630: 2009/01/16(金) 14:56:55 ID:l92n67vN
夜中に、目が覚めた。
サーニャは夜間哨戒からまだ戻っていないのだろう。私の隣に彼女の姿は無かった。
…今日は自室に戻ったという考えが先に出るべきだろ、と小さく一人ツッコミを入れる。
寝返りをうち時計を見ると、最後に確認した時間から大した時間は経っていなかった。
『今日は新月で危ないからエイラは来ちゃダメ』
哨戒に出発する直前、サーニャに言われた言葉を思い出す。
サーニャの言うとおりだけど、面と向かって来るなと言われると、ちょっと悲しい。
サーニャの魔法の光が夜空に消えるのを見ながら、そんな切なさを抱いて眠りについたのだった。
サーニャはまだブリタニアの夜空を飛んでいるだろう。
「……」
もう少し寝よう。そう思って目を閉じた。
しかし。
「……むぅ…」
すっかり眠気は飛んでしまっていた。
足を大きく振り上げ、それを振り下ろす反動を利用して身を起こし、溜息をついた。
基地をぶらぶらしてればじきに眠くなるだろうと、パーカーを着て、ついでにジャケットを掴んでから、静かに部屋を出た。
一応、こっそりサーニャの部屋を確認する。うん、まだ帰ってない。
サーニャは夜間哨戒からまだ戻っていないのだろう。私の隣に彼女の姿は無かった。
…今日は自室に戻ったという考えが先に出るべきだろ、と小さく一人ツッコミを入れる。
寝返りをうち時計を見ると、最後に確認した時間から大した時間は経っていなかった。
『今日は新月で危ないからエイラは来ちゃダメ』
哨戒に出発する直前、サーニャに言われた言葉を思い出す。
サーニャの言うとおりだけど、面と向かって来るなと言われると、ちょっと悲しい。
サーニャの魔法の光が夜空に消えるのを見ながら、そんな切なさを抱いて眠りについたのだった。
サーニャはまだブリタニアの夜空を飛んでいるだろう。
「……」
もう少し寝よう。そう思って目を閉じた。
しかし。
「……むぅ…」
すっかり眠気は飛んでしまっていた。
足を大きく振り上げ、それを振り下ろす反動を利用して身を起こし、溜息をついた。
基地をぶらぶらしてればじきに眠くなるだろうと、パーカーを着て、ついでにジャケットを掴んでから、静かに部屋を出た。
一応、こっそりサーニャの部屋を確認する。うん、まだ帰ってない。
631: 2009/01/16(金) 14:57:31 ID:l92n67vN
散歩しようと思って部屋を出てきたのに、私の足は真っすぐ格納庫へと向かっていた。
宮藤が来てから、私とサーニャの関係は少し変わった気がする。
正確には私とサーニャと宮藤の三人でネウロイを撃破したあの日からだ。
それまでのサーニャは恥ずかしがり屋で、私以外と言葉を交わすことはほとんど無かった。
あの日を境に、サーニャは宮藤をはじめ、他の隊員とも少しずつ話せるようになっていった。
それはとても喜ばしいことだけれど、内心複雑だった。
傲慢な考えだが、サーニャが私だけのものじゃなくなった気がしたから。
いつしか、私のほうがサーニャに依存していたのかもしれない。
だって、サーニャの帰りを待ちわびる自分の姿は、まるで飼い主の帰りを待つ仔犬のようではないか。
「サーニャはまだ帰って来ねーよ…」
自嘲するように呟いた。
眠くなるまで基地を適当に散歩するつもりだったのに、私は思考の迷宮に迷い込んでしまっていた。
今日はもう眠れそうにない。
宮藤が来てから、私とサーニャの関係は少し変わった気がする。
正確には私とサーニャと宮藤の三人でネウロイを撃破したあの日からだ。
それまでのサーニャは恥ずかしがり屋で、私以外と言葉を交わすことはほとんど無かった。
あの日を境に、サーニャは宮藤をはじめ、他の隊員とも少しずつ話せるようになっていった。
それはとても喜ばしいことだけれど、内心複雑だった。
傲慢な考えだが、サーニャが私だけのものじゃなくなった気がしたから。
いつしか、私のほうがサーニャに依存していたのかもしれない。
だって、サーニャの帰りを待ちわびる自分の姿は、まるで飼い主の帰りを待つ仔犬のようではないか。
「サーニャはまだ帰って来ねーよ…」
自嘲するように呟いた。
眠くなるまで基地を適当に散歩するつもりだったのに、私は思考の迷宮に迷い込んでしまっていた。
今日はもう眠れそうにない。
632: 2009/01/16(金) 14:58:07 ID:l92n67vN
格納庫から滑走路に出た。夜風が少し冷たい。頭を冷やすにはちょうど良さそうだ。
気まぐれで持ってきていたジャケットに袖を通しながら、暗闇の海に伸びる滑走路の先へ歩を進める。
この先から見える景色はなかなかのものだ。最も、こう暗くては何も見えないだろうが。
「くしゅんっ」
そろそろ滑走路の先端に着こうかいうころ、小さな可愛らしいくしゃみが聞こえた。
「うわあぁぁっ!?」
普段の私なら、くしゃみ―しかも小さな―程度で驚いたりしないのだが、
私しかいないと思い込んで気を抜いていたために、思わず悲鳴をあげてしまった。
「きゃあぁぁっ!?」
気を抜いていたのは、くしゃみの主であるその人も同じだったようだ。
私の悲鳴に驚いた彼女は、私にも負けないほどの悲鳴をあげた。
「ななな、なんですの!?」
普段通りとはいかないまでもある程度の平常心を取り戻した私は、その口調と声から、くしゃみの主が誰であるか感付いた。
「ペリーヌ…?」
「そ、その声…エイラさんですの?」
向こうも同じように、私だと気付いたらしい。
「なんでオマエ、こんな時間にこんな所にいるんだよ?」
とりあえず、一番気になったことを訊いてみた。
「べ、別にあなたには関係ありませんわ…」
返事は期待してなかったが、案の定誤魔化される。
「…エイラさんこそ、こんな時間にどうしたんですの?」
自分は私の質問に答えなかったくせに、同じ質問をぶつけてきた。
「別にオマエには関係ねぇよ」
だからというわけじゃないが、私も同じように返事をして、
ペリーヌの位置から少し離れたところに座った。
ペリーヌはそんな私をしばらく見ていたようだが、結局その距離を保ったまま、同じように座った。
気まぐれで持ってきていたジャケットに袖を通しながら、暗闇の海に伸びる滑走路の先へ歩を進める。
この先から見える景色はなかなかのものだ。最も、こう暗くては何も見えないだろうが。
「くしゅんっ」
そろそろ滑走路の先端に着こうかいうころ、小さな可愛らしいくしゃみが聞こえた。
「うわあぁぁっ!?」
普段の私なら、くしゃみ―しかも小さな―程度で驚いたりしないのだが、
私しかいないと思い込んで気を抜いていたために、思わず悲鳴をあげてしまった。
「きゃあぁぁっ!?」
気を抜いていたのは、くしゃみの主であるその人も同じだったようだ。
私の悲鳴に驚いた彼女は、私にも負けないほどの悲鳴をあげた。
「ななな、なんですの!?」
普段通りとはいかないまでもある程度の平常心を取り戻した私は、その口調と声から、くしゃみの主が誰であるか感付いた。
「ペリーヌ…?」
「そ、その声…エイラさんですの?」
向こうも同じように、私だと気付いたらしい。
「なんでオマエ、こんな時間にこんな所にいるんだよ?」
とりあえず、一番気になったことを訊いてみた。
「べ、別にあなたには関係ありませんわ…」
返事は期待してなかったが、案の定誤魔化される。
「…エイラさんこそ、こんな時間にどうしたんですの?」
自分は私の質問に答えなかったくせに、同じ質問をぶつけてきた。
「別にオマエには関係ねぇよ」
だからというわけじゃないが、私も同じように返事をして、
ペリーヌの位置から少し離れたところに座った。
ペリーヌはそんな私をしばらく見ていたようだが、結局その距離を保ったまま、同じように座った。
633: 2009/01/16(金) 14:58:50 ID:l92n67vN
どれくらいの時間、海を見つめていただろう。
思考の迷宮から抜け出すことはとっくに諦め、代わりに迷い込んでいることを忘れた。
先送りしたにすぎないが、今の私はこの迷宮を制することは不可能だと思った。
そう結論を出してからは、何も考えずにぼんやり海を見ているだけだった。
「くしゅんっ」
再び、小さな可愛らしいくしゃみが聞こえてきた。
そういえばペリーヌもいたんだっけ、と頭の片隅で思ったが、そのまま海を見ていた。
私がペリーヌと距離を置いて座ったのは、別にペリーヌが嫌いだからじゃない。
こんな時間にこんな所にくるということは、誰にも邪魔されずに考えたいことがあるのだろう、と思ったからだ。
「くしゅんっ」
またくしゃみが聞こえた。
ちらっとペリーヌのほうへ視線を移す。
さっきよりは暗闇に目が慣れたので、はっきりとは見えないが、ペリーヌの姿がある程度視認できた。
「……?」
見間違いでなければ、ペリーヌはネグリジェ―彼女の寝間着―を一枚着ただけの、とても簡素な格好をしていた。
「くしゅんっ」
夏とはいえ、夜は寒い。あんな格好では風邪をひいてもおかしくはない。
「…しゃーねぇな」
ボソッと呟き、私は立ち上がった。
ペリーヌに近寄って、着ていたジャケットをペリーヌの肩にかけてやった。
「…そんな格好じゃ風邪ひくだろ」
ペリーヌが振り返って、私を見上げるように見つめてきた。
「…ありがとう」
ペリーヌに『ありがとう』なんて言われるのは何度目だろう。初めてかもしれない。
まぁ『ありがとう』なんて言われるようなこと、殆どしてないから仕方ない。
それにいじっぱりなペリーヌは、素直に『ありがとう』なんて言わないだろうし。
「…別に、オマエが風邪ひいたら私たちに皺寄せが来て大変だから…」
思わずそんなことを言ってしまった私も、人のこと言えないな。
思考の迷宮から抜け出すことはとっくに諦め、代わりに迷い込んでいることを忘れた。
先送りしたにすぎないが、今の私はこの迷宮を制することは不可能だと思った。
そう結論を出してからは、何も考えずにぼんやり海を見ているだけだった。
「くしゅんっ」
再び、小さな可愛らしいくしゃみが聞こえてきた。
そういえばペリーヌもいたんだっけ、と頭の片隅で思ったが、そのまま海を見ていた。
私がペリーヌと距離を置いて座ったのは、別にペリーヌが嫌いだからじゃない。
こんな時間にこんな所にくるということは、誰にも邪魔されずに考えたいことがあるのだろう、と思ったからだ。
「くしゅんっ」
またくしゃみが聞こえた。
ちらっとペリーヌのほうへ視線を移す。
さっきよりは暗闇に目が慣れたので、はっきりとは見えないが、ペリーヌの姿がある程度視認できた。
「……?」
見間違いでなければ、ペリーヌはネグリジェ―彼女の寝間着―を一枚着ただけの、とても簡素な格好をしていた。
「くしゅんっ」
夏とはいえ、夜は寒い。あんな格好では風邪をひいてもおかしくはない。
「…しゃーねぇな」
ボソッと呟き、私は立ち上がった。
ペリーヌに近寄って、着ていたジャケットをペリーヌの肩にかけてやった。
「…そんな格好じゃ風邪ひくだろ」
ペリーヌが振り返って、私を見上げるように見つめてきた。
「…ありがとう」
ペリーヌに『ありがとう』なんて言われるのは何度目だろう。初めてかもしれない。
まぁ『ありがとう』なんて言われるようなこと、殆どしてないから仕方ない。
それにいじっぱりなペリーヌは、素直に『ありがとう』なんて言わないだろうし。
「…別に、オマエが風邪ひいたら私たちに皺寄せが来て大変だから…」
思わずそんなことを言ってしまった私も、人のこと言えないな。
634: 2009/01/16(金) 14:59:23 ID:l92n67vN
「……なぁ」
「…なんですの?」
「…隣、座っていいか?」
「……どうぞ、お好きに」
そんなやり取りをして、ペリーヌの隣に腰を下ろした。
しばらく無言で海を見つめた。
そういえばこの海の先にあるのはヨーロッパ…いや、ガリアだ。
ペリーヌはここから海の向こうの祖国を懐かしんでいたのかもしれない、と思った。
「…さっきの、質問のことですけど」
不意に、ペリーヌが沈黙を打ち破った。
「ん?…あぁ、うん」
「…夢を、見ましたの」
「…夢?」
横目でペリーヌを見る。俯いているうえに暗いので表情はよく見えない。
「ガリアが…いえ、わたくしの家が燃えている夢。…わたくしの家族が、燃えている…夢」
「…ペリーヌ」
「わたくしは無力で、何もできなくて。ただ、泣き叫ぶだけ」
「ペリーヌ」
きっとペリーヌは泣いている。そう思った。
「場面は代わって、501の皆でネウロイと戦っていましたわ」
「ペリーヌ、もういい」
ペリーヌがその先に紡ごうとしていた言葉を、私は魔法の力で理解した。
「…私たちは、ペリーヌの前からいなくならないよ」
その悲しい残酷な言葉を紡がせたくなくて、私はペリーヌを抱き締めていた。
戦争中の軍人らしからぬ言葉を添えて。
押し頃すような嗚咽が聞こえてくる。
抱き締めた小さな身体は小さく震えていた。
私は何も言わず、少しだけ腕に力をこめた。
「…なんですの?」
「…隣、座っていいか?」
「……どうぞ、お好きに」
そんなやり取りをして、ペリーヌの隣に腰を下ろした。
しばらく無言で海を見つめた。
そういえばこの海の先にあるのはヨーロッパ…いや、ガリアだ。
ペリーヌはここから海の向こうの祖国を懐かしんでいたのかもしれない、と思った。
「…さっきの、質問のことですけど」
不意に、ペリーヌが沈黙を打ち破った。
「ん?…あぁ、うん」
「…夢を、見ましたの」
「…夢?」
横目でペリーヌを見る。俯いているうえに暗いので表情はよく見えない。
「ガリアが…いえ、わたくしの家が燃えている夢。…わたくしの家族が、燃えている…夢」
「…ペリーヌ」
「わたくしは無力で、何もできなくて。ただ、泣き叫ぶだけ」
「ペリーヌ」
きっとペリーヌは泣いている。そう思った。
「場面は代わって、501の皆でネウロイと戦っていましたわ」
「ペリーヌ、もういい」
ペリーヌがその先に紡ごうとしていた言葉を、私は魔法の力で理解した。
「…私たちは、ペリーヌの前からいなくならないよ」
その悲しい残酷な言葉を紡がせたくなくて、私はペリーヌを抱き締めていた。
戦争中の軍人らしからぬ言葉を添えて。
押し頃すような嗚咽が聞こえてくる。
抱き締めた小さな身体は小さく震えていた。
私は何も言わず、少しだけ腕に力をこめた。
635: 2009/01/16(金) 14:59:59 ID:l92n67vN
「…参ったなぁ」
私の腕の中で小さく泣いていたペリーヌはもうだいぶ前に泣き止んだ。
…泣き止んだのだが、どうやら泣き疲れて眠ってしまったらしい。
それに気付いてから何度か呼び掛けてはみたものの、起きる気配はないし、
寝ている相手を無理に起こすのもかわいそうだと思う。
「はぁ…今日だけだかんな」
仕方ないので、眠ってしまったペリーヌを彼女の部屋まで運ぶことにした。
そっとペリーヌを抱き上げる。
彼女の部屋へ向かう道すがら、色々なことを考えた。
スオムスのこと。サーニャのこと。501の皆のこと。そして、ペリーヌのこと。
サーニャの家族の話をしたとき、宮藤が言ってたっけ。
『今は離ればなれでも、いつかはまた会える』って。
サーニャはそうだ。家族が生きているから。でも、ペリーヌは…
頭をブンブンと振り、そんな考えを振り払う。
どちらがより不幸だなんて、そんなこと考えても仕方がない。
ペリーヌの部屋にたどり着き、そっとベッドに下ろした。
「…あ」
ペリーヌの右手が私の服の裾をしっかりと握り締めていて、なんとも不安定な姿勢になってしまう。
「……」
外そうとしてみたが、案外強い力で掴まれていてどうしようもない。
仕方ないのでパーカーを脱いで脱出を図ろうとした。そのとき。
「…うぅん」
小さく呻き声をあげ、ペリーヌが寝返りをうつ。彼女の右手が私とは反対側に行ってしまった。
私の服の裾を掴んだまま。
「うわっ」
不安定な姿勢だったため、簡単に引き倒されてしまった。
慌ててベッドから抜け出そうとしたが、ペリーヌが再度寝返りをうった。
そのままペリーヌに抱き付かれる。動けない。
「ペリーヌ…?オマエ本当に寝てるか…?」
口角をひくつかせながら聞いてみるが、返事はない。
こうなる未来が見えなかったし、本当に寝てるんだろう。寝てるヤツの動きまで予知できない。
「……あー、もう」
溜息をひとつ。
「今日だけだかんな」
願わくば、夜間哨戒から帰ったサーニャが今日だけは素直に自室に戻りますように。
私の腕の中で小さく泣いていたペリーヌはもうだいぶ前に泣き止んだ。
…泣き止んだのだが、どうやら泣き疲れて眠ってしまったらしい。
それに気付いてから何度か呼び掛けてはみたものの、起きる気配はないし、
寝ている相手を無理に起こすのもかわいそうだと思う。
「はぁ…今日だけだかんな」
仕方ないので、眠ってしまったペリーヌを彼女の部屋まで運ぶことにした。
そっとペリーヌを抱き上げる。
彼女の部屋へ向かう道すがら、色々なことを考えた。
スオムスのこと。サーニャのこと。501の皆のこと。そして、ペリーヌのこと。
サーニャの家族の話をしたとき、宮藤が言ってたっけ。
『今は離ればなれでも、いつかはまた会える』って。
サーニャはそうだ。家族が生きているから。でも、ペリーヌは…
頭をブンブンと振り、そんな考えを振り払う。
どちらがより不幸だなんて、そんなこと考えても仕方がない。
ペリーヌの部屋にたどり着き、そっとベッドに下ろした。
「…あ」
ペリーヌの右手が私の服の裾をしっかりと握り締めていて、なんとも不安定な姿勢になってしまう。
「……」
外そうとしてみたが、案外強い力で掴まれていてどうしようもない。
仕方ないのでパーカーを脱いで脱出を図ろうとした。そのとき。
「…うぅん」
小さく呻き声をあげ、ペリーヌが寝返りをうつ。彼女の右手が私とは反対側に行ってしまった。
私の服の裾を掴んだまま。
「うわっ」
不安定な姿勢だったため、簡単に引き倒されてしまった。
慌ててベッドから抜け出そうとしたが、ペリーヌが再度寝返りをうった。
そのままペリーヌに抱き付かれる。動けない。
「ペリーヌ…?オマエ本当に寝てるか…?」
口角をひくつかせながら聞いてみるが、返事はない。
こうなる未来が見えなかったし、本当に寝てるんだろう。寝てるヤツの動きまで予知できない。
「……あー、もう」
溜息をひとつ。
「今日だけだかんな」
願わくば、夜間哨戒から帰ったサーニャが今日だけは素直に自室に戻りますように。
636: 2009/01/16(金) 15:02:39 ID:l92n67vN
終わりです。
638: 2009/01/16(金) 15:35:00 ID:/sFdJfQH
ペリーヌかわいいよペリーヌ
639: 2009/01/16(金) 15:50:49 ID:q44lFR3F
ペイラにこんな破壊力があるとは
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