146: 2009/01/08(木) 02:47:31 ID:Ei7MCGjH
今日の洗濯当番は芳佳とリーネ。先日あらぬ失態を見せた芳佳と違って、リーネは賢い。
予め隊員の名前の付いたかごを持って各隊員の部屋を回り、洗濯物を回収していく。
そうする事で、誰がどんな色かたちの何を出したか、その場ですぐ分かり、確認も出来る。
ちょっと一手間掛かるが、確実な方法だ。
「今日の当番はリーネか。頼んだぞ」
「はい、こっち私のね」
質素なトゥルーデの部屋を訪れる。エーリカが当然と言った感じで部屋に居た。
「洗濯物ですの? これ、お願いしますわね」
豪華に飾られたペリーヌの部屋を回る。
「あらリーネさん、洗濯物? よろしくね」
ミーナの部屋を巡る。
「洗濯物か? ああ、これだ。すまんな」
美緒の部屋。
「あー、これこれ。ちょっと機械油が染み込んじゃって取れないかも知れないけど適当でいいや」
「あたしの~」
まるでガレージか研究室みたいなシャーリーの部屋。一緒に居るルッキーニ。
「これ、サーニャのデ、こっちが私ノ。混ぜるナヨ? ……いや、いいケド」
ちょっぴり神秘的なエイラの部屋。サーニャがベッドで眠っている。
こうして全員分の洗濯物をかごに詰め、よろよろと持って運ぶリーネ。
「リーネちゃん、すごいね。全員分のを最初から仕分けしてるなんて」
「こうすれば、絶対に間違わないでしょ?」
「頭良いね、リーネちゃん」
芳佳に微笑み返すリーネ。
「芳佳ちゃんの洗濯物は?」
「あ、持ってきたよ。これこれ」
「はい。で、これは私の」
「……あれ、かご十個しかないよ?」
「エイラさんとサーニャちゃん、混ざってるみたい」
「うーん、どうしよう」
芳佳は衣類を手に取り、嗅覚を働かせる。微妙な匂いの差を嗅ぎ分けるべく、無駄に魔力を使う。
尻尾と耳を出して、くんくんと匂いを嗅ぎ、服を分けていく。
「……これはエイラさん。……こっちはサーニャちゃん」
「よくわかるね、芳佳ちゃん」
「凄い僅かな差だけど、微妙に違うから分かるよ。でも同じ香水つけたりするともう訳分かんなくなるけどね」
「私、匂い嗅いだ事無いから」
「私は、リーネちゃんのものなら、すぐに分かるよ?」
笑顔であっけらかんと言う芳佳に、リーネは顔を赤くした。
「芳佳ちゃん、なんで分かるの?」
「え? だって一緒に居るし、よくリーネちゃんと、その……」
「そっか」
リーネは試しに、芳佳のシャツを手に取り、匂いを嗅いでみた。
いまいちよく分からない。
魔力を開放し、嗅ぎ分けを試みる。
途端に、芳佳の“匂い”に眩暈を覚え、足元がふらつき、よろめく。置いてあったかごを蹴倒してしまう。
「リーネちゃん、大丈夫?」
芳佳がリーネの肩を抱く。
「う、うん……」
「ゴメンね、リーネちゃん。私の、臭ったでしょ? 汗臭くて……」
「ち、違うの、芳佳ちゃん」
顔が赤く、もじもじしているリーネ。様子が途端におかしくなる。
「リーネちゃんどうしたの? ……あ、洗濯物がごっちゃごちゃに」
「よ、芳佳、ちゃん」
「?」
リーネに肩を掴まれると、洗濯機の有る物陰に連れ込まれた。
「り、リーネちゃん?」
「芳佳ちゃんの、……ばか」
それだけ言うと、リーネは突然芳佳を押し倒し、唇を奪い、身体を抱きしめ、中途半端に疼く身体の想いをぶつけた。
突然の事に驚いた芳佳だが、当然成すすべもなく、リーネの手中に堕ちてしまった。
予め隊員の名前の付いたかごを持って各隊員の部屋を回り、洗濯物を回収していく。
そうする事で、誰がどんな色かたちの何を出したか、その場ですぐ分かり、確認も出来る。
ちょっと一手間掛かるが、確実な方法だ。
「今日の当番はリーネか。頼んだぞ」
「はい、こっち私のね」
質素なトゥルーデの部屋を訪れる。エーリカが当然と言った感じで部屋に居た。
「洗濯物ですの? これ、お願いしますわね」
豪華に飾られたペリーヌの部屋を回る。
「あらリーネさん、洗濯物? よろしくね」
ミーナの部屋を巡る。
「洗濯物か? ああ、これだ。すまんな」
美緒の部屋。
「あー、これこれ。ちょっと機械油が染み込んじゃって取れないかも知れないけど適当でいいや」
「あたしの~」
まるでガレージか研究室みたいなシャーリーの部屋。一緒に居るルッキーニ。
「これ、サーニャのデ、こっちが私ノ。混ぜるナヨ? ……いや、いいケド」
ちょっぴり神秘的なエイラの部屋。サーニャがベッドで眠っている。
こうして全員分の洗濯物をかごに詰め、よろよろと持って運ぶリーネ。
「リーネちゃん、すごいね。全員分のを最初から仕分けしてるなんて」
「こうすれば、絶対に間違わないでしょ?」
「頭良いね、リーネちゃん」
芳佳に微笑み返すリーネ。
「芳佳ちゃんの洗濯物は?」
「あ、持ってきたよ。これこれ」
「はい。で、これは私の」
「……あれ、かご十個しかないよ?」
「エイラさんとサーニャちゃん、混ざってるみたい」
「うーん、どうしよう」
芳佳は衣類を手に取り、嗅覚を働かせる。微妙な匂いの差を嗅ぎ分けるべく、無駄に魔力を使う。
尻尾と耳を出して、くんくんと匂いを嗅ぎ、服を分けていく。
「……これはエイラさん。……こっちはサーニャちゃん」
「よくわかるね、芳佳ちゃん」
「凄い僅かな差だけど、微妙に違うから分かるよ。でも同じ香水つけたりするともう訳分かんなくなるけどね」
「私、匂い嗅いだ事無いから」
「私は、リーネちゃんのものなら、すぐに分かるよ?」
笑顔であっけらかんと言う芳佳に、リーネは顔を赤くした。
「芳佳ちゃん、なんで分かるの?」
「え? だって一緒に居るし、よくリーネちゃんと、その……」
「そっか」
リーネは試しに、芳佳のシャツを手に取り、匂いを嗅いでみた。
いまいちよく分からない。
魔力を開放し、嗅ぎ分けを試みる。
途端に、芳佳の“匂い”に眩暈を覚え、足元がふらつき、よろめく。置いてあったかごを蹴倒してしまう。
「リーネちゃん、大丈夫?」
芳佳がリーネの肩を抱く。
「う、うん……」
「ゴメンね、リーネちゃん。私の、臭ったでしょ? 汗臭くて……」
「ち、違うの、芳佳ちゃん」
顔が赤く、もじもじしているリーネ。様子が途端におかしくなる。
「リーネちゃんどうしたの? ……あ、洗濯物がごっちゃごちゃに」
「よ、芳佳、ちゃん」
「?」
リーネに肩を掴まれると、洗濯機の有る物陰に連れ込まれた。
「り、リーネちゃん?」
「芳佳ちゃんの、……ばか」
それだけ言うと、リーネは突然芳佳を押し倒し、唇を奪い、身体を抱きしめ、中途半端に疼く身体の想いをぶつけた。
突然の事に驚いた芳佳だが、当然成すすべもなく、リーネの手中に堕ちてしまった。
147: 2009/01/08(木) 02:49:11 ID:Ei7MCGjH
夕方。
辛うじて洗濯は終わったが……、せっかく仕分けたかごを蹴倒してしまったせいで、
結局誰のものか分からなくなってしまった。
山と積まれた洗濯物を前に、一同は困り果てた。
「これじゃ誰が誰のか分からないよ」
「ごめんなさい……」
「すいません。ちょっと、ごちゃごちゃにしちゃって……」
平謝りするリーネと芳佳。でも何故洗濯物が選別できなくなったか、洗濯機の裏手で何をしていたかと言う頃は、
絶対に言えない。首筋についた痕をごしごしと誤魔化しながら、うなだれる。
仕方なくぶつくさと文句を言いながら、隊員達は自分のものと思しき衣類を探し始めた。
「おい堅物、それあたしのだ」
「何?」
「だって、ここに機械油の染みが残ってる」
「紛らわしいんだリベリアンは」
「あたしだって堅物のなんか着たくないよ」
「エイラ、それ私のシャツ……」
「アレ? 気のせいじゃないカ?」
散々もめた挙げ句、洗濯物を抱えながら部屋に引き揚げる一同。
「おい、私のシャツとズボンが無いぞ。……誰だ、どさくさ紛れに持ってったのは」
ぽつりと残され、首を傾げる美緒。
後ろで見ていた芳佳とリーネは、顔を見合わせた。
end
----
以上です。
厳密に考えたら、各隊員のシャツとか共通の衣類は少ないと思ったのですが、
その辺はインナーだとか普段着だとか……色々補完して頂ければ幸いです。
あと前作「ケモノ臭い」は……ちょっと書きすぎましたかね(;´Д`)
ちなみに、誰かは言いませんw 実は誰であるか想定もしてなかったり(ホントに
ただ、皆の使い魔がみんな言ってしまえば“ケモノ”だから、単純にそう言う感じにしただけで……。
いやホントに。
ではまた~。
辛うじて洗濯は終わったが……、せっかく仕分けたかごを蹴倒してしまったせいで、
結局誰のものか分からなくなってしまった。
山と積まれた洗濯物を前に、一同は困り果てた。
「これじゃ誰が誰のか分からないよ」
「ごめんなさい……」
「すいません。ちょっと、ごちゃごちゃにしちゃって……」
平謝りするリーネと芳佳。でも何故洗濯物が選別できなくなったか、洗濯機の裏手で何をしていたかと言う頃は、
絶対に言えない。首筋についた痕をごしごしと誤魔化しながら、うなだれる。
仕方なくぶつくさと文句を言いながら、隊員達は自分のものと思しき衣類を探し始めた。
「おい堅物、それあたしのだ」
「何?」
「だって、ここに機械油の染みが残ってる」
「紛らわしいんだリベリアンは」
「あたしだって堅物のなんか着たくないよ」
「エイラ、それ私のシャツ……」
「アレ? 気のせいじゃないカ?」
散々もめた挙げ句、洗濯物を抱えながら部屋に引き揚げる一同。
「おい、私のシャツとズボンが無いぞ。……誰だ、どさくさ紛れに持ってったのは」
ぽつりと残され、首を傾げる美緒。
後ろで見ていた芳佳とリーネは、顔を見合わせた。
end
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以上です。
厳密に考えたら、各隊員のシャツとか共通の衣類は少ないと思ったのですが、
その辺はインナーだとか普段着だとか……色々補完して頂ければ幸いです。
あと前作「ケモノ臭い」は……ちょっと書きすぎましたかね(;´Д`)
ちなみに、誰かは言いませんw 実は誰であるか想定もしてなかったり(ホントに
ただ、皆の使い魔がみんな言ってしまえば“ケモノ”だから、単純にそう言う感じにしただけで……。
いやホントに。
ではまた~。
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