197: 2016/04/17(日) 21:24:35.58 ID:qpoDPZcq0
こんばんは、>>1です。




それでは投下いたします。
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
198: 2016/04/17(日) 21:31:42.98 ID:qpoDPZcq0
【恋愛禁止条例】

 ―10時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

金剛「失礼しマース!記録課から3月次の各鎮守府のデータを持ってきたネー!」

提督「ありがとうございます」スッ

金剛「他にも何かしてほしいこととかありませんカ?」

提督「いえ、今は特に…」

金剛「はー、それにしても秘書艦の仕事は、いつも楽じゃありませんネ~…」

提督「そんなもんですよ」ペラッ、ペラッ

提督「…………ん?」

金剛「What?どうかしましたカ?」

提督「いえ、この戦果順位表…………」

金剛「?」

提督「……金剛さん、過去6カ月までの戦果順位表と、各鎮守府の概要データをもう一度記録課へ行って取ってきてください」

金剛「Oh…分かりましタ………」


 ―数分後―

金剛「持ってきたネー……」

提督「度々すみませんね…」スッ

金剛「ちょっと、休ませてもらうヨ…」バフッ

提督「……………………………」パラッ、パラッ

提督「…………やはり」ボソッ

199: 2016/04/17(日) 21:47:09.08 ID:qpoDPZcq0
金剛「………?どうかしたのですカ…?」

提督「この鎮守府なんですが……」

金剛「…………尾鷲第弐拾質鎮守府がどうかしたのデスカ?」

提督「この鎮守府、6か月以上前から戦果順位が最下位レベルなんですよ。しかも、順位が全く上がっていません」

金剛「その鎮守府、そこの提督が着任してからまだ日が経っていないのでハ?」

提督「ここの提督、着任したのはもう3年前ですよ?それでここまで低い戦果は少し奇妙です。この第肆拾弐鎮守府とか第質拾陸鎮守府は、この弐拾質鎮守府と

   同時期に着任したのにもう全国でも中ほどか中の上ほどです。そしてこの鎮守府より順位が低い鎮守府は、最近着任したばかりの鎮守府です」

金剛「………じゃあ、この鎮守府はどうして…」

提督「よほどのホワイト鎮守府か、ただのチキンか、それともやる気が無いのか…………調査する必要がありますね」

金剛「Checkup?どうやってデスカ?」

提督「妖精さんに調べてもらうんです」

金剛「??」


 ―17時過ぎ、執務室―

提督「調査が終了したようです」

金剛「どうだったんでスカ?」

提督「そこの提督、艦娘達と恋愛関係にあり、出撃に身が入らない状態のようです。大規模作戦にも参加せず、週に1~2回ほど出撃する程度…」

金剛「恋愛関係?それでしたらケッコンカッコカリを…」

提督「複数名…というか全員と付き合っているような状態で、ケッコンカッコカリはまだしていないようです。どうやら、『恋人として接している時が心地よく、

   夫婦にはなりたくない』、と」

金剛「Oh……」

提督「ケッコンカッコカリはしたくないので練度を上げる必要もない…という事で、演習しか受けてないそうです。そこの鎮守府の艦娘の最高練度、まさかの

   40ですよ。ハッキリ言ってこの鎮守府、異常です」

201: 2016/04/17(日) 22:00:47.12 ID:qpoDPZcq0
金剛「ど、どうするんデスカ……?」

提督「………これは、使う事がほとんどない条例を行使せざるを得ません」

金剛「条例?それは、一体…?」


提督「‶恋愛禁止条例‶です」


金剛「!?」

提督「さて、条例を行使するには直接第弐拾質鎮守府へ行かなければなりませんね…金剛さんも来ますか?」

金剛「そ、それは置いといて、何デスカ‶恋愛禁止条例‶って!?」

提督「そのままの意味ですよ。提督と艦娘の恋愛を禁止するんです………ああ、内容は‶恋愛禁止‶というより‶接触禁止‶になりますね」

金剛「かえって厳しくなってるデース!?」

提督「まあ、どういった内容のものかは行使する際に説明しますよ」


 ―数日後、近畿・尾鷲第弐拾質鎮守府・応接室―

第弐拾質鎮守府提督(以下色上)「ちょっと、どういう事ですか‶恋愛禁止条例‶って!そんなもの行使されるいわれはありませんよ!」

提督「貴方が着任したのは3年前…。3年前からこの鎮守府の戦果順位は一切上がっておらず、今年度新たに着任した提督の鎮守府に追いつかれる勢いですよ。

   データならここに」パサッ

色上「そんなもの信じられますか!どうせ、そっちがデータを改ざんしたんでしょう!」

提督「貴方ががそう思うんならそうなんでしょう、貴方の中ではね」

提督「話が逸れましたが、貴方はここの艦娘のほぼ全員と恋愛関係にありますね?」

色上「な、なぜそれを……」

提督「妖精さんからの報告ではウラはとれてます。まさか、深海棲艦の討伐より恋愛を優先しているとは、正直驚きました」

色上「だっ、だから何だというんだ!俺は男で、艦娘は女だ!男女が恋愛関係になってもおかしくはないだろう!そもそも、ケッコンカッコカリと言うシステム

   だってあるし…」

提督「ケッコンカッコカリは、あくまで提督と艦娘の絆を強め、艦娘の能力の向上を第一の目的としているんですよ?最近では、ケッコンカッコカリとは『艦娘と

   結ばれて仮の夫婦生活を営む事ができるもの』と、目的をはき違えて理解している方が多いようですが」

202: 2016/04/17(日) 22:18:27.79 ID:qpoDPZcq0
提督「それと、我々提督と艦娘の目的は深海棲艦の討伐であって、艦娘と恋愛関係になることではありません。そこのところをちゃんと理解していますか?

   まさか、艦娘と恋をするために提督になったんじゃあるまいし」

色上「ぐ……………じゃ、じゃあ!なぜケッコンカッコカリなんてシステムを作ったんだ!そんなだから理解を間違える者が増えるんだろう!」

金剛(このテートク…論点をズラしてきていますネ…)

提督「ケッコンカッコカリのシステムを作ったのは前の司令長官ですが、曰く『深海棲艦との戦いはとても厳しく、自分の指揮で可憐な女性の姿を持つ艦娘達が

   一瞬で命を落としてしまう事があるかもしれないという不安からから向上心が上がりにくい。だから、モチベーションを上げるためにケッコンカッコカリ

   というある種の目的を設立した』だそうです。実際、このシステムが実装されてから、各鎮守府の戦果は確実に上昇していきました」

色上「そ、それは前司令長官の言ったことだろう!そんな事…!」

提督「というか、今はそんな話などどうでもよく、貴方の鎮守府の運営状況に問題があると私は先ほどから言ってるんです。言った通り、貴方の鎮守府には‶恋

   愛禁止条例‶を発令します」

色上「……その条例とは、どういうものなんだ」

提督「単純な事です。一定期間、提督と艦娘の接触を制限するんです。具体的には、執務室をアクリル板で区切り、面会用の窓口を設けます。全ての命令、書類

   受領はその窓口を通して行うようにし、何らかの理由が無い限り話す事を禁止します。提督の側には誰一人として入る事を許可しません」

色上「刑務所か!」

提督「また、食事も部屋に持ってきてもらうようにし、風呂とトイレは私室にある物を使用していただきます。全ての鎮守府の構造は同じですから、自室を改造

   していない限りはまだ残っていますよね?」

色上「ぐぬぅ………」

提督「そして一定期間経過後、戦果の上昇が認められればこの条例を解除します。認められない場合は期間を延長します。そして、解除した後もまた同じような

   事例が見られた場合は、問答無用で貴方を海軍から追放、シベリア行です」

色上「…………その期間は、どれくらいなんだ」

提督「2か月です」

色上「………分かった」

提督「では、今日より妖精さんに依頼して準備をしてもらいます。もし、不正などでもしたら……」

色上「分かってる。これから、戦果向上に尽力する」

203: 2016/04/17(日) 22:28:37.81 ID:qpoDPZcq0
 ―帰路―

提督「本来でしたら、減給でもおかしくはなかったんですがね」

金剛「…2か月ですか…大丈夫でしょうか…?」

提督「それは、あの鎮守府の提督と艦娘達にすべてがかかっていますね」

金剛「………やっぱり、ケッコンカッコカリなんて間違っていたのでしょうか…」

提督「いえ、先ほどの前司令長官の話は本当ですし、私はあの意見にはまあ賛成していましたので。それと、提督の採用基準が『妖精さんが見えるか否か』で

   決まっていますので、こう言った事例はいくつか起きるものなんです」

金剛「………………」

提督「シベリアに送られたブラック提督も、私が始末した‶タカ派‶の提督も、妖精さんが見えるから、と言う理由で提督になれたのですし…やはり、採用基準を

   変えるべきでしょうかねぇ」

提督「ま、要は『艦娘との間の恋愛は自由だが、深海棲艦の討伐に支障が出ない程度なら構わない』という事なんです。あの提督は、恋愛と戦いの両立ができな

   かったという事です」

金剛「………」

提督「我々はあくまで軍人なのですから、恋愛にかまけている暇もないはずなのですが、恋愛と言う息抜きが無ければ我々はいつか壊れてしまいます。って、

   これは矛盾ですかね」

金剛「…………でも、私達艦娘も、テートクと恋をする事ができてうれしいですし、そう言うのは無くさないでほしいデース…」

提督「………………………」


 ―翌日11時過ぎ、司令長官執務室―

提督「と言うわけで、提督の選定基準を改定した方が良いかと」

司令長官「いやぁ、それは前々から思ってたんだけど…選定が楽だからなぁ~…」

提督「…………………」


【終わり】

204: 2016/04/17(日) 22:34:50.85 ID:qpoDPZcq0
【キャラクター紹介】

≪金剛≫

金剛型戦艦一番艦。艦娘No.21(改二はNo.149)。少し明るいロングの黒髪と、電探の形をしたカチューシャが特徴の、明朗快活なお姉さん。生まれがイギリスな

せいか片言な日本語をしゃべる。鎮守府で一番最初に着任した戦艦で、戦闘の腕はピカイチ。提督の事をとても慕っており、提督LOVE勢で構成されているグループ

‶ALG‶のリーダー。しかし、自分がケッコンカッコカリできなかった日には大泣きした。紅茶がとても大好き。妹3人の事をとても大切にしている。

好きな言葉は『愛、屋烏に及ぶ』。

205: 2016/04/17(日) 22:39:25.36 ID:qpoDPZcq0
≪色上 明樹(しきがみ はるき)≫

近畿・尾鷲第弐拾質鎮守府の司令官。性別は男性で、年齢は39歳。複数の艦娘と恋愛関係を持ってしまい、恋にかまけて出撃を怠った結果、総司令部から‶恋愛禁

止条例‶を行使され艦娘との接触を制限されることとなってしまった。艦娘達が戦場に出て傷つくのを見てられないというわけではなく、ただ単純に恋愛優先で

出撃するのが面倒くさくなった、というどうしようもない理由。恋人同士の関係が心地よいため、ケッコンする気はほとんどない。

好きな言葉は『合縁奇縁』。

215: 2016/04/18(月) 21:38:16.84 ID:50boXU8G0
【梅の花】

 ―14時過ぎ、総司令部敷地内―

提督「次の視察は、間宮さんのお店ですか…」

由良「間宮さんのお店かぁ……ねえ提督さん、視察の後の仕事も頑張るから、スイーツを奢ってくれると嬉しいな」

提督「善処します」

由良「もう………」

提督「というか、別に視察に秘書艦はついてこなくても大丈夫なんですよ?」

由良「いいの、少し歩きたい気分だったから」

提督「そうですか」

由良「……それにしても」チラッ

提督「?」

由良「桜…散っちゃったね」

提督「まあ、もうシーズンは過ぎましたし」

由良「来年もまた、皆で桜を見たいな…」

提督「………できますよ。きっと」

由良「………あっ」

提督「どうかしましたか?」

由良「梅の花が咲いてる…あれ」

提督「あ、ホントですね…。梅の花のシーズンは、まだ終わっていませんでしたね」

由良「皆でお花見でもしたいなぁ~」

提督「………皆さんの予定が合えば、ですがね」

216: 2016/04/18(月) 21:47:04.68 ID:50boXU8G0
 ―数日後17時過ぎ、執務室―

コンコン

提督「はい?」

由良「失礼します、提督さん」

提督「由良さん、どうかしましたか?」

由良「昨日の遠征の報告書、提出に来たよ」

提督「ありがとうございます。では、後ほど確認させていただきます」

由良「それとね、提督さん」

提督「なんでしょうか?」

由良「明日のお昼に、この前の梅の樹の場所で、長良型の軽巡だけだけどお花見をしようと思うの。提督さんもどう?」

提督「明日の昼……ですか…。そうですね………」

由良「……………」

提督「……ちょっと、明日になってみないと分からないですね」

由良「そうですか…分かった。じゃあ明日また聞くね。一応、提督さんの分のお弁当も作っておいてあげるから」

提督「なるべく、参加できるようにします」


 ―翌日10時過ぎ、執務室―

提督「………ふむ、大丈夫ですね」

コンコン

由良「失礼します、提督さん」

提督「あ、由良さん。ちょうど良いところに」

由良「え?」

提督「今日のお昼のお花見ですが、ご一緒させてもよろしいでしょうか?」

由良「え?参加できるの?やったぁ!」

217: 2016/04/18(月) 21:57:33.14 ID:50boXU8G0
 ―12時過ぎ、総司令部敷地内―

由良「提督さん、こっちこっち」

提督「すみません。遠征艦隊の報告が長引いて…」

由良「もう長良姉さんたちは皆待ってるから、急いで急いで」

提督「…珍しいですね。由良さんがそこまで積極的とは」

由良「え?そうかな………でも、そうかもしれないね」

提督「?」

由良「咲き誇る花の下で皆で一緒にご飯を食べたりおしゃべりをしたり……そう言うのに、なんだか風流っていうのを覚えるの」

提督「………」

由良「花は咲いた後でまた散っちゃうから、儚いでしょ?だから、咲いている時はちゃんと見ておきたいな、って思ったんだ」

提督「…由良さん、花とかも好きですか?」

由良「うん、お花とかは結構好き。あ、でも生け花とかそう言うのじゃなくて、こう、地面に咲く花が好きなの、かな」

提督「なるほど………」

由良「さ、早く行こ!お弁当が冷めちゃうから」

提督「……そうですね」

由良「皆~、提督さん連れてきたよ~」

提督「ご一緒させていただきますね」

由良「ふふっ。じゃあ長良型のお花見、ゆっくり楽しもうね、提督さん♪」


【終わり】

218: 2016/04/18(月) 22:04:39.30 ID:50boXU8G0
【おまけ】

 ―15時過ぎ、軽巡洋艦寮・休憩室―

五十鈴「そう言えば、艦の番号的に言えば、名取が由良の姉に当たるのよね」

由良「確かにそうだね。私は4番艦で、名取は3番艦だね」

五十鈴「でもこの前、一緒に風呂に入った時名取、由良の事‶お姉ちゃん‶って言ってたわよね」

名取「ふぇっ!?あ、そ、そういえばそうだったね……」

五十鈴「何で?」

由良「そう言えばそうね…。私も全然気にしていなかったけど…」

名取「え、ええと……お姉ちゃ…由良ちゃんは私よりもずっと落ち着いているし、頼りになるから、お姉ちゃん、って感じがして……」

由良「なるほどね………」

五十鈴「でも、姉より姉っぽい妹って結構いない?筑摩さんとか木曾とか」

由良「つまり、私は名取のことをお姉ちゃんって言えばいいのかしら?」

五十鈴「まあ、そうなるわね」

名取「そ、そんな、恐れ多いよぉ!私がお姉ちゃんなんて」


由良「別にいいじゃない、名取お姉ちゃん?」


名取「はうぅ……ずるいよぉ……」

長良「たっだいまー!なんの話してんの~?」

五十鈴「ちょっと、姉妹艦の呼び方についてね」

長良「えー?」


【終わり】

219: 2016/04/18(月) 22:10:47.90 ID:50boXU8G0
【キャラクター紹介】

≪由良≫

長良型軽巡洋艦四番艦。艦娘No.45。薄いピンクの長いポニーテールと両手の単装砲が特徴の、物静かな雰囲気のお姉さん。長良型の中では比較的まともな性格で

暴走気味な長良や鬼怒のストッパー役を買って出る事もある。戦闘ではそれほど秀でた点は無いが、冷静に物事を捉える観察眼を持っている。よく名取の姉と勘

違いされる事があるが、艦の番号的には名取の妹。胸が五十鈴、名取と比べて小さい事を気にしている。花と猫が大好き。以前エラー猫を拾ってきた事もある。

好きな言葉は『天衣無縫』。

225: 2016/04/19(火) 21:39:12.66 ID:04I6NpXI0
【改造練度①】

 ―2年前14時過ぎ、執務室―

飛龍「あ~、やっとだよ~」←練度78

提督「お疲れ様です。珊瑚諸島沖も大変だったでしょう?」

飛龍「大変とかそんなんじゃないよ~」

蒼龍「でも、これでやっと、私と同じ改二になれるね」

飛龍「そうだよぉ…やーっと蒼龍と同じ練度になって改二になれたよぉ~…いやぁ、ここまで長かったなぁ…」

提督「飛龍さんが着任したのは、蒼龍さんの後ですから練度に差が出るのは当然と言えば当然なのですが……」

飛龍「くそー、なんと冷淡な!もっと改二になれる事を祝ってよ!」

蒼龍「あはは…それより、改造が終わったらお祝いに一緒にスイーツでも食べに行こ?」

飛龍「ホントに!?やったー!」

提督「よかったですね……」ペラッ

提督「……………………あ」

飛龍「?どうかしたの、提督?」

提督「あー…えー…とても言いにくい事なんですがねぇ………」

飛龍&蒼龍「?」


提督「飛龍さんの改二改造レベル…77でした」


飛龍「」←練度78

蒼龍「あぁ………」


 ―1時間後、食堂―

提督「すみません。蒼龍さんと似ていたので改造練度も蒼龍さんと同じなのかと思っていました」

飛龍「ホントにひどいよ!なんか改二になれたのに嬉しさ半減っていうか…!練度77から78にあげるまでの苦労が何だったのっていうか!」パクパクパク

蒼龍「そうは言いつつ結構食べるね、飛龍…」

飛龍「やけ食いだよ!」


【終わり】

226: 2016/04/19(火) 21:47:51.42 ID:04I6NpXI0
【改造練度②】

 ―1年前、小樽第鉢拾伍鎮守府・執務室―

翔鶴「提督、艦隊が東部オリョール海より帰投いたしました」←練度25

手稲「お疲れ様です。いかがでしたか?」

翔鶴「はい、目立った損傷もなく、無事主力艦隊を撃破する事に成功しました」

手稲「それはよかった」

翔鶴「それと…潜水艦の子が『オリョール海は暖かいから北海道に戻りたくない!』と駄々をこねまして…」

手稲「あはは…それは困りましたね……あ、翔鶴さん」

翔鶴「はい?」

手稲「翔鶴さんの練度が、25になりましたね」

翔鶴「…それが何か?」

手稲「妹の瑞鶴さんの改造練度が25と同じでしたので、改造に向かってください」

翔鶴「ああ、そうだったんですか…。分かりました、では工廠へ行ってきます」

手稲「………瑞鶴さんも、呼んでおきますか」


 ―数分後、工廠前―

翔鶴「あの~…提督…」

手稲「おや、もう改造が終わったのですか?」

翔鶴「いえ、明石さんから…『改造するには後練度が5必要』と言われてしまいまして…」

手稲「」

瑞鶴「え、それってつまり、翔鶴姉の改造練度は30って事?」

翔鶴「そうね…」

手稲「…これは失礼いたしました。私が把握してなかったのが悪いんです。すみません」

翔鶴「いえ、提督だけのせいではありません…。きっと私の運が悪いから瑞鶴と改造練度が違うんです…」

瑞鶴「いや、運は関係ないでしょ」


【終わり】

227: 2016/04/19(火) 21:57:09.12 ID:04I6NpXI0
【改造練度③】

 ―4か月前15時過ぎ、伊豆第壱拾参鎮守府・執務室―

衣笠「んっんー!疲れたー!」←練度61

瑞理「お疲れさま~。疲れてるならマッサージしてあげようか?」

衣笠「え?いいよ、どうせお尻とか胸とか触ってくるし」

瑞理「そりゃ残念だ」

衣笠「それにしても、練度を65まで上げるのも楽じゃないね~

瑞理「重巡洋艦は皆改造練度が高いから、苦労するんだよね~。摩耶ちゃんなんて練度75だよ?」

衣笠「うわ、それはきついかも…」

瑞理「ま、だから衣笠ちゃんも頑張って―」チョイチョイ

妖精さん「あのー、提督さーん」

瑞理「ん?何かな?」

妖精さん「えーっと…」ヒソヒソヒソ

瑞理「ふんふん………………………えっ」

衣笠「?どしたの?」

瑞理「あー、えーっとね………」ポリポリ

衣笠「?」


瑞理「衣笠ちゃんの改二練度、55だって…」


衣笠「……………………………………………えぇ?」←練度61


 ―数十分後、工廠―

禊「衣笠さん?改二になれるのに、なんだか不機嫌ですね…。何かあったんですか?」

衣笠「………しーらないっ!」

禊「?」チラッ

明石「?」ブンブン


【終わり】

228: 2016/04/19(火) 22:06:13.96 ID:04I6NpXI0
【改造練度④】

 ―半年前17時過ぎ、舞鶴第弐拾伍鎮守府・休憩室―

山科「あー、鹿島…」

鹿島「はい?どうかしましたか、提督さん?」←練度30

山科「えーとだな、こっちの確認不足で伝えるのを忘れちまってたんだが…その………」

鹿島「?」

山科「えーと、鹿島…改造できる練度になったんだ」

鹿島「えっ、本当ですか!」

山科「あ、ああ…。だから、今から工廠に行ってくると良い」

鹿島「ありがとうございます!これも、提督さんが指揮をしてくれたおかげですね♪」

山科「べ、別にお前たちの事を考えて指揮してるわけじゃないぞ!?ただ、最も効率のいい指揮の仕方を考えたら、たまたまそうなっちまっただけだからな!」

鹿島「うふふ、そういう事にしておきますね♪」

鈴谷(わーお、提督のツンデレも鹿島のスルースキルも健在だねー…)


 ―数分後、執務室―

鹿島「あのー、提督さん…?」ガチャ

山科「お?もう改造が終わったのか?」

鹿島「いえ、そうではなくて………」

山科「?」

鹿島「私の改造練度、35だって妖精さんに言われて…」

山科「えっ!?」

鹿島「だから、まだ私は改造できないって…」

山科「えっ、あっ、ホントだ!スマン鹿島!間違えちまってた!」

鹿島「いえ…私は大丈夫です。素直に謝ってくれて、嬉しいですよ♪」

山科「そ、そうか……//」

鈴谷「」ジトーッ

山科「はっ!」


【終わり】

234: 2016/04/20(水) 21:31:42.22 ID:d7X9Jwrg0
【潜水艦の地獄】

 ―16時過ぎ、深海棲艦本拠地・執務室―

深海提督「……今日は水曜日か」

空母棲姫「それがどうかしたの?」

深海提督「いや、水曜日あたりから、ちょっと困った事が起きてな…」

空母棲姫「困った事?」

深海提督「それはな……」

バァン

空母棲姫「!?」ビクッ

潜水ヨ級「提督ぅぅぅぅぅぅぅぅ…!」ガバッ

深海提督「どうどう…どうしたんだ?またやられたのか?」

潜水ヨ級「そうなんだよぉ……。またなんか艦娘共が急に攻めて来てぇ…!」

潜水カ級「もう、ドッカンドッカン爆雷落としてきて…もう嫌だぁ…!」

深海提督「……こんな感じで、潜水艦娘達がなんだか泣きついてくるんだよ」

空母棲姫「ふぅ~ん……悪いけど、私には分からないわね…」

深海提督「同じ潜水艦のソ級も何か知ってるんじゃないかと思ったんだが……」


潜水ソ級『え?私のトコにはそんなに艦娘は来ないわよ?』


深海提督「それも、こういう事になるのって水曜日とか木曜日が多いんだよなぁ…」

空母棲姫「ん~…何か、鎮守府の方は潜水艦を倒す任務でもあるんじゃないの?」

深海提督「そうか……一度調べてみようか…」

235: 2016/04/20(水) 21:42:48.72 ID:d7X9Jwrg0
 ―数時間前、第壱鎮守府・執務室―

ガチャ

大淀「失礼します、提督」

提督「大淀さん、もしかして…任務の方ですか?」

大淀「ええ。先ほどのカレー洋への出撃で、空母を20隻以上撃沈しましたので、い号作戦を完遂しました。弾薬500とボーキサイト500が支給されました」

提督「ありがとうございます。後で確認しておきます」

大淀「それと、新たに海上護衛戦の任務が通達されます」

提督「分かりました。では、伊勢さん」

伊勢「なーに?」

提督「潜水艦を倒すための艦隊を編成します。編成は、三日月さん、五十鈴さん、扶桑さん、飛鷹さんで。この方たちは確か今日フリーでしたから、呼び出しを

   お願いします」

伊勢「りょうかーい」


 ―数分後―

三日月「それではこれより、旗艦・三日月、五十鈴、扶桑、飛鷹は、鎮守府近海海域へ潜水艦の討伐へ向かいます!」

提督「よろしくお願いいたします。この海上護衛戦をクリアすれば、燃料600と高速修復剤が2つ、さらに改修資材が1つ手に入ります」

三日月「はい!頑張ります!」

提督「それでは、出撃してください」

五十鈴「よーっし!さっさと潜水艦倒して、燃料を手に入れましょうか!」

扶桑「ふふっ、瑞雲の熟練度を上げる事も出来るし、この任務は案外美味しいわねぇ」

飛鷹「そうね。艦攻や艦爆の熟練度も上げられるし」

236: 2016/04/20(水) 21:54:19.97 ID:d7X9Jwrg0
 ―18時過ぎ、深海棲艦本拠地・執務室―

雷巡チ級「………って事らしいね」

深海提督「なるほどね………」

潜水カ級「うわああああん……」

潜水ヨ級「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん………」

雷巡チ級「………何を調べさせたかと思えば、そういう事か」

深海提督「そういう事だから、この2人の介抱を頼めるかね?」

雷巡チ級「ほいほい、了解~」

パタン

深海提督「………鎮守府の奴らが燃料とかなんやらを手に入れるために、ウチの潜水艦を沈めてるのか」

空母棲姫「んー、まあそう言う意味ね」

深海提督「…………つまり、艦娘共はウチの潜水艦を沈めて強くなっていくと」

空母棲姫「そうねぇ」

深海提督「………………………気に食わないな」

空母棲姫「?」

深海提督「正直、潜水ヨ級とかカ級は攻撃能力はそれほど強くはないが、どれだけ弱くても俺の…いや、俺たちの仲間だ。その仲間が傷つき泣いているのは、

     見てられない。まして、それが艦娘共のせいとなればなおさらだ」

空母棲姫「……………ふふっ。それでこそ、貴方ね。で、どうするの?」

深海提督「簡単な事さ。ちょっと調子乗ってたやつらに痛い目見てもらうんだ。具体的には…」バサバサ

空母棲姫「?」

深海提督「こいつらに行ってもらう」

空母棲姫「…………あら」

237: 2016/04/20(水) 22:00:21.01 ID:d7X9Jwrg0
 ―翌日9時過ぎ、鎮守府近海・Aマス(敵偵察潜水艦)―

長月「さて、潜水艦の討伐は簡単とはいえ、気を引き締めていかないとな」

由良「そうそう。油断は禁物だからね」

山城「さて…そろそろ敵潜水艦が見えてくるところだけど………」

隼鷹「ああ、あの厄介な潜水カ級eliteか…。アイツ平気でワンパン中破・大破とかしてくるからなぁ」

長月「むっ、ソナーに感あり―何?」

由良「?長月ちゃん、どうかしたの?」

長月「いや……ソナーの反応が…」

山城「何よ?ハッキリ言いなさいよ」


長月「潜水ソ級flagship…1」


長月以外「……………………………………は?」

バシューーーーーーン

ズッドオオオオオオン

山城「きゃああああっ!?」大破

由良「山城さん!」

長月「そこか、このっ!」バシュッ

ドゥーン

長月「よし、命中したぞ!これで―」

潜水ソ級flagship「ククク……」中破

長月「なにぃ!?」

由良「それっ!」バシュッ

ボゴゥ

潜水ソ級flagship「ケケケケ……」大破

隼鷹「しぶてぇなこんちくしょう!」

バルルルルル

潜水ソ級flagship「キカンワ」

238: 2016/04/20(水) 22:07:38.84 ID:d7X9Jwrg0
 ―同時刻、深海棲艦本拠地・執務室―

深海提督「普段の編成より協力にしてやったぜ。所定のエリアには、決められた人数しか配置できないのが残念だがなぁ…」

潜水カ級「え、じゃあ今は……」

深海提督「潜水ソ級が代わりに行ってるぞ」

潜水ヨ級「ちなみに、決められた数以上配置できるとしたら、どうしてたの?」

深海提督「1艦隊全員潜水ソ級flagshipぐらいにするつもりだった」

潜水カ級&ヨ級「うわぁ……」

深海提督「ま、ソ級の奴はグアノの方で暇してたらしいから、いい感じのストレス発散になるだろうよ」

潜水カ級「あれ?でも、鎮守府近海の主力艦隊の旗艦は?」

深海提督「ああ、それなら―」


 ―11時過ぎ、第壱鎮守府・執務室―

提督「そんなバカな」

長月「いや、本当だったんだ!いきなり最初の会敵区域で潜水ソ級flagshipが山城に雷撃を飛ばして―!」

由良「私もこの目で見たの!本当よ!」

隼鷹「ああ、あれにはド肝を抜かれたぜ……」

提督「ううむ………」

霧島「失礼します、司令!」バァン

提督「なんですか?今は第一艦隊の報告を―」

霧島「それどころじゃありません!たった今、別の鎮守府から緊急の連絡が来て…!」

提督「?」

霧島「鎮守府近海の主力艦隊の旗艦が―!」

239: 2016/04/20(水) 22:19:21.39 ID:d7X9Jwrg0
 ―12時過ぎ、鎮守府近海・Iマス(敵通商破壊主力艦隊)―


潜水棲姫「キタノ…ネェ……?エモノタチ…ガァ……フフ…ハハハ…!」


川内「何でこんなトコに潜水棲姫がいるの!?イミワカンナイ!」

吹雪「そんな…どうして!?」

伊勢「っていうか、随伴艦も全員潜水ソ級flagshipってなんなの!?いやがらせ!?」

祥鳳「これじゃ…対潜装備をフルに装備していても…倒せない…!」

潜水棲姫「ホォラッ、イキナサイ…!」ドシュゥ

ズドゴオオオン

伊勢「ぎゃあああああっ!?」


提督「そんなバカな……」

霧島「しかし、現にこう報告されています!」

提督「………日向さん」

日向「む?」

提督「大淀さんに、全ての鎮守府に緊急電文を送るよう言ってください。内容は、鎮守府近海には出撃しないようにと」

日向「承知した」

提督「全ての鎮守府の、鎮守府近海に出撃している艦娘も全員撤退させるように。深追いはしないようにと」


 ―18時過ぎ、深海棲艦本拠地・執務室―

深海提督「どうだった?」

潜水ソ級「なんか、正午を過ぎたら艦娘が1人も来なくなったわね」

潜水棲姫「多分、総司令部が何かしらの対策をしたんでしょうね」

深海提督「そうか…。これで、少し大人しくなってくれればいいんだけどな……」


 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

提督「まさか、予想外のことですね…」

司令長官「これまで、潜水棲姫が鎮守府近海にいたなんて事例は聞いた事が無いし、急にどうしたんだろうねぇ…」

提督「………とにかく、今月末まで鎮守府近海は閉鎖し、海上護衛戦任務も発令せず、出撃はしないようにさせましょう。その間我々は、鎮守府近海を調査して

   原因を突き止める事にします」

大淀「分かりました」

240: 2016/04/20(水) 22:26:47.49 ID:d7X9Jwrg0
 ―19時過ぎ、深海棲艦本拠地・食堂―

空母ヲ級「っていう事になったらしい」

深海提督「とりあえず、月末までは安心できるって事か」

潜水カ級「すみません、私達なんかの為に………」

深海提督「いや、気にしなくていいさ。それより、来月からはどうする?また、ソ級と潜水棲姫に応援を頼むか?」

潜水ヨ級「………ううん、来月からはまた戻るよ」

深海提督「お?」

皆「?」

潜水カ級「今回は、ちょっと我慢ができなくなって提督に泣きついちゃったけど……」

潜水ヨ級「逃げてばかりじゃ、艦娘達には勝てませんから」

潜水カ級「だから、次は艦娘と正々堂々戦って、勝利を勝ち取れるように頑張ります!」

深海提督「………そうか。じゃあ、頑張れよ」

潜水カ級&ヨ級「はい!」


 ―同時刻、風呂場―

潜水ソ級「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ………」

潜水棲姫「お疲れ様」

潜水ソ級「疲れたああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…全国の鎮守府近海に分身を配備するって、すごい疲れるよぉおぉおおおおおお…」

潜水棲姫「お疲れ様ね」

潜水ソ級「もっと心のこもった労いの言葉をだな~……」


【終わり】

241: 2016/04/20(水) 22:33:36.89 ID:d7X9Jwrg0
【キャラクター紹介】

≪潜水棲姫≫

深海棲艦の一種。艦種は潜水艦。腰まで届く白いロングヘアーと、甲高い声が特徴。2015年秋季大規模作戦(突撃!海上輸送任務)の第四海域で初登場した。しかし、

潜水棲姫自身の装甲がそれほど薄い事と、グラーフ・ツェッペリンをドロップするために、各方面の鎮守府の艦娘達からタコ殴りにされ何度も撃沈させられるという、

ひどい初陣を飾った。大規模作戦以外では本拠地で暮らしており、海中の警備を担当している。深海提督の事は、ラヴではない方のライク。

好きな言葉は『鬼の目にも涙』。

247: 2016/04/21(木) 21:23:13.01 ID:qmsKhu+g0
【攻守混同】

 ―16時過ぎ、執務室―

提督「それで、この書類は記録課に…」

風雲「なるほどね~…」

コンコン

提督「あ、失礼。どうぞ」

ガチャ

神通「失礼します、提督」

阿武隈「失礼します」

提督「神通さんと阿武隈さんですか。どうかしましたか?」

神通「演習の申し込みをしに参上いたしました」

阿武隈「あたしと神通さんが旗艦で、演習をしたいんです。申請書はここに」スッ

提督「では、確認させていただきます」

風雲(同じ鎮守府の艦娘同士で演習?)

提督「……分かりました。時刻は明日のヒトサンマルマル。場所は演習海域、阿武隈さんの艦隊を演習第一艦隊、神通さんの艦隊を演習第二艦隊とします。

   また、これは公式の演習ですので、演習終了後は各自報告書を書いていただきますので」

神通&阿武隈「はい」


風雲「提督、同じ鎮守府の艦娘同士で演習ってできるんですか?」

提督「もちろんできますよ。ちゃんと、誰が参加するのか書かれている申請書を書いて私に提出すれば、誰でも行う事ができます」

風雲「ふーん…」

248: 2016/04/21(木) 21:37:12.67 ID:qmsKhu+g0
提督「そして、これは鎮守府間で行う演習と同じ公式のものですので、ちゃんと報告書も提出してもらいますがね。また、演習は両艦隊の了承が必要ですので、

   申請書の提出は両艦隊の旗艦が1人ずつ立ち合います。先ほどの神通さんと阿武隈さんのように」

風雲「なるほど~…」メモメモ

提督「今回の演習は…阿武隈さんの演習第一艦隊は旗艦・阿武隈さんと暁さん、響さん、雷さん、電さん、時雨さん。神通さんの演習第二艦隊は旗艦・神通さん、

   陽炎さん、不知火さん、黒潮さん、雪風さん、天津風さん…」

風雲「あ、それって全員じゃないですけど、第一水雷戦隊と第二水雷戦隊のメンバーですね」

提督「ああ、どうも見覚えがあると思ったらそういう事ですか」

風雲「ですが、どうしたんでしょうか?唐突に一水戦と二水戦で演習だなんて。あの2人、そんなに仲が悪いんですか?」

提督「いえ、どうもそのような素振りはありませんでしたが……何かあったのでしょうか?」


 ―翌日13時、演習海域―

大淀『これより、旗艦・阿武隈率いる演習第一艦隊、旗艦・神通率いる演習第二艦隊による、公式演習を行います』

提督「艦娘同士の公式演習には、基本的に提督である私が立ち合います。戦闘が続行不可能、あるいは危険な行為につながると判断した場合は、モニターを観て

   いる大淀さんが止めに入ります」

風雲「はぁ~…勉強になります~……」

青葉「そして、艦娘同士の演習は青葉も観戦して鎮守府タイムスの記事にします!覚えておいて下さいね~!」

提督「覚える必要ないでしょう」


阿武隈「……それにしても、戦艦や空母の護衛を主としていた私達一水戦が、攻撃重視の神通さん率いる二水戦と戦う事になるなんて…」

神通「ええ。正直、不思議な感じがしますね。ですが………」

阿武隈「あたし、負けないから」

神通「それは、こちらとて同じです」

随伴艦「……………………………………」

大淀『それでは、演習開始!』

249: 2016/04/21(木) 21:45:42.87 ID:qmsKhu+g0
阿武隈「皆、私と暁ちゃんを戦闘に、複縦陣!」

神通「私を戦闘に単縦陣」

阿武隈「魚雷発射!」バシュッ

神通「!全艦、回避運動―」

ドゴォォォォン

天津風「きゃっ…!?」中破

神通「天津風ちゃん!」

阿武隈「ふふっ。あたしは改二になってから、先制雷撃ができるようになったのよ?お忘れ?」

神通「くっ………」


提督「阿武隈さんの艦隊は複縦陣…神通さんの艦隊は単縦陣…。陣形からも護衛と攻撃のどちらに特化してるかが分かりますね」

風雲「それにしても、阿武隈さん改二になると先制雷撃ができるようになるんですか~…」


神通「確かに、少々驚きました…。ですが、先制雷撃だけで勝負がつくわけではない事も承知でしょう?」

陽炎「砲撃ぃ!」ズダァン

ガスッ

響「くっ…」

阿武隈「響ちゃん!?」

響「傷は浅い。大丈夫さ」

阿武隈「時雨ちゃん、陣形から外れて魚雷を撃って。発射し終えたら陣形に戻って」

時雨「了解」ザザザ

神通(時雨ちゃん…魚雷を撃ってきますね)

神通「皆さん、私の合図で全員散開してください。不知火ちゃん、雪風ちゃんは左方に。陽炎ちゃん、黒潮ちゃん、天津風ちゃんは右方に」

第二艦隊随伴艦「了解!」

時雨「魚雷…発射」バシュッ

ギューーーーーン

250: 2016/04/21(木) 21:51:49.35 ID:qmsKhu+g0
神通「今よ!」ザザザザッ

バシューン

神通「これで…」

阿武隈「てぇーっ!」ズダァァァン

神通「!」

不知火「…危ないっ!」

ドガァッ

神通「不知火ちゃん…!」

不知火「…不知火は大丈夫です。それより……」中破

暁「はああああああああああああああああっ!」ザザザザ

雪風「突っ込んできます!」

神通「くっ…威嚇射撃ぐらいしか……!」ドォォン

バシャッ

暁「っとっとっと…」


提督「神通さんは結構な古株ですし、艦娘の皆さんの個性を知っています。時雨さんが複縦陣から外れた理由を、魚雷を撃つためと即座に判断し、回避行動を

   ベストなタイミングで取りました」

風雲「そう言えば、時雨ちゃんって魚雷の扱いが上手だった…」

提督「しかし、阿武隈さんも神通さんの行動を読んでいたのでしょう。神通さんが回避行動に気を取られている隙に、攻撃する準備を整えて砲撃……。この場面

   は、阿武隈さんが一段上と言ったところでしょうか」

青葉「ほほ~…これは結構大穴ですかねぇ~。一見攻撃に特化していた二水戦チームが優位に立つと思ったら、二水戦チームはもう中破艦が2隻…。この時点で

   もう驚きです~」

提督「さて、神通さんもやられっぱなしと言うわけではないでしょう」

251: 2016/04/21(木) 21:58:27.50 ID:qmsKhu+g0
神通「驚きました…まさか、ここまで攻撃を優先してくるとは…」

阿武隈「護衛担当だったからって、攻撃は苦手と侮らないでほしいかな!」

神通「でも、次はこちらの番です」

ズガァァァン

雷「きゃああああっ!」中破

阿武隈「え、嘘!?どこから…!?」

黒潮「当たったでー!」

阿武隈(回避行動から弧を描くようにこっちの艦隊に近づいたのか…)

神通「いかがですか?」ドゴォン

阿武隈「さっすがは二水戦ってトコかしら!」ギュン

天津風「はぁっ!」バシュシュッ

響「くぅっ……」小破

電「お返しなのです!」バシュシュッ

雪風「食らいません!」サッ


提督「なかなかいい戦いをしていますね」

風雲「は~…神通さんも阿武隈さんもカッコいいな~」

青葉「して、しれーかん。しれーかんはどちらの艦隊が勝つと思いますか?」

提督「そうですねぇ…このままでいくと、中破艦が2隻いる神通さんの第二艦隊が負ける可能性が高いのですが、流石に神通さんがやられっぱなしと言うはずも

   無いでしょうし…」

青葉「つまりまだ判断に悩むと?」

提督「そうですね。あ、説明し忘れていましたが、同じ鎮守府の艦娘同士の演習の場合、夜戦ができないんですよ」

風雲「え、そうなんですか?」

提督「夜戦に入ると、判定が厳しくなるんですよ」

252: 2016/04/21(木) 22:07:25.85 ID:qmsKhu+g0
 ―14時過ぎ—

大淀『演習終了、演習終了』

神通「はぁ……はぁ……」中破

阿武隈「ひぃ……ふぅ……」中破

大淀『演習第一艦隊、中破艦1隻。大破艦2隻。撃沈艦3隻。演習第二艦隊、中破艦2隻。大破艦1隻。撃沈艦3隻。両艦隊の与えたダメージと損傷状態から

   判断し、当演習の勝利は演習第二艦隊とします。勝利判定はAです』

神通「はぁ~……」

陽炎「つ、疲れたわ……」中破

神通「お疲れ様でした、皆さん」

阿武隈「あー、もうちょっとだったなぁ~…」

暁「んもう!あと1隻大破させていれば引き分けに持ち込めたかもしれないのに!」大破

阿武隈「ううん、暁ちゃんは十分頑張ってくれたよ。ありがとうね、皆もお疲れ様」

響「いやしかし…ペイント弾で体中ベタベタだ…」

天津風「もう…これじゃ島風に笑われちゃう……」


提督「演習で使用したのはペイント弾ですので。被弾してしまった艦はこの後シャワーを浴びるなり風呂に入るなりするんです」

風雲「ほ~……」

提督「それで、明日の夜までに今回の演習の報告書を提出して、演習は終了となります」

風雲「なるほど……ありがとうございます」

提督「しかし…なぜあの2人は争っていたのでしょうか?」

風雲「青葉先輩、何か知っていますか?」

青葉「あ、はい!あの2人が演習をした原因は…」

提督&風雲「?」

253: 2016/04/21(木) 22:14:46.24 ID:qmsKhu+g0


青葉「‶目玉焼きにかけるのは醤油かソースか‶で揉めたからですね」


提督&風雲「」


 ―昨日8時過ぎ、食堂―

神通「いただきます」ツー

那珂「神通ちゃん、今日も醤油なんだ?」

神通「ええ。目玉焼きは、醤油をかけて食べると美味しくなるんですよ?」

阿武隈「へー?神通さんって醤油派なんだ~。あたしはソース派」

神通「……ほう?」ピクッ

阿武隈「目玉焼きは洋食だもん。ソースをかけて食べるべきだな~」

神通「ソースは味が濃いじゃないですか。醤油の方があっさりしていて食べやすいです」

阿武隈「ううん、醤油なんて味が薄いしかけすぎると塩分摂りすぎじゃん!」

神通「いいえ!ソースは私たち女の子にとって太りやすいものです!醤油の方がヘルシーでしょう!」

阿武隈「絶対ソース!」

神通「絶対醤油です!」

阿武隈&神通「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……」


提督&風雲「」

神通「これで、目玉焼きには醤油が王道、という事が証明されましたね」

阿武隈「ううん……仕方ないけど、認めるよ」

随伴艦(私達はこんなくだらない戦いの為に巻き込まれたのか…)

青葉「ちなみにしれーかんは、醤油派ですか?それともソース派ですか?」

提督「これ以上は泥沼になりかねませんのでやめてください」

風雲「私は胡椒派」


【終わり】

254: 2016/04/21(木) 22:22:34.02 ID:qmsKhu+g0
【キャラクター紹介】

≪神通≫

川内型軽巡洋艦二番艦。艦娘No.47(改二はNo.159)。黒いロングヘアーと、モスグリーンのリボンが特徴の、凛々しいお姉さん。芯がとても強く、敵との戦い

では決して諦めず戦い抜く。夜戦になると川内ほどではないが気分が高まる。訓練がとても厳しく、氏にかける事がたまにあるらしい。一方で女の子らしく淑やか

な一面も併せ持つ。提督の事が好きだったが、雲龍とケッコンカッコカリした事で吹っ切れた。暴走気味な川内と那珂を窘めるのが日課。目玉焼きには醤油派。

好きな言葉は『質実剛健』。

255: 2016/04/21(木) 22:28:55.58 ID:qmsKhu+g0
≪阿武隈≫

長良型軽巡洋艦六番艦。艦娘No.110(改二はNo.200)。金髪のロングヘアーと特徴的な前髪が特徴の、のほほんとした雰囲気の女の子。飴を転がしたような甘い

声で話し、怒っていてもなぜか癒されてしまう。改二になる前はそれほど目立った活躍をしていなかったが、改二になると先制雷撃と高い火力で皆から頼られる。

北上とは犬猿の仲で、近づく事すら嫌い。故に大井からの評価は最悪。なかなか皆が自分の指示に従ってくれないのが悩み。目玉焼きにはソース派。

好きな言葉は『氏より育ち』。

261: 2016/04/22(金) 21:25:38.07 ID:IVcclTjU0
【恋愛禁止条令、発令】

 ―16時過ぎ、尾鷲第弐拾質鎮守府・講堂―

艦娘達『…………………』

提督「…以上の点から、この鎮守府は設立されてからの期間と戦力が比例しておらず、その原因が提督と艦娘の恋愛による怠慢と判断しました。よって、

   この鎮守府に対して恋愛禁止条令を発令します」

艦娘達『……………』

提督「期間は明日より2か月。発令中は提督との接触を制限します。発令期間中、同じような事例が起きた場合は発令期間を延長。発令終了後もまた同じような

   事例が起きた場合は、この鎮守府は解体となります」

艦娘達『!?』ザワッ

提督「では、発令期間は出撃・演習に励んでください。私からは以上です」

天龍「待てよ、おい!」

提督「なんでしょうか?」

天龍「いくらなんでも、接触を制限するっていうのはやりすぎだろ!」

提督「先ほども申し上げましたが、ここの艦娘達は提督と同じ場所にいると、言い方が悪いですがほとんどの確率でイチャイチャするでしょう。その結果、

   今この鎮守府は、同時期に発足した鎮守府に比べて戦力が劣っているんですよ。それと…」ジロッ

天龍「な、何だよ…」

提督「好戦的な貴女が、恋に囚われそこまで骨抜きにされている時点で、妙とは思いませんか?」

天龍「!」

提督「………他に、意見のある方はいらっしゃいますか?」

艦娘達『………………』

262: 2016/04/22(金) 21:35:46.05 ID:IVcclTjU0
 ―数分後、廊下―

提督「では、発令期間中の監視役はよろしくお願いします」

第弐拾質鎮守府妖精さん「お願いされましたー」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

鈴谷「……で、何この透明な仕切り板」

色上「……艦娘との接触を禁止するために取り付けられたものだよ」

鈴谷「はえー…まるで刑務所だね」

色上「まあつまり、俺はここから出られないって事だ」

鈴谷「え、出られないって…食事とかトイレとか風呂とかはどうすんのさ」

色上「食事は間宮さんに持ってきてもらうんだよ。後、トイレと風呂は俺の自室にある。こっち側に私室に入れるドアがあるから…。あ、俺の私室の廊下側の

   ドアは、俺にも解けない鍵が掛かってるから、入れないんだ」

鈴谷「うわぁ~…まるで監獄だね…」

色上「……ま、つまり出撃して戦果を挙げればこれは解けるってわけだ。そうすれば、また皆と楽しくやれるさ」

鈴谷「……………」

色上「?どうかしたのか?」

鈴谷「あ、ううん。なんでもないよ」

色上「そうか…。じゃ、これからキス島へ出撃があるんだが………」


 ―18時過ぎ、第壱鎮守府・執務室―

提督「………初日はまあ順調…ですか」

第壱鎮守府妖精さん「はいー。まあ、初日は大体こんなもんですよー」

提督「なるほど………」

263: 2016/04/22(金) 21:45:19.28 ID:IVcclTjU0
 ―1週間後10時過ぎ、第弐拾質鎮守府・執務室―

色上「……はぁ」

最上「提督、元気ないね~…」

色上「……ああ。こうして皆と自由に話ができたりしないのって、結構きついもんだよ……」

最上「あはは…本当に提督って寂しがり屋なんだね」

色上「確かに…こういう状況になると自分の性格が見えてくるな…。ま、でも2か月過ぎるまでの辛抱だ。そしたら、また一緒にどこか出かけようか」

最上「………………………ああ、うん。そうだね」

色上「?」

最上「あ、ゴメン。なんでもないよ。それじゃね」

色上「あ…………」

パタン


 ―19時前、第壱鎮守府・執務室―

提督「反省の余地が無いように見られる?」

第壱鎮守府妖精さん「発令期間を終えればまた、元通りの関係になれる…と思っているようですー。戦果が著しく低い理由を分かってはいるんですがー、

          それを直そうとはしていないように見えますねー」

提督「…………これは、期間延長、もしくはシベリア送りも視野に入れた方がいいですね」

第壱鎮守府妖精さん「その方がよろしいかとー…」

提督「…………」

264: 2016/04/22(金) 21:59:19.17 ID:IVcclTjU0
 ―3週間後、22時過ぎ、第弐拾質鎮守府・執務室―

色上「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………」

コンコン

色上「あ、どうぞ~」

ガチャ

榛名「失礼します、提督」

色上「ああ、榛名…。どうかしたのかい?」

榛名「提督、大変お疲れのように見えますが……大丈夫でしょうか?」

色上「あ、大丈夫大丈夫…。今日はもうこの書類を片付けたら寝る予定だし…榛名ももう…」

榛名「いえ、榛名が言っているのは提督の事です…。恋愛禁止条令が発令されてから、提督、日に日にやつれている気がします…」

色上「………そう見えちゃうか。でも、大丈夫……」

榛名「大丈夫、とは?」

色上「恋愛禁止条令が解除されたら、また今までみたいに皆と一緒に楽しく暮らして…そうすれば俺も元気になるから………」

榛名「お言葉ですが、提督」

色上「ん?何かな?」


榛名「それでは、今までと何も変わりませんよ?」


色上「……どういう事だ」

榛名「提督は、『今までみたいにみんなと一緒に楽しく暮らす』…とおっしゃいましたが、それはつまり…。また榛名たちと恋人のような時間を過ごす………

   という事ですか?」

色上「………言い方があれだけど、そうだな」


第弐拾質鎮守府妖精さん1「おいおいおい!反省していないぞ!」

第弐拾質鎮守府妖精さん2「早く総司令部にこのことを伝えないと!」

第弐拾質鎮守府妖精さん3「ちょっと待って…」

265: 2016/04/22(金) 22:13:40.50 ID:IVcclTjU0
榛名「…提督」

色上「?」

榛名「確かに榛名は、提督と一緒に過ごした時間がとても楽しかったです。提督は、私の告白を快く受け入れてくれて、付き合ってくれました。色々な場所へ

   行ったり、色々な事を一緒にしましたね……」

色上「急に何を言い出す」

榛名「しかし、榛名は心のどこかでこう思っていました…」

色上「……………………」


榛名「‶これだけで本当にいいのか?‶と」


色上「…………………………………………………………………」

榛名「私達は女性の身体と心を持って生れ変わりました。ですがそれは、提督と恋をするためではなく、深海棲艦と戦い、平和な海を取り戻すためです。そして、

   提督は私たち艦娘が何のために存在しているのかを、よく理解していなかったのでしょう」

色上「………!」

榛名「きつい言い方をしますが…提督、貴方は何のために鎮守府に来たのですか?」

色上「………………」

榛名「私たち艦娘と恋をするためにですか?」

色上「………………」

榛名「私達が存在する理由を提督がちゃんと理解しなければ、この恋愛禁止条令は恐らく終わりません。そして、提督はシベリアへ送られるかも………」

色上「………………」

榛名「………私に言えることはここまでです。私は、不器用ですから………」

色上「…………」

榛名「後は……提督ご自身で考えるべきです。では、私はこれで………おやすみなさい」

パタン

色上「……………………」

266: 2016/04/22(金) 22:22:02.52 ID:IVcclTjU0
色上「……………そう、だよな」

色上「…………………俺、今まで何やってたんだ………」


第弐拾質鎮守府妖精さん1「…………………」

第弐拾質鎮守府妖精さん2「…………………」

第弐拾質鎮守府妖精さん3「……………大丈夫そう、ですね」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

色上「よし、じゃあ今日も元気に行くか!鈴谷、頼むぞ~!」

鈴谷「え、あ、うん!」

鈴谷(…………なんか、提督変わった?)

天龍(ああ………なんか、晴れやかになった…?)

榛名「………………」クスッ


 ―17時過ぎ、第壱鎮守府・執務室―

提督「………大丈夫みたいですね」

金剛「何がデスカー?」

提督「第弐拾質鎮守府ですよ」

金剛「Oh!あのテートクのトコですか!」

提督「貴女の妹さんのおかげですよ」

金剛「What?」


【終わり】

267: 2016/04/22(金) 22:27:36.58 ID:IVcclTjU0
【キャラクター紹介】

≪鎮守府妖精さん≫

妖精さんの一種。全国の全ての鎮守府に最低3人はいて、鎮守府内の様子の全てを監視している。各鎮守府の鎮守府妖精さんの間で、独自のネットワークを構成

しており、全ての鎮守府の情報を共有している。自分の暮らしている鎮守府の運営状況がブラック鎮守府に値する、もしくは著しく環境が悪いと判断されれば、

情報をネットワーク上にあげ、総司令部へ連絡する。ちなみにこの妖精、司令長官とその補佐官・斑提督及び他の妖精さんしか視認する事ができない。

277: 2016/04/23(土) 21:48:06.25 ID:w0bNJQQA0
【指導係】

 ―10時過ぎ、執務室―

提督「龍驤さん」

龍驤「んー?何ー?」

提督「後ほど、ヒトヒトマルマル(11時00分)より、新しく着任した方でキス島沖へ出撃しますので、龍驤さんも同伴していただけませんか?」

龍驤「へ?別に構わへんけど、なんでや?」

提督「そうですねぇ……まあ、それはまた帰投してから説明いたします」

龍驤「???」


 ―11時、執務室―

初月「これより、初月率いる第一艦隊、キス島沖へ練度向上のために出撃いたします!」

提督「はい、分かりました。キス島沖は敵もそれほど強力ではないので、あまり緊張はせずに…だからと言って緊張感を全く持たないというのはダメですが…」

龍驤「よーするに、そんなに気負う必要はあらへんってわけや!」

提督「ま、そう言うわけです。では、出撃してください」

初月「はい!」ビシィ


提督「ああいうところが、龍驤さんの良いところなんですよ」

瑞鳳「?」


 ―数時間後、キス島沖・Aマス(敵水雷戦隊)―

初月「何度か出撃はしてるけど…やっぱり緊張は抜けない……」

風雲「そうねぇ……。どれだけ敵が弱いって言っても、一発でも貰ったら痛いし、沈むかもしれないし…」

名取「ふ、2人ともそんなに心配しなくても大丈夫だよ…。ここで艦娘が沈んだ話って聞いた事もないし…」

古鷹「そうだよ。私達も着任した当初は戦う事が不安だったけど、意外とそうでもなかったから」

風雲「でも…お2人は艦種が違いますし……」

初月「そ、そうですよ…秋月姉は大丈夫って言ったけど、やっぱり心配」

龍驤「ああ、もう!そんなガタガタ震えんでええ!そないに縮こまっておると、いつの間にか沈んだりするで!」

初月&風雲「!!」ビクゥ

278: 2016/04/23(土) 21:58:38.34 ID:w0bNJQQA0
龍驤「10時の方向に敵艦隊発見や!距離は6000、敵影5!軽巡ホ級Flagship1、駆逐ハ級2、駆逐ロ級2や!」

初月&風雲「!」

龍驤「ま、何とかなるやろ!」

初月「ど、どうしてそう言えるんですか?」

龍驤「ウチがいるから、大丈夫や!」ドンッ

初月「……ふふっ、それどういう意味ですか?」

龍驤「そのまんまの意味や!」

風雲「……じゃあ、お任せしますね!龍驤先輩!」

龍驤「任しとき!じゃあウチの艦載機の力、見せたるでー!」バサッ

龍驤「~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」ブツブツブツ

バルルルルルルル

龍驤「初月、防空駆逐艦やからって、ウチの艦載機落としたら承知せーへんで!」

初月「お、落としませんよ!」

風雲「…ふふっ」

名取「……」クスッ

≪制空権確保!≫

龍驤「でかしたで!流石はウチの彩雲や!」

風雲「すごーい!」

古鷹(……元々敵艦隊に対空火力もないし艦載機もいないから、当然と言えば当然ともいえるんだけど…黙っておこう)

龍驤「さあいくで!駆逐艦の力、見せてみぃや!」

初月「はい!防空駆逐艦・初月、いきます!」

風雲「主力オブ主力の夕雲型駆逐艦・風雲、やってやるわ!」

279: 2016/04/23(土) 22:10:49.41 ID:w0bNJQQA0
 ―数時間後、鎮守府内―

龍驤「いやぁ、すごいなぁ2人とも~!駆逐艦撃沈とはなぁ!」

初月「いえ、龍驤先輩が調子づけてくれたおかげですよ…」

風雲「案外、怖くはなかったわね~。龍驤先輩のおかげですねぇ」

龍驤「なんやと~?言うたな~?」グリグリ

名取「うぅ……皆さん凄いですね……私なんて…」中破

龍驤「名取はもっと自信を持て言うとるやろ!なんやあのへっぴり腰は!」

名取「へ、へっぴ……」

龍驤「悔しかったら、次はシャンとするんやな!」

名取「は、はいぃ……」


 ―数分後、執務室―

提督「龍驤さんは、緊張で縮こまっている方に活を入れたり、沈み切った場を盛り上げたりしてくれるので、まだ戦いに慣れていない新人の方たちと一緒に

   出撃すると、適度に艦娘達の緊張をほぐすんですよ」

龍驤「それが、ウチを出撃させた理由?」

提督「ええ」

龍驤「まー、確かに暗い雰囲気とかは嫌いやし、緊張で硬うなっとる娘見たらなんかほっとけへんから……」

提督「龍驤さんのその打ち解けやすい性格と、ムードメーカー的な立ち位置はとても重要ですから」

龍驤「うーん、ま、任しとき!」


【終わり】

280: 2016/04/23(土) 22:22:14.57 ID:w0bNJQQA0
【キャラクター紹介】

≪龍驤≫

龍驤型軽空母一番艦。艦娘No.30(改二はNo.157)。茶髪のおさげとサンバイザーが特徴の、ポジティブな女の子。横須賀生まれだが(似非)大阪弁を喋り、誰と

でも気楽に話したり遊んだりする。軍艦だった頃に激戦を切り抜けてきたためか、艦載機の扱いは一航戦に劣らない。その性格やムードメーカー的なポジション

から、新人を率いて出撃する事が結構ある。特に瑞鳳、鳳翔と仲が良い。北方棲姫とは色々あって因縁深い関係に。年功序列はあまり気にしないタイプ。

好きな言葉は『案ずるより産むが易し』。

290: 2016/04/24(日) 21:31:17.16 ID:JHjkzNiD0
【深海提督のお出かけ】

 ―10時過ぎ、深海棲艦本拠地・執務室―

深海提督「ん~……」トン、トン

空母棲姫「どうかした?」

深海提督「あ、いやね?前に、久々に地上世界に行こうかなー的な事言ったでしょ?」

空母棲姫「ああ、言ったわね…」

深海提督「いざ行こうとは思ったんだが、もし地上で深海棲艦の一員とばれたらどうしようかと思って…」

空母棲姫「チキンね…」

深海提督「うっさいな…。でだ、空母棲姫とか他の深海棲艦って、地上世界に何度も行ってるんだろ?だったら、そいつと一緒に行けばいいんじゃないかと」

空母棲姫「……つまり、どういう事かしら?」

深海提督「だから、空母棲姫。お前と―」

コンコン

深海提督「あ、どうぞー」

戦艦タ級「失礼します、提督」ガチャ

深海提督「タ級か。どうかしたのか?」

戦艦タ級「いえ、そろそろ地上世界へ買い物へ行きますので、事前報告を…」

深海提督「え、今から地上へ行くのか?」

戦艦タ級「ええ、そうですけど…」

深海提督「あ、じゃあ俺も一緒に行っていいか?」

戦艦タ級「…へっ?」

空母棲姫「!!」

291: 2016/04/24(日) 21:38:34.12 ID:JHjkzNiD0
深海提督「実はさ…」

カクカクシカジカ

戦艦タ級「はぁ…そういう事でしたら、構いませんよ?」

深海提督「ホントか!いやぁ、助かるわ~」

戦艦タ級「では、私は外で待ってますので、準備をお願いします」

深海提督「了解」

パタン

戦艦タ級「……………思いがけないけど、やった///」


深海提督「じゃあ、聞いた通りだから。タ級が今から出かけるんなら、それに乗った方がいいだろうし」

空母棲姫「ま、待って!なら私も…」

深海提督「いや、深海棲艦がそんな3人以上で行動すると逆にバレるかもしれん」

空母棲姫「あ……」

深海提督「そんなに出かけたかったのなら、済まなかったな…また別の機会にでも…」

空母棲姫「…………いえ、別にいいわ」

深海提督「……そうか。この埋め合わせはいつかするから」

空母棲姫「期待しているわ」

深海提督「じゃ、留守の間はよろしくな!」

パタン

空母棲姫「………はぁ」

ガチャ

護衛要塞「失礼しまーす…ってあれ?提督は今不在ですか?」

空母棲姫「………今私は不機嫌なの。それ以上話しかけないでちょうだい、食うわよ」

護衛要塞「理不尽!?」

292: 2016/04/24(日) 21:48:23.56 ID:JHjkzNiD0
 ―数分後、本拠地玄関―

戦艦タ級「いきなり海上に出て艦娘と出くわす、という事が起きないように、艦影を確認します。目視で」スチャ

深海提督「眼鏡ねぇ……」

戦艦タ級「変装にも使えますからね…………………敵影無し。大丈夫です」

深海提督「よし、じゃあ行くか」

戦艦タ級「はい、では掴まってください」

深海提督「ああ」ギュッ

戦艦タ級「あ……///」

深海提督「?どうかしたか?」

戦艦タ級「い、いえ。大丈夫です…」

戦艦タ級(まさか、手を握ってくるなんて………)


 ―海上―

ザパ・・・

戦艦タ級「………よし、大丈夫です」

深海提督「これからどうするんだ?」

戦艦タ級「人目に付かない岩場・浜辺から上陸して、そこから電車とかバスとかを使って移動します。今日は、市街地のショッピングモールに用がありますので…

     電車を使いましょう」

深海提督「………ずっと前から疑問に思ってたんだが、買い物に使うお金とか交通費とかはどうやって捻出してるんだ?銀行強盗とかやってる、なんて話だと、

     俺も良心が痛むんだが………」

戦艦タ級「そんな事はしませんよ。短期のアルバイトで稼ぐんです。陸上に用意してある深海棲艦の拠点の住所を利用して履歴書を書きますし、短期だと給料が

     高い仕事が多いので…。私は倉庫で梱包などの仕事を」

深海提督「……よかった…。夜のお店とかで金稼いでるとかじゃなくてよかった…!」

戦艦タ級「そ、そんな事しませんよ!///」

293: 2016/04/24(日) 21:55:23.03 ID:JHjkzNiD0
 ―12時前、市街地ショッピングモール―

戦艦タ級「ここですと、スーパーで買い物をする事ができますし、他の小物やら本やらを買う事ができますから」

深海提督「…いいのか…。人類の敵がこんなショッピングモールで普通に買い物とかしてるんだぞ…」

戦艦タ級「ま、まあ…皆さん平和でいいじゃないですか…」

深海提督「そんなだから海外から‶平和ボケしてる‶なんて言われるんだよ…」

戦艦タ級「………何も言えませんね…」

キャイキャイ


『次はあのお店いこー!』

『ママー、今日の晩御飯なあに?』

『あー、あのゲーム楽しかったねー』


深海提督「……………………」

戦艦タ級「?提督?」

深海提督「…………あ、ごめん。何か聞いた?」

戦艦タ級「急にどうしたんですか…?何か、物憂げな表情をして…」

深海提督「いや………」クルッ

戦艦タ級「?」

ガヤガヤ、ワイワイ


深海提督「…………ちょっと前までは、俺も向こう側の人間だったんだよなぁ、って」


戦艦タ級「!!」

深海提督「……………あいつらが……俺を見捨てなければ……俺はまだ……!」

戦艦タ級「て、提督!もうこんな時間ですし、お昼にしましょう!ほら、あのお店とかよさそうですよ!」

294: 2016/04/24(日) 22:04:52.76 ID:JHjkzNiD0
 ―数分後、洋食店―

深海提督「……すまんな、変な事言って」

戦艦タ級「いえ……。それよりも提督…」

深海提督「なんだ?」

戦艦タ級「あのような暗い表情をされますと、私も少し…胸が痛くなります……」

深海提督「……本当に悪かった。ちょっと、思い出したくもないことを思い出しちまってな……」

戦艦タ級「提督の過去に何があったのかは、私も提督から話してもらいました…。だから、提督が地上の皆さんに恨みを抱く事も理解できます…」

深海提督「………………」

戦艦タ級「ですが、貴方は今こうして私達と一緒に、地上世界のしがらみから外れて暮らしています。ですから、もう地上世界にいた時の嫌な事は、忘れた方が

     いいんですよ。そりゃあ、良い事は覚えたままの方がいいですけど」

深海提督「………ま、いつまでも過去のことに囚われてちゃいけないよな」

戦艦タ級「それに、提督が苦しんでいる姿を見るのは、私も、他の皆さんも嫌ですし……」

深海提督「……心配を掛けてごめんな。もう、大丈夫だ」

戦艦タ級「………いえ、提督が元気になられたようで、私もうれしいです」


 ―数十分後、ロビー―

深海提督「いやぁ、美味しかったな」

戦艦タ級「そうですね、皆さんにも教えてあげましょうか」

深海提督「それで、食材の買い物だっけ?」

戦艦タ級「いえ、その前にちょっと買いたいものがあるので…行ってきていいですか?」

深海提督「ん?何を買うんだ?一緒に行くぞ?」

戦艦タ級「い、いえ!そんな、提督が一緒だなんて、それは……恥ずかしいです!///」

深海提督「へ?何を買うんだ…?そこまで言われると逆に気になるんだが」

戦艦タ級「うぅ…………その…………///」

深海提督「?」

295: 2016/04/24(日) 22:12:40.28 ID:JHjkzNiD0
戦艦タ級「…………………………………………し、下着を…………………///」

深海提督「ゴメンすまん聞いた俺が無神経だった。じゃあ俺はすぐそこでの噴水の所で待ってるから」

戦艦タ級「す、すみません!すぐに済ませてきますので!///」

深海提督(思えば、女性のデリケートなところにそんな踏み込むもんじゃないな。反省しなければ)

ドンッ

深海提督「あ、すみません!」

??「いえ、私も考え事をしていたものですから………」

深海提督「あ、スマホ…落としてますよ?」

??「え、ああ、すみませんでした…」

深海提督「いえ、元々は俺のせいですから…」

??「お気になさらず」チラッ

深海提督「……えーと、誰かと待ち合わせでもしてるんですか?」

??「あ、いえ…連れの方が買い物をしていますので、ここで時間つぶしを」

深海提督「あ、貴方もですか…。俺も、連れが買い物をしてまして…」

??「そうだったんですか………もしや、そのお連れの方は女性ですか?」

深海提督「え?よくご存じですね………そうですけど」

??「どうも、私と同じような感じがしまして…」

深海提督「?」

??「女性との付き合い方について考えてるような感じでしたので」

深海提督「え、俺そんな雰囲気でしたか?」

??「まあ、私も他人から言われたことなんですがね」

深海提督「あ、あはは…」

??「しかし、男性と女性が一緒に買い物に行くと、男性側が振り回されるというのは、世の常でしょうかねぇ……」

深海提督「確かに…俺も子供の頃にそんな経験がありますよ…」

296: 2016/04/24(日) 22:21:30.12 ID:JHjkzNiD0
??「まあ、私は普段から仕事で忙しくてこのような場所には来る機会があまりありませんでしたので、今こうして来れて新鮮な気分ですよ」

深海提督「あ、俺もそんな感じで…。普段から仕事に追われる日々で………それに一時期ここを離れていましたので、また来る事ができて嬉しいです」

??「………話が突然変わるようで失礼ですが、そのお連れの女性とは…彼女ですか?」

深海提督「いえ、そんなんじゃありませんよ。そうですね…強いて言えば…一緒に歩んでくれる仲間、ですかね」

??「何やら深い付き合いのような響きですねぇ…」

深海提督「俺が落ち込んでいる時に励ましてくれるし、力になってくれますので……俺にとって大切な奴です。ところで、貴方のお連れの方は…?」

??「ああ、私の妻です」

深海提督「あ、ご結婚なされているんですか!」

??「ええ、まあ……」

深海提督「……でももしかしたら、その奥さんは、もっと貴方と一緒にいたいのかもしれませんよ?」

??「?」

深海提督「貴方は普段から忙しいと仰っていましたよね?それで、奥さんとも一緒にいる時間も少ないと推測すれば…その奥さんは夫の貴方ともっと一緒に居たい

     と思ってここに連れてきたのかもしれません」

??「……………………」

深海提督「でも、その奥さんは多分、『普段仕事で疲れてる夫を振り回して申し訳ないかも』と思って貴方を少しの間解放したのかも……って、すみません。

     なんか知った口を利いてしまって…」

??「いえ、私も気づく事ができませんでしたから…」ピリリ

??「あ、失礼」ピッ

??「はい………はい。………分かりました、すぐに向かいます」

深海提督「奥さんからですか?」

??「ええ。買い物が終わったら来てほしいと」

深海提督「そうですか。なんかすみませんね、ぺらぺらと差し出がましいことを言ったり自分語りをしたり…」

??「いえ、私もいろいろと気づかされましたから…では。また会う機会がありましたら」

深海提督「あ、はい。それじゃ」

297: 2016/04/24(日) 22:27:16.40 ID:JHjkzNiD0
戦艦タ級「すみません、お待たせしました!」

深海提督「いや、別に待ってないよ。それじゃ、買い物を再開しようか」

戦艦タ級「あ、はい。ところで、誰かいたような気がしたんですが…」

深海提督「ん、ああ…ちょっと隣にいた人と雑談をな……」

戦艦タ級「わっ、我々の事を話したんですか!?」

深海提督「いや、そんな無神経な事はしないさ。たわいもない世間話だよ」


 ―同時刻―

雲龍「すみません提督、わざわざ待たせてしまって」

提督「いえ、気にしないでください」

雲龍「それにしても、私の買い物なんかに付き合わせてしまって…本当に……」

提督「それこそ、気にしないでください。私は、仮とはいえ貴女の夫なのですから」

雲龍「……何かあったんですか?普段はそのような事を言わないのに…///」

提督「ちょっと、通りすがりの方と話して………色々気付かされて」


 ―数時間後、上陸した岩場―

戦艦タ級「いかがでしたか?久々の地上世界は」

深海提督「ああ、結構楽しめたよ。懐かしい感じもしたしな」

戦艦タ級「そうですか……では、戻りましょうか」

深海提督「あ、ちょっと待ってくれ」

戦艦タ級「?」

深海提督「…………タ級」

戦艦タ級「はい?」

298: 2016/04/24(日) 22:32:54.65 ID:JHjkzNiD0
深海提督「俺はお前の買い物に乗せてもらう感じで来たけど、今日は、ありがとな」ニコッ

戦艦タ級「ど、どうしたのですか?私は別に、お礼を言われるような事をした記憶は無いのですが………///」

深海提督「いや、お前に過去のことを忘れた方がいいって言われて気付いたんだ…。俺は、過去の忌まわしい記憶に囚われ過ぎていたんだって。そこで、お前に

     諭されて少しすっきりしたんだ。だから、お礼が言いたくてな」

戦艦タ級「………どう、いたしまして///」

深海提督「それじゃ、戻るか!」

戦艦タ級「………はいっ!」


 ―数十分後、深海棲艦本拠地・執務室―

深海提督「ただいま~」

空母棲姫「…………おかえり」ムッスー

深海提督「ん?なんか不機嫌だな…どうかしたのか?」

空母棲姫「べっつにー」ムッスー

深海提督「???」


 ―食堂―

泊地水鬼「ええっ?提督と一緒にお出かけしたんですか?」

戦艦タ級「ええ………提督が久々に地上世界へ行こうとしていたので、私が一緒に行く流れに…」

泊地水鬼「……そう、ですか……」シュン

戦艦タ級「?」

泊地水鬼(……羨ましい、です///)


【終わり】

299: 2016/04/24(日) 22:38:31.56 ID:JHjkzNiD0
【キャラクター紹介】

≪戦艦タ級≫

深海棲艦の一種。艦種は戦艦。白く長い髪と薄緑色の眼、マントのような白い布が特徴の落ち着いた感じの女性。火力はル級に劣るものの、装甲はル級を超える

硬さ。見た目から不気味な雰囲気を連想させるが、その性格は比較的穏やかな方で、暴言を吐く事もほとんどない。基本的に下はショーツしか履いていないが、

流石に地上世界で行動する際はスカートを履いている。世話好きでありながら力仕事が得意。深海提督に対して好意を抱いている。ル級とは仲が良い。

好きな言葉は『金科玉条』。

300: 2016/04/24(日) 22:40:16.68 ID:JHjkzNiD0
今日はここまでにします。

深海提督のお出かけの話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません


また、このスレも300レスを迎えましたので、キリ番安価を取ろうと思います。

現在リクエストされている艦娘は高雄型、加古ですので、これらの艦は指定しないでください。

また、感想等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。


【艦これ】総司令部日誌【その4】

引用: 【艦これ】総司令部日誌