―鹿目家―

まどか「結局連れてきちゃった。お母さんに見つかるといけないから、静かにしててね」

Diggy「ﾜｶｯﾃﾙｾﾞｵｰｹｲ」

まどか「分かってくれたみたい」

まどか「ただいまー」

まどか（お母さんリビングにいるみたいだから、今のうちに）

まど母「おかえり。お風呂沸いてるよ」

まどか「あ、うん、ありがと」

まどか「じゃあ、お風呂入ろっか」

Diggy「ﾊｼﾞﾒｯﾃﾉｰｴｸｽﾍﾟﾘｴﾝｽ」

まどか「あっ……ご、ごめん！ 先に入ってていいから！」ﾌｲｯ

Diggy「ﾍｯﾅﾝﾃﾈ」

まどか「え、私が先に？ でも、そんなびしょ濡れだし」

Diggy「ﾀﾞｲｼﾞｮｳﾌﾞ」

まどか「……じゃ、すぐに上がるから待ってて！」

Diggy「ｵｰﾗｲ」

ｼｬﾜｰｼｬﾜｰ

Diggy「ｽﾊﾟｿﾆｳｫｰﾘｱｽﾞ ｽﾊﾟｿﾆｳｫｰﾘｱｽﾞ」

まど母「？ 誰の声かしら」

Diggy「ﾄｩｰﾀﾞﾌﾞﾛｳｴｯｸｽ」

まど母「まどかー？ 何か変な歌が聞こえるん」ｶﾞﾁｬｯ

Diggy「ｻｸﾞﾘｱｳﾀｸﾃｨ」

まど母「」

Diggy「」

Diggy「ﾄﾞｳｼﾖｳﾓﾈｴﾅ」

まど母「ま……まどかぁッ！ あんた、ディ……Diggyなんて拾ってきたの！？」

―お風呂上がり―

まどか「……」

まど母「いつ連れ込んだの？」

まどか「…学校の帰りに見つけて、かわいそうだったから……」

Diggy「ﾜｶｯﾃﾝｼﾞｬﾅｲ」

まどか「静かにして」

Diggy「POW！」

まど母「かわいそうだからなんて言ってたら、きりがないでしょ！？ 元の場所に戻してきなさい」

まどか「そんな！」

Diggy「ｷﾚｲﾀﾞﾈ」

まど母「なっ……何を言ってるのこのDiggyは！？ そんなこと言ったって」

Diggy「ﾅﾝﾃﾈ ｿﾝﾅﾏｼﾞﾅｶｵｼﾃ ﾎﾝﾄﾊﾞｶｼﾞｬﾝ」

まど母「捨ててきなさい。保健所に電話するわよ」

まどか「どうしよう……」

Diggy「ﾒﾉﾏｴｶﾞﾎﾞﾔｹﾃﾐｴﾙ」

まどか「Diggyが余計なこと言わなければ、なんとかなったかもしれないのに」

Diggy「ｶﾞｯｶﾘﾀﾞﾛﾓｳｲｰﾖ」

まどか「なっ……！」

Diggy「ｷﾚﾃﾙ? ｱｷﾃﾙ!」

まどか「そ、そんなこと言うDiggyなんて知らない！ 勝手にして！」

Diggy「ﾅﾆﾓｷﾆｼﾅｲﾃﾞ」

まどか「ついて来ないで！」ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

Diggy「ｱﾗﾗｧ」

―まどかの部屋―

まどか（あの後、Diggyは私を追ってこなかった。雨の中、Diggyがどうなったかは分からない）

まどか（お母さんは許してくれたけど、でも……）

まどか（……あのDiggyは、今も飼い主を探してさまよってるかもしれない……）

まどか（……Diggy…）

―翌日―

さやか「どうよ、まどか。Diggyの様子は？」

まどか「う、うん……まあまあかな…」

さやか「なにそれ、ちゃんと世話してんのー？ なんて」

まどか「ご、ごめんねさやかちゃん！ 私今日は先に帰るから！」

さやか「あっ…ちょっとまどか！」

まどか（Diggyが…Diggyがもし氏んじゃってたりしたら……私のせいだ！）

まどか（早く、見つけてあげなきゃ……！）

まどか「昨日見つけた場所は……！？」

まどか「……いない」

まどか「どこか、Diggyが行きそうなとこ……」

まどか「そうだ……カラオケとか、歌が歌えるような施設にいるかも！」

まどか（とはいえ見滝原だって決して狭いわけじゃないし、カラオケだって少なくない……）

まどか（……ううん、私が諦めてちゃなんにもならない！ なんとしても見つけ出さないと……）

―日暮れ/駅前―

まどか「ダメだ……どこにもいないよ……」

まどか「Diggy…ごめんね……」

まどか「うっ…くぅ…」

＜ﾃﾗｲﾅﾝﾃｰ ｽﾃｰﾃｻｱｰ

まどか「！？」

まどか（この声、どこから？）

＜ｳﾀｴﾖ ｺｰｺﾛﾉｺｰｴﾃﾞ

まどか「あ……」

まどか「町民ホールの前にいるのって、まさか……まさか！」

「やだあのDiggy、アカペラで歌ってるわｗ」

「HiもShinもいないままで歌ってるDiggyほど情けないものはないよなｗ」

「野良Diggyか？ 保健所に電話しないと」

まどか「Diggy……Diggy！」

Diggy「ｲｴｰ ﾋﾙｶﾞｴｽﾃﾞｨｽﾜｰ」

まどか「私だよDiggy！ 昨日はごめんなさい！」

「なにこの子？ あのDiggyの飼い主？」

Diggy「ﾄﾞﾗｲﾋﾞﾝﾄﾞﾗｲﾋﾞﾝｴﾋﾞﾅｲｼﾞｮｰ」

まどか「こっち向いてくれない……」

まどか「どうしよう、どうしたら私の話を聞いてくれるんだろう」

Diggy「ｵﾏｴﾗﾄﾊｲﾏﾝﾅｯﾃﾓﾅﾝﾓｶﾜﾝﾈｰｾﾞﾌﾚﾝｽﾞ」ﾁﾗｯ

まどか「！」

まどか（い、今確かに目が合った！ やっぱり忘れてなかったんだ！）

まどか「なら、きっとチャンスはある！」

Diggy「ｺﾄﾊﾞﾖﾘﾓｰ ﾓｰｵｯﾄｰ ﾋｿｰﾔｶﾆｶﾝｼﾞﾃﾙ」

Diggy「ｺﾉｷｽﾞﾅｦｰ ｳｨｽﾍﾟﾝﾀﾞﾀｲﾑﾄｩｹﾞｻﾞｰ」

Diggy「ｲﾏｺｺﾆｷｻﾞﾑﾖ ﾄﾓﾆｲｷﾀｱｶｼｦｰ」ﾁﾗｯ

まどか「まただ！」

保健所「こいつが連絡のあった野良Diggyか？」

Diggy「！」

まどか「あっ！」

保健所「まったく、こんなところで集会を開くとは！ ほら、さっさと来い！」

Diggy「……」

保健所「くそっ！ なんだこいつ、全然動こうとしねぇ！」

まどか「ディ、Diggy！」

Diggy「」ﾁﾗｯ

まどか「！！」

まどか（……そうか、分かったよDiggy。私が唯一できる、君と仲直りする方法が……）

Diggy「……」

保健所「よーしいい子だ。やっと諦めやがったか」

まどか「Diggy！ いくよ！」

Diggy「！」

保健所「な、なんだこいつ！ このDiggyの飼い主か！？」

まどか「違います！ 私は、私とDiggyは――」

Diggy「……yo! yoyo! Break it down!」

まどか「ｴｲﾖｩ! ﾐｽﾀﾌｨｸｻ! ｷﾞﾐｰｻﾑﾘｽﾞﾅﾝｻｰ! ｷｬﾝﾕｰﾌｫﾛｰｱｽ?」

Diggy「ｲｴｽﾕｷｬｰﾝｵｰ!」

「す……」

「すげえ……！」

「即興じゃないのか、あの二人！」

オーディエンス「ウォォォォォ！」

まどか「」ﾁﾗｯ

Diggy「」ｺｸﾘ

まどか「ｹﾞﾗｯｼﾞｮｰ! ｺﾞｰｲﾅｽ! そう昨日と今日繋ぎ止めるこの絆 ｳｨｽﾃｨｰｺﾞｰｲﾝﾉｳ! 」

Diggy「ｲｪｰ」

まどか「ﾈﾊﾞﾌｫｹﾞｯﾄ」

Diggy「ｱｲﾉｯ ｱｲﾉｯﾄﾊﾟｰﾌｪｸﾊﾞﾗﾝ」

まどか「ﾖｩ! ｷｰﾋﾟﾘｱﾙ!」

Diggy「ﾜﾗｲｱｯﾃｰ ｱｵｲﾀﾞｿﾗｰ」

Diggy「ﾀｼｶﾅｵｰﾚﾀﾁﾉﾊﾞｼｮ」

～～♪

まどか（……あれ？ この演奏、誰が）

「全く、まどかには私がいないとだめなんだから」

まどか（さやかちゃん！？）

さやか「曲はこのtrack masterさやかちゃんに任せて、思いっきり歌いなさい！」

まどか「……！」ｺｸﾘ

Diggy「ｺﾉｰﾑﾈｪｰﾉｵｰｸﾆｨｰ」

Diggy「ｴｲｴｰﾝﾆ ﾕﾙｷﾞﾅｰｲﾅﾆｶｦ ﾀｲｾﾂﾅﾓﾉｦ」

Diggy「ｿｯﾄ ﾏﾓｫｯﾃﾕｹｰﾙﾖｰｵ ﾂﾖｰｸｱﾘｰﾀｲﾀﾞｹ」

Diggy「ｱｰｱｰ… ｲﾄｼｲﾋﾄｰ…」ﾁﾗｯ

まどか「！？」

まどか（い、今の目配せって、どういう……）

Diggy「ｿｯﾄｻﾋﾞｼｻ ﾜｶｰｱｯﾃ ﾂｷﾊﾅｼﾃ…」

Diggy「ｾｰｦﾑｰｹｰﾀ!」

オーディエンス「ﾜｧｧｧｧｧｧ」

Diggy「ﾀﾞﾚﾓｶﾞ ｵｰﾄﾅﾆﾅｰｱｯﾃﾕｸ」

Diggy「ｿｰｼﾃ ｵﾚﾓﾏﾀﾞｼﾗﾅｲﾄﾞｺｶﾃﾞ ｹｶﾞｰﾚｽﾞﾆｲｷﾃﾕｹﾀﾅﾗ」

Diggy「ｲﾂﾉﾋﾆｶ ﾏﾀｺﾉﾊﾞｼｮﾃﾞ ｷﾐﾆﾂﾀｴﾀｲ」

Diggy「溢れる想いを」

――――

まどか「Diggy……」

Diggy「ｱﾗﾗｧ」

まどか「……ありがとう」

Diggy「ｲｪｲ」

まどか「そうだ。これからさ、もう一度お母さんに頼んでみるから――」

Diggy「ﾋｶﾘﾉｻｽ ｺﾉﾏﾁｦﾃﾞﾃ ｲｯﾀｲｵﾚﾊ ﾄﾞｺﾍﾑｶｳﾝﾀﾞ」

まどか「え……？ や、やだよ！ せっかくDiggyと仲良くなれたのに……そんなの……」

Diggy「ｼﾝﾊﾟｲｻｾﾃ ｺﾞﾒﾝﾅ」

Diggy「ﾃﾞﾓｵﾚﾊ ｲｶﾅｸﾁｬｲｹﾅｲﾝﾀﾞ」

まどか「……」

まどか「ほんとに行っちゃうの？」

Diggy「ﾅﾝﾏﾝｶｲｲﾜﾚﾃﾓｵﾅｼﾞｺｰﾄ」

まどか「……一個だけ、約束して」

Diggy「what?」

まどか「いつかきっと、私たちのとこに帰ってくるって」

Diggy「ｲﾏ ｺｺﾆｲﾙﾘﾕｳｶﾞ ｷｯﾄｱﾙ」

まどか「ふふっ……分かった！ それまで、ずっとDiggyのこと待ってるから！ いつかきっと、この場所で！」

Diggy「OK.」

まどか「……Diggy」

Diggy「ﾎﾗ」ｽｯ

まどか「え？」

Diggy「俺たちの星が、力強くきらめいてる」

まどか「……！」

Diggy「今はそれだけでいいだろ？」

まどか「……うん！」



おわり

GJ

いいはなしだなー

しゃべれたのかよ