1: 2012/03/11(日) 00:01:53.18 ID:91p5IFXw0
さやか(なんとなく転校生の影に隠れがちだけど……赤くて長くて)ジーッ

杏子「?なんだよさやか、ボーっとあたしの方見て」

さやか「うん……えい」サワサワ

杏子「!?や、やめろよ、髪の毛さわんな!」パシッ
Chapter.1

2: 2012/03/11(日) 00:03:40.27 ID:NIznN/dh0
さやか「え!?だめなの?」

杏子「あ、あんまり気分良くねーだろ」

さやか「えー?いいじゃんいいじゃん、あたしとあんたの仲じゃん」ワキワキ

杏子「や、やめろ!もうあたしは今日は帰るからな!」プンプン

さやか「ああ……行っちゃった……」

4: 2012/03/11(日) 00:05:15.32 ID:NIznN/dh0
さやか(でも……ちょっと触っただけだったけどやっぱりすごく気持ちよかった)

さやか(それにあの嫌がりよう……なんか逆にもっと触りたくなってきた)

さやか(よし!明日からは隙あらば杏子の髪を触ってやろ!)

5: 2012/03/11(日) 00:07:03.32 ID:91p5IFXw0
次の日

さやか「あ、杏子」

杏子「……よう」ジリ

さやか(なんか警戒してる……そんなに触られたくないんだ……)

6: 2012/03/11(日) 00:09:08.17 ID:NIznN/dh0
さやか「あっ、あんたの真後ろにりんごが落ちてる」

杏子「えっ、ホントか!?」クルッ

さやか「もらったぁ!」バッ

杏子「……ってだまされるかぁ!」ペチーン!

さやか「あいたーっ!」

杏子「ったく……あんたが考えそうなことなんてお見通しだよ」スタスタ

さやか(くっ……食べ物でだます『杏子って、ほんとバカ』作戦失敗か……)

8: 2012/03/11(日) 00:11:07.23 ID:NIznN/dh0
次の日

まどか「あっ、杏子ちゃん!」

杏子「よう……さやかの奴は一緒じゃないのかい?」

まどか「う、うん、今日は一緒じゃないよ」ウェヒヒ

杏子「ふーん……」ホッ

9: 2012/03/11(日) 00:12:21.51 ID:NIznN/dh0
まどか「そっ、そういえば今日テストがあったよねー」

杏子「いや、あたしは学校行ってねーから知らないけど」

まどか「そ、それにしても今日は暑いねぇ!」パタパタ

杏子「そうか?まだ肌寒い気がするけど」

まどか「アッレー!?そ、そうかなー!」パタパタウェヒヒ

杏子「変な奴だな……」

まどか(さ、さやかちゃん、まだー!?)

10: 2012/03/11(日) 00:15:14.27 ID:NIznN/dh0
さやか(まどか……我が盟友……よくぞ、よくぞ耐えてくれた)サササ

さやか(まどかが常に話しかけて杏子の気を引き、あたしが音も無く後ろから襲い掛かる『囮も、本命も、あるんだよ』作戦)

さやか「これで、終わりだぁぁぁぁぁぁ!!」バッ

杏子「っ!?」ササッ

さやか「か、かわされたぁ!?」

12: 2012/03/11(日) 00:18:15.18 ID:NIznN/dh0
杏子「いや、あんな大声出しゃバレるわ!」ペチーン

さやか「あいたっ」

まどか「ご、ごめんね杏子ちゃん……」

杏子「いーよ、どうせさやかのバカに無理矢理つき合わされたんだろ」

さやか「くそう……」

13: 2012/03/11(日) 00:20:22.29 ID:NIznN/dh0
次の日

さやか(もう無理、正攻法で杏子の隙を突くなんてあたしには無理)

さやか(起きてる杏子相手じゃ、あたしみたいな未熟者じゃ抑えられっこないよ……ん?起きてる杏子?)

さやか(……これしかないっ!)

14: 2012/03/11(日) 00:23:14.19 ID:NIznN/dh0
さやか「あっ……杏子、探したよ」

杏子「!……さやか、まーた懲りずに……」

さやか「違うよ、今日はあんたにそのことで謝りに来たんだ」

杏子「え?」

さやか「杏子、ほんとゴメン!いくらあんたの髪が綺麗だからって、嫌がってるのに無理やり触ろうとして」

15: 2012/03/11(日) 00:26:03.21 ID:NIznN/dh0
杏子「……とか言っといて隙ありー!みたいな……」

さやか「もうしないよ、そんなこと。ほんとにごめん……」

杏子「……さやか」

杏子「……嬉しかったよ、あたしの髪、綺麗って言ってくれて」

さやか「え?」

16: 2012/03/11(日) 00:29:10.09 ID:NIznN/dh0
杏子「あたしはさ、物心がついたころから髪伸ばしてたんだ」

杏子「んで、そうこうしてるうちに前話した通り、一家心中さ。思い出の教会もあの通り廃墟だし、あたしに残った家族との思い出の品なんて殆どない」

杏子「だからさ、あたしのなかじゃこの髪は家族との唯一残った思い出だって思ってるんだ。まぁ自己満足かもしれないけどね」

17: 2012/03/11(日) 00:32:01.87 ID:NIznN/dh0
杏子「だからさ、あんたがさっき髪を褒めてくれて……正直、嬉しかった」

杏子「逆に、無理やり髪を触られるのは家族との思い出を汚されてるみたいで、嫌だったんだ」

さやか「杏子……」

19: 2012/03/11(日) 00:35:11.93 ID:NIznN/dh0
杏子「だ、だからさ、ちゃんと言ってくれれば……許可さえ取ってくれれば、さやかなら……良いよ」///

さやか「ええっ!?じゃ、じゃあ……触らせて?」

杏子「い、良いよ」///

さやか「……」サワサワ

杏子「……」///

さやか「やっぱり……気持ち良いよ、杏子」サワサワ

杏子「そ、そうか」///

20: 2012/03/11(日) 00:38:25.45 ID:NIznN/dh0
さやか(最高に気持ち良い……けど)

さやか(だからこそ、こんなもんじゃ物足りない……!)


さやか「……ふぅ、ありがと、杏子」

杏子「い、いーよ別に」

さやか「それでさ、今までのお詫びにりんご持ってきたんだ」

杏子「えっ?」

21: 2012/03/11(日) 00:40:48.33 ID:NIznN/dh0
さやか「あんたに食べてもらいたくってさ、受け取ってくれる?」

杏子「さやか……チッ、しょーがねーな。食い物を粗末にするわけにもいかないからな!」ニコニコ

さやか「あんたならそう言ってくれると思ってたよ、はい」スッ

杏子「サンキュー。じゃあ早速いただきまーす」シャリ

さやか「……」

23: 2012/03/11(日) 00:44:06.89 ID:NIznN/dh0
杏子「うん、美味い!」シャリシャリ

杏子「……っぷは、ごっそさん」

さやか「……美味しかった?」

杏子「ああ、美味かったよ……だけどあれ、なんか食ったら眠気が……」フラフラ

杏子「う~ん……ZZZ」バタ

さやか「最終作戦、『下心なんて、あるわけない』、コンプリート……!」フヒュー

26: 2012/03/11(日) 00:47:54.96 ID:NIznN/dh0
――――――
――――
――


杏子「……あれ、あたし、眠っちまってたのか……あれ?」

杏子「どこだここ……」

杏子「ていうかアレ!?手足が縛られてる!?動けない!」ジタバタ

さやか「ここはあたしの家で、あたしの部屋だよ、杏子」

27: 2012/03/11(日) 00:51:12.85 ID:NIznN/dh0
杏子「さ、さやか!?どういうことだオイ……あたし、縛られてるじゃねぇか!」

さやか「それはあたしが縛ったから」

杏子「な、なぁさやか、なんでこんなことするんだ……?髪のことなら謝ってくれたし、言ってくれれば触ってもいいって言ったじゃねーか……」

さやか「全然足りないんだよ、あんなんじゃ!!!」ダンッ

杏子「っ!!?」ビクッ

29: 2012/03/11(日) 00:54:55.01 ID:NIznN/dh0
さやか「あんなちょっと触るくらいじゃ、満足できない……」フラフラ

杏子「さ、さやか……?」フルフル

さやか「ねぇ……あんたがいけないんだよ、あんたの髪がそんなに魅力的だから……」

さやか「責任、取ってよね」ガバ

横向きに寝かされている杏子の背後に回りこむように寄り添うさやか。

30: 2012/03/11(日) 00:57:29.76 ID:NIznN/dh0
杏子「ひっ……さ、さやか……」ジタバタ

さやか「あああああああああっ!!」

そして、獣と化したさやかは、後ろでまとめられた杏子の長い髪に顔を埋めた。

32: 2012/03/11(日) 01:00:27.49 ID:NIznN/dh0
さやか「杏子!杏子!杏子!杏子ぉぉうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!杏子杏子杏子ぉううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!杏子・佐倉たんの真っ赤な髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!」モフモフモフ

杏子「う、うわああああああ!やめろぉさやかぁ!」

33: 2012/03/11(日) 01:03:35.84 ID:NIznN/dh0
さやか「ああっ!良いよ、最高だよ杏子ぉ!!」モッフモッフ

杏子「うう……」

さやか「ハァハァ、もう我慢できない!」ペロペロ

杏子「は、はうあぁ!」ゾクゾク

さやか「ん?ちょっとうなじをのあたりを舐めたらすごい声が出たねぇ?」

34: 2012/03/11(日) 01:07:05.78 ID:NIznN/dh0
杏子「……!そ、そんなこと……っ」

さやか「もしかして杏子ちゃん、ここが弱いのかなぁ?」ペロッ

杏子「ひゃ、ひゃあ!」ビクン

さやか「あーあ、感じちゃって……もしかして髪を触られたくなかったのも家族のことじゃなくて感じるところバレたくなかっただけじゃないの?」

杏子「……もう、やめてくれよさやかぁ……」グスグス

さやか「……!」ゾクッ

35: 2012/03/11(日) 01:10:36.88 ID:NIznN/dh0
さやか(泣いてる杏子、可愛い……)

さやか(もっと、この顔が見たい)

さやか「……」スッ

ベッドを離れるさやか。

杏子「さ、さやか……?」グスッ

すぐに戻ってくるさやか。その手に持っていたものは……

さやか「……」シャキシャキ

杏子「は、はさみ……?」

36: 2012/03/11(日) 01:15:09.48 ID:NIznN/dh0
再び杏子の後ろに回りこむさやか。

さやか「……」シュルル ファサッ

杏子「な、なんであたしのリボン取るんだよぉ……?」

さやか「今にわかるよ」グッ

リボンを外したため下りた杏子の襟足を手で上げるさやか。

38: 2012/03/11(日) 01:17:31.88 ID:NIznN/dh0
杏子「な、なんだよ……もうやめてくれよ……」

さやか「もう、うるさいなぁ杏子は」ペロッ

杏子「ひゃああ!も、もう舐めないでくれ……」

さやか「うーん、それにしても杏子って髪下ろすとなんというか……正統派美少女っぽいねぇ、長い髪が見栄え良くて」ナデナデ


39: 2012/03/11(日) 01:24:48.47 ID:NIznN/dh0
杏子「なぁさやか、もう……もうやめようぜ……今なら私も……忘れるから」

さやか「何度も言わせないでよ……あんたの髪が魅力的過ぎるのがいけないんだ」

さやか「だからさ、あたしに頂戴?」

杏子「え?さや―――」

チョキン

41: 2012/03/11(日) 01:29:36.80 ID:NIznN/dh0
杏子「あ……」ハラリ

さやかは杏子の襟足の髪を、根元から2,3本切った。

杏子「あ……あ……?」

さやか「……」チョキン

また、2,3本。

42: 2012/03/11(日) 01:33:20.63 ID:NIznN/dh0
杏子「いやっ、いやだぁ!切るな、切らないでぇ!さやかぁ!」バタバタ

さやか「あっ、ダメだよ杏子、そんなに暴れたら手元が狂って、一気に切っちゃうかもよ?」チョキン

今度は5,6本。

杏子「!!?……もう、ほんとに許してよ……ううっ……」ポロポロ

さやか(そうだよ、その顔が見たかったんだ)

44: 2012/03/11(日) 01:37:30.22 ID:NIznN/dh0
さやか「ごめん、杏子、嘘だよ。この髪はあんたのものだから魅力的なんだから」ポイ

杏子「……!」グスグス

さやか「ごめんごめん……でもあんたほんとに可愛いよ、杏子……」ナデナデ

杏子「……」

ザクッ

47: 2012/03/11(日) 01:41:10.35 ID:NIznN/dh0
さやか「え?今の音……」

杏子「はさみを適当にその辺に捨てたのが運の尽きだったなぁ」ザクッ

さやか「あ……手足の縄を……」

杏子「……覚悟は出来てんだろーな?」

さやか「……てへぺろ☆(・ω<)」

杏子「そんなの、あたしが許さない」

48: 2012/03/11(日) 01:45:14.69 ID:NIznN/dh0
――――――
――――
――


次の日

まどか「あれ、さやかちゃん、どうしてアフロなの……」

さやか「いやぁー、ははは……」

杏子「自業自得だよ、とりあえず切られたあたしの髪の本数分、つまり10日はあたしの言った髪形で過ごしてもらうから。ちなみに明日は角刈りだ」

さやか「そ、それじゃあどんどん短くなっていく一方じゃんかー!!」

おわり

50: 2012/03/11(日) 01:46:24.77 ID:ta4EvN2X0
おつ

引用: さやか「杏子の髪って綺麗だなぁ……」