「彼氏ではありません」

113: 2009/08/23(日) 03:52:27.70 ID:cvHRbvSu0
梓「クラスの人の猫を預かることになっていて」

律「クリスマスの日に?」

梓「はぁ。それで外出は出来ないんです」

紬「その日は梓ちゃんのお家では用事はないの?」

梓「その日は両親共に出かけるんです」

律「なんだ、じゃあ、梓んちでパーティーやればいいじゃん」

梓「え」

114: 2009/08/23(日) 03:54:33.76 ID:cvHRbvSu0
唯「あずにゃん、いい?」

梓「はぁ……いいですけど」

律「よーし、決まり! あ、プレゼント買わなきゃな」

唯「りっちゃん、交換じゃなくて景品にするっていうのどうする?」

紬「ウチにビンゴがあるから。それ持っていくね」

梓「……」

澪「みんな、梓と遊びたいんだよ」

梓「はぁ」

澪「わたしだって、梓と遊びたいしね」

116: 2009/08/23(日) 03:59:16.27 ID:cvHRbvSu0
中野梓 小学4年生のころ


  ビュウウウウウウウウウウウウウ
  ゴオオオオオオオオオオオオオオ
  キイイーーーーーーーーーーンン

「逃げる奴はベトコンだ!逃げない奴は訓練されたベトコンだ!」
「ガキの頃から俺の後ろばっかチョロチョロついてきやがって!」
「ワーグナーだ!」「これがジャンボジェット」「ユング少佐は?」

梓「…………ブツブツ」


―梓はテレビばっかり見てるけど、なんだあれは?

―それがね、教育番組とか映画とかアニメとかで写る飛行機のシーンだけ録画して、
 ずうっっと、そればっかり見てるんですよ。

118: 2009/08/23(日) 04:03:40.71 ID:cvHRbvSu0
現在
クリスマスの中野家


猫「ニャーン」

梓「……」

猫「ニャッ」

梓「……にあー」

猫「……」

梓「にあー」

猫「……」

119: 2009/08/23(日) 04:07:56.74 ID:cvHRbvSu0
梓「にあーにゃにゃにゃ」

猫「……」

梓「にあーにあーにあーにあー」

猫「ニャー」

梓「にあー」

猫「ニャーッ!」

梓「にゃ……」

猫「……」

梓「あ、いっちゃった……」

120: 2009/08/23(日) 04:11:31.45 ID:cvHRbvSu0
中野梓
小学4年生
工事現場にて


カーンカーンカーンカーン
ガガガガガガガガガガガガガガガ

梓「……」つテレコ

梓「へへっ、ここはいい工事だ」

梓「わあ、セミみたいな音だ」

梓「ぐっふっふっふっ」

122: 2009/08/23(日) 04:16:31.45 ID:cvHRbvSu0
現在
中野家

梓「あわぁずぶらぁ~いん、なぁきゃんすぃ~♪」

猫「……」

梓「……なんだ、どっかいったんじゃないのか」

猫「ニヤーウ」

梓「サラミ食べる? ペットショップガールズで買ったやつ」

猫「ナゥ……」ガツガツ

梓「猫語は通じなくて、日本語は通じるのか」

123: 2009/08/23(日) 04:21:40.20 ID:cvHRbvSu0
カッチコッチカッチコッチ……


猫「……」

梓「メトロノームに釣られて首を振っているな」

梓「ダンス、ダンス、ダンス♪」カチャカチャ

Pet Shop Boys - Go West

梓「かもかもかも……」ユラユラ

124: 2009/08/23(日) 04:29:05.97 ID:cvHRbvSu0
梓「ジタバタして疲れた……ねむい」

猫「ニャー」ピョン

梓「……膝に乗られた」

猫「……」

梓「ま、いいや。おやすみ、あずにゃん84号……」

128: 2009/08/23(日) 04:36:59.67 ID:cvHRbvSu0
中野梓
小学4年生

―梓、なんの本を読んでるんだい?

梓「さんてぐじゅぺり」

―ほー、星の王子様か。

梓「ううん、夜間飛行」

―それじゃあ、梓は飛行機が好きなんだねー。

梓「飛行機の飛んでる音が好きなの。でも、これは本だから音がしない。あと、爆発の音も好き」

―ほー。

梓「パパのギターの音も好き」

―ほほー。

131: 2009/08/23(日) 04:42:44.28 ID:cvHRbvSu0
―梓、これは梓のギターだよ。今度からは梓の好きなときに弾いていいぞー。

梓「わーい」

 ジャラアアアアアアアン
 …ィィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!

―おっと、いきなり大きな音が出てビックリしたねー。

梓「きゃっきゃっ」

133: 2009/08/23(日) 04:48:16.90 ID:cvHRbvSu0
現在
中野家

キンコーーン……

梓「む……誰か、きた」

梓「澪先輩かな」

猫「……」

梓「あれ、あずにゃん94号がゲロ吐いてる」

梓「とりあえず、先に玄関に……」

134: 2009/08/23(日) 04:54:14.38 ID:cvHRbvSu0
ガチャ……

梓「はい」

さわ子「ういーす」

梓「……」

さわ子「……」

梓「……」

さわ子「あ、あれ? 今日はここでクリスマス会じゃないの?」

136: 2009/08/23(日) 05:01:03.48 ID:cvHRbvSu0
さわ子「なーにー、まだ誰も来てないの」

梓「はぁ」

さわ子「もう、しょうがないわねー。あ、猫……ってなんか吐いてる!」

梓「さっきから出してるんですが、具合が悪いんでしょうか?」

さわ子「ずいぶん冷静ね……あ、なんだ毛玉出してるだけだ」

梓「けだま?」

さわ子「猫は体の毛を舐めてるでしょう? それが胃にいっちゃって時々吐き出すのよ」

梓「ふーん。まあ、あずにゃん107号は無事ということですね」

さわ子「107?」

138: 2009/08/23(日) 05:07:13.17 ID:cvHRbvSu0
さわ子「へー。梓ちゃんのお家ってこんな感じだったのー。いいソファーねぇ、コレ」

梓「……」

さわ子「CD レコードもたくさん。うわぁ、ずいぶんまた懐かしいのが」

梓「……」

猫「……」

さわ子「みんなまだかしら……」

梓「猫じゃらし、やる?」

猫「ニャァー」

さわ子「(無理! 私ひとりじゃこの子の相手無理! 誰かはやく来て!)」

140: 2009/08/23(日) 05:12:21.47 ID:cvHRbvSu0
さわ子「あ、あーメタリカなんて聴くのー。今の子はもっとメロメロなのが好きだと思ってたけどー」

梓「……」つ猫じゃらし

猫「フガフガ」

さわ子「(スルーされますた)」

 キンコーーン……

紬「こんにちはー」

さわ子「ありがとう! よくきてくれたわねえ、はやくあがって!」

紬「え? 先生泣いて……」

142: 2009/08/23(日) 05:17:09.25 ID:cvHRbvSu0
紬「先生が出てくるからビックリしちゃった」

さわ子「私じゃ間が持たなかった、持たなかったのよ~」

紬「それが預かった猫?」

梓「そうです」つ猫じゃらし

猫「フガフガ」

紬「かわいい。私もやってみていい?」

梓「ドウゾ」

143: 2009/08/23(日) 05:23:10.09 ID:cvHRbvSu0
紬「そーっと」

猫「フガ……」

紬「わあー」

さわ子「飼い猫だから人馴れしてるのかしら」

紬「こっちも、こちょこちょ」

梓「なんです?」

紬「ウフフ、梓ちゃんもあずにゃんだから」

梓「にあー」

紬「ほぅ……こういうのも、いいわ」

さわ子「私は無視されたのに……まさに借りてきた猫」

144: 2009/08/23(日) 05:28:55.01 ID:cvHRbvSu0
唯「こんにちわー。あずにゃーん、今そこで澪ちゃんとりっちゃんにも……」

さわ子「おう、よく来たなベイビーたち」

和「先生!?」

憂「なんで?」

澪「きっと、いきなり来たんだろ、去年みたいに」

律「でも、梓の家なのにさわちゃんがお出迎えって」

さわ子「私は歓迎されないアウトロー、王室にとってのピストルズみたいなものよ」

146: 2009/08/23(日) 05:35:55.79 ID:cvHRbvSu0
唯「猫だ猫だ」

猫「ニアウ」

唯「はう、いっちゃった……」

澪「人が急に増えたからな」

紬「でも、軽音部の仔猫ちゃんがいるから」

梓「にゃ」

唯「そうだね~あずにゃ~ん」スリスリ

梓「ふにゃ」

憂「(お姉ちゃんは気持ちいいよね梓ちゃんでもちょっとくっつきすぎじゃないかな)」

さわ子「蚊帳の外、これが若さか。小沢君元気かなぁ……」

147: 2009/08/23(日) 05:41:43.69 ID:cvHRbvSu0
憂「梓ちゃん、これ家で作ってきたの」

律「おお、憂ちゃんのごちそう!」

梓「うん」

唯「こういうときは、ありがとうって言うんだよ、あずにゃん」

梓「……あ、ありがと」

唯「うんうん、いいこいいこ」ナデナデ

憂「どういたしまして(お姉ちゃんとベタベタしなければオールオッケーなんだけど)」

148: 2009/08/23(日) 05:45:51.07 ID:cvHRbvSu0
和「私も家からケーキ持ってきたの」

唯「チョコケーキだぁ! ちょっとだけ」

和「手をつけないの。これは後でね」

唯「わ、わかってますがな、旦那~」

律「和がいるとなんか助かるな~」

澪「任せられる方は苦労するけどな」

律「んん? なんの話カナ?」

澪「さーてね」

185: 2009/08/23(日) 11:10:45.10 ID:RCQEMxxW0
皆「メリークリスマース!」

唯「ほい、あずにゃん、あーん」

梓「んあ……」

澪「餌付けか」

律「憂ちゃん、おいしいよ、このから揚げ」

憂「ありがとうございますぅ」


188: 2009/08/23(日) 11:18:51.25 ID:RCQEMxxW0
律「そうだ、さわちゃん、こないだウチの学校でつきあってるやつっているのかなって話になったんだけど」

和「ええ!?」

澪「またぁ」

さわ子「ああー……女子高だからね」

律「ほう、噂がないわけじゃないのか」

さわ子「まあ、そんなこともあるけど、でもそんなしょっちゅうは聞かないわよ」

紬「そう、残念……」

190: 2009/08/23(日) 11:26:49.42 ID:RCQEMxxW0
さわ子「そういうのは、一目見ればわかるわね」

紬「ふむふむ」

さわ子「ショートカットでボーイッシュな子とおさげでおっとりした子が並んで歩いてるの見た日にゃあ、
    もう、この目にはしっかりふたりのラブビジョンが見えます」

紬「ラブ……」

さわ子「ちょっと、ぎこちなく手ぇつないでるふりしてところがどっこい、
    心のハンドで互いのボインをもみしだいているのよ!」

律「だ、そうですよー、澪ー」

澪「なぜ、私にふる」

191: 2009/08/23(日) 11:33:02.29 ID:RCQEMxxW0
さわ子「はい、次、プレゼント交換~」

律「今年は箱の大きいほうから一等にして、ビンゴでプレゼントをもらいましょう」

唯「わ、あずにゃんのプレゼントが一番大きい」

梓「はぁ、これは先日ホーム……」

憂「梓ちゃん、中身教えちゃったらダメだよ」

唯「さわちゃん先生、今年も彼氏にあげるはずのものですか?」

澪「ちょ、唯」

さわ子「……どうせ独り身よー!」

193: 2009/08/23(日) 11:39:37.87 ID:RCQEMxxW0
澪「あ、そろった。ビンゴー」

律「はいはーい、では一等の梓からのプレゼントを受け取ってくださーい」

澪「ほんとに……おっきい」ゴソゴソ

和「なにそれ?」

澪「筒に穴が開いてて……傘立て?」

梓「その蓋を取ると、ゴミ箱にもなります。リバーシブルというやつです」

律「ゴミ箱……」

澪「あ、ありがとう……あと、リバーシブルの使い方は違うよ」

194: 2009/08/23(日) 11:44:56.71 ID:RCQEMxxW0
紬「あ、そろいましたー」

律「んじゃあ、これだな」

和「あ、それ、私のだ」

紬「ホント? なにかしら……」

唯「なになに?」

紬「ノートだわ。真っ白で百合のデザインがある」

澪「へーかわいいなー」

和「たいしたものじゃないけど、よかったら」

紬「ううん、ありがとう!(これからこの百合色ノートに記録をつけることにしよう)」

197: 2009/08/23(日) 12:08:44.49 ID:RCQEMxxW0
梓「む」

唯「どしたの? あずにゃん、チキンおいしいよ」

梓「おお……」ゴソゴソ

澪「何やってんだ、そんな隅っこで?」

梓「いえ、あずにゃんV3がひさしぶりにいたので」つG

律「ちょっ!」

澪「にゃあああああっ!」

紬「なーに、カブトムシみたいだけど」

和「す、素手で掴まないで!」

さわ子「こっちに見せないでよ!」

憂「お、おおおぶぶぶぶつつつはしょしょしょしょどくくくく」

202: 2009/08/23(日) 12:15:48.57 ID:RCQEMxxW0
唯「もう、バイキンがついてゴキにゃんになっちゃうよ」

澪「はやく手を洗ってきなさい!」

梓「けど、彼は私達人類が生まれるよりはるか以前から生きき続けてきた大先輩であり、ある意味この惑星の生き証人で」

律「水道いけ!」

紬「ツインテールがあったわねぇ」

204: 2009/08/23(日) 12:22:00.69 ID:RCQEMxxW0
澪「みんな、そろそろどこかでライブをしようと思います」

さわ子「あら、いいじゃない」

唯「さわちゃん先生も、ライブやったりした?」

さわ子「そりゃあもちろん。始めは緊張したもんよ」



さわ子『キルユーキルユー! さあ、狂いなさいっ!』

   『うきゃあああああああっ!』『うおおおおおおおおッ!』

DEATH DEVIL Maddy Candy


205: 2009/08/23(日) 12:27:59.95 ID:RCQEMxxW0
さわ子「青春ね……」

律「今も変わんないじゃん」

澪「で、年明けごろにどこかでやりたいと思うんだ」

紬「お正月にやれたら、楽しそうじゃない?」

唯「おお! それいいね~」

澪「それはちょっと急すぎないか」

和「でも、こういうのってよく知らないけど、けっこう前から準備しておかなきゃ出来ないんじゃないの?」

さわ子「そうねぇ、年明けは地元もそれなりにやるとこあるでしょうけど」

憂「(高校生って、すごく大人!)」

さわ子「よし、元旦にどこかでやってないか調べておいてあげる」

206: 2009/08/23(日) 12:33:27.41 ID:RCQEMxxW0
律「よーし、今日はお開き!」

皆「ごっつぁんでしたァ!」

唯「澪ちゃん、おみやげが大きいね」

澪「うん……部屋で使うよ」

梓「あの……」

律「うん?」

梓「……今日は楽しかったです」

208: 2009/08/23(日) 12:42:47.24 ID:RCQEMxxW0
律「ちょっと、ビックリしたな~」

憂「私も少し」

澪「普段、ああいうこと言うタイプじゃないからな」

紬「でも、よかったじゃない。これで軽音部の仲も深まったと思えば」

唯「ムギちゃん、いいこと言うね~」

さわ子「さっきの話だけど、わかったら連絡入れるから、あなたたちちゃんと練習しときなさいよ」

唯「先生、顧問みたい」

和「いや、顧問でしょ……」

引用: 梓「結局、音楽は暇つぶしですから」