275: 2015/05/26(火) 18:39:11.69 ID:i84l/ul1o

――モニター室――

前回:提督「長門に死亡ドッキリ」
最初から:提督「艦娘にドッキリを?」青葉「はい」



ピコーン!カンムスガセッキンチュウデス


提督「今度は誰だ?」

艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)

↓5まででコンマ下二桁反転が一番大きい艦娘(&シチュ) 複数人もありで

279: 2015/05/26(火) 18:39:31.99 ID:ltQi89kzO
五月雨

288: 2015/05/27(水) 22:11:47.43 ID:koCI+wfVo


青葉「五月雨ちゃんですね。……今回は変にひねらず、シンプルにいってみましょう!」

提督「そうだな……ダメージ少なめで行こう。そろそろ胃潰瘍で喀血しそうだ」


――執務室前――

五月雨「……どうしたんだろう?」

提督に遠征の報告をするために執務室へきたんだけど、なんだか様子が変だ。

ノックをしたのに反応がない。でも、大淀さんの切羽詰まった声が聞こえる。

ドア越しなので、はっきりとは聞こえない。どうにも気になって耳をすましてみると、少しだけ内容が聞き取れた。

大淀『……提督…車………事故……入院……』

……ちょっと待って。提督に……車に、事故に……入院?

物騒な単語の羅列に私は居てもたっても居られなくなって、執務室に突入した。

289: 2015/05/27(水) 22:15:23.11 ID:koCI+wfVo
ガチャ

五月雨「あの……大淀さん……?」

大淀「はい……はい。失礼します……」ガチャリ

私が執務室に入るのとほぼ同時に、大淀さんが電話を終えた。

大淀「……五月雨ちゃん?」ウル

大淀さんが私に気付いた。涙目で私の方を見る。……やっぱり、提督に何かが?

五月雨「すみません。でも、電話してるのが聞こえちゃって……」

大淀さんが、「しまった」といった顔をする。

大淀「……聞いてしまったのね」

五月雨「は、はい。提督と、事故……単語だけですけど、聞きました。もしかして、提督は事故に……?」

大淀さんに尋ねる。聞き間違いであってほしい。

大淀「ええ。提督は……先ほど、交通事故にあったわ。病院に運ばれたけど、意識不明の重体だそうよ」

五月雨「そ、そんな……!?」


290: 2015/05/27(水) 22:16:57.84 ID:koCI+wfVo
……聞き間違いじゃなかった。腕を強くつねる。痛い!……夢でもないみたい。でも、どっちかであってほしかった。

提督が、事故だなんて……!

大淀「でも、焦らないで。おちつい―――」

五月雨「……っ!」ダッ

大淀「さ、五月雨ちゃん?!」

大淀さんが何かを言い終わる前に、私は執務室を飛び出していた。

提督のところに行かなくちゃ……!それしか頭になかった。





291: 2015/05/27(水) 22:18:41.27 ID:koCI+wfVo
五月雨「はぁ……はぁ……あっ!」

鎮守府を出て、しばらく走った所で気がついた。

五月雨「そういえば、提督のいる病院を聞いてなかった……」

私って、どうしてこんなにドジなんだろう。大淀さんにも迷惑をかけちゃったな。

ふと、少し前の事を思い出す。

前も……買い出しを頼まれた時、詳しい内容も聞かずに飛び出してしまったことがあった。

何を買ったらいいかも、そもそも自分が何処にいるかもわからなくなっちゃって……。

あの時は、不安と自己嫌悪で泣いてしまいそうな私のところに提督が来てくれたっけ。

泣きそうな私の頭に大きな手をポンとのせて、撫でてくれて。あの時は嬉しかったなぁ……。

……五月雨はドジだなぁ、なんて笑われちゃったりもしたけど。

五月雨「提督……」ウルウル

……まただ。また、あの時と同じ……。

でも、あの時と違うことがひとつある。提督は、来ないんだ……。

そう思ったら、涙が抑えきれなくなってきて。

五月雨「ていと、く……ていとく……」ポロポロ

ついに私は泣き出してしまった。だめだ、だめだって思っても、止まらない。

292: 2015/05/27(水) 22:22:58.81 ID:koCI+wfVo

五月雨「……?」グスッ

俯いて泣き出した私の頭に、大きな手がのせられる。

顔を上げると、そこには――――提督がいた。あの時と同じ、困ったような笑顔で。

五月雨「てい、とく……?」

提督「まったく。五月雨はドジだなぁ」ナデナデ

優しい声と一緒に頭を撫でられて、私はすっかり安心してしまった。提督に抱きついて、大声で泣く。

五月雨「て、提督……うっぐ、うわぁぁぁぁん……」ヒッグ、エグッ

提督「……」ナデナデ

提督は軍服が汚れるのも構わず、私が泣き止むまでずっと優しく撫でてくれていた。




293: 2015/05/27(水) 22:24:22.17 ID:koCI+wfVo
提督「もう大丈夫か、五月雨?」

五月雨「はい……あっ!」バッ

提督に抱きついていたことを今更恥ずかしく思って、慌てて離れる。

五月雨「すみません!提督の軍服、汚しちゃいました……」

赤くなった顔に気付かれないように顔を隠して言う。

提督「なに、構わないさ」

五月雨「提督がご無事で、良かったです……あれ?」

そういえば、提督がなんでここに?

五月雨「提督、事故にあったんじゃ……」

提督は、気まずそうに頭を掻いた。

提督「そのことなんだが……道すがら話すよ」


294: 2015/05/27(水) 22:26:08.07 ID:koCI+wfVo
~~ネタばらし~~

――鎮守府前――

提督「――――というわけだったんだ」

五月雨「そうですか。ドッキリだったんですね」フム

提督「……怒らないのか?」

提督が、少しだけ心配そうに私を見て言う。……でも。

五月雨「いえ!私は提督に何も無かったならそれでいいんです」ニコッ

本心だ。私がそう言うと、提督は何故か目元を抑えた。

提督「……うう」グス

五月雨「……て、提督?」

提督「こういう優しい反応は実際久しぶりでな……嬉しいというか、申し訳ないというか」

五月雨「そうだったんですね……」

提督「今回は本当にすまなかった。今度、埋め合わせはするよ」

五月雨「いえ!そんな……」

提督「いや、お詫びの一つもしないと逆に俺の方が困るんだ。頼むよ」

五月雨「……はい。では楽しみにしてますね、提督!」





295: 2015/05/27(水) 22:28:15.97 ID:koCI+wfVo
――モニター室――

提督「そうだよ。こういうのでいいんだ、こういうので」ウンウン

青葉「……」プスー

提督「……どうした、青葉?不満そうだが」

青葉「五月雨ちゃんも提督も、さっさと鎮守府出ちゃうものですから……せっかくの内容を記録できなかったんですよ」プスー

提督「なんだと!?これ以上ないくらい綺麗にまとまったのに……!」ガクッ

明石「……提督、膝から崩れ落ちちゃいましたよ」

大淀「どうやら、かなりまともな展開だったみたいですし……仕方ないですね」



カンムスガセッキンチュウ


明石「ほらほら二人とも腐ってないで。また誰か来ましたよ?」

提督「初春に死亡ドッキリ」

引用: 【艦これ】提督「艦娘にドッキリを?」青葉「はい」【安価】