1: 2013/08/16(金) 22:58:36 ID:IZU3Fzfo
ライナー「もうあれから4年か」

ベルトルト「そんなになるのか」

ライナー「この湿った地下での生活もそりゃ慣れてくるな」

ベルトルト「決していいものとは言えないけどね。
      でも、仕方ない事だよ。僕らのした事を考えれば」

2: 2013/08/16(金) 22:59:45 ID:IZU3Fzfo
ライナー「そうだな。とりあえず生かされているだけでもありがたいもんだ」

ベルトルト「僕らがエレンを故郷に連れて帰ろうとして、失敗して捕まって」

ライナー「俺たちはこの地下に放り込まれた」

ベルトルト「本当はその場で殺されるはずだったのにね」

ライナー「ハンジ分隊長のおかげで命は奪われなかったな」

3: 2013/08/16(金) 23:01:26 ID:IZU3Fzfo
ベルトルト「彼らは巨人の謎を解明するために僕らの体で実験しなくちゃならなかったから」

ライナー「4年も経つと身体いじくられる回数も減ってきたけどな」

ベルトルト「でも回数が減った割に大掛かりな実験が増えてきたよね」

ライナー「そうだな。このままいくと俺たちは最終的に殺されるんだろう」

ベルトルト「このまま何年も生かすわけにはいかないだろうからね人間側も」

ライナー「ああ」

4: 2013/08/16(金) 23:02:47 ID:IZU3Fzfo
ベルトルト「思い出話でもしようか」

ライナー「突然なんだよ」

ベルトルト「ただ、なんとなくだよ。ねえライナー、エレンとジャンはさ」

ライナー「最初なんであんなに仲悪かったんだろうな」

ベルトルト「目が合うだけでお互い悪態つくしさ、本当に些細なことで喧嘩してたよね2人。」

ライナー「んでエレンが言うんだよな。服が破けちゃうだろ!って」

5: 2013/08/16(金) 23:04:20 ID:IZU3Fzfo
ベルトルト「大切なのはそこじゃないよね」

ライナー「なんかずれてんだよなエレン」

ベルトルト「でも、最終的にはエレンもジャンもお互いのいいとこは認めてたよね」

ライナー「文句言いながらだったけどな」

ベルトルト「年取ったらああいう2人が親友みたいになってたりするんだよね」

6: 2013/08/16(金) 23:08:22 ID:IZU3Fzfo
ライナー「想像できるな。で、その2人の喧嘩を止めてたのが」

ベルトルト「ミカサとアルミンだね」

ライナー「ミカサは本当に強かった。よく投げ飛ばされたもんな俺」

ベルトルト「リヴァイ兵長が引退したら次の兵長は間違いなくミカサだと思うよ」

ライナー「それだけの実力があるからな」

7: 2013/08/16(金) 23:09:29 ID:IZU3Fzfo
ベルトルト「ただエレンに執着しすぎだと思う部分もあったね」

ライナー「家族なんだって言ってたもんな」

ベルトルト「家族かあ」

ライナー「今でもきっとそうやってエレンの傍にいるんだろう」

ベルトルト「絶対そうだよ。で、参謀役にアルミンだね」

8: 2013/08/16(金) 23:10:49 ID:IZU3Fzfo
ライナー「あいつの発想にはいつも驚かされたな」

ベルトルト「彼の戦術価値を説きます!!って言ったとき思わず僕鳥肌立っちゃった」

ライナー「訓練兵時代は正直、可愛い弟みたいに見てた部分があったからな」

ベルトルト「わかるわかる」

ライナー「逞しくなったもんだと思ってしまった」

ベルトルト「ふふ」

9: 2013/08/16(金) 23:12:56 ID:IZU3Fzfo
ライナー「あいつの頭脳があればこの先人類はもっと発展していくだろうな」

ベルトルト「その様子を見てみたいね。そういえばなんでサシャってあんなに食料盗んどいて」

ライナー「1回も独房行きにならなかったんだろうな。まあ俺らも分けてもらってたけど」

ベルトルト「本当に食べ物のことになると凄かったもんねサシャ。命捧げてた」

ライナー「黙ってれば綺麗な顔してんのになー」

ベルトルト「言い過ぎだよ。でも彼女のカンの鋭さには目を見張るものがあったよね」

ライナー「そうだな。さすが狩猟民族」

10: 2013/08/16(金) 23:14:47 ID:IZU3Fzfo
ベルトルト「狩猟民族といえばコニ―もだったよね」

ライナー「コニ―なあ、あいつ本当馬鹿だったよな」

ベルトルト「たまに意思疎通できないときがあった」

ライナー「お前もたいがいひどい事言ってる気がするぞ」

ベルトルト「そうかな。ライナー結構コニ―のことお気に入りだったよね」

ライナー「お気に入りっていうかな、なんつうかあいつ故郷の奴らがどうとか言ってただろ」

ベルトルト「うん」

ライナー「だからその、やっぱり気になる部分はあった」

12: 2013/08/17(土) 00:39:48 ID:uwcoNotE
ベルトルト「ほうほう」

ライナー「…サシャもコニ―も、本当に純粋だったんだよな。純粋な、年相応の少年少女だった」

ベルトルト「一番僕たちが欲しかったものかもね」

ライナー「そうかもしれんな」

13: 2013/08/17(土) 00:41:01 ID:uwcoNotE
ベルトルト「…アニは」

ライナー「あいつは可愛い妹だ。ずっと昔から一緒だった」

ベルトルト「昔はすごい泣き虫だったよね。今じゃ想像できない」

ライナー「お前も人の事言えないけどな」

ベルトルト「恥ずかしい」

ライナー「頬を染めるな」

14: 2013/08/17(土) 00:41:36 ID:uwcoNotE
ベルトルト「…助けられなかったね」

ライナー「ああ。でも、どの道こうなる運命だったんだ」

ベルトルト「あの時はわからなかったけど」

ライナー「俺らに、未来なんて最初からなかったんだろう」

ベルトルト「うん」

15: 2013/08/17(土) 00:43:10 ID:uwcoNotE
ベルトルト「…ねえライナー、クリスタは」

ライナー「クリスタ…なんであんなに可愛いんだろうな」

ベルトルト「独り言でよく結婚しよって言ってたもんね」

ライナー「言ってねえよ!」

ベルトルト「途中から口に出てた」

ライナー「」

16: 2013/08/17(土) 00:43:52 ID:uwcoNotE
ベルトルト「でもさ、僕が思うにクリスタもライナーの事好きだったと思うよ」

ライナー「は」

ベルトルト「なんとなく。僕のカン」

ライナー「信用していいもんなのかそれ。じゃあ俺も言うけど」

ベルトルト「ん?」

ライナー「ユミルもお前の事好きだったと思うぞ」

ベルトルト「え」

17: 2013/08/17(土) 00:44:23 ID:uwcoNotE
ライナー「なんとなく。俺のカンだ」

ベルトルト「はは、それ信用していいものなの?」

ライナー「お前に任せる」

ベルトルト「…じゃあ、信用しておく」

ライナー「おう、俺も信用しておく」

18: 2013/08/17(土) 00:45:06 ID:uwcoNotE
ベルトルト「ねえライナー、僕は兵士として生活している間、とても楽しかった」

ライナー「俺もだ」

ベルトルト「戦士であるということを忘れるくらい」

ライナー「実際俺たまに忘れてたし」

ベルトルト「それは言わない」

ライナー「すまん」

19: 2013/08/17(土) 00:54:44 ID:uwcoNotE
ベルトルト「みんな、いい奴らだったね。最初はやっぱり見下している部分もあったんだ。
      でもさ、一緒に訓練して、ご飯食べて、喧嘩して、関わっていくうちにさ」

ベルトルト「みんなといるこの場所が、心地いいと思っていたんだ」

ライナー「俺たちにそんなこと言う資格なんてないだろうがな」

ベルトルト「たくさん頃して、大切なものをたくさん奪ったからね」

ライナー「ああ」

21: 2013/08/17(土) 00:56:08 ID:uwcoNotE
ベルトルト「ねえ、本当に自己満足だけど、僕らがこんなこと思うなんて
      絶対に許されないことだとわかってるけど、だけどさ」

ベルトルト「彼らが、この先幸せであったらいいなって思ってるんだ。
      幸せに、生きていってほしい」

ライナー「ああ…そうだな」

23: 2013/08/17(土) 00:58:00 ID:uwcoNotE
最近 君たちの暮らしはどう?
一体何を話して笑っているんだろう


ベルトルト「僕たちのいない未来を」

24: 2013/08/17(土) 00:59:53 ID:uwcoNotE
終わりです。短すぎたかなー
お粗末様でした。

25: 2013/08/17(土) 01:03:45 ID:Cmxynisw
マルコさんは…


27: 2013/08/17(土) 02:04:20 ID:yJJqcPpc
乙乙

引用: ベルトルト「思い出話でもしようか」