1: 2013/08/23(金) 17:54:33 ID:DvOK/aoM
あっ、後>>1はユニクロ派です。

2: 2013/08/23(金) 17:56:11 ID:DvOK/aoM
私がレッスンを終え、事務所に辿り着いたのは午後15時を回ろうとしていた時でした。

冷蔵庫にしまってあるガ○○リ君と冷房が待ち遠しく、何時もより足に力が入ります。

卯月「ただいまープロデューサーさん」

扉を開けたその向こうはまさに幻想的な快適さでした、28℃と地球にも優しい温度ではありましたが、

外の猛暑とは比べ物にならないほどの涼しさ、額に出てきた汗をハンカチで拭いながら。、

プロデューサーさんを探している中、ふとプロデューサーさんのデスクに目を向けたときでした。

卯月「……え?ぷ、プロデューサー…………さん?」

小さい人型ロボット、ともちひろさんに言われれば納得してしまいそうなほど、

白くて小さく、そしてやわらかそうな、そんな不思議な生き物が、プロデューサーさんの椅子に座って居ました。

no title

3: 2013/08/23(金) 18:04:21 ID:DvOK/aoM
卯月「(昌葉ちゃん……が作った……んじゃ、ない、よね?)」

所謂錯乱状態です、世にも奇妙な不思議生き物が知っている人のパソコンで何かしている、

正直怖いです、少なくとも、私には何をしているのかと問い詰める勇気はありませんでした。

恐る恐ると言った感じで距離を詰めていきますが、

一向に近づけずに事務所には白い生き物のブラインドタッチ(結構速かったです)が鳴り響きます。

卯月「(うぅ…………可愛いけど……怖い)」

この間物置に忘れ物を取りに行ったときに、

昌葉ちゃんの作ったうさみんロボが俯き加減で置かれていた時に似ていました、未知の恐怖です。


no title

4: 2013/08/23(金) 18:16:24 ID:DvOK/aoM
卯月「だ、大丈夫ですか!?」

突如パソコンの方から機械音が流れました、少し慌てて急いで近くに行ってみてみると、

どうやら少々大きい(そしてもっちりとした)手がいくつものキーを押したせいで鳴ってしまったらしく、

白い生き物自身も吃驚していたみたいです、

しかし私がそれ以上に吃驚したのはプロデューサーさんの勤務をキッチリと(?)こなしていた事だったのです。

しまむらくん「?」

どうやら私の存在に気付いたらしく、可愛らしく首を曲げていました、

卯月「あっ……ええ、っと」

微妙な空気が流れそうで、言葉に詰まってしまいました……

思えば私、今日事務所に入ってからまともに言葉のキャッチボールが出来ていません……

…………そもそも、会話が成り立つんでしょうか、この子と。

no title

5: 2013/08/23(金) 18:24:16 ID:DvOK/aoM
そんな事を考えていると、

しまむらくん「この服、しまむらで買ったんだ」

と、この子は言って来ました。

卯月「へ?島村……しまむら?」

名前を呼ばれた……?

どう考えても違います、洋服を買うのに私の名前は使いません、使うとしても領収書程度の物です、

私の名前で領収書取ったってなんですか、嫌がらせですか。

しまむらくん「うん、カッコいいと思って……」

卯月「カッコいい……かな」

夏本場なのにも拘らずその帽子はどうなのだろう……

近くにあったちひろさんの椅子を借りて仕事っぷりを横目に、色々と質問をしてみました。

卯月「ねえ、えっと……プロデューサーさん、でいいの………?」

no title

6: 2013/08/23(金) 18:35:15 ID:DvOK/aoM
そう気軽に返事をされてもたまったものではありません、

朝まで普通だったはずの私のプロデューサーはたったの十二時間足らずで不思議生物になってしまったと、

そんな風に認めたくはありませんでした。

またもや悶々と悶えていると、一仕事終えた風の白いプロデューサー(?)は急に立ち上がり、

椅子からひょこっと降りて120cm程の身体で私の手を引っ張ります、

卯月「わ!プロデューサー!ど、どこ行くの!?」

しまむらくん「このDVDツタ○で借りたんだ」

手に持っているのは明らかに事務所にあるものでした、

……なんだかそれが言いたいだけのような気がしてきます。

しかし私の思いとは裏腹に、DVDの中身は私の初めてのライブ映像が、記録されていました。

7: 2013/08/23(金) 18:44:08 ID:DvOK/aoM
プロデューサさんは、黙ってそれを見ていました、さっきとは違って何もふざけずに、

私はそっと、隣に座っていたプロデューサーさんを、人形のように抱きかかえて、

卯月「プロデューサーさんは……どこまで行っても、どんな目に遭っても、やっぱり、
   プロデューサーさんですね」

しまむらくん「プロデューサーの魂ダー○ソウルで貰ったんだ」
卯月「勝手に亡霊化しないでください」

白いプロデューサーの身体は柔らかく、とってもあったかなものでした。

8: 2013/08/23(金) 18:56:15 ID:DvOK/aoM
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卯月「…………っん……?」

気が付くと私はうさみんロボを抱いてソファーでぐっすりと眠っていたようでした。

御丁寧に涎が口の端にちょっぴり付いているのはご愛嬌と言いうものです。

卯月「―――プロデューサーさん……」

ぽつりと何気なく呟いたひと言、当然部屋には私とうさみんロボしか

モバP「ん?呼んだか?」

卯月「ひゃうぅ!?」

ソファーの背もたれに隠れて見えなかったプロデューサーさんが返事をしました、

ちょっと、いえ、かなり吃驚して目覚めの余韻も吹っ飛び、物理的にも私の身体は文字通り飛び上がったのです。

18: 2013/08/23(金) 20:50:13 ID:DvOK/aoM
慌てて後ろを見るとそこには身長120cmの白い謎の生物が!……とはならず、

普通の、いつも通りのプロデューサーさんが居ました。

卯月「え?…………あれ?……」

モバP「?……どうかしたのか?」

そう言ってプロデューサーさんは私にカップに入った麦茶を差し出しました、

両腕で受け取るとヒンヤリとしていて、一口飲んでみると喉を通った麦茶は体に良く染み渡り、

一気に現実に引き戻されるような感覚。

卯月「(夢……だったのかな?)」

モバP「おーい、聞こえてるか―」

卯月「はい!私は元気ですよープロデューサーさん!」

9: 2013/08/23(金) 19:11:54 ID:DvOK/aoM
妙にリアリティのある夢でした、ですがそんな夢も、たまにはいいんじゃないかなと思うほど、良い夢でした。

この事は誰にも話してはいません、私だけの、秘密です。

けど、いつか言える時が来るのなら、それはきっと、私とプロデューサーが―――

おわる

10: 2013/08/23(金) 19:18:10 ID:DvOK/aoM
おまけ

早苗「うぅぃーーもっとーのませろーーー!っぅい」

no title

11: 2013/08/23(金) 19:26:38 ID:DvOK/aoM
早苗「んんんっく……うばぁーー………………う゛う゛っっ」

no title

12: 2013/08/23(金) 19:31:00 ID:DvOK/aoM
no title
                                ────────

誰にも見つからずに終わる、そんなSSがあったっていいじゃない

17: 2013/08/23(金) 20:23:10 ID:axJkuiUU
乙です

引用: 島村卯月「しまむらくん」