831: 2009/08/01(土) 19:40:08.21 ID:aF+tD2I2O

835: 2009/08/01(土) 19:53:45.44 ID:aF+tD2I2O
何か、おかしい。
何となく、そんな気がした。

テレビに映る試合は、俺とは全く縁もゆかりもない県同士の戦いだが、
負けている方をなんとなーく応援している気分でいると、
これまたなんとなーく、そろそろハルヒが騒ぎ出すような気がした。

♪~♪~♪~

キョンの妹「キョン君電話~」

キョン「言われんでも分かってる」

ピッ

ハルヒ『今日あんた暇でしょ?2時ジャストに駅前集合だから。ちゃんと来なさいよ』

ブツッ

俺は一言もしゃべっとらんのだが。
長門有希ちゃんの消失(10) (角川コミックス・エース)
838: 2009/08/01(土) 20:03:51.73 ID:aF+tD2I2O
ピッ。

キョン「何だ?」

ハルヒ『持参物は特にないから。あと……』

キョン「自転車に乗って来るんだろ」

ハルヒ『ッはぁ?別に乗ってこなくていいわよ。遅れたら奢りってことを言おうてしたの。じゃ』

ブツッ

あれ?自転車に乗っていくんじゃなったか?

TV「打った大きい!」

キョン妹「あ、これ入るんじゃないかなー」

TV「入りましたー!」

キョン妹「ほらね」

840: 2009/08/01(土) 20:08:08.25 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「遅いわよキョン!もっとやる気をみせなさい!」

キョン「へいへい。待たせてすみませんね」

朝比奈さん「私も今来たところですー」

ハルヒ「それじゃあ全員揃ったことだし、出発しましょ!」

キョン「どこに?」

ハルヒ「スーパーよ。今日はSOS団でスーパーのバイトをするわ!」

842: 2009/08/01(土) 20:25:48.11 ID:aF+tD2I2O
なんだかわからない内に集められた俺達は、なんだかわからないスーパーに行くこととなった。

キョン「ん゛ん゛ん゛……ぬぉぉぉ!」

ハルヒ「ほらキョン!もっと腰に力を入れなさい!」

古泉「これは、なかなか……」

みくる「あぅぅぅ、重いですぅ~」

ハルヒ「古泉君にみくるちゃんも!しっかり運ぶのよ!」

長門「……」ヒョイ

長門「……」スタスタ

845: 2009/08/01(土) 20:39:01.89 ID:aF+tD2I2O
これから1時間ほど、俺達はスーパーの荷物の搬入を手伝うことになった。
まさか、こんなことをさせられるハメになるとは……

キョン「高重力化で肉体労働させれた沙慈の気持ちが気持ちがよくわかるぜ……」

古泉「あっはは、大丈夫ですか?」

ハルヒ「ご苦労さま!店長のおっさんも感謝してたわよぉ」

キョン「おっちゃんの感謝などいらん。バイト代は?」

ハルヒ「ないわよ!」

キョン「は……?」

ハルヒ「最終日にあるものを貰える約束なの。それまでしっかり働きなさい!」

848: 2009/08/01(土) 20:49:38.37 ID:aF+tD2I2O
こうして無報酬労働を強いられることになった俺達だったわけたが。
バイトの内容は日毎に変わり、レジ打ち、ビラ配り、電話番。

そして今日が最終日。カエルの着ぐるみを着て風船配りとは。
本当、しんどかったぜ……

キョン「で、あるものってのはなんなんだ?」

ハルヒ「これよ!」

ハルヒはカエルの着ぐるみの頭を持ち上げて、そう言い放った!

キョン「は?」

ハルヒ「私前からこれが欲しかったのよねー。おっちゃんもみくるちゃんに免じてくれるって言ってくれたの」

俺達はそんな事の為に額に汗して働いたのか。

ハルヒ「記念に部室に飾っときましょ。みくるちゃん、何時でも好きな時にこれ着ていいわよ。あたしが許すわ」

851: 2009/08/01(土) 21:02:10.64 ID:aF+tD2I2O
ハルヒ「それで、みんなには言いづらいことがあるんだけど」

キョン「なんだ?まさか、また明日もバイトだなんで言い出すんじゃないだろうな?」

ハルヒ「それがね、おっちゃんが有希の働きっぷりを気に入っちゃって」

長門「……」

ハルヒ「夏休み中でいいからシフトに入ってほしいって頼まれちゃったのよ」

キョン「ちょっと待て。そんな唐突かつ勝手に……長門の予定も聞かずにいいのか」

ハルヒ「そんなこと言われなくてもわかってるわよ。で、有希、大丈夫?」

長門「……問題ない」

何故だか、その時長門はハルヒの頼みも喜んで聞き入れているように見えた。
まぁ、長門がいいなら俺はこれ以上何も言うまい。
それにハルヒに付き合わされるより、スーパーでバイトしてるよりマシだろうがな。

ハルヒ「有希が働いた分の給料はSOS団の活動資金になるから、バリバリ働きなさい!」


これでいいのか、長門よ。
それに一応言っておくが、うちの高校はバイト禁止だぞ。

852: 2009/08/01(土) 21:04:20.84 ID:QkIMYLSV0
このハルヒはヒドイ

855: 2009/08/01(土) 21:10:05.48 ID:aF+tD2I2O
翌日

店長「今日から9月まで働いてもらうことなった長門有希さんです」

長門「……」ぺこり

店員達「よろしくー」


店長「みんな知っての通り、彼女は数日前から店の手伝いをしてくれた子達の一人だ」

店長「彼女の学校はバイト禁止らしいからくれぐれも口外しないよーに!」

店員達「はーい」

店長「じゃあ長門さん、まずはレジやってもらおうかな」

長門「……」こくっ

860: 2009/08/01(土) 21:21:03.92 ID:aF+tD2I2O
店員1「長門さん」

長門「……」

店員1「この前あなた達にレジ打ちと接客の仕方を教えた○○よ。覚えてるかしら?」

長門「……」こくっ

店員1「そう。あなたは今日から正式なバイト扱いになったから、ちょっと見させてもらうわね」

長門「……わかった」

店員1「わかりました!」

長門「……わかりました」

店員1「うーん。あなた作業は凄い早くて適切なのに、愛想だけはないのよね」

長門「……改善する」

店員1「頑張りましょ!」

長門「……」こくっ

863: 2009/08/01(土) 21:28:03.27 ID:aF+tD2I2O
客「……」ガタッ

長門「……いらっしゃいませ」

ピピピピピピッ

店員(バーコードの読み取りが速い!)

長門「……お会計○○○○円になります」

客「え?もう?……えっと、はい」

長門「……1万円のお預かり」ピッピッピッ

ガシャッ

店員(レジから札と小銭をスムーズに取っていく。ベテランレベルのお釣り受け渡し術だわ!)

長門「……ありがとうございました」

866: 2009/08/01(土) 21:37:02.72 ID:aF+tD2I2O
~休憩中~

店員1「長門さん、あなた凄いわ!レジに立ってた3時間のうち、あなたのレジが一番売り上げがあったのよ!」

長門「……そう」

店員1「それもこれもあなたもレジ打ち技術が高いからね。会計までの流れが実にスムーズだったわ」

長門「……それほどでもない」

店員1「惜しいわぁ。明日は裏でラベル貼りするらしいし」

長門「……」

店員1「でも、ヘルプとか、またレジ打ちする機会はあるだろうし、その時はよろしくね」

長門「……」こくっ

店員1「でも、接客の時は笑顔じゃなくちゃ駄目よ!」

長門「……努力はしている」

店員1「あはは!それじゃ、休憩もそろそろ終わりにして、後半戦も頑張りましょ」

869: 2009/08/01(土) 21:41:59.20 ID:aF+tD2I2O
そして、長門の初日のバイトは終わった。
長門は午後から、閉店までの約6時間働き、店から出てくる。

店員達「有希ちゃん。お疲れ様ー」

長門「……お疲れ様」

1日目にしてもう長門は他の店員から有希ちゃんと呼ばれていた。

キョン「長門」

長門「……」

キョン「帰り、一緒に行っても大丈夫か?」

長門「……」こくりっ

872: 2009/08/01(土) 21:48:30.47 ID:aF+tD2I2O
キョン「今日、俺達は丘の上で天体観測をしたよ」

長門「……知っている。本来なら私が居住しているマンションだった」

キョン「お前がバイトすることになったからか」

長門「……そう」

キョン「昨日、最後のバイトの夜、朝比奈さんと古泉に呼び出されてな。ループの話を聞いた」

長門「……知っている」

キョン「なら聞くが、なんでお前はバイトなんかしてるんだ?
バイトなんかしたとこで、9月は来ない。ただの働き損だぞ」

タダ働きになるより、ハルヒに搾取される方がまだマシかもしれん。

長門「……構わない」

キョン「どうしてた!?」

長門「……私の役目は観測だから」

880: 2009/08/01(土) 22:06:06.60 ID:aF+tD2I2O
長門「……このループは、簡単には終わらない。今回でXXXXX回目に該当する」

キョン「XXXXX……!?」

XXXXX?XXXXXって……何だ?
長門、お前は何を言ってるんだ?

キョン「それはマジな話なのか?」

長門「そう」

キョン「ループしているのはわかってたが、それだけの回数、俺達は全く同じことを繰り返してきたってのか?」

長門「必ずしもそうではない」

長門「XXXXX回中、本来なら8月17日は市民プールに行く予定だった。
今回17日からSOS団がアルバイトをすることになり、私が本格的にシフトに組み込まれることになったのは、
XXXXX回に涼宮ハルヒが「有希、そんなにバイトが楽しかったのかしら?」と言ったことが原因だと推測できる。
他にも、本来なら18日に盆踊りに行き、19日には昆虫採集。アルバイトをするのは20日のみ。
アルバイトを行ったのはXXXX回であるが、その内容は5つに分岐する。
風船配り以外では、荷物運び、レジ打ち、ビラ配り、電話番。
今回はその全てを数日に分けて行うことになった」

キョン「長門、もういい」

長門「……聞いて」

881: 2009/08/01(土) 22:18:04.91 ID:aF+tD2I2O
長門「……私は、唯一この繰り返しの全てを記憶している」

キョン「あぁ……」

長門「……あらゆるパターンを試し、繰り返しから脱する可能性を模索している」

長門、お前はいったい今まで、どういった気持ちで過ごしてきたんだ。

長門「もういい加減にして」

キョン「はっ?」

長門「……そう、貴方や朝比奈みくる、古泉一樹は思うかもしれない」

キョン「確かにな」

長門「……でも、私は違う」

そう言うと、長門は両手の人差し指を自分の口の端の持っていき、そのまま少し吊り上げた。

長門「……楽しかった」

891: 2009/08/01(土) 22:27:14.42 ID:aF+tD2I2O
長門「……だから、私は明日もアルバイトをする。給料が欲しいわけでも、SOS団の活動資金のためでもない」

キョン「そういうことか」

長門「……8月31日が終わり、また8月17日が来ても、それは変わらない」

キョン「そうか。お前は楽しいんだな」

長門「……そう」

キョン「ならいいか。それじゃ、明日もバイト頑張れよ」

長門「……」こくっ

892: 2009/08/01(土) 22:33:22.66 ID:aF+tD2I2O
キョン「それじゃ、俺はこっちの道だから」

長門「……待って」

キョン「どうした?」

長門「……お面」

キョン「お面?」

長門「……盆踊りに行くパターンの時は、貴方はお面を買ってくれようとしてくれる」

キョン「そうなのか」

長門「……ありがとう」

キョン「そのセリフは、その時の俺に言ってやれ」

長門「……あと」

キョン「ん?」

長門「……宿題は早い内に済ませておくべき」

キョン「ゲッ!何故そのことを!?」

長門「……」てくてく

898: 2009/08/01(土) 22:47:05.67 ID:aF+tD2I2O
翌日も、そのまた翌日も、長門はバイトに行った。
そりゃそうだ。8月31日まではシフトが組まれてる。

たまにスーパーに行くと、レジ打ちや商品の陳列、惣菜コーナーで惣菜を作っている長門を見かけた。
長門のいないSOS団はSOS団で、夏休みの予定表に書かれたことをこなしていく毎日だ。

そしてやってきた8月30日。
長門抜きで集まった喫茶店。
ハルヒは満足していないのだと、俺達3人は感じていた。
だが、俺達はハルヒを帰えしてしまう。
あの1万何千回と繰り返してきたあの2週間を、また延々と繰り返す羽目になっちまうというのに。
でも、何をすべきなんだ?何を言うべき何だ?ハルヒの言葉の中にそのヒントはあったはずだ。
だが、それは何だ?あいつは今までなんて言ってきた?
駄目だ。わからない。待て、待てよ。ハルヒ。

これじゃ、俺達の「もういい加減にして」という気持ちを、また長門に味わわせることになっちまう……!!

900: 2009/08/01(土) 22:57:16.31 ID:aF+tD2I2O
8月31日。
俺は机と向き合い、せっせと宿題をしていた。
わからないとこを朝比奈さんや、癪だが古泉に訊いたりもした。

もしまた繰り返すんなら、宿題なんぞやったところで意味はない。
そう思ってやらないのは簡単だ。
だが、もしやったら、もしかしたらこのループから抜け出せるかもしれない。

そう思いつつ宿題を進めていたが、最後の1ページというところで、時計は0時になってしまった。





エンドレスエイト長門の夏休み 5巡目 終ワレ!

原作未読者なんだかもしかしたら原作ネタバレかもしれないのでこんなオチ
カナダの話はまたいつか別にスレ立ててやります
数日後付き合ってくれてありがとう

901: 2009/08/01(土) 22:59:35.17 ID:shAdxpuPO
乙!

915: 2009/08/01(土) 23:03:10.29 ID:VI2Fo12+0
乙!
久しぶりに面白いSSを読んだよ

942: 2009/08/01(土) 23:33:42.70 ID:mVb9loq70
エンドレス長門・・・

引用: 長門「もういい加減にして」