1: 2012/03/13(火) 23:50:32.11 ID:znGx1mpS0
恒一「望月、これがいいんだろほら」

望月「だっダメだよ榊原君…」

恒一「名前」

望月「え?」

恒一「榊原君じゃなくて」

恒一「恒一って呼んで」

恒一「優矢」ズブリ

望月「こ、恒一ぃーーーーっ」
Another エピソードS(角川文庫版) Another
3: 2012/03/13(火) 23:56:20.40 ID:znGx1mpS0
柿沼「どう?」

恒一「どうって言われても」

恒一「なにこれ?」

柿沼「ふふ」

柿沼「素敵でしょ」

鳴「不合格ね」

鳴「私が出ていない」

鳴「それに男同士なんて気持ち悪

柿沼「フンッッッ」パァン

鳴「痛いっ!!!」バターン

恒一「み、見崎ーーー!?」

5: 2012/03/14(水) 00:03:28.31 ID:ECrGBCAW0
柿沼「話が分からない人は嫌いよ」

柿沼「榊原×望月」

柿沼「最高のシチュじゃない」

柿沼「そりゃ確かに勅使河原×望月も外せないわ」

柿沼「………」

柿沼「誰か」

柿沼「誰か話が分かる人に読んでもらいたい」

柿沼「誰がいいかしら」

柿沼「…………」

8: 2012/03/14(水) 00:09:17.49 ID:ECrGBCAW0
柿沼「中島さん」

柿沼「ちょっといいかな」

中島「何?柿沼さん」

中島(柿沼さんが話しかけてくるなんて…珍しい)

柿沼「中島さんって小説読む?」

中島「ええ、そこそこ」

柿沼「良かった」

柿沼「実は自作小説を書いたの」

柿沼「で、話しの分かりそうな中島さんに読んでもらいたくって」

中島「自作小説…」

中島「え、ええいわよ」

10: 2012/03/14(水) 00:13:02.72 ID:ECrGBCAW0
中島(自作小説か…)

中島(?)

中島(恒一……望月……)

中島(うちのクラスメートの名前…)

中島(どういう小説よ)

柿沼「ど、どうかな…」

中島「…………」

中島「り、リコーダーを…!?」

中島「えっ、ちょっと、えっ」

中島「何これキモッ…!」

柿沼「は?」

15: 2012/03/14(水) 00:18:24.29 ID:ECrGBCAW0
中島「なっ何も思い切り殴ること…ないじゃ…ない…」

柿沼「ペッ」

柿沼「………」

柿沼(腐ってそうに見えたんだけどな)

柿沼(やっぱり自称小説読みには理解できないのね)

柿沼(………)

柿沼(他に誰か…)

18: 2012/03/14(水) 00:25:37.33 ID:ECrGBCAW0
桜木「?」

桜木「どうしたの?柿沼さん」

柿沼「………」

柿沼(やはり)

柿沼(教養がある人間でなくては、ね)

柿沼(それに)

柿沼(私が見る限り)

柿沼(この女は隠れ腐女子に違いない)

柿沼(隠しても無駄よ)

柿沼(私には見えるわ)

柿沼(あなたが風見×猿田で妄想にふけっている日々が)

20: 2012/03/14(水) 00:31:20.91 ID:ECrGBCAW0
桜木「えっと…柿沼さん…?」

柿沼「桜木さん」

柿沼「一つ頼みがあるの」

柿沼「あなた頭が良いわよね」

桜木「え、ええ、まあ」

柿沼「この小説、私が書いたんだけど」

柿沼「感想が欲しいの」

柿沼「それで、桜木さんに読んでほしいなって思って」

桜木「そういうことなら…」

24: 2012/03/14(水) 00:39:17.97 ID:ECrGBCAW0
桜木「………」

桜木(けっこう多い…)

桜木(恒一……望月……)

桜木(榊原君と望月君?)

桜木(夢小説…なのかな)

桜木(………)

桜木(えっ?)

桜木(リコーダーを…)

桜木(うわっ…)

桜木(うわぁ…)

柿沼「どう?」

30: 2012/03/14(水) 00:49:53.44 ID:ECrGBCAW0
桜木「えっと」

桜木「その」

桜木「個性的な、内容、ね」

柿沼「他には?」

桜木「あの」

桜木「あのね」

桜木「なんで、男の人同士がこんなことしてるのかな?」

柿沼「は?」

37: 2012/03/14(水) 01:03:46.41 ID:ECrGBCAW0
柿沼「何言ってんの?」

桜木「えっ、だって」

桜木「こんなのおかしいよ」

桜木「男の人同士がこんな…」

柿沼「………」

桜木「おかしいよ!」

柿沼「………カマトトぶりやがって」ペッ

桜木「え?」

柿沼「もういい返して」

桜木「あ、うん…」

柿沼(こいつもダメか…)

柿沼(とすると後は…)

40: 2012/03/14(水) 01:10:34.38 ID:ECrGBCAW0
柿沼「杉浦さん」

柿沼「ちょっといいかな」

杉浦「いいわよ」

杉浦(柿沼さんが話しかけた)

杉浦(珍しい…)

杉浦(いや声聞いたのも今が初めてかも)

柿沼「実は小説を読んでもらいたいの」

柿沼「私が書いたこれを」

杉浦「じ、自作小説…」

43: 2012/03/14(水) 01:25:13.28 ID:ECrGBCAW0
杉浦「………」

杉浦(恒一と望月……?)

杉浦(榊原君と望月君…ね)

杉浦(…………)

杉浦(…………)

杉浦(…………)

杉浦(…………)

柿沼「どう、かな?」

47: 2012/03/14(水) 01:46:08.78 ID:rJI2hTz40
杉浦「全然駄目」

柿沼「なッ!?」

杉浦「結ばれるまでの展開が強引。作者が先走りすぎて読者がおいてきぼり」

杉浦「リコーダーを使う展開は面白いけど、二人が契る前にリコーダー入れる?入れないでしょ?」

杉浦「二人が愛を確かめつつプレイの中で自然に使うような演出をしないと」

杉浦「鬼畜攻めでいくならもっと焦らさないと。どっちにしろこれじゃ中途半端」

杉浦「柿沼さん……?」

柿沼「はひぃ!!」

杉浦「貴方、BL舐めてない?」

54: 2012/03/14(水) 02:02:10.38 ID:rJI2hTz40
杉浦「そうね。もし私ならこうする」

「望月……もう僕、我慢できないよ、ごめん」
恒一は望月の肩を力強く抱きしめた。力強い瞳が望月の目を捉える。
「だっ、ダメだよ!榊原君、んっ……」
未だ止まぬ望月の抗議は、恒一の唇によって塞がれる。
「あ……ふぅ……でも、榊原君には見崎さんが……んんっ……」
振り払った口から粘膜が伸びる。それが切れる前に再び恒一は望月の柔らかな唇を貪った。
「榊原君じゃなく。恒一って呼んでくれないか」
もう望月は抵抗しなかった。榊原は、恒一は。
今、ただ自分だけを求めてくれているのだと。
それが何よりも嬉しかった。

杉浦「どうかしら」

柿沼「ん……」ジュワッ

杉浦「気に入ってもらえたようで嬉しいわ」

60: 2012/03/14(水) 02:19:18.57 ID:rJI2hTz40
柿沼「杉浦さん、ありがとう。とても参考になったわ」

杉浦「それは良かった。さっきは酷評したけれど、想いをしっかり表現に表したのは素晴らしいと想う」

杉浦「昨今はハァハァ言うだけの腐った豚ばかりだから」

杉浦「それに最近は展開も何も無い、ただ気に入った男の子をヤラせるだけのゴミが多いの。許せない」

杉浦「本来BLとは古代ローマ以前の古くから伝わる由緒あるジャンル
   紐解けば同性愛とは人類の歴史古代には同性の恋人同士を集
   めた部隊もありそれはそれは強さを誇ったそうよつまりBLにはそ
   れだけの力があるの。その魅力は言うなれば退廃的痴美背徳的
   愛情、言うなればアンドロギュヌス的倒錯美が根本にあるけれど
   それだけでは無いのただの肉欲ではBLは現代まで続かなかった
   のは間違いないわ禁じられていても愛の本質を偽る事は出来な
   いのむしろ同性という壁に阻まれていても輝くからこそそこには真
   実の愛があるという証明になるわ柿沼なんなら分かるわよね?」

柿沼「師匠と呼ばせてください!」

63: 2012/03/14(水) 02:36:01.30 ID:ECrGBCAW0
ほす

77: 2012/03/14(水) 04:39:42.31 ID:zSb/Ayjd0


その後、柿沼さんは杉浦さんの修行により某大手壁サークルになるまでに至った。

終わる

81: 2012/03/14(水) 04:47:44.27 ID:zSb/Ayjd0
乗っ取りすまん
でも、終わらせてくれないと気になって気になって……。

82: 2012/03/14(水) 04:51:17.11 ID:MMBGsUMk0

引用: 恒一「望月…」望月「榊原君…それ、リコーダー…」