399: 2016/05/08(日) 21:21:34.05 ID:Ub8ZXT/S0
こんばんは、>>1です。



  それでは投下していきます。
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
400: 2016/05/08(日) 21:31:00.93 ID:Ub8ZXT/S0
【案内役】

 ―5月1日、深海棲艦本拠地・会議室―

深海提督「ようこそ、我々深海棲艦の世界へ。リコリス棲姫、中枢棲姫、駆逐古鬼」

リコリス棲姫(以下リコリス)「よろしく、提督」

中枢棲姫「よろしくね」

駆逐古鬼「ふん」

深海提督「まずは俺から、大まかな説明をする。後、戦場とかでの話は、実際に戦っている奴の方がいいだろうから、別の深海棲艦に教える役をしてもらうから」

駆逐古鬼「ま、誰が教えようと関係ないけどね」

リコリス「こら、そんな言い方するんじゃないの」

深海提督「ははは。ま、それじゃ説明を始めるぞー」


 ―1時間後―

深海提督「………大体こんな感じだが、分かったかな?」

駆逐古鬼「まったく、説明が下手で下手で、分かりにくかったじゃない!」

中枢棲姫「……その手に持ってるメモは何かな?ん?」

駆逐古鬼「う、うっさいわね!」

深海提督「あー、それじゃ次の講師に登場してもらうぞー」

ガチャ

重巡リ級「どうも~、重巡リ級です~」

深海提督「リ級は、昼の砲撃でも夜戦でも雷撃でも、何でもできるエキスパートだ。彼女に、実戦テクニックを教えてもらおうと思う」

重巡リ級「そうよー!私は何でもできる凄い深海棲艦なんだよ~!何でも聞いてね~!」

深海提督「久々の後輩でテンションが上がってるんだ。適当に相手してやってくれ」

リコリス「りょうかーい」

401: 2016/05/08(日) 21:44:21.75 ID:Ub8ZXT/S0
 ―数分後、演習場―

重巡リ級「それで砲撃ってのはねー、こう、ドーンとやってガガーンって撃てばいいんだよ!」

リコリス&中枢棲姫「」

駆逐古鬼「ふむふむ」


重巡リ級「っと、とりあえず、艦娘との戦い方はこんなもんかな」

駆逐古鬼「ふーん、ま、簡単なもんね」

重巡リ級「あと、私は陸上型じゃないから、陸上型の戦い方は、飛行場姫さんとかに聞いてね~」

中枢棲姫「じゃあ何で貴女が教えてるのよ…」

重巡リ級「だって、久々の後輩なんだもん!私が指導したかったの!」

駆逐古鬼「うわぁ……」

重巡リ級「まあ、他の人に戦い方を聞くっていうのは、真面目な話、重要だからね?」

リコリス「?」

重巡リ級「さっき私、提督から『エキスパート』って言われたでしょ?でも私、最初っからそんなんじゃなかったのよ?最初は弱くて弱くて、他の皆の足手まとい

     になる感じで…」

3人「……………」

重巡リ級「でも、他の皆に戦い方を聞いたら、エキスパートと呼ばれるまでになったんだ」

中枢棲姫「す、すごいですね…。努力のたまものですね!」

重巡リ級「うん、最初はそう褒められたんだけどね………」

駆逐古鬼「?何かあったの?」


戦艦レ級「おー、リ級じゃん!何してんの?新人研修?」ヒョコッ


重巡リ級「………最近はあいつにスポットが当たっていて…。艦載機も飛ばせて雷撃もできる凄い戦艦」

3人「」


【終わり】

402: 2016/05/08(日) 21:51:08.20 ID:Ub8ZXT/S0
【キャラクター紹介】

≪重巡リ級≫

深海棲艦の一種。艦種は重巡洋艦。黒髪ショートヘアと、両腕に装着されている主砲が特徴。火力、装甲、雷装が全体的に秀でており、エキスパートと呼ばれる

ぐらいには強い。改Flagship級になると、大規模作戦海域の中枢艦隊旗艦を任されることも。FlagShip級の夜戦カットインは多くの提督のトラウマとなりやがった。

初めはそんなに強くはなかったが、他の艦種の仲間に戦い方を聞き、努力の力でのし上がってきた。先輩風吹かしたいお年頃。レ級にスポットが当たり気味。

好きな言葉は『目には目を歯には歯を』。

408: 2016/05/09(月) 21:50:06.23 ID:JBU59ssn0
 ―10時過ぎ、執務室―

コンコン

五月雨「失礼しま~す…」ガチャ

シン・・・・・・・

五月雨「……あれ?提督?」

五十鈴「提督なら、会議室の方に向かって行ったわよ?」

五月雨「わっ、えっ?会議室?」

五十鈴「なんか、第六海域の出撃メンバーを連れて行ったから、作戦会議なんじゃないの?」

五月雨「そ、そうですか!ありがとうございます!」

409: 2016/05/09(月) 22:01:59.16 ID:JBU59ssn0
【臨時会議】

 ―同時刻、会議室―

提督「……………………………………………………………………」

E-6出撃メンバー「……………………………………………………………………」

提督「………あきつ丸さん、制空権について問題はありませんか」

あきつ丸「………問題ナイであります。烈風を装備できる限り装備しておりますので。空襲でも大丈夫です」

提督「………大鳳さん、加賀さん、航空戦について何か気付いた事などはございませんか」

大鳳「………いえ、中枢棲姫のいる海域への道中では、航空戦ではあまり問題は無いです…」

加賀「………付け加えるけれど、ツ級と新型艦載機を積んだヲ級Flagshipが少し厄介ね。ツ級で艦載機を落とされて、新型艦載機で私達を沈めにかかってくるわ。

   後、ヌ級Flagshipも、まともに当たるとただでは済まないわ。まあ、大体時雨の対空砲撃で何とかなってるけれど。時雨のおかげね」

時雨「………加賀さんに褒めてもらえるなんて、嬉しいよ」

提督「………榛名さん、陸奥さん。敵の強さはどのようなものですか」

榛名「………道中はさほど脅威となる敵はいません。せいぜい、ル級eliteの攻撃が少し厄介かな?って感じで…」

陸奥「………私も同意見だわ。途中で補給艦3隻を含む艦隊とかち合うけど、それは全然怖くないし…ツ級も装甲が回避が早くて面倒だな、とも思うけれど、

   何とか倒す事は出来るし」

提督「………最上さん、那智さん、衣笠さんは」

最上「………うん、戦艦や空母の先輩たちが、ボクたちが攻撃する前に敵をあらかた倒してくれるから…あ、これは機動部隊だからだけど…」

那智「………私も特に問題は無い。航空戦と北上の雷撃で、大体敵は倒される。まあ、連合艦隊のデメリットとして、命中率が少し下がっているのが難儀だが、

   大した問題ではないな」

衣笠「………那智さんに同じです」

提督「………時雨さん、夕立さん、北上さんはどうでしょうか」

時雨「………僕はまあ、高角砲を持ってるからとにかく対空に集中してるけど、敵の艦載機は落としちゃえば僕たちでもどうにかできるから」

夕立「………夕立は、もともと火力が高いから、戦艦も稀に撃沈する事ができるよ」

北上「………道中は問題ないね。面白いくらい敵に先制雷撃が当たって、ほぼ100%敵を倒せるから」

提督「……………となると、問題は…………」

那智「……………ああ………」

全員「…………………………………………………………」

410: 2016/05/09(月) 22:17:16.41 ID:JBU59ssn0



全員「中枢艦隊だ」



陸奥「いや、なんなのあの敵艦隊。改めて思うけど、どうかしてるとしか言いようがないわね」

加賀「中枢棲姫はもちろんの事、戦艦ル級Flagshipに飛行場姫、集積地棲姫と砲台小鬼が二匹……正気の沙汰じゃないわね」

衣笠「うん、まずさ…陸上型の奴らが、まるで陸上艦に攻撃可能な三式弾を持っている私達を狙うかのように、私達を集中的に狙うのよね」

榛名「砲台小鬼も厄介です……あんな見た目で、結構硬い上に私達のことを一撃で中破とか大破にしてきますから……」

加賀「しかも、まだ艦載機を飛ばしていない私達にピンポイントで攻撃をし、中破にまで追いやる……」

最上「中枢棲姫だけでも厄介なのに、お供の飛行場姫と集積地棲姫もネックだよ…。HPが合計880って……無理だよこんなの……」

大鳳「なんだか…戦艦ル級Flagshipが可愛く見えますよね…。通常海域だと散々やられてたのに…」

那智「うむ…掛け値なしの最恐艦隊だ。これまであんな艦隊は見た事が無い…いや、去年の夏季大規模作戦の防空棲姫もどうかしていたが」

提督「せめて、航空支援が頑張ってくれればよいのですが……」

蒼龍「うう……ごめんなさい」

衣笠「確か、中枢棲姫には爆撃機が有効って話だったよね?」

提督「はい。ですので、決戦支援艦隊には爆撃機と電探をマシマシで積ませています…………が」

雲龍「なんだか、敵の艦載機が中枢棲姫には当てさせないって感じで、全力で撃ち落としに来たり、かばったりするんです」

吹雪「ごめんなさい、司令官!私達が電探を3つも持っていながら…!」

提督「いえ、貴女たちに落ち度はありませんよ」

那智「大体何なのだ!あの艦隊は!私達を勝たせる気があるのかと問いたい!」

北上「ホントだよね~…前哨戦だと、飛行場姫が戦艦ル級eliteだったけど、まさかラストダンスがここまでひどいとは思わなかったよ~……」

榛名「毎回の出撃でバケツは10以上使っていますし、E-6だけでバケツは150は消費しましたよ……」

あきつ丸「燃料も弾薬も、その他資源も20000近く消費しているであります…」

飛龍「間宮さんと伊良湖さんのスイーツも、速吸ちゃんの洋上補給も使っちゃったし……」

衣笠「で、でも提督、結構冷静だよね……こんな惨状で……」

411: 2016/05/09(月) 22:27:41.54 ID:JBU59ssn0
提督「……………冷静でいられるわけないじゃないですか」コォッ

全員「」ビクッ

提督「………私達の艦隊がここまで手も足も出ず、毎回毎回出撃する度にバケツと資源をどぶに捨てていき、皆さんが被弾しないで帰還する事がほとんど無い

   ような状況で…」

提督「今だって、叫びたい衝動に駆られていますよ。しかし、叫んだところで何も変わらないし、敵が弱くなるわけでもありません………」

全員「」

提督「しかし、私達は考え得る考えを全て用いて、今の艦隊編成と装備になっています」

赤城「航空支援艦隊の正規空母には艦爆と艦戦…随伴駆逐艦には電探3台………」

加賀「機動部隊の空母には、強力な艦攻と艦戦…大鳳さんは艦戦の代わりに彩雲」

北上「アタシはいつもの先制雷撃装備で……」

神通「私は主砲2つに副砲1……」

陸奥「戦艦の私達は主砲2と偵察機と徹甲弾か三式弾…」

最上「ボクは主砲2に三式弾と瑞雲………」

那智「私と衣笠は主砲2つと夜偵もしくは偵察機と三式弾…」

あきつ丸「自分は烈風だけであります」

時雨「僕は高角砲と長10㎝砲に対空電探……夕立は高角砲2つと照明弾……」

提督「……山城さんが、唯一持っているロケランを踏んづけて壊さなければ………もっと楽に攻略はできたんでしょうが」

飛龍「…ね、ねぇ、無理に攻略しなくてもいいんじゃない?私達の限界はここまでだって事だよ。もうあきらめた方がいいんじゃない?」

提督「………あと少しで、中枢棲姫が破壊できるんですよ。それに、同じ丙作戦で第七海域を攻略した手稲提督は、『第七海域の方が第六海域より簡単でした』

   と、1度も道中大破撤退せず、7回連続で旗艦を撃破して今作戦をクリアしたんです」

那智「………なるほど、そういう事か」

提督「そのような報告を耳にしてしまった以上、クリアしなければ気が済まないというか………」

赤城「……ですが、その………第七海域の攻略報酬は………アメリカの戦艦と聞きました………」

全員「…………………………」

412: 2016/05/09(月) 22:34:37.77 ID:JBU59ssn0
赤城「長門さんは、アメリカに対して深い怒りを内に秘めていますから………ここでアメリカの戦艦を仲間にすると、艦隊全体の関係がこじれてしまうような…

   そんな気がしまして………………」

陸奥「……………長門なら、私が何とかできるかもしれない」

那智「……………まあ、全てはこの第六海域をクリアしてからの話だがな」

全員「」ズーン

提督「……確かに、飛龍さんと赤城さんのいう事も正しいです………しかし、大規模作戦を完遂しないと、皆さんの風当たりが悪くなるというか…」


 ―部屋の外―

五月雨「…………………………」

五月雨(は、入りにくいっ!)

五月雨(適当に入るタイミングを見つけて入ろうかと思ったけど……入りにくいっ!)

五月雨(……皆、気弱になっちゃってるんだ……提督も、赤城さんも、陸奥さんも、皆も………)

五月雨(ここはひとつ、私が元気づけなくちゃ!)

コンコン

提督『………どうぞ』

五月雨「失礼します!」ガチャッ


全員「………………」ジロッ


五月雨(ぜ、全員うつろな目をしている!?)

提督「………どうかしましたか?」

五月雨「あ、いえ、えとと………そのぉ………」

全員「………………………………………………………………………………………………」

五月雨「わ、私みたいなへっぽこは、前線にも出る事は出来ず、ただ鎮守府で皆さんの無事を祈ってるしかありません……」

全員「………………………………………………………………………………………………」

五月雨「………でも、今は皆さん、今の海域がクリアできなくて自信が無くなっているみたいです………でも!」

全員「………………………………………………………………………………………………」

413: 2016/05/09(月) 22:43:31.53 ID:JBU59ssn0



五月雨「私、皆さんがこの大規模作戦を完遂できるって、信じてます!提督の作戦と、皆さんの力を合わせれば、絶対攻略できるって、私信じてますから!」



全員「………………………………………………………………………………………………………………………」

五月雨「………って、すみません!私みたいな部外者が―」

綾波「もう少し頑張ってみましょうか」

五月雨「え?」

大鳳「そうですね。ですが、デッドラインを決めた方がいいでしょう」

あきつ丸「では、今最も少ない弾薬が10万を下回ったらいったん大規模作戦から離脱、資源の回復に努めるといった具合で同でありますか」

提督「では、その方向で行きましょう」

陸奥「アメリカ戦艦のゲットを機に、長門にもアメリカを好きになってもらおうかしら?」

北上「まーひと悶着ありそうだけどね~」

五月雨「えっ、えっ?」

飛龍「こんどはあいつを仕留めよう!ね、蒼龍♪」

蒼龍「ええ。私と飛龍の力があれば、あんな奴けちょんけちょんにしてやれるわよ!」

吹雪「私、もっと電探の使い方を勉強しないと!」

五月雨「えっ、あれ?」

那智「私達は、できるだけ敵の攻撃を避けられるような回避運動を考えようか」

衣笠「じゃあ、後で私の部屋ででも」

五月雨「きゅ、急にどうしたんですか?」

提督「五月雨さん」

五月雨「は、はい?」

提督「……ありがとうございます。貴女の言葉のおかげで、少し元気が出ました」

あきつ丸「自分たちは、五月雨殿のご期待に応えられるよう、粉骨砕身、努力するであります」

五月雨「わ、私なんかの言葉で…ですか?」

那智「何を羽黒みたいに気弱なことを言ってる。事実、五月雨の言葉のおかげで、自分に自信を持つ事ができたのだから」

加賀「ええ、その通りよ」

五月雨「……………」

皆「ありがとう、五月雨(ちゃん)!」

五月雨「………頑張ってください!私、いっっしょうけんめい、応援しますから!」


【終わり】

416: 2016/05/09(月) 22:51:26.61 ID:JBU59ssn0
【キャラクター紹介】

≪五月雨≫

白露型駆逐艦六番艦。艦娘No.83。蒼い瞳とロングヘアー、白を基調とした制服が特徴の、少々ドジな女の子。天真爛漫な性格で、若干天然気味。良かれと思って

やったことがほとんど裏目に出てドジを踏み、皆に迷惑をかける事もあるが、皆『まあ五月雨だから仕方ないか』と言った感じに許される。提督が着任してから

最初に建造した艦で、吹雪の次に最古参。提督が雲龍とケッコンする前は、提督の事が好きだったが、今でもあきらめてはいない。根は献身的で優しい子。

好きな言葉は『禍を転じて福と為す』。

426: 2016/05/10(火) 21:32:18.03 ID:QkuE7Y+t0
【良かれと思って】

 ―10時過ぎ、執務室―

瑞鳳「大規模作戦中でも、書類って多いんだね~」

提督「大規模作戦中だからこそ、ですよ。各鎮守府からの攻略情報がここに集まったり、苦情が来たり…色々です」

瑞鳳「ふ~ん……」

コンコン

提督「はい」

大淀「失礼します、提督…」ア\ガチャ

提督「機動部隊からの入電ですか?」

大淀「はい…。中枢棲姫を倒すに至らず、戦術的敗北となった、と」

提督「むぅ………この作戦でもダメですか……」

大淀「もう、出せる案は出しましたし……これ以上……」

提督「………ロケランの修理はどんな感じでしょうか」

大淀「明石さん曰く、『海外の技術で、まだ修理は難しい』と……」

提督「………あれさえあれば、まだ攻略が楽かもしれないというのに……」

瑞鳳「あの~……お茶、淹れましょうか?」

提督「あ、すみません。お願いしてもよろしいでしょうか?」

瑞鳳「じゃあ、ちょっと席外しますね……」

パタン


 ―給湯室―

瑞鳳「……………」トポトポ

瑞鳳(……提督の作戦も、ウチの鎮守府の最適な装備をもってしても倒せないなんて……かなりの強敵なんだ…)

瑞鳳(……提督は、『ある方の期待に応えられるように』って言ってたけど…やっぱり限界がある………かな)

瑞鳳(………こうなったら………!)

427: 2016/05/10(火) 21:46:01.85 ID:QkuE7Y+t0
 ―1時間後、執務室―

コンコン

提督「はい」

瑞鳳「提督!これを見てください!」スッ

提督「?これは………作戦案………?」

瑞鳳「面識のある、別の鎮守府の提督に意見を聞いてみました!」

提督「………………………」

瑞鳳「………」ドキドキドキ

提督「……時間と資源には限りがあります。これで行ってみましょう」

瑞鳳「!」パァッ


 ―数時間後、北太平洋中枢泊地沖・Nマス(北太平洋深海中枢泊地)―

衣笠「うらあああああああああああああっ!!!」ズドォォォオン

ボゴォォォォォォォン

中枢棲姫「ソウカ…ウマレタ、リユウヲ…ナシトゲタノダナ……。そうなのね……気持ち…わかる…」破壊

あきつ丸「………やった、やったのであります!」

大鳳「第六海域、攻略完了ですよ!!」

夕立&時雨「やったああああああああああああああああああ!!!」


 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

大淀「友軍泊地奪回作戦、成功です!」

提督「…………………ふぅ………………ようやく終わりましたか」

瑞鳳「良かったですね、提督!」

提督「ええ。これも、皆さんの力と、あの作戦案を教えてくれた提督のおかげですね。でなければ、ここで我々は諦めているところでした。後日、お礼を

   言わないと……」

瑞鳳「卵焼き、作ってあげましょうか?」

提督「いや、それは迷惑でしょう。それで、この作戦はいったい誰に聞いたのですか?」

瑞鳳「ええっと、提督みたいに頭が良くて、艦娘の皆に慕われている提督だよ!」

428: 2016/05/10(火) 21:58:23.03 ID:QkuE7Y+t0
 ―同時刻、第壱拾参鎮守府・執務室―

禊「瑞理さん、斑さんに作戦を教えるなんて、意外と優しいところがあるんですね…。あんなに毛嫌いしてたのに」

瑞理「あはは、そんな無償の奉仕をアイツなんかに対してやるわけないじゃない」

禊「」

瑞理「ここであいつに恩を売っておいて後々ゆするんだよ。それに僕の方が優れた作戦を立てていたって事でアイツに劣等感を覚えさせるんだひひひ」

禊(ですよねー……)

Iowa「………ここのAdmiralは、意外とアレなのかしら?」

雪風「えっと……普段はもっと優しいんですよ?」


瑞鳳「大丈夫だったでしょ?」

提督「」

祥鳳「…………………………………………………」

提督「…………瑞鳳さん、サブ島へ単独出撃するか、比叡さん特製卵焼きを完食するか、好きな方を選んでください」

瑞鳳「な、なんで!?」

祥鳳「そりゃ、自分と犬猿の仲な人の立てた作戦で成功するなんて……おまけにの人に恩を売っちゃったなんて、屈辱以外の何物でもないでしょ…」


【終わり】

439: 2016/05/11(水) 21:32:41.11 ID:09+KsUFd0
【新たなる酒豪】

 ―数日前16時過ぎ、第壱拾参鎮守府・執務室―

大淀「提督!第一艦隊から入電、南方ラバウル基地戦域の攻略に成功、ラバウル航空撃滅戦、成功しました!」

瑞理「ホントに!?いやぁ~…長かったなぁ~……」

大淀「そして、第五海域の攻略報酬として、イタリアの重巡洋艦・ポーラさんが、こちらに配属されます」

瑞理「よーしよしよし、これでザラちゃんが寂しくなくなるね」

大淀(提督…ザラさんのことを思って……)

瑞理「………ザラちゃんが何かあるたびに、『ポーラ』『ポーラ』って言ってて、見ててなんだかかわいそうな子に見えたから……」

大淀「ああ……確かに……」


 ―数時間後―

Pola(以下ポーラ)「Buon Giornov~。ザラ級重巡の三番艦~、ポーラです~。何にでも挑戦したいお年頃。頑張ります~」

瑞理「うん、僕がここの鎮守府の提督ね。よろしく」

ポーラ「よろしくお願いしま~す」

瑞理「それで、なんにでも挑戦したいって言ってたよね?なんならこの後僕と……」

雪風「しれぇ……出会って10秒でナンパするのはどうかと思います……」

バァン

Zara(以下ザラ)「ポーラが着任したってホント!?」

ポーラ「あら~、ザ~ラ姉ぇさまじゃないですか~」

ザラ「ホントにポーラだ!元気だった!?」ダキッ

ポーラ「も~、ザ~ラ姉ぇさまは~、心配性なんですから~」

瑞理「まあ、姉妹が再会できてよかったね」

雪風「はい!これで、ザラさんがもう虚ろに『ポーラ大丈夫かなぁ…』って呟く事もありませんね!」

440: 2016/05/11(水) 21:41:33.19 ID:09+KsUFd0
ザラ「それで提督、今夜鳳翔さんのお店でザラの着任記念パーティを開くんですけど、ご一緒にどうですか?」

瑞理「え、そんなの決めてたの?」

ザラ「はい!第五海域を攻略したって大淀さんの報告を耳にしましたので!」

ポーラ「あらぁ~、ザ~ラ姉ぇさまって~、意外とせっかちなのね~」

瑞理「そうだなぁ……じゃあ、参加させてもらおうかな?」

ザラ「はい!」


 ―19時過ぎ、鳳翔のお店―

ガヤガヤガヤガヤ

ポーラ「んぐぅ、んぐぅ、んぐぅ………ぷはぁ~、お酒美味しい~♪」

ザラ「あ、ポーラったら、お酒はダメって言ったでしょ!?」

ポーラ「大丈夫~、大丈夫~、そんなに弱くはないから~」

那智「ほう、ポーラとやら。なかなか良い飲みっぷりだな」

隼鷹「そいじゃ、あたし達と飲み比べと行こうぜ!」

ポーラ「いいですね~、望むところです~」

ザラ「ちょ、ちょっと!」


 ―数時間後―

那智「………うぷ、もう………無理……………」

隼鷹「…提督、バケツ……くれ………リバースしそう……」

ポーラ「あ~、美味しいわね~、何杯でも行けちゃうわ~♪」

瑞理&「」

ポーラ「あれぇ~?提督ぅ~?どうかしましたか~?」

雪風「……まさか、那智さんや隼鷹さんを超える飲兵衛とは……」

瑞理「けど……………アリだね」


【終わり】

442: 2016/05/11(水) 21:50:48.87 ID:09+KsUFd0
【キャラクター紹介】

≪Pola/ポーラ≫

Zara級重巡洋艦三番艦。艦娘No.249。ウェーブがかった薄い茶髪と、間延びした喋り方が特徴の、マイペースな女の子。すごいのんびり屋さんで、喋るのも遅く

動作も鈍い。ゆるふわ系かと思いきやまさかの大酒飲みで、那智や隼鷹、千歳などのちゃんぽん組をも上回るぐらい酒に強い。しかし、飲み過ぎると脱ぐ癖があり、

ザラはそれを知っているためあまりポーラに酒を飲ませない。まだ着任してから日が浅いため、戦闘能力はまだ分からない。

好きな言葉は『笑いは良い血を作る』。

448: 2016/05/12(木) 21:37:28.24 ID:jOAeT8EG0
【アメリカン】

 ―18時過ぎ、執務室―

大淀「提督、第七海域の攻略報酬である、アイオワさんが着任されました」

提督「……いよいよ来ましたか」

大淀「はい……」

提督「……ここで気に病んでいても仕方がありません。通してください」

大淀「………分かりました」


Iowa(以下アイオワ)「Hi!MeがIowa級戦艦、Iowaよ!」

提督「よろしくお願いいたします。私がここの提督であり、総司令部の補佐官です」

アイオワ「Ah,ここがGHQって事は、大淀から聞いているわ。よろしくね!」

提督「こちらこそ。さて、着任して早々すみませんが、明日からは―」

コンコン

長門「失礼するぞ、提督」ガチャ

提督「あ」

アイオワ「?」クルッ

長門「ん?提督、この方は?」

提督「あー……その人はですねぇ……」

アイオワ「Oh,youもカンムスかしら?初めまして!Meは、Iowa級戦艦、アイオワよ!」


長門「…………………アイオワ………だと?」


アイオワ「?」

長門「………………」ブルブルブルブル

449: 2016/05/12(木) 21:50:47.02 ID:jOAeT8EG0
大淀「早く、こちらです!」バァン

陸奥「長門!?」

長門「………陸奥?」クルッ

陸奥「あはは、ごめんなさいねアイオワさん。長門、少し恥ずかしがり屋さんだから、初対面の人相手に緊張しちゃって…ちょっと失礼~」パタン

アイオワ「…………あ」

パタン

提督「…………すみません、アイオワさん。長門さんも悪気があったわけでは………」

アイオワ「……本当はね、分かってるわよ」

提督「?」

アイオワ「MeがこのOfficeに来るまでに何人かのカンムスとあいさつしたけど、皆Eyeを逸らしたり、悔しそうなFaceをしたりしてたわ」

提督「………」

アイオワ「そのReasonは、かつてのWarでMeがこの国と、この国のFleetにしたことでしょうね………」

提督「…………」

アイオワ「卑怯な言い訳かもしれないけど、あの時のMeに自我は無かったし、実際にAttackしたのはMeのAdmiralとCrew……。Meが

     やったのは確かだけど、今のMeじゃない……」

提督「………」


アイオワ「Meは……私は、例えどれだけ時間がかかろうと、どれだけ皆に忌避されようと、あの時の事をちゃんと謝って、罪を償って、皆と一緒に肩を並べて

     共に生きていきたいと思ってるわ」


提督「……そうですか」

アイオワ「………って、Arrivalして早々、辛気臭い事言っちゃったわね。Sorry,sorry…」

提督「………やはり、貴女を仲間にしたのは正解だったみたいです」

アイオワ「?」

提督「アイオワさんが、皆さんと仲良くなれるよう、私は心から応援しますよ」

アイオワ「………Than…………ありがとう」


【終わり】

450: 2016/05/12(木) 21:59:11.19 ID:jOAeT8EG0
【キャラクター紹介】

≪Iowa/アイオワ≫

Iowa級戦艦一番艦。艦娘No.240。ブロンドヘアーと、アメリカンなナイスバディが特徴の、ポジティブな女性。金剛よりも片言な日本語を喋り、所々に英語を

混ぜる喋り方がデフォルト。着任したばかりの今は、過去の大戦ゆえか艦娘達から忌避されている。しかし本人は、あの時のことを申し訳ないと思っており、

ちゃんと謝罪して罪を償い、皆と共に暮らしていきたいと思っている。提督はその想いを聞き、実現できるよう心から応援と協力をする事に決める。

好きな言葉は『Going My Way』。

457: 2016/05/13(金) 21:13:02.52 ID:WdYxsgG/0
【虎の威を借りているつもりではない狐】

 ―7時過ぎ、講堂―

提督「えー、現在展開されている大規模作戦ですが、わが鎮守府の資源が、設定したラインを切ってしまったため、一度作戦から離脱します」

ざわっ…

提督「本日から数日の間は、通常海域に出撃して任務を消化し報酬で資源を確保しつつ、遠征で資源を回復していきます」

白露「えー?でもまだ資源はいっぱいあるじゃん!」

提督「今のうちに少しでも回復させておかないと、作戦後の資源状況が大変な事になりますから」


 ―8時過ぎ、食堂―

妙高「…と言うわけかだから初風ちゃん。私も10時から遠征だから、ちゃんと留守番していなさいね」

初風「うぅ………できれば妙高姉さんと一緒に遠征行きたかったのに…」

妙高「それはどうしようもないわね。遠征のスケジュールと編成は、全部提督が決めた事ですから」

初風「むー……」


 ―数時間後、休憩室―

初風「………はぁ」

提督「初風さん、どうかしましたか?」

初風「…別に、何でもないわよ」

提督「まさか、妙高さんがいないだけでそこまで弱々しくなるとは」

初風「だっ、誰がなよなよしているって!?」

提督「言ってませんよ」

初風「もう………だって、寂しいじゃない。普段一緒にいる人がいなくなるなんて」

458: 2016/05/13(金) 21:26:36.56 ID:WdYxsgG/0
提督「でもこれを機に、他の皆さんと交流を図っても良いかもしれませんよ?」

初風「どうして。私は別に島風みたいにぼっちなわけでもないし、時津風みたいに雪風バカじゃないし」

提督「名指ししたうえで罵倒するのは止めなさい。そうではなくて、初風さん、よく妙高さんと一緒にいるでしょう?」

初風「そうね」

提督「ですが、妙高さんのような先輩と一緒にいるせいで、他の駆逐艦の皆さんが近寄りがたい雰囲気になっているんですよ」

初風「別に、私はそんな雰囲気出してるつもりはないわよ」

提督「本人にそのつもりはないとしても、他の皆さんの捉えようによっては別の意味になってしまう事はよくあります」

初風「………………」

提督「初風さんも、本当は優しい性格だという事は分かっています。それを他の皆さんにも向けてみては?」

初風「…………」


 ―数分後、駆逐艦寮・休憩室―

島風「だーかーらー、かけっこしよーよー!」

天津風「やだっつってんでしょーが!」

初風「な、何の騒ぎ?」

嵐「島風が天津風をかけっこに誘ったんだが、天津風はいつもやってるから嫌だって」

初風「もう、そんな理由で……じゃ、私がかけっこしてあげるわよ。島風」

島風「えっ。いいの?」

初風「いいわよ、やってあげても」

島風「やったー!じゃあ運動場へ行こ!」グイグイ

初風「わ、分かったから引っ張んないでよ!」

天津風「はぁ、初風のおかげで助かったわ…」

嵐「…しかし珍しいな。初風が自分からかけっこするって言いだすなんて」


 ―数分後、執務室―

チョッ、ハヤスギィ・・・

オッソーイ!


提督「……もう大丈夫みたいですね」

羽黒「…そうですね」ニコ


【終わり】

459: 2016/05/13(金) 21:32:53.91 ID:WdYxsgG/0
【キャラクター紹介】

≪初風≫

陽炎型駆逐艦七番艦。艦娘No.118。薄いブルーのロングヘアーと、胸の黄色いリボンが特徴の、少し不愛想な女の子。普段からあまり表情を表に出さず、若干

刺のある喋り方をしているが、根は優しい。かつての戦いで、妙高と激突してしまった事がトラウマとなり、トラウマを克服するためによく妙高と一緒にいる。

妙高の事をとても尊敬しており、『妙高姉さん』と呼び慕う。いつも妙高と一緒にいるせいで他の皆は近寄りがたかったが、最近は妙高離れに励む。

好きな言葉は『転ばぬ先の杖』。

466: 2016/05/14(土) 21:36:47.25 ID:EOJm2k0e0
【MVP】

 ―数日前20時過ぎ、北太平洋戦域・Nマス(北太平洋深海中枢泊地)―

那智「いっけぇ、衣笠!」

比叡「やっちゃってください!」

衣笠「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ダァン

ズッドォォォォォォォォォォォォォォォォ

中枢棲姫-壊「ソウカ…ウマレタ リユウヲ…ナシトゲタノダナ……。そうなのね……気持ち…わかる…」破壊

衣笠「はぁ………はぁ……」

全員「やったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

衣笠「いやいや、そんなのいいですって!」

提督「しかし、攻略困難な2つ海域で、連続してゲージを破壊した衣笠さんには、もう感謝しきれないくらい感謝しているんですよ。貴女がいなかったら、

   この作戦を攻略する事は出来なかったのですから……」

衣笠「で、でも……」

提督「お礼に何か1つ、褒美を差し上げたいのですが」

衣笠「うぇ……ええと……」

提督「まあ、流石にすぐというのは酷でしょうし…。少し考えていただいて構いませんよ」

衣笠「……」


 ―数分後、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋―

衣笠「……はぁ」

青葉「おや、衣笠?どうしたんですか?」

衣笠「あ、青葉……」

青葉「今、鎮守府中で話題に上がっていますよ?後段作戦の敵艦隊旗艦を二海域連続で撃破したスーパー重巡洋艦って」

衣笠「そうなんだ……」

467: 2016/05/14(土) 21:48:25.66 ID:EOJm2k0e0
青葉「なんだか嬉しくなさそうですね……何かあったんでしょうか?」

衣笠「……実はさっき、提督に呼ばれてね」

青葉「ほうほう」

衣笠「提督からも、『攻略困難な2つの海域で連続して旗艦を撃破したご褒美に、何か1つ褒美を上げたい』って言われて」

青葉「おおっ!それはすごいじゃないですか!それはあれですか?『なんでも一ついう事を聞く』っていうニュアンスと同じですよ!」

衣笠「……でも、何か1つって言われて……それに悩んじゃってるの……」

青葉「じゃーあれですよ!ご褒美に処Oを貰って―――すみません、冗談ですごめんなさいだから両手で首絞めないでギブギブギブ……」

衣笠「………はぁ」

青葉「えほっ、へほっ……ふぅ。そう言った感じの願いじゃなければ、あれですよ。休暇とか?」

衣笠「休暇は、今回の作戦に参加した娘たち全員に与えられるんだって。青葉にも通知があったでしょ?」

青葉「あ、そう言えば。それじゃ、何かプレゼントとかでもいいんじゃないんですか?」

衣笠「うーん……でも、そう言うのお願いするのって、なんだか図々しくない?提督が『何か1つ、とは言ったけど…』って顔されても嫌だし…」

青葉「衣笠は真面目ですねぇ……」

衣笠「うーん…………」

青葉「あ、後は膝枕とか!甘える権利とか!」

衣笠「そ、それって!?こ、恋人同士とかがする事じゃない!」

青葉「でも、衣笠はしれーかんの事が好きなんでしょ?」

衣笠「…好きだけど、提督にはもう雲龍さんがいるし……」

青葉「あのですねぇ、しれーかんが前に、『ケッコンカッコカリの第一の目的はあくまで、提督と艦娘の絆を深めて艦娘の能力向上を第一の目的としてる』って

   言っていたんですよ」

衣笠「それが何?」

468: 2016/05/14(土) 21:57:24.22 ID:EOJm2k0e0
青葉「しれーかんは、ケッコンカッコカリの事をそれほど重要とは思っていない可能性もある、という事ですよ」

衣笠「!」

青葉「それに衣笠が、しれーかんとあんなことやこんなことをして能力が上がれば、もっと衣笠の能力が上がるかもしれませんよ?」

衣笠「………………」

青葉「それとぶっちゃけ、あくまでカッコカリであって、カッコガチじゃないですから」

衣笠「…………………」


 ―20時過ぎ、執務室―

提督「……思った以上に、燃料と弾薬を消費しましたねぇ…。拡張作戦もあるというのに…一度資源回復をするべきか……」

コンコン

提督「あ、どうぞ」

ガチャ

衣笠「……失礼します」

提督「衣笠さんですか、どうしましたか?」

衣笠「あの、朝の……何か1つご褒美をって……」

提督「ああ、その話ですか。何か、思いつきましたか?」

衣笠「……質問に質問を返すようで少し申し訳ないんだけど、提督的には、衣笠さんが強くなれるような、何かの方がいい感じ?」

提督「……?」

衣笠「ええっと……、ネックレスとかのアクセサリーみたいなオシャレ目的のモノじゃなくて、新しい装備とかみたいな、今後も役に立つようなものの方が、

   提督的には助かる?正直に答えて」

提督「……そうですねぇ…正直に言えば、後者の方ですね。後々役に立つようなものの方が、私的にも嬉しいですね」

衣笠「……そっか。じゃあ……………提督、目を瞑って」

提督「……構いませんが……」

衣笠「………………」ツカツカ

提督「?」

469: 2016/05/14(土) 22:02:17.11 ID:EOJm2k0e0



衣笠「んっ」チュッ



提督「!」

衣笠「んぅ…………」

提督「…………………」

衣笠「ぷはっ」

提督「………衣笠さん………」

衣笠「これさえあれば、衣笠さんはまだ強くなれるから。ありがとね」

提督「……………意外と積極的なんですね」

衣笠「う、うぅ……。お、おやすみ!///」バタン

提督「………敵いませんねぇ…」


 ―数分後、浴場―

青葉「あ~、良いお湯ですねぇ~」ホカホカ

衣笠「……………………………………………」ブクブクブクブク

青葉「……で、結局何をお願いしたんですか?」

衣笠「……教えない。どうせ新聞の記事にするんでしょ?」

青葉「え~、釣れないですねぇ~」

青葉(まあ、その真っ赤な顔を見れば、何をしたかは分かるんですが)


【終わり】

470: 2016/05/14(土) 22:11:38.69 ID:EOJm2k0e0
【キャラクター紹介】

≪衣笠≫

青葉型重巡洋艦二番艦。艦娘No.120(改二はNo.142)。色の薄い茶髪と起伏に富んだボディが特徴の、フレンドリーな女の子。姉の青葉同様野次馬根性があり、

楽しい事が大好き。戦闘面については、オールマイティと言っていいほど何でもできる。青葉に次いで古参の重巡洋艦で、斑提督が提督に着任したての頃からの

付き合い。そして今までの時の中で提督のことを好きになるが、雲龍がケッコンカッコカリした今でも、少しずつアタックをしている。

好きな言葉は『才色兼備』。

476: 2016/05/15(日) 21:43:15.01 ID:WArkVpME0
【全力で】

 ―8時過ぎ、食堂―

ガヤガヤ

朝潮「はむっ…もぐむぐ……」

大潮「朝潮、今日はいつにもまして食べますねぇ~」

朝潮「むぐむぐ……当たり前よ。今日は東京急行の日だもの。いっぱい食べて、遠征を頑張らなきゃ!」

大潮「そのテンションですよ大潮!テンションアゲアゲで、遠征頑張っちゃいましょー!」

満潮「はぁ……朝っぱらからそんながつがつ食べてハイテンションなんて、元気ねぇ」

荒潮「あら~、そういう満潮はご飯の量が少ないみたいだけど~、ダイエットかしら~?」

満潮「ち、違うわよ!」


 ―9時過ぎ、執務室―

神通「それではこれより、神通率いる第二艦隊は南方海域へ、東京急行遠征へ向かいます。随伴艦は、朝潮、大潮、満潮、荒潮、黒潮です」

提督「了解しました。全員、主砲1、魚雷1、そしてドラム缶を1個ずつ装備し、遠征へ向かってください」

神通「はい」

朝潮「司令官、私達、全力で遠征に励んで、資源をたくさん持って帰ってきますね!」

提督「はい、お願いいたします」


 ―数時間後、南方海域への航路上―

神通「朝潮ちゃん、提督の前での所信表明、素晴らしかったですよ」

朝潮「え、そんな……朝潮は別に、ありきたりな事を言っただけで…」

神通「ありきたりな事でも、提督の前で所信表明をする娘はそんなにいないの。その意気やよし、です。この遠征、頑張りましょう」

朝潮「はい!」

満潮「………………神通さんをやる気にさせちゃったか……」

大潮「……神通さん、やる気モードになるとめっちゃくちゃ厳しくなるからね……」

黒潮「あかん……鎮守府に戻るころには、ウチ、疲労困憊だわ……」

荒潮「うふふ~、でも頑張るしかないでしょ~?」

477: 2016/05/15(日) 21:56:04.14 ID:WArkVpME0
 ―12時前、執務室―

神通「神通率いる第二艦隊、南方海域への東京急行より帰投いたしました」

提督「お疲れ様です」

朝潮「大成功ですよ、司令官!弾薬も鋼材も、たくさん持って帰ってきました!」

提督「ありがとうございます。ただ……」

大潮「ぜー…はー……」

満潮「肩が……腰が……」

提督「後ろの方々がダウンしているんですが……何をしたんですか?」

神通「早く帰投できるように、帰りのスピードを上げたんですよ」

提督「………まあ、大成功しましたので良しとしましょうか。それでは、報告書は明日の昼までに、皆さんは休憩に入っていただいて構いませんよ」

神通「ありがとうございます」ペコリ

大潮「あ~う~い………お昼ご飯だぁ~……」


 ―13時前、食堂―

朝潮「さてと、他に何かやるべきことは……」


『……という事なんです…』

『それは困りましたねぇ…』


朝潮「?どうかしたんですか?」

提督「ああ、実はですね……」

萩風「実は、私と嵐が午後から北方鼠輸送遠征に行く予定なんだけど、嵐がアイスを食べすぎてお腹を壊しちゃって寝込んじゃったの…」

朝潮「え……」

提督「まったく……嵐さんはアイス禁止にしましょうか。それにしても、これで遠征のスケジュールを組み直さなければなりませんね…。だれか、他の駆逐艦を

   見繕って……」

478: 2016/05/15(日) 22:16:53.08 ID:WArkVpME0
朝潮「あの、私が代わりに行きましょうか?」

萩風「えっ?」

提督「いえ、貴女は先ほど東京急行から戻ってきたばっかりでしょう」

朝潮「大丈夫です!昼食を食べて、休憩も取りましたから!」

提督「……萩風さん。嵐さんの代わりに朝潮さんを行かせますが、何か異変がありましたら、すぐに引き返してください。旗艦の長良さんにも伝えますが」

萩風「は、はい!」

提督「朝潮さん、もう一度聞きます。本当に大丈夫なんですか?」

朝潮「はい!大丈夫です!」


 ―16時過ぎ、医務室―

朝潮「………すー…すー…」

司令長官「なんか、デジャヴを感じるね………」

提督「執務室に入ったとたんに、倒れました。多分、我慢していたんでしょうね」

司令長官「何で無茶な出撃させたの。君らしくもない。朝潮ちゃんが自分から『行ける』って言っていなかったら、ブラック鎮守府になっていたんだよ?」

提督「………確かに、朝潮さんの自己申告を過信しすぎました。これは私に全面的に非がありますね」

司令長官「まあ、朝潮ちゃんが無理して遠征に行ったのも悪いけどね」


 ―数時間後、執務室―

提督「そう言うわけで、明日から数日の間は休んでいただいて構いませんよ」

朝潮「私はまだ大丈夫です!まだ行けます!」

提督「それでまた、今日のように倒れられても困ります。私も、皆さんも

朝潮「…………」

提督「貴女が倒れたと聞いて、他の皆さんが動揺していましたよ。遠征に身も入らないほどに」

朝潮「っ」

提督「遠征が失敗して資源も持ち帰れないのは、貴女も望んではいないでしょう?もう二度と、無理してまで出撃しようとしないでください」

朝潮「………はい」


【終わり】

479: 2016/05/15(日) 22:27:08.69 ID:WArkVpME0
【キャラクター紹介】

≪朝潮≫

朝潮型駆逐艦一番艦。艦娘No.85。黒のロングヘアーと、青い艤装のベルトが特徴の、とても真面目な女の子。何事にも全力で取り組む姿勢を持っており、勝負事

には妥協しない。全力で物事に取り組む故、たまに身体を壊して皆を心配させることもある。とても仲間思いであり、戦闘でも皆を守る事を優先している。その

真面目な姿勢は戦艦や空母の先輩たちからも一目置かれている。ただ、その気合が他の駆逐艦を巻き込む事もある。

好きな言葉は『全身全霊』。

487: 2016/05/16(月) 21:35:51.64 ID:E69ADv1C0
【資源】

 ―15時過ぎ、廊下―

長良「あ~…鼠輸送作戦も疲れるなぁ~……」

五十鈴「鼠輸送作戦はまだいいじゃない。五十鈴なんて、東京急行よ?南方海域なんて遠いし暑いし…大変よ……」

長良「でも、今は資源回復が第一目標だし、文句も言ってられないよ……」


名取『………』タタタタ


長良「あれ?あれって、名取?」

五十鈴「急いでどこへ行くのかしら…」


 ―数分後、資源倉庫―

長良「何かと思えば、資源倉庫か」

五十鈴「って、由良もいるじゃない」

由良「あら、長良姉さんに五十鈴姉さん…。どうかしたの?」

五十鈴「あ、ちょっと名取が走って行ったから、どこへ行くのかなーって思って」

名取「べ、別に特別な事なんてないよ?ただ、提督から『資源の数を確認してきてほしい』って言われて…」

長良「で、由良は何してるの?」

由良「私は、資源の整理と倉庫内の警備って言われて……」

五十鈴「何でそんな事させるのかしら?別に盗まれるわけでもないのに」

鬼怒「それがそうでもないらしいよ?」ヒョコッ

名取「ひゃわっ!?」

由良「鬼怒、どういう事?」

鬼怒「なんかこの前ねー?潜水艦の子たちが夜中にここに忍び込んで、資源をちょろまかしたらしいよ?」

阿武隈「出撃でいつも被弾してるのに、資源の配分が割に合わないからって言ってたよ」

由良「そっか……たしかに、潜水艦の子たちには、いつも敵の攻撃を誘導させる役目を負わせちゃってるからね……」

長良「………………」

488: 2016/05/16(月) 21:56:57.50 ID:E69ADv1C0
 ―数時間後、休憩室―

鬼怒「でもまさか、大規模作戦を一回中断してまで資源回復するとはね~………」

五十鈴「それだけ今回の作戦は厳しいって事でしょ?」

長良「でも長良達って、あんまり大規模作戦じゃお呼びじゃないよね……」

五十鈴「そうね……改二になって運用性の増えた阿武隈以外は」

阿武隈「そ、それほどでもないよ……」

由良「でも確かに……甲標的で先制雷撃もできて、大発動艇も積む事ができて、軽巡中第二位の雷装…回避・装甲は軽巡トップ……羨ましいわね」

名取「そうだねぇ……私も改二になれたらなぁ」

阿武隈「あはは……それは妖精さんにお任せだね…。でも、あたしも後段作戦じゃあまり出番も無くなって、これから行く拡張作戦もあたしは出番じゃないし…」

長良「でも、前段作戦には出ていたんでしょ?私達が遠征でヒーコラ言っているのに、阿武隈は前線で華々しく活躍とは……随分差が出たもんねぇ~」

由良「……やっぱり、改二かぁ」

五十鈴「改二になったからって、出番が増えると思ってちゃ大間違いよ。提督曰く、他の鎮守府の私なんて『電探牧場』なんて言われてるんだから……」

名取「え、えぇ?じゃ、じゃあ……五十鈴お姉ちゃんも……?」

五十鈴「いや、それは無いわね。五十鈴は大規模作戦中は大体暇してるわ」

長良「でもさー?せめて連合艦隊の第二艦隊旗艦ぐらいはやりたいよね~」

鬼怒「確かに~…。鬼怒なんていつも留守番組だし……」

由良「でも私達って…特に秀でている性能とかはないからね………」

五十鈴「でも五十鈴は防空巡洋艦なのよ?これを生かさない手は無いわ!」

鬼怒「でも最近は防空駆逐艦がいるからなぁ~……」

名取「後は…摩耶さんもいるし……」

五十鈴「ファ○ク!」ガン

阿武隈「五十鈴姉さん、それは言っちゃだめだよぉ!」

長良「やっぱり、司令官に直訴した方がいいわよね……」

由良「うん…待ってるだけじゃこのままだからね……」

鬼怒「そうと決まれば、早速行ってみよー!」

名取「お、おー……」

489: 2016/05/16(月) 22:12:23.00 ID:E69ADv1C0
 ―数分後、執務室―

提督「………なるほど。大体わかりました」

五十鈴「で、答えは?」

提督「…………‶適材適所‶、と言う言葉は知っていますか?」

長良「へ?」

提督「確かに、こう言った要望というか直訴は、よくあります。しかし私は、皆さんのそれぞれの個性に合った役割をみなさんに与えているつもりですよ」

由良「?」

提督「阿武隈さんは確かに改二になってから運用性も増して、今回のような大規模作戦にも出撃できるぐらいの力を持つようになりました。元々大規模作戦には

   性能の高い艦娘を起用していますから」

五十鈴「じゃあ五十鈴も…!」

提督「五十鈴さんも確かに対空性能は高いです。しかし、火力や装甲は他の軽巡洋艦とさほど変わらず、燃費等を重視するなら今は防空駆逐艦の秋月さん達を起用

   していますから」

提督「確かに長良型は、それほど秀でた性能はありません…。従って、簡単な海域の攻略等に参加するほどしかありませんが………それでも、貴女達には個性が

   あります」

名取「どういう、ことでしょうか…?」

提督「例えば長良さんは、活発に体を動かそうと他の艦娘の方たちに呼びかけていますよね?それは、退屈な遠征のスパイスになります。五十鈴さんは先ほども

   述べたように対空性能が高いので、空母が多く出現する海域ではお役立ちデス」

長良「お、おお……」

提督「由良さんは、優しく気遣いもできるので、後方支援や疲れた艦娘の方たちのケアに向いています。名取さんも普段はおどおどしていますけど、やる時は

   しっかりと役目を果たしてくれます。鬼怒さんも、そのジョークや明るい言動で、沈み切った場の雰囲気を盛り上げてくれます」

名取「あ、ありがとうございます」

鬼怒「えへへ~、ありがと♪」

由良「……………///」

五十鈴(ん?なんか一人だけ告白みたいな評価を受けていた気がするけど…?)

提督「とまあ、大体こんな感じで、私は皆さんに役割を与えているんです。別に私の趣味で皆さんを留守番組にしているわけではないので、それだけは理解して

   おいてくださいね」

長良型「はい!」

490: 2016/05/16(月) 22:24:27.08 ID:E69ADv1C0
 ―数分後、廊下―

長良「なんだか、司令官もいろいろ考えていたんだね」

五十鈴「そうね~…。留守番組なんて僻んでるのが、ばかばかしく思えちゃった…」

由良(優しくて、気遣いもできる……ね♪///)

名取「ゆ、由良ちゃん?顔が赤いよ?」

鬼怒「青春だねぇ~」

阿武隈「あ、どうだった?」

長良「なんかね、私達の長所をほめてくれたよ~?」

阿武隈「えー?あたしも褒められたかったな~」

鬼怒「改二になって有用性が増したっていうのに、まだ望むか!」

阿武隈「いいジャン別に~!あたしも提督に褒められたいよ~!」

五十鈴「醜い争いねぇ……」

リンゴーン、リンゴーン

由良「あ、晩御飯の時間だね」

五十鈴「あら、もうこんな時間……そう言えばお腹空いたわね~…」

長良「今日はいっぱい働いたし、ご飯が美味しいよ~?」

鬼怒「今日のメニューなんだっけ?」

阿武隈「えーっと、Aセットは麻婆豆腐、Bセットはイタリアさんのボロネーゼ、Cセットのおにぎりはおかか、高菜、ツナだったかな」

名取「阿武隈ちゃん、覚えてるんだ~」

五十鈴「食い意地が張っているようで」

阿武隈「ち、ちがうもん!」

由良「もう、そんな阿武隈をいじらないであげてよ……さ、早く食べに行こ?」

鬼怒「よーっし、鬼怒は何にしようかな~?」


【終わり】

491: 2016/05/16(月) 22:29:14.93 ID:E69ADv1C0
今日はここまでにします。

>>348
  長良型の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は>>1の都合上、投下する事ができません。

次回の投下は明後日の5月18日の午後9時以降に、リクエストにありました深海提督の話を書いていきます。

ここで、深海提督は誰かとケッコンカッコカリする予定ですが、その相手の決め方について以下のどちらにするか多数決を取ろうと思います。

①:>>1が決める。

②:>>1が指定したキャラクターの中から多数決で決める(この場合、後日再度多数決を取ります)。

この2つのどちらにするかを、>>493-495の中で多数決で決めます。


感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた。


【艦これ】総司令部日誌【その6】

引用: 【艦これ】総司令部日誌