5: 2010/01/31(日) 07:30:22.48 ID:RCHnwY6f0
高校を卒業して俺達はそれぞれの道を歩んでいた
ハルヒはその頭脳を生かして地元の有名な大学に進学して、キャンパスライフというやつを優雅に過ごしているようだ

朝比奈さんは俺達が高校を卒業すると同時に未来へ帰って行ってしまった
それもハルヒの力が無くなってしまったからだろうか
どういう訳か高校卒業と同時にハルヒは力を失ってしまった
古泉の見解では、高校生活で十分に満たされこれ以上望むことが無くなってしまったのだろうということだ
つまりハルヒは俺達と出会えてとんでもない力を失っちまうほど幸せだったってことか
嬉しい限りだな

それの影響というべきか、長門も普通の女の子になっていた
情報統合思念体は全ての人類を監視できる
情報統合思念体は長門が俺達と関わったことにより手に入れることができた感情に自律進化の可能性を見出し、長門を地球に残すことを選んだようだ
そんな長門は超有名大学へ入学していた
宇宙人的能力がなくなったとしてもあいつの頭脳は計り知れんものだったらしい
それと同時にアルバイトもしているようだ
あの容姿だ、さぞかしチヤホヤされているんだろうな・・・・・・
今度朝比奈さんを除くSOS団メンバーで長門のバイト先のファミレスへ飯を食べに行ってみたいもんだ

古泉の野郎は超能力を失くし・・・・・・というか閉鎖空間が一切出現しなくなったのだからおそらく失ったのだろう、今現在地元の大学へ進学している
古泉とは今でも連絡を取り、たまに休日などを一緒に過ごしたりしている
そんな俺はというと、なんでもな~い普通の小さな会社へ就職した
なんでもないと言っても地元から離れた訳だが
涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅱ
6: 2010/01/31(日) 07:33:09.23 ID:RCHnwY6f0
高校時代住んでいた場所から車で2時間ほどの場所だ
帰ろうと思えばいつでも帰れる距離なんだがな
いわゆる「1人暮らし」ってやつだ
最初は何が何だかわからなかったが慣れたらどうにかなるもんだ
晩飯はいつも同じ弁当屋で弁当を買って食っている
自炊なんて俺に出来る訳がないだろう
1年で飽きるなどとよく聞くが俺には1カ月しかもたなかった
なんせ食べた後の後片付けがかったるくてしょうがない

まあそんなこんなで俺とハルヒは遠距離恋愛というやつになっちまったわけだ
ん?あぁ、言ってなかったか
俺とハルヒは今付き合っている
もともとそんな気は一切ないつもりだったのだが
高校卒業が近づくにつれて己の気持ちに気がついてしまってな
卒業式の日に告白した
ハルヒは「遅いわよ!!バカキョン!!」なんて怒鳴りながらもOKしてくれた
皆「やっとか」みたいな顔をしていたが俺は見て見ぬふりをしておいた
自分の気持ちに気づかなかったのだから仕方ないだろう

8: 2010/01/31(日) 07:35:33.15 ID:RCHnwY6f0
そしてそんな卒業式から今や3カ月が経過していた
世間は梅雨に入ろうとしているが俺の気持ちは明るい
仕事や1人暮らしはかったるいものがあるが
毎晩するハルヒとの電話で俺の精神は保たれていると言っても過言ではないだろう
というか実際それしか楽しみがない
俺はたまに仕事で連休が入った時には地元に帰るようにしているのだが
それ以外は毎日同じことの繰り返しだからな
今日もまたあの弁当屋にでも行くか
あそこの弁当は本当にうまい
野菜もたっぷりでそればかり食べていても健康な体を維持できるんじゃないかと思えるほどだ

などと考えながら俺はダラダラと服を着替えた
ここ最近ほとんど同じ服しか着ていない
誰に見られる訳でもないからついつい気が緩んじまう
今度ハルヒと遊ぶ時にはちょっと気合いを入れてみるか
「なにあんた気合い入れてるの?似合わないわよ?」
などと言われそうだが・・・・・・

12: 2010/01/31(日) 07:38:31.73 ID:RCHnwY6f0
キィー!
このマンションの扉は鉄でできているせいか扉を開けるときの音がよく響く
「来たわよ!」
なんだなんだお熱いねぇ
どこの部屋だ?ん?女を連れ込むなどけしからん
俺がその女を見て査定してやろ・・・・・・う・・・・・・?
え・・・・・・?
ハ、ハルヒ!!?
何してんだお前!!
いきなりの衝撃にありったけ驚きの表情を見せた俺に
満面の笑みを浮かべ、ハルヒが見つめ返す

ハルヒ「何してるとは失礼ね」

いや、お前連絡もなしに急になんd

ハルヒ「少しあんたを驚かしてやろうと思ったのよ!」

そういうとハルヒはズカズカと部屋にあがりこんできた

驚かすっておい・・・・・・急すぎるぞ
まあ今日でやっと長い長い一週間が終了し、明日から夢の休日が控えているので
日程的にはなんの問題もないのだが・・・・・・

というかお前どうやってここの場所を知ったんだ!?
部屋番号までは言っていないはずだが

ハルヒ「古泉くんに聞いたのよ」

あの野郎・・・・・・

13: 2010/01/31(日) 07:42:20.57 ID:RCHnwY6f0

ハルヒ「へぇ~、結構いい部屋住んでるじゃない」
ハルヒ「どれどれ」

ちょ!何やってんだよお前!!

ハルヒ「何って、浮気チェックに決まってるじゃないの!!」

浮気チェックぅ!?

ハルヒ「あんたみたいな男はちょっと誘惑されたらすぐにほいほいとついて行きそうだからね!!」

おいおい勘弁してくれ
俺の仕事場はおっさんだらけだぞ
出会いなど欠片もないし求めてもいない

ハルヒ「ん~・・・・・・ちょ、ちょっとキョン!?これはなんなの!!」

おわっ!やめろ!!
ハルヒの手に握られているそれは男なら持っていて当然のDVDだ

ハルヒ「へぇ~、あんたもこういうの見るのね」

そういうとハルヒはそれをプレーヤーにセットした
間一髪のところでそれを俺が防ぐ
頼むから勘弁してくれハルヒ!!

ハルヒ「仕方ないわね・・・・・・あんたがどんなのに興味あるのか知るいい機会だったのに」

14: 2010/01/31(日) 07:45:24.33 ID:RCHnwY6f0
なんて勝手な女だ・・・・・・
アポ無しで急に人の家にあがりこんで部屋をあさった挙句、見られてはいけないものまで発見しそれを観賞しようとするなんて・・・・・・
まあハルヒのそんな性格はとうに理解している訳なんだが
苦労のかかるやつだ・・・・・・
だが、過程はどうあれ俺はハルヒが家に来たという事実を喜ばしく思っていた
なんせハルヒがここの家に訪れるのは初めてだからな
高校卒業と同時に付き合い、遠距離恋愛となった俺達は恋人らしいことなんて何一つしていなかった
強いていうなら先ほども言った毎晩の電話くらいだろうか
でもここでいう恋人らしいこととはそういうことではなく
キスをしたりだとか、そういうことだ
たまに地元に帰る時に何度もチャレンジするのだがどうも成功しない
ここだ!というところでハルヒに振り回されて気がついたら帰る時間になっちまう

まあ今はそんなことよりこの現実にどう対処するかだな
頼むからハルヒ、そろそろその浮気チェックなどというものはやめてくれないか?
これじゃ、せっかく片付いていた部屋が台無しだ

ハルヒ「分かったわよ」

そういうとハルヒはしぶしぶ、という感じでベッドに腰かけた

16: 2010/01/31(日) 07:48:14.73 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「ま、見たところ浮気はしていなさそうね!!でもまだボロをだすかも知れないからここ数日様子を見るわ!!」

おいおいなんだってそんなに俺を疑うんだ?
浮気など断じてしていない
俺を信じられないのか?

ハルヒ「冗談に決まってるじゃない!あんたが浮気なんてできるほど度胸のある男には見えないわよ」

それもそれでなんだか・・・・・まぁいいか
助かった
ここは俺の度胸のなさに感謝しておくとするか
事実俺はそんな度胸、持ち合わせていないしな
というかハルヒという存在をさしおいて浮気をするなど絶対にあり得ない
って、俺なんか気持ち悪いこと言ったな
取り消してくれ

なあハルヒ、晩飯どうする?既に食ったか?

ハルヒ「あたしはここに来る途中適当な場所で食べたわ!キョンはどうするの?」

あー・・・・・・それなら俺ちょっと買ってくるから待っててくれ
部屋を荒らすなよ

17: 2010/01/31(日) 07:51:29.49 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「まっかせなさい!!」

そんな笑顔で言われてもだな・・・・・・
お前には前科ってものがある
まあいい、頼むから大人しくしといてくれよ、それじゃ行ってくる

ハルヒ「早く帰ってきなさいよ!!」

キィー!
そうして俺は部屋を出た
時刻はもう夜の8時をまわっている
すでに俺のお腹は悲鳴をあげていた
部屋をでる直前にハルヒの顔を見たのだが
ふんふん♪と鼻歌を歌いながらテレビの電源を点けていた
俺はそんなハルヒの姿を見て、幸せを噛みしめた
この休日は楽しくなるに違いない
そんなことを思っていたのだが、まさかあんなことになるとはな・・・・・・

 俺は普段めんどくさく感じる弁当屋までの道のりをこれまでにないほど軽快に歩いていた
今ならなんだってできそうだ
帰ったら何をしよう
この間買った新しいゲームでもするか
ハルヒのやつにボコボコにされなければいいのだが・・・・・・

18: 2010/01/31(日) 07:54:12.15 ID:RCHnwY6f0
そうこうしているうちに弁当屋へと到着した
俺は気分がよかったのでからあげ弁当の大盛りを頼んだ
いつもは大盛りにするだけで250円も値が上がるなんてぼったくりだろうと思っていたのだが今日は違う
そして弁当を受け取り、意気揚々とマンションへと歩き出していた
すると俺の携帯がなった
お、ハルヒか
俺は毎晩恒例のハルヒとの電話かと思い、携帯を手に取った
いや、ちょっと待て
そういえばハルヒは今俺の部屋にいるんだったな
それなら誰だ?

「着信アリ:涼宮ハルヒ」

なんだ、やっぱりハルヒか
俺の部屋のものでも壊しちまったのか?

ピッ
もしもし
どうした?ハルヒ、なんか壊したのか?

ハルヒ「はぁ?あんた何言ってんの!?」

え?
ならなんの用だ?
どうかしたのか?

ハルヒ「なんの用だって何よ!毎晩電話してるでしょうが!!」

20: 2010/01/31(日) 07:59:40.03 ID:RCHnwY6f0
いやいや、今日はその必要がないだろう?
お前今俺の家に居るじゃないか
話しなら帰ってからいくらでm

ハルヒ「は?あんた頭でも打ったんじゃない?あたしがキョンの家に?
    あ、もしかして浮気してるんじゃないでしょうね!!
    なんだか最近怪しいと思ってたのよ!!」

ちょっと待て、え?どういうことだ?
ハルヒが俺の家にいない?
待て待て意味がわからんぞ、お前勝手に出かけたのか?

ハルヒ「だからあんたの家なんて行ってないわよ!!
    明日だって用事があるし、今あたしは自分の部屋にいるわよ!?
    あんた本当に大丈夫??どっかそのへんのおばあさんに貰ったきのこでも食べたんじゃないの!?」

断じて食べていない
というかそんなものを食べるほど俺もバカではない
なんだってんだ
さっぱり訳が分からない
ハルヒは俺の家に来たじゃないか
俺をからかってるのか?
ドッキリってやつか?
そうだ、そうに違いない
この際なんのドッキリかもわからないドッキリに罪をなすりつけた方が気が楽だ
とにかく今は早く家に帰らなければならないな・・・・・・

21: 2010/01/31(日) 08:02:20.90 ID:RCHnwY6f0
すまん、ハルヒ!
またかけ直す

ハルヒ「え!?ちょ、ちょっとキョン!?あんたまさか本当に浮気s」

プツ、プー、プー・・・・・・

俺は携帯を切り走っていた
最後にハルヒが何か叫んでいたが何と言っていたのだろう
焦っていたせいかすぐに切っちまった
「ちょっと待ちなさいキョン!ドッキリよ!!」
なんて言葉だったらいいんだがな

マンションへと走りながら俺はやっておかなければならないことがあることに気づいた
そして携帯を取り出す
ピッ

「もしもし涼宮です」

あ、あの~お母さんですか?

「あらキョンくんじゃない!どうしたの?」

22: 2010/01/31(日) 08:04:34.46 ID:RCHnwY6f0
あ、その突然すいません
ハルヒは今家に居ますか?

「ええ、いるわよ、どうしたの?電話代わりましょうか?」

あ、いえ!いいんです、それだけ確認したかったんで
そういうと涼宮母はふふっと意地悪そうに笑った

「あんまり疑うと嫌われちゃうわよっ」

俺には何を言っているのかわからなかったがどうにか受け答えし、電話を切った

これでハルヒが二人存在することが確定した訳だ・・・・・・
さすがにハルヒの母親までグルになっていることはありえないだろう

そんなことを考えながら走っていると俺はマンションに到着した
それと同時にやはり俺の考えは間違っていなかったことが証明された
部屋の扉を開けるや否やハルヒが
「遅いわよ!!いつまで待たせるつもり!?」
なんて言ってきたのだからな
俺はますます混乱した

23: 2010/01/31(日) 08:07:17.42 ID:RCHnwY6f0
なあハルヒ?
お前さっき俺に電話かけたか?

ハルヒ「え?かけてないわよ?なんで?」

本当か?
嘘はついていないよな?

ハルヒ「な、何よ!あたしがあんたに嘘をつくわけない・・・・・・ってちょっと!!」

ハルヒ「あんた人の携帯勝手にみないでよ!!」

俺はベッドに置いてあったハルヒの携帯を手に取り発信履歴を調べた
しかしそこには昨日俺と電話した時間の記録しか残っていなかった
どういうことなのだろう
さっきかかってきた電話はまぎれもなくハルヒの声だった
しかも携帯電話もハルヒのものだったし、ここにある携帯も間違いない、ハルヒの携帯だ

ハルヒ「あ!、あんたまさかさっきの仕返しって訳じゃないでしょうねぇ?」

ハルヒ「あたしが浮気してるんじゃないかって不安になったんでしょ?」

ハルヒ「だったら心配しなくてもいいわ!あたしは基本的に男には興味がないから!!」

そういう訳ではないんだが、この場を切り抜けるのには最適な言い訳だろう
そういうことにしておく

24: 2010/01/31(日) 08:10:30.93 ID:RCHnwY6f0
「ああ、すまんなハルヒ、弁当屋に行く途中にそんなことを考えていたら不安になっちまったんだ」

ハルヒ「全くあんたって・・・・・・まあ今回はいいわ、許してあげる!!」

ハルヒ「これもあんたの気持ちとして受け取っておくわ!!」

それはありがたいね
・・・・・・なんてことを言いながら、正直俺は気が気でなかった
ハルヒが二人存在している
こいつは力を失っちまったはずだ
どうなっていやがる
同じ人間が二人存在するなどと言うことは現実世界でありえない
二人のハルヒのどちらかが偽物ということになる
一体どっちなんだ?
ちくしょう・・・・・・分からない
もう一人のハルヒに至っては声しか聞いていないから判断要素が少ない
しかしこんなことで電話をかけてきたハルヒが偽物なんて決めつけるのは早すぎる
そして俺の目の前で今機嫌よさそうにテレビを見ているハルヒ・・・・・・
こいつは到底偽物には見えない・・・・・・
なんだってんだ
どうしたらいいんだ?

25: 2010/01/31(日) 08:13:31.79 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「ところでキョン、電話がかかってきたんでしょ?でたの?」

ああ、でたよ
そう言った瞬間俺はしまったと思った

ハルヒ「へぇ~、で誰だったのその相手は」

やはりそうくるか・・・・・・
い、いや~、そのなんだ
仕事場の人というか

ハルヒ「あたしと間違えるってことは、女なの?」

いや、ま、まぁ・・・・・・

ハルヒ「ふ~ん・・・・・・」

いや、そういうもんではないんだ、決して

ハルヒ「わかってるわよ、ま、キョンのことだし仕事の連絡かなんかでしょ」

ハルヒ「仕事しっかりがんばりなさいよね!!」

ああ、もちろんだ

よかった・・・・・・
まさかもう一人のお前から電話がかかってきたなんて言えるはずもない

26: 2010/01/31(日) 08:17:38.66 ID:RCHnwY6f0
そんなことを考えているとまた俺の携帯が鳴った
まずい、またここでハルヒから電話がかかってくるとめんどくさいことになっちまう
いや、待てよ、逆にどちらかのハルヒが何か反応を見せてくれるかもしれない
そうして俺は携帯を開いた

「着信アリ:古泉一樹」

なんだ、古泉か・・・・・・
しかしめずらしいな、古泉がこんな時間に電話をかけてくるなんて

もしもし、どうした?

古泉「今、涼宮さんと一緒ですか?」

ああ、そうだがどうして知っている

古泉「やはりそうでしたか、とにかく1人になってください、涼宮さんに会話を聞かれないように」

あ、ああ、分かった
ちょっと待っていてくれ

27: 2010/01/31(日) 08:21:21.92 ID:RCHnwY6f0
おい、ハルヒ

ハルヒ「何?どうしたの?」

電話がかかってきたから少しでてくる

ハルヒ「何よ、ここじゃダメなわけ?怪しいわね」

ハルヒはさっきの「仕事場の女の人」という名のもう一人のハルヒからの電話だと思い込んでいるらしい
その時電話の中から声が聞こえた

古泉「僕からの電話だ、ということは言ってもかまいませんよ」

それならなんとかなりそうだ

古泉からだよ

ハルヒ「本当でしょうね!?ちょっとかわりなさい!!」

そういうとハルヒは俺の手から携帯をひったくった

ハルヒ「あんたキョンとどういう関係なの!!」

古泉「そうですね、強いて言うなら親友でしょうか。SOS団の仲間ですね」

28: 2010/01/31(日) 08:24:07.87 ID:RCHnwY6f0
古泉「いえいえ、彼が羨ましいですよ」

ハルヒ「な!ま、まぁいいわ!キョンにかわるわね!!」

何赤くなってんだハルヒは
もしもし?

古泉「涼宮さんに大切にされて羨ましいですね、僕が代わりたいくらいですよ」

殴るぞ

古泉「ま、今はそんなことより早く外に出てください」

ああ、分かった

キィー!
でたぞ

古泉「できればどこか散歩しながらお願いできますか?」

そんなに外に行く必要があるのか
わかった待っていてくれ
そうして俺はマンションの外へでた

29: 2010/01/31(日) 08:25:59.02 ID:RCHnwY6f0
もしもし

古泉「もう大丈夫ですか?」

ああ

古泉「では、本題に入りますね」

頼む

古泉「率直に言いましょう。涼宮さんに力が戻りました」

なんだと?
な、何故だ!?

古泉「閉鎖空間が発生しました」

何!?閉鎖空間だと!?

古泉「はい、どうやら彼女は力を失った訳ではなく、無意識的に隠していたようです」

隠していた?

古泉「誰にもばれないように封印していたのですよ」

なんでそんなことを?

古泉「さあ・・・・・・監視がいなくなるように、でしょうか」

30: 2010/01/31(日) 08:28:11.88 ID:RCHnwY6f0
監視?それって・・・・・・

古泉「はい、機関のことです。涼宮さんは非常に頭のいい女性です。何かの拍子に監視に気がついたのかもしれませんね」

古泉「あなたと付き合うことになった涼宮さんはそれを激しく嫌がったのでしょう」

それの影響で自らの力を封印し、失ったように見せかけ監視を失くしたってことか
なんてことだ・・・・・・
無意識的とはいえさすがはハルヒだな
「監視をなくして」なんて願いでここまでやっちまうなんて
実に賢い
ところでなんで突然閉鎖空間が発生したんだ?

古泉「今回の閉鎖空間は涼宮さんの中にある不安により発生しています」

古泉「何か思い当たる節はないのか、と思い電話をしたのですが」

不安・・・・・・?
俺が浮気しているとかなんとか、というやつか?

古泉「しているのですか?」

んな訳ないだろう!!

31: 2010/01/31(日) 08:30:52.60 ID:RCHnwY6f0
古泉「そうですか安心しました。しかしそれでは何故?」

さあな、なんかあいつは初めから俺が浮気してるんじゃないかと疑っているようだった

古泉「遠距離恋愛をしているものにとって、そのような不安は当然生まれてくるものなので、自然でしょう」

古泉「問題はそれを決定づける何かをあなたはしてしまったのか、ということです」

あ、ちょっと待て古泉!
それよりお前に教えて欲しいことがある

古泉「はい、なんでしょう」

ハルヒが二人存在しているのだが、それもハルヒの能力の影響か?

古泉「涼宮さんが二人・・・・・・?」

そこで俺は先ほどあったハルヒからの電話や、今俺の部屋に存在しているハルヒのことを詳しく説明した

古泉「そんなことが・・・・・・そうですね、それも涼宮さんの力の影響によることで間違いないでしょう
   これは早急に機関に連絡をしておかなければなりませんね・・・・・・」

33: 2010/01/31(日) 08:33:17.55 ID:RCHnwY6f0
やっぱりか・・・・・・
となると・・・・・・

古泉「何か思い当たる節を見つけましたか?」

もしかすると、ハルヒは自分に対して不安を抱いているのかもしれん

古泉「どういうことでしょう?詳しくお願いします」

俺にはどちらのハルヒが本物のハルヒなのかはわからないが
どちらに対しても、その、なんだ・・・・・・浮気をしているかのような素振りを見せてしまった

古泉「その素振りをしてしまった原因がそれぞれ違う涼宮さんであったと?」

そういう訳だ
俺は今涼宮宅にいるハルヒには俺の部屋に人がきているように言ってしまったし
今俺の部屋にいるハルヒはもう一人のハルヒからかかってきた電話を仕事場の女だと思い込んでいる

古泉「それはやっかいですね・・・・・・」

ああ、実にやっかいだ

古泉「それにより抱えていた不安が爆発したと・・・・・・」

34: 2010/01/31(日) 08:35:11.82 ID:RCHnwY6f0
古泉「しかしどちらが偽物の・・・・・・いや、涼宮さんが創りだしたもう一人の涼宮ハルヒというべきでしょうか」

さあ、どっちが本体なのかは俺にはさっぱりわからん

古泉「おそらく、涼宮さんはあなたが浮気をしているのかどうかを調べに来たのでしょう」

それは分かっている
俺の部屋に入るや否や浮気チェックなどというものを始めたからな

古泉「あなたも大変ですね」

そういうと古泉は苦笑いをした

古泉「家にいる涼宮さんは両親に心配させないため。
ましてや1人娘が彼氏の家に泊まりに行くなどそう簡単に許してはくれないでしょうから、当然家にいる必要がありますね」

古泉「そして浮気を調べにきた涼宮さん」

古泉「普通に考えると遠距離恋愛中です。あなたに会いたいがために本体の涼宮さんが部屋に訪れたと考えるのが妥当でしょう」

35: 2010/01/31(日) 08:38:11.33 ID:RCHnwY6f0
ああ

古泉「しかし、もしそこで本当に浮気の証拠を発見してしまったら?」

どういうことだ?

古泉「現実を自分の目で見たくはないがために家に残ったということが考えられる訳です」

つまりハルヒの意識の中で
「キョンの浮気を調べたい、でも親は心配するし真実は目の当たりにしたくない」
というものと
「両親は心配するけどあたしが行って確かめなきゃ」
というもののどちらの意識が大きく存在しているのか、ということか?

古泉「分かりにくく言うとそうですね。とは言っても僕もうまく言葉で表せませんが」

前者だと家にいるのが本体のハルヒで後者だと俺の部屋に居るハルヒが本体って訳か
というか結局どっちもうまい具合に叶っちまってるじゃねぇか
俺の家にもお前の家にもお前がいるんだからな・・・・・・
どうすれば本体とは別のハルヒは居なくなるんだ?

古泉「あなたが浮気をしていないと確信が持てたらですかね」

古泉「しかし問題がありますね」

36: 2010/01/31(日) 08:40:33.23 ID:RCHnwY6f0
なんだ?

古泉「誰もどちらの涼宮さんが本体なのかわからないことです」

古泉「つまりあなたが熱心に接している涼宮さんが本体じゃなかったとしたら、本体である涼宮さんは余計に不安が募るでしょう」

しかしどちらのハルヒにも熱心に接するなんて無理じゃないか?
毎晩かかってくるハルヒの電話はなんて説明すればいい?
俺の部屋にいるハルヒはそれを別の女だと思ってるんだぞ?
しかもさっきの古泉みたいに携帯をひったくられては困る
かと言って電話にでなければ実家にいるハルヒが不安になるのは言うまでもない

古泉「あなたが判断するしかないでしょうね」

俺がどっちのハルヒが本体なのか見極めるってことか?

古泉「ええ、そういうことです。今のところあなたはどちらが本体だとお考えですか?」

それを言うのはまだ難しい気がするが、俺はどちらかというと部屋にいるハルヒが本体だと思っている

古泉「何故です?」

37: 2010/01/31(日) 08:42:32.72 ID:RCHnwY6f0
あのハルヒのことだ、後先考えず行動するのは得意分野だろう?
急に俺の部屋にやってきたのもうなずける
まあ、実家にいるハルヒは声しか聞いていないから判断しようがないってのもあるんだがな

古泉「なるほど、実は僕も同じ考えです」

そうか

しかし古泉

古泉「なんでしょう?」

どちらが本体か分かった場合俺はどうすればいいんだ?
本体ではないハルヒに消えろとでも言えばいいのか?

古泉「まあ、それに近いことをしなければなりませんね」

おいおいまじかよ・・・・・・

古泉「あの涼宮さんです、そうでもしないと」

まあ確かにな

古泉「おや、あなたにしては随分とすんなり受け入れますね」

仕方ないだろう
もう一人のハルヒが消えてしまわないとどちらのハルヒも傷つくことになるんだ

古泉「そうですね・・・・・・」

38: 2010/01/31(日) 08:44:38.23 ID:RCHnwY6f0
それともう一つ聞きたいことがある
もし俺が本体ではない方のハルヒを選んでしまった場合、どうなるんだ?
偽ハルヒは消えてしまうのか?
その場合最悪だぞ
俺は本体のハルヒとはもう関係を元に戻すことはできないだろうから
偽ハルヒが消えたら俺はただハルヒを深く傷つけて別れる形になっちまう

古泉「それはどうでしょう・・・・・・存在し続ける可能性もあるかもしれません」

古泉「正直いって、わかりませんね」

古泉「ただ、世界に大きな変化が現れるのは確実でしょう・・・・・・悪い意味でね」

そうか・・・・・・
しかし困ったものだな
俺にはどちらが本物のハルヒなのか見当もつかん
というか文字通り「二人存在している」んだ
言ってしまえばどちらもハルヒじゃないか
どうやったら本体かそうでないかなんて見分けることができるんだろうか

古泉「僕はこれから閉鎖空間の処理で忙しくなると思います。連絡があるときはメッセージを残していただければ手が開いた時にこちらからかけ直します」

39: 2010/01/31(日) 08:46:32.27 ID:RCHnwY6f0
ああ、悪いな、古泉

古泉「いえいえ、今回はあなたが謝ることではありませんよ。それより早く帰ってあげてください。涼宮さんが悲しみます」

あ、ああ、そうだな。
分かったよ、じゃあまたな、古泉

古泉「はい、それでは」

そういうと電話が切れた

確かに早く帰らないとまずそうだ・・・・・・
ふと携帯を見ると着信が3件もきていた
1件はハルヒのものなのだが・・・・・・
後の2件は懐かしい名前が表示されていた

朝比奈みくる
長門有希

まずは朝比奈さんにかけてみるか・・・・・・

40: 2010/01/31(日) 08:49:15.69 ID:RCHnwY6f0
もしもし、どうされたんですか?

みくる「あ、キョンくん!その・・・・・・驚きましたっ!涼宮さんに力が戻るなんて・・・・・・」

ええ
それより朝比奈さんは未来から戻ってきたんですか?

みくる「あ、はいぃ!その通りです!涼宮さんの力が戻ったことにより、未来から移動してきたんです」

そうですか
ハルヒの力が戻ることは喜んでいいのか分かりませんが
朝比奈さんが戻ってきたことが嬉しくないと言えば嘘になります

みくる「ふふっ、ありがとうございます!キョンくん!」

みくる「わたしはこの時間平面でまた涼宮さんを監視することになりました」

そうですか
俺に何か協力できることがあったらいつでも言ってくださいね

みくる「キョンくんは優しいですねっ///」

いえいえ、当然のことですよ
しかしどうやって監視を?

みくる「来週から涼宮さんと同じ大学に編入することになりました!
    あ、実はそのことでお電話したんですけど・・・・・・」

41: 2010/01/31(日) 08:51:49.00 ID:RCHnwY6f0
はい、なんでしょう?

みくる「いえ、なんてことないんですけど、その・・・・・・涼宮さんによろしく言っておいてもらえると嬉しいです」

なんだ、そんなことですか
わかりました、伝えときますよ

みくる「あ、ありがとうございますぅ!」

それより朝比奈さん

みくる「はい、なんでしょう?」

何故一度未来に帰ったんですか?

みくる「ふえぇ?どういうことですかぁ?」

未来人組織なら、今回ハルヒの能力が元に戻ることも知ることができたんじゃないですか?

みくる「あ!それについては今回の涼宮さんの件はとても突発的なもので誰も観測することが出来ていなかったんですよぅ・・・・・・」

つまり未来が変わったってことですか?

みくる「えぇ、そういうことです!・・・・・・というか本当はキョンくんたちは遠距離恋愛になるはずじゃなかったんですよね」

42: 2010/01/31(日) 08:54:09.18 ID:RCHnwY6f0
え?そ、それはどういうことですか!?

みくる「本当だったら涼宮さんがキョンくんに熱心に勉強をさせて同じ大学に行くはずだったんですけど・・・・・・一体どこでおかしくなったんでしょう・・・・・・」

それは修正しないといけない過去ではないんですか?

みくる「涼宮さんの力が実質、無くなったことにより問題は発生しないと判断されたんですよ」

つまり何から何までおかしくなっちまってるって訳か・・・・・・
ん?ということはハルヒの力が無くなるのは決定されていることなんですか?
そうじゃないとその判断はおかしいですよね?

みくる「あ、はいそれはそうですぅ!」

みくる「というか涼宮さんの力は完全に消滅していないといっても卒業式以降生涯復活することはないはずだったんですけど・・・・・・」

つまり今現在俺がハルヒと同じ大学ではなく、小さな会社に就職して遠距離恋愛中なのが問題って訳か
しかし一体何が原因でこんな未来になっちまったんだ?

43: 2010/01/31(日) 08:57:08.58 ID:RCHnwY6f0
みくる「わたしも今回ばかりは原因が分からないので監視をすることしかできなくて・・・・・・」

そうですか・・・・・・

高校時代に時間移動して俺がハルヒと同じ大学に行くように修正することはできないんですよね?

みくる「はいぃ、現時点ではそれは難しいと・・・・・・」

現時点?

みくる「何故このような未来になってしまったのか、その原因を掴まないとどの時間平面に移動すればいいのかもわかりませんし・・・・・・」

なるほど・・・・・・

みくる「それにわたしが移動しろと言われたのもこの時間平面なので、まずは2人の涼宮さんをどうにかしないと、とんでもないことになりそうですぅ・・・・・・」

とんでもないこととは?

みくる「例えば、ですけどもし今からわたしとキョン君が高校生の時に時間移動したとして、結局原因が分からなかったとしたら
そのまま時間が経過してしまうことが決定される訳で・・・・・・
その、とても説明しづらいんですけど、簡単に言うと涼宮さん達が2人存在するこの未来が確定されてしまうかもしれないんです・・・・・・
今はまだ十分に修正の余地はあるんですけどね・・・・・・」

な、なんだって!?
それは困る、非常に困る!!

44: 2010/01/31(日) 08:59:44.18 ID:RCHnwY6f0
失敗したらやり直す・・・・・・なんてことは無理ですよね?

みくる「あ、当たり前ですぅ!!一回の時間移動でどれほどの人間に影響を与えるか考えたらそんなことできるはずもありません!!
    被害は最小限にすることは当たり前です!!」

す、すいません・・・・・・

みくる「ですから、まずはこちらの涼宮さんをどうにかしつつ、その原因というものを探っていくのが先決ですぅ!」

なるほど、そうですか・・・・・・
わかりました
なんとかしてみます

みくる「はい、よろしくお願いしますね!わたしも古泉くんや長門さんとその原因について調べておきます!
・・・・・・あ、わたしはそろそろ編入するための準備があるのでこの変で失礼しますね!
    また何かあったら連絡してください!
    わたしからも何かあったら連絡します!」

はい、ありがとうございます
ではまた
そういうと俺は電話を切った

45: 2010/01/31(日) 09:01:23.12 ID:RCHnwY6f0
次は長門か・・・・・・
長門はワンコール鳴るか鳴らないかのところで電話に出た

長門「・・・」

長門か?

長門「そう」

長門「涼宮ハルヒに力が戻った。それと同時に私も力を取り戻した」

なんだって?

長門「情報統合思念体の意思」

そうか・・・・・・
長門は普通の女の子じゃなくなっちまったんだな

長門、聞いてくれ

長門「知っている」

さすが長門だ

46: 2010/01/31(日) 09:03:55.25 ID:RCHnwY6f0
お前、どっちが本体かわかるか?

長門「どちらも本体」

は?

長門「どちらも全く同じ涼宮ハルヒ」

・・・・・・やはりか
それなら、どちらがこの騒動のもととなったハルヒなんだ?

長門「それは私にもわからない」

長門「私の力が戻ったのは涼宮ハルヒが能力を再び手にした後」

長門「その時には既にもうひとつの涼宮ハルヒという個体は存在していた」

そうか・・・・・・
困ったな
長門もハルヒの能力が戻ることを知ることができなかったって訳か
まあ突然未来が変わっちまったんだもんな

長門「そう」

47: 2010/01/31(日) 09:07:03.06 ID:RCHnwY6f0
長門?

長門「何?」

今俺の家に居るハルヒは俺がどちらかを選ぶまで俺の家にいると思うか?

長門「おそらく、そう」

やっぱりか・・・・・・
ますます困った

お前はハルヒが能力を封印していることに気づくことはできなかったのか?

長門「封印というより、涼宮ハルヒは実際に完全にその力を失っていたと言った方が正しい」

どういうことだ?

長門「涼宮ハルヒは私に察知されないように無意識的に能力を極限まで抑えていた」

それは封印と言うべきではないのか?

長門「私に察知されないようにするためには、ほぼ無に等しいほど圧縮する必要がある」

どのくらい?

長門「数値化すると0.00000000・・・・・・・」

わ、わかった!
もういい!
しかしハルヒもよくそんなことができたな・・・・・・

48: 2010/01/31(日) 09:10:00.55 ID:RCHnwY6f0
長門「これも彼女の能力によるもの」

そうか、そうだったな
ハルヒが監視なんていなくなればいいと願ったからか

長門「そう」

やはり遠距離恋愛になったことによって
ハルヒの力が元に戻る未来に変更されちまったってことか
しかし長門にもそれが見抜けなかったのか?
見抜けていたんなら遠距離恋愛という未来が確定する前に色々と対処できたと思うんだが

長門「それも涼宮ハルヒの力によるものだと考えられる」

へ?

長門「あなたが涼宮ハルヒとは異なる有機生命体と深い交友関係を築いたという仮説を成り立たせた場合、涼宮ハルヒはその事実を自分以外の存在に認識されることを恐れた」

何故だ?

49: 2010/01/31(日) 09:12:22.16 ID:RCHnwY6f0
長門「それは涼宮ハルヒにとって浮気相手より自分の立場があなたの中で下になるということ」

長門「涼宮ハルヒはそれを認めたくなかった」

どれだけプライドが高いんだよあいつは・・・・・・

長門「恋愛感情を抱いている相手の中で自分が一番大きな存在でありたいと願うことは至極当然なこと」

長門「あなたの浮気を自分以外に知られたくないということを無意識的に願うことにより涼宮ハルヒは未来の情報アクセスに対して制御をかけた」

すまん、どういうことだ?

長門「わかりやすくいうと、涼宮ハルヒはこれをあなたと自分二人の問題と断定し
いかなる方法でもその事実を知られることがないようにあらゆる防御策を施した」

もっと簡単にいうと
「俺に浮気をされて、それが人にバレた場合自分はプライドが傷つき、人間的価値が下がってしまう」
とうことが理由で誰にもそれを知られない様にこの未来を隠しちまったってことか?

長門「そう」

50: 2010/01/31(日) 09:14:49.45 ID:RCHnwY6f0
長門「しかしそれは誰もがどこかに持っているもの」

確かにな・・・・・・ハルヒの場合は少々度が過ぎる気がするが・・・・・・
しかしあのハルヒの性格なら頷けるか・・・・・・
浮気をされた場合、「なんで自分という存在がありながら」と考えるのは普通にあり得ることだろう
まあハルヒの場合は全て無意識的になんだが

長門、これからどうするんだ?

長門「私はもとの生活に戻る」

大学もアルバイトも辞めちまうのか?

長門「そう」

長門「涼宮ハルヒを監視する」

長門「そのため同じ大学へ行く」

長門もか!?

長門「古泉一樹も同様」

なんか大変なことになっているな・・・・・・
まあ高校の時と同じことか

51: 2010/01/31(日) 09:17:33.13 ID:RCHnwY6f0
俺の部屋に居るハルヒに監視はつかないのか?

長門「そちらの涼宮ハルヒは常にあなたと行動を共にすることが予想される」

そこまで厳重な監視は必要ないってか・・・・・・

もう一つ聞いておきたいことがある

長門「何?」

もう一人のハルヒを創りだしたハルヒと、そのハルヒに創りだされたハルヒを見分ける方法は何かないか?

長門「どちらも全く同じ」

なにか、容姿や考え方ではなくて他のことでもいい
何かないのか

長門「・・・・・・」

長門「創りだされた涼宮ハルヒは記憶に曖昧な部分がある可能性がある」

記憶に曖昧な部分?過去を覚えていないってことか?
しかし何故?

52: 2010/01/31(日) 09:20:05.08 ID:RCHnwY6f0
長門「涼宮ハルヒはあなたが浮気した場合、あなたとの関係を断ち切ることが予想される」

長門「それと同時に今までのあなたとの関係を完全になくす可能性も考えられる」

こんなことなら付き合うんじゃなかった、ってことか?

長門「そう」

長門「そのような涼宮ハルヒの深層部分に存在する意識が、創りだされた涼宮ハルヒに影響され
あなたとの過去を既に一部失っている可能性がある」

なるほどな
わかった、ありがとう、試してみるよ

長門「また何かあったら連絡して」

ああ、わかった
いざという時は頼らせてもらうよ
じゃ、またな

そういうと俺は電話を切った

53: 2010/01/31(日) 09:22:40.17 ID:RCHnwY6f0
後はハルヒか・・・・・・
この電話をかけてきたハルヒはどちらのハルヒなのだろう
そんな不安を抱きながら俺は折り返し電話をかけた

ハルヒ「あんたいつまでほっつき歩いてんのよ!!」

ああ、俺の部屋にいるハルヒか
すまんな、電話が長引いてな
事実相当長い時間古泉と電話をしていたようだ
朝比奈さんと長門と電話をしながら帰り道を辿っていたのだが
今ようやくマンションの前へたどり着いた

ハルヒ「今どこなの!?」

すまん、もうマンションの前だ
今から帰る

ハルヒ「本当でしょうねぇ!?待ってるから早く帰ってきなさいよ!!」

ああ、分かった

そして俺はすぐに自分の部屋へ向かった

55: 2010/01/31(日) 09:25:54.05 ID:RCHnwY6f0
キィー!

ハルヒ「遅かったわね!!」

す、すまん

ハルヒ「もう寝る準備はできてるわよ!!」

時刻を見ると時計の針はすでに23時半を指していた
俺ももうへとへとだ
今日は色んなことがありすぎた
風呂に入って寝るとするか
って、おいちょっと待て、ハルヒ

ハルヒ「何?」

寝る場所が一つしかない訳だが、これはどういう訳だ?

ハルヒ「ど、どういう訳って・・・・・・そういう訳よ」

途端にハルヒの顔が真っ赤になる

かわいいじゃないか
よしわかったハルヒ
今日は俺が一緒に寝てやろう

ハルヒ「ばっ!あんたあんまり調子に乗ってんじゃないわよ!!」

そういうとハルヒは俺を一通り攻撃し、1人でベッドへ潜り込んでしまった

56: 2010/01/31(日) 09:27:21.58 ID:RCHnwY6f0
やれやれ
俺も今日の疲れを癒すために風呂に入るかな・・・・・・

ハルヒはもう寝てしまったのだろうか
体が上下に大きく動いている
こんなに疲れていたのに俺を待ってくれていたのか
愛おしさが込み上げてくる
俺は唐突にハルヒを抱きしめた

ハルヒ「ちょっと何すんのよ変O!!!!」

あれ?起きてたのか

ハルヒ「そんなにすぐに眠れる訳がないじゃないの!!」

そういうハルヒの顔は真っ赤だ
俺はふふっと笑うと風呂へと向かった
ハルヒは何やらぶつぶつ言っていたが決して嫌な訳ではなさそうだった

58: 2010/01/31(日) 09:54:43.51 ID:RCHnwY6f0
すみませんちょっと席外してました
改変版ってことあって需要ないかな?


 風呂ってのは不思議なものである
あったか~いお湯に浸かりながらのほほんと和んでいるといつの間にか色々考えてしまう
普段お湯なんて溜めることはないのだが、今日はハルヒが溜めておいてくれたらしい
俺は本気で感謝した
こんなに湯船につかることが気持ちいいなんてことを忘れていた
俺の心は今俺の部屋に居るのが本体のハルヒであるというほうに動いていた
古泉もそう思うと言っていたしな

 そして風呂から上がった俺はベッドに潜り込んだ
ハルヒは既に寝ているようであった
色々期待していたのだがそこはハルヒ
やはりキス以上のことをするチャンスは俺にはめぐってこないらしい・・・・・・
ベッドに潜り込み、すぐに強烈な睡魔が俺を襲った
なんせ電話をしながら長時間歩いていたんだからな
疲れないはずがないだろう?
そうして俺はすぐに深い眠りへと落ちていった

59: 2010/01/31(日) 09:56:35.84 ID:RCHnwY6f0
チュン・・・チュンチュン・・・
トントントントントントン・・・・・・ズーッ・・・
「うん、上出来ね!さっすがはあたし!!」
朝俺が目を覚ますとそこにはエプロン姿で朝ご飯を作っているハルヒがいた
普通の男子なら必ず一度は夢見た光景がそこには広がっていた
正直に言おう、とても幸せだ
ハルヒがいるだけでこんなに生活が変わるなんてな

ハルヒ「できたわよ!!」

ああ

おいしそうなご飯がテーブルへと運ばれてくる
テーブルといっても小さなこたつサイズなんだが
今日の朝ご飯はサバの味噌煮、玉ねぎとわかめと油揚げの味噌汁にご飯にひじきの煮物だ
俺はそれらの料理を口に運んだ
ハルヒがなにやら俺をじっと見つめている
そんなに見つめられると食べにくいだろう
しかし・・・・・・うまいな
さすがはハルヒの料理だ
俺は正直な感想を口にした

ハルヒ「当ったり前じゃない!!あたしが作ったんだから当然よ!!」

そういうハルヒの顔は明らかにホッとしていた
そんな姿を見ていると実に微笑ましくなる

61: 2010/01/31(日) 09:59:16.74 ID:RCHnwY6f0
俺は一つハルヒを驚かせてやろうと思った

好きだぞ、ハルヒ

ハルヒ「ぶっ!!」

ハルヒは飲んでいた味噌汁を吹き出し、むせた

ハルヒ「ゴホッゴホ!!な、何言ってんのよ!?どうしたの!?」

どうしたのと聞かれても困る
思ったことを言ってみただけだ

ハルヒ「あんたついに頭がいかれたわね・・・・・・バカなこと言ってないでさっさと食べて出かけるわよ!!」

え?出かける?

ハルヒ「当たり前じゃない、どこかに出かけないとなんにもすることないでしょ!!
    それに来た意味もないし」

ああ、そうか、そうだな
どこに行くんだ?

62: 2010/01/31(日) 10:01:58.86 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「そうねぇ・・・・・・水族館がいいわ!!」

ハルヒはサバの味噌煮を口にしながらそう言った

ハルヒ「決まりね!!水族館に行きましょう!!」

そう言うとサバの味噌煮を一気に口へと運んだ
そしてもの凄いスピードであっという間に残りのご飯をたいらげた

ハルヒ「さっ!行くわよ!!」

ちょっと待てまだ俺は全然食べてn

ハルヒ「あんたが遅いから悪いのよ!!そんなことより早く準備しなさい!!」

まじかよ・・・・・・
そして俺はハルヒの手により半強制的に準備をさせられ、気がついた時には既に家を出ていた

63: 2010/01/31(日) 10:03:54.06 ID:RCHnwY6f0
 ハルヒ「ここね!!着いたわよ!!」
水族館に着くと、ハルヒは走るように窓口へ行ってしまった

ハルヒ「大人1枚とバカ1枚!!」

ちょっと待てハルヒ
ほらみろ、受付の人が困った顔をしてるだろうが
しかし受付の女性は俺の顔を見るとすんなり大人用の入場券を2枚差し出した
おいおいと突っ込みたいところだが俺を「大人」として判断してくれたのだろうと捉えることにした
そうじゃなかったとしたら泣きたい気持ちになる

ハルヒ「やっぱりあんたは誰から見てもバカなのね」

そういうとハルヒは楽しそうに笑った
俺が現在進行形で気にしていることをズバリと言ってきやがる・・・・・・
へいへいもういいよ俺はバカだ


65: 2010/01/31(日) 10:07:02.35 ID:RCHnwY6f0
 初っ端からそんな感じではあったが水族館は中々楽しいものであった
ここの水族館は有名なところらしく、結構な人で賑わっていた
そして俺達はこの水族館の目玉であるイルカショーを見にいっていた
しかしハルヒは眉間にしわを寄せている
どうしたんだ?何か不満か?

ハルヒ「有名だから来てみたものの、別に大したことじゃないわね・・・・・・」

ハルヒ「なんかもっとビームとかだしなさいよビームとか!」

何言ってやがる

ハルヒ「そうだキョン!!あんたが参加したらどう!?」

そういうとハルヒの顔はパッと明るくなった
なんだそれは?
俺にイルカになれってのか?
立派な常識人じゃなかったのか?ハルヒさんよ
できる訳がないだろう?
かといって調教師になるのも無理なんだが

66: 2010/01/31(日) 10:09:50.54 ID:RCHnwY6f0
そういうとハルヒの顔はまた不満そうな顔に戻った

ハルヒ「つまらないわね・・・・・・あんたがイルカになれば面白いと思ったんだけど」

本気で言っていたのか・・・・・・
恐ろしい奴だ
そうこうしている内に時間はあっという間に過ぎて行った
俺は実に満足していた
俺は隙を見てこっそりハルヒにお土産を買っていた
皮肉なことに俺が選んだお土産はイルカのストラップだ
しかもお揃いである
まあいい、俺にイルカになってくれと頼んでくる奴だ
イルカをあげれば喜んでくれるだろう
というか水族館のお土産屋なんてものは正直そんなに大したものではない
これくらいしか気に入るものが置いてなかったのだ

ハルヒとは高校生時代のころ一度だけ水族館に行ったことがあるのだがその時は俺が遅刻したせいでハルヒを怒らせてしまったからな
俺から誘っておいて遅刻だなんて怒るに決まっている
だが今回はなんの問題もなくすんなり楽しめたからよかった
さて、そろそろ帰るか?ハルヒ

気がつくと辺りは夕焼けが広がっていた
そんなに長い時間水族館にいたんだな
俺はもうヘトヘトだ

68: 2010/01/31(日) 10:12:11.34 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「そうね、今日はもう歩き疲れたし、帰りましょう!!」

そうして俺達は帰路に着いた
部屋に着くとハルヒは「ふぅ~」と一息ついてベッドに腰かけた
いやしかし、1人暮らしの部屋にハルヒがやってくるってのもいいもんだな
俺も一息つこうとキッチンでコーヒーを淹れていた
もちろんハルヒの分もだ
ハルヒ、コーヒーできたぞ

ハルヒ「あら、キョンにしては気がきくじゃない」

まあな
そうだ、ハルヒ
「あ、キョン」

俺達は同時に互いの名前を呼んでいた
な、なんだ?
「なによ?」

これまた同時

俺は無言でハルヒの方に「どうぞ」とでも言わんばかりに手を向けた

ハルヒ「じゃあ言わせてもらうわ!!」

ハルヒ「これ、あの水族館のお土産屋にあったんだけど、あんたにお似合いかと思ってね!!」

69: 2010/01/31(日) 10:14:06.45 ID:RCHnwY6f0
そういうとハルヒの手には一つの袋が握られていた
こいつも俺の知らないところでお土産を?
開けていいか?
ハルヒの承諾を得ると俺は袋についているテープをはがした
なんてこったい・・・・・・
そんな言葉使う機会なんてないだろうと思っていたが
俺は現実にそっくりそのまま「なんてこったい」と発声してしまった

ハルヒ「な、何よ!!人があげたものに不満があるわけ!?」

俺はハルヒの目をじっと見つめると
鞄から全く同じ袋を取り出しハルヒに手渡した
開けてみろ

ハルヒはまさか・・・・・・というような顔で袋を開けた
チャラ・・・・・・
ハルヒと俺の手には全く同じイルカのストラップが握られていた
しかもお互い2つずつ・・・・・・

俺はこんなに笑ったことは今までにないんじゃないか、と思うほど笑った
ハルヒもとてもおもしろそうに笑っていた
結局ストラップはお互いが2つずつ貰うことになり、一つは携帯につけてもう一つは鞄につけることにした

70: 2010/01/31(日) 10:15:16.86 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「でもよく考えてみるとあんたと趣味がかぶるなんて・・・・・・」

おいおい失礼だぞ

ハルヒ「まあいいわ!!おもしろかったから」

そうか、それはよかった
するとハルヒはお腹がすいたわね!と言い、冷蔵庫を開けた
何もないはずだが・・・・・・

ハルヒ「あんたが昨日古泉くんと長々と電話をしていた時に買っておいたのよ!!」

実にできる彼女を持ったもんだ
そしてハルヒの手により、あっという間に夜ご飯が完成した
今日はハンバーグにシチューに見事な盛り付けのサラダだ
うむ、これもとてもおいしい
腹が減っていた二人はあっという間に完食し、片付けを始めた
もちろん俺も手伝っている
しかし普段全く料理をしない俺は足を引っ張ってしまったらしい
ハルヒに「キョンはそこに座ってテレビでも見ててちょうだい!!」と言われてしまった
なんで俺は大人しくテレビを見ることにした

71: 2010/01/31(日) 10:17:01.40 ID:RCHnwY6f0
テレビを点けるといつものようにくだらないバラエティー番組をやっていた
どれもこれも同じ番組に見えてしまう
しかし番組ももう終盤のようだった
綺麗な女性タレントが次回もよろしく的なことを遠回しにながながとしゃべっていた
時刻はもうすぐ8時か・・・・・・
俺は夕食の後片付けをしているハルヒの姿を眺めていた
すると突然俺の携帯が鳴った
バイブ機能にしていたせいか、水が流れる音に紛れてハルヒは気づいていないようだ
明日もこんな調子で時間が過ぎればいいな、なんて考えながら俺は携帯のディスプレイを見た

「着信アリ:涼宮ハルヒ」

ここで俺は本当の現実に一気に引き戻された
そうだ・・・・・・
俺はこっちのハルヒとの楽しい時間のせいですっかり忘れていた
大体目の前にハルヒがいるというのにそんなこと考えられないに決まっている
ハルヒと遊んでいるのにハルヒのことを「思い出す」なんておかしな話だろう?
俺は電話に出ないことにした
今ここで電話にでると確実にややこしいことになる
こっちのハルヒはまた仕事場の人だと思うだろう

罪悪感はないといえば嘘になる
俺もそこまで非情な人間ではない
というか正直やっとの思いで電話に出るのを堪えている
なんせ相手はハルヒだ
しばらく俺が唇を噛みしめているとようやく電話が切れた

72: 2010/01/31(日) 10:18:54.51 ID:RCHnwY6f0
それと同時にハルヒも片付けが終了したようだ

ハルヒ「ふぅ~やっと終わったわ!!」

ああ、すまんな

ハルヒ「別にいいわよ、これくらい」

しかし今日は楽しかったな、ハルヒ

ハルヒ「あたしがいるのよ!?楽しくて当然だわ!!」

そういうと俺達はゲームをすることにした
やはりと言うべきかハルヒは恐ろしく手強かった
こいつは本当に何でもできるんだな
結果は言うまでもなく、俺の完敗だ
しかし少し熱中しすぎたようだな
もうすでに深い夜がやってきていた
今日は風呂に入ってそろそろ寝るか?

ハルヒ「そうね、あたしもいい加減目が疲れてきたわ」

そういうとごにょごにょとハルヒは目をこすった
それじゃ、風呂に入ってこい

ハルヒ「ええ、そうさせてもらうわ」

74: 2010/01/31(日) 10:20:31.00 ID:RCHnwY6f0
そしてハルヒは風呂へと向かった
俺はハルヒが風呂に入っている間、ずっと携帯を眺めていた
実家にいるハルヒから電話がくるかもしれないと思っていたからだ
しかしその日、ハルヒから再び電話がかかってくることはなかった
そうしている内に俺は風呂にも入らず眠ってしまったようだ

 次の日
目が覚めると既にハルヒが朝ご飯の準備を始めていた

ハルヒ「あら、起きたのね。キョン!!あんたさっさとお風呂に入らないと臭いわよ!!」

ハルヒ「今、朝ご飯の準備中だから今のうちに入っちゃいなさい!!」

ハルヒは立派な母親になれそうだな・・・・・・
そうして俺は自分の臭いを気にしながら風呂へ入ることにした

86: 2010/01/31(日) 11:01:23.21 ID:RCHnwY6f0
 ふぅ~さっぱりした
風呂から上がるとテーブルの上にはすでに朝ご飯が並んでいた
今日も素晴らしいメニューが俺を迎えてくれる
いやしかしあったかいご飯を食べることができるのは本当に幸せだな
1人暮らしともなると朝ご飯なんて食べない日の方が圧倒的に多い
俺は昨日と同じようにハルヒに感想を述べ、無事に朝ご飯を食べ終えた
ああこんな幸せが永遠に続けばいいのに・・・・・・
しかしもう10時か・・・・・・
結構寝ちまったようだな
ハルヒ、今日はどこに行くんだ?
なんてことを聞こうとした矢先
突然俺の携帯が鳴った

幸いなことにハルヒは朝ご飯の片付けをしていて、また電話には気づいていないようだ
携帯のディスプレイを覗き込む
・・・・・・長門?

88: 2010/01/31(日) 11:03:59.57 ID:RCHnwY6f0
もしもし?どうした?

長門「もう少しであなたの家にもう一人の涼宮ハルヒがやってくる
   急いで家をでて」

は?

すると洗い物をしていたハルヒが俺の方を見ていた

ハルヒ「ちょっと!!その電話の相手は誰!?
    まさか昨日の仕事場の人じゃないでしょうねぇ!?」

そういうとハルヒはズカズカと俺に近寄り、俺の手から携帯をふんだくった

ハルヒ「もしもし!!あんた誰なの!?」

上司「あ、いや~・・・・・・、キョン君の仕事場の上司の○○なのだが
急に仕事が入ってしまってね
   忙しいので今からでてこられないかと聞こうとしていたところなんだが・・・・・・
   こりゃかける携帯を間違えたかな?」

90: 2010/01/31(日) 11:06:10.62 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「へ!?あ、あぁ!キョンね!!ちょっと待ってなさい!!」

なんだ?
どうなってんだ?

ハルヒ「あんたの仕事場の上司からよ!!」

お、おう・・・・・・
そういうと俺は携帯を受け取った
ハルヒはどうやら朝ご飯の片付けに戻ったようだ

もしもし

長門「私が上司の声を使ってあなたに今から仕事に出てこられないかという用件で電話をかけたことにしておいた
   これで家を出るのを涼宮ハルヒが許してくれるはず
   今は涼宮ハルヒ同士が対面してしまうことは避けた方がいい
   だからあなたは早くその家を出て」

対面を避けろったって・・・・・・
それならどうやって本体のハルヒともう一人のハルヒに質問してどちらが本体か見抜けばいいんだ?
別々に質問するって手もあるが・・・・・・

91: 2010/01/31(日) 11:07:45.36 ID:RCHnwY6f0
長門「それは推奨しない」

なんでだ?

長門「元々は全く同じ個体として存在する者同士、いつ意識の共有が発生してもおかしくはない」

長門「そうなるとあなたが望むような答えは期待できなくなる」

長門「2人とも、同じタイミングで質問をするのが望ましい」

今じゃダメなのか?

長門「今回は突然の訪問でこちらも準備ができていない
   涼宮ハルヒの情報操作によってこちらに訪れてくることが直前まで感知できなかった
   あなたに来ることがばれたくないということを涼宮ハルヒが強く願ったため」

確かに突然の訪問じゃないと意味はないが・・・・・・

92: 2010/01/31(日) 11:11:01.39 ID:RCHnwY6f0
長門「あなたは涼宮ハルヒとそのまま出かけて時間を潰して」

長門「そしてある程度時間が経過したら涼宮ハルヒをあなたの部屋に連れ込んできて欲しい」

長門「それまでに準備は完了させておく」


そういうと急かすように電話が切れた
色々と言われたがさすが長門だな・・・・・・
うまくハルヒを誤魔化した上に俺が家をでる口実まで作っちまうなんて
しかもとっさに、だ
さすがのハルヒも仕事場まではついてくることはしないだろう
こりゃ宇宙的能力が無くなったのに超有名大学に入学することができたのにも納得できる
そういうことだ、ハルヒ
すまんが俺は行かなきゃならん
お前、1人で大丈夫か?

ハルヒ「当ったり前じゃない!!」

おや?
ハルヒのことだから「まさか本気であたしを置いて仕事に行く訳じゃないでしょうねぇ!?」なんて言ってくるものだと思っていたんだが

93: 2010/01/31(日) 11:13:58.97 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「あんたねぇ・・・・・・あたしだってもう大人なのよ?あたしのために上司の頼みを断って仕事に行かないのがどれほどのことなのかくらい分かるわよ
    それにキョンには将来のためにも仕事がんばってもらわないとね!!
    あんたこんなにいい彼女これから一生できないわよ!?」

ああ、本当にその通りだ
すまんな
それじゃ、行ってくる

ハルヒ「十分に功績を残してきなさい!!」

ああ、がんばるよ
じゃあな

キィー!
そうして俺は家をでると同時に駈け出した
ハルヒと会うのならなるべくこの場所から遠い場所の方がいいからな
おそらく昨日電話を無視したせいだろう・・・・・・
ハルヒは余計に不安を募らせてしまったのか
まあ片道2時間程度の場所に休日にやってくるなんてハルヒの行動力からしたら屁みたいなもんだ
しかしハルヒの実家はどうなっているのだろうか
お前は親に心配されるし俺の浮気を見たくないしで実家に残ったんじゃないのか?
もう一人のハルヒよ

94: 2010/01/31(日) 11:15:51.12 ID:RCHnwY6f0
日帰りなら心配されないし大丈夫ってか?
それともそんなこと考える余裕もないくらい俺が浮気してると思いこんじまってるってことか?
まあ一番まずいのは実家にいたハルヒがこちらへやってくることによってお留守番用ハルヒがまた1人増えてしまうことなんだが
それはおこっていないことを願うしかない
ハルヒを3人も相手にできるやつなんて3人に増えた長門くらいだ

俺はエレベーターに乗りマンションをでた
その瞬間誰かとぶつかった

「痛いわね!!何すんのよ!!・・・・・・てあれ?キョン?」

間一髪とはこのことだろう
まさかもうマンションの前まで来ていたとはな
後で長門に感謝の電話をしておかなければならないな

「って、え!?ハルヒじゃねぇか!?」
ここは一芝居打っておく必要がある
俺はこいつが来ることを知らないはずなんだからな

95: 2010/01/31(日) 11:18:21.81 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「キョン!!来たわよ!!」

なんか2日前にも似たような光景に出くわしたな
100%デジャブではないだろう
なんせそいつは今俺の部屋でのんびり過ごしているんだからな

お、おうハルヒ!
ちょっとそこらへん散歩しないか?

ハルヒ「なによ・・・・・・随分すんなり受け入れるわね・・・・・・」

まずい
明らかに怪しまれている
こういう時に古泉がいれば・・・・・・

い、いや~
昨日の夜からなんかお前が来るような気がしていたからな

ハルヒ「え?なんで?」

ほら、俺この間電話でおかしなこと言っちゃっただろ?
それで俺が浮気してるんじゃないかとハルヒが心配して訪れるような気がしてたんだ

ハルヒ「ぐっ・・・・・・キョンにしては中々鋭いわね」

やっぱりか
しかし安心しろハルヒ
俺は浮気なんてものは絶対にしてないぞ

96: 2010/01/31(日) 11:21:02.83 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「浮気している男に限ってそういうのよ」

そこで俺はハルヒの肩をガシっと掴んだ

ハルヒ「ちょ!!何すんのよ!!」

いいか、ハルヒ
俺は断じて浮気なんてものはしていない
お前と言う存在を差し置いて俺が浮気なんてすると思うか?
お前には俺が信じられないのか?
俺のこの目が嘘をついているように見えるか?

ハルヒ「見えるわ!!」

おいちょっと待て
俺の真剣な眼差しを返してくれ

ハルヒ「・・・・・・まぁ今のところはとりあえず保留にしといてあげるわ」

少なからず先ほどの俺の行動に効果があったのだろうか
まあ何一つ嘘は言っていない訳だし、大丈夫だろう

97: 2010/01/31(日) 11:23:52.28 ID:RCHnwY6f0
よし、ハルヒ!
どこに行く?

ハルヒ「そうねぇ・・・・・・キョンの部屋が見てみたいわね」

なんだなんだ?
お前らしくない
せっかく来たんだぞ?
遊園地とかそういうところに行こうじゃないか!

ハルヒ「なんかテンションがおかしいわよあんた・・・・・・」

そうか?
俺はいたって普通だぞ!
よし、決まりだ!!
遊園地に行こう!
そういうと俺はハルヒの手をとり半ば強制的に連れ出した

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!!」

今このハルヒに部屋に来られるのが一番まずい
ここは少しくらい怪しまれるのは仕方がない
長門曰く、もう一人のハルヒとの対面は今は避けなければいけないからな

107: 2010/01/31(日) 12:00:55.61 ID:RCHnwY6f0
~30分後~
 着いた!!

ハルヒ「いい加減手離しなさいよバカキョン!!痛いわよ!!」

あ、すまんすまん
そういうと俺はハルヒの手を離した
こいつを連れてくるのに夢中でずっと手を握ってしまっていたようだ

ハルヒ「全く・・・・・・勝手に連れてこられたもんだから荷物も持ったままよ・・・・・・」

それはコインロッカーに預ければ済む話だろう?
それより早く入場しようぜ

入ってしまえばこっちのもんだ
とりあえず夕方くらいまでここで時間を潰してもう一人とのハルヒとの接触を防ごう

ハルヒ「まあ、そうね・・・・・・せっかく来たんだし楽しむことにするわ!!」

そうして俺達は遊園地へと入園した
ハルヒ、まずはどれに乗りたい?

ハルヒ「そうね、あれなんてどうかしら!!」

ハルヒはどこかを指さしていた
その指の先にはあろうことかジェットコースターが走っていた
おいおい初っ端からそれかよ・・・・・・
しかもここのジェットコースターは恐ろしいことで有名らしい

108: 2010/01/31(日) 12:04:28.68 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「ぐずぐず言ってないでさっさと行くわよ!!」

そういうと今度はハルヒが俺の手首を掴み、強制的に乗り場へと連れて行った
やれやれ・・・・・・

ハルヒ「やっと順番ね!!乗るわよ!!」

よりによって一番前かよ・・・・・・
ついてない

カタカタカタカタカタカタ・・・・・・
そんな音を響かせながらジェットコースターはどんどん上へ上へとのぼっていく
俺の横にいるそいつは上にいけばいくほど顔を輝かせていった
「ワクワク」とはこういう顔のことを言うんだろうな

ップシュー!

ハルヒ「最っ高!!スリル満点だったわ!!」

ああ・・・・・・最高だったよ・・・・・・
俺の胃袋は朝ご飯を食べたばかりということもあり、存分に暴れまわった
そのせいで気分が悪くなってしまった
最初からジェットコースターに乗るからだ

109: 2010/01/31(日) 12:07:54.73 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ「次はあれに乗るわよ!!」

おいおいもう次に行くのかよ
ちょっとペースが早すぎやしないか?

ハルヒ「何言ってんのよ!せっかく来たんだし全部に乗らないと勿体ないでしょ!!」

おいそれ本気で言ってるのか?
全部なんて乗ってたら夕方どころか夜になっちまう

ハルヒ「いいから早く来なさい!!」

そして俺達は午前中だけで3つのアトラクションを制覇した
この遊園地には全部で12のアトラクションが存在するらしい・・・・・
まだまだ道は遠いな・・・・・・

飯はどうするんだ?

ハルヒ「そうね!!あそこで食べましょう!!」

そういうと俺達は遊園地内にあるハンバーガー屋へと入った
やれやれ・・・・・・やっと落ち着いて休憩できそうだ

110: 2010/01/31(日) 12:11:33.68 ID:RCHnwY6f0
そして二人でハンバーガーを頬張っているとハルヒが話しかけてきた

ハルヒ「ねぇ、キョン」

ん?なんだ?

ハルヒ「あんたと二人きりで遊園地にくるのって初めてじゃない?」

ああ、そういえばそうかもな
楽しいか?

ハルヒ「た、楽しいわよ!!そりゃキョンと一緒なんだから!!」

何自分で言って自分で赤くなってやがる
しかしなんだかんだでやっぱりハルヒはかわいいな
少しからかってみるか

俺もお前と遊園地に来られて嬉しいぞ、ハルヒ

ハルヒ「当然よ!!嬉しくなかったら氏刑にしてるところだわ!!」

112: 2010/01/31(日) 12:14:28.52 ID:RCHnwY6f0
ワンピースも似合ってる
今日のためにわざわざおしゃれしてくれたのか?

ハルヒ「そ、そんなことないわよ!!」

そういうハルヒの顔はまるでトマトのようだった
赤くなりながら髪をいじっている

かわいいな

ハルヒ「バカキョン!!!」

どうやら声に出てしまっていたらしい
店内に響き渡るような声で真っ赤なハルヒがそう叫んでいた
そのせいで店中の注目を浴びてしまった俺達はそそくさと店を出ることにした

ハルヒ「全く!!あんたのせいでハンバーガーを完食し損ねたわ!!」

お前が叫ぶからだろう

114: 2010/01/31(日) 12:18:06.59 ID:RCHnwY6f0
それにまだ顔が赤いぞハルヒ、熱でもあるのか?
そうして俺は額と額をくっつけた

ハルヒ「ちょ!っわ!!」

するとハルヒは俺を手で慌てて突き放し1人で先に行ってしまった
俺は慌てて追いかける
おい、ハルヒ、ちょっと待てよ
おいてかないでくれ

ハルヒ「う、うっさいわね!!////」

すまなかった、ちょっとからかいすぎたよ
しかしこうも素直に反応してくれるとは思わなかった
色々とやってみるもんだな
それから少し不機嫌と見せかけてどこか上機嫌なハルヒと残りのアトラクションに挑むことにした
全てのアトラクションを制覇した後には、既に時刻は夜の7時をまわっていた
さすがにそろそろ帰らなければまずいだろう
あっちのハルヒが心配する

ハルヒ、もう全部のアトラクションも制覇したことだし、帰るか?

ハルヒ「そうね!!あたしもそろそろ疲れたわ!」

115: 2010/01/31(日) 12:21:36.13 ID:RCHnwY6f0
長門はこのハルヒも俺の部屋につれてこいと言っていたよな?
というかいきなり大丈夫なのか?
お互いのハルヒが顔を合わせちまうと
いくら意識の共有がないとしてもお互いの答えが聞こえる訳だから誤魔化しなんていくらでもきく気がするんだが・・・・・・
まああの長門だ
何かいい手をうってくれているだろう

そして俺達は帰り、疲れていることもあってタクシーで帰ることにした
料金はもちろん俺が支払うことになるだろう
タクシーの車内ではハルヒが俺の住まいについて色々と質問をしてきたのでそれに答えていた
しかしこいつの発想力は凄いな
隣に美人教師はいるのか、とかそういった謎の質問ばかりしてきやがった

118: 2010/01/31(日) 12:24:29.64 ID:RCHnwY6f0
キッ!
そうこう話している内に到着したようだ
俺が金を払い終わる前にハルヒのやつはもうマンションへ歩き出していた
おい、ちょっと待てハルヒ!!
勝手に先に行かないでくれ!!
しかしそんな俺にかまわずハルヒはどんどん先に行ってしまっていた
俺は慌てて追いかける
おい、ハルヒ!!
俺は走ってハルヒを追いかけていた
しかし一体あいつはどんなスピードで歩いてやがるんだ?
恐ろしく速いな・・・・・・
そうこうしているうちにエレベーターまで辿りついた
幸いなことにハルヒもそこにいた

ハルヒ「何よ?随分と焦ってるわね?」

お前が先に行くからだろう?
そこでエレベーターが到着し、俺達は乗り込んだ

ハルヒ「何かあたしに見られるとまずいものでも部屋にあるのかしら?」

そういう訳ではないんだが・・・・・・

ハルヒ「怪しいわね!!」

そして俺の部屋がある階へ辿りつくや否や、ハルヒはまたすごいスピードで歩き出した

119: 2010/01/31(日) 12:27:40.76 ID:RCHnwY6f0
ちょっと待てよ!!
俺はまた走り出す
しかしハルヒはもう俺の部屋のドアノブに手をかけていた
キィー!
ハルヒが部屋へ入って行く
その瞬間俺も入口に辿りついた

ハルヒ「何があるか調べさせてもらうわ!!」
ハルヒ「あらキョン!!おかえりなさい!!ご飯の準備できてるわよ!!」

2人のハルヒが玄関に立つ俺に向かってそう言った
非常に異様な光景である
すると俺の携帯が鳴った
メールを受信したようだ
それと同時に2人のハルヒが俺の方を睨む
俺は恐る恐る携帯のディスプレイを見る
そこには古泉の名前があった
俺は安心して2人にその画面を見せた
すると2人のハルヒも理解したのか

ハルヒ1「なにかあるはずよ!」
ハルヒ2「準備するから座って待っときなさい!」

といいそれぞれが動き始めた
俺は携帯の画面を覗き込む

121: 2010/01/31(日) 12:31:01.59 ID:RCHnwY6f0
From:古泉一樹
件名:
本文:
長門さんの情報操作により涼宮さんは
一旦それぞれを感知できない様にしてお
いたとのことです。
以下は長門さんからの伝言です。
どちらが本体か確認するのには今が最適
。お互いの姿が見えないからお互いの質
問に対する答えも知ることができない。
つまり誤魔化しは不可能。
あなたは今日中に二人の記憶に関する
質問を投げかけてみるべき
もし答えがわかったら電話をかけて
それと同時に情報操作を解除する

そういうことだったのか・・・・・・
よかった、さすが長門だ
古泉にも礼を言っておかないとな
俺はメールに「ありがとう、任せろ」とだけ打ちこみ、返信しておいた
やると決まったらすぐの方がいいだろう
そして俺は二人のハルヒに話しかけた
なあハルヒ

ハルヒ1,2「なによ?」

127: 2010/01/31(日) 13:01:35.58 ID:RCHnwY6f0
夏休み皆でお祭りに行ったことを憶えてるか?

ハルヒ1(最初からいたハルヒ)「憶えてるに決まってるじゃない!!」
ハルヒ2(実家ハルヒ)「憶えてるわよ!!SOS団で花火をしたあの日でしょ!!」

どちらも憶えているようだ・・・・・・
それなら、お前がSOS団を作ったキッカケはなんだ!?

ハルヒ1「急にどうしたの?」
ハルヒ2「何よ急に?」

いいから答えてくれ
というかこいつら本当に同一人物だな
返答パターンやタイミング、動きまでほぼ一緒だ・・・・・・

で、憶えているか?

2人のハルヒ「キョンの話を聞いて自分で作ればいいって思ったからよ」

うむ・・・・・・
じゃ、じゃあ俺とキスをしたことは!?
あの閉鎖空間でのことだ
ハルヒなら憶えておいてくれるだろう

130: 2010/01/31(日) 13:07:03.06 ID:RCHnwY6f0
すると二人はほぼ同時にこの質問に答えた
ハルヒ1「憶えてるに決まってるじゃない!!」
ハルヒ2「あ、あんたとキスなんてしたことないわよ・・・・・・」

なんだと?
その時点で俺の中で答えはハッキリと決まった
まさかこうも簡単に分かるとはな
そして俺はその場で長門に電話をかけた

ハルヒ1,2「ちょ、ちょっと何してんの!?キョン!?」

長門「何」

長門、もういい

長門「・・・・・・了解した」

プツッ・・・・・・

その瞬間ハルヒは隣に突然現れた自分の姿を見て驚愕の表情を浮かべていた

ハルヒ1「ちょ、ちょっと!!どういうことなの!?」
ハルヒ2「なんであたしがここにいるの!?」

ハルヒ、驚くのは当然だろう
少し落ち着いて俺の話を聞いてくれ

ハルヒ1,2「落ち着けったって・・・・・・!!」

132: 2010/01/31(日) 13:13:31.32 ID:RCHnwY6f0
お前が俺の浮気相手だと思っていたやつはお前自身なんだ
これはどう説明したらいいのか分からないがそこにいるお前のどちらかが偽物なんだ

ハルヒ1,2「何言ってn」

いいから黙って聞いてくれ
急に理解しろと言われても無理なのは分かる
しかし現実に起こっていることなのだから仕方がない
俺には受け入れてくれとしか言えない
俺はお前らのどっちが偽物なのかを判断しなければならない
そのためにさっきの質問をした
そして俺にはどちらが偽物のハルヒなのか分かった

ハルヒ1,2「ど、どっちなの!?」

二人のハルヒが俺の顔を見つめる

135: 2010/01/31(日) 13:17:11.05 ID:RCHnwY6f0
そして俺は、最初に俺の家へやってきたハルヒの手をとった

お前が本物だ

ハルヒ2「ちょっと何言ってんのキョン!?全然意味がわからないわ!!あたしが偽物!?あんたどうしたの!?」

すまんな
お前は偽物なんだ
理解できないと思うが、それでいい
すまんがこの部屋から出て行ってくれ

ハルヒ2「そ、そんな・・・・・・!急に・・・・・・」

ハルヒ1「なんかよくわからないけどあたしの偽物なんていい迷惑だわ!!どうやったか知らないけどあんた似すぎなのよ!!一体なんのためにわざわざあたしに変装したの!?」

ハルヒ2「変装なんてしてないわ!!本当にどういうことなの!?
     あたしが偽物なんてことはありえないわ!!なんなのよこれ!!!」

ハルヒ1「あたしが偽物なんてのもありえないわ!!というかあたしは紛れもなく本物なんだからあなたが偽物に決まっているのよ!!」

ハルヒ2「説明してちょうだい!!!」

136: 2010/01/31(日) 13:23:36.85 ID:RCHnwY6f0
その必要はない
すまんが本当に出て行ってくれないか?
俺は・・・・・・この俺、ジョージ・スミスは今から本当の涼宮ハルヒと一生楽しい時間を過ごすんでな

ハルヒ1「そうよ!!だから早く出て行ってちょうだい!!」

ハルヒ2「・・・・・・え?」

・・・・・・・・・・・・やっぱりか
そう呟くと俺はもう一人のハルヒの腕を掴むとこちらに引き寄せた

ハルヒ1「ちょ!なにしてんのよあんた!!どういうことなの!?」

お前が偽物だ
すまんが出て行ってくれ

ハルヒ2「キョン・・・・・・!?」

ハルヒ1「意味がわからないわ!!さっきはあたしを本物だっt」

俺は「ジョン・スミス」だ

140: 2010/01/31(日) 13:28:45.34 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ1「・・・・・・え?」

今まで黙っていてすまんな

ハルヒ1「よ、よく聞こえなかったのよ!!ジョン・スミスでしょ!!知ってるに決まってるじゃない!!七夕の時の・・・・・・!!ってあれやっぱりキョンだったの!?」

もう遅い
お前は俺のジョージ・スミスという罠に上手くひっかかった訳だ

ハルヒ1「そんな・・・・・・!!じゃ、じゃあなんであたしが本物だなんて言ったのよ!!」

お前を油断させるためだ
お前とキスをしたのは夢の中
つまりこっちのハルヒが答えた「あんたとキスはしていない」という答えの方が正解だ
それにあの夢はとても現実に近かった
こっちのハルヒが曖昧な感じで答えたのもより俺に確信を持たせた
お前はハッキリと「覚えている」と言ったな?

ハルヒ1「でもあたしが本物なの!!お願い信じて!キョン!!」

すまんな、ハルヒ
この部屋からでていってくれ

141: 2010/01/31(日) 13:33:28.22 ID:RCHnwY6f0
ハルヒ1「そんな・・・・・・」

ハルヒ2「ありがとう、キョン」

いやいや、気にすんな
俺がお前を見分けられなくてどうする

ハルヒ2「さっすがキョンね!!」

そんな俺達を見てもう一人のハルヒは勢いよく部屋を出て行ってしまった
これでもう一人のハルヒは消えてくれたはずだ
俺はこっちのハルヒが本体だという確信を持っている

ハルヒ

ハルヒ「何?」

もう解決したんだし、気分転換に明日どこかにでかけるのもいいだろう
俺はハルヒと出かけることにした
こちらのハルヒとはまだそこまで遊んでないんでな

143: 2010/01/31(日) 13:38:15.04 ID:RCHnwY6f0
どこに行きたい?

ハルヒ「そうね・・・・・・一度キョンと水族館に行ってみたかったのよ!!行きましょう!!」

やれやれ・・・・・・やっぱりどっちも同じハルヒなんだな
選ぶのも同じ水族館って訳か
・・・・・・って・・・・・・え?
今なんて言った・・・・・・?

ハルヒ「キョンと水族館に行きたいっていったのよ、行ったことないでしょ?
    どこか変かしら?」

なんだって・・・・・・?
ハルヒ・・・・・・?
高校生の頃行ったじゃないか・・・・・・
俺が遅刻して、お前が一日中不機嫌だったときだよ、憶えてないのか・・・・・・?
その瞬間俺の目の前にいるハルヒの姿が消えた
・・・・・・!?
なんだと!?
俺は間違ってたのか!?
そ、そんなはずは・・・・・・
まさかハルヒが言った「キスなんてしていない」ってのは本当に憶えていなかっただけだったのか!?
ジョージ・スミスも俺の名前を「キョン」としてしか認識できていなかった!?
だから俺に聞き返したのか!?
俺は・・・・・・俺は・・・・・・

145: 2010/01/31(日) 13:42:59.79 ID:RCHnwY6f0
俺は自分を激しく責めた
ハルヒを見抜くことができなかった
俺は何をしてるんだ・・・・・・
予想されていた最悪の事態が現実のものとなってしまった
俺はハルヒを失ってしまったのだ
それだけじゃない
俺はおそらくハルヒを深く傷つけただろう
ハルヒが力を取り戻してしまっている今、この世界に何が起こるのかも想像がつかない
もう・・・・・・終わりだ・・・・・・
どうすればいいんだ・・・・・・
すまん・・・・・・ハルヒ・・・・・・
すまん・・・・・・皆・・・・・・
すると、俺の携帯が光りだした
電話・・・・・・?
朝比奈さん・・・・・・?

もしもし・・・・・・

みくる「キョンくん、後はわたしに任せてください!」

え?
そういうと突然電話が切れた
なんだ?任せる?
どういうことだ?

149: 2010/01/31(日) 13:49:54.27 ID:RCHnwY6f0
するとまた俺の携帯が鳴った

長門「創りだされた涼宮ハルヒは消滅した」

ああ、分かってる・・・・・・俺が・・・・・・俺の所為だ

長門「本体である涼宮ハルヒがもうあなたには会いたくないと願った。
それと同時に彼女の中であなたが浮気しているかもしれないという問題が消滅
それによりもう一人の涼宮ハルヒの存在も消えた」

ああ・・・・・・もう俺になんか会いたくないよな
俺は最低な野郎だ

長門「まだ手は残されている、安心して」

ほ、本当か!?

長門「本当」

長門「あなたと涼宮ハルヒが遠距離恋愛となった原因が調べて行くうちに大体分かった
完全に理解はできていないけどもうその可能性にかけるしかない
後は朝比奈みくると過去のあなたを信じて」

・・・・・・・・・・・・わかった

150: 2010/01/31(日) 13:54:05.61 ID:RCHnwY6f0
ピッ・・・・・・
電話を切ると、わたしは決意した
これはキョンくん・・・・・・いや、未来のため
任せて、わたしがなんとかしてみせる
過去のキョンくん、手を貸してね
そしてわたしは過去に時間移動した

ふぅ・・・・・・
よし、ちゃんと学校に着いてる
まずやっておかないといけないことは・・・・・・
わたしは普段から常備している便箋に筆を走らせ、
『今夜6時にいつもの公園で待ってます、朝比奈みくる』
とだけ書き、キョンくんの下駄箱にそれを忍ばせた
後は公園に行って待っておこう

しばらく待っていると、キョンくんがやってきた

キョン「お待たせしました、朝比奈さん」

お久しぶりです

152: 2010/01/31(日) 13:59:58.30 ID:RCHnwY6f0
キョン「はい、それよりどうしたんですか?また時間移動するんですか?」

キョン「とくに問題は起こってないはずですが・・・・・・?」

今回はこちらの時間平面で起こってることじゃないの
でもあなたにしか解決出来ないことなの

キョン「何が起こってるんですか?」

このまま時間が経過していくとキョンくんは涼宮さんと付き合うことになるんです

キョン「なんだって!?」

驚くのも無理はないです
今回ばかりは禁則事項などとは言ってられません
正直に言わせてもらうと、今未来が危機に陥っています

キョン「未来が危機に!?ど、どれくらい危険な状態なんですか?」

そうですね、下手したら消滅の危機です

キョン「それは大変なことに・・・・・・」

153: 2010/01/31(日) 14:03:53.66 ID:RCHnwY6f0
キョン「それで、俺は何をすれば?」

ふふっ
キョンくんはやっぱりキョンくんですね
協力してくれて、ありがとうございます

キョン「当たり前じゃないですか、俺がやらないと誰もできないことなんでしょう?」

そうですね
・・・・・・キョンくん
今回の件で、キョンくんの未来も大きく変わってしまうかもしれません

キョン「朝比奈さんがいた未来では俺はどんな生活をしているんです?」

キョンくんは涼宮さんと付き合うことになりましたが
遠距離恋愛をしています

キョン「遠距離恋愛?」

はい
キョンくんは地元を離れて小さな会社に就職することになっているんです
そしてその未来を変えるためにわたしがやってきました

キョン「どうやって変えるんですか?」

156: 2010/01/31(日) 14:08:29.41 ID:RCHnwY6f0
キョンくん、思い出してください
この間、涼宮さんと水族館に行きましたよね?

キョン「え、ええ・・・・・・ただ俺が遅刻してハルヒの機嫌を損ねてしまったせいで、楽しいと言えるものではなかったんですが・・・・・・」

わかってます
でも本当にそれだけで涼宮さんの機嫌が一日中悪くなると思いますか?

キョン「へ?」

不思議探索に出かけた時も、遅刻の所為で一日中機嫌が悪いなんてことは今までありましたか?
キョンくん、何かほかに涼宮さんにひどいことを言ったんじゃないでしょうか?

ひどい話・・・・・・?
俺が・・・・・・?
あの時話したことと言えば、進路のことくらいしか・・・・・・

みくる「それです!どんな話をしましたか!?」

どんな話と言われても
ハルヒが突然俺に進路はどうする気なのかと聞いてきて・・・・・・

159: 2010/01/31(日) 14:13:51.15 ID:RCHnwY6f0
みくる「それで!?」

その時はまだ何も考えていなかったので
適当にそのへんの会社に就職できたらそれでいい、と・・・・・・

みくる「それだけですか?」

は、はい・・・・・・
それだけですけど、何かまずかったですか?

みくる「それ以前に進路の話はしませんでしたか!?」

え~・・・・・・

みくる「涼宮さんと部室で二人きりの時とか!」

あ~、なんかあったような気もします
確かハルヒが「あたしはここの大学に行くことに決めたの!!キョンもどう!?」
とかなんとか言ってきて・・・・・・

みくる「な、なんて答えたんです!?」

162: 2010/01/31(日) 14:18:50.74 ID:RCHnwY6f0
俺はいつものただの冗談だと思ったんで
「なんでまた俺が大学に行ってまでお前のお守をせにゃならんのだ」てきなことを・・・・・・
まずかったですかね?

みくる「も~キョンくん!!」

はいぃ!?

みくる「キョンくんは・・・・・・!!ま、まぁこんなところでキョンくんを責めてもなんの意味もないです・・・・・・」

そ、そうですか・・・・・・なんか、すいません

みくる「とにかくその時です!!
そこでキョンくんが涼宮さんと同じ大学に通いたいと心の底から伝えることができればなんとかなるはずです!!」

そうですか・・・・・・
しかし、なんで今の時間平面の俺なんです?
その危機的状況に立たされている俺の方が適任な気がするんですが

165: 2010/01/31(日) 14:21:44.03 ID:RCHnwY6f0
みくる「長門さんの言葉を借りると
『あなたの浮気を自分以外に知られたくないということを無意識的に願うことにより涼宮ハルヒは未来の情報アクセスに対して制御をかけた』
と同じようなことで、とにかくこの件に関する情報はとても得ることが難しかったんです」

あの長門でも難しいことなんですか?

みくる「そうです・・・・・・
    しかしかろうじてこの時間平面のキョンくんなら可能性があるというとこまで分かったんです
    正直言ってキョンくんがその進路の話を憶えているかどうかが最大の鍵でした。」

そうですか
しかし大変なことになっているんだな
となると今俺に出来ることは過去の俺を直接的に関わらない形でどうにか説得してハルヒと同じ大学に行くようにしむける
ということか
まあそれは谷口や国木田に「俺はハルヒと同じ大学に行く」とか言いふらせばなんとかなりそうだな・・・・・・
朝比奈さん、それでは早速時間移動しましょう

みくる「はい!」

166: 2010/01/31(日) 14:28:30.15 ID:RCHnwY6f0
そうして俺は時間移動をした
しかしこの時間移動ってのはいつまでたっても慣れないものがある
気分が悪い・・・・・・

みくる「あれ??」

どうしたんですか?
到着しましたよ?

みくる「その、その・・・・・・」

何があったんです?

みくる「ここはどうやら、キョンくんと涼宮さんが水族館へ行った日のようです・・・・・・」

え!?

みくる「なんででしょう・・・・・・正解はこっちってことなんでしょうか?」

よく見渡してみるとそこは部室でも学校でもなく不思議探索のときのお決まりの集合場所である駅前の広場がよく見える場所だった

167: 2010/01/31(日) 14:32:20.74 ID:RCHnwY6f0
するとその駅前広場に見慣れた姿があるのを発見した
ハルヒだ
とても不機嫌そうな顔をしている
そうか、俺はこの日遅刻しているんだったな
まずしなければならないこと・・・・・
朝比奈さん!!

みくる「はいぃ!?」

とりあえず俺を待ち伏せしましょう!!

みくる「え?でも・・・・・・」

ん?
どうしたんですか?

みくる「キョンくんなら、あそこにいますけど・・・・・・」

何?
俺が恐る恐る広場の方に目をやるとそこには既に俺がハルヒに怒られている姿があった
なんてことだ
一番のチャンスを既に逃してしまったってことか・・・・・・
とりあえず俺達が向かう場所は決まってるんだ
朝比奈さん、俺達を追いかけて水族館へ行きましょう

みくる「わかりました!」

168: 2010/01/31(日) 14:36:09.90 ID:RCHnwY6f0
俺と朝比奈さんは過去の俺達に姿を見られないよう厳重に注意しながら後をつけた
そしてやっとのことで水族館へ到着した
ここなら照明も暗いしバレる危険性も低いだろう
しかし確かによく見てみるとハルヒは今の時点ではそこまで不機嫌ではないな
俺はいつハルヒと進路の話をしたんだっけか・・・・・・?
今俺とハルヒは微妙な空気の中でもしっかりと2人並んで歩いている
これじゃいつ進路の話をしてもおかしくはない
やるなら早い方がいいだろう

みくる「こうやってキョンくんと二人で歩くのも久しぶりですね」

あ、ああ
確かにそうですね
そうだ、よく考えてみると俺は今朝比奈さんと二人で水族館に来ているんだ
これはデートってやt・・・・・・いや、そんなこと言ってられる訳がないだろう

みくる「そ、そうですね!すいません、つい・・・・・・」

いえ、いいですよ
また別の機会に行きましょう

みくる「え?あっ、ふ、ふぁいぃ!」

きょどりすぎですよ、朝比奈さん

169: 2010/01/31(日) 14:39:10.13 ID:RCHnwY6f0
それより朝比奈さん
過去の俺を引き留めていただけませんか?

みくる「ど、どうしてでしょう?」

一回過去の俺とこの俺が入れ替わります
その間に朝比奈さんは諸々の事情を過去の俺に伝えておいていただけませんか?
俺はハルヒと時間稼ぎをしておくので
この俺なら進路の話を持ち出されてもなんだかんだやりすごすことができるでしょうが
過去の俺では「どこか適当な会社に・・・・・・」なんて言ってしまいますから
そして俺とハルヒを監視しておいてください
俺がどうにかして一度ハルヒと距離を置くのでその隙にまた事情を知った俺と過去の俺が入れ替われば大丈夫なはずです

みくる「すごいですね、キョンくん・・・・・・わかりました!任せてください」

はい、では一旦俺は隠れておきますね
過去の俺とこの俺が顔を合わせる訳にもいきませんから

みくる「はい」

172: 2010/01/31(日) 14:43:16.61 ID:RCHnwY6f0
よし、キョンくんは隠れられましたね・・・・・・
わたしがキョンくんを引き留める
でもどうすればいいんだろう
今のまま引きとめたら涼宮さんに見つかってしまう
そうだ・・・・・・不思議が大好きな涼宮さんなら・・・・・・
そしてわたしは涼宮さん達に聞こえるような声でしゃべった
もちろん声色は変えてますよ

「わ~、何この魚!!見てみて!!すっごい不思議!!」

そしてわたしは素早く隠れた
あ、涼宮さんがこっち側を見ていますね
来ました!!
涼宮さんって結構単純なんですね・・・・・・
予想通りキョンくんにはおかまいなしにズカズカとやってきていますね!!
今しかない!!
ガシッ
わたしはキョンくんの手を掴んだ
その瞬間キョンくんが驚きの声をあげたけどわたしは口元に手をやって静かにするように促した
そしてキョンくんを物陰に引っ張っていった
それと同時に隠れていたキョンくんが涼宮さんのところへやってくるのを目の端で確認した

174: 2010/01/31(日) 14:46:27.17 ID:RCHnwY6f0
=隠れているキョン=
ふぅ~こうして隠れているのも落ち着かないな
今日は家族連れが多い
そんな中男1人で水族館の物陰に隠れているなんて・・・・・・
何やらじろじろ見られるが気にしてはだめだ
と、その時

「わ~、何この魚!!見てみて!!すっごい不思議!!」

え?あの~朝比奈さん?・・・・・・ですよね?
一体何を?
ものすごく注目されてますよ?
・・・・・・お?
ハルヒが来た!
なるほど
朝比奈さんにしては中々いい策を練ったもんだ
しかしあいつも結構バカなんだな・・・・・・
しっかりと俺を置いてズカズカと歩いてきている
その隙に朝比奈さんが俺の手を掴んで物陰へと隠れていった
過去の俺に俺を発見したような素振りはないし、大丈夫だろう
出るなら今しかない!
「何があったんだ?ハルヒ」

178: 2010/01/31(日) 15:01:27.10 ID:RCHnwY6f0
=過去キョン=
しかし、ハルヒがこうも不機嫌だと何をしゃべっていいのかも分からないな・・・・・・
せっかく目の前にこんなに綺麗な熱帯魚が泳いでいるというのに気のきいた一言もでてきやしない・・・・・・
全く何やってんだ?俺は
こんな日に遅刻なんてしたら怒るに決まっているだろうが
昨日夜遅くまで長門に借りた本を読んでいたせいか・・・・・・

ハルヒ「ねぇ、キョン?あんた進路どうs」

「わ~、何この魚!!見てみて!!すっごい不思議!!」

ハルヒ「・・・・・・ん!?何か不思議がありそうな予感ね!?」

ハルヒ「キョン!!行ってみるわよ!!」

おい!
ちょっと待てハルヒ!!
しかし・・・・・・?
なんかどこかで聞いたことのあるような声だったな・・・・・・
誰だ??
それより今はハルヒを追いかけないと
待てよハルヒ
その時俺は誰かに腕を掴まれた
あまりに突然だったもので思わず声をあげてしまった
誰なのだろう・・・・・・?
って、朝比奈さん!?
な、何してるn・・・・・・そこで俺は朝比奈さんの可愛らしい人差し指によって話すのを中断させられた
一体何が起こっているんだ?

180: 2010/01/31(日) 15:06:15.80 ID:RCHnwY6f0
=みくる=
このへんでいいかな・・・・・・
わたしはキョンくんをつれてその場を少し離れた
涼宮さんはあっちのキョンくんが足止めしておいてくれているだろう
キョンくん・・・・・・

キョン「はい?」

しっかり聞いてくださいね?

キョン「ええ」

今日、涼宮さんに進路の話はされてませんよね?

キョン「ええ、してないです」

よかったぁ・・・・・・
それならこれからわたしの指示通りに動いていただけますか?

キョン「いったい何が起こってるんですか?」

そこでわたしは何故過去のキョンくんがこのような状態に置かれているのかを簡単に説明した

182: 2010/01/31(日) 15:11:05.34 ID:RCHnwY6f0
キョン「ようするに未来の危機ってことですよね?」

そういうことです

キョン「で?俺は一体何をすれば?」

涼宮さんと進路の話をしてください

キョン「それだけでいいんですか?」

そこで自分は涼宮さんと絶対に同じ大学に受かりたいという思いを真剣に涼宮さんに伝えていただけませんか?

キョン「え?でもそうしたら・・・・・・」

はい、キョンくんには涼宮さんと同じ大学に進学してもらいます

キョン「そ、そんな急に言われても・・・・・・」

すいません
勝手なのはわかってます
でもそうしないとこれからの未来が無くなってしまうんです
どうかお願いできませんか?キョンくん

183: 2010/01/31(日) 15:17:27.63 ID:RCHnwY6f0
=過去キョン=
未来が危機・・・・・・
それを救うためには俺がハルヒと同じ大学に進学しなければならないだと?
急にそんなことを言われたって・・・・・・
俺の人生がかかっているようなもんじゃないか
・・・・・・
でもこの朝比奈さんは高校に通っている朝比奈さんより明らかに大人だ
ということは未来からやってきているのも本当ということになる
それに、朝比奈さんにそんな顔をしてお願いされると断る方が難しいってもんだ

「・・・・・・ええ、わかりました」

みくる「本当ですか!?」

はい、やると言った以上、真剣にやってみます
その後のことは今は置いといて、とりあえずハルヒに同じ大学に進みたいと伝えてみます

みくる「よかったですぅ!ありがとうございます」

いえいえ
未来の自分にも影響することですから
しかしもし大学に行くと決まったら俺は明日からでも猛勉強をしなければならないな・・・・・・
まぁ、仕方ない、か
ハルヒと同じ大学に行くことは正直俺の中でも全く嫌なことではないしな
むしろそうすることができるのならしたいくらいだ

みくる「それならさっきの場所へ戻りましょう!」

はい、わかりました

185: 2010/01/31(日) 15:22:22.97 ID:RCHnwY6f0
=ハルヒ×未来キョン=
ハルヒ「ダメね・・・・・・別に不思議でもなんでもないただの魚よ」

そうか・・・・・・
それは残念だ
ところでハルヒ

ハルヒ「何?」

今日は遅刻してすまなかった

ハルヒ「またその話?もういいわよ、怒ってないわ!!」

ああ、ありがとう
しかしやはりしっかりと謝っておきたかったんでな

ハルヒ「あんた広場でこれでもかというくらい謝ってきたじゃないの」

あ、ああ、そうなんだが・・・・・・
(俺はそんなに謝っていたのか)
まだ足りない気がしてな

ハルヒ「何よそれ・・・・・・ま、いいわ!!大体もうとっくに許してるし」

187: 2010/01/31(日) 15:28:52.05 ID:RCHnwY6f0
そうか、それはよかった

ハルヒ「ところで、キョン・・・・・・」

どうした?
そんなに不安そうな顔をして

ハルヒ「あんた・・・・・・進r」

まずい・・・・・・
いててててててっ!

ハルヒ「な、何!?どうしたの!?キョン!!大丈夫!!」

すまん、ちょっと腹が・・・・・・
すぐに戻ってくるからそこで待っていてくれ・・・・・・

ハルヒ「え、ええ・・・・・早く帰ってきなさいよね!!」

俺は何してるんだ・・・・・・
もっと他の手があっただろう・・・・・・
しかしどっちみち俺はあの場を離れて過去の俺と入れ替わらなければならないんだったな
そう考えると逆に好都合か

188: 2010/01/31(日) 15:32:47.84 ID:RCHnwY6f0
後は俺は物陰に隠れて、朝比奈さんを待つとするか
と、そのとき、丁度計ったようなタイミングで朝比奈さんが現れた

みくる「うまくいきましたか?」

ええ、朝比奈さんは?

みくる「こっちも大丈夫だと思います」

みくる「あとは過去のキョンくんに任せましょう」

そうですね・・・・・・

=過去キョン=
朝比奈さんはこのままハルヒの前にでていけば大丈夫なはずだと言っていたな
よし・・・・・・

ハルヒ「あら、キョン、もう大丈夫なの?随分早いわね」

へぁ?
俺は情けない声をだしてしまった

ハルヒ「何よ?あんたお腹痛いんじゃなかったの?」

ん?あ、あぁ!
そうだそうだ!
もう大丈夫、この通りだ

ハルヒ「なんか変ね・・・・・・?ま、いいわ!!行きましょ!!」

189: 2010/01/31(日) 15:37:08.01 ID:RCHnwY6f0
どうなってるんだ?
俺が腹痛でこの場を離れたみたいな言い方だったな
というより俺と朝比奈さんが話をしている間、ハルヒはどうしていたのだろう?
まあ今はそれより朝比奈さんに言われたことをしっかりしなければ・・・・・・

ハルヒ「キョン・・・・・・」

ん?なんだ?

ハルヒ「あんた、進路どうするつもりなの・・・・・・?」

え?

ハルヒ「この間部室であたしと同じ大学に行きたくないって言ってたけど、それならどこにするつもり?」

まさかあっちから話をふってきてくれるとは
助かる
ここで言うことはもう決まっているからな

ハルヒ「そりゃ、キョンの人生はキョン自身が決めることだと思うし・・・・・・」

お前と同じ大学に行きたい

ハルヒ「・・・・・・え?」

190: 2010/01/31(日) 15:40:58.45 ID:RCHnwY6f0
お前と同じ大学に行きたいんだ、ハルヒ

ハルヒ「え!?でもあんたこの間・・・・・・」

あ~、すまん
あのときはどうも自分に正直になれなくてな
というか、冗談だと思ってしまったんだ、すまん

ハルヒ「そうだったの・・・・・・」

俺はお前と同じ大学に行って
お前と同じ時間を過ごしたい

ハルヒ「キョン・・・・・・」

そのためには必氏に勉強する
だから、・・・・・・だからお前も力を貸してくれるか?

ハルヒ「あ、当ったり前よ!!!!このあたしに任せなさい!!!!
    そうと決まればこんなとこさっさと帰って今から勉強よ!!!!」

191: 2010/01/31(日) 15:45:38.41 ID:RCHnwY6f0
え?ちょ、おい、ハルヒ!?
しかしハルヒの耳にはもう俺の言葉は届いていないようだった
今や物凄いスピードで俺の手を掴んで歩いている
しかしさきほどまでとは打って変わって本当に嬉しそうな顔をしているな、ハルヒ
こんなにいい顔をしているハルヒを見るのは久しぶりだな
それだけで俺のやる気はとても溢れてきた
よし、俺も自分に負けずに勉強をがんばるとするか・・・・・・!!

=未来キョン=
上手くやったみたいだな・・・・・・過去の俺

みくる「そうですね、安心しました」

はい

みくる「これでわたしも未来へ帰ることができそうです」

え?朝比奈さん帰ってしまうんですか!?

みくる「あ、い、い、いや!今のはなかったことにしておいてください!!」

そこで朝比奈さんはお決まりのポーズをとってあのセリフを言った

みくる「禁則事項です♪」

そして俺達は元の時間平面へ帰った

194: 2010/01/31(日) 16:01:15.45 ID:RCHnwY6f0
公園に着いた俺は朝比奈さんにお礼の言葉を述べた
すると朝比奈さんは「気にしなくていいですよ」とだけ言い、そこから消えてしまった
俺も今日は帰るとしよう
しかしその時俺の携帯が鳴った

「着信アリ:涼宮ハルヒ」

ハルヒか?
なんの用なのだろう

もしもし

ハルヒ「ちょっとあんたどこほっつき歩いてんの!?」

へ?

ハルヒ「へ?じゃないでしょ!!さっさとあたしの家に来なさい!!勉強するわよ!!」

そこで俺は理解した
あ、あぁ!分かってるよ、すぐに行くから待っていてくれ

ハルヒ「5秒で来なさい!!遅れたら罰金よ!!」

そういうハルヒの声はとても楽しそうだ
語尾に「ふふん♪」とでもつきそうなほどである
俺はこれから訪れてくる未来が明るいものでありますように、と願った
そんなことを考えながら、俺はハルヒの家へと向かった
勉強がんばるか・・・・・・!!

~終わり・後日談へ続く~

195: 2010/01/31(日) 16:03:24.91 ID:RCHnwY6f0
後日談

ふぅ・・・・・・
俺はいつになく緊張していた
情けないことに昨日は一睡もできなかった
今日は卒業式である
これまでの高校生活にピリオドをうつことになる
思えば色々なことがあったな
こうして思い出を辿っていると、どの思い出にもSOS団が深くかかわっている
俺はSOS団に感謝していた
もしそれが存在しなければ俺の高校生活は目も当てられない有様になっていたことだろう
泣かないようにしなければ・・・・・・
朝比奈さんは去年卒業した時、物凄い勢いで泣いていたからな
そんな朝比奈さんも、俺達が高校を卒業すると同時にやはり未来へ帰って行ってしまうらしい
寂しいものがある
古泉は地元の大学に進学を決定したようだ
長門はどうするのだろうか
まだハルヒの監視を続けるつもりなのか
あいつもハルヒの力さえ無くなってしまえば普通の生活を送ることができるだろうに
しかし、最近ハルヒの力が徐々に弱くなってきているらしい
このままいけばどうやら今日を境に完全に消滅すると言っていた
その影響か、監視もかなり緩くなってきていて、消滅と同時に無くなるそうだ

196: 2010/01/31(日) 16:05:39.67 ID:RCHnwY6f0
俺か?
俺はだな
何を隠そう、ハルヒと同じ大学に進学することが決定した
これもハルヒのおかげだろう
しかしハルヒは大学のレベルを当初より少し下げてくれたようだ
こればっかりは俺が不甲斐ないばかりに・・・・・・申し訳ないことをしたと思っている
しかしそんな俺をハルヒは全く責めていなかった
それよりこれから訪れる大学生活に目を輝かせていた
もちろん俺も楽しみだ
なんせあのハルヒと4年間過ごすことになるんだ
どれだけ充実した日々が待ち受けているのか、想像すると楽しみで仕方がない
しかし、その前に俺には絶対にやっておかなければならないことがあった
というか今俺が緊張しているのも、それの所為なのであるが・・・・・・

そして俺は部室の扉をゆっくりと開けた
中を見渡すと、・・・・・・よかった
そこには団長席に座っているハルヒがいた
いつもの黄色いリボンをつけている
卒業式だというのに許可されたのだろうか
しかしハルヒはそんなこと気にするやつではなかったな

ハルヒ「で?は、話って何よ?」

心なしかハルヒも緊張しているように見えた
そう、俺は高校生活と比例して、自分の中にあるハルヒの気持ちにどんどん気づいていった
こんな俺に熱心に勉強を教えてくれ、合格をすると自分のことのように喜んでくれたハルヒ
というかあの水族館の日の時点で俺は気がついていたのかもしれないな
そして今日、この気持ちをハルヒに伝えることにした

197: 2010/01/31(日) 16:07:09.39 ID:RCHnwY6f0
「その、あ~、・・・・・・あれだ」
情けない・・・・・・

ハルヒ「な、何?早く言ってよね!!」

「す、すまん、どうも緊張してしまって」

ハルヒ「あ、あたしだってしてるわよ!!」

「・・・・・・言うぞ?いいか?」

ハルヒ「え、えぇ!!早くしてちょうだい!!」

「ハルヒ・・・・・・」

ハルヒ「・・・・・・・・・・・・」











「俺はお前のことが好きだ、付き合ってくれ!!」

~終わり~

198: 2010/01/31(日) 16:08:47.34 ID:RCHnwY6f0
やっと終わった腰痛い眠い・・・・・・
矛盾点とかわからないところとかあったら聞いてください
できるだけ答えます
レスありがとうございました
励みになりました

216: 2010/01/31(日) 16:45:59.43 ID:RCHnwY6f0
>>215
確かに自分にわかりやすく説明するように書かないと他の人にも伝わらないな
アドバイスありがとう
最近ハルヒSSばかり書いてるので次もがんばります

引用: キョン「ハルヒが二人だと?」