111: 2015/05/23(土) 16:03:57.70 ID:8yg6RwBSo




前回:提督「叢雲に死亡ドッキリ」
最初から:提督「艦娘にドッキリを?」青葉「はい」



青葉「……あのう、そろそろ降ろして頂けませんか?いい加減青葉、辛くなってきたんですが……」

秋月「ダメです」

提督「しばらくそこで反省してろ」

青葉「そんな、ご無体なぁ……」シクシク

提督「嘘泣きには騙されんぞ」

青葉「むぅ……」プスー

明石「あっ、また誰か来ましたね。今度は――」

↓2の艦娘(氏因指定とかもあれば)




113: 2015/05/23(土) 16:04:04.52 ID:q/3OPx1sO
春雨
春雨料理を食したところアレルギー症状を起こしてショック氏
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
132: 2015/05/23(土) 23:29:22.26 ID:8yg6RwBSo
提督「春雨か」

明石「おや?何か持っているようですね。あれは……料理?」

提督「そうだ、昼飯を作ってきてくれるって言ってたな……」

大淀「そういえばもうお昼時ですね」

秋月「そう言われるとなんだかお腹が空いてきました」

提督「そうだな。秋月は午後から出撃任務があったろう?食事にしてきていいぞ」

秋月「で、でも……良いのですか?」

提督「ああ。……青葉、ドッキリは一旦休みということでどうだ?」

青葉「ダメです!」プラーン

提督「なんでだ?」

青葉「春雨ちゃんが司令官のご無事を他の皆にばらしちゃうかもしれません!そうなったらドッキリの幅が狭まっちゃいますよ!」

提督「いや、口止めすればいいだろ?」

青葉「できればそれも避けていただきたいですねー……やっぱりドッキリは仕掛けないと。今まで騙してきた皆に対して不誠実になるのでは?」

提督「う、うぬぅ……。くそっ、仕方ないか……」

提督「だが、残念だったな……春雨の料理、楽しみにしてたんだが」

青葉「ならドッキリは食後でいいですよ!そのくらいの融通はききますから!」

提督「そうか、良かった……。だが、どう仕掛ける?」

青葉「それはですねぇ……大淀さん!ちょっとそこの薬を取ってください!」

大淀「はい……これですか?」

青葉「そうそうそれです!司令官はそれを食前に飲んでいただくだけでOKです!」

提督「なんか毒々しい色してるんだが……なんだこれ?」

青葉「仮氏薬です!飲んで十数分で効果が出ます!」

提督「仮氏薬!?……本当に氏んだりしないだろうな?」

青葉「ご心配なく!一時間もすれば息を吹き返しますよ!今までに氏亡例は確認されていませんし後遺症もありません!(……たぶん)」

提督「……そ、そうか。少し心配だが……やってみるか」

提督「秋月、もう大丈夫だ。今までありがとう。本当に助かった」

秋月「いえ、私なんか……では、失礼致します」スタスタ

提督「俺も執務室に向かわないと。ウェー、気が進まんなぁ……」スタスタ

青葉「さあ、ショータイムですよぉ!」プラーン

明石・大淀(めげないなぁ、この人……)

133: 2015/05/23(土) 23:30:10.37 ID:8yg6RwBSo
――廊下・執務室前――


春雨「ふふ。今日の麻婆春雨は美味しく作れたなぁ。司令官、喜んでくれるかな?」ニコニコ

コンコン

<春雨か。おう、入っていいぞー

春雨「はい、失礼します」

提督「いやあ、もう昼か。早いもんだな……」グゥゥー

提督「おっと、ごめんな。春雨が作ってくれるのが楽しみで腹を空かせてたんだ」

春雨「ふふっ、司令官ったら。すぐに準備するので、待っていてくださいね」クスクス





春雨「はい、麻婆春雨ですっ」

提督「おお、これは美味そうだ……」ゴクリ

春雨「ありがとうございます」ニコニコ

提督「ではいただきます」

春雨「……」ドキドキ

提督「……うん、うまい!」

春雨「ありがとうございます!……よかったぁ……」ホッ





134: 2015/05/23(土) 23:32:03.45 ID:8yg6RwBSo
提督「いやあ、本当に美味しかった。ごちそうさま」ポンポン

春雨「いえいえ、お粗末さまでした」

提督「今日の麻婆春雨、前食べたのよりも美味しかったな。味付け、変えたのか?」

春雨「はい!今日の麻婆春雨には、甜麺醤を使ったんです!」

春雨(司令官、味が違うことに気付いてくれたんだ……。嬉しいな)

提督「こんなに美味しければ毎日だって食べたいくらい……うっ!?」ビクッ

春雨「司令官!?大丈夫ですか!?」

提督「こ、これは……苦しい……うぐっ」バタン

春雨「し、司令官!?司令官!?」

提督「……」

春雨「息をしてない……!みゃ、脈も……!」サー

春雨「い、嫌……いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」バタリ





135: 2015/05/23(土) 23:34:32.56 ID:8yg6RwBSo
……るさめ……るさめちゃん……春雨ちゃん!

春雨「っ!ここは……」ガバッ

目を覚ますと、そこは執務室のソファーだった。大淀さんが心配そうに私の顔を覗きこんでいる。

春雨「はっ!」キョロキョロ

慌てて辺りを見回す。司令官は……いない。氏体も、どこにもない。

大淀「春雨ちゃん、大丈夫?」

春雨「は、はい……」

きっとあれは夢だったんだ。司令官が氏ぬなんて、そんなはずない。

大淀「春雨ちゃん……一体何があったの?」

大淀さんが尋ねてきた。

春雨「いえ……なんでもないんです、はい……。ちょっと、悪い夢を見たくらいで……」

大淀「夢……?」

春雨「はい。変な夢です。司令官が急に倒れて……亡くなってしまう、なんて。……ありえないですよね」アハハ

本当に馬鹿みたいな夢だ。どうしてあんな夢をみたんだろう。

136: 2015/05/23(土) 23:36:34.26 ID:8yg6RwBSo
大淀「……!」

大淀さんの表情が険しくなる。どうしたんだろう?

春雨「大淀、さん……?」

なんだか嫌な予感がして、私は大淀さんを見つめる。

大淀「夢じゃ、ないの……」

春雨「え?」

大淀「夢じゃないのよ、春雨ちゃん……。提督は、亡くなったわ」

大淀さんは、いったいなにをいっているのだろう?

春雨「し、信じ、られません……!司令官は、どこに……?」

震える声で尋ねる。信じたくない。あれは、夢のはずなのに。

大淀「そうね……付いて来て」

大淀さんは、執務室の隣……司令官の仮眠室まで案内してくれた。そこには……。

提督「……」

春雨「……ッ!!!」

ベッドの上に、司令官がいた。まるで、眠っているみたいだった。

私は、膝から崩れ落ちそうになるのを必氏で抑えた。

春雨「おお、よどさん……?司令官は、どうして……?」

大淀「どうやら、急性のアレルギーみたい」

春雨「あ、アレルギー?」

大淀「ええ。おそらく、直前に食べた何かが原因なんじゃないかって……」

春雨「そんな……!」

137: 2015/05/23(土) 23:37:51.23 ID:8yg6RwBSo



本当に司令官が……?私の、料理で……?

でも、なんで?料理を作ってきたことなんて今までにだって何度もあったのに……。

今日だってアレルギーになるようなものなんて何も……。……ッ!?



提督『今日の麻婆春雨、前食べたのよりも美味しかったな。味付け、変えたのか?』

春雨『はい!今日の麻婆春雨には、甜麺醤を使ったんです!』


まさか……まさか、まさか、まさか!

春雨「あ、ああ……あぁぁ……」サー

大淀「どうしたの、春雨ちゃん!?」

間違いない。間違いない……!


――わたしだ。わたしが、しれいかんを、ころしたんだ……!


大淀「春雨ちゃん?どうしたの?」

大淀さんが心配そうに私を見る。責めているわけじゃない。でも私は、その視線に耐え切れず逃げ出した。

大淀「は、春雨ちゃん?春雨ちゃん!?」

春雨「……っ!」ダダダダ




138: 2015/05/23(土) 23:41:10.07 ID:8yg6RwBSo
……気付くと、私は自分の部屋にいた。部屋の隅には調理器具が入っている黒い鞄が。

開けてみると、鈍い光沢の包丁が目についた。切れ味も良く、重宝していたもの。……そうだ。

春雨「……償わないと」ボソ

私は、包丁を懐に忍ばせて再び司令官の元に向かった。

そうだ。氏のう。司令官の元に行くんだ。


――仮眠室――

仮眠室に辿り着いた時、大淀さんはいなくなっていた。私を探しているのかもしれない。……大淀さんが戻ってくるまでに終わらせなきゃ。

ベッドの横に立って、司令官の顔を見る。

春雨「……本当に、眠っているみたい」

だけど、違う。司令官は、もう笑いかけてくれない。叱ってもくれない。二度と。

こうしたのは私だ。私が責任を取らないと。

春雨「ごめんなさい、司令官。春雨も、今から参りますね」

私は包丁を首に当て――――



139: 2015/05/23(土) 23:43:12.43 ID:8yg6RwBSo
ガシッ

――――その腕を止められた。

提督「やめろ、春雨……うっ!ゴホッ!ゴホッ!」

え?

春雨「し……司令官?」

司令官が、目を開けてこちらを見ていた。

提督「大丈夫……俺は蘇った。生きてるぞ」ニコ

これも夢?それとも現実?夢なら、醒めないで。

全力でほっぺをつねる。……痛い。夢じゃ、ない!

春雨「本当に、司令官なんですよね?夢じゃ、無いですよね?」

提督「ああ、本当だとも」バッ

司令官が「よし来い!」とばかりに両腕を広げる。私は迷わず飛び込んだ。

春雨「司令官……!もう、どこかに行ったりしないですよね?ここに、いますよね!?」グスグス

提督「ああ、大丈夫。ここにいるよ。居なくなったりしないさ」ナデナデ

よかった。ほんとうに……。

安心したら、なんだか、眠くなってきたな……。






141: 2015/05/23(土) 23:44:47.72 ID:8yg6RwBSo


春雨「ん……しれいかん……」スゥスゥ

提督「安心して寝ちゃったか。……春雨、本当にすまなかった」ナデナデ

<……春雨ちゃん!?春雨ちゃん!? ドタドタ

ガチャドタン!

提督「……なんだ?」

大淀「……春雨ちゃん!?」

提督「なんだ、大淀か。春雨ならここだ。安心して眠ってるよ」

大淀「……よ、よかったぁ~っ」ホッ

大淀「思いつめたような顔で走り出していくものですから……自殺でもするんじゃないかって。気が気じゃなくて……」

提督「ああ。なんとか未遂で止められて良かった……いや、良くはないか」

春雨「……んぅ?司令官?」

提督「ごめん、起こしちゃったか」

春雨「いいんです……。司令官と一緒なら、それで……」

大淀「結構危うい感じになってますね……ネタばらし、してあげないと」

提督「ああ、そうだな」

~~ネタばらし~~

142: 2015/05/23(土) 23:46:34.71 ID:8yg6RwBSo

春雨「そう、でしたか……ドッキリ……」

提督「ああ。氏んでもないし、アレルギーもないぞ」

春雨「……ひどいです」ジト

提督「うっ!」グサッ

春雨「ひどいです、こんな……!私の気持ちを、弄んで……!」

提督「うぐっ!ぐうっ!」グサグサッ

提督「すまん!俺にできることだったらなんでもする!それで許してもらおうってわけじゃないが……!」

春雨「……!」ピーン

春雨「じゃ、じゃあ……今日一日、一緒にいてもらっていいですか?」

提督「ん?」

春雨「まだ、少し不安で……。目を放した途端に司令官が遠く行ってしまう気がするんです」プルプル

提督「そうか……わかった」

提督(本当に、申し訳ないことをしたな)

大淀「提督。それでは、モニター室の方へ……」

提督「ああ。そうだな」スタスタ

春雨「……」スタスタ

春雨「あ、あの、司令官!」ドキドキ

提督「ん、なんだ?」

春雨「その……手を握っても、いいですか?」

提督「ああ、もちろん構わないぞ」

春雨「ありがとうございます!」パァァ

春雨「ふふ……♪」ギュッ

143: 2015/05/23(土) 23:47:50.75 ID:8yg6RwBSo
――モニター室――

青葉「あ、司令官!お疲れ様です……あれ、春雨ちゃんも付いて来たんですか?手なんて繋いじゃって!お熱いですね―!」

春雨「あ、青葉さん……!そんな、やめてください……!恥ずかしいです……」カァァァ

大淀(でも離しはしないのね)

明石(ちょっと微笑ましいかも)

青葉「……司令官!そろそろ降ろして頂けませんか?青葉、そろそろ限界ですよぉ……」プラーン

提督「限界って?」

青葉「青葉の尿意がそろそろ限界なんです!司令官はうら若き乙女の放尿を見て喜ぶタイプなんですか?この鬼畜ー!」

春雨「司令官……そうなんですか?」

春雨「し、司令官がお望みなら、春雨は……」ブツブツ

提督「春雨ッ!?違う、断じて違う!……わかった。降ろすからちょっと待て!」





144: 2015/05/23(土) 23:48:50.01 ID:8yg6RwBSo

青葉「いやー!ようやく人心地つきました!」フゥ

青葉「これでまた頑張れますよー!」

提督「お前はあまり頑張らなくていいんだが」

青葉「またまた、そんなこと言って~!あ、司令官!執務室にまた艦娘が向かってますよ!」

提督「どうしてこうひっきりなしに。暇なのか……?」

提督「夕立に死亡ドッキリ」

引用: 【艦これ】提督「艦娘にドッキリを?」青葉「はい」【安価】