1: 2012/03/23(金) 13:39:58.04 ID:XDnP/RHR0
小椋「にしし…早速メール送っちゃおっと♪」カタカタ

小椋「ん~…どんな文面にしようかなぁ…」

小椋「こんにちは…とかで始めればいいかなぁ」

小椋「突然ごめんなさい、とかの方がいいかな?」

小椋「ええいっ、とりあえず書いてみるっきゃないわ!」
Another 2001(下) (角川文庫)
4: 2012/03/23(金) 13:52:25.67 ID:XDnP/RHR0
榊原「さてと、メールチェックしとくかな」カチカチッ

榊原「相変わらず迷惑メール多いなぁ…」

榊原「ん…?知らないアドレスからメールが来てる…」


From<ogu-bridge@meil.yomikita.ne.jp>

Sub:小椋ですっ☆

本文

 榊原くん、こんにちは!小椋由美です(^o^)/
 ば、バカにしないでよねっ!アタシだってパソコンぐらい使えるもん(><)
 らんらんらららんらんらん♪らんらんららららん♪
 くっくっく・・・。思わずナウシカを口ずさんじゃったよ
 ん~。赤沢さんって怖いよねぇ。とっつきにくいし・・・・。
 大した用はないんだけど、突然こんなメールしてごめんねっ!
 好きな映画とかあるの?私は「カリートの道」。榊原くんもみなよ!
 きっとアル・パチーノのファンになるよ。

5: 2012/03/23(金) 13:55:29.02 ID:XDnP/RHR0
小椋「榊原くん気付いてくれるかなぁ…」

小椋「アタシの愛のメッセージ…」

小椋「でも榊原くん、結構鈍感なところあるしなぁ…」

小椋「…ま、そんなところも含めて好きなんだけどさ」

9: 2012/03/23(金) 14:08:19.60 ID:XDnP/RHR0
榊原「小椋さんから…?」

榊原「何で僕のアドレス知ってるんだ??」

榊原「…とりあえず、返信しないとなぁ」


小椋「おっ、返信来てる!」


From 榊原きゅん

Sub:メールありがとう!

本文

 僕のアドレス知ってて驚いたよ。どこで聞いたの?
 もしかして赤沢さん?クラスでは赤沢さんしか知らないはずだし・・・。
 小椋さんのアドレスも、とりあえず登録しておいたよ!
 ぐったりするほど暑い日が続いてるけど、小椋さんは大丈夫?
 らんらんららららん♪ いけねっ、僕もナウシカ口ずさんじゃったよ(><)
 さっき見てたところだよ、「カリートの道」。面白かった!
 んん~。でも僕はやっぱデ・ニーロ派かなぁ・・・。
 好きな俳優で言うと、他にはエドワード・ノートンとかも好きかな。
 きらいな俳優はフルメタルジャケットのデブ

10: 2012/03/23(金) 14:12:24.66 ID:XDnP/RHR0
小椋「!? ちょ、ちょっとこれって…つまり…」

小椋「アタシの愛のメッセージを受け取った…って認識していいわよね…?」

小椋「いや、絶対そうよ!」


小椋「…にしても」

小椋「赤沢さんも榊原くんのアドレス知ってたの…?」

18: 2012/03/23(金) 14:23:38.12 ID:XDnP/RHR0
赤沢「ふふっ♪恒一くんからメール来てるかな~?」カチカチッ

赤沢「来てなかった……」

赤沢「さ、寂しいよぉ…恒一くん…」

赤沢「いや、変なプライドなんて捨てて、ここは私からメールを送信するべきだわ!」

赤沢「待っててね、恒一くん」カタカタ

19: 2012/03/23(金) 14:24:41.77 ID:XDnP/RHR0
>>16
サカキと和久井が親友の設定だったアレね

21: 2012/03/23(金) 14:33:34.16 ID:XDnP/RHR0
榊原「おっ赤沢さんからメールが来てる」カチッ

From 赤沢さん

Sub:今度

本文

 一緒にサイクリングでもしない?
 明日、日曜だし、暇?
 暇なら行きましょうよ!


榊原「サイクリングかぁ…楽しそう。」

榊原「『いいよ、じゃあ明日の午後1時に校門で待ち合わせね』っと…」カタカタ

22: 2012/03/23(金) 14:39:48.60 ID:XDnP/RHR0
小椋「ま、とりあえず赤沢さんは置いといて…」

小椋「榊原くんと相思相愛が判明したことだし、早速デートの約束しなくちゃね//」

小椋「うふっ//」カタカタ


榊原「ん、また小椋さんから届いてる」

From 小椋さん

Sub 愛しの榊原くんへ

本文

 榊原くんの愛のメッセージ、ちゃんと受け取ったよ!
 明日デートしよう!


榊原「え?」

24: 2012/03/23(金) 14:47:58.95 ID:XDnP/RHR0
榊原「愛のメッセージ…って何のことだ?」

榊原「ははぁん、小椋さんイタズラ好きっぽいし、さては僕をおちょくってるな」

榊原「そうだ、小椋さんもサイクリングに誘おう」


榊原「『明日サイクリング行くんだけど、小椋さんも一緒にどう?』っと…」カタカタ



小椋「返信がキタァ!」

小椋「サイクリングか…さすがダーリン!中学生らしい爽やかデートってことね!」

28: 2012/03/23(金) 15:06:39.03 ID:XDnP/RHR0
榊原「そうだ!せっかくだし、ワッ君や中尾くんも誘おう!」

榊原「電話しよう」


榊原「あ、ワッ君?」

和久井『バラッちどうしたの?』

榊原「明日、サイクリングでもどう?」

和久井『サイクリングかぁ。楽しそうだけど、ほら僕喘息持ちだし…』

榊原「知ってるさ、だから僕の後ろに乗せてあげるよ」

和久井『バラッち…』

29: 2012/03/23(金) 15:12:04.49 ID:XDnP/RHR0
榊原「あ、順くん?」

中尾『ようサカッキー。何か用か?」

榊原「明日サイクリング行こうよ!どうせ暇でしょ?」

中尾『決めつけてんじゃねぇ!……まぁ確かに暇だが』

榊原「じゃあ行こうよ。それに…」

中尾『それに?』

榊原「赤沢さんも来るよ?」

中尾『何!?』

榊原「これで来ないとは言わせないよ?順くん」

中尾『サカッキー…ありがとう…!』

32: 2012/03/23(金) 15:23:44.38 ID:XDnP/RHR0
~翌朝~

赤沢「うーん…どうしよぉ…」

赤沢「赤いリボンがいいかな…それとも水色にしようか…」

赤沢「初めて二人きりで会うんだし、どのリボンにするか迷うわね」

赤沢「うーむ……」

赤沢「水色にしよう!」


赤沢「ふふっ。今日は楽しい一日を過ごせそうだわ!」

37: 2012/03/23(金) 15:30:31.28 ID:XDnP/RHR0
榊原「よし、じゃあ行こうかワッ君。後ろに乗ってよ」

和久井「うんっ」

榊原「校門で皆と待ち合わせしてるから、まずはそこへ行くね」

和久井「了解!」

榊原「よーし、出発!」キコキコ

38: 2012/03/23(金) 15:34:56.87 ID:XDnP/RHR0
榊原「しっかりつかまっててね、ワッ君」

和久井「おう」

榊原「あと、発作が起こりそうだったら、遠慮なく言ってね」

和久井「分かってるって。バラっちは心配性だなぁ」

榊原「はははっ」



~校門~

小椋「ダーリンまだかなぁ♪」ワクワク

シャーッ キキーッ

赤沢「あら、小椋さんじゃない」

小椋「赤沢…さん?」

42: 2012/03/23(金) 15:42:27.00 ID:XDnP/RHR0
赤沢「こんなところで何してるの?」

小椋「赤沢さんこそ…自転車なんか乗ってどこに行くの?」

赤沢「私はサイクリングよ。そっちは?」

小椋「アタシはデートよ」

赤沢「デート!?だ、誰と?」

小椋「ふふっ。それはね…」


榊原「やあやあ、遅れてごめん」ギコギコ

和久井「おはよう、ザワっち、グラっち!」

小椋「あっ!おはようダーリン♪」


赤沢(なんだ、小椋さんの彼氏って和久井くんだったのか)

46: 2012/03/23(金) 15:48:58.52 ID:XDnP/RHR0
小椋「ダーリン、何でワッ君を後ろに乗せてるの…?」

赤沢(えっ?も、もしかして…和久井じゃないの?)

榊原(ダーリン…?)

和久井「ほら僕、喘息持ちじゃないですか」

小椋「なるほど」



小椋「えっ」

和久井「えっ」

小椋「そうじゃなくて、何でワッ君まで来てるのよ」

和久井「皆でサイクリングでしょ?」

54: 2012/03/23(金) 15:53:59.04 ID:XDnP/RHR0
小椋「皆で…?」

榊原「そうだよ。僕とワッ君、小椋さんと赤沢さん。…と順くん」

小椋(ははぁん…ダーリンってば、二人きりだと恥ずかしいのね…)

榊原「え?別にいいよね?」

小椋(こう言う可愛らしいところが、母性本能くすぐるのよね…//)

小椋「ええ、いいわよ」

赤沢「それはともかく、今『順くん』って聞こえたんだけど…気のせいよね?」

榊原「順くんも来るよ?」

小椋「えぇー?中尾の野郎まで来るのぉ!?」

赤沢「最悪だわ!早いとこ逃げましょう!」

61: 2012/03/23(金) 15:59:49.01 ID:XDnP/RHR0
榊原「ちょっと待ってよ、それじゃ順くんがかわいそうだよ」

小椋「そうよね♪赤沢さんサイッテー…」ジロ

赤沢「あんたも否定的だったじゃないっ!」

中尾「おまたせー!」

赤沢「うわ…来ちゃった…」

和久井「やあカオっち」

榊原「これで皆揃ったね」

65: 2012/03/23(金) 16:05:22.25 ID:XDnP/RHR0
榊原「ところで…小椋さん、自転車は?」

小椋「え?アタシ、チャリ持ってないよ?」

榊原「え?」

小椋「ダーリンに乗せてもらおうと思ってたから」

榊原「えーと…まず、そのダーリンって何?」

小椋(そっか…皆の前じゃ恥ずかしいのね……んふっ可愛い//)

小椋「榊原くんの後ろに乗せてよ!」

赤沢「!?」

中尾「おー、俺の後ろなら空いてるぞー?」

69: 2012/03/23(金) 16:11:01.42 ID:XDnP/RHR0
小椋「ワッ君、中尾の後ろに乗りなさいよ」

中尾「俺は無視か?」

和久井「えー?」

小椋「いいからどけよテメェ!」

和久井「わ、わかったよ…」

小椋「ふふっ♪よいしょっと。うふ♪」

榊原「はは…」

中尾「和久井ー、しっかりつかまってろー」

和久井「了解!」

赤沢(ぐぬぬ…)

72: 2012/03/23(金) 16:17:29.83 ID:XDnP/RHR0
中尾「とりあえず、新しくできたサイクリングコースまで行こうぜー」

和久井「あ、それ昨日テレビでやってたよね。僕も見てたよ」

小椋「アタシは榊原くんとならどこでもいいよ?//」

榊原「あ、そう…はは…」

赤沢「よし、出発ぅ♪」

中尾「おっしゃー!飛ばして行くぜー!」

和久井「あんまり無理しないでね」

中尾「まかせろー!」

榊原「じゃあ小椋さん、しっかりつかまっててね?」

小椋「うんっ!」

75: 2012/03/23(金) 16:24:38.25 ID:XDnP/RHR0
榊原「へぇ…小椋さん、やっぱ軽いね」

小椋「そ、そうかな//」テレッ

赤沢「そりゃそうでしょ。余計な脂肪ないし。…主に胸とか」

小椋「テメェ!今なんつったコラ!」ガンガンッ

赤沢「ちょっと!私の自転車蹴らないでよ!高かったんだかね、これ!」

中尾「赤沢さーん//」

赤沢「誰こいつ」

中尾「…」

榊原「赤沢さん、中尾くんがかわいそうだよ」

赤沢「中尾ごめん。で何?用があるなら10秒で済ませて」

78: 2012/03/23(金) 16:31:44.45 ID:XDnP/RHR0
中尾「おっと段差だ。みんなー気をつけろー!」

和久井「ちょっと尻を浮かせて…っと」

榊原「段差が来るよ、小椋さん」

小椋(ダーリンの背中あったかい…//)

榊原「…聞いてる?」

ガタンッ

小椋「いでっ!!」

榊原「だ、大丈夫?」

小椋(股打った…)

81: 2012/03/23(金) 16:36:45.68 ID:XDnP/RHR0
榊原「皆は先に行っててよ」

中尾「まかせろー!」

赤沢「早く追いついてね」

榊原「うん」


榊原「小椋さん、ごめんね。大丈夫?」

小椋「ダーリンのせいじゃないよ…いてて…」

榊原(股間打っちゃったのかな…)

小椋「ダーリン、患部さすって…?」

榊原「えっ?」

84: 2012/03/23(金) 16:40:12.94 ID:XDnP/RHR0
小椋「ほらっ」グイッ

榊原「だ、駄目だってそれは…」

小椋「あ…痛い…痛いなぁ」チラチラ

榊原「じゃあ…引き返すしかないか……」

小椋「あっ、治っちゃったっ」

榊原「えっ?」

小椋「ほらほら、早くしないと皆に置いて行かれちゃうよっ」

榊原「わかった!」

88: 2012/03/23(金) 16:49:14.93 ID:XDnP/RHR0
榊原「おーい、みんなー」

中尾「よー、追いついたか」

和久井「ねえ、あそこの休憩所で休んで行かない?」

赤沢「そうね、ちょっと疲れてきたし」

中尾「赤沢さん、俺がマッサージしてあげるぜ?」

赤沢「へぇ、食堂とかお土産物屋とかもあるみたいね」

榊原「サービスエリアとか、道の駅みたいなところみたいだね」

小椋「じゃあ、お茶もしていこうよ♪」

赤沢「賛成」

94: 2012/03/23(金) 17:14:09.29 ID:XDnP/RHR0
~休憩所~

榊原「何飲もうかな…」

赤沢「恒一くん、ここコーヒーの種類豊富みたいよ?」

榊原「ふぅん……あ!」

小椋「どうしたの?」

榊原「ハワイコナのエクストラファンシーがある!」

赤沢(覚えててくれたんだ//)

榊原「じゃあ僕これにしようかな」

赤沢「私も同じのでいいわ」

中尾「お、俺も!」

小椋「あ、あたしも!」

和久井「じゃあ僕はオレンジジュース」

96: 2012/03/23(金) 17:19:04.61 ID:XDnP/RHR0
赤沢「あれ?小椋さんもコーヒー飲めるの?」

小椋「ば、バカにしないでくれる?飲めるわよコーヒーぐらい!」

赤沢「へぇ…」

小椋「ハワイコナのエクストラファンキーと言えば、アタシの大好物よっ!」

榊原「ファンキーじゃなくてファンシーだけどね」

小椋「あ//」

赤沢「プッ…」

榊原「小椋さん可愛いね」

小椋「えへへ//」

赤沢(ぐぬぅ…)

中尾「俺は正直、コーヒーとかよく分からん。強いて言うならネスカフェ知ってるぐらいだ」

99: 2012/03/23(金) 17:23:50.07 ID:XDnP/RHR0
店員「おまたせしました」

赤沢「来たわね」

榊原「飲んでみなよ、小椋さん」

小椋「うん」ゴクゴク

小椋(うげぇ…苦い……)

赤沢「ふふっ、やっぱり小椋さんにはまだ早かったみたいね」

小椋「そ、そんな事ないわよ!」ゴクゴク

中尾「うげー、何だこの苦さはよー」

和久井「♪」チュー

107: 2012/03/23(金) 17:43:11.46 ID:XDnP/RHR0
小椋「さて、んじゃ再出発と行きますか」

赤沢「あ、恒一くん。私の後ろに乗りなさい」

小椋「はぁ!?」

赤沢「恒一くん、まだ激しい運動は駄目なんでしょ?だから乗せてあげるわよ」

榊原「ありがとう赤沢さ…」

中尾「…」

榊原「…いや、それより、中尾くんを乗せてあげなよ」

赤沢「…は?」

榊原「中尾くん、さっき足挫いちゃったみたいなんだ」

中尾(おぉぉ!さすが心の友!)

109: 2012/03/23(金) 17:49:47.79 ID:XDnP/RHR0
赤沢「嫌よそんなの!」

榊原「お願い、赤沢さん…」

赤沢「わ、わかった//」

小椋「じゃあ今度はアタシが漕ぐね。榊原くんは後ろに乗って!」

和久井「僕も、あとの距離なら自転車漕いでも平気そうだ」


赤沢「んじゃ中尾、乗りなさい」

中尾「は、はい!//」

113: 2012/03/23(金) 17:53:59.33 ID:XDnP/RHR0
小椋「ん…」

榊原「どうしたの?」

小椋「足が地面につかない…」

榊原「あっ、ごめんごめん。今サドル下げるね」カチャッ

小椋「ふふっ。ありがとう榊原くん♪」

小椋「いざ!」ガシガシガシガシッ

榊原「ちょ、ちょっと小椋さん…スピード出しすぎなんじゃ…」

117: 2012/03/23(金) 18:01:20.42 ID:XDnP/RHR0
小椋「しっかりつかまっててよ、榊原くん♪」

榊原「は、速すぎるよ小椋さんっ」ガシッ

小椋「やっ…さ、榊原くん、そこ胸だよ//」

榊原「ご、ごめんっ//」

中尾「ははwww平だから腹だと思ったのか?」

小椋「この野郎!!」ゲシゲシッ

中尾「うわぁぁぁぁぁ!」

赤沢「中尾が落ちたっ!?」

123: 2012/03/23(金) 18:07:56.99 ID:XDnP/RHR0
榊原「うう…何で、何でこんな事に…」

赤沢「これも…きっと現象なのよ…」

和久井「中尾氏…君のこと、きっと忘れないよ。きっと…」

榊原「だから今は…成仏してくれ…」グスッ

小椋「そうね…。さ、早く目的地に向かいましょ!」

赤沢「そうね」

和久井「海が僕らを待ってる!」

榊原「日本海が、夢で見たのと同じような青さならいい…。希望を持とう」


中尾「ころすなー!」

赤沢「あ、生きてた」

124: 2012/03/23(金) 18:12:24.80 ID:XDnP/RHR0
中尾「赤沢さん、乗せてくれ!」

赤沢「しょうがないわね…」

小椋(チッ…しぶとい奴め)

榊原「よかったぁ…本当によかった…順くんが生きてる、確かに生きてるんだ」

和久井「バラっち、これで涙拭いて」

榊原「ありがとう…」フキフキ

中尾「よーし、行こうぜー!」

赤沢「ちょっと、あんまりくっつかないでよ!」

127: 2012/03/23(金) 18:17:02.94 ID:XDnP/RHR0
小椋「みてみて榊原くん、海が見えてきたよ!」

榊原「すごい!」

和久井「ここからは海岸線だね」

中尾「あぁ…赤沢さん、あったかい//」

赤沢「次変なこと言ったら振り落とすわよ!」

小椋「せっかく海まで来たんだし、このまま泳ぎたいわね」

榊原「でも水着持って来てないし…」

130: 2012/03/23(金) 18:21:24.25 ID:XDnP/RHR0
和久井「それなら僕のあげるよ、新品2枚持って来たんだ」

榊原「えっ、いいの?」

和久井「もちろんさ」

小椋「実は私も持ってきてあるんだ♪」

赤沢「私もよ」

中尾「ちょ、俺持ってきてないんだが…てか皆用意いいな」

中尾「おい和久井!もう1枚ないのかよ」

和久井「持ってないよ…ごめん」

赤沢「ワッ君が謝ることじゃないわよ。全部中尾が悪いから」

中尾「で、ですよね」

榊原「近くのホテルなら売ってるかもね」

131: 2012/03/23(金) 18:24:33.48 ID:XDnP/RHR0
小椋「とうちゃくー♪」キキーッ

榊原「よし、自転車はこの辺に置いておこう」

赤沢「じゃあ中尾は水着買って来なさいよ」

中尾「まかせろー!」

タッタッタッ…


赤沢「さ、私は先に行ってましょう」

小椋「そうね」

135: 2012/03/23(金) 18:32:37.08 ID:XDnP/RHR0
赤沢「んーっ、夏の日差しが気持ちいいわ」

榊原(おっ…赤沢さんは前と同じ水色のビキニか)

榊原(相変わらずスタイルいいなぁ。そりゃ順くんも惚れるわけだよ)ウンウン

小椋「榊原くーん♪」タタタッ

小椋「じゃーんっ♪」バッ

榊原(小椋さんはピンクのパレット水着か…これはこれで…)

和久井(やっぱ胸が…とか言ったら殺されるし黙っておこう…)

中尾「おまたせー!」

赤沢「特に待ってないけどね」

中尾「おー、小椋その胸ロードローラーにでも轢かれたのかー?」

小椋「お前をロードローラーで轢いてやろうか…!」

139: 2012/03/23(金) 18:51:55.43 ID:XDnP/RHR0
和久井「…」ヌリヌリ

中尾「お、日焼け止めかー?」

和久井「うん」ヌリヌリ

榊原「背中、塗ってあげようか?」

和久井「ありがとう、助かるよ」

榊原「いいっていいって」ヌリヌリ

小椋「わ、私の背中も塗って!」

赤沢「私も私も!」

中尾「赤沢さんは俺にまかせろー」

赤沢「触ったらスライシングするわよ」

中尾「お、おう」

141: 2012/03/23(金) 18:59:37.42 ID:XDnP/RHR0
そして…

榊原「海に夕陽が沈む…」

小椋「綺麗ね…」

和久井「まるで、夏の終わりを告げているようだ…」

赤沢「今年の夏も終わるのね…」

中尾「赤沢さん、好きだ…」

小椋「榊原くん、好きよ…」

赤沢「私だって恒一くんが好き…」

和久井「僕は藤巻さんが好きだ…」

榊原「僕は中島さんが好きだ…」


小椋「えっ」

147: 2012/03/23(金) 19:05:39.25 ID:XDnP/RHR0
小椋「なかじ…え?」

赤沢「恒一くん…嘘よね、冗談よね?」

榊原「冗談なもんか、僕は…榊原恒一は、中島幸子さんを愛してる!」

中尾「おー、お前ずっと前から言ってたもんなぁ」

小椋「え?」

和久井「そうそう、告白しろって言ってるのに、まだしてないんだよね」

赤沢「え?」

榊原「今はまだね。でも、卒業までには…」

榊原「僕の気持ち、ちゃんと伝えるつもりさ」

152: 2012/03/23(金) 19:09:22.27 ID:XDnP/RHR0
中尾「おうっ、応援するぜ!」

和久井「僕だって!」

榊原「ワッ君…順くん…」ジワッ

赤沢「ちょ、ちょっと待ってよ…」


中島「あれ?赤沢さん…それに皆も。こんなところで何してるの?」

小椋「!?」

赤沢「!!?」

榊原「中島さん…?//」キュン

155: 2012/03/23(金) 19:15:57.35 ID:XDnP/RHR0
和久井「バラっち、チャンスチャンス」ヒソヒソ

中尾「言ったれ、サカキ!」ドンッ

榊原「わわっ」

中島「? どうしたの?榊原くん」

榊原「あ、いや…その…//」

中島「?」

榊原「僕は…僕は中島さんのことが……」

榊原「す、好きです!!」

中島「榊原くん……」

158: 2012/03/23(金) 19:20:22.79 ID:XDnP/RHR0
中島「ありがとう、榊原くん。とっても嬉しいわ」

榊原「! じゃあ…!」

中島「…でもね、私も…他に好きな人がいるの」

榊原「え……」

中島「その人は……」

中島「中尾くん、あなたです」

中尾「俺かよー!」

榊原「そ、そんな…」ガクッ

赤沢「良かったじゃない中尾」

小椋「祝福するわ」

中尾「お、おう//」

中尾「お?おう?俺はこれで…いいのか?」

赤沢「いいと思うわ」

163: 2012/03/23(金) 19:23:54.43 ID:XDnP/RHR0
その日から、順くんと中島さんの交際は始まり…

僕はそう、失恋した哀れな男になっていた…



榊原「ハァ…」


赤沢「恒一くん…あれからずっとあんな調子ね…」

和久井「うん……さすがに掛けてあげられる言葉も見当たらないよ」


小椋(榊原くん……)

166: 2012/03/23(金) 19:27:30.25 ID:XDnP/RHR0
中島「はい、順くん♪あ~ん」

中尾「あ、あーん//」


榊原「ううっ…」

榊原「うわあああああああ!!!!」

ダダッ ガラッ

和久井「ば、バラっち…!」

赤沢「そりゃショックよね…あんな場面見せられちゃ…」


小椋(追いかけなきゃ…!)

173: 2012/03/23(金) 19:31:31.72 ID:XDnP/RHR0
~屋上~

ガチャッ

小椋「榊原くん!!」

小椋「…!?榊原くん…何してるの…?」

榊原「止めないでよ!もう僕は…ここから惨めに一人で飛び立つんだ!!」

小椋「フェンスから降りて!お願い!」

榊原「僕は氏ぬ!」

小椋「そんな事言わないで!」

178: 2012/03/23(金) 19:36:20.21 ID:XDnP/RHR0
榊原「どうせ…どうせ小椋さんだって心の中では笑ってるんだろ!?」

小椋「そ、そんな事…!」

榊原「もうほっといてよ!」

小椋「……………………降りろカス」

榊原「えっ?」

小椋「さっさと降りろっつってんだろ!このクソ野郎!!」

榊原「は、はい…」ガクブル

小椋「ざけんなよテメェおい…分かってんのかコラ」

榊原「は、はい…」ガクブル

186: 2012/03/23(金) 19:42:04.98 ID:XDnP/RHR0
小椋「アタシが心の中で笑ってるだ?んな訳ねぇだろ!?」

榊原「す、すみません」

小椋「たかが失恋したぐらいで甘ったれんじゃねえぞ!」

榊原「おっしゃる通りです…」

小椋「失恋したぐらいで……氏ぬとか…言わないでよ…」

榊原「小椋さん…?」

小椋「榊原くんが氏んだら…アタシ嫌だよ……」

榊原「え…?」

189: 2012/03/23(金) 19:47:01.45 ID:XDnP/RHR0
小椋「アタシだって…失恋したんだよ?」

小椋「好きな人が、目の前で別の女に告白してさ…」

榊原「そ、それって…」

小椋「すごく…悲しかった。悔しかった。その瞬間は、アタシだって氏にたいって思った…」

榊原「……」

小椋「…もう、氏ぬなんて言わない?」

榊原「うん…ごめんね、小椋さん」

小椋「…」チュッ

榊原「んっ……むふぅ…!?」

小椋「ん…//」

193: 2012/03/23(金) 19:51:36.60 ID:XDnP/RHR0
小椋「一人じゃない…一人じゃないから、ね?//」

榊原「小椋…さん…」

小椋「飛び立つなら、私と一緒に飛び立とうよ//」

榊原「うん…ありがとう//」


ガチャ

中島「こっちよ、順くんっ!」

中尾「おうっ!」

199: 2012/03/23(金) 19:57:04.42 ID:XDnP/RHR0
榊原「中島さんに順くん」

中尾「よう!お前らもここにいたのか」

小椋「ふふっ…それじゃあ4人で…」

中島「行きますか!」

中尾「まかせろー!」

榊原「羽ばたこう明日へ!!」

小椋「無限大の空へ!!」

中島「あの雲を突き抜けて!!」

中尾「大気圏さえ乗り越えよう!!」



和久井「皆…幸運を祈ってるよ」



200: 2012/03/23(金) 19:58:16.57 ID:SryUYKjn0
アカザーどこいったwwwwwwwwwww

201: 2012/03/23(金) 19:59:35.82 ID:DsE8DGIKO
マジで飛び立ちやがった

210: 2012/03/23(金) 20:09:09.77 ID:XDnP/RHR0
>>205
ちくしょおおおおおおおおお

引用: 小椋「榊原くんのパソコンメールアドレスを手に入れたわ!!」